6820

アイコム(6820)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

アイコムは、アイコム株式会社と14の子会社、1つの関連会社からなるグループで、主に陸上・アマチュア・海上用などの無線通信機器やネットワーク機器を製造・販売しています。製品の製造は日本の子会社が行い、部材は海外の子会社や関連会社から調達しています。販売は、海外の主要地域では現地の子会社が担当し、その他の地域と国内はアイコム本体と日本の子会社が担うことで、グローバルに事業を展開し収益を上げています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

アイコムの事業セグメントは、「日本」「北米」「ヨーロッパ」「アジア・オセアニア」の4つに分かれています。「日本」セグメントは、製品の製造、商品・製品の販売、部材の調達、ソフトウェア開発、無線通信システムの構築などを担っています。その他の「北米」「ヨーロッパ」「アジア・オセアニア」セグメントは、主に各地域での製品販売や部材調達を行っています。最新年度の売上高を見ると、「日本」が211.25億円と最も大きく、グループ全体の稼ぎ頭であり、海外売上高の割合も高いことから、グローバルに事業を展開していることがわかります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 211 30 14.2%
NorthAmerica 地域 121 1 1.1%
Europe 地域 26 2 6.3%
AsiaOceania 地域 16 1 9.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|983 文字
3【事業の内容】当社グループは、アイコム㈱(以下当社という)及び連結子会社14社・持分法適用関連会社1社により構成されており、主な事業内容は、陸上業務用無線通信機器、アマチュア用無線通信機器、海上用無線通信機器、その他無線通信機器、ネットワーク機器等の情報通信機器の製造及び販売であります。 製造については、当社と子会社の和歌山アイコム㈱において行っており、部材の一部について子会社のPURECOM CO.,LTD.、ICOM ASIA CO.,LTD.、関連会社のポジション㈱から仕入れております。販売については、海外の主要な地域では子会社のIcom America, Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、Icom(Europe)GmbH、Icom(Australia)Pty., Ltd.、Icom Spain, S.L.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V.を通じて行っており、その他の地域と国内は当社と子会社のアイコム情報機器㈱が行っております。 当社グループの各社と報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。セグメント区分主要な会社主な事業の内容日本当社和歌山アイコム㈱製品の製造 当社アイコム情報機器㈱商品及び製品の販売ポジション㈱部材の調達 ㈱マクロテクノスソフトウェア受託開発及び技術支援 ㈱コムフォース無線通信システムの構築、設置、そのサポート北米Icom America,Inc.製品の販売 ICOM CANADA HOLDINGS INC.ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.ICOM CENTRAL AMERICA,S.DE R.L.DE C.V. Icom America License Holding LLCIcom America,Inc.使用の周波数ライセンスホルダーヨーロッパIcom(Europe)GmbHIcom Spain, S.L.製品の販売アジア・オセアニアIcom(Australia)Pty.,Ltd.製品の販売 PURECOM CO.,LTD.ICOM ASIA CO.,LTD.部材の調達 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
世界初の量産SHFアマチュア用無線通信機器を市場投入するなど、技術力があるため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
無線通信分野における技術領域の拡張、高い周波数帯への対応に関する研究開発を推進しているため
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:生産拠点に関するリスク / 原材料の調達に関するリスク / 為替相場の変動によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アイコムは無線通信技術に関する長年の経験と、一部の特定分野(例:アマチュア無線機、業務用無線機)における高いブランド認知度を持つ。しかし、特許ポートフォリオの公開情報が限定的であり、他社との差別化が明確な無形資産としての強みは現時点では限定的と判断される。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

業務用無線機市場においては、一度導入したシステムへの習熟度や、既存インフラとの互換性、保守サポート体制への依存から、顧客が他社製品へ乗り換える際のコスト(時間、費用、リスク)は一定程度存在する。特に公共安全やインフラ関連分野では、信頼性と互換性が重視される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アイコムの製品は主にB2Bまたは個人向けであり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に向上させるようなネットワーク効果は観察されない。プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

特定のニッチ市場向け製品では、小規模ながらも効率的な生産体制を構築している可能性がある。しかし、グローバルな大手電機メーカーと比較した場合、圧倒的なコスト優位性を持つとは考えにくい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

アマチュア無線機や一部の業務用無線機市場では一定のシェアを持つが、電気機器業界全体で見ると規模は中程度であり、業界全体を代表するような寡占構造を形成しているとは言えない。特定分野での効率規模は存在する。

アイコムは、無線通信機器の製造から販売までを一貫して手掛けるグローバルな事業体制を構築しています。特に、海外に多数の販売子会社を持つことで、世界中の市場に製品を供給できる点が強みです。また、部材の調達も国内外の複数の子会社や関連会社を通じて行うことで、サプライチェーンの安定化を図っています。長年の実績と技術力に基づいた製品開発・製造能力に加え、広範な販売ネットワークが競争優位の源泉と考えられます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業以来、「常に最高の技術集団であれ」を社是として歩んでまいりました。また「コミュニケーションで創る楽しい未来・愉快な技術」を経営理念としており、コミュニケーションを円滑に行う機器を作るメーカーとして事業を営んでおります。 (2)経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、培ってきた無線通信技術とゼロからモノを産み出す創造力を活かし、お客様の要望や期待にお応えする製品とソリューションを提供することで、急速に発展していく情報社会に貢献するとともに安全で豊かな社会の実現に貢献してまいります。当社グループでは、RF(高周波)技術を中核技術と位置付け、無線通信分野へ経営資源を集中することで、持続的な成長と競争力の強化を図っております。アマチュア用無線通信機器分野で培ったアナログ技術のノウハウを基盤に、海上用及び航空用無線通信機器へと事業領域を拡大いたしました。さらに同分野ではデジタル通信を他社に先駆けて実用化し、その開発過程で培ったデジタル通信技術やIPネットワーク技術を業務用無線通信機器の高度化・IP化へと展開しています。加えて、当社グループは現在も唯一、衛星通信を用いたPTTソリューションを提供しています。また、IP無線を活用したストックビジネスを展開し、新たな収益の柱の一つとなりました。このように、製品ジャンルを超えて技術資産を横断的に活用できる点は、当社の大きな強みであると認識しております。また、無線通信機器の専業メーカーにこだわり、他領域の製品は取り扱わず、無線機のエンドユーザーとの継続的な対話を通じて市場ニーズや業界課題を的確に把握し、それらを迅速に製品開発へ反映することで、専門性の高い製品・サービスの提供に努めております。製造面では、創業以来60年以上にわたり国内生産(Made in Japan)を堅持しており、開発、生産技術、製造の各機能が国内で密接に連携することで、設計から出荷まで一貫した品質管理体制を構築しております。これにより、高品質かつ高信頼性の製品供給を実現しております。当社グループは、これらの強みを活かすことでブランド価値の向上を図るとともに中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。なお、目標とする経営指標は「中期経営計画2030」において、以下のとおりとしております。 <目標(2030年3月期)>売上高営業利益営業利益率430億円43億円10% (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題2027年3月期の世界経済は、地政学リスクを背景とした国際情勢の不安定化や米国をはじめとする各国の通商政策の動向等により、一部原材料価格の高騰や為替変動など、先行き不透明な状況が続くものと想定されます。このような経営環境のなか、2030年3月期までの4ヶ年を「新しい転換期」と位置付け、①公共インフラへの参入、②事業提携の加速、③M&Aの推進、④防衛通信市場への参入を柱とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。詳細につきましては当社ウエブサイトをご参照ください。<中期経営計画2030> https://www.icom.co.jp/ir/medium_term/
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業以来、「常に最高の技術集団であれ」を社是として歩んでまいりました。また「コミュニケーションで創る楽しい未来・愉快な技術」を経営理念としており、コミュニケーションを円滑に行う機器を作るメーカーとして事業を営んでおります。 (2)経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、培ってきた無線通信技術とゼロからモノを産み出す創造力を活かし、お客様の要望や期待にお応えする製品とソリューションを提供することで、急速に発展していく情報社会に貢献するとともに安全で豊かな社会の実現に貢献してまいります。当社グループでは、RF(高周波)技術を中核技術と位置付け、無線通信分野へ経営資源を集中することで、持続的な成長と競争力の強化を図っております。アマチュア用無線通信機器分野で培ったアナログ技術のノウハウを基盤に、海上用及び航空用無線通信機器へと事業領域を拡大いたしました。さらに同分野ではデジタル通信を他社に先駆けて実用化し、その開発過程で培ったデジタル通信技術やIPネットワーク技術を業務用無線通信機器の高度化・IP化へと展開しています。加えて、当社グループは現在も唯一、衛星通信を用いたPTTソリューションを提供しています。また、IP無線を活用したストックビジネスを展開し、新たな収益の柱の一つとなりました。このように、製品ジャンルを超えて技術資産を横断的に活用できる点は、当社の大きな強みであると認識しております。また、無線通信機器の専業メーカーにこだわり、他領域の製品は取り扱わず、無線機のエンドユーザーとの継続的な対話を通じて市場ニーズや業界課題を的確に把握し、それらを迅速に製品開発へ反映することで、専門性の高い製品・サービスの提供に努めております。製造面では、創業以来60年以上にわたり国内生産(Made in Japan)を堅持しており、開発、生産技術、製造の各機能が国内で密接に連携することで、設計から出荷まで一貫した品質管理体制を構築しております。これにより、高品質かつ高信頼性の製品供給を実現しております。当社グループは、これらの強みを活かすことでブランド価値の向上を図るとともに中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。なお、目標とする経営指標は「中期経営計画2030」において、以下のとおりとしております。 <目標(2030年3月期)>売上高営業利益営業利益率430億円43億円10% (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題2027年3月期の世界経済は、地政学リスクを背景とした国際情勢の不安定化や米国をはじめとする各国の通商政策の動向等により、一部原材料価格の高騰や為替変動など、先行き不透明な状況が続くものと想定されます。このような経営環境のなか、2030年3月期までの4ヶ年を「新しい転換期」と位置付け、①公共インフラへの参入、②事業提携の加速、③M&Aの推進、④防衛通信市場への参入を柱とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。詳細につきましては当社ウエブサイトをご参照ください。<中期経営計画2030> https://www.icom.co.jp/ir/medium_term/
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策や通商摩擦の動向に加え、地政学リスクの長期化や新たな衝突の発生、資源・エネルギー価格の変動、サプライチェーンの混乱等を背景に先行き不透明な状況が継続しました。当社グループの無線通信機器製品を取り巻く市場環境は、海外最大市場である米州において、電子部品等の原材料調達難の解消に伴い余剰となった製品在庫の調整が前期から継続し、足元では概ね正常化したものの、当期の業績に影響を及ぼしました。加えて、北米では、当期後半には関税転嫁による物価上昇や政府閉鎖等を背景に先行き不透明感が一段と強まり、厳しい市場環境が続きました。アジアにおいても、内需の減速や米国の関税政策の影響により製品需要が伸び悩みました。その他の地域においても、エネルギー不安や地政学リスクの高まり等を背景に景気の下振れ懸念が強まり、海外の製品需要は総じて弱含みで推移いたしました。一方、国内では、物価高による個人の節約志向の高まりなどからアマチュア用無線通信機器の需要は縮小しましたが、業務用無線通信機器においては、堅調な企業の設備投資等を背景に需要は底堅く推移しました。このような市場環境のなか、当社グループでは、海外において北米市場における営業体制の再構築と在庫適正化を推進するとともに各国のディストリビューターに対し製品トレーニングやマーケティングサポートによる販促を行いました。国内においても、無線機単体の販売から周辺機器を含むシステム販売の拡充及び官公庁に対する営業力の強化を目的として営業体制を見直すとともにアプリ間で通話や一斉連絡及び音声の文字起こしもできるスマートフォン向け多機能AI搭載インカムアプリ「ICOM CONNECT」をリリースするなど、ストックビジネスの拡充を図りました。これらの結果、国内市場は業務用無線通信機器及び周辺機器などの販売が堅調に推移し増収となりました。一方、海外市場では特に米州及びアジアにおいて需要の本格回復に至らず減収となりました。なお、地域別の状況については、下表のとおりであります。 地域別売上高 前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)増減率(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国内12,49633.413,52536.68.2 米州12,14732.411,31130.6△6.9欧州(EMEA)6,27816.76,61117.95.3アジア・オセアニア6,54517.55,51014.9△15.8海外計24,97266.623,43363.4△6.2合計37,468100.036,959100.0△1.4注)従来の区分である「北米」を「米州」に変更いたしました。これに伴い従来は「その他」に区分しておりました中南米、カリブ海地域を「米州」に含め、前連結会計年度も同様に組替えております。 当連結会計年度における売上高は369億5千9百万円(前年同期比1.4%減)、売上総利益は161億9千6百万円(前年同期比2.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び試験研究費の増加等により、3億5千5百万円増加して132億8千3百万円となり営業利益は29億1千3百万円(前年同期比21.7%減)、為替差益4億2千8百万円を計上したことにより経常利益は38億1千2百万円(前年同期比2.3%減)、特別損失に訴訟和解金4億円の計上などにより親会社株主に帰属する当期純利益は26億6千5百万円(前年同期比9.7%減)となりました。また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ149.97円及び173.40円であり、前年同期 に比べ対米ドルでは1.8%の円高、対ユーロでは5.8%の円安水準で推移しました。 〔品目別の状況〕・陸上業務用無線通信機器陸上業務用無線通信機器の連結売上高は、165億4千2百万円(前年同期比4.3%減)となりました。海外市場では、各国における需要は総じて弱含みで推移し、減収となりました。一方、国内市場では、IP無線機及びハイブリッド無線機の需要が堅調に推移したことに加え、入札案件やシステム案件の増加により増収となりました。 ・アマチュア用無線通信機器アマチュア用無線通信機器の連結売上高は、55億2千9百万円(前年同期比18.0%減)となりました。市場の注目を集めた新製品の投入は、高い評価を獲得するとともに需要喚起に寄与し、欧州においては増収となりました。一方、その他の市場においては、新製品の販売による需要喚起はあったものの、個人消費における節約志向の高まりなどを背景に既存製品の販売が伸び悩み、減収となりました。 ・海上用無線通信機器海上用無線通信機器の連結売上高は、39億9千3百万円(前年同期比9.8%増)となりました。主力である海外市場においては、レジャー関連需要の停滞を背景に、当社製品が主に利用されているミドルクラス以下の船舶の需要が低調に推移した影響を受け、当社製品の需要も総じて弱含みで推移いたしました。一方で、コーストガード向け案件の獲得や、アジアでレギュレーション変更に伴う置き換え需要などが発生したことから増収となりました。 ・その他の品目付属品その他の連結売上高は、108億9千3百万円(前年同期比11.2%増)となりました。海外市場において、アジア・オセアニアで航法機器(レーダー)の売上が伸長いたしました。国内市場においては、入札案件及びシステム案件の増加に伴い、無線機本体と連動するオプション製品の販売も堅調に推移したことにより増収となりました。 売上高(百万円)営業利益(百万円)経常利益(百万円)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)当連結会計年度(2026年3月期)36,9592,9133,8122,665前連結会計年度(2025年3月期)37,4683,7213,9022,951増減率△1.4%△21.7%△2.3%△9.7% セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメント業績については、当社グループの報告セグメントである所在地別セグメントで記載しており、前記 「地域別売上高」とは異なります。) a.日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱、㈱マクロテクノス、㈱コムフォース]≪国内市場≫(日本国内より国内市場への売上高)アマチュア用無線通信機器は、個人の節約志向の高まりなどから減収となりましたが、陸上業務用無線通信機器及び周辺機器の増収がそれを補い増収となりました。≪海外市場≫(日本国内より海外市場への売上高)海上用無線通信機器におきましては、コーストガード向け案件の獲得やアジアにおけるレギュレーション変更に伴う置き換え需要の発生等により増収となりました。一方、業務用無線通信機器及びアマチュア用無線通信機器につきましては、アジアにおいて、内需の減速や米国の関税政策の影響により前期に好調であった拡販注力製品の販売が伸び悩み、減収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は211億7千7百万円(前年同期比0.2%増)となりました。利益面では、内部売上高の減少による影響や試験研究費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加の影響で営業利益は28億3千万円(前年同期比5.6%減)となりました。 b. 北米[Icom America, Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA.、 ICOM CENTRAL AMERICA, S.DE R.L.DE C.V.]陸上業務用無線通信機器は、電子部品等の原材料調達難の解消に伴い余剰となった製品在庫の調整が前期から継続し、当期の業績においても影響が及びました。加えて、北米では自国の関税政策による物価上昇や経済の先行き不透明感を背景とした需要の減少が、大口顧客である交通事業者の物流量に影響を及ぼし設備投資の抑制につながりました。さらに、政府の予算凍結に伴う業務停止等も重なり減収となりました。アマチュア用無線通信機器におきましても、新製品の販売は堅調に推移したものの、個人消費における節約志向の高まり等を背景に既存製品の売上が減少し減収となりました。一方、海上用無線通信機器は中南米向けの出荷が期末に増加したことなどから前年並みの売上水準を維持し、航空用無線通信機器は、量販店向け販売が堅調に推移したことに加えメキシコ向け売上も前期を上回った結果、増収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は113億3千8百万円(前年同期比6.6%減)となりました。利益面では、減収により3億8千9百万円の営業損失(前年同期は1億3千3百万円の営業利益)となりました。 c.ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]市場環境は景気の先行き不透明感が続いたものの、シーズンインに伴い海上用無線通信機器の需要は期末にかけて回復基調で推移しました。また、アマチュア用無線通信機器は新製品投入による需要喚起が寄与し、増収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は27億8千8百万円(前年同期比6.0%増)となりました。利益面では、増収により営業利益は2億2千万円(前年同期比33.3%増)となりました。 d.アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、PURECOM CO.,LTD.、ICOM ASIA CO.,LTD.]主力市場であるオーストラリアでは、物価高騰の影響により厳しい市場環境が続きましたが、販促施策により需要の掘り起こしを進めた結果、海上用無線通信機器は前期並みの売上水準を維持し、陸上業務用無線通信機器及びアマチュア用無線通信機器は増収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は16億5千5百万円(前年同期比5.1%増)となりました。利益面では、人件費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加の影響で営業利益は1億1千7百万円(前年同期比17.6%減)となりました。 ②財政状態の状況(資産) 総資産は前連結会計年度末比80億8千5百万円増加し、819億7千4百万円となりました。 主な内訳は、投資有価証券の増加31億1千1百万円、退職給付に係る資産の増加21億9千7百万円、売掛金の増加8億9千6百万円、棚卸資産(合計)の増加3億5千4百万円、有価証券の増加2億9千7百万円、現金及び預金の増加2億7千6百万円、建物及び構築物の増加2億2千6百万円、流動資産のその他の増加2億1千2百万円、土地の増加1億4千7百万円、受取手形の増加1億4千2百万円、投資その他の資産のその他の増加1億3千4百万円、有形固定資産のその他の増加6千6百万円及び繰延税金資産の増加6千5百万円の増加要因と、機械装置及び運搬具の減少1億2千8百万円の減少要因によるものであります。 なお、流動資産のその他の増加2億1千2百万円の主な内訳は、前渡金の増加6千6百万円及び前払費用の増加6千5百万円の増加要因によるものであります。 また、投資その他の資産のその他の増加1億3千4百万円の主な内訳は、長期前払費用の増加1億8百万円の増加要因によるものであります。 また、有形固定資産のその他の増加6千6百万円の主な内訳は、工具器具備品の増加8千4百万円の増加要因によるものであります。(負債) 負債合計は前連結会計年度末比23億5千5百万円増加し、88億8千4百万円となりました。 主な内訳は、繰延税金負債の増加14億7千5百万円、未払法人税等の増加3億9千9百万円、買掛金の増加2億7百万円、未払金の増加1億8千6百万円及び流動負債のその他の増加1億7千7百万円の増加要因によるものであります。 なお、流動負債のその他の増加1億7千7百万円の主な内訳は、前受金の増加1億3千2百万円の増加要因によるものであります。(純資産) 純資産合計は前連結会計年度末比57億3千万円増加し、730億9千万円となりました。 主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加26億6千5百万円、その他有価証券評価差額金の増加18億6千5百万円、退職給付に係る調整累計額の増加12億8千6百万円及び為替換算調整勘定の増加11億4百万円の増加要因と、剰余金の配当による減少11億9千1百万円の減少要因によるものであります。 以上の結果、自己資本比率は91.2%から89.2%に低下いたしました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ17億5千9百万円減少し、225億8千8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により増加したキャッシュ・フローは、26億9千8百万円(前年同期は25億1千3百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益33億7千2百万円、減価償却費の計上9億5千9百万円、訴訟和解金4億円及び仕入債務の増加2億2百万円、一方で主な減少要因は、売上債権の増加8億5千3百万円、受取利息及び受取配当金4億1千5百万円、訴訟和解金の支払額4億円、法人税等の支払額3億7千7百万円及び為替差益2億5千4百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により減少したキャッシュ・フローは、35億6千7百万円(前年同期は26億6千9百万円の減少)となりました。主な減少要因は、預入期間3ヶ月超定期預金の増加17億9千1百万円、有形固定資産の取得による支出12億5千8百万円、投資有価証券の取得による支出8億3千9百万円及び投資活動その他による減少1億7千7百万円、一方で主な増加要因は、利息及び配当金の受取額4億9百万円及び有価証券の売却及び償還による収入1億円であります。 なお、投資活動その他による減少1億7千7百万円の主な内訳は、長期前払費用の増加1億8千5百万円の減少要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により減少したキャッシュ・フローは、11億9千2百万円(前年同期は13億9千3百万円の減少)となりました。主な内訳は、配当金の支払額11億9千1百万円であります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループの生産は全て日本セグメントにおいて行っており、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)26,24291.9(注)金額は販売価格によっております。 b.商品仕入実績 金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 c.受注実績 当社グループの製品は、需要予測による見込生産を行っており、原則として受注生産は行っておりません。 d.販売実績 当連結会計年度における報告セグメントごとの販売実績はセグメント情報等をご参照下さい。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況をご参照願います。なお、当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は次のとおりであります。また、2025年11月11日に連結業績予想を下方修正しており、下記に記載の計画は上半期の実績数値に下半期の計画数値を加算したものであります。当連結会計年度において、北米セグメントでは特に米国の関税政策による物価高騰や政府機関閉鎖の影響が大きく、また南米の過剰在庫の解消に時間を要した事等から業績は大きく悪化いたしました。しかし、日本セグメントでは日本国内向けの陸上業務用無線通信機器が好調に推移し、第4四半期の官公庁案件により製品その他の品目で売上高を伸ばしたことから大きく業績に寄与し、ヨーロッパセグメントでは、EURの為替レートが対予算レートに対し下半期から大幅な円安水準となった事や、アマチュア用無線通信機器の新製品効果により業績に貢献いたしました。これらにより売上高は計画比9億5千9百万円プラス(計画比102.7%)の369億5千9百万円となりました。利益面では、米国関税政策に対して値引きによる対応を余儀なくされたマイナス要因はありましたが、売上高増加要因や為替レートが下半期から予算レートに対し円安に推移したことによるプラス要因等により営業利益は計画比3億6千3百万円プラス(計画比114.3%)の29億1千3百万円、営業利益率も計画を上回る7.9%となりました。指標2026年3月期(計画)2026年3月期(実績)2026年3月期(計画比)売上高(百万円)36,00036,959959(102.7%)営業利益(百万円)2,5502,913363(114.3%)営業利益率(%)7.1%7.9% ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費及び他社と差別化を図るための研究開発費を含む販売費及び一般管理費であり、必要な資金につきましては自己資金により賄う予定であります。また、重要な設備の新設を計画しており、第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等に記載しております。③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な会計方針及び見積りの方法につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

アイコムグループは、生産拠点が和歌山県に集中しているため、南海トラフ地震などの自然災害が発生した場合、生産設備への被害やサプライチェーンの寸断により操業が中断するリスクがあります。また、原材料の調達を日本、中国、台湾、東南アジア諸国に依存しており、紛争や自然災害による調達停滞が経営に影響を与える可能性があります。海外売上高の割合が高いため、為替相場の変動も経営成績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。さらに、製品の欠陥によるリコールや賠償責任、知的財産権に関する問題発生も、多額の費用や評価の低下につながる可能性があります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,126 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)生産拠点に関するリスク当社グループは生産拠点を、和歌山県北部の紀の川市及び和歌山県中央部の有田郡有田川町に設置しており、南海トラフ巨大地震を始めとする自然災害による被害を最小限に抑えるための対策を講じておりますが、想定を超える規模の地震や台風、集中豪雨等が発生した場合は、生産設備への被害やサプライチェーンの寸断による原材料の調達困難等によって操業が中断するおそれがあり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後とも最新の防災情報を収集し対策を継続してまいります。(2)原材料の調達に関するリスク当社グループは電子部品等の製品の原材料を主に日本国内、中国、台湾及び東南アジア諸国より調達しており、調達先において紛争や自然災害の発生等、予期しない要因により長期にわたり調達が滞るような場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後とも調達先の複数化等により、リスクの軽減に努めてまいります。(3)為替相場の変動によるリスク当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2024年3月期69.5%、2025年3月期66.6%、2026年3月期63.4%と高水準であり、外貨建て支払いによる原材料の調達を拡大する等の対策を講じておりますが、為替相場の変動は当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4)製品保証に関するリスク当社グループは、厳しい管理基準に基づき製品の設計、製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を完全に否定することはできません。製品の欠陥は大規模な製品回収(リコール)や製造物賠償責任により多額の費用や賠償金を必要とするだけではなく当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5)知的財産権に関するリスク当社グループは、特許権、商標権等の知的財産権を取得することにより自社の知的財産権を保護しております。また第三者の知的財産権を侵害することのないよう慎重に調査、検討を行っておりますが、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権に関する問題が発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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