6997

日本ケミコン(6997)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主力事業
    日本ケミコンは、電子部品、特にコンデンサの製造と販売を主な事業としています。コンデンサは、電気を蓄えたり放出したりする部品で、スマートフォン、パソコン、自動車、家電製品など、あらゆる電子機器に不可欠です。この事業は、日本国内だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各地に展開しており、グローバルな供給体制を構築しています。
  • 収益構造
    同社の収益は、主にコンデンサ製品の販売から得られています。国内では子会社が製造し、当社が販売を担い、海外では現地の子会社や関連会社が製造から販売まで一貫して行っています。また、コンデンサの材料も自社で製造・販売しており、材料から製品までの一貫したサプライチェーンを構築している点が特徴です。
  • グローバル展開
    日本ケミコンは、世界19の子会社と2つの関連会社からなる企業集団を形成しており、電子部品の製造・販売を主軸にグローバルに事業を展開しています。特にコンデンサ事業においては、日本、米州、欧州、アジアなど多地域で製造・販売網を構築し、世界中の顧客に製品を供給することで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コンデンサ事業
    日本ケミコンの主要な稼ぎ頭であり、売上高は1,180.22億円、営業利益は33.02億円を計上しています。この事業では、電気を蓄えたり放出したりする電子部品であるコンデンサを製造・販売しており、スマートフォン、パソコン、自動車、家電製品など幅広い電子機器に利用されています。国内外の子会社が製造を担い、当社が販売を行うことで、グローバルな市場に製品を供給しています。
  • 事業規模
    コンデンサ事業は、同社グループの事業の中核をなし、その売上高は1,000億円を超える規模です。これは、同社が電子部品業界において重要な位置を占めていることを示しており、特にコンデンサ分野での専門性と市場での存在感の大きさを表しています。この事業の動向が、会社全体の業績に大きく影響します。
  • 地域構成
    コンデンサ事業は、日本国内だけでなく、米州、欧州、アジアなど世界各地に生産・販売拠点を展開しています。これにより、特定の地域に依存することなく、グローバルな需要に対応できる体制を構築しており、多様な市場からの収益機会を追求しています。海外での製造・販売活動が、事業の成長と安定に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CONDENSER 事業 1,180 33 2.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|578 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は当社と子会社19社、関連会社2社で構成され、電子部品等の製造・販売を主たる業務としております。当社の企業集団の事業に係わる位置付けは次のとおりであります。また、各事業毎の会社数は、複数事業を営んでいる会社をそれぞれ含めて記載しております。  (コンデンサ) 国内において子会社であるケミコン東日本㈱、ケミコンデバイス㈱が製造しており、当社が仕入・販売をしております。海外では、United Chemi-Con,Inc.、P.T. Indonesia Chemi-Con、貴弥功(無錫)有限公司、他2社及び関連会社1社が製造・販売等をしており、Europe Chemi-Con (Deutschland)GmbH、Hong Kong Chemi-Con Ltd.他5社が販売しております。また、コンデンサ用材料につきましては、当社が製造・販売するほか、国内ではケミコン東日本マテリアル㈱、海外ではChemi-Con Materials Corporation 他1社にて製造しており、国内、海外ともにKDK販売㈱が販売しております。 (その他) 国内子会社のケミコンデバイス㈱他1社、海外子会社1社が製造しており、当社が仕入・販売しております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内外の競合他社との価格競争に晒されており、収益押し下げや世界シェア低下のリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
液浸冷却対応コンデンサやリフロー後の漏れ電流値を規定した導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動 / 為替レートの変動 / 価格競争
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日本ケミコンは、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は限定的です。主要な競争優位性は、技術力や製造ノウハウに依存していると考えられますが、それが特許等で保護された無形資産として評価できるレベルには達していないと判断されます。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

コンデンサは、電子機器の性能や信頼性に直結する基幹部品であり、一度採用された部品を変更するには、設計変更、再評価、認証プロセスなど多大な時間とコストが発生します。特に車載用や産業機器用など、高い信頼性が求められる分野では、顧客のスイッチングコストは高くなります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

コンデンサ事業は、製品の性能やコストが競争力の源泉であり、ユーザー数の増加によって製品価値が向上するネットワーク効果は基本的に働きません。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、顧客間の相互作用から競争優位性が生まれる構造ではありません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウや生産効率の改善努力により、一定のコスト競争力は有していると考えられます。しかし、原材料価格の変動や、競合他社との技術開発競争、設備投資負担などを考慮すると、構造的な圧倒的コスト優位性を確立しているとまでは言えません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電解コンデンサ市場において、日本ケミコンは主要プレイヤーの一つであり、一定の生産規模を有しています。これにより、調達力や生産効率において競争優位性を享受していると考えられます。しかし、グローバル市場全体で見ると、さらなる規模の経済を追求する競合も存在します。

  • 一貫生産体制
    日本ケミコンは、コンデンサ用材料の開発から製造、そして製品の販売までを一貫して行う生産体制を強みとしています。これにより、品質管理を徹底しやすく、またコスト削減にも繋がり、競争力の源泉となっています。材料から製品まで自社で手掛けることで、市場の変化にも柔軟に対応できる可能性があります。
  • グローバルな生産・販売網
    同社は、日本、米州、欧州、アジアにわたる広範な生産・販売ネットワークを有しています。これにより、特定の地域経済のリスクを分散し、多様な市場ニーズに対応できる体制を構築しています。特に海外売上高比率が高いことから、グローバルな展開が事業の安定性に寄与していると考えられます。
  • 品質管理体制
    日本ケミコンは、世界各拠点でUL規格やAEC-Q200といった国際的な品質管理基準に準拠した製造を行っています。さらに、ISO9001やIATF16949の認証を全生産拠点で取得しており、高い品質管理体制を構築しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、製品の信頼性を高めることに繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は「環境と人にやさしい技術への貢献」を企業理念に掲げ、研究開発から生産活動などの企業活動の全域にわたり地球環境の保全に取り組んでおります。 当社はこの企業理念のもと、各電子部品の開発・供給を通じてエレクトロニクス産業の発展に寄与することが、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながると考え、基本方針として推進してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループにおきましては、企業価値の向上を図るため資産効率の改善に継続的に取り組んでおり、自己資本利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)を重要な指標として位置づけております。 (3)適応力強化による質の高い成長 ― レジリエンス経営の実践 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行やロシアによるウクライナ侵攻など、われわれを取り巻く環境は大きく変化しております。このように、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の4つのキーワードで特徴づけられる「VUCAの時代」が到来する中、2023年4月より、「Create Next Value:次の価値を創造しよう、次世代の価値(企業価値、製品価値、新事業)を創造する」を長期目標とし、「困難な環境・状況に直面してもそれに適応し、乗り越え、自ら成長し、希望をもって将来の目標に対して積極的に立ち向かう力をつけていくこと」を中期基本方針とする第10次中期経営計画をスタートいたしました。 適応力強化による質の高い成長を目標とする「レジリエンス経営」を実践し、第10次中期経営計画の達成のために全社一丸となって邁進してまいります。 重点施策1. 社会から信頼され求められ続けるためのサステナブル経営の実践2. 創造性と実践力を兼ね備えた革新的人財の育成3. マーケットインとプロダクトアウトの融合による顧客潜在要求の提供4. 最適ポートフォリオ(再構成・標準化)とスマートファクトリーによる生産構造改革① ESG経営の実践② 人財戦略の強化③ 商品企画力強化と技術の連動による収益力の向上④ 最適な生産体制の構築⑤ 生産性改善によるコスト競争力強化 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の見通しにつきましては、米国の相互関税を始めとする各種関税措置による世界経済への下押し圧力や、中東・ウクライナ情勢等の地政学リスクの高まりなど、当社グループを取り巻く経営環境は依然として予断を許さない状況が続くものと予想されます。 このような状況のもと、当社は第10次中期経営計画に定める重点施策を着実に実行してまいります。販売面では引き続き車載市場、産業機器市場、ICT市場の3つの戦略市場への拡販を進めてまいります。他方で車載市場と産業機器市場の本格的な回復は下期以降となる見込みであることから、安定的な成長が期待されるICT市場に一層注力してまいります。また、生産面では高付加価値品を中心に生産能力の増強や生産設備の移管等を通じて最適地生産を実現し、カントリーリスクの高まりに備えてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は「環境と人にやさしい技術への貢献」を企業理念に掲げ、研究開発から生産活動などの企業活動の全域にわたり地球環境の保全に取り組んでおります。 当社はこの企業理念のもと、各電子部品の開発・供給を通じてエレクトロニクス産業の発展に寄与することが、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながると考え、基本方針として推進してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループにおきましては、企業価値の向上を図るため資産効率の改善に継続的に取り組んでおり、自己資本利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)を重要な指標として位置づけております。 (3)適応力強化による質の高い成長 ― レジリエンス経営の実践 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行やロシアによるウクライナ侵攻など、われわれを取り巻く環境は大きく変化しております。このように、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の4つのキーワードで特徴づけられる「VUCAの時代」が到来する中、2023年4月より、「Create Next Value:次の価値を創造しよう、次世代の価値(企業価値、製品価値、新事業)を創造する」を長期目標とし、「困難な環境・状況に直面してもそれに適応し、乗り越え、自ら成長し、希望をもって将来の目標に対して積極的に立ち向かう力をつけていくこと」を中期基本方針とする第10次中期経営計画をスタートいたしました。 適応力強化による質の高い成長を目標とする「レジリエンス経営」を実践し、第10次中期経営計画の達成のために全社一丸となって邁進してまいります。 重点施策1. 社会から信頼され求められ続けるためのサステナブル経営の実践2. 創造性と実践力を兼ね備えた革新的人財の育成3. マーケットインとプロダクトアウトの融合による顧客潜在要求の提供4. 最適ポートフォリオ(再構成・標準化)とスマートファクトリーによる生産構造改革① ESG経営の実践② 人財戦略の強化③ 商品企画力強化と技術の連動による収益力の向上④ 最適な生産体制の構築⑤ 生産性改善によるコスト競争力強化 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の見通しにつきましては、米国の相互関税を始めとする各種関税措置による世界経済への下押し圧力や、中東・ウクライナ情勢等の地政学リスクの高まりなど、当社グループを取り巻く経営環境は依然として予断を許さない状況が続くものと予想されます。 このような状況のもと、当社は第10次中期経営計画に定める重点施策を着実に実行してまいります。販売面では引き続き車載市場、産業機器市場、ICT市場の3つの戦略市場への拡販を進めてまいります。他方で車載市場と産業機器市場の本格的な回復は下期以降となる見込みであることから、安定的な成長が期待されるICT市場に一層注力してまいります。また、生産面では高付加価値品を中心に生産能力の増強や生産設備の移管等を通じて最適地生産を実現し、カントリーリスクの高まりに備えてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績 当期における世界経済は、米国では個人消費が堅調に推移するなど景気は総じて回復基調で推移いたしました。一方、欧州経済は持ち直しの動きが見られましたが、ドイツを始めとした製造業の不振が長期化しており景気回復のペースは緩慢なものとなりました。また、中国においても不動産不況の継続や個人消費の停滞を背景に景気は緩やかな減速傾向が続きました。日本国内におきましても、景気は総じて緩やかな回復基調で推移したものの、企業の生産活動は弱含みで推移いたしました。なお、こうした状況の中で年明け以降、米国の通商政策の見直しにより世界経済の下振れリスクが高まり、先行きの不透明感も強まってまいりました。 当社グループを取り巻く市場環境につきましては、ICT関連市場は米国IT大手等によるデータセンター投資が拡大し、生成AIサーバーを含むサーバー需要が高まり堅調に推移いたしました。一方、自動車関連市場は、世界的にEV市場の成長が減速したことから、自動車メーカー各社が相次いでEV戦略を見直したことに加え、部品の在庫調整の影響もあり総じて低調に推移いたしました。また、産業機器関連市場は、中国経済の低迷など景気の先行き不透明感により企業の設備投資マインドが減退したことで在庫調整も長期化し、依然として厳しい市場環境が継続いたしました。 このような経営環境のもと、当社グループは成長が見込まれる車載市場、産業機器市場、ICT市場を戦略市場と位置づけ、ハイブリッドコンデンサ等の高付加価値品の拡販を積極的に進めてまいりました。また、インドに新たな販売拠点を開設し、2024年12月より本格的な営業を開始いたしました。生産面では、ケミコン東日本株式会社宮城工場にハイブリッドコンデンサの製造棟を新設し、同年10月より生産活動を開始いたしました。また、製品や材料の品質管理工程を一部自動化することで人為的ミスによる品質不良の低減を図るなど、引き続きスマートファクトリー化を進めてまいりました。 当期の製品開発については、発熱量の大きいAIサーバーの普及に伴い、近い将来データセンターにおけるサーバーの冷却方式が「液浸冷却」に移行することをにらみ、液浸冷却に対応したアルミ電解コンデンサを業界で初めて開発いたしました。また、リフロー後の漏れ電流値を業界で初めて保証した導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「PXYシリーズ」の開発や、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXKシリーズ」の製品サイズ拡充などに取り組みました。 これらの結果、当期の連結業績につきましては、売上高は1,226億84百万円(前期比18.6%減)となり、営業利益は37億40百万円(前期比60.3%減)、経常利益は15億68百万円(前期比80.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は37百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失212億91百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(コンデンサ) 産機関連の需要が減少したことなどにより、売上高は1,180億22百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益は33億2百万円(前期比62.6%減)となりました。(その他) 車載関連市場における部品在庫の調整等もあり、主にインダクタ(コイル)の需要が減少したことなどにより、売上高は46億62百万円(前期比7.5%減)、セグメント利益は4億38百万円(前期比26.7%減)となりました。  生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)コンデンサ119,277△15.8その他3,4380.1合計122,716△15.4(注)金額は販売価格によっております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)コンデンサ118,67411.039,6621.7その他4,89313.51,13125.7合計123,56711.140,7932.2 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)コンデンサ118,022△19.0その他4,662△7.5合計122,684△18.6(注)総販売実績に対して10%以上に該当する得意先はありません。 (2)財政状態 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(以下前期末)比102億19百万円減少し、1,627億2百万円となりました。 流動資産は、現金及び預金の減少を主な要因として、前期末比181億95百万円減少し、866億20百万円となりました。 固定資産は、投資その他の資産が前期末比74億60百万円増加したことを主な要因として、760億82百万円となりました。 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比132億75百万円減少し、1,060億34百万円となりました。 流動負債は前期末比143億85百万円減少し606億31百万円、固定負債は前期末比11億9百万円増加し、454億3百万円となりました。 有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)は前期末比111億56百万円減少し、782億39百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産は為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加などにより566億67百万円(前期末比30億56百万円増)となりました。 これらの結果、自己資本比率は前期末30.7%から34.5%となり、1株当たり純資産額は1,776円97銭から1,902円11銭となりました。 (3)キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ214億30百万円減少し、238億64百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億93百万円の支出となりました。 主な収入は売上債権の増減額27億24百万円などであり、主な支出は棚卸資産の増減額37億73百万円などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、97億54百万円の支出となりました。 主な支出は、有形固定資産の取得による支出93億25百万円などであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、119億31百万円の支出となりました。 主な収支は、借入金による収支105億72百万円などによるものであります。  当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入、第三者割当による種類株式及び普通株式の発行などによるものであります。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は782億39百万円となっております。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末時点の状況をもとに、各種の見積りと仮定を用いております。実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りと仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合は、繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。

事業リスク

  • 経済状況の変動
    日本ケミコンは、コンデンサなどの電子部品を世界中で販売しているため、製品が販売される国や地域の経済状況が悪化すると、製品の需要が減少し、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、米国の関税政策のような貿易政策の変更も、業績に影響を与える要因となります。
  • 為替レートの変動
    海外売上高が全体の約8割を占めるため、為替レートの変動は業績に大きな影響を与えます。円安になれば海外での売上が円換算で増える一方で、円高になれば減少する可能性があります。為替予約などでリスクヘッジを行っていますが、完全にリスクを排除することは難しく、業績や財政状態が変動する可能性があります。
  • 価格競争の激化
    主力製品であるアルミ電解コンデンサ市場では、国内外の競合他社との間で価格競争が常に存在します。価格競争が激化すると、製品の販売価格が下がり、収益性が悪化するだけでなく、世界市場でのシェアを失う可能性もあります。同社はコスト削減や高付加価値製品の開発で対抗していますが、競争激化は依然としてリスクです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,543 文字
3【事業等のリスク】 当社では、リスクマネジメントを経営が関与する最上位の規格に位置づけております。当社は「リスクマネジメント基本方針」に基づきリスクマネジメント委員会を設立し、グループのリスクを横断的・総括的に管理しております。現に存在するリスクや将来考慮すべき各種リスクを「戦略リスク」「財務リスク」「ハザードリスク」「オペレーショナルリスク」「気候関連リスク」に分類し、年2回リスクマネジメント委員会でとりまとめ、取締役会及び経営委員会に報告しております。 このようにして特定・報告されたリスクのうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済状況について 当社グループは、コンデンサ及びその他の電子部品の製造・販売を主たる事業としており、事業活動を日本、米州、欧州、アジア等グローバルに展開しております。そのため、当社グループの製品が販売されている国、地域の経済状況の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。米国の関税政策の影響については、関税相当分の売価への一部転嫁や当社のグローバルな生産・販売・物流体制の関税政策に応じた最適化、加えて米国工場を保有する強みを活かした販売戦略の実行などにより、可能な限り影響を回避する方針です。(2)為替レートの変動 当社グループの製品は日本国内のほか米州、欧州、アジア等の地域に販売されており、連結売上高に占める海外売上高の割合は、2024年3月期79.8%、2025年3月期78.6%となっております。このため為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、全てをカバーできる保証はなく、当社グループの業績及び財政状態は為替変動の影響を受ける可能性があります。 また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しておりますが、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受け、業績及び財政状態が変動する可能性があります。(3)価格競争 当社グループの主力製品であるアルミ電解コンデンサにおいて、国内外の競合他社との間に生じる価格競争が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。当社グループは、多様な国と市場において事業活動を行っておりますので、そのような国・市場ごとの個別の要因に応じて価格競争リスクに対応する必要があります。国・地域ごとの生産販売コストの変動、材料費の高騰、生産技術のイノベーションなどは係るリスクの要因となります。海外売上比率が高い当社グループは常に国際的な競争に晒されており、価格競争の激化は収益の押し下げのみならず世界シェアの低下を引き起こす可能性があります。当社グループといたしましては、材料開発から製品販売まで一貫した生産体制という強みを活かし、生産システムの効率化等によるコストダウンを推進する一方、高付加価値で高収益な製品の開発や重点市場への拡販により競争力強化を図っております。上記の事業戦略を踏まえ当社グループはリスク対応を実施しておりますが、価格競争の激化は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。2025年度は受注環境が好転することが予想されており過度な価格競争は発生しない見通しです。(4)原材料等の価格変動と調達について 近年の物流費・人件費、原材料費の高騰などにより特に日本国内で調達する材料には大きな値上げ圧力がかかっており、アルミ箔や薬品をはじめとした原材料等の仕入価格上昇によるコストアップの影響や原材料等の調達困難による製品出荷の停滞等は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、海外製造会社における現地調達の推進や生産性向上等によるコストダウンの継続や複数社からの購買、サプライヤーの定期的な与信管理を行うなど、リスク回避対策に取り組んでおりますが、急激な原材料等の価格高騰と災害等による広範な原材料不足は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ウクライナ紛争に代表される国家間の武力紛争による地政学的緊張が継続的な調達リスクとして顕在化しております。更には不採算改善などによる製造中止(EOL)も増えており、安定調達を喫緊の課題としてサプライチェーンの強化に取り組んでおります。(5)製品の欠陥 当社グループは、世界各拠点で、世界的に認められている品質管理基準(UL規格、AEC-Q200など)に従って製造を行っております。 しかし、将来にわたり全ての製品において欠陥が発生しないという保証はありません。また、生産物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。 また、当社は全生産拠点にてISO9001、IATF16949の認証を取得し品質管理の強化を図っておりますが、大規模な製品の欠陥の発生は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、欠陥の発生の際はその影響を最小限に抑えるべく迅速に対応する体制を構築しております。(6)法令その他の公的規制等に関するリスク 当社グループが、事業を展開する国内外での進出先における法令その他の公的規制等及びその重要な変更、特に、当該規制等を遵守するための費用負担や当該規制等に違反したと判断された場合における刑事処分、課徴金等の行政処分または損害賠償請求は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの事業は環境法令の適用を受けており、法令等の制定または重要な変更によっては環境責任のリスクを抱える可能性があります。 当社を含む被告らは、電解コンデンサ、タンタルコンデンサ及びフィルムコンデンサに関するイスラエル競争法違反等について損害賠償等を求める集団民事訴訟の提起を受け、訴訟対応を継続しておりました。2024年12月、当社は損害賠償等の責任を認めておりませんが、諸般の事情を総合的に勘案した結果、集団訴訟原告団との間で和解金として350万米ドルを支払うことに合意し、和解契約を締結しました。本和解は、裁判所の承認手続きを経て、正式に効力発生します。 本和解の効力発生により、各国において当社グループに対して現在までに提起されていたアルミ電解コンデンサ等の取引に関する損害賠償等を求める民事訴訟のうち、現在未解決のものは台湾で提訴を受けている案件1件のみとなりますが、重要性のある損失は発生しないと当社では認識しております。 また、当社の子会社であるSingapore Chemi-Con(Pte)Ltd.(以下「SCC」といいます。)は、Dyson Manufacturing Sdn. Bhd.(以下「Dyson」といいます。)に販売した部品に関して、2024年12月、Dysonより、シンガポール国際商事裁判所において訴訟を提起されました。Dysonは、SCCに対して、1億4554万4762英ポンドの損害賠償等の権利があると主張しております。しかしながら、かかる主張は妥当ではないものと考えており、今後、SCCの責任が否定されるよう、裁判の中で適切に主張・立証していく所存です。(7)自然災害や突発的事象発生のリスク 地震等の自然災害や突発的事象に起因する、設備の破損、電力・水道の供給困難等による生産の停止は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の拡大・長期化は市場の減退を引き起こす可能性があるだけでなく、各国政府の方針により休業を求められるなど事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは従業員やステークホルダーの皆様の安全・健康を第一に考え、情報収集や行政との連携に努めながら、在宅勤務やフレックス勤務等各種感染予防対策の実施に加えてリモートワークツール等の活用により、業務遂行の継続に努めてまいります。(8)気候関連リスク 地球温暖化に由来する気候関連リスクは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。現在、主要国において炭素税やカーボンプライシング・排出量取引制度の導入が進められております。係る制度導入により中期的に大きな影響を与える可能性があり、直接的・間接的に追加費用(原材料高騰による追加費用含む)が生じるリスクがあります。また、気候変動への対応に係る顧客要求(環境性能やサステナビリティに係るサプライヤー選定基準等)を当社グループが十分に満たすことができない場合、製品の市場競争力の低下等により、短~中期的に当社売上の減少に影響を与える可能性があります。さらに、自然災害の激甚化や頻度の高まりは、短~長期的にサプライチェーン全体を含む当社グループの生産活動等の事業継続の中断や臨時の追加費用の発生を生じさせるリスクがあります。係るリスクに対応するため、当社グループは省エネルギー対策小委員会が中心となり、グループ全体での省エネやカーボンニュートラルに向けたロードマップを基にしたCO2削減に取り組んでおります。また、事業継続計画の見直しや自然災害による事業活動への影響が大きいと想定される事業所の防災設備等を優先的に拡充し、さらに調達・研究開発の面からも顧客要求を充足させる取組みを進めております。(9)転換制限解除事由の発生 当社定款に基づくA種種類株式及びB種種類株式(以下、総称して「本種類株式」という。)に付されている普通株式を対価とする取得請求権(以下、「取得請求権」という。)について、当社と本種類株式の株主であるジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合(以下、「JISファンド」という。)との間で締結した出資契約(以下、「本出資契約」という。)において、2026年3月31日以降においてのみ行使できるとの転換制限が付されておりますが、転換制限解除事由が発生した場合には、2026年3月31日の到来前であっても、JISファンドは取得請求権を行使することができることが合意されております。 また、当社定款において、本種類株式には譲渡制限が付されておりませんが、本出資契約上、JISファンドは、2026年3月31日までの間に本種類株式を第三者に譲渡する場合には、当社の承認が必要とされているものの、転換制限解除事由が発生した場合には、2026年3月31日の到来前であっても、当社の承認を経ずに本種類株式を第三者に譲渡できることが合意されております。 この度、2025年3月期の当社の連結営業利益の額が、本出資契約に規定する水準に達しなかったため、転換制限解除事由が生じております。取得請求権が行使された場合には、既存株主の皆様が保有する普通株式について希薄化が生じる可能性があります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 日本ケミコン の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →