研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 515 |
| 2024-03 | - | 1,297 |
| 2023-03 | - | 1,210 |
| 2022-03 | - | 889 |
| 2021-03 | - | 875 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,883 文字
6【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「サービスソリューション」、「ハードウェアソリューション」、「ユビキタスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「サービスソリューション」では、Fujitsu Uvanceを中心としたオンクラウドのデジタルサービス等に関する研究開発を行っております。「ハードウェアソリューション」では、次世代のサーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。 特に、当社グループの成長領域であるサービスソリューションをはじめとするビジネスに貢献するため、「Computing」、「AI」、「Network」、「Data&Security」、「Converging Technologies」の5つの先進テクノロジーを重点領域として、これらのキーテクノロジーを「AI」を中心に融合させることで新たな価値創出に取り組んでおります。 当社グループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,012億円となりました。このうち、サービスソリューションに係る研究開発費は177億円、ハードウェアソリューションに係る研究開発費は411億円、全社・消去に係る研究開発費は424億円です。(注)当社は、当連結会計年度より「デバイスソリューション」を非継続事業に分類しております。これにより、研究開発費は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。 (1) Computing・「富岳」を活用し、台風に伴い発生する竜巻を予測する気象シミュレーションに成功しました。富士通の大規模並列処理技術と横浜国立大学の気象シミュレーターCReSSを組み合わせ、これまで困難だったスケールの異なる台風と竜巻の同時予測を正確かつ高速に行い、気象災害のリスクを軽減します。 ・2024年5月に、産業技術総合研究所より超伝導ゲート型量子コンピュータを国内ベンダーとして初めて受注しました。また、大阪大学と共同開発した「STARアーキテクチャ」により量子優位性を示すための量子ビット数を大幅に削減しました。さらにオランダのデルフト工科大学との共同研究では、ダイヤモンドスピン方式量子コンピュータの量子ゲート操作において、誤り訂正を可能にするエラー確率0.1%未満の操作精度を世界で初めて達成しました。 (2) AI・大規模データを正確に参照可能とするナレッジグラフ拡張RAG、企業ニーズを満たす特化型生成AIモデルを自動生成する生成AI混合技術、及び法規制や企業規則に準拠した生成AIを実現する生成AI監査技術から構成される、エンタープライズ生成AIフレームワークを開発し、AIサービス「Fujitsu Kozuchi」のラインナップとして提供を開始しました。カナダのCohere Inc.との戦略的パートナーシップを締結し、世界最高の日本語性能を誇る企業向けLLM「Takane」の提供も開始しています。 ・AIが人と協調して自律的に高度な業務を推進する「Fujitsu Kozuchi AI Agent」を開発し、提供を開始しました。本技術は、人々の抽象的な会話から本質的な課題を抽出して解くべきタスクを生成・実行し、適切なタイミングで提案します。人がAIから新たな知見を得て共に創造的に活動する世界を目指します。 (3) Network・RANの自律化・自動化といったインテリジェント化を担うO-RAN仕様に基づく運用管理システム(SMO)上で、体感品質(QoE)向上、省電力化、通信品質維持を実現する3つのアプリケーションを開発しました。これにより、モバイルネットワークの接続性向上、利用者の利便性・満足度向上に加え、運用コスト削減と省電力化を支援し、社会課題解決にも貢献します。 ・総務省及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のBeyond5G基金研究開発事業に、All-Photonics Network(APN)の情報通信基盤としての社会実装に向けた、当社を含む5社共同提案が採択されました。本研究開発により、複数の通信事業者間のAPNが協調して耐障害性の向上やサービス品質を確保できるようになる他、企業、研究機関などのユーザが、用途・需要に応じて複数クラウド・データセンターを同時に利用することや、接続先を柔軟に切り替えることが可能になります。 ・GaN-HEMT(窒化ガリウム 高電子移動度トランジスタ)を用いたパワーアンプを開発し、産業分野で広く利用される周波数2.45GHzにおいて世界最高の電力変換効率85.2%を達成しました。ワイヤレス通信やレーダーの消費電力を低減しCO2排出量を削減することで、持続可能な社会の実現に貢献します。 (4) Data & Security・世界初の偽情報対策プラットフォームの構築に向けて、内閣府が主導する「経済安全保障重要技術育成プログラム」にプライム事業者として採択されました。事業規模は60億円、2024年から4年間業界権威の産学組織の9者と共創し、生成AIの急速な普及により社会問題となっているフェイクニュース撲滅に挑みます。 ・攻撃や防御に関するスキルやナレッジを持つセキュリティ特化型AIエージェントを連携させることで、脆弱性や新たな脅威への事前対策を支援するマルチAIエージェントセキュリティ技術を開発しました。専門知識がなくてもプロアクティブなセキュリティ対策を実現できるようになり、安心・安全なITシステム運用を可能とします。 (5) Converging Technologies・東洋大学と共同で、犯罪心理学と生成AIの融合によるカスタマーハラスメント体験AIツールを開発しました。個人の特性に合わせたフィードバックを行い、深刻化するカスタマーハラスメントへの実践的な対応力強化を目指します。 ・自治体の施策をデジタルツイン上に再現し、事前検証によって効果を最大化する「Policy Twin」技術を開発しました。実績ある施策から新たな施策を再構成するため、立案根拠を提示することが可能です。自治体の予防医療事業へ適用し、医療費節減効果と健康改善効果がともに2倍になる施策候補を導出できることを実証しています。
FY2024|2,804 文字
6【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「サービスソリューション」、「ハードウェアソリューション」「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「サービスソリューション」では、Fujitsu Uvanceを中心としたオンクラウドのデジタルサービス等に関する研究開発を行っております。「ハードウェアソリューション」では、次世代のサーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 特に、当社グループの成長領域であるサービスソリューションを牽引するFujitsu Uvanceを含めたビジネスに貢献するため、「Computing」、「AI」、「Network」、「Data&Security」及び「Converging Technologies」の5つの先進テクノロジーを重点領域として、これらのキーテクノロジーを組み合わせて研究開発を推し進めております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,233億円となりました。このうち、サービスソリューションに係る研究開発費は191億円、ハードウェアソリューションに係る研究開発費は449億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は75億円、全社・消去に係る研究開発費は516億円です。 (1) Computing・理化学研究所との共同研究の成果として64量子ビット超伝導量子コンピュータを、日本企業初となる国産2号機として稼働を開始しました。40量子ビット量子シミュレータと超伝導量子コンピュータがシームレスに連携するハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームを開発し、クラウド経由で公開しています。本プラットフォームを様々な分野の共同研究を行う企業などに提供して量子アプリケーションの研究開発を進め、ハードとソフトの両面から量子コンピュータの実用化を加速していきます。 ・生成AIなどの広がりによってGPUの需要が増え、世界的なGPU不足が課題になっています。GPU不足に対応するために、世界で初めてCPUとGPUの計算処理をリアルタイムに切り替えるアダプティブGPUアロケーター技術を開発しました。複数プログラムの処理において、処理の高速化率を予測してCPUとGPUを使い分け、最短でプログラム処理が完了するように計算リソースを割り振ることが可能になりました。少ないGPU数でAIプログラムの処理スループットが大幅に向上します。 (2) AI・対話型生成AIから出力される回答の信頼性を向上する、2つのAIトラスト技術を開発しました。幻覚(ハルシネーション)を検出する技術は、回答文をAIが意味解析し、間違いそうな固有表現部分を特定して重点的に確認し誤りを検出します。フィッシングURLを検出する技術は、AIを騙す既存の敵対的攻撃を含むフィッシングサイトを高度に検出し、利用者に危険なURLであることを示します。有効性検証を進め、信頼できる生成AIシステムの確立に貢献していきます。 ・業務課題を自然言語で入力するだけで、顧客業務に特化したAIイノベーションコンポーネントを、従来の1/20の期間で自動生成する技術を開発しました。開発した要件学習技術は、LLM(大規模言語モデル)がユーザーの業務課題から変換するプログラムや数学表現を解釈し、ユーザーの要件を満たす解の集合をグラフ形式に変換し学習することができます。ユーザー自身が要件を入力し、AIイノベーションコンポーネントの試作や修正、調整を素早く繰り返せるので、AIの専門家が介入しなくても必要とするAIモデルの生成が可能になります。 (3) Network・ポスト5G要件である超高速通信、超低遅延、多数同時接続に対応し、従来の5G基地局と比較して30%以上のコスト削減が可能な5G仮想化基地局の高度化技術を開発しました。本技術を、富士通が提供するグローバル標準仕様であるOpen Radio Access Network(Open RAN)に準拠した通信事業者向け仮想化基地局に適用することで超高速通信に加え、超低遅延、多数同時接続を実現し、ポスト5Gの特長を生かした多様なユースケースに対応できる5G仮想化基地局を実現しました。 ・無線通信やレーダーの長距離化に向けた世界最高出力のX帯パワーアンプを開発しました。X帯と呼ばれる周波数領域の電波送信用パワーアンプにおいて、GaN-HEMT(窒化ガリウム 高電子移動度トランジスタ)保護膜の高品質化に成功しました。熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜した窒化シリコンを適用し、31W/mm(ワットパーミリメートル)という世界トップの出力密度を実現しました。 (4) Data & Security・暮らしのパーソナライズ(個別最適)化や見守りを促進する常時認証技術を開発しました。常時認証技術は、生体認証と行動分析技術を組合せ、エリア内のカメラで撮影された個人を特定して、その人物の位置をリアルタイムに推定します。カメラ映像から外見の特徴を随時抽出して特徴量を更新するため、今まで困難だった複数カメラ間のトラッキングを可能にしました。 (5) Converging Technologies・人、モノ、経済、社会の間の複雑な相互作用をデジタル空間に再現して、社会課題解決とビジネスのトレードオンを実現するソーシャルデジタルツインの研究を進めています。今回、固定された1台のカメラの画像から人や物体の3次元形状と位置を高精度に推定して動的にデジタル空間に再現する技術を開発しました。本技術により、例えば交差点における交通状況を詳細に分析し、事故原因を見出すことで事故防止に役立てるなど、従来の技術では見つけられなかった原因や課題を見出し、その解決を図ることができます。
FY2023|2,501 文字
6【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,095億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は1,017億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は77億円です。 ・一般的なミリ波センサーを用いることで、プライバシーに配慮し、人の姿勢を高精度に推定できる技術を開発しました。本技術では、対象者の動作から得られる粒度の粗い点群の時系列データから、粒度の細かい点群データへと拡張する技術と、拡張したデータから姿勢を高精度に推定するAIモデルを実現し、様々な姿勢をリアルタイムに検出可能としました。今後、病院などプライバシー性の高い施設でも、安心安全な環境づくりに貢献します。 ・人の歩く映像から、顔などの情報を使用せずに歩き方で人物を照合できる歩容照合技術を開発しました。本技術では、従来では精度が低下していた人の映り込む位置の違う映像でも、人の関節点情報に対して独自開発の汎用的に照合可能な空間への変換技術により、複数のカメラ映像から作成した約1,700人の評価データセットにおいて約90%の照合精度を実現しました。今後、迷子や高齢者の捜索での活用など、安心安全な街づくりに貢献していきます。 ・専門的な知識なしで次世代コンピュータを容易に利用できる、新たなソフトウェア構想「Computing Workload Broker」の実現を目指し、その先駆けとなる量子・HPCハイブリッド計算技術を開発しました。利用者が解きたい量子化学計算(分子の性質や構造を電子や原子の相互作用をシミュレートして解析する技術分野)の問題に応じて最適な計算手法をAIが自動で組み合わせて選択するため、量子・HPCといった計算資源を意識せずに、自身の要望に最も沿う形で、量子化学計算の問題を解くことが可能になります。 ・冷凍マグロの鮮度評価を、超音波AI技術により非破壊で評価することに世界で初めて成功しました。マグロ産業は世界で急速に発展しています。冷凍マグロの品質は尾を切断し、その断面を熟練者が目で見る破壊的検査が主流でした。また、破壊をしない超音波での検査では冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが課題でした。冷凍マグロの超音波検査が可能な超音波の周波数帯を発見し、鮮度不良の場合は中骨からの反射波が特徴的であることから、機械学習を用いて非破壊で鮮度の判定を行うことに成功しました。 ・アンモニアは燃焼してもCO2を排出しない次世代クリーンエネルギーとして注目を集めています。アンモニアをクリーンに合成するための触媒探索の期間を大幅に削減する、量子化学シミュレーション高速化技術を開発しました。更に富士通独自のAIである因果発見技術を適用し、アンモニア合成に適した化合物の性質推定が可能です。HPCとAIを活用した技術開発により、触媒候補探索期間を半分以下に削減することに成功しました。 ・第6世代移動通信システム(6G)に向けて、現行の5Gを大きく超えた高速無線通信を省電力で実現することが求められています。高速無線通信の候補であるサブテラヘルツ領域で、基地局の消費電力を低減可能な、世界最高の電力変換効率を有する送信用パワーアンプを開発しました。電子が高速に移動できるInP(リン化インジウム)材料系を用いたHEMT(高電子移動度トランジスタ)で、絶縁ゲート構造を有するMOS構造を実現し、高出力と省電力の両立を可能にしました。 ・老朽化した広域ネットワーク設備を最新の光ネットワーク設備へ移行する、ネットワークのモダナイゼーションで、「デジタルアニーラ(Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer)」を活用し移行プランの最適化に成功しました。実在する複数の広域ネットワーク構造に基づき、膨大な回線が複雑に絡み合うネットワークから「デジタルアニーラ」に適した組合せ最適化問題を導出する技術を開発し、移行プランを探索しました。その結果、一般的な商用最適化ソフトウェアを用いた場合に比べ、移行期間中の旧設備の運用コストを最大30%削減し、技術者の移動コストを最大80%削減できることを確認しました。 ・計算速度が飛躍的に向上すると見込まれている量子コンピュータは、様々な課題解決に向けて早期実用化が期待されています。量子コンピュータでの高精度計算に不可欠な量子エラー訂正には大量の量子ビット(量子情報の最小単位)が必要です。これに対し、基本量子ゲートセットを新たに定義し、必要な量子ビット数を約1/10に低減する量子計算アーキテクチャを確立しました。これにより、現行コンピュータの性能を超える実用的な量子コンピュータの実現を早めることが可能となります。
FY2022|2,519 文字
5【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,053億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は971億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は81億円です。 ・ヘルスケアやものづくりなどの様々な場面で分刻みに記録する時系列データから、AIで状況判断や異常検知が行われていますが、AIが判定した要因が多種多様のため特定が難しく、判定した根拠の説明ができませんでした。今回、フランスの国立研究機関Inriaと共同で、Topological Data Analysis(TDA)技術から、時系列データでAIが異常と判定した要因を特定する技術を世界で初めて開発しました。専門家でも判定しにくい異常判定の要因分析を支援し解決策の発見に貢献していきます。 ・国内で初めて、湾内などの複雑な航路を含む海域における船舶同士の衝突リスクを高精度に予測するAI技術を確立しました。AIによる航行中の船舶の衝突リスク予測に、新たなアルゴリズムを加えることで、船舶の衝突リスクが高いアラートのみを検知可能にします。新たに強化したAI技術「Fujitsu Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」を適用し、安全航行支援サービスの提供を通じて、レジリエントな海上交通システムの構築を支援していきます。 ・がん患者のがん種や多様な遺伝子変異から、AIで効果が期待される薬剤を効率よく絞り込むことができるシステムを開発しました。外部の複数データベース内の、がん種や遺伝子変異に対応した薬剤情報や治療効果を評価する実験データを、共通の表現やデータ形式に整理しナレッジグラフ(グラフ構造データ)に一元化することで、効果が期待できる薬剤の絞り込みが可能となりました。今後もAI技術でがんゲノム医療の普及を促進していきます。 ・スーパーコンピュータ規模の処理を必要とする大規模機械学習処理のベンチマーク「MLPerf HPC」において、宇宙論的パラメータ(宇宙の発展や構造の研究で用いる指標の一つ)を予測する深層学習モデル「CosmoFlow」で「富岳」が世界最高速度を達成し第1位を獲得しました。「富岳」の並列処理性能をさらに引き出すソフトウェア技術を開発し、他システムの性能と比較し約1.77倍の処理速度を達成しました。 ・スーパーコンピュータの数値計算のノウハウを活かし、大規模なAI学習を簡単に高速処理できるソフトウェア技術を開発しました。スパコンのシステム構成に応じて、ユーザーが実行するジョブに対して最適なデータ配置と分散処理を自動適用します。本技術により、大規模化が著しい高性能な自然言語処理AIモデルに対しても、学習環境を簡単に大規模コンピュータ上に準備し実行できるようになります。 ・人の認知特性と脳の構造に着想を得て、ディープニューラルネットワーク(神経細胞を模擬した処理を深く多層に重ねたネットワーク)を形や色などの属性ごとのモジュールに分割して学習させ、AIが学習時と傾向の大きく異なる未知のデータを高精度に認識する技術をマサチューセッツ工科大学CBMMと共同で開発しました。本技術により様々な観測条件の変化に対応できる交通監視AIや、多種多様な病変を正しく認識できる画像診断AIなどの実現が期待されます。 ・現場のデータから新たな発見の手掛かりを提示する「発見するAI」技術をスーパーコンピュータ「富岳」上に実装し、がんの薬剤耐性に関わる未知の因果メカニズムを高速に発見する新技術を開発しました。1,000兆通りの可能性から患者の遺伝子の特徴を一日以内で絞り込めるため、患者一人ひとりに対応した効果的な抗がん剤創薬の実現が可能になります。 ・店内映像から顧客の行動を特定し、周囲の人との関係性や商品を手に取って戻したなどの商品に対する関係性を認識する関係性センシング技術を開発し、世界トップレベルの認識性能を誇る行動分析技術Actlyzerの機能を拡張しました。人物の属性、複数人の関係性、対物関係性など、あらゆる動画を行動シーングラフとして表現できるため、リアル店舗でも顧客の背景や心理情報を分析するコンテキストマーケティングが実現可能になります。 ・36量子ビットの量子回路を扱うことができる、世界最高速の量子シミュレータ(スーパーコンピュータ等の従来型のコンピュータ上で量子回路を扱うことができるシミュレータ)を開発しました。量子回路シミュレータソフトウェア「Qulacs」を並列実行可能にすることで他機関の主要な量子シミュレータの約2倍の性能を達成し、世界最高速を実現しました。本技術により、多岐にわたる高速な量子化学計算などを実現することで、将来の実用化が見込まれる量子コンピュータのアプリケーションの先行開発を加速していきます。
FY2021|2,606 文字
5【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,138億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は1,057億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は80億円です。なお、ユビキタスソリューションに係る研究開発費はございません。 ・教師データなしで通信アクセスデータや医療データなど、分布・確率が未知の高次元データの特徴を正確に獲得できるAI技術「DeepTwin(ディープツイン)」を世界で初めて開発しました。情報通信分野で長年培ってきた映像圧縮技術の知見を活かし、ディープラーニングで最適化することで、本質的な特徴量を正確に獲得することに成功しました。データの特徴を正確に捉えるというAIの根本的な課題を解くため、様々なAI技術の判断精度向上に貢献します。 ・企業や官公庁などの組織間でやりとりをするビジネスデータが改ざんされていないか、真正性を保証するデジタルトラスト仲介技術を開発しました。ニューノーマルではテレワークの推進で押印などの対面作業を減らしたデジタル業務が求められています。本技術はユーザー端末とクラウドサービスの間にTrust as a Service (TaaS)層を設置し、個別の業務システムに特化せず、ビジネスデータに対する個人ごとの署名を付与・管理し、データの作成過程を統合管理することが可能になります。 ・中分子環状ペプチド創薬において、組合せ最適化問題を高速に解く新アーキテクチャー「デジタルアニーラ」とHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)を活用することで、創薬の候補化合物となる環状ペプチドの安定構造探索を12時間以内に高精度で実施することに成功しました。現在、コロナ阻害薬の開発にも適用し、前臨床試験に進んでいます。今後、本技術を含む「デジタルアニーラ」を創薬開発に広く活用してもらうことで、医療分野における社会問題の解決に貢献していきます。 ・製造や物流、災害対策、新薬開発など、様々な要因の組み合わせから最適な解をより早く見つけ出したいというニーズがあらゆる分野で高まっています。今回、メガビット級の大規模問題に対応する、新たな並列探索技術を開発しました。組合せ最適化問題を高速に解く計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」に本技術を適用し1Mbit規模の大規模問題である多品種少量のサーバ生産スケジュールを決定する問題の求解を実証しました。 ・がんの遺伝子ネットワーク分析を、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて1日以内で完了させることに成功しました。「富岳」で、発がんに関連している可能性の高い遺伝子間の影響関係を表すネットワークを抽出し、説明可能なAI技術「Deep Tensor(ディープ テンソル)」でがんの浸潤や転移との関連を予測し、その予測根拠を提示することを可能にしました。通常のスパコンを活用しても数か月かかる分析時間を大幅に短縮し、24時間以内で完了しました。 ・工場での作業や危険行動など、人の複雑な行動を関節の動きで特徴量を抽出し、高精度に認識するAI技術を開発しました。隣り合う複数の関節の接続関係を捉えることで、箱を開けて物を取り出すというような複雑な行動を映像から正確に認識できるようになります。行動認識分野での骨格データを用いた世界標準のKinetics-Skeletonデータセットによるベンチマークで、開梱作業、物を投げるなどの複雑な行動での正解率が大きく向上し、世界一の認識精度を達成しました。 ・マスクを着けていても本人確認ができる、非接触でクリーンなマルチ生体認証技術を開発しました。開発したデータ拡張技術により顔情報を生成して対象者を絞り込み、手のひら静脈認証で本人を特定します。マスク着用なしと同等レベルの99%以上の高精度で本人特定が可能です。本技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証ベンダーテストで、マスク着用顔画像を模した評価データセットで国内ベンダー首位の高精度を達成しました。 ・AIが判定した結果に対して改善していく手順を自動で提示する、反実仮想説明AI技術を世界で初めて開発しました。例えばAIが不健康と判定した結果から「筋肉量を1kg増加し、体重を1kgを増加すれば健康になれる」といったアクションを示すことができます。糖尿病、ローンの与信審査、ワインの評価の3種類のデータセットで検証し、少ない労力で推定結果を望む結果に変更するための適切なアクションと実施順序の取得を確認しました。 ・津波浸水予測を一般的なパソコンでも数秒で高精度に予測する、AIモデルの構築に成功しました。「富岳」を使って多数の高解像度津波シミュレーションを実施し、そこから得た津波波形と浸水状況を教師データとして、新たなAIモデルを構築しました。このAIモデルはパソコンで実行でき、地震発生時に観測した津波波形を入力することで、津波到達前に沿岸域の浸水状況を3m単位の高い空間解像度でリアルタイムに予測することができます。
FY2020|3,405 文字
5【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,233億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は790億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は26億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は105億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は311億円です。 ・ディープラーニングを高速化する技術を開発し、画像認識精度を競うコンテストでの画像データを利用し学習時間を測定した結果、世界最高速(2019年4月1日時点)を達成しました。ディープラーニングの学習の進捗度に応じて学習強度を適切に調整する処理に、これまでHPC開発で培ってきた高効率な分散並列処理技術を加えることで、画像認識のディープニューラルネットワークであるResNet-50の学習処理を74.7秒で完了し、従来の最速記録を30秒以上短縮しました。 ・オンライン上で事業者や利用者の経歴や資格といったID情報の真偽を判断可能にするアイデンティティー流通技術(IDYX:IDentitY eXchange)を開発しました。IDYXはID情報を改ざんなく交換する技術で、ブロックチェーン上で取引相手の評価や過去の取引などのユーザー間の関係性を構造化し、それらを分析することで取引相手のID情報の信用度をスコア化します。これにより、取引相手の信用性を判断可能にし、より安全で高信頼なオンラインサービスを実現します。 ・生体情報のみで本人を特定する「手ぶらでの決済」の安心安全を実現する、生体情報を暗号化したまま高速に認識できる技術を開発しました。大規模チェーン店などではインターネットを経由したオープンな環境でキャッシュレス決済に利用できる生体認証システムが期待されています。今回、手のひら静脈認証で暗号化の際の照合精度の劣化を防ぎ、照合処理を高速化することに成功しました。本技術によりクラウド環境などでの安全な手ぶら決済を可能にします。 ・疾病の影響による患者の歩き方の特徴を定量化する、歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine(キヅク ウォーキングエンジン)」を開発しました。歩行時の左右の足の動作の関係性や一歩ごとの動作の移り方に基づくモデルを活用し、患者の両足首に装着したジャイロセンサーの信号から特徴点を計測します。これにより、歩幅やスイング時間などの歩き方の特徴を高精度に定量化できました。医療現場などで理学療法士の観察に貢献します。 ・組合せ最適化問題を高速に解く次世代アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を活用し、ペプチドリーム株式会社と中分子(ペプチド)創薬分野において、共同開発を前提とした共同研究を開始しました。当社が持つ独自の高速コンピューティング技術と、ペプチドリーム株式会社が有する特殊ペプチドに関する先進的な知見や豊富な実験データを組み合わせ、中分子創薬分野における革新的な「in silico創薬」技術の開発と、その利用による医薬品候補化合物探索の飛躍的な効率化を目指します。 ・AIの精度低下を防ぐ「High Durability Learning(ハイ デュラビリティ ラーニング)」を開発しました。学習データから構築したAIモデルは時間が経つと社会情勢の変化などに対応できず精度が下がることがあります。本技術は、AI運用時の入力データの正解付けを自動化することで、AIの精度を随時推定し、精度低下時にはAIモデルの自動修復を可能にします。AIモデルを高い精度で長期間維持し、様々な業務での安定したAI運用を実現します。 ・演算精度を自動で制御しAI処理を最大10倍高速化する技術「Content-Aware Computing(コンテンツ アウェア コンピューティング)」を開発しました。AI技術の進化により画像認識など活用が広がり、AI処理の計算量が増大するため処理の高速化が必要です。今回、データに合わせてビット数を自動的に削減し、実行時間にばらつきのある並列環境でも高速実行を可能にしました。本技術をディープラーニングに適用することで、計算能力の最大10倍高速化に成功しました。 ・がんゲノム医療の効率化を目指し、医学論文からナレッジを自動抽出するAI技術を開発しました。遺伝子変異と治療薬の関係性や、治療薬と効果の関係性などのナレッジを医学論文から自動的に抽出し、グラフ構造型のデータベース、ナレッジグラフとして構築しました。実際の急性骨髄性白血病の過去の診療ケースを題材にした東大医科研との共同実験で、治療方針を導き出す検討作業の測定時間が従来の半分以下になり、効果を実証しました。 ・映像から不審な動きや購買行動など、人の行動を分析する技術「Actlyzer(アクトライザー)」を開発しました。人の基本的な動作の組み合わせから、歩く・首を振る・手を伸ばす、といった約100種の基本動作パターンをあらかじめ学習し認識することで、人の複雑な行動を分析することが出来ます。学習用の大量映像データが必要ないため、人の行動を認識するシステムの短時間での導入が可能になります。 ・GaN HEMT(窒化ガリウム 高電子移動度トランジスタ)の表面に放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術を開発しました。気象レーダーや無線通信などに使用されているトランジスタは高出力のため発熱量が増大します。今回、HEMTが破壊されない低温(650℃)でGaN HEMTの表面にダイヤモンド膜を形成し、動作時の発熱量の40%低減に成功しました。それにより冷却装置が簡素化され、GaN HEMTを利用したレーダーシステムの小型化が可能となります。 ・センサーデータなどの時系列データから異常検知を行うAIモデルを自動で作成する技術をフランスの国立研究機関Inriaと共同開発しました。本技術はTopological Data Analysis(TDA)を用いた独自の時系列データ解析技術を活用し、様々な情報が複雑に絡み合う時系列データの中から異常検知に必要な情報の自動抽出に成功しました。これにより専門のエンジニアでなくても、脈拍データによる眠気検知や橋梁振動からの破損検知など、目的に即したAIモデルを自動で作成できます。 ・量子コンピュータの高ノイズ耐性アルゴリズムの共同研究をカナダのQuantum Benchmark(QB社)と開始します。富士通研究所のAIアルゴリズム開発技術や「デジタルアニーラ」の応用展開で得られた金融・創薬・材料開発などの実問題に関する知見と、QB社の量子コンピュータのノイズ診断・対策技術を融合することで、実用的な量子アルゴリズムの開発を進めます。量子コンピュータの実用化に向けて100量子ビット級の量子コンピュータ上でのアルゴリズム実証を目指します。
FY2019|4,645 文字
5【研究開発活動】当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面において求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、様々なステークホルダーによる共創「Co-creation」を通じてイノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。当社は、デジタル時代のTrustとCo-creationの実現により、社会や経済の持続的な発展に貢献して参ります。当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,349億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は741億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は33億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は148億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は426億円です。 ・日本酒造りを支援するAI予測モデルを用いて、旭酒造株式会社が製造・販売する日本酒「獺祭」の醸造を行う共同実証実験を開始しました。これは、過去に蓄積した醸造工程でのデータに基づき開発したAI予測モデルに対して、実際の日本酒の醸造工程を通じて予測情報を算出することにより、本AI予測モデルの妥当性について確認・検証を行うものです。日本酒醸造工程における最適なプロセスを支援する情報を提供することにより、日本酒造りのノウハウの見える化を行うことで「獺祭」の安定した供給・高品質の維持の実現を目指します。 ・少ないデータでも学習可能なディープラーニングによる物体検出技術を開発しました。これにより、医療分野においては、医療画像から異常個所を検出する精度を向上させることが可能となり、腎生検画像からの糸球体の検出に適用した場合、従来の手法に比べ、人間と同等の見逃し率10%以下の条件下で2倍以上の精度向上が認められました。 ・工場などの製造現場に設置されているIoTデバイスへのサイバー攻撃の影響を最小化するネットワーク制御技術を開発しました。IoTデバイスやネットワーク機器の接続関係を逐次、把握・管理することで、不審なふるまいをする通信を発見し、効率的に通信遮断を制御します。これにより、サイバー攻撃の影響を最小化し、IoTネットワークの安全運用を実現します。 ・電子機器に多く含まれる部品の一つである磁性体の開発において、AIを活用し、エネルギー損失を最小にする形状を自動で設計する技術を開発しました。磁界をかけると磁気を帯びる性質を持つ物質である磁性体は、電子機器の電源内の電気エネルギーを蓄えるインダクタやEV用のモーターなど、様々な素子や機器で使われていますが、磁気によりエネルギーの一部が熱となって失われる磁気損失が課題でした。本技術により、コンピュータ上で磁気損失最小化のための試作開発自動化が可能となり、研究開発の大幅な効率化と、専門ノウハウなしでの形状設計の実現が期待されます。 ・創薬向けの技術として、疾病の原因となるタンパク質と薬の候補となる化学物質が引き合う強さである結合強度を精度よく推定することで、新薬候補を効果的に創出する分子シミュレーション技術を開発しました。本技術では、従来技術では正確な算出が難しかった、結合強度の予測値に直結する化学物質のねじれ度合についても高精度での推定が可能となります。 ・企業や個人から入手したデータの出所や加工履歴といったデータの成り立ちを示す来歴情報が確認でき、安心してデータの利活用ができるブロックチェーン拡張技術「ChainedLineage(チェーンドリネージュ)」を開発しました。センサーやスマートフォンなど、多種多様なデバイスが生み出す膨大なデータを活用して新サービスを創出する機運が高まっており、業種業界を超えたデータ流通の信頼性向上に貢献します。 ・様々な現場で増え続けるデータを高速処理するために、データを蓄積している分散ストレージシステム上で、本来のストレージ機能を動かしつつデータ処理を行う技術「Dataffinic Computing(データフィニックコンピューティング)」を開発しました。監視カメラ映像や車センサーデータ、さらにゲノムデータなど、大量データの高速かつ効率的な活用により、ビジネス革新やイノベーション創出を加速します。 ・学習に必要な量のデータを十分に取得できない場合でも高精度な判断を可能にする機械学習技術「Wide Learning」を開発しました。医療やマーケティング、金融などでAIの活用が進んでいますが、分析データの量が少ない、あるいは、データに偏りがあると分析精度に影響します。本技術は全てのデータ項目の組合せパターンを即座に生成・分析することで、高精度な判断を可能にしました。この技術により、判断の根拠となるデータが少ない医療などの現場でも、信頼性の高いAIの活用が可能になります。 ・創薬では大規模な組合せ最適化問題の解決が必要ですが、従来のコンピューティング技術では実用的な時間で解ける規模に限界がありました。今回、コンピューティングアーキテクチャー「デジタルアニーラ」において、大規模な組合せ最適化問題を高速に処理する問題分割技術を開発しました。これにより、30Kビット規模の計算が必要な中分子創薬の分子の安定構造探索問題が解け、半年かかるシミュレーション時間を数日に短縮することが可能になります。 ・データセンター間の増大する通信量に対応する光波長多重システムを開発しました。これにより、既存機器を活用して複数の波長帯域を一つの光ケーブルで送受信でき、超大容量の光伝送が可能になります。5Gや8Kの普及、動画配信、SNSなど、データセンターが処理するデータ量が増大し続けています。本技術は光ファイバーの追加投資なく大量データの高速通信を可能とし、試作したシステムでは従来の3倍の伝送容量拡大の原理を確認しました。 ・理化学研究所(理研)革新知能統合研究センターがん探索医療研究チーム、理研AIP-富士通連携センター、昭和大学医学部からなる共同研究グループは、AIを用いて胎児の心臓異常をリアルタイムに自動検知するシステムを開発しました。今回開発したシステムを用いることで、検査者間の画像認識力や超音波プローブの走査技術などの診断技術の差異を埋め、胎児の診断を支援するとともに、早急に治療が必要な重症かつ複雑な先天性心疾患の見落としを防ぐことが期待できます。 ・顔の画像と手のひらの静脈で利用者本人を認証する生体認証融合技術を開発しました。決済端末やその近くに設置したカメラを使用して照合対象者の絞り込みを行うため、利用者は手のひらをセンサーにかざすだけでスムーズな決済が可能となります。100万人規模が利用する商業施設などで、IDカードやパスワードを使用すること無く、本人確認を手ぶらで素早くできるようになり、キャッシュレス社会の実現に貢献します。 ・ショッピングモールやイベント会場、空港などの混雑につながる原因を、人間行動シミュレーションの結果から自動で分析する混雑原因発見技術を学校法人早稲田大学と共に開発しました。数千から数万件の人間の行動や経路の結果をある程度共通する項目でグルーピングし、少数の項目の組み合わせでその特徴を表現することで、混雑に関わった人間の行動や経路の特徴を抽出しやすくしました。これにより、様々な人の属性や行動パターンにあわせた混雑緩和の対策が可能となります。 ・第5世代移動通信方式(以下、5G)では、電波エリアが小さい基地局を密に配置する必要があり、アンテナパネルについては、どこにでも設置可能なサイズヘの小型化が求められています。今回、1枚のアンテナパネルで4方向への同時通信を実現する、28GHz帯で世界最小サイズの装置を開発しました。これにより、これまで2枚以上必要だったアンテナパネルを、約13cm角のプリント板1枚に収めることができ、駅前やスタジアムなど人が多く集まる場所でも小型の基地局の設置による5Gの高速通信が可能になります。 ・データセンターの空調設備の電力を29%削減する空調制御技術を開発しました。本技術は、温度と湿度の状況から外気の導入率を判断し、かつ各空調機がエリアごとにおよぼす冷却の影響度を測ることで最適な設定温度を算出します。今後、電力使用量の増大が見込まれるデータセンターの省電力化を実現し、地球温暖化防止に貢献します。 ・自家発電や節電により生み出された余剰電力を工場や店舗など電力の使用者(以下、需要家)間で効率よく融通する電力取引システムを開発しました。近年、電力会社と需要家が協力して電力の使用量を調整するデマンドレスポンス(DR)が注目されていますが、その成功率が低い場合があることが課題でした。今回、ブロックチェーン技術を活用し需要家間で効率よく融通する仕組みを開発し、消費電力の実績ログを使用したシミュレーションの結果、DR成功率が約4割向上することを確認しました。これにより、電力使用ピーク時における電力安定供給や再生可能エネルギーの導入拡大に貢献します。 ・業務ネットワークがサイバー攻撃を受けた際、対処の要否を自動判断するAI技術を開発しました。現在、対処が必要なマルウェアか否かの判断はサイバー攻撃分析の専門家が手動で調査・確認しています。今回、攻撃情報の学習データを確保する技術を開発・活用することによりAI判定モデルを生成しました。12,000件のデータで評価実験を行った結果、専門家の手動による分析結果と95%一致しました。これまで数時間から数日かかっていた判断を数十秒から数分に短縮し、要対処事案であるサイバー攻撃に対して素早く対応することが可能となり、損失防止や業務継続に寄与します。 ・コンタクトセンターでの会話をAIで分析し、通話中の応対トラブルの発生を9割以上の精度で検知する技術を開発しました。これまで困難だった複数人の同時発声や言い澱み、口語での会話も分析可能にしました。トラブル発生をスコア化し、会話の特徴・時間変化パターンと比べることでトラブルの有無を判定するものです。本技術により、応対トラブルの支援を素早く行うことが可能となり、コンタクトセンター全体でオペレーターへの接続待ち時間を短縮し、顧客満足度向上に貢献することが期待されます。
FY2018|4,838 文字
5【研究開発活動】当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。 イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。当社グループの研究開発活動は、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。 ①ヒューマン・エンパワーメントデジタル技術を活用して人をエンパワーします。②クリエイティブ・インテリジェンスデータ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。③コネクテッド・インフラストラクチャービジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します 上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,586億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は886億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は162億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は176億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は360億円です。 ①ヒューマン・エンパワーメントデータを分析、活用するための技術や、ハンズフリー端末など、人の行動を支援する技術の研究開発をしました。・CT検査におけるAIを活用した類似症例検索技術を開発しました。画像ごとに機械学習を用いて病変を識別し、これを集めて病変部の3次元分布の特徴を算出することにより、高精度に類似症例の検索が可能となります。 ・身に付けて使用する小型のハンズフリー音声翻訳端末を開発しました。音道形状の工夫により小型無指向性マイクを用いる話者識別技術の開発と、雑音に強い発話検出技術の精度を向上しました。 ・ストリームデータ処理を受信処理とデータ処理に分離し、受信処理や実行中のデータ処理は停止させず、並列化された実行中のデータ処理が完了したタイミングで、配信されたデータ処理プログラムに自動的に切り替えることにより、大量のIoTデータ処理を停止させることなく処理内容の追加・変更を実行できるストリームデータ処理アーキテクチャーを開発しました。 ②クリエイティブ・インテリジェンス進化するAI(人工知能)による社会実装技術、多種多様なシーンに適用するセキュリティ技術の研究開発をしました。・橋梁の表面に取り付けたセンサーで振動データを収集し、AI技術を用いて内部損傷度合いを推定できる分析技術を開発しました。変動の激しい振動などの時系列データから、力学的な運動の特徴を図形として抽出してDeep Learningで学習・分類する技術を拡張し、構造物や機器などの状態の異常や損傷の度合いを定量化します。 ・「Deep Tensor」を拡張し、グラフ構造の特徴を学習する機構を複数用意することで、時系列のログデータに含まれる様々な特徴と、その特徴間の関係を同時に学習し、日常業務で使われている通信と区別が難しい侵入後のマルウェア活動の検知を高精度化するAI技術を開発しました。・「Deep Tensor」技術を拡張し、AIが推定結果を導き出した主要因となる部分を特定する技術と、学習データと論文や知見などのオープンデータを統合したナレッジベースの中から、特定した部分を対応づける事により、AIの推定理由や根拠を説明する技術を開発しました。 ・複数のブロックチェーン間を新たなブロックチェーンで接続し、各チェーンにおける一連の通貨交換に関わる取引処理を紐づけることで、全体を一つの取引として自動実行可能とするスマートコントラクトの拡張技術と、各チェーンでの取引処理の実行タイミングを同期させるトランザクション制御技術により、異なる仮想通貨の交換や決済を簡単・安全に実行できるセキュリティ技術として「コネクションチェーン」を開発しました。 ・株式会社リクルートコミュニケーションズと、「デジタルアニーラ」をマーケティング・コミュニケーションに適用し、マーケティング効果の最大化を実現するためのマーケティング・テクノロジーの開発を目的とした共同研究を開始しました。 ・車載ネットワークに流れるメッセージの受信タイミングから、サイバー攻撃を検知する技術を開発しました。平常時のメッセージの受信周期を学習し、学習した周期に対応するメッセージの受信数と実際の受信数のずれを利用して攻撃の可能性を判定します。 ・自動車用エンジンでは、エンジンをトルクで管理するトルクベース制御が主に行なわれていますが、インジェクタ毎に異なる噴射特性や劣化特性等によって気筒間でトルクばらつきが生じることがあり、排ガス性能や燃費性能の悪化を招く要因となっていました。そこで、ベイズ推定理論と統計的サンプリング理論に基づく状態推定手法であるUKF(アンセンテッドカルマンフィルタ)を応用したトルクばらつき補正制御手法を開発しました。本技術により、新たにセンサーを設置することなく、既設センサーを用いてトルクばらつきを抑制でき、排ガス性能や燃費性能の向上が実現できます。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー次世代コンピューティング、AI基盤、光ネットワークの高速化などICTインフラを強化する技術を研究開発しました。・ブロックチェーン上の取引の自動処理プログラムであるスマートコントラクトのリスクを事前に検証し、ソースコード上での該当箇所を特定する技術を開発しました。 ・Deep Learningの学習用ハードウェアの電力効率を向上させる回路技術を開発しました。ビット幅を減らした演算器の出力をリアルタイムに集計して分析することにより、学習に最適となるように演算器の小数点位置を自動的に制御する回路技術を開発しました。本技術により、演算器やメモリの消費電力を75%以上削減することが可能になります。 ・仮想デスクトップシステムの性能劣化要因を特定する自動分析技術を開発しました。ネットワーク上のパケットを監視し、分析に必要な情報を抽出して蓄積することで、システムに負荷をかけずに、ストレージが原因となるボトルネックの分析が可能となります。 ・ブロックチェーンのトランザクション処理を高速化する技術を開発しました。アプリケーションとブロックチェーン間の通信処理を複数まとめることで通信量を削減し処理を高速化しています。 ・ブロックチェーンの応用による安心・安全なデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発しました。ブロックチェーンを応用した分散データへのアクセス制御を実現する富士通研究所の技術「富士通VPXテクノロジー」を活用し、様々な組織や企業内に蓄積されているデータの安全な流通を実現します。 ・第5世代移動通信方式(5G)で要求されている毎秒10ギガビット超の高速通信を、Wi-Fiアクセスポイント並みの低消費電力で実現できる基地局向けミリ波回路技術を開発しました。フェーズシフタと呼ばれるアンテナ素子への信号の位相を制御する回路のアンプ数を減らし、回路の電力ロスを最小化するミリ波回路技術により、消費電力を半減させることに成功しました。 ・低消費電力で広い領域を対象にできる無線通信技術であるLPWA(Low Power Wide Area)に対応した、電池交換不要の世界最小センサーデバイスを開発しました。温度センサーで測定した温度に合わせて電波送信のタイミングを制御する技術を開発し、電力を効率よく利用することで、電波送信に必要な蓄電素子を半減し、デバイスの小型化に成功しました。 ・サーバに搭載したFPGA(集積回路)を、処理能力を高めるアクセラレータとして活用することで、クラウド間の大量データ転送を可能にする業界最高性能なWAN(Wide Area Network)高速化技術を開発しました。・仮想マシンの負荷パターンと、機械学習によって算出したメンテナンスによるお客様業務への影響度合いを予測し、業務影響を避けつつ、メンテナンスを行う計画を短い時間で自動作成することで、お客様の重要な業務を停止させないクラウド運用技術を開発しました。 ・光ネットワークの構築・運用管理を容易にするため、深層学習を用いて、光受信器の入力信号から光伝送信号パラメーターを直接推定する技術を開発しました。 ④共通な基盤ICTを支える基盤技術、新材料などの研究開発をしました。・レアメタルであるコバルトを使用せず、従来のコバルト系材料に匹敵する高い電圧を持つリン酸鉄系リチウム二次電池用正極材料を開発しました。鉄系材料を用いて高い電圧を実現する新たな要因を発見し、独自の材料設計技術と、原料の配合や材料形成を精密に制御する技術により、新しい構造のピロリン酸鉄リチウムの合成に成功し、コイン型の二次電池を試作しました。 ・内部抵抗を従来比10分の1とする電極の構造と電子走行層の下方に障壁層を設けることで漏れ電流を抑制する構造によりトランジスタ性能を向上させ、大容量の無線ネットワークに適用可能な、窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)を利用した送信用の高出力増幅器を開発しました。 ・「デジタルアニーラ」に内部状態を観測しパラメーターを自動制御する回路を組み込むことにより、複雑なパラメーター設定を行わずに組合せ最適化問題を解く技術を開発しました。 ・高熱伝導性と耐熱性を両立する垂直配向カーボンナノチューブから構成された、高い放熱性能を持つ高熱伝導カーボンナノチューブシートの開発に成功しました。 ・GaN-HEMTパワーアンプを高効率に冷却する単結晶ダイヤモンドと、SiC基板という熱膨張係数の異なる硬い材料同士を常温で接合する技術を開発しました。本技術を、GaN-HEMTの放熱に活用することで、高出力での安定動作を可能にします。 ・理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIPセンター)理研AIP-富士通連携センターにおいて、AIPセンター分子情報科学チームらとともに、材料設計に材料シミュレーションの手法の一つである第一原理計算と、AI技術を活用する実証実験を行い、最適な材料組成を効率的に見つけ出し、材料開発を大幅に加速できることを実証しました。
FY2017|4,598 文字
6【研究開発活動】当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。 当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての、当社グループのビジョンを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、当社グループは、セグメントの区分を超えて、ヒューマンセントリック・イノベーションの実現に向けて取り組むことを提唱しています。 ヒューマンセントリック・イノベーションは、デジタル技術を活用して人々をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会の価値を創出するアプローチです。これは、「人の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、モノやプロセスのつながり」という、価値を生み出す3つの要素を組み合わせることによって実現されます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。当社グループの研究開発活動は、それぞれの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。 ①ヒューマン・エンパワーメントデジタル技術を活用して人をエンパワーします。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見出す「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャービジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。具体的には、クラウドであらゆるモノをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」並びにデータセンター、広域ネットワーク及びデバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,739億円となりました。そのうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は987億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は218億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は193億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は339億円です。 ①ヒューマンエンパワーメント人の動き、音声、情報などのデータ分析から今までにない知見を見つけ活用することで、人の行動を支援する技術の研究開発をしました。 ・体操競技の採点を支援する3Dレーザーセンサーと骨格・技認識技術を開発しました。選手の動きを追跡するプレイヤーモーショントラッキング技術と自由視点映像生成技術を加え、体操競技の他にも、バスケットボール界へ「スマートアリーナソリューション」として提供します。 ・多言語音声翻訳において、騒がしい場所でも音声を聞き分ける技術と、話者の位置を判断し自動で言語を切り替えるハンズフリー技術を開発しました。これにより、操作不要で機器に触れることなくスムーズな会話を可能にします。 ・コールセンターなどの顧客対応現場で応対の自動評価を可能にする技術を開発しました。会話の音声からお客さまの満足や不満を感じる箇所を特定し、オペレーターの対応品質向上が可能になります。 ・在宅医療業務の現場で、患者情報の表示や非表示、共有範囲、利用するアプリケーションなどを自動的に変更するモバイルアプリケーション制御技術を開発しました。別府医師会と連携し別府市内で実証実験をした結果、情報共有と安全性、業務の効率化に有効であることを確認しました。 ②クリエイティブ・インテリジェンス進化するAI(人工知能)による社会実装技術、多種多様なシーンに適用するセキュリティ技術の研究開発をしました。 ・物流、医療、金融など様々なグラフ構造のデータから新たな知見を導くAI技術「Deep Tensor」を開発しました。医薬品の候補化合物を探索する実験では、従来の100倍の10万規模の化合物の関係を学習することができました。これにより、医薬品開発の期間やコストを大幅に削減することが期待されます。 ・医師の意思決定を支援するヘルスケアシステムを試作し、マドリッドのサン・カルロス医療病院で実証実験をしました。患者情報をグラフ構造化するセマンティックモデル化などのAI技術を実装し、薬物依存などの患者の潜在的リスクを高精度で算出することに成功しました。 ・京都大学と共同で日本医療研究開発機構「臨床ゲノム情報統合データベース整備事業」に向けた、ゲノム・遺伝子多型の臨床解釈を推定するAI技術や、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と脳科学による強化学習アルゴリズムの共同研究などを開始しています。 ・人の好みを学習していき自ら成長するAIにより、満足度を向上させるマッチング技術を開発しました。九州大学と共同で福岡県糸島市への移住希望者と候補地を適切にマッチングする実証実験を行っています。 ・機械学習を画像認識に活用した交通映像解析技術を開発しました。清華大学蘇州自動車研究院と共同で中国国内都市において実証実験をした結果、交通事故や違反など11事象について90%から95%の認識精度を達成しました。 ・サイバー攻撃の被害状況の全貌をネットワーク通信の自動解析で把握するフォレンジック技術を開発しました。マルウェア攻撃の全体像を自動で把握することが可能になり速やかな対応につなげます。 ・複数業種間の機密情報を安全に扱えるブロックチェーンのセキュリティ強化技術を開発しました。暗号鍵の誤用・悪用の防止や組織間での承認、鍵の紛失時の救済などが実現できます。 ・手のひら静脈によるスライド式静脈認証技術を開発しました。高い認証精度を維持しながら、光学ユニットを幅8mmに小型化したことで、タブレットなどのモバイル端末搭載を可能にします。 ・スマートフォンの生体認証で車や部屋などのドアロックや機器操作が簡単、セキュアにできる技術を開発しました。インターネットに個人認証情報を流さないFIDO(Fast IDentity Online)技術を応用し、クラウドサービス・IoT機器・スマートフォンの間で信頼できるネットワークを確立することで、利用者はIDやパスワードの入力不要になり、自分のスマートフォンで様々な機器操作が可能になります。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー次世代コンピューティング、AI基盤、光ネットワークの高速化などICTインフラを強化する技術を研究開発しました。 ・従来の半導体技術を使って組合せ最適化問題を1万倍高速に解く新アーキテクチャーを開発しました。柔軟な回路構成と、自由な信号のやりとりができる全結合の構造を採用しているため、現行の量子コンピュータより多様な問題を扱うことができます。 ・Deep Learning学習処理の高速化技術と高精度化に向けたニューラルネット大規模化技術を開発しました。大量のGPUを使って学習速度を高速化する並列処理技術と、学習の高精度化とニューラルネットの大規模化に対応するGPU内部メモリの利用効率化技術を、富士通のAI技術「Human Centric AI Zinrai」へ適用していきます。 ・光モジュールを省電力・小型化するリファレンス受信回路をトロント大学と共同で開発しました。リファレンスレス受信回路の消費電力を従来構成に比べて55%に、光モジュールでは70%に削減できます。 ・光ネットワークの伝送性能を高精度に推定する技術を開発し、ネットワークシステムのスループットが約20%改善されたことを確認しました。現状よりさらに高効率な通信インフラの提供を可能にします。 ④共通な基盤ICTを支える基盤技術、新材料などの研究開発をしました。 ・安全な自動運転実現に向けて、歩行者やバイクなど速度が違うターゲット検知を可能にするミリ波CMOS回路を開発しました。76~81ギガヘルツの広帯域で、世界最高速で周波数を変調できるCMOSミリ波信号源回路により、周囲の高精度スキャンが可能になり車載レーダーの多機能化に貢献します。 ・電気自動車(EV)モーターなどの設計効率化に向けて、力が加えられた材料の磁気特性を測定する技術を開発しました。これにより、高精度な磁界シミュレーターの実現に必要な多種多様な実測データの入手が可能になり、開発期間の大幅な短縮が期待されます。 ・人工光合成で使われる太陽光のエネルギー変換反応を高効率化する、新しい薄膜形成プロセス技術を東京大学と共同で開発しました。酸素の発生効率を100倍以上に向上できることを確認しました。 ・グラフェンを使った小型かつ最高感度のガスセンサー技術を開発しました。ガス検知部分が数百マイクロメートルと小型なため、様々な場所へ持ち運びができ、リアルタイムな高感度測定を可能にします。 ・データの重複除去方法に関して、従来方式であるデータの書き込み時に重複除去を行い、重複除去が終わった後にレスポンスを返す方式に加えて、新たに、先にレスポンスを返し、後から複数ノード間で整合性を取りながら重複除去を行う方式を開発しました。さらに、2つの方式を状況によって使い分け、ストレージシステムの負荷状況の変化に対応してより適切な重複除去方式を選択する技術を開発しました。これにより、従来方式に比べたストレージのレスポンス性能を平均3割高速化でき、世界最速のレスポンス性能を実現しました。この技術を搭載したストレージを多様なワークロードに対応する必要がある仮想デスクトップシステムに適用することで、サービスを受けているユーザのアプリケーションを高速化し、ユーザエクスペリエンスを向上させることが可能になります。
FY2016|3,661 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)の事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等のユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)等の各種デバイス製品及び技術関連の研究開発を行っております。当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」、「クリエイティブ・インテリジェンス」及び「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。 (*1)テクノロジーの力で実現される、より安全で、豊かな、持続可能な社会 Fujitsu Technology and Service Visionにおけるイノベーション創出のための3つのアプローチ ①ヒューマン・エンパワーメント人をエンパワーして、イノベーションを実現します。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見いだす「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー今後のIoT(*2)時代に、モノや社会インフラを含めてつなげ、柔軟かつ機動的に変化に対応できるICT環境を提供していきます。具体的には、クラウドであらゆるモノをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」、データセンター、広域ネットワーク、デバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 (*2)Internet of Things。パソコン、サーバ等に留まらず、様々な物がインターネットに接続され、情報交換する仕組み。 上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,798億円となりました。そのうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費997億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は235億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は168億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は397億円です。 ①ヒューマンエンパワーメント人と情報を結び様々な場所の活性化を目指した技術、それらを支える先進のIoT技術の研究開発をしました。 ・遠い場所の状況を3次元パノラマ合成画像で把握し、遠隔からAR技術を使い作業指示ができる技術を開発しました。熟練者が現場に行かなくても保守点検等の作業が可能になります。 ・空間をデジタル化するUI技術を開発しました。各自が持つスマートフォンの情報を机や壁に投影し、投影した情報への手書きでのメモの記入や簡単な操作によるデータ交換を行うことが可能です。ICTを使った共創支援としてワークショップの現場で実証実験をしています。 ・多種多様なIoTデバイスを簡単に管理できるソフトウェアプラットフォームを開発しました。情報形式を同一にするため、障害検出に必要な情報の一元管理が可能になります。 ・スマートフォン等の端末を、OSに依存せずプラグ&プレイでドライバを自動配信して、周辺機器に簡単につなげる技術を開発しました。手持ちのスマートフォンでテレビ、スピーカー、センサー等の様々な機器を簡単につなげ、操作やデータ収集が可能なIoT世界の実現を目指します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス加速するAI(人工知能)の更なる発展に向けた技術、金融業界に向けたフィンテック及び情報社会から人や組織を守る多角的なセキュリティ技術の研究開発をしました。 ・AI技術を「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」として体系化し、そのサービスを強化する研究開発をしています。新たなディープラーニング技術により、IoT機器等から得られる時系列データの分析精度を25%向上させました。AI技術を活用して人を超える中国語の手書き文字認識率を世界で初めて達成し、また、Zinraiを適用して、人の行動特性から人や交通の混雑を緩和する実証実験をシンガポールで開始しています。 ・オープンデータが最新であることを保証した金融向けデータ分析プラットフォームを開発し、データ分析を容易にしました。また、国境を越えた証券クロスボーダー取引の決済業務期間を即日化する実証実験を実施しました。ビッグデータ・アナリティクスやブロックチェーン技術の活用により、利便性の高い金融システムの実現を目指します。 ・手のひら静脈等の生体情報を安全に暗号鍵として利用できる技術を開発しました。クラウドサービスのようなオープンなネットワーク上でも、生体情報を安全に利用することが可能になります。 ・利用者のいつもと違う操作から標的型メール攻撃をリアルタイムに検知する技術を開発しました。ネットワークを監視する技術と組み合わせ、組織や個人のリスク状況を素早く把握します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャーICTインフラを強化する次世代の通信やサーバの高性能化及び信頼性向上に向けた技術を研究開発しました。 ・将来の移動通信システム「5G」に向けて、同一周波数での送信と受信の同時利用を可能にすることで、同じ基地局エリア内の通信容量を2倍にする技術や、12Gbpsのミリ波ビーム多重化技術を開発しました。多数ユーザーによる大容量同時通信時における速度低下を防ぎ、高速通信を可能にします。 ・100キロメートル圏内のデータセンター間の大容量通信を低コストで接続できる、400Gbps光送受信方式を開発しました。次世代の大容量通信に向けて適用していきます。 ・世界最高速の200Gbpsで通信パケットをモニタしながら品質解析するソフトウェアを開発し、トラブルの早期発見やセキュリティ強化に貢献します。 ・特定用途に絞ったドメイン指向サーバの研究開発を進めています。膨大な画像データから目的の画像を検索する専用サーバを試作し、従来の50倍の速さで実行できることを確認しました。また、ゲノム情報の解析処理をデータベース上で従来の400倍高速化する技術を開発し、ゲノム医療研究、分子情報等のビッグデータ解析に貢献します。 ④共通な基盤ICTを支える基盤技術を開発しました。 ・AIを活用した生産ラインの画像検査プログラムを短時間で自動生成する技術を開発し、生産ラインの早期立ち上げや仕様変更の迅速対応を可能にしました。 ・業務アプリケーションの改版時に人手で行っていた分析作業の軽減可能な、業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発しました。 ・窒化ガリウムHEMTを活用し、スマートフォンの急速充電を可能にする世界最小かつ最高効率のACアダプターの試作に成功しました。 ・4K等の高精細映像の瞬時転送が可能な300GHz帯受信機の小型化に成功しました。従来の受信機より10分の1に小型化したため、携帯端末への搭載が期待できます。 ・動物の生息可能数を予測する技術を開発し、山梨県で食害の被害が深刻化するニホンジカの生息予測実験を開始しました。他の動物にも適用を広げ生物多様性保全に貢献していきます。