有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|11,779 文字
3【事業等のリスク】(1)基本的な考え方有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクについて、事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (2)リスクマネジメント体制当社グループでは、主要なリスクについて、「内部統制基本方針」に定めたリスクマネジメント体制にて、リスクマネジメントを推進しています。事業執行部署が「事業リスク」を、専門機能部署が「業務リスク」を管理しています。またグローバルなリスクモニタリングを実現するため、海外主要地域にエリア統括を配置し、エリアごとのモニタリングを実施します。各責任部署が管理するリスク情報については、取締役、執行役員が出席する経営戦略会議で毎月報告され、審議されます。ここでの審議結果は直ちに各責任部署に指示され、対策の実施、統制の強化を速やかに実行し、実行内容、改善状況は再び経営戦略会議に報告されることでグループのリスクマネジメントについて実効性を高めています。 [リスクマネジメント体制図] (3)リスクの選定と管理の状況当連結会計年度の主要なリスクについては、前連結会計年度から継続するリスクに加え、リスクマネジメント担当役員及び担当部署によって、取締役及び各責任部署、監査法人等からの意見聴取、取締役会及び経営戦略会議での議題、審議内容を分析の上、経営戦略会議での審議を経て選定されます。これらリスクについては、実際に発生・顕在化した場合の事業への「影響度」を縦軸に、実際に起こる「発生可能性」を横軸として、二軸での分析を行い、リスクの重要性を以下のように分類し、各リスクの相対的な重要性を認識しています。 [当連結会計年度末のリスクマップ] 当連結会計年度末において、これら主要なリスク(事業リスク・業務リスク)の管理体制、統制・対策の実行、インシデントの発生と対応などについては、責任部署が自己評価したものをリスクマネジメント担当部署及びリスクマネジメント担当役員が評価基準に基づき独立的に評価し、経営戦略会議及び取締役会に報告します。当連結会計年度末の各リスクの評価結果は以下のとおりであります。各リスクの評価は期初からリスクが増加したか否かを示しています。 [各リスクの当連結会計年度評価] ※矢印の向きは期初からのリスクの増減を表す(↗:リスク増加、→:増減なし、↘:リスク減少) [各リスクの当連結会計年度末の状況](1)事業リスク[海外取引・為替リスク][関連するマテリアリティ] サプライチェーンの強靭化当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超えており、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議、サイバーテロ、環境影響によるリードタイム長期化などのリスクがあります。また、紛争、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レート、株式や金利などの市場変動や金融システム不安、米国の関税政策など保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライチェーンにおけるリスクの可視化、物流BCP(事業継続計画)の構築により物流を管理し、サプライチェーンの強靭化を図っています。また、グループ内資金残高、資金繰り、通貨別の資産負債の状況などをタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して資金集約や為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 [顧客の財務状況][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行うほか、取引信用保険の付保などによるリスクの軽減も行っています。 [原材料確保][関連するマテリアリティ] サプライチェーンの強靭化当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を縮小したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストの上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保においてリスクを低減するよう取り組んでいます。これまでサプライチェーンにおける持続可能な調達を目指して複数部署を横断したチーム編成でサプライチェーンコミッティを発足させ、近年高まりつつある地政学リスクや化学物質規制リスクなどを可視化し、サプライチェーン上流へのリスク対策を講じてきました。当連結会計年度はコミッティを恒久的体制として調達本部内に組織化し、さらなるサプライチェーンの強靭化を図るべく取り組んでいます。 [研究開発][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTMの創出・HumanFlagsTMの創出当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。さらに、ESGを経営の中心に置くとのグループ方針に従い、独自に制定した「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」の候補となるテーマにリソースを集中的に投入しています。こうして得た製品を、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創り守っています。 [知的財産権][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTMの創出・HumanFlagsTMの創出当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりであります。[インダストリアルテープ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般基盤機能材料は、重点三分野である情報デバイス・ディスプレイ、半導体・電子部品、モビリティを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。情報デバイス・ディスプレイ、半導体・電子部品分野では、米国の関税政策による価格の上昇や経済状況の悪化などによるエレクトロニクス製品や半導体の市況の変動により、業績に影響を与える可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「Global Niche TopTM」製品・「Area Niche TopTM」製品創出の取組みの中で「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM製品」を新たな成長の軸とすることで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。さらに、お客様のプロセスを理解し、ニーズに合ったラインナップを揃えることで、材料と設備を合わせた提案を行い、お客様の生産性向上にも貢献します。モビリティ分野では、自動車の構造接着材料や気密、防水用途のシーリング材料を、グローバル市場に提供しており、エレクトロニクス製品や半導体の市況と同様の要因による、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取り込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。また、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、エレクトロニクス産業や自動車産業を始め環境貢献に注力されるお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない「PlanetFlagsTM」製品の開発とモノづくりに取り組むと同時に、お客様で廃棄される材料の回収・リサイクルを推進することで、サプライチェーン全体におけるCO2削減を推進し、環境配慮型製品として付加価値の提供も行っています。 [オプトロニクス事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般情報機能材料の主要市場であるディスプレイ業界は、市場の変化が早く、競合との厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。米国の関税政策の転換により、ディスプレイ業界関連製品に高い関税が課せられる場合、対象製品の販売動向やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。その他にも、地政学リスクや環境規制などが、材料価格高騰、安定供給に影響を及ぼす場合、当社グループの生産や製品供給に影響を与える可能性があります。ディスプレイ業界をリードするお客様の新たなニーズを早期に把握し、技術力を基に新製品の開発、市場投入を継続するとともに、非ディスプレイ市場への製品投入を加速し、自社製品の対象市場を拡大します。また様々な外部環境の変化に対応すべく、安定的な調達先を確保する、生産拠点を分散させる、DX化を進めデータドリブン経営を推進するなど、事業のBCP対策を取っています。回路材料は、データ社会/スマート社会を支え成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。世界的なインフレ継続による材料価格/動力費の高騰、生成AIサービス需要に伴うデータセンターへの投資動向、米国の関税政策や米中貿易摩擦の過熱が、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。長期的に市場の成長が維持された場合、需要動向に対応した製品供給責任が、今後業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、複数拠点での生産バックアップ体制及び材料調達のBCP、自動化・AI・DX活用に基づく生産性改革など、需要変動に対応可能な生産能力の確保を進めています。 [ヒューマンライフ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般ヒューマンライフは、ライフサイエンス事業、メンブレン事業、及びパーソナルケア材料事業から構成されます。ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマや新薬承認の増加が見込まれ、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、科学的根拠に基づいてお客様の臨床試験が中断又は中止された場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。また米国の関税政策により、原材料の調達金額に対して影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における核酸医薬の創薬は、当社グループで研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供するため、お客様への価値提供に繋がる、競争優位性を持った技術の研究開発の進捗状況によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。米国の関税政策に対しては、原材料のさらなる原価低減を図るなど、関税の影響を緩和することに努めています。一方、核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。メンブレン事業は、様々な産業における水処理装置や排水処理用途向けを中心に部材を供給しています。各産業における市況の悪化や、資材の価格高騰、供給不足の影響等で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が遅延する場合や、競合環境の激化によって販売量や販売価格への影響が発生する場合、業績に影響を与える可能性があります。市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進めるとともに、コスト競争力の強化を行っていきます。米国の関税政策に伴い、米国内における生産拠点の製造原価が上昇するリスクがあります。これについては、出荷先に応じた生産場所の調整や、販売価格への転嫁を進めることで、影響を低減していきます。パーソナルケア材料事業は、主におむつ部材を中心に衛生材料を提供しています。主要市場は衛生材料・日用品向けであり、比較的需要は安定していますが、一方でコモディティー市場であるがゆえに、競合参入しやすい環境から販売価格の低下が業績に影響を及ぼす可能性が有ります。また、米国の関税政策の変更に伴うビジネス機会の損失や地政学的影響(ロシア・ウクライナ戦争の長期化)に伴うエネルギーコストの上昇及びインフレによる物価高(原材料費高騰)が業績に影響を及ぼす可能性があります。適切な設備投資及びデジタリゼーションを推進し、生産性向上による原価低減を実現することで、外部環境変化の影響を受けにくい生産体制構築に努めます。併せて、高付加価値品の拡販及び環境対応製品の展開に努め、さらなる収益性の向上を図ります。 [その他][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般新規事業が計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 [その他・補足事項: M&A][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通りの収益を確保することができない場合、のれんや固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 (2)業務リスク[製品安全][関連するマテリアリティ] 安全なモノづくり当社グループは、安全なモノづくりを目標に、厳しい品質管理基準に従い中間材料又は製品を製造し、お客様に納入しています。加えて近年はフッ素化合物等の化学物質に関する規制強化も求められています。製品に対し品質不具合等の欠陥や化学物質に関しての法令、品質不正などの品質コンプライアンス違反が生じた場合、同欠陥に対する賠償責任や法令等の違反に対する罰則等を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証し継続的改善に努めています。品質コンプライアンス問題に関してはその教育に加え,製造や検査環境のハード対策、3線ディフェンスを利用した監査などの取組みを強化しています。加えて、規制の強化が予想されるPFASの代替製品検討やビスフェノール類・塩化ビニルなどの管理体制の強化に取り組んでいます。化学物質関連の規制に対しては先取り対応の一環として特定の業界団体に所属し、審議段階から規制情報を入手して業界団体全体で順法対応を推進するなど、取組みを強化しています。 [環境(脱炭素社会の実現)][関連するマテリアリティ] 脱炭素社会の実現当社グループは、気候変動や自然災害が深刻化する中、脱炭素社会の実現をマテリアリティとして定め、サプライチェーン全体での脱炭素を目指しています。炭素税の賦課、再生可能エネルギーや排出権取引などの価格高騰が生じた場合、製造コストの上昇が避けられず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、CO2排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図っているほか、製品やソリューションを通じてお客様のCO2排出量削減にも取り組んでいます。 [環境(循環型社会の実現)][関連するマテリアリティ] 循環型社会の実現当社グループは、資源の枯渇やプラスチックによる海洋汚染など、地球環境が危機的状況にある中、循環型社会の実現をマテリアリティとして定め、プラスチックを中心に資源循環を目指しています。プラスチックや有機溶剤などの廃棄物の引き取り拒否や引き取り価格の高騰により、廃棄物の処理が困難となり生産活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品や廃棄物などが不適切に処理された場合、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、資源の有効活用やサプライチェーン全体のリサイクル促進を図り、資源循環型社会の構築に取り組んでいます。 [環境(生物多様性の保全)][関連するマテリアリティ] 生物多様性の保全当社グループは、生物の絶滅や生態系の破壊など、人間活動により生物へ甚大な被害を与えている中、生物多様性の保全をマテリアリティとして定め、製造工程で使用している汚染・有害物質の排出削減を目指しています。設備故障などの原因により、揮発性有機化合物が大気や河川などに排出された場合、地域環境汚染が生じ、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、独自により厳しい管理基準を設け汚染・有害物質を管理するとともに、使用量の削減にも取り組んでいます。 [情報セキュリティ][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っております。一方、サイバー犯罪の巧妙化や、内部不正・過失など人為的リスクも高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバー攻撃に対する、多層防御、早期検知・対応体制「CSIRT」整備に加え、有事を想定したBCP訓練を行うなどのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型攻撃メール訓練、情報の持ち出し手段の制限など、当社の情報管理ルールを徹底することで、経営の安全性向上を図っています。 [法規制の変化とコンプライアンス][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは27の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスの基礎と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を18言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。また、当社グループでは内部通報制度を全エリアで運用中で、法令違反や倫理違反の早期発見に努めています。また、サプライヤーからの通報に関する社外受付窓口について、当連結会計年度中に全エリアでの設置を完了し、周知活動を進めています。 [グループ会社のガバナンス][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループは、世界27の国と地域に展開する当社、子会社88社及び関連会社4社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは基盤機能材料、情報機能材料、回路材料、ライフサイエンス、メンブレン、パーソナルケア材料などによる事業軸、世界を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その統制状況を地域レベル、業務レベルで適切に監査・モニタリングしています。ここで報告、発見された事業・業務上の課題やリスクを毎月の経営戦略会議で共有し、速やかに改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制強化を図っています。調達本部では、ESG経営に資する調達活動を推進するため、調達基本方針、サプライヤー行動規範、調達基本規程などを改定し、ポリシーや規程を整備しました。本部直轄のグローバル調達部と、海外各エリアに配置しているエリアリーダーが連携し、グループ各社に展開・周知することでガバナンスの強化に努めています。 [自然災害・気候変動][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。国内外で発生する、気候変動により激甚化する暴風雨や、地震などの自然災害により、当社グループの従業員、拠点や施設が被災する可能性があります。さらに電力、ガス、水道などのユーティリティや陸海空の物流網、インフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針の下、事故や災害に備えた、各拠点での避難訓練や災害対策本部設立時の意思決定訓練を実施しているほか、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定して経営の安全性向上を図っています。 [人財確保][関連するマテリアリティ] 多様な人財の活躍当社グループが事業活動を推進し、将来にわたって発展するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。従業員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジを楽しむ組織風土の醸成が重要であり、併せて、社会環境の変化に合致した労働環境を構築するためにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進が必要です。加えて、国内の少子高齢化に伴う労働人口減少をはじめグローバルでの人財獲得・競争が激化する中、働き方・キャリアに関する価値観が多様化して人財の流動性が高まっているため、人財の定着に向けた人事制度や処遇水準の見直しが継続的な課題となっています。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。このように人的資本経営の重要性が高まる中、当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上のための取組み好事例を共有するとともに、新規事業創出大会(Nitto Innovation Challenge)への提案や海外トレーニーなど様々な分野でチャレンジできる環境整備と、採用ブランディングの向上やインターンシップの拡充による採用力強化で、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。また、育児・介護等との両立支援やテレワーク勤務制度など多様な人財が働きやすい職場環境づくり、競争力のある報酬水準となるように賃金の引上げ等を実施し、人財の定着と動機付けを図っています。 [労働安全衛生][関連するマテリアリティ] 安全なモノづくり当社グループは、安全な社会の実現を目指し、「あらゆる事故災害ゼロ」をスローガンに、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病など人的被害が発生した場合や、生産に影響が出る火災が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、操業やお客様からの取引が停止することにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクや火災につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、リスクの低減策に努めるとともに、実施されたハード対策や決められたルールの順守など維持管理策にも取り組んでいます。 [人権][関連するマテリアリティ] 人権の支持と尊重昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みは、企業の責任として定められています。また、企業の責任範疇は自社内だけではなく自社のサプライチェーン全体に及んでいます。企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を10言語で公開し、人権尊重に関する方針をステークホルダーへ伝えております。また、コンプライアンスマネジメント活動の1つとしてコンプライアンスサーベイを実施し、各拠点のリスク度の可視化と低減活動に取り組んでいます。当連結会計年度は従業員への教育・啓蒙として、まずは日本国内全従業員へ人権尊重も含めたESGに関する教育プログラムを立上げました。今後はそれを海外グループ全従業員へも展開していきます。一方、グローバルでパートナーシップミーティングを開催し、主要サプライヤーへ当社グループのCSR調達方針や活動内容を周知しています。また、人権・労働など順守すべきルールを示したサプライヤー行動規範に基づいて、CSR調達アンケートを年1回実施しています。アンケート実施後にはリスク評価を行い、ハイリスクと判断したサプライヤーに対しては改善提案を実施し、その後に改善状況を確認しています。また、評価の客観性・妥当性の確認、外部要求に対応するため、前年度から新たに第三者評価としてEcoVadisによるCSR評価を導入し、各エリアにて順次導入を進めてきました。人権リスクの高い原材料を扱うサプライヤーに対しては、原産地調査と人権ポリシーに関するアンケートへの回答を依頼し、原材料調達における人権配慮への理解・協力を仰いでいます。
FY2024|11,521 文字
3【事業等のリスク】(1)基本的な考え方有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクについて、事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (2)リスクマネジメント体制当社グループでは、主要なリスクについて、「内部統制基本方針」に定めたリスクマネジメント体制にて、リスクマネジメントを推進しています。事業執行部署が「事業リスク」を、専門機能部署が「業務リスク」を管理しています。またグローバルなリスクモニタリングを実現するため、海外主要地域にエリア統括を配置し、エリアごとのモニタリングを実施します。各責任部署が管理するリスク情報については、取締役、執行役員が出席する経営戦略会議で毎月報告され、審議されます。ここでの審議結果は直ちに各責任部署に指示され、対策の実施、統制の強化を速やかに実行し、実行内容、改善状況は再び経営戦略会議に報告されることでグループのリスクマネジメントについて実効性を高めています。 [リスクマネジメント体制図] (3)リスクの選定と管理の状況当連結会計年度の主要なリスクについては、前連結会計年度から継続するリスクに加え、リスクマネジメント担当役員及び担当部署によって、取締役及び各責任部署、監査法人等からの意見聴取、取締役会及び経営戦略会議での議題、審議内容を分析の上、経営戦略会議での審議を経て選定されます。これらリスクについては、実際に発生・顕在化した場合の事業への「影響度」を縦軸に、実際に起こる「発生可能性」を横軸として、二軸での分析を行い、リスクの重要性を以下のように分類し、各リスクの相対的な重要性を認識しています。 [当連結会計年度末のリスクマップ] 当連結会計年度末において、これら主要なリスク(事業リスク・業務リスク)の管理体制、統制・対策の実行、インシデントの発生と対応などについては、責任部署が自己評価したものをリスクマネジメント担当部署及びリスクマネジメント担当役員が評価基準に基づき独立的に評価し、経営戦略会議及び取締役会に報告します。当連結会計年度末の各リスクの評価結果は以下のとおりであります。各リスクの評価は期初からリスクが増加したか否かを示しています。 [各リスクの当連結会計年度評価] ※矢印の向きは期初からのリスクの増減を表す(↗:リスク増加、→:増減なし、↘:リスク減少) [各リスクの当連結会計年度末の状況](1)事業リスク[海外取引・為替リスク][関連するマテリアリティ] サプライチェーンの強靭化当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超えており、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議、サイバーテロ、環境影響によるリードタイム長期化などのリスクがあります。また、紛争、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レート、株式や金利などの市場変動や金融システム不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライチェーンにおけるリスクの可視化、物流BCP(事業継続計画)の構築により物流を管理し、サプライチェーンの強靭化を図っています。また、グループ内資金残高、資金繰り、通貨別の資産負債の状況などをタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して資金集約や為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 [顧客の財務状況][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行うほか、取引信用保険の付保などによるリスクの軽減も行っています。 [原材料確保][関連するマテリアリティ] サプライチェーンの強靭化当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を縮小したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストの上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保におけるリスクを低減するよう取り組んでいます。また、前年度からサプライチェーンにおける持続可能な調達を目指して複数部署を横断したチーム編成でサプライチェーンコミッティを発足させ、近年高まりつつある地政学リスクや化学物質規制リスクなどを可視化し、サプライチェーン上流へのリスク対策を講じてきました。当連結会計年度からは、今後起こりうる潜在リスクに先回りして対策を講じる新たな仕組みと体制を確立し、サプライチェーンの強靭化を図る活動を行っています。 [研究開発][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTMの創出・HumanFlagsTMの創出当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。さらに、ESGを経営の中心に置くとのグループ方針に従い、独自に制定した「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」の候補となるテーマにリソースを集中的に投入しています。こうして得た製品を、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創り守っています。 [知的財産権][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTMの創出・HumanFlagsTMの創出当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりであります。[インダストリアルテープ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般基盤機能材料は、重点三分野であるパワー&モビリティ、デジタルインターフェース、ヒューマンライフを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。パワー&モビリティ分野では、自動車の構造接着材料や気密、防水用途のシーリング材料を、グローバル市場に提供しており、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取り込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。デジタルインターフェース分野では、エレクトロニクス製品や半導体の市況により、業績が変動する可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「Global Niche TopTM」製品・「Area Niche TopTM」製品創出の取組みの中で「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」製品を新たな成長の軸とすることで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。さらに、お客様のプロセスを理解し、ニーズに合ったラインナップを揃えることで、材料と設備を合わせた提案を行い、お客様の生産性向上にも貢献します。ヒューマンライフ分野では防塵性、耐薬品性などの特徴を持つ特殊エンジニアリングプラスチックを精密加工した機能性フィルムや多孔質材料を展開しています。その中で素材に対する化学物質規制強化という外部環境の変化に追従し、規制に影響されない素材の提案を継続します。なお、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、自動車産業やエレクトロニクス産業を始め環境貢献に注力されるお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない「PlanetFlagsTM」製品の開発とモノづくりに取り組むと同時に、お客様で廃棄される材料の回収・リサイクルを推進することで、サプライチェーン全体におけるCO2削減を推進し、環境配慮型製品として付加価値の提供も行っています。 [オプトロニクス事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般情報機能材料の主要市場であるディスプレイ業界は、市場の変化が早く、競合との厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。地政学リスクや環境規制などが、材料価格高騰、安定供給に影響を及ぼす場合、当社グループの生産や製品供給に影響を与える可能性があります。ディスプレイ業界をリードするお客様の新たなニーズを早期に把握し、技術力を基に新製品の開発、市場投入を継続するとともに、非ディスプレイ市場への製品投入を加速し、自社製品の対象市場を拡大します。また様々な外部環境の変化に対応すべく、安定的な調達先を確保する、生産拠点を分散させる、DX化を進めデータドリブン経営を推進するなど、事業のBCP対策を取っています。回路材料は、データ社会/スマート社会を支える成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。世界的なインフレ継続による材料価格/動力費の高騰、データセンター投資動向の変動が、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。長期的に市場の成長が維持された場合、需要動向に対応した製品供給責任が、今後業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、複数拠点での生産バックアップ体制及び材料調達のBCP、人に依存しない生産性改革など、需要変動に対応した生産能力の確保を進めています。 [ヒューマンライフ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般ヒューマンライフは、ライフサイエンス事業、メンブレン事業、及びパーソナルケア材料事業から構成されます。ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマや新薬承認の増加が見込まれ、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、科学的根拠に基づいてお客様の臨床試験が中断又は中止された場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における核酸医薬の創薬は、当社グループで研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供するため、お客様への価値提供に繋がる、競争優位性を持った技術の研究開発の進捗状況によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。一方、核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化プラント、各産業における水処理装置向けに部材を供給しています。資材の価格高騰や供給不足の影響で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が遅延する場合、もしくは原材料価格の高騰により原材料の入手が制限される場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進めます。原材料調達においては、調達先を複数にするよう努めるとともに、販売価格の見直しを行っていきます。パーソナルケア材料事業は、主におむつ部材を中心に衛生材料を提供しています。主要市場は衛生材料・日用品向けであり、需要は比較的安定していますが、一方でコモディティー市場であるがゆえに、競合参入しやすい環境から販売価格の低下が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギーコストの上昇やインフレによる物価高(原材料費高騰)及び人件費高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。製造力の強化に注力して、原価低減活動を推し進めることで、影響の緩和に努めております。また、デジタライゼーションへの投資で、人に依存しない生産性改革により人員の最適化を実行します。一方で、高付加価値品の拡販や環境対応製品の展開に努め、さらなる収益性の改善を図っています。 [その他][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般新規事業が計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 [その他・補足事項: M&A][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通りの収益を確保することができない場合、のれんや固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 (2)業務リスク[製品安全][関連するマテリアリティ] 安全なモノづくり当社グループは、安全なモノづくりを目標に、厳しい品質管理基準に従い中間材料又は製品を製造し、お客様に納入しています。加えて近年はフッ素化合物等の化学物質に関する規制強化も求められています。製品に対し品質不具合等の欠陥や化学物質に関して法令等の違反が生じた場合、同欠陥に対する賠償責任や法令等の違反に対する罰則等を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証取得し継続的改善に努めています。加えて、規制の強化が予想されるPFASの代替製品検討やビスフェノール類・塩化ビニルなどの管理体制の強化に取り組んでいます。化学物質関連の規制に対しては先取り対応の一環として特定の業界団体に所属し、審議段階から規制情報を入手して業界団体全体で順法対応を推進するなど、取組みを強化しています。 [環境(CO2排出)][関連するマテリアリティ] 脱炭素社会の実現当社グループは、気候変動や自然災害が深刻化する中、脱炭素社会の実現のため、サプライチェーン全体での脱炭素を目指しています。再生可能エネルギーの価格高騰、炭素税の賦課、排出権取引価格の高騰などが生じた場合、製造コストの上昇が避けられず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、CO2排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図っているほか、製品やソリューションを通じてお客様のCO2排出量削減にも取り組んでいます。 [環境(省資源・資源循環)][関連するマテリアリティ] 循環型社会の実現当社グループは、資源の枯渇やプラスチックによる海洋汚染など、地球環境が危機的状況にある中、主に製造工程で使用しているプラスチックや有機溶剤などの廃棄物の削減、循環型社会の実現を目指しています。プラスチックや有機溶剤などの廃棄物の引き取り拒否や引き取り価格の高騰により、廃棄物の処理が困難となり生産活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品や廃棄物などが不適切に処理された場合、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、資源の有効活用やサプライチェーン全体のリサイクル促進を図り、資源循環型社会の構築に取り組んでいます。 [環境(汚染・有害物質の排出)][関連するマテリアリティ] 生物多様性の保全当社グループは、生態系の破壊予防など生物多様性を保全していくため、製造工程で使用している汚染・有害物質の排出削減を目指しています。設備故障などの原因により、揮発性有機化合物が大気や河川などに排出された場合、地域環境汚染が生じ、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、独自により厳しい管理基準を設け汚染・有害物質を管理するとともに、使用量の削減にも取り組んでいます。 [情報セキュリティ][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っております。一方、サイバー攻撃の巧妙化や、内部不正・過失など人為的リスクも高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバー攻撃に対する、多層防御、早期検知・対応体制「CSIRT」整備などのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型メール訓練を実施し、経営の安全性向上を図っています。 [法規制の変化とコンプライアンス][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは28の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスの基礎と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を18言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。また、当社グループでは内部通報制度を全エリアで運用することにより、法令違反や倫理違反の早期発見に努めています。2023年度は一部エリアでサプライヤーからの通報に関する社外受付窓口の設置を完了し、今後の全エリアでの設置完了に向けて準備を進めています。 [グループ会社のガバナンス][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループは、世界28の国と地域で当社、子会社88社及び関連会社4社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社のガバナンスや内部統制が機能せず、役員・従業員による不正行為、経営方針に従わない取引や判断が行われた場合、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは基盤機能材料、情報機能材料、回路材料、ライフサイエンス、メンブレン、パーソナルケア材料などによる事業軸、海外を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署による機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その状況を地域レベル、業務レベルで適切に監査・モニタリングしています。業務上のリスクや課題を発見・指摘し、これらの改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制強化を図っています。 [自然災害・気候変動][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。国内外で発生する、気候変動により激甚化する台風や、地震などの自然災害により、当社グループの従業員、拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどのインフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもと、事故や災害に備えた、各拠点での避難訓練や災害対策本部設立時の意思決定訓練を実施しているほか、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定して経営の安全性向上を図っています。 [人財確保][関連するマテリアリティ] 多様な人財の活躍当社グループが事業活動を推進し将来にわたって発展するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。従業員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジを楽しむ組織風土の醸成が重要であり、併せて社会環境の変化に合致した労働環境を構築するためにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進が必要です。加えて、国内の少子高齢化に伴う労働人口減少をはじめグローバルでの人財獲得・競争が激化する中、働き方・キャリアに関する価値観が多様化して人財の流動性が高まっているため、人財の定着に向けた人事制度や処遇水準の見直しが継続的な課題となっています。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。このように人的資本経営の重要性が高まる中、当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上に取り組むとともに、海外トレーニーやジョブポスティングなど様々な分野でチャレンジできる環境整備と、採用ブランディングの向上やインターンシップの取組みの強化などの採用力強化により、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。また、育児・介護等との両立支援やテレワーク勤務制度など多様な人財が働きやすい職場環境づくり、競争力のある報酬水準となるように賃金の引上げ等を実施し、人財の定着と動機付けを図っています。 [労働安全衛生][関連するマテリアリティ] 安全なモノづくり当社グループは、安全な社会の実現を目指し、「あらゆる事故災害ゼロ」をスローガンに、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病など人的被害が発生した場合や、生産に影響が出る火災が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、操業やお客様との取引が停止することにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクや火災につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、リスクの低減策に努めるとともに、ルール順守など維持管理策にも取り組んでいます。 [人権][関連するマテリアリティ] 人権の支持と尊重昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みが企業の責任として定められています。また、企業の責任範疇は自社内だけではなく自社のサプライチェーン全体に及んでいます。企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を10言語で公開し、人権尊重に関する方針をステークホルダーへ伝えております。また、コンプライアンスマネジメントシステムの取組みの1つとしてコンプライアンスサーベイを実施し、各拠点のリスク度の可視化と低減活動に取り組んでいます。一方、グローバルでパートナーシップミーティングを開催し、主要サプライヤーへ当社グループのCSR調達方針や活動内容を周知しています。また、人権・労働の尊重など順守すべきルールを示した「CSR調達ガイドライン」に基づいて、年1回「CSR調達アンケート」を実施しています。アンケート実施後にはリスク評価を行い、ハイリスクと判断したサプライヤーに対しては、改善提案を実施し、その後に改善状況を確認しています。また、評価の客観性・妥当性を確保すべく、新たに第三者による評価としてEcoVadisによるCSR評価を日本、中国で導入しました。当連結会計年度からは、南アジア、欧米エリア含めグローバル展開を進めます。人権リスクの高い原材料を扱うサプライヤーに対しては、原産地調査と人権ポリシーに関するアンケートへの回答を依頼し、原材料調達における人権配慮への理解・協力を仰いでいます。 [確定給付負債][関連するマテリアリティ] 経営の安全性向上当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析なども踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用及び管理体制を構築しています。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っています。
FY2023|10,543 文字
3【事業等のリスク】(1)基本的な考え方有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクについて、事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (2)リスクマネジメント体制当社グループでは、主要なリスクについて、「内部統制基本方針」に定めたリスクマネジメント体制にて、リスクマネジメントを推進しています。事業執行部署が「事業リスク」を、専門機能部署が「業務リスク」を管理しています。またグローバルなリスクモニタリングを実現するため、海外主要地域にエリア統括を配置し、エリアごとのモニタリングを実施します。各責任部署によって管理されるリスク情報については、取締役、執行役員が出席する経営戦略会議で毎月報告され、審議されます。ここでの審議結果は直ちに各責任部署に指示され、対策の実施、統制の強化を速やかに実行し、実行内容、改善状況は再び経営戦略会議に報告されることでグループのリスクマネジメントについて実効性を高めています。 [リスクマネジメント体制図] (3)各リスクの管理状況主要なリスクについては、リスクマネジメント担当役員及び担当部署によって、前連結会計年度から継続するリスクに加え、取締役及び各責任部署、監査法人等からの意見聴取、取締役会及び経営戦略会議での議題、審議内容を分析の上、経営戦略会議での審議を経て管理、報告の対象とします。これらリスクについて、実際に発生・顕在化した場合の事業への「影響度」を縦軸に、実際に起こる「発生可能性」を横軸として、二軸での分析を行い、リスクの重要性を以下のように分類し、各リスクの相対的な重要性を認識しています。 [2022年度のリスクマップ] 当連結会計年度において、経営戦略会議の審議対象となったこれらのリスク(事業リスク・業務リスク)については、当連結会計年度末に実行体制、統制・対策の実行、インシデントの発生と対応などの評価基準に基づき、責任部署が自己評価したものを、リスクマネジメント担当部署及びリスクマネジメント担当役員により独立的に評価し、経営戦略会議及び取締役会に報告します。各リスクの当期の評価は期初からリスクが増加したか否かを示しています。各リスクの評価結果及び当連結会計年度末の状況は以下のとおりです。 [各リスクの当連結会計年度評価]※矢印の向きは期初からのリスクの増減を表す(↗:リスク増加、→:増減なし、↘:リスク減少) [各リスクの当連結会計年度末の状況](1)事業リスクa.海外取引・為替リスク当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超えており、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議などのリスクがあります。また、紛争、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レートの変動や金融不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライチェーンにおけるリスクの可視化、物流BCP(事業継続計画)の構築により物流を管理しています。また、グループ内資金残高、資金繰り、通貨別の資産負債の状況などをタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して資金集約や為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 (補足事項)ロシア・ウクライナ紛争当社グループはロシア、モスクワに現地法人を有しており、日本及び欧州地域から当社製品を輸出し、同地域での販売を行っています。2022年2月のロシア・ウクライナ紛争ぼっ発後、各国の輸出規制などにより、同現地法人のビジネスは年度を通じ影響を受けましたが、業績への影響は僅少です。この他、紛争が広範囲に及ぼす間接的な影響は、各リスクにおいて説明しています。当社グループでは、各国の輸出規制など、直接的な動向のほか、紛争の長期化などによる間接的な影響にも引き続き留意しております。 b.顧客の財務状況当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行うほか、取引信用保険の付保などによるリスクの軽減も行っています。 c.原材料確保当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を縮小したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストの上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保におけるリスクを低減するよう取り組んでいます。当連結会計年度からはサプライチェーンにおける持続可能な調達を目指してサプライチェーンコミッティを発足させました。複数部署を横断したチーム編成で近年高まりつつある地政学リスクや化学物質規制リスクなど、サプライチェーン上流へのリスク対策を講じます。現在課題とするリスクのみならず、潜在リスクへの先見力・対応力を高めるべく活動を行っています。 d.研究開発当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。また、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創っています。 e.知的財産権当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりです。f.インダストリアルテープ事業基盤機能材料は、重点三分野であるデジタルインターフェース、パワー&モビリティ、ヒューマンライフを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。デジタルインターフェース分野では、エレクトロニクス製品や半導体の市況により、業績が変動する可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「グローバルニッチトップTM」製品・「エリアニッチトップTM」製品創出の取組みの中でPlanetFlagsTM・HumanFlagsTM製品を新たな成長の軸とすることで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。パワー&モビリティ分野では、自動車の構造接着材料や気密、防水用途のシーリング材料を、グローバル市場に提供しており、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取り込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。ヒューマンライフ分野では防塵性、耐薬品性などの特徴を持つ特殊エンジニアリングプラスチックを精密加工した機能性フィルムや多孔質材料を展開し、人の暮らしをよりよくするためのソリューション開発を進めています。なお、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、自動車産業やエレクトロニクス産業を始め環境貢献に注力されるお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない製品の開発とモノづくりに取り組むと同時に、お客様の環境対応をサポートするサプライチェーンの取組み等に参画しています。 g.オプトロニクス事業情報機能材料の主要市場であるディスプレイ業界は、市場の変化が早く、競合との厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。地政学リスクや環境規制などが、材料価格高騰、安定供給に影響を及ぼす場合、当社グループの生産や製品供給に影響を与える可能性があります。ディスプレイ業界をリードするお客様の新たなニーズを早期に把握し、技術力を基に新製品の開発、市場投入を継続するとともに、非ディスプレイ市場への製品投入を加速し、自社製品の対象市場を拡大します。また様々な外部環境の変化に対応すべく、安定的な調達先を確保する、生産拠点を分散させるなど、事業のBCP対策を取っています。回路材料は、データ社会やスマート社会を支える、成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。地政学リスクの高まりや、米国などの主要市場における景気の停滞が、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。一方、長期的に市場の成長が維持された場合、製品供給責任のリスクが、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、拠点間のバックアップ体制による生産活動及び材料調達のBCP、人に依存しない生産性改革や日本及び海外への新工場建設など、積極的な設備投資を計画実行し、生産能力の確保を進めています。 h.ヒューマンライフ事業ヒューマンライフは、ライフサイエンス事業、メンブレン事業、及びパーソナルケア材料事業から構成されます。ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマや新薬承認の増加が見込まれ、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、科学的根拠に基づいてお客様の臨床試験が中断又は中止された場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。一方、ライフサイエンス事業における核酸医薬の創薬は、当社グループで研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供します。従って、当社グループの研究開発の進捗によって、業績に影響を及ぼす可能性を含んでいます。核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化プラント、各産業における水処理装置向けに部材を供給しています。資材の価格高騰や供給不足の影響で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が遅延する場合、もしくは原材料価格の高騰により原材料の入手が制限される場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進めます。原材料調達においては、調達先を複数にするよう努めるとともに、販売価格の見直しを行っていきます。パーソナルケア材料事業は、主にオムツ部材を中心に衛生材料を提供しております。当事業では外部環境の変化、例えばエネルギーコスト上昇やインフレによる物価高など価格への影響が懸念されます。当社グループでは、原価力向上に努め、またお客様と強固な関係を維持しながらニーズの先取りをすることで、新製品創出及び環境対応製品などへの展開に努め、さらなる収益性向上を目指しております。 i.その他新規事業が計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 (補足事項)M&A当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通りの収益を確保することができない場合、のれんや固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 (2)業務リスクa.製品安全当社グループは、業界の品質要求が多様化・高度化される中、厳しい品質管理基準に従い中間材料を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。製品やサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に対する賠償責任を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、それぞれの業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証し継続的な改善に努めています。加えて、規制の強化が予想されるPFASの代替製品検討やビスフェノール類・塩化ビニルなどの管理体制の強化に取り組んでいます。 b.環境(CO2排出)当社グループは、気候変動や自然災害が深刻化する中、モノづくりにおけるCO2排出の削減を行っています。再生可能エネルギーの価格、炭素税の賦課、排出権取引価格などの高騰が生じた場合、製造コストの上昇が避けられず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、CO2排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図っているほか、製品やソリューションを通じてお客様のCO2排出量削減にも取り組んでいます。 b.環境(省資源・資源循環)当社グループは、資源の枯渇やプラスチックによる海洋汚染など、地球環境が危機的状況にある中、主に製造工程で使用しているプラスチックや有機溶剤などの廃棄物の削減を行っています。プラスチックや有機溶剤などの廃棄物の引き取り拒否や引き取り価格が高騰した場合、廃棄物の処理が困難となり生産活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品や廃棄物などが不適切に処理された場合、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、資源の有効活用やサプライチェーン全体のリサイクル促進を図り、資源循環社会の構築に取り組んでいます。 b.環境(汚染・有害物質の排出)当社グループは、生態系の破壊、自然資源の減少などに繋がる生物多様性の損失を抑止するため、製造工程で使用している汚染・有害物質の排出削減を行っています。設備故障などの原因により、揮発性有機化合物が大気や河川などに排出された場合、地域環境汚染が生じ、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、独自により厳しい管理基準を設け汚染・有害物質を管理するとともに、使用量の削減にも取り組んでいます。 c.情報セキュリティ当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っております。一方、サイバーテロが巧妙化するなど人為的リスクが高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバーテロに対する、多層防御、早期検知・対応体制「CSIRT」整備などのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型メール訓練を、頻度を上げて実施し意識向上を図っています。 d.法規制の変化とコンプライアンス当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは28の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスの基礎と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を17言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。その上で、内部通報制度の整備も進めており、当社グループ内だけでなく外部機関に通報できる仕組みを構築し、運用しています。2022年度は、公益通報者保護法の改正に沿い、国内における対応従事者の体制を整備しました。 e.海外グループ会社のガバナンス当社グループは、世界28の国と地域で当社、子会社98社及び関連会社4社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは5つの事業執行部門(当連結会計年度より、基盤機能材料、情報機能材料、ICT、ヒューマンライフソリューション、アドバンストフィルムソリューション)などによる事業軸、海外を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その状況を適切に監査・モニタリングしています。業務上のリスクや課題を発見・指摘し、これらの改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制の強化を図っています。 f.自然災害・気候変動当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。国内外で発生する、気候変動により激甚化する台風や、地震などの自然災害により、当社グループの拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどのインフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもと、事故や災害に備えた、各拠点での避難訓練や災害対策本部設立時の意思決定訓練を実施しているほか、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、このBCPの確実な運用、定期的な見直しを実施しています。 g.感染症新型コロナウイルスによる感染症は、当社グループが事業を展開する国にも大きな影響を与えています。2022年度、当社グループ内でも罹患者数の急増、政府指示による操業停止が発生しましたが、防疫施策や代替生産など事業継続計画に基づいた対応を行い、生産への影響を最小限に抑制しました。当社グループでは、新型コロナウイルスに対する各国規制緩和にともない、一部の防疫施策を緩和いたしますが、感染力の高い変異株や新興感染症への対策として、引き続き感染拡大防止手順や事業継続計画を定めて、当社グループにおける感染拡大の防止に努めています。 h.人財確保当社グループの事業活動を推進するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。従業員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジする組織風土の醸成が重要であり、併せて急激な事業環境の変化に対応するためにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進が必要です。加えて、グローバルでの人財獲得・競争が激化する中、人事制度、処遇水準の見直しが継続的な課題となっています。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上に取り組むとともに、インターンシップの取組みの強化、海外へのトレーニー派遣制度(公募型研修)、ジョブポスティング(公募型人事異動)などを実施し、様々な分野でチャレンジできる環境整備と、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。また、競争力のある報酬水準となるように、賃金の引き上げ等を実施しています。 i.労働安全衛生当社グループは、「あらゆる事故災害ゼロ」を目指し、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病が発生した場合や、生産に影響が出る火災が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、操業停止、お客様からの取引が停止することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクや火災につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、リスクの低減策に努めるとともに、ルール順守など維持管理策にも取り組んでいます。 j.人権昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みは、企業の責任として定められています。また、企業の責任範疇は自社内だけではなく自社のサプライチェーン全体に及んでいます。企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ロシア語、トルコ語で公開し、人権尊重に関する方針をステークホルダーへ伝えております。また、人権啓発推進委員会を人権・労働・倫理協議会に発展させて推進活動とリスク低減活動に取り組んでいます。一方、サプライヤーには、労働・人権の尊重など順守すべきルールを示した「CSR調達ガイドライン」に基づいて、年1回「CSR調達アンケート」を実施しています。アンケート実施後にはリスク評価を行い、ハイリスクと判断したサプライヤーに対しては、改善提案を実施し、その後に改善状況を確認しています。人権リスクの高い原材料を扱うサプライヤーに対しては、原産地調査と人権ポリシーに関するアンケートへの回答を依頼し、原材料調達における人権配慮への理解・協力を仰いでいます。 k.確定給付負債当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析なども踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用及び管理体制を構築しています。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っています。
FY2022|8,972 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクは以下のとおりであります。事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業リスクa.事業環境当社グループは、様々な業界・市場に対応している総合部材メーカーであるため、お客様の業界・市場動向の影響を受けます。当社グループの部材が組み込まれた製品の競争力低下及び価格下落並びに景気後退などの外部環境の変化が、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業ポートフォリオの適切な組み換えや、市場動向の分析などを行い、リスクの平準化に取り組んでいます。 b.海外取引・為替リスク当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は7割を超えています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議などのリスクがあります。また、紛争、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レートの変動や金融不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは本社にてグループ内資金をタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して、為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 (補足事項)ロシア・ウクライナ紛争当社グループはロシア、モスクワに現地法人を有しており、日本及び欧州地域から当社製品を輸出し、同地域での販売を行っています。2022年2月のロシア・ウクライナ紛争ぼっ発後、同現地法人のビジネス停滞による直接的な業績への影響は僅少ですが、紛争に伴う広範囲に及ぶエネルギーや原材料価格の高騰などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、リスクの分散に努め、紛争による間接的な影響についても最小限に抑えるよう取り組んでいます。 c.顧客の財務状況当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。 d.原材料確保当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保におけるリスクを低減するよう取り組んでいます。また、有事発生時のリスクに加え、購入先のESGに対する取組みについても当社ガイドラインに基づき定期的に確認し、コンプライアンスリスクを低減するよう改善を促し、安定調達の確保に取り組んでいます。 e.研究開発当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。また、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創っています。 f.知的財産権当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりです。g.インダストリアルテープ事業基盤機能材料は、重点三分野である情報インターフェース・次世代モビリティ・ヒューマンライフを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。情報インターフェース分野では、エレクトロニクス製品や半導体の市況により、業績が変動する可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「グローバルニッチトップ™」製品・「エリアニッチトップ™」製品の創出に取り組むことで、新たな成長の軸を生み出すとともに、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。次世代モビリティ分野では、自動車の補強用途や制振用途等で使用される構造材料を、グローバル市場に提供しており、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(C:コネクティッド・A:自動運転・S:シェアリング/サービス・E:電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。ヒューマンライフ分野においては、COVID-19で需要が拡大した衛生製品分野に展開するなど社会課題の解決に貢献しています。なお、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、自動車産業やエレクトロニクス産業を始め環境貢献に注力されるお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない製品の開発とモノづくりに取り組むと同時に、お客様の環境対応をサポートするサプライチェーンの取組み等に参画しています。 h.オプトロニクス事業情報機能材料が事業展開しているフラットパネルディスプレイ分野は、多くの企業による厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で需要が急増し、原材料メーカーの生産能力が追い付かず、材料が入手困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。昨今では、新型コロナウイルス感染症の拡大が、当社グループの生産や製品供給においてお客様に影響を与える機会が増えています。業界をリードするお客様の新たなニーズを把握し、製品開発と市場投入に努めるとともに、原材料調達先を複数にする、生産拠点を分散させるなど、事業のBCP対策を取っています。プリント回路は、データ社会/スマート社会を支える成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。新型コロナウイルス感染症などの社会変化の中で、市場への製品供給責任のリスクが、今後業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、拠点間のバックアップ体制による生産活動及び材料調達のBCP、人に依存しない生産性改革やベトナム新工場建設など、積極的な設備投資を計画実行し、生産能力の確保を進めています。 i.ライフサイエンス事業ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマの増加に加え、新薬承認、新型コロナワクチン用免疫増強剤としての新規認可など今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。一方、当事業における核酸医薬の創薬は、当社で研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供します。従って、当社の研究開発の進捗によって、業績に影響を与える可能性を含んでいます。核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。2023年3月期より、新たな事業セグメントとしてヒューマンライフを新設します。当セグメントは、従来のライフサイエンスにおける医療関連材料とその他セグメントにおけるメンブレン(高分子分離膜)で構成されます。 j.その他メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化プラント、各産業における水処理装置向けに部材を供給しています。新型コロナウイルス感染症の影響で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が不安定になることが多くなっています。また、一部の材料において、サプライヤーの寡占化が進んでおり、調達先の災害による被災や調達国との貿易規制が強化された場合、材料が入手困難になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油高の影響による石化由来の原材料価格の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進めます。原材料調達においては、調達先を複数にするよう努めるとともに、販売価格の見直しを行っていきます。また、新規事業は、計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 (補足事項)M&A等当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通り展開することができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 (2)業務リスクa.製品安全当社グループは、業界の品質要求が多様化・高度化される中、厳しい品質管理基準に従い中間材料を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。製品やサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に対する賠償責任を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、それぞれの業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証・運用し、加えて先進的な化学物質管理に取り組むことで、社会的信頼の獲得、問題点の早期発見などによる継続的改善に努めています。 b.環境(CO2排出)当社グループは、気候変動や自然災害が深刻化する中、モノづくりにおけるCO2排出の削減を行っています。再生可能エネルギーの価格、炭素税の賦課、排出権取引価格などの高騰が生じた場合、製造コストの上昇が避けられず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、CO2排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図り、製品やソリューションを通じてお客様のCO2排出量削減にも取り組んでいます。 c.環境(省資源・資源循環)当社グループは、資源の枯渇やプラスチックによる海洋汚染など、地球環境が危機的状況にある中、主に製造工程で使用しているプラスチックや有機溶剤などの廃棄物の削減を行っています。プラスチックや有機溶剤などの廃棄物の引き取り拒否や引き取り価格が高騰した場合、廃棄物の処理が困難となり生産活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品や廃棄物などが不適切に処理された場合、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、使用量削減やサプライチェーン全体の廃棄物削減などにより資源循環プロセスの構築に取り組んでいます。 d.環境(汚染・有害物質の排出)当社グループは、生態系の破壊、自然資源の減少などに繋がる生物多様性の損失を抑止するため、製造工程で使用している汚染・有害物質の排出削減を行っています。設備故障などの原因により、揮発性有機化合物が大気や河川などに排出された場合、地域環境汚染が生じ、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、独自により厳しい管理基準を設け汚染・有害物質を管理するとともに、使用量の削減にも取り組んでいます。 e.情報セキュリティ当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しています。一方、サイバーテロが巧妙化するなど人為的リスクが高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバーテロに対する、多層防御、早期検知・対応体制「CSIRT」整備などのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、毎年、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型メール訓練を実施し意識向上を図っています。 f.法規制の変化とコンプライアンス当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは28の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスの基礎と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を16言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。その上で、内部通報制度の整備も進めており、当社グループ内だけでなく外部機関に通報できる仕組みを構築し、運用しています。2021年度は、韓国・欧州で外部機関の仕組みを導入し、日本・中国・韓国・台湾・南アジア・欧州・米州の全てのエリアで体制を整備しました。 g.海外グループ会社のガバナンス当社グループは、世界28の国と地域で当社、子会社94社及び関連会社4社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは4つの事業執行部門(2022年度より、基盤機能材料、情報機能材料、ICT、ヒューマンライフソリューションズ)による事業軸、海外を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その状況を適切に監査・モニタリングしています。業務上のリスクや課題を発見・指摘し、これらの改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制の強化を図っています。 h.自然災害・気候変動当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。国内外で発生する、気候変動により激甚化する台風や、地震などの自然災害により、当社グループの拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどのインフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもとで、事故や災害に備え、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、このBCPの確実な運用、定期的な見直しを実施するためのBCM(事業継続マネジメント)に取り組んでいます。 i.感染症新型コロナウイルスによる感染症は、当社グループが事業を展開する国にも大きな影響を与えています。当社グループ内で予想を超える罹患者の発生、各国政府の指示による操業の停止、あるいはサプライヤーやお客様が感染拡大に大きく影響を受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、役員・従業員に対する感染予防法の周知と励行、各拠点の業務形態に応じて時差出勤や在宅勤務などの防疫施策を導入し、当社グループにおける感染拡大の防止に努めています。また、罹患者が発生した場合においても、接触者特定や消毒方法など拡大防止手順を定め、接触者の早期復帰を目的とした自主検査体制を構築しています。なお、各国政府の指示で操業を停止した場合も、代替生産や、早期に復旧できるよう事業継続計画を策定しています。 j.人財確保当社グループの事業活動を推進するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。併せて急激な事業環境の変化に対応するためにダイバーシティの推進が必要です。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上に取り組むとともに、インターンシップへの取組みの強化や、各種公募型研修やワークショップを実施し、様々な分野の人財の採用と育成に取り組んでいます。 k.労働安全衛生当社グループは、「あらゆる事故災害ゼロ」を目指し、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。死亡・後遺症が残る怪我や疾病、それらに繋がる恐れのある怪我や疾病が発生した場合、社会的な信用が低下するとともに、操業停止、お客様からの取引が停止することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、特定リスクの低減策として自動化などを促進するとともに、安全文化醸成を図ることで職場環境改善に取り組んでいます。 l.人権昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みは、企業の責任として定められています。企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ロシア語、トルコ語で公開し、人権尊重に関する方針をステークホルダーへ伝えております。また、人権啓発推進委員会などを通して、人権に係る問題の予防、軽減、改善に取り組んでいます。 m.確定給付負債当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析なども踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用及び管理体制を構築しています。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っています。
FY2021|7,231 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクは以下のとおりであります。事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として記載しています。 (1)事業リスクa.事業環境当社グループは、様々な業界・市場に対応している総合部材メーカーであるため、お客様の業界・市場動向の影響を受けます。当社グループの部材が組み込まれた製品の競争力低下および価格下落、ならびに景気後退などの外部環境の変化などが、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業ポートフォリオの適切な組み換えや、市場動向の分析などを行い、リスクの平準化に取り組んでいます。 b.海外取引・為替リスク当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は7割を超えています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議などのリスクがあります。また、テロ、クーデター等の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レートの変動や金融不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは本社にてグループ内資金をタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して、為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 c.顧客の財務状況当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。 d.原材料確保当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保におけるリスクを低減するよう取り組んでいます。また、有事発生時のリスクに加え、購入先のESGに対する取り組みについても当社ガイドラインに基づき定期的に確認し、コンプライアンスリスクを低減するよう改善を促し、安定調達の確保に取り組んでいます。 e.研究開発当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。また、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創っています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりです。f.インダストリアルテープ事業基盤機能材料は、幅広い業界に向けて、多様な製品をグローバル市場で提供しています。エレクトロニクスや半導体用途では、お客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。このため、エレクトロニクスや半導体の市況により、業績が変動する可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「グローバルニッチトップ™」製品・「エリアニッチトップ™」製品の創出に取り組むことで、市場の影響を受けない体質作りを進めています。トランスポーテーションは、自動車の補強用途や制振用途等で使用される構造材料を、グローバル市場に提供しています。このため、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(C:コネクティッド・A:自動運転・S:シェアリング/サービス・E:電動化)等の成長領域への取り組みを進めることで、市場の影響を受けない体質作りを進めています。成長領域の取り組みにおいてはグループ内の既存リソースの再配置などによる構造改革も実行しています。なお、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、自動車産業やエレクトロニクス産業始め環境への貢献を進めているお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない製品の開発とモノ作りに取り組んでいます。 g.オプトロニクス事業情報機能材料が事業展開しているフラットパネルディスプレイ分野は、多くの企業による厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の陳腐化、市場の成熟による売り上げの低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で需要が急増し、原材料メーカーの生産能力が追い付かず、材料が入手困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。業界をリードするお客様の新たなニーズを把握し、製品開発と市場投入に努めるとともに、原材料調達先を複数にするよう取り組んでいます。また、プリント回路は、成長が期待される市場に集中して対応しています。対応している市場の需要変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。主な用途であるハードディスクドライブ(HDD)用部材やスマートフォン用部材において、市場の需要変動を受けにくい体質を作るために、継続的に生産性の改善に努めています。 h.ライフサイエンス事業ライフサイエンス事業は、当社グループの新たな事業分野として核酸医薬分野への取り組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマが増加傾向にあり、新薬承認も進み始めている、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により、需要が変動するため、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。一方、当事業における核酸医薬の創薬は、当社で研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供します。従って、当社の研究開発の進捗によって、業績に影響を与える可能性を含んでいます。核酸医薬の創薬においては、外部機関の連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。 i.その他メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化等のプラントに部材を供給しています。感染症の影響で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が不安定になることが多くなっています。また、一部の材料において、サプライヤーの寡占化が進んでおり、調達先の災害による被災や調達国との貿易規制が強化された場合、材料が入手困難になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進め、原材料調達においては、調達先を複数にするよう努めています。また、新規事業は、計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 (2)業務リスクa.製品安全当社グループは、業界の品質要求が多様化・高度化される中、厳しい品質管理基準に従い中間材料を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。製品やサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に対する賠償責任を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、それぞれの業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証・運用し、加えて先進的な化学物質管理に取り組むことで、社会的信頼の獲得、問題点の早期発見などによる継続的改善に努めています。 b.環境当社グループは、気候変動対策、廃プラスチック対策への機運の高まりや、環境関連法令や規則の厳格化など、環境問題に対する社会的要求の高い事業を行っています。これらを重視するステークホルダーやお客様からの要望に応えられない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは化学物質やプラスチックなどを多く使用しています。これらに関する環境規制が強化されることで、既存製品の販売が困難になることや、予期せぬ事故や不測の環境汚染を生じさせた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、環境に配慮した誠実な行動を環境基本方針に掲げ、社会的責任の観点から、CO2排出削減、エネルギー・原材料・水などの効率的利用、汚染・有害物質の排出削減に取り組んでいます。 c.情報セキュリティ当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しています。一方、サイバーテロが巧妙化するなど人為的リスクが高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバーテロ等に対して、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、毎年、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育やシステムの堅牢性を高めるなど様々な取り組みをしています。 d.法規制の変化とコンプライアンス当社グループは、グローバルな事業展開を行っています。法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めるとともに、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」の小冊子を16言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ配布したり、「サステナビリティワークショップ」を実施するなどの取組みにより、コンプライアンスの徹底に努めています。 e.海外グループ会社のガバナンス当社グループは、世界28か国と地域で当社、子会社94社および関連会社6社に展開する関係会社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは6つの事業部、事業部門による事業軸、海外を8つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その状況を適切に監査・モニタリングしています。業務上のリスクや課題を発見・指摘し、これらの改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制の強化を図っています。 f.事故・災害当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内および海外に複数の生産拠点および販売拠点を有しています。国内外で発生する地震や台風などの自然災害や大規模な事故により、当社グループの拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどのインフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもとで、事故や災害に備え、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、このBCPの確実な運用、定期的な見直しを実施するためのBCM(事業継続マネジメント)に取り組んでいます。 g.感染症新型コロナウイルスによる感染症は、当社グループが事業を展開する国にも大きな影響を与えています。当社グループ内で予想を超える罹患者の発生、各国の政府の指示による操業の停止、あるいはサプライヤーやお客様が感染拡大に大きく影響を受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、役員・従業員に対する感染予防方法の周知と励行、防疫用品のグローバル間での融通を通じて、当社グループにおける感染拡大の防止に努めています。また、罹患者が発生した場合においても、接触者特定や消毒方法など拡大防止手順を定めています。なお、各国政府の指示で操業を停止した場合も、代替生産や、早期に復旧できるよう事業継続計画を策定しています。 h.M&A当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しています。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通り展開することができない等の場合、収益力の低下や事業用資産の減損処理により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業やM&Aに際しては、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っています。 i.知的財産権当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 j.人財確保当社グループの事業活動を推進するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。合わせて急激な事業環境の変化に対応するためにダイバーシティの推進が必要です。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、インターンシップへの取り組みの強化や、各種公募型研修やワークショップを実施し、様々な分野の人財の採用と育成に取り組んでいます。 k.労働環境当社グループは、グローバルな事業展開を行っています。サプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者への差別等、種々の人権に係る問題、従業員の労働災害などが生じ、これをすみやかに発見・是正ができなかった場合、当社グループの社会的な信用が低下し、お客様からの取引が停止することにより、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、それに伴う事業からの撤退等も業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、関連する様々な法令規則やOECD多国籍企業行動指針やILO国際労働基準といった国際的なイニシアチブ等による規制が大幅に強化された場合、これらに適応するため、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、社会の持続可能な発展のため、Nittoグループ人権基本方針に則り、事業部と専門部署が一体となって、サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスに取り組むとともに、職場環境改善に努めています。主要サプライヤーに対してアンケートを実施し、リスクの抽出に取り組んでいます。 l.確定給付負債当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析等も踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用および管理体制を構築しています。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っています。
FY2020|6,432 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクは以下のとおりであります。事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として記載しています。 (1)事業リスクa.事業環境当社グループは、総合部材メーカーであるため、最終顧客の市場の影響を受けます。当社グループの部材が組み込まれた製品の競争力低下や価格下落など、さらに、当社グループの努力のみで対応できない市場の変化は、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、ポートフォリオの変革や市場情報のキャッチアップなどを行い、リスクの平準化に取り組んでいます。 b.海外取引・為替リスク当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は7割を超えています。進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議などのリスクがあります。また、戦争、政情の激変によるテロ、クーデター等の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レートの変動や金融不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは本社にてグループ内資金をタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して、為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。 c.顧客の財務状況当社グループが、売上債権を有する顧客において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きい顧客で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、顧客について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。 d.原材料確保当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にするなど、主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう取り組んでいます。 e.研究開発当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう三新活動を起点とした新技術・新製品の研究・開発や、その設備への投資に取り組んでいます。また、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創っています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりです。f.インダストリアルテープ事業当社グループが事業展開しているスマートフォン向け両面テープや電子部品用テープといったエレクトロニクス分野や、電気自動車用部品といった次世代モビリティー分野は、製品の進化も早く、国や地域による需要の違いもあります。特定の分野で需要が急増した場合には、原材料メーカーの生産能力が追い付かず、材料が入手困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは原材料調達先を複数にするよう取り組んでいます。また、汎用テープ分野では、市場の成熟により製品サイクルが長期化し、競合の参入により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、国や地域に密着したANT(エリアニッチトップTM)戦略を実施し、マーケティングを含めたエリア権限を強化することで、国や地域に即した製品創出を進めています。 g.オプトロニクス事業当社グループにおいて、情報機能材料は中核事業です。この市場では多くの企業による厳しい競争が続いています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の陳腐化、市場の成熟による売り上げの低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で需要が急増し、原材料メーカーの生産能力が追い付かず、材料が入手困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、業界をリードする大手企業の新たなニーズを把握し、製品開発と市場投入に努めるとともに、原材料調達先を複数にするよう取り組んでいます。 h.ライフサイエンス事業当社グループは、新たな事業分野としてライフサイエンス事業への取り組みを強化しています。当事業は各国の法令に従い、事業を行っています。各国の新たな法令や規制の制定、または法令・規制の大幅な変更等による要求事項が当社グループの想定を超えた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。各国の医療政策の変更による大幅な薬価の引き下げや急激なジェネリック薬の推奨、顧客が進めている臨床試験の中止などの場合も業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、マーケティング・開発から製品化に至るまで関連法令・規制の遵守に努め、さらに事業活動を特定の領域・分野に限定しないことでリスクを低減するよう取り組んでいます。 i.その他当社グループのその他の領域にはメンブレン事業と未だ十分な売上が上がっていない新規事業が入ります。メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化等のプラントに部材を供給しています。急激な受注に対して、原材料メーカーの生産能力が追い付かず材料が入手困難になった場合や成長が期待される市場での事業拡大が見込めない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。メンブレン事業では、原材料調達先を複数にするよう努め、さらに生産プロセスの自動化をはじめとする合理化や排水処理等の多様化による事業基盤の強化に取り組んでいます。また、新規事業は、計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場や顧客の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 (2)業務リスクa.製品安全当社グループは、国際的品質管理システム・化学物質管理システムに従い中間材料を中心とする製品を製造し、顧客に納入しています。しかし、これにより製品の欠陥による賠償リスクを完全に排除することは困難です。また、生産物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このシステムを正しく運用しているか、基準を満たしているかについて、第三者審査機関による審査を毎年受けています(マネジメントシステム認証制度)。これにより、社会的信頼の獲得、第三者の視点による問題点の発見、継続的改善が実行されるよう取り組んでいます。 b.環境当社グループは、環境に関連する法令規則の厳格化やCDP(シー・ディー・ピー(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト))、RE100(アールイー100(100% Renewable Electricity))等の気候変動対策への機運が高まる中、これらを重視する顧客からの要望に応えられないことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは化学製品やプラスチックなどを多く使用しています。これらに関する環境規制が強化されることで、既存製品の販売が困難になることや、予期せぬ事故や自然災害により不測の環境汚染が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、環境に配慮した誠実な行動を環境基本方針に掲げ、社会的責任の観点から、CO2排出削減、トルエンの大気排出削減、廃棄物の排出量低減に取り組んでいます。 c.情報管理当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しています。一方、サイバーテロは巧妙化するなど人為的リスクが高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、顧客情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバーテロ等に対して、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、毎年、全社員への情報セキュリティの重要性を説く教育やシステムの堅牢性を高めるなど様々な取り組みをしています。 d.法規制の変化とコンプライアンス当社グループは、グローバルな事業展開を行っています。法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めるとともに、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」の小冊子を16言語に翻訳し、グループ全社員へ配布したり、「CSRワークショップ」を実施するなどの取組みにより、コンプライアンスの徹底に努めています。 e.事故・災害当社グループの本社や日本国内にある主要拠点は、地震の発生リスクが高く、発生した場合、地震や津波により、主要拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどインフラ被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、人命に深刻な影響を及ぼす感染症が大流行となった場合、操業停止、輸送ルートの寸断や情報伝達の遅延が起こる可能性があります。そのために、当社グループもしくは顧客、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもとで、事故や災害に備え、事業機能停止を防止する対策として事業継続計画(BCP)、および経営機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に復旧するための事業継続マネジメント(BCM)に取り組んでいます。 (補足事項:COVID-19への対応について)2019年12月末にWHOへ報告があった新型コロナウィルスによる感染症は、当社グループが事業を展開する国にも大きな影響を与えています。当社グループ内で予想を超える罹患者が発生したり、各国の政府の指示で操業を止める、あるいは、サプライヤーや顧客がこの感染症に大きく影響を受けた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、役職員に対する感染予防の励行、防疫用品のグローバル間での融通を通じて、当社グループで罹患者が発生しないよう努めています。また、罹患者が発生した場合においても拡大防止手順を定めています。当該手順に基づき拠点を停止せざるをえない事態になった場合や政府の指示で操業を停止した場合も、当該拠点以外で代替生産するとともに、当該拠点が早期に復旧できるよう事業継続計画を策定しています。 f.M&A当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通り展開することができない等の場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 g.知的財産権当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは知的財産本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 h.人財確保当社グループの事業活動を推進するためには、研究・開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。合わせて急激な事業環境の変化に対応するためにダイバーシティの推進が必要です。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、インターンシップへの取組みの強化や、各種公募型研修やワークショップを実施し、様々な分野の人財の採用と育成に取り組んでいます。 i.労働環境当社グループは、グローバルな事業展開を行っています。サプライチェーン上で、児童労働、強制労働、外国人労働者への差別等、種々の人権に係る問題が生じ、これをすみやかに発見・是正ができなかった場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引が停止することにより、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、それに伴う事業からの撤退等も業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、関連する様々な法令規則やOECD多国籍企業行動指針やILO国際労働基準といった国際的なイニシアチブ等による規制が大幅に強化された場合、これらに適応するため、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、社会の持続可能な発展のため、Nittoグループ人権基本方針に則り、事業部と専門部署が一体となって、サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスに取り組んでいます。主要サプライヤーにはアンケート等を実施し、リスクの抽出に努めています。 j.確定給付負債当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析等も踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用および管理体制を構築しております。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っております。
FY2019|3,718 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。(1)政治、社会、経済動向 当社グループは、世界各国でグローバルな事業展開を行っています。進出国における予想しない雇用関係の悪化や労働争議、人件費の上昇、輸送や電力供給の停止などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政情の激変によるテロ、戦争、クーデター等の発生、自国優先主義の台頭、各国の安全保障上の貿易規制など世界経済の急変による市場の停滞、想定を超えた為替レートの変動、金融不安なども、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法規制の変化とコンプライアンス 当社グループは、世界各国の様々な分野で事業を展開しています。すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めていますが、法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)事故・災害 当社グループは「安全をすべてに優先する」方針のもと事故や災害に備え、事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメント(BCM)を推進しています。特に地震は日本において発生確率が高く津波や洪水などを伴うことがあります。さらにその影響から火災、化学物質漏えい、電力・ガスなどインフラ被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が発生する可能性もあります。また、人命に深刻な影響を及ぼす感染症の大流行があった場合も、地域や世界経済への影響を免れず、事業継続が妨げられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)環境問題 当社グループは、地域から地球規模までの環境に配慮した誠実な行動を重要方針に掲げ、社会的責任の観点から自主的な環境負荷削減計画を作り、廃棄物削減、大気汚染防止、地球温暖化防止などに取り組んでいます。しかしながら、環境負荷削減において、計画通りの実績が上がらない場合や、予期せぬ事故や自然災害により不測の環境汚染が生じた場合、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、関連する法令規則や国際的なイニシアチブ等が大幅に強化された場合、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)労働環境 当社グループは、社会の持続可能な発展のため、人権の尊重・労働環境の整備などを始めとする企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しています。現在、当社グループは、労働安全、ダイバーシティの推進、働き方改革に取り組むことで労働環境の整備を進めています。また人権の尊重については、サプライチェーンを含む事業活動の中で取り組みを始めています。しかしながら人権尊重については、児童労働、強制労働、外国人労働者への差別等、種々の人権に係る問題が生じ、これをすみやかに発見・是正ができなかった場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止、または一部事業からの撤退等により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、関連する様々な法令規則や国際的なイニシアチブ等による規制が大幅に強化された場合、これらに適応するため、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)オプトロニクス事業 液晶表示用材料やタッチパネル用材料は当社グループの中核事業です。これらの市場では多くの企業による厳しい競争が続いています。当社グループの材料が組み込まれた製品の市場動向、技術の革新、顧客である液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーの再編や戦略の変化、需給バランスの変化による製品価格の下落、原材料メーカーの生産能力と需要変化による原材料価格の高騰などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)ライフサイエンス事業 当社グループは、新たな事業分野としてライフサイエンス事業への取組みを強化しています。本事業は、関係する各国の厳格な審査とそれに基づく承認に、当社グループの想定を超えた障害が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)研究開発 当社グループが事業展開する分野の多くは、技術革新とコスト競争力への厳しい要求があります。そのため当社グループは、グローバルニッチトップ戦略に、エリア特有のニーズに合った製品を供給するエリアニッチトップ戦略を加え、新製品開発、新用途開拓、新需要創造に取り組み、必要な研究開発投資や設備投資を行っています。しかし、市場変化が激しい業界では、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)原材料確保 当社グループでは原材料調達先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めています。しかし、一部の原材料は特定の購入先に依存しています。その購入先の自然災害による被災、事故、倒産など、止むを得ない事情により、供給量が減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ必要な原材料の確保ができなかったりコストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)製品品質 当社グループは、国際的品質管理システムに従い部材を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。しかし、製品の欠陥による賠償リスクを完全に排除することは困難です。生産物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産権 当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)M&A 当社グループは事業成長を目的として、優れた技術を有する企業の買収や事業提携など様々な形で他企業との関係を構築しています。しかし、買収や事業提携などが期待どおりの効果を生まなかった場合、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)人財確保 当社グループの事業活動を推進するためには、研究・開発・製造・販売・管理など様々な分野において優秀な人財の確保が必要です。事業の発展に向けたグローバル人財の採用を積極的に進めていますが、人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)顧客の財務状況 当社グループは、顧客について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。しかし、当社グループが売上債権を有する顧客において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きい顧客で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報管理 当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しているうえに、サイバーテロなどの人為的リスクの対象にもなっています。当社グループは、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術情報、顧客情報、取引情報、個人情報などの流出や不正使用を防止するため、様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報流出や不正使用が発生した場合、その対応のため当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)訴訟 当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。それらの訴訟の結果が、当社グループ側の主張および予測と異なる結果となるリスクは避けられず、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(17)確定給付負債 当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|3,221 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。(1)政治、社会、経済動向 当社グループは、世界各国でグローバルな事業展開を行っています。進出国における予想しない雇用関係の悪化や労働争議、人件費の上昇、輸送や電力供給の停止などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政情の激変によるテロ、戦争、クーデター等の発生、自国優先主義の台頭など世界経済の急変による市場の停滞、想定を超えた為替レートの変動、金融不安なども、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法規制の変化とコンプライアンス 当社グループは、世界各国の様々な分野で事業を展開しています。すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めていますが、法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)事故・災害 当社グループは「安全をすべてに優先する」方針のもと事故や災害に備え、事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメント(BCM)を推進しています。特に地震は日本において発生確率が高く津波や洪水などを伴うことがあります。さらにその影響から火災、化学物質漏えい、電力・ガスなどインフラ被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が発生する可能性もあります。また、人命に深刻な影響を及ぼす感染症の大流行があった場合も、地域や世界経済への影響を免れず、事業継続が妨げられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)環境問題 当社グループは、地域から地球規模までの環境に配慮した誠実な行動を重要方針に掲げ、社会的責任の観点から自主的な環境負荷削減計画を作り、廃棄物削減、大気汚染防止、地球温暖化防止などに取り組んでいます。これまで重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、環境負荷削減において、計画通りの実績が上がらない場合や、予期せぬ事故や自然災害により不測の環境汚染が生じた場合、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)オプトロニクス事業 液晶表示用材料やタッチパネル用材料は当社グループの中核事業です。これらの市場では多くの企業による厳しい競争が続いています。当社グループの材料が組み込まれた製品の市場動向、技術の革新、顧客である液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーの再編や戦略の変化、需給バランスの変化による製品価格の下落、原材料メーカーの生産能力と需要変化による原材料価格の高騰などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)ライフサイエンス事業 当社グループは、新たな事業分野としてライフサイエンス事業への取組みを強化しています。本事業は、関係する各国の厳格な審査とそれに基づく承認に、当社グループの想定を超えた障害が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)研究開発 当社グループが事業展開する分野の多くは、技術革新とコスト競争力への厳しい要求があります。そのため当社グループは、グローバルニッチトップ戦略に、エリア特有のニーズに合った製品を供給するエリアニッチトップ戦略を加え、新製品開発、新用途開拓、新需要創造に取り組み、必要な研究開発投資や設備投資を行っています。しかし、市場変化が激しい業界では、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)原材料確保 当社グループでは原材料調達先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めています。しかし、一部の原材料は特定の購入先に依存しています。その購入先の自然災害による被災、事故、倒産など、止むを得ない事情により、供給量が減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ必要な原材料の確保ができなかったりコストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品品質 当社グループは、国際的品質管理システムに従い部材を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。しかし、製品の欠陥による賠償リスクを完全に排除することは困難です。生産物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産権 当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)M&A 当社グループは事業成長を目的として、優れた技術を有する企業の買収や事業提携など様々な形で他企業との関係を構築しています。しかし、買収や事業提携などが期待どおりの効果を生まなかった場合、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)人財確保 当社グループの事業活動を推進するためには、研究・開発・製造・販売・管理など様々な分野において優秀な人財の確保が必要です。事業の発展に向けたグローバル人財の採用を積極的に進めていますが、人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)顧客の財務状況 当社グループは、顧客について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。しかし、当社グループが売上債権を有する顧客において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きい顧客で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)情報管理 当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しているうえに、サイバーテロなどの人為的リスクの対象にもなっています。当社グループは、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術情報、顧客情報、取引情報、個人情報などの流出や不正使用を防止するため、様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報流出や不正使用が発生した場合、その対応のため当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)訴訟 当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。それらの訴訟の結果が、当社グループ側の主張および予測と異なる結果となるリスクは避けられず、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (16)確定給付負債 当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|3,242 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。(1)政治、社会、経済動向 当社グループは、世界各国でグローバルな事業展開を行っています。進出国における予想しない雇用関係の悪化や労働争議、人件費の上昇、輸送や電力供給の停止などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政情の激変によるテロ、戦争、クーデター等の発生、自国優先主義の台頭など世界経済の急変による市場の停滞、想定を超えた為替レートの変動、金融不安なども、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法規制の変化とコンプライアンス 当社グループは、世界各国の様々な分野で事業を展開しています。すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めていますが、法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)事故・災害 当社グループは「安全をすべてに優先する」方針のもと事故や災害に備え、事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメント(BCM)を推進しています。特に地震は日本において発生確率が高く津波や洪水などを伴うことがあります。さらにその影響から火災、化学物質漏えい、電力・ガスなどインフラ被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が発生する可能性もあります。また、人命に深刻な影響を及ぼす感染症の大流行があった場合も、地域や世界経済への影響を免れず、事業継続が妨げられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)環境問題 当社グループは、地域から地球規模までの環境に配慮した誠実な行動を重要方針に掲げ、社会的責任の観点から自主的な環境負荷削減計画を作り、廃棄物削減、大気汚染防止、地球温暖化防止などに取り組んでいます。これまで重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、環境負荷削減において、計画通りの実績が上がらない場合や、予期せぬ事故や自然災害により不測の環境汚染が生じた場合、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)オプトロニクス事業 液晶表示用材料やタッチパネル用材料は当社グループの中核事業です。これらの市場では多くの企業による厳しい競争が続いています。当社グループの材料が組み込まれた製品の市場動向、技術の革新、顧客である液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーの再編や戦略の変化、需給バランスの変化による製品価格の下落、原材料メーカーの生産能力と需要変化による原材料価格の高騰などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)ライフサイエンス事業 当社グループは、新たな事業分野としてライフサイエンス事業への取組みを強化しています。本事業は、関係する各国の厳格な審査とそれに基づく承認のほか、万一にも製品による副作用が発生した際には販売停止や製品回収など、多くの要因によって業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)研究開発 当社グループが事業展開する分野の多くは、技術革新とコスト競争力への厳しい要求があります。そのため当社グループは、グローバルニッチトップ戦略に、エリア特有のニーズに合った製品を供給するエリアニッチトップ戦略を加え、新製品開発、新用途開拓、新需要創造に取り組み、必要な研究開発投資や設備投資を行っています。しかし、市場変化が激しい業界では、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)原材料確保 当社グループでは原材料調達先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めています。しかし、一部の原材料は特定の購入先に依存しています。その購入先の自然災害による被災、事故、倒産など、止むを得ない事情により、供給量が減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ必要な原材料の確保ができなかったりコストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品品質 当社グループは、国際的品質管理システムに従い部材を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。しかし、製品の欠陥による賠償リスクを完全に排除することは困難です。生産物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産権 当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)M&A 当社グループは事業成長を目的として、優れた技術を有する企業の買収や事業提携など様々な形で他企業との関係を構築しています。しかし、買収や事業提携などが期待どおりの効果を生まなかった場合、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)人財確保 当社グループの事業活動を推進するためには、研究・開発・製造・販売・管理など様々な分野において優秀な人財の確保が必要です。事業の発展に向けたグローバル人財の採用を積極的に進めていますが、人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)顧客の財務状況 当社グループは、顧客について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。しかし、当社グループが売上債権を有する顧客において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きい顧客で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)情報管理 当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しているうえに、サイバーテロなどの人為的リスクの対象にもなっています。当社グループは、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術情報、顧客情報、取引情報、個人情報などの流出や不正使用を防止するため、様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報流出や不正使用が発生した場合、その対応のため当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)訴訟 当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。それらの訴訟の結果が、当社グループ側の主張および予測と異なる結果となるリスクは避けられず、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (16)確定給付負債 当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|3,094 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。(1)政治、社会、経済動向 当社グループは、世界各国でグローバルな事業展開を行っています。進出国における予想しない雇用関係の悪化や労働争議、人件費の上昇、輸送や電力供給の停止などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、政情の激変によるテロ、戦争、クーデター等の発生、世界経済の急変による市場の停滞、想定を超えた為替レートの変動、金融不安なども、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法規制の変化とコンプライアンス 当社グループは、世界各国の様々な分野で事業を展開しています。すべての活動において、各国の法規制の遵守に努めていますが、法令・税制・規制の強化や大幅な変更、解釈の相違、商習慣の相違などにより、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、役員・従業員がコンプライアンス上の問題を発生させた場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)事故・災害 当社グループは「安全をすべてに優先する」方針のもと事故や災害に備え、事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメント(BCM)を推進しています。特に地震は日本において発生確率が高く津波や洪水などを伴うことがあります。さらにその影響から火災、化学物質漏えい、電力・ガスなどインフラ被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が発生する可能性もあります。また、人命に深刻な影響を及ぼす感染症の大流行があった場合も、地域や世界経済への影響を免れず、事業継続が妨げられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)環境問題 当社グループは、地域から地球規模までの環境に配慮した誠実な行動を重要方針に掲げ、社会的責任の観点から自主的な環境負荷削減計画を作り、廃棄物削減、大気汚染防止、地球温暖化防止などに取り組んでいます。これまで重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、環境負荷削減において、計画通りの実績が上がらない場合や、予期せぬ事故や自然災害により不測の環境汚染が生じた場合、多額の対策費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)オプトロニクス事業 液晶表示用材料やタッチパネル用材料は当社グループの中核事業です。これらの市場では多くの企業による厳しい競争が続いています。当社グループの材料が組み込まれた製品の市場動向、技術の革新、顧客である液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーの再編や戦略の変化、需給バランスの変化による製品価格の下落、原材料メーカーの生産能力と需要変化による原材料価格の高騰などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)研究開発 当社グループが事業展開する分野の多くは、技術革新とコスト競争力への厳しい要求があります。そのため当社グループは、グローバルニッチトップ戦略に、エリア特有のニーズに合った製品を供給するエリアニッチトップ戦略を加え、新製品開発、新用途開拓、新需要創造に取り組み、必要な研究開発投資や設備投資を行っています。しかし、市場変化が激しい業界では、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)原材料確保 当社グループでは原材料調達先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めています。しかし、一部の原材料は特定の購入先に依存しています。その購入先の自然災害による被災、事故、倒産など、止むを得ない事情により、供給量が減少したり停止した場合、需給バランスがくずれ必要な原材料の確保ができなかったりコストが上昇するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8)製品品質 当社グループは、国際的品質管理システムに従い部材を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。しかし、製品の欠陥による賠償リスクを完全に排除することは困難です。生産物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産権 当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)M&A 当社グループは事業成長を目的として、優れた技術を有する企業の買収や事業提携など様々な形で他企業との関係を構築しています。しかし、買収や事業提携などが期待どおりの効果を生まなかった場合、当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)人財確保 当社グループの事業活動を推進するためには、研究・開発・製造・販売・管理など様々な分野において優秀な人財の確保が必要です。事業の発展に向けたグローバル人財の採用を積極的に進めていますが、人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)顧客の財務状況 当社グループは、顧客について十分な信用調査のうえ、取引を行っています。しかし、当社グループが売上債権を有する顧客において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーである顧客は、一顧客当たりの債権額が大きいため、貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13)情報管理 当社グループにとって、情報システムは非常に重要な役割を担っており、年々複雑化・高度化しています。また情報システムは、自然災害や火災に加え、サイバーテロなどの人為的リスクの対象にもなっています。当社グループは、ハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、技術情報、顧客情報、取引情報、個人情報などの流出や不正使用を防止するため、様々な情報セキュリティ対策を実施していますが、情報流出や不正使用が発生した場合、その対応のため当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)訴訟 当社グループの事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。それらの訴訟の結果が、当社グループ側の主張および予測と異なる結果となるリスクは避けられず、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (15)確定給付負債 当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。