研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 1,537 |
| 2024-12 | - | 1,756 |
| 2023-12 | - | 1,175 |
| 2022-12 | - | 1,240 |
| 2021-12 | - | 922 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,971 文字
6 【研究開発活動】当社は創業時から、イノベーションによって様々な社会課題を解決し、世の中に新しい価値を提供してきました。世界が大きな変革期を迎えている中、クボタがより一層社会に貢献するためには、従来以上に未来を見据えたソリューションが不可欠であると考えています。現在だけでなく、近い将来に起こり得る社会課題を予見し、絶え間ない技術の研鑽と試行錯誤によって得た知見に最先端技術を融合し、かつてない感動と新しい価値を生み出すべく、従業員が一丸となって、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度に発生した研究開発支出は1,103億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① 営農支援システム「KSAS」 新機能の開発生成AIを活用した「KSAS AIチャット機能」及び、「衛星リモートセンシング機能」を開発し、追加しました。さらに、農業生産者の環境負荷低減の取組みを見える化するための「みえるらべる」の取得を支援する新機能を開発しました。主な特長は以下のとおりです。「KSAS AIチャット機能」[特長1] KSASの使用方法や新規就農に役立つ情報だけでなく、営農に関する簡単な質問に回答できるよう機能を強化しました。[特長2] 過去の質問履歴を確認し、過去の対話の続きから再開できる「対話履歴機能」を追加しました。[特長3] 回答に関連するマニュアルの該当ページをPDFで表示する機能も追加しました。 「衛星リモートセンシング機能」[特長4] 人工衛星で撮影した画像をもとに農作物の生育状態をマップ上に表示することができます。[特長5] 人工衛星を用いて広範囲に、より多くのほ場の生育状態を確認することができます。 「みえるらべる」[特長6] 従来、農業生産者が別途行わなければならなかった農作物の生産過程における温室効果ガス排出量と削減への貢献率の算定及び農林水産省への報告を、KSASに記録された栽培データを用いることによってKSAS上で一括して行うことができます。 ② GS機能搭載製品のラインアップを拡充トラクタ、コンバイン、田植機、乗用全自動野菜移植機において、GNSS(衛星測位システム)から得られる位置情報を利用して自動でまっすぐに走行・作業ができる「GS(Go Straight、直進自動操舵)機能」を搭載する農業機械のラインアップを拡充しました。主な特長は以下の通りです。[特長1] 設定した始点Aと終点Bを結んだ「基準線」に対して平行になるように自動で方向修正をします。トラクタ「レクシアMR800H~1050H GS仕様」と乗用全自動野菜移植機はRTK-GNSSアンテナを標準装備(トラクタ「スラッガーGS仕様」、コンバイン、田植機ではオプション装備)しているので、基準線に対して誤差±3cm程度の精度の高い直進作業が可能です。[特長2] トラクタ、田植機、コンバインでは、始点A・終点Bで基準線を設定する以外に、方位角(数値)を入力して基準線を作成するモードや、一定距離を走行するとその進行方向の延長線上に自動で基準線を作成するモードもあります。[特長3] KSAS(クボタスマートアグリシステム)と連携した「GSリンク」を搭載した機種は、KSASで登録した基準方位や作業機の設定等を機体に呼び出すことができます。基準線の登録や設定作業を省略することができ、作業効率の向上を図ることができます。また、KSASに登録された基準方位は、「GSリンク」機能搭載の異なる機種間で共有することができ、トラクタ、田植機、コンバインで同じ基準線を活用する等、相乗効果が期待できます。 ③ 農作業、土木・建築作業の完全無人化とグリーン化に向けた研究開発農業だけでなく土木・建設作業も人手不足は喫緊の課題であり、省人化・無人化に向けて、自動運転技術、遠隔操縦技術、複数機械の群制御技術等に取組んでいます。2025年は、大阪・関西万博において、2種類の汎用プラットフォームロボットのコンセプトモデルを出展しました。なお、これらの機械が環境負荷を高めないように、グリーン化に向けた研究開発も進めています。同万博に無人運転水素燃料電池トラクタ(コンセプトモデル)を出展し、多くの来場者の方々にご見学いただいたことから、当該技術への高い関心を再認識しました。各地域の未来に、より一層貢献できる製品やサービスの実現をめざし、引続き研究開発に取組みます。 当セグメントに係る研究開発支出は1,035億円です。 (2) 水・環境パイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境(各種環境プラント、ポンプ等)に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① 呼び径 500~1000 GX 形ダクタイル鉄管の開発多くのお客様よりご好評をいただいているGX形ダクタイル鉄管に、これまでの呼び径75~450に加え、呼び径500~1000の新シリーズを開発し、ラインアップに追加いたしました。主な特長は以下の通りです。[特長1] メタルタッチ構造を採用することで、簡単かつ確実な施工管理を実現しました。トルク管理が不要で、従来のNS形と比較してボルトの本数を半減したことで 接合時間が約1/2に短縮され、現場の施工効率向上に寄与します。[特長2] 管下ボルトレス押輪の採用により、管下でのボルト締め付け作業及びその施工管理が不要となりました。これにより、施工性が飛躍的に向上し、より安全でスムーズな現場作業が可能となります。[特長3] 直管製品はすべて当社阪神工場の電気炉にて生産しています。CO2排出量を抑えた製造プロセスを採用することで、環境負荷の低減に貢献します。 ② 四足歩行ロボットを活用した自動点検技術の開発施設運営を受託するごみ焼却施設での実証試験を経て、「四足歩行ロボットによる自動巡視点検技術」を開発しました。主な特長は以下の通りです。[特長1] 四足歩行ロボットが、設定ルートを自動巡回して点検対象のメーターなどを撮影し、画像読み取りAIで数値化した点検データを各種システムに転送します。[特長2] ダイオキシン管理区域における点検箇所の64%を自動巡視点検でカバーし、巡視点検業務の作業時間を約3時間短縮しました。作業員は異常の兆候確認や迅速対応などより重要度の高い業務に時間を振り向けることが可能となります。[特長3] 施設内全点検箇所の約45%を占める焼却炉周辺のダイオキシン管理区域について、防護マスクなどの保護具着用を伴う作業者の立ち入り機会を低減し、安全性向上につなげました。[特長4] 数値化した点検データをクラウド上で一元管理し、運転状況や設備情報を見える化することで、傾向把握による施設運転の安定化が可能となります。 当セグメントに係る研究開発支出は68億円です。
FY2024|4,349 文字
6 【研究開発活動】当社は食料・水・環境を一体のものとして捉え、技術とソリューションを通じてこの3つを正しく循環させることで持続可能な社会の実現をめざしております。近い将来起こり得る社会課題を予見し、それを見越した製品開発と新たなサービス・事業の創出を通じて、より一層社会に貢献していきます。これに向けて、事業に直結した製品・技術の開発と会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。また、当社は、中期経営計画2025のメインテーマの1つとして「次世代の成長ドライバー候補の確保に向けた取組み」を掲げ、GMB2030実現へ向けた基礎づくりを進めており、グローバル規模での競争を勝ち抜いて持続的な成長を実現するために、研究開発に積極的に資源を投入しております。当年度に発生した研究開発支出は1,118億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。なお、「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業セグメントに関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① トラクタ「M7(エムセブン) 4シリーズ」の開発欧米畑作市場や北海道を中心にご好評をいただいているトラクタ「M7(エムセブン)シリーズ」のモデルチェンジ機を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] パワーシフト(有段変速)とKVT(無段変速)の2種類のトランスミッションを採用しています。作業用途等に応じてS・P・Hの3つのグレードから選択いただけます。[特長2] KVTを採用しているプレミアムハイ(H)仕様では、0.5km/h未満の超低速走行が可能で、長芋の掘り取り作業などがスムーズに行えます。手元のスイッチで駐車ブレーキの操作が可能な「パーキングスイッチ機能」を採用しました。トラクタから離席した際には自動で駐車ブレーキが作動する機能も搭載しており、安全性が向上しました。[特長3] パワーシフトを採用しているスタンダード(S)仕様、プレミアム(P)仕様においても、ノークラッチで停止・発進することが可能な「エクスプレスリスタート機能」を採用しました。楽に停止・発進することが可能で、エンストの心配が低減されます。[特長4] GF(オートステアリング)仕様が進化しました。曲線経路・傾斜地・長時間走行時の走行精度が向上し、最低車速を0.1km/hからオートステアリングを開始できるようになりました。[特長5] KSAS対応直接通信ユニット、リヤハッチ半開き機構、電動ヒーターミラーを標準搭載しています。作業灯は全てLEDを採用しています。 ② アグリロボ無人自動運転コンバイン「DRH1200A-A」の開発自動運転レベル2(有人監視)の無人自動運転コンバイン「DRH1200A-A」を業界に先駆けて開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] AIカメラとミリ波レーダを搭載することにより、収穫作業時にほ場内に存在する作物や雑草、鳥などを障害物として検出せず、人・障害物を正確に検出する周囲監視システムを採用しています。無人での自動運転中に周辺の人や障害物を検知すると機体が自動で停止し、安全性を高めています。[特長2] 無人自動運転時に刈取り部に稲・麦の詰まりを検知した場合に、自動で詰まりを除去する自動リール制御機能、自動目詰まり解除機能を搭載しています。自動で詰まりを除去して作業を再開するので、監視者が機体まで行くことなく、詰まりによる時間ロスを最小限にとどめます。[特長3] 必要な手動運転の周回数を1周に抑えたことで、90%以上の領域で自動運転が可能になりました。 最外周の1周を運転して刈取り作業をすることで、機械が自動で最適な刈取りルートを作成します。2周目からは、ほ場周辺で使用者による監視の下、無人自動運転が可能です。※算出条件 ほ場1ha(100m×100m)、ヘッダサイズ2.6m[特長4] レーザセンサとRTK-GNSSアンテナにより、畦の高さと位置を検出し、畦が低い場合は機体の一部を飛び出させて効率的な旋回を行います。[特長5] 有人仕様も用意しています。有人仕様では搭乗して周囲の確認や作物の状態に合わせた刈取り部の操作をする必要はありますが、無人仕様と同様に最外周を1周するだけで、ほ場マップを作成し、2周目からは自動運転が可能です。 ③ BEVゼロターンモア「Zeシリーズ」の開発カーボンニュートラル実現に向けた取組みの1つとして、電動化への関心が高い欧州市場のプロユーザ向けに環境に配慮した製品として、BEV(注1)ゼロターンモア(乗用芝刈機)「Zeシリーズ」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] リチウムイオン電池駆動式および、環境に配慮した電動システム制御技術の採用により、ガソリンエンジン式の従来機に比べて、エネルギー効率、CO2排出量ともに50%以上改善しています。[特長2] 約90kgの重量物であるバッテリパックを、短時間で容易に交換ができる機構を採用しました。また、バッテリパックを車載した状態でも、外した単独状態でも充電ができる構造としました。これにより、プロユーザが求める一日作業(一日あたり6~8時間)の稼働を可能にしています。[特長3] 体積エネルギー密度と出力特性が良いラミネートタイプのバッテリモジュールを採用したことにより、小型(約64L)で、高出力(最大10kW)、長寿命(保証期間3年1,500時間)のバッテリパックを実現しました。国連輸送規格、欧州バッテリパック規格等の電池規格に適合し、安全性・信頼性・耐久性を確保しています。[特長4] 複数モータの協調制御技術を採用したことにより、なめらかな電動走行および、高い操作性・刈性能を実現しました。傾斜地においてもスムーズに発進・停車ができる自動パーキングブレーキ機能も装備しています。 (注) 1 バッテリー式電気自動車(Battery Electric Vehicle)の略称。 当セグメントに係る研究開発支出は730億円です。 (2) 水・環境パイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境(各種環境プラント、ポンプ等)に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① GENEXメタルシート仕切弁(呼び径300)の開発多くのお客様にご好評いただいているGENEXメタルシート仕切弁(呼び径75~250)に加え、(呼び径300)を開発し、ラインアップに追加しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] メタルシート仕切弁を採用している管路においても、耐震継手一体構造によりフランジレス化を実現できます。[特長2] 弁箱外面にC-protectを行うことにより、GX形の直管、異形管と同等の長寿命化を実現できます。[特長3] 剛構造の弁箱と柔構造の弁体の組合せにより、地震動等の外力負荷時にもシート部の止水性を維持できます。 ② MRデバイスを活用した「点検合理化技術」の開発水害防止の役割を担う排水機場の点検作業効率の向上と、点検作業員のノウハウ伝承を目的として、MRデバイスを活用した「点検合理化技術」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] 3D点群データとMR技術を活用することによって、作業員の視界に点検箇所が可視化されるため、排水機場の点検箇所を作業員が正確に把握できます。[特長2] MRデバイスの空間認識を活かした入力手法を確立したため、MRデバイスに表示された点検箇所の旗をタッチすることで点検記録表を空間上に表示させ、記録欄にタッチすることで入力ができます。記録用に別のデバイスを必要とせず、ハンズフリーで点検と同時に点検記録ができるので、タブレット端末等のスマートデバイスと同等以上の安全性と作業性を確保できます。[特長3] 熟練作業員の作業を標準化し、作業手順・箇所など、作業員をアシストする機能を搭載しているので、非熟練者でも熟練作業員と同等の時間で作業ができます。[特長4] 点検中に故障等が発生した際に、遠隔でアシストできるリモートアシスト機能を構築しました。遠隔地の技術者が状況を踏まえて必要な資料を作業員のMRデバイスに表示して的確な指示・アドバイスができるので、ロス時間を削減できます。[特長5] この点検合理化技術を導入することによって、導入前の点検と比べて、約37%の時間削減が図れました。 当セグメントに係る研究開発支出は67億円です。 (3) その他・全社当社はK-ESG経営を推進しており、研究開発においても環境・社会課題の解決に資するイノベ-ションの創出に向けた取組みを加速しております。カーボンニュートラルに関しては、農業機械及び建設機械向けの新動力源の研究開発を進めております。具体的には、電動化でBEVトラクタを2023年度に上市し、2024年にBEVミニバックホー、BEVゼロターンモア(乗用芝刈機)を上市しました。さらに、燃料電池や水素等の新動力源の実現に向けた取組みを行っております。また、これまで進めてきた燃焼効率向上等の低燃費化やバイオディーゼル含有率向上等の研究開発にも引続き注力して取組んでおります。加えて、自動運転技術による作業ロス低減や最適省エネ運転、バイオマス(農業残渣や食料残渣)の活用等、多面的な取組みを結集することで、カーボンニュートラルを実現していきます。スマート農業については、他社に先駆けてトラクタ・コンバイン・田植機の自動運転技術を確立しておりますが、より一層使いやすい機械とすべく、AIや先進センサの活用研究等のさらに高度な取組みを進めております。天候情報、生育モデル、リモートセンシングの活用等、データ農業の取組みも現地実証を計画的に進めております。また、田んぼダムに関する研究等、営農支援システム「KSAS」、ほ場水管理システム「WATARAS」及び水環境プラットフォーム「KSIS(注2)」の連携に関する研究開発も引続き計画的に進めております。 (注) 2 クボタスマートインフラストラクチャシステム。水環境インフラ施設・機器向けのIoTソリューションシステム。 当セグメントに係る研究開発支出は321億円です。
FY2023|4,361 文字
6 【研究開発活動】当社は食料・水・環境を一体のものとして捉え、技術とソリューションを通じてこの3つを正しく循環させることで持続可能な社会の実現をめざしております。近い将来起こり得る社会課題を予見し、それを見越した製品開発と新たなサービス・事業の創出を通じて、より一層社会に貢献していきます。これに向けて、事業に直結した製品・技術の開発と会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。また、当社は、中期経営計画2025のメインテーマの1つとして「次世代の成長ドライバー候補の確保に向けた取組み」を掲げ、GMB2030実現へ向けた基礎づくりを進めており、グローバル規模での競争を勝ち抜いて持続的な成長を実現するために、研究開発に積極的に資源を投入しております。当年度に発生した研究開発支出は1,007億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。なお、「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業セグメントに関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① 営農支援システム「KSAS」の追加機能の開発ほ場水管理システム「WATARAS(注1)」による水管理状況を営農支援システム「KSAS」で確認できる機能を備えた「KSAS水管理マップ(パソコン版)」、リモートセンシング用ドローンで空撮したほ場の画像を「KSAS」に取込み「KSAS」上で生育マップを閲覧できる機能、可変施肥仕様(PF仕様)田植機のユーザー向けに現在どのほ場の施肥データを田植機が受信しているかを確認できる「可変施肥ダウンロード確認機能」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。水管理マップ(パソコン版)[特長1] 「WATARAS」設置済ほ場に加え、未設置ほ場を含めた水管理状況(入水・出水・入出・止水)を一括表示できます。[特長2] 水位・水温に応じたグラデーション表示や給水状況による色分け表示ができます。リモートセンシング(生育マップ機能)[特長3] 専用アプリを「KSAS」からダウンロードすることで、生育マップを作成できるようになります。これまで目視で行ってきたほ場の見回り等の生育状況等の確認に要する時間を削減できます。[特長4] 生育マップを通してほ場内の生育差の「見える化」が可能となり、可変施肥や栽培管理の改善に活用することができます。可変施肥ダウンロード確認機能[特長5] 生育ムラの改善及び効率的な施肥技術として可変施肥に取組むことが可能となります。可変施肥を通して、経営安定化と「みどりの食料システム戦略(注2)」に貢献できます。(注) 1 当社が提供する、水田の給水・排水をスマートフォンやパソコンでモニタリングしながら遠隔操作または自動で制御するシステム。2 農林水産省が2021年に策定した、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するための政策方針。 ② 自脱型7条刈コンバイン「DR7130」の開発収穫作業の効率化に貢献する自脱型7条刈コンバイン「DR7130」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] 新開発の刈取部は刈幅が広く、ほ場での旋回回数が減少します。作業能率の向上に寄与するとともに、枕地を荒らしにくい「ほ場にやさしい」収穫作業が可能となります。また、同馬力の6条刈と比べて主に機体右側に刈幅を広げたことにより、周囲刈時に畦を踏みにくく、中割時に未刈株への泥寄せも軽減できるため、ストレスが少ない収穫作業が可能となります。[特長2] 刈取部の最適設計により、部品を取外すことなく大型トラック(荷台幅内寸2,340mm以上)に積載できるため、倉庫からほ場への移動及びほ場間移動をスムーズに行うことが可能です。[特長3] 刈取部の引起し上部空間を6条刈に対して50mm拡大したことにより、長稈品種や高ボリューム作物において、引起し部での穂先の引掛りが低減します。引起し部でのヘッドロスの減少及びこぎ胴へのスムーズな搬送による脱こく負荷の軽減に効果があります。[特長4] 長さ1,300mmのロングこぎ胴と選別面積800mm×1,930mmの大きな揺動板により、7条分の作物でもゆとりをもった脱こく・選別が可能です。[特長5] 当社のコンバインで好評の「電動フルアップこぎ胴」や「刈取部・引起し部オープン」のほか、ディオニスシリーズで搭載した「グレンタンク側板オープン」や「排わらチェーンオープン」のほか、「カッタ後部カバーオープン」等、毎日の清掃作業の効率化だけでなく、万が一のつまり時のダウンタイムを短縮する高いメンテナンス性能を有しております。[特長6] 標準装備の「直接通信ユニット」はコンバインをキーオンするだけで機械の位置情報・作業情報・稼働情報が自動的に「KSAS」クラウドにアップされます。これらの情報に基づいて、「KSAS」が自動で作業日誌を作成するため、オペレータの日誌作成労力が大幅に軽減されます。また、機械の位置情報や稼働情報等をお客様のパソコンやスマートフォンで簡単に確認できる「MY農機」のサービスに対応しており、機械情報の「見える化」が可能です。「PF(食味収量センサ)仕様」では、ほ場毎のタンパク含有率、水分率、収量が確認可能です。さらに別途オプション採用の「食味収量メッシュマップキット」により、ほ場を3段階(10m、15m、20m区画)に区切り、タンパク含有レベル及び収量レベルをそれぞれの色の濃淡で表示するため、「ほ場の見える化」が可能となります。特に大区画ほ場で、ほ場内のばらつきを把握し、翌年のほ場改善や土作り、施肥設計に役立てることができます。 ③ コンパクト電動トラクタ「LXe-261」の開発カーボンニュートラル実現に向けた取組みの1つとして、欧州向けにコンパクト電動トラクタ「LXe-261」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] 1時間の急速充電で3~4時間の連続稼働が可能な大容量バッテリーを搭載しており、午前中の作業で消費したバッテリーを昼休みに急速充電することで午後も作業ができる仕様です。[特長2] 同出力帯のディーゼルエンジンを搭載したトラクタとほぼ同じコンパクトサイズで実現しております。[特長3] 自治体や公共団体への有償長期レンタルを通じて、お客様の声や実際の使用に際しての課題等の知見を得ながら、環境に配慮した製品の開発やさらなるラインアップ拡充を進めます。 当セグメントに係る研究開発支出は654億円です。 (2) 水・環境パイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境(各種環境プラント、ポンプ等)に係る製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ① 水道管路のAI老朽度評価方法の開発これまでダクタイル鉄管についてAI技術を活用した腐食予測式により高精度な老朽度評価を行ってきましたが、スパイラル鋼管・合成管についても、事故履歴データや地図情報等をもとに高精度に漏水事故率を予測するAIモデルを構築しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] 全管種について、現地調査なしで管路の更新優先度を高精度に定量的に表示できるようになりました。[特長2] 併せて、管路を一定の集合体に自動でグルーピングする技術を開発しました。管路の更新工事は、予算に応じて管路延長や工事費等の様々な制約のもと、効率性が求められます。管路単位ではなく工事区間相当の管路グループ単位で優先順位を決定することで、より効率的な更新計画の立案が可能となりました。[特長3] この老朽度評価方法とグルーピング技術によって、管路更新の効果を長期的かつ定量的に評価できるようになり、水道事業体職員の作業負荷を軽減でき、効率的な更新計画の策定に活用できます。 ② 産業排水処理向け凝集センサの開発画像診断技術を利用した産業排水処理向け「凝集センサ」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。[特長1] 排水と接触しない観測窓の構造及び水面反射の影響を受けない独自の装置構造により、カメラ画像による診断が可能となり、同時に容易なメンテナンス性を実現しました。[特長2] フロック径や濁質度を画像解析によって数値化することにより、人の感覚に近いセンシング装置を実現し、排水処理異常を検知でき、安全運転を実現するとともに運転管理コストの削減と省人化を図ることができます。 当セグメントに係る研究開発支出は57億円です。 (3) その他・全社当社はK-ESG経営を推進しており、研究開発においても環境・社会課題の解決に資するイノベ-ションの創出に向けた取組みを加速しております。カーボンニュートラルでは、農業機械及び建設機械について、BEV(注3)トラクタを当年度に上市し、さらにBEVミニバックホー、BEVゼロターンモア(乗用芝刈機)等の製品化に向けた取組みや、燃料電池や水素等の新動力源の実現に向けた取組みを行っております。また、これまで進めてきた燃焼効率向上等の低燃費化やバイオディーゼル含有率向上等の研究開発にも引続き注力して取組んでおります。加えて、自動運転技術による作業ロス低減や最適省エネ運転、バイオマス(農業残渣や食料残渣)の活用等、多面的な取組みを結集することで、カーボンニュートラルを実現していきます。スマート農業については、他社に先駆けてトラクタ・コンバイン・田植機の自動運転技術を確立しておりますが、より一層使いやすい機械とすべく、AIや先進センサの活用研究といったさらに高度な取組みを進めております。天候情報、生育モデル、リモートセンシングの活用等、データ農業の取組みも現地実証を計画的に進めております。また、田んぼダムに関する研究等、営農支援システム「KSAS」、ほ場水管理システム「WATARAS」及び水環境プラットフォーム「KSIS(注4)」の連携に関する研究開発も引続き計画的に進めております。(注) 3 バッテリー式電気自動車(Battery Electric Vehicle)の略称。4 クボタスマートインフラストラクチャシステム。水環境インフラ施設・機器向けのIoTソリューションシステム。 当セグメントに係る研究開発支出は296億円です。
FY2022|3,973 文字
5 【研究開発活動】当社は食料・水・環境を一体のものとして捉え、技術とソリューションを通じてこの3つを正しく循環させることで持続可能な社会の実現をめざしております。近い将来起こり得る社会課題を予見し、それを見越した製品開発と新たなサービス・事業の創出を通じて、より一層社会に貢献していきます。これに向けて、事業に直結した製品・技術の開発と会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。また、当社は、中期経営計画2025のメインテーマの一つとして「次世代の成長ドライバー候補の確保に向けた取組み」を掲げ、GMB2030実現へ向けた基礎づくりを進めており、グローバル規模での競争を勝ち抜いて持続的な成長を実現するために、研究開発に積極的に資源を投入しております。当年度に発生した研究開発支出は899億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。なお、事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 農業支援システム「KSAS」の営農データをオープン化した「KSAS API」の開発「KSAS(注1)」に蓄積されている営農データを他社がサービス提供する各種システムで利用できるようにするため、システム開発者向けに「KSAS API(注2)」を開発しました。当社では、すでに官民共同の農業データ連携基盤「WAGRI」の「農機Open API」を介して当社の農業機械の稼働情報等のデータを提供しておりますが、さらにほ場情報、農薬情報、肥料情報、作業履歴といったKSASに蓄積されているデータもオープン化し、他社システムと容易に連携できるようになります。これによりKSASと他社システムを併用するユーザの利便性向上を図ることが可能となります。(注) 1 クボタスマートアグリシステム。当社が提供する営農・サービス支援システム。2 アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programing Interface)の略称。システム間連携を容易にするために、連携のルール・仕様を定義し、一部の機能を効率的に共有できる仕組み。 アグリロボトラクタ「MR1000AH (KVT仕様)」の開発アグリロボトラクタのラインアップを拡充し、無段変速KVT(注3)を搭載した「MR1000AH (KVT仕様)」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 有人仕様では、オペレータがトラクタに搭乗した状態での自動運転が可能です。ほ場の仕上がり状態の確認がしやすく、作業精度が向上するとともに、オペレータの疲労を軽減させます。また、未熟練者でも簡単に操作を行うことができます。無人仕様では、使用者の監視下において、トラクタの無人自動運転が可能です。標準装備の無線リモコンにより離れた位置からでも自動運転の開始や停止を行えるほか、監視タブレットでの耕深・車速の指示も可能で、ほ場内の状況に合わせた作業が行えます。保有トラクタとの同時作業を行うことで、大幅な作業効率の向上に貢献します。② ほ場外周走行によるマッピング操作及び作業に必要な情報を入力するだけで、ほ場形状に合わせた効果的な作業ルートを自動生成でき、未熟練者でも効率的な作業を行えます。スイッチを押すだけで、枕地幅を考慮した作業開始位置まで自動で移動できる機能により、ロス(過度の重複、残耕)の少ない作業を行えます。③ 「耕うん」・「代かき」・「粗耕起」・「肥料散布」・「播種」の作業に対応しております。使用するインプルメントの作業幅やサイズの任意設定が可能となり、使用可能なインプルメントを大幅に拡充しました。④ 直進オートステア機能を搭載しており、自動運転対象外の作業においても、直進時のステアリング操作はトラクタに任せることができるため、未熟練者でも各種作業を高い精度で行えると共に、作業能率も向上させることができます。ほ場中央部の自動運転作業後に残った枕地周り作業を自動操舵で行うことができる「ルートオートステア機能」と、前進だけでなく後進時も自動操舵を行うことができる「後進オートステア機能」を新たに追加しました。⑤ トランスミッションは無段変速KVTを採用し、変速操作なしで発進から最高速度までスムーズな走行が可能になりました。ノークラッチでのブレーキ停止が可能になるため、スムーズな発進ができることに加え坂道発進補助機能も備えており、登坂発進時のずり下がりも抑制します。クルーズ機能を搭載し、車速重視の作業においては負荷に応じてエンジン回転を自動で増減し車速を一定に保つため、作業効率が向上します。(注) 3 クボタ・バリアブル・トランスミッション(Kubota Variable Transmission)の略称。 たまねぎ調整機「KOC-10」の開発たまねぎ調整作業の軽労化、省力化に貢献するたまねぎ調整機「KOC-10」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 供給部と本体部の段差が小さいため、たまねぎの損傷を抑えられます。② たまねぎの根を振り子の軌跡で切断するため、高精度な根切りを行えます。③ 切断された根は排出コンベアにより機械外に自動排出されるため、定期的な清掃の必要がなく、連続運転が可能です。④ 供給部と本体部の配置が選択できるため、作業場に合わせたレイアウトが可能です。 当セグメントに係る研究開発支出は600億円です。 (2) 水・環境パイプシステム関連製品(ダクタイル鉄管、合成管等)、素形材・都市インフラ関連製品(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 マンホールポンプAI異常検知システム(デジタル版)の開発全国すべてのマンホールポンプに導入可能なAI異常検知システムを開発しました。主な特長は以下のとおりです。① ポンプの運転時間と運転回数による異常検知を実現したことにより、従来必要としていた電流値・流量・水位センサ等を追加せずに異常検知ができるようになりました。② 電流センサや水位センサのないマンホールポンプでも導入可能なほか、マンホールポンプのメーカーにかかわらず導入可能なため、従来のアナログ版のシステムでは25%程度であったカバー率が、100%(すべてのマンホールポンプに導入可能)となりました。③ 国土交通省「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択され、3つの自治体のマンホールポンプ201箇所で実証実験を行い、効率化効果や運用方法の確立等で十分な成果が得られたとの評価を受けました。 直胴型遠心脱水機(高遠心力モデル)「SCM-G型」の開発直胴型遠心脱水機のラインアップを拡充し、高遠心力モデル「SCM-G型」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 最大遠心効果を従来の2,500Gから3,500Gに高めたことにより、難脱水汚泥でも安定して低いケーキ含水率が得られます。② スクリュー軸の駆動に油圧モータ方式を採用したことにより、含水率が低下した脱水ケーキでも強力に搬送・排出できます。③ ケーキ発生量をデカンタ型に比べ、25%程度削減(注4)できます。④ 温室効果ガス(GHG)排出量をデカンタ型に比べ、87%程度削減(注5)できます。(注) 4 混合生汚泥を想定した場合のケーキ発生量。5 ケーキの焼却処理を想定。補助燃料の削減効果を含む。 当セグメントに係る研究開発支出は51億円です。 (3) その他・全社当社はK-ESG経営を推進しており、研究開発においても環境・社会課題の解決に資するイノベーションの創出に向けた取組みを加速しております。カーボンニュートラルでは、農業機械・建設機械についてBEV(注6)の製品化に向けた取組みや、燃料電池や水素等新動力源の実現に向けた取組みを行っております。また、これまで進めてきた燃焼効率向上等の低燃費化やバイオディーゼル含有率向上等の研究開発にも引き続き注力して取組んでおります。さらに、自動運転技術による作業ロス低減や最適省エネ運転、バイオマス(農業残渣や食料残渣)の活用等、多面的な取組みを結集することで、カーボンニュートラルを実現していきます。スマート農業については、他社に先駆けてトラクタ・コンバイン・田植機の自動運転技術を確立しておりますが、より一層使いやすい機械とすべく、AIや先進センサの活用研究等の取組みを進めております。天候情報、生育モデル、リモートセンシングの活用等、データ農業の取組みも現地実証を計画的に進めております。また、田んぼダムに関する研究等、営農支援システム「KSAS」、ほ場水管理システム「WATARAS(注7)」及び水環境プラットフォーム「KSIS(注8)」の連携に関する研究開発も計画的に進めております。(注) 6 バッテリー式電気自動車 (Battery Electric Vehicle)の略称。7 当社が提供する、水田の給水・排水をスマートフォンやパソコンでモニタリングしながら遠隔操作または自動で制御するシステム。8 クボタスマートインフラストラクチャシステム。水環境インフラ施設・機器向けのIoTソリューションシステム。 当セグメントに係る研究開発支出は248億円です。
FY2021|4,060 文字
5 【研究開発活動】当社は食料・水・環境を一体のものとして捉え、技術とソリューションを通じてこの3つを正しく循環させることで持続可能な社会の実現をめざしております。近い将来起こり得る社会課題を予見し、それを見越した製品開発と新たなサービス・事業の創出を通じて、より一層社会に貢献していきます。これに向けて、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。また、当社は、中期経営計画2025のテーマの一つとして「次世代を支えるGMB2030の実現への基礎づくり」を掲げ、グローバル規模での競争を勝ち抜いて持続的な成長を実現するために、研究開発に積極的に資源を投入しております。当年度に発生した研究開発支出は675億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。なお、事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 インド市場向けトラクタ「MU5502」の開発台数ベースで世界最大規模のトラクタ市場であるインドでは需要が拡大し続けており、当該市場に適したトラクタ「MU5502」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① インドのエスコーツ Ltd.との合弁製造会社であるエスコーツクボタインディアPvt.,Ltd.での部品調達、現地生産により、調達・物流・生産コストを削減し、機能・性能・品質だけでなく、価格面でも現地お客様に受け入れられる製品としました。② 現地でのテストを通して、作業に適したエンジンのチューニングや車速段の追加・車速設定等を行い、作業効率の向上や低燃費を実現しております。高いクッション性を持つシートは、道路事情の悪いインドにおいて作業時のみならず移動時もオペレーターの疲労軽減につながります。また、容量を上げたヘッドランプにより、夜間の作業や移動の多い現地においても安心して作業・運転ができます。このような工夫を数多く施すことで、運転時の作業性、安全性、快適性がトータルで高いレベルにあります。③ オーバーヒート注意喚起ランプやエアフィルターの目詰まりランプの追加、ワイヤーハーネスの分割化等、お客様の日常メンテナンスはもちろん、ディーラーでの整備も快適で高効率となるよう設計を行いました。 産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D902-K」の開発小型エンジン専用に開発された独自のコモンレールシステムを搭載し、クボタオリジナル燃焼システムである新燃焼方式TVCR™を採用した電子制御ディーゼルエンジン「D902-K」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 始動時、加速時、急負荷時においても、視認できないレベルまで黒煙の排出を抑えました。北米EPA(注1) Tier4、欧州Stage V及び中国4次規制への対応に加え、車両を対象とした規制である中国スモークⅢ類にも対応しております。② コンパクトな体格や作業性の良さを維持したまま、従来機全負荷時燃費に対し約5%の改善を実現しました。なお、外観寸法、吸排気位置、エンジンマウント取り付け位置及びPTO(注2)については従来機から変更しておらず、容易な載せ替えが可能です。③ CAN(注3)通信が可能であり、これにより車両からの信号でエンジンの回転/トルクを制御することができます。また、テレマティクスに必要なエンジン運転データをCAN経由で取得可能です。④ 機械式制御では実現できなかったトルク特性により、急負荷時の回転低下を抑制し、ドライバビリティ・作業効率を向上させます。(注) 1 Environmental Protection Agencyの略称。米国環境保護庁。市民の健康保護と自然環境の保護を目的とするアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。2 Power Take Offの略称。エンジン動力を作業機械用の動力として取り出すための機構。3 Controller Area Networkの略称。ISOにて国際的に標準化されたシリアル通信規格。ホストコンピューターなしで、マイクロコントローラやデバイスが相互に通信できます。 立ち乗り型小型建設機械「SCL1000」の開発米国市場で、狭所での作業性と乗降のしやすさ、また視界に妨げがないことによる操作性の良さから需要が増えている立ち乗り型小型建設機械(CUL:The compact utility loader)を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① CULは前方部に装着するアタッチメントを取り換え、芝刈りや掘削、木材や干し草の運搬等の幅広い用途で活用できることをセールスポイントとしておりますが、「SCL1000」は研究開発、調達、製造、販売を全て北米人員で行っており、機械本体だけでなく、輸送に至るまでムダが無い現地に適した設計になっております。② 軽量小型かつ出来る限り広いクローラ幅のバランスを見極め、低燃費で高い運動性能ながら芝の損傷を最小限に抑えることを可能としました。③ 立ち乗り型小型建設機械においても快適性は重要と考え、オペレーターの疲労を最小限にする設計を行いました。 当セグメントに係る研究開発支出は524億円です。 (2) 水・環境パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 水道管路の新たな老朽度評価方法の開発東京大学との共同研究により、水道管として最も多く使用されているダクタイル鉄管(鋳鉄管を含む)の新しい老朽度評価方法を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 機械学習(AI)を活用して新しい「老朽度評価モデル」を構築することで、従来の老朽度予測と比べて精度を大幅に向上させることが可能となりました。② 管路ごとの予測漏水件数(件/年/㎞)の算出や現状の漏水危険度、将来の漏水危険度マップの提示、管路ごとの更新優先順位の提示が可能です。③ 樹脂管等、ダクタイル鉄管(鋳鉄管含む)以外の管路に対しても高精度な老朽度評価を行うことができ、効率的かつ経済的な水道管路更新計画の立案に貢献します。 水田の水位を自動制御する「スマート農業用水管理システム」の開発河川から農業用水をくみ上げる既設の揚水ポンプと水田の給水栓を電動で操作する装置「WATARAS」を連動させて、水田の水位を自動制御できる「スマート農業用水管理システム」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 自動で水田の水位を制御することで、大幅な省力化に加え、省エネや水資源の有効活用が可能になります。農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の研究では、「WATARAS」を活用すれば、水管理に要する労働時間が約8割削減、出穂から収穫までの用水量は約5割減少するというデータが出ており、本システムではさらに大きな効果が期待できます。② 揚水ポンプの運転状態や各水田の給水栓開閉状況、水位不足の情報を「KSIS(注4)」のウェブサイトでリアルタイムに確認可能です。(注) 4 クボタスマートインフラストラクチャシステム。様々な水環境インフラ施設や機器を遠隔監視・診断・制御する当社独自のクラウドシステム。 当セグメントに係る研究開発支出は60億円です。 (3) その他・全社当社はK-ESG経営を推進しており、研究開発においても環境・社会課題の解決に資するイノベ-ションの創出に向けた取り組みを加速しております。喫緊の課題であるカーボンニュートラルでは、電動農業機械・建設機械についてBEV(注5)トラクタとBEVミニバックホーの製品化に向けた取り組みを加速しております。また、燃料電池トラクタの研究を、農村部における水素インフラや水素充填方式のあるべき姿を検討するため、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証事業も活用して進めております。これらの新動力源の取り組みだけでなく、燃焼効率向上等の低燃費化やバイオディーゼル含有率向上等のこれまでに進めてきた研究開発も引き続き注力していきます。これらに、自動運転技術による作業ロス低減や最適省エネ運転、バイオマス(農業残渣や食料残渣)の活用等、多面的な取り組みを結集することで、カーボンニュートラルを実現していきます。近年注力しているスマート農業については、前年度の時点で他社に先駆けてトラクタ・コンバイン・田植機の自動運転技術を確立しておりますが、より一層使いやすい機械とすべく、AIや先進センサの活用研究等のさらに高度な取り組みを進めております。天候情報、生育モデル、リモートセンシングの活用等、データ農業の取り組みも現地実証を計画的に進める等の充実したものになりました。また、田んぼダムに関する研究等、営農支援システム「KSAS(注6)」、圃場水管理システム「WATARAS」、水環境プラットフォーム「KSIS」の連携に関する研究開発も着実に推進できました。材料や解析等の基盤技術にAIやDX等の先進技術を組み合わせることで、今までより大幅に研究開発期間を短縮すると共に、研究開発の質の向上を図る等の技術基盤の抜本的底上げにも取り組みました。(注) 5 Battery Electric Vehicleの略称。バッテリー式電気自動車。6 クボタスマートアグリシステム。当社が提供する営農・サービス支援システム。 当セグメントに係る研究開発支出は91億円です。
FY2020|2,781 文字
5 【研究開発活動】当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度に発生した研究開発支出は584億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 自動運転農機 アグリロボ田植機「NW8SA」の開発田植え作業の省人化と作業効率向上に貢献するアグリロボ田植機「NW8SA」有人仕様・無人仕様の2型式を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 直進、旋回を含む自動運転により圃場全面の田植え作業を行う全面匠植えです。最初に圃場の最外周を有人で走行して圃場マップを取得すると、圃場マップに応じた最適な作業経路が自動生成され、その作業経路に従って自動運転田植え作業を行います。② 無人仕様は、超音波ソナーを前方・側方・後方に装備して、障害物を検知すると自動で停止します。また有人仕様・無人仕様ともにボイスアラームを搭載しており、注意ポイントを音声でお知らせします。操作方法も音声でガイドするので、操作に不慣れな方でも安心して使用できます。③ KSAS(注1)を利用することで、パソコン上で圃場1枚をメッシュ状に分割した施肥計画を立てることができ、このデータと田植機を連動させることで、計画どおりの施肥作業をすることが可能になります。これにより稲の生育バラつきを抑え、食味と収量の安定を図ることができます。(注1) クボタスマートアグリシステム。当社が提供する営農・サービス支援システム。 建設機械の故障診断アプリ「Kubota Diagnostics」の開発スマートフォンで建設機械の故障診断を効率化するアプリ「Kubota Diagnostics」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 機械が発するエラーコードや不具合症状をアプリに入力することで、自動的に点検箇所や修理方法が示され、診断を効率化・迅速化します。② スマートフォンのカメラを製品にかざすことで、3DモデルとAR(注2)による故障箇所ガイダンスが参照でき、作業の効率化に貢献します。これにより、故障した機械の停止時間(ダウンタイム)を削減します。③ 故障情報を当社が効率的に収集できるため、アフターサービスの品質向上や故障予知等に役立てます。(注2) Augmented Realityの略称。実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張するもの。拡張現実。 粉粒体供給装置 微量フィーダ「NX-T12」の開発粉粒体状の原料を生産設備等にごく微量ずつ連続供給することができる粉粒体供給装置である微量フィーダ「NX-T12」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① ホッパやアジテータに独自の形状・方式を採用することによって、流れが悪い原料も滞留なく供給できるとともに、原料の供給流量の測定精度を高めました。また、スクリュへの充填効率も安定化することにより、1時間あたり10mlの繊細な原料供給にまで対応できます。② 大型カラー画面と簡単キー操作によって、設定流量と現在の実績流量がひと目でわかります。③ 特殊工具なしで容易に分解、清掃できる構造のため、原料を替える時の清掃が楽にできます。ボルト脱落防止機構により、異物混入リスクも低減しております。 当セグメントに係る研究開発支出は496億円です。 (2) 水・環境パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 ポンプゲート「AI診断システム」の開発浸水対策のために河川や排水路に設置されるポンプゲートに利用できる「AI診断システム」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① 水のない状態での空運転による点検運転が可能になりました。② 点検運転時の電流データ、潤滑油温度、絶縁抵抗値から、AIがポンプの健全度を診断し評価することにより、状態監視保全ができるようになりました。③ お客様が保有するタブレットにアプリをインストールすることによって、診断結果をWEBページで閲覧できるようになり、導入コストや通信費用の低減が図れるようになりました。④ 機器の点検記録の入力フォームを搭載しており、入力したデータはクラウドで一括管理が可能になり、点検データの転記や集計にかけていた時間を削減できるようになりました。 高集積型液中膜ユニット「SP900-A」の開発従来製品に比べ、処理能力を大幅に増強した高集積型液中膜ユニット(注3)「SP900-A」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。① ろ過機能を従来製品と同等に維持しつつ、また使用環境への耐久性を備えさせながら、膜エレメントの厚みを低減させたことによって、膜モジュール1台あたりの膜エレメントの枚数を増加させ、12.5%増の膜充填率(装置設置面積あたりの膜面積)を実現しました。② ユニットのフレーム強度を向上し、搭載できる膜モジュール数を最大12段から16段にまで増加(33.3%増)させることが可能になりました。③ これらによって従来の最大型式である「SP600」に比べて50%増の膜充填率を実現し、排水処理設備の省スペース化が図れるようになりました。(注3) 高度な排水処理方式のひとつである膜分離活性汚泥法に使用される膜ろ過装置。 当セグメントに係る研究開発支出は46億円です。 (3) その他・全社全社の基盤技術であるメカトロ・センシング・情報通信・高精度制御・AIの高度化を強力に推進しました。これにより、国内・欧米・アセアンのスマート農業システム、水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム、モノづくりを革新する社内工場向けの画像認識技術・自動化システム・データ分析技術の研究開発を加速させました。また、農建機の電動化等、カーボンニュートラルに向けた研究開発にも注力し、製品化に向けて大きく進展しました。 当セグメントに係る研究開発支出は43億円です。
FY2019|2,805 文字
5 【研究開発活動】当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度に発生した研究開発支出は594億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 自動運転農機 アグリロボトラクタ「MR1000A」(無人仕様)の開発トラクタ事業では、アグリロボトラクタ「MR1000A」の無人仕様を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①無線リモコンで各種操作ができるので、離れた位置からでも自動運転の開始や停止の操作が行えます。無人運転の対象作業が、「耕うん」・「代かき」・「肥料散布」・「粗耕起」まで増えます。②圃場外周走行によるマッピング操作、及び作業に必要な情報を入力するだけで、圃場形状に合わせた最も効率的な作業ルートを自動生成できるので、未熟練者でも効率の良い作業が行えます。作業開始位置までスイッチひとつで自動で移動できる機能によって、ロス(過度の重複、残耕)の少ない作業が行えます。③有人状態での直進オートステアリング機能を搭載しており、自動運転対象外の作業においても、直進時のステアリング操作はトラクタに任せることができるので、高精度な直進作業が行えます。④障害物を検知するレーザーやソナーを装備し、障害物に近づくと自動運転を停止します。また自動運転作業時、機体がマッピングした圃場からはみ出る・機体が作業経路から外れる等の状況になった場合、自動運転を停止させる安心サポート機能を装備しております。 ラジコン草刈機「ARC-500」の開発農業ソリューション事業では、ラジコン草刈機「ARC-500」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①操作が容易なプロポ(送信機)を使い、2本のスティックで簡単に前進後退と左右方向の操作ができます。刈刃の回転のオン/オフやエンジン停止も遠隔操作できるので安心して作業が行えます。②最大40度の斜面でも安定した作業ができます(注:条件によります)。法面の角度に応じて自動的に車輪の向きを調整し、ずり落ちを緩和する「等高線直進アシスト機能」を搭載しており、車体の向きを細かく確認・修正する作業が減り、オペレータの負担を軽減します。③高さ600mmまでの草を刈り取れます(注:条件によります)。高さを変えて上下に配置した4枚の刈刃が草を細かく切断するため、作業後に草を集める必要がありません。硬い草や障害物に当たると刃が逃げるフリー刃機構が機体を衝撃から守ります。④消耗部品である刈刃は、機体側面のカバーを外して、機体を持ち上げることなく交換できます。 農業機械の稼働管理サービス「MY農機」の開発お客様のスマートフォン上で農業機械の位置や稼働状況等を簡単に確認できる「MY農機」サービスを開発しました。運転席の操作パネルに表示される対象機械の異常や燃料の残量等、各種情報を管理者向けにわかりやすく見える化することで、担い手農家の「順調作業」をサポートします。主な特長は以下のとおりです。①無料でご利用いただけます。②稼働中の機械の位置や当日の稼働時間がスマートフォンの画面上に表示され、作業のおおまかな進捗状況が把握できます。さらに機械に異常が生じた場合はその内容と対処法も確認できるので、速やかな応急処置が可能になります。③機械ごとの作業時間内訳、燃料消費量等が1日単位で2ヶ月分確認できるので、管理者と作業者(オペレータ)の作業の振り返りや改善に役立ちます。また、定期交換部品の交換タイミングのアラートが表示されるので、メンテナンスのタイミングが把握でき、さらに画面をタップすると交換手順を確認することができます。 当セグメントに係る研究開発支出は505億円です。 (2) 水・環境パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、バルブ、素形材、スパイラル鋼管等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 シールドトンネル内配管用耐震型ダクタイル鉄管「US形R方式」の開発パイプインフラ事業では、大都市水道の基幹管路として使用される大口径ダクタイル鉄管の新しい耐震継手「US形R方式」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①新しい継手構造により接合時間の大幅な短縮がはかれるようになりました(注:旧継手「US形LS方式」との比較によります)。②角度付き直管のラインアップにより配管本数を削減でき、曲線区間の管路布設費の低減をはかれるようになりました。③トンネル内配管での管搬送において、従前のように1本ずつではなく、複数本同時に搬送できる新たな台車を開発したことにより、工事期間の短縮がはかれるようになりました。 AIによるマンホールポンプ監視システムの開発環境事業では、マンホールポンプ(家庭から排出される生活汚水を下水処理場へ送る設備)を遠隔で監視するシステムにAIを導入するシステムを開発しました。主な特長は以下のとおりです。①AIが人の代わりに運転データ(水位と電流値)を監視・分析することによって、異常な運転状態を早期に知らせることが可能になりました。通常時と異なる運転をしていた場合には、1日に1回、監視画面上に通知します。また設備が緊急停止する前に異常運転を把握することにより、事前に対策が打てる等、効率的な維持管理が可能になります。②ICTの活用により、修繕・更新履歴・点検結果等を登録できる台帳をクラウド上に作成することができ、一元管理ができるようになりました。③当社製通報装置「MU-1000」シリーズを設置すれば、別途特別な機器の購入は必要ありません。 当セグメントに係る研究開発支出は49億円です。 (3) その他・全社全社の基盤技術であるメカトロ・センシング・情報通信・高精度制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくりを革新する社内工場向けの画像認識技術・自動化システム・分析要素技術開発、水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム、スマート農業及び施設園芸関連技術等の研究開発に取り組んでおります。 当セグメントに係る研究開発支出は39億円です。
FY2018|2,893 文字
5 【研究開発活動】当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度に発生した研究開発支出は558億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 担い手向け5条刈・6条刈コンバイン「ディオニス」の開発収穫機事業では、担い手農家向け自脱型コンバイン「ディオニス」を開発し、大型のフラッグシップ機を10年ぶりにフルモデルチェンジしました。主な特長は以下のとおりです。①国内特殊自動車排出ガス4次規制適合の高出力クリーンエンジンを搭載することで、作業能率向上を図ると同時に湿田作業や多収米・飼料用米の収穫等の高負荷作業も余裕をもって行えるようになりました。②GPS、3G通信機器、無線LANを内蔵した「直接通信ユニット」の採用により、キーONするだけで位置情報・作業情報・稼働情報が自動的にKSAS(クボタスマートアグリシステム)のサーバーに送信されるため、作業日誌作成のためのデータ送信作業が不要になりました。さらに、収穫作業をしながら圃場単位で収穫物の食味・収量を測定できる「食味・収量センサ」仕様に「食味収量メッシュマップキット」を加えることで、圃場内のより細かい単位(5m/10m/15m/20mの4段階)ごとの食味・収量のバラツキをパソコン画面上に色の濃淡で表示して「見える化」しました。これにより、翌年の品質・収量向上のための圃場改善や土作り、施肥計画に役立てることができます。③グレンタンク側板、カッタ後部カバーを開閉可能にすることで頻繁に清掃する箇所のメンテナンス作業を容易に行えるようになりました。 担い手向け6条植・8条植田植機「ナビウェル」の開発移植機事業では、低コスト稲作を志向する担い手農家向けにGPSを活用して高精度化、低コスト化に寄与する新機能を搭載した田植機「ナビウェル」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①GPSによる車速情報からスリップ補正ができるため、設定した株間で植え付けができるようになりました。これにより株間が狭くなることがないため余分な苗が不要となりコスト削減が図れ、安定した稲の生育も期待できます。②植え付けと同時に施肥を行う場合にもGPSの車速情報でスリップによるバラツキが補正されるため、設定した施肥量で散布でき、余分な肥料を使わずコスト低減が図れるようになりました。③GPSの位置情報を利用してステアリングを自動で補正する「直進キープ機能」に加え、「条間アシスト機能」を装備することで、圃場の端でターンをしたときに条間がずれても自動で補正できるようになりました。さらに、隣接の苗を踏んだり、苗と苗の間が広がり過ぎたりしないため、不慣れなオペレータでもきれいに田植えをすることができるようになりました。④KSASと連動することで、圃場ごとに設定した施肥量や植付株数(株間)等が自動で設定できるようになりました。 欧州向けミニバックホー「KX037-4」の開発建設機械事業では、欧州の3-4tクラスのミニバックホー市場へフルモデルチェンジ機を導入すべく「KX037-4」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①操縦席周辺のベース設計を見直し、4-5tクラスのキャビンを搭載できるようにすることで、居住空間及び乗降口を拡大しました。また、エンジン配置の見直しにより、騒音規制に適合しつつヒートバランス性能を大きく改善し、エアコン搭載を実現しました。②前置きデジタルメータの採用により作業状況の視認性が向上し、オペレータの疲労低減を実現しました。③2019年からの欧州排ガス規制StageⅤに対応するため、現行機搭載の過流(IDI)式22.9kWエンジンに替えて直噴(DI)式18.5kWエンジンを搭載しました。その上で、油圧のチューニング、圧力損失の低減を行うことで、現行機同等の作業性能を実現しました。 当セグメントに係る研究開発支出は466億円です。 (2) 水・環境パイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 下水圧送管路の腐食診断技術「スネーくん」の開発パイプシステム事業では、下水圧送管路の腐食破損に起因する漏水・道路陥没事故の未然防止を図るための定期的な調査・診断が行える下水圧送管路の腐食診断技術「スネーくん」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①管路断面図と流量から非満流となる場所を腐食危険箇所として机上で事前に絞り込めるようになりました。②ビデオカメラ調査により管路内の腐食の有無を判断できるようになりました。③腐食危険箇所の空気弁設置場所から30mの範囲を土木工事不要で調査可能にしました。これにより下水圧送管路の維持管理を安く・早く・正確に行うことができるようになり、さらに、改築・更新の計画が容易に立案できるようになりました。 省エネMBRシステム(SCRUM)の開発環境事業では、国内の小規模下水市場で実績のあるMBR下水処理システムを中大規模処理場へも普及させるために、集積度を向上させた液中膜ユニットと曝気風量制御技術の融合により電力使用量を大幅に削減可能な省エネMBRシステム「SCRUM」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①従前のMBRシステムに比べて消費電力約50%削減を実現し、電力使用量を従前の高度処理法と同等以下の0.22kWh/㎥まで削減することが可能になりました。②曝気風量制御技術として各種センサ情報を基に膜ろ過圧力予測モデルを用いて、膜洗浄風量を最適値へ自動的に制御できるようになりました。また、処理水のNH4-N濃度を基に硝化に必要な空気量を確保しながら補助散気風量を最小化する制御技術を開発しました。 当セグメントに係る研究開発支出は52億円です。 (3) その他・全社全社の基盤技術であるメカトロ・センシング・情報通信・高精度制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくりを革新する社内工場向けの検査装置・監視システムの開発、水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム及びスマート農業関連技術等の研究開発に取り組んでおります。 当セグメントに係る研究開発支出は40億円です。
FY2017|2,985 文字
6 【研究開発活動】当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度の研究開発費は481億円であり、事業別セグメントごとの研究開発費及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発費及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究費等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械、電装機器等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 自動運転農機アグリロボトラクタ「SL60A」の開発トラクタ事業では、ファームパイロット(Farm Pilot)シリーズと称するGPS農機第三弾として、自動運転農機アグリロボトラクタ「SL60A」を業界に先駆けてモニター販売しております。主な特長は以下のとおりです。①有人監視下で、リモコンからの遠隔指示により無人による自動運転作業(耕うん、代かき)ができるようになりました。また、作業者1人で無人機と有人機を使用した2台協調運転作業や同時作業も可能となり、省人化と高効率化を実現しました。②直進時のハンドル操作が不要な自動操舵(オートステア)機能を装備しており、あぜ塗りや肥料散布等で高精度な直進作業が可能となりました。③多様な安全装置を装備しました。例えば、障害物をレーザスキャナーや超音波ソナーで検知した場合や、リモコン、RTK-GPS基地局からトラクタが一定以上離れたり、設定の作業経路を大きく外れたりした場合に自動で停止するようになりました。また、監視者はトラクタに搭載された4台のカメラからのトラクタ周囲画像をターミナルモニタやタブレットで確認できるほか、自動運転中は状態表示灯が点灯することでトラクタの動作状態が確認できるようになりました。 ウインチ型パワーアシストスーツ「WIN-1」の開発農業ソリューション事業では、農業分野における重量物運搬時の軽労化ニーズに応えるため、ウインチ型パワーアシストスーツ「WIN-1」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①ウインチワイヤーによる最大20kgの牽引力で重量物の多段積み上げ・積み下ろし作業を補助し、最大30kgまでの荷物であれば腕の力をほとんど使わずに吊ったままでの移動ができるウインチアシスト機能を備えました。②左右のアームで太ももを押すことで上半身の起き上がりを補助し、地面近くからの重量物の持上げや荷下ろしの際の腰の負担を軽減する腰アシスト機能を備えました。③腰にしっかりとフィットする装着方式の採用により荷物や製品本体の重みを下半身に分散して重量感を軽減させ、フレームにはカーボンファイバー素材を使用することで軽量化と省スペース化を両立し、狭いところ等でも作業しやすい製品にしました。④手元のスイッチの簡単な操作だけで自然なフィーリングで作業を行うことができ、作業初心者から熟練者までの幅広いユーザに対応した3段階のアシストモードを備えました。 産業用大型ディーゼルエンジン「V5009(排気量5.0L)」の開発エンジン事業では、新しいディーゼルエンジン「V5009(排気量5.0L)」を開発しました。このエンジンは排ガス後処理装置として、排気中の窒素酸化物浄化技術(SCR)や粒子状物質を捕集するフィルター(DPF)を採用し、2019年から欧州で施行される欧州StageⅤに適合します。主な特長は以下のとおりです。①コンパクトな4気筒エンジンで213.9馬力(157.3kW)の高出力を提供し、同じ出力クラスで最高レベルの低燃費性能を達成することで高出力かつ低燃費を実現しました。②動力の取り出し口(PTO)のオプションを3箇所採用することで建設機械・産業機械側の設計柔軟性を実現しました。③自動ベルトテンショナーの採用、またメンテナンス部品を片側に集めることによりメンテナンス及びサービス性の向上を実現しました。今後はこれまでの当社の強みであった100馬力以下エンジンのラインアップに加え、100馬力以上エンジンのラインアップを拡充し、200馬力以下での世界No.1の産業用ディーゼルエンジンメーカーをめざします。 当セグメントに係る研究開発費は382億円です。 (2) 水・環境パイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 鋼管杭・鋼管矢板の新型機械式継手「ラクニカンジョイント(ステップ型)」の開発素形材事業では、建設構造物を支える基礎杭として活用されている鋼管杭・鋼管矢板の機械式継手(ラクニカンジョイント)を素材から構造まで見直し、あらゆる施工法に適用でき、さらなるコスト競争力を持つ新型機械式継手「ラクニカンジョイント(ステップ型)」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①鋼管の外径・板厚によらず、1箇所の接合時間を約5分と従来の半分の時間にすることで鋼管杭の接合工程をさらに短縮し、コスト削減を実現しました。②荷重伝達キーの構造の改良及び使用部品の挿入固定ボルトへの変更により、取り外し機能のレベルアップを図りました。③施工技量や施工方法、施工条件によらず誰でも簡単に接合可能であるため、国内外の鋼管杭・鋼管矢板の施工現場で適用可能となり、あらゆる施工法に対応した接合品質を確保できるようになりました。 水環境分野におけるIoTを活用した新サービス(KSIS)の開発水環境分野においてIoTを活用した新サービス「クボタスマートインフラストラクチャシステム(KSIS)」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①これまでの5,000を超える施設の遠隔監視の実績をベースに、機器の監視から診断の一連の業務サイクルにIoTを活用し、施設の遠隔監視のソリューションを提供することで維持管理の簡素化を図りました。②機器・プラントメーカーであるクボタと施設の維持管理サービスを行うクボタ環境サービス㈱をはじめとするグループ各社が一体となり、監視及び診断データに基づく維持管理のサービスを提供できるようになりました。③2016年に開始したNTTグループとの連携協定にもとづき、AI技術を用いたポンプや水処理設備等の診断装置や、省エネ運転を実現する新しい製品・サービスの開発、提供にも取り組んでおります。 当セグメントに係る研究開発費は54億円です。 (3) その他・全社全社の基盤技術である光画像・センシング・情報通信・高精度制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくり・システムを革新する社内工場向けの検査装置・監視システムの開発、食料・水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム技術開発等に取り組んでおります。 当セグメントに係る研究開発費は44億円です。
FY2016|2,797 文字
6 【研究開発活動】当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。当年度の研究開発費は430億円であり、事業別セグメントごとの研究開発費及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発費及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究費等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。 (1) 機械農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械、電装機器等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 担い手農家向け普通型コンバイン「ERH450」の開発収穫機事業では、水田の有効活用として作付面積が堅調に増加している大豆、麦、そば、雑穀等を収穫する普通型コンバイン「ERH450」を開発しました。主な特長は、以下のとおりです。①国内特殊自動車排出ガス3次規制に対応したエンジンを搭載し、クリーンな排気を実現しました。②脱穀方式として、「こぎ胴」を従来の「ドラムタイプ」から独自の脱穀機構である「バータイプ」としたことで、脱穀部の空間が広くなり、作物をもんだり、抑え込まずに逃がすため、品質の良い作物の高精度かつ高能率な収穫を実現しました。③運転席前方マルチワンレバーにモンロー(水平制御装置)左右、モンロー水平復帰スイッチを追加し、運転席左側マルチシフトレバーにワンタッチ副変速スイッチを追加しました。主な操作を2本のレバーに集約することにより、効率的に作業ができるようにしました。④キャビン内のエアコンの配置を後方に変更し、キャビンに乗ったまま後方が確認できるバックモニタを装備することで、キャビンの居住性を向上させました。⑤無線LANユニットを標準装備し、クボタスマートアグリシステム(KSAS)に対応できるようにしました。 直進キープ機能付田植機の開発移植機事業では、ファームパイロット(Farm Pilot)シリーズと称するGPS農機第一弾として、業界初となるGPSを活用した直進キープ機能付田植機ラクエル「EP8D-GS」(8条植)を開発しました。主な特長は、以下のとおりです。①直進時に自動操舵できる機能(直進キープ機能)の搭載により、高い精度が求められる田植作業において、未熟練者は簡単に真っすぐ田植ができ、熟練者は直進操舵のストレスから解放されるため、作業負担を軽減できます。②安心サポート機能を搭載し、緊急時の手動ハンドル操作を可能にしました。また、あぜ接近時の警報や圃場外での直進キープ機能の誤使用を防止できるようにしました。③多搭載予備苗台(レール8枚、段積8枚)により、通常の田植機よりも苗を多く搭載できるので、あぜからの補給回数を少なくでき、また苗を補給する際の補助者の省人化を可能にしました。 国内向け大型トラクタの開発トラクタ事業では、国内の畑作、酪農農家の担い手の営業規模拡大に対応するために、2015年から欧米で先行販売していた畑作用大型トラクタの国内仕様「M7シリーズ」を本格投入しました。M7シリーズでは、170馬力のM7-171、150馬力のM7-151、130馬力のM7-131をライン・アップしました。主な特長は、以下のとおりです。①国内特殊自動車排出ガス4次規制に対応したエンジンを搭載しました。また、高負荷作業時にエンジン出力を維持するため、最大20馬力のパワーブースト機能を搭載しました。②シンプル機能のスタンダード仕様(S仕様)、高機能のプレミアム仕様(P仕様)、高機能かつ無段変速ミッション(KTV)のプレミアムハイ仕様(H仕様)の3つのグレードを設定しました。③P仕様とH仕様には、GPS(全地球測位システム)信号の受信位置や車速等から、自動的に前輪の切れ角を調整するオートステアリング(自動操舵)機能を内蔵した「GF仕様」を採用し、ファームパイロット(Farm Pilot)シリーズのライン・アップ拡充を図りました。 当セグメントに係る研究開発費は331億円です。 (2) 水・環境パイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。 低価格耐震型ダクタイル鉄管「NECS(ネクス)」の開発パイプシステム事業では、水道管路の更新・耐震化を進めている事業体の様々な要望に応えるため、技術開発により、低コスト・軽量化を実現した「NECS(ネクス)」を耐震型ダクタイル鉄管のライン・アップに拡充しました。主な特長は、以下のとおりです。①管厚を薄肉化することで、NS形3種管に比べ約2割軽くなり、現場での取り扱いが容易になりました。②挿し口突部に溶接ビード突起を採用し、従来製品と同等の3DkNの離脱防止性能を確保しました。③内面塗装は粉体塗料に珪砂を所定の混合比率で吹き付けた新しい塗装へと変更しました。技術開発と生産工程の抜本的な見直しにより、大幅なコストダウンを実現した低価格耐震型ダクタイル鉄管をライン・アップできたことで、これまで財政上の理由で耐震型ダクタイル鉄管の採用に踏み切れなかった水道事業体においても採用が進んでおり、ライフサイクルコストが低減された安全安心な管路構築ができると高評価を得ております。 大型コンパクト浄化槽「KTZ型」の開発浄化槽事業では、下水道整備区域外の集合住宅や宿泊施設等向けの汚水処理施設として業界最小クラスのサイズにコンパクト化した大型浄化槽「KTZ型」を開発しました。主な特長は、以下のとおりです。①各単位装置の機能を向上させ、処理性能を損なうことなく、本体槽をコンパクト化しました。この結果、施工する際の掘削土量の減量、施工資材の減少につながり、工事費の低減を可能にしました。②処理性能は、処理水中に含まれる懸濁物質を除去するための担体ろ過技術の開発により、BOD(生物化学的酸素要求量)20mg/L以下に加え、新たにSS(浮遊物質量)10mg/L以下の清澄な処理水を実現しました。 当セグメントに係る研究開発費は56億円です。 (3) その他・全社全社の基盤技術である光画像・情報通信・制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくり・システムを革新する検査技術開発、食料・水・環境ソリューション向け遠隔監視・診断システム技術開発等に取り組んでおります。 当セグメントに係る研究開発費は43億円です。