研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 300 |
| 2024-03 | - | 476 |
| 2023-03 | - | 445 |
| 2022-03 | - | 517 |
| 2021-03 | - | 916 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,109 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制としては、基礎・応用研究開発を担う研究開発本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置しております。 中期経営方針である「ブランド事業に集中した事業構造の確立」及び「既存ブランド事業と新産業の新たな成長モデルの確立」に向けて、エッジとクラウドAIを組み合わせた独自AI技術「CE-LLM※1」によるAI応用や、次世代通信技術、Green Energy、EV等の成長分野における新たな事業創出を加速させ、世の中を変える革新的なNext Innovationの実現に取り組んでおります。 これに先立ち、2024年9月に技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24“Innovation Showcase”」を開催いたしました。Next Innovationをテーマに、当社が描く新たなEVのコンセプトモデル<LDK+>や、独自のAI技術「CE-LLM」を活用した多様なソリューションへの応用展開、加えてESG関連テーマなど多彩なラインアップを展示し、シャープが目指す近未来の世界観を公開いたしました。 ※1 CE-LLM(Communication Edge-LLM)はシャープの登録商標です。CE-LLMとは迅速な応答性や強固な安全性を強みとする「エッジAI」と、深い思考力や広い汎用性を強みとする「クラウドAI」を用途に応じて切り替えて活用する当社独自の技術です。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は76,341百万円であります。この内、スマートライフ&エナジーに係る研究開発費は10,939百万円、スマートオフィスに係る研究開発費は17,655百万円、ユニバーサルネットワークに係る研究開発費は14,379百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は20,857百万円、エレクトロニックデバイスに係る研究開発費は5,297百万円、全社(共通)に係る研究開発費は7,212百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ&エナジー 業界最高水準の省エネ性とお手入れの手間を軽減する「ラク家事」機能を搭載し、業界初となる太陽光発電システムと連携した<プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機>や、無線LANに接続することでクラウド上のAIが生活パターンを学習し、最大約35%の節電を実現した<プラズマクラスター冷蔵庫>を発売しました。これらを含む当社のAIoT3.0家電は2024年9月に累計1,000機種を突破し、今後もAIoT家電の普及拡大を通じて「人と社会に寄り添うIoT」の実現を目指してまいります。 太陽電池分野において、業界初となる太陽光発電システムと連携し、家電や住設機器の電気代を制御する<Life Eeeコネクト>サービスが「新エネ大賞 資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。当社は太陽光発電システム・蓄電池システムを活用したサービス拡充に取り組み、社会全体のカーボンニュートラルの達成に貢献してまいります。 さらに、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より委託研究の採択を受け、<継続的進化を可能とするBeyond 5G向けIoTソリューション構築プラットフォーム>の研究開発に取り組み、Beyond 5Gの用途拡大・普及とともに国際競争力の獲得を目指しております。 (2) スマートオフィス 会議中にリアルタイムで文字おこし・要約作成ができる議事録支援ソリューション <eAssistantMinutes>は、独自のエッジAI技術を活用し、外部ネットワークに接続することなく議事録の自動作成を実現しました。また、工場や倉庫内の狭い通路でも走行できる<スリム型スタッカー自動搬送ロボット>の受注を開始しました。これにより製造工場における材料や仕掛品の搬送を自動化し、現場の環境や状況に応じた柔軟な活用を可能にしました。 Dynabook(株)においては、XR技術とAI技術を活用し、透過型の光学モジュールを採用することで、現実空間を視認しながら情報を表示する透過型XRグラス<dynaEdge XR1>の受注を開始しました。これにより現実空間と仮想空間の融合を実現し、新たなソリューションスタイルを提供します。 (3) ユニバーサルネットワーク AQUOS史上最高の輝きと引き締まった黒との美しいコントラストを実現した4K mini LEDテレビ<AQUOS XLED>、最新世代 量子ドット有機ELパネルと次世代AIプロセッサーを採用し、コンテンツに応じて画質と音質を“おまかせ”で自動調整する4K有機ELテレビ<AQUOS QD-OLED>、<AQUOS OLED>を発売しました。 スマートフォンでは、ライカカメラ社監修の標準・広角・望遠の3眼カメラシステムを搭載し、さらに高画質に進化したスマートフォンのフラッグシップモデル<AQUOS R9 Pro>を発売しました。当機種は、NTTコノキューデバイス製のスマートフォン接続型XRグラス<MIRZA>にも対応し、多彩なXRコンテンツ体験を実現しました。 通信技術分野では、モバイルデータ通信が困難な船舶や建設分野などにおいて、高速大容量の通信環境構築を実現する<LEO※2/MEO※3衛星通信アンテナ>を開発しました。小型かつ軽量な衛星通信アンテナの開発を加速し、早期実用化を目指してまいります。 また、当社は世界50か国以上で合計8,500件以上の通信規格特許を保有しており、これまで多数の通信機器及び自動車業界のリーディングカンパニーと無線通信規格特許のライセンス契約を締結しております。 ※2 Low Earth Orbit(低軌道)の略。※3 Medium Earth Orbit(中軌道)の略。 (4) ディスプレイデバイス ソーラーパネルと蓄電池の搭載により電源設備が不要な大型カラー電子ペーパーディスプレイ屋外対応A0サイズ<ePoster>が、CEATEC AWARD 2024 の経済産業大臣賞を受賞しました。 上記を含め、サイネージや電子ブックなど様々な製品に搭載する電子ペーパーディスプレイの開発を進めるとともに、液晶ディスプレイ(LCD)においても、モバイル端末/車載/XR/大型モニターなど、多用な用途に向け、表示性能の向上や省電力化、タッチ機能などの付加価値向上となる基幹技術の開発を通じ、カーボンニュートラルにも貢献する新たなソリューション創出に取り組んでまいります。 (5) エレクトロニックデバイス カメラモジュール分野においては、XR向けとしてアイトラッキングやハンド/ジェスチャートラッキングなどのセンシング用途に活用可能な超小型カメラモジュールや、小型プロジェクターモジュール、車載向けとして液晶ディスプレイに搭載する運転者監視用カメラモジュールを開発しました。 半導体レーザーにおいては、レーザー光の特長を活かした<農業用途向け半導体レーザーモジュール>を開発しました。このモジュールは害虫駆除・害鳥忌避、除草などに利用でき、薬剤を使用しない安全安心な農作物の提供を目指しています。今後も高出力半導体レーザーによる農業及び加工、演出照明などへの応用展開に取り組んでまいります。
FY2024|3,759 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制としては、基礎・応用研究開発を担う研究開発本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置しております。 全社方針である「ESGに重点を置いた経営」の実践に向けて、One Sharpの密接な連携・協力関係によりカーボンニュートラルへの貢献に向けた取り組みの強化や、生活環境を最適化する成長分野における新たな事業展開の加速、特に技術革新が進むAI技術の更なる応用展開を核に、AIoT家電の進化やIndustry DXソリューションの拡大等、世の中を変える革新的なサービス/ソリューションの創出に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は73,015百万円であります。この内、スマートライフ&エナジーに係る研究開発費は8,947百万円、スマートオフィスに係る研究開発費は17,650百万円、ユニバーサルネットワークに係る研究開発費は13,747百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は19,126百万円、エレクトロニックデバイスに係る研究開発費は7,950百万円、全社(共通)に係る研究開発費は5,592百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ&エナジー 2027年度省エネ目標新基準値の達成に加え、業界初、太陽光発電システムと連携し、AIが予測した余剰電力量に応じ賢く制御する<プラズマクラスターエアコンXシリーズ>を発売、当社独自のハイブリッド乾燥技術と業界最高水準の省エネ性能、低騒音を実現した<プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機>は、2023年度省エネ大賞を受賞しました。また、当社独自の非接触ヘルスケアセンシング技術を活用し、顔認証と同時に「血管情報」「心拍情報」「温度」の一括測定ができる法人向け見守り/運動管理ソリューション<i-wellebe>を提供開始するなど、クオリティ・オブ・ライフ向上に貢献しています。生物の優れた身体構造を応用した独自技術ネイチャーテクノロジーの研究開発から生まれたヒーリングファン<はねやすめ>は、展示会やショールームなどで注目を集めました。 太陽電池分野において、2024年1月、シャープ製<薄膜化合物太陽電池>を搭載したJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が月面への高精度着陸に成功、移動体用<化合物・シリコン積層型太陽電池モジュール>は、世界最高の変換効率33.66%を達成しました。太陽光で発電した電気を有効活用する住宅用エネルギーソリューション<Eeeコネクト>システムの提供を開始、当社独自のAI制御によりさまざまな家電・住設機器で発電した電気を賢く使う「Zero Energy Home」の実現を目指します。 (2) スマートオフィス 高性能タッチパネルによる快適な書き心地を実現し、セキュリティ対策と省エネ性能も追求した4Kタッチディスプレイ<BIG PAD>のフラッグシップモデルを発売しました。また、多彩なインターフェースの搭載により、導入環境に適した検査システムを柔軟に構築できる<画像センサコントローラ>、2023年12月からのアルコール検知器使用義務化に伴い、AI顔認証、検知器管理、免許読み取りなどの機能を大幅に強化したアルコールチェック管理サービス<スリーゼロ>、業界初となる固定カメラ・スマホカメラをハイブリッドで利用できるメーターのAI読取遠隔監視サービス<WIZIoT>を提供開始し、工場設備の遠隔監視サービス市場に本格参入しました。さらに、倉庫の収納力拡大とピッキング作業の効率化を実現した倉庫向け<ロボットストレージシステム>、大規模倉庫における量子アニーリング※を応用した<自動搬送ロボットの多台数同時制御>に関する研究を開始するなど、深刻化する物流業界の課題解決に資する新たな提案を行いました。 Dynabook㈱においては、独自技術「エンパワーテクノロジー」適用により快適なエッジAI処理を実現する高性能モバイルノートPC<dynabook R9>を発売しました。また、XRグラスを活用しXR空間での可視化や、生成AI技術を組み合わせビジュアル化する新たなソリューションを提案、リアルとバーチャルを融合した新しい体験の創出を加速してまいります。 ※ 量子コンピューティング技術により、膨大な選択肢から最適解を選び出す「組み合わせ最適化問題」を汎用コンピュータと比較して超高速で処理可能な計算技術 (3) ユニバーサルネットワーク スマートフォンでは、ライカカメラ社監修のカメラの表現力がさらに進化し、自然な色合いに補正する14chスペクトラルセンサーを新搭載したスマートフォンのフラッグシップモデル<AQUOS R8 Pro>、量子ドット有機EL(QD-OLED)パネルを新たに採用し、明暗豊かな映像と迫力の立体音響により臨場感を高める4K有機ELテレビ<AQUOS QD-OLED><AQUOS OLED>を発売、トヨタ自動車の新型車向けに各種設備を後部座席から操作することができる<リヤマルチオペレーションパネル>を製品化しました。 通信技術分野では、屋内外の様々な場所に高速・大容量の無線通信環境を構築できる<ローカル5Gシステム>を開発、加えて災害現場などを想定し、システム機器一式を防水キャリーバックに収納した可搬型ローカル5Gシステム<Instant 5G Network>を発表しました。また、産学連携による研究開発において、5Gの機能拡張・性能改善を目的とした5G-Advancedの国際標準仕様の策定に貢献しました。 当社は世界50か国以上で合計6,000件以上の通信規格特許を保有しており、これまで多数の通信機器および自動車業界のリーディングカンパニーと無線通信規格特許のライセンス契約を締結しております。 (4) ディスプレイデバイス ディスプレイ液晶(LCD)技術を軸に、スマートフォン等のモバイル端末から、ノートPC、車載用ディスプレイモニター、VR、テレビ向けなど用途多様なディスプレイにおいて、表示性能の向上や省電力化、タッチ機能などの付加価値向上となる基幹技術を開発しております。 また、電子ペーパー分野の最大手であるE Ink Holdings Inc.の協力のもと開発した、IGZOバックプレーン搭載のカラー電子ぺーパーディスプレイ<ePoster>、色素増感太陽電池と液晶ディスプレイ技術を融合した屋内光発電デバイス<LC-LH>など、環境配慮型商品の創出に貢献し、更なるアプリケーションの拡大を目指しています。 将来の自発光ディスプレイ技術としては、低消費電力、広色域、高輝度と低コストを高次元で両立することを目的とし、発光層に量子ドット材料(QD)を用いた自発光ディスプレイ<nano LED>の開発を推進しており、フォトリソグラフィーを始めとする液晶工場設備にて、CdフリーQD材料を用いたRGB 3色塗分けのパネル試作に成功しました。また、AIの活用とディスプレイ基盤技術を応用し、画像認識センサによりにおいを判別する<AI Olfactory Sensor(AIにおいセンサ)>を開発しました。 (5) エレクトロニックデバイス カメラモジュール分野においては、XR向けとして一般的なカメラよりもすばやいピント合わせと映像酔いしにくい快適性を実現するPolymer Lensを用いた超高速オートフォーカスカメラモジュールやアイトラッキングなどのセンシング用途に活用可能な超小型カメラモジュール、車載向けとして液晶ディスプレイに搭載する運転者監視用カメラモジュールを開発しております。 電子デバイス分野では、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より委託研究の採択を受け、2021年から<Beyond 5G向けIoTソリューション構築プラットフォーム>の研究開発を開始、Beyond 5Gの用途拡大・普及とともに国際競争力の獲得を目指し2025年まで継続して取り組んでまいります。 さらに、柔軟性のある通信アーキテクチャ実現のため、総務省より<Beyond 5G/6G時代に向けた柔軟性のある通信端末アーキテクチャのインドにおける導入可能性に関する調査研究>の委託調査に採択され、海外展開も視野に取り組んでまいります。 半導体レーザーにおいては、レーザーダイレクトイメージング加工用途に対応する<395nm 0.3W/380nm 0.2W>、レーザーマーキング用途へ対応する青色レーザー<430nm 6W/435nm 7W>、および、レーザー加工・レーザー照明向けに青色レーザー<450nm 5W>の量産を開始しました。レーザー加工・照明に関連する多様なニーズへ対応するため、低出力から高出力化まで幅広いラインナップの拡充に取り組んでおります。
FY2023|2,984 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制としては、基礎・応用研究開発を担う研究開発本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置しております。 全社方針である「ESGに重点を置いた経営」の実践に向けて、One Sharpの密接な連携・協力関係によるデジタルヘルス領域における新たな事業展開の加速や、カーボンニュートラルへの貢献に向けた取り組みの強化、加えて技術革新が進むAIの更なる応用強化により、AIoT家電の進化やIndustry DXソリューションの拡大等、世の中を変える革新的なサービス/ソリューションの創出に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は78,712百万円であります。この内、スマートライフに係る研究開発費は7,635百万円、8Kエコシステムに係る研究開発費は17,159百万円、ICTに係る研究開発費は17,205百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は20,407百万円、エレクトロニックデバイスに係る研究開発費は10,498百万円、全社(共通)に係る研究開発費は5,806百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ 業界で唯一CO2センサを搭載、適切な換気タイミングをお知らせし、快適運転を実現した<プラズマクラスターエアコンXシリーズ>、プラズマクラスターNEXTに加え、除菌効果のあるUV-C(深紫外線)搭載により靴の消臭・除菌を実現する<プラズマクラスターシューズクローゼット>を発売しました。また、世界で初めて、ウイルス減少効果があるプラズマクラスター技術が、新たに喘息症状緩和へと繋がる可能性を確認しました。 太陽電池分野において、東京都では2025年から新築物件への太陽光パネル設置が義務化される中、都市部や市街地などの屋根スペースが限られた住宅にも効率的に設置しやすい小型モデル<住宅用単結晶太陽電池モジュール>を発売しました。化合物太陽電池開発では、実用サイズの軽量かつフレキシブルな太陽電池モジュールで世界最高の変換効率32.65%を達成、これにより移動体分野における温室効果ガス排出量削減にも貢献してまいります。 (2) 8Kエコシステム 当社はドキュメント事業開始から50周年を迎え、社会の変化や働き方の多様化にも対応し、クラウドとの連携機能を強化した<デジタルフルカラー複合機BPシリーズ>を刷新しました。 8K+5Gソリューションにおいては、消費電力0Wでの表示保持を実現するカーボンニュートラル時代の新たな電子ポスター42型モノクロ電子ペーパーディスプレイ<ePoster>、テレビの音声が手元でクリアに聞こえるワイヤレススピーカーシステム<AQUOSサウンドパートナー>を発売しました。4Kテレビのフラッグシップモデル<AQUOS XLED>を米国はじめ世界各国で順次展開、また、世界最大クラスの120V型モデルは大画面と高コントラストを活かしデジタルサイネージやパブリックビューイング用途にも適しています。 (3) ICT スマートフォンでは、ライカカメラ社監修のカメラがさらに進化、集光量やAF速度が大幅に向上し、より本格的な撮影を可能にした5G対応スマートフォンのフラッグシップモデル<AQUOS R7>、5Gの高速通信によるストリーミング再生で、高画質な動画を大画面で快適に視聴できる約10.1インチのタブレット<dtab>を発売しました。 新規の取り組みとして、当社の先進デバイスである超高解像度ディスプレイや超高速AFカメラモジュール、超小型近接センサを搭載し、約175gの超軽量ボディを実現したスマートフォン接続型<VR(仮想実現)用ヘッドマウントディスプレイ>を開発、現実世界と仮想世界を融合した新しい体験の創出を加速してまいります。 Dynabook㈱においては、製造業向けに、画像認識AI技術を活用し作業不適合品の検出を行う<AI不適合品検査システム>、PC操作ログの収集、不正な情報持ち出しや人為的ミスによる情報漏洩を抑止する<情報漏洩対策アプライアンス>など新たなソリューションの提供を開始しました。 通信技術分野では、当社は世界50か国以上で合計6,000件以上の通信規格特許を保有しており、世界シェア5割以上のスマートフォンメーカーと無線通信規格特許のライセンス契約を締結しております。 (4) ディスプレイデバイス 液晶(LCD)技術、有機EL(OLED)技術を軸に、スマートフォン等のモバイル端末から、ノートPC、車載モニター、VR、テレビ向けなど用途多様なディスプレイにおいて、表示性能の向上や省電力化、タッチ機能などの付加価値向上となる基幹技術を開発しています。 また、反射型ディスプレイや透明ディスプレイ、E Ink社にバックプレーン提供を開始した電子ペーパー<ePoster>など、外光を光源とする省電力ディスプレイの開発により、太陽電池や屋内光発電デバイス<LC-LH>などの光発電デバイスを電源とする駆動も可能となる環境配慮型商品の創出に貢献し、更なるディスプレイ適応アプリケーションの拡大を目指しています。 将来、液晶や有機ELを置き換えるディスプレイ技術としては、低消費電力、広色域、高輝度と低コストを高次元で両立することを目的とし、発光層に量子ドット材料(QD)を用いた自発光ディスプレイ<nano-LED >の開発を推進しており、フォトリソグラフィーを始めとする液晶工場設備にて、CdフリーQD材料を用いたRGB3色塗分けのパネル試作に成功しました。 (5) エレクトロニックデバイス カメラモジュール分野においては、一般的なカメラよりもすばやいピント合わせと映像に酔いにくい快適性を実現するポリマーレンズを用いた超高速オートフォーカスカメラモジュール、アイトラッキングなどのセンシング用途に活用可能な、世界最薄を実現した超小型カメラモジュールを開発しております。 電子デバイス分野では、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より委託研究の採択を受け、2021年より研究開発を本格化した<Beyond 5G向けIoTソリューション構築プラットフォーム>について、2023年から3年間の研究継続の承認を得ました。産官学による本研究開発を通じて、Beyond 5Gの用途拡大・普及に寄与するとともにBeyond 5G分野における国際競争力の獲得を目指してまいります。 半導体レーザーについて、EVでは大電流制御が必要であり、大電流制御基板のレーザーダイレクトイメージング検出の光源として青紫レーザー<405nm 1~3W>の開発、モーター及び、電池用の銅材料レーザー加工技術に対応するため、青色レーザー<440nm 5W>の量産を開始しました。更に、高まるレーザー加工の多様なニーズに対応するため、低出力から高出力まで幅広いラインナップの拡充に取り組んでおります。
FY2022|3,328 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制としては、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置しております。 これまでに培ってきた独自技術と、One Sharpの密接な連携・協力関係により、当社が掲げる事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」のもと、「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」の具現化を進めております。 更には、メディカルリスニングプラグ等、デジタルヘルス領域での新規事業展開の加速や、エネルギーソリューション事業の変革によるカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを強化し、社会が直面する課題解決に貢献すべく、ニューノーマル社会を支える革新的なサービス/ソリューションの創出に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は86,290百万円であります。この内、スマートライフに係る研究開発費は8,980百万円、8Kエコシステムに係る研究開発費は17,349百万円、ICTに係る研究開発費は19,149百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は22,237百万円、エレクトロニックデバイスに係る研究開発費は11,443百万円、全社(共通)に係る研究開発費は7,129百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ プラズマクラスター搭載商品は、現在109の国と地域に展開し、2021年10月には世界累計出荷台数1億台を達成しました。また、高濃度イオン空間を形成する<鉄道車両用プラズマクラスターイオン発生機>を3社共同で開発、世界で初めて付着した唾液に含まれる「新型コロナウイルス(変異株含)」の減少効果を実証しました。当社は、今後も快適な空気環境の実現に向け取り組んでまいります。 太陽電池分野では、黒色を基調とし、サイズ・形状が異なる4機種を組み合わせるルーフィット設計で、屋根に美しく調和する外観と高い搭載容量を実現した住宅用太陽電池モジュール<BLACKSOLAR ZERO> の商品化、初期投資や設備の維持管理の負担がないオンサイトPPAモデル※による太陽光発電システムを大型商業施設において稼働開始するなど、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献しております。 ※ 発電事業会社が個人・企業と電力売買契約を結ぶ方式。Power Purchase Agreementの略。 (2) 8Kエコシステム 8K+5Gソリューションにおいて、ディスプレイ技術応用分野では、新開発のmini LEDバックライトを搭載し、新技術「アクティブmini LED駆動」と「量子ドットリッチカラー」により高コントラスト・高輝度・広色域を実現した<8K/4Kテレビ「AQOUS XLED」>、8Kの圧倒的な表現力と多彩なカラーマネージメント機能により、写真や映像などを忠実に映し出し、高精細コンテンツの緻密な制作・編集作業を支援する<32V型 8K液晶ディスプレイ>などを発売しました。また、高まる非接触ニーズに対応し、デジタルサイネージなどのタッチレス操作を実現した<静電ホバータッチディスプレイ>、マスクやパーティション越しの会話でも相手の声がはっきり聞こえる<窓口業務用マイク搭載スピーカーシステム>などを商品化しました。 画像処理技術応用分野では、建設現場などの自動検査を実現する<スマートメンテナンスソリューション>、トンネルや土管などを検査・測定する<管路検査ソリューション>などを開発しました。 材料技術分野では、固形状として世界で初めて、密閉空間を目標湿度に調整・維持する調湿材<TEKIjuN>を開発しました。 通信技術分野では、当社は世界50か国以上で合計6,000件以上の通信規格特許を保有しております。2021年10月シャープとOPPO社との間で、クロスライセンス契約締結によるグローバルな特許紛争の終結に至りました。今回の契約締結により、当社の特許ポートフォリオの価値を改めて証明するものとなりました。 (3) ICT スマートフォンでは、ライカカメラ社監修のカメラと世界初 1Hz-240Hzで駆動するOLEDディスプレイ「Pro IGZO OLED」を搭載した5G対応のフラッグシップモデル<AQUOS R6> 、軽さと快適さを追求し、5G対応モデルで世界最軽量約146gを実現した<AQUOS ZERO6>などを商品化しました。 新規の取り組みとして、スマートフォンを介して、遠隔でプロによるサポートがワンストップで受けられるワイヤレスホンスタイルの耳あな型補聴器<メディカルリスニングプラグ> 、IoTとクラウドを使ったテレマティクスを活用した新サービス<アルコールチェック管理サービス> 、機器のIoT化開発から異なるプラットフォームの機器・サービスにおけるデータ連携、総合ユーザーインターフェース構築まで幅広く支援するスマートライフ構築支援サービス<AIoT LINC>の提供を開始しました。 Dynabook㈱においては、テレワーククラウド環境をワンストップで一括提供するdynaTeams<かんたんテレワークスタータパック>、働き方を可視化するソリューションdynaTeams<Job Canvas> などを創出しました。 (4) ディスプレイデバイス 既存の液晶(LCD)技術、有機LED(OLED)技術を軸に、PCモニター、ノートPC、車載モニター、AR/VR、スマートフォン、テレビ、医療分野向けなど様々な用途のディスプレイにおいて、視認性、表示性能の向上や省電力化、省スペース化などに向けた基幹技術を開発しております。 これらのディスプレイの基板となるTFT(薄膜トランジスタ)に関して、当社独自のIGZOとLTPS(低温ポリシリコン)を組み合わせたハイブリッドプロセスをOLEDとLCDそれぞれに展開し、OLEDは当社製スマートフォン<AQUOS Sense>2021年秋冬モデルで量産化、LCDではメタバースの拡がりに伴う<AR/VR向け超高精細ディスプレイ(HMD)>の需要拡大に対応するプロセス開発を進めています。 また、発光層に量子ドット材料(QD)を用いた次世代自発光ディスプレイ開発も推進しており、CdフリーQD材料をTFT液晶プロセス技術で培ったフォトリソグラフィーによるRGB塗分けにより、クロストークの無いEL発光ディスプレイの開発試作に成功しました。 (5) エレクトロニックデバイス カメラモジュール分野においては、新画質エンジン「ProPix3」を搭載した当社製スマートフォン<AQUOS ZERO>シリーズ向けカメラモジュールを開発しました。フラグシップモデル<AQUOS R6>のカメラ画質技術を応用したノイズリダクションやエッジ強調処理により、輪郭などのディテールをより自然に表現可能にしております。 電子デバイス分野では、I2C通信対応の業界最小クラスのウェアラブル機器向け<近接センサ>の量産を開始しました。本製品はワイヤレスイヤホン等の小型のウェアラブル機器に搭載することができ、物理スイッチを搭載せず機器の着脱を自動的に検出し、機器の制御を実現しております。 半導体レーザーについては、世界的に自動車のEV化が進む中、銅加工で光の吸収率の高くなる<450nm青色レーザー>を次世代レーザー加工機の光源として開発しました。また、各種センサをつなぐワイヤーハーネス配線の軽量化に向け、継ぎ目のないレーザー直接露光機が主流となり、その光源として<405nm青紫レーザー>を発売し、自動車の軽量化に貢献しております。更に高まるレーザー加工の多様なニーズに対応するため、低出力から高出力まで幅広いラインナップの拡充に取り組んでおります。
FY2021|4,270 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクト体制で推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設けております。 当社が掲げる事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」のもと、「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」などの実現を目指し、グローバルな開発体制でOne SHARPの密接な連携・協力関係により、独自の技術をもって健康・医療・介護分野等の新規事業展開の加速、ニューノーマル社会を支える革新的なサービス/ソリューションの創出を通じ、新たな時代の社会基盤の構築に積極的に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は86,793百万円であります。この内、スマートライフに係る研究開発費は20,262百万円、8Kエコシステムに係る研究開発費は39,224百万円、ICTに係る研究開発費は19,699百万円、全社(共通)に係る研究開発費は7,607百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ Smart Appliances & Solutions事業においては、AIoT Worldの実現に向け当社が展開しているAIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」「COCORO AIR」「COCORO WASH」などにより、日々の使い方を学習して使いやすくしたり、新機能を実現した各種新製品として、業界初の「AIパネル」を搭載し、使うほどに人に寄り添って進化するウォーターオーブン<ヘルシオ>、業界初の新方式を採用した「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能や、洗濯物の仕上がりの好みを学習する「AI標準コース」を搭載した<プラズマクラスター洗濯乾燥機>、ペットも飼い主も安心・快適に過ごすための「ペットモード」を搭載した<プラズマクラスターエアコンXシリーズ>を発売。また世界で初めて、当社のプラズマクラスター技術で空気中に浮遊する「新型コロナウィルス」が90%以上減少することを実証しました。 カメラモジュール事業においては、当社製スマートフォンのフラッグシップモデルである5G対応<AQUOS R6>向けに、業界初となる大型1インチセンサを搭載し、デジタルスチルカメラ相当の高画質撮影が可能な<AFカメラモジュール>を開発しました。 電子デバイス事業においては、FA用途に適した8.9M、5.1M、3.2M画素のグローバルシャッタータイプの<CMOSイメージセンサ>、AQUOS R6向けに当社製パネルとマッチングしたアンダーディスプレイ対応の<近接照度センサ>を開発しました。 エネルギーソリューション事業においては、“横置き”に加え“縦置き”にも対応し、屋根の形状に合わせて最適なレイアウトを可能にした<住宅用 単結晶太陽電池モジュール>、クラウド上のAI「COCORO ENERGY」がお客様の生活パターンを学習し、天気予報などの情報も活用しながら、太陽光発電システムが発電した電気を効率よく蓄電池にためるとともに、家中まるごと停電対応を実現した大容量9.5kWhの<住宅用クラウド蓄電池システム>を発売、またNEDO事業の一環として、世界最高水準の高効率な太陽電池モジュール(変換効率31.17%)と同等のセルを活用し、充電回数ゼロを目指した<電気自動車用太陽電池パネル>を開発、エネルギー・環境問題の解決や災害時に備えたシステム構築に努めております。 (2) 8Kエコシステム ビジネスソリューション事業においては、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の標準仕様に準拠し、教室の電源負荷を抑えて効率よく学習用端末の充電と保管ができる<輪番タイマー搭載充電保管庫>、正面・背面両面にタッチパネルを搭載し、セルフ・セミセルフ端末の切り替えが可能、公共・商業施設や飲食店などの受付・注文端末に好適な<タッチターミナル>、オフィスで求められるゲートウェイセキュリティ対策機能を一台に集約し、ネットワークセキュリティを総合的に管理するソリューション<UTM(Unified Threat Management・総合脅威管理)>、独自開発の可視光応答型光触媒を採用し、太陽光や屋内照明でも高い消臭・抗菌・抗ウイルス効果を発揮する<光触媒スプレー>を発売しました。更に、太陽光パネルと蓄電池を搭載し、反射型カラーIGZO液晶ディスプレイによりクリアな表示を実現した<スマートバス停>を製品化、物流倉庫や製造工場などで製品や荷物を無人で搬送する<自動搬送装置AGV(Automated Guided Vehicle)の新開発モデル『TYPE LC』>の受注を開始しました。 TVシステム事業においては、新開発の「8K Pure Colorパネル」を搭載し、8K画像処理エンジン「Medalist Z1」との組み合わせにより、8K放送がさらに色鮮やかになった<AQUOS 8K>、新開発の4K画像処理エンジン「Medalist S1」を搭載し、高精細・広色域・高コントラストな4K映像を映し出す当社初の<4K有機ELテレビ>と<AQUOS4K>、業界初、8K放送で採用されている音声フォーマット“MPEG-4 AAC”の「22.2ch音声入力」に対応し、臨場感あふれる立体音響を気軽に楽しめるシアターバーシステム<AQUOSオーディオ>を発売しました。 ディスプレイデバイス事業については、医療機関などで利用される「視野検査装置」向けに<超高輝度OLEDモジュール>を開発・納入し、新たに医療分野への展開を図りました。また、ニューノーマル社会における感染症対策への貢献として、液晶パネル開発で培ったフィルム表面の特殊加工技術(モスアイ技術)を活用し、低反射・防曇によるクリアな視界を実現した<高性能フェイスシールド>を発売、また、窓口やオフィス空間などで、情報表示や映像演出など新たな価値を付加した<透明ディスプレイ パーテーション>を開発しました。 研究開発事業においては、青果物専用の新配送システムを実現する<12℃適温蓄冷材>、更には、ワクチンなどの医薬品や、血液・検体・細胞などの定温管理下での輸送を実現する<3℃適温蓄冷材>を開発・販売開始し、適温蓄冷材の物流分野への新規参入を図りました。また、複数のバイタル指標群を接触することなく一括測定できる<非接触バイタルセンシングソリューション>、新映像符号化規格であるVersatile Video Coding(VVC)に準拠した<8K対応リアルタイムVVCデコーダー>を世界で初めて開発しました。加えて、研究開発活動を通じて、当社は通信技術の分野において世界50か国以上で合計6000件以上の通信規格特許を保有、それらのライセンス事業として、ダイムラーとの間でLTEを含む無線通信規格特許のライセンス契約を締結いたしました。 (3) ICT 通信事業においては、医療機関や福祉施設において、タブレット端末により“非接触”で双方向のコミュニケーションなどの応対業務を実現した<遠隔応対ソリューション>、4倍速の高速表示と10億色の表現が可能な有機ELディスプレイを搭載、表示更新とタッチ検出をハイレスポンスモードにより動きの速いゲームもクリアに映し出す5G対応スマートフォン<AQUOS zero5G basic DX>、カメラやFA機器などをローカル5Gのネットワークに接続し、大容量データの高速伝送を実現する<ローカル5G対応ルーター>を発売。また、SA(Stand Alone)方式※1の5Gにより、時速360kmで高速走行中の新幹線試験電車「ALFA-X」と地上間における双方向の8K映像伝送や、災害時の広域監視利用を想定した5Gによる8K高精細映像のリアルタイム伝送など、5Gを活用した各種実証実験を推進。これらで得た知見を活用し、新たな価値の創造および、様々な社会課題の解決に貢献してまいります。更に、幕張および広島事業所内に開設した<SHARP Local 5G Trial Field>を拠点として、業務効率化や地域の課題解決に資するローカル5Gを活用した新たなソリューションの共創を促進してまいります。 ㈱AIoTクラウドにおいては、「GPSモジュール端末」と「LTE通信サービス」、「端末管理クラウドサービス」を一体化し、業務用車両の位置や運行状況など様々なデータ・情報の測定・記録を可能とするテレマティクスサービス<LINC Biz mobility>の提供を開始。更に、保冷車の荷室や荷物の温湿度の測定・管理が可能なソリューションの提供により、食品衛生法の改正により食品等事業者に義務付けられる「HACCP※2」に沿った、運搬も含めた全工程での衛生管理体制整備に必要なデータの測定・管理を実現しました。 Dynabook㈱においては、シャープの通信技術とDynabookのIT技術を融合し、GIGAスクール構想の標準仕様に準拠したLTE内蔵の<Dynabook Chromebook C1>、8K映像編集を効率的に行うことを可能にしたノートPC制御による<8K映像編集PCシステム>を発売しました。 ※1 5Gは既存の4Gコアネットワークと5G基地局を連携させたNSA(Non-Stand Alone)方式とコアネットワークも基地局も5G対応したSA(Stand Alone)方式の2通りがあり、現在サービスが開始されている5GはNSA方式。SA方式は、5Gの能力を最大限に引き出すことができるネットワークとして今後の展開が期待されている。 ※2 Hazard Analysis and Critical Control Point:2021年6月に完全制度化される、食品等事業者が実施すべき食品の衛生管理基準。
FY2020|2,853 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、カンパニー/事業本部傘下の研究開発組織には目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクト体制で推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設けております。 当社が掲げる事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」のもと、「8K+5G Ecosystem」「AIoT World」などの実現を目指し、グローバルな開発体制でOne SHARPの密接な連携・協力関係により、コアとなる技術力を高め、卓越したサービス/ソリューションを創出し、お客様に提供する価値の最大化に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は100,591百万円であります。この内、スマートライフに係る研究開発費は22,768百万円、8Kエコシステムに係る研究開発費は49,713百万円、ICTに係る研究開発費は20,944百万円、全社(共通)に係る研究開発費は7,165百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートライフ Smart Appliances & Solutions事業においては、プラズマクラスター史上最高の脱臭性能でニオイの悩みに徹底対策した<プラズマクラスター除菌脱臭機>、エアコン業界で唯一空気清浄機を搭載し、室内の空気浄化と本体内部の清潔性を徹底追求、さらに気象予報を活用し、クラウドAIによる運転制御で睡眠中から日中まで快適さを実現する<新プラズマクラスターエアコン「Airest」>、食材を真空状態でかくはんすることで酸化を抑え、栄養成分を保持したヘルシーなスムージーが作れる<ヘルシオ 真空ブレンダー>など、健やかで快適な生活環境づくりに貢献する商品を提案しました。また、独自の蓄冷材の応用として、氷点下2℃のおいしい新感覚飲料を楽しめるクーラーバッグ<TEKION COOLER>を発売するとともに、トップアスリート向けに深部体温の上昇抑制効果が期待できる<TEKION暑熱対策グローブ>および<TEKIONアイスラリーBOX>を開発しました。カメラモジュール事業においては、8K画質5G対応のAQUOS R5Gに搭載した<8K画質超広角カメラモジュール・光学2倍望遠カメラモジュール>を開発しました。 エネルギーソリューション事業においては、世界最高水準の高効率化合物太陽電池セル(変換効率34%以上)を搭載した電動車の公道走行実証を開始、エネルギー・環境問題解決へのさらなる貢献に努めてまいります。 (2) 8Kエコシステム ビジネスソリューション事業においては、8K画質の液晶で世界最大級となる<120V型8K液晶ディスプレイ>、4台組み合わせることで120V型8K相当のマルチディスプレイを実現する<60V型4Kインフォメーションディスプレイ>、業界最小クラスの設置面積(幅560mm×奥行560mm)を実現し、デスクサイドにも設置可能な<デジタルフルカラー複合機>をそれぞれ発売。また、ショーウィンドウなどのシーンで新たな演出手法を提案する<90V型シースルーディスプレイ>を開発しました。 TVシステム事業においては、業界初、地上デジタル放送などの2Kコンテンツも4K放送級の美しさで楽しめる5upコンバーターを搭載した<AQUOS 4Kレコーダー>を発売、ディスプレイデバイスカンパニーにおいては、カラーフィルターレス(RGB発光方式)で、表示部を巻き取りすっきりと収納できるローラブル(巻取型)<30V型4Kフレキシブル有機ELディスプレイ>、a-Si※1の約30倍の電子移動度を実現、よりなめらかな表示と低消費電力化を可能にした<第5世代IGZO>を開発、モバイルから大型パネルサイズの幅広いラインアップを展開しました。 ※1アモルファスシリコンの略。結晶のように規則正しい原子配列をしていない状態にあるシリコン材料。 研究開発事業においては、5Gを活用した8K映像伝送の実用化に向けて様々なシーンにおける世界初の実証実験を推進しており、バスケットボール国際試合のマルチアングルライブ伝送、軽種馬の育成支援を目的とするドローンから撮影した映像のリアルタイム伝送、高速走行中の新幹線への8K映像コンテンツ伝送などに成功しました。これらの技術を活かした新たなサービスの創出を目指してまいります。 また、研究開発活動を通じて、当社は通信技術の分野において世界50か国以上で合計6,000件以上の通信規格特許を保有しており、2019年9月にサムスン電子との間でLTEを含む無線通信規格特許のライセンス契約を締結するなど、ライセンス事業を強化しております。 (3) ICT 通信事業においては、5G対応で高速・大容量通信を実現、8Kワイドカメラを搭載したスマートフォン<AQUOS R5G>、タブレット端末やパソコンなど複数のモバイル機器を同時接続し、5Gによる超高速データ通信を複数の端末でシェアできる<モバイルルーター>、4倍速の高速表示を実現した新開発有機ELディスプレイを搭載し、世界最軽量約141gに加え、2枚のSIMカードを使用できるDSDVにも対応したスマートフォン<AQUOS zero2>を発売しました。5G商用サービス開始に合わせた商品化を行い、ビジネスシーンにおける通信環境の革新に貢献しました。 株式会社AIoTクラウドにおいては、テレワークや教育現場など様々なコミュニケーションの革新をサポートするサービスとして、チャットとビデオ会議を融合させ、快適&セキュアなテレワークを実現するビジネスコミュニケーションサービス<LINC BiZ>の提供を開始しました。Dynabook株式会社においては、ハイパフォーマンスを実現する「インテル® 6コアCPU」や「NVIDIA® GeForce® MX250」、フルHD高輝度・高色純度・広視野角・ノングレアIGZO液晶を搭載するなど、動画編集といったクリエイティブな作業やPCゲームなどもより快適に行える15.6型ニュースタンダードノートPC<dynabook C8>を発売しました。 また、15.6型4KディスプレイノートPCと本格的な映像編集に必要なグラフィックス性能を提供するGPU Boxおよび8K液晶モニターを組み合わせ、8K編集対応のAdobe Premiere Proを備えた<8K Video Editing PC System>を開発しました。
FY2019|3,005 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、全事業本部の設備開発を統轄する先進設備開発本部、カンパニー/事業本部傘下の研究開発組織には、目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクト体制で推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めております。 「8KとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンの実現に向け、2018年度には、研究開発事業本部を中心とするプロジェクト体制で「SHARP 8K Lab」を立上げ、8Kエコシステムの拡大と8K関連事業の早期拡大に向けた活動を開始、また、AIoT対応製品と連携して顧客価値を高める『COCORO+』サービスを実現する各種技術開発をスマートホームグループを中心に推進し、さらなるサービス・ソリューションの充実に取り組んでおります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は108,545百万円であります。この内、スマートホームに係る研究開発費は28,029百万円、スマートビジネスソリューションに係る研究開発費は14,971百万円、IoTエレクトロデバイスに係る研究開発費は18,035百万円、アドバンスディスプレイシステムに係る研究開発費は40,931百万円、全社(共通)に係る研究開発費は6,578百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1) スマートホーム 通信事業においては、世界で初めて動画用と静止画用2つのアウトカメラを搭載し、動画と静止画を同時に撮影できるスマートフォン<AQUOS R2>、自社で開発・製造した有機ELディスプレイを搭載するとともに、世界最軽量を実現した<AQUOS ZERO>、新たにお留守番機能を搭載し、家電連携・プログラミングなど多彩な機能が充実したモバイル型ロボット<RoBoHoN(ロボホン)>等、様々なシーンでの利便性や快適性を追求した商品を創出しました。さらに、㈱NTTドコモと共同で、第5世代移動通信方式(5G)による高精細8Kの映像コンテンツをライブ伝送することに成功するなど、8K映像技術や伝送技術を核に幅広い分野で、8Kエコシステムの構築・拡大を推進しました。 IoT HE事業においては、耳にかけることで自分の噛み方を測定できる<bitescan(バイトスキャン)>を法人向けに発売。また、猫の尿量や体重を計測し、独自の異変検知アルゴリズム(AI)より解析することで健康管理をサポートする<猫用システムトイレ型ペットケアモニター>を発売するなど、人とペットの健やかで快適な生活環境づくりを提案しました。さらに、業界で初めて当社独自の空気浄化技術であるプラズマクラスター技術が、ペット皮膚病原因菌に抑制効果を発揮することを実証しました。 エネルギーソリューション事業においては、急速充電に対応し、満充電にかかる時間を従来機比の半分に短縮した住宅用<クラウド蓄電池システム>等、最先端の創エネ、省エネ商品を創出しました。 2018年10月の東芝クライアントソリューション㈱(2019年1月にDynabook㈱へ社名変更)の株式取得により加わったパソコンおよびシステムソリューション事業においては、軽量かつ堅牢なボディを実現し、駆動時間、拡張性、セキュリティ性能のすべてを追求したモバイルノートPC「dynabook G」シリーズを商品化しました。 (2) スマートビジネスソリューション POSターミナルのディスプレイ部に透明なNFC(近距離無線通信)アンテナを搭載し、スマートフォンやICカードをかざすことで簡単に決済できる<セルフ決済システム>を開発しました。また、汎用性の高いAndroid OSを搭載したコントローラー内蔵により、“パソコンレス”でデジタルサイネージの運用が可能な<インフォメーションディスプレイ>を発売しました。設置環境や店舗の営業形態などに応じた、画面輝度500cd/m2の<PN-HMシリーズ>と350cd/m2の<PN-HBシリーズ>を取り揃え、外光の差し込む場所でも鮮明な表示を実現しました。 (3) IoTエレクトロデバイス デバイス事業においては、フルハイビジョン映像の32倍※の大容量データの高速演算処理が可能で、8Kコンテンツの美しい表示はもちろん、2Kや4Kの映像を高品位な8K映像に変換する<AQUOS 8K Smart Engine PRO 画像処理エンジン>、動画と静止画を同時に撮影することができるスマートフォンAQUOS R2に搭載した<高画質動画用・静止画カメラモジュール>、当社従来モデルの約4.3倍にあたる業界最高の光出力130mWを実現した<緑色半導体レーザー>の量産化などにより、様々な製品の魅力度アップに大きく貢献しました。 先進設備開発事業においては、200~1,200万画素の高画素カメラをラインアップし、様々な撮影条件・設置環境に対応した<業務用ネットワーク監視カメラ>等、幅広いシーンで活躍するセキュリティソリューションを提案しました。また、工場で生産する製品の微細なキズ汚れ、欠陥などを高速で検知する<画像センサカメラコントローラ>、生産工程で油やワックス汚れが付着した金属部品等を洗浄から乾燥まで一貫して行う<1槽式真空洗浄乾燥装置>等、業務自動化および省人化による生産性向上とコスト削減に貢献する商品を創出しました。 ※フルハイビジョン(1,920×1,080画素,60Hz)に対し、解像度16倍、表示フレーム数2倍。 (4) アドバンスディスプレイシステム 世界で初めて新4K8K衛星放送の受信に対応した<8Kチューナー>および8Kチューナー内蔵液晶テレビ<AQUOS 8K>、AQUOS 8Kと組み合せ、8K放送の立体音響を楽しめる<AQUOSオーディオ>、新4K8K衛星放送の録画に対応した<8K対応USBハードディスク>、新4K衛星放送の受信が可能な<4Kチューナー>、4K高画質のまま視聴・録画できる<AQUOS 4Kレコーダー>等、新4K8K衛星放送に合わせた商品の拡充を図りました。 また、テレビやスマートフォンの音声を耳元で楽しめる軽量タイプと、迫力の重低音と振動による臨場感を実現した高音質タイプの2機種を揃えたウェアラブルネックスピーカー<AQUOS サウンドパートナー>を発売、時代のニーズに合ったライフスタイルを実現する商品を創出しました。さらに、<自社で開発した有機ELディスプレイ>を国内で量産化するとともに、スマートフォンやICカードを画面にかざすことで容易に通信が行える<透明NFC(近距離無線通信)アンテナ搭載ディスプレイ>を開発するなど、ディスプレイ技術の革新及び新たな用途提案を通じた事業拡大を進めました。
FY2018|2,242 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、カンパニー/事業本部傘下の研究開発組織には、目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクト体制で推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は100,536百万円であります。この内、スマートホームに係る研究開発費は21,827百万円、スマートビジネスソリューションに係る研究開発費は19,576百万円、IoTエレクトロデバイスに係る研究開発費は16,719百万円、アドバンスディスプレイシステムに係る研究開発費は33,609百万円、全社(共通)に係る研究開発費は8,802百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1)スマートホーム 通信・IoT事業においては、業界で初めてスマートフォンにIGZOフリーフォームディスプレイを採用して革新デザインと高精細・高画質を実現、更に広角アウトカメラを搭載した<AQUOS R compact>、新しい野球の楽しみ方を提供し、人と人をより結びつけるクラウド連携ウェアラブル端末<funband(ファンバンド)>等、新たなデバイスやIoT技術の活用により、お客様本位の機能やサービスで新たな価値を生み出す商品を創出しました。また、AIoT対応液晶テレビ向けの『COCORO VISION』、AIoT対応キッチン家電向けの『COCORO KITCHEN』、AIoT空調機器向けの『COCORO AIR』など、AIoT対応製品と連携して顧客価値を高める『COCORO+』サービスを実現する技術開発を通じ、AIoT製品がお客様の生活に寄り添い、人が主役となるスマートライフの実現に貢献しています。さらに、㈱NTTドコモと共同で、高速・大容量という第5世代移動通信(5G)の特長を活用し、12チャンネルの8K映像を安定して伝送・表示する実験に成功。パブリックビューイング、サイネージなどを通じて新たなユーザ体験を提供する、8Kエコシステムにおける新たな送受信システム実現に近づきました。 健康・環境システム事業においては、世界最軽量かつ強力な吸じん力を実現したコードレスキャニスター掃除機<RACTIVE Air(ラクティブ エア)>、新開発のきのこアタッチメントで効率的に消臭乾燥できる<プラズマクラスターふとん乾燥機>、業界初の天井設置タイプLEDシーリングライト一体型プラズマクラスター空気清浄機<天井空清>、「ストレスがたまりにくい」「集中を維持しやすい」環境をつくる新技術「プラズマクラスターNEXT」を搭載した加湿空気清浄機やエアコン等、健康で快適な生活をサポートする商品を創出しました。 エネルギーソリューション事業においては、太陽光パネルで発電した電気でスマートフォンなどに手軽に充電できる<移動可能型ソーラー充電スタンド>、太陽光発電との組み合わせで電気の基本料金を削減する<産業用スマート蓄電池システム>、スマートフォンで自宅の電力消費量の変化や家電製品の使用状況をモニタリングし、家族の見守りにも活用できる<クラウド連携エネルギーコントローラ>等、最先端の創エネ、省エネ商品を創出しました。また、バックコンタクト構造(太陽電池の裏面側に電極を集めることで受光面のロスを減らした構造)と、単結晶シリコン基板の表面へのアモルファスシリコン成膜技術の融合により、6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高の変換効率25.09%を達成しました。(2)スマートビジネスソリューション わずか49㎝の投写距離から100型の映像を表示でき、幅広いシーンで活用できる<レーザ光源用超短焦点プロジェクター>や、工場や倉庫などで製品や荷物を無人搬送する<低床ガイドレスAGV(無人搬送車)>、広い敷地内を自律走行し、常時カメラで遠隔監視を可能にした<屋外自立走行監視ロボット>等、業務自動化および省人化による生産性向上とコスト削減に貢献する商品を創出しました。(3)IoTエレクトロデバイス 世界で初めて1台で8K(60p)映像の「撮影」「収録」「再生」「ライン出力」を実現、8Kエコシステムにおける映像制作の入口となる<業務用8Kカムコーダー>(アストロデザイン㈱と共同開発)、業界で初めて1社で光の三原色(赤色・緑色・青色)の半導体レーザの提供を可能とした<緑色半導体レーザ>などを創出しました。(4)アドバンスディスプレイシステム AIが家族の好みを学習し、おすすめの番組を音声でお知らせするAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」に対応したAQUOS 4K、世界初の市販製品となる<8K対応液晶テレビ>および<8K映像モニター>などを創出し、AIoTクラウド関連サービス並びに、8Kエコシステムの中核となる商品の展開を図りました。
FY2017|1,856 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、カンパニー/事業本部傘下の研究開発組織には、目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクトチームを置き推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は106,107百万円であります。この内、IoT通信に係る研究開発費は16,106百万円、健康・環境システムに係る研究開発費は8,293百万円、ビジネスソリューションに係る研究開発費は21,859百万円、カメラモジュールに係る研究開発費は4,476百万円、電子デバイスに係る研究開発費は8,860百万円、エネルギーソリューションに係る研究開発費は1,186百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は36,619百万円、全社(共通)に係る研究開発費は8,705百万円であります。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。 (1)IoT通信 世界初、小型で手軽に携帯できるモバイル型ロボット電話<RoBoHoN>、文字をなぞるだけの簡単操作で意味を調べることができる<ペン型スキャナー辞書ナゾル>、辞書や参考書などを搭載、タブレットを活用しICT教育をサポートする学校向け<統合型学習アプリケーションBrain+>等、驚きや新たな価値を提供する特長商品を創出しました。(2)健康・環境システム 新開発のクラウドサービス「COCORO KITCHEN」と連携して献立選びを相談できる<ウォーターオーブン ヘルシオ>、過熱水蒸気を用いトースター感覚で手軽に使える<ウォーターオーブンヘルシオ グリエ>、毎秒38,000回の超音波振動で汚れを弾き飛ばし素早くキレイに落とす<超音波ウォッシャー>、業界で初めて停電時における長時間運転を実現した<蓄電池連携プラズマクラスター冷蔵庫>、ドライカーボンを採用し1.5㎏業界最軽量ボディを実現した<コードレススティック掃除機RACTIVE Air>、新開発のかっさアタッチメントで頭皮をケアする<プラズマクラスタースカルプエステ>等、新たな発想により健康で快適な生活をサポートする商品を創出しました。(3)ビジネスソリューション 晴天下でもくっきり表示可能な5,000cd/m2の高輝度を実現した<LEDディスプレイ>、マルチディスプレイ用として業界最大70V型と吊り下げ設置が可能な高輝度モデル<インフォメーションディスプレイ>等を発売しました。(4)電子デバイス 業界トップクラスの感度1,890mVを実現し、複数の車線を幅広く監視できる<交通監視用カメラ向け4/3型800万画素CCD>を開発、発売しました。(5)エネルギーソリューション 業界トップクラスモジュール変換効率(19.6%)を実現した<住宅用単結晶太陽電池モジュールBLACKSOLAR>、太陽光パネルが発電した電気でスマートフォンなどを手軽に充電できる<ソーラー充電スタンドCITY CHARGE>や、高効率な化合物太陽電池でスマートフォンなどを充電できる<椅子型ソーラー充電スタンド>の開発、業界最小クラスのコンパクトサイズを実現した<住宅用クラウド蓄電池>等、最先端の創エネ・省エネ商品を創出しました。(6)ディスプレイデバイス カラーフィルターを用いることなく、R(赤)、G(緑)、B(青)の光源の点灯に合わせて画面を切り替えることで、シースルーのカラー映像を表示する<シースルーディスプレイ>等を開発しました。 さらに、世界初、8K(スーパーハイビジョン)放送の受信が可能な<高度広帯域衛星デジタル放送受信機>、高コントラストで低反射のN-Blackパネルを搭載した<4K液晶テレビAQUOS>や、Ultra HDブルーレイ再生対応<ブルーレイディスクレコーダーAQUOSブルーレイ>、人工知能が見逃し配信などを声で教えてくれる<AQUOSココロビジョンプレーヤー>等を開発、創出しました。
FY2016|2,002 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っている。 平成27年10月1日付の、カンパニー制導入に伴う組織再編により、研究開発体制として、基礎・応用研究開発は研究開発本部が担当、それ以外はカンパニー傘下の組織が担うとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクトチームを置くこととした。これに伴い、生産技術開発本部及び新規事業推進本部は再編の上、コンシューマーエレクトロニクスカンパニー及び、ビジネスソリューションカンパニーの傘下に移管した。また、ビジネスソリューション開発本部及びディスプレイデバイス開発本部を解消し、それぞれビジネスソリューションカンパニー及びディスプレイデバイスカンパニーに移管した。さらに、各カンパニーの傘下には目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を置いている。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めている。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は130,120百万円である。この内、コンシューマーエレクトロニクスに係る研究開発費は37,956百万円、エネルギーソリューションに係る研究開発費は1,920百万円、ビジネスソリューションに係る研究開発費は21,790百万円、電子デバイスに係る研究開発費は14,781百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は40,221百万円、全社(共通)に係る研究開発費は13,452百万円である。 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりである。 (1)コンシューマーエレクトロニクス 業界で初めての電気無水鍋<ヘルシオホットクック>、シンプル&スマートデザインのプラズマクラスター空気清浄機とプラズマクラスター加湿機<S-style>、世界初、蚊の習性と空気清浄機の吸引力を利用し、薬剤を使わず蚊取りシートで捕獲する<プラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清」>、風を長く浴びた時に感じるだるさ感を抑制、業界で初めてムラの少ない滑らかな風を実現したネイチャーウイング搭載の<プラズマクラスター扇風機ハイポジション・リビングファン>、業界で初めてヒートサイクロンを搭載したサイクロンふとん掃除機<Cornet>等、新たな発想により健康で快適な生活をサポートする商品を創出した。 また、携帯情報通信端末の新コンセプトとして提案するモバイル型ロボット電話<RoBoHoN>、業界で初めて音声対話を実現、インターネットに繋がり暮らしをアシストする<ともだち家電>等、情緒価値の概念をいち早く採り入れた商品、業界で初めて不審な電話を自動で判別し着信を拒否する「迷惑電話フィルタ」を搭載した<デジタルコードレスファクシミリと電話機>を創出した。 さらに、独自のパネルと回路によって8K解像度表示能力を有するAQUOS史上最高画質の4K液晶テレビ<AQUOS 4K NEXT>、テレビ機能付きホームタブレット<AQUOSファミレド>等、幅広い分野で新たな価値を提供する数多くの特長商品を創出した。(2)エネルギーソリューション 業界トップクラスモジュール変換効率(19.1%)を実現した<住宅用 単結晶太陽電池モジュールBLACKSOLAR>、業界で初めてクラウド蓄電池と組み合わせて電気を効率よく使える<DCハイブリッドエアコン>等、最先端の創エネ・省エネ商品を創出した。(3)ビジネスソリューション 業界で初めて4K3Kの高解像度で全方位の映像監視を実現し、映像データを無線LANで送信できる<ネットワークカメラ>、屋外でも手軽に無線LAN環境の構築を可能にする<無線バックホール方式無線LANアクセスポイント>等の無線スマートネットワーク商品を創出した。(4)電子デバイス 人や動物などの心拍・呼吸・体動などの生体情報を非接触で検知できる<マイクロ波センサモジュール>、夜蛾類による農作物被害の低減と生育への悪影響を抑制する<電球形LED防蛾ランプ>、業界最高の可視高感度3800mVを実現し、毎秒200枚の高速撮影に対応した<ITS/FAカメラ向け1/3型35万画素CCD>、最大で4つのカメラが接続でき、業界トップクラスの高速性を実現した<画像センサカメラコントローラ>等を開発した。(5)ディスプレイデバイス フリーフォームディスプレイをさらに進化させた<曲面型FFD(フリーフォームディスプレイ)>、室内照明の消費電力量の約4割削減を実証、液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した<採光フィルム>等を開発した。