事業等のリスク
シャープグループは、世界経済の動向や新型コロナウイルス感染症の影響による消費・設備投資の変動、競合激化、原材料価格の変動など、グローバルな市場環境に業績が左右されるリスクがあります。また、海外売上高の割合が高いため、為替変動の影響も受けやすいです。特に「8Kエコシステム」セグメントへの売上依存度が高く、特定顧客への販売比率も高いため、これらの需要減少や競争激化が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、親会社グループとの事業シナジーが想定通りに進まない場合や、親会社グループの戦略変更が経営に影響を与える可能性、借入金比率が高く金利上昇や資金調達の制約が財務に影響を及ぼす可能性も抱えています。
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FY2025|8,512 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 有価証券報告書に記載した「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、米国の関税政策や各国の対抗措置による貿易摩擦の激化や世界経済の不確実性の高まり等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向等の当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行い、最新の状況を分析することによりその都度必要なリスク対応を決定しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2024年3月期66.7%、2025年3月期59.4%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) デバイス事業については、顧客の仕様にカスタマイズした製品供給という事業の特性上、顧客との取引においてある程度の顧客依存が生じる傾向があります。このため、大口顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、大口顧客の営業戦略の変更等を理由として、当社グループの販売が落ち込み、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) デバイス事業においては、特定の大口顧客への売上依存を避けるため、技術力の強化や顧客基盤の拡大を図ります。また、比較的特定顧客に対する依存度が低いブランド事業においては、高付加価値商材の売上比率拡大や顧客基盤の維持拡大により既存事業を強化すると共に、新たな技術の活用や成長領域での新規事業の立上げ等を加速することで、さらなる事業成長に取り組みます。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績及び財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 調達先との取引について(リスク) 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービスなどの提供を受けております。 地政学的リスクの高まりから、サプライチェーンの混乱が懸念されることや労務費、原材料やエネルギー価格の上昇に伴い取引先の業績が悪化し、供給業者が限られている部材に関しては、十分な供給が受けられないことも考えられます。また、サステナビリティの高まりから人権・環境問題や法規制にも注視していく必要があります。 このような状況に対応すべく、複数社購買戦略をとるも最適な調達先を見いだせない場合や、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があります。 これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 取引の開始に際しては、十分な信用調査のうえ取引を行っています。また、取引先経営診断を行い経営状態を把握しております。サプライチェーン全体におけるリスク対応のため、サプライチェーンCSR管理システムを導入し、国内・海外生産拠点のサプライヤーの評価を定期的に実施しております。さらに、部材等の安定確保及び調達価格の適正化のため、複数社購買や部材の長期枠取りなどサプライヤーとのパートナーシップ強化を推進しております。 ⑦ 財務状態に及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末では35.6%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後、当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合、又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回った際に当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合や、当社ないし連結子会社が債務超過となった場合等、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行、㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる金融機関であり、両行に対して経営状況・財政状態等の情報共有を行い、必要に応じて改善策等に関する相談を行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に情報共有等を行っております。取引金融機関との良好な関係を保ち、当社グループの主要な借入契約である当社のシンジケートローン契約やコミットメントライン契約等、借入金契約の維持・継続をすることで、資金の安定化を図っております。(継続企業の前提に関する重要事象等) 当社グループは、当連結会計年度に大型ディスプレイ事業(堺ディスプレイプロダクト㈱)の生産を停止し、液晶パネル工場関連の土地・建物等についてソフトバンク㈱への売却を完了いたしました。さらに、カメラモジュール事業、レーザー事業及び半導体事業について、親会社である鴻海精密工業股份有限公司の子会社と譲渡契約を締結し、2024年5月に中期経営方針で掲げた「デバイス事業のアセットライト化」を着実に実行しました。また、ブランド事業に集中した事業構造転換の方針のもと、中小型ディスプレイ事業でも工場の最適化等を推進したことでディスプレイデバイス事業の営業赤字が大幅に縮小すると同時に、ブランド事業では着実に利益が伸長したことから、当連結会計年度の営業利益は27,338百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は36,095百万円となり、連結純資産は167,709百万円(前期比+6.5%)まで回復いたしました。 このように財務改善は進んでいるものの、当連結会計年度末において当社及び一部の連結子会社の債務超過が、借入契約の財務制限条項に抵触いたしました。しかしながら、借入先金融機関から期限の利益喪失の請求は行わない旨の承諾を得られており、上述の取り組みに一定の評価を頂くなど、従来通り良好な取引関係を継続できております。さらに、借入総額200,000百万円のコミットメントラインも締結していることから、資金繰りに重要な懸念はないと判断しております。 以上より、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないことから「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。 ⑧ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、国際的な安全保障の観点から先端技術の輸出管理を強化する動きがあり、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の輸出制限により、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、社会の急激な変化に伴う課題の解決に向けた技術創出に取り組んでおり、特にエッジとクラウドAIを組み合わせた独自AI技術「CE-LLM※」によるAI応用や、次世代通信技術、Green Energy、EV等の成長分野に注力しています。また、必要な技術をいち早く社会実装していくため、これまで構築してきた事業基盤を有効に活用し新たなサービスやソリューションの創出を進めるとともに、積極的な社外連携により技術力の強化・開発加速を進めています。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令遵守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ※CE-LLM(Communication Edge - Large Language Model)はシャープの登録商標です。 CE-LLMとは迅速な応答性や強固な安全性を強みとする「エッジAI」と、深い思考力や広い汎用性を強みとする「クラウドAI」を用途に応じて切り替えて活用する当社独自の技術です。 ⑨ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるシャープIPインフィニティ㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑩ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑪ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 ⑫ 気候変動の影響について(リスク) 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加、温室効果ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、気候変動による台風の大型化や降水量の増加がもたらす災害は、当社の生産拠点の稼働停止や部品供給途絶等を引き起こす可能性があります。(対応策) 既存の規制や基準の遵守を徹底するとともに、常に法規制動向の把握に努め、政策立案の機会などにも参画しています。また、生産の効率化や省エネルギー化を進めることで、コスト負担の軽減や最小化を図っています。さらに、自然災害などで生産拠点や従業員などが被災した場合に備えて事業継続計画を策定し、定期的な見直しや訓練によって組織の事業継続能力の維持・改善を図っています。 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価を見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、重大なリスク事案が発生した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部及び経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
FY2024|8,747 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 当社グループは、巣ごもり特需の反動減やエネルギーコストの上昇、インフレの加速、急激な円安等の厳しい事業環境下、将来に亘って成長し続けるために、デバイス事業ではアセットライト化、ディスプレイデバイスの抜本的な収益改善を進めるとともに、ブランド事業に集中した事業構造の構築、新たな成長モデルの確立に取り組んでおります。これらの取り組みを進めるなかで想定される「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、世界的なインフレによる物価高、欧米における金融引締めの長期化から耐久消費財の需要を下押しする可能性、中国の不動産市場の停滞に起因する中国の個人消費の伸び悩み等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向等の当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行い、最新の状況を分析することによりその都度必要なリスク対応を決定しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2023年3月期68.6%、2024年3月期66.7%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) 当社グループのデバイス事業の売上高は当社グループの売上高の半分程度を占めているため、関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループのデバイス事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更等を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、従来のハードウエア事業の拡大による既存事業分野の維持・拡大に加え、より高付加価値となる新規サービス・ソリューションの立上げによるビジネスモデルの転換推進、グローバル事業拡大の加速、及びB2C・B2B市場の両面展開等により、競争優位を目指してまいります。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績および財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 調達先との取引について(リスク) 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービスなどの提供を受けておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、米中対立やウクライナ情勢などの世界情勢、労務費、原材料やエネルギー価格の上昇による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに、一部の部材等において供給業者が限られていること等により、調達先から部材等が十分に供給されないことが考えられます。 そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 調達先については、十分な信用調査のうえ取引を行っています。また、サプライチェーンにおけるリスク対応のため、サプライチェーンCSR管理システムを導入し、国内・海外生産拠点のサプライヤーの評価を定期的に実施しており、教育徹底や指導等を継続して行っています。さらに、部材等の安定確保及び調達価格の適正化のため、部材の長期枠取りなどサプライヤーとのパートナーシップを強化するとともに、複数社購買を推進しております。 ⑦ 財務状態に及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末では36.1%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後、当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合、又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回った際に当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合や、当社ないし連結子会社が債務超過となった場合等、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行、㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に経営状況につき情報の共有を図っております。必要に応じて都度対応を協議できる体制を構築しており、取引金融機関との良好な関係を保ち、借入金の維持・継続を図っております。 なお、安定した資金調達のため、当社グループの主要な借入契約である当社のシンジケートローン契約は、2026年4月までの長期借入契約となっており、主力2行との間で借入総額200,000百万円のコミットメントライン契約も締結しております。(継続企業の前提に関する重要事象等) PC・タブレット向け中小型液晶の需要回復の遅れなどディスプレイデバイスの不振により、当連結会計年度において減損損失122,332百万円などを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は149,980百万円となり、連結純資産は157,424百万円(前期比△29.2%)まで減少しました。また、当社グループの連結純資産及び連結経常利益が一定水準を下回り、当連結会計年度末において当社及び一部の連結子会社が債務超過になったことは、借入契約の財務制限条項に抵触いたしましたが、借入先金融機関からは、期限の利益喪失の請求は行わない旨の承諾を得られており、従来通り良好な取引関係を継続できる見通しです。 また、事業面においては、赤字の要因となった大型ディスプレイ事業(堺ディスプレイプロダクト㈱)の生産停止や中小型ディスプレイ事業の生産能力縮小及び人員適正化などの構造改革を断行するとともに、ブランド事業における特長商品/新規カテゴリー商材の創出、海外事業の強化など収益力向上に引き続き取り組んでまいります。 減損損失は資金流出を伴う損失ではないこと、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを足し合わせたフリー・キャッシュ・フローは135,371百万円のプラスを確保できていることから、当面の運転資金及び投資資金において、資金繰りに重要な懸念はないと判断しております。したがって、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないことから「継続企業の前提に関する注記」には該当しておりません。 ⑧ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、国際的な安全保障の観点から先端技術の輸出管理を強化する動きがあり、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の輸出制限により、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、社会の急激な変化に伴う課題の解決に向けた技術創出に取り組んでおり、特にエッジAI技術の応用展開を核に、カーボンニュートラル、インダストリーDX、デジタルヘルスケア等の成長分野に注力しています。また、必要な技術をいち早く社会実装していくため、これまで構築してきた事業基盤を有効に活用し新たなサービスやソリューションの創出を進めるとともに、積極的な社外連携により技術力の強化・開発加速を進めています。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令遵守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ⑨ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるシャープIPインフィニティ㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑩ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑪ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 ⑫ 気候変動の影響について(リスク) 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加、温室効果ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、気候変動による台風の大型化や降水量の増加がもたらす災害は、当社の生産拠点の稼働停止や部品供給途絶等を引き起こす可能性があります。(対応策) 既存の規制や基準の遵守を徹底するとともに、常に法規制動向の把握に努め、政策立案の機会などにも参画しています。また、生産の効率化や省エネルギー化を進めることで、コスト負担の軽減や最小化を図っています。さらに、自然災害などで生産拠点や従業員などが被災した場合に備えて事業継続計画を策定し、定期的な見直しや訓練によって組織の事業継続能力の維持・改善を図っています。 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価を見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、重大なリスク事案が発生した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部および経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
FY2023|8,522 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、年間黒字達成に向け、全社で開源節流を徹底するとともに、ブランド事業を主軸とした事業構造の構築に向け、新規事業の具体化加速や“Be a Game Changer”を実現する革新技術、革新デバイスの開発等に取り組むなかで想定され、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 足元では、ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレの進行、各国における金融引締めなどから景気が減速し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向等の当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行い、最新の状況を分析することによりその都度必要なリスク対応を決定しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2022年3月期67.2%、2023年3月期68.6%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) 当社グループのデバイス事業の売上高は当社グループの売上高の半分程度を占めているため、関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループのデバイス事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更等を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、従来のハードウエア事業の拡大による既存事業分野の維持・拡大に加え、より高付加価値となる新規サービス・ソリューションの立上げによるビジネスモデルの転換推進、グローバル事業拡大の加速、及びB2C・B2B市場の両面展開等により、競争優位を目指してまいります。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績および財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 調達先との取引について(リスク) 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービスなどの提供を受けておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、米中対立やウクライナ情勢などの世界情勢、原材料やエネルギー価格の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに、旺盛な需要による半導体の逼迫や一部の部材等において供給業者が限られていること等により、調達先から部材等が十分に供給されないことが考えられます。 そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 調達先については、十分な信用調査のうえ取引を行っています。また、サプライチェーンにおけるリスク対応のため、サプライチェーンCSR管理システムを導入し、国内・海外生産拠点のサプライヤーの評価を定期的に実施しており、教育徹底や指導等を継続して行っています。さらに、部材等の安定確保及び調達価格の適正化のため、部材の長期枠取りなどサプライヤーとのパートナーシップを強化するとともに、複数社購買を推進しております。 ⑦ 財務状態に及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末では39.9%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後、当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合、又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回った際に当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合や、当社ないし連結子会社が債務超過となった場合等、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行、㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に経営状況につき情報の共有を図っております。必要に応じて都度対応を協議できる体制を構築しており、取引金融機関との良好な関係を保ち、借入金の維持・継続を図っております。 なお、安定した資金調達のため、当社グループの主要な借入契約である当社のシンジケートローン契約は、2026年4月までの長期借入契約となっており、主力2行との間で借入総額200,000百万円のコミットメントライン契約も締結しております。(継続企業の前提に関する重要事象等) 当連結会計年度において、大型液晶パネルの市況悪化などから減損損失220,553百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は260,840百万円となり、連結純資産は222,362百万円(前期比△52.6%)まで減少しました。また、当連結会計年度末における一部の連結子会社の債務超過は、当社のシンジケートローン契約において、借入先金融機関が期限の利益の喪失を請求できる事由に該当しました。しかしながら、借入先金融機関からは、当該事由発生に基づく期限の利益喪失の請求は行わない旨、承諾頂いており、従来通り良好な取引関係を継続できる見通しです。 また、事業面においては、将来の持続的成長に向け、ブランド事業を主軸とした事業構造の構築、新規事業の具体化加速、“Be a Game Changer”を実現する革新技術/デバイスの開発に取り組むことで、2024年3月期からの黒字化を目指しております。 減損損失は資金流出を伴う損失ではないこともあり、当面の運転資金及び投資資金において、資金繰りに重要な懸念はないと判断しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在するものの、重要な不確実性は認められないことから「継続企業の前提に関する注記」には該当しておりません。 ⑧ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、国際的な安全保障の観点から先端技術の輸出管理を強化する動きがあり、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の輸出制限により、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、社会の急激な変化に伴う課題の解決に向けた技術創出に取り組んでおり、特にデジタルヘルスケア、カーボンニュートラル、インダストリーDX等の成長分野に注力しています。また、必要な技術をいち早く社会実装していくため、これまで構築してきた事業基盤を有効に活用し新たなサービスやソリューションの創出を進めるとともに、積極的な社外連携により技術力の強化・開発加速を進めています。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令順守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ⑨ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるScienBiziP Japan㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑩ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑪ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 ⑫ 気候変動の影響について(リスク) 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加、温室効果ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、気候変動による台風の大型化や降水量の増加がもたらす災害は、当社の生産拠点の稼働停止や部品供給途絶等を引き起こす可能性があります。(対応策) 既存の規制や基準の遵守を徹底するとともに、常に法規制動向の把握に努め、政策立案の機会などにも参画しています。また、生産の効率化や省エネルギー化を進めることで、コスト負担の軽減や最小化を図っています。さらに、自然災害などで生産拠点や従業員などが被災した場合に備えて事業継続計画を策定し、定期的な見直しや訓練によって組織の事業継続能力の維持・改善を図っています。 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させるステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価・得点化・優先ランク付けを見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、特定リスクが顕在化した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部および経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
FY2022|8,244 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、「ブランド事業を主軸とした事業構造の構築」、「事業ビジョンの具現化」、「財務基盤の強化、社債市場への復帰」の3つの取り組みをベースとしつつ、“ESGに重点を置いた経営”、具体的には、「健康関連事業のさらなる強化」、「カーボンニュートラルへの貢献」、「人(HITO)を活かす経営」、「真のグローバル企業へ」の4つに重点的に取り組むなかで想定され、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う個人消費及び企業による設備投資の動向、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動等は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、ウクライナ情勢を始めとする政治的・経済的な社会情勢や世界経済の低迷から受ける影響の増加、米中貿易摩擦等の貿易問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向等の当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行い、前回報告との変動を分析することによりその都度必要なリスク対応を決定しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2021年3月期64.4%、2022年3月期67.2%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) 当社グループのデバイス事業の売上高は当社グループの売上高の半分程度を占めているため、関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループのデバイス事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更等を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、従来のハードウエア事業の拡大による既存事業分野の維持・拡大に加え、より高付加価値となる新規サービス・ソリューションの立上げによるビジネスモデルの転換推進、グローバル事業拡大の加速、及びB2C・B2B市場の両面展開等により、競争優位を目指してまいります。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績および財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 調達先との取引について(リスク) 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービスなどの提供を受けておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、新型コロナウイルスの感染拡大、米中対立やウクライナ情勢などの世界情勢、原材料やエネルギー価格の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに、旺盛な需要による半導体の逼迫や一部の部材等において供給業者が限られていること等により、調達先から部材等が十分に供給されないことが考えられます。 そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 調達先については、十分な信用調査のうえ取引を行っています。また、サプライチェーンにおけるリスク対応のため、サプライチェーンCSR管理システムを導入し、国内・海外生産拠点のサプライヤーの評価を定期的に実施しており、教育徹底や指導等を継続して行っています。さらに、部材等の安定確保及び調達価格の適正化のため、部材の長期枠取りなどサプライヤーとのパートナーシップを強化するとともに、複数社購買を推進しております。 ⑦ 財務状態に及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末現在32.0%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が当該財務制限条項に違反する場合、その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に経営状況につき情報の共有を図っております。必要に応じ都度対応を協議できる体制を構築しており、取引金融機関との良好な関係を保ち、借入金の維持・継続を図っております。 会社業績の回復による営業キャッシュ・フローの回復、効率を重視した投資を徹底して行うことによる投資キャッシュ・フローの管理により、フリー・キャッシュ・フローの改善に努めております。格付の早期回復により、間接金融偏重から直接金融による資金調達を可能とする環境整備の取り組みを行っております。 ⑧ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、国際的な安全保障の観点から先端技術の輸出管理を強化する動きがあり、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の輸出制限により、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、3つの事業グループ連携のもと、One SHARPで「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」の実現に向けた研究開発に取り組んでおります。これまで構築してきた事業基盤を有効に活用し、新たなサービスやソリューションを本格展開するとともに、健康・医療・介護分野の新規事業創出のための研究開発の加速を図りました。社会の急激な変化に伴い技術に対する評価も大きく変動することから、社会課題をいち早く捉えた研究開発を推進しております。 また、ソリューション事業への変革を続けていくために必要な新領域の技術力強化においては、自社のみの研究開発に拘らず、積極的に社外連携し、研究開発の加速を進めております。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令順守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ⑨ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるScienBiziP Japan㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑩ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑪ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 ⑫ 気候変動の影響について(リスク) 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加、温室効果ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、気候変動による台風の大型化や降水量の増加がもたらす災害は、当社の生産拠点の稼働停止や部品供給途絶等を引き起こす可能性があります。(対応策) 既存の規制や基準の遵守を徹底するとともに、常に法規制動向の把握に努め、政策立案の機会などにも参画しています。また、生産の効率化や省エネルギー化を進めることで、コスト負担の軽減や最小化を図っています。さらに、自然災害などで生産拠点や従業員などが被災した場合に備えて事業継続計画を策定し、定期的な見直しや訓練によって組織の事業継続能力の維持・改善を図っています。 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させるステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価・得点化・優先ランク付けを見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、特定リスクが顕在化した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部および経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
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2【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、「強いブランド企業“SHARP”」の早期確立に向け、「ブランド事業を主軸とした事業構造の構築」、「事業ビジョンの具現化」、「社債市場への復帰」の3つの取り組みを重点的に推進していくなかで想定され、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う個人消費及び企業による設備投資の動向、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動等は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢や世界経済の低迷から受ける影響の増加、米中貿易摩擦等の貿易問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向等の当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行っており、前回報告との変動を分析することによりその都度必要なリスク対応が決められています。その上で重要な業務執行の判断が必要な場合は、重要な業務執行に関する審議・意思決定機関である経営戦略会議に上程して審議しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2020年3月期65.6%、2021年3月期64.4%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) 当社グループの8Kエコシステムセグメントの売上高は当社グループの売上高の半分程度を占めているため、関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループのスマートライフ及び8Kエコシステムセグメントの一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更等を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、従来のハードウエア事業の拡大による既存事業分野の維持・拡大に加え、より高付加価値となる新規サービス・ソリューションの立上げによるビジネスモデルの転換推進、グローバル事業拡大の加速、及びB2C・B2B市場の両面展開等により、競争優位を目指してまいります。 なお、2021年度第1四半期以降、セグメント区分の変更を予定しています。詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載のとおりであります。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績および財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 調達先との取引について(リスク) 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービスなどの提供を受けておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、新型コロナウィルスの感染拡大、米中貿易摩擦等の貿易問題、原材料の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに、旺盛な需要による半導体の逼迫や一部の部材等において供給業者が限られていること等により、調達先から部材等が十分に供給されないことが考えられます。 そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 調達先については、十分な信用調査のうえ取引を行っています。また、サプライチェーンにおけるリスク対応のため、サプライチェーンCSR管理システムを導入し、国内・海外生産拠点のサプライヤーの評価を定期的に実施しており、教育徹底や指導等を継続して行っています。さらに、部材等の安定確保及び調達価格の適正化のため、部材の長期枠取りなどサプライヤ―とのパートナーシップを強化するとともに、複数社購買を推進しております。 ⑦ 財務状態に及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末現在37.6%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が当該財務制限条項に違反する場合、その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に経営状況につき情報の共有を図っております。必要に応じ都度対応を協議できる体制を構築しており、取引金融機関との良好な関係を保ち、借入金の維持・継続を図っております。 会社業績の回復による営業キャッシュ・フローの回復、効率を重視した投資を徹底して行うことによる投資キャッシュ・フローの管理により、フリー・キャッシュ・フローの改善に努めております。格付の早期回復により、間接金融偏重から直接金融による資金調達を可能とする環境整備の取り組みを行っております。 ⑧ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、貿易摩擦を発端として、米国において一部の新興技術を輸出管理の対象とする動きがあり、米国からの当該技術の持ち出しや、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の日本等外国から第三国への輸出(再輸出)に制限が加わること等から、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、3つの事業グループ連携のもと、One SHARPで「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」の実現に向けた研究開発に取り組んでおり、今般新たに、健康・医療・介護分野の新規事業創出のための研究開発の加速を図りました。社会の急激な変化に伴い技術に対する評価も大きく変動することから、社会課題をいち早く捉えると共にグローバルな展示会等での技術革新のセンシングを行う事で、社会課題へのマッチングを念頭においた研究開発を推進しております。 また、ソリューション事業への変革を続けていくために必要な新領域の技術力強化においては、自社のみの研究開発に拘らず、積極的に社外連携し、研究開発の加速を進めております。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令順守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ⑨ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるScienBiziP Japan㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑩ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑪ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク、気候変動リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させるステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価・得点化・優先ランク付けを見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、特定リスクが顕在化した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部および経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
FY2020|7,486 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、当社グループが取り組む3つのトランスフォーメーション(「ビジネスモデルの変革」「グローバル事業拡大」「経営基盤の強化」)に関連して想定され、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 ① 世界市場の動向・海外事業について(リスク) 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う個人消費及び企業による設備投資の動向、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢や世界経済の低迷から受ける影響の増加、米中貿易摩擦などの貿易問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 世界市場の動向など当社グループの事業に関わるリスク・情報は、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。また、経営幹部に対し定期的に、海外拠点や事業本部の業績報告を行っており、前回報告との変動を分析することによりその都度必要なリスク対応が決められています。その上で重要な業務執行の判断が必要な場合は、重要な業務執行に関する審議・意思決定機関である経営戦略会議に上程して審議しております。 ② 為替変動の影響について(リスク) 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2019年3月期70.0%、2020年3月期65.4%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。(対応策) 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。 ③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について(リスク) 当社グループの8Kエコシステムセグメントの売上高は当社グループの売上高の半分程度を占めているため、関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループのスマートライフ及び8Kエコシステムセグメントの一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更などを理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、従来のハードウエア事業の拡大による既存事業分野の維持・拡大に加え、より高付加価値となる新規サービス・ソリューションの立上げによるビジネスモデルの転換推進、グローバル事業拡大の加速、及びB2C・B2B市場の両面展開等により、競争優位を目指してまいります。 ④ 戦略的提携・協業等について(リスク) 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議の上で意思決定を行っております。 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携の下、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績および財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。 ⑤ 親会社グループとの関係について(リスク) 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、親会社グループからの影響を受け、当社グループの独立性・自律性が保たれない可能性があります。(対応策) 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につがなるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めております。親会社グループと綿密に連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 ⑥ 財務状態の及ぼす影響について(リスク) 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末現在42.4%となっております。当社グループは、借入金等の返済のため、キャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があることから、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合、さらには、連結経常利益を一定の水準に保てなかった場合、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が当該財務制限条項に違反する場合、その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。(対応策) ㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。また、その他の借入金に係る契約を締結している金融機関とも同様に経営状況につき情報の共有を図っております。必要に応じ都度対応を協議できる体制を構築しており、取引金融関との良好な関係を保ち、借入金の維持・継続を図っております。 会社業績の回復による営業キャッシュ・フローの回復、効率を重視した投資を徹底して行うことによる投資キャッシュ・フローの管理により、フリー・キャッシュ・フローの改善に努めております。格付の早期回復により、間接金融偏重から直接金融による資金調達を可能とする環境整備の取り組みを行っております。 ⑦ 技術革新について(リスク) 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化・社外と連携した研究開発の加速 加えて、貿易摩擦を発端として、米国において一部の新興技術を輸出管理の対象とする動きがあり、米国からの当該技術の持ち出しや、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の日本など外国から第三国への輸出(再輸出)に制限が加わることなどから、事業に間接的な影響を与える可能性があります。(対応策) 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、3つの事業グループ連携の下、One SHARPで「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」の実現に向けた研究開発に取り組んでおります。社会の急激な変化に伴い技術に対する評価も大きく変動することから、社会課題をいち早く捉えると共にグローバルな展示会等での技術革新のセンシングを行う事で、社会課題へのマッチングを念頭においた研究開発を推進しております。 また、ソリューション事業への変革を続けていくために必要な新領域の技術力強化においては、自社のみの研究開発に拘らず、積極的に社外連携し、研究開発の加速を進めております。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。 事業活動における輸出入管理での法令順守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。 ⑧ 知的財産権について(リスク) 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるScienBiziP Japan㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。 ⑨ 製造物責任について(リスク) 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。 ⑩ 有能な人材確保における競争について(リスク) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。 ⑪ 新型コロナウイルス感染症の影響について(リスク) 新型コロナウイルス感染症の発生及び感染拡大による影響が長期化、深刻化した場合、個人消費の低迷、国内外サプライチェーンの停滞、当社グループの事業活動の停滞など、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応策) 当社グループの対応策の詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。 上記リスクのほかにも、多数の調達先・販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、大規模自然災害リスク、気候変動リスクなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。 (リスク管理体制) 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させるステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討した上で追加・変更後の特定リスクの評価・得点化・優先ランク付けを見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当するカンパニー・事業本部と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、特定リスクが顕在化した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部および経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。
FY2019|9,458 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 (1)世界市場の動向・海外事業について 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、米中貿易摩擦などの貿易問題、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替変動の影響 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、2017年3月期68.1%、2018年3月期73.0%、2019年3月期70.0%であります。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売しております。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 (3)特定の事業・製品・顧客に対する依存について 当社グループのアドバンスディスプレイシステム事業の売上高は当社グループの売上高の約40%を占めているため、液晶ディスプレイ関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループのIoTエレクトロデバイス及びアドバンスディスプレイシステム事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更などを理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財務の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)戦略的提携・協業等について 当社グループは、2016年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司(以下、「鴻海精密工業」といいます。)、Foxconn (Far East) Limited(以下、「Foxconn FE」といいます。)、Foxconn Technology Pte. Ltd.(以下、「Foxconn Technology」といいます。)及びSIO International Holdings Limited(以下、「SIO」といいます。)の4社(以下、「割当先4社」といいます。)との間で株式引受契約を締結しました。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を割当先4社が引き受けることを定めております。本契約に基づき、2016年8月12日を期日として、払込手続きが完了しました。 割当先4社からの出資により、当社の自己資本比率が大幅に改善し、また、それ以前の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)の技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)取引先等について 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けております。取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、原材料の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに一部の部材等において供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分に確保できないことが考えられます。そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)財務状態の及ぼす影響について 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入金等の割合は当連結会計年度末現在34.8%となっております。このうち当該借入金等に対する短期借入金等の占める割合は17.2%となっております。このため、当社グループは、こうした借入金等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。 (7)技術革新について 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限りません。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性があります。加えて、貿易摩擦を発端として、米国において一部の新興技術を輸出管理の対象とする動きがあり、米国からの当該技術の持ち出しや、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の日本など外国から第三国への輸出(再輸出)に制限が加わることなどから、事業に間接的な影響を与える可能性があります。 (8)知的財産権について 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性があります。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性があります。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性もあります。 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っておりますが、発明者より「相当の対価/利益」を求める訴訟を提起される可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)長期投資・長期契約について 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有しております。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、のれん等の無形固定資産も有しております。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で2020年末まで、合計して6,600トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約2,595円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっております。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性があります。 また、堺工場において電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結しております。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で21,795百万円(残年数は最長で10年)となっており、いずれも中途解約は不能であり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)製造物責任について 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しておりますが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)法的規制等について 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けております。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けております。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性があります。 (12)訴訟その他法的手続きについて 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もあります。 その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)個人情報、その他情報流出について 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有しております。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しておりますが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)親会社グループとの関係について 電子機器受託生産サービスを提供する鴻海精密工業を中心とする親会社グループは、「IT」「通信」「自動化設備」「光学産業」「精密機械」「自動車」「家電製品に関わる各種コネクター」「筐体」「ラジエーター」「ネットワーク機器」に関する生産、販売及びアフターサービスの分野で事業を展開しております。 当社グループは、「シャープ」ブランドの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主に行っております。 親会社グループの中核会社である鴻海精密工業は、直接に当社の議決権の24.5%を保有し、また、鴻海精密工業の完全子会社であるFoxconn FEが保有する17.2%と併せて41.7%の議決権を直接又は間接に保有しております。さらに、Foxconn Technologyは鴻海精密工業がその議決権の20%以上を保有する会社であり、SIOは鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配する会社であることから、両社は鴻海精密工業と緊密な関係があることにより同一の内容の議決権を行使すると認められる者に該当します。両社の議決権と鴻海精密工業が直接又は間接に保有する議決権とを合計すると60.8%となっており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。しかしながら、将来において、上記4社における当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは親会社等の企業グループ(親会社グループに加え、当社株主であるSIO、堺ディスプレイプロダクト株式会社(以下、「SDP」といいます。)及び今後SIO又はSDPが出資を行う会社を指します。)の事業戦略が変更された場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」ブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。しかしながら、親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 人的関係について 有価証券報告書提出日現在における当社取締役9名のうち、以下の通り、4名が鴻海精密工業及び鴻海精密工業の関連会社の役職員を兼務・兼務予定です。シャープ役職氏名親会社グループでの役職代表取締役会長兼社長執行役員兼中国代表戴 正 呉鴻海精密工業股份有限公司董事(2019年7月就任予定)取締役Woo Kwok FaiHon Hai GroupSpecial Assistant to CEOFalcon Faith Holdings LimitedChairmanJiaxing iFengPai Trading Co., Ltd.ChairmanFoxconn Industrial Internet Co., Ltd.Chairman of Supervisory Committee取締役林 忠 正FOXCONN BAJA CALIFORNIA, S.A.de C.V.DirectorFOXCONN SLOVAKIA, spol s.r.o.Supervisor鴻海精密工業股份有限公司Eサブグループ総経理ファインテック㈱取締役FOXCONN PRECISION IMAGING PTE.LTD.Director取締役陳 偉 銘鴻海精密工業股份有限公司Sサブグループ副総経理 ② 取引関係について 当社グループと親会社グループの間では、中国を中心として仕入・販売等の取引を行っております。その他に、知的財産・物流・医療分野でのグループ外収益拡大を目指した子会社及び関連会社の設立を通じた業務提携、一部海外拠点の事務所賃借等の取引を行っております。 なお、当連結会計年度における重要な取引は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。 ③ 親会社からの独立性の確保について 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、当社グループが独立して主体的に検討の上、決定しており、独立性・自律性は保たれていると認識しております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めており、親会社グループと連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 当社は、「関連当事者取引規程」を制定し、親会社等の企業グループと新規に取引を開始する場合、事業上の必要性、合理性、取引条件の妥当性を検討し決定しております。なお、経営戦略会議付議案件及び経営者関与取引については社外取締役が出席する取締役会で審議し、決定しております。 (15)大規模自然災害の発生について 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めておりますが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)気候変動の影響について 当社グループの事業は、気候変動の影響を受ける恐れがあります。気候変動抑制のための温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加及び温室ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 (17)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて 東日本大震災に伴う原発事故のように、今後天災などを起因とした電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (18)有能な人材確保における競争について 当社グループの持続的な成長を確実にしていくには、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせません。しかしながら、現在在籍している有能な人材の流出防止や事業方針に沿った新たな人材獲得、並びに、当社の重要な従業員の管理能力及び業務遂行能力の向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)その他の主な変動要因 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性があります。
FY2018|8,893 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 (1)世界市場の動向・海外事業について 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、貿易問題、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替変動の影響 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、2016年3月期69.5%、2017年3月期68.1%、2018年3月期73.0%であります。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売しております。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 (3)特定の事業・製品・顧客に対する依存について 当社グループのアドバンスディスプレイシステム事業の売上高は当社グループの売上高の半数近くを占めているため、液晶ディスプレイ関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループのIoTエレクトロデバイス及びアドバンスディスプレイシステム事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更などを理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財務の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)戦略的提携・協業等について 当社グループは、2016年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司(以下、「鴻海精密工業」といいます。)、Foxconn (Far East) Limited(以下、「Foxconn FE」といいます。)、Foxconn Technology Pte. Ltd.(以下、「Foxconn Technology」といいます。)及びSIO International Holdings Limited(以下、「SIO」といいます。)の4社(以下、「割当先4社」といいます。)との間で株式引受契約を締結しました。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を割当先4社が引き受けることを定めております。本契約に基づき、2016年8月12日を期日として、払込手続きが完了しました。 割当先4社からの出資により、当社の自己資本比率が大幅に改善し、また、それ以前の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)の技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)取引先等について 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けております。取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、原材料の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに一部の部材等において供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分に確保できないことが考えられます。そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)財務状態の及ぼす影響について 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入金等の割合は当連結会計年度末現在32.9%となっております。このうち当該借入金等に対する短期借入金等の占める割合は14.5%となっております。このため、当社グループは、こうした借入金等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行(2018年4月1日より㈱三菱UFJ銀行へ商号変更)は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。 (7)技術革新について 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限りません。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性があります。 (8)知的財産権について 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性があります。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性があります。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性もあります。 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っておりますが、発明者より「相当の対価/利益」を求める訴訟を提起される可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)長期投資・長期契約について 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有しております。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、のれん等の無形固定資産も有しております。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で2020年末まで、合計して8,307トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約2,572円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっております。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性があります。 また、堺工場において電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結しております。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で27,058百万円(残年数は最長で11年)となっており、いずれも中途解約は不能であり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)製造物責任について 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しておりますが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)法的規制等について 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けております。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けております。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性があります。 (12)訴訟その他法的手続きについて 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もあります。 その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)個人情報、その他情報流出について 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有しております。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しておりますが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)親会社グループとの関係について 電子機器受託生産サービスを提供する鴻海精密工業を中心とする親会社グループは、「IT」「通信」「自動化設備」「光学産業」「精密機械」「自動車」「家電製品に関わる各種コネクター」「筐体」「ラジエーター」「ネットワーク機器」に関する生産、販売及びアフターサービスの分野で事業を展開しております。 当社グループは、「シャープ」ブランドの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主に行っております。 親会社グループの中核会社である鴻海精密工業は、直接に当社の議決権の26.2%を保有し、また、鴻海精密工業の完全子会社であるFoxconn FEが保有する18.4%と併せて44.6%の議決権を直接又は間接に保有しております。さらに、Foxconn Technologyは鴻海精密工業がその議決権の20%以上を保有する会社であり、SIOは鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配する会社であることから、両社は鴻海精密工業と緊密な関係があることにより同一の内容の議決権を行使すると認められる者に該当します。両社の議決権と鴻海精密工業が直接又は間接に保有する議決権とを合計すると65.0%となっており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。しかしながら、将来において、上記4社における当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは親会社等の企業グループ(親会社グループに加え、当社株主であるSIO、堺ディスプレイプロダクト株式会社(以下、「SDP」といいます。)及び今後SIO又はSDPが出資を行う会社を指します。)の事業戦略が変更された場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」ブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。しかしながら、親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 人的関係について 有価証券報告書提出日現在における当社取締役9名のうち、以下の通り、業務執行取締役1名が鴻海精密工業及び鴻海精密工業の関連会社の役職員を兼務しております。なお、取締役 王建二氏は、有価証券報告書提出日現在、親会社グループ及びSDPの役員を退任しております。 シャープ役職氏名親会社グループでの役職取締役劉揚偉富泰康電子研發(煙臺)有限公司董事長鴻海精密工業股份有限公司Bサブグループ総経理及びSサブグループ総経理虹晶科技股份有限公司董事長晶兆創新股份有限公司董事長 ② 取引関係について 当社グループと親会社グループの間では、中国を中心として仕入・販売等の取引を行っております。その他に、知的財産・物流・医療分野でのグループ外収益拡大を目指した子会社及び関連会社の設立を通じた業務提携、一部海外拠点の事務所賃借等の取引を行っております。 なお、当連結会計年度における重要な取引は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。 ③ 親会社からの独立性の確保について 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、当社グループが独立して主体的に検討の上、決定しており、独立性・自律性は保たれていると認識しております。 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めており、親会社グループと連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 当社は、「関連当事者取引規程」を制定し、親会社等の企業グループと新規に取引を開始する場合、事業上の必要性、合理性、取引条件の妥当性を検討し決定しております。なお、経営戦略会議付議案件及び経営者関与取引については決裁までに社外取締役が出席する取締役会で審議し、決定しております。 (15)大規模自然災害の発生について 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めておりますが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて 東日本大震災に伴う原発事故のように、今後天災などを起因とした電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)有能な人材確保における競争について 当社グループの持続的な成長を確実にしていくには、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせません。しかしながら、現在在籍している有能な人材の流出防止や事業方針に沿った新たな人材獲得、並びに、当社の重要な従業員の管理能力及び業務遂行能力の向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)その他の主な変動要因 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性があります。
FY2017|9,641 文字
4【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。 (1)世界市場の動向・海外事業について 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、貿易制限、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替変動の影響 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成27年3月期65.2%、平成28年3月期69.5%、平成29年3月期68.1%であります。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売しております。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 (3)特定の製品・顧客に対する依存について 当社グループの一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更などを理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財務の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)戦略的提携・協業等について 当社グループは、平成28年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司を中心とするグループ企業4社(以下「鴻海精密工業グループ」といいます。)との間で株式引受契約を締結しました。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を鴻海精密工業グループが引き受けることを定めております。本契約に基づき、平成28年8月12日を期日として、払込手続きが完了しました。 鴻海精密工業グループからの出資により、当社の自己資本比率の改善、現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、鴻海精密工業グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となります。 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、協力関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)取引先等について 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けております。取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、サプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、一部の部材等について供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分でないことが考えられます。そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)財務状態の及ぼす影響について 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入金等の割合は当連結会計年度末現在36.3%となっております。このうち当該借入金等に対する短期借入金等の占める割合は17.6%となっております。このため、当社グループは、こうした借入金等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。 (7)技術革新について 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限りません。競合他社との熾烈な競争の結果次第では、当社グループとして既存の事業の縮小又は撤退を余儀なくされる可能性があり、かかる事業の縮小又は撤退のために追加的費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性があります。 (8)知的財産権について 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性があります。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性があります。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性や、当社グループと当該第三者との間の提携等により従来当社グループの事業にはなかった新たな制約が課せられる可能性とこれらを解決するために新たな対価支払いを強いられる可能性があります。さらに、かかる提携等が他の第三者との既存のライセンス契約に抵触していると主張された場合には、当該提携等の解約等を強いられる可能性もあります。 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っておりますが、発明者より「相当の対価」を求める訴訟を提起される可能性があります。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)長期投資・長期契約について 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有しております。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、のれん等の固定資産も有しております。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で平成32年末まで、合計して15,797トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約3,078円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっております。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性があります。 また、堺工場において太陽電池を生産するために必要な電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結しております。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で32,528百万円(残年数は0.5年から11.75年)となっており、いずれも中途解約は不能であります。当該電気等の供給に関する長期契約により、年間480メガワットの太陽電池生産が可能となっておりますが、堺工場における実際の生産量は現在年間160メガワット程度に留まっており、これらの長期契約は、エネルギーソリューション事業の割高な生産コストの原因となっております。 (10)製造物責任について 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しておりますが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)法的規制等について 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けております。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けております。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性があります。 (12)訴訟その他法的手続きについて 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もあります。 その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)個人情報、その他情報流出について 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有しております。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しておりますが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)親会社グループとの関係について 電子機器受託生産サービスを提供する鴻海精密工業股份有限公司(以下、鴻海精密工業といいます。)を中心とする鴻海グループは、「IT」「通信」「自動化設備」「光学産業」「精密機械」「自動車」「家電製品に関わる各種コネクター」「筐体」「ラジエーター」「ネットワーク機器」に関する生産、販売及びアフターサービスの分野で事業を展開しております。 当社グループは、「シャープ」ブランドの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主に行っております。 鴻海グループの中核会社である鴻海精密工業は、直接に当社の議決権の26.2%を保有し、また、鴻海精密工業の完全子会社であるFoxconn (Far East) Limited(以下、「Foxconn FE」といいます。)が保有する18.4%と併せて44.6%の議決権を直接又は間接に保有しております。さらに、Foxconn Technology Pte. Ltd.(以下、「Foxconn Technology」といいます。)は鴻海精密工業がその議決権の20%以上を保有する会社であり、SIO International Holdings Limited(以下、「SIO」といいます。)は鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配する会社であることから、両社は鴻海精密工業と緊密な関係があることにより同一の内容の議決権を行使すると認められる者に該当します。両社の議決権と鴻海精密工業が直接又は間接に保有する議決権とを合計すると66.1%となっており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。 なお、当社、鴻海グループの間で締結された平成28年4月2日付SHARE SUBSCRIPTION AGREEMENT(株式引受契約書)では、当該契約日から2年間、その保有する株式について、当社の書面による同意なく、第三者に対して、売却、譲渡、移転その他の処分を行わない旨が合意されています。しかしながら、将来において、鴻海グループにおける当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは鴻海グループの事業戦略が変更された場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 鴻海グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」ブランドビジネスを行っていることから、鴻海グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。また、電子部品の製造・販売については、鴻海グループ内に液晶デバイス関連事業を行う会社があることを認識しておりますが、現在、当社グループと直接の競合は生じていないものと考えております。 しかしながら、鴻海グループ戦略に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 人的関係について 有価証券報告書提出日現在における当社取締役9名のうち、以下の通り、業務執行取締役1名が鴻海精密工業の役職員を兼務し、監査等委員1名が鴻海精密工業の関連会社の役職員を兼務しております。なお、取締役 戴正呉、取締役 高山俊明は、有価証券報告書提出日現在、親会社グループの役員を辞任しております。 シャープ役職氏名親会社グループでの役職取締役劉揚偉富泰康電子研發(煙臺)有限公司董事長鴻海精密工業股份有限公司Bサブグループ総経理虹晶科技股份有限公司董事長晶兆創新股份有限公司董事長社外取締役・監査等委員呂旭東鴻準精密工業股份有限公司経理責任者 海外における構造改革を進めるため、当社からの要請により、有価証券報告書提出日現在、当社の海外子会社3社で鴻海グループより7名(非常勤含む)が業務を行っております。しかしながら、海外子会社の重要な意思決定に影響を与えるものではありません。また、日本国内においては、事業本部で技術者1名、当社グループと鴻海グループの合弁会社1社において役員1名を鴻海グループより受け入れております。 ② 取引関係について 当社グループと鴻海グループの間では、中国での仕入・販売等の取引を行っております。その他に、当社の関連会社である堺ディスプレイプロダクト㈱の一部株式譲渡、知財・物流・医療分野でのグループ外収益拡大を目指した子会社及び関連会社の設立を通じた業務提携、一部海外拠点の事務所賃借等の取引を行っております。 なお、当連結会計年度における重要な取引は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。 ③ 親会社からの独立性の確保について 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、当社グループが独立して主体的に検討の上、決定しており、独立性・自律性は保たれていると認識しております。 当社は、鴻海グループとの間で相互に独立性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めており、鴻海グループと連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。 当社は、「関連当事者取引規程」を制定し、親会社グループと新規に取引を開始する場合、事業上の必要性、合理性、取引条件の妥当性を検討し、決裁権者(取締役会決議事項については取締役会)による決裁を行うこととしております。なお、重要な取引については決裁までに社外取締役への説明を行っております。 (15)大規模自然災害の発生について 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めておりますが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて 東日本大震災に伴う原発事故を契機に生じている電力問題は、国内外の市場環境に様々な悪影響を与えており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼしております。 今後も電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17)有能な人材確保における競争について 当社グループの再生を確実にし、持続的な成長を実現していくには、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせません。しかしながら、現在在籍している有能な人材の流出防止や事業方針に沿った新たな人材獲得、並びに、当社の重要な従業員の管理能力及び業務遂行能力の向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)その他の主な変動要因 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性があります。 (19)継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、当連結会計年度において引き続き、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められません。従って、「継続企業の前提に関する事項」には該当しておりません。
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4【事業等のリスク】 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っている。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っている。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性がある。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがある。 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものである。 (1)世界市場の動向・海外事業について 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性がある。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、貿易制限、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。 (2)為替変動の影響 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成26年3月期60.7%、平成27年3月期65.2%、平成28年3月期69.5%である。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売している。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っているが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性がある。 (3)特定の製品・顧客に対する依存について 当社グループの電子デバイス、液晶ディスプレイ及びデジタル情報機器の売上高は、当社グループの売上高の過半数を占めているため、こうした製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現、又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性がある。 また、当社グループは、特に電子デバイス、液晶ディスプレイ及び携帯電話について、その顧客が少数に限られており、当社グループの売上高の相当程度の部分は、当該少数の特定の顧客に対するものである。こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当該顧客が、当社グループの財務状況に対する懸念から、当社グループとの取引規模を縮小する可能性や、特定の製品について、当該顧客の関連会社との取引を優先する可能性もある。さらに、こうした少数の顧客との取引関係の維持・発展のために、当社グループの業務に関して様々な制限を受ける可能性がある。 (4)戦略的提携・協業等について 当社グループは、平成28年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司を中心とするグループ企業4社(以下「鴻海精密工業グループ」という。)との間で株式引受契約を締結した。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を鴻海精密工業グループが引き受けることを定めている。払込期日は平成28年6月28日から平成28年10月5日を予定している。 鴻海精密工業グループからの出資により、当社の自己資本比率の改善、現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、鴻海精密工業グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となる。 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、サムスン電子グループ及びクアルコムグループ等の外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、協力関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 この他、かかる提携・協業に関連して、同業他社との提携・協業の実施が制限される可能性があり、提携・協業の条件により当社の業務の自由度が制限される可能性がある。例えば、当社は、サムスン電子グループに対して、当社がビジネス・ソリューション事業の一部の売却を実行する場合の優先的交渉権を付与している(もっとも当社には現状当該事業の売却の意図はない。)。 (5)取引先等について 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けている。それら取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っているが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、サプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、一部の部材等について供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分でないことが考えられる。そのような場合には、代替的な調達先との間で現在の調達先との取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見つけられない可能性がある。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 また、当社グループは、特定の顧客との間の契約に基づき、当社グループの製品の売買代金として前受金の支払いを受けている。現在、かかる前受金の返還債務は、当該顧客に対する当社グループの売買代金売掛債権と相殺されているが、当社グループの財務状況により、当該顧客との間の契約に従ってこれらの前受金の大部分の返還が求められる可能性がある。前受金の返還が求められる場合、当社グループの営業キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。 (6)財務状態の及ぼす影響について 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入等の割合は当連結会計年度末現在45.4%となっている。このうち当該借入等に対する短期借入等の占める割合は88.7%となっている。このため、当社グループは、こうした借入等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性がある。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性がある。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結営業利益及び連結当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性がある。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入れについても期限の利益を喪失する可能性がある。 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っている。 こうした当社グループの借入等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性も存する。 (7)技術革新について 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限らない。競合他社との熾烈な競争の結果次第では、当社グループとして既存の事業の縮小又は撤退を余儀なくされる可能性があり、かかる事業の縮小又は撤退のために追加的費用が発生する可能性がある。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性がある。 (8)知的財産権について 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めている。 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性がある。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性がある。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性がある。 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性や、当社グループと当該第三者との間の提携等により従来当社グループの事業にはなかった新たな制約が課せられる可能性とこれらを解決するために新たな対価支払いを強いられる可能性がある。さらに、かかる提携等が他の第三者との既存のライセンス契約に抵触していると主張された場合には、当該提携等の解約等を強いられる可能性もある。 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っているが、発明者より「相当の対価」を求める訴訟を提起される可能性がある。 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (9)長期投資・長期契約について 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有している。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループは、のれん等の固定資産も有している。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で平成32年末まで、合計して17,733トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約3,212円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっている。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性がある。また、ポリシリコンの期末における購入契約には転売が禁止されているものがあるため、将来使用見込みが無くなった場合には回収が困難となり、追加の損失が発生する可能性がある。 また、堺工場において太陽電池を生産するために必要な電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結している。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で38,064百万円(残年数は1.5年から12.75年)となっており、いずれも中途解約は不能である。当該電気等の供給に関する長期契約により、年間480メガワットの太陽電池生産が可能となっているが、堺工場における実際の生産量は現在年間160メガワット程度に留まっており、これらの長期契約は、エネルギーソリューション事業の割高な生産コストの原因となっている。(10)製造物責任について 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しているが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性がある。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しているが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (11)法的規制等について 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けている。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けている。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性がある。 (12)訴訟その他法的手続きについて 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有している。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もある。 なお、TFT液晶事業に関し、欧州委員会競争総局等による調査を受けており、また、北米等において損害賠償を求める民事訴訟が提起されている。かかる手続きや訴訟の結果について、将来発生する可能性のある損失を合理的に見積り、必要と認められる額を訴訟損失引当金に計上しているが、現時点ですべてを予測・見積ることは困難である。また、現在進行中の手続きに加え、今後新たに規制当局による調査や民事訴訟の提起がなされる可能性もある。 いずれも、不利な結果が生じる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (13)個人情報、その他情報流出について 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有している。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しているが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (14)大規模自然災害の発生について 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めているが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (15)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて 東日本大震災に伴う原発事故を契機に生じている電力問題は、国内外の市場環境に様々な悪影響を与えており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼしている。 今後も電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 (16)有能な人材確保における競争について 当社グループの再生と成長には、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせない。しかし、現下の経営状況を鑑みると新たな人材の獲得は厳しいことに加え、人材の流動性は非常に高まっている。従ってこれらの状況により、現在在籍している人材の流出防止や新たな人材獲得、並びに、当社の事業経営を担う重要な従業員の能力向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。 (17)その他の主な変動要因 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性がある。 (18)継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、当連結会計年度において引き続き、営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上した結果、単体及び連結ともに債務超過となり、重要な営業キャッシュ・フローのマイナスとなった。また、平成28年3月31日期日のシンジケートローン契約は、平成28年3月30日に期間を延長したが、当連結会計年度末現在においては、1ヶ月間(期日は平成28年4月30日)の延長に留まっていた。また、単体及び連結ともに債務超過のため、シンジケートローン契約の期限の利益の喪失事由に該当している。こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているが、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない。従って、「継続企業の前提に関する事項」には該当していない。