6814

古野電気(6814)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

古野電気グループは、超音波や電磁波を使ったセンサー技術を核に、主に船舶向けの電子機器と産業用の電子機器を製造・販売しています。主力は船舶の航海や漁業、無線通信に使われる機器で、これらを国内外で展開しています。その他、医療機器、ITS機器、GPS機器、航空機用電子装置などの産業用電子機器や、無線LANアクセスポイント、ハンディターミナルなども手掛けており、幅広い分野でセンサー技術を応用して収益を上げています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

古野電気グループの事業は主に3つのセグメントで構成されています。最も収益を上げているのは「舶用事業」で、売上高1086.78億円、営業利益133.34億円と全体の大部分を占めています。この事業では、船舶の航海機器、漁業機器、無線通信装置などを製造・販売しており、海外での売上が中心です。次に「産業用事業」は、医療機器、ITS機器、GPS機器などを扱い、売上高142.14億円、営業利益4.96億円です。そして「無線LAN・ハンディターミナル事業」は、無線LANアクセスポイントやハンディターミナルなどを手掛け、売上高36.94億円、営業利益1.97億円となっています。舶用事業がグループ全体の収益を牽引する構造です。

2025-02 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MarineBusiness 地域 1,087 133 12.3%
IndustrialBusiness 地域 142 5 3.5%
WirelessLANAndHandyterminal 事業 37 2 5.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|703 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社36社、非連結子会社1社及び関連会社1社で構成されており、超音波及び電磁波を中心としたセンサー技術をもとに、舶用電子機器及び産業用電子機器の製造販売を主たる事業としております。当社グループの主な事業の内容と、当社及び関係会社の位置づけは次のとおりであります。なお、以下の事業区分はセグメントの区分と同一であります。 舶用事業主要な製品は航海機器、漁労機器及び無線通信装置等であります。当社が製造・販売するほか、FURUNO FINLAND OY、ELECTRONIC NAVIGATION LIMITED及び古野香港有限公司が製造しており、主にFURUNO U.S.A.,INC.、FURUNO(UK)LTD.、FURUNO DANMARK A/S、FURUNO NORGE A/S、FURUNO FRANCE S.A.S.、FURUNO ESPAÑA S.A.、FURUNO DEUTSCHLAND GmbH、FURUNO HELLAS S.A.、FURUNO SINGAPORE PTE LTD及びFURUNO CHINA CO., LIMITED等が販売しております。 産業用事業主要な製品は、医療機器、ITS機器、GPS機器及び航空機用電子装置等であります。当社及び孚諾科技(大連)有限公司が製造・販売しております。 無線LAN・ハンディターミナル事業㈱フルノシステムズが主に無線LANアクセスポイント、ハンディターミナル等の製造・販売をしております。 その他主に、ラボテック・インターナショナル㈱が電磁環境試験事業を行っております。 事業の系統図

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
新たな競合先の台頭や競合他社の低価格商品の投入等により価格競争が激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
超音波及び電磁波を中心としたセンサー技術、情報処理技術、画像処理技術、メカトロニクス技術。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:国際情勢等の影響 / 情報セキュリティ / 調達・生産
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

古野電気は、船舶用航海・漁業用通信機器分野で長年の実績と高いブランド認知度を持つ。特にレーダーやソナー技術に関する特許やノウハウは蓄積されているが、競合他社も同様の技術開発を進めており、絶対的な独占性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

船舶用機器は、一度導入するとメンテナンスやオペレーターの習熟度から、他社製品への切り替えには一定のコストと手間がかかる。特に、既存システムとの互換性や信頼性が重視されるため、顧客は容易に乗り換えない傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品は個別の機器としての機能が主であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

量産効果によるコスト優位性は一定程度存在するが、高度な技術を要する製品であり、競合他社も同様の生産体制を持つため、構造的なコスト優位性は強くない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

船舶用機器市場において一定のシェアを持つが、グローバルな大手競合と比較すると、規模の経済性においては劣後する可能性がある。市場全体が成熟していることもあり、急激な規模拡大は難しい。

古野電気グループは、長年にわたる超音波および電磁波を中心としたセンサー技術の蓄積と応用力が強みと考えられます。特に舶用電子機器においては、航海機器、漁労機器、無線通信装置といった多岐にわたる製品を自社および海外子会社で製造し、グローバルな販売網を通じて展開している点が競争優位性となっています。これにより、特定の地域や製品に依存しない安定した事業基盤を築き、技術力と世界規模での供給・サポート体制が参入障壁となっている可能性があります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「会社存立の原点は社会の役に立つことである」「経営は創造である」「社員の幸福は会社の発展と共にある」との経営理念を掲げております。また、当社グループ社員の行動指針は、「未来に向かう」「最良に挑む」「独創を貫く」「率直を好む」を謳っております。これらを普遍的な価値観として尊重しつつ、2018年12月に迎えた創立70周年を機に、2031年2月期までに目指す姿を示す新たな経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」を策定しました。本ビジョンは「事業ビジョン」と「人財・企業風土ビジョン」の2つで構成され、その実現に向けた諸活動を展開することを通じて、顧客提供価値と企業価値の両面を持続的かつ発展的に高める方針です。 「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」の概要は、次のとおりです。 ① 事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」この事業ビジョンは、「当社グループのすべての事業は、海でも陸でも、安全安心かつ快適であることを前提に、人と環境に優しい社会や航海の実現を目指す」という、“わたしたちが最も優先する価値”を表現しております。これまで当社グループが事業活動で重視してきた「安全安心」「環境」という提供価値を、「安全安心」と「快適」、「環境」と「人」の視点へ拡大することで、既存事業での顧客提供価値の拡充や周辺領域での新規事業育成を推進するための新たな道しるべとします。当社グループは創立以来、「事業を通じた社会的課題の解決」を果たすべき使命としてまいりました。近年、国際社会では、持続可能で安全・安心な社会の実現に向けた取り組みが企業にも広く求められており、企業活動を通じて環境保全や社会的価値の創出に貢献することが重要性を増しております。当社グループは今後も、創立当初から受け継ぐ価値観を大切にしつつ、持続可能な社会の形成に資する視点を企業運営及び事業活動に取り入れ、事業を通じて社会への貢献に努めます。 ② 人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」企業運営における重要な経営資源である人財と企業風土については、経営理念並びに行動指針を普遍的な価値観として尊重した上で、事業ビジョンの実現に向けて重点的に強化・評価する基軸として「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を謳い、3つのポイントを定めました。 (VALUE)さらなる価値共創への挑戦わたしたちはビジョンを深く理解し、高い自律性を持って行動していくことで、社会へのさらなる価値を、当社グループに関わるすべてのステークホルダーと「共に」創り上げていきます。 (GLOBALIZATION)グローバリゼーションの浸透わたしたちはグローバルマインドセットを醸成し、ビジョン実現に向けて、社内外の資源を所属、地域、国等の属性に依らず最適かつ最大限に活用いたします。※グローバルマインドセット:異なる文化・習慣・価値観を持つ人たちやグループに対して影響を与えることを可能とする思考を意味しております。 (SPEED)迅速かつ柔軟な判断と行動わたしたちは変化することに躊躇せず、新しい時代を創り続けることを目指します。 当社グループは、創立から間もない1955年に「世界のフルノ」を宣言し、海外展開を加速してまいりました。現在では連結売上高のうち海外売上比率が7割を超え、世界100カ国以上に開発・生産・販売・サービス拠点を有する体制を構築しております。今後は、これまでの海外展開に基づくグローバル化にとどまらず、多様な文化・習慣・価値観を包含した広義の“グローバリゼーション”を推進してまいります。これにより、事業及び市場の特性に応じて、当社グループ内の多様な人財や組織機能を有機的に結び付け、その能力や強みを最大限に発揮できる体制を整えるとともに、顧客や取引先との連携を積極的に進め、多様な視点を活かした価値創造を図ってまいります。こうした取り組みを通じて顧客提供価値と企業価値の最大化を実現し、名実ともに「世界のフルノ」を目指します。 「FURUNO GLOBAL VISION “NAVI NEXT 2030”」の実現は、次の3つのフェーズに分けて段階的かつ速やかに挑む方針です。フェーズ1・・・変える事業の体質改善による資源の捻出・体力強化のフェーズ(2021年2月期~2023年2月期)フェーズ2・・・つなぐ技術と事業の柱・収益構造の構築に向けた行動のフェーズ(2024年2月期~2026年2月期)フェーズ3・・・変わるあるべき企業規模・収益性・事業構造を実現するフェーズ(2027年2月期~2031年2月期) (2)中期経営計画及び目標とする経営指標当社グループは、2026年2月に、2027年2月期から2029年2月期までの3年間を対象期間として、新たな中期経営計画を策定しました。当計画を「過去最高業績の更新で得た力を将来成長に投じ、積極投資で成長基盤を築く3ヶ年」と位置づけ、市況変動に左右されない事業構造への変革を推進します。また、持続的成長の実現に向け、人財をはじめとする経営資源への積極的な投資を進めてまいります。最終年度にあたる2029年2月期には、売上高1,500億円、営業利益率10%以上、ROE及びROIC10%以上を計上し、総還元性向40%相当を安定的に実現できる経営基盤の構築を目指します。 ※2026年2月期の売上高は1,406億円、営業利益率は11.6%、ROEは20.7%、ROICは15.5%、配当性向30.2%となりました。なお、算定に用いる実効税率は、税効果会計の影響を反映した実際の税率を使用しております。 主な基本施策① 収益性の確保生産性の一層の向上に取り組むとともに、粗利率の改善、販管費の効率的な活用、業務プロセスの再構築等により積極的な投資を支える収益基盤の強化を推進します。さらに、ROICを重視した事業ポートフォリオ経営を推進し、資本効率の向上を目指します。 ② さらなる売上規模の拡大舶用事業では、商船市場の換装におけるシェア拡大や保守メンテナンス事業のさらなるグローバル展開を目指します。また、プレジャーボート向け市場での戦略製品の投入やワークボート向け市場への投資強化を推進します。産業用事業では、時刻同期事業のさらなるグローバル展開、防衛装備品事業における生産体制の強化・販売拡大を目指します。他、データサービス事業の拡大やAI推進部門の新設による技術革新の加速、また、既存事業の枠を超えた取り組みによる英知の集約と新たなビジネスの創出によりさらなる成長を目指します。 ③ サステナブル経営の強化新人事ビジョンに基づく人的資本経営の推進やDX人財・グローバル人財等の採用強化等の人財投資や、売上増加に伴う生産システムの強化やスマート工場プロジェクトの推進等の設備投資を推進します。また、更新時期を迎えた建物の刷新等による職場環境の改善等のインフラ投資の他、ROIC経営による経営管理の高度化やBCP含むリスクマネジメントの強化により経営基盤を強固にし、持続可能な成長を実現します。 個別事業戦略(舶用事業)① 商船向け市場では、新造船向けシェアの維持に加え、換装においてはこれまでに築いてきた顧客基盤を活用し、売上・利益の拡大を目指します。サービスについては、自社によるサービス提供エリアの拡大や、リモートモニタリングを活用した効率的なサービス体制の構築を推進します。 ② 漁業向け市場では、ハード/ソフト両面から漁業者を支援するソリューションとして「勘と経験の見える化」を推進し、操業の効率化及び安全性向上に寄与する製品、サービスの提供に取り組みます。 ③ プレジャーボート向け市場では、顧客ニーズを的確に反映した商品企画を継続するとともに、クルージングやカジュアル用途のボートユーザーへの販路拡大を目指します。 ④ ワークボート向け市場では、国内外を問わず、官公庁船向け機器の開発及び計画的な販売投入を進めるとともに、他のワークボート案件の安定的な受注獲得を目指します。 (産業用事業)GNSS技術の更なる高度化や海外市場での販促強化、ITS技術の強化と社会実装の推進を図ります。防衛装備品事業では、高まる需要へ対応すべく、開発や生産体制の整備を継続しながら、原価管理の精度向上による収益性の確保や適正なコスト構造の維持による利益の安定化を目指します。 (無線LAN・ハンディターミナル事業)無線LANアクセスポイントの文教市場でのリプレイス需要を着実に取り込むとともに、ソフトウェアサービス基盤の強化や商品ラインナップの更なる拡充も図りながら、新規市場の開拓を推進します。 フェーズ2中計 主な基本施策の取り組み結果について① 利益水準の向上生産・販売・品質・在庫の各領域において基本施策を着実に推進してまいりました。生産面では、スマート工場化を進めることで生産リードタイムの短縮と生産能力の強化を図りました。販売面では、販管費の最適配分や価格の見直し等を通じて、主力製品の利益向上に取り組みました。品質面では、品質・設計管理手法の展開による未然防止と品質の安定化に努め、製品信頼性の向上を進めました。また、在庫面では、長納期部材の影響に伴う評価損の発生を踏まえつつ、適正な在庫水準の確保に向けた取り組みを継続しております。 ② 売上規模の拡大舶用事業では、保守・メンテナンスサービスや機器拡販の機会創出により売上拡大を図るとともに、プレジャーボート向け市場において戦略商品の上市を進め、特に米州を中心に販売が伸長しました。産業用事業では、成長期待事業と位置付ける時刻同期製品について海外向け販売が順調に拡大したほか、防衛装備品事業では旺盛な受注を背景に生産体制の強化と販売拡大を実現し、売上規模の拡大に寄与しました。 ③ サステナブル経営の実行 マテリアリティの特定から体制整備まで、各領域で取り組みを進めてまいりました。まず、持続可能な社会への貢献と企業価値向上の実現を目指し、当社として重点的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。気候変動対応では、GHG排出量削減に向けた取り組みを進めるとともに、TCFD提言に準拠した気候関連情報の開示を実施しました。今後は、TNFD提言にも準拠した情報開示を段階的に推進してまいります。人財戦略では、新人事ビジョンを策定し、その方針に基づき、働き方改革やD&I推進等、多様性を活かし成長を促す人財施策を展開しました。さらにガバナンス体制では、ガバナンス強化を目的にサステナブル委員会を設置し運営を開始したほか、サイバーセキュリティ対応や製品安全に関する体制強化を進め、企業としての信頼性向上に取り組んでおります。 (3)経営環境及び対処すべき課題世界経済は、米国の関税政策を含む通商環境の変化や、各国の金融政策の相違に伴う物価動向、さらに金融・資本市場の変動等、引き続き不確実性の高い状況にあります。一方で、金融緩和に転じる国が増えつつあり、主要国での利下げや金融環境の緩和が景気の急激な落ち込みを回避し、一部地域では回復の兆しも見られております。こうした外部環境の下、当社グループは持続的な成長の実現に向け、事業基盤の強化と成長に資する施策を継続的に推進してまいります。また、当社グループが取り組むべき重要な課題に対し、適切な施策を進めることで、社会・顧客の期待に応えつつ、グループ全体としての企業価値向上につなげてまいります。 ① 事業を通じた社会課題の解決当社グループは、事業を通じて社会課題の解決に寄与することを重要な役割と位置づけております。海運業や水産業においては、人手不足の深刻化や水産資源量の減少等、解決すべき課題が顕在化しており、当社グループとしてもより高度な価値提供が求められております。こうした社会的要請を踏まえ、商船向け事業においては、「ライフサイクルサポート」戦略の推進や、漁業向け事業における「勘と経験の見える化」ソリューションの展開、さらに自律航行技術の研究開発や、資源管理型漁業への貢献に向けた舶用DXを推進し、安全操業の確保及び水産資源の持続的利用への寄与を図ってまいります。また、快適で安心できるマリンライフの創造に向け、利用者視点に立った製品・サービスの提供を強化してまいります。産業向け分野においては、防衛装備品事業やGNSS時刻同期事業等を通じて、交通・通信インフラの安定化や社会の安全性向上に寄与する製品・サービスの提供を進めております。これらの取り組みを通じ、安全・安心の確保に貢献するとともに、社会に必要とされる価値の創出を図り、持続的な成長につなげてまいります。 ② さらなる成長に向けた技術の進化当社グループは、事業環境が大きく変化する中にあって、持続的成長の基盤となる技術革新を重要課題と位置づけております。海難事故や深刻化する人手不足といった社会課題に対しては、自律航行技術を中心とする研究開発を推進し、安全性の向上や運航効率の改善を支える取り組みとしております。また、リモートサービスの拡充やスマート漁業ソリューションの提供等、データ連携を通じた顧客支援の高度化を推進することで、顧客に対する価値提供力の向上を図っております。さらに、当社が長年培ってきた技術・知的財産といった無形資産を戦略的に活用し、新規事業領域の拡大及び競争優位性の強化につなげてまいります。 ③ 地球環境の保全当社グループは、事業活動が環境へ与える影響を最小化することを重要な課題と位置づけ、環境負荷低減に配慮した製品・サービスの開発を進めております。また、環境マネジメント体制を強化し、気候変動への対応として温室効果ガス(GHG)排出削減を着実に推進しております。加えて、生物多様性の保全及び海洋環境の保護にも取り組み、自然環境との共生を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 ④ 人財の活躍当社グループは、多様性を尊重し、すべての人財が能力を発揮できる職場環境づくりを推進し、すべての従業員が能力を発揮できる組織づくりを重要課題としております。専門性やキャリア形成を支援する人財育成施策を強化するとともに、人権尊重の徹底をグループ全体の基本的価値として位置づけております。また、中長期の事業成長を支えるために、持続的な人財確保と生産性向上に取り組み、働きがい向上や従業員エンゲージメント強化に向けた施策を継続して実施してまいります。 ⑤ 経営基盤の強化当社グループは、健全なガバナンス体制の構築を通じて、経営判断の適正性及び透明性の向上を図っております。重要な経営判断については、取締役会での審議、社内ルールに基づく業務プロセス、並びに内部統制・監査によるチェックが連動することにより、適切な手続きを踏んだ意思決定が行われる体制を整えております。また、情報セキュリティ及びサイバーセキュリティ対策を強化し、事業継続性と信頼性の向上に努めております。さらに、責任ある持続可能なサプライチェーンの構築を推進し、取引先を含めたリスク管理の高度化を図るとともに、安全保障輸出管理の遵守を徹底し、国際的な規制環境の変化に適切に対応することで、企業活動全体の健全性とコンプライアンスを確保し、ステークホルダーからの信頼向上につなげてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「会社存立の原点は社会の役に立つことである」「経営は創造である」「社員の幸福は会社の発展と共にある」との経営理念を掲げております。また、当社グループ社員の行動指針は、「未来に向かう」「最良に挑む」「独創を貫く」「率直を好む」を謳っております。これらを普遍的な価値観として尊重しつつ、2018年12月に迎えた創立70周年を機に、2031年2月期までに目指す姿を示す新たな経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」を策定しました。本ビジョンは「事業ビジョン」と「人財・企業風土ビジョン」の2つで構成され、その実現に向けた諸活動を展開することを通じて、顧客提供価値と企業価値の両面を持続的かつ発展的に高める方針です。 「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」の概要は、次のとおりです。 ① 事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」この事業ビジョンは、「当社グループのすべての事業は、海でも陸でも、安全安心かつ快適であることを前提に、人と環境に優しい社会や航海の実現を目指す」という、“わたしたちが最も優先する価値”を表現しております。これまで当社グループが事業活動で重視してきた「安全安心」「環境」という提供価値を、「安全安心」と「快適」、「環境」と「人」の視点へ拡大することで、既存事業での顧客提供価値の拡充や周辺領域での新規事業育成を推進するための新たな道しるべとします。当社グループは創立以来、「事業を通じた社会的課題の解決」を果たすべき使命としてまいりました。近年、国際社会では、持続可能で安全・安心な社会の実現に向けた取り組みが企業にも広く求められており、企業活動を通じて環境保全や社会的価値の創出に貢献することが重要性を増しております。当社グループは今後も、創立当初から受け継ぐ価値観を大切にしつつ、持続可能な社会の形成に資する視点を企業運営及び事業活動に取り入れ、事業を通じて社会への貢献に努めます。 ② 人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」企業運営における重要な経営資源である人財と企業風土については、経営理念並びに行動指針を普遍的な価値観として尊重した上で、事業ビジョンの実現に向けて重点的に強化・評価する基軸として「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を謳い、3つのポイントを定めました。 (VALUE)さらなる価値共創への挑戦わたしたちはビジョンを深く理解し、高い自律性を持って行動していくことで、社会へのさらなる価値を、当社グループに関わるすべてのステークホルダーと「共に」創り上げていきます。 (GLOBALIZATION)グローバリゼーションの浸透わたしたちはグローバルマインドセットを醸成し、ビジョン実現に向けて、社内外の資源を所属、地域、国等の属性に依らず最適かつ最大限に活用いたします。※グローバルマインドセット:異なる文化・習慣・価値観を持つ人たちやグループに対して影響を与えることを可能とする思考を意味しております。 (SPEED)迅速かつ柔軟な判断と行動わたしたちは変化することに躊躇せず、新しい時代を創り続けることを目指します。 当社グループは、創立から間もない1955年に「世界のフルノ」を宣言し、海外展開を加速してまいりました。現在では連結売上高のうち海外売上比率が7割を超え、世界100カ国以上に開発・生産・販売・サービス拠点を有する体制を構築しております。今後は、これまでの海外展開に基づくグローバル化にとどまらず、多様な文化・習慣・価値観を包含した広義の“グローバリゼーション”を推進してまいります。これにより、事業及び市場の特性に応じて、当社グループ内の多様な人財や組織機能を有機的に結び付け、その能力や強みを最大限に発揮できる体制を整えるとともに、顧客や取引先との連携を積極的に進め、多様な視点を活かした価値創造を図ってまいります。こうした取り組みを通じて顧客提供価値と企業価値の最大化を実現し、名実ともに「世界のフルノ」を目指します。 「FURUNO GLOBAL VISION “NAVI NEXT 2030”」の実現は、次の3つのフェーズに分けて段階的かつ速やかに挑む方針です。フェーズ1・・・変える事業の体質改善による資源の捻出・体力強化のフェーズ(2021年2月期~2023年2月期)フェーズ2・・・つなぐ技術と事業の柱・収益構造の構築に向けた行動のフェーズ(2024年2月期~2026年2月期)フェーズ3・・・変わるあるべき企業規模・収益性・事業構造を実現するフェーズ(2027年2月期~2031年2月期) (2)中期経営計画及び目標とする経営指標当社グループは、2026年2月に、2027年2月期から2029年2月期までの3年間を対象期間として、新たな中期経営計画を策定しました。当計画を「過去最高業績の更新で得た力を将来成長に投じ、積極投資で成長基盤を築く3ヶ年」と位置づけ、市況変動に左右されない事業構造への変革を推進します。また、持続的成長の実現に向け、人財をはじめとする経営資源への積極的な投資を進めてまいります。最終年度にあたる2029年2月期には、売上高1,500億円、営業利益率10%以上、ROE及びROIC10%以上を計上し、総還元性向40%相当を安定的に実現できる経営基盤の構築を目指します。 ※2026年2月期の売上高は1,406億円、営業利益率は11.6%、ROEは20.7%、ROICは15.5%、配当性向30.2%となりました。なお、算定に用いる実効税率は、税効果会計の影響を反映した実際の税率を使用しております。 主な基本施策① 収益性の確保生産性の一層の向上に取り組むとともに、粗利率の改善、販管費の効率的な活用、業務プロセスの再構築等により積極的な投資を支える収益基盤の強化を推進します。さらに、ROICを重視した事業ポートフォリオ経営を推進し、資本効率の向上を目指します。 ② さらなる売上規模の拡大舶用事業では、商船市場の換装におけるシェア拡大や保守メンテナンス事業のさらなるグローバル展開を目指します。また、プレジャーボート向け市場での戦略製品の投入やワークボート向け市場への投資強化を推進します。産業用事業では、時刻同期事業のさらなるグローバル展開、防衛装備品事業における生産体制の強化・販売拡大を目指します。他、データサービス事業の拡大やAI推進部門の新設による技術革新の加速、また、既存事業の枠を超えた取り組みによる英知の集約と新たなビジネスの創出によりさらなる成長を目指します。 ③ サステナブル経営の強化新人事ビジョンに基づく人的資本経営の推進やDX人財・グローバル人財等の採用強化等の人財投資や、売上増加に伴う生産システムの強化やスマート工場プロジェクトの推進等の設備投資を推進します。また、更新時期を迎えた建物の刷新等による職場環境の改善等のインフラ投資の他、ROIC経営による経営管理の高度化やBCP含むリスクマネジメントの強化により経営基盤を強固にし、持続可能な成長を実現します。 個別事業戦略(舶用事業)① 商船向け市場では、新造船向けシェアの維持に加え、換装においてはこれまでに築いてきた顧客基盤を活用し、売上・利益の拡大を目指します。サービスについては、自社によるサービス提供エリアの拡大や、リモートモニタリングを活用した効率的なサービス体制の構築を推進します。 ② 漁業向け市場では、ハード/ソフト両面から漁業者を支援するソリューションとして「勘と経験の見える化」を推進し、操業の効率化及び安全性向上に寄与する製品、サービスの提供に取り組みます。 ③ プレジャーボート向け市場では、顧客ニーズを的確に反映した商品企画を継続するとともに、クルージングやカジュアル用途のボートユーザーへの販路拡大を目指します。 ④ ワークボート向け市場では、国内外を問わず、官公庁船向け機器の開発及び計画的な販売投入を進めるとともに、他のワークボート案件の安定的な受注獲得を目指します。 (産業用事業)GNSS技術の更なる高度化や海外市場での販促強化、ITS技術の強化と社会実装の推進を図ります。防衛装備品事業では、高まる需要へ対応すべく、開発や生産体制の整備を継続しながら、原価管理の精度向上による収益性の確保や適正なコスト構造の維持による利益の安定化を目指します。 (無線LAN・ハンディターミナル事業)無線LANアクセスポイントの文教市場でのリプレイス需要を着実に取り込むとともに、ソフトウェアサービス基盤の強化や商品ラインナップの更なる拡充も図りながら、新規市場の開拓を推進します。 フェーズ2中計 主な基本施策の取り組み結果について① 利益水準の向上生産・販売・品質・在庫の各領域において基本施策を着実に推進してまいりました。生産面では、スマート工場化を進めることで生産リードタイムの短縮と生産能力の強化を図りました。販売面では、販管費の最適配分や価格の見直し等を通じて、主力製品の利益向上に取り組みました。品質面では、品質・設計管理手法の展開による未然防止と品質の安定化に努め、製品信頼性の向上を進めました。また、在庫面では、長納期部材の影響に伴う評価損の発生を踏まえつつ、適正な在庫水準の確保に向けた取り組みを継続しております。 ② 売上規模の拡大舶用事業では、保守・メンテナンスサービスや機器拡販の機会創出により売上拡大を図るとともに、プレジャーボート向け市場において戦略商品の上市を進め、特に米州を中心に販売が伸長しました。産業用事業では、成長期待事業と位置付ける時刻同期製品について海外向け販売が順調に拡大したほか、防衛装備品事業では旺盛な受注を背景に生産体制の強化と販売拡大を実現し、売上規模の拡大に寄与しました。 ③ サステナブル経営の実行 マテリアリティの特定から体制整備まで、各領域で取り組みを進めてまいりました。まず、持続可能な社会への貢献と企業価値向上の実現を目指し、当社として重点的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。気候変動対応では、GHG排出量削減に向けた取り組みを進めるとともに、TCFD提言に準拠した気候関連情報の開示を実施しました。今後は、TNFD提言にも準拠した情報開示を段階的に推進してまいります。人財戦略では、新人事ビジョンを策定し、その方針に基づき、働き方改革やD&I推進等、多様性を活かし成長を促す人財施策を展開しました。さらにガバナンス体制では、ガバナンス強化を目的にサステナブル委員会を設置し運営を開始したほか、サイバーセキュリティ対応や製品安全に関する体制強化を進め、企業としての信頼性向上に取り組んでおります。 (3)経営環境及び対処すべき課題世界経済は、米国の関税政策を含む通商環境の変化や、各国の金融政策の相違に伴う物価動向、さらに金融・資本市場の変動等、引き続き不確実性の高い状況にあります。一方で、金融緩和に転じる国が増えつつあり、主要国での利下げや金融環境の緩和が景気の急激な落ち込みを回避し、一部地域では回復の兆しも見られております。こうした外部環境の下、当社グループは持続的な成長の実現に向け、事業基盤の強化と成長に資する施策を継続的に推進してまいります。また、当社グループが取り組むべき重要な課題に対し、適切な施策を進めることで、社会・顧客の期待に応えつつ、グループ全体としての企業価値向上につなげてまいります。 ① 事業を通じた社会課題の解決当社グループは、事業を通じて社会課題の解決に寄与することを重要な役割と位置づけております。海運業や水産業においては、人手不足の深刻化や水産資源量の減少等、解決すべき課題が顕在化しており、当社グループとしてもより高度な価値提供が求められております。こうした社会的要請を踏まえ、商船向け事業においては、「ライフサイクルサポート」戦略の推進や、漁業向け事業における「勘と経験の見える化」ソリューションの展開、さらに自律航行技術の研究開発や、資源管理型漁業への貢献に向けた舶用DXを推進し、安全操業の確保及び水産資源の持続的利用への寄与を図ってまいります。また、快適で安心できるマリンライフの創造に向け、利用者視点に立った製品・サービスの提供を強化してまいります。産業向け分野においては、防衛装備品事業やGNSS時刻同期事業等を通じて、交通・通信インフラの安定化や社会の安全性向上に寄与する製品・サービスの提供を進めております。これらの取り組みを通じ、安全・安心の確保に貢献するとともに、社会に必要とされる価値の創出を図り、持続的な成長につなげてまいります。 ② さらなる成長に向けた技術の進化当社グループは、事業環境が大きく変化する中にあって、持続的成長の基盤となる技術革新を重要課題と位置づけております。海難事故や深刻化する人手不足といった社会課題に対しては、自律航行技術を中心とする研究開発を推進し、安全性の向上や運航効率の改善を支える取り組みとしております。また、リモートサービスの拡充やスマート漁業ソリューションの提供等、データ連携を通じた顧客支援の高度化を推進することで、顧客に対する価値提供力の向上を図っております。さらに、当社が長年培ってきた技術・知的財産といった無形資産を戦略的に活用し、新規事業領域の拡大及び競争優位性の強化につなげてまいります。 ③ 地球環境の保全当社グループは、事業活動が環境へ与える影響を最小化することを重要な課題と位置づけ、環境負荷低減に配慮した製品・サービスの開発を進めております。また、環境マネジメント体制を強化し、気候変動への対応として温室効果ガス(GHG)排出削減を着実に推進しております。加えて、生物多様性の保全及び海洋環境の保護にも取り組み、自然環境との共生を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 ④ 人財の活躍当社グループは、多様性を尊重し、すべての人財が能力を発揮できる職場環境づくりを推進し、すべての従業員が能力を発揮できる組織づくりを重要課題としております。専門性やキャリア形成を支援する人財育成施策を強化するとともに、人権尊重の徹底をグループ全体の基本的価値として位置づけております。また、中長期の事業成長を支えるために、持続的な人財確保と生産性向上に取り組み、働きがい向上や従業員エンゲージメント強化に向けた施策を継続して実施してまいります。 ⑤ 経営基盤の強化当社グループは、健全なガバナンス体制の構築を通じて、経営判断の適正性及び透明性の向上を図っております。重要な経営判断については、取締役会での審議、社内ルールに基づく業務プロセス、並びに内部統制・監査によるチェックが連動することにより、適切な手続きを踏んだ意思決定が行われる体制を整えております。また、情報セキュリティ及びサイバーセキュリティ対策を強化し、事業継続性と信頼性の向上に努めております。さらに、責任ある持続可能なサプライチェーンの構築を推進し、取引先を含めたリスク管理の高度化を図るとともに、安全保障輸出管理の遵守を徹底し、国際的な規制環境の変化に適切に対応することで、企業活動全体の健全性とコンプライアンスを確保し、ステークホルダーからの信頼向上につなげてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策の影響、各国の金融政策に伴う物価動向や金融・資本市場の変動に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張の激化等、先行きが不透明な状況が続いております。米国は、関税コストの商品販売価格への転嫁等が個人消費の下押し圧力となりましたが、株高による資産効果が高所得者層の消費を押し上げたほか、企業の設備投資も増加し、総じて堅調に推移しました。欧州は、米国関税の影響等による輸出の停滞がある一方、好調なサービス業を中心に個人消費は底堅く推移し、総じてプラス成長を維持しました。中国は、政府の景気刺激策に伴う消費の下支えにより個人消費を押し上げましたが、政策効果の一巡や長引く不動産投資の停滞等により成長の勢いが鈍化しました。わが国においては、米国関税による輸出の減少等が下押し圧力となりましたが、良好な所得環境による個人消費の増加等により、内需は底堅さを維持しました。このような経済環境の中、当社グループは、2031年2月期に向けた経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」のもと、事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」及び人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を掲げ、持続的な成長に向けた経営を推進しております。現在、利益水準の向上、売上規模の拡大による成長投資の資源捻出、サステナブル経営の実行を主な基本施策とする中期経営計画フェーズ2(2024年2月期~2026年2月期)の最終年度を終えました。また、2027年2月期より、「中期経営計画フェーズ3」の初年度を迎えます。フェーズ3のこれから3年を「過去最高業績の更新で得た力を将来成長に投じ、積極投資で成長基盤を築く3ヶ年」と位置づけ、市況変動に左右されない事業構造への変革を推進します。また、持続的成長の実現に向け、人財をはじめとする経営資源への積極的な投資を進めてまいります。当社グループの関連する市場において、舶用事業のうち商船向け市場では、高止まっていた船価は若干下落しているものの、過去水準と比較すると依然高水準で推移しております。一方で、船舶需要の不確実性により新造発注隻数は以前より減少しておりますが、GHG(温室効果ガス)排出量削減のための代替燃料船需要は依然として高く、造船会社の手持ち工事量は継続して増加し、高い水準を保っております。漁業向け市場では、主にアジアの需要が好調に推移しました。プレジャーボート向け市場では、ボート購入時のローン金利の影響や物価高を背景に北米の中小型艇を中心に需要が軟調に推移しました。産業用事業では、ITS・GNSS市場における国内の自動車販売台数は回復傾向にあります。5Gエリア拡大に伴う携帯電話向け基地局数は高水準を維持しました。ヘルスケア市場においては、IVD(体外診断用医療機器)等の機器設置需要は堅調でした。防衛装備品事業における国内の防衛関連市場は、防衛予算の増額に伴い拡大しました。無線LAN・ハンディターミナル事業における国内の教育ICT市場では、ICT整備に関する通信インフラ機器の更新需要は低調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,406億1千6百万円(前年同期比10.8%増)、売上総利益は583億3千8百万円(前年同期比10.1%増)となりました。営業利益は162億4千6百万円(前年同期比23.3%増)、経常利益は182億9千1百万円(前年同期比29.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は167億3千5百万円(前年同期比46.1%増)となりました。売上高及び全段階利益において前年同期比で大幅に増加しました。3年連続で過去最高の売上高・利益を更新したと同時に、売上高及び営業利益率については、2018年12月に策定した「FURUNO GLOBAL VISION "NAVI NEXT 2030"」で掲げた2031年2月期の成長目標である連結売上高1,200億円、営業利益率10%を2年連続で達成する結果となりました。加えて、ROE(自己資本利益率)は、当期利益が大幅伸長した結果、20.7%と大きく向上しました。なお、当連結会計年度に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ150円及び169円であり、前年同期に比べ米ドルは約0.4%の円高水準、ユーロは約3.3%の円安水準で推移しました。 セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント利益は、営業利益ベースの数値であり、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。 ① 舶用事業舶用事業では、商船向け市場での代替燃料船需要による造船会社の高い手持ち工事量を背景に、一部の造船所の建造能力増強もあり新造船向け販売が継続して増加しました。また、既存船のリプレイス需要や保守サービス需要も好調に推移したことから、機器販売及び保守サービス売上も増加しております。米州では、プレジャーボート向け市場は軟調に推移しておりますが、今期上市した戦略製品を中心に販売が増加しました。欧州では、主に商船の既存船向け機器の販売や保守サービスが高い水準を維持しました。アジアでは、主に商船の新造船向け機器の販売が継続して増加し、保守サービスが堅調に推移しました。日本では漁業向け機器の販売が減少しましたが、商船向けの機器販売や保守サービスが増加しました。この結果、舶用事業の売上高は1,211億4千7百万円(前年同期比11.5%増)となりました。セグメント利益は167億6千3百万円(前年同期比25.7%増)となりました。 ② 産業用事業産業用事業では、ヘルスケア事業における主に中国市場でのコスト競争の激化による影響から生化学分析装置の販売が減少しました。ITS・GNSS事業においては、時刻同期製品の販売が海外向けを中心に好調に推移しました。また、防衛装備品事業では、新たな生産管理システムへの移行による影響は解消され、生産出来高は継続して増加しました。この結果、産業用事業の売上高は158億2千1百万円(前年同期比11.3%増)となりました。セグメント利益は7億8千2百万円(前年同期比57.8%増)となりました。 ③ 無線LAN・ハンディターミナル事業無線LAN・ハンディターミナル事業では主に文教市場向けの需要環境は低調に推移し、無線LANアクセスポイントの販売が減少しました。この結果、無線LAN・ハンディターミナル事業の売上高は33億5百万円(前年同期比10.5%減)となりました。セグメント利益は1億3千2百万円(前年同期比33.2%減)となりました。 ④ その他その他の売上高は3億4千1百万円(前年同期比6.4%減)、セグメント損失は1億1千4百万円(前年同期のセグメント損失は1億2千5百万円)となりました。 生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) 金額(百万円)前年同期比(%)舶用事業70,932+22.9産業用事業14,379+12.5無線LAN・ハンディターミナル事業2,357+25.5その他--合計87,670+21.2 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。 ② 受注実績当社グループの製品は、一部の受注生産を除き見込生産を行っております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) 金額(百万円)前年同期比(%)舶用事業121,147+11.5産業用事業15,821+11.3無線LAN・ハンディターミナル事業3,305△10.5その他341△6.4合計140,616+10.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析1)資産、負債及び純資産の状況 ①  資産流動資産は前連結会計年度末と比較して108億9千1百万円増加し、1,024億9千6百万円となりました。これは主に、現金及び預金が81億6千9百万円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して69億5千4百万円増加し、388億6千8百万円となりました。これは主に、投資有価証券が25億1千7百万円及び繰延税金資産が18億3千6百万円、それぞれ増加したことによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比較して178億4千5百万円増加し、1,413億6千4百万円となりました。 ②  負債流動負債は前連結会計年度末と比較して13億7千万円減少し、343億2千万円となりました。これは主に、未払法人税等が16億8千3百万円増加した一方で、短期借入金が59億円減少したことによるものであります。固定負債は前連結会計年度末と比較して20億6千3百万円増加し、172億7千2百万円となりました。これは主に、長期借入金が15億9千7百万円増加したことによるものであります。以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比較して6億9千2百万円増加して、515億9千2百万円となりました。 ③ 純資産 純資産は前連結会計年度末と比較して171億5千2百万円増加し、897億7千2百万円となりました。これは主に、利益剰余金が119億9千5百万円及び為替換算調整勘定が30億3千万円、それぞれ増加したことによるものであります。この結果、当連結会計年度の自己資本比率は前連結会計年度の58.4%から4.8ポイント上昇し、63.2%となりました。また、中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)で経営指標として設定した自己資本経常利益率については、前連結会計年度の21.3%から1.4ポイント上昇して22.6%となりました。 (当社グループの自己資本経常利益率の推移) 2022年2月期2023年2月期2024年2月期2025年2月期2026年2月期自己資本経常利益率(%)8.05.214.421.322.6 (注) 自己資本経常利益率(%)の算出方法:経常利益/自己資本 2)キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが213億7千3百万円増加した一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが32億7千8百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが114億3千9百万円それぞれ減少したことにより、前連結会計年度末と比較して81億3千万円増加し235億4千4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において営業活動による資金の増加は213億7千3百万円となりました(前連結会計年度は108億2千万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において投資活動による資金の減少は32億7千8百万円となりました(前連結会計年度は45億8千8百万円の減少)。これは主に、有形固定資産の取得及び無形固定資産の取得によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度において財務活動による資金の減少は114億3千9百万円となりました(前連結会計年度は26億9千6百万円の減少)。これは主に、短期借入金の返済及び配当金の支払によるものであります。 (当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移) 2022年2月期2023年2月期2024年2月期2025年2月期2026年2月期自己資本比率(%)55.749.053.458.463.2時価ベースの自己資本比率(%)37.928.862.657.1177.3キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.6△3.06.41.60.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)67.4△75.141.741.792.3 (注)1 各指標の算出方法は、次のとおりです。自己資本比率(%) : 自己資本/ 総資産時価ベースの自己資本比率(%) : 株式時価総額/ 総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) : 有利子負債/ 営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) : 営業キャッシュ・フロー/ 利払い2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。4 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。5 有利子負債は、連結貸借対照表上に計上している短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金を対象にしています。6 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 3)資本の財源及び資金の流動性当社グループは、安定した収益を確保するための運転資金及び将来成長に向けた投資に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としておりますが、資本コストや自己資本比率等を総合的に勘案し、必要に応じて金融機関からの借入により調達しております。なお、当連結会計年度末における資金の残高は235億4千4百万円、有利子負債の残高は119億3百万円となっております。また、金融・資本市場の混乱や緊急で資金が必要となる場合に備え、複数の金融機関とコミットメントライン契約及び当座借越契約を締結し、資金の流動性を確保しております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを行っております。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し慎重に検討したうえで行い、継続して評価・判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

古野電気グループは、国際情勢の変化による地政学リスクや各国の政策・法律変更、関税引き上げが生産・物流・営業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、事業上の重要情報や個人情報の流出、情報システムの停止といった情報セキュリティリスクも存在し、信用低下や損害賠償につながる恐れがあります。さらに、自然災害や仕入先の経営悪化、需要増加による原材料・部品の供給制限、価格変動などが調達・生産に影響を与え、業績に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。連結売上高の7割以上を占める海外売上高のため、為替変動も業績に影響を与える重要なリスクです。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,387 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 国際情勢等の影響について当社グループは、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。これらの国・地域の経済状況の変化や対象市場での当社商品に対する需要の変化、また、米中貿易摩擦やウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化等による地政学リスクの高まりから、安全保障、人権関連を中心に国家の政策・法律の変更、関税の引き上げ、製品供給・技術提供の制限等が発生する事が懸念されております。それにより、生産・物流・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として関係国の政治・経済情勢や法規制・関税の動向等を、関係部署・関係会社にてグローバルでモニタリングし、最新状況を踏まえた対策を講じております。また、海外子会社を含むグループ全体として適切な貿易管理を行うために、代表取締役社長を最高責任者とした安全保障貿易管理体制の整備や、輸出入に関する規制・新興技術等に対する取引制限等の政策に対して分析を行い、関係する従業員への教育や必要に応じた取引形態やサプライチェーンの見直し等を行うことにより、事業への影響の低減を図っております。 (2) 情報セキュリティについて当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の秘密情報を保有しており、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合、信用低下、損害賠償等の費用の発生、又は業務の停止等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策として「情報セキュリティ基本方針」を定め、当該情報の盗難・紛失等を通じて第三者が不正流用することを防ぐため、情報の取り扱いに関する管理を強化するとともに、法規制強化への対応等も都度実施しております。また、情報セキュリティ認証基準であるISO27001の取得、高度化するサイバー攻撃に対する技術的対策、情報リテラシーを高めるための社員教育の実施、当社グループを装った不審メール・詐欺サイトに関する社内外への注意喚起等も行っております。インシデントが発生した場合や早期警戒対応時には、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)等の体制により、継続的な監視・情報収集、インシデント対応を行い被害拡大防止・早期鎮静化を図っております。 (3) 調達・生産について当社グループは、商品を製造するにあたって高品質な原材料、部品等をタイムリー且つ必要数入手するため、信頼のおける仕入先を選定しております。しかし、予期できない自然災害や事故等によるサプライチェーンへの大きな影響、仕入先の経営状態悪化による部品の供給制限や製造中止、市場での需要増加による供給制限等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、環境への配慮等、サプライチェーンを通して、社会からサステナブルな観点での高度な対応を求められております。当社グループは仕入先と連携し、持続可能な調達の実現に向けた取り組みを進めておりますが、サプライチェーン全体における対応の遅れや外部環境の変化等により、調達に影響が生じた場合、商品の販売にも影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として仕入先の所在地情報を一元管理し、地震・水害や工場火災等の発生時に、影響を早期に把握する体制を整備するとともに、第三者機関を活用し、仕入先の財務情報をはじめとする経営リスクを定期的に評価し、リスクレベルに応じた対策を実施しております。また、当社グループのサステナビリティ活動をサプライチェーン全体で実践すべく、仕入先に対して積極的な人権対応やGHG排出削減等の啓蒙活動、協力要請及び、必要な支援に努めております。 また、急激な需給環境の変化等により、原材料、部品等の供給不足が続き、生産の遅延が避けられず商品の販売に影響がある場合、及び原材料や部品等の著しい価格変動が商品原価の上昇を招いた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策として仕入先との関係強化・調整や関係各部門の連携による生産管理の強化等により影響を最小限に抑えることに努めております。 (4) 為替変動について当社グループは、海外子会社及び代理店を経由して海外市場へ販売を行っており、連結売上高に占める海外売上高の割合は当連結会計年度において71.2%と高い状況にあります。このため、為替相場の変動は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、社内規程に基づき事業活動の中で発生する為替取引リスクを正確に把握・管理し、適切な為替リスクヘッジを行うことにより、為替差損を極小化する施策を実施しております。また、為替リスクヘッジ取引は、将来の市場変動による損失の回避、コストの確定等を目的とし、事業活動から生じる為替取引に限定し、実需に基づかない投機取引は行わないことを基本方針としております。 (5) 人財の確保について当社グループの将来の成長・発展は、科学・技術、マネジメント分野等での優秀な人財の確保に大きく依存しております。当社グループは、事業の拡大やグローバル化の推進を図るため、積極的な採用活動を行っておりますが、人財確保における競争は年々高まっており、それが困難となった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として目標管理制度に基づいた公平な評価・充実した処遇制度等の仕組みを構築するとともに、自律型人財やグローバル人財を育成し、当社グループの価値観、知識及びモノづくりのDNAを伝える教育プログラムの拡充や転勤制度・勤務形態・諸手当等の見直しによる勤務体制や労働環境の整備を行い、在籍している従業員の流出防止や当社グループの求める人財の獲得に努めております。 (6) 自然災害等について当社グループは、地震、火災、台風、洪水等の災害や感染症の流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行する義務がありますが、当社グループの本社・研究開発拠点・主要工場は兵庫県南部に集中しており、同地域において大規模な地震、その他事業の継続に支障をきたす災害、事故の影響、世界的な経済活動の停滞等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、定期的な防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築を行うとともに、南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震等の大規模地震に対する事業継続計画(BCP)を策定して災害時の体制整備や資機材の備蓄を行っております。また、感染症の流行に対し、事業運営を可能な限り維持するために必要な対応・措置を定める等の対策に取り組んでおります。加えて、事務所の高台・内陸部への移転等、中長期的な対策にも取り組んでおります。 (7) 舶用事業の市場環境変化について当社グループの連結売上高に対する舶用事業の売上高比率は当連結会計年度において86.2%と、高い水準を維持しております。対象となる漁業向け市場は資源減少に伴い世界的に漁獲高・漁船数の管理が強化されており、商船向け市場はこれまで大きな景気変動を繰り返しております。プレジャーボート向け市場は欧米の景気及び個人消費動向に影響を受けます。漁業向け市場における管理漁業化の一層の進展や商船需給の悪化、欧米諸国の景気の悪化等に伴い、従来の舶用電子機器の需要は縮小する可能性があります。また、自律航行技術の進展等に代表される中長期的な業界構造の変化に適切に対応できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。対応策として、予測される市場変化に対応できる体制構築のほか、サービス業務の収益向上、新規分野への取り組み、舶用DXの推進、産業用事業等の拡大を目指していく方針であります。 (8) 知的財産権について当社グループは、自社が製造する製品に関連して、特許等の知的財産権を保有しておりますが、当社グループが保有する知的財産権に対し異議申立がなされたり、無効請求がなされる可能性があります。また、当社グループが知的財産権に関し訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起しなければならない可能性があります。このような重大な係争問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、自社が保有している知的財産権の権利確保及び他社が保有している知的財産権の調査による係争発生のリスク低減を図っております。 (9) 価格競争について当社グループの各製品の市場において、新たな競合先の台頭や競合他社の低価格商品の投入等により価格競争が激化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、フェーズ1中計より取り組んでいる在庫・品質・生産・開発に係るコスト削減の継続や、IoTを活用した高付加価値商品の開発や拡販等に取り組んでおります。 (10) 品質について当社グループは、ISO規格認定された品質システムを構築し、それに従った各種商品の開発や製造を行い、品質チェック体制の整備を図り、品質監査を行う等、グループをあげてすべての商品の品質向上に継続的に努めております。しかしながら、品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や、それに起因するリコールが発生する可能性があります。当社製品に関してリコールや製造物責任の追及を受けた場合、回収コストや損害賠償等の費用の発生及び売上の減少といった影響が生じるおそれがあります。さらに当社ブランドを冠した製品の品質上の欠陥によりブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招くことも想定されます。これらが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として国際規格ISO9001で認定された品質システムを構築し、それに従った開発・製造や、本社の品質関係部門による指導等により、品質管理体制の整備・強化に努めるとともに、製造物責任賠償保険に加入する等の対策を講じております。また、製品・システムに関するサイバーセキュリティ基本方針の制定や脆弱性の報告受付フォームを当社ホームページに開設する等、製品・システムのサイバーセキュリティ確保を進めております。 (11) 法規制・コンプライアンスについて当社グループは、事業の展開において適用を受けている、国内外の各種法令・規制や行政による許認可等に違反した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として、法令・社会規範・契約・社内ルール等に則った活動を推進するために、社外の弁護士や監査役を含めた「コンプライアンス委員会」を設置するとともに、国内外の役員・従業員へ各種研修や教育を行い、周知・啓蒙に努めております。また、コンプライアンス違反の予防・把握のために、社内外に相談・通報窓口「フルノほっとライン」を設けた内部通報制度を整備しております。 (12) 環境・気候変動について当社グループは、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物、商品リサイクル及び土壌・地下水の汚染、気候変動等に関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けておりますが、自然災害、事故等により、環境汚染が発生する可能性があります。また、将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、信用低下、損害賠償等の費用の発生、環境対応に関する費用の増加や又は業務の停止等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として環境関連法令及び規制等に従った商品の開発や製造を行い、チェック体制の整備を図り、監査を行う等、グループを挙げて環境保全の対応を実施しております。また、CSR活動をサプライチェーン全体で実践すべく、当社資材調達基本方針を取引先にも共有し、環境配慮の要請等を行うとともに、環境情報の適切な開示に取り組んでまいります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 古野電気 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →