6384

昭和真空(6384)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

昭和真空は、真空技術を応用した装置の製造・販売、および関連部品の販売、改造、修理を行う企業です。主な製品は、水晶デバイス、光学装置、電子部品などの製造に使われる真空蒸着装置やスパッタリング装置で、これらを「真空技術応用装置」として製造・販売しています。また、これらの装置の構成部品や付属品の販売、改造工事、修理を「サービス」として提供しており、この2部門が主な収益源です。株式会社アルバックグループの一員であり、主に電子部品メーカー向けの薄膜形成装置を手掛けています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

昭和真空の事業セグメントは、「真空技術応用装置」と「サービス」の2つです。「真空技術応用装置」は、真空中で特定の基板に薄膜を形成する装置(真空蒸着装置やスパッタリング装置など)の製造・販売を指し、水晶デバイス、光学装置、電子部品などの用途に分かれます。このセグメントが売上高57.46億円、営業利益9.95億円と、同社の主要な収益源となっています。「サービス」は、真空技術応用装置の構成部品・付属品の販売、改造工事、修理を行っており、売上高27.35億円、営業利益7.54億円を計上しています。海外売上比率が約63%と高く、特に中国を中心としたアジア地域で事業を展開しています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
VacuumTechnologyApplication 事業 57 10 17.3%
Service 事業 27 8 27.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,991 文字
3 【事業の内容】(1) 当社グループの事業内容当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社昭和真空)及び子会社3社により構成されており、真空技術応用装置の製造・販売、構成部品・付属品の販売、改造工事、修理を主な業務としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 ① 真空技術応用装置・・・・主な製品は真空中で特定の基板に薄膜を形成させる装置を主とした、真空蒸着装置やスパッタリング装置等であり、その機種は用途によって「水晶デバイス装置」、「光学装置」、「電子部品・その他装置」に大別されます。いずれも当社が製造・販売するほか、子会社の昭和真空機械(上海)有限公司が製造・販売、昭和真空機械貿易(上海)有限公司が販売しております。 ② サービス・・・・・・・・主に真空技術応用装置の構成部品・付属品の販売、改造工事及び修理を行っております。当社が販売するほか、子会社の昭和真空機械貿易(上海)有限公司及び株式会社エフ・イー・シーが販売しております。 (2) 株式会社アルバック及び同社を中心とする企業集団との関係について株式会社アルバックは当社のその他の関係会社に該当し(2025年3月末現在 当社発行済株式(自己株式を除く。)の21.35%を所有)、当社は同社を中心とする企業集団(以下、「アルバックグループ」という。)に属しております。なお、株式会社アルバックは東京証券取引所プライム市場上場会社(2025年3月末現在)であります。アルバックグループは、株式会社アルバック、同社子会社・関連会社から構成されております。アルバックグループの事業は、半導体製造装置・電子部品製造装置・成膜装置・真空ポンプ等の製造販売や国内外での保守・サービス等を行う真空機器事業(当社、株式会社アルバック、アルバック・クライオ株式会社など)、真空技術の応用による金属・セラミックス・有機物等の製造販売等を行う真空応用事業(アルバック成膜株式会社など)に区分されます。当社は、真空機器事業に位置づけられ、主に水晶デバイスメーカ、光学デバイスメーカ、電子部品メーカ向けの真空蒸着装置、スパッタリング装置等の製造販売を行っております。前述のとおり、アルバックグループにおいて、当社、株式会社アルバック及び同社関係会社が真空機器事業を行っております。株式会社アルバックは、当社と同様に薄膜形成装置等を製造販売しております。当社は主に水晶デバイス、光学デバイス、電子部品の製造に使用される薄膜形成装置を取扱っており、株式会社アルバックの装置は主に半導体、電子部品の製造に使用される薄膜形成装置及び真空炉を取扱っております。当社と株式会社アルバックとは電子部品メーカ向けの薄膜形成装置の分野が重複しておりますが、当社はSAWフィルタ、抵抗器、サーマルヘッドなどの電子部品製造に使用されるエッチング装置やスパッタリング装置が中心であるのに対して、株式会社アルバックはFPD、半導体製造に使用されるスパッタリング装置や有機EL製造装置が中心であり、それぞれ納入先、ロット数、価格帯、必要とされる薄膜形成のソフトウエア技術・搬送ロボット技術、カスタム性などが異なるため、現在のところ競合することは、ほとんどありません。しかしながら、光学デバイスや電子部品の分野については、市場規模の拡大、通信技術の進展等に伴って、従来にない新しい装置製造のニーズが生じる場合があるため、このような新規の装置製造領域に関して、当社と株式会社アルバックとの間に競合状況が発生することがあります。こうした状況につきましては、当社と株式会社アルバックとは、1999年4月締結の「業務の相互協力に関する覚書」において、技術革新に対処し、アルバックグループとしての成長力を維持するために、一般電子部品用成膜装置、光学用成膜装置の分野については、両社の協力関係を維持しつつ、自由に研究・開発・生産に取り組むこととし、分野調整を行わない旨を合意しております。なお、真空機器事業を行う株式会社アルバックの関係会社は、同社製品の製造委託先、販売・保守サービスを行う会社、又は当社製品とは用途の異なる製品の製造販売会社等であるため、当社とは競合関係にありません。なお、アルバックグループにおける事業系統、及び当社グループと各社との主要な取引関係は下図のとおりであります。 当社は、株式会社アルバックより真空技術応用装置の部品として使用される真空ポンプや真空計等を仕入れ、そのほかアルバックグループ各社からも真空技術応用装置の部品を一部仕入れております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
電子部品価格の恒常的な低下傾向と、取引先からの装置販売価格引下げ要求の常態化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
真空技術応用装置の製造・販売には、メカトロニクス・薄膜形成技術等の先端技術が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:デバイスメーカの設備投資動向によるリスク / 顧客ニーズの高度化、製品開発に関わるリスク / 販売価格の低下によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

昭和真空は真空技術に特化しており、長年の経験とノウハウが蓄積されている。特定の顧客ニーズに応えるカスタム製品の開発力は無形資産となりうるが、特許やブランド力による明確な優位性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

真空装置は、特定の製造プロセスに組み込まれるため、顧客が他社製品に切り替える際には、再設計や検証に多大なコストと時間がかかる可能性がある。しかし、装置の汎用性や顧客の投資サイクルによっては、スイッチングコストは中程度。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

真空装置の利用は、直接的なネットワーク効果を生むビジネスモデルではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造経験による効率化や、特定の部品調達における交渉力はコスト優位に寄与する可能性があるが、競合他社との圧倒的なコスト差を示す情報は少ない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

真空装置業界は、特定のニッチ市場に特化した企業が多く、昭和真空もその一社。一定の市場シェアを確保している可能性はあるが、業界全体を寡占するほどの規模の経済性は見られない。

昭和真空の優位性は、長年にわたる真空技術の蓄積と、株式会社アルバックグループの一員であることです。特に水晶デバイス、光学デバイス、電子部品製造に特化した薄膜形成装置において、顧客の高度なニーズに応える技術力を持っています。アルバックグループ内での役割分担により、競合を避けつつ、特定の電子部品(SAWフィルタ、抵抗器、サーマルヘッドなど)向けの装置に強みを発揮しています。また、継続的な研究開発投資と顧客との密接な関係を通じて、技術革新の速い市場に対応できる体制を構築しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、真空技術をキーテクノロジーとして電子部品用薄膜形成装置を開発・製造し、電子部品・光学部品メーカに販売しております。当社グループを取り巻く環境を見ると、実証実験から商用導入フェーズへの移行が見込まれるローカル5Gを含めた5Gの本格普及、AIやAR・VR・MR機器市場の拡大、次世代自動車(電動化・SDV・自動運転技術)等の着実な進展等により、今後も高精度な電子部品需要の増加が見込まれます。これらは、当社の主要取引先である電子部品・光学部品メーカにとって次世代製品開発による新しい技術や価値を創造する流れとなり、当社グループのキーテクノロジーである真空技術の応用範囲拡大につながるものであります。こうした中、当社グループが、高品質のカスタムメイドの真空装置を提供し、持続的に成長していくために必要なことは、顧客に寄り添い真のニーズを把握し、技術を磨き、装置開発につなげていくことです。そのために顧客からの依頼実験やサンプル作製依頼に対し、一つひとつ丁寧に心をこめて行動することで、経営方針である「成長するニッチ市場にフォーカス」、「技術力による差別化と独自性の発揮」を実現し、水晶及び光学デバイス分野での競争力を高めるとともに、新たなニッチトップ分野の確立を目指してまいります。また、当社グループは、『社会と共に持続可能な発展を遂げるため、経営理念の一つである、「我々の存在が世の中を豊かにするためにお役に立つこと」を実践し、キーテクノロジーである「真空技術」を通じて社会に貢献し、社会から必要とされ続ける企業であることを目指す』というサステナビリティ基本方針に基づき、特定したマテリアリティ(重要課題)に関する様々な取り組みを実施し、社会課題の解決を推進しております。さらに、当社グループは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、ROE10%以上を目標とし、収益基盤強化による業績向上、安定的な株主還元の継続を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、真空技術をキーテクノロジーとして電子部品用薄膜形成装置を開発・製造し、電子部品・光学部品メーカに販売しております。当社グループを取り巻く環境を見ると、実証実験から商用導入フェーズへの移行が見込まれるローカル5Gを含めた5Gの本格普及、AIやAR・VR・MR機器市場の拡大、次世代自動車(電動化・SDV・自動運転技術)等の着実な進展等により、今後も高精度な電子部品需要の増加が見込まれます。これらは、当社の主要取引先である電子部品・光学部品メーカにとって次世代製品開発による新しい技術や価値を創造する流れとなり、当社グループのキーテクノロジーである真空技術の応用範囲拡大につながるものであります。こうした中、当社グループが、高品質のカスタムメイドの真空装置を提供し、持続的に成長していくために必要なことは、顧客に寄り添い真のニーズを把握し、技術を磨き、装置開発につなげていくことです。そのために顧客からの依頼実験やサンプル作製依頼に対し、一つひとつ丁寧に心をこめて行動することで、経営方針である「成長するニッチ市場にフォーカス」、「技術力による差別化と独自性の発揮」を実現し、水晶及び光学デバイス分野での競争力を高めるとともに、新たなニッチトップ分野の確立を目指してまいります。また、当社グループは、『社会と共に持続可能な発展を遂げるため、経営理念の一つである、「我々の存在が世の中を豊かにするためにお役に立つこと」を実践し、キーテクノロジーである「真空技術」を通じて社会に貢献し、社会から必要とされ続ける企業であることを目指す』というサステナビリティ基本方針に基づき、特定したマテリアリティ(重要課題)に関する様々な取り組みを実施し、社会課題の解決を推進しております。さらに、当社グループは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、ROE10%以上を目標とし、収益基盤強化による業績向上、安定的な株主還元の継続を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べ11億16百万円増加し、154億51百万円となりました。 (資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ11億68百万円増加し、117億25百万円になりました。これは主に売掛金が10億25百万円、仕掛品が5億67百万円増加し、現金及び預金が3億77百万円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ51百万円減少し、37億26百万円になりました。これは主に投資有価証券が1億87百万円減少したことによるものです。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億26百万円増加し、29億10百万円になりました。これは主に前受金が4億62百万円、未払法人税等が2億91百万円、支払手形及び買掛金が1億80百万円増加したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末に比べ1億2百万円減少し、9億50百万円になりました。これは主に退職給付に係る負債が1億円減少したことによるものです。 (純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ1億92百万円増加し、115億90百万円になりました。これは主に利益剰余金が1億25百万円増加したことによるものです。 ② 経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、インフレの沈静化などを背景に地域による異なりはあるものの緩やかな回復基調となりました。しかしながら地政学リスクの長期化や、中国不動産市場の停滞など不安定要素もあり、不確実性の高い状況で推移しました。わが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策効果もあり緩やかな回復が続いておりますが、不安定な国際情勢、エネルギー価格の高騰に伴う物価の上昇、アメリカの政策動向による影響など、世界経済の下振れがわが国経済を下押しするリスクが続きました。当社グループを取り巻く経営環境を見ると、主要取引先の電子部品メーカにおける在庫調整は進展しているものの、その長期化の影響により生産回復のペースは依然として緩やかに推移しており、設備投資に対しては、各電子部品メーカともに自社製品の需要変動を見据えた慎重な姿勢が継続しました。こうした環境の中、当社グループは、国内外デバイスメーカの生産状況や次世代製品開発動向の把握に努め、適時に適切な製品提案をするとともに、顧客からのサンプル作製依頼や顧客との共同開発に積極的に取り組むことで、電子部品メーカを中心とした新規先からの受注を獲得しました。また、既存の顧客である一部の国内外水晶デバイスメーカより大口受注を獲得するとともに、海外光学メーカからも前期に続き大口受注を獲得しております。生産面では、受注残及び受注予定案件を見据えた生産体制を整えるなど効率的な生産に努めましたが、顧客事情などによる納品スケジュールの後倒しや、一部製品において物流の遅延が発生したこと等により、売上に軽微な影響を及ぼしました。この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は102億68百万円(前年同期比52.1%増)、売上高は84億80百万円(同13.6%増)となりました。損益につきましては、経常利益8億37百万円(前年同期比243.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億61百万円(同242.0%増)となりました。 セグメント別の状況は次のとおりであります。①真空技術応用装置事業 真空技術応用装置事業の受注高は79億58百万円(前年同期比90.1%増)、売上高は57億45百万円(同14.1%増)、セグメント利益は9億95百万円(同86.6%増)となりました。 業界別の状況は以下のとおりです。 (水晶デバイス装置) 水晶デバイス業界においては、世界のスマートフォン出荷台数が回復基調にある中、水晶デバイスメーカ各社の在庫調整も概ね正常化しました。また、自動車の電動化・自動運転化の進展や、1台あたりの搭載デバイス数の増加を背景に、車載向け水晶デバイスの需要拡大が見込まれております。こうした環境のもと、水晶デバイスメーカの設備稼働率は回復傾向となり、加えて、米中関係の影響による生産拠点の多様化に伴い、一定の受注を確保することができました。売上に関しては、一部製品において物流の遅延が発生したことなどにより納品スケジュールが後倒しとなる案件がありました。 水晶デバイス装置の受注高は35億92百万円(前年同期比352.6%増)、売上高は14億76百万円(同20.2%減)となりました。 (光学装置) 光学業界においては、スマートフォンを含む最終製品の需要は回復基調にあるものの、デバイスメーカ各社の設備投資は、依然として低調に推移しました。このような環境の中で、当社は第1四半期に続き、第4四半期においても海外メーカよりスマートフォンのカメラレンズ向け増産設備として大口受注を獲得いたしました。売上に関しては、一部製品において物流の遅延が発生したことや、顧客の設備導入準備の遅延などにより納品スケジュールが後倒しとなる案件がありました。 光学装置の受注高は27億88百万円(前年同期比41.8%増)、売上高は26億20百万円(同79.6%増)となりました。 (電子部品装置・その他装置) 電子部品業界においては、新規先を含め様々な用途に向けた営業を行うとともに、顧客との共同開発や顧客からのサンプル作製依頼に積極的に取り組むことを通じて引合い案件の増加に努め、新規先からの受注を獲得しました。しかしながら、第3四半期以降は、引合い案件の受注時期が後ろ倒しとなる傾向が強まりました。売上に関しては、顧客の設備導入準備の遅延などにより納品スケジュールが後倒しとなる案件がありました。 電子部品装置・その他装置の受注高は15億76百万円(前年同期比10.5%増)、売上高は16億48百万円(同4.5%減)となりました。 ②サービス事業 サービス事業においては、ユーザーに対する定期的な稼働状況の確認を通じて潜在ニーズの掘り起こしを図るとともに、顧客への生産性向上に向けた提案を積極的に推進いたしました。その結果、装置の改造工事受注、保守・メンテナンス受託、消耗品販売などにおいて安定した受注を獲得することができました。売上に関しては、光学デバイスメーカの生産性向上ニーズに対応した大口の改造工事案件が寄与いたしました。 サービス事業の受注高は23億10百万円(前年同期比9.9%減)、売上高は27億34百万円(同12.7%増)、セグメント利益は7億53百万円(同11.0%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億81百万円減少し、48億13百万円になりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金獲得は1億78百万円(前年同期比83.4%減)となりました。これは主に売上債権の増加額9億21百万円、棚卸資産の増加額4億5百万円などによる使用があったものの、税金等調整前当期純利益8億36百万円、前受金の増加額4億62百万円、仕入債務の増加額2億13百万円などによる獲得があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金支出は3億32百万円(前年同期比217.7%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億20百万円などがあったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金支出は4億44百万円(前年同期比9.9%減)となりました。これは主に配当金の支払額4億33百万円などの支出があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日(千円)前年同期比(%)真空技術応用装置事業 水晶デバイス装置1,476,52679.8 光学装置2,620,211179.6電子部品装置1,648,76495.5その他装置--真空技術応用装置事業計5,745,502114.1サービス事業 改造工事1,116,961120.7部品販売1,119,192123.5修理・その他496,81583.7サービス事業計2,732,969112.7合計8,478,472113.6 (注) 上記の金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)真空技術応用装置事業 水晶デバイス装置3,592,457452.63,240,269288.2光学装置2,788,936141.82,204,740108.3電子部品装置1,576,724110.5783,48591.6その他装置----真空技術応用装置事業計7,958,118190.16,228,495155.1サービス事業 改造工事692,51265.2388,68147.8部品販売1,120,851123.4--修理・その他496,81583.7--サービス事業計2,310,17990.1388,68147.8合計10,268,297152.16,617,176137 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日(千円)前年同期比(%)真空技術応用装置事業 水晶デバイス装置1,476,52679.8光学装置2,620,211179.6電子部品装置1,648,76495.5その他装置--真空技術応用装置事業計5,745,502114.1サービス事業 改造工事1,116,961120.7部品販売1,120,851123.4修理・その他496,81583.7サービス事業計2,734,628112.7合計8,480,131113.6 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Largan Precision Co.,Ltd.1,209,91516.22,786,98632.9三生電子株式会社811,76310.9667,1547.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。当社グループが連結財務諸表作成に際して採用している重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。 b.キャッシュ・フローの状況の分析「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。 d.資本の財源及び資金の流動性当社グループの事業活動における資金需要は、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は、原材料等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用等があります。設備投資資金需要は、機械装置等の取得等であります。これらの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、金融機関からの借入及び社債発行により調達を行っております。

事業リスク

主要なリスクとして、デバイスメーカーの設備投資動向に業績が左右される点が挙げられます。スマートフォンなどの需要変動が、装置の受注に直接影響を与える可能性があります。また、顧客ニーズの高度化や技術革新の加速により、新製品開発の遅延や開発費用の増大が生じるリスクがあります。電子部品市場の価格競争激化に伴い、装置の販売価格引き下げ圧力が恒常化しており、収益性が圧迫される可能性も存在します。さらに、原材料価格の高騰や調達難、海外事業展開における政情・為替変動、知的財産権に関する紛争、外国為替変動も業績に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,753 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、以下に記載された項目以外のリスクが生じた場合においても、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努めることで、発生後の損失を最小化することを基本方針としております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) デバイスメーカの設備投資動向等によるリスク当社グループが製造販売する真空技術応用装置は、水晶デバイス、光学デバイス及び電子部品等を加工するための生産設備であるため、当社グループの業績はこれらデバイスメーカの設備投資動向に影響を受ける傾向にあります。また、デバイスメーカの設備投資は、スマートフォンなどの情報通信機器、デジタル家電等の需要に影響を受ける形となります。当社の想定よりも急激な変動が起きた場合、急激な需要増に対応できず受注機会を逸したり、急激な需要減により受注が困難になったり、受注キャンセルが生じる可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、電子部品市場の動向を注視し、デバイスメーカとの良好な関係から得られた情報等に基づき、人員の手配や稼働日数等の調整により需要の変動に合わせた生産能力となるよう機動的な対策を講じております。 (2) 顧客ニーズの高度化、製品の開発に関わるリスク当社グループの主要な取引先であるデバイスメーカでは、革新的な新製品の開発を適切なタイミングで実施することが重要となっており、技術革新のスピードが加速し、製品のライフサイクルが短期化しています。そのため、デバイスメーカの当社グループ開発装置に対するニーズが高機能化・高精度化・多様化しており、受注案件によっては技術的に相当程度困難を伴う場合があります。市場・製品動向の変化や当社グループの技術を代替し得る技術革新が想定を超えて発生した場合、予期せぬ新技術への対応や開発期間の長期化、開発費用の増大を招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続して新製品を開発するために、必要な研究開発投資を継続して行っております。顧客の開発活動を強力に支援するため、2019年度には相模原工場内に新たに研究開発棟を建設しました。受注に際しては、技術的な対応可能性及び収益性を勘案し、開発テーマについては、将来の市場、製品及び技術動向や顧客からの要望などに基づき選定し、その実効性と効率性の向上に努めております。 (3) 販売価格の低下によるリスク電子部品の価格は、厳しい値下げ要請や同業者間の熾烈な競争により、恒常的に低下する傾向にあります。最近ではアジア地域の電子部品メーカの台頭により価格競争はさらに激しさを増しております。そのため、電子部品の開発や生産設備である当社グループの装置に対しても、取引先であるデバイスメーカから装置販売価格の引下げ要求が恒常化しているうえ、競合する他社メーカとの販売競争が激しさを増しています。価格競争の一層の激化により、販売価格の下落を補うコストダウンや売上の拡大が必ずしも実現できず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、継続的かつ積極的なコストダウンを推進し、売上の拡大や収益性の向上に努めております。 (4) 資材の調達に関わるリスク当社グループは、生産財を全て社外から調達しているため、原材料の価格上昇に伴う仕入価格の上昇や需給逼迫、自然災害等に起因する生産財の調達難による生産への影響があります。また、装置の品質への影響としては、加工業者の加工能力が挙げられます。想定を超える急激な原材料価格の高騰や生産財の供給悪化が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、仕入先との情報共有、重要資材について政策的な在庫確保、仕入先の分散化などを実施することで安定的な供給確保に努めております。また、品質の維持向上のために必要と判断した場合には、仕入先に対する指導を実施しております。 (5) 個別受注・個別仕様によるリスク不安定な世界情勢が続く中、スマートフォンをはじめとする情報通信機器やデジタル家電等のセットメーカは、最終消費財の需要見通しを慎重に見極め、在庫を圧縮する傾向にあります。そのため、当社グループの主要取引先であるデバイスメーカは、セットメーカからの納入リードタイムの短縮要請が強まっており、当社グループに対しても、以前より厳しい納期での引合いとなる傾向が強まってきております。したがって当社グループは、受注金額、製品仕様等の調整・折衝を行っている段階で、受注確度が高いと判断した場合には、材料等の先行手配や見込生産をすることもありますが、最終的には受注に至らない場合もあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、見込生産の判断については、経営会議で慎重な審議をするとともに可能な限りデバイスメーカの意思表示を確認するよう努めております。また、相対的に他の装置へ転用可能性が高い部材から先行手配をするなどリスク軽減に努めております。 (6) 海外事業展開によるリスク海外での事業展開においては、当該国・地域の政情、為替、税制等の法制度、金融・輸出入に関する諸規制、社会資本の整備状況、その他地域的特殊性及びこれら諸要因の急激な変化の影響を受ける傾向にあります。当社グループは、中国(上海)に子会社が2社あり、主に中国・台湾を中心としたアジアで事業を展開するデバイスメーカに対して装置納入及びアフターサービスを展開しております。近年の中国を中心とした新興国市場が拡大しており、新興国における政治・経済・紛争など急激な変化が起きた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、毎月の経営会議で海外子会社の経営状況を把握するとともに、コンサルティング会社からの継続的な情報収集等により、中国の法規制等の動向を注視し必要な対策を講じております。現時点で新たな海外展開の具体的な計画はありませんが、海外展開にあたり、拠点はインフラの整備状況やサプライチェーンをはじめ生産コストや採算性等を総合的に判断して配置することとしております。特に新興国への進出ではそのリスクを慎重に検討した上で判断することとしております。 (7) 知的財産権によるリスク当社グループは、真空技術を応用した薄膜形成装置の製造に関する特許を保有し、積極的に新規権利獲得に努めています。特に技術革新の著しい電子部品業界向けの生産設備であるため知的財産権は重要な経営資源の一つであり、知的財産権の保護、知的財産権にからむ紛争の回避は重要な経営課題であります。しかし、当社グループの知的財産権が第三者により無効とされる可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性や知的財産権の対象が模倣される可能性もあります。このような場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、結果として第三者の特許を侵害するに至った場合やその他知的財産権に係る紛争が発生した場合には、当社グループの製品の生産・販売が制約を受けたり、損害賠償等の支払が発生することで当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、製品等の開発、製造、販売その他事業活動によって、第三者の知的財産権を侵害しないよう予め調査を行うとともに、継続的に他社特許出願・許諾状況をモニタリングし、リスクの回避に努めております。 (8) 外国為替変動によるリスク当社グループの海外売上比率は約63%と比較的高く、海外にも子会社を有していることから、生産・販売活動が為替変動の影響を受けます。為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する収益・費用及び資産・負債の円換算額を変動させ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、為替変動リスクを軽減させるため、原則として円建取引をしております。例外的に外貨建取引を行う場合には、為替変動を販売価格に反映させるよう努めております。 (9)災害・感染症等によるリスク当社グループは、事業所所在地における災害の発生や感染症の流行等により、操業を停止する可能性があります。製造業の基本である安全と工場災害防止に注力していますが、想定を超える事態が発生した場合には、建物や設備の倒壊・破損による損害や感染症等による生産の中断等が発生した場合、顧客への納品が遅延すること等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、災害対策規程を整備して事態発生に備えるとともに、従業員の安全確保を第一にしつつ、災害や感染症の未然防止、早期復旧、取引先との良好な関係の構築に努め、リスク分散に取り組んでおります。なお、2020年年初より顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大における当社グループへの具体的な影響としては、海外渡航制限や日本を含む各国の入国制限などが実施されたことで、物流の停滞による資材調達の遅延発生や顧客の海外工場へ出張ができないことで装置の立ち上げ作業ができないことなどにより、生産計画の遅れという形で表れましたが、衛生管理の徹底や、時差出勤・在宅勤務等の実施による感染防止、中国子会社社員による日本からのリモート支援による装置立ち上げなどの取り組みにより、影響軽減に努めております。 (10)情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業活動を通じて、生産技術、研究開発、調達、販売等に関する個人情報を含む機密情報を入手・保有しており、これらを情報システム上で管理しております。災害やサイバー攻撃等外的要因や人為的要因等により、障害等が生じると、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩等のインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす等、当社グループ業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じるとともに、社員の情報リテラシー向上のための教育・啓発を継続的に行っております。 (11)環境規制・気候変動に関するリスク地球環境保全や気候変動対策は世界的な社会課題の一つであり、環境関連法令・規則や規制が将来さらに厳しくなる可能性や適用の範囲が拡大される可能性があります。これに対応するため当社グループに追加的な義務やコストが発生する可能性があります。また、対応不足や遅れにより、想定外の急速な脱炭素社会への移行に対応できないことで企業ブランドの低下を招くなど、当社グループ業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、ISO14001の国際規格に基づいた環境マネジメントシステムの運用等を通じて法令・規則や規制等を遵守するとともに、環境負荷の少ない製品開発、製造工程における省エネルギー・省資源に取り組んでおります。

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