6370

栗田工業(6370)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

栗田工業グループは、水処理薬品の製造販売、水処理装置の製造販売、およびそれらのメンテナンス・サービスを幅広く提供しています。特に、工場などで使われる水をきれいにする技術を核としており、水処理に関する総合的なソリューションを提供することで収益を上げています。主な事業は、半導体工場などの「電子市場」向けと、一般の工場や施設向けの「一般水処理市場」の二つに分かれています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

栗田工業グループの事業は大きく二つのセグメントに分かれています。一つは「電子市場」で、半導体工場などで使用される超純水製造装置や関連薬品の製造・販売、メンテナンス、精密洗浄などを手掛けています。もう一つは「一般水処理市場」で、一般工場や施設向けの水処理装置・薬品の製造・販売、メンテナンス、水処理施設の運転・維持管理、土壌・地下水浄化などを提供しています。当社を含む複数の会社が両セグメントに属し、グローバルに事業を展開しています。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,192 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は栗田工業株式会社(当社)、連結子会社61社、持分法適用会社3社(子会社2社、関連会社1社)により構成されております。事業としては、水処理薬品の製造販売、水処理装置の製造販売、水処理装置のメンテナンス・サービスなど水処理に関する技術を幅広く提供しております。当社グループの各セグメントにおける主要な事業内容は以下のとおりであり、当社を含む2社は複数セグメントに属しております。 セグメントの名称主要な事業主要会社電子市場[計14社]水処理装置の製造・販売当社栗田韓水㈱[韓国]栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]継続契約型サービス当社栗田韓水㈱[韓国]水処理薬品の製造・販売当社栗田韓水㈱[韓国]クリタ・タイワンCo.,Ltd.[台湾]精密洗浄クリテックサービス㈱日本ファイン㈱サンエイ工業㈱アオイ工業㈱ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ, Inc.[アメリカ]水処理装置のメンテナンス当社栗田韓水㈱[韓国]栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]栗田超純水設備(上海)有限公司[中国]クリタ・タイワンCo.,Ltd.[台湾]水処理施設の運転・維持管理栗田工業(蘇州)水処理有限公司[中国]一般水処理市場[計47社]水処理装置の製造・販売当社クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]アルカデ・エンジニアリングGmbH[ドイツ]継続契約型サービス当社クリタ東日本㈱クリタ西日本㈱栗田工業(大連)有限公司[中国]クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]クリタ・ド・ブラジルLtda.[ブラジル]水処理薬品の製造・販売-製造-クリタ・ケミカル製造㈱栗田工業(泰興)水処理有限公司[中国] -販売-クリタ東日本㈱クリタ西日本㈱ -製造・販売-当社栗田工業(大連)有限公司[中国]クリタ・シンガポールPte.Ltd.[シンガポール]クリタ・ウォーター(マレーシア)Sdn.Bhd.[マレーシア]クリタ-GK ケミカル Co.,Ltd.[タイ]P.T.クリタ・インドネシア[インドネシア]クリタ・ヨーロッパGmbH[ドイツ]クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]アビスタ・テクノロジーズ, Inc.[アメリカ]クリタ・ド・ブラジルLtda.[ブラジル]水処理装置のメンテナンス当社㈱クリタスクリタ東日本㈱クリタ西日本㈱クリタ・アメリカ, Inc.[アメリカ]エンジニアリング洗浄当社三善工業㈱水処理施設の運転・維持管理㈱クリタス土壌・地下水浄化ランドソリューション㈱環境分析(水質、土壌)クリタ分析センター㈱ソフトウエアサービスフラクタ Inc.[アメリカ](注)クリタ・アメリカ,Inc.はアビスタ・テクノロジーズ,Inc.を2025年4月1日付で吸収合併いたしました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料・資材・エネルギーコスト高騰時に販売価格への転嫁を講じる。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
水処理に関する幅広い技術、新技術・新商品・新サービスの開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済、市場の状況 / 資材調達に関する影響、原材料・資材・エネルギーコストの高騰およびサプライチェーンの混乱 / 新技術・新商品・新サービスの開発、ビジネスプロセスの変革
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

水処理技術に関する長年のノウハウと特許(例:RO膜、イオン交換樹脂)が強み。水処理薬品や装置の提供に加え、エンジニアリングサービス(水処理プラントの設計・建設・保守)も展開し、高度な技術力とブランドを確立。特に工業用水・純水分野で高い評価を得ている。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

工業用水や純水は、生産プロセスに不可欠であり、水質や供給安定性の変更は生産停止リスクを伴う。栗田工業のシステムは、長年の運用実績と信頼性から、顧客企業にとって容易に切り替えられないスイッチング・コストが発生。水質管理の厳格さも乗り換え障壁となる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

水処理サービスは基本的に個別の顧客ニーズに対応するものであり、ユーザーが増えることでサービス自体の価値が向上するネットワーク効果は限定的。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

水処理薬品の調達や製造における規模の経済は一部存在するが、競合他社も同様のサプライチェーンを持つため、決定的なコスト優位性は築きにくい。技術開発や保守サービスの人件費もコスト要因。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

水処理プラントの建設や大規模な水処理サービス提供においては、一定の規模が必要となる。国内市場においては、主要プレイヤーとして一定のシェアを確保しており、規模の経済を活かした事業展開が可能。

栗田工業グループは、水処理に関する幅広い技術とサービスを国内外で提供している点が強みです。特に、水処理薬品、装置、メンテナンスを組み合わせたソリューション提供能力は、顧客の多様なニーズに対応できる競争優位性となります。また、長年の実績とグローバルな事業展開により、安定した顧客基盤とブランド力を築いていると考えられます。デジタル技術の活用やCSVビジネスへの注力により、環境課題解決に貢献しつつ、新たな価値創造を目指している点も特徴です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、2023年度において新たに企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を定めました。また、当社グループの経営の中核的概念を、従来の「CSR」から「サステナビリティ」に広げ、企業活動と自然環境や社会システムとの相互影響を踏まえた持続的な成長を指向し、サステナビリティを標榜した企業ビジョンの実現に向けた当社グループの重要課題を「クリタグループのマテリアリティ」として定めました。当社グループは、企業価値の向上と競争優位の創出に邁進し、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対する適正かつ迅速な情報開示を通じ、より透明性の高い経営の実現を目指しております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標①価値創造ストーリー当社グループは、企業理念の実現に向け社会と共に持続的、長期的に成長していくための道筋をクリタグループの価値創造ストーリーとして言語化しました。当社グループの一人ひとりが価値創造ストーリーの担い手となることで、企業理念の実現を目指してまいります。 (クリタグループの価値創造ストーリー)私たちクリタグループは、世界の様々な現場で日々変化する水の課題に対しソリューションを提供しております。現場から得られる水に関する課題や情報は、私たちの知として集約、蓄積されます。私たちはこの知の活用により、お客様の真の課題を理解し、お客様と共有できる形での価値の予測とともに最適なソリューションを提供します。私たちは、予測した価値の実現により、お客様と社会との共通価値を創造(Creating Shared Value:CSV)し、社会と産業を変えていきます。そして、創造した価値にふさわしい収益を得るとともに、お客様と社会からの信頼を基に更なる現場と新たな知を獲得していきます。 ②Value Pioneering Path当社グループは、マテリアリティへの取り組みを中期経営計画PSV-27の戦略と有機的に融合させております。この全容をPSV-27計画における価値開拓および企業ビジョン実現の道筋として「Value Pioneering Path」に示し、グループ一体の取り組みによって企業ビジョンの実現を目指しております。 ③中期経営計画当社グループは、2023年4月より5カ年の中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)をスタートさせました。マテリアリティの課題解決に繋がる社会価値を起点とした新事業の創出やCSVビジネスの展開に加え、顧客価値を起点とした既存ビジネスの深化・変革により、強固な社会価値・経済価値の創出基盤を確立することを目指しています。PSV-27 計画最終年度(2027年度)の目標は次の通りとしております。 (財務指標)売上高 4,700億円売上高事業利益率※ 16%親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 12%以上投下資本利益率(ROIC) 10%以上 ※事業利益は、売上高から売上原価ならびに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の指標です。IFRSで定義されている指標ではありませんが、財務諸表利用者にとって有用であると考え、自主的に開示しております。 (主要な非財務指標)CSVビジネスによる節水貢献量            250百万㎥CSVビジネスによる温室効果ガス(GHG)削減貢献量   3,000千t-CO2以上CSVビジネスによる資源化貢献量・資源投入削減貢献量 300%増(2022年度比) 「PSV-27」では「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」を基本方針とし、次の重点施策に取組んでいきます。 (重点施策)・電子産業への重点化超純水供給事業で蓄積した「水に関する知」をバリューチェーン全体で活用し、併せて営業・設計・調達の変革を実現することにより、圧倒的なスピードで深い顧客理解に基づくソリューションを提供し、世界の電子産業市場に対する事業展開を加速していきます。・多様な産業を通じた社会との共通価値の創出とグローバル展開各国・地域の顧客動向やニーズを一元的に把握し、CSVビジネスをはじめとした社会との共通価値を創出するソリューションをグローバルに展開します。また、サーキュラーエコノミーの視点で、企業と企業、企業と地域をつなげるソリューションを開発し提供していきます。・社会課題を解決するイノベーションの推進GHG排出削減、節水、資源循環などで社会に貢献する新たな領域の開発に中長期的な視点で取り組みます。また、外部機関との協業を推進し、新たな領域で確固たる競争優位性を確立していきます。・技術立社としての基盤強化技術立社を支える多様な分野の人材の獲得と育成を強化するとともに、世界の知財のビッグデータを駆使し、イノベーションや事業の方向付けを行います。また、デジタル技術を駆使した「水に関する知」の蓄積と利活用を進めていきます。・グループ経営基盤のさらなる強化当社の経営体制を変革し、コーポレート・ガバナンスの水準を一層高めていきます。また、多様な人材の育成と活躍の支援によるエンゲージメントの向上、生産プロセスの変革とサプライヤーとの共存共栄に基づく強固なサプライチェーンの構築、デジタル技術の早期確立と業務プロセスの変革によるデータドリブンな経営に取り組んでいきます。 (3) 会社の対処すべき課題当社グループが2023年度にスタートした5ヵ年の中期経営計画 Pioneering Shared Value 2027(PSV-27計画)は、人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓くことを基本方針としており、「顧客価値起点のトランスフォーメーションの実現」と「社会価値起点のイノベーションの創出」の2軸の競争戦略を通じて、企業ビジョンが目指す、社会に高い価値を提供するとともに、クリタグループが高収益企業へと成長することを目指しています。そのため、PSV-27計画には、企業ビジョン実現のための重要課題であるクリタグループのマテリアリティ解決の取り組みが有機的に組み込まれており、その全容は前項の②Value Pioneering Pathのとおりです。PSV-27計画の2年目である当期は、電子産業における事業基盤の強化とグローバル展開の推進に取り組み、世界四極(日本、アジア、北南米、EMEA)での電子事業戦略の基本方針に基づいた活動を推進し、米国および欧州での案件を受注したほか、精密洗浄事業の市況低迷や水供給事業の計画変更を受けて、サービス事業の拡大を図りました。社会との共通価値の創出の取り組みにおける重点施策であるCSVビジネス(注1)の拡大については、新規CSVビジネスの創出に向けた業務プロセスの運用を開始したほか、既存CSVビジネスを中東・アフリカ・インドでも展開しました。社会課題を解決するイノベーションの推進に向けては、1件の新規事業を開始しました。また、技術立社としての基盤強化に向けた「水に関する知」として蓄積すべき情報の活用について、当期は国内で製紙工場の紙製品製造工程における水質データなどを活用し、製造品質の低下やそれに伴う操業障害などを事前に予測して、その原因の推定を可能にする予兆診断サービスの本格展開を開始し、中国・ASEANでは遠隔支援サービスを拡大しました。2025年度には、世界四極共通のデータ基盤の本格稼働を見込んでいます。さらに、グループ経営基盤の更なる強化として、取締役会による「長期的な方向付け」の策定に向け、取締役会およびサステナビリティ諮問会議において、長期的な外部環境の変化や当社グループの価値提供のあり方について検討を行ったほか、タレントマネジメントプラットフォーム構築に向けた取り組みを進めました。これらの取り組みの結果、多くの重点施策で一定の成果が見られ、2024年度までの計画は次のとおり順調に進捗しています。しかしながら、前述の精密洗浄事業の市況低迷や水供給事業の計画変更等の影響を踏まえて、2025年度以降は計画達成に向けて中期的な視点で重点施策を推進する必要があります。PSV-27計画の3年目にあたる2025年度は、当社グループの対処すべき課題として、次の5つの重点施策に取り組んでまいります。1) 電子産業での重点化競合他社との差別化を推進し、海外および主要顧客における顕在・潜在案件の投資情報を事前に把握して確実に確保するとともに、EPC(注2)およびEP+モジュールを起点としたサービス事業の拡大に取り組みます。また、精密洗浄事業の選択と集中により収益性改善を図るとともに、連携して事業拡大を推進していきます。2) 多様な産業を通じた社会との共通価値の創出とグローバル展開CSVビジネスの既存展開および新規創出のさらなる加速を目指すとともに、PFAS需要への高まりに対してグローバルに対応していきます。また、低収益ビジネスの見直し、リカーリングビジネスの獲得による顧客生涯価値の最大化に取り組み、収益性と営業効率の向上を目指します。3) 社会課題を解決するイノベーションの推進新規事業創出の事業化テーマについて、社会価値と経済価値の両面から検証を行うとともに、顧客および社内外との意見交換を通じた大型化の検証と見直しを図ることで、新規事業立ち上げを目指します。また、既存事業の強化に向けて、新たな市場開拓・価値創出、シェア拡大に貢献する製品・サービスの競争力を生み出すコア技術の開発に取り組みます。4) 技術立社としての基盤強化新規事業案や開発テーマの中から、特許網構築やIPランドスケープの活用により競争優位性を強化できる対象を選定し、PSV-27計画達成への貢献を高める事業開発・市場展開策を具体化します。また、「水に関する知」として蓄積すべき情報の活用に向け、データ基盤を本格活用する範囲を拡大していきます。5) グループ経営基盤の更なる強化中長期視点での戦略的取り組みおよび企画力の強化に向けて、サステナビリティに関する社内外の情報やIPランドスケープを活用した洞察により、中長期的な経営戦略の核となる社会価値起点の新規事業の構想を立案するプロセスを構築していきます。また、タレントマネジメントプラットフォームにおいて、クリタグループ全体を対象にグループ人材の適所適材に向けた運用を開始します。 (注)1 社会価値が高い水処理に係る事業の中でも、従来に比べ節水、GHG排出削減、廃棄物の資源化または資源投入量の削減に大きく貢献する製品、技術、ビジネスモデルを「CSV(Creating Shared Value)ビジネス」として定めています。2 Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」を企業理念とし、2023年度において新たに企業ビジョン「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を定めました。また、当社グループの経営の中核的概念を、従来の「CSR」から「サステナビリティ」に広げ、企業活動と自然環境や社会システムとの相互影響を踏まえた持続的な成長を指向し、サステナビリティを標榜した企業ビジョンの実現に向けた当社グループの重要課題を「クリタグループのマテリアリティ」として定めました。当社グループは、企業価値の向上と競争優位の創出に邁進し、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対する適正かつ迅速な情報開示を通じ、より透明性の高い経営の実現を目指しております。 (2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標①価値創造ストーリー当社グループは、企業理念の実現に向け社会と共に持続的、長期的に成長していくための道筋をクリタグループの価値創造ストーリーとして言語化しました。当社グループの一人ひとりが価値創造ストーリーの担い手となることで、企業理念の実現を目指してまいります。 (クリタグループの価値創造ストーリー)私たちクリタグループは、世界の様々な現場で日々変化する水の課題に対しソリューションを提供しております。現場から得られる水に関する課題や情報は、私たちの知として集約、蓄積されます。私たちはこの知の活用により、お客様の真の課題を理解し、お客様と共有できる形での価値の予測とともに最適なソリューションを提供します。私たちは、予測した価値の実現により、お客様と社会との共通価値を創造(Creating Shared Value:CSV)し、社会と産業を変えていきます。そして、創造した価値にふさわしい収益を得るとともに、お客様と社会からの信頼を基に更なる現場と新たな知を獲得していきます。 ②Value Pioneering Path当社グループは、マテリアリティへの取り組みを中期経営計画PSV-27の戦略と有機的に融合させております。この全容をPSV-27計画における価値開拓および企業ビジョン実現の道筋として「Value Pioneering Path」に示し、グループ一体の取り組みによって企業ビジョンの実現を目指しております。 ③中期経営計画当社グループは、2023年4月より5カ年の中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)をスタートさせました。マテリアリティの課題解決に繋がる社会価値を起点とした新事業の創出やCSVビジネスの展開に加え、顧客価値を起点とした既存ビジネスの深化・変革により、強固な社会価値・経済価値の創出基盤を確立することを目指しています。PSV-27 計画最終年度(2027年度)の目標は次の通りとしております。 (財務指標)売上高 4,700億円売上高事業利益率※ 16%親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) 12%以上投下資本利益率(ROIC) 10%以上 ※事業利益は、売上高から売上原価ならびに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の指標です。IFRSで定義されている指標ではありませんが、財務諸表利用者にとって有用であると考え、自主的に開示しております。 (主要な非財務指標)CSVビジネスによる節水貢献量            250百万㎥CSVビジネスによる温室効果ガス(GHG)削減貢献量   3,000千t-CO2以上CSVビジネスによる資源化貢献量・資源投入削減貢献量 300%増(2022年度比) 「PSV-27」では「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」を基本方針とし、次の重点施策に取組んでいきます。 (重点施策)・電子産業への重点化超純水供給事業で蓄積した「水に関する知」をバリューチェーン全体で活用し、併せて営業・設計・調達の変革を実現することにより、圧倒的なスピードで深い顧客理解に基づくソリューションを提供し、世界の電子産業市場に対する事業展開を加速していきます。・多様な産業を通じた社会との共通価値の創出とグローバル展開各国・地域の顧客動向やニーズを一元的に把握し、CSVビジネスをはじめとした社会との共通価値を創出するソリューションをグローバルに展開します。また、サーキュラーエコノミーの視点で、企業と企業、企業と地域をつなげるソリューションを開発し提供していきます。・社会課題を解決するイノベーションの推進GHG排出削減、節水、資源循環などで社会に貢献する新たな領域の開発に中長期的な視点で取り組みます。また、外部機関との協業を推進し、新たな領域で確固たる競争優位性を確立していきます。・技術立社としての基盤強化技術立社を支える多様な分野の人材の獲得と育成を強化するとともに、世界の知財のビッグデータを駆使し、イノベーションや事業の方向付けを行います。また、デジタル技術を駆使した「水に関する知」の蓄積と利活用を進めていきます。・グループ経営基盤のさらなる強化当社の経営体制を変革し、コーポレート・ガバナンスの水準を一層高めていきます。また、多様な人材の育成と活躍の支援によるエンゲージメントの向上、生産プロセスの変革とサプライヤーとの共存共栄に基づく強固なサプライチェーンの構築、デジタル技術の早期確立と業務プロセスの変革によるデータドリブンな経営に取り組んでいきます。 (3) 会社の対処すべき課題当社グループが2023年度にスタートした5ヵ年の中期経営計画 Pioneering Shared Value 2027(PSV-27計画)は、人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓くことを基本方針としており、「顧客価値起点のトランスフォーメーションの実現」と「社会価値起点のイノベーションの創出」の2軸の競争戦略を通じて、企業ビジョンが目指す、社会に高い価値を提供するとともに、クリタグループが高収益企業へと成長することを目指しています。そのため、PSV-27計画には、企業ビジョン実現のための重要課題であるクリタグループのマテリアリティ解決の取り組みが有機的に組み込まれており、その全容は前項の②Value Pioneering Pathのとおりです。PSV-27計画の2年目である当期は、電子産業における事業基盤の強化とグローバル展開の推進に取り組み、世界四極(日本、アジア、北南米、EMEA)での電子事業戦略の基本方針に基づいた活動を推進し、米国および欧州での案件を受注したほか、精密洗浄事業の市況低迷や水供給事業の計画変更を受けて、サービス事業の拡大を図りました。社会との共通価値の創出の取り組みにおける重点施策であるCSVビジネス(注1)の拡大については、新規CSVビジネスの創出に向けた業務プロセスの運用を開始したほか、既存CSVビジネスを中東・アフリカ・インドでも展開しました。社会課題を解決するイノベーションの推進に向けては、1件の新規事業を開始しました。また、技術立社としての基盤強化に向けた「水に関する知」として蓄積すべき情報の活用について、当期は国内で製紙工場の紙製品製造工程における水質データなどを活用し、製造品質の低下やそれに伴う操業障害などを事前に予測して、その原因の推定を可能にする予兆診断サービスの本格展開を開始し、中国・ASEANでは遠隔支援サービスを拡大しました。2025年度には、世界四極共通のデータ基盤の本格稼働を見込んでいます。さらに、グループ経営基盤の更なる強化として、取締役会による「長期的な方向付け」の策定に向け、取締役会およびサステナビリティ諮問会議において、長期的な外部環境の変化や当社グループの価値提供のあり方について検討を行ったほか、タレントマネジメントプラットフォーム構築に向けた取り組みを進めました。これらの取り組みの結果、多くの重点施策で一定の成果が見られ、2024年度までの計画は次のとおり順調に進捗しています。しかしながら、前述の精密洗浄事業の市況低迷や水供給事業の計画変更等の影響を踏まえて、2025年度以降は計画達成に向けて中期的な視点で重点施策を推進する必要があります。PSV-27計画の3年目にあたる2025年度は、当社グループの対処すべき課題として、次の5つの重点施策に取り組んでまいります。1) 電子産業での重点化競合他社との差別化を推進し、海外および主要顧客における顕在・潜在案件の投資情報を事前に把握して確実に確保するとともに、EPC(注2)およびEP+モジュールを起点としたサービス事業の拡大に取り組みます。また、精密洗浄事業の選択と集中により収益性改善を図るとともに、連携して事業拡大を推進していきます。2) 多様な産業を通じた社会との共通価値の創出とグローバル展開CSVビジネスの既存展開および新規創出のさらなる加速を目指すとともに、PFAS需要への高まりに対してグローバルに対応していきます。また、低収益ビジネスの見直し、リカーリングビジネスの獲得による顧客生涯価値の最大化に取り組み、収益性と営業効率の向上を目指します。3) 社会課題を解決するイノベーションの推進新規事業創出の事業化テーマについて、社会価値と経済価値の両面から検証を行うとともに、顧客および社内外との意見交換を通じた大型化の検証と見直しを図ることで、新規事業立ち上げを目指します。また、既存事業の強化に向けて、新たな市場開拓・価値創出、シェア拡大に貢献する製品・サービスの競争力を生み出すコア技術の開発に取り組みます。4) 技術立社としての基盤強化新規事業案や開発テーマの中から、特許網構築やIPランドスケープの活用により競争優位性を強化できる対象を選定し、PSV-27計画達成への貢献を高める事業開発・市場展開策を具体化します。また、「水に関する知」として蓄積すべき情報の活用に向け、データ基盤を本格活用する範囲を拡大していきます。5) グループ経営基盤の更なる強化中長期視点での戦略的取り組みおよび企画力の強化に向けて、サステナビリティに関する社内外の情報やIPランドスケープを活用した洞察により、中長期的な経営戦略の核となる社会価値起点の新規事業の構想を立案するプロセスを構築していきます。また、タレントマネジメントプラットフォームにおいて、クリタグループ全体を対象にグループ人材の適所適材に向けた運用を開始します。 (注)1 社会価値が高い水処理に係る事業の中でも、従来に比べ節水、GHG排出削減、廃棄物の資源化または資源投入量の削減に大きく貢献する製品、技術、ビジネスモデルを「CSV(Creating Shared Value)ビジネス」として定めています。2 Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」、「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。 (2) 経営成績当期における世界経済は、ウクライナおよび中東情勢の悪化が長期化していることに加え、米国の通商政策変更の影響により先行き不透明な状況が続き、一部の国・地域では景気回復の動きに力強さを欠きましたが、持ち直しの動きが継続しました。国内では、製造業の生産活動は、一部自動車メーカーの生産停止解除や半導体などの電子部品の在庫調整の進展から持ち直しの動きがみられましたが、年度後半にかけて回復の動きが鈍化しました。設備投資は、高水準の企業収益を背景に底堅い動きが続きました。海外では、米国経済は、堅調に推移しましたが、欧州および中国は、内需に力強さが見られず、回復の動きに停滞感がみられました。中国を除くアジア諸国は、一部に弱さがみられたものの、持ち直しの動きが続きました。このような中、当社グループは、5か年の中期経営計画「PSV-27」(Pioneering Shared Value 2027)の2年目である当期において、「人材・技術・しくみを磨き上げ、圧倒的なスピードと課題解決力で、期待を超える価値を切り拓く」という基本方針のもと、電子産業市場分野では、デジタル技術を活用して、安全運転、環境負荷低減、コストダウンに係るノウハウやデータを蓄積し、可視化した「水に関する知」を駆使しお客様の多様な課題の解決に貢献するサービスラインアップを拡充し、顧客接点の拡大を図りました。また、グローバルに電子産業のパートナーとなることを目指す中、欧米における新たな事業基盤構築に取り組み、米国および欧州において半導体工場向けの水処理装置案件の受注を獲得しました。韓国では、主に同国の電子産業に対するサービスの提案・提供力を強化し、社会との共通価値を創造するCSVビジネスの展開を加速するため、水処理装置の製造・販売およびメンテナンス・サービス事業を展開してきた韓水テクニカルサービス株式会社と水処理薬品の製造・販売事業を展開してきた株式会社韓水を統合し、栗田韓水株式会社として事業を展開しております。一般産業市場分野では、各国・地域において多様な事業に取り組む顧客の動向やニーズをグループ共通のデータ基盤により一元的に把握し、グループ横断的に利活用することでCSVビジネスの拡大に取り組みました。また、事業基盤の強化に向けた取り組みとして、国内では、水処理薬品とメンテナンス・サービスを一体化したワンストップ営業を実現し、顧客現場との接点を強化するため、国内販売事業会社等11社をクリタ東日本株式会社とクリタ西日本株式会社の2社に再編しました。海外では、世界有数の経済規模を有し、水処理需要が高まっているインドにクリタ・アクアケミ・インディア・プライベート・リミテッドを設立し、同国のお客様の水や環境に係る課題に応えるソリューションを迅速に提供するための体制整備に取り組みました。以上の結果、当社グループ全体の受注高は432,953百万円(前年同期比11.0%増)、売上高は408,888百万円(前年同期比6.3%増)となりました。利益につきましては、事業利益は、49,184百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は、31,275百万円(前年同期比24.1%減)、税引前利益は、31,821百万円(前年同期比23.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、20,305百万円(前年同期比30.4%減)となりました。当連結会計年度においては、その他の収益3,140百万円、その他の費用21,050百万円を計上しております。その他の収益は、一部顧客との超純水供給契約(電子市場)解約に伴う前受金取崩益1,653百万円を計上したことなどにより前年同期比で1,172百万円増加しております。その他の費用には、主に米国および欧州において精密洗浄事業を展開している米国子会社ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(電子市場)の有形固定資産(建物使用権資産含む)の減損損失15,522百万円、同社ののれんの減損損失967百万円、主に水道管等の劣化予測ソフトウエアサービスを提供している米国子会社クリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.(一般水処理市場)ののれんの減損損失2,501百万円が含まれており、前年同期比で18,259百万円増加しております。この結果、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は減益となりました。のれんを含む固定資産は、減損兆候が存在する場合はその都度、のれんについては減損兆候の有無にかかわらず、毎年定期的に減損テストを実施しており、減損損失は使用価値と会計上の簿価を比較することにより算出しております。ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(電子市場)の有形固定資産(建物使用権資産含む)の減損損失は、一部の主要顧客の半導体工場の稼働率低迷や工場建設計画の変更、遅延の影響により建設中のアイルランドと米国アリゾナ州の精密洗浄工場の使用価値が著しく低下したため認識しております。なお、アイルランドの精密洗浄工場の建設は中止し、撤退することを決定しております。のれんの減損損失を測定する際に必要となる使用価値は、予測される将来キャッシュ・フローを適切な割引率で割り引くことによって算出します。ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(電子市場)については、主要顧客の半導体工場稼働率回復の動きが想定を下回ったことにより影響を受けた当連結会計年度を含めた過去の業績達成状況を踏まえ、慎重に見積りを行い、前連結会計年度末における将来キャッシュ・フローの見積りの基礎である事業計画を下方修正しました。クリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.(一般水処理市場)についても、事業体制整備の遅れにより想定した収益獲得の早期実現が困難となったことや当連結会計年度を含めた過去の業績達成状況を踏まえ、前連結会計年度末の事業計画を下方修正しました。これらの結果、両社ののれんの使用価値が会計上の簿価を下回ったため、減損損失を認識しております。 (電子)受注高は、194,994百万円(前年同期比17.6%増)となりました。水処理装置は、主に欧州向けの大型案件を受注したことにより増加しました。継続契約型サービスは、新規に稼働した超純水供給事業案件の売上や一過性の収益計上の貢献により増加し、メンテナンスも主に中国および台湾の顧客からの需要をとりこみ増加しました。精密洗浄は、半導体市況の回復を背景に増加しましたが、海外顧客の洗浄ニーズが本格的な回復には至っておらず、増加は緩やかなものとなりました。売上高は、181,194百万円(前年同期比4.9%増)となりました。水処理装置は、前年同期の国内大型案件の売上計上の反動で減少しましたが、継続契約型サービス、メンテナンスおよび精密洗浄は増加しました。利益につきましては、継続契約型サービスの伸長や比較的原価率が高い装置案件が減少したことによる売上原価率改善の影響を受け、事業利益は、24,216百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益は、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.ののれんを含む固定資産の減損損失16,490百万円計上があり、8,945百万円(前年同期比55.7%減)となりました。 (一般水処理)受注高は、237,958百万円(前年同期比6.1%増)となりました。水処理装置は、国内および米国における大型案件の受注計上などにより増加し、メンテナンスおよび継続契約型サービスも増加しました。水処理薬品は、欧州、中国および東南アジアの一部において、製造業の生産活動回復の動きに弱さがみられ、円安による円換算額増加の影響を除くと減少しました。売上高は、227,693百万円(前年同期比7.3%増)となりました。水処理装置は、主に米国大型案件の工事進捗による売上計上で増加し、メンテナンス、継続契約型サービスも増収となりました。水処理薬品は、受注高と同様に、為替影響を除くと減収となりました。利益につきましては、増収影響に加え、付加価値の高いCSVビジネスの伸長もあり原価率が改善したことから、事業利益は24,969百万円(前年同期比13.0%増)となり、営業利益は、クリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.ののれんの減損損失2,501百万円を計上したことなどにより22,331百万円(前年同期比6.2%増)となりました。 生産、受注および販売の実績は、以下のとおりであります。①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 前年同期比(%)電子市場(百万円)181,770105.5一般水処理市場(百万円)226,609106.5合計(百万円)408,380106.0(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ②受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)電子市場194,994117.678,392121.4一般水処理市場237,958106.169,586117.3合計432,953111.0147,978119.4(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 前年同期比(%)電子市場(百万円)181,194104.9一般水処理市場(百万円)227,693107.3合計(百万円)408,888106.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (3) 財政状態①資産合計 548,949百万円(前連結会計年度末比8,458百万円減少)流動資産は220,950百万円となり、前連結会計年度末比7,068百万円減少しました。これは主に現金及び現金同等物が8,942百万円増加したものの、営業債権及びその他の債権が13,051百万円、その他の金融資産が1,769百万円それぞれ減少したことによるものであります。非流動資産は327,998百万円となり、前連結会計年度末比1,390百万円減少しました。これは主に有形固定資産が4,458百万円、繰延税金資産が3,837百万円、それぞれ増加したものの、のれんが4,654百万円、使用権資産が3,070百万円、その他の金融資産が1,453百万円、それぞれ減少したことによるものであります。有形固定資産の増加は、減価償却費の計上26,070百万円と前述のペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.(電子市場)の有形固定資産の減損損失計上による減少があったものの、超純水供給事業(電子市場)用設備の取得などの設備投資45,953百万円があったためであります。のれんの減少は、主に第4四半期連結会計期間において、クリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.(一般水処理市場)の「のれん」2,501百万円とペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の「のれん」967百万円を減損損失計上したことによるものであります。 ②負債合計 210,444百万円(前連結会計年度末比13,551百万円減少)流動負債は132,567百万円となり、前連結会計年度末比13,947百万円増加しました。これは主に社債及び借入金が14,796百万円増加したことによるものであります。社債及び借入金の増加は、コマーシャル・ペーパーの償還による減少があったものの、2025年12月に償還予定の社債30,000百万円を非流動負債から流動負債に振替したことによるものであります。非流動負債は77,877百万円となり、前連結会計年度末比27,498百万円減少しました。これは主に社債及び借入金が22,388百万円、その他の非流動負債が2,821百万円それぞれ減少したためであります。社債及び借入金の減少は、長期借入金による資金調達10,000百万円増加があったものの、前述の社債の流動負債への振替によるものであります。 ③資本合計 338,504百万円(前連結会計年度末比5,093百万円増加)資本合計の増加は主に年度末にかけての円高外国通貨安の進行に伴う在外営業活動体の換算差額の減少によりその他の資本の構成要素が5,594百万円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が11,320百万円増加したことによるものであります。 当連結会計年度末における資産をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 報告セグメント調整額(注)連結財務諸表計上額電子市場一般水処理市場計セグメント資産261,586218,126479,71369,235548,949(注)主なものは各報告セグメントに配分していない全社資産であります。 (4) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は62,951百万円(前連結会計年度末比8,942百万円増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動で得られた資金は87,760百万円(前年同期比36,886百万円増加)となりました。これは主に法人所得税の支払額11,170百万円で資金が減少したものの、税引前利益31,821百万円、減価償却費、償却費及び減損損失54,689百万円、営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加)9,803百万円で資金が増加したためであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動で使用した資金は52,074百万円(前年同期比16,273百万円増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出49,859百万円、無形資産の取得による支出3,827百万円などで資金を使用したためであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動で使用した資金は25,448百万円(前年同期比10,111百万円増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入9,962百万円で資金が増加したものの、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)15,143百万円、配当金の支払額9,956百万円、リース負債の返済による支出6,290百万円で資金を使用したためであります。 当社グループは事業運営上必要な流動性確保と安定した資金調達体制の確立を基本方針としております。短期運転資金、設備投資やその他成長分野への投資資金は自己資金を基本としつつも、必要に応じて債券市場での調達や銀行借入を実施しております。なお、当連結会計年度末において、当社は取引金融機関2社とコミットメント・ライン契約を締結しております(借入実行残高 -百万円、借入未実行残高 20,000百万円)。 (5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「PSV-27」に対する達成状況については、以下のとおりであります。 2024年3月期実績2025年3月期実績2028年3月期目標売上高(百万円)384,825408,888470,000売上高事業利益率(%)10.9%12.0%16%親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)9.3%6.1%12%以上投下資本利益率(ROIC)7.2%8.8%10%以上

事業リスク

主なリスクとして、国内外の景気変動が挙げられ、特に工場操業度や設備投資の動向が需要に影響を与えます。また、原材料やエネルギーコストの高騰、サプライチェーンの混乱も収益を圧迫する可能性があります。新技術や新サービスの開発が顧客ニーズに合致しなかったり、デジタル変革が遅れたりするリスクもあります。さらに、海外事業展開における予期せぬ法規制変更や政治・経済の混乱、為替変動も経営成績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,333 文字
3【事業等のリスク】当社グループに係るリスクについては、経営管理本部長をリスク管理およびリスクマネジメント推進の担当役員として定め、当社およびグループ会社のリスクの分析・評価を定期的に行うとともに監視を継続し、その発生防止に努めています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経済、市場の状況当社グループは事業活動を行っている国内および海外の国・地域の経済状況の影響を受けております。電子市場、一般水処理市場ともに工場操業度、設備投資の動向により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。電子市場では超純水供給契約を締結する顧客の経営状況により需要が変動し、経営成績に影響を与える可能性があります。さらに米中貿易摩擦の加速により輸出規制や制裁関税措置等が強化された場合や相互関税に代表される米国政策の動向によっては、関係する当社顧客の経営状況に影響し、間接的に当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。気候変動問題対応による顧客の化石燃料関連事業の縮小・撤退、燃料や水資源等の代替、当社設備および当社製品等から排出されるCO2に対する炭素税の導入や増加などにより経営成績に影響を与える可能性があります。また、日銀における継続的な利上げ検討等、グローバルな金利変動に伴う資金調達への影響も懸念されます。なお、当社グループは、水と環境に関わる課題にソリューションを幅広い業種の顧客に提供しており、またサービスビジネスへの転換を推進し、安定した収益の確保に努めております。さらに、当社は、関係会社の月次・四半期での業績や方針・施策の展開状況の確認、および内部監査や財務報告に係る内部統制のモニタリングを行うとともに、当社の決裁・審査規程に基づき関係会社における重要事項を当社が決定するなど、関係会社の事業管理に努めております。また、当社グループの事業分野における競合相手との競争激化による商品やサービスの価格下落等により、当社グループの収益性が低下する可能性がありますが、当社グループは(3)に記載のとおり競争優位性の確保に努めております。 (2) 資材調達に関する影響、原材料・資材・エネルギーコストの高騰およびサプライチェーンの混乱当社グループは製品の製造や製作・建設等のために使用する原材料や部品を当社グループ外から調達しております。また、様々な業務を行ううえで必要な役務サービスを当社グループ外から調達しております。これら調達については、クリタグループの人権方針に基づく人権への配慮に加え、クリタグループ調達方針を定め、法令を遵守し、経済・社会・環境に配慮した調達活動を行っておりますが、市況の変化により原材料、部品および役務の価格は変動し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、地政学的な情勢や米国の関税政策に伴う各国・地域における報復関税の発動等に伴う景気悪化等により、水処理薬品の原材料や水処理装置の資材の高騰、エネルギーコスト高騰による物流コストの増加、サプライチェーンの混乱が発生する可能性がありますが、その場合には販売価格への転嫁、在庫の確保などの対策を講じます。 (3) 新技術・新商品・新サービスの開発、ビジネスプロセスの変革当社グループは、従来に比べGHG排出削減、節水、廃棄物の資源化または資源投入量の削減に大きく貢献するCSVビジネスをはじめ、新技術・新商品・新サービス等の開発により、薬品、装置、メンテナンスの技術・商品・サービスを駆使したソリューションの拡充に取り組んでおります。また近年ではデジタル戦略本部を設置し、新商品・新サービスへのIoTやAIの活用、ビジネスプロセスのデジタル化などデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでおります。これらの開発・変革は不確実なものであり、顧客ニーズに合致した技術や優位性のある商品・サービスをタイムリーに提案できない可能性や、技術革新や顧客ニーズの変化、デジタル技術の進化に追随できない可能性があります。優位性のある新商品・サービスを開発できない場合やデジタルトランスフォーメーションの取り組みが遅延した場合、そして事業を通した顧客における温室効果ガス排出削減の取り組みが停滞した場合は、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 (4) 海外事業展開に係るリスク当社グループは海外市場における事業拡大を図っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる、予期しない法律又は規制の変更、政治・経済の混乱、紛争・テロ等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの事業展開地域においては、外務省やコンサルタントからの治安等の情報入手、現地の弁護士、公認会計士等の専門家の活用による法律・規制に関する確認等を実施しております。また、海外への出張者に対しては海外出張ガイドブックによる安全管理教育を実施し、海外駐在員に対しては医療・トラブル時の支援サービス、安全に関する情報を提供し役員・従業員の安全確保に努めております。また、地政学的な情勢による規制・制裁強化の影響や米国の関税政策に伴う各国・地域における報復関税の発動、それに伴う景気悪化等の間接的な影響も考えられます。 (5) 大規模自然災害等大規模自然災害等により当社グループの事業遂行に直接的または間接的な混乱が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは、地震、台風、集中豪雨等大規模な自然災害その他の事象を想定したクリタグループBCM(事業継続マネジメント)方針を定め、事業継続計画の策定、当社グループの各拠点および役員・従業員の自宅の水害リスク調査と対策実施、安否確認システムの構築、建物の耐震化、防災用物資の備蓄、役員および従業員を対象とした災害対応訓練等を行っております。 (6) 為替変動当社グループは、海外での企業買収などにより海外売上比率は51.9%になっております。各海外子会社の現地通貨建の財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。従って、現地通貨と日本円との為替レートの変動が当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、為替リスクをヘッジする目的で為替予約、通貨スワップ契約等のデリバティブを利用することがあります。 (7) 不採算工事発生によるリスク水処理装置事業における水処理設備において、顧客との契約時に設定する原水条件等の当社グループ側での不備や、設計・施工における過失等に起因する製品・サービスの欠陥や事故による追加原価の発生、またはそれにより顧客へ損害が生じた場合の損害補償の発生の可能性があります。当社グループでは、設計・施工要領書に基づく設計・施工の徹底をしており、工事予算交付前にエンジニアリングレビューという会議体において、工事単位ごとに品質・コスト・納期・安全・環境等に関する設計の妥当性を確認しております。また受注後から引渡しまで毎月ビジネスプロセスレビューという会議体において、工事進捗度の確認、工事単位ごとの収支管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても最新の情報に基づいた見積りを行っております。海外のグループ会社でも同様の取り組みを実施しており、大型工事については当社より設計や工程管理に関する支援を行っております。このように、問題情報データの共有等により不適合の未然防止を図っております。 (8) 固定資産の減損損失①のれん及び無形資産の減損損失当社グループは、海外事業の基盤獲得や競争力のある技術や事業モデル獲得のため、企業買収を実施し、結果として「のれん」の残高は66,347百万円(連結総資産の12.1%)となっております。「のれん」は償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。事業環境の変化等により買収が期待どおりの効果を得られない場合や減損テストにおける将来キャッシュ・フローの見積りと実績に差異が発生した場合は、「のれん」等の減損損失が発生します。減損テストを実施するにあたり、回収可能価額は使用価値により測定しております。使用価値は将来キャッシュ・フローを資金生成単位の加重平均資本コストを参考に決定した割引率で割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの予測期間は5年であり、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営陣によって承認された事業計画を基礎としております。5年を超える期間については、資金生成単位が属する市場の状況を勘案して決定した長期平均成長率をもとに算定しております。5年のキャッシュ・フロー見積額、その後の期間の成長率および割引率を主要な仮定として使用しており、これら仮定の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社は、当社グループの投融資に関する審査機能を強化するため、経営管理本部副本部長を委員長とする投資委員会を設置しております。同委員会は取締役会や経営会議に付議する投融資案件について、事業計画・投資金額・リスク評価の妥当性、採算性、競争優位性、適法性などの観点から審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会や経営会議に報告することで、当社は十分な検討、議論を経て企業買収の実施を決定しております。また、買収後は(1)に記載の関係会社の事業管理を行うとともに、主要な過去投資は投資委員会にて継続的なモニタリングを行い、最新の状況を確認するとともに必要に応じて投資実効性や継続妥当性を検証しております。②有形固定資産の減損損失当社グループは、主に超純水供給事業等で顧客工場に事業用設備を設置しております。顧客の事業撤退や工場の休止に伴い固定資産の減損損失が発生する場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、これらの投資決定にあたっては、顧客の事業状況、顧客との契約条件および投資対効果などを慎重に検討しております。 (9) 情報システムのセキュリティ当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しており、コンピュータウイルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループはクリタグループデジタル情報システム管理方針を定め、ウイルスチェックソフト導入、標的型攻撃メール訓練等の役員・従業員への情報セキュリティ教育や啓発の実施によりコンピュータウイルス対策を強化しております。またセキュリティ事故が発生した際の機会損失を最小限に抑えるため、緊急対応を実行する組織を設置しております。 (10)法令・コンプライアンス当社グループの役員・従業員が法令を遵守できなかった場合や社会倫理に反する行動を起こした場合は、事業活動の制約、罰金、社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、サステナビリティ経営戦略室長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、インテグリティ活動※を推進しています。 ※「自分たちの良心に照らし正しいことをする、良いことをするという思考」のもと、一般的なコンプライアンス活動を内包し、より広範な社会的な規範・価値観に対応していこうとする活動。 (11)製品・サービスの品質および水処理設備のオペレーションエラー顧客または当社グループの水処理設備のオペレーションにおける人為的なエラー等により基準に満たない処理水を供給または排出することで損害賠償の発生や社会的信用の失墜につながる可能性があります。賠償責任保険の適用を超えるような責任が発生した場合や社会的信用が失墜した場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは(7)で記載したように品質マネジメントシステムを構築し、顧客満足向上のため、継続的な改善活動に取り組んでおります。 (12)知的財産権広範囲に事業を展開する中で、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、こうした場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性がありますが、当社グループは知的財産権の重要性を認識し、国内および海外において、知的財産の権利化、第三者が保有する知的財産権の侵害防止に継続して取り組んでおります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 栗田工業 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →