経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月16日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針 技術と人の架け橋 当社グループのビジョンは、時代を超越した企業として、我々の想像力に富んだアイディアを実現し、世の中にパワーと勇気を与えるためのソリューションを提供する業界のリーダーとなることです。当社グループの使命は、お客様に、人々の生活の質を向上する、すなわち生活をより楽に、安全に、健康に、楽しくそして環境にやさしくするための製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供することです。そして、私たちは、グローバル、スピード、フォーカスを経営における重要な価値観として定義しています。私たちは世界中の市場に対応し、迅速な意思決定と実行力をもってビジネスを展開しています。 事業における競争優位性と当社グループの強み 当社グループが手掛けるコイルは電子部品の中でも最も基本的な役割を果たすため、電子機器になくてはならない存在です。コイルがなければ世の中の電子機器は動作しません。だからこそ、当社グループの製品はありとあらゆる用途で使われています。 一般にコイルは受動部品と呼ばれ、電子回路設計の一番最後に仕様が決まります。毎回求められるサイズとはたらきが異なりますので、毎回カスタム製品となります。これらのカスタム製品をお客様の要求する品質、納期、コストで実現するためには、技術やノウハウの引き出しの多さがものを言います。当社グループでは、中核となるコイルの「巻線技術」、端子の処理などの「表面処理技術」、ケースに入れて密閉する「成型技術」、ケースそのものを作る金型を作る「精密加工技術」、芯材そのものを作る「素材・材料技術」、シミュレーションを駆使して行う電子回路の「設計技術」、要求された仕様を満足していることを確認する「評価技術」、量産する「生産技術」を有しています。これら8つの要素技術を総称した「集合技術」を磨き込むことで、お客様のあらゆるご要望にワンストップでお応えする体制を整えています。 また、あらゆる電子機器を支える裏方として、製品の用途開発力も当社グループの強みです。当社グループは、創業期にラジオ部品を手掛け、テレビやカセットテープレコーダー、PC等へと製品用途を開発してきました。今では、車載関連でアンテナ、ABS、ヘッドランプ等に、またインダストリー関連で太陽光・風力発電システムや産業ロボット等に当社グループ製品が使われています。 さらに、当社グループは、1970年代に台湾・香港に進出して以来、グローバルに拠点を展開してきました。コイル製造は労働集約的な側面があるため、当初はコスト競争力の高い地域に生産拠点を開設してきました。やがてこれらの地域においても経済が成長し、今では市場としての重要性が高まっています。当社グループは、アジア・欧州・北米に各域内で設計・製造・販売を完結できる地産地消体制を整えています。 当社グループは、これら技術力、用途開発力、グローバル展開力を高め、目の前のお客様のご要望に一つ一つお応えしてきました。そうして取引実績が積み上がるうちに、有難いことにお客様から次の案件の引き合いをいただくようになってきています。当社グループは各地域・市場において主導的な地位にあるお客様との取引実績を有しています。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等 当社グループは、2024年2月に計画期間を3年間とする中期経営計画2024-2026を発表しました。本計画では、グリーンエネルギー関連を成長の柱と位置づけ大幅増収・増益を見込んでいました。ところが2024年初より、欧州のEV補助金停止や米国の環境政策転換などにより市場環境が急変し、生産拡大に向けた設備・人員の増強により損益分岐点が高まる中、案件の遅延や需要減退が収益を圧迫しました。こうした中、損益分岐点の改善と収益源の多様化を重点に据えて欧州・中国での人員削減を進め、さらに、2025年10月にインダストリー領域を補完するSchmidbauer Transformatoren- und Gerätebau GmbH(以下、「Schmidbauer」)を買収しました。このように、事業環境も当社グループの取り組みも当初想定から大きく変化しています。そこで、現時点における事業環境の認識に立脚した成長戦略を再提示し、これを着実に実行していくことが責務であると認識しています。 ① 2035年にありたい姿“Top Position in Multiple Niches”に向けたニッチトップ戦略の推進 当社グループは、2035年までに環境、テクノロジー、地政学、人口動態等の潮流が当社グループ事業に影響すると認識しています。これらの潮流は、当社グループ事業に対して機会にもリスクにもなり得ると考えています。 こうした中長期の事業環境の認識および当社グループ事業における機会とリスクを踏まえ、当社グループの強みを改めて確認します。前述のとおり、当社グループは創業以来、あらゆる電子機器に欠かせないコイル製品を提供してきました。技術力とグローバル拠点を活かしながら、お客様のご要望一つ一つに真摯に対応してきました。取引実績が次の案件の引き合いに繋がる好循環となっています。これらが当社グループの強みと考えています。 こうした潮流や当社グループの経営理念及び強みを踏まえ、当社グループは2035年にありたい姿として“Top Position in Multiple Niches”を掲げます。そして、その実現に向けニッチトップ戦略を推進します。本戦略では、収益基盤を強化し、メガトレンドによる成長を追求しつつ、複数のニッチ市場で主導的な地位を目指します。 Niche:カスタム性の高い製品が必要で、当社グループの強みを活かすことで差別化できる市場においてTop Position:シェア50%以上すなわち当該市場において主導的な地位を確立するMultiple:一番の地位を確立する市場を複数抱える 1. 高資本効率:既存事業領域におけるキャッシュ創出力向上。スピード向上の追求を通じた高効率化。2. メガトレンド:メガトレンドに即した用途市場での案件獲得。従来のグリーンエネルギー関連(xEV、自然エネルギー)に加え、電力網・移送手段・データセンター・メディカル・ロボット等。3. 新事業:自社開発の独自技術を製品化。模倣困難な価値を提供する新たな市場創出。VPコイル技術の医療への応用、量子センシング技術の高度計測への応用。 ② 中期経営計画2026-2028の推進 2035年までのニッチトップ戦略において、2028年までに完遂を目指す取り組みと数値目標を新たに中期経営計画2026-2028として掲げ、各種取り組みを遂行します。 中期経営計画2026-2028 1. 高資本効率:プロセス高速化、損益分岐点改善と「転用」 2. メガトレンド:グリーンエネルギー関連、電力網、移送手段、データセンター、医療、ロボット等 3. 新事業:Schmidbauerとのシナジー創出 営業・開発・製造の3機能を各地域で完結し、現地のニーズに即応できる「地産地消」体制 欧州:SchmidbauerのPMI、新領域における案件獲得 アジア:生産能力の最適化、中国ローカル案件獲得、インドにおける案件獲得、ベトナム生産能力拡大 北米:研究開発体制の強化、生産体制の強化 最優先は「成長投資」、次いで「株主還元」。ネットD/Eレシオ0.6倍を目標に財務改善 成長投資:既存事業の資本効率を高めて資金を生み出し、メガトレンドや新事業へ投じる 株主還元:2025年に改訂した配当方針に則り、配当による利益の配分を行う 財務改善:ネットD/Eレシオ0.6倍を目標。ただし、M&Aなど成長投資の好機があれば、1.0倍までの一時的な上昇は許容。 ・2028年度の売上収益1,650億円、営業利益100億円、基本的1株当たり当期利益 (EPS) 174.0円・2028年度の投下資本利益率 (ROIC) 6.7% ③ コーポレート・ガバナンス体制の強化への継続的な取り組み当社グループは、2003年に経営と監督の分離を明確にするために日本の上場企業第1号で委員会等設置会社に移行しました。また、当社グループの取締役会は、8名のうち6名が多様な専門知識をもつ社外取締役です。2名が女性取締役、欧州や中国といったビジネスの比重が高いエリアからの外国人取締役が2名となっています。このような取締役会の体制をはじめコーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めています。 ④ ESGの取り組み当社グループの使命は、人々の生活の質を向上し、環境に優しい製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供し続けることです。この使命を果たし、スミダグループの製品が省電力、脱炭素化に大きく貢献し続けることが重要課題と認識しています。 1.スミダグループの技術開発と製品を通して二酸化炭素削減に貢献する。2.資源の有効活用、廃棄物の削減、代替エネルギーの活用を推進して業務を遂行する。3.スミダグループのあらゆるステークホルダーと共に国連開発計画が策定した17の持続可能な開発目標を達成する努力をし続ける。 当社グループは、2030年度の温室効果ガス排出量(Scope 1&2)を2022年度比42%削減することを目指します。なお、2024年度には、排出量を2022年度比30.2%削減しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月16日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針 技術と人の架け橋 当社グループのビジョンは、時代を超越した企業として、我々の想像力に富んだアイディアを実現し、世の中にパワーと勇気を与えるためのソリューションを提供する業界のリーダーとなることです。当社グループの使命は、お客様に、人々の生活の質を向上する、すなわち生活をより楽に、安全に、健康に、楽しくそして環境にやさしくするための製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供することです。そして、私たちは、グローバル、スピード、フォーカスを経営における重要な価値観として定義しています。私たちは世界中の市場に対応し、迅速な意思決定と実行力をもってビジネスを展開しています。 事業における競争優位性と当社グループの強み 当社グループが手掛けるコイルは電子部品の中でも最も基本的な役割を果たすため、電子機器になくてはならない存在です。コイルがなければ世の中の電子機器は動作しません。だからこそ、当社グループの製品はありとあらゆる用途で使われています。 一般にコイルは受動部品と呼ばれ、電子回路設計の一番最後に仕様が決まります。毎回求められるサイズとはたらきが異なりますので、毎回カスタム製品となります。これらのカスタム製品をお客様の要求する品質、納期、コストで実現するためには、技術やノウハウの引き出しの多さがものを言います。当社グループでは、中核となるコイルの「巻線技術」、端子の処理などの「表面処理技術」、ケースに入れて密閉する「成型技術」、ケースそのものを作る金型を作る「精密加工技術」、芯材そのものを作る「素材・材料技術」、シミュレーションを駆使して行う電子回路の「設計技術」、要求された仕様を満足していることを確認する「評価技術」、量産する「生産技術」を有しています。これら8つの要素技術を総称した「集合技術」を磨き込むことで、お客様のあらゆるご要望にワンストップでお応えする体制を整えています。 また、あらゆる電子機器を支える裏方として、製品の用途開発力も当社グループの強みです。当社グループは、創業期にラジオ部品を手掛け、テレビやカセットテープレコーダー、PC等へと製品用途を開発してきました。今では、車載関連でアンテナ、ABS、ヘッドランプ等に、またインダストリー関連で太陽光・風力発電システムや産業ロボット等に当社グループ製品が使われています。 さらに、当社グループは、1970年代に台湾・香港に進出して以来、グローバルに拠点を展開してきました。コイル製造は労働集約的な側面があるため、当初はコスト競争力の高い地域に生産拠点を開設してきました。やがてこれらの地域においても経済が成長し、今では市場としての重要性が高まっています。当社グループは、アジア・欧州・北米に各域内で設計・製造・販売を完結できる地産地消体制を整えています。 当社グループは、これら技術力、用途開発力、グローバル展開力を高め、目の前のお客様のご要望に一つ一つお応えしてきました。そうして取引実績が積み上がるうちに、有難いことにお客様から次の案件の引き合いをいただくようになってきています。当社グループは各地域・市場において主導的な地位にあるお客様との取引実績を有しています。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等 当社グループは、2024年2月に計画期間を3年間とする中期経営計画2024-2026を発表しました。本計画では、グリーンエネルギー関連を成長の柱と位置づけ大幅増収・増益を見込んでいました。ところが2024年初より、欧州のEV補助金停止や米国の環境政策転換などにより市場環境が急変し、生産拡大に向けた設備・人員の増強により損益分岐点が高まる中、案件の遅延や需要減退が収益を圧迫しました。こうした中、損益分岐点の改善と収益源の多様化を重点に据えて欧州・中国での人員削減を進め、さらに、2025年10月にインダストリー領域を補完するSchmidbauer Transformatoren- und Gerätebau GmbH(以下、「Schmidbauer」)を買収しました。このように、事業環境も当社グループの取り組みも当初想定から大きく変化しています。そこで、現時点における事業環境の認識に立脚した成長戦略を再提示し、これを着実に実行していくことが責務であると認識しています。 ① 2035年にありたい姿“Top Position in Multiple Niches”に向けたニッチトップ戦略の推進 当社グループは、2035年までに環境、テクノロジー、地政学、人口動態等の潮流が当社グループ事業に影響すると認識しています。これらの潮流は、当社グループ事業に対して機会にもリスクにもなり得ると考えています。 こうした中長期の事業環境の認識および当社グループ事業における機会とリスクを踏まえ、当社グループの強みを改めて確認します。前述のとおり、当社グループは創業以来、あらゆる電子機器に欠かせないコイル製品を提供してきました。技術力とグローバル拠点を活かしながら、お客様のご要望一つ一つに真摯に対応してきました。取引実績が次の案件の引き合いに繋がる好循環となっています。これらが当社グループの強みと考えています。 こうした潮流や当社グループの経営理念及び強みを踏まえ、当社グループは2035年にありたい姿として“Top Position in Multiple Niches”を掲げます。そして、その実現に向けニッチトップ戦略を推進します。本戦略では、収益基盤を強化し、メガトレンドによる成長を追求しつつ、複数のニッチ市場で主導的な地位を目指します。 Niche:カスタム性の高い製品が必要で、当社グループの強みを活かすことで差別化できる市場においてTop Position:シェア50%以上すなわち当該市場において主導的な地位を確立するMultiple:一番の地位を確立する市場を複数抱える 1. 高資本効率:既存事業領域におけるキャッシュ創出力向上。スピード向上の追求を通じた高効率化。2. メガトレンド:メガトレンドに即した用途市場での案件獲得。従来のグリーンエネルギー関連(xEV、自然エネルギー)に加え、電力網・移送手段・データセンター・メディカル・ロボット等。3. 新事業:自社開発の独自技術を製品化。模倣困難な価値を提供する新たな市場創出。VPコイル技術の医療への応用、量子センシング技術の高度計測への応用。 ② 中期経営計画2026-2028の推進 2035年までのニッチトップ戦略において、2028年までに完遂を目指す取り組みと数値目標を新たに中期経営計画2026-2028として掲げ、各種取り組みを遂行します。 中期経営計画2026-2028 1. 高資本効率:プロセス高速化、損益分岐点改善と「転用」 2. メガトレンド:グリーンエネルギー関連、電力網、移送手段、データセンター、医療、ロボット等 3. 新事業:Schmidbauerとのシナジー創出 営業・開発・製造の3機能を各地域で完結し、現地のニーズに即応できる「地産地消」体制 欧州:SchmidbauerのPMI、新領域における案件獲得 アジア:生産能力の最適化、中国ローカル案件獲得、インドにおける案件獲得、ベトナム生産能力拡大 北米:研究開発体制の強化、生産体制の強化 最優先は「成長投資」、次いで「株主還元」。ネットD/Eレシオ0.6倍を目標に財務改善 成長投資:既存事業の資本効率を高めて資金を生み出し、メガトレンドや新事業へ投じる 株主還元:2025年に改訂した配当方針に則り、配当による利益の配分を行う 財務改善:ネットD/Eレシオ0.6倍を目標。ただし、M&Aなど成長投資の好機があれば、1.0倍までの一時的な上昇は許容。 ・2028年度の売上収益1,650億円、営業利益100億円、基本的1株当たり当期利益 (EPS) 174.0円・2028年度の投下資本利益率 (ROIC) 6.7% ③ コーポレート・ガバナンス体制の強化への継続的な取り組み当社グループは、2003年に経営と監督の分離を明確にするために日本の上場企業第1号で委員会等設置会社に移行しました。また、当社グループの取締役会は、8名のうち6名が多様な専門知識をもつ社外取締役です。2名が女性取締役、欧州や中国といったビジネスの比重が高いエリアからの外国人取締役が2名となっています。このような取締役会の体制をはじめコーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めています。 ④ ESGの取り組み当社グループの使命は、人々の生活の質を向上し、環境に優しい製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供し続けることです。この使命を果たし、スミダグループの製品が省電力、脱炭素化に大きく貢献し続けることが重要課題と認識しています。 1.スミダグループの技術開発と製品を通して二酸化炭素削減に貢献する。2.資源の有効活用、廃棄物の削減、代替エネルギーの活用を推進して業務を遂行する。3.スミダグループのあらゆるステークホルダーと共に国連開発計画が策定した17の持続可能な開発目標を達成する努力をし続ける。 当社グループは、2030年度の温室効果ガス排出量(Scope 1&2)を2022年度比42%削減することを目指します。なお、2024年度には、排出量を2022年度比30.2%削減しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月16日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営成績①経営成績の概要当連結会計年度において、ロシアとウクライナとの間での武力衝突が膠着状態にある中、中東や中米においても地政学的な不安が高まっており、事業環境は引き続き不確実性の高い状態にあると考えています。米国においては、各種経済指標を踏まえると、関税影響により企業収益が圧迫され、雇用情勢の悪化傾向がみられます。また、関税によるコストプッシュ型インフレへの警戒感の高まり等により消費者心理が悪化しつつあると見ています。欧州においては、製造業に回復の兆しが現れたかに見えましたが、対米関税交渉の成り行き等の不確実な要素があり、本格的な景気回復までにはまだ時間を要すると見ています。中国においては、耐久消費財の買い替え支援補助金等により内需の回復が図られる一方で、輸出先をASEAN諸国向けに多角化する等の動きが見られます。金融政策では、米国FRBが雇用情勢の悪化等を受けて計3回の利下げを行った一方で、欧州ECBは昨年から計8回の利下げを実施した後に、7月会合以降は金利を据え置きました。また、日銀は1月に引き続き、12月に利上げを実施しました。当社グループの製品の用途として車載関連の構成比率が約6割を占めます。世界の自動車販売は、中国が成長を牽引しています。中国ではxEVを中心にメーカー各社による熾烈な価格競争により市場が拡大してきましたが、政府により過度な価格競争の抑制及び支払条件の適正化が図られようとしています。また、中国においては新車販売に占める新エネルギー車の割合が引き続き高いシェアを占めるなか、過剰生産能力の問題が指摘されています。自動車販売は米国においても堅調な一方で、欧州においては消費者心理の低迷により落ち込んでいます。米政権による関税政策による事業への影響につき、当社グループでは、関税による追加コストを最終的に負担することになる主体を注視しています。当社グループにおいては、納品にあたり当社グループが関税を直接負担する取引は僅かです。したがって、関税による当社グループへの直接影響は軽微と考えています。他方で、間接影響として、関税による追加コストを消費者が負担することになれば最終需要が低下する可能性があり、企業が負担することになればサプライ・チェーン各段階での値下げ圧力となる可能性があると見ています。これらに加えて、為替の変動も注視しています。なお、当連結会計年度における当社グループの売上全体に占める米国の割合は約2割です。当社グループは、以前より地政学リスクを事業等のリスクと認識し、各国の関税の引上げや安全保障貿易管理に基づく輸出規制、新興技術等に対する取引制限等の政策に対して分析を行い、必要に応じて取引形態やサプライ・チェーンの見直し等も行うことにより、事業への影響の低減を図っています。また、複数の生産拠点で製品を生産することでリスクの分散を図っています。こうした取り組みの一環として、アジア・欧州・北米の各域内で設計・製造・販売を完結できる地産地消体制を整えています。状況が時々刻々と変化する中で、この地産地消体制を活かしながら顧客の要望に柔軟に対応していく方針です。当連結会計年度においては、欧州における事業構造改革が計画どおり完了しました。また、中国における製造間接費の適正化も計画どおり進捗しています。足元では、事業環境の不確実性の高まりを受けて、より一層の経費節減を通じ損益分岐点の更なる改善に努めています。損益分岐点の改善に加え、当社グループは、収益源の多様化にも取り組んでいます。この一環として、2025年10月1日にドイツに本社を置くSchmidbauerの発行済株式80%を取得し、子会社化しました。Schmidbauerは、風力発電、太陽光、エネルギー貯蔵、鉄道、試験装置、船舶、防衛等の産業分野向けに、大型コイルに特化した製品を専門に開発・製造・販売する企業です。家族経営企業であるSchmidbauerは、製造拠点の拡大に課題を抱えており、グローバルな製造体制を持つパートナーを求めていました。Schmidbauerは、動力源、再生可能エネルギー、鉄道、防衛をはじめとする“高出力用途向け”に、大型コイルに特化した製品を専門に開発・製造・販売しています。従前、当社グループも同様にこれらの分野において製品を供給してきましたが、製品の大きさの違いにより両者の顧客基盤はほぼ重複しません。Schmidbauerの製品を当社グループの東欧、アジア、北米地域の製造拠点で生産し、同地域で販売することで、Schmidbauerにとって未開拓であった国・地域への展開を図ります。同時に、Schmidbauerと当社の製品開発及び製造に関する専門技術を相互に活用することで、品質、信頼性、効率性を強化し、両者にとり未開拓であった用途市場への展開を図ります。当連結会計年度における当社グループの業績は以下のとおりです。売上収益は、前連結会計年度比2.2%増の147,194百万円、営業利益は、同64.8%増の7,439百万円でした。当連結会計年度において、一部の顧客との間で受注数量減少に対し当社グループが補償を受けることに合意したことで、一過性要因として1,007百万円の増益となりました。また、前連結会計年度との比較においては、前連結会計年度に計上した構造改革費用1,086百万円が一過性の増益要因となりました。これらに加えて、営業利益の増減要因は、減収による影響(3,793百万円の減益)、操業度上昇による固定費負担減(2,281百万円の増益)、製造間接費の減少(1,008百万円の増益)、賃金の影響(562百万円の増益)等です。欧州における事業構造改革によるコスト削減は、主に賃金の影響に含まれています。また、当連結会計年度は支払金利等の影響で金融収益/金融費用が2,608百万円のマイナスであったこと等から、税引前当期利益は同272.9%増の4,830百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同512.4%増の3,618百万円でした。 対前年 利益増減(単位:百万円) ◎参考:期中平均為替レート 2024年12月期2025年12月期米ドル/円150.95149.85ユーロ/円163.78168.03人民元/円20.9720.81香港ドル/円19.3419.23 ◎参考:グリーンエネルギー関連売上 (単位:百万円) 連結会計期間第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期2024年9,5079,3659,78410,29338,9512025年10,3459,1899,78210,08239,401 ■PBRの向上に向けた取り組み 当連結会計年度末における当社グループのPBRは約0.6倍であり、ROEが6.0%であることから、PERは約10倍と算定されます。これらROE及びPERについて東証全上場企業の平均値との比較を通じて、双方に改善の余地があると分析しています。とりわけ、自社の稼ぐ力を表すROEの持続的な向上を目指す必要があると認識しています。ROEをさらに総資産利益率と財務レバレッジとに分解すると、同業他社との比較において総資産利益率に改善の余地が大きいと見ています。総資産利益率は付加価値の高さと資本効率性から成りますが、このいずれにおいても改善の余地があると見ています。なお、PERの逆数は資本コストから期待成長率を差し引いた値と一致することから、当連結会計年度における当社グループの安定性を表す株主資本コストが8.4%であるとき、期待成長率はマイナス1.6%となり、成長性にも課題があると認識しています。 当社グループでは、予て中期経営計画2024-2026においてグリーン関連市場における売上収益の拡大を通じた利益成長を掲げてきました。しかしながら、前連結会計年度においてxEV市場の急変等に直面し大幅な減益局面となってしまったことから、損益分岐点の引き下げによる収益性の向上に着手しています。当連結会計年度においては、欧州における事業構造改革を断行し、中国における間接人員の適正化や経費抑制等に努めました。また、製品用途の多様化や顧客の分散等による収益源の多様化を推進することにより、安定性の向上に努めています。当連結会計年度においては、インダストリー市場を強化する目的でSchmidbauerを買収しました。このように、市場環境も当社グループの取り組みも当初の想定とは大きく異なっています。足元の事業環境認識に立脚し、当社の経営理念や強みを踏まえて2035年にありたい姿をVision to 2035 “Top Position in Multiple Niches”と定義しました。そして、そこへ至る筋道を3つの柱(高資本効率、メガトレンド、新事業)から成るニッチトップ戦略として構築しました。ニッチトップ戦略の推進において、次の3年間における取り組み項目と数値目標を定め、中期経営計画2026-2028(以下「MTBP 2026-2028」)として掲げることとしました。 中期経営計画2026-2028では、ニッチトップ戦略における3つの柱ならびに地域戦略に係る各種取り組みを完遂することを通じて、間接人員を増やさず、固定資産を増やさず、また同時に、重点市場における売上収益の拡大、Schmidbauerとのシナジー案件による利益成長を図ります。これらの成果は、成長性(EPS 174円)、収益性(営業利益率6.1%以上、固定資産回転率3.2倍、CCC 89日によるROIC 6.7%以上)、安定性(ネットD/Eレシオ0.60倍におけるWACC 5.0%以下)の各種数値目標の達成に貢献します。そして、これらの取り組み項目につき、進捗状況を高い透明性をもって適時適切に開示してまいります。 ②報告セグメントの概況当連結会計年度における報告セグメントの概況は次のとおりです。1)アジア・パシフィック事業アジア・パシフィック事業では、中国における車載関連の需要が低迷した一方で、その他アジア及び北米におけるインダストリー関連の需要が伸長しました。売上収益は前連結会計年度比4.6%増の99,035百万円でした。中国における製造間接費の適正化は計画どおり進捗しています。これらに加え、一部の顧客との間で受注数量減少に対し当社グループが補償を受けることに合意したことによる一過性要因の増収も寄与しました。セグメント利益は同50.9%増の4,748百万円でした。2)EU事業EU事業では、xEV向け急速充電インフラ関連及び太陽光発電関連等の需要が減少しました。売上収益は前連結会計年度比0.9%増の56,756百万円でした。こうした中、前連結会計年度に決断した事業構造改革が、計画どおり完了し利益創出に寄与しました。セグメント利益は同27.0%増の3,403百万円でした。 ③市場別の概況当連結会計年度における市場別の概況は次のとおりです。1)車載関連中国における現地メーカーの著しい伸長及び欧州系メーカーの停滞等を背景として、当社グループにおいては中国における欧州系メーカー向け製品の需要が低迷しました。また、北米においても需要が低迷しました。車載関連の売上収益は前連結会計年度比2.8%減の85,415百万円でした。 2)インダストリー関連欧州におけるxEV向け急速充電インフラ関連及び太陽光発電関連等の需要が減少しました。他方で、北米及び中国以外のアジアにおいて太陽光発電及び蓄電池関連の需要が伸長しました。インダストリー関連の売上収益は前連結会計年度比8.3%増の39,312百万円でした。 3)家電関連一部の顧客との間で受注数量減少に対し当社グループが補償を受けることに合意したことによる一過性要因としての増収が寄与しました。生成AI搭載モデルの販売開始等もあり、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン関連の需要が堅調に推移しました。家電関連の売上収益は前連結会計年度比13.6%増の22,466百万円でした。 (単位:百万円) 2024年12月期2025年12月期増加率(%)車載関連87,89385,415△2.8インダストリー関連36,31439,3128.3家電関連19,77022,46613.6 ④販売地域別の概況当連結会計年度における販売地域別の概況は次のとおりです。なお、経営管理においては、各営業所の活動に実質的な責任を有する販売地域別に売上を再集計しています。このため、本項に記載する販売地域別の売上と、「第5 経理の状況」の連結財務諸表注記に記載する数値との間には不一致が生じます。1)アジア(中国/台湾除く)蓄電池関連製品への需要が伸びたことで、インダストリー関連が伸長しました。車載関連は堅調に推移しました。一方で、スマートフォン関連・PC等の家電製品関連向け需要が落ち込みました。アジア(中国/台湾除く)の売上収益は前連結会計年度比5.1%増の23,851百万円でした。2)中国/台湾EV市場において現地企業が販売台数を伸ばす中、多数の企業が参入したことにより価格競争が激化しました。当社グループは過度な価格競争から距離を置いていることから、車載関連が減少しました。他方で、インダストリー関連及び家電製品関連の需要は底堅く推移しました。中国/台湾の売上収益は前連結会計年度比4.1%減の35,231百万円でした。3)欧州前連結会計年度にEVへの補助金が打ち切られたことで車載関連需要が伸び悩みましたが、当連結会計年度においても回復が見られませんでした。また、急速充電器及び太陽光発電設備関連の需要も停滞しました。欧州の売上収益は前連結会計年度比0.4%減の57,705百万円でした。4)北米/その他一部の顧客との間で受注数量減少に対し当社グループが補償を受けることに合意したことにより、家電関連に一過性の増収要因がありました。また、太陽光発電並びに蓄電池関連の需要が伸長しました。北米/その他の売上収益は前連結会計年度比14.3%増の30,405百万円でした。 (単位:百万円) 2024年12月期2025年12月期増加率(%)アジア(中国/台湾除く)22,68523,8515.1中国/台湾36,74435,231△4.1欧州57,94457,705△0.4北米/その他26,60330,40514.3 なお、当社グループは、需要の動向や顧客の要求、市場の変化等に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績及び受注実績は販売実績に類似しています。このため、生産実績は以下「⑤生産地域別の概況」として記載し、受注実績は記載を省略しています。 ⑤生産地域別の概況当連結会計年度における生産地域別の概況は次のとおりです。1)アジア(中国除く)医療器関連の新製品導入に伴い、タイに新工場を開設し稼働開始しました。ベトナム・クアンガイ工場においては、次世代自動車用部品の需要増と、新エネルギー産業向けビジネスの拡大が見込まれます。また、欧米市場への輸出拠点としてニーズが増えていることから、ベトナム・ハイズオン省に新工場を建設し、操業を開始しました。製品に使用する加工部品等を現地で内製する計画です。日本国内においては、前連結会計年度に増床した青森工場でインダストリー関連の新規案件の生産を開始しています。アジア(中国除く)で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比10.7%増の12,251百万円でした。 2)中国当社グループの主力生産拠点である中国においては、国内需要の取り込みに向けた営業活動を強化しています。従来製品に加え、巻き線技術を活用した新規案件の獲得や、EMS/OEM事業の開拓を進めるなど、事業領域の拡大に取り組んでいます。足元では、次世代自動車市場および関連するエナジーストレージ分野をはじめとした産業インフラビジネスに対応するとともに、中国政府の景気刺激策による内需回復の動きを捉えるため、ドローンやロボットなど将来成長が見込まれる分野における主要顧客向け販売を強化しています。製造においては、経費削減および生産効率の向上に向けた施策を継続的に実施しています。サプライチェーンマネジメント領域においては、WMS(倉庫管理システム)の導入により、拠点間でのシステム共通化を推進し、中間経費の削減、重複業務の集約、間接経費の削減を実現しました。生産面においても、設備の内製化や材料調達の最適化を図り、引き続き間接経費の削減に努めています。さらに、筋肉質な組織体制の構築を目的にITインフラ投資を進め、省人化の推進を図っています。中国で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比2.5%増の77,516百万円でした。 3)欧州当社グループでは、欧州域内の需要に対して、ルーマニアやスロベニアを中心に生産を行い、また中国はじめアジアにおける生産を増やしています。エネルギー価格等の高騰や賃金インフレが続く欧州では、特にドイツにおいて自動車関連産業を中心に景況感が悪化しています。こうした中、当社グループでは大胆な構造改革を速やかに実施する必要があると判断し、生産拠点における人員削減による合理化を断行しました。また、Schmidbauer買収により鉄道や船舶とITインフラといった大型コイルを扱う案件へもアプローチすることが可能となったことにより、今後、欧州からグローバル市場への展開を計画しています。欧州で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比0.3%減の44,646百万円でした。 4)北米/その他当社グループでは、北米の需要に対して、主に米国内の2工場とメキシコ工場にて生産しています。今後、アジアや欧州域内の需要に対しても、本地域での生産要求が予測されるため、レイアウトの変更等により生産能力を拡充しています。北米以外で設計・開発する案件の生産が増えてきている中、遠隔からのコミュニケーションを効率的に行う目的で3D・スマートグラス等を活用しています。省人化とともにミスの低減を行い、プロセスの標準化をさらに推進していきます。北米/その他で生産した製品による売上収益は、前連結会計年度比2.5%増の12,779百万円でした。 (単位:百万円) 2024年12月期2025年12月期増加率(%)アジア(中国/台湾除く)11,07012,25110.7中国/台湾75,64877,5162.5欧州44,78544,646△0.3北米/その他12,47312,7792.5 (2)財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は163,656百万円で、前連結会計年度末比で15,890百万円増加しました。これは主に、Schmidbauerの子会社化によりSchmidbauerに関連する資産額が増加したことのほか、当期に進行したユーロ高円安の影響でユーロ建て資産の評価額が大きくなったことによるものです。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は6,129百万円で、前連結会計年度末から1,843百万円増加しました。手元資金については、国内外連結子会社各社に資金が滞留することにより資金効率が低下するリスクに鑑み、主要子会社の最低手持資金額を設定し毎月その設定額と実際手持資金とを比較することで、グループ全体での余剰資金を削減し借入金の圧縮に努めています。また、3か月先までのローリング・フォーキャストを毎月実施することで資金管理を行っています。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、Schmidbauerの子会社化によりSchmidbauerに関連する負債額が増加したことのほか、当期に進行したユーロ高円安の影響でユーロ建て負債の評価額が大きくなったこと、有利子負債の借入及び返済による残高の変動、また引当金の目的使用による減少等により、前連結会計年度末比11,450百万円増加し、98,302百万円でした。当連結会計年度末におけるネット有利子負債残高は、前連結会計年度末から2,110百万円増加し、50,252百万円となりました。当連結会計年度末のネットDEレシオは0.81倍で、前連結会計年度末から0.01ポイント低下しました。当連結会計年度末現在、短期有利子負債(1年内返済予定又は償還予定の長期有利子負債を含む)の残高は40,960百万円で、長期有利子負債の残高は15,421百万円です。なお、当社グループの借入金のうち約85%が変動金利、約15%が固定金利によるものです。当社グループの保有する資産のうち大部分が外貨建てであることに対応し、為替の影響を少なくするため、現地通貨建てでの調達を原則としつつ、金利コストも考慮した最適な資金調達を行っています。外貨建て借入金の割合が借入金全体の約78%を占めており、借入金の平均金利は3.5%です。当社グループでは、主要な銀行と定期的にミーティングを行い、良好な関係を築いています。銀行団のオープン・コミットメントラインは110億円を維持しており、これら全てが未使用です。なお、中期的には収益性の向上と財務体質の強化に取り組み、信用格付けを取得し、資金調達の方法についての選択肢を増やす目標を持っています。(資本)当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末比4,439百万円増加し、65,354百万円でした。当期利益の計上、配当金の支払、Schmidbauerの非支配株主が引き続き保有する株式に対して付与された売建プット・オプションの計上による資本剰余金の減少、また在外営業活動体の換算差額の変動を主要因としたその他の包括利益の計上等により、当連結会計年度末の親会社の所有者に帰属する持分合計は62,008百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の39.7%から、当連結会計年度末に37.9%となりました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末の1,774.64円から、当連結会計年度末は1,875.53円となりました。 ◎参考:期末為替レート 2024年12月期2025年12月期米ドル/円156.15156.59ユーロ/円162.70183.58人民元/円21.3422.38香港ドル/円20.1120.12 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比1,843百万円増加し、6,129百万円でした。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は16,457百万円(前連結会計年度は14,928百万円の収入)でした。税引前当期利益4,830百万円、減価償却費及び償却費11,881百万円の計上等があったことによります。 当社グループでは運転資本をモニターするKPIとしてCash Conversion Cycle(CCC)を採用しています。当連結会計年度末のCCCは96日でした。Schmidbauerの子会社化に伴う影響を除外した当連結会計年度のCCC(以下、「プロフォーマCCC」)は92日でした。なお、前連結会計年度末のCCCは95日でした。 当社グループはB-to-Bビジネスを営んでいるため、DSO(売上債権回転日数)の短縮、つまり営業債権の回収期日の短縮は顧客からの値下げ圧力になりかねません。同様に、DPO(仕入債務回転日数)についての取り組みも仕入先からの値上げ圧力になりかねません。したがって、DIO(在庫回転日数)の管理が現実的な取り組みとなっています。地域別、会社別に、特に長期滞留在庫に留意しながら毎月モニタリングを実施しています。 ◎参考:Cash Conversion Cycle 実績増減(参考)プロフォーマCCC2024年度2025年度2025年度DSO(売上債権回転日数)7379678DIO(在庫回転日数)8587285DPO(仕入債務回転日数)6370771Cash Conversion Cycle9596192 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は12,886百万円(前連結会計年度は8,834百万円の支出)でした。当社グループでは、顧客からの受注に基づき設備投資をしています。設備投資については、新製品、増産、生産効率改善、更新と目的別に計画を立て、規模の大きい設備投資については、NPV分析等の手法を採用し、その採算性について検討後、設備投資を決定しています。当連結会計年度は、車載関連及びインダストリー関連の受注済み案件に係る設備等に投資を行いました。有形固定資産の取得による支出は6,233百万円でした。また、当連結会計年度においては子会社の取得により5,605百万円を支出しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は1,958百万円(前連結会計年度は5,268百万円の支出)でした。借入に伴い資金が1,202百万円純増したことによる収入、一方で、配当金の支払額1,749百万円、リース負債の返済による支出1,412百万円等の支出がありました。 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持及び健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保を進めています。成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元の現金と営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入等により調達しています。(単位:百万円) 2024年12月期2025年12月期増減営業活動によるキャッシュ・フロー14,92816,4571,528投資活動によるキャッシュ・フロー△8,834△12,886△4,052財務活動によるキャッシュ・フロー△5,268△1,9583,310現金及び現金同等物に係る換算差額352232△120現金及び現金同等物の増減額1,1781,843665現金及び現金同等物の期首残高3,1074,2861,178現金及び現金同等物の期末残高4,2866,1291,843 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.重要性がある会計方針 3.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。