研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
30 |
| 2024-03 |
- |
32 |
| 2023-03 |
- |
28 |
| 2022-03 |
- |
38 |
| 2021-03 |
- |
25 |
研究開発活動(本文)
FY2025|5,078 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池事業部技術本部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門等がそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池事業部技術本部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.等がそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム開発本部、電源システム生産本部技術部、㈱GSユアサ ライティングサービス等がそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ブルーエナジーの技術開発部、株式会社Honda・GS Yuasa EV Battery R&D等がそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部、㈱GSユアサメンブレンの技術生産部等がそれぞれ実施しております。当連結会計年度における研究開発費の金額は18,499百万円(連結グループ全体の研究開発費11,291百万円に、持分法適用関連会社である株式会社Honda・GS Yuasa EV Battery R&D(以下、HGYB)の研究開発費の総額7,207百万円を含めた金額)であります。HGYBは、持分法適用関連会社ではありますが、当社グループの主要な開発活動を担っている拠点であるため上記金額に含めております。当該金額は、すべて車載用リチウムイオン電池事業に係る研究開発費であります。当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。 (1) 自動車電池自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。自動車用鉛蓄電池の国内においては、拡大しているHEV、BEV補機用途電池の開発を継続的に進めております。補修市場向けのEN電池シリーズにおいては、更なる減液抑制を達成できる技術を開発し、補水メンテナンスの軽減と耐久性向上を実現した電池を2023年6月より販売しております。これはGOA社と共同開発した触媒付液栓(GRテック液栓Ⓡ)によって、水の電気分解で発生した水素と酸素を再結合させるという独自技術によるものです。海外においては、欧州を中心としたモビリティの電動化需要を見据え、駆動用リチウムイオンと並行して需要のある補機・バックアップ用鉛蓄電池の国際規格化への参画、及び、この規格に適合するVRLA(AGM)電池開発を、トルコのInci GS Yuasa Aku Sanayiで進めております。またタイを中心として、東南アジア諸国へ中国系メーカーのBEVが進出してきており、それら車両に適した補機用途電池の開発も進めております。二輪車用鉛蓄電池の分野では国内海外とも、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイク等に加え、自動車用補機用途等車両ニーズに適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車等の環境対応車両への関心が高まっており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。欧州市場において二輪車用鉛蓄電池を自動車用補機電池(12V電源用途)として使用する車両が拡大しており、GYAUXシリーズとして品種拡大/市場投入を推進しております。今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けには、アイドリングストップ車用に加えて、ハイブリッド車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大と新車提案を進めております。また、性能面で選ばれるGY電池という市場イメージに加えて、原材料費変動に強く生産効率にも優れた、コスト競争力のある製品開発についても推進しております。更に、カーボンニュートラル達成に向け、製造時の充電方法の改良による省エネルギー化も推進しております。この分野に係る研究開発費は、1,984百万円であります。 (2) 産業電池電源産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、産業用リチウムイオン電池、照明に関する研究開発を実施しております。産業用鉛蓄電池の分野では、カーボンニュートラルに向けた循環型社会への貢献として、3R(リサイクル・リユース・リデュース)を軸とした環境配慮型商品の推進に取り組んでおります。鉛蓄電池の優れたリサイクル性を活かした再生部材の適用率向上や、鉛蓄電池の接続板や接続ケーブル等接続銅部材のリユースを進めております。リデュースに関しましては、新技術や新製造手法での使用電力の大幅削減によるCO2排出量の更なる低減を目指しており、今年度より順次、量産適用を進めております。電気車用向けとしては、特にバッテリー式フォークリフトの需要が増加しているASEANや欧州地域等への海外拡販に取り組んでおります。タイ工場及びトルコ工場において、新技術や新部材の活用により、性能・コスト等それぞれ市場ニーズに適した商品開発を進めており、順次、量産を開始しております。日本国内では、今年度より新工場での量産を開始予定であり、それに伴い、旧工場と比較して生産エネルギー10%以上の低減を達成させます。蓄電システム分野では、太陽光発電設備等の再エネ併設及び需要家向けをメインターゲットとしたPCS併設型蓄電システム「ラインバック メガグリッド」の開発が完了し、出荷を開始しております。重耐塩仕様を標準としたことで沿岸部への設置も可能となります。2025年度はさらなる上位システムの取り込みを狙い、サイトコントローラ(ローカルEMS)機能の開発に着手しております。合わせてBCP用途として自立出力機能の開発にも着手しており、2025年度内の開発完了を計画しております。上記蓄電システム用の蓄電池については、発火防止構造を有しており、搭載するリチウムイオン電池モジュールが万一熱暴走した場合の安全性を高めております。万一、蓄電池盤内に充満した可燃性ガスに引火した場合においても、蓄電池盤に具備した避圧機構により、燃焼ガスを電池盤外に排出することが可能となります。さらに最新のBMSを搭載することで、システム全体の安全性と信頼性を確保しております。また、弊社独自の遠隔監視による解析・診断、保守・保全、容量保証の各種サービスを取り揃えた「STARELINKサービス」にも対応しており、2025年3月にサービス提供を開始しております。加えて電源装置分野では、中長期を見据えカーボンニュートラルの観点から環境負荷を減らすため「小型化・高効率」をテーマに変換効率99%の電力変換器の回路技術、電力会社との共同研究による制御技術を開発しており、更なる小型化とお客様の利便性を向上させるための電源の筐体・構造に関する新技術の検討を進めております。開発効率の向上と共通部材の使用率の向上をするために、最新のシミュレーション技術を導入したフロントローディング設計やモジュラー設計にも取り組んでおります。以上のような技術を取り入れ、2024年度はユニット並列冗長方式UPS、MLUシリーズにおいてリチウムイオン電池対応版や屋外型常時商用1kVA UPS,SGU-Aにおいて1kVA~5kVAまで並列増設を可能にした製品を発売しております。照明分野では、「省エネ」+「省資源」をキーワードに独自性のある研究開発を進めております。2024年度は、LEDの普及が遅れている市場に、マーケットイン型のLED製品をリリースしております。引続き独自性のある潜在ニーズの製品化に注力してまいります。この分野に係る研究開発費は、2,988百万円であります。 (3) 車載用リチウムイオン電池車載用リチウムイオン電池事業では、株式会社ブルーエナジー(以下「BEC」)で生産を行うHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池、GSユアサ栗東工場で生産を行うPHEV(プラグインハイブリッド車)用、車載12V用のリチウムイオン電池があります。HEV用リチウムイオン電池においては、BECの第二工場の生産能力を拡大し、新機種のセル・モジュールの生産ラインの立上げを進めています。第一工場の安定稼働と合わせて、今後の顧客からの受注増加に合わせた生産対応を進めています。PHEV用リチウムイオン電池においては、従来電池よりも40%以上高いエネルギー密度を有する新型電池LEV65の量産を開始しました。BEV用リチウムイオン電池においては、BEV用リチウムイオン電池の新工場建設予定地にて建築工事に着工しています。また、本田技研工業株式会社との合弁による株式会社Honda・GS Yuasa EV Battery R&Dにおいては、入出力特性や寿命特性に優れた競争力のあるBEV用のリチウムイオンバッテリーの設計ならびに製造に関する技術開発を進めています。さらに、コスト競争力向上のための主要原材料のサプライチェーンや効率的な生産システムの構築も進めています。車載12V用リチウムイオン電池においては、これまでの始動用で培った優れた低温出力特性に加え、寿命特性を改善したBEV用補機電池の開発を進めています。全固体電池については、2022年にNEDO「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」に採択された補助金を活用し、当社独自の固体電解質技術をベースに高エネルギー密度化を目指して、特徴ある電池を開発しております。2024年12月には、中間審査にあたるステージゲートを通過しました。全固体電池の実用化に向けて今後もさらに研究開発のスピードを加速させていきます。この分野に係る研究開発費は13,168百万円(セグメント全体の研究開発費5,961百万円に、HGYBの研究開発費の総額7,207百万円を含めた金額)であります。 (4) その他その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池、膜製品に関する研究開発を実施しております。航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」及び「H3」、に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。また、人工衛星用途では、宇宙ステーションの電源をはじめとし、先進レーダ衛星「だいち4号」、準天頂衛星システム「みちびき」、宇宙ステーション補給機「シグナス」等、数多くに搭載されております。当社の電池は現在までに250機以上の人工衛星や宇宙ステーション補給機等の宇宙機に搭載されており、軌道投入容量で世界トップクラスを維持しています。2019年から参画したNEDO航空機用先進システム実用化プロジェクトにおける軽量なリチウム硫黄電池の研究開発については、5年間の研究開発に取り組み、質量エネルギー密度500Wh/kgのセル開発に成功しました(現行のリチウムイオン電池の2倍以上のエネルギー密度)。本プロジェクトはおおよそのプロジェクト目標を達成して、2024年3月に完了し、成果報告書を公開しました。リチウム硫黄電池をはじめとした軽量な電池の実用化に向けてさらに開発を継続しています。膜製品分野においては鉛蓄電池のセパレータ技術を応用した、分離・精製・浄化等を目的とした膜を開発しており、多岐にわたる用途に使用されております。特に固液分離の分野では、省エネルギー化及び小型化を目指したシステムの開発に加え、遠隔監視装置を開発し、膜分離装置の運用におけるコスト削減、スペース効率化、メンテナンスの簡素化といった課題の解決に向け、実証試験を実施しております。さらに、気体分離の分野においても、カーボンニュートラルの実現を目指した新規膜製品の開発を推進しています。これらの製品についても実用化に向けて実証試験を進めており、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。この分野に係る研究開発費は、357百万円であります。
FY2022|5,048 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、ライティング製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は12,383百万円であります。 当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。(1)自動車電池自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。国内自動車用鉛蓄電池の分野では、ダイハツ初のハイブリッド車用に補機用鉛蓄電池LN0の納入を2021年10月に開始し、環境対応車の拡大に対応しました。また、マツダ第7世代大型車両用の冗長電源として、二輪用電池の劣化推定技術を応用したYTZ7S-Auxiliaryの納入を2022年1月に開始し、車両安全性確保の実現に寄与しました。国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。また、これら環境対応車両に求められる特性を更に強化した二輪車用鉛蓄電池の開発も進めております。海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、トルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けの高性能始動用鉛蓄電池「YBX5000」シリーズのLN系及びLBN系の計7品種、アイドリングストップ車用鉛蓄電池「YBX7000」シリーズのLN系及びLBN系の計5品種を開発し、欧州市場にて販売を開始しました。更にメンテナンス性を向上した「YBX9000」シリーズのLN系5品種を2022年度内の上市に向けて開発を進めております。また、欧州高級車のシステム起動及びバックアップ用の電池として、二輪車用鉛蓄電池の技術を利用しつつ、特別な排気構造を備えた制御弁式鉛蓄電池を開発し、欧州補修市場へ参入しており、本用途での品種拡大を推進しております。海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、欧州、インド、中南米で液式鉛蓄電池と互換するサイズの制御弁式鉛電池の需要が高まっており、東南アジア地域で、これに対応する制御弁式鉛蓄電池YTBシリーズ計5品種の開発を完了し、順次展開しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。更に、原材料コスト面、生産効率面で優れた極板を採用した制御弁式鉛蓄電池の開発を推進し、コスト競争力向上を図っております。この分野に係る研究開発費は、1,786百万円であります。 (2)産業電池電源 産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、北米などの海外市場で需要拡大が見込めるデータセンタ用途や5G基地局用途向けに、ハイレート短時間のバックアップ性能と高温耐久性を大幅に向上させた制御弁式鉛蓄電池の開発に取り組んでおります。現在、量産ラインでの先行試作および評価を順調に進めており、今後、UPS空調温度の節電などを可能とする製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、ベトナム工場で進めている産業電池の生産拡大について、一部品種でサイクル性能の向上を達成しました。停電が多いアジア・アフリカ地域の通信や発電機・太陽光併設の新エネ向け需要に対しての顧客獲得を目指しております。 電気車用鉛蓄電池の分野では、バッテリー式フォークリフトの需要が増加しているASEAN地域への拡販を目指して、タイ工場において、新規に開発した極板用添加剤を活用して、性能向上などによるフォークリフト用鉛蓄電池の製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、需要の多いベトナムにおける電動カート市場向けとして、安定したサイクル性能を有するEB電池の現地生産化を順調に進めており、ベトナム工場での今年度の販売開始を計画しております。 日本国内では、フォークリフト用鉛蓄電池において、補水時の止水性能や充電中の防沫性能を大幅に向上させた一括補水装置の開発を進めており、海外工場への展開とあわせて、今年度の販売開始を計画しております。 電源装置分野では、三相系統連系システム「ラインバックαⅤ」を開発しました。太陽光PCSとして業界最高効率となる97.0%を達成し,完全冷却ファンレス設計を実現しました。これにより定期的なフィルタ清掃やファン交換が不要となり、メンテナンスフリーな製品となりました。また、防水・防塵性能として、IP66を達成し、業界最高峰の耐環境性能を実現したことにより、塩害地区への設置が可能となり、海岸から200メートル離れた場所への製品導入が可能となりました。さらに、通信プロトコルにエネルギーマネジメントプロトコルを実装し、JET認証およびAIF認証を取得しました。これにより、柔軟な電力制御が可能となり、系統安定化やVPPといったエネマネ市場にも適用可能となります。 当社製蓄電池併設型太陽光PCS「ラインバックマイスター」とEV充放電器「VOXSTAR」を組み合わせたV2X(Vehicle to Everything)エネルギーソリューション「EVOXシステム」を開発しました。太陽光発電で作った電力をEVに充電することで、走行時CO2排出ゼロを実現するゼロエミッション・モビリティを実現するとともに、EV充電時に生じるデマンドを蓄電池から供給することによりピークデマンドを削減し、電力基本料金の抑制が可能となります。また、非常時にEVに搭載された蓄電池、太陽電池、定置用蓄電池から特定負荷に電力を供給することでレジリエンス機能を向上し、照明、コンセントなどの電灯負荷や、業務用空調設備や搬送設備、給排水ポンプなどの動力負荷へ電力を供給することで、施設のBCP強化や地域の防災・減災を実現し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。 産業用リチウムイオン電池分野では、電力系統安定用途、鉄道用電力貯蔵システムや鉄道車両搭載用途、港湾にてコンテナを積み下ろしするハイブリッドクレーンやコンテナを自動で搬送するAGV(無人搬送車)を中心とする産業機器用途、防災用途、BCP等を中心に需要が拡大しています。 受注済みの「北海道の風力発電出力変動緩和向け大容量リチウムイオン蓄電池設備案件」向けリチウムイオン蓄電池設備においては現地納入を完了し、2023年4月の運用開始に向け、準備を進めています。 2050年のカーボンニュートラル達成に向けた太陽光発電所や風力発電所の拡大促進のため、国のエネルギー政策として系統電力安定用の蓄電池システムの導入支援が本格化しており、その引合いが増加しています。2022年度にはシステムコストをさらに低減した、新型蓄電システムをリリースし、需要拡大を図っていきます。 照明分野では、「省エネ」+「省資源」をキーワードに独自性のある研究開発を進めております。2021年度はLEDユニット交換方式を採用した次世代型LED道路照明器具『JRB2200シリーズ』が国土交通省の「新たな道路照明に関する技術公募」において「有望な技術」として選定されました。 環境関連機器の分野では、膜利用分野の拡大に取り組んでおり、2021年度より、スパイラル膜を利用した微細藻類濃縮用システムの販売を開始しました。また、近年、環境負荷低減のため膜を利用した排水の再資源化への関心が高まっており、畜産排水の再利用や工場排水中の有価物回収など膜利用分野の拡大へ向けた開発を計画しております。 この分野に係る研究開発費は、2,584百万円であります。 (3)車載用リチウムイオン電池 車載用リチウムイオン電池事業では、㈱ブルーエナジーで生産を行うHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池、㈱リチウムエナジージャパンで生産を行うEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)用リチウムイオン電池の開発を実施しております。さらに車載用12Vリチウムイオン電池に関しても事業化のための積極的な開発を進めております。 車載用リチウムイオン電池の分野は世界的に、厳しい性能競争、価格競争が展開されておりますが、この分野のパイオニアとしていち早く取り組んできた当社としましては、安全性、信頼性を第一に考えながら、競争力のある製品開発に努めております。 HEV用リチウムイオン電池においては、ブルーエナジーの第2工場が今年の4月より稼働が開始しました。これにより、2022年度下期には、年間5,000万セルに生産能力を拡大します。また、2020年代後半には、年間7,000万セルまで拡大する予定で、2030年頃までは伸びると予測されているHEV用リチウムイオン電池の需要に対応する体制を整えていきます。 また、2050年カーボンニュートラルに向け、グローバルでEVシフトが加速しており、市場環境が大きく変化してきました。EV用リチウムイオン電池への本格参入に向けた対応として、本年度からリチウムイオン電池事業部にEV用リチウムイオン電池に特化した組織を設置いたしました。 今後ともこの分野での競争力を維持、発展させるために、ポストリチウムイオン電池の検討として、次世代正極、次世代負極材料の開発並びに、電池構造、電池製造方法の開発を実施しております。さらに、本年4月に採択されたNEDOのグリーンイノベーション基金を活用し、当社独自の硫化物固体電解質を用いた全固体電池の開発を加速します。 この分野に係る研究開発費は、7,727百万円であります。 (4)その他 その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。さらにポストリチウムイオン電池の検討として、NEDO航空機用先進システム実用化プロジェクトにおいて、軽量なリチウム硫黄電池の研究開発を実施しております。 航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。2021年10月に打ち上げが成功した準天頂衛星システム「みちびき」にジーエス・ユアサ テクノロジー製の衛星用リチウムイオン電池が搭載され、米国のGPS衛星と一体利用することで、山間地や都市部のビル街でも高精度で安定した衛星測位サービスを実現し、自動走行分野をはじめ船舶海洋分野や物流分野など多くの分野で活用されています。 この分野に係る研究開発費は、285百万円であります。
FY2021|4,843 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、ライティング製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は11,201百万円であります。 当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。(1)自動車電池自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。国内自動車用鉛蓄電池の分野では、業務用車両向けのPRODAシリーズをリニューアルした「PRODA X」を商品化し、近年増加しているアイドリングストップ機能付きトラックや、各種電装品の増加による電気負荷の増大に対応しました。国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。また、これら環境対応車両専用の二輪車用鉛蓄電池の開発も進めております。海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、2015年に株式取得をしたトルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けの高性能始動用鉛蓄電池「YBX5000」シリーズのLN系及びLBN系の計7品種、更にはアイドリングストップ車用鉛蓄電池「YBX7000」シリーズのLN系及びLBN系の計5品種を開発し、欧州市場にて販売を開始しました。また、海外で生産及び使用されるハイブリッド車及び電気自動車用補機電池の開発を進め、順次市場に展開しております。海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次市場に展開しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。また、欧州高級車のシステム起動及びバックアップ用の電池として、二輪用電池技術を利用しつつ、特別な排気構造を備えた制御弁式鉛蓄電池を開発し、欧州補修市場へ参入しており、本用途での品種拡大を図っております。この分野に係る研究開発費は、1,914百万円であります。 (2)産業電池電源 産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、北米などの海外市場で需要拡大が見込めるデータセンタ用途や5G基地局用途向けに、ハイレート短時間のバックアップ性能を大幅に向上させた制御弁式鉛蓄電池の開発に取り組んでおります。現在、量産ラインでの先行試作を順調に進めており、今後、製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、ベトナム工場で進めている産業電池の生産拡大について、一部品種でサイクル性能の向上を達成しました。停電が多いアジア・アフリカ地域の通信や発電機・太陽光併設の新エネ向け需要に対しての顧客獲得を目指しております。パキスタンでは頻繁に発生する停電用の電池として、安定したサイクル性能を有するEB電池の現地生産化を進め、販売を開始しました。今後も、電力事情の悪い地域での同電池の需要は増すと考えており、現地生産化を推進していく計画です。 日本国内では、MSE電池の内部構成部材の設計最適化により、期待寿命は従来MSE電池と同じ7~9年でありながら、従来品より軽量化を実現し質量効率を約5%向上させたMSE-LT電池を開発し、2021年度より販売開始しております。 フォークリフト用電池では、充電時に硫酸ミストの排出がなく、また、防爆性能も付与したフィルター付きフロート液栓を開発しました。2021年度より中国にて採用を開始していく予定です。また、中国拠点では、液攪拌充電装置に対応したバッテリの販売を開始しました。液攪拌充電器を使用することで、従来に比べて少ない電気量で充電を完了させることができます。 電源装置分野では、三相連系蓄電システム「ラインバックマイスター」を開発しました。蓄電池付き太陽光PCSとして業界最高効率となる96.5%を達成し,設置床面積を従来機より約40%削減しました。これまでの「停電対応型」や「ピークカット型」に加えて「エネルギーマネジメント型」に対応することによって、柔軟な電力制御が可能となり、系統安定化やVPPといったエネマネ市場にも適用可能となります。本製品と当社製EV充放電器「VOXSTAR」を組み合わせ自立連系が可能となるV2Xシステム(Vehicle to Everything)を構築することで、BCP対応のみならず、EV車両の電力を柔軟に活用することができます。また、超軽量、屋外型交流無停電電源装置「CAVSTAR-Sky」を開発しました。リチウムイオン電池を搭載し、アルミ筐体を採用することで、質量約20㎏の超軽量化を実現したため、電柱への腕金固定や壁掛け固定、メッセンジャーワイヤーへの吊架など、場所を選ばず柔軟な設置が可能となります。防災用CCTVカメラや通信機器、情報表示板など、さまざまな負荷において、停電時や災害時における初動対応に必要なバックアップ時間を確保します。 産業用リチウムイオン電池の分野では、リチウムイオン電池モジュール「LIM30HLシリーズ」の販売を開始しました。従来の「LIM25Hシリーズ」と同寸法でありながら、定格容量の増加を実現し、内部抵抗を低減した上位互換品です。従来品と同様に回生・アシスト機能・急速充電を実現する優れた高率充放電性能を有しており、世界的な排ガス規制により求められる大型産業車両での電動化、ハイブリッド化に貢献します。さらに、リチウムイオン電池を安心・安全・安定して使用して頂く上で有益な、故障予兆検知技術について、弊社はNTTコミュニケーションズ株式会社と共同でAIを活用した技術開発を進めてきました。本技術の開発に成功したことにより、偶発故障の可能性のある蓄電池と正常な蓄電池とを早期に判別し、予防保全することで故障によるシステム停止を未然に防ぐことができる可能性を見出しました。今後、商用環境への適用に向け、更なる研究開発を重ね、安心・安全・安定した社会インフラとしての蓄電池利用に貢献します。その他、「令和2年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」により、GSユアサ京都事業所内にバーチャルパワープラント対応の電力貯蔵システムを導入しました。今後拡大すると予想される、電力需給バランス調整・ピークカット・事業継続計画(BCP)のシステム構築、運用ノウハウを蓄積し、拡販に繋げたいと考えております。 照明分野では、「省エネ」+「省資源」をキーワードに独自性のある研究開発を進めています。2019年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」を受賞したLEDランプ『LEGA:LAMP-R』に続き、2020年度後半にはLEDユニット交換方式を採用した次世代型LED道路照明器具『JRB2200シリーズ』を市場に展開しました。 環境関連機器の分野では、電解隔膜技術を応用したイオン分離技術の開発を進めており、固液分離技術と合わせた総合的な水資源の有効利用技術の開発に取り組んでいます。また、水処理技術を応用した有価物濃縮・回収に関する開発を進めており、希少金属や微細藻類への適用を計画しております。 この分野に係る研究開発費は、2,101百万円であります。 (3)車載用リチウムイオン電池 車載用リチウムイオン電池事業では、㈱ブルーエナジーで生産を行うHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池、㈱リチウムエナジージャパンで生産を行うEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)用リチウムイオン電池の開発を実施しております。さらに車載用12Vリチウムイオン電池に関しても事業化のための積極的な開発を進めております。 車載用リチウムイオン電池の分野は世界的に、厳しい性能競争、価格競争が展開されておりますが、この分野のパイオニアとしていち早く取り組んできた当社としましては、安全性、信頼性を第一に考えながら、競争力のある製品開発に努めております。 本年3月には、トヨタ自動車株式会社様より、当社の開発したハイブリッド車用リチウムイオン電池「EHW4S」につきまして、「技術開発賞」を授与頂きました。この「技術開発賞」は、革新的な技術でものづくりを推進したサプライヤーに授与される賞であり、「EHW4S」で当社従来製品から10%以上の軽量化と20%以上の小型化を実現したことが評価されたものと考えております。今後も技術力をさらに磨き、環境対応車の普及拡大に貢献してまいりたいと考えております。 また、車両の電動化が進む中、更なる性能向上がリチウムイオン電池に求められておりますが、現在の材料、構造を前提とした性能向上には限界が見えつつあります。当社では、今後ともこの分野での競争力を維持、発展させるために、ポストリチウムイオン電池の検討として、次世代正極、次世代負極材料の開発並びに、電池構造、電池製造方法の開発を実施しております。 この分野に係る研究開発費は、6,901百万円であります。 (4)その他 その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。さらにポストリチウムイオン電池の基礎研究を実施しております。 航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。2016年12月より、宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機」によって、宇宙ステーションの電源として搭載される当社のリチウムイオン電池の輸送が開始され、2020年5月21日に打ち上げられた「こうのとり9号機」によって、すべての電池の輸送は完了しました。 この分野に係る研究開発費は、284百万円であります。
FY2020|4,254 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、ライティング本部製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱リチウムエナジー ジャパンの技術部、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は9,517百万円であります。 当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。(1)自動車電池自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。国内自動車用鉛蓄電池の分野では、欧州車両向けEN規格(欧州統一規格)電池の日本メーカー製車両への採用が広がっており、これまで、同規格に準拠した「ECO.R ENJ」シリーズを一般用の6品種(LN0~LN5)、アイドリングストップ車用の3品種(LN2-IS、LN3-IS、LN5-IS)と幅広くラインアップしてきました。さらに、海外でも日本メーカー製車両のEN規格電池の取り換え需要が増加したのに対応し、2019年は同品種を海外向けに展開しました。また、リサイクル素材を積極的に採用し地球環境に配慮した、「ECO.R」 シリーズのリニューアルを実施し、短時間・短距離走行が中心の「チョイ乗り」等の乗り方の変化や車両の制御の変化により増加してきた放電気味の使用での劣化に対する耐久性能と気候変動による温暖化やエンジンのハイパワー化により懸念されるエンジンルームの高温化に対する耐久性能を向上させました。国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。また、これら環境対応車両専用の二輪車用鉛蓄電池の開発も進めております。海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、2015年に株式取得をしたトルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けの高性能始動用鉛蓄電池「YBX5000」シリーズのLN2、LN3、LN5を開発し、さらにアイドリングストップ車用鉛蓄電池の開発を進めております。また、海外で生産及び使用されるハイブリッド車及び電気自動車用補機電池の開発を進め、順次市場に展開しております。海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次市場に展開しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。また、欧州高級車のシステム起動及びバックアップ用の電池として、二輪用電池技術を利用しつつ、特別な排気構造を備えた制御弁式鉛蓄電池を開発し、欧州補修市場へ参入しており、本用途での品種拡大を図っております。この分野に係る研究開発費は、2,434百万円であります。 (2)産業電池電源 産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、北米などの海外市場で需要拡大が見込めるデータセンタ用途や5G基地局用途向けに、ハイレート短時間のバックアップ性能を大幅に向上させた制御弁式鉛蓄電池の開発に取り組んでいます。現在、量産ラインでの先行試作を順調に進めており、今後、製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、東南アジアにおける通信市場の旺盛な需要に応えるために、ベトナム工場で産業用鉛蓄電池の開発を行い、2017年度より生産を開始しておりますが、更なるラインアップの拡充を図るために、2019年度より2Vタイプ4品種と12Vフロントターミナルタイプの新商品を量産開始しました。また、日本国内では、鉄道地上設備などの放電頻度が比較的多い用途向けに国内最高水準の放電耐久性能とスタンバイユースでの長寿命を兼ね備えたSNS-TNシリーズを2019年度より市場に展開しました。 バッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池においても、海外需要の拡大に対応し、中国(DINタイプ5品種)/タイ(DINタイプ2品種)/パキスタン(EB電池3品種)で新商品を市場に展開しました。 電源装置分野では、常時インバータ給電方式の汎用UPS「Acrostar THA2-1000」(1kVA)を開発しました。従来機種に比べて消費電力を20%削減し、さらにスマートエコモード方式を採用することで、大幅に消費電力を削減することが可能となりました。なお、UPS本体の設計標準使用期間を従来機種より長い8年に延長したことにより、ランニングコストを低減することができます。また、EV/PHEVへの充放電を可能としたV2X双方向充電器「VOXSTAR」を開発しました。V2H機器は家庭用を想定しており、電力消費規模から6kW を上限とした単相機器が主流ですが、パブリック用途で使用するために、V2H認証機器では業界初となる三相10kWへの大容量化を実現しました。定置蓄電池PCSと組み合わせたV2Xシステムを構築することで、BCP対応のみならず、EMS対応の調整力として、車両の蓄電池をアクティブに活用することが可能となります。 産業用リチウムイオン電池の分野では、リチウムイオン電池モジュール「LIM50ELシリーズ」の販売を開始しました。従来の「LIM50ENシリーズ」の互換品でありながら、サイクル運用時の容量劣化を約50%に、バックアップ用途などのフロート運用時の容量劣化を50%以下にすることに成功しました。これにより、頻繁に充放電が行われる用途でも長期間使用することが可能となり、インフラ設備の防災対応だけではなく、電力需要調整市場でも大いに活躍できます。また、大規模蓄電システム用「LEPS-1-16」モジュールを開発しました。エネルギー容量が向上した新規開発セルを採用し、モジュール1台あたりの搭載セル数を12セルから16セルにすることにより、従来の「LIM50EN-12」と比較して体積エネルギー密度を1.73倍とすることができました。このモジュールは、風力発電の出力変動緩和のため、北海道豊富町に設置する世界最大規模の出力240MW・容量720MWhの蓄電池設備に搭載されます。 照明分野では、HID代替LEDランプやラインアップ拡充に取り組み、LEGAランプRが2019年度省エネ大賞を受賞することができました。 環境関連機器の分野では、電池用セパレータに適用しているグラフト重合技術を応用した次亜塩素酸生成装置向けの電解隔膜の開発を開始しました。また、MBR(膜分離活性汚泥法)向けに低ファウリング膜の開発を進めており、大口顧客への拡販を計画しております。 この分野に係る研究開発費は、2,325百万円であります。 (3)車載用リチウムイオン電池 車載用リチウムイオン電池事業では、リチウムイオン電池基礎研究、車載用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。 リチウムイオン電池基礎研究の分野では、中大型電池の信頼性、安全性及びエネルギー密度の向上を目的として様々な研究を実施しております。また、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を図るため、次世代正極、次世代負極材料の探索並びにその性能改善を進めております。さらに、ポストリチウムイオン電池の基礎研究を実施しております。 車載用リチウムイオン電池の分野では、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池を増産するとともに、品種展開と増産対応に向けてさらなる改良と信頼性、安全性の向上に取り組んでおります。また、車載用の12Vリチウムイオン電池の開発も進めております。 この分野に係る研究開発費は、4,370百万円であります。 (4)その他 その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。さらにポストリチウムイオン電池の基礎研究を実施しております。 航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。2016年12月より、宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機」によって、宇宙ステーションの電源として搭載される当社のリチウムイオン電池の輸送が開始され、2020年5月21日に打ち上げられた「こうのとり9号機」によって、すべての電池の輸送は完了しました。 この分野に係る研究開発費は、386百万円であります。
FY2018|3,337 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、特機本部技術開発部、ライティング本部製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、リチウムイオン電池事業部開発本部、㈱リチウムエナジー ジャパンの技術部、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は111億70百万円であります。 当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。(1)自動車電池自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。国内自動車用鉛蓄電池の分野では、アイドリングストップ車用鉛蓄電池の主要劣化モードであるサルフェーションを格段に抑制する技術を開発し、アイドリングストップ車両及び一般車両を兼用する「ECO.R Revolution」シリーズの販売を開始しました。また、欧州車両向けEN規格(欧州統一規格)電池は日本車への採用が広がっており、一昨年に販売を開始した「ECO.R ENJ」シリーズのラインナップ拡充を図っています。国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、2015年に株式取得をしたトルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けのアイドリングストップ車用鉛蓄電池の開発を進めております。また、中国の天津杰士電池有限公司での国内補修向けやGSユアサ日本製の海外輸出向けにアイドリングストップ車用鉛蓄電池の新商品を投入し、更なる販売拡大を図ります。海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次生産を開始しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。この分野に係る研究開発費は、26億15百万円であります。 (2)産業電池電源 産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、特機、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、大容量蓄電システム向けサイクル用据置鉛蓄電池において、世界最高水準のサイクル寿命性能である超長寿命タイプの「SLR形」電池のラインナップ拡充に取り組んでおります。1000AhのSLR-1000に加えて、2017年度にはSLR-500を発売しました。2018年度には、新たに小容量タイプを発売する予定です。また、バッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池において、電池性能を大幅に向上させる添加剤を新たに開発し、これを用いた製品を2018年度には市場に展開する予定であります。 電源装置分野では、産業用リチウムイオン電池を搭載した直流電源装置「TRUSTAR-LIM」を開発しました。鉛蓄電池やアルカリ蓄電池搭載品と同様、消防法認定品であるため、消防用設備等のバックアップ電源としても使用できます。また、産業用リチウムイオン電池を搭載した交流無停電電源装置「BACSTAR-LIM」シリーズもリニューアルしており、停電や災害から重要機器を守るための直流電源装置や交流無停電電源装置のラインアップを充実させることで、安心・安全な社会の実現に貢献します。 太陽光発電用パワーコンディショナの分野では、中規模の太陽光発電設備に最適な、壁掛タイプの太陽光発電用パワーコンディショナ「単相ラインバックαⅣ」(10kVA )を開発しました。高い変換効率や優れた耐久性能により、さまざまなニーズに対応できると共に、停電時にも太陽電池で発電した電力を有効に使用することができる自立運転出力回路も内蔵しています。 産業用リチウムイオン電池の分野では、瞬時に大電流充放電が可能な高出力タイプの「LIM25H-8」モジュールが港湾向けガントリークレーンや無人搬送車などに採用されており、省エネ化や排ガス削減に寄与することによって、環境負荷低減に貢献しております。 特機の分野では、各種の電池を応用した機器や小型電源装置、バッテリー充電器、テスターの研究開発を行っております。また、将来の市場拡大を目指して酸素センサーや水素発生装置の開発に取り組んでおります。 照明の分野では屋外、工場などを中心にLED照明器具のラインナップ拡充に取り組んでおります。 環境関連機器の分野では、MBR(膜分離活性汚泥法)向けにファウリング(目詰まり)の少ない膜や安価な膜の開発を進めており、アジア市場に向けて拡販しております。また、水素発生器向けグラフト膜セパレータを開発し、2018年度から販売を計画しています。 この分野に係る研究開発費は、20億55百万円であります。 (3)車載用リチウムイオン電池 車載用リチウムイオン電池事業では、リチウムイオン電池基礎研究、車載用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。 リチウムイオン電池基礎研究の分野では、中大型電池の信頼性、安全性及びエネルギー密度の向上を目的として様々な研究を実施しております。また、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を図るため、次世代正極、次世代負極材料の探索並びにその性能改善を進めております。さらにポストリチウムイオン電池の研究を実施しております。 車載用リチウムイオン電池の分野では、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池を増産するとともに、品種展開と増産対応に向けてさらなる改良と信頼性、安全性の向上に取り組んでおります。 この分野に係る研究開発費は、60億86百万円であります。 (4)その他 その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。 航空用途では米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「 H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しています。2016年12月には、宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機」によって、宇宙ステーションの電源として搭載される当社のリチウムイオン電池の輸送が開始されております。 この分野に係る研究開発費は、4億12百万円であります。
FY2017|3,474 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、国内自動車電池、国内産業電池及び電源装置、海外、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。 国内自動車電池の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。国内産業電池及び電源装置の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、特機本部技術開発部、ライティング本部製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。海外の研究開発は、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、リチウムイオン電池事業部開発本部、㈱リチウムエナジー ジャパンの技術部、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。 当連結会計年度における研究開発費は95億33百万円であります。 当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。(1)国内自動車電池国内自動車電池事業では、自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。自動車用鉛蓄電池の分野では、アイドリングストップ車用鉛蓄電池の主要劣化モードであるサルフェーションを格段に抑制する技術を開発し、国内外で発表しました。また、日本の自動車メーカーが国内で販売する車両でも採用され始めているEN規格(欧州統一規格)電池において、低温時の始動性能が重視されるEN規格を満足するとともに、日本の温暖な気候風土にも適応し、且つ、JIS規格の安全性にも適合した、日本独自仕様のEN電池である「ECO.R ENJ」シリーズを開発しました。二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。この分野に係る研究開発費は、12億30百万円であります。 (2)国内産業電池及び電源装置 国内産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、特機、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。 産業用鉛蓄電池の分野では、大容量蓄電システム向けサイクル用据置鉛蓄電池において、世界最高水準のサイクル寿命性能である超長寿命タイプの「SLR形」電池のラインナップ拡充に取り組んでおります。また、バッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池において、電池性能を大幅に向上させる添加剤を新たに開発し、これを用いた製品を市場に展開する予定であります。 太陽光発電用パワーコンディショナの分野では、単相連系蓄電システム「ラインバックマイスター」(10kVA、20kVA)を開発しました。太陽電池用と蓄電池用に独立したコンバータを搭載しており、太陽電池の最大電力追従制御を行いながら、蓄電池充放電を制御することができることから、防災対応システムやピークカットシステムにとどまらず、より高度な自家消費システムやエネルギーマネジメントシステムへの対応が可能となりました。また、フルSiC-FETを採用し、単相連系蓄電システムにて業界最高効率である96.5%を達成しました。 産業用リチウムイオン電池の分野では、瞬時に大電流充放電が可能な高出力タイプの「LIM25H-8」モジュールが港湾向けガントリークレーンや無人搬送車などに採用されており、省エネ化や排ガス削減に寄与することによって、環境負荷低減に貢献しております。 特機の分野では、各種の電池を応用した機器や小型電源装置、バッテリー充電器、テスターの研究開発を行っております。また、将来の市場拡大を目指して酸素センサーや水素発生装置の開発に取り組んでおります。 照明の分野では屋外、工場などを中心にLED照明器具のラインナップ拡充に取り組んでおります。 環境関連機器の分野では、MBR(膜分離活性汚泥法)向けにファウリング(目詰まり)の少ない膜や安価な膜の開発を進めており、アジア市場に向けて拡販しております。また、水素発生器向けグラフト膜セパレータを開発し、サンプル提供を開始しております。 この分野に係る研究開発費は、22億88百万円であります。 (3)海外 海外事業では、自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池、産業用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。 自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車向け鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、2015年に株式取得をしたトルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けのアイドリングストップ車用鉛蓄電池の開発を進めております。 二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次生産を開始しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。 産業用鉛蓄電池の分野では、東南アジアにおける通信市場の旺盛な需要に応えるために、新たに産業用鉛蓄電池の生産拠点を立上げ、生産能力の拡大を進めております。また、バッテリー式フォークリフトのアジアを中心とした世界的需要の拡大に対して、中国及びタイにおいて、各地域で要求されるニーズに適応したバッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池の開発を進めております。 この分野に係る研究開発費は、4億98百万円であります。 (4)車載用リチウムイオン電池 車載用リチウムイオン電池事業では、リチウムイオン電池基礎研究、車載用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。 リチウムイオン電池基礎研究の分野では、中大型電池の信頼性、安全性及びエネルギー密度の向上を目的として様々な研究を実施しております。また、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を図るため、次世代正極、次世代負極材料の探索並びにその性能改善を進めております。さらにポストリチウムイオン電池の研究を実施しております。 車載用リチウムイオン電池の分野では、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池を増産するとともに、品種展開と増産対応に向けてさらなる改良と信頼性、安全性の向上に取り組んでおります。 この分野に係る研究開発費は、52億0百万円であります。 (5)その他 その他事業では、宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。 JAXAによる基幹ロケット高度化開発の成果を適用したH-ⅡA 29号機(第2段機体)に、人工衛星を静止軌道に対してより近い軌道で投入するため、電池容量を従来の2倍(80Ah)に向上させた大容量リチウムイオン電池が採用され、国産ロケットでは初めてとなる民間商業衛星の打ち上げの成功に貢献しました。また、国際宇宙ステーションの補給機「こうのとり5号」に、人工衛星用リチウムイオン電池が搭載されました。人工衛星用リチウムイオン電池については、これまでに開発された42Ah/55Ah/150Ahセルに加えて、新たに110Ah/190Ahセルを開発しました。 これらの人工衛星分野における実績(高性能化による小型・軽量、長寿命)が評価され、内閣府の主催する宇宙開発利用大賞で経済産業大臣賞に選ばれました。 この分野に係る研究開発費は、3億16百万円であります。