研究開発活動(本文)
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FY2025|1,153 文字
6 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は生産・品質本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は11,618百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・Dual Touch機能を搭載した高画質 2 Vision Display(2VD) 製品を開発 見る方向により異なる2つの映像を表示する2VDの画質を大幅に向上させ、車載用途で求められる画質に対応する2VD製品を開発しました。さらに、運転席/助手席からのタッチ操作を識別できるDual Touch機能も搭載し、1枚のディスプレイを2枚のタッチ機能付きディスプレイのように利用できます。 本開発品により、運転席には安全運転情報を表示し、助手席には大画面・高画質な映像を同時に提供することが、1枚のディスプレイで可能になりました。自動車メーカーの皆さまと共に、これまでにないレベルの安全性と快適性を追求してまいります。また、これらの技術は自動車業界だけでなく、空港等の交通機関での大型サイネージへの活用、視角制御によるセキュリティ強化、ゲームへの応用の可能性も考えられます。 ・液晶反射板でミリ波を反射させ、屋外ビル間に電波を届ける実証に成功 5G通信で利用するミリ波は、超高速・大容量・低遅延な通信サービスを提供可能である一方、電波の強い直進性により、ビルや樹木の影等に電波の届きにくい場所を発生させやすい特徴を有します。特にビル間通路等電波が届きにくいエリアに対し、反射方向を切り替えてピンポイントに電波を届ける技術の開発が求められていました。 当社、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所は、電波の反射方向・範囲を変更できる可搬性のミリ波(28GHz帯)用液晶メタサーフェス反射板(液晶反射板)を開発し、ミリ波の電波が届きにくい屋外のビル間に電波を反射させて、目的地に電波を届ける実証に成功しました。さらに、低消費電力を活用し、汎用品の太陽光パネルとバッテリーで、液晶反射板が駆動することも確認しました。 今回の成果により、ビルや建物の遮蔽で電波が届きにくい場所や、人が密集するイベントでも柔軟にミリ波を届け、高速で安定した大容量通信をお客さまに提供することが期待できます。3社は今後、液晶反射板の実用化に取り組んでまいります。
FY2024|1,280 文字
6 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は生産・品質本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。当連結会計年度には、株式会社JOLEDよりOLEDディスプレイに関する人材、知的財産権およびノウハウを継承し、当社の成長戦略の加速を図っています。当連結会計年度の研究開発費は11,474百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・有機EL(OLED)ディスプレイ「eLEAP」のノートPC向け製品を開発 「eLEAP」は当社が世界で初めて開発した(当社調べ)マスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成するOLEDディスプレイです。eLEAPの量産開始準備と並行して、eLEAPの新たな用途開発にも取り組んでおり、顧客からの中型サイズへの要望に応え、14インチ型ノートPC用製品を開発し、サンプルの提供を開始しています。さらには、OLED層の生産プロセスが複雑なタンデム構造を使用せずにシングル構造で従来の同サイズのOLED製品の約3倍の輝度となる1600cd/m2品の開発を進めています。当社は、OLEDに関連する登録特許をグローバルで8,000件以上保有し、500件以上のeLEAP固有特許を出願しております。さらに、生産設備やプロセスに関するノウハウを蓄積しており、強力な知的財産ポートフォリオを構築しております。※ eLEAPはOLEDディスプレイの量産に使用されているファインメタルマスク(FMM)を用いた有機材料の蒸着方式と比較して、製品性能(発光領域の拡大による長寿命・省電力・高輝度、高精細化、フリーシェイプ)の優位性および生産性(製造時の基板の大型化、OLED材料効率など)の優位性があり、ディスプレイデバイスに革新的な飛躍をもたらすものと考えております。 ・可視光を通過する透明な5Gミリ波対応液晶メタサーフェス反射板を開発 5G通信で利用するミリ波は、超高速・大容量・低遅延な通信サービスを提供可能である一方、電波の強い直進性により、ビルや樹木の影などに電波の届きにくい場所(カバレッジホール)を発生させやすい特徴を有します。このような場所へ5Gサービスを提供する方法として、基地局からの電波を特定方向に反射させるメタサーフェス反射板が注目を集めております。開発したメタサーフェス反射板の試作品は、ミリ波を反射する一方で可視光を通過する特徴が確認されています。今回の成果により、窓ガラスや広告媒体上に透明な方向可変型液晶メタサーフェス反射板を設置することができ、様々なシーンにおいて、カバレッジホール対策ができるようになるものと期待されます。
FY2023|1,100 文字
6 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。 顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は生産・品質保証本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。 当連結会計年度の研究開発費は9,456百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・世界初 マスクレス蒸着+フォトリソ方式の次世代OLED「eLEAP」の量産技術を確立 当社は、世界で初めて(当社調べ)マスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成する次世代OLED「eLEAP」の量産技術を確立いたしました。 eLEAPはOLEDディスプレイの量産に使用されているファインメタルマスク(FMM)を用いた有機材料の蒸着方式と比較して、製品性能(発光領域の拡大による長寿命・省電力・高輝度、高精細化、フリーシェイプ)の優位性及び生産性(製造時の基板の大型化、OLED材料効率等)の優位性があり、ディスプレイデバイスに革新的な飛躍をもたらすものと考えております。environment positive(環境ポジティブ) Lithography with maskless deposition(マスクレス蒸着+フォトリソ方式) Extreme long life, low power, and high luminance(超長寿命・省電力・高輝度) Any shape Patterning(フリーシェイプ・パターニング) ・世界初 照明の配光特性を制御可能にする自由照明「LumiFree」の量産技術を確立 長年培ってきた液晶技術を用いて照明の光の広がり方(以下、配光特性)を自在に制御可能とする自由照明「LumiFree」を新たに開発し、世界で初めて(当社調べ)量産技術を確立いたしました。 LumiFreeは、従来の照明器具において生産・導入後に困難であった配光特性の制御を可能にするものです。「必要な時間、必要な場所に、必要な量の光を届ける」ことが可能になることから、新しい照明演出による人・物・場所への価値創出、利用シーン毎での照明環境の最適化による利用エネルギー削減、過剰な照明の利用により生じている光害(ひかりがい)の改善等を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。
FY2022|746 文字
5 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は生産・品質本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は9,630百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。・従来比4倍の電界効果移動度を持つ酸化物半導体TFTを開発 第6世代量産ライン(基板サイズ1,500mm×1,850mm)にて、従来の酸化物半導体薄膜トランジスタ(OS-TFT)に対して革新的な特性向上(移動度4倍以上)を実現する技術の開発に世界で初めて(当社調べ)成功いたしました。 本技術は、ディスプレイデバイスの低消費電力化(低周波数駆動時)、VR/AR等メタバース・ディスプレイの映像リアリティ・臨場感の向上に貢献するものと見込んでおり、2024年より事業化を予定しています。 ・電波の反射方向が変えられる液晶メタサーフェス反射板を開発株式会社KDDI総合研究所様と共同で、電波の反射方向を任意な方向へ変えられる、28GHz帯液晶メタサーフェス反射板の開発に世界で初めて(KDDI総合研究所様調べ)成功しました。本技術により、5Gや次世代移動通信の超高速・大容量なサービスエリアを周辺の電波環境の変化にあわせて拡張することが可能となり、お客さまの利便性の向上が期待されます。今後、実用化を目指し、実証実験を進めていきます。
FY2021|696 文字
5 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は生産本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は7,969百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・広色再現性、省電力液晶ディスプレイの開発 当社従来品の2.5倍の効率と、広い色再現性(色規格BT2020のカバー率98%)の液晶ディスプレイを開発しました。バックライトからの光を高い効率で利用できる偏光レーザーバックライト技術によるもので、医療用途、放送局用途や画像編集用途への活用が期待されます。※本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)産学共同実用化開発事業(NexTEP)の支援を得て行いました。 ・非接触入力技術 ホバーセンサの開発 新型コロナウイルスに代表されるウイルスの感染予防、また医療施設や食品工場の厳しい衛生管理、接触操作による画面汚れ防止等、様々なケースで非接触入力のニーズが世界的に高まっています。当社は、ディスプレイ一体型インセルタッチセンサ製品Pixel Eyes™で培った独自構造のセンサとアルゴリズムの組み合わせにより、高い透明度と、センサ表面から約5cm離れた位置での指検出を実現しました。
FY2020|874 文字
5 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は事業部が担当しています。生産プロセス及び生産技術開発は前工程生産本部及び後工程生産本部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D本部が担当しています。また、大学、公的研究機関、関連メーカー、技術ベンチャーとの研究開発活動も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は10,237百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・OLEDディスプレイの量産開始 当社としては初となるOLEDディスプレイの量産を茂原工場の蒸着方式OLEDラインで開始いたしました。 ・マイクロLEDディスプレイの開発 弊社が培ってきたLTPSバックプレーン技術を適用したマイクロLEDディスプレイ(1.6”300x300画素)を開発しました。マイクロLEDディスプレイは液晶ディスプレイに不可欠であったバックライト、偏光板およびカラーフィルターが不要となり、高輝度、広視野角を特徴とする次世代ディスプレイです。 ・指紋・静脈の撮像と脈波の計測が可能な薄型イメージセンサの開発 高移動度の低温ポリシリコン薄膜トランジスタと高感度な有機受光素子を集積することで、生体認証に用いられる指紋や静脈といった高解像度が必要な生体情報の撮像と高速読み出しが必要な脈波の計測を1つの薄型イメージセンサで可能にしました。生体情報(指紋、静脈)に加えて生体信号(脈波)を取得することで模倣や「なりすまし」を防止することができるなど、高い安全性を有する認証システムへの適用が期待されます。※本研究成果は、科学誌「Nature Electronics」のオンライン版で公開されました。また、本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業探索加速型(本格研究ACCEL型)(JPMJMI17F1)の支援を得ています。
FY2019|1,038 文字
5 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。研究開発の分担は、顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は各カンパニー、生産プロセス及び生産技術開発は生産技術統括部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D統括部、有機EL(OLED)ディスプレイはOLED製造統括部が担当し、さらに各々が連携して開発を進めています。研究開発活動は単独での活動に加え、大学、公的研究機関、部材・装置メーカー、システムメーカー、技術ベンチャーとの委託開発や共同開発も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は15,103百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・酸化物半導体に関する開発酸化物半導体の開発を進めています。酸化物半導体は、低温ポリシリコン(LTPS)と比較してリーク電流が小さいことや、製造時のプロセス温度が低いことが特徴です。これらの特徴を用いて、省電力液晶ディスプレイやフレキシブル液晶ディスプレイの開発を行いました。これらは、ディスプレイの学会であるSID Display Week 2018及び The 25th International Display Workshopsで発表をいたしました。 ・車載用インセルタッチパネル製品の量産開始低温ポリシリコンLCDの特性を活かし、高精細、高輝度、インセルタッチパネル製品の量産が開始されました。インセルタッチパネルは反射特性に優れ、太陽光が直接当たる車内環境下においても、よりきれいな見栄えを発揮することができます。 この点が大きく評価され、ディスプレイの学会SID で、Display Application of the Year Awardを受賞いたしました。 ・静電容量式ガラス指紋センサの量産化スマートフォン向けのLTPSバックプレーン技術とタッチパネル技術を異なる事業領域へ応用する研究開発を進めて参りました。その一つが静電容量式指紋センサであり、上記技術を核に、指紋センサ用の駆動技術や認証アルゴリズムを開発し、スマートドアロック向けに採用され、量産を開始いたしました。 今後は、より大きなサイズのセンサ、透明性を活かした商品デザイン、曲げても割れないフレキシブルセンサなど、新たな指紋センサの市場セグメントを創りだしていきます。
FY2018|1,077 文字
5 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。研究開発の分担は、顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は各カンパニー、生産プロセス及び生産技術開発は生産統括部、近い将来から次世代までの技術開発はR&D統括部、有機EL(OLED)ディスプレイはOLED事業開発統括部が担当し、さらに各々が連携して開発を進めています。研究開発活動は単独での活動に加え、大学、公的研究機関、部材・装置メーカ、技術ベンチャーへの委託開発、また左記団体及びシステム・メーカとの共同開発も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は19,205百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・スマートフォン用 FULL ACTIVE™及び、車載用 低温ポリシリコンLCDの量産化① スマートフォン用 FULL ACTIVE™:表示画面とほぼ同じサイズの商品デザインが可能となり、新たな価値の創造に貢献する製品です。高密度な配線レイアウト・加工・実装の技術を追求し、従来、幅広であった画面下部のベゼルを、他3辺と同等レベルに縮小する事が可能です。 ② 車載用 低温ポリシリコンLCD:低温ポリシリコンLCDは高精細、高輝度、狭額縁であることに加え、インセルタッチパネルに適しています。さらに、車内のデザインに合わせて、ディスプレイを曲げたり、異形にしたりといったデザイン性向上のニーズに応えることができます。多様化する車載用ディスプレイへの要望に応える事が可能です。 ・次世代3Dディスプレイ(ライトフィールドディスプレイ)の開発当社の高精細8K液晶ディスプレイ技術をベースとした「17型 ライトフィールドディスプレイ」を開発しました。株式会社NHKメディアテクノロジーのこれまでにない高精細な次世代3D映像を組み合わせ、見る視点によって異なった映像を表示し、実物を見ているかのような立体感のある映像が3D専用メガネを使用することなくご覧いただけます。 ・静電容量式ガラス指紋センサの開発スマートフォンやデジタルカメラ向けの液晶ディスプレイで展開している Pixel Eyes™に搭載されているタッチ入力技術の原理を応用し、透明な静電容量式ガラス指紋センサを開発致しました。さらなるセキュリティ高度化の時代に向け、センサ分野への参入を果たし、ディスプレイ以外の分野において新たなポジションを獲得してまいります。
FY2017|1,012 文字
6 【研究開発活動】当社は、先進の発想を具体化し、人々の生活と文化発展に貢献することを目標にし、商品開発から基礎的な要素技術開発まで幅広い研究開発活動を行っています。研究開発の分担は、顧客からの要求に即した商品開発及びそのための技術開発は各事業本部、生産プロセス及び生産技術開発は各生産本部、近い将来の商品化に向けた技術開発は技術本部、有機ELディスプレイやシートLCD(液晶ディスプレイ)などの次世代技術は次世代研究センターが担当し、さらに各々が連携して開発を進めています。研究開発活動は単独での活動に加え、大学、公的研究機関、部材・装置メーカー、技術ベンチャーへの委託開発、また左記団体及びシステム・メーカとの共同開発も積極的に行っています。当連結会計年度の研究開発費は13,907百万円となりました。 当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記のとおりです。 ・高精細OLED精細度の高いOLEDディスプレイ(401ppi、5.5” Full-HD)を開発しました。本開発品は、市販されている高精細OLEDディスプレイと異なり、間引きを行わないRGB画素で構成され、より正確な画像の表示が可能です。advanced-SBS技術と呼ぶ新しく開発したEL形成プロセス技術により、高精細化を実現いたしました。 ・FULL ACTIVETM表示画面とほぼ同じサイズの商品デザインが可能となり、新たな価値の創造に貢献する開発品です。高密度な配線レイアウト・加工・実装の技術を追求し、従来、幅広であった画面下部のベゼルを、他3辺と同等レベルに縮小する事を可能にしました。 ・FULL ACTIVETM FLEXFULL ACTIVETM のデザイン自由度を更に向上させた開発品です。従来のガラスに変えてプラスチックの基板を用いることで超薄型構造を実現すると共に、その柔軟性を活かして曲面形状を容易に形成することが可能です。 ・高透過透明カラーディスプレイ拡張現実 (Augmented Reality, AR) 等のデジタルコンテンツと現実世界を同時にクリアに表示し、一体感のある表現が可能となります。当社の独自の技術を導入することにより、従来のカラー液晶ディスプレイに必須であったカラーフィルター及び偏光板を取り除くことで、有機ELを使った透明ディスプレイと比較し、1.8倍(当社調べ)の透過率80%を実現することができました。
FY2016|2,586 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、強みとする液晶ディスプレイの高精細化・低消費電力化・薄型狭額縁化、タッチ機能などの付加価値技術の継続的な発展を目指すとともに、有機ELディスプレイなど革新的な技術を追求することを研究開発の基本方針とし、開発活動に取り組んでいます。また、効果的かつ効率的な研究開発実施のため、直近の収益に直結する研究テーマと将来の利益確保に寄与する研究テーマを厳選して研究開発費を投じています。研究開発活動は、当社グループの次世代研究センターを中心に、技術本部、各事業本部、生産本部などの関係部門の連携のもとで行っています。全事業分野に関わる基礎的な要素技術及び有機ELディスプレイなどの次世代技術の研究開発を担う次世代研究センター、アプリケーションや近い将来の商品化に向けた開発を担う技術本部、全事業分野に関わる生産プロセス及び生産技術開発を行う生産本部、それぞれの顧客からの要求に即した商品開発及び商品化に向けた技術開発を行う各事業本部が、それぞれ目的に合わせた研究開発を連携しつつ行っています。加えて、一部の研究分野については大学、公的研究機関、部材・装置メーカー、技術ベンチャー等への委託に加え、これら団体、企業との共同開発も行っています。研究開発に携わる従業員は582名(平成28年3月末日時点)、当連結会計年度の研究開発費は23,252百万円 となりました。当連結会計年度の主な研究開発の成果は、下記の通りです。 ・スマートフォン等のモバイル機器はバッテリー駆動が要求されるため、省電力化が要求されます。表示の駆動周波数を低減し省電力化するには、TFT素子のリーク電流低減が課題でした。当社は得意とするLTPS技術を進化させ、リーク電流を削減したAdvanced LTPSの開発を進めています。Advanced LTPS(第2世代)は2016年量産を、さらにリーク電流を低減したAdvanced LTPS(第3世代)は2017年量産を目指しています。 ・放送局や、映像制作現場で最適なモニタ標準サイズである17型クラスで、世界初の8K液晶ディスプレイ(7,680(横) x 4,320(縦)画素)を開発しました。本開発品では、LTPS技術によるリアル8K画素(RGBストライプ配列)で500ppi超の高精細画質を実現するとともに、120Hz駆動によるなめらかな動画表示性能、IPS液晶技術の長所である広視野角、高コントラスト、及び小さい色調変化といった多くの特徴を備えており、繊細で立体感があり、臨場感の高い8K映像を表現することが可能になります。 ・高いパフォーマンスが求められるプレミアムモバイル端末向けに、当社独自のインセルタッチを進化させた第2世代Pixel EyesTM液晶モジュールを開発し、量産出荷を開始しました。Pixel EyesTMは、タッチセンサー機能をディスプレイに内蔵する当社独自の技術搭載製品で、第2世代Pixel EyesTMでは、センサー電極の配置や構成材料を工夫することにより、更なる狭額縁化や黒の表現力の向上などを図りました。また、濡れた手で触れても誤動作しにくく、より細い電子ペンで線を描けるようになったことも第2世代Pixel EyesTMの特徴です。また、この新技術により、高精細パネルや10型クラスの中型パネルへの適用も容易になりました。 ・自動車のIT化に伴い需要の拡大が続く車載用ディスプレイ向けに、曲面ディスプレイの開発を行いました。ドライバICの実装が1辺のみで曲面化しやすいLTPS液晶ディスプレイの特性を活かした開発品で、既に開発済みの凸方向曲面や凹方向曲面、上部2つのコーナーを切り落とした異形状液晶モジュールなどに加え、S字形曲面型のディスプレイを開発しました。自動車のインテリアデザインの柔軟性を大きく高めることのできるディスプレイとして、自動車メーカーから高い注目を浴びています。また、サイドミラーの代替とすることで車両の燃費向上を図ると共に、カメラを使って車両の死角をディスプレイに写すことができる電子ミラー用システムについての開発も進めています。 ・高コントラスト表示が求められる車載やデジタルカメラ用途など、様々な分野での利用に向け、エッジライト方式の2D local dimming (二次元分割・部分駆動) バックライトを搭載し、ハイダイナミックレンジ(HDR)映像表示を可能にした10型(2,880(横) x 1,080(縦)画素)のWhiteMagicTM液晶モジュールを開発しました。通常RGB(赤緑青)で構成される画素にW(白)のサブ画素を加えることでピーク輝度を明るくするWhiteMagicTMと黒を沈ませるlocal dimmingバックライトにより、高輝度、高コントラストを実現し、従来のディスプレイでは表現しきれないHDR映像表示を可能にしました。 ・バックライトを使わず、外光を反射させて表示を行う反射型カラー液晶モジュールの実用化に向けた開発を進めました。外光を反射して表示させる設計によりバックライトで消費していた電力が不要になることに加え、画素に組み込まれたメモリに画像情報を保持することで超低消費電力での画像表示を可能にします。電池を用いた長時間表示が可能になるため、ウェアラブル端末や電子棚札、POP広告などへの利用が可能です。また、太陽光発電パネルと組み合わせることで、外部からの電力供給無しにカラー液晶ディスプレイを利用できるため、無電源のデジタルサイネージなどへの利用が想定されます。 ・今後の需要の拡大を見込み、フレキシブルな基板を用いた有機ELディスプレイの開発を進めています。有機ELディスプレイは、画素に電流を流すことで自発光する有機化合物を用いて画像を表示しており、透過型液晶では必要であったバックライトが不要となります。また、フレキシブルな基板を使うことで、ディスプレイの画面を曲げることが可能となります。これらの特徴を利用して、従来とは異なる形状のディスプレイ設計が可能となることなどから、今後のスマートフォン市場における需要が見込まれます。当社では、2018年の有機ELディスプレイ量産を目指し、開発を行っています。