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レシップホールディングス(7213)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 輸送機器事業
    バスや鉄道向けの運賃箱、ICカードシステム、LED表示器、車載用液晶表示器などを製造・販売しています。これらの機器は、乗務員の負担軽減や乗客の利便性向上に貢献し、運賃データの収集・分析を通じて運行の効率化もサポートしています。路線バス運行支援ユニットLIVUのようなプラットフォーム型ユニットも提供し、GPSを活用した自動案内放送や運賃表示の自動更新など、バス事業者の運行管理を大幅に向上させるソリューションを展開しています。この事業は、公共交通機関のインフラを支える重要な役割を担っており、安定した収益源となっています。
  • 産業機器事業
    バッテリー式フォークリフト用充電器や屋外用無停電電源装置といった電源ソリューションを提供しています。環境意識の高まりからバッテリー式フォークリフトの需要が増加しており、国内主要メーカーへの納入実績があります。また、EMS(電子機器製造受託サービス)として、自動車用電装品や電子機器向けのプリント基板実装も手掛けています。高密度実装ラインや鉛フリーはんだ対応など、技術力と環境配慮を両立させ、多様なニーズに応えています。この事業は、環境対応や高機能化が進む産業分野で安定した需要を見込んでいます。
  • その他の事業
    主に不動産賃貸による収益を得ています。レシップホールディングスが保有する土地や建物を外部の顧客に賃貸することで、安定した賃料収入を確保しています。これは、本業である輸送機器事業や産業機器事業とは異なる性質の事業であり、ポートフォリオの一部として収益の多様化に貢献しています。デジタルサイネージの運営管理を行う非連結子会社もありますが、主な収益源は不動産賃貸です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 輸送機器事業
    バスや鉄道向けの運賃箱、ICカードシステム、LED行先表示器、車載用液晶表示器、運行支援ユニット、列車用ワンマン機器、自動車用照明灯具などを製造・販売しています。この事業は、公共交通機関の運行を支えるシステム機器と照明機器が主力であり、当連結会計年度の売上高は216.89742億円、営業利益は34.18095億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。国内のバス・鉄道市場で高いシェアを持ち、安定した事業基盤を築いています。
  • 産業機器事業
    バッテリー式フォークリフト用充電器や屋外用無停電電源装置などの電源ソリューションと、プリント基板の実装を中心とするEMS(電子機器製造受託サービス)を提供しています。環境意識の高まりからバッテリー式フォークリフトの需要が増加しており、EMSでは自動車用電装品や電子機器向けの基板実装を手掛けています。当連結会計年度の売上高は42.04822億円、営業利益は1.52914億円であり、輸送機器事業に次ぐ規模で、技術力を活かした事業展開をしています。
  • その他の事業
    主に不動産賃貸による収益を得ています。レシップホールディングスが保有する土地や建物を外部顧客に賃貸することで、安定した賃料収入を確保しています。この事業は、本業とは異なる性質の収益源であり、グループ全体の収益の多様化に貢献しています。具体的な売上高や営業利益の記載はありませんが、安定的な収益基盤の一部を形成していると考えられます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TransportEquipmentOperationsReportableSegment 事業 217 34 15.8%
IndustrialEquipmentOperationsReportableSegment 地域 42 2 3.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,331 文字
3 【事業の内容】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、当社(レシップホールディングス株式会社)及び関係会社(連結子会社7社及び非連結子会社1社)により構成されており、輸送機器事業、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)、その他の事業に分類される製品の製造・販売・保守を主たる事業としております。当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。なお、次の3部門は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報と同一の区分であります。 (1) 輸送機器事業当事業の主要製品はバス用運賃箱、ICカードシステム、LED式行先表示器、車載用液晶表示器OBC-VISION、路線バス運行支援ユニットLIVU(LECIP Intelligent Vehicle Unit)を中心としたバス市場向け製品、及び列車用ワンマン機器、列車用照明灯具を中心とした鉄道市場向け製品、並びに自動車用室内照明灯具、同荷室用照明灯具を中心とした自動車市場向け製品に分類されます。主な製品及び特徴は次のとおりであります。 ① バス・鉄道用システム機器(主な製品)自動循環式運賃箱・ICカードシステム・金庫精算システム(精算機・精算データ処理機器)・LED式行先表示器・車載用液晶表示器OBC-VISION・路線バス運行支援ユニットLIVU(LECIP Intelligent Vehicle Unit)、マルチ決済端末等 (特徴)・路線バスやワンマン運行の鉄道車両には、運賃箱やICカードシステムなどの運賃収受機器、LED式行先表示器・車載用液晶表示器OBC-VISIONなどの各種表示機器等多くのシステム機器が搭載されており、乗務員の業務軽減や乗客の利便性向上をサポートしております。・運賃収受機器から得られるデータは、メモリーカートリッジ又はメモリー内蔵金庫に記録され、バス会社・鉄道会社の営業所等に設置される金庫精算システムを使用して、運賃(硬貨・紙幣)の計数や各種データ(運賃収受データ、乗車人員・乗降動態データ、運行時間データなど)の収集・加工もでき、運行の効率化・合理化に貢献しております。・路線バス運行支援ユニットLIVU(LECIP Intelligent Vehicle Unit)は、必要なアプリケーションを追加するだけで、様々な機能の提供が可能となるプラットフォーム型のユニットです。具体的には、GPSを活用したバスの位置情報を基に、車内案内放送の自動化や、運賃表示器・運賃データの自動更新が可能となるほか、バスの運行に関するあらゆるデータの収集、一元管理、目的に応じたアウトプットも可能で、バス事業者様の運行管理を格段に向上させることができます。・当社は、これらシステムの提案から機器・ソフトの開発、製造・販売までを一貫して行っており、ワンマン運行をサポートするシステム機器をフルラインナップで提供しております。 ② 車載用照明機器(主な製品)バス・鉄道・トラック・乗用車用照明灯具 (特徴)・バス・鉄道・トラック・乗用車に搭載される室内用・荷室用照明機器の製造・販売を行っております。・輸送機器という振動や電圧変動、温度変化など過酷な条件下においても、常に安定した照明を保つ信頼性の高い設計・製造技術を保有しております。 (2) 産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)当事業の主要製品はバッテリー式フォークリフト用充電器や屋外用無停電電源装置などを展開する電源ソリューション事業、東海地方の自動車部品メーカー様などから注文を頂いておりますプリント基板の実装を中心とするEMS事業から構成されております。主な製品・業務及び特徴は次のとおりであります。 電源ソリューション市場① バッテリー式フォークリフト用充電器(特徴)・ここ数年、環境への意識の高まりから電気モーターで駆動する自動車が増加しつつありますが、フォークリフト業界においても、従来のエンジン式からバッテリーを電源として電気モーターで駆動するバッテリー式フォークリフトが増加しております。・当社は、バッテリー式フォークリフト用の充電器を製品化しており、国内の主要フォークリフトメーカーに納入しております。 ② 無停電電源装置(特徴)・無停電電源装置は、落雷や災害などによって停電が発生した際に電力のバックアップを行い、電気機器の停電トラブルを回避する装置であります。平常時は、商用電源により電力の供給を行うとともに、内蔵のバッテリーに充電を行い、停電が発生すると、バッテリーを電源として充電した電力の供給を行います。・当社の製品は、主に、ケーブルテレビや通信機器の基地局で採用されております。 EMS市場(特徴)・EMS(Electronics Manufacturing Service:電子機器の製造受託サービス)事業は、連結子会社のレシップ電子株式会社において行っており、プリント基板の実装を主な事業内容としております。・電子機器の小型化・高機能化、スペックの多様化に対応する高密度実装ラインを有し、主に自動車用電装品や電子機器向けプリント基板の実装を行っております。また、手挿入による小ロット生産も可能で、あらゆる基板に柔軟に対応しております。・最近では、鉛フリーはんだによる基板実装ラインを拡充しており、環境への対応にも力を入れております。 (3) その他当事業は、主として不動産賃貸に係る事業であります。レシップホールディングス株式会社が保有する土地・建物等の不動産を外部顧客に賃貸することにより収益を上げております。なお、当社及び関係会社の各セグメントとの関係及び位置付けは、当連結会計年度末におきまして次の事業系統図のとおりであります。 会社名持株比率セグメントとの関係レシップホールディングス株式会社(LHD)─主として不動産賃貸料収入を、その他の事業で計上しております。レシップ株式会社LHDが100.0%出資主に、輸送機器事業と産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)に係わる製品を製造・販売しております。レシップエンジニアリング株式会社LHDが100.0%出資レシップ(株)の委託により、製品の導入支援及び製品納入後の修理業務を行っております。レシップ電子株式会社LHDが100.0%出資EMS(Electronics Manufacturing Service)を中心として、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)に係わる製品の製造販売を行っております。LECIP INC.LHDが100.0%出資主に、米国での輸送機器事業に係わる製品の販売を行っております。LECIP ARCONTIA ABLHDが100.0%出資主に、輸送機器事業に係わる製品を製造販売しております。LECIP (SINGAPORE) PTE LTDLHDが100.0%出資シンガポールでのバス・鉄道用電装機器の販売を行っております。LECIP THAI CO., LTD.(注3)LHDが99.9%出資主に、ASEANでの輸送機器事業、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)に係わる製品の販売を行っております。レシップデジタルサイネージ株式会社(非連結子会社)LHDが100.0%出資デジタル・サイネージ(注1)の運営を管理しております。 (注)1.デジタル・サイネージ デジタル技術を活用し、平面ディスプレイやプロジェクタなどによって   映像や情報を表示する広告媒体。   2.当社の持株比率は、表示単位未満の端数を切り捨てて表示しております。   3.当社は2024年12月19日開催の取締役会において、LECIP THAI CO ., LTD. の解散及び清算を決定して     おります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
既存事業において多くのトップシェア製品を有しており、安定した販売基盤を確保。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
輸送機器という過酷な条件下で安定した照明を保つ信頼性の高い設計・製造技術を保有。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:公共事業投資の動向に影響を受ける可能性 / 業績の季節変動に関するリスク / 技術革新及び新規製品開発に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、明確な無形資産の優位性を示す情報は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

バス運賃収受システム「レピータ」やICカードシステムを提供していますが、顧客(バス事業者)が他社システムへ移行する際の技術的・運用的な手間やコストは一定程度存在する可能性があります。しかし、これが乗り換えを強く抑制するほどのスイッチング・コストとは断定できません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

提供するシステムは個々のバス事業者向けであり、ユーザーが増えることでシステム全体の価値が向上するようなネットワーク効果は発生しないと考えられます。プラットフォームとしての広がりは見られません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の事業で培われたノウハウや効率化は存在する可能性がありますが、競合他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を持つという情報は確認できません。量産効果や独自の生産プロセスによるコスト削減の度合いは不明です。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

バス運賃収受システムやICカードシステム分野において、一定のシェアと実績を有していると考えられます。しかし、国内市場全体における寡占度や、業界規模に対して最適化された規模であるかは判断が難しく、限定的な規模の経済性にとどまる可能性があります。

  • 公共交通インフラにおける高いシェアと信頼性
    レシップホールディングスは、バスや鉄道向けの運賃箱、ICカードシステム、LED表示器など、公共交通機関の運行に不可欠なシステム機器において、国内で高いシェアと実績を誇っています。長年にわたる実績と技術力により、過酷な条件下でも安定稼働する信頼性の高い製品を提供しており、これが顧客からの厚い信頼につながっています。公共交通事業者の設備投資は長期的な視点で行われるため、一度導入されると継続的な取引が期待でき、安定した事業基盤を築いています。
  • ワンストップソリューション提供能力
    バス・鉄道用システム機器において、システムの提案から機器・ソフトウェアの開発、製造、販売、さらには導入支援や保守までを一貫して提供できる体制を確立しています。これにより、顧客は複数のベンダーと交渉する手間が省け、レシップホールディングスに任せることで効率的にシステムを導入・運用できます。特に、ワンマン運行をサポートするシステム機器をフルラインナップで提供できる点は、他社との差別化要因となり、顧客の多様なニーズに柔軟に対応できる強みとなっています。
  • 高度な電源技術と環境対応力
    産業機器事業では、バッテリー式フォークリフト用充電器や無停電電源装置など、電力変換技術をベースとした製品を提供しています。特にバッテリー式フォークリフト用充電器は、環境意識の高まりとともに需要が増加しており、国内主要メーカーへの納入実績があります。また、EMS事業では、電子機器の小型化・高機能化に対応する高密度実装ラインや、環境に配慮した鉛フリーはんだによる基板実装ラインを拡充しており、技術力と環境対応力を両立させています。これにより、変化する市場ニーズに迅速に対応し、競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。〔経営の基本方針〕当社グループでは経営理念の下、2021年4月より、2030年に当社グループのありたい姿として、長期ビジョン「VISION2030」を策定しました。 〔経営環境〕当社グループでは、これまでニッチトップ戦略のもと、国内市場においてバス・鉄道用のワンマン機器や、車載用照明灯具、フォークリフト用充電器など多くの製品分野でトップシェアを獲得し、確かな事業基盤を構築してまいりました。一方、当社グループをとりまく経営環境は、少子高齢化や労働力不足問題に加え、コロナ禍以降の価値観や生活様式の変化など、目まぐるしく変化しています。また、当社グループの主要事業である輸送機器事業、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)につきましても、MaaS、キャッシュレス、自動運転、脱炭素社会等の実現に向け、日々新しい技術やサービスが生まれ、進化しています。 〔経営戦略〕こうした変化の激しい社会に対し、これからも社会から求められる企業であり続けるために、長期ビジョン実現に向けた成長の柱として、以下の3つを戦略として掲げています。 ① モノ+コトへの事業構造の変革事業構造を「モノ+コト」即ち、ハードウェア中心の事業構造から、ハードを軸にソフトウェアやサービスを組み合わせたより付加価値の高い事業への変革を進めます。 ② エネルギーマネジメントシステム事業の育成産業機器事業をエネルギーマネジメントシステム事業と再定義して、これまで培ってきた電力変換や情報処理に係る技術を活用し、新たな成長ドライバーとして育成することで、今後、更なる市場拡大が期待される再生可能エネルギーやスマートシティなどのビジネス領域での開拓を進めます。 ③ 海外市場における事業拡大国内市場だけでなく、経済成長が続くグローバル市場でのビジネス拡大が不可欠であると考えています。人口増加に伴うインフラ整備を目的とし、公共交通に関する投資拡大が見込める北米・ASEAN市場を中心とする海外市場への積極的な投資を進めます。 これらの戦略と、これまで当社が培ってきた強みである、バス用電装機器のトータルサプライヤーとしての総合力、インバータ技術をベースとした電力変換技術、ニッチトップシェア戦略により獲得した多くのトップシェア製品を持つという営業基盤を掛け合わせることで、長期ビジョンの実現を目指します。 〔中期経営計画 RT2026(Reach our Target 2026)〕中期経営計画は、長期ビジョン「VISION2030」の実現に向けたアクションプランとして、2021年度から2030年度までの10年間を、3つのフェーズに分けて取り組みを行います。2024年4月からスタートした3か年の中期経営計画「RT2026(Reach our Target 2026)」は、2030年度において、確実に「モノ+コトへの事業構造の変革」を成し遂げるため、育成分野の成長と既存事業の収益性向上により、事業構造の変革を進める期間として位置づけています。戦略は大きく二つ、事業構造の変革に向けた基本戦略と、それを支える全社戦略です。これらの戦略に基づき、持続的に成長できる事業構造への変革を目指します。 具体的には、海外事業の確立においては、人口減少により縮小が予想される国内市場に対し、今後も成長が期待できる海外、とりわけ人口増加により公共交通需要が高まる米国市場を中心にて、海外事業の確立を目指します。米国では、前中計期間中に、大型案件の受注を獲得することができ、2026年3月期の売上計上を予定しています。その次となる案件の獲得継続と、米国向け製品ラインナップの拡充による売上増加により、海外売上比率の向上を目指します。新規領域の拡大においては、これまでの事業での製品や販路を活かし、周辺市場への参入や新サービスの投入を推進します。例えば、バス・鉄道事業者様と関係の深い観光市場での新たなサービスの展開や、バス市場での車両データを活用したソリューション提案など、事業領域の拡大に取り組みます。収益性・効率性の追求では、主に既存事業にて、製品のラインナップ拡充・価値向上・コストダウンを進め、お客様に満足していただいた結果としてのシェア拡大ができるよう、各市場における顧客ニーズに誠実に向き合い、売上の積み上げに取り組んでまいります。これからも持続的な成長を続け企業価値を向上させるために、育成分野(海外事業・新規領域)の成長と既存事業での売上・利益の追求に取り組むという基本戦略に基づき、積極的なチャレンジや事業ポートフォリオの変革を進めます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。〔経営の基本方針〕当社グループでは経営理念の下、2021年4月より、2030年に当社グループのありたい姿として、長期ビジョン「VISION2030」を策定しました。 〔経営環境〕当社グループでは、これまでニッチトップ戦略のもと、国内市場においてバス・鉄道用のワンマン機器や、車載用照明灯具、フォークリフト用充電器など多くの製品分野でトップシェアを獲得し、確かな事業基盤を構築してまいりました。一方、当社グループをとりまく経営環境は、少子高齢化や労働力不足問題に加え、コロナ禍以降の価値観や生活様式の変化など、目まぐるしく変化しています。また、当社グループの主要事業である輸送機器事業、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)につきましても、MaaS、キャッシュレス、自動運転、脱炭素社会等の実現に向け、日々新しい技術やサービスが生まれ、進化しています。 〔経営戦略〕こうした変化の激しい社会に対し、これからも社会から求められる企業であり続けるために、長期ビジョン実現に向けた成長の柱として、以下の3つを戦略として掲げています。 ① モノ+コトへの事業構造の変革事業構造を「モノ+コト」即ち、ハードウェア中心の事業構造から、ハードを軸にソフトウェアやサービスを組み合わせたより付加価値の高い事業への変革を進めます。 ② エネルギーマネジメントシステム事業の育成産業機器事業をエネルギーマネジメントシステム事業と再定義して、これまで培ってきた電力変換や情報処理に係る技術を活用し、新たな成長ドライバーとして育成することで、今後、更なる市場拡大が期待される再生可能エネルギーやスマートシティなどのビジネス領域での開拓を進めます。 ③ 海外市場における事業拡大国内市場だけでなく、経済成長が続くグローバル市場でのビジネス拡大が不可欠であると考えています。人口増加に伴うインフラ整備を目的とし、公共交通に関する投資拡大が見込める北米・ASEAN市場を中心とする海外市場への積極的な投資を進めます。 これらの戦略と、これまで当社が培ってきた強みである、バス用電装機器のトータルサプライヤーとしての総合力、インバータ技術をベースとした電力変換技術、ニッチトップシェア戦略により獲得した多くのトップシェア製品を持つという営業基盤を掛け合わせることで、長期ビジョンの実現を目指します。 〔中期経営計画 RT2026(Reach our Target 2026)〕中期経営計画は、長期ビジョン「VISION2030」の実現に向けたアクションプランとして、2021年度から2030年度までの10年間を、3つのフェーズに分けて取り組みを行います。2024年4月からスタートした3か年の中期経営計画「RT2026(Reach our Target 2026)」は、2030年度において、確実に「モノ+コトへの事業構造の変革」を成し遂げるため、育成分野の成長と既存事業の収益性向上により、事業構造の変革を進める期間として位置づけています。戦略は大きく二つ、事業構造の変革に向けた基本戦略と、それを支える全社戦略です。これらの戦略に基づき、持続的に成長できる事業構造への変革を目指します。 具体的には、海外事業の確立においては、人口減少により縮小が予想される国内市場に対し、今後も成長が期待できる海外、とりわけ人口増加により公共交通需要が高まる米国市場を中心にて、海外事業の確立を目指します。米国では、前中計期間中に、大型案件の受注を獲得することができ、2026年3月期の売上計上を予定しています。その次となる案件の獲得継続と、米国向け製品ラインナップの拡充による売上増加により、海外売上比率の向上を目指します。新規領域の拡大においては、これまでの事業での製品や販路を活かし、周辺市場への参入や新サービスの投入を推進します。例えば、バス・鉄道事業者様と関係の深い観光市場での新たなサービスの展開や、バス市場での車両データを活用したソリューション提案など、事業領域の拡大に取り組みます。収益性・効率性の追求では、主に既存事業にて、製品のラインナップ拡充・価値向上・コストダウンを進め、お客様に満足していただいた結果としてのシェア拡大ができるよう、各市場における顧客ニーズに誠実に向き合い、売上の積み上げに取り組んでまいります。これからも持続的な成長を続け企業価値を向上させるために、育成分野(海外事業・新規領域)の成長と既存事業での売上・利益の追求に取り組むという基本戦略に基づき、積極的なチャレンジや事業ポートフォリオの変革を進めます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金の上昇や企業の設備投資意欲の高まり、訪日外国人観光客数の増加によるインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、物価上昇圧力や地政学的リスク、米国の通商政策など外部環境の不確実性が依然として残り、先行きには慎重な見通しが求められる状況となっております。当社グループを取り巻く経営環境においては、主要取引先であるバス・鉄道業界における輸送量の回復に伴い、設備投資意欲が引き続き高まっています。また、企業のデジタル化や生産性向上への投資意欲も依然として強く、これらが当社グループの事業機会拡大につながっています。一方で、原材料価格の高騰や人手不足に起因する人件費の増加など、コスト面での課題も顕在化しています。このような状況下、当社グループでは材料調達の最適化やコスト削減施策の実施、適正な価格交渉の推進などを通じて、収益性の維持・向上に向けた取り組みを積極的に進めております。このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2021年4月よりスタートいたしました長期ビジョン「VISION2030」と、長期ビジョンの実現に向けたアクションプランとして、2021年度から2030年度までの10年間を3つのフェーズに分けた中期経営計画を策定し、取り組みを行っています。2024年4月からは、中期経営計画「RT2026(Reach our Target 2026)」について、取り組みを進めております。中期経営計画「RT2026」の戦略は大きく2つ、事業構造の変革に向けた基本戦略と、それを支える全社戦略です。これらの戦略に基づき、持続的に成長できる事業構造への変革を目指します。基本戦略は、①「海外事業の確立」、②「新規領域の拡大」、③「収益性・効率性の追求」、全社戦略は、④「経営効率の向上」、⑤「新たな企業文化の醸成」とし、5つの課題に向けた取り組みに注力しております。 (1) 経営成績の状況当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。 2024年3月期2025年3月期前期比増減額前期比増減率売上高226億84百万円259億31百万円32億47百万円14.3%売上総利益78億64百万円86億31百万円7億67百万円9.8%営業損益31億64百万円35億31百万円3億67百万円11.6%経常損益35億57百万円34億83百万円▲74百万円▲2.1%親会社株主に帰属する当期純損益24億16百万円22億55百万円▲1億61百万円▲6.7% ① 全般概況〇売上高は、前期比32億47百万円(14.3%)増の259億31百万円となりました。これは主に、輸送機器事業のバス市場において事業者の設備投資意欲の回復、新紙幣関連売上増加に伴い大幅に増収となったことによるものです。 〇売上総利益は、前期比7億67百万円(9.8%)増の86億31百万円となりました。これは主に、増収によるものであります。 〇営業損益は、前期比3億67百万円(11.6%)増の35億31百万円となりました。なお、販売費及び一般管理費につきましては、人件費、事務用経費の増加により、前期比3億99百万円増の50億99百万円となりました。 〇経常損益は、前期比74百万円(▲2.1%)減の34億83百万円となりました。なお、営業外収益につきましては、主に為替差益の減少等により前期比2億79百万円(64.8%)減の1億52百万円となりました。また、営業外費用につきましては、損害賠償金、為替差損の計上により、前期比1億62百万円(428.3%)増の、2億円となりました。 〇親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比1億61百万円(▲6.7%)減の22億55百万円となりました。なお、特別損失につきましては、子会社清算損失引当金の計上等により、前期比67百万円(416.8%)増の83百万円となりました。 ② セグメント別の状況セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、前連結会計年度においてエコ照明・高電圧ソリューション市場に含めていた収益は、前連結会計年度に行った高電圧変圧器事業の譲渡に伴い、産業機器事業における重要性が小さくなったため、当連結会計年度においては、経営管理上の区分を変更し、電源ソリューション市場に含めて表示しており、この表示方法の変更を反映した組替え後の数値で増減分析を行っております。 [輸送機器事業]当事業の売上高は216億89百万円(前期比35億93百万円増、19.9%増)、営業利益は34億18百万円(前期比6億33百万円増、22.7%増)となりました。市場別の売上高は、バス市場が163億95百万円(前期比25億25百万円増、18.2%増)、鉄道市場が42億59百万円(前期比11億46百万円増、36.8%増)、自動車市場が10億34百万円(前期比78百万円減、7.1%減)となりました。バス市場は、事業者様の設備投資意欲の高まりを背景にカラーLED式行先表示器、車載情報表示システム(OBC-VISION)や路線バス運行支援ユニット(LIVU)などの売上が増加しました。これに加え、新紙幣発行に伴う運賃箱の入替、改造・ソフト改修なども前期に引き続き増加しました。鉄道市場は、ニューヨーク市地下鉄車両用灯具の納入が順調に進んだことに伴い、増収となりました。自動車市場は、主要顧客における製品のモデルチェンジに伴い、当社製品の採用が減少したことにより、減収となりました。損益面につきましては、増収により、増益となりました。 [産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)]当事業の売上高は42億4百万円(前期比3億46百万円減、7.6%減)、営業利益は1億52百万円(前期比2億83百万円減、64.9%減)となりました。市場別の売上高は、電源ソリューション市場が31億78百万円(前期比3億76百万円減、10.6%減)、EMS市場が10億26百万円(前期比29百万円増、3.0%増)となりました。電源ソリューション市場につきましては、物流市場の活況や電動化の気運によるフォークリフトの安定的な需要により、バッテリー式フォークリフト用充電器の販売が堅調に推移した一方、2024年3月に事業譲渡が完了した高電圧変圧器事業に関する売上(燃焼器具用変圧器等)が減少し、減収となりました。EMS市場につきましては、自動車向け基板実装売上が増加し、増収となりました。損益面につきましては、減収により減益となりました。 [その他]当事業の売上高は37百万円、営業利益は6百万円となりました。事業の内容は、主としてレシップホールディングス株式会社による不動産賃貸業であります。 (2) 財政状態の状況資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の総資産は204億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億54百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が8億90百万円、受取手形が4億30百万円減少した一方、商品及び製品が8億71百万円、建物及び構築物(純額)が7億91百万円増加したこと等によるものです。負債は103億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億64百万円減少いたしました。主な要因は、前受金が14億96百万円増加した一方、未払法人税等が14億85百万円、短期借入金が11億円、支払手形及び買掛金が6億93百万円、電子記録債務が4億39百万円減少したこと等によるものです。純資産は101億円となり、前連結会計年度末に比べ32億18百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金が21億37百万円、資本金が5億27百万円、資本剰余金が5億20百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の34.5%から49.5%となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ8億90百万円減少し、20億73百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前期は23億36百万円の収入に対し、11億83百万円の収入となりました。これは主に、案件の売上計上に伴い売上債権の回収が進んだことや棚卸資産の増加幅が減少したこと、海外のAFC案件に関連する前受金が増加したこと、仕入債務の支払が減少した一方、法人税等の支払いが増加したこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前期は1億5百万円の支出に対し、15億56百万円の支出となりました。これは主に、子会社のレシップ電子株式会社の新工場建設に伴い、有形固定資産の取得による支出が増加したことや、前年にあった事業譲渡による収入がなくなったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前期は24億80百万円の支出に対し、5億43百万円の支出となりました。これは主に、株式の発行による収入があったこと、短期借入金の返済額が減少したことによるものであります。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)32.533.031.634.549.5時価ベースの自己資本比率(%)49.950.544.943.235.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)―196.5―133.0150.3インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)―81.3―78.646.4 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。(注5)2021年3月期及び2023年3月期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。 (4) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)輸送機器事業12,072,560130.0産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)3,311,32295.8合計15,383,882120.7 (注)1 金額は、製造原価によっております。  2 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。主な要因は    国内において新紙幣関連需要に関連した案件の進捗が進んだことによるものです。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)輸送機器事業16,831,08759.39,799,96166.9産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)4,038,94098.4617,94478.8合計20,870,02764.210,417,90667.5 (注)1 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの受注実績に著しい変動がありました。主な要因は    新紙幣関連需要が一巡したことによります。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)輸送機器事業21,689,742119.9内 バス市場向け16,395,492118.2内 鉄道市場向け4,259,389136.8内 自動車市場向け1,034,86092.9産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)4,204,82292.4その他37,328100.0合計25,931,893114.3 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績の状況」に記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループにおきましては、原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金のほか、製品の競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資等に主たる資金需要が生じます。当社グループは、これらの資金需要に対して営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金並びに金融機関からの借入により充当しております。なお、営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金及び設備等に充当するほか、継続的かつ安定的な株主還元に努めてまいりたいと考えております。金融機関からの借入につきましては取引先金融機関と当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。また、国内連結会社につきましては、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、国内連結子会社の余剰資金を連結親会社に集中させることにより、当社グループの資金効率化を図ると共に、国内連結子会社の資金業務を連結親会社に集中させることにより業務効率化を図っております。

事業リスク

  • 公共事業投資への依存と特需の変動
    輸送機器事業は、公共交通事業者(バス・鉄道会社)の設備投資や国・地方公共団体からの補助金に大きく影響されます。大規模災害や感染症による輸送人員減少が続くと、設備投資の抑制や先送りが生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新紙幣・新硬貨の発行や消費税率改定に伴う機器改修などの特需の有無によっても、業績が大きく変動するリスクがあります。
  • 技術革新と市場ニーズの変化への対応
    MaaS(サービスとしてのモビリティ)、キャッシュレス化、自動運転、5Gといった新たな技術やサービスが急速に進化しており、事業環境が大きく変化しています。新製品や新サービスの開発に時間を要したり、市場ニーズに合致しない開発になった場合、競争力を失い、業績や事業の成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。常に市場の変化を捉え、迅速な技術開発が求められます。
  • 海外事業展開におけるリスク
    米国、シンガポール、タイ、スウェーデンに現地法人を設け、海外事業の拡大を目指していますが、各国の予期せぬ法律・規制改正、テロ・戦争・感染症などの社会的混乱、為替レートの急激な変動といったリスクが存在します。これらの事象が顕在化した場合、海外での事業活動が困難になったり、収益性が悪化したりする可能性があり、業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,888 文字
3 【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、リスク発生の回避及びリスク発生時の軽減に最大限努めております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当社グループの事業内容に関するリスク(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループで最も売上が大きい輸送機器事業においては、公共交通事業者様(バス事業者様、鉄道事業者様)を主要販売先としております。そのため、事業者様の設備投資計画や国・地方公共団体からの補助金など公共事業投資の動向に影響を受ける可能性があります。そのため、大規模自然災害や感染症等が発生して公共交通機関の輸送人員の減少が続いた場合、事業者様の設備投資の抑制や先送りにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在の主力製品であるAFC(自動運賃収受機器)の導入及び更新案件の物件規模の大小や、新紙幣・新硬貨の発行に伴う機器の改修、消費税率改定に伴う運賃データの書き換えなどの特需の有無により、当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。 ② 業績の季節変動に関するリスク(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:大)当社グループの輸送機器事業の主要販売先である、国内のバス・鉄道業界においては毎年1~3月の第4四半期に設備機器の代替やダイヤ改正等の変更が集中する傾向にございます。そのため、第4四半期に納入を予定していた案件の納入が、様々な理由により翌期にずれ込んだ場合、業績が変動する可能性があります。 ③ 技術革新及び新規製品開発に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:中)当社グループでは、既存事業において多くのトップシェア製品を有しており、安定した販売基盤を確保しておりますが、近年、MaaSやキャッシュレス、自動運転、5Gなど、当社グループが関連する業界においても、新たな技術やサービスが次々と生まれるなか、事業環境の変化を認識しております。このような環境の変化は、長期的に当社グループの事業にも大きな影響を及ぼす可能性がある為、常に、市場ニーズの変化や技術革新の変化をいち早く掴み、新製品の開発や新サービスの導入に努めております。しかしながら、新製品や新サービスの開発に時間を要し、市場導入の時期が遅れた場合、また、市場ニーズに即した開発ができなかった場合は、当社グループの業績及び事業の成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 部材調達に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループにおいては、部材の調達を複数のサプライヤーから行うなど、安定調達を図っておりますが、サプライヤーの被災や事故、品質問題などの発生、市場の需給状況等による供給不足の発生など、適時に部材の確保ができない場合や部材価格が高騰した場合には、当社グループの生産活動の遅延、製品原価率の上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 製品の品質に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループが製造・販売を行っている製品は、バス・鉄道用運賃収受システム、表示器、照明灯具などの公共交通インフラをサポートする製品や、バッテリー式フォークリフト用充電器、無停電電源装置、屋外看板照明用LED電源などの電力変換技術をベースとした各種産業用電源機器を扱っており、高い信頼性と安全性が求められております。そのため、製品の品質管理体制を整備し、品質の確保と不具合発生の防止に万全を期しておりますが、万一、大規模な製品の不具合が発生した場合は、多額の改修費用や賠償費用の発生、更には信用の失墜等により、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 訴訟に関するリスク(顕在化する可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、国内外において事業活動を行ううえで、各国の関連する法律や規制の適用を受けており、法令遵守に努めております。国内外の事業活動の過程で予見される主な訴訟リスクとして、知的財産及び製造物責任などの問題で訴訟を提起される可能性があります。知的財産に関しては、新製品の開発や生産、販売活動を行う際に、第三者の知的財産権の調査を徹底し、権利侵害を行わないように努めております。しかしながら、当社グループが第三者から知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。また、製造物責任に関しては、製造物賠償責任保険を付保しておりますが、保険でカバーしきれない賠償責任を負うこととなった場合や、多額の対策費用が必要となった場合は、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外事業展開に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、米国、シンガポール、タイ、スウェーデンに現地法人を設け、主に、北米、東南アジア、欧州等で事業を展開しております。また、新中期経営計画「Reach our Target 2026」にて「海外事業の確立」を基本戦略として掲げ、海外売上高の拡大に努めておりますが、海外における事業展開には、各国の予期しない法律や規制の改正、テロ・戦争・感染症等の発生による社会的混乱、為替レートの急激な変化等のリスクがあり、これらの事象が顕在化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 固定資産の減損に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループでは、各事業への投資に対する回収が不可能になることを示す兆候を認識した場合には、将来キャッシュ・フローの算定等により減損の有無を判定しております。その結果、減損損失の計上が必要になることも考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 繰延税金資産の取崩しに関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、繰延税金資産について、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もったうえで回収可能性を判断し、計上しております。しかしながら、事業環境の変化等による将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の取崩しが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 災害に関するリスク(顕在化する可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、地震・台風・洪水等の自然災害等が発生した場合に備えて、リスクを評価し、事業継続計画を策定しております。しかしながら、事業継続計画の想定を超えた大規模な災害等により、事業活動の中断、生産設備の被害、交通遮断による製品輸送停止など、不測の事態が発生するリスクが考えられます。また、当社グループの部材調達先・外注先において災害が発生した場合も、生産活動の遅延等のリスクがあります。これらの予期せぬ事態の影響により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 感染症に係わるリスク(顕在化する可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループにおいては、感染症の発生や蔓延により、バス・鉄道事業者様の乗客が大幅に減少し業界全体の設備投資の先送りが生じた場合、輸送機器事業のバス市場向け製品や鉄道市場向け製品の売上が減少する可能性があります。同様に、自動車・トラックメーカー様、フォークリフトメーカー様等の一時的な操業停止や生産調整が生じた場合、輸送機器事業のトラック用照明灯具、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)のバッテリー式フォークリフト用充電器、自動車向けプリント基板実装等の売上が減少する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 情報管理に関するリスク(顕在化する可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループが保有する企業情報や個人情報については、個人情報取扱規定の整備や情報システムのセキュリティ強化等を実施して情報管理の徹底に努めておりますが、万一これらの情報が流出して問題が発生した場合は、社会的信頼の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は重要である為、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア等の障害、災害等による情報システムや情報通信ネットワークの機能不全が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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