6882

三社電機製作所(6882)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 主要事業の展開
    三社電機製作所グループは、半導体素子と電源機器の製造販売を主要な事業としています。これら製品の製造だけでなく、関連するサービス業務も提供しており、国内外の子会社がそれぞれの役割を担い、事業活動を多角的に展開しています。
  • グローバルな販売網
    半導体事業では、当社が製造販売を担うほか、サンレックスコーポレーションや三社電機(上海)有限公司などの子会社が国内外で販売を強化しています。これにより、世界中の顧客に製品を届ける体制を構築しています。
  • 電源機器事業の多角化
    電源機器事業では、当社が製造販売を行うほか、三社電機(広東)有限公司や株式会社諏訪三社電機が製造販売を、東莞諏訪三社電機有限公司が製造を担っています。さらに、株式会社三社ソリューションサービスが機器の据付・試運転、修理、保守、施工請負といったサービスを提供し、事業の幅を広げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 半導体事業の収益性
    半導体事業は売上高58.62億円に対し、営業利益は-7.31億円と赤字を計上しています。これは、市場競争の激化や開発投資、あるいは特定の製品需要の変動などが影響している可能性があります。今後の事業戦略や市場動向が収益改善の鍵となります。
  • 電源機器事業の収益貢献
    電源機器事業は売上高195.78億円、営業利益18.05億円と、グループ全体の収益を牽引する主要な事業です。この事業は、産業用やインフラ関連の需要に支えられている可能性があり、安定的な収益源としてグループの経営基盤を支えています。
  • 事業ポートフォリオのバランス
    同社グループは半導体と電源機器の二つの主要事業を展開しており、電源機器事業が現在の収益の柱となっています。半導体事業の赤字を電源機器事業の利益で補う形となっており、今後の成長戦略においては、半導体事業の収益性改善が重要な課題となるでしょう。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Semicondoctor 事業 59 -7 -12.5%
PowerSupply 事業 196 18 9.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|928 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社9社及び関連会社1社で構成され、半導体素子、電源機器の製造販売を行い、さらに、各事業に関連するサービス業務を行うなどの事業活動を展開しております。1.事業内容と当社事業に係わる位置づけは次のとおりであります。[半導体]……………………当社が製造販売するほか、子会社のサンレックスコーポレーション、サンレックスリミテッド、三社電機(上海)有限公司及びサンレックスアジアパシフィックPTE.LTD.においても販売を行っております。[電源機器]…………………当社が製造販売するほか、子会社では三社電機(広東)有限公司、株式会社諏訪三社電機及び大阪電装工業株式会社が製造販売、サンレックスコーポレーション、サンレックスリミテッド、サンレックスアジアパシフィックPTE.LTD.が販売、東莞諏訪三社電機有限公司が製造を行っております。             なお、株式会社三社ソリューションサービスは機器据付・試運転、修理、保守、施工請負及び電源機器並びにそのシステムの販売を行っております。  セグメント情報は上記の区分に従って作成しております。2.主要な関係会社は次のとおりであります。連結子会社サンレックスコーポレーション…………………………半導体素子及び電源機器の販売サンレックスリミテッド…………………………………海外部材の調達                        半導体素子及び電源機器の販売サンレックスアジアパシフィックPTE.LTD.…半導体素子及び電源機器の販売三社電機(上海)有限公司………………………………半導体素子の販売三社電機(広東)有限公司………………………………電源機器の製造及び販売株式会社三社ソリューションサービス…………………機器据付・試運転、修理、保守、施工請負及び電源機器並びにそのシステムの販売株式会社諏訪三社電機……………………………………電源装置等の電子機器の製造及び販売東莞諏訪三社電機有限公司………………………………電源装置等の電子機器の製造大阪電装工業株式会社……………………………………産業用乾式変圧器の製造及び販売 事業の概要図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
素材価格変動時に製品価格への転嫁が遅れる可能性があり、価格競争も激しい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
長年にわたり培ってきたパワーエレクトロニクス技術を基盤とした製品開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済環境の変動による受注高・受注価格への影響 / 製品の品質欠陥によるコスト発生と評価への影響 / 部品調達の長期化や困難化、輸送リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三社電機製作所は、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、あるいは規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は、公開情報からは確認できません。事業領域は、半導体製造装置部品や電源装置など、技術力は重要ですが、それが直接的な無形資産として競争優位に結びついているかは不明瞭です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

電源装置や半導体製造装置部品は、顧客の生産ラインに組み込まれるため、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストとリスクが伴います。しかし、代替可能な部品やサプライヤーも存在するため、顧客のスイッチング・コストは限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業は、特定のプラットフォームやサービス上でユーザーが増えることで価値が増大するネットワーク効果が働くビジネスモデルではありません。BtoBの部品供給が中心であり、直接的なネットワーク効果は期待できません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

電気機器部品の製造において、効率的な生産体制や調達力がコスト競争力に影響を与えます。しかし、同社が業界平均を大きく下回るコスト構造を持っているという明確な証拠はなく、一般的な製造業としてのコスト管理努力の範囲内と考えられます。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

半導体製造装置部品や電源装置市場において、一定のシェアを確保していると考えられますが、市場全体を寡占するほどの圧倒的な規模の経済を持っているとは言えません。大手競合も存在し、規模の優位性は限定的です。

  • パワーエレクトロニクス特化
    同社グループは、パワーエレクトロニクスの分野に経営資源を集中しており、特にパワー半導体技術と電源機器技術の融合に強みを持っています。これにより、エネルギー効率の向上や省エネルギー・省資源に貢献する製品開発を進め、環境負荷低減を目指しています。
  • グローバルな事業展開
    同社グループは、特定の地域や産業に偏らない販売戦略をとり、海外にも販売・生産拠点を展開しています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、リスクを分散しながら事業基盤を拡大する体制を構築しています。
  • 品質管理と開発力
    品質環境企画室を中心に、開発から出荷までの全プロセスで製品の品質向上と安定化に継続的に取り組んでいます。また、お客様のニーズを捉えた製品開発を強化しており、タイムリーな製品供給を目指すことで、顧客満足度を高め競争力を維持しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1) 経営方針当社グループは1933年の創業以来、「経営理念」として次の3点を掲げて企業活動を行っております。経営理念社会に価値ある製品を常に社会の求める製品の創造につとめ よりよい品質によって 社会の発展に貢献する企業に利益と繁栄を常に衆知を集めて企業の反映をめざし 利益の確保につとめ 社会的責任を全うする社員に幸福と安定を常に新たな英気をもって未来をみつめ 信頼と協調によって 社員の幸福と安定したくらしをはかる 創業以来、パワーエレクトロニクスの分野において、社会が必要とする製品をメーカーとして真摯に提供し続けることを実践しております。当社グループは、産業用として、社会インフラに欠かせない電力を高効率に変換する技術を培い、パワー半導体並びに小型カスタム電源から大型電源機器までを開発・製造しております。当社グループは、これからの地球の未来を支える電気と、それを効率的に変換・制御する技術を創出し続けることで、持続可能なクリーンエネルギー社会の実現に貢献してまいります。当社グループは、中期のありたい姿を次のように掲げております。中期のありたい姿 : Global Power Solution Partner            (グローバル・パワー・ソリューション・パートナー) ・創業以来の強みのパワーエレクトロニクス関連技術は世界トップレベルまで磨かれている ・パワーエレクトロニクス関連技術を武器にお客様の困りごとを徹底的に掘り起こし解決している ・目線はグローバル。全地球規模で事業を展開している ・誠実さと品質に対し抜群の信頼感を社会から得ている  (2) 経営環境 カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速する一方で、近年ではAIの急速な進化・普及に伴い、データセンターをはじめとする電力需要が飛躍的に増大しており、電力の安定供給と効率的な利用の重要性が一層高まっています。 また、従来の発電所から送電網を通じて電力を供給する集中型電源に加え、再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせた分散型電源の導入が進展しており、電力の「供給」と「制御」を一体的に最適化することが求められる時代へと移行しつつあります。さらに、再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせによる電力活用は経済合理性の観点からも重要性を増しており、電力システム全体の在り方に変化をもたらしています。 日本国内においても、GX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展により、電力インフラの強靭化やエネルギーマネジメントの高度化が求められるとともに、電力需給の不安定化やエネルギー価格の変動を背景に、高効率化や最適制御を実現する技術への期待が一段と高まっています。 このように、電力需要の拡大とエネルギー供給構造の変化が同時に進行する中で、電力の変換・制御を担う技術の重要性は一層高まっております。  (3) 中期経営計画[基本方針] 当社グループは、中期経営計画「CF26」(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、「Global Power Solution Partnerの実現に向けた経営改革の3年間」と位置づけています。本計画では、戦略的投資と無形資産への投資を推進することで、事業成長と収益性の向上を図っております。具体的には、カーボンニュートラルに貢献する製品開発や高性能デバイスの開発により省エネルギーと電力の安定供給に貢献し、顧客の付加価値を向上させるソリューション提供を行います。また、環境負荷の軽減や事業継続マネジメントの強化を通じてサステナビリティ戦略を推進し、投下資本を最大限に活用して株主資本コストを上回る自己資本利益率(ROE)を目指し、収益性と投下資本回転率の改善を図ります。さらに、株主還元の充実やコーポレート・ガバナンスの強化も推進してまいります。  (4) 中期経営計画の重点項目① 半導体事業SiC※製品は、高効率な電力変換によるCO₂削減への貢献が期待されており、その需要は急速に拡大しています。これらの高性能デバイスは、省エネルギー化と電力の安定供給に大きく寄与することが期待されており、従来のデバイスとともに、次の施策を推進してまいります。(a) 従来の建設関連、産業用設備に加えて新たにインフラ市場(モビリティ、再生可能エネルギー・蓄エネルギー、データセンターなど)にも注力し、多様なアプリケーションへの展開(b) SiC製品をちゅうしんとした新製品の拡充と製品特性に基づく地域ごとの適切なグローバル展開※ SiC(シリコンカーバイド)は、シリコンと炭素からなる化合物半導体です。従来のシリコン半導体に比べエネルギー効率の向上や小型化が期待されています。② 電源機器事業当社グループは持続可能な経営を重視し、カーボンニュートラルに貢献する製品開発や環境負荷の軽減に取り組んでおります。これにより、社会課題の解決と顧客ニーズの対応を両立させ、競争力を高めることを目指しております。特に、エネルギーマネジメント分野では系統安定化技術を駆使して、当社の地位をさらに強固にする施策を推進いたします。(a) 新エネルギー分野の製品開発と表面処理用電源のグローバルシェア拡大(b) 設計の標準化の取り組み(c) 資本業務提携先との協業(d) 小型電源での新たな市場開拓(情報インフラ、急速充電器、半導体製造装置など) ③ サステナビリティ戦略(a) 生産活動における環境負荷の軽減:地球環境への配慮を通じて、企業としての社会的な責任を果たすため、自社事業活動におけるエネルギー効率を向上させ、CO2排出量を削減いたします。さらに、廃棄物の削減の推進、再生可能エネルギーの導入などを計画しております。(b) ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進と人材育成:多様な背景を持つ人材を積極的に採用し、その能力や視点を活かすことで、イノベーションの源泉となることを目指します。また、教育や研修を通じて、従業員のスキルアップやキャリアの発展を支援いたします。これにより、企業全体の生産性向上や社員の満足度の向上を実現し、持続可能な人材育成を進めます。(c) 事業継続マネジメント(BCM):災害や危機が発生した際でも、迅速かつ適切な対応を可能とし、企業のリスク管理と事業継続能力の向上を目指します。 ④ 財務戦略投下資本を最大限に活用し、株主資本コストを超える自己資本利益率(ROE)を達成することを目指します。顧客の付加価値向上に貢献することによる収益性の向上と投下資本回転率の改善が重要な目標であり、総資産営業利益率(ROA)の目標水準を達成することを目指します。さらに、株主還元の充実も重要な取り組みとしております。  (5) 当連結会計年度の取り組み半導体事業:・SiC製品を中心に、高効率な電力変換を実現するパワー半導体の開発及び用途拡大を推進・1700Ⅴ耐圧SiC MOSFETの開発を実施・再生可能エネルギー、データセンター等のインフラ分野及び産業分野における適用を拡大電源機器事業:・電力変換技術を基盤とした各種電源機器の開発及び販売を推進・大型電源装置の受注拡大に取り組むとともに、5メガワット対応の試験システムを開発・再生可能エネルギー及びデータセンター等の需要が旺盛なインフラ分野及び産業分野への展開サステナビリティ・経営基盤:・CO2排出量削減に向けた取り組みを推進し、2013年度比40%削減を達成・人材育成施策の実施及びDXの推進により、組織力の強化を図るとともに、BCP(事業継続計画)の強化に取り組む  (6) 次年度の重点施策基本方針 第93期より、半導体事業本部、電源機器事業本部及び営業本部の3本部制へ移行し収益責任を明確化するとともに、企画・開発、製造が一体となって重点施策を推進することで、収益体質の強化と新製品創出を図り、持続的な事業成長と事業構造の進化を目指します。 半導体事業 目指す姿:収益構造の転換と持続的成長基盤の確立 重点施策:①新規設備稼働による生産性向上 ②新製品の販売実現 中期展開:①リードタイムの短縮 ②SiC製品の競争力強化 ③大容量デバイスの開発電源機器事業 目指す姿:顧客対応力の強化 重点施策:①データセンター向け電源機器の拡販  ②新規設備稼働による生産性向上 中期展開:①リードタイムの短縮(設計の標準化など) ②カスタム対応のスピードアップサービス事業 目指す姿:安定成長の継続 重点施策:他社製品を含めたメンテナンス事業の拡充 中期展開:保守ソリューション提案力強化に向けた事業基盤整備
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1) 経営方針当社グループは1933年の創業以来、「経営理念」として次の3点を掲げて企業活動を行っております。経営理念社会に価値ある製品を常に社会の求める製品の創造につとめ よりよい品質によって 社会の発展に貢献する企業に利益と繁栄を常に衆知を集めて企業の反映をめざし 利益の確保につとめ 社会的責任を全うする社員に幸福と安定を常に新たな英気をもって未来をみつめ 信頼と協調によって 社員の幸福と安定したくらしをはかる 創業以来、パワーエレクトロニクスの分野において、社会が必要とする製品をメーカーとして真摯に提供し続けることを実践しております。当社グループは、産業用として、社会インフラに欠かせない電力を高効率に変換する技術を培い、パワー半導体並びに小型カスタム電源から大型電源機器までを開発・製造しております。当社グループは、これからの地球の未来を支える電気と、それを効率的に変換・制御する技術を創出し続けることで、持続可能なクリーンエネルギー社会の実現に貢献してまいります。当社グループは、中期のありたい姿を次のように掲げております。中期のありたい姿 : Global Power Solution Partner            (グローバル・パワー・ソリューション・パートナー) ・創業以来の強みのパワーエレクトロニクス関連技術は世界トップレベルまで磨かれている ・パワーエレクトロニクス関連技術を武器にお客様の困りごとを徹底的に掘り起こし解決している ・目線はグローバル。全地球規模で事業を展開している ・誠実さと品質に対し抜群の信頼感を社会から得ている  (2) 経営環境 カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速する一方で、近年ではAIの急速な進化・普及に伴い、データセンターをはじめとする電力需要が飛躍的に増大しており、電力の安定供給と効率的な利用の重要性が一層高まっています。 また、従来の発電所から送電網を通じて電力を供給する集中型電源に加え、再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせた分散型電源の導入が進展しており、電力の「供給」と「制御」を一体的に最適化することが求められる時代へと移行しつつあります。さらに、再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせによる電力活用は経済合理性の観点からも重要性を増しており、電力システム全体の在り方に変化をもたらしています。 日本国内においても、GX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展により、電力インフラの強靭化やエネルギーマネジメントの高度化が求められるとともに、電力需給の不安定化やエネルギー価格の変動を背景に、高効率化や最適制御を実現する技術への期待が一段と高まっています。 このように、電力需要の拡大とエネルギー供給構造の変化が同時に進行する中で、電力の変換・制御を担う技術の重要性は一層高まっております。  (3) 中期経営計画[基本方針] 当社グループは、中期経営計画「CF26」(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、「Global Power Solution Partnerの実現に向けた経営改革の3年間」と位置づけています。本計画では、戦略的投資と無形資産への投資を推進することで、事業成長と収益性の向上を図っております。具体的には、カーボンニュートラルに貢献する製品開発や高性能デバイスの開発により省エネルギーと電力の安定供給に貢献し、顧客の付加価値を向上させるソリューション提供を行います。また、環境負荷の軽減や事業継続マネジメントの強化を通じてサステナビリティ戦略を推進し、投下資本を最大限に活用して株主資本コストを上回る自己資本利益率(ROE)を目指し、収益性と投下資本回転率の改善を図ります。さらに、株主還元の充実やコーポレート・ガバナンスの強化も推進してまいります。  (4) 中期経営計画の重点項目① 半導体事業SiC※製品は、高効率な電力変換によるCO₂削減への貢献が期待されており、その需要は急速に拡大しています。これらの高性能デバイスは、省エネルギー化と電力の安定供給に大きく寄与することが期待されており、従来のデバイスとともに、次の施策を推進してまいります。(a) 従来の建設関連、産業用設備に加えて新たにインフラ市場(モビリティ、再生可能エネルギー・蓄エネルギー、データセンターなど)にも注力し、多様なアプリケーションへの展開(b) SiC製品をちゅうしんとした新製品の拡充と製品特性に基づく地域ごとの適切なグローバル展開※ SiC(シリコンカーバイド)は、シリコンと炭素からなる化合物半導体です。従来のシリコン半導体に比べエネルギー効率の向上や小型化が期待されています。② 電源機器事業当社グループは持続可能な経営を重視し、カーボンニュートラルに貢献する製品開発や環境負荷の軽減に取り組んでおります。これにより、社会課題の解決と顧客ニーズの対応を両立させ、競争力を高めることを目指しております。特に、エネルギーマネジメント分野では系統安定化技術を駆使して、当社の地位をさらに強固にする施策を推進いたします。(a) 新エネルギー分野の製品開発と表面処理用電源のグローバルシェア拡大(b) 設計の標準化の取り組み(c) 資本業務提携先との協業(d) 小型電源での新たな市場開拓(情報インフラ、急速充電器、半導体製造装置など) ③ サステナビリティ戦略(a) 生産活動における環境負荷の軽減:地球環境への配慮を通じて、企業としての社会的な責任を果たすため、自社事業活動におけるエネルギー効率を向上させ、CO2排出量を削減いたします。さらに、廃棄物の削減の推進、再生可能エネルギーの導入などを計画しております。(b) ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進と人材育成:多様な背景を持つ人材を積極的に採用し、その能力や視点を活かすことで、イノベーションの源泉となることを目指します。また、教育や研修を通じて、従業員のスキルアップやキャリアの発展を支援いたします。これにより、企業全体の生産性向上や社員の満足度の向上を実現し、持続可能な人材育成を進めます。(c) 事業継続マネジメント(BCM):災害や危機が発生した際でも、迅速かつ適切な対応を可能とし、企業のリスク管理と事業継続能力の向上を目指します。 ④ 財務戦略投下資本を最大限に活用し、株主資本コストを超える自己資本利益率(ROE)を達成することを目指します。顧客の付加価値向上に貢献することによる収益性の向上と投下資本回転率の改善が重要な目標であり、総資産営業利益率(ROA)の目標水準を達成することを目指します。さらに、株主還元の充実も重要な取り組みとしております。  (5) 当連結会計年度の取り組み半導体事業:・SiC製品を中心に、高効率な電力変換を実現するパワー半導体の開発及び用途拡大を推進・1700Ⅴ耐圧SiC MOSFETの開発を実施・再生可能エネルギー、データセンター等のインフラ分野及び産業分野における適用を拡大電源機器事業:・電力変換技術を基盤とした各種電源機器の開発及び販売を推進・大型電源装置の受注拡大に取り組むとともに、5メガワット対応の試験システムを開発・再生可能エネルギー及びデータセンター等の需要が旺盛なインフラ分野及び産業分野への展開サステナビリティ・経営基盤:・CO2排出量削減に向けた取り組みを推進し、2013年度比40%削減を達成・人材育成施策の実施及びDXの推進により、組織力の強化を図るとともに、BCP(事業継続計画)の強化に取り組む  (6) 次年度の重点施策基本方針 第93期より、半導体事業本部、電源機器事業本部及び営業本部の3本部制へ移行し収益責任を明確化するとともに、企画・開発、製造が一体となって重点施策を推進することで、収益体質の強化と新製品創出を図り、持続的な事業成長と事業構造の進化を目指します。 半導体事業 目指す姿:収益構造の転換と持続的成長基盤の確立 重点施策:①新規設備稼働による生産性向上 ②新製品の販売実現 中期展開:①リードタイムの短縮 ②SiC製品の競争力強化 ③大容量デバイスの開発電源機器事業 目指す姿:顧客対応力の強化 重点施策:①データセンター向け電源機器の拡販  ②新規設備稼働による生産性向上 中期展開:①リードタイムの短縮(設計の標準化など) ②カスタム対応のスピードアップサービス事業 目指す姿:安定成長の継続 重点施策:他社製品を含めたメンテナンス事業の拡充 中期展開:保守ソリューション提案力強化に向けた事業基盤整備
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況① 財政状態及び経営成績の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当連結会計年度における世界経済は、中東地域をはじめとする地政学リスクの高まりに加え、原油価格の上昇に伴う物価上昇やサプライチェーンへの影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。一方で、AIの活用進展に伴うデータセンターの拡大が見込まれるなか、それを支える電力の安定供給といった課題が顕在化しております。このような状況のなか、当社グループでは、パーパス「パワーエレクトロニクスと創造力で、社会を前進させる。」のもと、事業機会の拡大に向け、商品開発の推進、販売力の強化及びサービス体制の充実に取り組んでおります。これらの施策は中期経営計画「CF26」に基づき推進しておりますが、その成果が業績に反映されるまでには一定の時間を要しております。加えて、顧客需要の変動や同業他社の動向など、事業環境の変化も業績に影響を及ぼしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は266億5千1百万円(前期比4.8%増加)となりました。営業利益は13億8千6百万円(前期比29.1%増加)となりましたが、経常利益は持分法による投資損失を計上したことから11億3千7百万円(前期比3.7%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、半導体事業の一部の固定資産及び海外子会社の固定資産の減損損失を計上したこと、また、法人税、住民税及び事業税を4億2千6百万円計上したことから3億8千1百万円(前期比24.2%減少)となりました。 [セグメント別の状況](a) 半導体事業当事業におきましては、今後需要拡大が期待されるSiCについて、チップの改良及び製品ラインアップの拡充を進め、高効率・高耐圧分野における販路拡大を加速するとともに、インフラ分野での活用を視野に製品開発を推進しております。販売面では、ディスクリート及びチップの売上が伸長いたしました。一方で、主力のパワーモジュールは期末にかけて需要回復の兆しが見られたものの、年間を通じて顧客の在庫調整の長期化や中国市場の成長鈍化の影響を受け、減収となりました。以上の結果、当セグメント全体の売上高は63億6千8百万円(前期比8.6%増加)となりました。セグメント損益は増収による効果はあったものの、在庫削減等による利益減少、人件費増加、設備投資による減価償却費増加など固定費増加により、6億3千9百万円の損失(前期は7億3千1百万円の損失)となりました。 (b) 電源機器事業当事業におきましては、データセンターの拡大を背景に、高密度基板の金属表面処理分野や無停電電源装置などの需要の取り込みを進めるとともに、これまで培ってきた電力変換技術を活かした商品開発を推進しております。あわせて、設計作業の標準化による工数削減やリードタイムの短縮を図り、生産性向上に取り組んでおります。販売面では、一般産業用電源において、船舶内での充放電装置、金属素材加工処理用、金属加工処理用、試験・評価用などの用途で売上が伸長したほか、無停電電源装置などインバーター分野の電源も増収となり、パワーコンディショナーのメンテナンス需要の高まりを背景にサービス分野の売上も拡大いたしました。一方で、小型組込み電源は主力の医療機器向けの販売が減少いたしました。以上の結果、当セグメント全体の売上高は202億8千3百万円 (前期比3.6%増加)となりました。セグメント利益は増収による利益影響に加え固定費の削減により20億2千6百万円(前期比12.2%増加)となりました。 ② 財政状態の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態の概要は次のとおりであります。総資産327億2千4百万円(前年同期差▲8億4千7百万円)流動資産239億7千4百万円(前年同期差▲9億2千5百万円)現預金67億6千8百万円(前年同期差+  10億7百万円)売上債権85億4千3百万円(前年同期差▲9億7千4百万円)在庫81億8千3百万円(前年同期差▲6億3千9百万円)その他資産5億1千4百万円(前年同期差▲  3億7百万円)固定資産87億4千9百万円(前年同期差+  7千7百万円)総負債77億9千8百万円(前年同期差▲14億3千1百万円)仕入債務17億6千1百万円(前年同期差▲4億5千9百万円)その他負債60億3千6百万円(前年同期差▲9億7千2百万円)純資産249億2千5百万円(前年同期差+5億8千3百万円) 主な変動要因は以下のとおりとなります。当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億4千7百万円減少し、327億2千4百万円となりました。これは主に現金及び預金が10億7百万円増加したものの、売掛金が5億7千2百万円、電子記録債権が3億8千7百万円、棚卸資産が6億3千9百万円それぞれ減少したことによるものです。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億3千1百万円減少し、77億9千8百万円となりました。これは主に短期借入金が8億円、支払手形及び買掛金が7億5百万円それぞれ減少したことによるものです。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億8千3百万円増加し、249億2千5百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が6億5千7百万円増加し、利益剰余金が1億5千5百万円減少したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における当社グループの各キャッシュ・フローの概要は次のとおりであります。営業キャッシュ・フロー33億7千万円(前年同期差+24億1千9百万円)投資キャッシュ・フロー▲13億1千5百万円(前年同期差+10億7千6百万円)財務キャッシュ・フロー▲13億3千1百万円(前年同期差▲27億4千2百万円)当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、67億6千1百万円となり、前連結会計年度に比べ10億4百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動においては33億7千万円の資金の収入(前期は9億5千万円の収入)となりました。これは主に売上債権の減少12億2千3百万円、減価償却費が10億6百万円、棚卸資産の減少8億4千6百万円が増加要因として寄与したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動においては13億1千5百万円の資金の支出(前期は23億9千2百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12億1千5百万円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動においては13億3千1百万円の資金の支出(前期は14億1千万円の収入)となりました。これは主に減少要因として短期借入金の減少が8億円、配当金の支払いによる支出が5億3千6百万円があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の状況(a) 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)半導体事業(百万円)5,972127.4電源機器事業(百万円)17,620103.6合計(百万円)23,592108.8 (注)  金額は販売価格によっております。(b) 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注金額(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)半導体事業7,019135.23,835120.5電源機器事業18,996107.111,95890.3合計26,016113.515,79396.1 (注)  金額は販売価格によっております。(c) 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)半導体事業(百万円)6,368108.6電源機器事業(百万円)20,283103.6合計(百万円)26,651104.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。当連結会計年度における当社グループの経営成績等の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績の状況売上高266億5千1百万円(前期   254億4千万円)営業利益13億8千6百万円(前期  10億7千3百万円)営業利益率 5.2%(前期  4.2%)親会社株主に帰属する当期純利益 3億8千1百万円(前期   5億2百万円) セグメント別の経営成績の概況と前年同期からの増減の要因は、以下のとおりであります。(a)半導体事業売上高63億6千8百万円(前期   58億6千2百万円)営業利益▲6億3千9百万円(前期  ▲7億3千1百万円)営業利益率 ▲10.0 %(前期 ▲12.5%)〔半導体事業利益増減要因〕売上増加による要因 2億5千3百万円 (為替変動による売上増加を控除)限界利益率の良化による要因   5千7百万円固定費増加による要因  ▲7千7百万円在庫の変動による要因▲1億6千1百万円為替変動による要因   1千9百万円売上高は63億6千8百万円(前期比8.6%増加)となりました。セグメント損益は増収による効果はあったものの、在庫削減等による利益減少、人件費増加、設備投資による減価償却費増加など固定費増加により、6億3千9百万円の損失(前期は7億3千1百万円の損失)となりました。 (b)電源機器事業売上高202億8千3百万円(前期 195億7千8百万円)営業利益20億2千6百万円(前期    18億5百万円)営業利益率 10.0 %(前期  9.2%)〔電源機器事業利益増減要因〕売上増加による要因 4億2百万円   (為替変動による売上増加を控除)限界利益率の悪化による要因▲2億2千9百万円固定費減少による要因   9千7百万円在庫の変動による要因  ▲9千万円為替変動による要因   4千万円売上高は202億8千3百万円 (前期比3.6%増加)となりました。セグメント利益は増収による利益影響に加え固定費の削減により20億2千6百万円(前期比12.2%増加)となりました。 ② 当連結会計年度末の財政状態の分析 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億4千7百万円減少し、327億2千4百万円となりました。これは主に現金及び預金が10億7百万円増加したものの、売掛金が5億7千2百万円、電子記録債権が3億8千7百万円、棚卸資産が6億3千9百万円それぞれ減少したことによるものです。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億3千1百万円減少し、77億9千8百万円となりました。これは主に短期借入金が8億円、支払手形及び買掛金が7億5百万円それぞれ減少したことによるものです。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億8千3百万円増加し、249億2千5百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が6億5千7百万円増加し、利益剰余金が1億5千5百万円減少したことによるものであります。 この結果、連結自己資本比率は、前連結会計年度末の72.5%に対して当連結会計年度末では76.2%と3.7ポイント増加いたしました。③ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資金効率を向上させ、事業運営に必要な流動性と資本の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。資金の源泉は、主として営業活動によるキャッシュ・フローであり、必要に応じた金融機関からの調達などの調達手段を柔軟に検討してまいります。なお、当連結会計年度末での現金及び現金同等物の残高は67億6千1百万円であり、有利子負債残高として短期借入金が22億円あります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、棚卸資産、受注損失、固定資産、税効果会計、法人税等、退職給付債務、アフターサービス、偶発事象や訴訟等に関して判断を行い、継続して評価を行っております。なお、見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営戦略の現状と見通し「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 経済環境変動のリスク
    世界経済の景気後退や需要の縮小は、同社グループの受注高や受注価格に影響を及ぼす可能性があります。貿易規制や関税の変動、パンデミック、民間設備投資やインフラ整備の動向など、管理が困難な外部要因が業績に影響を与えるリスクがあります。
  • 部品調達と素材価格変動
    製品に使用される電子部品の調達リードタイム長期化や、銅・鉄鋼などの素材価格の急激な変動は、生産やコストに影響を与える可能性があります。特に海外からの部品調達においては、通関政策や国際情勢、輸送コストの上昇など、多様な外部要因によるリスクが存在します。
  • 国際情勢と競合
    海外に販売・生産拠点を展開しているため、戦争、暴動、テロ、自然災害などの地政学的リスクやカントリーリスクが業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の競合他社との価格競争激化により、販売価格の下落や収益性の悪化につながるリスクも存在します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,413 文字
3【事業等のリスク】経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のものがあります。文中の将来に関する事項は本有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 (1) 経済環境の変動によるリスク当社グループは、経営理念のもと、パワーエレクトロニクスの分野に経営資源を集中・特化し、特にパワー半導体技術と電源機器技術の融合により、地球環境への負荷の軽減を最終的に目指して、エネルギーの効率使用、省エネルギー・省資源及びクリーンエネルギーの活用を実現する製品開発を行い、事業基盤の拡大に取り組んでおります。当社グループは、特定の地域、産業に偏らない販売戦略をとっておりますが、貿易規制、関税の変動、伝染病や感染症によるパンデミック、経済状況の変化、民間設備投資動向やインフラ整備の動向に影響を受けるところが大きく、世界経済の景気後退や需要の縮小は、当社グループの受注高・受注価格に影響を及ぼす可能性があります。このような経済環境の変動は、当社の管理可能な範囲を超えるものであり、回避することは困難ですが、販売先・仕入先・取引金融機関等からの情報をいち早く把握し、経営幹部による情報共有を徹底することで、社内において適切な対応策を講じるよう努めております。 (2) 事業リスク・戦略リスク① 品質(製造物責任)当社グループは、万一、製品に欠陥が発生した場合、多額のコストが発生する可能性があり、当社グループの評価に重大な影響を与える恐れがあります。その結果として、売上の減少など、業績に悪影響を及ぼすリスクも存在することを認識しております。このようなリスクを未然に防ぐため、当社グループでは、品質環境企画室を中心に、製造・販売・技術部門が密接に連携し、開発段階から出荷に至るすべてのプロセスにおいて、製品の品質向上及び安定化に継続して取り組んでおります。② 製品開発当社グループは、お客様のニーズを的確に捉え、魅力的な製品をタイムリーにお客様に届けるよう、活動を強化しておりますが、開発の遅れやタイムリーな供給ができなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを未然に防ぐため、当社グループでは、製品開発及び商品化の進捗状況について定期的に協議を行い、経営層と課題を共有することで、経営資源の適切な配分に努め、リスクの低減を図っております。③ 他社との提携当社グループは、販売拡大のため、優位性のある商品についてOEM供給や受託生産の形で、一部の事業分野において他社と共同で事業活動を行っております。しかしながら、経営環境の変化などにより、相手先企業の事情によって協業関係が継続できなくなる場合があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、技術開発及び品質向上に継続して取り組むとともに、協業テーマごとに状況を確認し、必要に応じて協業関係の維持に向けた協議を行うことで、リスクの最小化に努めております。④ 素材価格の変動当社グループの電源機器事業では、銅、鉄鋼、樹脂等の素材を含む部品を多く使用しております。これらの素材価格が急激に変動した場合、引き合いから受注・引き渡しまでに一定の期間を要することから、製品価格への転嫁が遅れ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、コストダウンや生産性向上、経費圧縮などの取り組みに加え、製造リードタイムを踏まえたうえで、素材価格の変動に応じてお客様との価格交渉を適時に行うことにより、適正な利益の確保に努めております。⑤ 部品調達当社グループの製品には、社外から調達する電子部品等が数多く使用されておりますが、車載向け部品などの需要増加により、調達リードタイムが長期化し、必要な部品を適時に確保できなくなる可能性があります。また、一部の部材は海外から調達しており、各国の通関政策の影響を受けて調達が困難になる可能性もあります。さらに、テロや地域紛争、国際関係の悪化による治安・情勢不安に起因する運輸リスク、原油価格の高騰による輸送コストの上昇、コンテナ需給の逼迫による輸送遅延・輸送コストの上昇など、多様な外部要因によるリスクも想定されます。このようなリスクに対し、当社グループでは、主要部品に関する代替調達先の検討や、複数の仕入先の選定、国内外における新たな調達先の開拓を継続的に進めております。また、部品ごとのリードタイムの変化を常に注視し、必要に応じて先行手配を行うなど、サプライチェーンの寸断による影響を最小限に抑えるべく対策を講じております。⑥ 設備投資当社グループは、新製品の開発や生産能力の拡大、製品の競争力維持のために設備投資を行っておりますが、設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、過剰な減価償却費の負担が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、設備投資の実施にあたり、投資効果の前提条件を明確化するとともに、投資金額や規模の妥当性について継続的な検証を行い、適切な検討・承認手続きを通じてリスクの回避に努めております。⑦ 生産委託先(外注先)の経営状況変動当社グループは、半導体製品の組み立て工程や電源機器製品の生産を外注先に委託している場合がありますが、生産委託先の経営状況の変動により、外注コストの増加や販売に必要な生産数量の確保ができなくなる可能性があります。リスクが顕在化した場合や外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、生産委託先との連携を図り経営状況の変化を早期に把握するとともに、生産委託先の見直しを適宜行い、リスクを最小限に抑えるよう努めております。⑧ 国際情勢当社グループは、中期経営計画のテーマの一つとして、積極的なグローバル展開を推進しており、販売拠点及び生産拠点を海外に展開しており、地政学的リスク及びカントリーリスクへの対応が求められます。特に戦争、暴動、テロ、伝染病・感染症の流行などによる社会的混乱、また、地震や台風などの自然災害が発生した場合には、原油価格高騰に伴う輸送コストの上昇、現地工場の操業停止、債権回収不能など、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、各国における関税率の変動は、当社製品の価格競争力に影響を及ぼし、販売実績が下振れるリスクにつながるおそれがあります。このようなリスクに対し、当社グループでは、海外営業統括部及び海外子会社を通じて、各国・地域における政治・経済状況、社会情勢、文化・宗教、法制度・規制等に関する情報収集を行い、案件ごとにリスクの回避策を講じるなど、リスクの最小化に努めております。関税の変動については、価格転嫁、サプライチェーンの見直しや再構築などに取り組んでまいります。⑨ 競合及び価格動向当社グループの製品は、国内外において他社との競争にさらされております。継続的な技術革新やコスト削減等に取り組んでいるものの、予想以上に価格競争が激化した場合、販売価格の下落により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、継続的な開発投資と品質向上に加え、原材料の現地調達率の向上や生産コストの削減、保守サービス対応力の強化などを通じて、競合他社との差別化に取り組んでおります。また、製品ポートフォリオの見直しを常に行い、当社の強みが発揮できる分野に経営資源を集中することで、価格競争に陥ることなく収益の確保を目指しております。⑩ 知的財産当社グループは、知的財産を競争力の源泉であり、経営資源の中でも最も重要なものの一つと位置づけており、その権利化、適切な管理及び活用を通じて、企業価値やブランド価値の維持・向上を図っています。グローバルに事業を展開する中で、当社グループの知的財産権が侵害される可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、模倣品に関する情報を継続的に収集するとともに、必要に応じて製造・販売の差止めを求める訴訟提起など、適切な対応策を講じています。また、万一当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求や対価の支払等が発生し、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを未然に防ぐため、当社グループは、製品開発段階において事前調査を実施し、第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っております。 (3) 経営基盤に関するリスク① コンプライアンスリスク当社グループは、国内外で事業を展開しており、輸出貿易管理令、不正競争防止法、贈収賄防止法、建設業法など、多岐にわたる法令・規制を遵守する必要があります。これらに違反する行為や、その疑いを持たれる行為が発生した場合には、課徴金や損害賠償の請求、営業活動の中断、社会的信用の低下、株価の下落など、当社グループの事業運営や財務状況に深刻な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、法令に準拠した社内規程の整備・運用、内部統制システムの構築及び定期的な評価、経営層によるコンプライアンスの発信、eラーニングや研修を通じた従業員の意識向上、内部通報制度の整備と適正な運用などにより、法令遵守体制の維持・強化に努めております。② 情報セキュリティにおけるリスク当社グループは、事業を通じてお客様や取引先の個人情報や機密情報を入手することがあり、これらの情報はサイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん・破壊、紛失、漏洩等のリスクにさらされています。また、想定を超えるサイバー攻撃や人為的ミス、盗難等が発生した場合には、情報の流出、破壊、改ざん、あるいは情報システムの停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応し、当社グループでは、グループ全体でのセキュリティ強化、委託先の適切な管理、従業員への教育などを通じて、情報管理体制の整備・強化に取り組んでおります。③ 人材確保当社グループが競争力を維持し、将来にわたり発展していくためには、優秀な人材を継続的に確保することが不可欠です。しかしながら、近年の日本における生産年齢人口の減少を背景に、有能な人材の獲得競争は一層激化しており、必要な人材を確保できない場合には、事業の拡大に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、雇用制度や教育訓練制度の充実を図り、人材の確保と育成に継続して取り組んでおります。さらに、教育機会の整備を通じて付加価値創造型の人材を育成するとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速によって一人当たりの生産性を向上させることで、事業拡大と業績への影響の最小化に努めてまいります。 (4) 環境リスク① 法的規制当社グループは、当社及び子会社、並びに代理店を通じて海外で製品を販売しておりますが、欧州のRoHS指令(特定有害物質の使用規制)や中国版RoHS指令など、各国・地域の法的規制の影響を受けます。これらの規制を遵守できなかった場合や、将来的な法改正により対応コストが増加し、十分な対応が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを未然に防ぐため、当社グループでは、法令に適合した品質管理基準に基づき品質管理を実施するとともに、品質環境企画室を中心に関連部門と連携し、国内外の法的規制に関する情報を継続的に収集し、迅速かつ適切に対応できる体制の整備に努めております。② 化学物質管理当社グループは、生産活動において多数の化学物質を使用しており、万一、社外への流出事故が発生した場合には、社会的信用の失墜や補償・対策費用の発生、生産活動の停止などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを未然に防ぐため、当社グループは、品質環境企画室が中心となって国内外の法的規制に関する情報を継続的に収集するとともに、社内関係部門及び生産委託先を含む全関係者が連携し、法規制の遵守と事故防止策の徹底に取り組んでおります。また、標準書・手順書に基づいた万全の対策を講じることで、リスクの最小化に努めております。③ その他の環境規制・気候変動関連等当社グループは、廃棄物削減、大気汚染防止、水質汚濁防止などの環境規制の適用を受けております。また、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みが全世界的に強化されております。そのため、当社グループは、地球環境の保全は「次世代への責務」と考え、環境負荷の低減を最重要課題のひとつとして多くの経営資源を投入し、環境整備に努めております。しかしながら、事故や自然災害より不測の環境汚染が生じる場合、また、予期しない規制等が設けられ、対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。生産活動における環境負荷の軽減については、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄にて、具体的推進体制を記載しております。 (5) 金融リスク① 為替レートの変動当社グループの生産活動、営業活動及び調達活動は、全世界を対象にしております。そのため、可能な範囲での地産・地消などで為替のバランスを図ることに努めておりますが、差額として生じた外貨建債権債務については、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、常時為替予約等で対策を講じております。しかし、為替予約、為替バランスを図ることにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響を全て排除することは不可能であり、業績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。また、各主要市場に販売子会社を設立しているため、連結財務諸表作成上、各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は円換算しており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨の価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。② 金利の変動当社グループは、金利の変動リスクを回避するための対策を講じておりますが、金利の変動は、業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、有利子負債による資金調達を必要最小限に止めることで、リスクの回避に努めてまいります。 (6)財務リスク① 長期性資産の減損当社グループは、多額の有形固定資産等の長期性資産を保有しております。これら長期性資産の連結貸借対照表計上額については、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローにより残存価額を回収できなくなることの兆候を継続的にモニタリングしております。将来キャッシュ・フローが回収できないと判断される場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクの兆候が認められた際には、各資産から得られるキャッシュ・フローの改善策について事前に十分に協議し、適切な対策の検討をしてまいります。② 退職給付債務当社グループは、日本の会計基準に従い、退職給付債務を処理しております。しかし、退職給付費用及び退職給付債務等の計算に関する事項(割引率、長期期待運用収益率等)で、実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合及び今後年金資産の運用環境の悪化があった場合は数理計算上の差異が発生いたします。これらの場合、退職給付費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。③ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。しかし、今後、経営状況の悪化などにより、一時差異等が将来の課税所得で回収できないと判断された場合には、法人税等調整額が増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループでは成長性と収益性の向上を常に意識し、事業収支の安定(計画収支の実現)に全社をあげて取り組むことが最も重要であると考えております。④ 会計制度、税制等の変更当社グループが、予期せぬ会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、予想以上の税負担が生じる可能性があります。当社グループとしては、適時に専門家より制度改正に関する情報を入手し、適切な対応に努めてまいります。 (7)自然リスクやパンデミック当社グループの製造拠点、営業拠点等が地震等の自然災害により多大な損害を受けたり、伝染病や感染症によるパンデミック等で通常の事業活動が困難となった場合、工場の操業停止や配送遅延が生じる可能性があります。また、当社グループが直接的に損害を受けなくても、お客様や取引先が損害を受けることにより生産・物流・販売等が計画どおりに実行できない可能性があります。当社グループでは、地震災害発生時の迅速な初期対応及び業務の早期復旧を図るため、安否確認システムの導入、防災訓練の実施、事業継続計画(BCP)の策定を行っております。しかしながら、実際に災害が発生した場合には、当社グループの生産拠点での操業の中断、施設等の損害、多額の復旧費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。事業継続マネジメントについては、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄にて、具体的推進体制を記載しております。

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