事業の概要
- 信用保証事業の中核:全国保証は、住宅ローン保証を主な事業としています。これは、住宅ローンを組む人が金融機関からお金を借りる際に、もし返済できなくなった場合に全国保証が代わりに金融機関に返済することを約束するサービスです。この保証によって、借りる人はスムーズにローンを組め、金融機関は貸し倒れのリスクを減らせます。
- 保証料の収益モデル:保証の対価として、借りる人から「保証料」を受け取ります。この保証料は、保証開始時に一括で受け取るか、毎月のローン残高に応じて受け取るかの2つの方法があります。一括で受け取った保証料は、将来の代位弁済(代わりに返済すること)に備えて、預金や国債などの安全な資産で運用し、収益を得ています。
- 代位弁済と求償権の回収:もし借りる人がローンを返済できなくなった場合、全国保証は金融機関に代わって返済(代位弁済)します。その後、代わりに返済した金額を借りる人に請求する権利(求償債権)を得ます。この求償債権は、担保となっている不動産の売却(任意売却や競売)などを通じて、迅速かつ最大限に回収することを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 信用保証事業の単一セグメント:全国保証グループは、主に「信用保証事業」によって収益を得ており、報告セグメントもこの単一セグメントとしています。これは、住宅ローン保証を中核とした保証業務が、グループ全体の収益の大部分を占めていることを意味します。
- 住宅ローン保証が事業の中核:信用保証事業の中でも、住宅ローン保証が最も重要な位置を占めています。住宅の購入資金、借り換え、リフォームなど、様々な住宅関連の資金ニーズに対応する多様な商品を揃え、担保評価や個人の属性に応じた保証料体系を設定しています。
- 多様なローン保証への展開:住宅ローン保証だけでなく、カードローン保証や教育ローン保証も手掛けています。カードローン保証は住宅ローン利用者向けに、教育ローン保証は学費や受験費用など幅広い教育資金に対応しており、顧客のライフステージに応じた多様な金融ニーズをサポートしています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、連結子会社7社(株式会社全国ビジネスパートナー、あけぼの債権回収株式会社、みのり信用保証株式会社、筑波信用保証株式会社、ちば興銀カードサービス株式会社、三重総合信用株式会社、東北保証サービス株式会社)および非連結子会社1社で構成されており、住宅ローン保証を中核とした「信用保証事業」を行っております。詳細は、「4 関係会社の状況」をご参照ください。当社グループの報告セグメントは主に信用保証業務により収益を得ていることから、「信用保証事業」の単一セグメントとしております。住宅ローンは、返済期間が20年~30年と長期に亘りかつ他の個人ローンより多額の借入である場合が多く、不動産への担保設定や連帯保証人による保証を前提として従前は貸し出しされており、これは借入人が返済不能に陥った場合の貸倒リスクを抑制するためのものです。不動産への担保設定には、借入人が返済できなかった場合に金融機関等が抵当権の実行により回収できるという役割があります。また、連帯保証人による保証には、借入人が返済できない場合に当該保証人は代わりに返済を行う義務があるため、金融機関等が連帯保証人へ返済を請求できる役割があります。しかしながら、住宅ローンは借入金額が多額になる場合が多いことから、連帯保証人の負担も非常に大きなものとなります。このため、当社のような信用保証会社が保証料を申し受け、金融機関からの借入に対しての連帯保証人の役割を果たすことにより、借入人は住宅ローンの申し込みを円滑に行うことができます。また、金融機関としても、当社が連帯保証人になることにより、借入人に対する貸倒リスクを低く設定したなかでの金利設定が可能となるため、融資事業の促進が可能になります。 (1) ビジネスモデルについて当社の信用保証事業は、住宅ローン等を希望する借入希望者(以下、住宅ローン等の借入人を「保証委託者」という。)の連帯保証を引き受けることになりますが、保証委託者は、当社が保証契約を締結している金融機関等を通して当社に保証委託申し込みを行い、当社においては、保証委託者の属性情報や担保物件の状況などを基に審査判断を行った後、連帯保証を引き受けることとなります。保証料に関しては、保証委託者より当社保証期間に対応する保証料を保証開始時に一括で受領する方法と毎月の保証債務残高に応じて受領する方法があります。一括で受領した保証料については、保証期間に応じて収益計上を行い、今後発生する代位弁済に備えるため、安全性の高い預金、国債等の低リスク商品を中心に保有・運用を行っております。保証委託者が借入後に返済不能に陥った場合には、当社は金融機関等との保証契約に基づき、金融機関等あてに代位弁済を履行のうえ、求償債権を取得して保証委託者に代位弁済金額の返済請求を行います。保証債務に関しては、今後発生し得る代位弁済発生による損失額を見積り、債務保証損失引当金を計上しております。 代位弁済後において、当社は取得した求償債権を基に保証委託者から回収を図ることになります。当社は求償債権回収の基本方針として回収期間の短縮化と回収金額の最大化を掲げております。殆どの求償債権には不動産担保が設定されているため、保証委託者の実態に応じた物件売却(任意売却・競売)を実施し、迅速かつ最大限の回収に努めております。なお、求償債権に関しては貸倒金額を見積り、貸倒引当金を計上しております。 信用保証業務の流れ 当社取扱いにおいては、保証委託者が団体信用生命保険に原則加入しております。当社の団体信用生命保険は、当社が保険契約者、保証委託者が被保険者となり、当社指定の保険会社の保険へ融資実行と同時に加入する仕組みとなっております。その際、当社は金融機関より他の団体信用生命保険との商品競合性や被保険者の告知書の取次ぎ、期中管理、保険金の請求手続きなどの事務負担、団信保険料の将来推計を加味して設定した特約保証料を受領し、団体規模や加入者の構成に基づき算定される団信保険料を保険会社に支払っております。団体信用生命保険に加入することにより、保証委託者が償還期間の途中での死亡や高度障害状態になった場合等に、債務残高と同額の保険金が保険会社から当社に支払われ、その保険金をもって当社は金融機関に代位弁済を行い、金融機関はその代位弁済金をもって当該債務の返済に充当します。金融機関は債権回収にかかる諸手続を省略することが可能になり、保証委託者側も保険金の支払によって家族が多額の債務を負担することがなくなります。なお、保険事故が想定を下回った場合、団信保険料から保険金を差引した部分より配当金が発生する場合がありますが、これを当社は保険契約者として受領しております。 (2) 当社の特徴当社と同様の住宅ローン等に係る信用保証事業は金融機関等系列の保証会社等でも行われておりますが、当社はこれらの保証会社等とは異なり、特定の金融機関や業界等の制限を受けない独立系の保証会社として、様々な業態の契約先と全国的に事業を展開しております。全国的な事業展開により、当社は特定金融機関の経営リスクや狭い範囲の地域経済圏の影響を受けることなく、保証リスクの分散が可能となります。また、当社は全国の主要地域に店舗を設置し、地域密着型の営業体制を構築するとともに、「3.事業の内容(3)当社保証商品について」に記載している保証商品等の提供を行っております。 (3) 当社保証商品について当社は、これまでの保証案件の引き受けを通じて、代位弁済に至った保証委託者の属性等について分析を行い、新商品の開発、既存商品の改訂等を継続的に実施しております。現在当社が取扱っている主な保証別の商品特徴は以下の通りであります。 ① 住宅ローン保証当社の信用保証事業の中核となる保証であり、諸費用を含む住宅取得資金や借換資金、リフォーム資金など、お客様の様々なニーズにお応えすることが出来る、多様な商品を揃えております。保証料につきましては、担保評価による区分と勤続年数や年収などの要件による区分を設けております。特に、基幹商品において、担保や属性の優良なお客様はより低廉な保証料がご利用いただけるように段階的な保証料体系を設定しております。また、当社では、前述の通り当社が保証を引き受けるに際して保証委託者には団体信用生命保険に原則加入していただいております。 ② カードローン保証当社保証付の住宅ローンをご利用、または既に利用中の方がカードローンを利用する場合に保証する商品であり、煩雑な手続きが不要で繰り返し自由に借入・返済が可能です。 ③ 教育ローン保証教育資金借入を保証する商品であり、一度に必要な額をご利用いただける証書貸付形式のほか、極度枠を設け、必要なときに随時ご利用いただける当座貸越形式にも対応しております。資金使途につきましても、学費・受験費用以外の資金にも幅広く対応しております。 用語解説■ 代位弁済:当社に保証委託された方が、金融機関への借入金返済が履行不能になった場合に、当社が保証委託者に代わって返済を行うことです。■ 求償債権:当社が保証委託者の借入金を代位弁済したことにより、保証委託者に対して返済を請求する権利に基づいた債権のことです。■ 任意売却:任意売却とは債務者と債権者の間に仲介者が入り、不動産を競売にかけずに、債務者・債権者・不動産の購入者の3者が合意した価格で売却を成立させる取引です。■ 競売 :競売(担保不動産競売)は、抵当権に基づき裁判所を通じて売却する方法です。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 金融機関が当社を連帯保証人とすることで、貸倒リスクを低く設定した金利設定が可能となるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 信用保証事業は金融機関との保証契約が前提であり、厳格な審査体制や債権管理ノウハウが必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:代位弁済の増加 / 債務保証損失引当金・貸倒引当金の増加 / 金利変動による運用利回り低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
保証業務は参入障壁が低いわけではないが、全国保証のブランド力や長年の実績は一定の無形資産となりうる。しかし、特許や強力なIPは確認できない。
スイッチングコスト★★★☆☆
金融機関(住宅ローン提供者)にとって、保証会社の切り替えはシステム改修や審査基準の再構築など、一定のスイッチング・コストが発生する。特に既存の取引関係は容易に変えられない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
保証業務は基本的にBtoBであり、ユーザーが増えることでサービス価値が向上するようなネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★☆☆☆☆
保証料率の競争は存在するが、全国保証が圧倒的なコスト優位を持つという情報は乏しい。規模の経済によるコスト削減の可能性はあるが、顕著ではない。
規模の経済★★★☆☆
住宅ローン保証というニッチ市場において、全国保証は主要プレイヤーの一つであり、一定の規模の経済を享受していると考えられる。しかし、業界全体が巨大ではないため、極端な寡占状態ではない。
- 独立系保証会社としての全国展開:全国保証は、特定の金融機関や業界に縛られない「独立系」の保証会社です。これにより、特定の金融機関の経営リスクや地域経済の変動に左右されず、全国規模で事業を展開することで保証リスクを分散できる強みがあります。
- 多様な保証商品の提供と審査ノウハウ:長年の保証実績から得られたデータを分析し、住宅ローン保証だけでなく、カードローン保証や教育ローン保証など、顧客の多様なニーズに応える商品を開発・改訂しています。また、厳格な審査基準と経験豊富な担当者による審査体制を構築し、信用リスクを適切に評価するノウハウを持っています。
- 団体信用生命保険の活用:住宅ローン保証の原則として、借りる人に団体信用生命保険への加入を促しています。これにより、借りる人が死亡や高度障害になった場合、保険金でローンが完済されるため、家族の負担を軽減できます。全国保証も保険金を受け取ることで、代位弁済による損失リスクを低減し、安定した事業運営に繋げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「機関保証を必要とする全てのお客様に最高の保証商品とサービスを提供することにより、お客様の夢と幸せの実現をお手伝いするとともに、信用保証事業を通じて地域社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、全てのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施することで企業価値の向上および永続的な発展・成長を目指しております。 (2) 当社グループが対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、当面は安定した雇用環境や、政府の住宅取得支援策に支えられ、住宅市場および住宅ローン市場は底堅く推移することが見込まれるものの、長期的には少子高齢化に伴う人口・世帯数の減少により新築住宅市場の縮小が見込まれます。このような事業環境のもと、当社グループは、2023年度から2025年度の3事業年度を計画期間とする中期経営計画「Next Phase~成長と価値創造~」を策定しており、更なる成長と価値創造を実現する「住宅ローンプラットフォーマー」を目指すことをビジョンとして掲げております。本計画の達成が、当社グループの企業価値向上につながるものと認識しており、以下の課題に取り組んでまいります。 [基幹事業の拡大]住宅ローンプラットフォームを構築するためには、基幹事業である住宅ローン信用保証事業の拡大による、盤石な事業基盤の確立が必要と認識しております。国内の民間金融機関による住宅ローンは、新規貸出額が年間約20兆円、既存貸出残高が約200兆円という巨大な市場規模であり、市場におけるシェア拡大により成長を目指してまいります。新規貸出市場におけるシェア拡大(オーガニック成長)につきましては、現場および本部間の連携強化を図り、当社グループの強みである営業力および提案力の更なる向上に取り組むほか、商品およびサービスの開発・提供による新たな需要の発掘に取り組んでまいります。そのほか、2025年度より導入した営業拠点の東西エリア制度を活用し、地域分析や需要の探索などを強化することで、提携金融機関との更なる関係構築を図ってまいります。既存貸出市場におけるシェア拡大(インオーガニック成長)につきましては、同業他社のM&AならびにABL貸付等による保証債務残高の積み上げに取り組んでまいります。金融機関側のニーズに応えるべく、独自のノウハウを活用し、本取り組みを進めてまいります。 [周辺事業への進出]基幹事業である住宅ローン信用保証事業を中心に、周辺事業への進出を図り住宅ローンプラットフォームを構築することで、更なる成長と価値創造を実現してまいります。具体的には、不動産検索サイトや不動産会社など、様々な業態から保証案件や新たな収益を獲得できるスキームの拡大や、グループ会社を活用した、金融機関からの債権管理回収業務の受託による収益源拡大に取り組んでまいります。そのほか、シナジーを見込める他業種会社へのM&Aや、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じた出資および協業を進めてまいります。 [資本活用の効率化]各種施策の実現のためには、資本の効率性を高めることが必要と認識しており、積極的な成長投資および株主還元に取り組んでまいります。資本活用につきましては、基幹事業の拡大や周辺事業への進出に向けた成長投資を優先し、株主還元につきましては、継続的かつ安定的な配当に加えて、機動的な自社株買いを実施してまいります。 [ESG諸課題の解決]持続的な成長の実現に向けて、信用保証事業を通じて社会課題の解決に貢献すべく、「全国保証SDGs宣言」に基づき、重要課題の解決に取り組んでまいります。具体的には、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出せるように、役員との対話による会社ビジョンの共有を行うほか、従業員満足度調査およびエンゲージメントサーベイで抽出した課題の解決や職場環境の整備に取り組んでまいります。そのほか、コーポレートガバナンスの充実および地方自治体と連携した空き家問題の解決などに取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標住宅ローン保証事業を持続的に拡大していくことが企業価値向上につながると捉えており、2026年3月期においては保証債務残高21兆円を目標値としております。また、収益力の強化、適正な資本配分および株主還元の充実を通じてROEの向上を図り、2026年3月期においては14%を目標値としております。 ①保証債務残高およびROEの目標値 保証債務残高 21兆円 ROE 14% ②2026年3月期の業績見通し (単位:百万円) 2025年3月期実績2026年3月期計画増減額増減率営業収益56,97259,2002,2273.9%営業利益41,97441,600△374△0.9%経常利益44,51845,1005811.3%親会社株主に帰属する当期純利益32,08931,200△889△2.8%1株当たり当期純利益236.54円231.11円△5.43円△2.3% (注)2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2025年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「機関保証を必要とする全てのお客様に最高の保証商品とサービスを提供することにより、お客様の夢と幸せの実現をお手伝いするとともに、信用保証事業を通じて地域社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、全てのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施することで企業価値の向上および永続的な発展・成長を目指しております。 (2) 当社グループが対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、当面は安定した雇用環境や、政府の住宅取得支援策に支えられ、住宅市場および住宅ローン市場は底堅く推移することが見込まれるものの、長期的には少子高齢化に伴う人口・世帯数の減少により新築住宅市場の縮小が見込まれます。このような事業環境のもと、当社グループは、2023年度から2025年度の3事業年度を計画期間とする中期経営計画「Next Phase~成長と価値創造~」を策定しており、更なる成長と価値創造を実現する「住宅ローンプラットフォーマー」を目指すことをビジョンとして掲げております。本計画の達成が、当社グループの企業価値向上につながるものと認識しており、以下の課題に取り組んでまいります。 [基幹事業の拡大]住宅ローンプラットフォームを構築するためには、基幹事業である住宅ローン信用保証事業の拡大による、盤石な事業基盤の確立が必要と認識しております。国内の民間金融機関による住宅ローンは、新規貸出額が年間約20兆円、既存貸出残高が約200兆円という巨大な市場規模であり、市場におけるシェア拡大により成長を目指してまいります。新規貸出市場におけるシェア拡大(オーガニック成長)につきましては、現場および本部間の連携強化を図り、当社グループの強みである営業力および提案力の更なる向上に取り組むほか、商品およびサービスの開発・提供による新たな需要の発掘に取り組んでまいります。そのほか、2025年度より導入した営業拠点の東西エリア制度を活用し、地域分析や需要の探索などを強化することで、提携金融機関との更なる関係構築を図ってまいります。既存貸出市場におけるシェア拡大(インオーガニック成長)につきましては、同業他社のM&AならびにABL貸付等による保証債務残高の積み上げに取り組んでまいります。金融機関側のニーズに応えるべく、独自のノウハウを活用し、本取り組みを進めてまいります。 [周辺事業への進出]基幹事業である住宅ローン信用保証事業を中心に、周辺事業への進出を図り住宅ローンプラットフォームを構築することで、更なる成長と価値創造を実現してまいります。具体的には、不動産検索サイトや不動産会社など、様々な業態から保証案件や新たな収益を獲得できるスキームの拡大や、グループ会社を活用した、金融機関からの債権管理回収業務の受託による収益源拡大に取り組んでまいります。そのほか、シナジーを見込める他業種会社へのM&Aや、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じた出資および協業を進めてまいります。 [資本活用の効率化]各種施策の実現のためには、資本の効率性を高めることが必要と認識しており、積極的な成長投資および株主還元に取り組んでまいります。資本活用につきましては、基幹事業の拡大や周辺事業への進出に向けた成長投資を優先し、株主還元につきましては、継続的かつ安定的な配当に加えて、機動的な自社株買いを実施してまいります。 [ESG諸課題の解決]持続的な成長の実現に向けて、信用保証事業を通じて社会課題の解決に貢献すべく、「全国保証SDGs宣言」に基づき、重要課題の解決に取り組んでまいります。具体的には、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出せるように、役員との対話による会社ビジョンの共有を行うほか、従業員満足度調査およびエンゲージメントサーベイで抽出した課題の解決や職場環境の整備に取り組んでまいります。そのほか、コーポレートガバナンスの充実および地方自治体と連携した空き家問題の解決などに取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標住宅ローン保証事業を持続的に拡大していくことが企業価値向上につながると捉えており、2026年3月期においては保証債務残高21兆円を目標値としております。また、収益力の強化、適正な資本配分および株主還元の充実を通じてROEの向上を図り、2026年3月期においては14%を目標値としております。 ①保証債務残高およびROEの目標値 保証債務残高 21兆円 ROE 14% ②2026年3月期の業績見通し (単位:百万円) 2025年3月期実績2026年3月期計画増減額増減率営業収益56,97259,2002,2273.9%営業利益41,97441,600△374△0.9%経常利益44,51845,1005811.3%親会社株主に帰属する当期純利益32,08931,200△889△2.8%1株当たり当期純利益236.54円231.11円△5.43円△2.3% (注)2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2025年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や、個人消費および企業収益に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調が続きました。一方、先行きにつきましては、不安定な国際情勢を背景とした海外景気の下振れリスクから、依然として不透明な状況が続いております。住宅市場につきましては、政府の住宅取得支援策が継続したものの、資材価格および人件費高騰による住宅価格の上昇や、住宅ローン金利の引き上げが消費者の購入意欲の低下につながり、新設住宅着工戸数が弱含みで推移しました。一方で、中古住宅の取引件数は、前年を上回る水準で推移しました。住宅ローン市場につきましては、住宅価格上昇の影響などによる借入金額の増加もあり、底堅い動きとなりました。このような事業環境のもと、当社グループは中期経営計画「Next Phase~成長と価値創造~」の基本方針である「基幹事業の拡大」、「周辺事業への進出」ならびに「企業価値の向上」に基づき各種施策に取り組んでまいりました。基幹事業の拡大におきましては、新規住宅ローン市場での保証事業拡大(オーガニック成長)および既存住宅ローン市場からの保証債務残高獲得(インオーガニック成長)に取り組みました。新規住宅ローン市場での保証事業拡大(オーガニック成長)につきましては、子育て世代をターゲットとしたキャンペーンを実施し商品競争力の向上を図りました。また、金融機関の業務効率化を支援するシステムの提供など、他社との差別化を進め案件獲得につなげたほか、未提携金融機関との新規契約締結につきましては、当連結会計年度において、インターネット銀行1行、第一地方銀行1行、JA3組合の合計5機関と契約締結に至りました。既存住宅ローン市場からの保証債務残高獲得(インオーガニック成長)につきましては、他保証会社3社のM&Aなどにより、保証債務残高を積み上げました。周辺事業への進出におきましては、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じて、住生活に関する分野でシナジー効果が期待できるスタートアップ企業4社に出資を行い、新たな価値創造に向けた取り組みを進めたほか、グループ会社を活用した保証領域拡大ならびに債権管理回収分野の収益源拡大を図りました。企業価値の向上におきましては、成長投資など資本政策の着実な実行に取り組みました。また、サクセッションプランの運用など人的資本への投資を実施したほか、地方自治体および金融機関と連携した空き家対策の実施など重要課題解決に向けた取り組みを進めました。こうした取り組みの結果、営業収益は56,972百万円(前期比10.3%増)となりました。利益につきましては、営業利益は41,974百万円(前期比7.3%増)、経常利益は44,518百万円(前期比7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32,089百万円(前期比11.4%増)となりました。当社グループは「信用保証事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。 ②財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%増加し、492,398百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.2%増加し、160,396百万円となりました。これは現金及び預金が増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.7%増加し、332,001百万円となりました。これは投資有価証券、長期預金が増加したことなどによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.0%増加し、253,719百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて13.2%増加し、39,498百万円となりました。これは債務保証損失引当金、前受収益が増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、214,221百万円となりました。これは長期前受収益が増加したことなどによります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.0%増加し、238,678百万円となりました。これは利益剰余金が増加したことなどによります。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ14,737百万円増加し、92,384百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、増加した資金は33,423百万円(前年同期は31,304百万円の資金増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益45,753百万円等であります。一方、主な減少要因は法人税等の支払額13,416百万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、増加した資金は625百万円(前年同期は55,996百万円の資金減少)となりました。主な増加要因は定期預金の払戻による収入58,600百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入15,389百万円等であります。一方、主な減少要因は定期預金の預入による支出50,600百万円、投資有価証券の取得による支出34,180百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、減少した資金は19,311百万円(前年同期は10,319百万円の資金減少)となりました。主な減少要因は長期借入金の返済による支出30,000百万円、配当金の支払額11,707百万円等であります。一方、主な増加要因は長期借入れによる収入29,400百万円であります。 ④生産、受注および販売の状況a)生産実績 該当事項はありません。 b)受注状況 該当事項はありません。 c)販売実績 当連結会計年度の販売実績を示すと、次の通りであります。セグメント名金額(百万円)前期比(%)信用保証事業56,97210.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高および収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積り等は、過去の実績や現在の状況ならびに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積り等を採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り等と異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。重要な会計上の見積りおよび仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容財政状態および経営成績の状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況」に記載の通りです。各種指標については以下の通りです。 a)受付件数、実行件数および新規保証実行金額民間金融機関住宅ローン保証における受付件数、実行件数および新規保証実行金額につきましては、大手地方銀行をはじめとした銀行業態による利用が増加し前期を上回りました。 民間金融機関住宅ローン保証における受付件数、実行件数および新規保証実行金額の推移 (単位:件、百万円) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期受付件数292,807314,590327,888実行件数54,56356,44656,751新規保証実行金額1,573,0821,716,4511,788,956 b)保証債務残高保証債務残高は、民間金融機関保証における住宅ローン保証が堅調に推移していることから、増加を続けております。 イ.保証債務残高の推移 (単位:百万円) 2023年3月末2024年3月末2025年3月末当社グループ合計16,156,08617,688,87019,459,182当社15,835,16817,362,59318,317,755 民間金融機関15,586,75216,316,73917,051,866 住宅ローン15,516,16416,243,05316,972,170 カードローン1,9282,2502,495 教育ローン21127 その他68,63871,42377,193 公的機関等37,23430,57424,739 RMBS・ABL貸付211,181775,251957,683 損失補填-240,028283,465子会社320,917326,2771,141,427 (注) 損失補填とは、当社と金融機関との間で締結した損失補填契約のことを言います。当社は、証券化された住宅ローンの劣後受益権から発生しうる損失を補填する役割を担っており、その対価として補填料を受領しております。 ロ.当社民間金融機関住宅ローン保証における業態別保証債務残高の推移 (単位:百万円) 2023年3月末2024年3月末2025年3月末民間金融機関15,516,16416,243,05316,972,170 銀行8,035,7258,760,2049,512,711 信用金庫5,928,2955,871,6895,778,485 信用組合491,871503,244521,743 JA1,032,2671,077,6541,122,315 JF・労働金庫・その他27,70230,00136,689 未提携301259225 (注) 1.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。2.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。3.未提携とは、合併や破綻した金融機関が保有していた当社保証付きの住宅ローン債権を引き継ぎ、当社と保証契約が未締結の金融機関を指します。 c)提携金融機関数当社グループは外部の保証機関を求める金融機関等のニーズに応え、保証シェアの拡大を図るべく未提携金融機関へ新規契約締結に向けたアプローチを継続しております。 金融機関業態別提携金融機関数の推移 (単位:機関) 2023年3月末2024年3月末2025年3月末銀行959696信用金庫243243243信用組合1009999JA265262256JF・労働金庫・その他191918合 計722719712 (注) 1.当社単体の数値を記載しております。2.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。3.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。4.各事業年度末時点の提携金融機関数を集計しております。5.提携金融機関数が減少した理由は、金融機関の合併によるものです。 d)延滞金額先行き不透明な経済環境が続くなか、延滞初期段階から金融機関と協調し返済正常化を目的とした相談・助言を行い、保証委託者の実態について早期把握に努めたことから、保証債務残高に対する延滞金額の割合は低位で推移しております。 延滞金額の推移 (単位:百万円) 2023年3月末(金額:2022年9月末時点)2024年3月末(金額:2023年9月末時点)2025年3月末(金額:2024年9月末時点)延滞金額22,49429,03333,183 (注) 延滞金額につきましては、延滞期間が3ヶ月以上の保証引受金額を集計しています。 e)代位弁済金額および求償債権回収金額イ.代位弁済金額延滞初期段階から保証委託者の現状と将来の返済能力を早期に把握し、延滞長期化の防止および返済正常化に取り組んでいることから、保証債務残高に対する代位弁済金額の割合は低位で推移しております。 代位弁済金額の推移 (単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期代位弁済金額10,77812,25614,496 ロ.求償債権回収金額当社グループが代位弁済後において取得する求償債権につきましては、その殆どに不動産担保が設定されております。回収期間の短縮化と回収金額の最大化を図るという基本方針に基づき、保証委託者の実態に応じた物件売却(任意売却・競売)を実施し、迅速かつ最大限の回収に努めております。 求償債権回収金額の推移 (単位:百万円) 2023年3月期2024年3月期2025年3月期求償債権回収金額7,1038,3009,685 ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。資本の財源および資金の流動性につきましては、以下の通りです。当社グループにおける運転資金の需要は、代位弁済金の支払ならびに販売費および一般管理費等の営業費用の支払となります。当社のビジネスモデルにおいては、保証引受の役務と同時に対価である保証料を収受することが多く、必要資金の流動性および源泉の安定的確保が可能であることから、運転資金については自己資金にて対応することとしております。 ④経営戦略の現状と見通し当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、当面は安定した雇用環境や、政府の住宅取得支援策に支えられ、住宅市場および住宅ローン市場は底堅く推移することが見込まれるものの、長期的には少子高齢化に伴う人口・世帯数の減少により新築住宅市場の縮小が見込まれます。このような事業環境のもと、当社グループは、2023年度から2025年度の3事業年度を計画期間とする中期経営計画「Next Phase~成長と価値創造~」を策定しており、更なる成長と価値創造を実現する「住宅ローンプラットフォーマー」を目指すことをビジョンとして掲げております。本計画の達成が、当社グループの企業価値向上につながるものと認識しており、各種施策に取り組んでまいります。なお、2026年3月期の業績見通しについては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)目標とする経営指標」に記載の通りです。
事業リスク
- 信用リスク(代位弁済の増加):景気悪化や金利上昇などにより、住宅ローンを借りた人が返済できなくなる「債務不履行」が増加する可能性があります。そうなると、全国保証が金融機関に代わって返済する「代位弁済」が増え、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 市場関連リスク(金利変動):全国保証は、受け取った保証料を債券などで運用しています。金利が上昇すると、保有する債券の価値が下がり、純資産が減少する可能性があります。逆に金利が低下すると、運用利回りが低下し、収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- オペレーショナルリスク(システム・情報漏洩):保証業務の多くがシステム化されているため、システム障害や不正アクセス、情報漏洩が発生した場合、業務運営に支障をきたし、社会的信用を失う可能性があります。また、事務処理のミスや不正によっても損失が発生するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 信用リスク① 代位弁済について当社グループは、事業内容の特徴上、保証委託者の債務不履行が発生した際に金融機関等に対して代位弁済を行いますが、代位弁済の発生を防ぐために厳格な審査および延滞管理を行っております。審査につきましては、厳格な審査基準に基づき、適切な与信判断をするための知識・経験を持つ決裁権限者および審査担当者が、定量情報と定性情報を総合的に評価したうえで、審査を行っております。また、信用リスクの高い案件については、審査部において審査および決裁を行っており、信用リスクに応じた審査体制を敷いております。延滞管理につきましては、延滞初期段階から金融機関と協調して債権管理業務に取り組み、代位弁済の発生低下に努めております。保証委託者の状況を早期に把握し、案件毎に対応方針を策定したうえで、延滞解消に向けた助言を行っております。しかし、国内外の著しい経済環境の悪化や金利上昇などが、保証委託者のローン返済に影響を及ぼし、代位弁済が増加する可能性があります。その結果、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ② 債務保証損失引当金および貸倒引当金について当社グループでは、自己査定および償却・引当に関する規程に基づき、代位弁済前の保証債務について債務保証損失引当金、代位弁済後の求償債権について貸倒引当金を計上しております。これは、保証委託者の状況、保全状況および過去の一定期間における貸倒実績率ならびに回収可能性を考慮した回収不能見込額を算定した予想損失額に対して計上しておりますが、実際の貸倒れが予想損失額を見積った前提を上回った場合や担保価値が下落した場合に、貸倒引当金の積み増し等により与信関連費用が増加する可能性があり、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 (2) 市場関連リスク① 金利変動に関するリスク当社グループでは、保証の引き受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理するため、債券ポートフォリオを構築する際に、各年限がほぼ均等な割合になるよう、ラダー型ポートフォリオの形成を目指しつつ、市場環境に応じながら保証委託者に対して負う当社グループの保証債務のデュレーション(残存期間)とのバランスを考慮しております。金利の上昇局面では、資産運用利回りの上昇により当社グループの資産運用ポートフォリオの収益力が向上する一方、債券の現在価値が下落し、当社グループの純資産にマイナスの影響を与える可能性があります。金利の低下局面では、より低い金利水準を求めて期限前償還または繰上返済される債券ならびに満期を迎えて償還される資産を再投資した際の運用利回りは従前より低くなるため、平均運用利回りは低下いたします。保証料は保証開始時に一括で受領する方法と毎月の保証債務残高に応じて受領する方法がありますが、一括して受領した場合、運用利回りが低下することで、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ② 信用に関するリスク当社グループは、債券を含む有価証券や定期預金等の金融商品を保有しております。信用格付の引下げによる債券価格の下落、債券の債務不履行(デフォルト)、運用先の金融機関の破綻等が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ③ 為替変動に関するリスク当社グループが保有する有価証券の一部には、為替市場の動向によって価格が下落する可能性のある有価証券が含まれております。価格の下落により、保有有価証券の評価損益の悪化、減損処理等による損失発生の可能性があります。その結果、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 株価変動に関するリスク当社グループが保有する有価証券の一部には、市場性のある株式が含まれておりますが、株価が下落した場合に、保有株式に減損または評価損が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 (3) オペレーショナルリスク① システムリスク当社グループの保証業務の多くの部分がシステム化していることから、コンピューターシステムの機器障害・回線障害ならびに誤作動等により、正常な業務運営が妨げられることがないようにシステム全般に適切なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、ソフトウエアの不具合や外部からの不正アクセス等により、システムの安定的な運用が困難となった場合、社会的信用に悪影響を及ぼし、当社グループの事業運営や業績および財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ② 事務リスク当社グループでは、不正確な事務処理あるいは事故および不正等による業務品質の低下を防止するために、各種規程や業務マニュアルに基づいた事務処理を徹底しております。また、各種業務をシステム化することにより、人為的ミスの少ない効率的な事務処理体制の構築を進めております。しかしながら、不正や過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があり、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ③ 情報リスク当社グループでは、情報セキュリティにかかる規程・細則および情報セキュリティ管理体制の整備や役職員に対する教育の徹底によって、機密情報や個人情報の漏洩の対策を講じておりますが、外部からのサイバー攻撃等による不正アクセスや役職員および業務委託先による人為的なミスや事故等により機密情報や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの信用が失墜し、業績および財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 法務・コンプライアンスに係るリスク当社グループは、業務を遂行するうえで様々な法令等の適用を受けており、その遵守に努めておりますが、これらの法令等の遵守ができなかった場合には、社会的信用に悪影響を及ぼし、業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。また、これらの法令等が将来において変更・廃止され、あるいは、新たな法令が施行される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 規制・制度変更に伴うリスク当社グループでは、現時点での法令、規則、政策および会計基準等に従って業務を遂行しておりますが、将来における規制および引当金の計上基準を含めた会計基準の変更といった各種制度の変更等により、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 (4) 流動性リスク当社グループは、今後予想される代位弁済や保証委託契約の対象となるローンの繰上完済に伴う未経過保証料の返戻に対応するために十分な流動性を維持できるよう、保証債務および求償債権の管理と資産運用ポートフォリオの構築をしております。急激な景気後退等により代位弁済が急増した場合には、流動資産が減少し、その他の資産を不利な条件で解約や処分することを強いられる可能性があります。また、当社は格付機関より信用格付を取得しております。その信用格付が引き下げられた場合、ローンの金利負担が増加する可能性があり、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 (5) 経営戦略リスク当社グループでは、経営戦略や計画を策定し、施策の実施、取り組みを行っておりますが、様々な要因によりこれらの戦略が当初予定されていたほど将来性がない、または、収益性が損なわれるなど、期待された効果を発揮しない可能性があります。その結果、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 (6) その他リスク① 景気、金利および住宅市場の動向等の外部環境による影響当社グループは、主に保証委託者が金融機関等からの借入に対して連帯保証をすることを中核とした「信用保証事業」を行っているため、保証委託希望者の心理動向、市場金利の動向、住宅の建設動向、消費税やその他不動産に係る税制の改正、日本国内の人口減少等の影響を受ける可能性があります。そのため、住宅購入意欲の低減、住宅ローン金利の上昇、住宅ローン市場の縮小等により、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ② 繰延税金資産に関するリスク繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する仮定を含む様々な見積りに基づいているため、実際の結果が大きく異なる可能性があります。将来的な会計基準の変更により、当社グループが計上できる繰延税金資産の金額に制限が設けられる場合や、将来の課税所得見通しに基づき当社グループが繰延税金資産の一部を回収できないとの結論に至った場合には、繰延税金資産が減額される可能性があります。その結果、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ③ 災害・感染症リスク当社グループは、全国に事業を展開しておりますが、本社、営業拠点、子会社を東京都に有しており、万が一、東京都を含む広域の災害が発生した場合、あるいは東京都を中心とする局地的な災害等が発生した場合は、当社グループ役職員、事業所およびその他設備に甚大な被害が及ぶ可能性があります。また、大規模かつ広範囲な災害や感染症等の流行を原因として多くの建物への被害や死者が出た場合には、当社グループの事業運営や業績および財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。 ④ 風評リスク風評リスクは各種リスクとの連鎖性を有しており、顕在化した場合には、当社グループに否定的な内容の報道、インターネット上の掲示板への書き込み等がなされ、拡散した場合にお客様や市場関係者間の評判の悪化や風説の流布等で信用が低下することにより、当社グループの業績や財務状況に不利な影響が及ぶ可能性があります。