事業の概要
- 電子機器製品の製造販売双葉電子工業グループは、複合モジュール、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイといった多岐にわたる電子機器製品を製造・販売しています。これらの製品は、国内外の子会社を通じて広く展開されており、様々な産業や個人の趣味の分野に貢献しています。
- 生産器材製品の製造販売金型に使用されるプレート製品や金型用器材、成形・生産合理化機器などの生産器材製品も手掛けています。これらは主に製造業の生産現場で利用され、国内外の複数の子会社が製造・販売を担うことで、顧客企業の生産性向上を支援しています。
- 受託開発とプラットフォーム開発電子機器事業では、セントラル電子制御株式会社が通信制御技術を核とした機器・システムの受託開発を行っています。また、生産器材事業では、株式会社カブクと共同でネットワーク製造プラットフォームの開発を進めており、新たなビジネスモデルの構築にも注力しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電子機器事業このセグメントは、複合モジュール、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイなどの製造・販売を主に行っています。最新年度の売上高は174.72億円ですが、営業利益は-9.2億円と赤字を計上しており、収益性の改善が課題となっています。
- 生産器材事業このセグメントでは、プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器といった生産器材の製造・販売を行っています。最新年度の売上高は306.44億円と、電子機器事業よりも規模が大きいですが、営業利益は-3.71億円とこちらも赤字であり、事業全体の収益構造の見直しが求められます。
- グローバルな事業展開両セグメントともに、日本国内だけでなく、アジアや北米など世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、多様な市場のニーズに対応し、地域ごとのリスク分散を図っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectricSystems | 事業 | 175 | -9 | -5.3% |
| MachineryAndTooling | 事業 | 306 | -4 | -1.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(双葉電子工業株式会社)および子会社25社により構成されており、電子機器製品および生産器材製品等の製造・販売を主な内容とし、さらに各事業に関係する派遣・請負その他のサービス等の事業活動を展開しています。 当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。 (1) 電子機器事業 (主要製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイ等) 当社、小川精機株式会社、台湾双葉電子股份有限公司、双葉電子部品(恵州)有限公司およびフタバ・コーポレーション・オブ・アメリカが製造・販売をしています。 また、富得巴(香港)有限公司、フタバデンシ・コーポレーション(シンガポール)プライベート・リミテッド、富得巴国際貿易(上海)有限公司、双葉電子科技開発(北京)有限公司および双葉電子部品韓国株式会社を通じて販売をしています。セントラル電子制御株式会社については、通信制御技術をコアとした機器・システムの受託開発を行なっています。 (2) 生産器材事業 (主要製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 当社、起信精機株式会社、富得巴精模(深圳)有限公司、フタバ・ジェイ・ティ・ダブリュー(タイランド)リミテッド、フタバ(ベトナム)カンパニー・リミテッド、双葉精密模具(中国)有限公司、起信メガテック株式会社、キシン・ベトナム・カンパニー・リミテッド、株式会社原振精工、双葉精密株式会社およびサツキ機材株式会社が製造・販売をしています。 また、富得巴(香港)有限公司、フタバデンシ・コーポレーション(シンガポール)プライベート・リミテッド、双葉電子部品韓国株式会社およびフタバ・コーポレーション・オブ・アメリカを通じて販売をしています。株式会社カブクについては、当社と共同でネットワーク製造プラットフォームの開発を行なっています。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (注)1.原則、年間の取引金額が2千万円以上の取引のみ商流図に記載しています。2.双葉モバイルディスプレイ株式会社は、2024年12月25日付で清算結了しました。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 徹底した原価低減と独自技術・品質・信頼性による差別化で競争力を高めているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 無線・IoT・システム関連の要素技術開発、高機能・高性能・高品質な製品開発、独自技術の特許権化 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市場・技術の急速な変化への対応不足 / 競争の激化による価格競争 / 原材料価格高騰や生産性低迷によるコスト競争力低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ディスプレイ技術に関する特許は保有しているものの、特定のブランド力や独占的なIPによる強力な無形資産は限定的。ニッチ市場での技術力は存在するが、汎用的な競争優位には繋がりにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
産業用ディスプレイや制御機器は、特定の用途に合わせたカスタマイズが多く、顧客は仕様変更や再認証の手間を嫌う傾向がある。しかし、技術革新による代替品の登場リスクは存在する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
長年の製造ノウハウによる一定のコスト管理能力はあるが、グローバルな規模の経済を持つ競合と比較して、構造的なコスト優位性は確立されていない。特に人件費や原材料費の変動リスクは存在する。
規模の経済★★☆☆☆
特定の産業用ディスプレイ市場では一定のシェアを持つが、業界全体で見ると、より大規模な競合と比較して効率規模の優位性は限定的。グローバル展開は進めているものの、寡占的な地位を確立するには至っていない。
- 多様な電子機器製品群複合モジュールから有機ELディスプレイ、産業用・ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品まで、幅広い電子機器製品を手掛けています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。
- 生産器材の提供能力金型用器材や成形・生産合理化機器といった生産器材の製造・販売も行っており、製造業の基盤を支える重要な役割を担っています。これにより、電子機器事業とは異なる安定した需要を取り込むことが可能です。
- グローバルな製造・販売体制日本国内だけでなく、台湾、中国、アメリカ、シンガポール、タイ、ベトナム、韓国など、世界各地に製造・販売拠点を展開しています。このグローバルネットワークにより、効率的な生産と広範な市場へのアクセスを実現し、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。これに加え、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図ります。さらに、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかに回復してきましたが、中東やウクライナにおける戦争の長期化、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いています。 このような経営環境の変化が事業に及ぼす影響を取締役会、経営会議等の場で検討し、適時適切に対応してきました。 今後の状況については、世界的な地政学的リスクの高まりや経済の先行き懸念などを背景に、各国間の貿易や投資が縮小するなど不安定な国際情勢の中、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには米国の関税政策影響が想定され、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化ならびにEV化の進展、またサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の初年度である2024年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂電子機器事業では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を計画通りに実施し、事業基盤の効率化と新たな価値創造に向けた体制整備に取り組みました。また、コア技術開発センターに事業化推進部門を設置し、事業部門と関連した高付加価値製品の開発を推進する体制を構築しました。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。2024年度は、ウエストタイプおよびピストルグリップタイプの新型産業用無線リモコンを開発し、国内外のお客様による評価が進んでいます。2025年度は新型産業用無線リモコンの量産立ち上げを確実に実施し、国内外市場への拡販を推進します。ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローンおよび産業用サーボFA(ファクトリーオートメーション)市場に、各種製品・サービスを展開しています。2024年度は、ドローンにおいては、和歌山県すさみ町での南海トラフ地震向けを始め、防災用途での実証実験を実施しました。また、産業用サーボにおいては、ベクトル制御による発熱低減および長寿命化などの高機能化を推進しました。2025年度は、ドローンにおいては純国産・カスタム対応を強みにサービスを拡充し、点検・防災用途での導入を推進します。また、産業用サーボにおいては、FA市場での認知度向上と、設備メーカーとの連携強化を通じて拡販を推進します。なお、電子機器事業では災害時の状況確認のための製品やデジタル関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2024年度は、新たに「射出成形AIシステム」をリリースしました。本システムは、金型内計測システムで取得したデータとAI技術を活用し、お客様の成形条件最適化および生産性向上に大きく貢献する画期的なシステムです。また、今後さらなる市場成長が見込まれるアジア地域のお客様向けに、金型内計測システムのセンシングスクールを中国に2拠点、タイに1拠点開講しました。2025年度は、さらなるシステム開発の強化および海外拠点のサポート体制拡充にも注力していきます。なお、生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。③ コーポレート機能の強靭化2024年度は人財強化施策として、マネジメント力、個のスキル強化のための研修プログラムの拡充、後継者育成計画の策定・推進、チャレンジ精神と成果の適正評価を目的とした人事制度の改定を実施しました。また、経営層と従業員の双方向対話会を継続し、現場の意見を施策に反映する活動も併せて実施しています。DX推進においては、全社基幹システムの刷新プロジェクトを始動しました。また、社内情報の学習を通じたAIによる業務効率化を実施しました。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、情報セキュリティ基本方針の策定を実施することにより、インシデントを未然に防ぐなど有効に機能しました。これらの取り組みを通じて、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2024年度は、SDGs活動においては計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築においては、在庫削減と生産終了拠点の清算を実施しました。企業価値向上においては、コミットメントライン契約の延長と、機関投資家との対話を推進しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策では計画通りに進捗したものがある一方、市場環境や顧客ニーズへの対応など、成長軌道への変革に向けた課題も明らかになりました。2025年度以降は、経営資源の配分や具体的戦略の見直しを進め、計画の実行力をさらに高めていきます。中期経営計画の経営目標である2027年3月期売上高575億円、営業利益15億円を達成し、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」を実現するため、各施策を着実に進めていきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。なお、米国における関税政策については、当社においても、複数のケースの想定に基づき需要減退や関税そのものによる業績への影響度合を検証しているものの、今後実施・継続される関税政策の内容および期間が流動的であり、現時点では影響額自体を合理的に見積もることが困難であるため、2025年度の業績見通しの前提には含めていません。当社としましては、関税政策に関する政府間協議を含む動向を注視しながら、価格転嫁やサプライチェーン最適化に加え、一部製品について中国から台湾等への生産移管の実施、さらには米国への生産回帰に併せて米国子会社でのEMS生産を拡大するなど、各種対応策を果断に実行し、関税政策の影響緩和に努めていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」に基づき、事業戦略の策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を見失うことなく事業を推進しています。これにより、「なくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。 この理念を実現するために、AIやIoTなどの技術を取り込んだ「モノづくりの進化」や、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発」に注力しています。これに加え、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大や、「市場ニーズ」をダイレクトに商品企画や製造に反映させる取り組みも推進しています。また、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進め、収益性の拡大および継続的な企業価値の向上を図ります。さらに、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、持続可能な社会の実現を目指し、事業活動に取り組んでいます。 (2)経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、雇用情勢・所得環境の改善を背景に緩やかに回復してきましたが、中東やウクライナにおける戦争の長期化、エネルギー・原材料価格の高止まり、中国経済の先行き懸念等、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いています。 このような経営環境の変化が事業に及ぼす影響を取締役会、経営会議等の場で検討し、適時適切に対応してきました。 今後の状況については、世界的な地政学的リスクの高まりや経済の先行き懸念などを背景に、各国間の貿易や投資が縮小するなど不安定な国際情勢の中、エネルギー・原材料価格・運送費などの上昇、さらには米国の関税政策影響が想定され、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。 当社を取り巻く市場環境は、依然不透明な状況が予想されますが、中長期的な市場ニーズでは、コネクテッド化や自動化等の高付加価値化ならびにEV化の進展、またサービス、エネルギー、デジタル、インフラ等の領域においてソフトウエア・システム化を駆使した多様なモビリティ製品や耐環境製品に加え、検査・監視、生産合理化支援等のニーズが継続することが見込まれます。 このような状況から、電子機器事業および生産器材事業では、センサーや無線技術を活用した融合商品、IoT機器やサーボ関連機器、UAV関連機器、成形・生産合理化機器等への継続的な需要が見込まれると捉え、タイムリーな市場投入を進めるとともに、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めていきます。 (3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題当社グループは、企業ビジョン「Futabaテクノロジーを進化させ、世界で躍進するリーディングカンパニーを目指します」の実現に向けて、中期的な戦略、方針を示すために、3カ年の中期経営計画を策定しています。「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、事業体制の再編・強化および経営基盤の強化に取り組み、持続的な利益創出と成長軌道への変革を進めています。中期経営計画の初年度である2024年度では、4つの基本方針に基づき各施策に取り組みました。① 構造改革の完遂電子機器事業では、アウトセルタッチセンサー事業の事業終息および有機ELディスプレイ事業の自社生産終了を計画通りに実施し、事業基盤の効率化と新たな価値創造に向けた体制整備に取り組みました。また、コア技術開発センターに事業化推進部門を設置し、事業部門と関連した高付加価値製品の開発を推進する体制を構築しました。② ソリューション事業領域への展開イ.電子機器事業システムソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・IoT・システム技術を用いて、お客様の時間を創出」と定義し、産業用ラジコン機器は、成長が著しい建設機械および農業機械市場に向けて、遠隔操作に対応し、作業環境改善に貢献する無線リモコンを提案しています。2024年度は、ウエストタイプおよびピストルグリップタイプの新型産業用無線リモコンを開発し、国内外のお客様による評価が進んでいます。2025年度は新型産業用無線リモコンの量産立ち上げを確実に実施し、国内外市場への拡販を推進します。ロボティクスソリューション事業は、顧客提供価値を「無線・制御技術を基盤にホビーからビジネスまでの幅広いシーンに対応した製品とサービスの提供」と定義し、ロボティクス製品は、ドローンおよび産業用サーボFA(ファクトリーオートメーション)市場に、各種製品・サービスを展開しています。2024年度は、ドローンにおいては、和歌山県すさみ町での南海トラフ地震向けを始め、防災用途での実証実験を実施しました。また、産業用サーボにおいては、ベクトル制御による発熱低減および長寿命化などの高機能化を推進しました。2025年度は、ドローンにおいては純国産・カスタム対応を強みにサービスを拡充し、点検・防災用途での導入を推進します。また、産業用サーボにおいては、FA市場での認知度向上と、設備メーカーとの連携強化を通じて拡販を推進します。なお、電子機器事業では災害時の状況確認のための製品やデジタル関連など、新たな事業領域への拡大を進めます。 ロ.生産器材事業生産器材事業は、顧客提供価値を「金型用器材加工を基礎としたソリューション」と定義し、成形・生産合理化機器は、射出成形機市場向けに成形に関わる工程を合理化し生産性を向上する、金型内計測システムやホットランナシステム等の製品を提供しています。2024年度は、新たに「射出成形AIシステム」をリリースしました。本システムは、金型内計測システムで取得したデータとAI技術を活用し、お客様の成形条件最適化および生産性向上に大きく貢献する画期的なシステムです。また、今後さらなる市場成長が見込まれるアジア地域のお客様向けに、金型内計測システムのセンシングスクールを中国に2拠点、タイに1拠点開講しました。2025年度は、さらなるシステム開発の強化および海外拠点のサポート体制拡充にも注力していきます。なお、生産器材事業では部品供給体制についてBCP観点でのサプライチェーンの再検討、人手不足に対応するための自動化投資、遠隔操作やデータ取得による生産性の向上への寄与など、ハードウエアのみならずソフトウエア・サービスへ事業領域を拡大していきます。③ コーポレート機能の強靭化2024年度は人財強化施策として、マネジメント力、個のスキル強化のための研修プログラムの拡充、後継者育成計画の策定・推進、チャレンジ精神と成果の適正評価を目的とした人事制度の改定を実施しました。また、経営層と従業員の双方向対話会を継続し、現場の意見を施策に反映する活動も併せて実施しています。DX推進においては、全社基幹システムの刷新プロジェクトを始動しました。また、社内情報の学習を通じたAIによる業務効率化を実施しました。リスクマネジメントにおいては、全社リスク・セキュリティ教育を継続し、情報セキュリティ基本方針の策定を実施することにより、インシデントを未然に防ぐなど有効に機能しました。これらの取り組みを通じて、当社グループ全体の競争力と持続可能性を高める基盤を構築していきます。④ ステークホルダーとの信頼関係構築2024年度は、SDGs活動においては計画通りの活動を実施しました。また、収益体質構築においては、在庫削減と生産終了拠点の清算を実施しました。企業価値向上においては、コミットメントライン契約の延長と、機関投資家との対話を推進しました。これらの活動を通じて、ステークホルダーとの信頼関係を深め、持続的な成長を支える体制を強化していきます。 これらの施策では計画通りに進捗したものがある一方、市場環境や顧客ニーズへの対応など、成長軌道への変革に向けた課題も明らかになりました。2025年度以降は、経営資源の配分や具体的戦略の見直しを進め、計画の実行力をさらに高めていきます。中期経営計画の経営目標である2027年3月期売上高575億円、営業利益15億円を達成し、企業ビジョンである「私たちFutabaグループはなくてはならない器材・サービスを創出し世界の発展に貢献します」を実現するため、各施策を着実に進めていきます。 今後とも需要変動や部材高騰、為替レート変動、地政学上のリスクの影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築や柔軟な働き方への取り組みを実施し、迅速かつ的確な研究・製品開発と生産体制の構築を推進していきます。なお、米国における関税政策については、当社においても、複数のケースの想定に基づき需要減退や関税そのものによる業績への影響度合を検証しているものの、今後実施・継続される関税政策の内容および期間が流動的であり、現時点では影響額自体を合理的に見積もることが困難であるため、2025年度の業績見通しの前提には含めていません。当社としましては、関税政策に関する政府間協議を含む動向を注視しながら、価格転嫁やサプライチェーン最適化に加え、一部製品について中国から台湾等への生産移管の実施、さらには米国への生産回帰に併せて米国子会社でのEMS生産を拡大するなど、各種対応策を果断に実行し、関税政策の影響緩和に努めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の概要(1) 経営成績 当期の経営成績 当連結会計年度における国内経済は、所得環境の改善への期待やインバウンド需要に支えられ、緩やかな景気回復をみせる一方で、不安定な国際情勢、原材料や資源・エネルギー価格の高騰、円安などに伴う設備投資や個人消費マインドの変化など、景気を下押しするリスクもあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。 また、世界経済におきましても、長期化する地政学的リスクや資源・エネルギー価格の高騰に加えて、米国の関税政策動向の影響などにより先行き不透明な状況が継続しています。 このような状況のなか、当社は2027年3月期を最終年度とする3カ年の「2024-2026年度 中期経営計画」に基づき、①構造改革の完遂②ソリューション事業領域への展開③コーポレート機能の強靭化④ステークホルダーとの信頼関係構築などの施策を実行し、目標の達成と企業価値の向上に取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は481億1千6百万円(前期比14.6%減)となりました。このうち海外売上高は265億4千8百万円(前期比17.5%減)となり、国内売上高は215億6千8百万円(前期比10.8%減)となりました。 収益面では、営業損失は12億9千2百万円(前期は営業損失11億4千1百万円)となりました。また、経常損失は2億6百万円(前期は経常利益5億7千万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、構造改革による事業再編損および固定資産の減損損失を計上したことにより2億8千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失18億5千4百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。 ① 電子機器(主な製品:複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器、ロボティクス製品、 有機ELディスプレイ、タッチセンサー、蛍光表示管) 複合モジュールでは、蛍光表示管の事業終息に伴い蛍光表示管搭載モジュールの出荷が減少したことに加え、その他の製品についても需要の一服感から低調に推移しました。EMSにおいても、車載用途および計測器用途が低調に推移したことにより、売上げは前期を下回りました。 産業用ラジコン機器では、主力の建機用途、農業用途、FA用途ともにお客様による在庫調整などにより受注が減少したことから、売上げは前期を下回りました。 ホビー用ラジコン機器では、国内外ともに需要が旺盛であり、国内では空用プロポの新製品を投入したことなどの影響もあり、売上げは前期を上回りました。 ロボティクス製品では、産業用サーボが国内アミューズメント向けや北米UAV関連で好調だったことに加え、ドローンについても企業、自治体からの点検、防災関連の実証実験に参画したことなどにより、売上げは前期を上回りました。 有機ELディスプレイでは、自社生産品の値上げを実施したものの、自社生産・販売からの事業スキームの変更過渡期のため、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革の効果やコスト統制の継続強化があったものの、アウトセルタッチセンサーや蛍光表示管の事業終息に伴う操業度悪化に加え、フィリピン子会社の年金基金解散に伴い、年金資産の返還時に新たに発生した数理計算上の差異を一括費用計上したことなどにより、前期に比べ損失が拡大しました。② 生産器材(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器) 国内では、適正売価政策の継続推進やフェルカーボの新規顧客が増加したことに加え、国内生産回帰に伴う設備投資需要の取り込みを進めたものの、主として自動車関連市況の回復遅れ等による金型起工数の減少に伴い、モールド金型用器材やホットランナシステムの販売が低調に推移したことから、売上げは前期並みとなりました。 海外では、アセアン市場において、自動車・家電向けの新規案件もあり回復基調で推移し、成形・生産合理化機器のサポート体制を構築したものの、中国市場で景気低迷が継続したことや、主力の韓国市場でも自動車・家電向けの低迷や競合との価格競争の影響を受けたことなどにより、売上げは前期を下回りました。 営業損失は、構造改革や適正売価政策による効果が発現したものの、主として市況悪化や中国拠点再編に伴う操業度悪化の影響を受けたことから、前期に比べ損失が拡大しました。 (2) 当期の財政状態の概況(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)① 総資産は、受取手形及び売掛金や原材料及び貯蔵品の減少などにより、前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円減少し、1,010億9千万円となりました。 負債は、未払費用や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ9億5千5百万円減少し、127億7千8百万円となりました。 純資産は、為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ22億1千7百万円減少し、883億1千2百万円となりました。この結果、自己資本比率は76.3%となりました。② 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は236億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千3百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、46億2千4百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額33億3千3百万円、売上債権の減少額29億7千8百万円と税金等調整前当期純利益8億1千8百万円などによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、13億5千1百万円(前期は42億1千2百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入23億6千4百万円、定期預金の払戻および預入による支出13億3百万円、有形固定資産の取得による支出10億8千4百万円や長期性預金の預入による支出8億7千7百万円などによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、11億5千1百万円(前期は11億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額6億9千7百万円などによるものです。 (3) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)15,51969.8生産器材(百万円)27,60095.6 合 計 (百万円)43,11984.4 (注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。2.金額は売価換算値で表示しています。 ② 受注実績 製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)電子機器(百万円)17,47270.4生産器材(百万円)30,64497.1 合 計 (百万円)48,11685.4 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当 該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りについては、過去の実績を勘案し、合理的に判断していますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。 ② 経営成績の分析当連結会計年度の当社グループの売上高は481億1千6百万円、営業損失は12億9千2百万円、経常損失は2億6百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は2億8千1百万円となりました。売上高については、前期比14.6%減となりました。収益面では、構造改革によるコスト削減効果や全社での更なるコスト統制強化もあったものの、減収に加え、フィリピン子会社の年金基金解散に伴い、年金資産の返還時に新たに発生した数理計算上の差異を一括費用計上したことなどにより、営業損失は12億9千2百万円(前期は営業損失11億4千1百万円)となり赤字拡大となりました。経常損失は、主として為替差損を計上したことなどにより2億6百万円(前期は経常利益5億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、子会社において不動産の売却が進んだことに加え、前期に発生した事業再編損の計上が一巡したことなどから2億8千1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失18億5千4百万円)となり赤字縮小となりました。 ③ 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金や原材料及び貯蔵品の減少などにより、前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円減少し、1,010億9千万円となりました。当連結会計年度末の負債は、未払費用や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ9億5千5百万円減少し、127億7千8百万円となりました。また、当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定の減少などにより、前連結会計年度末に比べ22億1千7百万円減少し、883億1千2百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末75.0%から1.3ポイント上昇して76.3%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて24円56銭減少して、1,819円33銭となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析・ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は236億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千3百万円増加しました。 営業活動の結果獲得した資金は、46億2千4百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額33億3千3百万円、売上債権の減少額29億7千8百万円と税金等調整前当期純利益8億1千8百万円などによるものです。 投資活動の結果使用した資金は、13億5千1百万円(前期は42億1千2百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入23億6千4百万円、定期預金の払戻および預入による支出13億3百万円、有形固定資産の取得による支出10億8千4百万円や長期性預金の預入による支出8億7千7百万円などによるものです。 財務活動の結果使用した資金は、11億5千1百万円(前期は11億2千9百万円の使用)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額6億9千7百万円などによるものです。 ・ 資金需要及び財務政策 当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を継続していきます。 また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。加えて、機動的かつ安定的な必要運転資金の調達を可能とするため、コミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えています。なお、本契約における当連結会計年度末の借入実行残高はありません。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
事業リスク
- 市場・技術変化への対応市場の急速な変化や技術進化に対応できない場合、製品やサービスの付加価値が低下し、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、成長分野への積極的な投資が計画通りに回収できないリスクも存在します。
- 競争激化による影響各事業分野において、新規参入を含む価格競争の激化が想定されます。想定を超える価格競争が発生した場合、売上高や市場シェア、利益率が低下し、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
- サプライチェーンとコスト変動原材料や部品、原油価格の高騰、歩留まりや生産性の低迷により、コスト競争力が低下するリスクがあります。また、棚卸資産の陳腐化による損失発生も、業績や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの事業そのほかに関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の損害の低減に努めていきます。なお、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断した記載となっており、現時点では予測できない又は、重要と見なされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 リスク項目リスク内容対応策市場・技術の急速な変化市場の急速な変化、技術の進化への適切な対応が当社の製品・サービスの付加価値となっており、十分な対応が取れないことや、成長分野への積極的投資等の回収計画未達により、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。多様化するニーズや技術革新に対応するために、研究開発部門で技術動向による新たな固有技術の探求、営業部門で市場・顧客ニーズの把握を行い、それに基づき各事業で1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等の「(3)中期経営計画と目標とする経営指標および優先的に対処すべき課題」に記載の施策に取り組んでいます。また、設備投資については、計画段階での審査に加え、定期的に回収状況を確認しています。競争の激化それぞれの事業の関連する分野において、他業種からの新規参入も含めて価格競争が激化する可能性があり、想定を超える価格競争が発生した場合には、売上高、市場シェア、利益等に影響を及ぼす可能性があります。各事業分野において、徹底した原価低減によりコスト競争力を高めるとともに、独自技術や品質・信頼性で競合他社と差別化を図り、シェア拡大を図っています。さらに、市場の動向や競争の状況によって事業ポートフォリオの見直しを行なっています。コスト競争力グループ外調達により原材料、部品、サービスの供給を受けており、部品・材料・原油等の予想を超える価格の高騰が生じた場合の他に、歩留や生産性の低迷により、コスト競争力で他社に遅れを取る可能性があります。また、棚卸資産が陳腐化した場合には損失が発生し、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。製品設計や材料のVA/VE、コスト競争力のある部品・材料の調達の他に、自動化および最適地生産も含めコスト削減を図っています。また、棚卸資産の停滞や過剰の発生を極力抑え、評価損等を軽減させる取り組みも行なっています。金融市場の変化取引先および取引地域が世界各地に渡っており、外貨建てで取引され、製品、サービス等のコストおよび価格が、為替変動による影響を受けます。また、金融変動、インフレ、デフレ等が予想を超えた場合、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。米ドル建てを主としており、一部は為替予約を実施し、定期的な外貨建て資産の見直しによる売却等で、リスクを軽減させる措置を講じています。 リスク項目リスク内容対応策知的財産権独自に開発した技術などが、グローバルな競合の中で、第三者より知的財産権に基づく権利の主張を受ける可能性が常に存在します。また、営業秘密の予期せぬ流出により、競争力が低下することもあり、その場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。製品の差別化と競争力強化のために、独自に開発した技術を特許権などとして権利化するとともに、ノウハウなどの営業秘密については、企業秘密管理規定により管理しており、それらを活用した市場競争力のある新製品の開発に注力しています。ITセキュリティサイバー攻撃や外部からの不正侵入などにより、顧客情報や機密情報の漏洩、データ紛失・改ざんなどが発生した場合、生産活動の停滞および停止に陥り、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。ネットワークへの侵入防止・外部のセキュリティオペレーションによる監視、並びにソフトウエアのアップデート適用管理を行なっています。障害発生時の連絡体制は、関係会社も含めて構築し運用しています。また、情報セキュリティ基本方針を発信して従業員の意識の啓蒙・啓発および牽制を図るとともに、ITセキュリティ教育および訓練を定期的に実施しています。コンプライアンスグローバルな事業活動の中で、第三者から訴訟その他の法的行為を受ける可能性があります。当社が当事者となる可能性のある訴訟および法的手続の結果を予測することは困難であり、訴訟や調査への対応に多大なコストが発生した場合、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、コンプライアンス上の問題が発生した場合、社会的信頼とブランド価値が毀損される可能性があります。リスクが現実の問題として発現する可能性や、発生した場合の経営や事業への影響度合いなどを想定して、重大なコンプライアンス違反リスクを特定しています。これらのリスクを低減するために、法令教育、点検、啓蒙活動など遵法体制の整備を行なっています。また、第三者からの訴訟その他の法的行為を受けたときに備え、外部弁護士と連携して対応できるようにしています。自然災害 巨大地震や火災、風水害、火山噴火等の自然災害が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた全てのリスクを回避することは困難であり、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化も踏まえ、事業運営および業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。大地震等の大災害発生時における対応策をあらかじめ策定・準備し、日頃より各種災害対策訓練を実施しています。大災害が発生した場合には社長を本部長とする災害対策本部を設置し、人的・物的被害を最小限に抑え、事業を中断することのないようにBCP(事業継続計画)を準備しています。感染症新たな感染症が発生した場合、サプライチェーンの混乱や取引先の倒産等による影響を含めた、全てのリスクを回避することは困難であり、事業運営および業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。新たな感染症が発生した場合、緊急対策本部を立上げ、政府から発信される情報に基づく感染症などへの対応を行います。