研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 67 |
| 2024-03 | - | 28 |
| 2023-03 | - | 20 |
| 2022-03 | - | 42 |
| 2021-03 | - | 35 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,013 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,073百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 (1)機構部品における研究開発 ①車載用コネクタのさらなる小型化ニーズに応えるべく、現在量産中のコネクタ比で約8%の低背及び約25%実装面積の削減を実現した車載用8pinコネクタを開発いたしました。本品は、USB Type-C®(USB2.0)の接続に最適なピン数を備え、USB Type-CポートのPower Delivery電源ユニット等のインタフェースコネクタとして最適なものとなっております。また、照光機能付きのUSB Type-C電源、USB Type-A×2ポートや、ADAS機器やカメラECU等のLVDS用インタフェースコネクタとして使用可能です。さらに、安定したGND接続のためにシェル内側にプラグカバーと接触する複数の側面バネを配することで、高いEMC性能を実現しております。②自動車の予防安全性能の進展に伴い車載カメラの高解像度化及び省スペース化が求められていることから、車載カメラ用高速デジタル信号に対応した超低背同軸カメラコネクタを開発いたしました。2025年4月から車載用カメラモジュール向けにサンプル販売を開始しております。本製品は超低背型でありながらも、レセプタクルに位置ズレ吸収構造を有しており、最大位置ズレ状態においても車載SER/DES(SERializer/DESerializer )の6Gbps高速伝送に対応しております。③車両の電装化が進む中でインパネ周りに多数の部品が配置されるため、USBチャージャ等のインタフェースを搭載するスペースの確保が問題となっていることから、省スペース化に寄与できるスロットインコネクタを開発いたしました。インタフェースにはUSB Type-AやUSB Type-C、HDMIを組み合わせた多彩なラインアップをご用意しております。また、インタフェースの周囲に照光機能を追加することで、視認性を向上させることも可能となっております。(2)音響部品における研究開発 完全防水(IPX9K)に対応した防水マイクAssyを開発いたしました。風雨に晒される屋外における音声操作や音声検知、車両のエクステリアに設置して緊急車両のサイレン音の検知に利用可能であるほか、キッチンやお風呂などさまざまな状況下でお使いいただける汎用性の高いマイクロホンとなっております。(3)複合部品その他における研究開発①高精度、高品質な温湿度センサモジュールを開発いたしました。本製品を用いて室内環境を精度よくモニタリングすることにより、エアコンや加湿器等の温湿度を最適なバランスで調整でき、省エネと環境負荷の軽減に貢献いたします。②既に製品化しております60GHzミリ波を用いた測距センサに加え、さまざまな用途を想定し汎用性をもたせたミリ波測距センサを開発いたしました。ミリ波は外乱耐性に優れており、光学式、超音波式、圧力式など他の測距方式と比較してキズ・埃・水滴・汚れや外乱ノイズの影響を受けずに対象物を測距し続けることができるため、工場・インフラ設備等のさまざまな液体のタンク残量検知、暗渠・側溝の水位監視、水田水位監視等のさまざまな液面監視に利用可能であるほか、レーザ式・カメラ式では必須の透過窓が不要であることから、公共トイレの在室監視、オフィス・ホテル・飲食店の在室・在席監視などプライバシーに配慮した人感センシング用途にもお使いいただけます。また、低消費電力設計によりバッテリー駆動を可能とし、電源のない屋外環境でも容易に設置いただくことが可能です。さらに、製品ラインアップの拡充として防爆対応品の開発も進めております。③製造業における機械設備、インフラ業界における橋梁などにおいては、劣化に起因する重大事故を避けるためのメンテナンスを目的として、センサによる状態モニタリングが行われています。中でも故障に向かう状態推移を測定するのに振動状態の監視が有効であり、近年、取付け対象が増えてケーブル配線や電源確保の煩わしさを解消できる無線方式の振動センサのニーズが増えてきております。そこで、センサ自身に正常/異常を判定する機能を設け、判定結果のみを無線通信する振動センサを開発いたしました。無線方式ではデータ通信量の制約があり、モニターした振動情報全てを伝送することができずに分析が不十分になり異常状態を見過ごす懸念がありますが、本製品は自己判定機能を有することでその懸念を解消しております。また、ISO10816に準じた異常判定に加え、ユーザ自身が自由に設定できる機能(周波数スペクトル上の閾値設定)を備えており、ユーザビリティの向上を図っております。
FY2024|2,493 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は1,977百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 (1)機構部品における研究開発 ①近年、環境問題に対する意識の高まりを背景にSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への取り組みが求められております。高速信号コネクタにも使用できる石油由来の樹脂材料の使用削減を目的とした植物由来のエコ材料「ホシデンカスタムXecoT(ゼコット)」をユニチカ株式会社と開発いたしました「Xec oT(ゼコット)」はトウゴマから採取するヒマシ油を原材料に作られた植物由来の半芳香族ナイロン樹脂(PA10T) で、耐熱性が高く、吸水しにくいことから、一般的なコネクタ用の樹脂材料として必要な基本性能は元来備えていましたが、高速伝送コネクタ用途に向けて材料を改良し、誘電率と誘電正接を低く抑えたことで、伝搬ロスの低減とインピーダンスコントロール性を実現いたしました。レジ袋やカトラリーであればバイオマスマークを付与できるレベルの30%以上という高いバイオマス度を確保しております。 ※「XecoT」はユニチカ株式会社の登録商標であります。②高速信号伝送(同軸)と電源ライン(2Pin)を一体化した車載用同軸+2Pin複合コネクタを開発いたしました。車内カメラにより、ドライバの状態を検知するDriver Monitoring System(DMS)に用いられる近赤外線カメラへの採用を見込んでおります。赤外線LEDとカメラが一体化したカメラユニットでは、LED用の電源ラインとカメラの映像信号伝送ラインが必要となりますが、これら2系統を1つのコネクタに集約することにより、基板におけるコネクタ専有面積の削減やコネクタ嵌合作業の簡略化が可能となります。カメラの映像信号伝送には、ビューイングカメラなどで普及が広まる同軸ケーブルを採用しております。基板側レセプタクルに金属ハウジングを採用することで、小型化を実現しつつ車載製品で要求される堅牢性を確保しております。また、次世代SER/DES(SERializer/DESerializer)の高速信号伝送に対応できる優れた伝送性能とEMC性能を両立し、基板側レセプタクルはバーティカルタイプ、プラグ側はL型タイプからサンプル展開を開始し、ライトアングルレセプタクルやストレートプラグもラインアップに追加しております。③車載用コネクタ・ハーネスの高速化ニーズに応えるべく、自動運転・先進安全システム用ECU、及び5G・V2X等の新たな通信インフラ等に向け、大径の低ロスケーブルに対応したFAKRAケーブルコネクタを開発いたしました。本開発品は内部構造を最適化し、1.5Dケーブルだけでなく、より低ロスで長距離伝送可能な2Dケーブルにも対応しており、当社従来品と比べ大幅に高周波特性を向上させております。各種次世代車載用SER/DES(SERializer/DESerializer)に求められる厳しい伝送特性要求を満たし、次世代通信規格の周波数帯域を網羅するDC~10GHzの広帯域を確保しております。また、自動車メーカー各社やSER/DES(SERializer/DESerializer)メーカー各社がコネクタ・ハーネスAssyに対する電気的特性要件として定義したEMC性能においても、各社の規格値をクリアしております。(2)音響部品における研究開発 車載音響製品として、今後の普及が予測されるA2BⓇデジタル通信方式に対応したA2BⓇマイクに続き、A2BⓇセンサやA2BⓇスピーカなどの製品ラインアップを拡充しております。さらに、新要素技術として「防水マイク」、「高機能マイク」、「指向性の優れた通話/音声認識用マイク」の開発も進めております。 (3)表示部品における研究開発 新規事業としてペロブスカイト太陽電池への参入を表明しており、現在まで数多くの問合せや引合いをいただいております。いち早く事業化する目的からIoT機器や携帯機器などの電源として、室内での使用を想定した機器への搭載を検討される戦略的パートナーに、量産化するための原理試作を提供し、量産を前提とした開発を進めております。また、各種センサやBluetooth通信モジュールが搭載可能な2次電池を含んだ無給電の電源モジュールを2024年夏頃にサンプル展開予定であります。(4)複合部品その他における研究開発①測距や検針をワイヤレスで行えるセンサユニットの製品化を行いました。IoTエッジデバイスにはさまざまなセンサを搭載しデータを収集して、検知・識別・予測・判断・実行・制御する機能モジュールが求められております。さまざまなセンサと無線モジュールを組み込んだ商品提案を行い、故障検知などの省人化に貢献いたします。②スマートハウスの普及を見越し、次世代通信規格であるMatter対応の無線モジュールを開発いたしました。また、各種センサを搭載したモジュールの開発についても進めてまいります。③労働人口不足や人件費高騰の影響を受け、工場のDX化を加速する機運が高まっております。中でも人手がかかる石油・化学プラントや塗装ライン等の爆発危険エリアにおける設備点検業務の省人化ニーズが高まる中、老舗計器メーカーである株式会社木幡計器製作所との技術連携により、世界初となる防爆対応の後付け型IoT検針センサを開発いたしました。検針センサ、無線モジュール、電池ユニットを内蔵した世界最小クラスのアナログ計器センサユニットとなり、容易に後付けが可能となっております。通信モジュールはLoRaとBluetooth Low Energyを搭載しており、通信距離を優先する場合はLoRa、電池寿命を優先する場合はBluetooth Low Energyと用途に応じた切替えが可能となっております。
FY2023|2,797 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,020百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 (1)機構部品における研究開発①自動運転・先進安全システム用ECU及び5G・V2X等の通信インフラの登場に伴い、従来よりも高まるEMC要求に応えるため、「EMC性能強化同軸コネクタ」を開発いたしました。ダイキャストハウジング構造を採用し、小型かつ自動車メーカが求める高い堅牢性とEMC性能を両立させました。さらに実装基板のGNDとの接続構造を最適化し、ECU等の金属筐体のGNDと電気的に接続できる接点バネを設けたことで、当社従来品と比べて大幅にEMC性能を向上させました。次世代Ser/Des(Serializer/Deserializer)や次世代通信規格の周波数帯域を網羅するDC~10GHzという広帯域を確保し、幅広い用途に対応し、さらに6種類のキーバリエーションを設定することで、自動運転・先進安全システム用統合ECUなど多数個使いのお客様のニーズにお応えしております。②欧州では、スマートフォン等の共通充電ポート「USB Type-C統一法」の施行を控えており、自動車内で充電ポートの標準搭載が進む中、USB Type-Cコネクタの「車載用USBチャージャ」を開発いたしました。1port15W仕様をはじめ、2portタイプやUSB-PD(Power Delivery)に対応した製品も揃え、ラインアップを充実させております。暗い車内でもコネクタの抜き差しが容易になるように、USBコネクタの間口に照光機能を付加しております。③車載用の動作温度や振動・被水といった耐環境性や電源電圧変動・電磁波障害などのEMC性能に配慮した「車載用15Wワイヤレスチャージャ」を開発いたしました。ワイヤレス充電規格「Qi規格」に準拠しており、15Wまでの給電が可能となっております。また、スマートキーとの混信を防止する「スマートキー動作中の充電停止」機能やスマートフォンケースに差し込んでいるICカードを検出する「ICカード故障防止」機能を備えております。④車載カメラ用6Gbps対応「フローティングタイプ同軸コネクタ」を開発いたしました。新開発のフローティング構造により、カメラモジュール組立工程のレセプタクルとリアケースAssy嵌合時に、XYZ方向に0.5mmの位置ズレを、さらに1.5度の角度ズレも吸収できる構造を実現しております。最大嵌合ズレ状態においても次世代Ser/Des(Serializer/Deserializer)の6Gbpsの高速信号伝送を可能にいたしました。また、独自シールド構造を採用し、伝送特性・EMC特性の劣化を低減しております。⑤6000Hzまでの広い周波数帯域に対応した「異常検知用振動センサ」を開発いたしました。工場の省人化や効率化のため、各種機器の状態監視や異常振動検出を目的としております。対応周波数は100〜6000Hzと広いため、各種機器の異常状態や故障予知の検知が可能となっております。機器に対して、マグネットや接着での固定する後付けタイプを採用し、設置が容易な構造としております。⑥当社で量産中及び量産準備中の開発品を含めたすべての車載用同軸コネクタ及びハーネスAssyとMIPI A-PHYとの相互接続性の確認を完了いたしました。これにより、現在当社製品をご採用いただいているお客様のECUの映像インターフェースを最新のMIPI A-PHYにご変更される場合も、コネクタの再選定やケーブルの配策変更の必要なくご使用いただけるようお客様のニーズにお応えしております。(2)音響部品における研究開発①「車載用A2B®(Automotive Audio Bus)対応アレイマイク」を開発いたしました。自動運転が進むこれからの自動車では「安心・安全」に加えて、移動中の車内での「快適さや便利さ」も求められます。ハンズフリー通話だけでなくANC(Active Noise Control)やインカー・コミュニケーションをはじめとする音声ガイダンスや警告音の再生などさまざまな用途で自動運転技術の発展に貢献いたします。次世代技術の車載用オーディオバスA2B®に対応し、さまざまな音響製品の開発を行っております。話し手の声を的確に捉えるビームフォーミング機能を備えたA2B®デジタルマイクは、快適なハンズフリー通話をサポートすると同時に、ANC用にも使用可能な音響特性を有しております。また、A2B®スピーカと合わせて前後の座席間での車内通話を円滑にいたします。A2B®加速度センサは、ロードノイズに対して瞬時に逆位相の音を出して、ノイズを打ち消すANC用にも使用可能となっております。車外用では、緊急車両の接近を検知するA2B®アレイマイクの開発、製品化を進めております。(3)表示部品における研究開発①ペロブスカイト太陽電池の大きな特徴のひとつとして、可視光領域に特化して受光感度を高めることが可能であります。そのため、結晶シリコンは赤外線領域に強い感度がありますが、ペロブスカイト太陽電池は室内光において、シリコンを凌駕する変換効率を得られております。当社はこれらの特徴を活かし、また一早く事業化する目的から、IoT機器や携帯機器などの電源としての用途を検討しております。今回、室内での使用を想定した機器への搭載を検討される戦略的パートナが開発を進めやすいように、各種センサやブルートゥース通信モジュールが搭載可能な二次電池を含んだ無給電の電源モジュールの設計・開発を進めております。②空中触覚デバイスは、空中でさまざまな大きさや形の触感を作り出すことができ、操作パネルを見ることなく入力操作が可能なデバイスであります。今後、各種民生向けなどの市場拡大に向けて小型・薄型に対応した仕様の開発を進めております。さらにユーザ様のCPUなどを経由することなく、タッチパネルなど入力デバイスから検知信号を直接感知して空中触覚を発生させるシステムの採用により非常に利便性も向上いたします。(4)複合部品その他における研究開発①「ペルチェデバイスを用いた冷暖装置」を開発いたしました。ペルチェ効果で得られる吸熱と発熱を電流の大きさや電圧の極性を変えることで、自由に冷却と温めなどの温度制御を可能とした装置であります。可動部が無いため騒音振動が少なく小型軽量であり、さまざまな機器への搭載が可能であるため屋外使用のアウトドア及び作業従事用のウェアへの採用が見込まれております。また、フロンガスなどの冷媒を使用する必要がなく環境に配慮した製品であります。
FY2022|2,577 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,187百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 (1)機構部品における研究開発①高速伝送化が進む自動運転・先進安全システムに用いられるECU(Electronic Control Unit)や多チャンネル化と高帯域化が進む5G・V2X等の通信用ECUのインターフェース用途として、世界最小クラスサイズの「車載用超小型同軸コネクタ(クアッド対応)」を開発いたしました。ダイキャストハウジング構造を採用したレセプタクルは、自動車メーカーが求める高い堅牢性とEMC(Electromagnetic Compatibility)特性を高次元で両立するとともに、信号端子が隣接することによって発生するクロストークを制御する独自構造によって、広帯域化を実現いたしました。従来のシングルタイプ(HVE1282)を4個並列実装するのに対し、基板占有面積を約60%縮小でき、ECUのさらなる小型化に貢献いたします。また、多連コネクタ特有の課題である「コネクタ挿抜力の増大」も抑制いたします。4ポートのコネクタ接続を1回の嵌合で完了することができ、作業工程を低減いたします。次世代Ser/Des(Serializer/Deserializer)や次世代通信規格の周波数帯域を網羅するDC~10GHzの広帯域を確保しており幅広い用途に使用可能であります。(2)表示部品における研究開発①現在、太陽電池で主流のシリコン系太陽電池は高温プロセスを必要とするため、製造過程の電力消費量が大きく、生産コストが割高になっていることが課題でありました。ペロブスカイト型太陽電池は低温プロセスにより製造されるため、製造過程の電力消費量が小さく、主に有機材料を用いるため、生産コストの抑制が実現可能であります。加えて従来の有機系太陽電池よりも変換効率が高く、シリコン系も上回る性能が各研究機関から報告されており、軽量で柔軟性があるため、モバイル機器やIoT機器向け用途に適しております。将来、フィルム基材タッチパネルの製造ラインを活用することにより、フレキシブル太陽電池の量産も視野に入れ、ペロブスカイト型太陽電池事業に参入を計画しております。②Ultraleap Limited社が開発した空中触覚技術と当社のタッチパネルで培った技術を融合させた製品の量産化を進めるため、Ultraleap Limited社と共同開発に関する契約を締結いたしました。空中触覚技術は次世代自動車用HMI(Human Machine Interface)などに用いられることが想定されております。また、空中で様々な大きさや形の触感を作り出すことができ、運転中に操作パネルを見ずに入力操作できる「空中アイフリー操作」が実現可能な技術であります。空中触覚技術は、複数の小型超音波スピーカの集束超音波により、機器と非接触の空中で触感を生成させる技術で、自動車用途のほか券売機、トイレ、エレベータ、ATMなど様々な分野での製品開発を進めて参ります。③従来の静電容量式タッチパネルでは難しかった、反射率の低減と外光による見えにくさを改善した業界最高クラスの外光反射率0.4%を実現した自動車用「超低反射タッチパネル」を開発いたしました。従来の静電容量式タッチパネルはITOセンサの採用が一般的でしたが、本開発品は超低反射黒化Agメッシュセンサを採用し、カバーガラス、OCA(Optical Clear Adhesive)等の構成部材について光学設計の最適化により低反射を実現いたしました。また、メタルメッシュセンサの高感度特性に加え、偏光サングラス装着時の虹ムラ対策を行い、快適な操作性と高視認性を実現しております。④ダイヤルなどの入力デバイスを、タッチパネルの画面上に自由に装着できる「デバイス・キャプチャ・キャパシティブ・タッチパネル(Device Capture Capacitive Touch Panel)」を開発いたしました。ダイヤルスイッチの中央部をくり抜いた入力デバイスを設置することで、ダイヤルインディスプレイスイッチとして実現でき、入力デバイスとタッチパネルの組み合わせにより、視認性に加え、違和感のない操作性と良好な感触を実現しております。独自に開発したフォース・センシング機能により、入力デバイスの押し込み操作を付加でき、4チャンネルのGPIOを搭載することで、ホストコントローラを介することなく、タッチ、ダイヤル、押し込みなど各種操作に連動した操作フィードバック(音や振動など)を制御することが可能となっております。車内ヒータスイッチなど車載機器向け用途に加え、券売機や産業機器など操作性の良い入力デバイスとなっております。(3)複合部品その他における研究開発①Bluetooth バージョン5対応のBluetooth Low Energyモジュールを開発いたしました。モジュールの実装形態は端面スルーホール形式を採用することで、メイン基板への実装後のはんだ付け状態を容易に確認でき、実装強度、耐衝撃性に優れております。高性能なパターンアンテナを搭載しており、小型でありながら、安定した通信を実現しております。今後、Bluetooth バージョン5.1認証を取得予定で、Bluetooth 5.0から導入された2Mモードにも対応しております。また、無線認証は日本、米国、カナダの認可の取得を予定しております。センサビーコンや医療機器、玩具などのワイヤレスアプリケーション向けに最適な製品となっております。②無線通信基板上に防塵、防水用のシリコンコーティング剤を塗布すると一般的にアンテナ特性の劣化を招きますが、お客様指定のシリコンコーティング剤を使用し、アンテナチューニングを実施することで、アンテナ特性を最適化したBluetooth low energyモジュール技術を確立いたしました。無線通信品質評価試験で、他社汎用モジュールと比べて通信距離を3~4倍に延ばすことができ、安定した無線通信の実現が可能となっております。
FY2021|6,099 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,410百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 (1)機構部品における研究開発①車載機器向けに二重シールド構造の基板実装型同軸レセプタクルCMS1953を開発いたしました。独自の篏合構造を採用し、良好なロック感と堅牢性を実現いたしました。既に多くのカメラシステムで採用されている、業界最小クラスの小型中継プラグHPC1152と接続でき、配策自由度の向上にも貢献する設計となっております。動作温度範囲は-40~105℃で、5種類のキーバリエーションを取り揃え、統合ECUや全方位カメラシステムなどの複数個使いのニーズにも対応しております。車載用高速シリアルインターフェースの伝送用途をターゲットに、従来のアナログ信号用の同軸コネクタに対して、ブロードな周波数帯域とEMC対策の為の強固なシールド性能を確保しております。②高速デジタル信号(6Gbps)対応の車載カメラ用同軸コネクタのリアケースAssy(プラグ)CMS2300と小型レセプタクルCMS2200を開発いたしました。リアケースAssyは、全周囲に継ぎ目のないGNDシェル構造と、リアケース内部を遮蔽する独自構造のシールドケースを採用し、従来品と比べ大幅にEMC特性が向上いたしました。さらに理想的な同軸構造を維持するインピーダンスマッチングによって優れた反射特性を有しております。また、映像出力側篏合部の形状はISO20860に準拠しております。③スマートフォンや携帯電話用の小型・高出力ノイズフリーACアダプタを開発いたしました。充電用ACアダプタの小型、高出力の要望に応え、従来品と同等の小型サイズでありながら、スイッチング損失を低減する回路を採用することにより電力効率を向上し45Wの高出力化を実現いたしました。また、高周波帯域での低ノイズを実現し、端末の通信速度に影響を与えない設計としております。USB Power Delivery 3.0 PPS(Programmable Power Supply)対応の端末に接続して、より最適な出力への切り替えも可能であります。④GIGAスクール用輪番タイマー付きUSB充電器を開発いたしました。2系統電源により順番に充電し端末をタイマー設定した時間通りに効率よく充電することが可能であります。本体は持ち運びできるコンパクト設計で、1本の主電源ケーブルをコンセントにつなぐだけで、複数の端末を充電でき、ACアダプタや電源タップを省略でき省スペース化に貢献いたします。学習教室のほか公共施設や会社など、多数の端末を同時に充電する需要に応え、USBポート数は、端末利用人数に応じて、22、20、11、10ポートの4タイプをラインアップしております。⑤車載カメラ設置場所の自由度を高める車載カメラモジュール用の小型同軸プラグケーブルを開発し、ラインアップに追加いたしました。嵌合時のカメラケースからの突出量が10mm程度の低背化を実現しながら堅牢性と嵌合時の防水性を確保しており、独自のプラグシールド構造により6Gbpsの高速信号に対応できる優れた伝送性能とEMC性能を両立しております。カメラの設置場所によりストレートタイプとアングルタイプの2種類から選択できるほか、顧客要求に合わせたプラグ形状のカスタムメイドにも対応しております。また、車室内用途向けに非防水タイプも取り揃えております。⑥快適で静かな車内空間を実現するためにロードノイズキャンセル機能の搭載が進んでおり、ロードノイズを感知するにあたり、配線を減らしてハーネス重量を低減できるA2B(Automotive Audio Bus)デジタル通信対応デバイスを組み合わせ、車載用コネクタ一体型A2B加速度センサを開発いたしました。過酷な環境にある車軸付近への搭載を想定し、コネクタ一体型の筐体構造により防水性と耐久性を確保しております。 ⑦NFC技術を応用した小型小電力ワイヤレス充電システムを開発いたしました。キャリア周波数(搬送波周波数)が13.56MHzと高く、コイルの小型化が容易なため、ウェアラブル機器など小型化を求められる機器への採用に適しております。また、1つのコイルで給電とNFC通信が行える機能を備えており、電力を給電しながらセンシングデータを収集する用途にも応用でき、接点を省略できるため、防水・防塵設計が可能となっております。⑧高速デジタル信号伝送用に車載カメラ用フローティング機構付き同軸コネクタのリアケースAssyCMS2329を開発いたしました。独自のフローティング構造を採用することにより、レセプタクルとの嵌合位置ズレに対し、接続部中心から水平方向に0.4mm以内の位置ズレに従動し、垂直方向に±0.5㎜の位置ズレを吸収嵌合いたします。弊社小型レセプタクルCMS2200との組み合わせにより、嵌合に柔軟性を持たせた上で基板占有面積の省スペース化にも貢献いたします。さらに、全周囲に継ぎ目の無いGNDシェル構造と、独自構造のシールドケースを設け次世代SER/DESの6Gbps高速信号伝送にも対応しております。⑨高速伝送化が進む自動運転・先進安全システム用ECUや、多チャンネル化と高帯域化が進む5G・V2X等の通信用ECUのインターフェース向けに、広帯域・高EMC性能を備えた車載用超小型同軸コネクタを開発いたしました。ダイキャストハウジング構造を採用したレセプタクルは、高い堅牢性とEMC特性を両立させており、当社従来品と体積比50%以下の小型化と高密度実装に貢献し、小径設計のプラグは、φ10㎜の孔を通せることで配策の自由度を向上しております。また、次世代SER/DESや次世代通信規格の周波数帯域を網羅するDC~12GHzの広帯域を確保しており幅広い用途に使用可能であります。(2)音響部品における研究開発①長年培った音響部品、接続部品の技術に、EMC対策技術を活用し、A2B(Automotive Audio Bus)マイクロホンの新製品を開発いたしました。業界最高水準の低域20Hzまでフラットな周波数特性を持つ当社製MEMSマイクロホンユニットを搭載し、HF(ハンズフリー)/ANC(アクティブノイズキャンセリング)の共用が可能であります。ワイヤーハーネス付き1マイクタイプ(HHM1016)、指向性やノイズサプレッション効果を得られるワイヤー付き2マイクタイプ(HHM1005)、コネクタ一体型筐体構造で低価格化した小型タイプ(HHM1015)の3タイプを取り揃えております。②スマートフォンやヘッドホンなどの市場に向け、高性能MEMSマイクロホンユニットを開発いたしました。当社従来品と比べ、低THD(全高周波歪み率)特性を維持し、高SNR(信号対雑音比)を3~4dB向上させ、低周波数帯域の収音性を高めております。低周波数帯域特性のフラット化により、低音域の収音をはじめ、低周波数帯のノイズキャンセルにも活用可能であります。THDとSNRは業界最高レベルで、低消費電力モードを備え、製品の省電力化にも貢献いたします。③車載用途に対応した高音圧スピーカユニットHDR9440-013030を開発いたしました。車載メータパネルのウィンカー音や警告音用途だけでなく、火災報知器や警報器など様々な用途に使用可能であります。500~3350Hzまで幅広い帯域でのフラットな周波数特性を持ちながら110dB以上の高音圧を実現いたしました。耐熱高分子フィルム素材の振動系、耐熱性樹脂フレームを使用し、動作温度範囲は-40~105℃で、IATF16949に基づく開発・製造プロセス管理のもとに、安定した品質での生産を行っております。④車載ハンズフリーマイク、音声認識用に小型薄型ビームフォーミングマイクモジュールを開発いたしました。MEMSマイクロホンを採用し、ECMでは達成できない薄さを実現しております。動作温度範囲は-40~85℃で、周波数特性の安定化も確保し、電気的なロジック制御による指向性切り替え機能を備え、指向軸を180度対面2方向に切り替えて集音可能であります。(3)表示部品における研究開発①ウルトラリープ社との共同開発技術をもとに、画面に触れずに操作でき、同時に空中で操作感触を得られるエア フォースフィードバック タッチパネルを開発いたしました。単純なON/OFF操作だけでなく画面のアイコンを選択決定する一連の動作を空中で操作でき、各アイコンに合わせた触覚パターンを生成することにより、非視認状態で、どのアイコンを選択しているかを認識することが可能であります。②革調でありながらデッドフロント効果を持つ照光構成を実現可能な車載内装向けのタッチセンサモジュールを開発いたしました。手をかざすと革調表面の中から照光表示が現れ、タッチ操作が可能となります。複雑化するコックピット周辺の操作表示に対して、必要な時だけ現れることにより運転時に視界に入ることを回避し操作負荷を軽減するとともに、デザイン性の向上にも貢献いたします。高信頼な貼合技術、高感度設計技術、EMC対策技術を基に、表皮、センサ、照光、振動に関するトータルな設計・サポートが可能であります。③ドアハンドルに触れることにより、ドアの開錠信号を出力できる低消費電力タイプの静電容量式タッチセンサモジュールを開発いたしました。センサには、自己静電容量式と相互静電容量式のハイブリッドタイプを採用し、低消費電流対応(25µA)となっており、軽自動車や電気自動車などバッテリー負荷を軽減させたい車のドア開錠システムに適しております。また、厚さ5.6mmの低背タイプでありながらモジュール単体で防水構造を備えているため、ドアハンドル側での防水対策を省略することが可能であります。 ④画面に触れずに空中操作が出来、接触操作も可能な空中操作+抗ウィルスタッチパネルを開発いたしました。全ての基本操作を空中で完結できるように、空中ボタン選択、決定がストレス無く扱える赤外線方式の高精度タッチスクリーンを搭載いたしました。また、タッチパネルに直接触れても操作が出来るハイブリッドタイプといたしました。パネル表面には99.99%のウイルスを不活性化する抗ウイルス処理を施しており、トイレ、エレベータ、ATM、OA機器など、非接触操作が要求される製品に向けて開発いたしました。⑤インストルメントパネルの多目的表示に伴うタッチパネルの大型化に向け、1パネルで大型フルスクリーン表示を可能にする28インチ ウルトラワイドシームレス タッチパネルを開発いたしました。1枚のシームレスタッチパネルとすることで継ぎ目の無い1画面表示を可能とし、さらに2、3画面同時に分割して使用し、地図やモニター、車両情報など自由度をもたせ、デザイン性に優れたインストルメントパネルを実現可能であります。また、高感度メタルメッシュによる信頼性の高いタッチ機能を持ち、偏光サングラス装着時の虹ムラ対策に加え、狭額縁化にも対応しております。(4)複合部品その他における研究開発①車載用途向けSoC(System on Chip)タイプのBluetooth Low EnergyモジュールHRM3012を世界に先駆けて開発いたしました。SoCを含む全ての搭載部品は、AEC-Q認定取得部品を採用し、モジュール自体もIATF16949に基づく開発・製造プロセス管理のもとに生産しております。ホストCPU無しで様々なアプリケーションを組み込むことができ、また高性能なパターンアンテナの搭載により小型でありながら安定した通信品質を確保しております。動作温度範囲は-40~105℃で、モジュール形態は端面スルーホール形式を採用し、メイン基板へ実装後のはんだ付け状態を容易に確認することが可能であります。②シリアル通信が可能なソフトウェアを搭載したBluetooth Low Energy モジュールを開発いたしました。外部 MCU(Micro Controller Unit)とUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)で接続し、通信相手と任意のデータを送受信することが可能であります。また、セントラル、ペリフェラル両方の機能を持ち、スマートフォンやPC相手だけでなく、モジュールを組み込んだ製品同士での通信用途にも利用可能で、セントラルモードでは、最大8台のペリフェラル機器との同時接続が可能であります。③工場内ネットワークや工作機械・ロボットにおけるイーサネット信号の無接点通信化のニーズに応え、多値のイーサネット信号と2値のNRZ信号を相互変換し、無接点高速通信モジュールと組み合わせ、イーサネット信号での無接点通信を可能にするモジュールキットを開発いたしました。ユーザのセット仕様に合わせて、モジュールサイズや無接点通信距離等のカスタマイズ、相互変換モジュールと無接点通信モジュールの一体化も可能であります。また、チャンネル間の干渉を軽減する独自の設計を用いて全二重通信を実現し、キットの無接点通信モジュールは無限回転可能な構造となっております。④当社独自で、水の侵入経路となる音孔が無い構造を実現しながらも、一般的な音孔があるマイクロホンと同等性能を確保して、世界初のIPX9K対応可能な完全防水マイクロホンユニットの開発を実現いたしました。無音孔マイクロホンを使用することで、外気にさらされた過酷な環境下でもマイクロホンの集音が高品質で可能となり、さらに音声認識技術と融合させることで、各種用途での使用が可能となり、車載用に限らずあらゆる分野の機器への搭載が可能となっております。特に車室外用途での高圧洗浄機による洗車等の使用環境に耐えうる構造となっております。⑤GPSが届かない屋内での位置測位技術として、Bluetooth 5.1で発表されたAoA(Angle of Arrival)にて方向検知が可能な、Bluetooth Low Energyマルチアンテナモジュールを開発いたしました。モジュールにはアンテナを6本搭載しており、各アンテナで受信した電波の位相差を独自のアルゴリズムを用いて到来角を算出し、マルチパスによる誤検知やノイズを除去することで静止時、移動時を問わず安定して通信相手の方向を検知し、電波到来角をモジュール正面から±75度の範囲で検知可能であります。また、モジュールの制御用としてUARTインターフェースを用意しており、外部ホスト機器からBluetooth接続や検知処理の実行・停止等を行うことが可能となっております。
FY2020|676 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,371百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。・ 機構部品における研究開発 車載用コネクタは、データの大容量化や高速化、リアルタイム性により一層の高速伝送対応が求められています。10年前にはほとんどアナログ伝送方式であったディスプレイやカメラのインターフェースは、数年毎に倍々のペースで高速化し、最近では4~6Gbpsの車載用高速インターフェースが登場しています。当社では、その様な車載インターフェースの急速な高速化のニーズに対応すべく、様々な高速伝送用コネクタを開発いたしました。CMS1953は、独自構造の堅牢な同軸デジタル信号伝送用コネクタで、車載特有の厳しい機械的特性と高速伝送特性を両立し、当社独自の中継コネクタと共に、全方位カメラを含むECU等での採用が進んでいます。CMS2200は車載カメラ用の小型の基板実装同軸コネクタで、実装時の専有面積を縮小し、カメラの小型化と高速伝送の要求に対応しています。IPX9K対応のリアケースコネクタ(CMS230Xシリーズ)と防水FAKRAソケットケーブル(HPC234Xシリーズ)をラインナップし、カメラの防水仕様を満足すると共に、カメラ~ECU間の伝送路をトータルで提供・サポートしています。これらの新製品は、いずれも、6Gbps以上の高速デジタル信号伝送に対応しており、次世代の高速インターフェース用途での開発を進めています。
FY2019|1,122 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,329百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。(1) 機構部品における研究開発① ウェアラブル端末などの小型機器向けに「磁界共鳴方式の超小型無接点充電器」を開発いたしました。磁界共鳴方式により、送受信コイルの位置依存性を低減し、充電距離10mmまでの無接点給電を可能にいたしました。複数の機器を同時に充電でき、電磁誘導方式では困難であった自由度の高い充電位置での小型機器への給電を可能にし、受電ユニットは、独自の受電コイルの極小化技術と小型リチウムイオン電池の内蔵により超小型化を進めており、無接点化によるセットの防水性を高めるためには効果的であります。(2) 複合部品その他における研究開発① 当社はアゼアス株式会社と共同して、当社のMEDiTAGおよびクラウドシステムを活用して、アゼアス社が展開する「アゼアス・スマート・プロテクション・システム(“ASPS”)」のサービス提供を行います。ASPSは現場で働く作業者の身を守るための防護服などで防護された環境下で、熱中症などにつながる心身への負荷や健康・安全への取り組みを支援するため、高性能なリストバンド式のバイタルモニタービーコンMEDiTAGが、着用者の心拍数や姿勢などのデータをリアルタイムでモニターしながら、解析した結果をゲートウェイ経由でクラウドに蓄積し、体調やストレスの変化をPC画面などに表示し、アラートを通知することで着用者の安全をサポートするものとなっております。② 凸版印刷株式会社が提供するBluetooth技術による位置情報とネットワークカメラによる映像データを組み合わせ、人や資材の動態を可視化し、作業員の労務状況を分析できるサービス「ID-Watchy」に当社製のリストバンド型生体センサMEDiTAGを連携させることにより、作業員の健康状態を把握できる機能を追加した「ID-Watchy Bio」を開発いたしました。労務状況の分析と連携してデータを活用し、企業の健康経営につなげることが可能となります。③ Nordic<nRF52832>のWLCSP(wafer-level chip-scale package)を採用したBluetooth low energyモジュールHRM1079の量産出荷を開始いたしました。従来品と比較して基板占有面積比約45%を実現しており、小型化が求められるビーコン端末等のニーズに応える設計となっております。広い通信範囲、低消費電力を特徴としております。
FY2018|1,159 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は23億95百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。(1) 音響部品における研究開発① 磁気回路及び振動板の最適化設計により、当社従来品より薄型で高音圧の車載用マイクロスピーカユニットを開発いたしました。外形寸法はφ28×5mmで当社従来品より1mm薄型化しております。また、音圧を3dB高めております。車載用に求められる薄型化・高音圧化によりETCやクラスタモジュールに最適なスピーカユニットとなっております。② 車載用ETCやクラスタモジュール用の部品は組立工程に自動機での実装が求められており、自動組み立てに最適な板バネ接点とスナップフィットにより、自動機での実装を可能にしたマイクロスピーカを開発いたしました。背室容積付きにより、セット側の筐体構造に左右されない音響特性のため、使用状態に応じた音響特性の調整が不要となっております。③ ステレオマイクロホンやノイズキャンセルマイクロホンといったマイクロホンを複数利用する用途に感度公差±1dBに抑え、低歪、低消費電力、高SN比、小型タイプを揃えたMEMSマイクロホンユニットのラインナップを充実させました。(2) 複合部品その他における研究開発① オフィスや工場のスタッフなど人の所在を解析し、位置情報の見える化を実現するBLE(Bluetooth low energy)ビーコン位置測位システムの販売を開始しました。BLEビーコンから受信した電波強度情報をクラウドサーバにて演算処理し、WEBアプリ上で位置情報を提供するシステムであります。オフィスや工場での業務改善や作業効率の向上、出退勤管理、労務管理、子供や高齢者の見守りなどに活用できます。② BLEビーコン「MEDiTAG」のサービスを開始しました。この「MEDiTAG」から受信した電波強度情報をクラウドサーバにて演算処理し、Webアプリ上で位置情報を提供すると同時に、脈拍・ストレスレベル・歩数・消費カロリ・転倒をクラウド経由でリアルタイムにモニタリングが可能で、脈拍、転倒についてはアラーム通知としてMail配信も可能なシステムであります。子供や高齢者の見守り、工場での安全衛生及び業務改善や作業効率の向上、人事ソリューションなど幅広い活用が期待されます。また、今後はこのIoTクラウドシステムを軸に、リストバンド型のみではなく、ヒアラブル型などウェアラブルセンサーデバイスを開発し、MEDiTAGシステムのサービスにアドオン、さらには位置測位精度の向上、蓄積されたデータのAI解析など、さらなるサービスの拡充を予定しております。
FY2017|1,165 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は22億7百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。(1) 機構部品における研究開発① 自動車内で扱われる高速伝送用コネクタの需要増とUSB Type-C規格及びType-Cコネクタ搭載機器の普及拡大を見据え、USB Type-C規格のフルフィーチャーに対応し、10Gbpsの高速信号伝送が可能な「車載用USB Type-C信号対応24Pinコネクタ」を開発いたしました。② 金属接点を用いた機械的接合の腐食・摩耗などの耐性問題を解決するため電磁界結合方式による電気的結合の無接点通信コネクタモジュールを開発いたしました。無線通信の伝搬遅延や相互接続性などの問題を解決することにより、従来のコネクタに置き換わる接続手段として提案できる技術であります。(2) 音響部品における研究開発① 高音質音楽プレーヤの普及に合わせ、5~45,000Hzの広帯域周波数特性のハイレゾ対応ヘッドホンを開発いたしました。ネオジウムマグネットドライバユニットやCCAWボイスコイルの採用により、高出力音圧と高レスポンスの音源再生を可能にしております。約180gの軽量設計と折り畳み、高級感のあるデザインを採用しております。② 高音質携帯音楽プレーヤのブームに合わせ、5~45,000Hzの広帯域周波数特性のハイレゾ対応イヤホンを開発いたしました。ネオジウムマグネットドライバユニットの採用により、高出力音圧と高レスポンスの音源再生を可能にしております。ハイレゾ対応による高音域帯のみを強調させることなく、低音域帯とのバランスを考慮したチューニングを施し、音源を選ばないナチュラルでクリアな音質と質感の向上を実現しております。筐体は低価格を実現した樹脂タイプと高級感のあるアルミタイプを揃えております。③ 高音質ハイレゾイヤホンに真鍮ハウジングを採用したモデルを開発いたしました。真鍮ハウジングは削り出し加工により、筐体の不要な振動を抑え、低域から高域まで歯切れの良いクリアな聴感を実現しております。また、真鍮素地に微細なヘアラインを施し、高級感のある外観に仕上げております。(3) 複合部品その他における研究開発① 市場需要が急速に高まりつつあるBluetooth low energy technologyに対して次世代チップを採用した無線モジュールを開発いたしました。従来製品と比較して内蔵プロセッサの性能が飛躍的に向上している一方で消費電流は約半分に抑えられており、過去より培っている高性能アンテナ設計のノウハウと融合させることで長距離通信と低消費電力化の両立を可能にしております。
FY2016|1,111 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は22億12百万円であります。また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。(1) 機構部品における研究開発① 自動車のドアハンドル部に組込むリクエストスイッチを開発いたしました。スイッチユニット部の標準化とラバー部及びケース部のカスタム対応を可能にすることで、小型で汎用性の高いIPX8相当の完全防水構造を実現しております。② 車載用途向けにUSB3.1Gen1対応コネクタを開発いたしました。今回開発したコネクタは5Gbpsの伝送速度、定格3Aの給電を可能としております。また、勘合保持力とEMC性能を確保し、車載製品に求められる仕様を満足しております。車両組立時の配線工数削減を目的とした2連モデルも開発いたしました。(2) 音響部品における研究開発① ハイレゾ音源の高音質なヘッドホン需要の高まりに対応し、デジタル信号処理技術Dnoteを採用したフルデジタルヘッドホンを開発いたしました。デジタル信号を直接スピーカに入力することで、外部ノイズの影響を受けにくく、高出力音圧・高レスポンスな再生が可能で、高音質・低歪みを実現しております。USBバスパワー駆動により、バッテリーが不要で、世界最軽量のデジタルヘッドホンであります。② 高音圧環境下で歪率を低減したデジタルMEMSマイクロホンユニットを開発しました。今回開発したデジタルMEMSマイクロホンユニットは、入力音圧130dBの高音圧下で歪率2%まで低減し、クリアな集音を実現しております。また、プログラマブルASICを搭載することで、感度公差を±3dBから±1dBに抑え、Standard/Low Power/Sleepの3つの消費電力モードに対応し、低消費電力化を図っております。③ 当社従来品と比較して体積比で約75%に小型化したリバース音孔タイプアナログMEMSマイクロホンユニットを開発いたしました。プログラマブルASICを搭載することで、感度公差を±3dBから±1dBに抑え、SN比を62dB(typ.)から65dB(typ.)に高性能化を実現しております。(3) 複合部品その他における研究開発① 当社従来品と比較すると、消費電力を約半減したBluetooth Smartモジュールを開発いたしました。このモジュールは長期間にわたる保守・メンテナンスが求められるIoT/IoE市場において最適のモジュールとなっております。通信距離が短い場合、無線出力を低く設定することで、電池寿命を長くすることができます。