有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|15,765 文字
3【事業等のリスク】 [方針・推進体制] 当社グループは、事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、その実現に影響を及ぼす不確実性をリスクと捉え、これらのリスクに対処するために、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属し、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長を委員長として業務執行取締役等で構成しており、当社グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証し、認識された事業遂行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行うとともに(潜在リスクマネジメント)、リスクの顕在化により発生する損失を最小限に留めるため、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、再発防止に努めております(顕在化したリスクのマネジメント)。 内部統制体制におけるリスク・コンプライアンス委員会の位置づけ また、リスク・コンプライアンス委員会は、グローバルな地域に基づく業務執行体制の区分であるリージョンごとに、下部委員会としてリージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置し、国内外の部門(第1線)やグループ会社、リージョンにリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。さらに、グループ全体のリスク管理機能強化のため、事業部門から独立した代表取締役社長直下の組織である全社リスクマネジメント室(第2線)にリスク・コンプライアンス委員会事務局機能を設置し、CRMO(Chief Risk Management Officer)の下、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応を行うとともに、代表取締役社長主導によるリスクマネジメント経営を徹底し、リスク・コンプライアンス委員会を毎月開催することで、施策実行の迅速性と実効性を担保するよう努めております。なお、リスクマネジメント・コンプライアンス体制について、毎年、監査役監査、監査部門(第3線)による内部監査を行い、体制が正常に機能していることを確認しております。 [潜在リスクマネジメントプロセス]・グループにおける重要リスクの抽出・見直しリスク・コンプライアンス委員会事務局(全社リスクマネジメント室、第2線)にて、当社グループを取り巻く環境変化を踏まえて、当社グループにおける重要リスク(16項目)の抽出・見直しを実施。重要リスクごとにリスクシナリオを定義。純粋リスクと経営リスクに区分。・リスク管理部門(第2線)の選出重要リスクごとに当該重要リスクにおける責任を持ち統制を行う所管部門であるリスク管理部門を選出。・グループにおけるリスク評価リスク管理部門/部門/グループ会社において、各重要リスクの影響度、発生可能性、対策状況等を評価。・重要リスクのランキング化・マップ化グループにおける評価内容を踏まえ、重要リスクのランキング化・リスクマップの作成を行い、重要度を可視化。重要度を踏まえて重点対策リスクを決定。・リスク・コンプライアンス委員会報告グループにおける評価結果を踏まえた分析を実施、重要リスクの対策方針等を議論・決定。・部門・グループ会社への是正指導グループにおける評価結果を踏まえ、部門・グループ会社にフィードバックを実施し、改善を指示。・部門・グループ会社におけるリスクモニタリング部門・グループ会社において定常的にリスクモニタリングを実施し、リスク対策の状況確認と低減を実施。 [顕在化したリスクへの対応] ・リスクマネジメントに関する規程に基づき、リスク・コンプライアンス委員会への迅速なエスカレーションの実施等のルールを義務化し、従業員に周知。 ・リスクマネジメントに関する基準やリスク・コンプライアンス委員会へのエスカレーションルールを基に、部門・グループ会社におけるエスカレーションルールを定め、迅速な対応を実施。 ・リスクの分析・横展開を行うとともに必要に応じて取締役会報告等を行い、再発防止に努める。 このようなプロセスを繰り返し実行するとともに1年を通してリスク管理部門による定常監視を行うことで、グループ全体のリスクの低減と顕在化した際の影響の極小化に努めています。 リスクマネジメントプロセス [重要リスク一覧]潜在リスクアセスメントの評価結果に加え、実際に発生したリスクである「顕在化したリスク」の状況を踏まえたうえで、当社グループの事業戦略及びビジネス目標達成への影響を鑑み、重点的に取り組むリスクを「重点対策リスク」として選定しております。昨今の当社及び当社グループ会社の度重なる情報セキュリティインシデントやシステム品質に関する問題により、「重点対策リスク」を以下2つの重要リスクと定め、リスク・コンプライアンス委員会中心に取り組んでおります。 ・セキュリティに関するリスク・製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2025年6月20日)現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の内容は、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではありません。また、各リスクにおける対策の実施にもかかわらず、すべてのリスクの発生を未然に防止できない可能性があります。また、当社グループは経営目標の達成に向けて「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に影響を与える可能性のある主なリスクとその対策を、経営方針・経営戦略との関連性も考慮したうえで、以下に記述しております。 [重点対策リスク](1)セキュリティに関するリスク[リスクの概要と影響]昨今、サイバー攻撃の手口は日々高度化しており、当社グループに限らず、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃によるお客様システム、社内ネットワーク・システムの運用停止や情報漏洩、不正利用等を完全に防げるとは限りません。万一、情報漏洩により個人の権利・利益を侵害した場合やお客様の情報を漏洩した場合には、当社グループの信用は低下するとともに、個人情報保護法やGDPR等の法令違反による罰金や制裁金が科されるおそれがあります。これらのリスクは当社グループのサプライチェーン上でも発生する可能性があります。委託先におけるセキュリティリスクが顕在化した場合、お客様や当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、敷地・建物・フロアの3層において物理セキュリティ環境を構築していますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、機密情報の漏洩や企業ブランド価値の毀損、ビジネス機会の喪失等、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 [対策]お客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、情報保護マネジメントシステム運用の強化を図り、社内規程の制定、従業員への教育、現場点検、監査、業務委託先も含めた指導等を実施しております。また、すべての組織・プロジェクトが守るべきルールである規定にセキュリティ検査制度を明示するとともに、グローバルな情報セキュリティ基準に基づいたセキュリティ対応計画の策定・実行を徹底することで堅牢なシステム構築を実現しております。 当社では、客観性の高いセキュリティリスクの把握と可視化及び的確な是正を軸とした「全社セキュリティリスクマネジメントスキーム」を構築、情報管理ダッシュボード等を導入し、情報システムの残存脆弱性や情報の不適切管理等のリスクをデジタルに可視化し、確実な是正を実施しています。 当社グループの重要な事業活動基盤の1つである社内ネットワークにつきましては、ゼロトラストを前提に、IT基盤の特性に合わせて対策を講じています。標的型攻撃対策として不正アクセス対策やマルウェア対策に加え、デバイス管理、ID管理、データ漏洩対策を組み合わせた認証・認可基盤を構築し、巧妙化・多様化・複雑化するサイバー攻撃への対策を実施しております。また、グローバルに展開しているお客様向けのITシステム及び、社内ITシステムのITアセット管理を一元化し可視化することで、グループ全体のセキュリティリスクの特定と是正を速やかに実施しております。さらに、委託先におけるセキュリティリスクへの対処として、制度・セキュリティ強化の両面からサプライチェーンのセキュリティ強化施策を進めております。また、敷地・建物・フロアの3層において「人的警備」と「機械警備」を組み合わせた物理セキュリティ環境を構築しています。さらにより高度な物理セキュリティ環境を構築するために、なりすましを防ぐことが可能な静脈認証装置を組み合わせたセキュリティゲートを社内展開しています。 (2)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発や製品・サービスの運用・保守業務、製品の設計・開発・製造において、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度が高まり、製品の欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。また、競争の激化による価格低下により、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。このような製品・サービスの欠陥、瑕疵や納期遅延等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一、欠陥や瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。[対策]システムの受託開発及びサービスの開発においては、お客様にこれまで以上の高い価値提供とシステムの安定稼働を目指し、組織に依存しないプロジェクト体制「One Delivery」への変革を進め、共通の「One Delivery品質保証プロセス」に則ってプロジェクト運営を行い、一元的にリスクマネジメントを行えるようにしています。また、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めております。開発プロジェクトの進捗やテスト密度・不具合検出率等、開発現場で発生する品質に関わる情報を共通プラットフォームであるFujitsu Developers Platformに乗せてEVM(Earned Value Management)や品質メトリックスの標準化と合わせて、タイムリーに分析してアラートを上げることにより、品質不良のリスクを早期に把握・対策する仕組みを構築することを目指しています。また、お客様との契約のあり方を見直すとともに、Sales・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。製品・サービスの運用・保守業務では、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っております。製品の設計・開発・製造では、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めております。そして、パブリックサービスに対する品質統制を厳格化し、商談から運用・保守までの状況の見える化、品質状況の可視化、第三者による設計プロセスの確認、品質成熟度の評価による品質の確保に努めております。また、重大障害の抑止に向けて、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社長直轄組織による開発プロセスのエンハンスや各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善を進めております。 [重要リスク](3)自然災害や突発的事象発生のリスク① 自然災害・感染症・火災等に関するリスク[リスクの概要と影響]近年、世界的な気候変動により、台風・水害・大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下・南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、被害想定を超えた規模で発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、部材メーカーからの部品供給の不足や遅れ、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷の停止等、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質な製品・サービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定や継続的な見直し及び改善を行い、事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の強化を図るとともに、全従業員を対象としたe-Learningによる教育を行っております。また、感染症によるパンデミックの経験を踏まえて、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保を最優先とし、お客様への製品・サービスを継続して提供する体制を構築することにより重要な事業を維持し、社会的責任を遂行できるよう努めております。② 紛争・テロ・政情不安等に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域において、紛争・テロ・デモ・ストライキ・政情不安等が発生した場合、当社グループの事業やサプライチェーン等に大きな影響を与える可能性があります。また、従業員等が巻き込まれ、安全が脅かされる可能性があります。[対策]社内外からの情報収集を通じ、各国・各地域における事業実態に即したリスク評価を定常的に実施しております。評価結果については、海外拠点及び本社関係者間で共有するとともに連携体制を強化することでリスク発生時の影響を最小限に留めるよう努めております。調達先におけるBCPの推進や、従業員の緊急連絡体制を構築し従業員の安全管理を行う等、情勢を見極めながら、ビジネスを継続するよう努めております。 (4)人権に関するリスク[リスクの概要と影響]昨今、欧州において人権に関するデューデリジェンスが義務化される等、人権尊重への取り組みが一層強く求められるように変化しており、当社グループはもとより、サプライチェーン上での労働環境や紛争鉱物等の人権に関するリスクを防止・低減することが求められています。もしこれらに関して人権リスクが発生した場合は、人材の流出やビジネス機会の損失、行政罰等により当社グループの社会的信用の失墜に繋がり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、急速に普及が進んでいるAI技術を利用したビジネスに関して人権を侵害する事象等が発生した場合も、同様に損害賠償や当社グループの社会的信用の失墜に繋がる可能性があります。 [対策]当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべき事項を行動規範(人権の尊重、法令遵守、公正な商取引 等)として定めるとともに、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS:Global Business Standards)をグループで統一的に運用し、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成を図っております。そのための社内体制や仕組みの構築を推進するため、経営層からのトップメッセージの発信や定期的な従業員教育(人権、差別・ハラスメント防止 等)の実施を行っております。また、最新の国際動向を踏まえて、人権に関するリスクを整理し、重要性・事業関連性から優先課題を特定し、この評価を基に、当社グループの人権方針である「富士通グループ人権ステートメント」を改定し、当社グループやサプライヤーへの周知を行っております。そのほか、サプライチェーンにおいては、2023年より「富士通グループサステナブル調達指針」を策定・公開し、主要サプライヤーにも同意いただいております。AIビジネスにおいては、急速に普及する生成AIやAIエージェントが人権に影響を及ぼす可能性が指摘されていますが、富士通は従前から「AIコミットメント」を制定し、グループ内へのAI倫理の浸透を図っています。具体的には、e-Learningをはじめとする従業員への定期的な教育、全AIビジネスに関するAI倫理審査などを通じたAI倫理の実践に加え、「One Delivery品質保証プロセス」にAI統制の仕組みを組み込むことで、AI品質に起因する人権リスクを最小化しています。これらの取り組みについては、外部の様々な分野の専門家で構成される「富士通グループAI倫理外部委員会」を定期的に開催して客観的な評価を受けております。 (5)コンプライアンスに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、競争法・贈賄禁止法・輸出管理法等国内外の関連法令・規制等を遵守する必要がありますが、これらの関連法令・規制等に抵触する事態が発生した場合、多額の課徴金や損害賠償を請求される可能性があります。また、不正会計等により監査法人から監査報告を受けることができない、または有価証券報告書の提出ができない、もしくは過去に提出した有価証券報告書の訂正をしなければならなくなる事態が発生した場合、株価の下落や、株主からの損害賠償請求に繋がり、当社グループの社会的信用が失墜する可能性があります。[対策]当社グループでは、Global Compliance Programの枠組みの下、最新の法令を踏まえたコンプライアンスに必要な社内ルール・規程の制定と継続的運用を行うことで、業務上、役員や従業員による法令違反が生じないように統制しています。海外拠点においても、各国の法令を踏まえたルールを整備したうえで、各国におけるリスクの評価を行い、評価に応じて本社のコンプライアンス部門が海外拠点のコンプライアンスの支援を行うことでリスクの低減を図っております。また、社長をはじめとする主要役員からのトップメッセージの発信やe-Learningの定期的な実施、職種や担当事業に応じたコンプライアンス教育を行い、従業員のコンプライアンス意識を根付かせる活動の一方、発生したコンプライアンス違反事案を把握できるよう内部通報制度を整備、運用し、コンプライアンス違反事案の調査・対策をしております。不正会計等についても、法令に基づき内部統制評価をしていますが、内部監査部門やコンプライアンス部門と情報連携して業務プロセス上で適正な事務処理及び経理処理がされるようにしております。 (6)財務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループに対して外部の格付け機関が発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使われることがあります。収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼすほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、お取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安等は売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、資金調達に関する対策として、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等を行っております。また、与信管理に関する対策として、与信管理関連部門による意見交換、及び外部機関の企業信用調査情報等の関連部門との共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等を行い、リスクの低減を図っております。 (7)環境・気候変動に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の1つと位置付けています。しかし、事業活動を通じて環境汚染等が発生した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年、気候変動等により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招き、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。現在、世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目標に掲げていく中で、機関投資家も気候変動への取り組みを投資基準とする等、社会・経済のカーボンニュートラルへの流れが加速しています。温室効果ガスの排出量の規制強化や炭素税の導入に加え、顧客や社会のカーボンニュートラルへの貢献が求められていますが、これらの規制等に適合できない、あるいは社会が期待する以上の貢献ができない場合、後追いでの規制対応のためのコストの増加、企業レピュテーションの低下によるビジネス機会の損失や、環境ラベル取得などの市場のスタンダードへの適合を条件とする入札に参加できなくなる可能性があります。また、お客様・社会のCO2削減、エネルギー需給の最適化、再エネ拡大といったカーボンニュートラルな社会システムへの転換や気候変動適応を支援するソリューションに対する需要の急速な高まりにより、省エネ・カーボンニュートラルに貢献するソリューションや、気候変動の適応に貢献するソリューションを提供できない場合、または他社と比べて削減できるエネルギーが少ない場合は、ビジネス機会の損失や市場シェア及び利益率の低下に繋がり、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めています。エネルギー使用量においては、環境パフォーマンス管理システムによる事業所のエネルギー使用量の把握を行うとともに、電力においては、社内の調達電力システムを活用し、各社の電力料金の比較・分析を行い、契約電力のコストやCO2排出量等の最適化を図っています。排水・排ガスにおいては、関連法律・条例等の排出基準よりも厳しい自主管理値を設定し、定期的な測定により数値の監視を行っています。また、当社グループ工場跡地では、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っています。さらに、主要な外部評価の評価基準を分析し、環境経営の評価軸に組み込んだ情報開示、環境パフォーマンス向上を狙いとした改善を図るとともに、グローバルな環境リーディング企業として社会的責任を果たすために、気候変動対策としてSBTiよりネットゼロ認定を取得するとともに、顧客や社会のカーボンニュートラルを戦略的に推進しています。顧客や社会のカーボンニュートラルに貢献するため、環境配慮製品やソリューションの設計・開発を行うとともに、EPEAT等の環境配慮製品ラベルを取得し、また、効率的な環境価値取引のエコシステムの構築を目指す新たなプロジェクトを開始し、企業や国を超えたCO2削減量等の環境価値取引市場に対して、ブロックチェーン技術やカーボンニュートラル関連技術に基づく環境価値流通プラットフォームの市場適用と活性化に向けた取り組み等を行っております。 (8)当社グループの施設・システムに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、国内外に事業所・工場・データセンター等の様々な施設を保有・賃借するとともに、他社ベンダーのクラウドサービスを活用しております。地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミス等が発生した場合、生産ラインの停止や、施設、社内基幹情報システム等の運用停止により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、社内基幹情報システム等においては、24時間365日体制によるシステム監視と運用体制を構築するとともに、事業継続計画書に基づいた対策を実施しています。また、いずれの施設・サービスについても、建築基準その他の規制に準拠した独自の安全基準を設け、リスクの低減を図っております。 (9)競合・業界に関するリスク[リスクの概要と影響]市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品・サービスの価格下落につながる可能性があります。そのため、想定を上回る価格下落が生じた場合や、調達価格が大幅に変動した場合等には、十分なコストダウンや販売拡大を実現できず、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、競争優位性を持っている分野においても、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できない可能性があります。ICT業界では技術の進歩が大変速く、新製品や新技術であっても急速に陳腐化します。これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、技術の進歩や競争激化等による製品・サービスの低価格化を想定し、社会動向に基づいた課題を洞察するとともにお客様のニーズや他社状況を把握し、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおります。また、競争力維持のためには、先端技術の研究開発を続けることが必要です。当社グループは適切な研究開発への投資を実行することで、当社グループ事業の強み、競合他社等との差異を明確にし、技術やサービスの優位性を確保するよう、努めております。 (10)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向[リスクの概要と影響]当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICT分野において各種サービスを提供しております。また、事業ブランドであるUvanceビジネスは、グローバル共通の戦略として展開しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に影響を与えます。[対策]急激な市場の変化に対応するため、グループ全体の戦略や事業ポートフォリオの方針を明確化するとともに継続的な構造改革を行うことで、リスクの低減を図っております。②為替動向と金利変動及び資本市場の動向[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルでの事業拡大を進めております。そのため、急激な為替変動は、海外に輸出提供する製品・サービスの価格競争力の低下や、海外からの部材等の輸入に影響を及ぼす可能性があり、海外ビジネスの売上及び損益に大きく影響します。海外に保有する資産・負債等についても、資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。さらに、有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇により支払利息や調達コストが増加する可能性があります。また、国内外の株式市場の動向は、保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼし、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価減や、年金資産の目減りによる会社負担増大のおそれがあります。[対策]為替変動等の金融市場環境に関する情報収集や動向注視、金融機関動向の分析等を行いながら必要に応じて為替予約等のヘッジを実施しております。また、グループ全体に情報共有を行うとともに、影響の最小化を図っております。 (11)知的財産に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、研究開発活動を通じ、他社の製品やサービスと差別化できる技術やノウハウの創出に努めておりますが、かかる技術やノウハウは、法的・経済的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、他社が当社グループの技術やノウハウを使って類似した製品やサービス等を製造、販売することを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、またはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下することがあります。当社グループの知的財産を適切に保護・活用できない場合、当社グループ事業の成長の阻害や、利益の逸失に繋がる可能性があります。当社グループの製品やサービス及び活動について、他社の知的財産権を侵害している、あるいはオープンソースソフトウェアを含む第三者のソフトウェアの利用形態が許諾条件に沿わないとされ、使用料支払いや設計変更費用等が発生した場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]知的財産の保護・活用においては、当社グループの事業戦略や事業環境の変化を踏まえ、より効果的な知財戦略への見直しを行い、推進しております。また、他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規程や体制の整備、ソフトウェア利用の管理体制の強化、製品・サービスの商品化プロセスにおける他社知的財産調査等を行っております。 (12)お客様に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高く、また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっております。お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品・サービスの売れ行き等は、当社グループの製品・サービスの需要や価格に大きな影響があります。また、お客様との信頼関係や、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。[対策]当社グループでは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しており、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、長期的な信頼関係を築くことを目指しております。当社グループは、お客様を取り巻く環境変化に対して多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしております。 (13)調達先・提携等に関するリスク①調達に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループが提供する製品・サービスは最先端の技術を使用しており、汎用的ではない部品や希少性の高い原材料等を使用することがあります。そのため、一部の部品・原材料等については、安定的な調達が困難な場合や、代替の調達先を確保できない場合、大量に調達が必要な部品・原材料等について、必要な量を調達できない可能性があります。また、お取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、法令違反、経営状況の悪化等が発生した場合は、当社グループに対する部品・原材料等の安定的な提供が困難になります。さらに、世界中で発生する異常気象やそれに伴う災害、国際情勢の不安定化等、部品・原材料等の安定的な調達に影響を及ぼす事象は増加傾向にあるため、部品・原材料等を十分に確保できない場合、製品・サービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。当社グループの調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初の見込みを上回り、製品・サービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入品の不良を完全に防げない場合には、納期遅延や製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 [対策]当社グループでは、部品単位での製造拠点・調達先の各対策状況調査や、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけ、支援の強化、及び適正な在庫の確保等をすることで、サプライチェーンの維持に努め、リスクの低減を図っております。 ②提携・アライアンス・技術供与に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っておりますが、経営、財務、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合があります。当社グループの製品・サービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後、当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、業務提携、技術提携、合弁等で他社との関係を構築する際、厳格な社内プロセスを通してリスクを的確に認識・評価した上で契約条件等への反映を行うとともに、継続的なモニタリングを行うことで、当社グループへの影響を最小限に抑えるよう努めております。 (14)投資判断・事業再編に関するリスク[リスクの概要と影響]ICT業界においては、競争力維持のために多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループが有望と考えた市場や技術、買収先が想定ほど成長しない場合や、需給悪化や価格下落が予想以上に早く発生した場合には、投資から十分なリターンを得られず、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、投資や事業再編にあたり、市場動向やお客様のニーズ、当社グループの技術の優位性、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案するとともに、投資効率を検証し、評価指標とプロセスを定め、所要変動に応じて投資を複数段階に分けることやお客様等と提携することで、リスクの低減を図っております。 (15)公的規制・政策・税務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。事業展開する各国・各地域において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。さらに、昨今の国際情勢は不透明な状況にあり、経済安全保障による各国・各地域の政策や米国による関税措置の発動など、グローバルな企業活動への規制・制約が強化される傾向にあります。このような政策の変更や規制・制約の強化は、当社グループが対象としている市場やサプライチェーン等に影響を及ぼし、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が発生する可能性があります。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があるため、これらに関する規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。[対策]当社グループでは、各省庁や業界団体等から情報収集し分析を行うことで、各国・各地域における規制や政策の動向を注視しております。また、経済安全保障分野においては、今後も規制が厳しくなる方向であると捉えており、国内外の規制動向、さらには政府・企業の動向も注視したうえでグループ内の対応体制を整備しております。 (16)人材に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存するため、経営者、優秀な高度専門技術者等、必要とする人材を採用及び育成するとともに、人材が継続して働くことができる環境を整備することが重要です。人材を採用または育成することができない場合、流出を防止できない場合や重大な労務問題が発生した場合は、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、高度専門技術者に対する個別処遇やジョブ型人事制度等、多様性やチャレンジを尊重する組織風土を醸成するための制度改革を行うとともに、Work Life Shiftの推進により、テレワーク勤務を基本とし、フレックスタイム制や裁量労働制等の柔軟な勤務形態を積極的に活用することで、適切な労務管理を実現し優秀な人材を確保し活躍し続けられる環境を整備しております。また、成長に向けた学びの機会を拡大することを目的とし、自ら学べるe-Learning講座を導入しています。
FY2024|14,395 文字
3【事業等のリスク】 [方針・推進体制] 当社グループは、事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、その実現に影響を及ぼす不確実性をリスクと捉え、これらのリスクに対処するために、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属し、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長を委員長として業務執行取締役等で構成しており、当社グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証し、認識された事業遂行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行うとともに(潜在リスクマネジメント)、リスクの顕在化により発生する損失を最小限に留めるため、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、再発防止に努めております(顕在化したリスクのマネジメント)。 内部統制体制におけるリスク・コンプライアンス委員会の位置づけ また、リスク・コンプライアンス委員会は、グローバルな地域に基づく業務執行体制の区分であるリージョンごとに、下部委員会としてリージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置し、国内外の部門やグループ会社、リージョンにリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。さらに、グループ全体のリスク管理機能強化のため、事業部門から独立した代表取締役社長直下の組織である全社リスクマネジメント室にリスク・コンプライアンス委員会事務局機能を設置し、CRMO(Chief Risk Management Officer)の下、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応を行っております。そして、2023年6月にCQO(Chief Quality Officer)を新たに選任し、情報セキュリティ、システム品質に関する全社的な施策及び対応を迅速に行うとともに、代表取締役社長主導によるリスクマネジメント経営を徹底し、リスク・コンプライアンス委員会を毎月開催することで、施策実行の迅速性と実効性を担保するよう努めております。 リスクマネジメント・コンプライアンス体制図 [潜在リスクマネジメントプロセス]・グループにおける重要リスクの抽出・見直し当社グループを取り巻く環境変化をふまえて、当社グループにおける重要リスク(16項目)の抽出・見直しを実施。重要リスクごとにリスクシナリオを定義。純粋リスクと経営リスクに区分。・リスク管理部門の選出重要リスクごとに所管部門であるリスク管理部門を選出。・グループにおけるリスク評価リスク管理部門/部門/グループ会社において、各重要リスクの影響度、発生可能性、対策状況等を評価。・重要リスクのランキング化・マップ化グループにおける評価内容をふまえ、重要リスクのランキング化・リスクマップの作成を行い、重要度を可視化。重要度をふまえて重点対策リスクを決定。・リスク・コンプライアンス委員会報告グループにおける評価結果をふまえた分析を実施、重要リスクの対策方針等を議論・決定。・部門・グループ会社への是正指導グループにおける評価結果をふまえ、部門・グループ会社にフィードバックを実施し、改善を指示。・部門・グループ会社におけるリスクモニタリング部門・グループ会社において定常的にリスクモニタリングを実施し、リスク対策の状況確認と低減を実施。 リスクマネジメントプロセス [重要リスク一覧]潜在リスクアセスメントの評価結果に加え、実際に発生したリスクである「顕在化したリスク」の状況を踏まえたうえで、当社グループの事業戦略及びビジネス目標達成への影響を鑑み、重点的に取り組むリスクを「重点対策リスク」として選定しております。昨今の当社及び当社グループ会社の度重なる情報セキュリティインシデントやシステム品質に関する問題により、「重点対策リスク」を以下2つの重要リスクと定め、リスク・コンプライアンス委員会中心に取り組んでおります。 ・セキュリティに関するリスク・製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2024年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。また、各リスクにおける対策の実施にもかかわらず、全てのリスクの発生を未然に防止できない可能性があります。また、当社グループは経営目標の達成に向けて「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に影響を与える可能性のある主なリスクとその対策を、経営方針・経営戦略との関連性も考慮したうえで、以下に記述しております。 [重点対策リスク](1)セキュリティに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワーク・システムの運用停止や情報漏洩、不正利用等を完全に防げるとは限りません。万一、情報漏洩により個人の権利・利益を侵害した場合やお客様の情報を漏洩した場合には、当社グループの信用は低下するとともに、個人情報保護法やGDPR等の法令違反による罰金や制裁金が科されるおそれがあります。これらのリスクは当社グループのサプライチェーン上でも発生する可能性があります。委託先におけるセキュリティリスクが顕在化した場合、お客様や当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、敷地・建物・フロアの3層において物理セキュリティ環境を構築していますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、機密情報の漏洩や企業ブランド価値の毀損、ビジネス機会の喪失等、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 [対策]お客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、情報保護マネジメントシステム運用の強化を図り、社内規程の制定、従業員への教育、現場点検、監査、業務委託先も含めた指導等を実施しております。 当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、ゼロトラストを実現するべく、IT基盤の特性に合わせて対策を講じています。標的型攻撃対策として不正アクセス対策やマルウェア対策に加え、デバイス管理、ID管理、データ漏洩対策を組み合わせた認証・認可基盤を構築し、巧妙化・多様化・複雑化するサイバー攻撃への対策を実施しております。また、グローバルに展開しているお客様向けのITシステム及び、社内ITシステムのITアセット管理を一元化し可視化することで、グループ全体のセキュリティリスクの特定と是正を速やかに実施しております。さらに、委託先におけるセキュリティリスクへの対処として、制度・セキュリティ強化の両面からサプライチェーンのセキュリティ強化施策を進めております。また、敷地・建物・フロアの3層において「人的警備」と「機械警備」を組み合わせた物理セキュリティ環境を構築しています。さらにより高度な物理セキュリティ環境を構築するために、なりすましを防ぐことが可能な静脈認証装置を組み合わせたセキュリティゲートを社内展開しています。 (2)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発や製品・サービスの運用・保守業務、製品の設計・開発・製造において、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度が高まり、製品の欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。また、競争の激化による価格低下により、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。このような製品・サービスの欠陥、瑕疵や納期遅延等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一、欠陥や瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。[対策]システムの受託開発及びサービスの開発においては、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めております。開発プロジェクトの進捗やテスト密度・不具合検出率等、開発現場で発生する品質に関わる情報を共通プラットフォームであるFujitsu Developers Platformに乗せてEVM(Earned Value Management)や品質メトリックスの標準化と合わせて、タイムリーに分析してアラートを上げることにより、品質不良のリスクを早期に把握・対策する仕組みを構築することを目指しています。また、お客様との契約のあり方を見直すとともに、ビジネスプロデューサー・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。製品・サービスの運用・保守業務では、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っております。製品の設計・開発・製造では、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めております。そして、パブリックサービスに対する品質統制を厳格化し、商談から運用・保守までの状況の見える化、品質状況の可視化、第三者による設計プロセスの確認、品質成熟度の評価による品質の確保に努めております。また、重大障害の抑止に向けて、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社長直轄組織による開発プロセスのエンハンスや各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善を進めております。 [重要リスク](3)自然災害や突発的事象発生のリスク① 自然災害・感染症・火災等に関するリスク[リスクの概要と影響]近年、世界的な気候変動により、台風・水害・大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下・南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、被害想定を超えた規模で発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、部材メーカーからの部品供給の不足や遅れ、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷の停止等、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質な製品・サービスを安定的に供給するために、事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を構築するとともに、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定や継続的な見直し及び改善を行っております。また、感染症によるパンデミックの経験をふまえて、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保を最優先とし、お客様への製品・サービスを継続して提供する体制を構築することにより重要な事業を維持し、社会的責任を遂行できるよう努めております。② 紛争・テロ・政情不安等に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域において、紛争・テロ・デモ・ストライキ・政情不安等が発生した場合、サプライチェーン等の当社グループの事業に大きな影響を与える可能性があります。また、従業員等が巻き込まれ、安全が脅かされる可能性があります。[対策]各国・各地域におけるリスク情報の収集や事業の棚卸を行い、関係者間で共有するとともに、調達先におけるBCPの推進や、従業員の緊急連絡体制を構築し従業員の安全管理を行う等、情勢を見極めながら、ビジネスを継続するよう努めております。 (4)コンプライアンスに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、競争法・贈賄禁止法・輸出管理法等国内外の関連法令・規制等を遵守する必要がありますが、これらの関連法令・規制等に抵触する事態が発生した場合、多額の課徴金や損害賠償を請求される可能性があります。また、不正会計等により監査法人から監査報告を受けることができない、または有価証券報告書の提出ができない、もしくは過去に提出した有価証券報告書の訂正をしなければならなくなる事態が発生した場合、株価の下落や、株主からの損害賠償請求に繋がり、当社グループの社会的信用が失墜する可能性があります。[対策]当社グループでは、最新の法令をふまえたルール・規程の制定と継続的運用を行うことで、業務上、役員や従業員による法令違反が生じないように統制しています。不正会計等についても、内部統制評価を行い、内部統制監査を受けることで、業務プロセス上で適正な事務処理及び経理処理がされるようにしております。また、経営層からのトップメッセージの発信やe-Learningの定期的な実施、営業部門向け研修を実施し、従業員のコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、内部通報制度の整備と運用、発覚後の調査・対策体制を整備しております。 (5)財務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループに対して外部の格付け機関が発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使われることがあります。収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼすほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、お取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安等は売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、資金調達に関する対策として、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等を行っております。また、与信管理に関する対策として、与信管理関連部門による意見交換、及び外部機関の企業信用調査情報等の関連部門との共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等を行い、リスクの低減を図っております。 (6)知的財産に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、研究開発活動を通じ、他社の製品やサービスと差別化できる技術やノウハウの創出に努めておりますが、かかる技術やノウハウは、法的・経済的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、他社が当社グループの技術やノウハウを使って類似した製品やサービス等を製造、販売することを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、またはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下することがあります。当社グループの知的財産を適切に保護・活用できない場合、当社グループ事業の成長の阻害や、利益の逸失に繋がる可能性があります。当社グループの製品やサービスおよび活動について、他社の知的財産権を侵害している、あるいはオープンソースソフトウェアを含む第三者のソフトウェアの利用形態が許諾条件に沿わないとされ、使用料支払いや設計変更費用等が発生した場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]知的財産の保護・活用においては、当社グループの事業戦略や事業環境の変化を踏まえ、より効果的な知財戦略への見直しを行い、推進しております。また、他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規程や体制の整備、ソフトウェア利用の管理体制の強化、製品・サービスの商品化プロセスにおける他社知的財産調査等を行っております。 (7)環境・気候変動に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の一つと位置付けています。しかし、事業活動を通じて環境汚染等が発生した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年、気候変動等により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招き、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。現在、世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目標に掲げていく中で、機関投資家も気候変動への取り組みを投資基準とする等、社会・経済のカーボンニュートラルへの流れが加速しています。温室効果ガスの排出量の規制強化や炭素税の導入に加え、顧客や社会のカーボンニュートラルへの貢献が求められていますが、これらの規制等に適合できない、あるいは社会が期待する以上の貢献ができない場合、後追いでの規制対応のためのコストの増加、企業レピュテーションの低下によるビジネス機会の損失や、環境ラベル取得などの市場のスタンダードへの適合を条件とする入札に参加できなくなる可能性があります。また、お客様・社会のCO2削減、エネルギー源の電化シフト、エネルギー需給の最適化、再エネ拡大といったカーボンニュートラルな社会システムへの転換や気候変動適応を支援するソリューションに対する需要の急速な高まりにより、省エネ・カーボンニュートラルに貢献するソリューションや、気候変動の適応に貢献するソリューションを提供できない場合、または他社と比べて削減できるエネルギーが少ない場合は、ビジネス機会の損失や市場シェア及び利益率の低下に繋がり、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。 [対策]当社グループでは、法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めています。エネルギー使用量においては、環境パフォーマンス管理システムによる事業所のエネルギー使用量の把握を行うとともに、電力においては、社内の調達電力システムを活用し、各社の電力料金の比較・分析を行い、契約電力のコストやCO2排出量等の最適化を図っています。排水・排ガスにおいては、関連法律・条例等の排出基準よりも厳しい自主管理値を設定し、定期的な測定により数値の監視を行っています。また、当社グループ工場跡地では、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っています。さらに、主要な外部評価の評価基準を分析し、環境経営の評価軸に組み込んだ情報開示、環境パフォーマンス向上を狙いとした改善を図るとともに、グローバルな環境リーディング企業として社会的責任を果たすために、気候変動対策としてSBTiよりネットゼロ認定を取得するとともに、顧客や社会のカーボンニュートラルを戦略的に推進しています。顧客や社会のカーボンニュートラルに貢献するため、環境配慮製品やソリューションの設計・開発を行うとともに、EPEAT等の環境配慮製品ラベルを取得し、また、効率的な環境価値取引のエコシステムの構築を目指す新たなプロジェクトを開始し、企業や国を超えたCO2削減量等の環境価値取引市場に対して、ブロックチェーン技術やカーボンニュートラル関連技術に基づく環境価値流通プラットフォームの市場適用と活性化に向けた取り組み等を行っております。 (8)調達先・提携等に関するリスク調達に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループが提供する製品・サービスは最先端の技術を使用しており、汎用的ではない部品や希少性の高い原材料等を使用することがあります。そのため、一部の部品・原材料等については、安定的な調達が困難な場合や、代替の調達先を確保できない場合、大量に調達が必要な部品・原材料等について、必要な量を調達できない可能性があります。また、お取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等が発生した場合は、当社グループに対する部品・原材料等の安定的な提供が困難になります。さらに、世界中で発生する異常気象やそれに伴う災害、国際情勢の不安定化等、部品・原材料等の安定的な調達に影響を及ぼす事象は増加傾向にあるため、部品・原材料等を十分に確保できない場合、製品・サービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。当社グループの調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初の見込みを上回り、製品・サービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入品の不良を完全に防げない場合には、納期遅延や製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。[対策]当社グループでは、部品単位での製造拠点・調達先の各対策状況調査や、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけ、支援の強化、及び適正な在庫の確保等をすることで、サプライチェーンの維持に努め、リスクの低減を図っております。提携・アライアンス・技術供与に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っておりますが、経営、財務、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合があります。当社グループの製品・サービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後、当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、業務提携、技術提携、合弁等で他社との関係を構築する際、リスクを的確に認識・評価した上で契約条件等への反映を行うとともに、継続的なモニタリングを行うことで、当社グループへの影響を最小限に抑えるよう努めております。 (9)お客様に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高く、また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっております。お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品・サービスの売れ行き等は、当社グループの製品・サービスの需要や価格に大きな影響があります。また、お客様との信頼関係や、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。[対策]当社グループでは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しており、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、長期的な信頼関係を築くことを目指しております。当社グループは、お客様を取り巻く環境変化に対して多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしております。 (10)競合・業界に関するリスク[リスクの概要と影響]市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品・サービスの価格下落につながる可能性があります。そのため、想定を上回る価格下落が生じた場合や、調達価格が大幅に変動した場合等には、十分なコストダウンや販売拡大を実現できず、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、競争優位性を持っている分野においても、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できない可能性があります。ICT業界では技術の進歩が大変速く、新製品や新技術であっても急速に陳腐化します。これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、技術の進歩や競争激化等による製品・サービスの低価格化を想定し、社会動向に基づいた課題を洞察するとともにお客様のニーズや他社状況を把握し、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおります。また、競争力維持のためには、先端技術の研究開発を続けることが必要です。当社グループは適切な研究開発への投資を実行することで、当社グループ事業の強み、競合他社等との差異を明確にし、技術やサービスの優位性を確保するよう、努めております。 (11)公的規制・政策・税務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。事業展開する各国・各地域において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。さらに、昨今の国際情勢は、各国・各地域の政策に影響を及ぼしており、特に、経済安全保障に基づく企業活動への規制が強化される傾向にあります。このような政策の変更や規制の強化は、当社グループが対象としている市場やサプライチェーン等に影響を及ぼし、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が発生する可能性があります。 また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があるため、これらに関する規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。[対策]当社グループでは、各省庁や業界団体等から情報収集し分析を行うことで、各国・各地域における規制や政策の動向を注視しております。また、経済安全保障分野においては、今後も規制が厳しくなる方向であると捉えており、国内外の規制動向、さらには政府・企業の動向も注視したうえでグループ内の対応体制を整備しております。 (12)人材に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存するため、経営者、優秀な高度専門技術者等、必要とする人材を採用及び育成するとともに、人材が継続して働くことができる環境を整備することが重要です。人材を採用または育成することができない場合、流出を防止できない場合や重大な労務問題が発生した場合は、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、高度専門技術者に対する個別処遇やジョブ型人事制度等、多様性やチャレンジを尊重する組織風土を醸成するための制度改革を行うとともに、Work Life Shiftの推進により、テレワーク勤務を基本とし、また、フレックスタイム制や裁量労働制等の柔軟な勤務形態を積極的に活用することで、適切な労務管理を実現し優秀な人材を確保し活躍し続けられる環境を整備しております。 (13)人権に関するリスク[リスクの概要と影響]昨今、欧州において人権に関するデューデリジェンスが義務化される等、人権尊重への取り組みが一層強く求められるように変化しており、当社グループはもとより、サプライチェーン上での労働環境や紛争鉱物等の人権に関するリスクを防止・低減することが求められています。もしこれらに関して人権リスクが発生した場合は、人材の流出やビジネス機会の損失、行政罰等により当社グループの社会的信用の失墜に繋がり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、急速に普及が進んでいるAI技術を利用したビジネスに関して人権を侵害する事象等が発生した場合も、同様に損害賠償や当社グループの社会的信用の失墜に繋がる可能性があります。[対策]当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべき事項を行動規範(人権の尊重、法令遵守、公正な商取引等)として定めるとともに、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS:Global Business Standards)をグループで統一的に運用し、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成を図っております。そのための社内体制や仕組みの構築を推進するため、経営層からのトップメッセージの発信や定期的な従業員教育(人権、差別・ハラスメント防止等)の実施を行っております。2022年度においては、人権デューデリジェンスのプロセスである人権影響評価を実施いたしました。最新の国際動向をふまえて、人権に関するリスクを整理し、重要性・事業関連性から優先課題を特定し、この評価を基に、当社グループの人権方針である「富士通グループ人権ステートメント」を改定し、当社グループやサプライヤーへの周知を行っております。AIビジネスに関しては、AI倫理指針である「富士通グループAIコミットメント」に基づき、従業員教育の実施やAIの開発・提供者として自らを律し、お客様から信頼されるビジネスパートナーとなるための実践的なAI倫理ガバナンス体制を構築したほか、全AIビジネスについてAI倫理審査を実施しております。 (14)経済や金融市場の動向に関するリスク① 主要市場における景気動向[リスクの概要と影響]当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICT分野において各種サービスを提供しております。また、事業ブランドであるUvanceビジネスは、グローバル共通の戦略として展開しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に影響を与えます。[対策]急激な市場の変化に対応するため、グループ全体の戦略や事業ポートフォリオの方針を明確化するとともに継続的な構造改革を行うことで、リスクの低減を図っております。 ② 為替動向と金利変動及び資本市場の動向[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルでの事業拡大を進めております。そのため、急激な為替変動は、海外に輸出提供する製品・サービスの価格競争力の低下や、海外からの部材等の輸入に影響を及ぼす可能性があり、海外ビジネスの売上及び損益に大きく影響します。海外に保有する資産・負債等についても、資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。さらに、有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇により支払利息や調達コストが増加する可能性があります。また、国内外の株式市場の動向は、保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼし、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価減や、年金資産の目減りによる会社負担増大のおそれがあります。[対策]為替変動等の金融市場環境に関する情報収集や動向注視、金融機関動向の分析等を行いながら必要に応じて為替予約等のヘッジを実施しております。また、グループ全体に情報共有を行うとともに、影響の最小化を図っております。 (15)投資判断・事業再編に関するリスク[リスクの概要と影響]ICT業界においては、競争力維持のために多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループが有望と考えた市場や技術、買収先が想定ほど成長しない場合や、需給悪化や価格下落が予想以上に早く発生した場合には、投資から十分なリターンを得られず、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、投資や事業再編にあたり、市場動向やお客様のニーズ、当社グループの技術の優位性、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案するとともに、投資効率を検証し、評価指標とプロセスを定め、所要変動に応じて投資を複数段階に分けることやお客様等と提携することで、リスクの低減を図っております。 (16)当社グループの施設・システムに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、国内外に事業所・工場・データセンター等の様々な施設を保有・賃借するとともに、他社ベンダーのクラウドサービスを活用しております。地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミス等が発生した場合、生産ラインの停止や、施設、社内基幹情報システム等の運用停止により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、社内基幹情報システム等においては、24時間365日体制によるシステム監視と運用体制を構築するとともに、事業継続計画書に基づいた対策を実施しています。また、いずれの施設・サービスについても、建築基準その他の規制に準拠した独自の安全基準を設け、リスクの低減を図っております。
FY2023|13,310 文字
3【事業等のリスク】 [方針・推進体制] 当社グループは、事業継続性、企業価値の向上、企業活動の持続的発展を実現することを目標とし、その実現に影響を及ぼす不確実性をリスクと捉え、これらのリスクに対処するために、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属し、グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長(CEO)を委員長として業務執行取締役等で構成しており、当社グループに損失を与えるリスクを常に評価、検証し、認識された事業遂行上のリスクについて、未然防止策の策定等リスクコントロールを行うとともに、リスクの顕在化により発生する損失を最小限に留めるため、顕在化したリスクを定期的に分析し、取締役会等へ報告を行い、再発防止に努めております。 内部統制体制におけるリスク・コンプライアンス委員会の位置づけ また、リスク・コンプライアンス委員会は、グローバルな地域に基づく業務執行体制の区分であるリージョンごとに、下部委員会としてリージョンリスク・コンプライアンス委員会を設置し、国内外の部門やグループ会社、リージョンにリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。 リスクマネジメント・コンプライアンス体制図 さらに、グループ全体のリスク管理機能強化のため、事業部門から独立した代表取締役社長直下の組織である全社リスクマネジメント室にリスク・コンプライアンス委員会事務局機能を設置し、CRMO(Chief Risk Management Officer)の下、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応を行っております。 これまでの取り組みを踏まえ、さらなる施策強化と実効性の担保を図るためには、これまで以上に経営者主導による全社的、組織横断的な対応が必須であると考え、当社グループ全体の品質責任者として最高品質責任者(Chief Quality Officer:CQO)を新たに任命することといたしました。さらに、CEOが委員長を務める当社リスク・コンプライアンス委員会の体制・機能を拡充し、恒常的・全社的な対応を実現する体制に強化いたします。具体的には、これまで当社グループに関する重要なリスク・コンプライアンスについての審議の場であった同委員会のメンバーに新たに任命したCQOを加えるとともに、情報セキュリティ、システム品質に関する全社的な施策および個別事象への対応も含め、具体策まで踏み込んで決定し、迅速に実行する体制といたします。こうした体制を構築することで、CISO・CQOに対してこれまで以上に強化した権限を付与し、人事制度や投資リソース等その他の各CxOの領域を含む全体を統括する、CEO主導によるリスクマネジメント経営を徹底してまいります。また、施策実行の迅速性と実効性を担保するため、同委員会を毎月開催することといたします。 [潜在リスクマネジメントプロセス]当社グループを取り巻くさまざまなリスクから、事業活動に伴う重要リスクの抽出・見直しをしたうえで、毎年、重要リスクの発生可能性・影響度・対策状況等について調査・分析・評価し、可視化を行っております。評価結果を基に、リスク・コンプライアンス委員会において重要リスクを確認し、更なる対策等を指示するとともに、取締役会に報告しております。リスク・コンプライアンス委員会が決定した方針、対策等をグループ全体にフィードバックし、重要リスクごとに定めたリスク管理部門がグループにおける対策等を適切に管理することでリスクの低減を図っております。なお、潜在リスクマネジメントプロセスにおいて得られた情報は、ステークホルダーに開示する有価証券報告書やサステナビリティデータブック等に反映しております。 このようなプロセスを実施することにより、グループ全体のリスクの低減と顕在化した際の影響の極小化を図っております。 リスクマネジメントプロセス 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2023年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。また、各リスクにおける対策の実施にもかかわらず、全てのリスクの発生を未然に防止できない可能性があります。 Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性当社グループは経営目標の達成に向けて「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は、以下の(1)~(6)、(8)、(11)、(13)において、経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております。 Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク(1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向[リスクの概要と影響]当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICT分野において各種サービスを提供しております。また、事業ブランドであるUvanceビジネスは、グローバル共通の戦略として展開しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に影響を与えます。[対策]急激な市場の変化に対応するため、グループ全体の戦略や事業ポートフォリオの方針を明確化するとともに継続的な構造改革を行うことで、リスクの低減を図っております。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向[リスクの概要と影響]当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、急激な為替変動は、海外に輸出提供する製品・サービスの価格競争力の低下や、海外からの部材等の輸入に影響を及ぼす可能性があり、海外ビジネスの売上及び損益に大きく影響します。海外に保有する資産・負債等についても、資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。さらに、有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇により支払利息や調達コストが増加する可能性があります。また、国内外の株式市場の動向は、保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼし、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価減や、年金資産の目減りによる会社負担増大のおそれがあります。[対策]為替変動等の金融市場環境に関する情報収集や動向注視、金融機関動向の分析等を行いながら必要に応じて為替予約等のヘッジを実施しております。また、グループ全体に情報共有を行うとともに、影響の最小化を図っております。 (2)お客様に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高く、また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっております。お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品・サービスの売れ行き等は、当社グループの製品・サービスの需要や価格に大きな影響があります。また、お客様との信頼関係や、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、新型コロナウイルス感染症は、世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客様の投資が抑制される一方で、テレワークやオンライン教育等の新たなICT関連需要が生じております。このような環境変化は、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しており、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、長期的な信頼関係を築くことを目指しております。当社グループは、お客様を取り巻く環境変化に対して多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしております。 (3)競合・業界に関するリスク[リスクの概要と影響]市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品・サービスの価格下落につながる可能性があります。そのため、想定を上回る価格下落が生じた場合や、調達価格が大幅に変動した場合等には、十分なコストダウンや販売拡大を実現できず、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、競争優位性を持っている分野においても、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できない可能性があります。ICT業界では技術の進歩が大変速く、新製品や新技術であっても急速に陳腐化します。これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策] 当社グループでは、技術の進歩や競争激化等による製品・サービスの低価格化を想定し、社会動向に基づいた課題を洞察するとともにお客様のニーズや他社状況を把握し、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおります。 また、競争力維持のためには、先端技術の研究開発を続けることが必要です。当社グループは適切な研究開発への投資を実行することで、当社グループ事業の強み、競合他社等との差異を明確にし、技術やサービスの優位性を確保するよう、努めております。 (4)投資判断・事業再編に関するリスク[リスクの概要と影響] ICT業界においては、競争力維持のために多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループが有望と考えた市場や技術、買収先が想定ほど成長しない場合や、需給悪化や価格下落が予想以上に早く発生した場合には、投資から十分なリターンを得られず、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、投資や事業再編にあたり、市場動向やお客様のニーズ、当社グループの技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案するとともに、投資効率を検証し、評価指標とプロセスを定め、所要変動に応じて投資を複数段階に分けることやお客様等と提携することで、リスクの低減を図っております。 (5)調達先・提携等に関するリスク①調達に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループが提供する製品・サービスは最先端の技術を使用しており、汎用的ではない部品や希少性の高い原材料等を使用することがあります。そのため、一部の部品・原材料等については、安定的な調達が困難な場合や、代替の調達先を確保できない場合、大量に調達が必要な部品・原材料等について、必要な量を調達できない可能性があります。また、お取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等が発生した場合は、当社グループに対する部品・原材料等の安定的な提供が困難になります。さらに、世界中で発生する異常気象やそれに伴う災害、国際情勢の不安定化等、部品・原材料等の安定的な調達に影響を及ぼす事象は増加傾向にあるため、部品・原材料等を十分に確保できない場合、製品・サービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。当社グループの調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初の見込みを上回り、製品・サービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入品の不良を完全に防げない場合には、納期遅延や製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。[対策]当社グループでは、部品単位での製造拠点・調達先対策状況調査や、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけ、支援の強化、及び適正な在庫の確保等をすることで、サプライチェーンの維持に努め、リスクの低減を図っております。 ②提携・アライアンス・技術供与に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っておりますが、経営、財務、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合があります。当社グループの製品・サービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後、当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、業務提携、技術提携、合弁等で他社との関係を構築する際、リスクを的確に認識・評価した上で契約条件等への反映を行うとともに、継続的なモニタリングを行うことで、当社グループへの影響を最小限に抑えるよう努めております。 (6)公的規制・政策・税務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。事業展開する各国・各地域において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。 さらに、昨今の国際情勢は、各国・各地域の政策に影響を及ぼしており、特に、経済安全保障に基づく企業活動への規制が強化される傾向にあります。このような政策の変更や規制の強化は、当社グループが対象としている市場やサプライチェーン等に影響を及ぼし、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が発生する可能性があります。 また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があるため、これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。[対策]当社グループでは、各省庁や業界団体等から情報収集し分析を行うことで、各国・各地域における規制や政策の動向を注視しております。また、経済安全保障分野においては、規制が厳しくなる方向であると捉えており、国内外の規制動向、さらには政府・企業の動向も注視し対策を実施しております。 (7)自然災害や突発的事象発生のリスク①自然災害・感染症・火災等に関するリスク[リスクの概要と影響]近年、世界的な気候変動により、台風・水害・大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下・南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、被害想定を超えた規模で発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、部材メーカーからの部品供給の不足や遅れ、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷の停止等、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質な製品・サービスを安定的に供給するために、事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を構築するとともに、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定や継続的な見直し及び改善を行っております。また、新型コロナウイルス感染症の経験をふまえて、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保を最優先とし、お客様への製品・サービスを継続して提供する体制を構築することにより重要な事業を維持し、社会的責任を遂行できるよう努めております。 ②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループは、グローバルにビジネスを展開しているため、各国・各地域において、紛争・テロ・デモ・ストライキ・政情不安等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与える可能性があります。また、従業員等が巻き込まれ、安全が脅かされる可能性があります。[対策]各国・各地域におけるリスク情報の収集を行い、関係者間で共有するとともに、従業員の緊急連絡体制を構築し従業員の安全管理を行う等、情勢を見極めながら、ビジネスを継続するよう努めております。 (8)財務に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループに対して外部の格付け機関が発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使われることがあります。収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼすほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、お取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安等は売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、資金調達に関する対策として、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等を行っております。また、与信管理に関する対策として、与信管理関連部門による意見交換、及び外部機関の企業信用調査情報等の関連部門との共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等を行い、リスクの低減を図っております。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク[リスクの概要と影響] 当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。 システムの受託開発や製品・サービスの運用・保守業務、製品の設計・開発・製造において、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度が高まり、製品の欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。また、競争の激化による価格低下により、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。このような製品・サービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一、欠陥や瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。[対策] システムの受託開発では、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めております。また、お客様との契約のあり方を見直すとともに、ビジネスプロデューサー・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。 製品・サービスの運用・保守業務では、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っております。 製品の設計・開発・製造では、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めております。 また、重大障害の抑止に向けて、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社長直轄組織による各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善を進めております。 (10)コンプライアンスに関するリスク[リスクの概要と影響] 当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、国内外の関連法令・規制等を遵守する必要がありますが、これらの関連法令・規制等に抵触する事態が発生した場合、多額の課徴金や損害賠償を請求される可能性があります。昨今、欧州において人権に関するデューデリジェンスが義務化される等、人権尊重への取り組みが一層強く求められるように変化しており、当社グループはもとより、サプライチェーン上での労働環境や紛争鉱物等の人権に関するリスクを防止・低減できない場合、ビジネス機会の損失や、行政罰等により当社グループの社会的信用の失墜に繋がり、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、普及が進んでいるAI技術を利用したビジネスにおいて人権を侵害する事象が発生した場合、損害賠償等や当社グループの社会的な信用が低下する可能性があります。[対策]当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範(人権の尊重、法令遵守、公正な商取引等)として定めるとともに、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS:Global Business Standards)をグループで統一的に運用し、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成を図っております。また、そのための社内体制や仕組みの構築を推進するため、経営層からのトップメッセージの発信や定期的なe-Learningの実施等を行っております。「人権の尊重」においては、2021年度以降、グループの全従業員向けに「ビジネスと人権」に関するe-Learningを実施し、2022年度においては、人権デューデリジェンスのプロセスである人権影響評価を実施いたしました。最新の国際動向をふまえて、人権に関するリスクを整理し、重要性・事業関連性から優先課題を特定し、この評価を基に、当社グループの人権方針を改定し、当社グループやサプライヤーへの周知を行っております。また、AIビジネスにおいては、AIへの「信頼」の維持・確保のために、当社グループのAI倫理指針である「富士通グループAIコミットメント」に基づき実践的なAI倫理ガバナンス体制を構築しております。 (11)知的財産に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積しておりますが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、他社が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売することを効果的に防止できない可能性があります。他社が類似、またはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下することがあります。また、当社グループの製品・サービスや技術について、他社の知的財産を侵害している、あるいはオープンソースソフトウェアを含む第三者のソフトウェアの利用形態が許諾条件に沿わないとされ、使用料支払いや設計変更費用等が発生した場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。従業員の発明に対する職務発明補償・報奨については、発明者から訴訟を提起される可能性があります。[対策]当社グループでは、他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行うとともに、他社による当社グループ知的財産の不正利用の調査と是正対応を行っております。従業員の発明に対しては、法令等に基づいた職務発明補償・報奨を積極的に実施しております。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスク[リスクの概要と影響] 当社グループは、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワーク・システムの運用停止や情報漏洩、不正利用等を完全に防げるとは限りません。万一、情報漏洩により個人の権利・利益を侵害した場合やお客様の情報を漏洩した場合には、当社グループの信用は低下するとともに、個人情報保護法やGDPR等の法令違反による罰金や制裁金が科されるおそれがあります。 また、これらのリスクは当社グループのサプライチェーン上でも発生する可能性があります。委託先におけるセキュリティリスクが顕在化した場合、お客様や当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]お客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、情報保護マネジメントシステム運用の強化を図り、社内規程の制定、従業員への教育、現場点検、監査、業務委託先も含めた指導等を実施しております。 また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、ゼロトラストを実現するべく、IT基盤の特性に合わせて対策を講じています。標的型攻撃対策として不正アクセス対策やマルウェア対策に加え、デバイス管理、ID管理、データ漏洩対策を組み合わせた認証・認可基盤を構築し、巧妙化・多様化・複雑化するサイバー攻撃への対策を実施しております。さらに、委託先におけるセキュリティリスクへの対処として、制度・セキュリティ強化の両面からサプライチェーンのセキュリティ強化施策を進めております。 ②物理セキュリティに関するリスク[リスクの概要と影響] 当社グループは、敷地・建物・フロアの3層において物理セキュリティ環境を構築していますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、機密情報の漏洩や企業ブランド価値の毀損、ビジネス機会の喪失等、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループは、敷地・建物・フロアの3層において「人的警備」と「機械警備」を組み合わせた物理セキュリティ環境を構築しています。さらにより高度な物理セキュリティ環境を構築するために、なりすましを防ぐことが可能な静脈認証装置を組み合わせたセキュリティゲートを社内展開しています。 (13)人材に関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存するため、経営者、優秀な高度専門技術者等、必要とする人材を採用及び育成するとともに、人材が継続して働くことができる環境を整備することが重要です。人材を採用または育成することができない場合、流出を防止できない場合や重大な労務問題が発生した場合は、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、高度専門技術者に対する個別処遇やジョブ型人事制度等、多様性やチャレンジを尊重する組織風土を醸成するための人材制度改革を行うとともに、適切な労務管理を徹底することにより、優秀な人材を確保し活躍し続けられる環境を整備しております。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク[リスクの概要と影響]当社グループでは、国内外に事業所・工場・データセンター等の様々な施設を保有・賃借するとともに、他社ベンダーのクラウドサービスを活用しております。地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミス等が発生した場合、生産ラインの停止や、施設、社内基幹情報システム等の運用停止により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、社内基幹情報システム等においては、24時間365日体制によるシステム監視と運用体制を構築しています。また、いずれの施設・サービスについても、各国の建築基準その他の規制に準拠した独自の安全基準を設け、リスクの低減を図っております。 (15)環境・気候変動に関するリスク[リスクの概要と影響] 当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の一つと位置付けています。しかし、事業活動を通じて環境汚染等が発生した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年、気候変動等により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招き、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。現在、世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目標に掲げていく中で、機関投資家も気候変動への取り組みを投資基準とする等、社会・経済のカーボンニュートラルへの流れが加速しています。温室効果ガスの排出量の規制強化や炭素税の導入に加え、顧客や社会のカーボンニュートラルへの貢献が求められていますが、これらの規制等に適合できない場合、企業レピュテーションの低下によるビジネス機会の損失や、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなる可能性、規制適合のためのコストが増加する可能性があります。さらに、カーボンニュートラルに向けた技術開発競争が激化し、対応が遅れた場合、投資未回収や市場シェア及び利益率の低下に繋がり、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼす可能性があります。[対策]当社グループでは、法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めています。エネルギー使用量においては、環境パフォーマンス管理システムによる事業所のエネルギー使用量の把握を行うとともに、電力においては、社内の調達電力システムを活用し、各社の電力料金の比較・分析を行い、契約電力のコストやCO2排出量等の最適化を図っています。排水・排ガスにおいては、関連法律・条例等の排出基準よりも厳しい自主管理値を設定し、定期的な測定により数値の監視を行っています。また、当社グループ工場跡地では、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っています。さらに、主要な外部評価の評価基準を分析し、環境経営の評価軸に組み込んだ情報開示、環境パフォーマンス向上を狙いとした改善を図るとともに、グローバルな環境リーディング企業として社会的責任を果たすために、気候変動対策としてパリ協定の1.5℃水準に沿った温室効果ガス排出量削減と顧客や社会のカーボンニュートラルを戦略的に推進しています。また、顧客や社会のカーボンニュートラルに貢献するため、効率的な環境価値取引のエコシステムの構築を目指す新たなプロジェクトを開始し、企業や国を超えたCO2削減量等の環境価値取引市場に対して、ブロックチェーン技術やカーボンニュートラル関連技術に基づく環境価値流通プラットフォームの市場適用と活性化に向けた取り組み等を行っております。
FY2022|11,110 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、当社グループの事業その他におけるリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属するリスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、認識・評価された結果については取締役会で報告を行い、各リスクに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認したうえで、さらなる対策の策定、見直しなどを実施するとともに、万一発生した場合には影響の極小化に努めております(重要リスクのリスクマネジメントプロセス)。また、リスク・コンプライアンス委員会は国内外の各部門や各グループ会社へリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、潜在リスクの発生予防と顕在化したリスクへの対応の両面から、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。さらに、グループの全社的な危機管理の強化のため、事業部門から独立した社長直下の組織である全社リスクマネジメント室にリスク・コンプライアンス委員会事務局機能を移管し、CRMO(Chief Risk Management Officer)のもと、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応を行っております。また、情報管理や情報セキュリティに関する機能を強化するため、2021年10月に専任のCISO(Chief Information Security Officer)を任命し、CISOのスコープ拡大と権限をより明確化することで情報セキュリティ施策を全社で推進しております。 リスクマネジメント・コンプライアンス体制図 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2022年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。 Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性当社は経営目標の達成に向けて「経営方針及び対処すべき課題」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は、以下の(1)~(5)、(8)、(11)、(13)において、経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております。 Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク(1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、コンサル人材等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループではグループ全体の全社戦略や事業ポートフォリオの方針に基づいて、継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、為替変動に関する情報収集及び当社グループ内での共有等を行っておりますが、為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあり、また、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、又は負債等が増大する可能性があります。当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払利息や調達コストが増加することがあります。また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、年金資産の目減りにより会社負担が増大したり、保有株式の評価減が発生したりするおそれがあります。 (2)お客様に関するリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高くなっております。当社グループは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しておりますが、お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、当該政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。また、新型コロナウイルス感染症は、依然として、世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客様のICT投資が抑制されることも予想され、当社グループの売上及び損益に影響を与える可能性があります。その一方で、ウィズコロナ/ポストコロナ時代においてニューノーマル(新しい常態・常識)への移行が更に加速化し、お客様にテレワークやオンライン教育等の新たなICT関連需要が生じてきています。当社グループは、多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしたいと考えています。なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、長期的な信頼関係を築くことを目指しております。お客様との信頼関係が継続できない場合もしくは、取引又は契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 (3)競合・業界に関するリスク市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等による当社製品・サービスの低価格化を想定し、社会動向に基づいた課題を洞察するとともにお客様のニーズや他社状況を把握し、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおります。しかしながら、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により、当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変速く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは当社事業の強み、差異化を明確にし、技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 (4)投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、又は買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きたりする可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携したりと、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 (5)調達先・提携等に関するリスク①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できなかったりするリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかしながら、提携、合併に伴うリスクの事前の評価に関わらず、経営、財務、あるいは、その他の要因により、協力関係を成立、又は、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合も考えられ、そのような場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 (6)公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国・各地域において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。また、昨今の国際情勢の急速な変化が、各国・各地域の政策にも影響を及ぼしております。当社グループは、各国・各地域における政策の動向を注視しておりますが、これらの政策や規制等の強化や変更により、当社グループが対象としている市場やサプライチェーンなどにネガティブな影響が生じる可能性があります。また、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が生じるリスクがあり、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 (7)自然災害や突発的事象発生のリスク①自然災害、感染症、火災等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。世界的に感染が続いている新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客様への製品・サービス提供の継続、及び感染拡大により生じる様々な社会課題の解決に資する取り組みを進めております。さらに、国内外の政府当局、お客様と連携した諸施策の実行などにより、重要な事業を継続維持し、社会的責任を遂行することを目指しております。しかしながら、当社グループ、委託先又はお客様先の感染者の発生、部材メーカーからの部品供給の不足・遅れ、さらに、国内外の政府当局の今後の施策によっては、製品・サービスの持続的な提供に影響を与える可能性があります。また、今後、経済活動の低迷を起点とした市況変化によっては、当社グループのビジネス領域における市場動向やお客様のICT投資動向にも変化をもたらし、当社グループの事業に影響が出てくる可能性があります。 ②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク従業員の安全を確保したうえで、情勢を見極めながら、お客様への製品・サービス提供を継続することに努めています。しかしながら、当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (8)財務に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、お取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、ビジネスプロデューサー・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。しかしながら、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。また、重大障害の抑止に向けて、お客様システムの再点検を実施するとともに、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社長直轄組織による各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善を進めております。 (10)コンプライアンスに関するリスク当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、もしくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービス又は技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは従来、従業員の発明に対して職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、又は当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩や不正利用等を完全に防げるとは限りません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。 ②サイバーセキュリティに関するリスク当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、ゼロトラストを実現するべく、IT基盤の特性に合わせて対策を講じています。標的型攻撃対策として不正アクセス対策やマルウェア対策に加え、デバイス管理、ID管理、データ漏洩対策を組み合わせた認証・認可基盤を構築し、巧妙化・多様化・複雑化するサイバー攻撃への対策を実施しております。しかしながら、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 ③物理セキュリティに関するリスク当社グループは、敷地、建物、フロアの3層において「人的警備」と「機械警備」を組み合わせた物理セキュリティ環境を構築しています。さらにより高度な物理セキュリティ環境を構築するために、なりすましを防ぐことが可能な静脈認証装置を組み合わせたセキュリティゲートを社内展開しています。しかしながら、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (13)人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要となります。当社グループではジョブ型人事制度や高度人材処遇制度などの新しい人材制度改革の導入により、優秀な人材が集まり活躍しやすい環境を整備しておりますが、優秀な人材を採用又は育成することができない場合や、人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で労働契約の終了に関する合意が円滑になされない場合や法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合には、人事部門、法務部門を中心に対処する体制を整備しておりますが、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有又は賃借するとともに、他社ベンダーのクラウドサービスを活用しております。いずれの施設、サービスについても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境・気候変動に関するリスク当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の一つと位置付けています。法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生する可能性があります。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼす可能性があります。また、近年、気候変動により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招き、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。現在、世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目標に掲げていく中で、機関投資家も気候変動への取り組みを投資基準とするなど、社会・経済のカーボンニュートラルへの流れが加速しています。温室効果ガスの排出量の規制強化や炭素税の導入に加え、顧客や社会のカーボンニュートラルへの貢献が求められています。これらの規制等に適合ができない場合には、企業レピュテーションの低下によりビジネスの機会を逃したり、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなる可能性や、適合するために必要なコストが増加する可能性があります。さらに、カーボンニュートラルに向けた技術開発競争が激化し、対応に遅れが生じた場合には、投資未回収や市場シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を与える可能性があります。当社グループはこれらのリスクに対し、また、グローバルな環境リーディング企業として社会的責任を果たすために、気候変動対策としてパリ協定の1.5℃水準に沿った温室効果ガス排出量削減と顧客や社会のカーボンニュートラルを戦略的に推進します。
FY2021|10,646 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、当社グループの事業その他におけるリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属するリスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、認識・評価された結果については取締役会で報告を行い、各リスクに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認したうえで、さらなる対策の策定、見直しなどを実施するとともに、万一発生した場合には影響の極小化に努めております(重要リスクのリスクマネジメントプロセス)。また、リスク・コンプライアンス委員会は国内外の各部門や各グループ会社へリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、潜在リスクの発生予防と顕在化したリスクへの対応の両面から、グループ全体でリスクマネジメントおよびコンプライアンスを推進する体制を構築しております。さらに、グループの全社的な危機管理の強化のため、社長直下の組織として全社リスクマネジメント室を2020年11月に新設し、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応のリードに努めております。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。 Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性当社は経営目標の達成に向けて「経営方針及び対処すべき課題」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は、以下の(1)~(5)、(8)、(11)、(13)において、経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております。 Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク(1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、コンサル人材等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループではグループ全体の全社戦略や事業ポートフォリオの方針に基づいて、継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、為替変動に関する情報収集及び当社グループ内での共有等を行っておりますが、為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあり、また、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払利息や調達コストが増加することがあります。また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、年金資産の目減りにより会社負担が増大したり、保有株式の評価減が発生したりするおそれがあります。 (2)お客様に関するリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高くなっております。当社グループは、社会的な課題解決を念頭に置いた事業活動を行うとともに、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しておりますが、お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、当該政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。新型コロナウイルス感染症は世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客様のICT投資が抑制されることも予想され、当社グループの売上及び損益に影響を与える可能性があります。その一方で、ウィズコロナ/ポストコロナ時代においてニューノーマル(新しい常態・常識)への移行が更に加速化し、お客様に新たな需要が生じてきています。当社は、多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしたいと考えています。なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しており、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合もしくは、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 (3)競合・業界に関するリスク市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等による当社製品・サービスの低価格化を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により、当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは当社事業の強み、差異化を明確にし、技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 (4)投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、または買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きたりする可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携したりと、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 (5)調達先・提携等に関するリスク①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できなかったりするリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、提携、合併に伴うリスクの事前の評価に関わらず、経営、財務、あるいは、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合も考えられ、そのような場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 (6)公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。昨今では、国際情勢の急速な変化が、各国・各地域の政策にも影響を及ぼしております。当社グループは、各国・各地域における政策の動向を注視しておりますが、これらの政策や規制等の強化や変更により、当社グループが対象としている市場やサプライチェーンなどにネガティブな影響が生じる可能性があります。また、対応コストの増加や仮に強化された規制等の違反が認定された場合の制裁金等の負担が生じるリスクがあり、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 (7)自然災害や突発的事象発生のリスク①自然災害、感染症、火災等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。世界的に感染が続いている新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客様への製品・サービス提供の継続、及び感染拡大により生じる様々な社会課題の解決に資する取り組みを進めております。具体的には、従業員に対する在宅勤務や時差出勤の推奨、社内会議や当社主催のイベントのウェブ会議やウェブ配信への切り替えを実施しております。また、これまでお客様先で行っておりました、システム開発、運用、保守業務等についても、テレワーク等のリモート対応への切り替えや、お客様先での作業が必須になる場合はソーシャルディスタンスの確保、定期的な換気などをお願いさせていただいております。国内外の政府当局、お客様と連携した諸施策の実行などにより、重要な事業を継続維持し、社会的責任を遂行することを目指しております。しかしながら、当社グループ、委託先またはお客様先の感染者の発生、部材メーカーからの部品供給の不足・遅れ、国内外の政府当局の今後の施策によっては、製品・サービスの持続的な提供に影響を与える可能性があります。また、今後、経済活動の低迷を起点とした市況変化によっては、当社グループのビジネス領域における市場動向やお客様のICT投資動向にも変化をもたらし、当社グループの事業に影響が出てくる可能性があります。 ②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (8)財務に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様やお取引先と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、お取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の遵守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。また、上述した品質向上対策を実施していても社会システムにおける重大障害が発生した事実を受け、お客様システムの再点検を実施するとともに、全社的な品質保証体制強化のため、事業部門ごとの品質保証プロセスに加え、社長直轄の組織として各プロセスの有効性の監視や、部門間での知見・ノウハウを共有する横断的な仕組みの導入・改善を進めております。 (10)コンプライアンスに関するリスク当社グループは、Fujitsu Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、もしくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービスまたは技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは従来、従業員の発明に対して職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩や不正利用等を完全に防げるとは限りません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。 ②サイバーセキュリティに関するリスク当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築し、セキュリティ対策を実施しておりますが、コンピューターウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。その結果、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 ③物理セキュリティに関するリスク当社グループは、保有または賃借している事業所等において、セキュリティゲート・ドア・カメラ等による入退室の制限と管理により、重要情報の漏洩の防止対策等を図っておりますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。 (13)人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要となります。当社グループではジョブ型人事制度や高度人材処遇制度などの新しい人材制度改革の導入により、優秀な人材が集まり活躍しやすい環境を整備しておりますが、優秀な人材を採用または育成することができない場合や、人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で労働契約の終了に関する合意が円滑になされない場合や法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合には、人事部門、法務部門を中心に対処する体制を整備しておりますが、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境・気候変動に関するリスク当社グループでは、パーパスとして、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことを掲げており、環境を含むサステナビリティ課題への対応を経営の最重要事項の一つと位置付けています。法律・条令等に基づき社内規程を整備し環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生する可能性があります。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明する可能性があります。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼします。また、近年、気候変動により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招くなど、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。現在、日本をはじめ世界各国が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを表明しており、機関投資家も気候変動への取り組みを投資基準とするなど、社会・経済の脱炭素化への流れが加速しています。温室効果ガスの排出規制等の様々な規制の強化に加え、国際イニシアチブ等により、パリ協定に整合する温室効果ガス排出削減目標の設定や、顧客や社会の脱炭素化への事業を通じた貢献も求められており、これらの規制・規範等に適合ができない場合には、企業レピュテーションの低下によりビジネスの機会を逃したり、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなったりする可能性があります。また、これらの規制等に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。
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2【事業等のリスク】 当社グループは、当社グループの事業その他におけるリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属するリスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会は、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、認識・評価された結果については取締役会で報告を行い、各リスクに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認したうえで、さらなる対策の策定、見直しなどを実施するとともに、万一発生した場合には影響の極小化に努めております(重要リスクのリスクマネジメントプロセス)。また、リスク・コンプライアンス委員会は国内外の各部門や各グループ会社へリスク・コンプライアンス責任者を配置するとともに、これらの組織が相互に連携を図りながら、潜在リスクの発生予防と顕在化したリスクへの対応の両面から、グループ全体でリスクマネジメント及びコンプライアンスを推進する体制を構築しております。 なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において当社グループが判断したものです。 Ⅰ.経営方針・経営戦略等との関連性当社は経営目標の達成に向けて「経営方針及び対処すべき課題」に記載された様々な施策を進めてまいりますが、これらの施策に直接影響を与える可能性のある主なリスクとその対策は、以下の(1)~(5)、(8)、(11)、(13)において、経営方針・経営戦略との関連性も考慮して記述しております。 Ⅱ.当社グループの事業活動におけるリスク(1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、コンサル人材等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、オセアニア、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため、為替変動に関する情報収集及び当社グループ内での共有等を行っておりますが、為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあり、また、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、年金資産の目減りにより会社負担が増大したり、保有株式の評価減が発生したりするおそれがあります。 (2)お客様に関するリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、製造業、流通業、ヘルスケア産業等のお客様との取引割合が高くなっております。当社グループは、市場動向、技術動向、お客様の状況の変化を注視しておりますが、お客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。また、海外ビジネスにおいては、各国における政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、当該政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。新型コロナウイルス感染症は世界中の様々な業種のお客様に大きな影響を及ぼしており、これによりお客様のICT投資が抑制されることも予想され、当社グループの売上及び損益に影響を与える可能性があります。その一方で、新型コロナウイルス感染症収束後のニューノーマル(新しい常態・常識)の世界へ移行していく動きが高まっており、その実現のためにお客様に新たな需要が生じることも考えられます。当社は、多様な業種への実績、理解とデジタルテクノロジーを活用し、人とデータを中心とした新たな生活様式を築いていく役割を果たしたいと考えています。なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しており、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合もしくは、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 (3)競合・業界に関するリスク市況の変化や競争激化、技術革新等は、製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等による当社製品・サービスの低価格化を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により、当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒され、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 (4)投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、または買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きたりする可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携したりと、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 (5)調達先・提携等に関するリスク①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できなかったりするリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、感染症の流行、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。調達部品等については、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、提携、合併に伴うリスクの事前の評価に関わらず、経営、財務、あるいは、その他の要因により、協力関係を成立、または、継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合も考えられ、そのような場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としておりますが、これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 (6)公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。当社グループは、各国・各地域における政策の動向を注視しておりますが、これらの政策や規制等の強化や変更は、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 (7)自然災害や突発的事象発生のリスク①自然災害、感染症、火災等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震・浸水対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。世界的に感染が拡大し、大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは、お客様、お取引先様、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客様への製品・サービス提供の継続、及び感染拡大により生じる様々な社会課題の解決に資する取り組みを進めております。具体的には、従業員に対する在宅勤務や時差出勤の推奨、社内会議や当社主催のイベントのウェブ会議やウェブ配信への切り替えを実施しております。また、これまでお客様先で行っておりました、システム開発、運用、保守業務等についても、テレワーク等のリモート対応への切り替えや、お客様先での作業が必須になる場合はソーシャルディスタンスの確保、定期的な換気などをお願いさせていただいております。国内外の政府当局、お客様と連携した諸施策の実行などにより、重要な事業を継続維持し、社会的責任を遂行することを目指しております。しかしながら、当社グループ、委託先またはお客様先の感染者の発生、部材メーカーからの部品供給の不足・遅れ、国内外の政府当局の今後の施策によっては、製品・サービスの持続的な提供に影響を与える可能性があります。また、今後、経済活動の低迷を起点とした市況変化によっては、当社グループのビジネス領域における市場動向やお客様のICT投資動向にも変化をもたらし、当社グループの事業に影響が出てくる可能性があります。 ②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (8)財務に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ監査等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、関連法規の順守・最新基準への適合、品質の向上及び外部購入品の品質管理を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは低下し、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。 (10)コンプライアンスに関するリスク当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、もしくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規程の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービスまたは技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは従来、従業員の発明に対して職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げるとは限りません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。 ②サイバーセキュリティに関するリスク当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築し、セキュリティ対策を実施しておりますが、コンピュータウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。その結果、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 ③物理セキュリティに関するリスク当社グループは、保有または賃借している事業所等において、セキュリティゲート・ドア・カメラ等による入退室の制限と管理により、重要情報の漏洩の防止対策等を図っておりますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。 (13)人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要となります。当社グループではジョブ型人事制度や高度人材処遇制度などの新しい人材制度改革の導入などにより、優秀な人材が集まり活躍しやすい環境を整備しておりますが、優秀な人材を採用または育成することができない場合や、人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で労働契約の終了に関する合意が円滑になされない場合や法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合には、人事部門、法務部門を中心に対処する体制を整備しておりますが、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や感染症、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境・気候変動に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生する可能性があります。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明する可能性があります。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼします。また、近年の気候変動により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招くなど、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。さらに、気候変動に対しては温室効果ガスの排出規制等の様々な規制の強化が考えられ、これらの規制等に適合ができない場合には、企業レピュテーションが低下したり、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなったりする可能性があります。また、これらの規制等に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。
FY2019|8,654 文字
2【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、万一発生した場合には影響の極小化に努めてまいります。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2019年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、半導体等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米ドルやユーロ、ポンドに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあります。また、為替の急激な変動は、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、又は負債等が増大する可能性があります。当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、年金資産の目減りにより会社負担が増大したり、保有株式の評価減が発生したりするおそれがあります。 (2)お客様に関するリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、大手製造業等のお客様との取引割合が高くなっております。これらのお客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、当社グループの売上や損益に大きな影響があります。また、お客様のICT投資計画やその見直し及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。お客様の製品やサービスの需要の低迷、価格下落、事業縮小、市場シェアの低下、又はICT投資の抑制は、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。また、海外ビジネスにおいては、英国での政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、英国政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しており、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合若しくは、取引又は契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 (3)競合・業界に関するリスク市況の変化や競争激化、技術革新等は製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等によるクラウドサービス等のICTサービスの低価格化を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒されており、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力の維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 (4)投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収・売却、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、又は買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きたりする可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携したりと、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 (5)調達先、提携等に関するリスク①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できなかったりするリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。また、調達部品等について、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、調達部品等については、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務あるいはその他の要因により、このような協力関係を成立又は継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としております。これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 (6)公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。これらの政策や規制等の強化や変更は、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 (7)自然災害や突発的事象発生リスク①自然災害、感染症、火災等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、過去の地震における対応を教訓として、事業所における耐震対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症の流行、事故による火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。 ②紛争・テロ・政情不安等に関するリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (8)財務に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金繰り・資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ対応の強化等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。また、システム開発の工業化等、コスト競争力の強化にも努めております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、品質の向上及び外部購入品の品質管理強化を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは傷つき、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。 (10)コンプライアンスに関するリスク当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、若しくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規定の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービス又は技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従来より従業員の発明に対して、職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、又は当社グループの機密情報や個人情報の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げるとは限りません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。 ②サイバーセキュリティに関するリスク当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築し、セキュリティ対策を実施しておりますが、コンピュータウイルスの侵入や不正アクセス等のサイバー攻撃による社内ネットワークやシステムの運用停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。その結果、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 ③物理セキュリティに関するリスク当社グループは、保有又は賃借している事業所等において、セキュリティゲート、ドア、カメラ等による入退室の制限と管理により、重要情報の漏洩の防止対策等を図っておりますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。 (13)人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用又は育成することができない場合や、優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で労働契約の終了に関する合意が円滑になされない場合、法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有又は賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境・気候変動に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生しないとは限りません。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明しないとも限りません。このような環境汚染が発生又は判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼします。また、近年の気候変動により発生頻度・影響度が増大した自然災害は、調達・物流・エネルギー供給網を寸断し、気温の長期的な変化は空調エネルギー使用量の増加を招くなど、当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。さらに、気候変動に対しては温室効果ガスの排出規制等の様々な規制の強化が考えられ、これらの規制等に適合ができない場合には、企業レピュテーションが低下したり、規制への適合を条件とする入札に参加できなくなったりする可能性があります。また、これらの規制等に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。
FY2018|8,573 文字
2【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断、実行し、万一発生した場合には影響の極小化に努めてまいります。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2018年6月25日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)経済や金融市場の動向に関するリスク①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、半導体等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、景気動向及び各市場における急激な需給バランスの変化に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州、北米、中国を含むアジアにおける景気動向及び急激な需給バランスの変化は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ②為替動向と金利変動及び資本市場の動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米ドルやユーロ、ポンドに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下等を招くおそれがあります。また、為替の急激な変動は、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。また、国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損が発生したり、年金資産が目減りし、会社負担が増大するおそれがあります。 (2)お客様に関するリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、大手製造業等のお客様との取引割合が高くなっております。これらのお客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、当社グループの売上や損益に大きな影響があります。また、お客様のICT投資計画やその見直し、及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。お客様の製品やサービスの需要の低迷、価格下落、事業縮小、市場シェアの低下、またはICT投資の抑制は、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。また、海外ビジネスにおいては、英国での政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、英国政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。なお、当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しており、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合もしくは、取引または契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 (3)競合・業界に関するリスク市況の変化や競争激化、技術革新等は製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩や競争激化等によるクラウドサービス等のICTサービスの低価格化を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に影響があります。また、ICT業界では、既存の競合他社に加え、異業種を含めた新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒されており、当社グループが競争力を失ったり、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術であっても急速に陳腐化します。競争力の維持のためには、先端技術の開発を続けることが必要です。当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。 (4)投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資及び事業買収、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な施策を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術、または買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きる可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携する等、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 (5)調達先、提携等に関するリスク①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できないリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーンの維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納期遅延や機会損失等が発生する可能性があります。また、調達部品等について、為替動向や需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、調達部品等については、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げるとは限りません。購入部品に不良があった場合、納期遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務あるいはその他の要因により、このような協力関係を成立または継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としております。これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 (6)公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループは、グローバルに事業活動を展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業及び投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。これらの政策や規制等の強化や変更は、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事、個人情報の取扱い等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 (7)自然災害や突発的事象発生リスク①自然災害、感染症、火災等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、東日本大震災や熊本地震における対応を教訓として、事業所における耐震対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震や大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症の流行、事故による火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質な製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、東海地方、南海トラフ等における巨大地震、感染症のパンデミック、火山の噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様へのサービス提供や製品出荷等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。 ②地政学的リスク、カントリーリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。 (8)財務に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに大きな影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。当社グループでは、流動性の確保、資金繰り・資金調達計画の策定、金融市場動向の分析等、資金調達に関するリスクへの対応を行っていますが、収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。また、当社グループでは、与信管理に関する情報の共有及び外部機関の信用不安情報の共有と動向監視、債権保全に関するアドバイス・指示及び注意喚起の実施等、与信管理に関するリスクへの対応を行っていますが、取引先の経営悪化や経済情勢の悪化等の信用不安により売掛債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。 (9)製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、「品質」を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持・向上に日々たゆまず取り組んでおります。システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ対応の強化等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性があります。また、お客様要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発難度がますます高まっており、同時に競争の激化による価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。また、システム開発の工業化等、コスト競争力の強化にも努めております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトが発生する可能性があります。また、製品・サービスの運用・保守業務については、安定稼動のため、お客様と協働での点検や品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性があります。さらに、製品の設計・開発・製造については、品質管理の全社ルールを定め、品質の向上及び外部購入品の品質管理強化を進めておりますが、当社製品において、欠陥や瑕疵等が発生する可能性があります。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収や補修、システムリカバリー作業や、お客様への補償、機会損失等が当社グループの売上及び損益に影響を及ぼします。また、万一欠陥、瑕疵等への対応における判断誤りや組織的な不正があった場合、企業レピュテーションは傷つき、当社グループの損益への影響を拡大させる可能性があります。 (10)コンプライアンスに関するリスク当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS: Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。 (11)知的財産に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造、販売することを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似、若しくはより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産を侵害することのないよう、社内規定の整備や製品出荷前の他社知的財産調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品やサービスまたは技術について、他社の知的財産を侵害しているとされ、使用料支払いや設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従来より従業員の発明に対して、職務発明補償・報奨を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償・報奨を実施いたしますが、補償・報奨評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 (12)セキュリティに関するリスク①情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、または当社グループの機密情報や個人情報(マイナンバーを含みます)の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げるとは限りません。万一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。 ②サイバーセキュリティに関するリスク当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築しておりますが、コンピュータウィルスの侵入やサイバー攻撃等の不正アクセスによる運用困難や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。 ③物理セキュリティに関するリスク当社グループは、保有または賃借している事業所等において、セキュリティゲート・ドア等の入退室管理や重要情報の漏洩の防止対策等を図っておりますが、物理的な破壊による業務停止や情報漏洩等を完全に防げるとは限りません。 (13)人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用または育成することができない場合や、優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で解雇または退職に関する合意が円滑になされない場合、法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 (14)当社グループの施設・システムに関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を保有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害や、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等、施設・システムの運用が停止することにより、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 (15)環境・気候変動に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減や環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生しないとは限りません。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明しないとも限りません。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下や、浄化処理等の対策費用発生等により損益に影響を及ぼします。また、近年の気候変動による自然災害の発生頻度・影響度の増大は、調達・物流網の寸断をはじめ、事業継続に大きな影響を与えるおそれがあります。また、温室効果ガスの排出規制強化や炭素税の導入により、当社グループのエネルギーコストや温室効果ガス削減施策に必要なコストを増加させるリスクがあります。さらに、気候変動対策が不十分な場合には、企業レピュテーションの低下や入札で不利になる可能性があります。
FY2017|9,311 文字
4【事業等のリスク】当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、取締役会に直属する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクを認識及び評価した上で、リスクの回避、軽減、移転及び保有を判断及び実行し、万一発生した場合には影響の極小化に努めてまいります。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2017年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。 1.経済や金融市場の動向経済状況や金融市場の動向は、当社グループの経営成績や財務基盤等に影響を与えます。例えば、次のようなリスクが存在します。 ①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関、企業等に、ICTを活用したサービス、サーバ、ストレージ等の製品、ネットワーク製品、半導体等を提供し、コンシューマー向けにパソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、各市場の景気動向に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州及び北米並びに中国を含むアジアにおける景気動向は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。 ②ハイテク市場における変動性ICT業界においては、周期的な市況の変動を超えた急激な需給バランスの変化が起きることがあります。特に、半導体、パソコン等、汎用性の高い製品において、その傾向は顕著です。当社グループでは、グローバルに展開するテクノロジーソリューション等のビジネスにおける新規事業開拓、製品の市場投入や量産開始、生産の縮小等の決定に際しては、市場の周期性や変動性を考慮しておりますが、当社グループが市場の変化を的確に予想できない場合や、市況が想定以上に大きく変動する場合が起こり得ます。その際、投資を回収できないリスクや機会損失を被るリスクがあります。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ③為替動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米ドル、ユーロ、ポンドに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下などを招くおそれがあります。また、為替の急激な変動は、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産、負債等についても、為替変動により資産等が目減り、または負債等が増大する可能性があります。 ④金利変動当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。 ⑤資本市場の動向国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損が発生したり、年金資産が目減りしたり、会社負担が増大するおそれがあります。 2.お客様お客様の動向は、当社グループの事業に大きな影響を及ぼします。例えば、次のようなリスクが存在します。 ①お客様におけるICT投資動向変化のリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、大手製造業等のお客様との取引割合が高くなっております。これらのお客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、当社グループの売上及び損益に大きな影響があります。また、お客様のICT投資計画やその見直し、お客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品及びサービスの需要又は価格に大きな影響があります。お客様の製品やサービスの需要が低迷したり、価格が下落したり、事業が縮小されたり、当社グループのお客様の市場シェアが低下したり、お客様がICT投資を抑制したりすることは、当社グループの売上及び損益に悪影響を与えます。また、海外ビジネスにおいては、英国での政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、英国政府のICT投資計画の見直し又は抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 ②お客様との関係継続に関するリスク当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しております。そのため、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合若しくは、取引又は契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 3.競合/業界ICT業界は大変競争が激しく、技術革新のスピードが速いため、業界や競合他社の動きによって、当社グループの経営成績は大きな影響を受けます。例えば次のようなリスクが存在します。 ①価格競争市況環境の変化、競争激化、技術革新等は製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩、競争激化等によるクラウドサービス等のICTサービスの低価格化、パソコンの価格競争の激化等の価格下落を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品・サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスク、調達価格の変動等により当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に悪影響があります。 ②新規参入者を含めた競争ICT業界では、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒されており、当社グループが競争力を失ったり、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。 ③技術開発競争ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力の維持のためには、最先端の技術を開発し続けることが必要です。クラウドサービス、スマートフォン等の市場拡大に対し、当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に悪影響を及ぼします。また、当社グループの製品及びサービスの価値を著しく低下させるような、画期的な新技術、新サービス等が他社によって開発された場合、当社グループの売上及び損益に悪影響があります。 4.調達先、提携等に関するリスク当社グループの事業は、多くのお取引先、提携先等、他社との関係によって成り立っています。従って、これらのお取引先等との関係に著しい変化が生じた場合には、当社グループの事業に影響を及ぼします。 ①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品及びサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できないリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化並びにお取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけ及び支援の強化並びに適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーン維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納入遅延、機会損失等が発生する可能性があります。また、調達部品等について、為替動向、需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、調達部品等については、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げる保証はありません。購入部品に不良があった場合、工程の遅延又は製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与等に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務又はその他の要因により、このような協力関係を成立又は継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品及びサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としております。これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 5.公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制、運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策並びに事業及び投資の許可並びに輸出入に関する制限等のさまざまな規制並びに、独占禁止、知的財産権、セキュリティ、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令、規制等の適用を受けております。これらの政策、法令、規制等の強化や変更は、その国・地域におけるビジネス展開の際の障壁となる可能性があるほか、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事等の公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 6.その他事業遂行上のリスク事業遂行にあたって、当社グループは認識するリスクを排除するために最大限の努力を行っておりますが、すべてにおいて望ましい結果を実現できる保証はありません。具体的には次のようなリスクが存在します。 ①製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持及び向上に日々たゆまず取り組んでおります。製品の開発及び製造においては、製造段階だけではなく開発設計を含めて品質管理の全社ルールを定め、品質の向上及び外部購入品の品質管理強化を進めておりますが、ソフトウェアを含む当社製品において、欠陥、瑕疵等が発生する可能性は排除できません。また、システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化、開発の標準化、セキュリティ対応の強化等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性は排除できません。特に社会システムに関しましては、システムの運用環境、ソフトウェア及びハードウェアのシステム全般に係る瑕疵等について、お客様と協働で点検を実施し、社会システムの安定稼動のため、品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性を完全には排除できません。また、クラウドサービスにおいては、「高信頼」を最も重要な価値と位置付け、耐震性及びセキュリティを備えた堅牢なファシリティの確保並びに高水準な情報セキュリティを実現しておりますが、運用停止等が発生する可能性を完全には排除できません。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収、補修、システムリカバリー作業、お客様への補償、機会損失等が発生し、当社グループの売上及び損益に悪影響を及ぼします。 ②プロジェクト管理についてのリスクシステムの受託開発においては、開発規模の大型化とお客様の要求の高度化、システムの複雑化が進み、開発の難度がますます高まっております。同時に競争の激化により、価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの新規発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。さらにシステム開発の工業化等、コスト競争力の強化にも努めております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を完全には防止できない可能性があります。 ③投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資、設備投資、事業買収、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な事業再編等を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向、お客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場、技術又は買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きる可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携するなど、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 ④知的財産権に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造又は販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が、類似又はより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規定の整備、製品出荷前のクリアランス調査の徹底等を行っておりますが、当社グループの製品、サービス又は技術について、他社の知的財産権を侵害しているとされ、使用料支払い、設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従来より従業員の発明に対して、職務発明補償を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償を実施しますが、補償評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 ⑤人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、並びに流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用又は育成することができない場合や優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、従業員との間で解雇又は退職に関する合意が円滑になされない場合、法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など、労務問題によって企業レピュテーションの毀損や紛争につながる可能性があります。 ⑥環境に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減、環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生しないという保証はありません。また、当社グループ工場跡地において、土壌及び地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後新たな汚染が判明しないとも限りません。このような環境汚染が発生又は判明した場合、当社グループの社会的な信用低下又は浄化処理等の対策費用発生等により損益に悪影響を及ぼします。 ⑦情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先、当社グループの機密情報又は個人情報(マイナンバーを含みます)の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げる保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築しておりますが、コンピュータウィルスの侵入又はサイバー攻撃等の不正アクセスによる運用困難及び情報漏洩等を完全に防げる保証はありません。 ⑧当社グループの施設に関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンターなど様々な施設を所有又は賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また、独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害又はテロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止等施設の運用が停止することにより、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨格付け等当社グループの信用に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付け(CSR・サステナビリティ関連の格付けを含む)は、資金調達や企業レピュテーションに影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。収益計画の未達、財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。 ⑩訴訟等に関するリスク当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟等を提起されることがあり、その結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる可能性があります。その額によっては、当社グループの損益に悪影響を及ぼします。 ⑪コンプライアンスに関するリスク当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS:Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透及び徹底並びに規範遵守の企業風土の醸成並びにそのための社内体制及び仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、又は、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 7.自然災害や突発的事象発生のリスク自然災害その他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの経営成績又は財務基盤に大きな影響を与えるおそれがあります。例えば、下記のようなリスクが存在します。 ①地震その他の自然災害、事故等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、東日本大震災における対応を教訓として、事業所における耐震対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震、大規模な水害、火山の噴火などの自然災害、事故、新型インフルエンザ等の感染症の流行等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪などの自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、東海地方、南海トラフ等における巨大地震、テロ、事故による電力供給停止、感染症のパンデミック、火山噴火などの不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関又は通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様への製品出荷やお客様の情報システムのサポート等の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。 ②地政学的リスク、カントリーリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争、テロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。
FY2016|9,105 文字
4【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社)の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、取締役会に直属する、リスクマネジメント及びコンプライアンスにかかる最高決定機関として、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクを認識し、評価した上で、リスクの回避、軽減、移転又は保有を判断、実行し、万一発生した場合には影響の極小化に努めてまいります。なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日(2016年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。 1.経済や金融市場の動向経済状況や金融市場の動向は、当社グループの経営成績や財務基盤等に影響を与えます。例えば、次のようなリスクが存在します。 ①主要市場における景気動向当社グループは、日本国内及び世界各国で、政府等の公共機関や企業等に、ICTを活用したサービス、サーバやストレージ等の製品、ネットワーク製品、半導体等を提供し、コンシューマ向けにパソコンや携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等を提供しております。これらの事業の売上及び損益は、各市場の景気動向に大きく左右されます。特に、当社グループの主要市場である、日本、欧州及び北米並びに中国を含むアジアにおける景気動向は、当社グループの事業に大きな影響を与えます。 ②ハイテク市場における変動性ICT業界においては、周期的な市況の変動を超えた急激な需給バランスの変化が起きることがあります。特に、半導体やパソコン等、汎用性の高い製品において、その傾向は顕著です。当社グループでは、グローバルに展開するテクノロジーソリューション等のビジネスにおける新規事業開拓、製品の市場投入や量産開始、生産の縮小等の決定に際しては、市場の周期性や変動性を考慮しておりますが、当社グループが市場の変化を的確に予想できない場合や、市況が想定以上に大きく変動する場合が起こり得ます。その際、投資を回収できないリスクや、機会損失を被るリスクがあります。また、こうした市場の変化に対応するため、当社グループでは継続的に構造改革を行っておりますが、急激な変化が発生した場合には、構造改革の規模が想定以上に大きくなることがあり、それに伴う一時的な費用の発生が増大することがあります。 ③為替動向当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米国ドルやユーロ、ポンドに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上及び損益に影響し、海外に提供する製品やサービスの価格競争力の低下などを招くおそれがあります。また、為替の急激な変動は、海外からの部材等の輸入や製品等の輸出に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが海外に保有する資産・負債等についても、為替変動により資産等が目減り、又は負債等が増大する可能性があります。 ④金利変動当社グループの有利子負債の中には金利変動の影響を受けるものが含まれています。従って、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加することがあります。 ⑤資本市場の動向国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する他社株式の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。従って、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損が発生したり、年金資産が目減りし、会社負担が増大するおそれがあります。 2.お客様お客様の動向は、当社グループの事業に大きな影響を及ぼします。例えば、次のようなリスクが存在します。 ①お客様におけるICT投資動向変化のリスク当社グループのビジネスは、日本政府、自治体、各国政府等の公共機関、情報通信事業、金融業、大手製造業等のお客様との取引割合が高くなっております。これらのお客様の政策・方針や、業界の経営環境、市況変化、業界再編の動き等は、お客様のICT投資動向の変化につながり、当社グループの売上や損益に大きな影響があります。また、お客様のICT投資計画やその見直し、及びお客様の製品やサービスの売れ行き等は、当社グループの製品やサービスの需要や価格に大きな影響があります。お客様の製品やサービスの需要が低迷したり、価格が下落したり、事業が縮小されたり、当社グループのお客様の市場シェアが低下したり、お客様がICT投資を抑制したりすることは、当社グループの売上及び損益に悪影響を与えます。また、海外ビジネスにおいては、英国での政府系のプロジェクトが重要な事業となっています。そのため、英国政府のICT投資計画の見直しや抑制があった場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 ②お客様との関係継続に関するリスク当社グループは、お客様のかけがえのないパートナーとなり、ICTのライフサイクルにわたるソリューションを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くことを目指しております。そのため、お客様との関係継続が事業の安定にとって重要です。お客様との信頼関係が継続できない場合や、取引又は契約関係が継続できない場合、当社グループの売上及び損益に影響を与えます。 3.競合/業界ICT業界は大変競争が激しく、技術革新のスピードが速いため、業界や競合他社の動きによって、当社グループの経営成績は大きな影響を受けます。例えば次のようなリスクが存在します。 ①価格競争市況環境の変化、競争激化、技術革新等は製品やサービスの価格下落につながる可能性があります。当社グループは、技術の進歩、競争激化等によるクラウドサービス等のICTサービスの低価格化、パソコンの価格競争の激化等の価格下落を想定し、お客様のニーズや他社状況を把握して、競争力のある製品、サービスのラインナップを拡充することで販売拡大に努めるとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや、調達価格の変動等により当社グループが十分なコストダウンや販売拡大を実現できないリスクがあります。そのような場合、当社グループの売上及び損益に悪影響があります。 ②新規参入者を含めた競争ICT業界では、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入業者を含めた競合他社との競争に晒されており、当社グループが競争力を失ったり、将来の事業において優位性を確保できないリスクがあります。 ③技術開発競争ICT業界では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。競争力の維持のためには、最先端の技術を開発し続けることが必要です。クラウドサービス、スマートフォン等の市場拡大に対し、当社グループは技術やサービスの優位性を確保する努力を最大限行いますが、これらの技術開発競争で他社に優位性を奪われた場合、シェアや利益率が低下し、当社グループの売上及び損益に悪影響を及ぼします。また、当社グループの製品やサービスの価値を著しく低下させるような、画期的な新技術、新サービス等が他社によって開発された場合、当社グループの売上及び損益に悪影響があります。 4.調達先、提携等に関するリスク当社グループの事業は、多くのお取引先、提携先等、他社との関係によって成り立っています。従って、これらのお取引先等との関係に著しい変化が生じた場合には、当社グループの事業に影響を及ぼします。 ①調達に関わるリスク当社グループが提供する製品やサービスは、最先端の技術を使用しており、一部の部品、原材料等については、安定的な調達が困難であったり、供給が滞った場合の代替の調達先を確保できないリスクがあります。また、大量に調達が必要な部品、原材料等について、必要な量を調達できないリスクがあります。さらにお取引先において、自然災害、事故、経営状況の悪化等により、当社グループに対する部品、原材料等の安定的な提供が困難になるリスクがあります。当社グループは、調達のマルチソース化、お取引先への事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の働きかけや支援の強化、及び適正な在庫の確保といった取り組みによってサプライチェーン維持の努力をしておりますが、それでも部品、原材料等の確保が十分に行えなかった場合、製品及びサービスの提供が遅れ、お客様への納入遅延、機会損失等が発生する可能性があります。また、調達部品等について、為替動向、需給逼迫等により調達価格が当初見込みを上回り、製品及びサービスの利益率の悪化や、値上げによる売上の減少が起きる可能性があります。また、調達部品等については、できる限り品質確保に努めておりますが、購入部品の不良を完全に防げる保証はありません。購入部品に不良があった場合、工程の遅延や、製品不良が発生し、機会損失、修理回収費用、不良品廃却費用、お客様への賠償責任等が発生する可能性があります。 ②提携、アライアンス、技術供与に関するリスク当社グループは、グローバルなICTビジネス環境における競争力強化のため、業務提携、技術提携、合弁等の形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務あるいはその他の要因により、このような協力関係を成立又は継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼすことがあります。また、当社グループの製品やサービスは、他社の許諾を受けて使用している多くの特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としております。これらの技術等について、今後も当社グループが許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾を受けられるとは限りません。 5.公的規制、政策、税務に関するリスク当社グループの事業活動は、グローバルに展開しているため、各国・各地域の数々の公的規制、政策動向、税務法制及びこれらの運用等の影響を受けます。具体的には、事業展開する各国において、政府の政策、事業や投資の許可、輸出入に関する制限等のさまざまな規制や、独占禁止、知的財産権、消費者、環境・リサイクル、労働条件、派遣・下請、租税等に関する法令の適用を受けております。これらの政策、規制等の強化や変更は、対応コストの増加や仮に違反が認定された場合の制裁金等の負担により、当社グループの損益に影響を与えます。また、当社グループがソリューションを提供する分野には、通信、医療、工事等、公的規制を受ける領域があります。これらの市場における規制の動向が当社グループの事業へ影響を与える可能性があります。 6.その他事業遂行上のリスク事業遂行にあたって、当社グループは認識するリスクを排除するために最大限の努力を行っておりますが、全てにおいて望ましい結果を実現できる保証はありません。具体的には次のようなリスクが存在します。 ①製品やサービスの欠陥や瑕疵に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて、品質を事業活動の根幹に関わる事項として捉え、快適で安心できるネットワーク社会を支えるために、その維持及び向上に日々たゆまず取り組んでおります。製品の開発及び製造においては、製造段階だけではなく開発設計を含めて品質管理の全社ルールを定め、品質の向上や、外部購入品の品質管理強化を進めておりますが、ソフトウェアを含む当社製品において、欠陥、瑕疵等が発生する可能性は排除できません。また、システムの受託開発については、品質管理の全社ルールを定め、ソフトウェアのモジュール化や開発の標準化、セキュリティ対応の強化等による品質向上に努めておりますが、納入後に瑕疵等が発生する可能性は排除できません。特に社会システムに関しましては、システムの運用環境、ソフトウェア、ハードウェアのシステム全般に係る瑕疵等について、お客様と協働で点検を実施し、社会システムの安定稼動のため、品質、契約、ルール等を改善する活動を継続的に行っておりますが、瑕疵等が発生する可能性を完全には排除できません。また、クラウドサービスにおいては、「高信頼」を最も重要な価値と位置付け、耐震性やセキュリティを備えた堅牢なファシリティの確保、高水準な情報セキュリティを実現しておりますが、運用停止等が発生する可能性を完全には排除できません。このような製品及びサービスの欠陥、瑕疵等が発生した場合、製品回収、補修、システムリカバリー作業、お客様への補償、機会損失等が発生し、当社グループの売上及び損益に悪影響を及ぼします。 ②プロジェクト管理についてのリスクシステムの受託開発においては、開発規模の大型化、お客様の要求の高度化及びシステムの複雑化が進み、開発の難度がますます高まっております。同時に競争の激化により、価格低下圧力が格段に強まっております。これらに対し、お客様との契約のあり方を見直すとともに、営業・SEのビジネスプロセスの標準化を進め、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの新規発生を抑制しております。併せて損失の引当ても適時に実施しております。さらにシステム開発の工業化等、コスト競争力の強化にも努めております。しかしながら、これらによっても、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を完全には防止できない可能性があります。 ③投資判断、事業再編に関するリスクICT業界においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資及び設備投資並びに事業買収、事業再編等が必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な事業再編等を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼします。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向やお客様のニーズ、当社技術の優位性、買収先の業績、当社グループの事業ポートフォリオ等を勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術又は買収先が、実際には想定ほど成長しなかったり、需給悪化や価格下落が予想以上に早く起きる可能性があります。また、当社グループでは、投資効率を検討し、所要変動に応じて投資を複数段階に分けて行ったり、事前にお客様と提携するなど、リスクを軽減する努力をしておりますが、常に投資から十分なリターンを得られるとは限りません。 ④知的財産権に関するリスク当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的な制約のために知的財産としての十分な保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品等を製造及び販売するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が、類似又はより優れた技術を開発した場合、当社グループの知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規定の整備や製品出荷前のクリアランス調査の徹底などを行っておりますが、当社グループの製品、サービス又は技術について、他社の知的財産権を侵害しているとされ、使用料支払い、設計変更費用等が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、従来より従業員の発明に対して、職務発明補償を積極的に行い、今後も法令等に基づいた職務発明補償を実施いたしますが、補償評価に対して発明者から訴訟を提起されるリスクがあります。 ⑤人材に関するリスク当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者等、必要とする人材を採用及び育成し、また流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用又は育成することができない場合もしくは優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。⑥環境に関するリスク当社グループでは、FUJITSU Wayにおいて社会に貢献し地球環境を守ることを企業指針の一つに掲げ、環境保全を経営の最重要事項の一つと位置付けて、環境負荷の低減、環境汚染の発生防止等に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生しないという保証はありません。また、当社グループ工場跡地において、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後、新たな汚染が判明しないとも限りません。このような環境汚染が発生又は判明した場合、当社グループの社会的な信用低下、浄化処理等の対策費用発生等により損益に悪影響を及ぼします。 ⑦情報セキュリティに関するリスクお客様、お取引先又は当社グループの機密情報や個人情報(マイナンバーを含む。)の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げる保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には、法的責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行うための万全の体制を構築しておりますが、コンピュータウィルスの侵入、サイバー攻撃等の不正アクセスによる運用困難、情報漏洩等を完全に防げる保証はありません。 ⑧当社グループの施設に関するリスク当社グループでは、国内外に事業所、工場、データセンター等様々な施設を保有し、又は賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また、独自に安全基準を設けるなどしておりますが、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染等の災害、テロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミス等が発生した場合、生産ラインの停止等施設の運用が停止することにより、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨格付け等当社グループの信用に関するリスク外部の格付け機関が当社グループに対して発行する格付けは、資金調達に大きな影響を及ぼすとともに、お客様と取引する際の信用情報として使われることがあります。収益計画の未達や財務状況の悪化等の理由によりこれらの格付けが引き下げられた場合、当社グループの資金調達に影響を与えるほか、入札等、取引参加において不利になる可能性があります。 ⑩訴訟等に関するリスク当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟等を提起されることがあり、その結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる可能性があります。その額によっては、当社グループの損益に悪影響を及ぼします。 ⑪コンプライアンスに関するリスク当社グループは、FUJITSU Wayにおいて、当社グループの従業員として厳守すべきことを行動規範として定め、また、これを詳細化して個々の従業員が行動する際のガイドライン(GBS : Global Business Standards)をグループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範厳守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制等に抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 7.自然災害や突発的事象発生のリスク自然災害やその他の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの経営成績や財務基盤に大きな影響を与えるおそれがあります。例えば、下記のようなリスクが存在します。 ①地震その他の自然災害、事故等によるリスク当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、全社防災組織を編成し、様々な訓練を実施しております。また、東日本大震災における対応を教訓として、事業所における耐震対策や定期点検の取り組みについても強化しております。さらに、地震、大規模な水害、火山の噴火等の自然災害、事故、新型インフルエンザ等の感染症の流行等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能かつ高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し、改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪等の自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、東海地方、南海トラフ等における巨大地震、テロ、事故による電力供給停止、感染症のパンデミック、火山噴火等の不測の事態は、十分に影響度を検討して策定したBCPにおいても、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策やBCMを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、お客様への製品出荷やお客様の情報システムのサポート等の停止等、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。 ②地政学的リスク、カントリーリスク当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社の事業に大きな影響を与えるリスクがあります。