7203

トヨタ自動車(7203)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

トヨタ自動車は、自動車事業を主軸に、金融事業、その他の事業を展開しています。自動車事業では、セダン、ミニバン、SUV、トラックなどの自動車とその関連部品・用品の設計、製造、販売を行っており、トヨタ、日野自動車、ダイハツ工業などが製造を担い、国内外の販売店を通じて顧客に提供しています。金融事業では、自動車販売を補完するための金融サービスや車両リースを提供し、トヨタファイナンスなどが国内外でサービスを提供しています。その他の事業では情報通信事業などを行っており、これら多角的な事業で収益を上げています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

トヨタ自動車の事業セグメントは、「自動車」「金融」「その他」の3つに区分されます。自動車事業は、セダン、ミニバン、SUV、トラックなどの自動車本体および関連部品・用品の設計、製造、販売を担う主力事業です。金融事業は、自動車販売を補完するためのローンやリースなどの金融サービスを提供しています。その他の事業には、情報通信事業などが含まれます。自動車事業が収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、国内外に広がる広範な販売網と生産拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。

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FY2026|1,195 文字
3 【事業の内容】連結財務諸表提出会社(以下、当社という。)は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRSの定義に基づいています。「第2 事業の状況」および「第3 設備の状況」においても同様です。 当社および当社の関係会社(子会社602社、関連会社および共同支配企業159社(2026年3月31日現在)により構成)においては、自動車事業を中心に、金融事業およびその他の事業を行っています。なお、次の3つに区分された事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記5」に掲げるセグメント情報の区分と同様です。 自動車 当事業においては、セダン、ミニバン、コンパクト、SUV、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を行っています。自動車は、当社、日野自動車㈱およびダイハツ工業㈱が主に製造していますが、一部については、トヨタ車体㈱等に生産委託しており、海外においては、トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー㈱等が製造しています。自動車部品は、当社および㈱デンソー等が製造しています。これらの製品は、国内では、トヨタモビリティ東京㈱等の全国の販売店を通じて顧客に販売するとともに、一部大口顧客に対しては当社が直接販売を行っています。一方、海外においては、米国トヨタ自動車販売㈱等の販売会社を通じて販売しています。 自動車事業における主な製品は次のとおりです。 主な製品の種類LS、RX、クラウン、カローラ、RAV4、ヤリス、ハイラックス、カムリ、タコマ、アーバンクルーザー、ハイランダー、ランドクルーザー、ライズ、シエンタ、ルーミー、ヴォクシー、アルファード、ノア、プロフィア、タント ほか 金融 当事業においては、主として当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を行っています。国内では、トヨタファイナンス㈱等が、海外では、トヨタ モーター クレジット㈱等が、これらの販売金融サービスを提供しています。 その他 その他の事業では、情報通信事業等を行っています。 (事業系統図)主な事業の状況の概要図および主要な会社名は次のとおりです。 上記以外の主要な会社としては、北米の製造・販売会社の統括および渉外・広報・調査活動を行うトヨタ モーター ノース アメリカ㈱、欧州の製造・販売会社の統括および渉外・広報・調査活動を行うトヨタ モーター ヨーロッパ㈱、金融会社を統括するトヨタファイナンシャルサービス㈱、ソフトウエアを中心とした様々なモビリティの開発を担うウーブン・バイ・トヨタ㈱があります。 *日野自動車㈱およびその連結子会社は、2026年4月1日の三菱ふそうトラック・バス㈱との経営統合に伴い、当社の連結子会社から除外されています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
自動車市場の競争激化により、販売価格の低下が起きるリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
製品の品質・機能、安全性、信頼性、燃費、革新性、開発に要する期間、カスタマー・サービス。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自動車市場の競争激化 / 自動車市場の需要変動 / お客様のニーズに速やかに対応した新商品投入能力
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

トヨタ自動車は、世界的なブランド認知度と長年にわたる品質・信頼性のイメージを確立している。これは、顧客の購買決定において無形の価値を提供し、競合他社との差別化要因となっている。例えば、プリウスなどのハイブリッド技術におけるパイオニアとしての地位も、技術的IP(知的財産)としての側面を持つ。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車購入は高額なため、一度購入したブランドへのロイヤルティは一定程度存在する。しかし、車両の買い替えサイクルは数年単位であり、技術革新やデザイン、価格などにより、他社ブランドへの乗り換えも比較的容易である。特定のインフォテインメントシステムやディーラーネットワークへの依存度は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車製造・販売業において、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。車両の価値は個々の性能やブランドイメージに依存し、ユーザー数が増えることで車両自体の価値が向上するような構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

トヨタは、生産効率の高さ(トヨタ生産方式)とサプライチェーンマネジメントの最適化により、長年にわたりコスト競争力を維持してきた。規模の経済と継続的な改善活動(カイゼン)が、他社と比較して有利な生産コストを実現している。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

トヨタは世界最大の自動車メーカーの一つであり、圧倒的な生産・販売規模を持つ。この規模により、研究開発費、設備投資、部品調達において大きな経済的優位性を享受している。グローバルな販売網と多様な車種展開は、市場全体をカバーする効率的な事業運営を可能にしている。

トヨタ自動車は、長年にわたる自動車製造で培われた高い品質、安全性、信頼性、燃費性能、革新性、そして広範なカスタマーサービス網を強みとしています。多様な車種ラインナップとグローバルな生産・販売体制により、世界中の市場で競争力を維持しています。また、デンソーなどの関連会社との連携による部品供給体制や、トヨタファイナンスによる金融サービスが自動車販売を強力にサポートし、顧客の囲い込みにも貢献しています。ブランドイメージの高さも、激しい競争環境下での優位性を確立する重要な要素となっています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年3月31日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社および連結子会社(以下、トヨタという。)は経営の基本方針を「トヨタ基本理念」として掲げており、その実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えています。その内容は次のとおりです。1. 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす2. 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する5. 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる6. グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす7. 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する (2)トヨタフィロソフィートヨタはモビリティカンパニーへの変革を進めるために、改めて歩んできた道を振り返り、未来への道標となる「トヨタフィロソフィー」をまとめました。トヨタはモビリティカンパニーとして移動にまつわる課題に取り組むことで、人や企業、コミュニティの可能性を広げ、「幸せを量産」することを使命としています。そのために、モノづくりへの徹底したこだわりに加えて、人と社会に対するイマジネーションを大切にし、様々なパートナーと共に、唯一無二の価値を生み出していきます。 「トヨタフィロソフィー」 MISSIONわたしたちは、幸せを量産する。技術でつかみとった未来の便利と幸福を手の届く形であらゆる人に還元する。VISION可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。人、企業、自治体、コミュニティができることをふやし、人類と地球の持続可能な共生を実現する。VALUEトヨタウェイソフト、ハード、パートナーの3つの強みを融合し、唯一無二の価値を生み出す。 (3)会社の対処すべき課題  グループビジョン「次の道を発明しよう」グループビジョンは、トヨタグループ*の目指すべき方向、トヨタグループ全員が立ち戻ることができるビジョン・価値観です。 「次の道を発明しよう」。 グループの創始者・豊田佐吉は「苦労する母親を少しでも楽にしたい」という想いで、「豊田式木製人力織機」を発明しました。そして、豊田喜一郎は「日本人の頭と腕で自動車工業を興さねばならない」との想いで「国産乗用車」を発明しました。誰かを想い、学び、技を磨き、ものをつくり、人を笑顔にする。発明への情熱と姿勢こそ、トヨタグループの原点です。正解のない時代に、互いに「ありがとう」と言い合える風土を築き、多様な人財が活躍し、未来に必要とされるトヨタグループを目指していきます 。* ㈱豊田自動織機、トヨタ自動車㈱、愛知製鋼㈱、㈱ジェイテクト、トヨタ車体㈱、豊田通商㈱、㈱アイシン、㈱デンソー、トヨタ紡織㈱、トヨタ不動産㈱、㈱豊田中央研究所、トヨタ自動車東日本㈱、豊田合成㈱、ダイハツ工業㈱、トヨタホーム㈱、トヨタ自動車九州㈱、ウーブン・バイ・トヨタ㈱の17社(2026年4月1日時点)  「商品軸」「地域軸」経営当社は、「もっといいクルマづくり」を掲げ、Toyota New Global Architecture(TNGA)によるラインアップの群戦略などといった「商品を軸とした経営」と、お客様・地域社会に信頼される「その町いちばんのクルマ屋」を目指す「地域軸経営」により、強固な収益基盤を着実に築いてきました。一つひとつの商品は、一朝一夕に生まれるものではありません。多くの仲間が、長い間積み上げてきたものであり、開発・生産・仕入先・販売店、そしてお客様や市場など、多くの関係者によって育てていただいたものだと考えています。地域の皆様との信頼関係も同様です。さらに、2025年10月に開催されたジャパンモビリティショーにおいて、「トヨタ」「レクサス」「ダイハツ」「GR」に加え、新たに「センチュリー」ブランドを提案しました。なかでも、「センチュリー」は、「ジャパン・プライドを世界へ発信するブランド」を目指しています。その名には「次の100年をつくる」という想いが込められており、日本発の新たな価値創造を通じて、当社は、持続可能で平和な社会の実現に貢献していきたいと考えています。また、TOYOTAブランドについては、「TO YOU」という言葉に当社の想いを載せました。当社が発表したIMV Originは、あえて未完成の状態で工場から出荷することで、地域の中に「組み立てる」という新しい仕事を生み、さらには、暮らしや仕事の多様な用途に応じて自由にカスタマイズすることで、その地域にとって最適な一台を生み出していくことを目指しています。当社グループの各ブランドが、これまで以上に明確な役割を担い、互いに補完し合うことで、お一人おひとりに応える多様な商品を通じ、お客様の選択肢をさらに広げていきます。   継続的な損益分岐台数の改善当社は、2024年および2025年において、認証問題や余力不足と正面から向き合い、足場固めに取り組んできました。その結果、安全・品質が徹底され、余力創出が進み、生産も安定しました。一方で、人への投資や未来への投資の拡大に加え、米国関税の影響も重なり、足元では、損益分岐台数が大きく上昇しています。この課題に対応すべく、全社一丸となった取り組みを開始しました。すべての地域・本部・カンパニーで、固定費の見直しや、原価改善・営業面の努力などによる収益の積み増しを進めるとともに、従業員一人ひとりが仕事のやり方を見直し、ムダのない正味作業を追求することで、生産性を一層向上させていきます。例えば、定型作業や付加価値が低い業務には、これまで以上にAIを積極活用し、人にしかできない仕事に集中することで、正味率を向上させます。このように、足場固めの成果を「稼ぐ力」に着実につなげ、損益分岐台数の改善に徹底的にこだわっていきます。環境が悪いときにも収益を上げ、ステークホルダーの皆様とともに成長への取り組みをサステナブルに継続できることが、当社に求められる経営体質だと考えています。加えて、モビリティカンパニーへの変革に向けて、重要な役割を果たすのがバリューチェーン事業です。この事業は、新車販売後の長い保有期間を通じて、お客様に継続的な価値を提供するビジネスであり、これまで着実に成長してきました。これは、商品軸・地域軸経営によって築かれた強いブランドに支えられた多様な商品が、世界中で1.5億台の保有につながったことに加え、修理のしやすさや補給部品の供給力も含めた商品力、高水準の残価をサービス・金融・中古車販売・保険などの現場が、1台1台の価値を最大限に活かそうと努力してきた結果です。今後は、新車とバリューチェーン事業の好循環に加え、ソフトウエアや多様なモビリティ・サービスを通じた新たな価値創造を推進し、収益基盤の一層の強化を図っていきます。また、生産現場をはじめとする各職場では、多くの課題に向き合いながらも、「もっといいクルマ」を目指して日々、改善に取り組んでいます。その努力を結果に結びつけるべく、経営陣と現場が一体となり、各職場の力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでいきます。   モビリティカンパニーへの変革当社は、すべての人に「移動の自由」を届ける企業への変革を目指し、事業活動を推進しています。将来にわたり、クルマが世の中の役に立ち、お客様を笑顔にするモビリティであり続けるためには、交通事故や環境負荷等の課題を低減するとともに、利便性や快適性、運転の楽しさといった価値を高めていくことが必要です。クルマを真ん中に置いて、データやエネルギーの可動性を高め、社会システムとの融合を視野に入れ、新しい移動価値の創造と新しい産業構造をつくっていくことに挑戦していきます。 [交通事故ゼロ社会への貢献:SDV(Software Defined Vehicle)]モビリティカンパニーへの変革のリード役となるのがSDVです。当社がSDVに取り組む一番の目的は交通事故ゼロ社会の実現であり、SDVを通じて、より安全・安心で、楽しい移動を実現します。交通事故ゼロ社会の実現はクルマの技術革新だけでは難しく「クルマ」「ヒト」「インフラ」の三位一体での取り組みが不可欠です。例えば、クルマだけの進化では補えない死角からの飛び出しに、路上インフラのセンサー情報を活用するインフラとの協調や、ドライバー(ヒト)の運転を自律的にサポートしてくれるAIエージェントなどです。クルマが社会とつながるためには、切れ目のない通信環境やデータセンターなどの整備が重要であり、その基盤構築を進めています。当社は「安全・安心を一丁目一番地」としながら、お客様とともに育つAIエージェント、プロフェッショナルや若かりし頃の運転を再現するクルマなど、データとAIが生み出すSDVの多様な価値を保有1.5億台の強みを活かし、具体化させていきます。ソフトウエア開発の土台となる電子プラットフォームの刷新や、モデルチェンジ後のRAV4に搭載されたソフトウエアづくりプラットフォーム「Arene」を通じて、安全・安心かつ高品質なソフトウエアを継続的にお客様に提供していきます。引き続き、産業を超えたパートナーとも力を合わせて、当社らしいSDVの基盤整備を加速していきます。 [Toyota Woven City]当社は、モビリティカンパニーへの変革を掲げ、その変革に向けて、新たなプロダクトやサービスを生み出していく「モビリティのテストコース」として、Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)を位置づけています。当社グループの一社であるウーブン・バイ・トヨタが、当社とともにプロジェクトを進めており、2025年9月にオフィシャルローンチを迎えました。企業・個人が様々なプロダクトやサービスの実証を開始するとともに、一部住民が居住を開始しています。当社のモノづくりの知見やウーブン・バイ・トヨタのソフトウエア技術、そしてそれぞれのInventor(発明家)が持つ様々な強みや専門性といった、自分たちが持っていないものを掛け合わせることで、今は存在しない価値をつくり出していきます。それが、私たちが目指す「カケザン」による発明です。さらに、この「カケザン」による発明を加速させる施設として、2026年4月より「Woven City Inventor Garage」(以下、Inventor Garage)の稼働を開始しました。Inventor Garageは長年にわたり、乗用車を生産してきたトヨタ自動車東日本㈱の東富士工場プレス建屋をリノベーションして誕生した施設です。東富士工場が培ってきたモノづくりの魂を受け継ぎ、未来のイノベーションへとつなげる、Toyota Woven Cityの象徴でもあります。Inventor Garageでは、発明品のプロトタイプを製作するモノづくりスペースや、実証スペースが備えられており、プロダクトやサービスの開発拠点となることが期待されています。Toyota Woven Cityは、ヒト・モビリティ技術・インフラが互いに連携するしくみなどの実証を行い、安全・安心な「モビリティ社会」の実現を目指します。想いをともにする人々と、Toyota Woven Cityからモビリティカンパニーへの変革を目指し、未来を紡いでいきます。   ステークホルダーとの関係強化・文化当社の持続的な企業価値向上のためには、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、地域社会、販売店、仕入先など多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強化させていくことが重要な課題であると認識しています。 [TOYOTA WORLD ARIGATO FEST. 2025]2025年12月、当社グループを支える地域社会、各地域の販売店、取引先、投資家の皆様をご招待し、日頃の感謝を伝える場としてTOYOTA WORLD ARIGATO FEST. 2025を開催しました。当イベントでは、トヨタが今後投入を予定している新型車をご覧いただいたほか、開発中の様々なモビリティを体感していただきました。今回のイベントで相互に交わされた「ARIGATO」から、当社は、ステークホルダーの皆様と築いてきた信頼の大切さを改めて実感しました。「ARIGATO」と言い合える関係を、世代を超えて受け継ぎ、その絆をさらに深めていきます。 [TOYOTA ARENA TOKYO]2025年10月にTOYOTA ARENA TOKYOがオープンしました。男子プロバスケットボールリーグ Bリーグ「アルバルク東京」のホームアリーナとして使用するほか、様々なスポーツ観戦やエンターテインメント興行に対応可能な多目的アリーナです。コンセプトは「可能性にかけていこう」です。スポーツや音楽で頑張る人たち、特に若い方たちが可能性に挑戦する場所として、活用してもらいたいと考えています。TOYOTA ARENA TOKYOがバスケットボールをはじめとするスポーツやエンターテインメントを愛する人にとっての憧れの場に。そしてファンの皆様、ここに住む人、働く人、訪れる人、一人ひとりと一緒になって、365日の賑わいをつくっていくとともに、スポーツの、モビリティの、この街の、あらゆる可能性を解き放つ場所になっていくことを目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年3月31日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社および連結子会社(以下、トヨタという。)は経営の基本方針を「トヨタ基本理念」として掲げており、その実現に向けた努力が、企業価値の増大につながるものと考えています。その内容は次のとおりです。1. 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす2. 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する3. クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む4. 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する5. 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる6. グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす7. 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する (2)トヨタフィロソフィートヨタはモビリティカンパニーへの変革を進めるために、改めて歩んできた道を振り返り、未来への道標となる「トヨタフィロソフィー」をまとめました。トヨタはモビリティカンパニーとして移動にまつわる課題に取り組むことで、人や企業、コミュニティの可能性を広げ、「幸せを量産」することを使命としています。そのために、モノづくりへの徹底したこだわりに加えて、人と社会に対するイマジネーションを大切にし、様々なパートナーと共に、唯一無二の価値を生み出していきます。 「トヨタフィロソフィー」 MISSIONわたしたちは、幸せを量産する。技術でつかみとった未来の便利と幸福を手の届く形であらゆる人に還元する。VISION可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。人、企業、自治体、コミュニティができることをふやし、人類と地球の持続可能な共生を実現する。VALUEトヨタウェイソフト、ハード、パートナーの3つの強みを融合し、唯一無二の価値を生み出す。 (3)会社の対処すべき課題  グループビジョン「次の道を発明しよう」グループビジョンは、トヨタグループ*の目指すべき方向、トヨタグループ全員が立ち戻ることができるビジョン・価値観です。 「次の道を発明しよう」。 グループの創始者・豊田佐吉は「苦労する母親を少しでも楽にしたい」という想いで、「豊田式木製人力織機」を発明しました。そして、豊田喜一郎は「日本人の頭と腕で自動車工業を興さねばならない」との想いで「国産乗用車」を発明しました。誰かを想い、学び、技を磨き、ものをつくり、人を笑顔にする。発明への情熱と姿勢こそ、トヨタグループの原点です。正解のない時代に、互いに「ありがとう」と言い合える風土を築き、多様な人財が活躍し、未来に必要とされるトヨタグループを目指していきます 。* ㈱豊田自動織機、トヨタ自動車㈱、愛知製鋼㈱、㈱ジェイテクト、トヨタ車体㈱、豊田通商㈱、㈱アイシン、㈱デンソー、トヨタ紡織㈱、トヨタ不動産㈱、㈱豊田中央研究所、トヨタ自動車東日本㈱、豊田合成㈱、ダイハツ工業㈱、トヨタホーム㈱、トヨタ自動車九州㈱、ウーブン・バイ・トヨタ㈱の17社(2026年4月1日時点)  「商品軸」「地域軸」経営当社は、「もっといいクルマづくり」を掲げ、Toyota New Global Architecture(TNGA)によるラインアップの群戦略などといった「商品を軸とした経営」と、お客様・地域社会に信頼される「その町いちばんのクルマ屋」を目指す「地域軸経営」により、強固な収益基盤を着実に築いてきました。一つひとつの商品は、一朝一夕に生まれるものではありません。多くの仲間が、長い間積み上げてきたものであり、開発・生産・仕入先・販売店、そしてお客様や市場など、多くの関係者によって育てていただいたものだと考えています。地域の皆様との信頼関係も同様です。さらに、2025年10月に開催されたジャパンモビリティショーにおいて、「トヨタ」「レクサス」「ダイハツ」「GR」に加え、新たに「センチュリー」ブランドを提案しました。なかでも、「センチュリー」は、「ジャパン・プライドを世界へ発信するブランド」を目指しています。その名には「次の100年をつくる」という想いが込められており、日本発の新たな価値創造を通じて、当社は、持続可能で平和な社会の実現に貢献していきたいと考えています。また、TOYOTAブランドについては、「TO YOU」という言葉に当社の想いを載せました。当社が発表したIMV Originは、あえて未完成の状態で工場から出荷することで、地域の中に「組み立てる」という新しい仕事を生み、さらには、暮らしや仕事の多様な用途に応じて自由にカスタマイズすることで、その地域にとって最適な一台を生み出していくことを目指しています。当社グループの各ブランドが、これまで以上に明確な役割を担い、互いに補完し合うことで、お一人おひとりに応える多様な商品を通じ、お客様の選択肢をさらに広げていきます。   継続的な損益分岐台数の改善当社は、2024年および2025年において、認証問題や余力不足と正面から向き合い、足場固めに取り組んできました。その結果、安全・品質が徹底され、余力創出が進み、生産も安定しました。一方で、人への投資や未来への投資の拡大に加え、米国関税の影響も重なり、足元では、損益分岐台数が大きく上昇しています。この課題に対応すべく、全社一丸となった取り組みを開始しました。すべての地域・本部・カンパニーで、固定費の見直しや、原価改善・営業面の努力などによる収益の積み増しを進めるとともに、従業員一人ひとりが仕事のやり方を見直し、ムダのない正味作業を追求することで、生産性を一層向上させていきます。例えば、定型作業や付加価値が低い業務には、これまで以上にAIを積極活用し、人にしかできない仕事に集中することで、正味率を向上させます。このように、足場固めの成果を「稼ぐ力」に着実につなげ、損益分岐台数の改善に徹底的にこだわっていきます。環境が悪いときにも収益を上げ、ステークホルダーの皆様とともに成長への取り組みをサステナブルに継続できることが、当社に求められる経営体質だと考えています。加えて、モビリティカンパニーへの変革に向けて、重要な役割を果たすのがバリューチェーン事業です。この事業は、新車販売後の長い保有期間を通じて、お客様に継続的な価値を提供するビジネスであり、これまで着実に成長してきました。これは、商品軸・地域軸経営によって築かれた強いブランドに支えられた多様な商品が、世界中で1.5億台の保有につながったことに加え、修理のしやすさや補給部品の供給力も含めた商品力、高水準の残価をサービス・金融・中古車販売・保険などの現場が、1台1台の価値を最大限に活かそうと努力してきた結果です。今後は、新車とバリューチェーン事業の好循環に加え、ソフトウエアや多様なモビリティ・サービスを通じた新たな価値創造を推進し、収益基盤の一層の強化を図っていきます。また、生産現場をはじめとする各職場では、多くの課題に向き合いながらも、「もっといいクルマ」を目指して日々、改善に取り組んでいます。その努力を結果に結びつけるべく、経営陣と現場が一体となり、各職場の力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでいきます。   モビリティカンパニーへの変革当社は、すべての人に「移動の自由」を届ける企業への変革を目指し、事業活動を推進しています。将来にわたり、クルマが世の中の役に立ち、お客様を笑顔にするモビリティであり続けるためには、交通事故や環境負荷等の課題を低減するとともに、利便性や快適性、運転の楽しさといった価値を高めていくことが必要です。クルマを真ん中に置いて、データやエネルギーの可動性を高め、社会システムとの融合を視野に入れ、新しい移動価値の創造と新しい産業構造をつくっていくことに挑戦していきます。 [交通事故ゼロ社会への貢献:SDV(Software Defined Vehicle)]モビリティカンパニーへの変革のリード役となるのがSDVです。当社がSDVに取り組む一番の目的は交通事故ゼロ社会の実現であり、SDVを通じて、より安全・安心で、楽しい移動を実現します。交通事故ゼロ社会の実現はクルマの技術革新だけでは難しく「クルマ」「ヒト」「インフラ」の三位一体での取り組みが不可欠です。例えば、クルマだけの進化では補えない死角からの飛び出しに、路上インフラのセンサー情報を活用するインフラとの協調や、ドライバー(ヒト)の運転を自律的にサポートしてくれるAIエージェントなどです。クルマが社会とつながるためには、切れ目のない通信環境やデータセンターなどの整備が重要であり、その基盤構築を進めています。当社は「安全・安心を一丁目一番地」としながら、お客様とともに育つAIエージェント、プロフェッショナルや若かりし頃の運転を再現するクルマなど、データとAIが生み出すSDVの多様な価値を保有1.5億台の強みを活かし、具体化させていきます。ソフトウエア開発の土台となる電子プラットフォームの刷新や、モデルチェンジ後のRAV4に搭載されたソフトウエアづくりプラットフォーム「Arene」を通じて、安全・安心かつ高品質なソフトウエアを継続的にお客様に提供していきます。引き続き、産業を超えたパートナーとも力を合わせて、当社らしいSDVの基盤整備を加速していきます。 [Toyota Woven City]当社は、モビリティカンパニーへの変革を掲げ、その変革に向けて、新たなプロダクトやサービスを生み出していく「モビリティのテストコース」として、Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)を位置づけています。当社グループの一社であるウーブン・バイ・トヨタが、当社とともにプロジェクトを進めており、2025年9月にオフィシャルローンチを迎えました。企業・個人が様々なプロダクトやサービスの実証を開始するとともに、一部住民が居住を開始しています。当社のモノづくりの知見やウーブン・バイ・トヨタのソフトウエア技術、そしてそれぞれのInventor(発明家)が持つ様々な強みや専門性といった、自分たちが持っていないものを掛け合わせることで、今は存在しない価値をつくり出していきます。それが、私たちが目指す「カケザン」による発明です。さらに、この「カケザン」による発明を加速させる施設として、2026年4月より「Woven City Inventor Garage」(以下、Inventor Garage)の稼働を開始しました。Inventor Garageは長年にわたり、乗用車を生産してきたトヨタ自動車東日本㈱の東富士工場プレス建屋をリノベーションして誕生した施設です。東富士工場が培ってきたモノづくりの魂を受け継ぎ、未来のイノベーションへとつなげる、Toyota Woven Cityの象徴でもあります。Inventor Garageでは、発明品のプロトタイプを製作するモノづくりスペースや、実証スペースが備えられており、プロダクトやサービスの開発拠点となることが期待されています。Toyota Woven Cityは、ヒト・モビリティ技術・インフラが互いに連携するしくみなどの実証を行い、安全・安心な「モビリティ社会」の実現を目指します。想いをともにする人々と、Toyota Woven Cityからモビリティカンパニーへの変革を目指し、未来を紡いでいきます。   ステークホルダーとの関係強化・文化当社の持続的な企業価値向上のためには、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、地域社会、販売店、仕入先など多様なステークホルダーとの信頼関係を一層強化させていくことが重要な課題であると認識しています。 [TOYOTA WORLD ARIGATO FEST. 2025]2025年12月、当社グループを支える地域社会、各地域の販売店、取引先、投資家の皆様をご招待し、日頃の感謝を伝える場としてTOYOTA WORLD ARIGATO FEST. 2025を開催しました。当イベントでは、トヨタが今後投入を予定している新型車をご覧いただいたほか、開発中の様々なモビリティを体感していただきました。今回のイベントで相互に交わされた「ARIGATO」から、当社は、ステークホルダーの皆様と築いてきた信頼の大切さを改めて実感しました。「ARIGATO」と言い合える関係を、世代を超えて受け継ぎ、その絆をさらに深めていきます。 [TOYOTA ARENA TOKYO]2025年10月にTOYOTA ARENA TOKYOがオープンしました。男子プロバスケットボールリーグ Bリーグ「アルバルク東京」のホームアリーナとして使用するほか、様々なスポーツ観戦やエンターテインメント興行に対応可能な多目的アリーナです。コンセプトは「可能性にかけていこう」です。スポーツや音楽で頑張る人たち、特に若い方たちが可能性に挑戦する場所として、活用してもらいたいと考えています。TOYOTA ARENA TOKYOがバスケットボールをはじめとするスポーツやエンターテインメントを愛する人にとっての憧れの場に。そしてファンの皆様、ここに住む人、働く人、訪れる人、一人ひとりと一緒になって、365日の賑わいをつくっていくとともに、スポーツの、モビリティの、この街の、あらゆる可能性を解き放つ場所になっていくことを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、米国において、関税引き上げ後も消費は底堅く推移しました。中国においては、不動産市場の停滞や雇用不安で消費マインドが弱く、物価低迷と価格競争の中で消費の伸び悩みが見られました。このような経営環境の中、トヨタは、「もっといいクルマをつくろうよ」という軸のもと、長年の「商品と地域を軸にした経営」を通じて、フルラインアップの商品とグローバルな事業基盤を構築してきました。それらの基盤を活かして、当期も、安全・品質の徹底をはじめとする「足場固め」の取り組みを進めながら、世界各地のお客様にいいクルマをお届けする努力を重ねてきました。 そして、多様なモビリティのご提供を通じて「幸せを量産する」というトヨタの使命を果たすべく、Toyota Mobility Conceptのもと、モビリティカンパニーへの変革に向けた様々な技術開発や基盤づくりに取り組んできました。当連結会計年度における日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は、959万5千台と、前連結会計年度に比べて23万2千台(2.5%)の増加となりました。日本での販売台数については、208万2千台と、前連結会計年度に比べて9万1千台(4.6%)増加しました。海外においても、751万3千台と、前連結会計年度に比べて14万2千台(1.9%)の増加となりました。当連結会計年度の業績については、次のとおりです。 営業収益50兆6,849億円(前期比増減2兆6,482億円(5.5%))営業利益3兆7,662億円(前期比増減△1兆293億円(△21.5%))税引前利益5兆1,529億円(前期比増減△1兆2,615億円(△19.7%))親会社の所有者に帰属する当期利益3兆8,480億円(前期比増減△9,169億円(△19.2%)) なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。 営業面の努力7,100億円原価改善の努力△1,200億円為替変動の影響△1,950億円諸経費の増減・低減努力△2兆300億円その他6,057億円 ②生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績を事業別セグメントごとに示すと、次のとおりです。 事業別セグメントの名称当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間)前期比(%)自動車事業日本4,148,936台+3.7北米2,049,572 +4.7欧州815,009 +0.5アジア1,802,323 +0.7その他476,733 △2.9計9,292,573 +2.7   (注)1「自動車事業」における生産実績は、車両(新車)生産台数を示しています。 2「自動車事業」における「その他」は、中南米、アフリカからなります。 b.受注実績当社および連結製造子会社は、国内販売店、海外販売店等からの受注状況、最近の販売実績および販売見込等の情報を基礎として、見込生産を行っています。 c.販売実績詳細については、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容を参照ください。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年6月10日)現在において判断したものです。 ①概観トヨタの事業セグメントは、自動車事業、金融事業およびその他の事業で構成されています。自動車事業は最も重要な事業セグメントで、当連結会計年度においてトヨタの営業収益合計(セグメント間の営業収益控除前)の87%を占めています。当連結会計年度における車両販売台数ベースによるトヨタの主要な市場は、日本(21.7%)、北米(30.6%)、欧州(12.3%)およびアジア(18.3%)となっています。 a.自動車市場環境世界の自動車市場は、非常に競争が激しく、また予測が困難な状況にあります。さらに、自動車業界の需要は、社会、政治および経済の状況、新車および新技術の導入ならびにお客様が自動車を購入または利用される際に負担いただく費用といった様々な要素の影響を受けます。これらの要素により、各市場および各タイプの自動車に対するお客様の需要は、大きく変化します。当連結会計年度の世界経済は、米国において、関税引き上げ後も消費は底堅く推移しました。中国においては、不動産市場の停滞や雇用不安で消費マインドが弱く、物価低迷と価格競争の中で消費の伸び悩みが見られました。 次の表は、過去2連結会計年度における各仕向地域別の連結販売台数を示しています。 千台 3月31日に終了した1年間 2025年 2026年日本1,991 2,082 北米2,703 2,934 欧州1,172 1,183 アジア1,838 1,759 その他1,659 1,637 海外計7,372 7,513 合計9,362 9,595 (注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中東ほかからなります。 トヨタの日本における当連結会計年度の連結販売台数は、市場が前連結会計年度を下回るものの、増加しました。トヨタの海外における連結販売台数は、アジアや中近東などの地域で販売台数が減少したものの、北米や欧州で販売台数が増加したことにより、全体としては増加となりました。 各市場における全車両販売台数に占めるトヨタのシェアは、製品の品質、安全性、信頼性、価格、デザイン、性能、経済性および実用性についての他社との比較により左右されます。また、時機を得た新車の導入やモデルチェンジの実施も、お客様のニーズを満たす重要な要因です。変化し続けるお客様の嗜好を満たす能力も、売上および利益に大きな影響をもたらします。  自動車事業の収益性は様々な要因により左右されます。これらには次のような要因が含まれます。  車両販売台数  販売された車両モデルとオプションの組み合わせ  部品・サービス売上  価格割引およびその他のインセンティブのレベルならびにマーケティング費用  顧客からの製品保証に関する請求およびその他の顧客満足のための修理等にかかる費用  研究開発費等の固定費  原材料価格  コストの管理能力  生産資源の効率的な利用  特定の仕入先への部品供給の依存による生産への影響  気候変動による物理的リスクや低炭素経済への移行リスクを含む、気候変動リスク  自然災害および感染症の発生・蔓延や社会インフラの障害による市場・販売・生産への影響  日本円およびトヨタが事業を行っている地域におけるその他通貨の為替相場の変動 法律、規制、政策の変更およびその他の政府による措置も自動車事業の収益性に著しい影響を及ぼすことがあります。これらの法律、規制および政策には、車両の製造コストを大幅に増加させる環境問題、車両の安全性、燃費および排ガスに影響を及ぼすものが含まれます。 多くの国の政府が、現地調達率を規定し、関税およびその他の貿易障壁を課し、あるいは自動車メーカーの事業を制限したり本国への利益の移転を困難にするような価格管理あるいは為替管理を行っています。このような法律、規制、政策その他の行政措置における変更は、製品の生産、ライセンス、流通もしくは販売、原価、あるいは適用される税率に影響を及ぼすことがあります。トヨタは、トヨタ車の安全性について潜在的問題がある場合に適宜リコール等の市場処置(セーフティ・キャンペーンを含む)を発表しています。前述のリコール等の市場処置をめぐり、トヨタに対する申し立ておよび訴訟が提起されています。これらの申し立ておよび訴訟に関しては、連結財務諸表注記24ならびに32を参照ください。 世界の自動車産業は、グローバルな競争の時期にあり、この傾向は予見可能な将来まで続く可能性があります。また、トヨタが事業を展開する競争的な環境は、さらに激化する様相を呈しています。トヨタは一独立企業として自動車産業で効率的に競争するための資源、戦略および技術を予見可能な将来において有していると考えています。 b.金融事業自動車金融の市場は、大変競争が激しくなっています。自動車金融の競争激化は、利益率の減少を引き起こす可能性があり、また、顧客がトヨタ車を購入する際にトヨタ以外の金融サービスを利用するようになる場合、マーケット・シェアが低下することも考えられます。 トヨタの金融サービス事業は、主として、顧客および販売店に対する融資プログラムおよびリース・プログラムの提供を行っています。トヨタは、顧客に対して資金を提供する能力は、顧客に対しての重要な付加価値サービスであると考え、金融子会社のネットワークを各国へ展開しています。 小売融資およびリースにおけるトヨタの主な競争相手には、商業銀行、消費者信用組合、その他のファイナンス会社が含まれます。一方、卸売融資における主な競争相手には、商業銀行および自動車メーカー系のファイナンス会社が含まれます。 トヨタの金融事業に係る債権は、主に融資残高の増加により、当連結会計年度において増加しました。また、賃貸用車両及び器具は、主に為替変動の影響により、当連結会計年度において増加しました。 金融事業に係る債権および賃貸用車両及び器具の詳細については、連結財務諸表注記8および13を参照ください。 トヨタの金融債権は、回収可能性リスクを負っています。これは顧客もしくは販売店の支払不能や、担保価値(売却費用控除後)が債権の帳簿価額を下回った場合に発生する可能性があります。詳細については、連結財務諸表注記3および20を参照ください。 トヨタは、車両リースを継続的に提供してきました。当該リース事業によりトヨタは残存価額のリスクを負っています。これは車両リース契約の借手が、リース終了時に車両を購入するオプションを行使しない場合に発生する可能性があります。詳細については、連結財務諸表注記3(9)を参照ください。 トヨタは、主に固定金利借入債務を機能通貨建ての変動金利借入債務へ転換するために、金利スワップおよび金利通貨スワップ契約を結んでいます。特定のデリバティブ金融商品は、経済的企業行動の見地からは金利リスクをヘッジするために契約されていますが、トヨタの連結財政状態計算書における特定の資産および負債をヘッジするものとしては指定されていないため、それらの指定されなかったデリバティブから生じる未実現評価損益は、その期間の損益として計上されます。詳細については、連結財務諸表注記21を参照ください。 資金調達コストの変動は、金融事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。資金調達コストは、数多くの要因の影響を受けますが、その中にはトヨタがコントロールできないものもあります。これには、全般的な景気、金利およびトヨタの財務力などが含まれます。当連結会計年度の資金調達コストは主に有利子負債残高の増加により増加しました。 トヨタは、2001年4月に日本でクレジットカード事業を立上げました。カード会員数は、2026年3月31日現在16.9百万人と、2025年3月31日から0.85百万人の増加となりました。カード債権は、2026年3月31日現在5,514億円と、2025年3月31日から230億円の減少となりました。 c.為替の変動トヨタは、為替変動による影響を受けやすいといえます。トヨタは日本円の他に主に米ドルおよびユーロの価格変動の影響を受けており、また、米ドルやユーロに加え、豪ドル、加ドルおよび英国ポンドなどについても影響を受けることがあります。日本円で表示されたトヨタの連結財務諸表は、換算リスクおよび取引リスクによる為替変動の影響を受けています。 換算リスクとは、特定期間もしくは特定日の財務諸表が、事業を展開する国々の通貨の日本円に対する為替の変動による影響を受けるリスクです。たとえ日本円に対する通貨の変動が大きく、前連結会計年度との比較において、また地域ごとの比較においてかなりの影響を及ぼすとしても、換算リスクは報告上の考慮事項に過ぎず、その基礎となる業績を左右するものではありません。トヨタは換算リスクに対してヘッジを行っていません。 取引リスクとは、収益と費用および資産と負債の通貨が異なることによるリスクです。取引リスクは主にトヨタの日本製車両の海外売上に関係しています。 トヨタは、生産施設が世界中に所在しているため、取引リスクは大幅に軽減されていると考えています。グローバル化戦略の一環として、車両販売を行う主要市場において生産施設を建設することにより、生産を現地化してきました。前連結会計年度および当連結会計年度において、トヨタの海外における車両販売台数のそれぞれ73.5%および73.9%が海外で生産されています。北米では前連結会計年度および当連結会計年度の車両販売台数のそれぞれ76.0%および74.6%が現地で生産されています。欧州では前連結会計年度および当連結会計年度の車両販売台数のそれぞれ69.6%および69.0%が現地で生産されています。アジアでは前連結会計年度および当連結会計年度の車両販売台数のそれぞれ94.6%および96.4%が現地で生産されています。生産の現地化により、トヨタは生産過程に使用される供給品および原材料の多くを現地調達することができ、現地での収益と費用の通貨のマッチングをはかることが可能です。 トヨタは、取引リスクの一部に対処するために為替の取引およびヘッジを行っています。これにより為替変動による影響は軽減されますが、すべて排除されるまでには至っておらず、年によってその影響が大きい場合もあり得ます。為替変動リスクをヘッジするためにトヨタで利用されるデリバティブ金融商品に関する追加的な情報については、連結財務諸表注記3(4)③および21を参照ください。 一般的に、円安は営業収益、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼします。日本円の米ドルに対する期中平均相場は、前会計年度に比べて円高に推移しました。また、日本円の米ドルに対する決算日の為替相場は、前会計年度末に比べて円安となりました。日本円のユーロに対する期中平均相場および決算日の為替相場は、前会計年度に比べて円安に推移しました。詳細については、連結財務諸表注記20を参照ください。 ②営業概況a.営業収益営業収益は自動車事業およびその他の事業の合計である商品・製品売上収益ならびに金融事業に係る金融収益で構成されており、当連結会計年度の商品・製品売上収益は45兆8,659億円と、前連結会計年度に比べて5.2%の増収となり、金融事業に係る金融収益は4兆8,190億円と、前連結会計年度に比べて8.6%の増収となりました。詳細については、③bならびに④aを参照ください。 b.売上原価当連結会計年度における売上原価は39兆1,414億円と、前連結会計年度に比べて3兆6,312億円(10.2%)の増加となりました。 この増減には、仕入先基盤強化および資材高騰の影響3,950億円の営業費用の増加が含まれますが、仕入先と一体となった原価改善活動に引き続き精力的に取り組んだ結果、VE(Value Engineering)活動を中心とした設計面での原価改善など2,150億円および工場・物流部門などにおける原価改善600億円により一部相殺されています。 原価改善の努力は、継続的に実施されているVE・VA(Value Analysis)活動、部品の種類の絞込みにつながる部品共通化、ならびに車両生産コストの低減を目的としたその他の製造活動に関連しています。なお、資材高騰の影響には、鉄鋼、貴金属、非鉄金属(アルミ等)、樹脂関連部品などの資材・部品価格の変動による影響が含まれています。 c.金融事業に係る金融費用当連結会計年度における金融事業に係る金融費用は3兆797億円と、前連結会計年度に比べて1,312億円(4.5%)の増加となりました。この増加は、主に有利子負債残高の増加に伴う資金調達コストの増加によるものです。 d.販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4兆6,975億円と、前連結会計年度に比べて849億円(1.8%)の減少となりました。この減少は、主に前連結会計年度に日野自動車㈱の認証不正に関連する費用を計上した影響によるものです。 e.営業利益 金額:百万円 営業利益の対前期比増減営業面の努力710,000原価改善の努力△120,000為替変動の影響△195,000諸経費の増減・低減努力△2,030,000その他605,700 合計△1,029,300 当連結会計年度における営業利益は3兆7,662億円と、前連結会計年度に比べて1兆293億円(21.5%)の減益となりました。この減益は、諸経費の増加2兆300億円などによるものですが、営業面の努力7,100億円などにより一部相殺されています。 上記の諸経費の増加は、米国関税の影響1兆3,800億円を含んでいます。 上記の営業面の努力は、車両販売台数および販売構成の変化2,100億円ならびに価格改定を中心としたその他営業面の努力3,350億円などを含んでいます。 f.その他の収益・費用当連結会計年度における持分法による投資損益は5,527億円と、前連結会計年度に比べて384億円(6.5%)の減益となりました。この減益は、主に持分法適用会社の親会社の所有者に帰属する当期利益の減益によるものです。前連結会計年度および当連結会計年度の所在国別の持分法による投資損益の状況は次のとおりです。 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率  日本 407,085 354,234 △52,851 △13.0% 中国 106,992 108,299 1,307 1.2%  その他 77,143 90,209 13,066 16.9% 合計 591,219 552,742 △38,478 △6.5% 当連結会計年度におけるその他の金融収益は5,942億円と、前連結会計年度に比べて375億円(6.7%)の増加となりました。この増加は、主に有価証券売却益の増加によるものです。 当連結会計年度におけるその他の金融費用は867億円と、前連結会計年度に比べて1,039億円(54.5%)の減少となりました。この減少は、主に有価証券評価損の減少によるものです。 当連結会計年度における為替差損益<純額>は4,007億円と、前連結会計年度に比べて3,045億円の減益となりました。為替差損益は、外国通貨建て取引によって生じた外貨建ての資産および負債を、取引時の為替相場で換算した価額と、先物為替契約を利用して行う決済を含め、同会計年度における決済金額または決算時の為替相場で換算した価額との差額を示すものです。為替差損益<純額>の減益3,045億円は、主に前連結会計年度において、一部の連結子会社の支配の喪失に伴い、連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」に計上されていた「在外営業活動体の為替換算差額」を、連結損益計算書の「為替差損益<純額>」に振り替えたことによるものです。 当連結会計年度におけるその他<純額>は742億円の損失と、前連結会計年度に比べて307億円の減益となりました。 g.法人所得税費用当連結会計年度における法人所得税費用は1兆1,672億円と、前連結会計年度に比べて4,576億円(28.2%)の減少となりました。これは、主に税引前利益の減少などの影響によるもので、当連結会計年度における平均実際負担税率は22.7%となりました。詳細については、連結財務諸表注記16を参照ください。 h.非支配持分に帰属する当期利益当連結会計年度における非支配持分に帰属する当期利益は1,376億円と、前連結会計年度に比べて1,129億円(458.0%)の増益となりました。この増益は、主に連結子会社の当期利益の増益によるものです。 i.親会社の所有者に帰属する当期利益当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は3兆8,480億円と、前連結会計年度に比べて9,169億円(19.2%)の減益となりました。 j.その他の包括利益(税効果考慮後)当連結会計年度におけるその他の包括利益(税効果考慮後)は1兆5,299億円と、前連結会計年度に比べて2兆2,759億円利益が増加しました。これは、主に米ドルやユーロに対する為替レートが円安に進んだことにより、在外営業活動体の為替換算差額が前連結会計年度の8,278億円の損失に対し、当連結会計年度は9,463億円の利益となったこと、および主に制度資産の公正価値が変動したことにより、確定給付制度の再測定が前連結会計年度の1,095億円の損失から当連結会計年度は1,013億円の利益となったことによるものです。 ③事業別営業概況a.セグメンテーショントヨタの最も重要な事業セグメントは、自動車事業セグメントです。トヨタは、世界の自動車市場においてグローバル・コンペティターとして自動車事業を展開しています。マネジメントは世界全体の自動車事業を一つの事業セグメントとして資源の配分やその実績の評価を行っており、自動車事業セグメント内で資源を配分するために、販売台数、生産台数、マーケット・シェア、車両モデルの計画および工場のコストといった財務およびそれ以外に関するデータの評価を行っています。トヨタは国内・海外または部品等のような自動車事業の一分野を個別のセグメントとして管理していません。 b.事業別営業収益・営業利益トヨタの事業別外部顧客向け営業収益・営業利益の商品別内訳は次のとおりです。 前連結会計年度(2025年3月31日に終了した1年間)(単位:百万円) 自動車金融その他消去又は全社連結営業収益 外部顧客への営業収益 車両36,892,232--- 生産用部品1,606,173--- 部品3,423,389--- その他1,074,505--- 外部顧客への営業収益計42,996,2994,437,827602,578-48,036,704セグメント間の営業収益203,56643,353844,536△1,091,455-計43,199,8654,481,1801,447,114△1,091,45548,036,704営業費用39,259,5873,797,6611,265,920△1,082,05043,241,118営業利益3,940,278683,519181,194△9,4054,795,586 当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間) (単位:百万円) 自動車金融その他消去又は全社連結営業収益 外部顧客への営業収益 車両38,847,899--- 生産用部品1,509,449--- 部品3,608,666--- その他1,235,909--- 外部顧客への営業収益計45,201,9244,819,003664,026-50,684,952セグメント間の営業収益215,77938,112987,387△1,241,278-計45,417,7034,857,1151,651,412△1,241,27850,684,952営業費用42,640,6544,005,3941,519,333△1,246,64446,918,736営業利益2,777,049851,722132,0795,3663,766,216 c.自動車事業セグメント自動車事業の営業収益は、トヨタの営業収益のうち最も高い割合を占めます。当連結会計年度における自動車事業セグメントの営業収益は45兆4,177億円と、前連結会計年度に比べて2兆2,178億円(5.1%)の増収となりました。この増収は、主に車両販売台数および販売構成の変化による影響1兆9,000億円によるものです。 当連結会計年度における自動車事業セグメントの営業利益は2兆7,770億円と、前連結会計年度に比べて1兆1,632億円(29.5%)の減益となりました。この営業利益の減益は、主に諸経費の増加2兆300億円によるものですが、営業面の努力7,100億円などにより一部相殺されています。 d.金融事業セグメント当連結会計年度における金融事業セグメントの営業収益は4兆8,571億円と、前連結会計年度に比べて3,759億円(8.4%)の増収となりました。この増収は、主に融資残高の増加によるものです。当連結会計年度における金融事業セグメントの営業利益は8,517億円と、前連結会計年度に比べて1,682億円(24.6%)の増益となりました。この営業利益の増益は、主に米国の販売金融子会社において、金利スワップ取引の評価益が計上されたことなどによるものです。 前連結会計年度末および当連結会計年度末の各地域における融資件数(残高)の状況は次のとおりです。 千件 3月31日 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率日本 2,740 2,652 △88 △3.2%北米 5,647 5,659 12 0.2%欧州 1,944 2,076 132 6.8%アジア 2,245 2,307 62 2.8%その他 1,054 1,108 54 5.1% 合計 13,630 13,802 172 1.3% (注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカからなります。 e.その他の事業セグメントトヨタのその他の事業には、情報通信事業等が含まれます。 当連結会計年度におけるその他の事業セグメントの営業収益は1兆6,514億円と、前連結会計年度に比べて2,042億円(14.1%)の増収となりました。当連結会計年度におけるその他の事業セグメントの営業利益は1,320億円と、前連結会計年度に比べて491億円(27.1%)の減益となりました。 f.自動車等セグメントと金融セグメントを区分した連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日に終了した1年間)当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間)(自動車等) 営業収益43,787,70946,079,610売上原価35,684,33239,325,176販売費及び一般管理費3,984,4693,830,878営業利益4,118,9082,923,556その他の収益・費用(△)<純額>1,622,5391,387,992税引前利益5,741,4474,311,548法人所得税費用1,446,627935,124当期利益4,294,8203,376,424当期利益の帰属 親会社の所有者4,281,2313,245,638非支配持分13,589130,786 (金融) 営業収益4,481,1804,857,115売上原価2,960,2273,101,062販売費及び一般管理費837,435904,331営業利益683,519851,722その他の収益・費用(△)<純額>△10,3095,672税引前利益673,210857,393法人所得税費用178,000232,086当期利益495,210625,307当期利益の帰属 親会社の所有者484,129618,430非支配持分11,0816,878 (消去) 当期利益消去△274△15,970 (連結) 当期利益4,789,7553,985,761当期利益の帰属 親会社の所有者4,765,0863,848,098非支配持分24,670137,664 ④地域別営業概況前連結会計年度(2025年3月31日に終了した1年間)(単位:百万円) 日本北米欧州アジアその他消去又は全社連結営業収益 外部顧客への営業収益10,719,12018,930,2536,110,0527,903,3604,373,919-48,036,704 所在地間の 営業収益11,139,974370,074203,4371,084,702147,338△12,945,525-計21,859,09419,300,3276,313,4898,988,0624,521,257△12,945,52548,036,704営業費用18,707,97119,191,5195,897,9368,091,5524,268,632△12,916,49243,241,118営業利益3,151,123108,808415,553896,510252,626△29,0334,795,586 当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間)(単位:百万円) 日本北米欧州アジアその他消去又は全社連結営業収益 外部顧客への営業収益10,985,61420,661,4906,464,9117,966,4554,606,482-50,684,952 所在地間の 営業収益11,088,528418,175236,2801,304,921152,511△13,200,415-計22,074,14121,079,6656,701,1919,271,3774,758,993△13,200,41550,684,952営業費用19,753,10321,272,2196,343,4498,401,5514,430,028△13,281,61346,918,736営業利益・損失(△)2,321,038△192,554357,743869,826328,96681,1983,766,216 (注)「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中東からなります。 a.地域別営業収益・営業利益・日本 千台 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率連結販売台数 3,932 4,083 151 3.8%(日本は輸出台数を含む) 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率営業収益 商品・製品売上収益 21,468,488 21,651,881 183,393 0.9% 金融事業に係る金融収益 390,606 422,260 31,654 8.1% 営業収益計 21,859,094 22,074,141 215,047 1.0%営業費用 18,707,971 19,753,103 1,045,132 5.6%営業利益 3,151,123 2,321,038 △830,085 △26.3% 日本の営業収益は、トヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて151千台増加したことや、価格改定などにより、増収となりました。前連結会計年度および当連結会計年度における輸出台数はそれぞれ1,941千台および2,001千台となりました。営業利益は、諸経費の増加および為替変動の影響などにより、前連結会計年度に比べて減益となりました。 ・北米 千台 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率連結販売台数 2,703 2,934 231 8.5% 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率営業収益 商品・製品売上収益 16,606,446 18,241,546 1,635,100 9.8% 金融事業に係る金融収益 2,693,881 2,838,119 144,238 5.4% 営業収益計 19,300,327 21,079,665 1,779,338 9.2%営業費用 19,191,519 21,272,219 2,080,700 10.8%営業利益・損失(△) 108,808 △192,554 △301,362 - 北米の営業収益は、トヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて231千台増加したことや、価格改定などにより、増収となりました。営業利益は、諸経費の増加および関税の影響などにより、前連結会計年度に比べて減益となりました。 ・欧州 千台 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率連結販売台数 1,172 1,183 11 1.0% 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率営業収益 商品・製品売上収益 5,577,646 5,808,718 231,071 4.1% 金融事業に係る金融収益 735,843 892,474 156,631 21.3% 営業収益計 6,313,489 6,701,191 387,702 6.1%営業費用 5,897,936 6,343,449 445,512 7.6%営業利益 415,553 357,743 △57,810 △13.9% 欧州の営業収益は、トヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて11千台増加したことや、為替変動の影響や価格改定などにより、増収となりました。営業利益は、為替変動の影響などにより、前連結会計年度に比べて減益となりました。 ・アジア 千台 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率連結販売台数 1,838 1,759 △79 △4.3% 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率営業収益 商品・製品売上収益 8,701,501 8,963,111 261,609 3.0% 金融事業に係る金融収益 286,561 308,266 21,705 7.6% 営業収益計 8,988,062 9,271,377 283,315 3.2%営業費用 8,091,552 8,401,551 309,999 3.8%営業利益 896,510 869,826 △26,684 △3.0% アジアの営業収益は、トヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて79千台減少したものの、価格改定などにより、増収となりました。営業利益は、為替変動の影響などにより、前連結会計年度に比べて減益となりました。 ・その他の地域 千台 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率連結販売台数 1,659 1,637 △22 △1.3% 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 増減および増減率 2025年 2026年 増減 増減率営業収益 商品・製品売上収益 4,023,077 4,215,127 192,050 4.8% 金融事業に係る金融収益 498,180 543,866 45,686 9.2% 営業収益計 4,521,257 4,758,993 237,736 5.3%営業費用 4,268,632 4,430,028 161,396 3.8%営業利益 252,626 328,966 76,340 30.2% その他地域の営業収益は、トヨタの販売台数が前連結会計年度に比べて22千台減少したものの、為替変動の影響などにより、増収となりました。営業利益は、営業面の努力などにより、前連結会計年度に比べて増益となりました。 各地域における営業利益の対前期比増減要因は次のとおりです。(金額:百万円) 日本北米欧州アジアその他営業面の努力265,000415,000△30,00065,00045,000原価改善の努力△145,00025,00015,00015,000△30,000為替変動の影響△105,00025,000△45,000△75,0005,000諸経費の増減・低減努力△1,250,000△865,000△30,000△15,000△30,000その他404,91598,63832,190△16,68486,340合計△830,085△301,362△57,810△26,68476,340 b.外部顧客の所在地別営業収益 金額:百万円 3月31日に終了した1年間 2025年 2026年日本7,723,171 7,942,616北米18,985,399 20,783,571欧州5,979,720 6,396,867アジア7,944,206 7,894,843その他7,404,208 7,667,056合計48,036,704 50,684,952 (注) 「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中東ほかからなります。 ⑤流動性と資金の源泉トヨタは、金融危機や東日本大震災などの経験から、いかなる経営環境においても事業継続を支えるため、自動車事業の固定費の半年分程度と、金融事業の再調達額の半年分程度に相当する手元資金を確保しています。 設備投資および研究開発活動のための資金を、主に営業活動から得た現金により調達してきています。 2027年3月31日に終了する連結会計年度については、トヨタは設備投資および研究開発活動のための十分な資金を、主に手元の現金及び現金同等物、営業活動から得た現金、および社債・借入金等の資金調達で充当する予定です。トヨタはこれらの資金を、従来の設備の維持更新・新製品導入へ効率的に投資しつつ、モビリティ・カンパニーへの変革に向け、競争力強化・将来の成長に資する分野に重点を置いて投資する予定です。2025年4月1日から2026年3月31日までに行われた重要な設備投資および処分に関する情報ならびに現在進行中の重要な設備投資および処分に関する情報は、「第3 設備の状況」を参照ください。 顧客や販売店に対する融資プログラムおよびリース・プログラムで必要となる資金について、トヨタは販売金融子会社の営業活動から得た現金と社債・借入金等の資金調達によりまかなっています。トヨタは金融子会社のネットワークを通じて、世界中の現地市場で資金を調達する能力を向上させるよう努めています。 a.キャッシュ・フローの分析当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の3兆6,969億円の資金の増加に対し、5兆4,729億円の資金の増加となり、1兆7,759億円増加しました。この増加は、当連結会計年度(2026年3月31日に終了した12ヶ月間)における法人所得税の支払額が減少した結果、資金が1兆2,607億円増加したことなどによるものです。 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の4兆1,897億円の資金の減少に対し、1兆5,203億円の資金の減少となり、2兆6,694億円減少幅が縮小しました。この減少幅の縮小は、主に公社債の満期償還の金額が前連結会計年度と比較して、2兆644億円増加したことによる影響です。 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の1,972億円の資金の増加に対し、5,366億円の資金の減少となり、7,338億円減少しました。この減少は、主に長期有利子負債の返済が1兆843億円増加したことによるものです。 当連結会計年度における資本的支出(賃貸資産を含む)は、前連結会計年度の5兆9,912億円から6兆597億円と前年度並みになりました。 2027年3月31日に終了する連結会計年度において、賃貸および賃借資産を除く設備投資額は約2兆3,000億円となる予定です。 自動車等セグメントと金融セグメントを区分した連結キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日に終了した1年間)当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間)(自動車等) 営業活動によるキャッシュ・フロー 当期利益4,294,8203,376,424減価償却費及び償却費1,413,0661,472,087持分法による投資損益△579,619△542,072法人所得税費用1,446,627935,124資産及び負債の増減ほか△370,839744,179利息の受取額363,304318,422配当金の受取額617,644424,816利息の支払額△100,770△90,538法人所得税の支払額△2,347,622△1,159,061営業活動によるキャッシュ・フロー4,736,6105,479,380投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産の購入<賃貸資産を除く>△1,878,342△2,119,162賃貸資産の購入△24,855△33,176有形固定資産の売却<賃貸資産を除く>68,26628,647賃貸資産の売却6,0357,997無形資産の取得△341,131△365,834公社債及び株式の購入△3,446,017△3,816,713公社債及び株式の売却及び公社債の満期償還3,423,1025,140,628その他△618,3091,172,580投資活動によるキャッシュ・フロー△2,811,25114,967財務活動によるキャッシュ・フロー 短期有利子負債の純増減額(△は減少)△116,5493,307長期有利子負債の増加162,735540,117長期有利子負債の返済△306,768△939,292親会社の所有者への配当金の支払額△1,132,329△1,238,974非支配持分への配当金の支払額△122,565△120,431自己株式の取得(△)及び処分△1,179,043△39,975その他55,56034,712財務活動によるキャッシュ・フロー△2,638,959△1,760,535現金及び現金同等物に対する為替変動の影響額△88,260176,261現金及び現金同等物純増減額(△は減少)△801,8603,910,073現金及び現金同等物期首残高6,892,8176,090,957売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)-△115,932現金及び現金同等物期末残高6,090,9579,885,097 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日に終了した1年間)当連結会計年度(2026年3月31日に終了した1年間)(金融) 営業活動によるキャッシュ・フロー 当期利益495,210625,307減価償却費及び償却費838,167920,432金融事業に係る利息収益及び利息費用△769,800△833,480持分法による投資損益△11,600△10,669法人所得税費用178,000232,086資産及び負債の増減ほか△2,405,422△1,739,575利息の受取額2,332,2962,468,460配当金の受取額5,6515,958利息の支払額△1,531,190△1,620,645法人所得税の支払額△153,692△81,619営業活動によるキャッシュ・フロー△1,022,379△33,745投資活動によるキャッシュ・フロー 有形固定資産の購入<賃貸資産を除く>△28,469△29,030賃貸資産の購入△2,972,065△2,733,176有形固定資産の売却<賃貸資産を除く>2,5552,595賃貸資産の売却1,701,8641,347,608無形資産の取得△13,064△12,970公社債及び株式の購入△519,533△473,958公社債及び株式の売却及び公社債の満期償還326,469376,933その他89,63343,662投資活動によるキャッシュ・フロー△1,412,610△1,478,336財務活動によるキャッシュ・フロー 短期有利子負債の純増減額(△は減少)229,903△121,594長期有利子負債の増加13,251,35212,408,438長期有利子負債の返済△10,618,851△11,087,637非支配持分への配当金の支払額△4,667△4,985その他△4,716△0財務活動によるキャッシュ・フロー2,853,0221,194,223現金及び現金同等物に対する為替変動の影響額△45,829200,936現金及び現金同等物純増減額(△は減少)372,203△116,923現金及び現金同等物期首残高2,519,2442,891,447売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)--現金及び現金同等物期末残高2,891,4472,774,524 (連結) 現金及び現金同等物に対する為替変動の影響額△134,089377,197現金及び現金同等物純増減額(△は減少)△429,6563,793,150現金及び現金同等物期首残高9,412,0608,982,404売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)-△115,932現金及び現金同等物期末残高8,982,40412,659,622 b.財政状態の分析 現金及び現金同等物は、2026年3月31日現在で12兆6,596億円でした。現金及び現金同等物の大部分は円建てまたは米ドル建てです。 トヨタは、現金及び現金同等物、定期預金、公社債および信託ファンドへの投資を総資金量と定義しており、当連結会計年度において総資金量は、22兆1,179億円となりました。 当連結会計年度における営業債権及びその他の債権は、1,162億円(3.2%)増加し、3兆7,959億円となりました。これは主に、為替変動の影響によるものです。 当連結会計年度における棚卸資産は、5,367億円(11.7%)増加し、5兆1,349億円となりました。これは主に、為替変動の影響によるものです。 当連結会計年度における金融事業に係る債権合計は、5兆3,416億円(15.9%)増加し、38兆9,666億円となりました。これは主に、顧客や販売店に対する融資残高の増加によるものです。2026年3月31日現在における金融債権の地域別内訳は、北米52.2%、欧州15.4%、アジア11.4%、日本10.0%、その他の地域11.0%でした。 当連結会計年度におけるその他の金融資産合計は、1兆7,003億円(10.1%)減少しました。これは主に、公社債の減少によるものです。 当連結会計年度における有形固定資産は、1兆7,336億円(11.3%)増加しました。これは主に、設備投資によるものです。 当連結会計年度における営業債務及びその他の債務は、3,295億円(6.0%)増加しました。これは主に、部品調達に伴う買掛金の増加によるものです。 当連結会計年度における未払法人所得税は、2,061億円(40.8%)増加しました。これは主に、法人所得税の中間納付の減少などによるものです。 当連結会計年度における有利子負債合計は、4兆4,125億円(11.4%)増加しました。トヨタの短期借入債務は、加重平均利率2.51%の借入金と、加重平均利率3.15%のコマーシャル・ペーパーにより構成されています。当連結会計年度における短期借入債務は、前連結会計年度に比べて2,346億円(4.3%)増加し、5兆6,990億円となりました。トヨタの長期借入債務は、加重平均利率が2.91%から7.86%、返済期限が2026年から2048年の無担保の借入金、担保付きの借入金、無担保普通社債およびミディアム・ターム・ノート、担保付普通社債などにより構成されています。当連結会計年度の1年以内に返済予定の長期借入債務は1兆4,456億円(14.1%)増加し、11兆7,185億円となり、返済期限が1年超の長期借入債務は2兆5,546億円(11.3%)増加し、25兆767億円となりました。借入債務合計の増加は、主に金融子会社における融資残高の伸びに伴う資金需要の高まりによるものです。2026年3月31日現在で、長期借入債務の約47%は米ドル建て、約14%はユーロ建て、約12%は円建て、約5%は豪ドル建て、約4%は加ドル建て、約18%はその他の通貨によるものです。トヨタは、金利スワップを利用することにより固定金利のエクスポージャーをヘッジしています。トヨタの借入必要額に重要な季節的変動はありません。 2025年3月31日現在におけるトヨタの親会社の所有者に帰属する持分合計に対する有利子負債比率は、108.0%でしたが、2026年3月31日現在では108.2%となりました。 トヨタの短期および長期借入債務は、2026年5月31日現在、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ・レーティングス(Moody's)および格付投資情報センター(R&I)により、次のとおり格付けされています。なお、信用格付けは株式の購入、売却もしくは保有を推奨するものではなく、何時においても撤回もしくは修正され得ます。各格付けはその他の格付けとは個別に評価されるべきです。 S&P Moody's R&I短期借入債務 A-1+ P-1 ―長期借入債務 A+ A1 AAA 当連結会計年度における確定給付負債(資産)の純額は、国内および海外で、それぞれ2,437億円および3,910億円と、前連結会計年度に比べて、国内は231億円(10.5%)増加し、海外は402億円(11.5%)の増加となりました。確定給付負債(資産)の純額は、トヨタによる将来の現金拠出または対象従業員に対するそれぞれの退職日における支払いにより解消されます。国内においては、割引率上昇に伴う確定給付制度債務の減少はあったものの、主に退職給付信託の一部返還に伴う制度資産の減少により、確定給付負債(資産)の純額は増加しました。詳細については、連結財務諸表注記23を参照ください。 トヨタの財務方針は、すべてのエクスポージャーの管理体制を維持し、相手先に対する厳格な信用基準を厳守し、市場のエクスポージャーを積極的にモニターすることです。トヨタは、トヨタファイナンシャルサービス㈱に金融ビジネスを集中させ、同社を通じて金融ビジネスのグローバルな効率化を目指しています。 財務戦略の主な要素は、短期的な収益の変動に左右されることなく事業を継続し、研究開発活動、設備投資および金融事業に対して戦略的に投資できるような、安定した財務基盤を維持することです。トヨタは、現在必要とされる資金水準を十分満たす流動性を保持していると考えており、また、高い信用格付けを維持することにより、引き続き多額の資金を比較的安いコストで外部から調達することができると考えています。高い格付けを維持するためには、数多くの条件が求められ、その中にはトヨタがコントロールできないものも含まれています。これらの条件には、日本およびトヨタが事業を行うその他の主要な市場の全体的な景気などが含まれています。 トヨタは金融事業のための資金調達の一つの方法として特別目的事業体を通じた証券化プログラムを利用しています。これらの証券化取引は、トヨタが第一受益者であるものとして連結しており、当連結会計年度におけるオフバランス化される取引に重要なものはありません。 トヨタの非デリバティブ金融負債およびデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額に関しては、連結財務諸表注記20を参照ください。また、トヨタはその通常業務の一環として、一定の原材料、部品およびサービスの購入に関して、仕入先と長期契約を結ぶ場合があります。これらの契約は、一定数量または最低数量の購入を規定している場合があります。トヨタはかかる原材料またはサービスの安定供給を確保するためにこれらの契約を締結しています。 次の表は、2026年3月31日現在のトヨタの契約上の債務および商業上の契約債務を要約したものです。 金額:百万円 返済期限 合計 1年未満 1年以上3年未満 3年以上5年未満 5年以上契約上の債務: 短期借入債務5,699,083 5,699,083 - - - 長期借入債務37,506,386 11,882,021 14,999,702 8,093,928 2,530,735有形固定資産およびその他の資産ならびにサービスの購入に係る契約上のコミットメント(注記32)2,570,912 443,289 518,144 565,469 1,044,010合計45,776,381 18,024,393 15,517,846 8,659,397 3,574,745 商業上の契約債務: 通常の事業から生じる最大見込保証債務(注記32)1,553,327 546,125 791,437 135,278 80,487合計1,553,327 546,125 791,437 135,278 80,487 * 長期借入債務の金額は、将来の支払元本を表しています。 また、トヨタは2027年3月31日に終了する連結会計年度において、退職後給付制度に対し、国内および海外で、それぞれ34,336百万円および18,488百万円を拠出する予定です。 自動車等セグメントと金融セグメントを区分した連結財政状態計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)資産 (自動車等) 流動資産 現金及び現金同等物6,090,9579,885,097営業債権及びその他の債権3,689,0213,835,922その他の金融資産6,198,3763,211,041棚卸資産4,588,7555,120,950その他の流動資産1,034,5071,288,955売却目的で保有する資産-2,016,804 流動資産合計21,601,61625,358,768非流動資産 有形固定資産9,134,8579,584,748その他の非流動資産17,556,28518,451,708非流動資産合計26,691,14228,036,455 資産合計48,292,75853,395,223 (金融) 流動資産 現金及び現金同等物2,891,4472,774,524営業債権及びその他の債権410,958454,168金融事業に係る債権11,453,24913,483,501その他の金融資産1,443,0421,544,390その他の流動資産414,216489,695 流動資産合計16,612,91218,746,278非流動資産 金融事業に係る債権22,171,78625,494,405有形固定資産6,198,8387,482,619その他の非流動資産1,787,2502,018,407非流動資産合計30,157,87434,995,431 資産合計46,770,78653,741,709 (消去) 資産消去計△1,462,194△1,614,601 (連結) 資産合計93,601,350105,522,331  (注)自動車等セグメントは全社資産を含んでいます。 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)負債 (自動車等) 流動負債 営業債務及びその他の債務5,195,2045,492,355有利子負債1,188,430976,235未払費用1,729,2792,014,207未払法人所得税454,252654,751その他の流動負債3,495,0753,844,179売却目的で保有する資産に直接関連する負債-694,547流動負債合計12,062,24013,676,274非流動負債 有利子負債1,547,4611,823,843退職給付に係る負債1,001,2271,002,213その他の非流動負債2,442,3822,520,522非流動負債合計4,991,0705,346,578 負債合計17,053,30919,022,852 (金融) 流動負債 営業債務及びその他の債務674,347777,916有利子負債15,111,97717,042,885未払費用137,836142,451未払法人所得税51,24856,924その他の流動負債2,535,5013,193,333流動負債合計18,510,91021,213,511非流動負債 有利子負債21,515,87323,904,821退職給付に係る負債18,34120,271その他の非流動負債1,089,6541,958,944非流動負債合計22,623,86825,884,036 負債合計41,134,77847,097,547 (消去)負債消去計△1,465,650△1,618,136 (連結)負債合計56,722,43764,502,263 資本  (連結)親会社の所有者に帰属する持分合計35,924,82639,918,854 (連結)非支配持分954,0881,101,214 (連結)資本合計36,878,91341,020,068  (連結)負債及び資本合計93,601,350105,522,331 ⑥貸出コミットメントa.クレジットカード会員に対する貸出コミットメントトヨタは金融事業の一環としてクレジットカードを発行しています。トヨタは、クレジットカード事業の慣習に従い、カード会員に対する貸付の制度を有しています。貸出はお客様ごとに信用状態の調査を実施した結果設定した限度額の範囲内で、お客様の要求により実行されます。カード会員に対する貸付金には保証は付されませんが、貸倒損失の発生を最小にするため、また適切な貸出限度額を設定するために、トヨタは、提携関係にある金融機関からの財務情報の分析を含むリスク管理方針により与信管理を実施するとともに、定期的に貸出限度額の見直しを行っています。2026年3月31日現在のカード会員に対する貸出未実行残高は1,516億円です。 b.販売店に対する貸出コミットメントトヨタは金融事業の一環として販売店に対する融資の制度を有しています。貸付は買収、設備の改装、不動産の購入、運転資金の確保のために行われます。これらの貸付金については、通常担保権が設定されており、販売店の不動産、車両在庫、その他販売店の資産等、場合に応じて適切と考えられる物件に対して設定しています。さらに慎重な対応が必要な場合には販売店が指名した個人による保証または販売店グループが指名した法人による保証を付しています。貸付金は通常担保または保証が付されていますが、担保または保証の価値がトヨタのエクスポージャーを十分に補うことができていない可能性があります。トヨタは融資制度契約を締結することによって生じるリスクに従って融資制度を評価しています。トヨタの金融事業は、販売店グループと呼ばれる複数のフランチャイズ系列に対しても融資を行っており、しばしば貸出組合に参加することでも融資を行っています。こうした融資は、融資先の卸売車両の購入、買収、設備の改装、不動産の購入、運転資金の確保等を目的とするものです。2026年3月31日現在の販売店に対する貸出未実行残高は2兆5,127億円です。 ⑦保証詳細については、連結財務諸表注記32を参照ください。 ⑧関連当事者との取引詳細については、連結財務諸表注記34を参照ください。 ⑨重要な会計上の見積りIFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債およびトヨタの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、次のとおりです。  ・品質保証に係る負債 ・金融事業に係る金融損失引当金 ・非金融資産の減損 ・退職給付に係る負債 ・公正価値測定 ・繰延税金資産の回収可能性 ・引当金 詳細については、連結財務諸表注記4を参照ください。

事業リスク

トヨタ自動車は、世界の自動車市場における競争激化に直面しており、新技術の登場や業界再編により、販売台数の減少や価格低下のリスクがあります。また、世界経済の変動や各市場の景気動向により、自動車需要が変動し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。お客様のニーズに迅速に対応した革新的で価格競争力のある新商品を投入できない場合、販売シェアの縮小や利益率の低下につながるリスクも存在します。さらに、部品や原材料の調達を特定の仕入先に依存しているため、供給遅延やコスト増加が生産に影響を与える可能性もあります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,492 文字
3 【事業等のリスク】以下において、トヨタの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、以下はトヨタに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2026年6月10日)現在において判断したものです。 (1)市場および事業に関するリスク①自動車市場の競争激化世界の自動車市場では激しい競争が繰り広げられています。トヨタは、ビジネスを展開している各々の地域で、自動車メーカーとの競争に直面しています。近年、自動車市場における競争はさらに激化しており、厳しい状況が続いています。また、世界の自動車産業におけるCASEなどの技術革新が進むことによって、競争は今後より一層激化する可能性があり、業界再編につながる可能性もあります。競争に影響を与える要因としては、製品の品質・機能、安全性、信頼性、燃費、革新性、開発に要する期間、価格、カスタマー・サービス、自動車金融の利用条件、各国の税制優遇措置等の点が挙げられます。競争力を維持することは、トヨタの既存および新規市場における今後の成功、販売シェアにおいて最も重要です。トヨタは、エンジン車から電動車へのお客様のニーズの変化など、昨今の自動車市場の急激な変化に的確に対応し、今後も競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めていきますが、将来優位に競争することができないリスクがあります。競争が激化した場合、自動車の販売台数の減少や販売価格の低下などが起きる可能性があり、それによりトヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローが悪影響を受けるリスクがあります。 ②自動車市場の需要変動トヨタが参入している各市場では、今までも需要が変動してきました。各市場の状況によって、自動車の販売は左右されます。トヨタの販売は、世界各国の市場に依存しており、各市場の景気動向はトヨタにとって特に重要です。このような需要の変化は現在でも続いており、この状況が今後どのように推移するかは不透明です。今後トヨタの想定を超えて需要の変化が継続または悪化した場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。また、需要は、販売・金融インセンティブ、原材料・部品等の価格、燃料価格、政府の規制(関税、輸入規制、その他の租税を含む)など、自動車の価格および自動車の購入・維持費用に直接関わる要因により、影響を受ける場合があります。需要が変動した場合、自動車の販売台数の減少や販売価格の低下などが起きる可能性があり、それによりトヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローが悪影響を受けるリスクがあります。 ③お客様のニーズに速やかに対応した、革新的で価格競争力のある新商品を投入する能力製品の開発期間を短縮し、魅力あふれる新型車でお客様にご満足いただくことは、自動車メーカーにとっては成功のカギとなります。特に、品質、安全性、信頼性、サステナビリティにおいて、お客様にご満足いただくことは非常に重要です。世界経済の変化や技術革新に伴い、自動車市場の構造が急激に変化している現在、お客様の価値観とニーズの急速な変化に対応した新型車および新機能を適時・適切にかつ魅力ある価格で投入することは、トヨタの成功にとってこれまで以上に重要であり、技術・商品開発から生産にいたる、トヨタの事業の様々なプロセスにおいて、そのための取り組みを進めています。しかし、トヨタが、品質、安全性、信頼性、スタイル、サステナビリティ、その他の性能に関するお客様の価値観とニーズを適時・適切にかつ十分にとらえることができない可能性があります。また、トヨタがお客様の価値観とニーズをとらえることができたとしても、その有する技術、知的財産、原材料や部品の調達、原価低減能力を含む製造能力またはその他生産性に関する状況により、価格競争力のある新製品を適時・適切に開発・製造できない可能性があります。また、トヨタが計画どおりに新製品の投入や設備投資を実施し、製造能力を維持・向上できない可能性もあります。お客様のニーズに対応する製品を開発・提供できない場合、販売シェアの縮小ならびに営業収益と利益率の低下を引き起こすリスクがあります。 ④効果的な販売・流通を実施する能力トヨタの自動車販売の成功は、お客様のご要望を満たす流通網と販売手法に基づき効果的な販売・流通を実施する能力に依存します。トヨタはその参入している各主要市場につきお客様の価値観または地政学的な緊張関係や規制環境において、変化に効果的に対応した流通網と販売手法を展開できない場合は、営業収益および販売シェアが減少するリスクがあります。 ⑤ブランド・イメージの維持・発展競争の激しい自動車業界において、ブランド・イメージを維持し発展させることは非常に重要です。ブランド・イメージを維持し発展させるためには、トヨタグループおよび仕入先が法令遵守を徹底し、お客様の価値観やニーズに対応した安全で高品質の製品を提供すること、また、ステークホルダーの皆様への迅速かつ適切な情報発信を通じ、ステークホルダーの皆様の信頼をさらに高めていくことが重要です。また、企業としてサステナビリティに貢献することの重要性も高まっています。しかし、トヨタグループや仕入先があらゆる場面において、それを徹底できるとは限りません。さらに、トヨタまたは仕入先がサステナビリティに貢献しない、または気候変動やサプライチェーンにおける人権保護など、特定のサステナビリティに関する目標または目的を達成できない場合、トヨタのブランド・イメージが低下する可能性があります。トヨタのブランド・イメージを効果的に維持し発展させることができなかった場合、営業収益と利益率の低下を引き起こすリスクがあります。 ⑥仕入先への部品・原材料供給の依存トヨタは、部品や原材料などの調達部品を世界中の複数の競合する仕入先から調達する方針を取っていますが、調達部品によっては他の仕入先への代替が難しいものもあり、特定の仕入先に依存しているものがあります。また、かかる特定の仕入先からの調達ができない場合、当該部品等の調達がより困難となり、生産面への影響を受ける可能性があります。さらに、トヨタが直接の取引先である一次仕入先を分散していたとしても、一次仕入先が部品調達を二次以降の特定の仕入先に依存していた場合、同様に部品の供給を受けられないリスクもあります。仕入先の数に関わらず、トヨタが調達部品を継続的にタイムリーかつ低コストで調達できるかどうかは、多くの要因の影響を受けますが、それら要因にはトヨタがコントロールできないものも含まれています。それらの要因の中には、仕入先が継続的に調達部品を調達し供給できるか、またトヨタが、仕入先から調達部品を競争力のある価格で供給を受けられるか等が含まれます。このような能力に悪影響を与える可能性のある状況には、地政学的な緊張や、経済制裁などの政府の行動が含まれます。特定の仕入先を失う、またはそれら仕入先から調達部品をタイムリーもしくは低コストで調達できない場合、トヨタの生産に遅延や休止またはコストの増加を引き起こす可能性があり、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響が及ぶ可能性があります。 ⑦金融サービスにおける競争の激化世界の金融サービス業界では激しい競争が繰り広げられています。自動車金融の競争激化は、利益率の減少を引き起こす可能性があります。この他トヨタの金融事業に影響を与える要因には、トヨタ車の販売台数の減少、中古車の価格低下による残存価値リスクの増加、貸倒率の増加および資金調達費用の増加が挙げられます。 ⑧デジタル情報技術および情報セキュリティへの依存トヨタは、機密データを含む電子情報を処理・送信・蓄積するため、または製造・研究開発・サプライチェーン管理・販売・会計を含む様々なビジネスプロセスや活動を管理・サポートするために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムを利用しています。さらに、トヨタの製品にも情報サービス機能や運転支援機能など様々なデジタル情報技術が利用されています。これらのデジタル情報技術ネットワークやシステムは、安全対策が施されているものの、ハッカーによる不正アクセスやコンピュータウィルスによる攻撃、トヨタが利用するネットワークおよびシステムにアクセスできる者による不正使用・誤用、開発ベンダー・クラウド業者など関係取引先からのサービスの停止、電力供給不足を含むインフラの障害、天災などによって被害や妨害を受ける、または停止する可能性があります。特にサイバー攻撃や他の不正行為は苛烈さ、巧妙さ、頻度において脅威を増しており、そのような攻撃の標的であり続ける恐れがあります。このような事態が起きた場合、重要な業務の中断や、機密データの漏洩、トヨタ製品の情報サービス機能・運転支援機能などへの悪影響のほか、法的請求、訴訟、賠償責任、罰金の支払い義務などが発生する可能性もあります。その結果、トヨタのブランド・イメージや、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、トヨタの取引先やビジネスパートナーに対する同様の攻撃は、トヨタにも同様の悪影響を与える可能性があります。 ⑨気候変動および低炭素経済への移行気候変動リスクは、日本および世界で、社会面、規制を含む政治面での関心が高まっています。これらのリスクには、気候変動による物理的リスクや低炭素経済への移行リスクが含まれます。気候変動の物理的リスクには、台風、洪水、竜巻、干ばつ、山火事など突発的な気象変化に起因する影響と、気温上昇、海面上昇など、長期的な気象変化による影響の両方が含まれます。トヨタはBusiness Continuity Plan(BCP)を策定していますが、異常気象による大規模災害に加え、熱波等が増加・激甚化することで熱中症のリスクが増加し、また、干ばつや渇水による水不足も予想されます。これらは、トヨタならびに仕入先および取引先の従業員、施設およびその他の資産に損害を与える可能性があり、トヨタの生産、販売またはその他の事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。大規模な災害等はまた、お客様の財政状態に悪影響を及ぼし、トヨタの製品およびサービスの需要に悪影響を与える可能性があります。低炭素経済への移行リスクとは、気候関連のリスクを軽減するための規制、技術、および市場の変化やその対応に伴うリスクです。例えば、トヨタは、気候変動に関する法律、規制、政策の変更、気候変動に対処するための技術革新、市場構造の変化をとらえた自動車産業への新規参入者などの要因により、自動車に対するお客様のニーズが変化するリスクにさらされています。お客様のニーズの変化は、トヨタが部品や原材料などの調達部品を継続的かつ競争力のある価格で調達するために、新たな供給網の確立や既存の供給網の強化が必要になるなど、付随的なリスクや課題をもたらす可能性があります。トヨタは、そのようなリスクの顕在化の結果として、またはリスク軽減やリスク対応の努力の結果として、多額の費用および支出を負担する可能性があります。また、お客様のニーズに対応する製品を開発・提供できない場合、販売シェアの縮小ならびに営業収益と利益率の低下を引き起こすリスクがあります。 トヨタは、トヨタの事業やビジネスパートナーに関する気候変動関連事項の開示を公表しています。この開示には、トヨタの予想に基づき、将来の見通しに関する記述が含まれており、結果的にこれらが実現できない可能性があります。また、気候変動に関する取り組みは意図した結果をもたらさない可能性があり、目標の達成時期やコスト、達成能力に関する予測は、リスクと不確実性を伴います。その結果、気候変動関連の目標が達成できない恐れがあります。特に、中長期にわたるトヨタの気候変動関連の目標の達成には、多大なリソーセスと投資、ならびにコンプライアンス、リスク管理システム、内部統制およびその他の内部手続のさらなる改善が必要です。また、トヨタがコントロールできない環境・エネルギー規制、政策の変更、技術革新、顧客や競合他社の行動等にも影響を受けます。気候変動関連の目標を達成できない、または達成できないとみなされた場合、トヨタのブランド・イメージ、財務状況、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(5)気候変動関連課題への対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。 ⑩優秀で多様な人材の確保と育成事業環境の急激な変化やモビリティカンパニーへの変革に向けた取り組みを進めるにあたり、優秀で多様な人材を確保し、育成し続けることが重要です。しかしながら、そのような人材の獲得競争は激しく、トヨタが高い専門性や豊富な経験を持つ多様な人材を計画どおりに採用、定着化できない場合、または成長に必要な機会、教育、リソースを提供できない場合、競争力低下につながり、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (2)金融・経済のリスク①為替および金利変動の影響トヨタの収益は、外国為替相場の変動に影響を受け、主として日本円、米ドル、ユーロ、ならびに豪ドル、加ドルおよび英国ポンドの価格変動によって影響を受けます。トヨタの連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けます。また、為替相場の変動は、外国通貨で販売する製品および調達する材料に、取引リスクという形で影響を与える可能性があります。特に、米ドルに対する円高の進行は、トヨタの経営成績に悪影響を与える可能性があります。為替相場および金利の変動リスクを軽減するために、現地生産を行い、先物為替予約取引や金利スワップ取引を含むデリバティブ金融商品を利用していますが、依然として為替相場と金利の変動は、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。為替変動の影響および為替リスクの管理に関しては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①概観 c.為替の変動」および連結財務諸表注記20を参照ください。 ②原材料価格の上昇鉄鋼、貴金属、非鉄金属(アルミ等)、樹脂関連部品など、トヨタおよびトヨタの仕入先が製造に使用する原材料価格の上昇は、部品代や製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に十分に転嫁できない場合、トヨタの将来の収益性に悪影響を与える可能性があります。 ③金融市場の低迷世界経済が急激に悪化した場合、多くの金融機関や投資家は、自らの財務体力に見合った水準で金融市場に資金を供給することが難しい状況に陥る可能性があります。その結果、企業がその信用力に見合った条件で資金調達をすることが困難になる可能性があります。必要に応じて資金を適切な条件で調達できない場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローが悪影響を受ける可能性があります。 (3)政治・規制・法的手続・災害等に関するイベント性のリスク①自動車産業に適用される法律、規制および行政措置世界の自動車産業は、様々な法律や規制の適用を受けています。トヨタは、法律や規制、行政措置、またはそれらへの対応の結果として、多額の費用を負担しており、今後も発生することが予想されます。さらに、新しい法律や規制の適用、または既存の法律や規制の変更によっても、将来的に追加的な費用が発生する可能性があります。トヨタが、法律、規制、行政措置に関連して多額の費用を負担する場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー状況並びにそれらの見通しに重大な影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法律、規制および行政措置は、トヨタの事業を制限するものとなる可能性があり、その場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況並びにそれらの見通しに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、トヨタは自動車の安全性や排ガス、燃費、騒音、公害をはじめとする環境問題などに関する様々な法律と政府の規制の適用を受けています。特に、安全面では、法律や政府の規制に適合しない、またはその恐れのある自動車は、リコール等の市場処置の実施が求められます。さらに、トヨタはお客様の安心感の観点から、法律や政府の規制への適合性に関わらず、自主的に販売停止やリコール等の市場処置を実施する可能性もあります。トヨタが市場に投入した車両にリコール等の市場処置が必要となった場合(リコール等に関係する部品はトヨタが第三者から調達したものも含む)、製品のリコール等にかかる費用を含めた様々な費用が発生する可能性があります。また、多くの政府は、価格管理規制や為替管理規制を制定しています。さらに、規制を遵守できなかった場合、法的手続、リコール、改善措置の交渉、罰金、是正命令、政府承認の取り消しやその他の政府制裁の賦課、製品提供の制限、補償金の支払い等の不利益をもたらす可能性があります。同様に、多くの政府は、関税やその他の貿易障壁、税金、課徴金を課したり、価格や為替の規制を制定しています。例えば、2025年には、自動車産業に特化した関税を含む対米輸出関税の大幅な引き上げが、米国の他の貿易政策の変更とともに発表され、それに対応して他の国々も報復関税や貿易政策の変更を発表し、現在も高い関税率が継続しています。このような関税や貿易政策の将来の変更、または他の関税や貿易関連措置の時期、実施期間、および範囲を予測することは困難であり、最近発表された関税や貿易関連措置は、当社製品のコストを上昇させ、将来の需要の鈍化を引き起こす可能性があります。また、当社のサプライチェーンや物流ネットワークへの影響は、当社の生産や販売に悪影響を及ぼす可能性があります。上記の影響は主として米国におけるものでありますが、トヨタの事業活動への影響は米国に限定されるものではありません。当該状況が長期間継続した場合、トヨタのみならず、自動車産業全体および関連業界の他の企業にも悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況並びにそれらの見通しに悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当該関税や貿易関連措置の影響を緩和するための取り組みは、トヨタのコスト負担を増加させ、経営上注意を要するリスクとなる可能性があります。 ②法的手続トヨタは、製造物責任、知的所有権の侵害等、様々な法的手続の当事者となる可能性があります。また、株主との間で法的手続の当事者となったり、行政手続または当局の調査の対象となる可能性もあります。現在トヨタは、行政手続および当局の調査を含む、複数の係属中の法的手続の当事者となっています。トヨタが当事者となる法的手続で不利な判断がなされた場合、トヨタの評判、ブランド・イメージ、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響が及ぶリスクがあります。政府の規制等の法的手続の状況については連結財務諸表注記32を参照ください。 ③自然災害、感染症、政治動乱、経済の不安定な局面、燃料供給の不足、インフラの障害、戦争、テロまたはストライキの発生トヨタは、全世界で事業を展開することに関連して、様々なイベントリスクにさらされています。これらのリスクとは、自然災害、感染症の発生・蔓延、政治・経済の不安定な局面、燃料供給の不足、天災などによる電力・交通機能・ガス・水道・通信等のインフラの障害、戦争、テロ、ストライキ、操業の中断などが挙げられます。トヨタが製品を製造するための材料・部品・資材などを調達し、またはトヨタの製品が製造・流通・販売される主な市場において、これらの事態が生じた場合、トヨタの事業運営に障害または遅延をきたす可能性があります。トヨタの事業運営において、重大または長期間の障害ならびに遅延が発生した場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響が及ぶリスクがあります。

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