6629

テクノホライゾン(6629)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

テクノホライゾンは、当社と20の子会社、1社の関連会社からなるグループで、「映像&IT」と「ロボティクス」の2つの事業を展開しています。映像&IT事業では、書画カメラ、電子黒板、監視カメラなどの光学機器の開発・製造・販売を国内外で行い、ソフトウェア受託開発やAV機器・システムの販売・設置も手掛けています。ロボティクス事業では、業務用車載機器、医療機器、精密工学部品、ロボットコントローラ、FA関連機器(検査装置、自動はんだ装置など)の開発・製造・販売を国内外で行っており、これらが主な収益源となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

テクノホライゾンの事業は大きく「映像&IT」と「ロボティクス」の2つのセグメントに分かれています。映像&IT事業は、書画カメラや電子黒板、監視カメラなどの光学機器や、ソフトウェア開発、AV機器・システムの販売・設置などを国内外で行っており、グループ全体の売上と利益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。一方、ロボティクス事業は、業務用車載機器、医療機器、FA関連機器(検査装置、ロボットコントローラなど)の開発・製造・販売を国内外で行っていますが、直近の業績では営業損失を計上しています。海外での販売・製造活動も積極的に展開しており、グローバルな事業展開が特徴です。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ImagingAndIT 事業 358 10 2.7%
Robotics 事業 148 -6 -4.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,103 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社と子会社20社及び持分法適用関連会社1社(2025年3月31日現在)により構成されております。当社は業務執行を担うための事業本部制を採用し、属する子会社及び関連会社とともに事業活動を行っております。当社グループの事業は「映像&IT」及び「ロボティクス」に区分され、事業区分に属する商品の開発・製造・販売活動を主な事業内容としております。当社グループの主な事業内容と主な関係会社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。なお、事業区分は報告セグメントと同一の区分であります。事業区分事業内容主な関係会社映像&IT映像&ITグローバル本部、映像&ITビジネス本部並びに関係会社が国内で書画カメラ(実物投影機)、電子黒板、監視カメラなどの光学機器の開発・販売を行い、Elmo USA Corp.(米国)及びELMO Europe SAS(フランス)が国外で販売を行うほか、アドワー株式会社が国内でソフトウェアの受託開発・販売を、ESCO Pte.Ltd.が国外でAV機器およびシステムの販売・設置工事を、PACIFIC TECH PTE.LTD.が国外でセキュリティソフトウエアの販売や保守などを行っています。また、映像&ITソリューション本部、映像&ITプロフェッショナルワーク本部並びに関係会社が映像コミュニケーションサービスなどの開発・販売を行っております。Elmo USA Corp.ELMO Europe SASESCO Pte. Ltd.PACIFIC TECH PTE.LTD.アドワー株式会社ロボティクスロボティクスジャパン営業本部、ロボティクスイノベーション開発本部、生産営業本部、生産本部並びに関係会社が国内で業務用車載機器、医療機器、その他の精密工学部品、ロボットコントローラや工作機械用CNC(コンピュータ数値制御)装置、実装プリント基板の検査装置、自動はんだ装置などのFA関連機器の開発・製造・販売を行うほか、ロボティクスグローバル営業本部が国外で検査装置などのFA関連機器の販売を行っております。また、泰志逹智能科技(蘇州)有限公司が中国でFA関連機器の開発・製造・販売を行うほか、東莞旭進光電有限公司が中国で樹脂成型部品等の製造を行っております。東莞旭進光電有限公司泰志逹智能科技(蘇州)有限公司アポロ精工株式会社 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)連結子会社のELMO Industry (Thailand) Co.,Ltd.は清算中であることから、事業系統図には記載をしておりません。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内外のメーカーとの価格競争の激化により、販売価格が著しく下落する可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
常に新しい差別化技術の開発と市場投入が必要であり、研究開発の成果は不確実であるため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化 / 特定事業・製品並びに受託先企業の業績への依存 / 業績変動要因
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

テクノホライゾンは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとする事業モデルではない。主力事業である映像・音響機器の製造・販売において、明確な無形資産による競争優位性は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

一部の業務用映像・音響機器においては、導入済みのシステムとの互換性やオペレーションの習熟度から、顧客が他社製品へ乗り換える際の一定の障壁が存在する可能性がある。しかし、その程度は限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品・サービスは、ユーザー数の増加によって価値が向上するネットワーク効果を生み出すビジネスモデルではない。個々の顧客との直接的な関係性が中心であり、プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた製造ノウハウやサプライヤーとの関係性により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を持つ証拠は乏しい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

映像・音響機器業界において、一定の市場シェアを有している。しかし、グローバルな大手競合と比較すると、規模の経済による圧倒的な優位性を確立しているとは言い難い。業界全体が成熟している可能性もある。

テクノホライゾンは、「映像&IT」と「ロボティクス」という異なる技術基盤を組み合わせることで、教育ICT、企業・自治体DX、FAロボット、ビジョンシステムといった多様な市場に対応しています。特に映像&IT事業では、書画カメラや光学ユニットで高い市場占有率を持つとされており、これが競争優位性の一つと考えられます。また、長年の研究開発活動を通じて培われた差別化技術や、品質マネジメントシステム(ISO9001, ISO14001, ISO13485)による品質保証体制も強みと言えるでしょう。国内外に広がる販売・製造ネットワークも事業展開の安定性を支えています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 企業理念体系 ①経営理念 当社グループの経営理念は以下のとおりであります。 テクノホライゾングループは、映像&IT及びロボティクス事業を核にさまざまな製品とサービスを提供し、グローバルな「人と社会」に貢献することを事業のミッションといたしております。当グループが対象とする市場分野は、「教育」、「安全・生活」、「医療」、「FA」など多様な分野にわたりますが、・技術を活かすこと・皆さまのお役に立つこと・豊かな社会を実現することに関しては一貫してその姿勢を貫いております。そして今後さらに、「輝く地平線(ホライゾン)」をめざして着実に前進する所存でございます。 ②経営方針 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。当社グループは、企業理念である『グローバルな「人と社会」に貢献する』の達成に向けて、核となる「映像&IT事業」及び「ロボティクス事業」、それを展開させるための「マーケティング力」及び「プロダクト開発」の強化に力を入れ、さらなる「グローバル化」に取り組んでまいります。また、運営の基本原則として「コンプライアンスの徹底」「顧客満足に徹すること」「公正かつ透明な事業活動を行うこと」などを実行してまいります。 ③社是 このような経営理念及び経営方針のもと、テクノホライゾングループは、をグループ社是と定め、不確実性(VUCA:Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)の時代にあっても、役員・従業員が一丸となって前進してまいります。 VUCAの時代の風が吹く大地を地平線に向かって進むが如く、グループのコア技術である「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用し、さまざまな製品とサービスの提供を通じてカスタマーエクスペリエンスの向上を図り続け、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。 (2) 経営戦略等2010年に当社は、1921年に創業した榊商会を源流とする株式会社エルモ社※1と、その親会社で1975年設立した株式会社タイテック※2の2社の純粋持株会社(旧社名:テクノホライゾン・ホールディングス株式会社)として設立されました。それぞれの強みであるオプト(光学)とエレクトロニクス(電子)を掛け合わせて(オプトエレクトロニクス)新たな価値を生み出す、モノづくりのエキスパートを目指して邁進してまいりました。その後、時代の変化とともに事業ポートフォリオを見直しつつ、企業体質の強化を図りながらオプトエレクトロニクスで事業を展開してまいりました。そして、2020年10月の社名変更を経て2021年4月には、当社、株式会社エルモ社、株式会社タイテック、及びこの間に主要子会社となった株式会社中日諏訪オプト電子※3の4社で合併・経営統合し、カンパニー制を導入(エルモカンパニー、ファインフィットデザインカンパニー、タイテックカンパニー)しました。この経営統合を機会に、コア技術を「映像&IT」と「ロボティクス」と再定義して事業拡大に注力しています。※1:株式会社エルモ社(1949年設立):1921年に創業し、写真用引伸機の製造販売や写真機修理を展開、その後1927年に国産初の16ミリ映写機等を製造・販売した「榊商会」が源流。書画カメラ(実物投影機)、電子黒板などを販売し、近年は経営支援ソリューションなどのソフトの開発・製造・販売にも注力。※2:株式会社タイテック(1975年設立):射出成形品の取出機を制御する装置、工作機械用CNC(コンピュータ数値制御)装置やロボットコントローラなどのFA(Factory Automation)関連機器の開発・製造・販売。※3:株式会社中日諏訪オプト電子(2009年設立、2016年に社名変更):レンズ、光学ユニットや特殊光学機器のほか、業務用車載機器、医療機器、その他の精密光学部品の開発・製造・販売。この間、事業領域の拡大と企業成長に向けた機会を創造し、経営効率を高め、企業価値の最大化を目指して積極的な事業継承(事業譲受やM&A)を実行しています。2017年以降、本年3月末時点において、3つの事業の譲受けと海外子会社2グループを含む17社・グループが当社グループとして仲間入りし、相互補完しながらグループ一体となって社会課題の解決に資する製品・サービスの提供をしています。 私たちが掲げるミッションと目指すべき未来は、グローバルな人と社会に貢献すること、すなわち、映像&ITとロボティクスが生み出す、人と技術が共に生きる未来。そしてその先にある、「人々が安心して学び、働き、そして暮らしていける、持続可能な社会」の実現です。従来の「教育」「安全・生活」「医療」「FA」といった事業領域の枠組みを、少し形をかえて、「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」に組み替えました。「教育ICT」では、多様な子どもたち一人ひとりに合わせた学びが求められる中、ICT機器や学習支援システムを通じて、教育現場の質の向上を支援し、未来の人材育成を支えています。「企業・自治体DX」では、仕事の価値を高め、効率的かつ安全な運営や、サービスのクオリティ向上に貢献しています。「FAロボット」が活躍する製造現場では、高い品質と生産性の両立が求められ、精密制御や検査技術を活用することで、課題解決に取り組んでいます。最後に「ビジョンシステム」分野では、人の目では捉えきれない情報を映像技術とAIで可視化し、迅速かつ正確な判断を支援することで、より良い社会インフラを支えています。 当社グループは、企業理念『グローバルな「人と社会」に貢献する』のもと、引き続きコア技術と強いマーケティング力をもってグローバルな事業展開を推進してまいります。グループ内シナジーを発揮するために、コア技術の「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用した共同研究開発活動を精力的に進めることで企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開し、「ベンチャー企業の機動力」と「大手企業の力強さ」を兼ね備えた他社にはできないことに取り組む企業体とすることで、事業ミッションを実現してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 企業成長及び企業価値を測る指標として当社が重視している経営指標は、会社の本業の収益力を示す代表的な指標である売上高営業利益率と株主資本の効率化を測る代表的な指標である自己資本当期純利益率とし、その向上に努めております。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的な半導体不足や為替変動、原材料価格の高騰のほか、更にはウクライナ情勢の長期化による世界的なサプライチェーンの混乱が予想されるなど、不確実性の高まりによりますます厳しくなっていくものと予想されます。このような状況に適切に対応するため、当社はグループ企業を含めた積極的な組織最適化などを実施しております。また、更なる事業強化を通じて経営体質を強化するために積極的なM&Aを実施しております。 「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」の重点4市場に商品・サービスを展開しつつ、新たな市場価値創造をすることで事業を発展させ、グローバルな「人と社会」に貢献してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループの技術領域である「映像&IT」と「ロボティクス」は技術革新のスピードが速く、特に近年では変化の激しさが増しています。この変化の激しい時代であるからこそ、デジタル化・自動化・省人化に対応する製品やサービスを提供する当社グループにとってビジネスのチャンスは広がっていると考えております。コア技術である「映像&IT」及び「ロボティクス」を磨き、カスタマーエクスペリエンス(感動する体験)を実現してまいります。 具体的には、以下に掲げる経営課題に取り組んでまいります。① 事業の強化及び買収先企業のシナジーの追求1) 「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」を重点市場とし、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開してまいります。2) 映像&IT事業   ICT教育機器への関心と、企業におけるDX化需要の高まりなどに対し、スピーディに対応できるように、グローバルなマーケティング力の強化と商品の開発に力を入れてまいります。教育市場では既存主力製品である実物投影機をはじめ、電子黒板などのICT機器、デジタル教材、校務システム並びに支援業務など様々な製品・サービスで教育環境の改善をサポートできるよう、日々活動しております。また、企業市場ではERPなど社内業務のDX、遠隔での会議や作業支援のユニファイドコミュニケーションやAVシステム、サイバー攻撃に対するセキュリティ、交通インフラなど効率化・安全管理・省エネのニーズにカメラやAIを使った製品・サービスを提供してまいります。3) ロボティクス事業   人手不足解消や生産性向上のためにロボット機器や工場改善ソリューション製品を強化し、より現場に密着したサービスをグローバルに展開してまいります。工場では人手不足、品質改善など様々な課題を抱えており、自動化・情報化の開発に力を入れております。主に半導体製造ラインや研究開発用のX線検査装置、生産情報を管理するソフトウェアなどを提供し、効率的で安全な働きやすい工場への改善提案をしてまいります。その他に、ビジョンシステムの開発にも注力しており、AIソフトやAIエンジン、精密測定器や医療機器など工業用装置や社会問題の解決に必要なコンポーネントを開発し、提供してまいります。 ② M&Aの推進当社グループが持続的な成長を遂げるためにM&Aを引き続き進めてまいります。これにより短期間で新しい商圏に参入し、製品・サービスの提供が可能となり、より充実したお客様目線の活動ができるようになります。今後ともグループ入りした企業の強みを伸ばし、更なるM&Aによりグループ内でのシナジー効果の追求に努め、付加価値の高い事業へ昇華させてまいります。③ 最適な生産体制及びDX化の推進1) 当社グループの生産体制は、国内及び中国で生産を行う一方、アジア地域の協力工場も活用しております。国内工場と海外工場との役割分担を適宜見直し、グループ全体の生産体制の効率化を図ります。また、昨今の電子部品の価格上昇に対応すべく、購買部門の強化をしてまいります。2) 社内インフラを強化してDX化(経費精算、ERP、人材マネジメント、予実管理等)を推進することで、仕事の効率化とともに働き方を改革します。④ グローバル化の加速当社グループは、早くからアメリカ、ヨーロッパ、中国に現地法人を設立し、海外販売に注力してまいりました。これに加えて成長市揚であるASEAN全域に拠点を有し、シンガポールに本社を置くESCO Pte. Ltd.及びPacific Tech Pte. Ltd.を中心とし、欧米のみならずASEAN地域での事業拡大に努め、グローバル化を加速してまいります。⑤ 人材の確保と育成当社グループは、事業の急速な拡大に伴い、従業員の増加が見込まれます。開発、製造、営業、管理等の各部門において組織力や現場力の強化が必要であり、人材の確保育成が急務です。研修体制を充実させるとともに、グループ入りした企業の人材を積極的に登用しています。また外部の専門家を招聘してプロジェクトを発足させ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。⑥ コーポレート・ガバナンス体制の充実1) 当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制を強化しております。見識の高い人材を社外取締役や顧問として積極的に登用し、取締役会の実効性や透明性を高めてまいります。2) 企業の持続的な成長には、適切なリスクへの対応が必要です。当社では「リスク管理委員会」を設置して、当社グループの経営に関するリスクを網羅的に洗い出し、定量的なリスク評価及びその対応をしています。3) CSRに積極的に取り組み、未来を創造する企業として、従業員、お客様、社会に求める満足感に充分応えられるよう、コンプライアンスの徹底、ステークホルダーへの積極的な情報開示、環境への配慮など、具体的に実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 企業理念体系 ①経営理念 当社グループの経営理念は以下のとおりであります。 テクノホライゾングループは、映像&IT及びロボティクス事業を核にさまざまな製品とサービスを提供し、グローバルな「人と社会」に貢献することを事業のミッションといたしております。当グループが対象とする市場分野は、「教育」、「安全・生活」、「医療」、「FA」など多様な分野にわたりますが、・技術を活かすこと・皆さまのお役に立つこと・豊かな社会を実現することに関しては一貫してその姿勢を貫いております。そして今後さらに、「輝く地平線(ホライゾン)」をめざして着実に前進する所存でございます。 ②経営方針 当社グループの経営方針は以下のとおりであります。当社グループは、企業理念である『グローバルな「人と社会」に貢献する』の達成に向けて、核となる「映像&IT事業」及び「ロボティクス事業」、それを展開させるための「マーケティング力」及び「プロダクト開発」の強化に力を入れ、さらなる「グローバル化」に取り組んでまいります。また、運営の基本原則として「コンプライアンスの徹底」「顧客満足に徹すること」「公正かつ透明な事業活動を行うこと」などを実行してまいります。 ③社是 このような経営理念及び経営方針のもと、テクノホライゾングループは、をグループ社是と定め、不確実性(VUCA:Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)の時代にあっても、役員・従業員が一丸となって前進してまいります。 VUCAの時代の風が吹く大地を地平線に向かって進むが如く、グループのコア技術である「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用し、さまざまな製品とサービスの提供を通じてカスタマーエクスペリエンスの向上を図り続け、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。 (2) 経営戦略等2010年に当社は、1921年に創業した榊商会を源流とする株式会社エルモ社※1と、その親会社で1975年設立した株式会社タイテック※2の2社の純粋持株会社(旧社名:テクノホライゾン・ホールディングス株式会社)として設立されました。それぞれの強みであるオプト(光学)とエレクトロニクス(電子)を掛け合わせて(オプトエレクトロニクス)新たな価値を生み出す、モノづくりのエキスパートを目指して邁進してまいりました。その後、時代の変化とともに事業ポートフォリオを見直しつつ、企業体質の強化を図りながらオプトエレクトロニクスで事業を展開してまいりました。そして、2020年10月の社名変更を経て2021年4月には、当社、株式会社エルモ社、株式会社タイテック、及びこの間に主要子会社となった株式会社中日諏訪オプト電子※3の4社で合併・経営統合し、カンパニー制を導入(エルモカンパニー、ファインフィットデザインカンパニー、タイテックカンパニー)しました。この経営統合を機会に、コア技術を「映像&IT」と「ロボティクス」と再定義して事業拡大に注力しています。※1:株式会社エルモ社(1949年設立):1921年に創業し、写真用引伸機の製造販売や写真機修理を展開、その後1927年に国産初の16ミリ映写機等を製造・販売した「榊商会」が源流。書画カメラ(実物投影機)、電子黒板などを販売し、近年は経営支援ソリューションなどのソフトの開発・製造・販売にも注力。※2:株式会社タイテック(1975年設立):射出成形品の取出機を制御する装置、工作機械用CNC(コンピュータ数値制御)装置やロボットコントローラなどのFA(Factory Automation)関連機器の開発・製造・販売。※3:株式会社中日諏訪オプト電子(2009年設立、2016年に社名変更):レンズ、光学ユニットや特殊光学機器のほか、業務用車載機器、医療機器、その他の精密光学部品の開発・製造・販売。この間、事業領域の拡大と企業成長に向けた機会を創造し、経営効率を高め、企業価値の最大化を目指して積極的な事業継承(事業譲受やM&A)を実行しています。2017年以降、本年3月末時点において、3つの事業の譲受けと海外子会社2グループを含む17社・グループが当社グループとして仲間入りし、相互補完しながらグループ一体となって社会課題の解決に資する製品・サービスの提供をしています。 私たちが掲げるミッションと目指すべき未来は、グローバルな人と社会に貢献すること、すなわち、映像&ITとロボティクスが生み出す、人と技術が共に生きる未来。そしてその先にある、「人々が安心して学び、働き、そして暮らしていける、持続可能な社会」の実現です。従来の「教育」「安全・生活」「医療」「FA」といった事業領域の枠組みを、少し形をかえて、「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」に組み替えました。「教育ICT」では、多様な子どもたち一人ひとりに合わせた学びが求められる中、ICT機器や学習支援システムを通じて、教育現場の質の向上を支援し、未来の人材育成を支えています。「企業・自治体DX」では、仕事の価値を高め、効率的かつ安全な運営や、サービスのクオリティ向上に貢献しています。「FAロボット」が活躍する製造現場では、高い品質と生産性の両立が求められ、精密制御や検査技術を活用することで、課題解決に取り組んでいます。最後に「ビジョンシステム」分野では、人の目では捉えきれない情報を映像技術とAIで可視化し、迅速かつ正確な判断を支援することで、より良い社会インフラを支えています。 当社グループは、企業理念『グローバルな「人と社会」に貢献する』のもと、引き続きコア技術と強いマーケティング力をもってグローバルな事業展開を推進してまいります。グループ内シナジーを発揮するために、コア技術の「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用した共同研究開発活動を精力的に進めることで企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開し、「ベンチャー企業の機動力」と「大手企業の力強さ」を兼ね備えた他社にはできないことに取り組む企業体とすることで、事業ミッションを実現してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 企業成長及び企業価値を測る指標として当社が重視している経営指標は、会社の本業の収益力を示す代表的な指標である売上高営業利益率と株主資本の効率化を測る代表的な指標である自己資本当期純利益率とし、その向上に努めております。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的な半導体不足や為替変動、原材料価格の高騰のほか、更にはウクライナ情勢の長期化による世界的なサプライチェーンの混乱が予想されるなど、不確実性の高まりによりますます厳しくなっていくものと予想されます。このような状況に適切に対応するため、当社はグループ企業を含めた積極的な組織最適化などを実施しております。また、更なる事業強化を通じて経営体質を強化するために積極的なM&Aを実施しております。 「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」の重点4市場に商品・サービスを展開しつつ、新たな市場価値創造をすることで事業を発展させ、グローバルな「人と社会」に貢献してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題 当社グループの技術領域である「映像&IT」と「ロボティクス」は技術革新のスピードが速く、特に近年では変化の激しさが増しています。この変化の激しい時代であるからこそ、デジタル化・自動化・省人化に対応する製品やサービスを提供する当社グループにとってビジネスのチャンスは広がっていると考えております。コア技術である「映像&IT」及び「ロボティクス」を磨き、カスタマーエクスペリエンス(感動する体験)を実現してまいります。 具体的には、以下に掲げる経営課題に取り組んでまいります。① 事業の強化及び買収先企業のシナジーの追求1) 「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」を重点市場とし、「映像&IT」及び「ロボティクス」を活用して企業や人々に役立つ商品・サービスを積極的に展開してまいります。2) 映像&IT事業   ICT教育機器への関心と、企業におけるDX化需要の高まりなどに対し、スピーディに対応できるように、グローバルなマーケティング力の強化と商品の開発に力を入れてまいります。教育市場では既存主力製品である実物投影機をはじめ、電子黒板などのICT機器、デジタル教材、校務システム並びに支援業務など様々な製品・サービスで教育環境の改善をサポートできるよう、日々活動しております。また、企業市場ではERPなど社内業務のDX、遠隔での会議や作業支援のユニファイドコミュニケーションやAVシステム、サイバー攻撃に対するセキュリティ、交通インフラなど効率化・安全管理・省エネのニーズにカメラやAIを使った製品・サービスを提供してまいります。3) ロボティクス事業   人手不足解消や生産性向上のためにロボット機器や工場改善ソリューション製品を強化し、より現場に密着したサービスをグローバルに展開してまいります。工場では人手不足、品質改善など様々な課題を抱えており、自動化・情報化の開発に力を入れております。主に半導体製造ラインや研究開発用のX線検査装置、生産情報を管理するソフトウェアなどを提供し、効率的で安全な働きやすい工場への改善提案をしてまいります。その他に、ビジョンシステムの開発にも注力しており、AIソフトやAIエンジン、精密測定器や医療機器など工業用装置や社会問題の解決に必要なコンポーネントを開発し、提供してまいります。 ② M&Aの推進当社グループが持続的な成長を遂げるためにM&Aを引き続き進めてまいります。これにより短期間で新しい商圏に参入し、製品・サービスの提供が可能となり、より充実したお客様目線の活動ができるようになります。今後ともグループ入りした企業の強みを伸ばし、更なるM&Aによりグループ内でのシナジー効果の追求に努め、付加価値の高い事業へ昇華させてまいります。③ 最適な生産体制及びDX化の推進1) 当社グループの生産体制は、国内及び中国で生産を行う一方、アジア地域の協力工場も活用しております。国内工場と海外工場との役割分担を適宜見直し、グループ全体の生産体制の効率化を図ります。また、昨今の電子部品の価格上昇に対応すべく、購買部門の強化をしてまいります。2) 社内インフラを強化してDX化(経費精算、ERP、人材マネジメント、予実管理等)を推進することで、仕事の効率化とともに働き方を改革します。④ グローバル化の加速当社グループは、早くからアメリカ、ヨーロッパ、中国に現地法人を設立し、海外販売に注力してまいりました。これに加えて成長市揚であるASEAN全域に拠点を有し、シンガポールに本社を置くESCO Pte. Ltd.及びPacific Tech Pte. Ltd.を中心とし、欧米のみならずASEAN地域での事業拡大に努め、グローバル化を加速してまいります。⑤ 人材の確保と育成当社グループは、事業の急速な拡大に伴い、従業員の増加が見込まれます。開発、製造、営業、管理等の各部門において組織力や現場力の強化が必要であり、人材の確保育成が急務です。研修体制を充実させるとともに、グループ入りした企業の人材を積極的に登用しています。また外部の専門家を招聘してプロジェクトを発足させ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。⑥ コーポレート・ガバナンス体制の充実1) 当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制を強化しております。見識の高い人材を社外取締役や顧問として積極的に登用し、取締役会の実効性や透明性を高めてまいります。2) 企業の持続的な成長には、適切なリスクへの対応が必要です。当社では「リスク管理委員会」を設置して、当社グループの経営に関するリスクを網羅的に洗い出し、定量的なリスク評価及びその対応をしています。3) CSRに積極的に取り組み、未来を創造する企業として、従業員、お客様、社会に求める満足感に充分応えられるよう、コンプライアンスの徹底、ステークホルダーへの積極的な情報開示、環境への配慮など、具体的に実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。 1) 財政状態当連結会計年度末における総資産は37,397百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,304百万円増加いたしました。流動資産は28,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,899百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が347百万円、仕掛品が285百万円、原材料及び貯蔵品が283百万円減少した一方で、現金及び預金が247百万円、受取手形及び売掛金が2,488百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,136百万円となり、前連結会計年度末に比べ595百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が78百万円、無形固定資産が518百万円減少したことによるものであります。流動負債は22,560百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,433百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が45百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が179百万円、短期借入金が1,282百万円増加したことによるものであります。固定負債は4,738百万円となり、前連結会計年度末に比べ413百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が334百万円、リース債務が77百万円減少したことによるものであります。純資産合計は10,098百万円となり、前連結会計年度末に比べ284百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が704百万円減少した一方で、為替換算調整勘定が996百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は27.0%(前連結会計年度末は27.2%)となりました。 2) 経営成績当連結会計年度におけるわが国の経済は、景気回復に一部足踏みが見られるものの穏やかな回復基調にありました。しかしながら原材料価格の変動やエネルギー価格の上昇に加え、中国市場の低迷や米国政権の通商政策などにより先行きの不透明感が高まりました。このような経済状況のもと、当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、コア技術である「映像&IT」と「ロボティクス」により、持続可能で豊かな社会を実現するための仕組みやソリューションを提供しています。また、引き続き注力分野の事業強化を目的としたM&Aや、事業・組織の最適化を推進することで、企業価値の最大化を推進しております。当社グループの業績は、シンガポールに本社があるESCO Pte.Ltd.の売上高が大幅に伸長したこと、新たに連結範囲に含まれた子会社が貢献したこと等により、売上高は50,624百万円(前期比4.1%増)となりました。営業利益は373百万円(前期比64.0%減)、経常利益は350百万円(前期比79.5%減)となりました。2025年5月9日に公表しました「特別損失の計上及び業績予想値と実績値との差異に関するお知らせ」の通り、事業譲り受けにより2024年7月から開始したプロフェッショナルワーク事業(緊急対策フィールドワーク事業)におけるソフトウェア仮勘定423百万円を取り崩し、特別損失を計上しました。また、学校向け校務システムの開発及び販売を行うウェルダンシステム株式会社について、直近の業績から事業環境等を踏まえ、当期末時点では超過収益力が見込めない状況にあると判断しました。その結果、のれん200百万円を特別損失に計上しました。以上により、親会社株主に帰属する当期純損失は616百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,001百万円)となりました。セグメントごとの業績は、次のとおりであります。 (映像&IT事業)シンガポールやマレーシアでサイバーセキュリティのディストリビューター事業を行うPacific Tech Pte.Ltd.は、業績が順調に推移しています。また、ASEANでオフィスソリューションを提供するESCO Pte.Ltd.は、地域の経済成長に支えられ順調に事業が拡大しました。米国教育市場では、事業の持続的な成長と健全性の強化を目的として、長期滞留在庫に対して144百万円を棚卸評価損として売上原価に含めて計上しております。国内教育市場では書画カメラや電子黒板の販売は、文部科学省による2019年から開始したGIGAスクール構想(生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備)で導入した機器の入れ替えが進み、前年同期比で増加いたしました。今後、更新需要の増加が期待され、GIGAスクール構想第2期を念頭に活動を強化していきます。これらの結果、映像&IT事業における当連結会計年度の売上高は35,828百万円(前期比16.7%増)、営業利益は967百万円(前期比272.1%増)となりました。 (ロボティクス事業)国内のFA(Factory Automation:工場の自動化)関連機器等の販売は、中国の景気後退に伴う設備投資意欲の減退の影響を受けました。さらに、採算性の高い半導体向けX線検査装置に関しては、新製品の開発遅延により、納入が来期にずれ込んでおります。また、当社の連結財務諸表において重要性が増したことから、中島銅工株式会社を連結の範囲に含めたことで損益が悪化しました。加えて、一部製品に不具合が確認されました。本件に対する対応措置として、当期に160百万円を売上原価に含めて計上しました。迅速な改善と品質向上を図り、今後の成長につなげてまいります。これらの結果、ロボティクス事業における当連結会計年度の売上高は14,796百万円(前期比17.5%減)、営業損失は599百万円(前期は営業利益778百万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ247百万円増加し、3,438百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は851百万円(前年同期比37.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失199百万円、減価償却費986百万円、減損損失201百万円、のれん償却額466百万円、支払利息161百万円、ソフトウェア評価損423百万円、売上債権の増加額1,414百万円、棚卸資産の減少額1,240百万円、仕入債務の減少額207百万円、未払金の減少額271百万円、法人税等の支払額549百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により支出した資金は955百万円(前年同期比14.4%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出314百万円、無形固定資産の取得による支出25百万円、関係会社株式の取得による支出145百万円、事業譲受けによる支出590百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により得られた資金は141百万円(前年同期は財務活動により支出した資金1,505百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,046百万円、長期借入れによる収入2,128百万円、長期借入金の返済による支出2,607百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出290百万円等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績1) 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)映像&IT事業2,559,426+29.9ロボティクス事業12,445,265△17.8合計15,004,692△12.3(注)金額は販売価格によっております。2) 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)映像&IT事業3,671,045+6.3572,957△52.7ロボティクス事業12,782,794△17.94,070,435△34.2合計16,453,839△13.54,643,392△37.2(注)1.金額は販売価格によっております。2.映像&IT事業のうち、光学ユニット等の精密光学部品については受注生産を行っております。 3) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)映像&IT事業35,828,393+16.7ロボティクス事業14,796,310△17.5合計50,624,704+4.1(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、主として連結会計年度末現在の判断に基づく見積りによるものがあります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において行われる重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 1) 棚卸資産 当社グループは、棚卸資産の評価基準について原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採用しており、個別に簿価の切下げを行うほか、入庫から一定期間を経過した在庫について、期間の経過に応じ規則的に簿価の切下げを行うなど、状況に応じ適時に棚卸資産の評価減を実施しております。ただし、他社新製品の開発により当社グループの販売数量が減少した場合や、当社グループにおいて管理できない要因など、見積り及びその基礎となる仮定とは異なる結果が生じた場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。 2) のれん 当社グループは、新たな成長戦略の一つとして、企業買収を行っています。企業買収により発生したのれんは、投資効果の発現する期間を個別に見積り均等償却しておりますが、投資先の将来の収益力の低下などが発生した場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。 3) 繰延税金資産 当社グループは、事業計画に基づき将来の課税所得を見積ったうえで、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。 4) 関係会社株式 当社は、関係会社株式について、実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合には、事業計画をもとに回復可能性を検討しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。1) 経営成績の状況 当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」分野を重点市場とし、映像&IT事業とロボティクス事業をグローバルに展開しております。 新型コロナウイルス感染症が指定感染症5類に移行したことでコロナ禍からの脱却が進みました。また訪日外国人の増加によりインバウンド需要が回復する等、経済活動の正常化が加速しました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による資源・エネルギー高や円安進行、世界的なインフレなどにより、先行き不透明な状況が続いています。 このような経済状況のもと、当社グループは、「教育」「安全・生活」「医療」「FA」の重点4市場に対し、コア技術である「映像&IT」と「ロボティクス」により、持続可能で豊かな社会を実現するための仕組みやソリューションを提供しています。また、引き続き注力分野の事業強化を目的としたM&Aや、事業・組織の最適化を推進することで、企業価値の最大化に取り組んでおります。 教育市場では、主力である書画カメラと電子黒板を中心とした教育のデジタル化を支援するICT機器を提供しております。今後本格化する誰もが・いつでも・どこでも・誰とでも学べる「教育のデジタル化」社会の実現に向けて、販売したプロダクトと連動するデジタルコンテンツやDXソリューション等の提供に向けた施策を講じています。また、お客様の声を反映してプロダクトをアップデートし、経営支援ソフト等と組み合わせてビジネス向けに展開することで新たな市場の開拓を進めております。このような戦略を進めるために当社は注力分野の事業を強化するためにM&Aを積極的に推進しています。このグループ経営戦略の効果が発揮されつつあり、シンガポールの子会社2社(アジア地域でのサイバーセキュリティ商品やオフィスなどのAVシステム)の販売が堅調に推移するなど、当該事業全体の売上高は伸長しました。 安全・生活市場では、業務用車載器等に加え、市街地、企業内、家庭、工場現場といった様々なシチュエーションで活用される監視カメラや、決済端末の開発を行っています。機器で取得したデータをAI解析し、新たな価値を提供するシステムの開発等も進めております。 医療市場では、超高齢化社会の到来により介護人口の増加や対応する人手不足といった介護業界が抱える課題に対し、当社のセンシング技術を利用して開発した睡眠見守りシステムや電子黒板・DXソリューションと、当該業界の課題解決に資する他社の製品と連携して当該課題の解決に向けたトータルソリューションの展開を行っております。また、当社グループがこれまで蓄積してきた画像解析のノウハウを活用して、高度化する医療の課題解決のため、大学法人との共同研究を継続して実施しております。 FA市場では、既存顧客への新たな提案や新規顧客を開拓すべく国内外の展示会へ出展して露出を増やすとともに、当社のマシンビジョン技術とグループ企業の画像解析技術、AIなどを組み合わせた新たなコンセプトの製品開発を進めています。中国現地法人では、引き続き現地企業との取引拡大に注力しております。 このように、重点4市場に対する施策を実行したことにより売上高が大幅に伸長しました。売上高の伸長や経費の削減が進んだことに加え、為替環境が想定以上に円安に推移したことが利益面を押上げました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は50,624百万円、営業利益は373百万円、経常利益は350百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は616百万円となりました。経営上の目標の指標である売上高営業利益率は0.7%となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (映像&IT事業)教育市場では、教育市場向けの書画カメラや電子黒板の販売は、国内市場や欧米市場で競争が激化する中、需要は想定より弱く計画を下回りました。一方で、シンガポールの子会社2社(アジア地域でのサイバーセキュリティ製品の卸売及びオフィス機器やAVシステムの販売)の売上が堅調に推移し、当該事業全体の売上高は伸長しました。新製品の投入やソフトウェア販売を強化し、新規及び更新需要の掘り起こしに努め収益力の強化を図ります。営業損益につきましては、競争激化に伴い利幅が縮小したほか、物価上昇や円安に伴うエネルギー及び輸入製品価格の高騰、部品調達難に伴う生産効率の低下などにより売上原価が上昇し、期首の想定以上に利益の下押し圧力が強まりました。また、更なる事業の拡大・顧客満足度の向上を目指して営業組織を強化したことにより活動費用や管理費用が増加しました。これらの結果、映像&IT事業における当連結会計年度の売上高は35,828百万円(前年同期比16.7%増)、営業利益は967百万円(前期比272.1%増)となりました。 (ロボティクス事業)FA関連機器は、国内市場では工場の省力化ニーズは底堅く推移しました。一方、中国市場では景気減速による設備投資抑制から計画を下回りました。また、買収した子会社(はんだ付けロボットなど工場自動化システム)の販売が国内外ともに堅調に推移し、当該事業全体の売上高は伸長しました。営業損益につきましては、映像&IT事業と同様に、グループ入りした子会社が貢献しており、部品価格高騰等に伴う生産効率の低下を受けておりますが、経費の削減が進みました。これらの結果、ロボティクス事業における当連結会計年度の売上高は14,796百万円(前年同期比17.5%減)、営業損失は599百万円(前期は営業利益778百万円)となりました。 2) 資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フローの状況) 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (財務政策) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、電子機器や部品の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品生産に伴うライン設備及び金型やソフトウエア等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備資金、長期運転資金、M&A資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は16,593百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,438百万円となっております。 当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。 3) 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

市場環境の変化が業績に大きな影響を与える可能性があります。特に、教育ICT市場での書画カメラや、工作機械・エレクトロニクス業界におけるロボティクス事業の需要動向、競合他社の戦略、異業種からの新規参入がリスクです。また、特定の製品や顧客への依存もリスクであり、顧客企業の業績不振や方針変更、値下げ要請が業績に影響を及ぼす可能性があります。研究開発の不確実性や、原材料の調達難、海外事業における政治・経済変動、為替変動、自然災害や感染症の蔓延なども、事業活動に支障をきたす要因となり得ます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,222 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場環境の変化当社グループは「教育ICT」「企業・自治体DX」「FAロボット」「ビジョンシステム」の4つの市場に対し、技術基盤である「映像&IT」と「ロボティクス」により、持続可能で豊かな社会を実現するための仕組みやソリューションを提供することで事業の拡大をはかっておりますが、新規並びに拡大化の戦略におきましては、市場の需要動向、競合他社の戦略・施策が大きく影響いたします。さらに異業種企業が市場参入することにより新しい概念に基づいた技術原理や差別化技術等によって、より優れた商品を投入してくる可能性も否定することは出来ません。こうした場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 (2) 特定事業・製品並びに受託先企業の業績への依存映像&IT事業においては、特に市場占有率の高い書画カメラや光学ユニットにおいて、当該市場全体の需要動向並びに競合他社の戦略・施策が当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、ロボティクス事業では開発受託先企業が多岐にわたっております。当社グループの業績は、顧客企業の業績不振、予期しない契約打ち切り、方針の変化、値下げ要請など、顧客企業の業績や当社グループにおいて管理できない要因により大きな影響を受けます。 (3) 業績変動要因映像&IT事業の主要製品のうち書画カメラの売上は、主たる販売先である文教市場の予算執行時期にあたる夏休みや年度末に偏る傾向があります。また、車載関連の売上は、製品ライフサイクルや当社製品採用の有無により当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。ロボティクス事業では、主に工作機械業界及びエレクトロニクス業界の企業を顧客とし、事業を展開しております。工作機械業界及びエレクトロニクス業界の需要縮小は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (4) 研究開発活動及び人材育成当社グループが持続的成長を実現するには常に新しい差別化技術を開発し、その技術に基づく製品を市場投入して行かねばなりませんが、研究開発の成果は不確実なものであります。また、技術スキルの高い人材の確保と育成ができなかった場合には、当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5) 新製品の開発新製品の開発が予定どおりに進捗しない場合や現行製品から新製品への移行が適切に行えない場合には、競争力の低下により当社グループの業績並びに成長に対し大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 原材料の調達当社グループは、半導体含め多数の外部取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、重要部品が何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、予定していた数量の生産が出来ない場合等には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (7) 競争の激化国内外のメーカーとの価格競争の激化により、販売価格が著しく下落する可能性があります。また、高シェア商品でも将来も優位に立てる保証はありません。他社新製品の開発により販売数量が減少するなど、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 製品の品質当社は、品質マネジメントシステム(ISO9001)、環境マネジメントシステム(ISO14001)並びに医療機器における品質マネジメントシステム(ISO13485)を取得して、品質面で万全を期すよう体制を整えておりますが、欠陥が発生しない保証はありません。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、そのコストや当社グループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少などにより、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが行うソフトウェア開発業務において、作業進捗の遅延や予期し得ない不具合が生じた場合には、当社グループに対する評価を著しく低下させ、売上高の減少や損害賠償などにより当社のグループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (9) 第三者所有の知的財産権への抵触当社グループは、新製品開発や生産・販売活動において当社グループ所有もしくは適法に使用許諾を受けた知的財産権を使用しております。しかしながら、認識の範囲外で第三者より知的財産権の侵害を主張される可能性は否定できず、他社から特許権侵害訴訟を受け、当社グループの製品が先行特許を侵害する判決となった場合は、開発断念や発売中止、販売の差し止め・損害賠償の責任を負うことがあります。その場合に、当社グループの業績に大きな影響を及ぼすおそれがあります。 (10)海外での事業展開当社グループは、欧米及びASEAN諸国において現地法人並びに販社を通じて海外で販売活動を行っております。また製品の製造を中国の現地法人で行っているほか、多くの部品の仕入調達を主にアジア諸国に依存しております。こうした海外での事業展開においては、予期しない法律・規制の変更、政治体制・経済環境の変動、テロ・戦争・感染症等による社会の混乱、水・電力や通信網等インフラストラクチャーの障害、人材の採用・確保の難しさ等のリスクにより事業活動に障害が生じる可能性があります。 (11)為替相場の変動項目(10)に示したとおり、当社グループは海外においても事業展開を実施しており、外国為替レートの大きな変動は、当社グループの外貨建てで取引されている売上高並びに仕入高に影響し、結果として当社グループの業績に大きな影響を与えます。 (12)環境規制当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。当社グループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが現在稼働させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。 (13)企業買収当社グループは成長戦略の一つとして、企業買収を積極的に行っております。その結果、のれん及び無形固定資産が増加しております。のれん及び無形固定資産につきましては、将来の収益力が低下した等により減損が必要になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ会社において経営環境の著しい悪化や収益状況の悪化等が将来にわたって見込まれる場合、当社が保有する関係会社株式の評価に影響を及ぼすなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)繰延税金資産当社グループは、事業計画より見積られた将来の課税所得に基づき、繰延税金資産を計上しております。課税所得が生じる時期および金額は、将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、実際の発生時期および金額が見積りと異なった場合には、繰延税金資産の金額が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)自然災害、および感染症蔓延のリスク大規模地震の発生や、気候変動などに起因する自然災害の発生、感染症の蔓延などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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