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三菱自動車工業(7211)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 自動車の開発・生産・販売
    三菱自動車は、自社で自動車やその部品の研究開発、製造、そして販売までを一貫して行っています。特に開発は当社が中心となり、国内外の連結子会社や関連会社と協力して事業を展開しています。これにより、製品の企画から顧客の手元に届くまでを自社グループで管理し、品質と効率性を追求しています。
  • 金融事業による収益確保
    自動車の販売だけでなく、三菱自動車ファイナンス株式会社を通じて自動車のリース事業や販売金融(自動車ローンなど)も手掛けています。これは、顧客が自動車を購入しやすくするためのサポートであると同時に、金融サービスからも収益を得ることで、事業の多角化と安定化を図っています。
  • グローバルな事業展開とアライアンス
    日本国内では普通・小型乗用車や軽自動車を生産し、販売会社を通じて顧客に届けています。海外ではタイやインドネシアなどで生産・販売事業を展開し、世界中で三菱自動車の製品を提供しています。また、日産自動車との戦略的アライアンスにより、購買や車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担など、多岐にわたる協力関係を築き、競争力強化と効率化を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車事業の広範な展開
    自動車事業は、三菱自動車グループの主要な収益源であり、売上高2兆7499.92億円、営業利益1340.6億円を計上しています。この事業には、普通・小型乗用車、軽自動車、SUV、ピックアップトラック、電動車など多岐にわたる車種の開発、生産、販売が含まれます。国内では販売会社を通じて、海外ではタイやインドネシアなどの拠点で生産・販売を行い、グローバルに事業を展開しています。
  • 金融事業による収益貢献
    金融事業は、自動車事業を補完する重要な役割を担っており、売上高382.39億円、営業利益42.22億円を計上しています。三菱自動車ファイナンス株式会社が中心となり、自動車のリース事業や販売金融(自動車ローンなど)を提供しています。これにより、顧客の自動車購入を支援しつつ、金融サービスからも安定した収益を確保し、グループ全体の収益基盤を強化しています。
  • グローバルな事業構成と製品ラインナップ
    三菱自動車グループは、連結子会社34社、持分法適用関連会社17社で構成され、国内外で事業を展開しています。主要製品には、アウトランダーPHEVなどの電動車、RVR/アウトランダースポーツなどのSUV・ピックアップ、ミラージュなどの乗用車・ミニバン、そして軽自動車が含まれます。これらの製品は、国内外の多様な市場ニーズに対応し、地域ごとの特性に合わせた戦略で販売されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CarBusiness 地域 27,500 1,341 4.9%
FinancialBusiness 地域 382 42 11.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,167 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社 34社、持分法適用関連会社 17社(2025年3月31日現在)で構成されております。当社グループは自動車及びその部品の開発、生産、販売、金融事業を行っており、開発は当社が中心となって行っております。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のセグメント区分と同一であります。 自動車国内においては、普通・小型乗用車、軽自動車を当社が生産し、東日本三菱自動車販売株式会社や西日本三菱自動車販売株式会社等の当社製品販売会社が販売を行っております。このほか三菱自動車エンジニアリング株式会社が当社製品の開発の一部を、三菱自動車ロジテクノ株式会社が、当社純正部品等の販売、新車点検や整備及び部品などの物流業務等を行っております。海外においては、ミツビシ・モーターズ(タイランド)・カンパニー・リミテッド(タイ)等が生産及び販売事業、ピーティー・ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(インドネシア)等が生産事業を行っております。また、2016年5月に日産自動車株式会社との戦略的アライアンスを締結し、購買、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用等、及び成長市場を含む、複数の面で協力しております。 金融金融事業としては、三菱自動車ファイナンス株式会社が自動車のリース事業、販売金融等の事業を行っております。 以上述べた内容の系統図は次のとおりとなります。(主な会社のみ記載) (主要な製品)●:展開車種 商品名国内向海外向電動車アウトランダー(PHEV)●● エクリプス クロス(PHEV)●● エクスパンダー(HEV)-● エクスパンダー クロス(HEV)-● エクスフォース(HEV)-● ASX (PHEV/HEV) ※-● コルト(HEV) ※-● eKクロス EV●- ミニキャブ EV/L100 EV●●SUV・ピックアップRVR/アウトランダースポーツ/ASX●● ASX ※-● エクリプス クロス●● アウトランダー-● トライトン/L200●● パジェロスポーツ/モンテロスポーツ-● エクスフォース-●乗用車・ミニバンミラージュ/スペーススター-● アトラージュ/ミラージュG4-● デリカD:2 ※●- デリカD:5●- エクスパンダー-● エクスパンダー クロス-● コルト ※-●商用車コルト L300/L300-●軽自動車eKクロス●- eKワゴン●- eKスペース●- デリカミニ●- タウンボックス ※●- ミニキャブ トラック ※●- ミニキャブ バン ※●-(注)1. 下線のついた名称は、海外のみで使用されている名称2. ※のついた名称は、OEM受け車種

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社との競争が激しく、市場環境変化や法規制の影響を受けやすい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
電動化技術、AI技術等の進化を取り込んだ知能化、安全・安心技術の開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境変化の影響 / 部品・原材料調達の影響 / 製品の品質・安全性の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三菱ブランドは一定の知名度を持つが、過去の品質問題等でブランド価値は低下傾向。特許やIPは自動車業界全体で重要だが、同社特有の強力な無形資産は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車購入は高額なため、乗り換えには心理的・経済的コストがかかる。しかし、車種選択の自由度や競合他社の魅力的な製品により、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車製造・販売業において、ネットワーク効果は直接的には見られない。プラットフォーム共有等で間接的な効果はあり得るが、主要な競争優位とはなりにくい。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

グローバルな生産・調達網を持つが、他社も同様の体制を構築。規模の経済によるコスト優位性は存在するものの、構造的な圧倒的コスト優位性は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

世界有数の自動車メーカーであり、生産・販売規模は大きい。特にSUVやピックアップトラック分野での一定の地位を確立。ルノー・日産・三菱アライアンスによる規模の経済は大きい。

  • 電動車技術と多様な車種展開
    三菱自動車は、アウトランダーPHEVやエクリプス クロスPHEVなど、プラグインハイブリッド車(PHEV)を中心に電動車の開発・販売に注力しています。また、SUV、ピックアップトラック、乗用車、ミニバン、商用車、軽自動車と幅広い車種を展開しており、国内外の多様な市場ニーズに対応できる製品ラインナップを持っています。
  • グローバルな生産・販売ネットワーク
    タイやインドネシアなど、海外にも生産拠点を持ち、世界各国で自動車を生産・販売する体制を構築しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給や、効率的なサプライチェーンの構築が可能となり、国際的な競争力を維持しています。
  • 日産自動車との戦略的アライアンス
    2016年に日産自動車と戦略的アライアンスを締結し、購買の共同化、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用など、多岐にわたる協力関係を築いています。これにより、開発コストの削減や生産効率の向上、技術力の強化を図り、競争の激しい自動車業界での優位性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 足許の環境変化を踏まえた経営課題の認識と、今後の経営戦略の考え方は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と異なる可能性がありますので、ご留意ください。 自動車業界は、地球温暖化対策としての電動化に加え、AI技術等の進化を取り込み知能化が進むなど、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変わり、「100年に一度」の大変革の時代を迎えています。 当社グループは2023年3月に、2023年度から2025年度までの中期経営計画「Challenge 2025」を発表しました。「Challenge 2025」では、これまで行ってきた構造改革による強靭かつ機動的な経営体質を基盤とし、地域や国の独自性に適した事業の拡充を図り、全社的な「手取り改善活動」の継続により、安定的な収益基盤の確立に取り組みました。そのうえで、更なる成長と次の時代へのチャレンジを実現するため、研究開発費や設備投資を安定的に増加させることを計画いたしました。 一方、中期経営計画「Challenge 2025」の発表から2年が経過し、一部に当初想定していた事業環境からの変化が生じ、主要施策の進捗にも差異が出ています。 まず、電動車開発に関しては、昨年来、全世界的に電気自動車(バッテリーEV)の成長が踊り場に差し掛かり、より現実的な環境技術としてプラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車(HEV)が再評価されています。この環境変化を踏まえ、当面、自社製バッテリーEVの開発は見送り、バッテリーEVが必要な市場への対応については、主にパートナーとの協業による商品を活用、当社グループは優位性を持つプラグインハイブリッド車とハイブリッド車の開発に専念することにいたしました。 次に、アセアン地域での新商品連続投入による収益基盤の強化です。アセアン地域は中長期的には成長が期待できる当社グループの重点市場ですが、タイやインドネシアでは景気の冷え込みが継続、想定した市場成長からは大きく乖離した状況となっています。市場が好調なフィリピンや、力強い回復を見せるベトナムでは台数・シェアを大きく伸ばすことができましたが、アセアン全体としては中期経営計画で目論んだ台数・収益目標の達成に遅れが生じています。依然、本格的な景気回復には時間を要する状況と想定されますが、中期経営計画で準備してきた新商品の市場投入が2025年度も続くことから、これら新商品を梃に、アセアン地域の販売伸長を目指していきます。 「三菱自動車らしい」クルマの投入によるブランド力強化に関しては、近年、アセアンなどの新興市場を中心に、中国勢を含む多くの新規ブランドが参入し、競争が激化しています。そのため、従来以上にブランド力の強化が求められています。当社グループは、「三菱自動車らしさ」を具現化したモデルの投入を通じてブランド力を強化してきました。特にホームマーケットである日本では、『デリカミニ』や『トライトン』の投入を契機に、ブランド力が大きく向上し、マーケットシェアも着実に伸ばすことができました。この日本での成功事例を他国にも展開し、グローバルにブランド力を磨いていきます。 今後の商品投入については、クルマの知能化を含めクルマに対する要望が高度化することで、開発工数が増加し、中期経営計画で予定していた新型車の投入に一部遅れが生じましたが、引き続きアセアン戦略車の強化を継続いたします。そして、これら新型車をアセアンだけでなく、中南米・中東やオセアニア、日本へも展開拡大し、これら地域でも収益力向上を図ります。一方、欧米等のグローバルモデルについては、自社開発モデルに加え、様々なパートナーとの協業により、地域に応じたラインナップの強化・拡充を図ります。これにより、経済変動にも柔軟に対応できる強靭なグローバルポートフォリオを築いてまいります。 新事業形態へのチャレンジとしては、フィリピンにおいて新たに販売金融会社「ミツビシ・モーターズ・ファイナンス・フィリピンズ・インク」を設立いたしました。オーストラリアでは、自動車関連金融サービス会社大手の「FLEETPARTNERS GROUP LTD」に出資し、法人向け事業の拡大等、更なる販売台数及び収益拡大を目指します。日本でもスマート充電サービス事業など、新たな取組みを進めています。 資本コストや資本収益性を意識した経営への取組みについては、2024年11月に、資本効率の向上と株主還元の拡充を図ることを目的とし、自己株式の取得及びその一部の消却を実施しております。今後も、資本構造の最適化や株主還元の拡充を図り、企業価値の向上を目指します。 2025年度業績見通しにおいては、中期経営計画で目標とした一部指標を下回る見通しとなっておりますが、環境変化には柔軟に対応しつつも、これらの主要施策を着実に実行し、経営体質の更なる強化と将来に向けた成長の礎を築いてまいります。 今後も、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくります」という当社グループビジョンのもと、お客様や株主様をはじめとしたすべてのステークホルダーの皆様のご期待を超える価値を創造し続けることで、企業価値の向上に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 足許の環境変化を踏まえた経営課題の認識と、今後の経営戦略の考え方は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と異なる可能性がありますので、ご留意ください。 自動車業界は、地球温暖化対策としての電動化に加え、AI技術等の進化を取り込み知能化が進むなど、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変わり、「100年に一度」の大変革の時代を迎えています。 当社グループは2023年3月に、2023年度から2025年度までの中期経営計画「Challenge 2025」を発表しました。「Challenge 2025」では、これまで行ってきた構造改革による強靭かつ機動的な経営体質を基盤とし、地域や国の独自性に適した事業の拡充を図り、全社的な「手取り改善活動」の継続により、安定的な収益基盤の確立に取り組みました。そのうえで、更なる成長と次の時代へのチャレンジを実現するため、研究開発費や設備投資を安定的に増加させることを計画いたしました。 一方、中期経営計画「Challenge 2025」の発表から2年が経過し、一部に当初想定していた事業環境からの変化が生じ、主要施策の進捗にも差異が出ています。 まず、電動車開発に関しては、昨年来、全世界的に電気自動車(バッテリーEV)の成長が踊り場に差し掛かり、より現実的な環境技術としてプラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車(HEV)が再評価されています。この環境変化を踏まえ、当面、自社製バッテリーEVの開発は見送り、バッテリーEVが必要な市場への対応については、主にパートナーとの協業による商品を活用、当社グループは優位性を持つプラグインハイブリッド車とハイブリッド車の開発に専念することにいたしました。 次に、アセアン地域での新商品連続投入による収益基盤の強化です。アセアン地域は中長期的には成長が期待できる当社グループの重点市場ですが、タイやインドネシアでは景気の冷え込みが継続、想定した市場成長からは大きく乖離した状況となっています。市場が好調なフィリピンや、力強い回復を見せるベトナムでは台数・シェアを大きく伸ばすことができましたが、アセアン全体としては中期経営計画で目論んだ台数・収益目標の達成に遅れが生じています。依然、本格的な景気回復には時間を要する状況と想定されますが、中期経営計画で準備してきた新商品の市場投入が2025年度も続くことから、これら新商品を梃に、アセアン地域の販売伸長を目指していきます。 「三菱自動車らしい」クルマの投入によるブランド力強化に関しては、近年、アセアンなどの新興市場を中心に、中国勢を含む多くの新規ブランドが参入し、競争が激化しています。そのため、従来以上にブランド力の強化が求められています。当社グループは、「三菱自動車らしさ」を具現化したモデルの投入を通じてブランド力を強化してきました。特にホームマーケットである日本では、『デリカミニ』や『トライトン』の投入を契機に、ブランド力が大きく向上し、マーケットシェアも着実に伸ばすことができました。この日本での成功事例を他国にも展開し、グローバルにブランド力を磨いていきます。 今後の商品投入については、クルマの知能化を含めクルマに対する要望が高度化することで、開発工数が増加し、中期経営計画で予定していた新型車の投入に一部遅れが生じましたが、引き続きアセアン戦略車の強化を継続いたします。そして、これら新型車をアセアンだけでなく、中南米・中東やオセアニア、日本へも展開拡大し、これら地域でも収益力向上を図ります。一方、欧米等のグローバルモデルについては、自社開発モデルに加え、様々なパートナーとの協業により、地域に応じたラインナップの強化・拡充を図ります。これにより、経済変動にも柔軟に対応できる強靭なグローバルポートフォリオを築いてまいります。 新事業形態へのチャレンジとしては、フィリピンにおいて新たに販売金融会社「ミツビシ・モーターズ・ファイナンス・フィリピンズ・インク」を設立いたしました。オーストラリアでは、自動車関連金融サービス会社大手の「FLEETPARTNERS GROUP LTD」に出資し、法人向け事業の拡大等、更なる販売台数及び収益拡大を目指します。日本でもスマート充電サービス事業など、新たな取組みを進めています。 資本コストや資本収益性を意識した経営への取組みについては、2024年11月に、資本効率の向上と株主還元の拡充を図ることを目的とし、自己株式の取得及びその一部の消却を実施しております。今後も、資本構造の最適化や株主還元の拡充を図り、企業価値の向上を目指します。 2025年度業績見通しにおいては、中期経営計画で目標とした一部指標を下回る見通しとなっておりますが、環境変化には柔軟に対応しつつも、これらの主要施策を着実に実行し、経営体質の更なる強化と将来に向けた成長の礎を築いてまいります。 今後も、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくります」という当社グループビジョンのもと、お客様や株主様をはじめとしたすべてのステークホルダーの皆様のご期待を超える価値を創造し続けることで、企業価値の向上に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況① 経営成績当連結会計年度は、タイ・インドネシアの自動車需要回復の遅れや、世界的な車両供給制約が緩和されたことで販売競争が再び激化するなど、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増しました。そのような環境下において、当社グループは、上期までは、インフレ対応など固定費が増加する中でも、為替の追い風もあり収益を伸ばすことができましたが、下期以降は、当社グループにとってコスト通貨であるタイバーツ独歩高もあり、為替もマイナス影響に転じました。厳しい状況下ではありましたが、新型車を主体とした台数増加を着実に収益に繋げると同時に、費用削減の徹底により、2025年2月に修正した通期業績見通しを上回っての着地となりました。結果、通期販売台数はグローバルで前年度比3%増の84万2千台、通期売上高は前年度比微減の2兆7,882億円となりました。通期営業利益は、1,388億円(前年度比△522億円)となりました。なお、経常利益は986億円(前年度比△1,104億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は410億円(前年度比△1,137億円)となりました。 中期経営計画「Challenge 2025」が始まって2年が経過しましたが、この間の自動車業界を取り巻く環境の変化は極めて大きかったと感じております。そのような状況下においても、当社グループの強い領域に徹底的に注力し、自社だけで取り組むことが非効率な領域は、協業パートナー活用を積極的に進めることで、事業基盤の安定性が徐々に高まってきたのではないかと考えております。2025年度の経営環境は、米国の関税措置やこれに伴う各国景気への影響など、自動車業界にとって逆風が強く、不可逆的な変化も予想されます。しかし、引き続き変化に機敏に対応し、現中期経営計画で準備してきた新型車を梃に販売、収益を伸ばすとともに、コスト管理を改めて徹底し、投資においても優先順位を明確につけることで、計画の達成に向けて努めてまいります。なお、2025年度の業績については現段階で全てを見通すことが極めて困難であり、今後の様々な変化に対応するため、適宜見直してまいります。 事業別セグメントの状況は以下のとおりです。 (ⅰ)自動車当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は2兆7,578億円(前年度比△138億円)となり、営業利益は1,341億円(前年度比△538億円)となりました。 (ⅱ)金融当連結会計年度における金融事業に係る売上高は466億円(前年度比+86億円)となり、営業利益は42億円(前年度比△2億円)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は2兆2,459億円(前期末比△2,086億円)となりました。そのうち現金及び預金は4,525億円(前期末比△2,217億円)となりました。負債合計は1兆2,724億円(前期末比△1,376億円)となり、そのうち有利子負債残高は3,148億円(前期末比△1,776億円)となりました。純資産は9,736億円(前期末比△709億円)となりました。(2)キャッシュ・フローの状況① キャッシュ・フローの基本的な考え方当社は、財務規律を維持しつつ健全で持続可能な成長を図り、企業価値を高めることで、株主の皆様への成果配分を安定的に維持することを基本としており、フリー・キャッシュ・フローをそのための経営管理指標の一つとして設定しております。この考え方に基づき、当社グループにおける自動車の開発・生産・販売等の事業活動における運転資金需要(材料費、人件費、各種経費、金融事業に係る貸付資金等)や、次世代新技術や環境規制対応、生産効率向上に資する設備の維持・更新などの設備投資需要を、毎年当社が新たに生み出すキャッシュ・フローにより賄うことを基本としつつ、必要に応じ過年度までに蓄積した内部資金や金融機関借入等の外部資金を活用しております。 (注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。   営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1,747億円の収入超(前年度比339億円の収入増加)、投資活動により1,148億円の支出超(前年度比241億円の支出減少)、財務活動により2,748億円の支出超(前年度比3,125億円の支出増加)となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額による93億円の減少もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し2,241億円減少し、4,501億円となりました。なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、599億円の収入超(前年度比580億円の収入増加)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動は1,747億円の収入超となりました。この収入超は主として、税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。また、前年度比では、339億円の収入増加となりました。この収入増加は主として、棚卸資産の減少及び仕入債務の増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動は1,148億円の支出超となりました。この支出超は主として、設備投資の支払によるものであります。また、前年度比では、241億円の支出減少となりました。この支出減少は主として、設備投資の支払減少によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動は2,748億円の支出超となりました。この支出超は主として、長期借入金の返済によるものであります。また、前年度比では、3,125億円の支出増加となりました。この支出増加は主として、借入金の返済増加によるものであります。 ③ 資金の流動性及び資金調達当連結会計年度末の連結現預金残高は4,525億円、連結有利子負債残高は3,148億円となりました。また、当社において国内金融機関から2,720億円のコミットメントラインを設定しており、現預金残高にコミットメントラインを加えた流動性は約7,200億円となっております。また、事業環境の悪化による資金需要の増加に備えて、上記の流動性に加え、海外子会社においても資金調達枠を設定し、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の確保に努めております。なお、当社グループは、格付機関である格付投資情報センター及びS&Pから格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB+」、S&P:「BB+」となっております。 (3)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。 当連結会計年度数量(千台)前連結会計年度比(%)国 内47895.8海 外43184.4   アジア41984.2   その他1291.0合計91090.0(注)生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。 ② 受注実績 当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 当連結会計年度前連結会計年度比(%)数量(千台)金額(百万円)数量金額国 内259631,56797.7103.7海 外7022,156,66491.998.9   北米192734,225104.9103.3   欧州31127,06640.459.9   アジア251569,95097.4106.1   オセアニア84321,12294.7100.7   その他143404,29991.2100.8合計9612,788,23293.4100.0   (注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。   2.国又は地域の区分は、「地理的接近度及び事業活動の相互関連性」によっておりますが、社内管理との整合性を図るため、前連結会計年度まで「欧州」に含めておりましたウクライナ及びカザフスタンを当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。当該変更に伴い、前連結会計年度との比較は、変更後の区分に組み替えた数値で算出しております。   3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 (4)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の計上及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。なお、市場措置に関する負債、偶発債務(訴訟損失引当金)及び繰延税金資産の回収可能性については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。① 貸倒引当金当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。② 製品保証引当金当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率又は修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。③ 退職給付費用及び債務従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。④ 投資有価証券の評価当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、市場価格のない非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価又は減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。⑤ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。

事業リスク

  • 市場環境変化と地政学リスク
    米国関税政策や世界的な景気減速、各国の経済安全保障政策、国家間・地域紛争などが、三菱自動車グループの経営成績に影響を与える可能性があります。特に米国での生産・調達比率が低いため、関税政策の変更は米国事業の損益に直接影響し、世界経済の不透明感はサプライチェーンの混乱や金融市場の変動を通じて、グループ全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • サプライチェーンと人権リスク
    自動車生産に必要な希少金属などの原材料や部品の調達は、特定の国や地域に依存している場合があります。政情不安、輸出入規制強化、自然災害などにより供給が停止したり、価格が高騰したりすると、生産の遅延やコスト増加につながります。また、サプライチェーン全体での人権リスクへの対応が不十分な場合、法令違反やブランドイメージの毀損、事業活動への影響が生じる可能性があります。
  • 製品の品質・安全性と法規制
    製品の欠陥や不具合による大規模なリコールや賠償請求が発生した場合、多額の費用負担やブランドイメージの毀損、販売低下につながる可能性があります。また、世界各国で適用される排出ガス、燃費、安全、リサイクルなどの環境規制や、独占禁止法、贈収賄防止法などの広範な法令に違反した場合、罰則や訴訟、社会的信用の低下により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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FY2025|7,262 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況等(以下「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性がある主要な事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下はそのすべてを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスクのいずれによっても、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、以下の記載において将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と異なる可能性がありますので、ご留意ください。 <事業等のリスクのうち現在特に影響が懸念されるリスク>後述します事業等のリスクのうち、足許で顕在化しており、今後も影響が懸念されるリスクは以下のとおりです。(1)市場環境変化の影響当社グループは、米国現地での生産・調達の割合は高くないため、米国関税政策により、米国での事業活動に対し相応の損益影響を受ける可能性があります。また同関税影響に伴う世界的な景気減速も懸念されることから、米国事業のみならず、当社グループ全体の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社グループは、世界各国において事業を展開しており、様々な地域、国で部品を調達し、生産活動を行い、製品を販売しております。同関税の間接的影響、各国の経済安全保障政策、国家間・地域紛争等により世界経済の先行き不透明な状態が続いていることから世界経済動向を注視し、柔軟かつ迅速な対応に取り組んでいますが、各国における景気後退、サプライチェーンの混乱、金融市場・為替市場の混乱等が発生した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 <事業等のリスク>(1)市場及び事業に係るリスク(オペレーショナルリスク)① 部品・原材料調達の影響当社グループは、製品の品質、コスト競争力向上の観点からグローバルに原材料、部品等を調達しており、部品・材料により集中発注、複数発注等、最適な発注形態を取ることとしておりますが、パラジウムやロジウム等、産出量が少ないだけでなく、産出が特定の国や地域に限られる希少金属も使用しております。そのため、原材料、部品等の需給状況の急激な変動、調達先の国における政情の変化・経済安全保障に関わる輸出入規制の強化、自然災害の発生等の理由により、それらの調達先からの供給が停止した場合、又は適時に競争力のある価格で調達ができない場合には、当社製品の生産の遅延・停止やコストの増加が生じるおそれがあります。また、各国において、企業に対して人権の取組みを求める法規の制定が進み、サプライチェーン上の人権リスク対応の必要性が急速に高まっており、これら法規に対して適時適切な対応ができない場合には、法令違反、輸入禁止や罰金などの罰則、社会的信用の低下によるブランド・イメージの毀損等により、生産・開発・購買・営業等の事業活動に影響し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクは、当社グループの中長期的な事業計画に与える影響も大きいため、事業活動・経営成績への影響を最小化すべく、サプライチェーン上のリスク対応の強化に努めていますが、将来顕在化する可能性はあります。 ② 製品の品質・安全性の影響当社グループは、製品品質の改善のため、市場からの情報に基づき関連部門が連携して迅速に不具合原因の究明及び対策を実施すること、また、潜在リスクの検証を適切に行うことに努めております。当社グループによる製品及びサービスの品質向上及び安全性の確保の努力にかかわらず、製品の欠陥又は不具合によるリコール又は改善対策等が大規模なものとなる場合、あるいは製品の欠陥又は不具合による大規模な賠償請求がお客様からある場合には、多額の費用負担、当社製品への評価、ブランド・イメージの毀損及び販売の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法規制等の影響当社グループは、事業を展開する各国において自動車業界に関連する排出ガス、燃費、騒音、化学物質、リサイクル、水資源等の環境に係る様々な法律や政府による規制の適用を受けています。また、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、労働規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法(関税含む)、独占禁止法、贈収賄防止法、下請法等内外の広範な法令の適用を受けております。これらの規制や法令に対応するため、当社グループは、規制や法令の遵守体制を整え、各担当部門が違反の未然防止の対策を講じ、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制を整備するよう努めております。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反が生じ、あるいは対応の内容、効果、迅速性等が不十分との指摘を受ける可能性があります。その場合、規制当局による行政調査の対象となったり、罰則を受けたり、あるいは関連する訴訟の当事者となるなどの可能性があります。これらの可能性が現実に生じた場合には、当社グループのコンプライアンス・レピュテーションや経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 訴訟その他の法的手続の影響当社グループは、事業活動を行っていく中で、ユーザー、取引先、第三者などとの間で様々な訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。それらの法的手続において、あるいは現在進行中の法的手続において、当社に不利な判断がなされた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、法的手続きのうち製造物責任に関する損害賠償請求訴訟については、敗訴等の場合の損害賠償金等をカバーすべく一定の限度額で製造物責任保険に加入していますが、必ずしもすべての損害賠償金等が保険でカバーされるとは限らず、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。個別の製造物責任訴訟の状況については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結貸借対照表関係)6 偶発債務」を参照ください。 ⑤ 知的財産権侵害の影響当社グループは、技術・ノウハウ等の知的財産の保護の対策を講じるとともに、第三者の知的財産権の侵害防止の対策を講じております。しかしながら、当社グループの知的財産権が不法に侵害されて訴訟費用が発生した場合、又は、第三者から予期せぬ知的財産権侵害の指摘を受けることに伴い、当社グループの製品の製造販売の中止、想定外のライセンス料支払、賠償金支払、当社製品への評価及び需要の低下等が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 情報技術及び情報セキュリティの影響当社グループの運営や製品・サービス等に利用する情報及びこれを保存するネットワーク、システム等の情報技術は、委託先管理のものを含めて多岐にわたります。当社グループは、ハードウェア・ソフトウェアの安全管理対策を、個人情報保護対策を含めて実施するほか、当社グループ従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。しかしながら、サイバー攻撃は攻撃手法の高度化・複雑化が進んでおり、当社グループ又は取引先へのハッカーによる不正アクセス・サイバー攻撃(コンピュータウイルス感染等)、当社グループ内部若しくは委託先での管理不備ないし人為的な過失、自然災害等の発生により、当社技術情報等の機密情報・個人情報等の漏えい、重要な業務システムやサービスの停止、当社製品の電子制御機能への悪影響、不適切な事務処理、又は重要データの破壊・改ざん等が発生することが考えられます。その結果、当社グループのブランド・イメージや社会的信用の低下による販売の減少、法的請求、訴訟、賠償責任若しくは制裁金や罰金の支払義務発生、又は生産停止等により運営に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業戦略や競争力維持に係るリスク(戦略リスク)① 営業戦略、競合他社動向への対応の影響自動車業界は、地球温暖化対策としての電動化に加え、AI技術等の進化を取り込み知能化が進むなど、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変わり、「100年に一度」の大変革の時代を迎えています。当社グループは2023年3月に、2023年度から2025年度までの中期経営計画「Challenge 2025」を発表し、これまで行ってきた構造改革による強靭かつ機動的な経営体質を基盤とし、地域や国の独自性に適した事業の拡充を図り、全社的な「手取り改善活動」の継続により、安定的な収益基盤の確立に取り組んでいます。そのうえで、更なる成長と次の時代へのチャレンジを実現するため、研究開発費や設備投資を安定的に増加させることを計画しました。しかしながら、今後、そういった戦略が想定通りに進まず、競合他社に対して優位な施策を講じることができない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 製品・技術開発の影響当社グループは『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により『冒険心』を呼び覚ます心豊かなモビリティライフを提供するために、地域ごとの多様な要請、カーボンニュートラル対応等、自動車メーカーに求められる技術や姿勢が急激に変化している中において、お客様の価値観とニーズに対応した有用かつ現実的で使いやすく、「三菱自動車らしさ」を具現化した新技術や新製品をタイムリーに投入することが重要と考え、開発に日々取り組んでおります。しかしながら、きめ細かな調査に基づく研究・開発であっても、お客様の価値観とニーズを十分に捉えることができない場合、又は内部・外部的な要因により、新技術や新製品を、タイムリーに開発しお客様に提供することができない場合には、販売シェアの減少、売上高及び収益力の低下を引き起こす可能性があります。 ③ 他社との提携等の影響当社グループは、経営資源の効率化や相乗効果を期待し、研究開発、生産、販売等の分野において共同出資関係を含む他社と業務提携・合弁による事業運営を行っておりますが、市場環境・規制変化に伴う事業構造の変化、相手先の事業戦略の変更、当事者間の提携方針の不一致、出資比率の変更等により、提携・合弁関係を変更する又は維持できなくなる可能性や期待どおりの成果を生まない可能性があります。期待どおりの成果を生まない場合、提携・合弁先の財務状態が悪化した場合、又は出資関係の変更・大幅な提携の変更・提携の解消が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人事労政戦略の影響当社グループは、高度な専門性を持つ人材の確保と、活躍機会の提供が極めて重要であると考えており、要員構成の是正による適切な人員配置、役割に基づいた処遇制度の整備、多様な働き方を支える風土の醸成と、個々の成長を促す仕組みづくりを推進しております。しかしながら、採用難や労働市場の流動性の高まりにより、計画通りの採用や定着化が進まなかった場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、当社グループではグローバルに事業を展開し、持続的に成長するためには、人権尊重の取り組みが社会的責任を果たしていく上で不可欠な要素であると認識しており、「人権方針」で制定した差別の禁止や不当な労働慣行の排除等に取り組んでいます。しかしながら、当社グループ及び関係者が人権上問題のある行動を取った場合には、お客様の信用・信頼を失う、又は社会的信用の低下等によるブランド・イメージの毀損等が事業基盤に影響を与える可能性があります。 ⑤ 気候変動の影響当社グループは、燃費/CO2排出規制やZEV規制の強化、カーボンプライシング等の導入拡大を想定し、当社グループの環境への取り組み方針と目標を定めた「環境計画パッケージ」に基づき、電動化の推進や各拠点での省エネルギー活動と再生可能エネルギーの導入等を進めております。しかしながら、想定を超えて気候変動政策が強化され、燃費/CO2排出規制やその他規制の更なる強化への対応により原価が高騰する場合、又はカーボンプライシングなどの導入拡大によって生産や調達の原価が高騰する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルでのCO2の削減が進まず、気温が上昇し続け、現在よりも広域で台風、豪雨等の自然災害が頻発・激甚化することに備えて、事業継続計画の策定などの適応策の推進にも努めております。しかしながら、当社グループや取引先の生産拠点等が所在する国・地域において、想定以上の洪水等の自然災害の頻発や激甚化により、部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延又は停止する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3)金融・経済に係るリスク(財務リスク)① 為替変動の影響海外売上高比率が約8割を占める当社グループでは米ドル、ユーロ、豪ドル等の外貨建債権を有しており、また、タイ子会社にてグローバルでの輸出生産を行っていることから、タイバーツを中心に外貨建債務も有しております。円と外国通貨の為替相場が変動すると、外貨建資産(売掛金等)や外貨建負債(買掛金等)の価値が増減するため、当社グループの円ベースの損益に影響を及ぼします。現在、インドネシア生産車の輸出、タイ生産車の現地販売拡大等、為替影響低減のために必要な措置を適宜進め、為替相場変動の影響削減に中長期的に取り組んでおりますが、大幅な為替変動が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場環境変化の影響当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な国、地域で生産活動を行い、製品を販売しております。これらの事業活動は、それぞれの国、地域の経済低迷、金融危機などにより影響を受ける可能性があり、また、地政学リスクによって、輸送費の上昇や、船腹が確保できない、又は輸送に遅れが生じることにより生産・販売活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 取引先等の信用リスク当社グループは、事業活動を行っていく中で、販売業者や、販売金融事業による顧客・リース先等の取引先の信用リスクを伴っております。販売業者等の取引先に対する信用リスクについては、カントリーリスクや取引先の財務状況に対する継続的な評価を行いながら適切な債権保全を図ることで、その抑制に努めております。また、販売金融事業から生じるリスクに対しては、厳格な審査・回収管理を行い、破綻の発生及び回収不能額の抑制に努めております。しかしながら、外部環境等の悪化等を要因とし、これらのリスクに基づく損失が当社グループの想定を上回る場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 資金の流動性の影響当社グループは、金融機関からの借入に加え、コマーシャル・ペーパーの発行等により資金調達を行っております。当社は事業環境の悪化による資金需要の増加に備えるべく、コミットメントライン2,720億円に加えて、海外子会社においても資金調達枠を設定することで十分な流動性を確保するとともに、メインバンクをはじめ取引金融機関との良好な関係性の維持に努めております。しかしながら、経済・金融危機等の発生、又は当社グループの信用格付けの引き下げ等により、金融市場から適切な条件で必要とする金額の資金調達ができなくなった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4)事業の継続に係るリスク(ハザードリスク)① 戦争・テロ・政治不安・治安の悪化の影響当社グループは、日本及び世界各地に開発、製造、販売等の拠点の施設を有しているため、各国・地域でテロ、戦争、内戦、政治不安、治安の乱れ等が発生することにより、当社グループ又はその取引先の操業の中断等の重大な支障をきたす可能性があります。かかる状況を想定し、経済安全保障クロスファンクショナルチームで想定される支障の軽減策を準備・実行するとともに、仮にこうした事象が発生した場合には、関係部門が参画した対策会議を立ち上げ、全社横断的な観点で対応を行っております。しかしながら、想定を超える規模でテロ、戦争、内戦、政治不安、治安の乱れ等が発生し、部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延若しくは停止することにより、収益の減少やコストの増加をもたらした場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害や事故、感染症等の影響当社グループは、日本及び世界各地に開発、製造、販売等の拠点の施設を有しているため、各国・地域での大規模な地震・台風・豪雨・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症の発生により、当社グループ又はその取引先の操業の中断等の重大な支障をきたす場合があります。これらに備え、当社グループ事業へ影響が大きいと想定されるシナリオに基づき、BCM*委員会において事業継続計画を策定するとともに、定期的な訓練による有効性検証を行い、今後の新たな脅威に備えております。しかしながら、想定を超える規模で自然災害、事故、感染症等が発生し、開発、製造、販売等の拠点の施設の損壊、又は部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延若しくは停止する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。*:Business Continuity Managementの略

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