経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果として当社グループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。当社グループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。 (3) 経営環境当社グループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI分野の開発案件も増加してきております。半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2025年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2024年度~2026年度)」によると、2025年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比5%増、2026年度は10%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2024年秋季半導体市場予測について」(2024年12月3日発表)によると、世界の半導体市場動向は、データセンター投資の継続に加え、AI機能搭載端末の増加など、裾野の広がりが半導体需要拡大にも寄与すると見込まれる等、2025年は前年度比11.2%増とさらなる市場拡大を予測しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略(a) ユニット供給の拡大バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。当社グループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。当社グループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。 ① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット) ② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、 ラック型のものと箱型のものがある) ③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット) ④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット) ⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある) 当社グループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。当社グループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い)製品に対する需要が増加する傾向にあります。この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、当社グループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。 (注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板 (注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (b) コア事業の強化当社グループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしての当社グループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。①新製品の開発とバリエーションの拡充各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。②コストダウン顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。当社におきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。 (c) DX、5G、IoT等への対応各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、当社グループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。 (d) 放熱技術コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。当社グループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。 (e) コストダウンと中国子会社の活用2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。 (f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓当社グループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。一方で当社グループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(a) 事業ドメインの拡大前項で述べたとおり、当社グループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、当社グループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。 (b) 罹災時の事業継続への取組み推進当社は自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、当社の重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来から当社グループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。当社グループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。 (c) 企業の社会的責任(CSR)の推進当社グループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。当社グループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社経営の基本方針当社グループは、エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団となることを目標とし、最高のソリューションを提供することのできるブレインでありたいとの社名に込めた思いで、事業の拡大に取組んでまいりました。日本を代表する大手電子機器メーカー、機械メーカー等との取引を継続することができたのは、この経営目標を着実に実行してきた結果として当社グループの技術力が認められ、顧客の信頼を勝ち得てきたことによるものと認識しております。特にバックプレーンに関する新規格の発表を注視し、新規格に準拠したバックプレーンの商品化を早期に推進するとともに、自社製プレスフィットマシンを用いて高品質なバックプレーンを短納期で顧客に提供することにより評価を得ていると判断しております。当社グループは、設立以来バックプレーンをベースにおいたビジネス展開を行ってまいりましたが、ボードコンピュータの開発設計を行うシステムソリューション事業部の機能や、中国蘇州市にある子会社の製造・販売及び部材調達拠点としての機能を最大限に活用し、従来以上に顧客の幅広いニーズにお応えしていく所存であります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上高及び経常利益を重視する経営指標としております。これらを実現するために、営業体制の強化に加え、技術的研究開発、生産体制再整備等への投資を行うとともに、目標を有効・効率的かつ適正に達成するための内部統制の強化を図り、業務に励んでまいります。 (3) 経営環境当社グループが設計・製造する製品は、通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータのほか、IoTやAI分野の開発案件も増加してきております。半導体関連について、一般社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2025年1月発表 半導体・FPD製造装置 需要予測 (2024年度~2026年度)」によると、2025年度の日本製半導体製造装置販売高は前年度比5%増、2026年度は10%増と予測しています。さらに、世界半導体市場統計(WSTS)「2024年秋季半導体市場予測について」(2024年12月3日発表)によると、世界の半導体市場動向は、データセンター投資の継続に加え、AI機能搭載端末の増加など、裾野の広がりが半導体需要拡大にも寄与すると見込まれる等、2025年は前年度比11.2%増とさらなる市場拡大を予測しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略(a) ユニット供給の拡大バックプレーンの開発、製造をコアとして事業を展開し、拡大していくという基本方針は今後とも不変でありますが、より一段の飛躍のためにはバックプレーンをコアにして、事業ドメインを拡大していくことが不可欠であると考えております。この観点から中期的な戦略目標として、「ユニット供給を中心に受託範囲を拡げることにより事業ドメインの拡大を目指す」ことを掲げております。バックプレーンは産業用コンピュータを構成する基幹部品の一つでありますが、前述のとおりその全てではありません。産業用コンピュータはバックプレーンに電源やファン等の周辺デバイス、ボードコンピュータ等を接続し、シャーシに納めて初めて作動可能な状態となります。当社グループの顧客である電子機器メーカーは、従来は設計・購買・生産・検査・出荷等の全てのプロセスを自社で完結していましたが、最近では人材等、限られた経営資源の有効活用と製品開発期間の短縮及びコスト低減を目指し、顧客側で必要とされる構成レベルの部材を、ユニット製品として調達することが一般的となってきました。当社グループが事業対象としている産業用コンピュータを構成レベル順に分類すると以下のとおりです。 ① バックプレーン(回路基板を相互接続して電子回路全体を統合するユニット) ② サブラック又はシャーシ(コンピュータの構成部品を収納するためのユニット。使用される環境によって、 ラック型のものと箱型のものがある) ③ バスラック(バックプレーンが組込まれたラック・ユニット) ④ システムラック(バスラックに電源やファン等を組込んで結線されたユニット) ⑤ コンピュータ・プラットフォーム(コンピュータ本体内部にCPU回路を備え、顧客の目的に応じて I/Oボードやメモリーボード(注1)を実装して使用できるハードウェア・プラットフォーム。バックプ レーンに代えてCPUを搭載したマザーボード(注2)又はキャリア・ボード(注3)を採用する製品もある) 当社グループでは顧客のニーズに合わせて、バックプレーン単体を販売する場合もあれば、システムラック又はコンピュータ・プラットフォーム全体をご提供する場合もあります。当社グループはどのレベルであっても受託設計・受託生産が可能ですが、年々構成レベルの高い(完成品に近い)製品に対する需要が増加する傾向にあります。この背景としては、顧客の製品開発期間短縮ニーズや技術者不足によるものと考えられますが、当社グループでは顧客が本来の研究開発活動にリソースを集中していただけるよう、受託設計・製造能力の向上に努め、顧客の多様なニーズに応えられる体制を拡充してまいります。 (注1) メモリ(記憶媒体)を増やすための基板 (注2) コンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (注3) CPU(中央演算処理装置)以外のコンピュータの主機能を担う部品が装着された基板 (b) コア事業の強化当社グループは産業用コンピュータに使用されるバックプレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきました。近年では事業拡大の一つとしてCPUの周辺回路設計を中心としたボードコンピュータの開発・製造も行っております。このコア事業に関しては以下のような施策をもってより一層の強化を図り、他社との差別化を進め、専業メーカーとしての当社グループの優位性を確固たるものにしていく計画であります。また、施策を実現していくために中期的な視野に立った人材補強と設備投資を積極的に実施します。①新製品の開発とバリエーションの拡充各種バックプレーン、ブリッジボード(ボードコンピュータを挿入する数を増やすためのボード)、標準シャーシ、FANアラームボード(ファンの停止を検知してアラーム信号を出すボード)等、新製品の開発とバリエーションの拡充を引き続き実施してまいります。また、IoTでの利用に適した組込み向けCPUを使用したボードコンピュータの開発等、ボードコンピュータのバリエーション拡充にも努めてまいります。②コストダウン顧客のコスト低減要求に応え、コストダウンを図っていくことはメーカーに共通する課題であります。当社におきましても購買、生産管理、設計、製造、検査等の各プロセスにおいて効率向上、能力アップを図り、コスト削減に向けた努力を続けてまいります。また、中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の活用もコスト削減に向けた方策の一つと位置付けております。さらに、品質の向上、納期の厳守・短縮化にも努め、クオリティ、コスト、デリバリー全ての面で顧客満足度の向上に努めてまいります。 (c) DX、5G、IoT等への対応各種機器がインターネットを介して通信を行うIoTが急速に拡大しつつあります。ビッグデータとAIの活用に伴う膨大なデータを収容するクラウドサーバーの負荷を軽減するために、データの発生源に近いところで情報を収集し、クラウドへ送る前に情報処理を実行する考え方(エッジコンピューティング)も注目されています。モバイル通信は第5世代移動通信システム(5G)への移行が始まり、自動車等の自動運転や医療分野への応用が期待されています。さらに、5Gの通信技術を特定の対象やエリアに応用するローカル5Gが我々の生活に新たなソリューションを提供します。コンピュータと通信の技術の融合によって実現される新たな社会に向けたこの趨勢は、当社グループにとって絶好のチャンスであり、今後とも積極的に対応していく方針です。 (d) 放熱技術コンピュータの高速化に伴い、CPUやメモリ等の半導体集積回路部品の発熱をどのように食い止めるかが重要な技術的課題となっています。当社グループはこれまでの産業用コンピュータやHPCの熱制御技術、冷却構造の設計経験を踏まえ、今後電子回路の放熱技術が重要な課題になると判断し、放熱技術をテーマとして研究に取組んでおります。 (e) コストダウンと中国子会社の活用2002年に設立した中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司は、発展する中国市場や中国進出した日系電気・電子機器メーカーの製品需要を取込むための拠点であり、現地生産によってコスト競争力のある製品供給を実現するための戦略的な位置付けにあります。また、技術力と価格競争力のある優良な現地部品メーカーを積極的に開拓して活用し、グループ全体としての価格競争力を高め、企業価値の最大化に向け注力していくことは重要な戦略の一つと考えております。そのため、同社との連携を強化しながら、積極的な活用を図っていく計画であります。また、同社においては、生産量の増加に合わせ現地での人員採用による生産体制の強化を図り、生産コストの低減を進めるとともに、中国及びアジア地域におけるビジネスを拡大したいと考えております。 (f) 既存顧客との関係強化と新規顧客の積極的開拓当社グループは、大手電子機器メーカーを中心とする顧客との間で、安定的な取引関係を継続、拡大しております。これらの顧客と、引き続き良好な関係を維持、強化していくことが重要な戦略であると認識しております。そのためには「エブレンに任せた方が良い。」、「エブレンを利用しなければ損である。」という評価を定着させるとともに、良好な信頼関係を実現していくことが必要であります。上述の「(a)ユニット供給の拡大」で多様化する顧客のニーズを捉え、「(b)コア事業の強化」はこの評価定着を実現し、応えていくための戦略でもあります。一方で当社グループ製品は、電子機器全般にわたる産業用コンピュータに使用されているためターゲットとなる顧客は多岐にわたっておりますが、数多くの潜在顧客が存在すると認識しております。新規顧客の開拓に関しては、展示会への出展や各種専門誌を通じた広告宣伝活動を積極的に展開し、上場企業としてのIR活動等も認知度アップの好機と位置付けております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(a) 事業ドメインの拡大前項で述べたとおり、当社グループの更なる発展のために事業ドメインの拡大を図ってまいります。そのためには、バックプレーンをコアに、ボードコンピュータや周辺デバイスを含めたシステム提案や組立・配線・システム調整等を含めた受託範囲の拡大、高付加価値化が不可欠と考えております。また、ボード開発・製造のノウハウ等を活用しつつ、従来以上に幅広いメーカーとのパートナーシップを強化し、受注領域の拡大を進めてまいります。さらに、当社グループの中国子会社・蘇州惠普聯電子有限公司の強みを活かし、中国からの高品質・低価格な部材や製品の仕入、及び中国での製品販売を強化し、中国ビジネスの一層の拡大を推進してまいります。 (b) 罹災時の事業継続への取組み推進当社は自然災害等で罹災した際に早期に業務を復旧させるためのマニュアルとして、事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)を制定して運用を開始しております。この取組みを更に強固なものにするため、当社の重要設備であるプレスフィットマシンを早期復旧させるための備えを充実させるとともに、サプライチェーンマネジメントの観点から仕入先や外注先への指導及び多角化を意識し、罹災時の対応方法の選択肢を増やす取組みを推進してまいります。また、従来から当社グループでは関東地区と大阪事業所、中国・蘇州と工場を分散化させることにより、災害等に対するリスク分散を行ってきました。当社グループが取り扱う製品群の重要性に鑑みて、今後の受注・生産・販売の状況次第では、さらに生産地域の分散も検討いたします。 (c) 企業の社会的責任(CSR)の推進当社グループは会社法等が求める内部統制体制の整備について、業務の有効性と効率性、財務報告の信頼性及び関連法令の準拠性の確保のために積極的な取組みを行い、今後とも業務の適正性の確保に注力いたします。ステークホルダーに対しては、迅速で公正・公平な情報公開やIR活動の一層の充実により経営の透明性を高めてまいります。また、環境問題をはじめとするSDGsへの対応も企業間取引において重要な課題と認識しております。当社グループにおいてもこの対応の一環として環境マネジメントプログラムISO14001の認証を取得し、このプログラムの維持を通して環境問題やSDGsへの取組みを継続、強化し、環境保全に対応した製品づくりを推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況a.財政状態(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ237百万円増加し、4,645百万円となりました。増加要因としては、現金及び預金343百万円、受取手形及び売掛金52百万円、仕掛品18百万円の増加であります。減少要因としては、原材料及び貯蔵品101百万円、その他(未収入金)47百万円、電子記録債権23百万円の減少であります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ8百万円減少し、1,258百万円となりました。減少要因としては、建物及び構築物6百万円、ソフトウエア3百万円の減少であります。増加要因としては、保険積立金4百万円の増加であります。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ64百万円減少し、706百万円となりました。減少要因としては、営業債務の支払にでんさいを導入したことによる支払手形及び買掛金362百万円の減少、その他(未払消費税等)51百万円の減少であります。増加要因としては、でんさい導入による電子記録債務324百万円の増加であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、411百万円となりました。増加要因としては、役員退職慰労引当金9百万円の増加であります。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、4,786百万円となりました。増加要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益313百万円であります。減少要因としては、配当金57百万円であります。 b.経営成績当連結会計年度における世界経済は、世界的なインフレに伴う金融引き締め政策の緩和に向かう中、地域により差はあるものの全体として底堅く推移しました。一方で、米国による関税政策の見直し、資源・原材料の高止まりに起因する購入金額の上昇及びロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東地域をめぐる情勢不安による地政学リスク等により、景気の先行きは不透明な状況で推移しております。我が国経済は、円安を背景としたインバウンド需要の拡大や賃上げによる所得環境の改善が見られる等、緩やかな景気回復となりました。しかしながら、原材料・エネルギー価格の高止まりや不安定な為替相場、米国経済政策の動向や中国経済の減速等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。このような状況下、日本製半導体製造装置について、2025年3月25日にSEAJ(日本半導体製造装置協会)より、2月時点での販売高(3ヶ月移動平均ベース)が、14ヶ月連続プラスとなる前年同月比29.8%増の4,120億6,500万円(暫定値)になったと発表されました。これは中国向けレガシー装置が好調を維持したことと、生成AI向けに台湾の設備投資が堅調に推移したことが影響しました。これにより計測・制御分野は、一部の顧客で在庫消化が進み、注文が再開したことで売上高が増加に転じました。その他の分野につきましては、通信・放送分野や電子応用分野の売上高が減少しましたが、交通関連分野は新規案件の量産開始、防衛関連分野は新規案件の成約により、売上高は増加しました。この結果、当連結会計年度における業績は、売上高4,025百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益464百万円(前年同期比4.4%減)、経常利益475百万円(前年同期比3.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は313百万円(前年同期比5.6%減)となりました。 当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一でありますので、セグメントごとに経営成績の状況は開示しておりませんが、営業品目の応用分野別売上の概況は、次のとおりであります。 通信・放送[通信・放送・電力関連]電力関連は堅調に推移するも、通信分野と放送分野は既存案件の生産終了や設備投資の減少等により、売上高が減少しました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比37百万円(14.2%)減の228百万円となり、売上構成比率は前年同期の6.7%から5.7%となりました。 電子応用[HPC(スーパーコンピュータ)・医療関連]医療関連は市場のトレンドとしては堅調に推移していますが、顧客の在庫調整により、売上高が減少しました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比79百万円(17.6%)減の374百万円となり、売上構成比率は前年同期の11.4%から9.3%となりました。 計測・制御[半導体製造装置・検査装置・FA関連]半導体製造装置は在庫消化が進み一部顧客の注文が再開したことにより、売上高が増加に転じました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比15百万円(0.6%)増の2,459百万円となり、売上構成比率は前年同期の61.3%から61.1%となりました。 交通関連[鉄道・信号・ITS(高度道路交通システム、ETC等)関連]鉄道信号関連の新規案件の量産開始により、売上高が増加しました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比75百万円(11.4%)増の736百万円となり、売上構成比率は前年同期の16.6%から18.3%となりました。 防衛・その他[防衛用のレーダー、通信関連]防衛関連の新規案件の成約により、売上高が増加しました。この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比65百万円(40.5%)増の227百万円となり、売上構成比率は前年同期の4.1%から5.6%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ339百万円増加し、2,586百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、382百万円(前連結会計年度は505百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益475百万円、棚卸資産の減少90百万円、売上債権の減少19百万円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額123百万円、未払消費税等の減少51百万円、仕入債務の減少40百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、3百万円(前連結会計年度は34百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得2百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、57百万円(前連結会計年度は40百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払57百万円であります。 ③生産、受注及び販売の実績当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を専業として行っており、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに生産規模等を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における営業品目の応用分野別に関連付けて示しております。 a.生産実績当連結会計年度における生産実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送236,36289.6電子応用377,40680.6計測・制御2,418,71198.7交通関連759,672115.4防衛・その他242,495131.5合計4,034,648100.2 (注) 当連結会計年度において、防衛・その他の生産実績に著しい変動がありました。これは、新規開発案件が増えたことにより生産高が増えたものであります。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送176,605106.4電子応用384,19698.1計測・制御2,282,087117.6交通関連709,440136.0防衛・その他239,361118.0合計3,791,691117.6 (注) 当連結会計年度において、交通関連の受注実績に著しい変動がありました。これは、海外向け鉄道関連の特需により受注実績が増えたものであります。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績を応用分野別に示すと、次のとおりであります。応用分野の名称金額(千円)前年同期比(%)通信・放送228,84685.8電子応用374,27082.4計測・制御2,459,523100.6交通関連736,010111.4防衛・その他227,336140.5合計4,025,988101.0 (注)1 当連結会計年度において、防衛・その他の販売実績に著しい変動がありました。これは、新規開発案件が増えたことにより販売高が増えたものであります。2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 第51期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)第52期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社アバールデータ839,72721.1913,79122.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、当社グループは、産業用電子機器及び工業用コンピュータの設計・製造・販売を行っているものであり、セグメントは単一であります。したがいまして、セグメントごとに経営成績等の状況に関する分析・検討内容の開示はしておりません。 ①経営成績等の分析a.売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、前連結会計年度3,076百万円に対し、当連結会計年度は85百万円増加し、3,161百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度77.1%に対し、当連結会計年度は1.4%増加し、78.5%となりました。これは、当社グループの主力である計測・制御分野において材料費等の高騰による原価上昇分の売価への価格転嫁が進まなかったためであります。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度425百万円に対し、当連結会計年度は25百万円減少し、399百万円となりました。これは主に、兼ねてより行っておりました新規事業向け製品の開発完了に伴う研究開発費の減少16百万円、及び発送運賃5百万円、広告宣伝費3百万円の減少によるものです。 b.営業外損益営業外収益は、前連結会計年度12百万円に対し、当連結会計年度は4百万円増加し、16百万円となりました。主な要因は、保険解約返戻金3百万円の増加であります。営業外費用は、前連結会計年度7百万円に対して、当連結会計年度は1百万円減少し、6百万円となりました。主な要因は、為替差損1百万円の減少であります。 c.特別損益特別利益は、当連結会計年度の計上はありません。特別損失は、前連結会計年度との主要な増減はありません。 d.法人税等税効果会計適用後の法人税等は、前連結会計年度158百万円に対し、当連結会計年度は3百万円増加し、162百万円となりました。これは主に法人税、住民税及び事業税の増加であります。 当社グループが目標とする経営指標である売上高、経常利益は次のとおりであります。 2025年3月期実績2025年3月期目標売上高4,025,988千円4,100,000千円経常利益475,518千円530,000千円 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、継続的な成長を図るため新製品の開発とバリエーションの拡充に努めており、これらに必要な資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,586百万円であり、流動性を確保しております。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。