事業の概要
- 多角的な事業展開:クボタグループは、機械、水・環境、その他の3つの主要事業セグメントを通じて、多種多様な製品とサービスを提供しています。これは、特定の市場の変動リスクを分散し、幅広い顧客ニーズに対応することで安定的な収益基盤を築くビジネスモデルと言えます。
- グローバルな製造・販売網:国内外に207社の関係会社(連結子会社190社、持分法適用会社17社)を展開し、製品の製造から販売、サービスまでを一貫してグローバルに行っています。特に農業機械や建設機械は海外での製造・販売も活発で、国際市場での存在感が収益に大きく貢献しています。
- 金融サービスによる支援:製品の販売を促進するため、国内外で小売金融サービス(ローンやリースなど)も提供しています。これにより、顧客は高額な農業機械や建設機械を購入しやすくなり、製品販売の機会を拡大するとともに、金融事業自体も収益源の一つとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 機械事業:トラクタ、コンバインなどの農業機械、建設機械、そしてそれらに使われるエンジンが主要な製品です。国内外に製造・販売拠点を持ち、特に海外での売上が大きく、グローバル市場で存在感を示しています。農業の効率化やインフラ整備に貢献する製品を提供し、クボタグループの主要な収益源となっています。
- 水・環境事業:ダクタイル鉄管や合成管といったパイプシステム、反応管や空調機器などの産業機材、上下水処理装置や廃棄物処理プラントなどの環境関連製品を扱っています。社会インフラの整備や環境保全に貢献する事業で、安定した需要が見込まれます。製造・販売だけでなく、施設の運転・維持管理、設計・施工も行っています。
- その他事業:物流サービス、屋根材や外壁材の製造・販売など、上記の主要事業を補完する多様なサービスや製品を提供しています。これらの事業は、クボタグループ全体の事業基盤を強化し、顧客への総合的なサービス提供を可能にしています。久保田(中国)投資有限公司のような海外の投資会社もこのセグメントに含まれます。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは当社及び国内外207社の関係会社(連結子会社190社及び持分法適用会社17社)により構成され、機械、水・環境、その他の3事業セグメント区分にわたって多種多様な製品・サービスの提供を行っております。当社(以下、原則として連結子会社を含む)の各事業セグメントにおける主要品目及び主な関係会社は以下のとおりです。また、当社はIFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲に含まれる連結子会社及び持分法適用会社はIFRS会計基準に基づいて決定しております。「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」における関係会社の範囲についても同様です。 (1) 機械主として農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械の製造及び販売等を行っております。① 主要品目農業機械及び農業関連商品トラクタ、耕うん機、コンバイン、田植機、芝刈機、ユーティリティビークル、その他農業機械、インプルメント、アタッチメント、ポストハーベスト機器、野菜機械、中間管理機、その他関連機器、ミニライスセンター、育苗・精米・園芸施設、各種計量・計測・制御機器及びシステムエンジン農業機械用・建設機械用・産業機械用・発電機用等各種エンジン建設機械ミニバックホー、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ、その他各種建設機械関連商品② 主な関係会社(製造・販売)[海外]クボタマニュファクチュアリング オブ アメリカ Corp.、グレートプレーンズマニュファクチュアリング,Inc.他グループ子会社16社、クボタファームマシナリーヨーロッパ S.A.S.、クボタバウマシーネン GmbH、クバンランド AS 他グループ子会社34社、久保田農業機械(蘇州)有限公司、サイアムクボタコーポレーション Co.,Ltd.、クボタエンジン(タイランド)Co.,Ltd.、エスコーツクボタ Ltd.他グループ関係会社8社(販売・サービス等)[国内]㈱北海道クボタ他農業機械販売会社12社、㈱クボタ建機ジャパン[海外]クボタノースアメリカ Corp.、クボタトラクター Corp.、クボタエンジンアメリカ Corp.、クボタカナダ Ltd.、クボタホールディングスヨーロッパ B.V.、クボタヨーロッパ S.A.S.、クボタ(ドイツランド)GmbH、クボタ(U.K.)Ltd.、クボタオーストラリア Pty Ltd.(小売金融)[国内]㈱クボタクレジット[海外]クボタクレジット Corp.,U.S.A.、サイアムクボタリーシング Co.,Ltd.、久保田(中国)融資租賃有限公司 (2) 水・環境主としてパイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境(各種環境プラント、ポンプ等)に係る製品の製造及び販売等を行っております。① 主要品目パイプシステムダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、排水集合管、各種建設工事等の設計・施工産業機材反応管、ハースロール、TXAX[ブレーキ用材料]、スパイラル鋼管(鋼管杭、鋼管矢板)、空調機器環境上下水処理装置及びプラント、ポンプ及びポンププラント、水処理用膜ユニット、各種用排水プラント、し尿処理プラント、廃棄物焼却・溶融プラント、廃棄物破砕・選別プラント、排煙脱硫装置、膜型発酵メタンプラント、浄化槽、民需向けバルブ ② 主な関係会社(製造・販売等)[国内]㈱クボタケミックス、日本プラスチック工業㈱、クボタ空調㈱[海外]クボタマテリアルズカナダ Corp.、クボタサウジアラビア Co.,LLC(運転・維持管理・補修等)[国内]クボタ環境エンジニアリング㈱(設計・施工)[国内]㈱クボタ建設 (3) その他主として各種サービスの提供等を行っております。① 主要品目その他物流等各種サービス、屋根材、外壁材② 主な関係会社(製造・販売等)[国内]ケイミュー㈱(各種サービス)[国内]クボタロジスティクス㈱[海外]久保田(中国)投資有限公司 〔事業系統図〕これらを図示すると概ね次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 営農支援システム「KSAS」やGS機能搭載製品の開発など、技術開発に注力している。 |
|---|---|
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の低迷による需要減退 / 原材料の価格高騰・調達難 / 国際的事業展開に伴うリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
クボタは、建設機械、農機、産業用エンジン、水環境インフラといった多岐にわたる分野で、長年培ってきた高い技術力とブランド力を持つ。特に、グローバル市場での「KUBOTA」ブランド認知度は高く、高品質な製品に対する信頼が競争優位の源泉となっている。特許取得件数も多く、技術的優位性を維持している。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建設機械や農機においては、オペレーターの習熟度やメンテナンス体制、既存の部品供給網などから、他社製品への乗り換えには一定のコストや手間が発生する。しかし、製品のライフサイクルや顧客の投資判断によっては、乗り換えのハードルはそこまで高くない場合もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
クボタの主要事業である建設機械や農機、産業用エンジン、水インフラ分野では、直接的なネットワーク効果は限定的である。製品の性能や価格、サポート体制が重視される傾向が強い。
コスト優位★★☆☆☆
クボタはグローバルな生産・調達体制を構築しており、規模の経済を活かしたコスト競争力を持つ。しかし、高付加価値製品の比率も高く、純粋な低コスト戦略とは言い難い。為替変動や原材料価格の動向がコストに影響を与える。
規模の経済★★★★☆
建設機械や農機分野では、グローバルでトップクラスのシェアを持つ製品群があり、規模の経済による効率的な生産・販売網を構築している。特にミニバックホーや小型トラクターなどのニッチ市場では、圧倒的なシェアと生産能力を誇る。これにより、競合他社が容易に追随できない規模の優位性を確立している。
- 農業機械の総合力:トラクタ、コンバイン、田植機といった基幹的な農業機械から、インプルメント、ポストハーベスト機器、野菜機械まで、農業のあらゆる工程をカバーする幅広い製品ラインナップを持っています。これにより、顧客はクボタグループで必要な機械をまとめて調達でき、高い顧客維持率に繋がっています。
- エンジン技術と応用力:農業機械用、建設機械用、産業機械用、発電機用など、多岐にわたるエンジンを自社で製造・販売しています。これは、製品の性能を自社でコントロールできる強みであり、また、様々な産業にエンジンを供給することで、技術的な優位性と収益源の多様化を実現しています。
- 水・環境分野の社会貢献:ダクタイル鉄管や上下水処理装置、廃棄物処理プラントなど、社会インフラに不可欠な製品やサービスを提供しています。これらの事業は、人々の生活を支える重要な役割を担っており、安定した需要が見込めるだけでなく、環境問題への貢献という企業価値も高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。 クボタグループは、「グローバル・メジャー・ブランド(GMB)」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることによって、最も多くの社会貢献をなしうる企業(ブランド)」となることを将来のめざす姿としています。この実現を加速するため、2030年を見据えた長期ビジョン「GMB2030」の中で、クボタグループのあるべき姿として「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」を掲げています。「事業を通じた社会課題の解決により、社会価値と経済価値を合わせた企業価値を創出する」と定義づけているK-ESG経営については、環境変化に応じてテーマの重点化を行い継続してまいります。気候変動対応、人的資本の強化、コーポレートガバナンスの強化、リスクマネジメントといった、事業の支えとなる重要かつ共通性の高いテーマに重点を置き、サステナブルな取組みを推進していきます。 (1) クボタグループの事業環境① 外部環境に対する認識国内市場は、米価高騰を背景とした農家の設備投資意欲の高まり、国民の農業への関心の高まりなどが見られます。また、上下水道を含む社会インフラ老朽化といった課題を背景に、政府では新たな第1次国土強靭化実施中期計画が策定されるなど、当社グループの機械事業、水・環境事業にとって追い風といえる環境にあります。海外市場は、「食料・水・環境」の各分野のポテンシャルは大きく、短期的には米国の関税政策といった逆風はあるものの、中長期的には非常に底堅いと考えています。また、欧州の景気回復、インド市場の成長などにも大きな期待をしています。また、新中期経営計画(2026年~2030年)の期間においてもAIやICTの最新技術の活用は引続き重要なトレンドです。「食料・水・環境」の各分野で、人手不足をはじめとしたあらゆるニーズに対応することが求められると考えています。 ② クボタの現状前中期経営計画(2021年~2025年)の期間中、売上高は大きく増えましたが、営業利益率が低下傾向にあります。背景には製品・事業の競争力の低下や、固定費の高止まりなどが挙げられます。資産効率の面でも、設備投資、IT投資、研究開発投資などの成長投資が高い水準で推移した結果、全体としてフリーキャッシュフローが低水準にとどまりました。また、社会の要請に応えるソリューションビジネスが十分に生み出せておらず、既存の事業分野においても、ヒット商品の創出が少なくなっていることも大きな課題です。このような現状を打破して、従来の物量重視から転換して収益性や資本効率を重視した経営への質的改善を実行し、持続的な企業価値の向上を実現していくために、主に以下のような取組みを進めてまいります。 (2) 今後の取組み新中期経営計画の目標達成のためには、グループ総力を挙げて臨む必要があります。新しい組織運営を通じて国内外の経営資源を総動員し、機械事業、水・環境事業を展開する「クボタらしいグローバルカンパニー」をめざします。 ① 全社の経営体制改革機械事業、水・環境事業それぞれの事業特性に合った事業運営が可能な体制構築を進めています。特に機械事業は、事業部門と本社部門の機能重複による事業運営の非効率化、意思決定プロセスの複雑化が課題でした。大幅な機構改革を実施して効率的な事業運営と迅速な意思決定が可能な体制に移行し、事業成長を加速させていきます。水・環境事業については、2025年1月のカンパニー化により権限移譲を進め、自立運営ができる体制としました。その効果は着実に現れ、事業成長の基盤が整いつつあります。一方、クボタグループとしてのガバナンスを利かせる必要もあります。2026年1月に導入したチーフオフィサー制は、全社経営の視点から各事業を横断的に支援するための施策を、責任を持って遂行するとともに、意思決定のスピードアップを図ることを目的としています。各チーフオフィサーが機械事業、水・環境事業それぞれに対してグローバルに責任を持ち、各々の施策を実行していきます。 ② 両利きの経営両利きの経営においては、「既存事業の深化」と「新規事業の探索」を両立させることが重要です。直近の売上高の成長は、機械事業における為替の影響や値上げ効果に支えられた部分が大きく、水・環境事業も、さらなる事業成長を促進する必要があります。会社全体の成長には既存事業のなかで成長事業を伸ばすことが不可欠ですが、新規事業の探索にも本格的に取り組む必要があります。新規事業探索の方法論を学ぶ研修の強化、新しいことに挑戦する風土の醸成、M&Aを利用した事業の獲得、新たに設置した農業ソリューション本部を通じた新規事業開拓といった取組みを通じ、付加価値の向上と稼ぐ力の回復をめざします。 ③ キャッシュの効率的な活用前中期経営計画の期間中、BCP(事業継続計画)や増産対応などで設備投資が集中し、それが固定費として財務上の圧迫要因となっています。これらは将来の事業成長の礎となる重要な投資でしたが、そのコントロールが不十分でした。今後は、新中期経営計画の財務目標を達成するため、全社としての最適配分を意識しながら、厳格に事業維持投資と成長投資のバランスをコントロールしていきます。 ④ AI活用、DXによる業務の大幅見直しAIの活用状況が今後の競争力を大きく左右すると考えています。すでに定型業務などで個別の改善活動は進んでいますが、会社全体としての本格的な業務刷新を追求すべく、定型業務以外での改善、提案能力の向上をめざします。 (3) 各事業がめざす姿① 機械事業:「小さい機械で、大きな仕事を」競合よりも小さな製品で、同等以上の大きな仕事ができるようになりたいという意思を込めています。より小さい機械で、より高いパフォーマンスの仕事ができ、より簡単に、誰でも使えるよう、ITやAIなどの技術をフル活用しながら、その実現をめざします。また、電動や水素など代替動力への取組みも継続しますが、当面はディーゼルエンジンに対する需要は旺盛に続くとみており、既存事業のうち建設機械事業、インド「発」事業、ライフサイクルサポート事業の3つを成長の柱と位置づけています。 ② 水・環境事業:「製品・技術を核としたソリューションで社会インフラの強靭化に貢献する」製品・技術を核としたソリューションの提供により、社会・産業インフラの強靭化・最適化を後押しし、事業を通じた社会課題の解決に貢献していきます。そのためにも、基盤となる既存事業における製品、エンジニアリング、サービスの強化と、成長分野への取組みを強化します。成長分野では、水循環ソリューション・資源循環ソリューションの拡大、カーボンニュートラル関連への技術展開、海外事業の拡大などをテーマに、取組みを強化します。 クボタグループには、長年にわたり地表数メートル上と下で社会インフラを支えてきた知見やノウハウ、データなどの重要な無形資産があります。既存事業をベースにそれらの資産を活用して常に進化し続け、社会や顧客への新しいトータルソリューション・プラットフォームの提供をめざしてまいります。そして、「On Your Side」の精神による企業風土の変革を積極的に推進し、多様な人財が力を発揮して挑戦できる風通しの良い風土と、それをベースにした「クボタらしいグローバルカンパニー」という企業文化の確立に向かって進んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。 クボタグループは、「グローバル・メジャー・ブランド(GMB)」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることによって、最も多くの社会貢献をなしうる企業(ブランド)」となることを将来のめざす姿としています。この実現を加速するため、2030年を見据えた長期ビジョン「GMB2030」の中で、クボタグループのあるべき姿として「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」を掲げています。「事業を通じた社会課題の解決により、社会価値と経済価値を合わせた企業価値を創出する」と定義づけているK-ESG経営については、環境変化に応じてテーマの重点化を行い継続してまいります。気候変動対応、人的資本の強化、コーポレートガバナンスの強化、リスクマネジメントといった、事業の支えとなる重要かつ共通性の高いテーマに重点を置き、サステナブルな取組みを推進していきます。 (1) クボタグループの事業環境① 外部環境に対する認識国内市場は、米価高騰を背景とした農家の設備投資意欲の高まり、国民の農業への関心の高まりなどが見られます。また、上下水道を含む社会インフラ老朽化といった課題を背景に、政府では新たな第1次国土強靭化実施中期計画が策定されるなど、当社グループの機械事業、水・環境事業にとって追い風といえる環境にあります。海外市場は、「食料・水・環境」の各分野のポテンシャルは大きく、短期的には米国の関税政策といった逆風はあるものの、中長期的には非常に底堅いと考えています。また、欧州の景気回復、インド市場の成長などにも大きな期待をしています。また、新中期経営計画(2026年~2030年)の期間においてもAIやICTの最新技術の活用は引続き重要なトレンドです。「食料・水・環境」の各分野で、人手不足をはじめとしたあらゆるニーズに対応することが求められると考えています。 ② クボタの現状前中期経営計画(2021年~2025年)の期間中、売上高は大きく増えましたが、営業利益率が低下傾向にあります。背景には製品・事業の競争力の低下や、固定費の高止まりなどが挙げられます。資産効率の面でも、設備投資、IT投資、研究開発投資などの成長投資が高い水準で推移した結果、全体としてフリーキャッシュフローが低水準にとどまりました。また、社会の要請に応えるソリューションビジネスが十分に生み出せておらず、既存の事業分野においても、ヒット商品の創出が少なくなっていることも大きな課題です。このような現状を打破して、従来の物量重視から転換して収益性や資本効率を重視した経営への質的改善を実行し、持続的な企業価値の向上を実現していくために、主に以下のような取組みを進めてまいります。 (2) 今後の取組み新中期経営計画の目標達成のためには、グループ総力を挙げて臨む必要があります。新しい組織運営を通じて国内外の経営資源を総動員し、機械事業、水・環境事業を展開する「クボタらしいグローバルカンパニー」をめざします。 ① 全社の経営体制改革機械事業、水・環境事業それぞれの事業特性に合った事業運営が可能な体制構築を進めています。特に機械事業は、事業部門と本社部門の機能重複による事業運営の非効率化、意思決定プロセスの複雑化が課題でした。大幅な機構改革を実施して効率的な事業運営と迅速な意思決定が可能な体制に移行し、事業成長を加速させていきます。水・環境事業については、2025年1月のカンパニー化により権限移譲を進め、自立運営ができる体制としました。その効果は着実に現れ、事業成長の基盤が整いつつあります。一方、クボタグループとしてのガバナンスを利かせる必要もあります。2026年1月に導入したチーフオフィサー制は、全社経営の視点から各事業を横断的に支援するための施策を、責任を持って遂行するとともに、意思決定のスピードアップを図ることを目的としています。各チーフオフィサーが機械事業、水・環境事業それぞれに対してグローバルに責任を持ち、各々の施策を実行していきます。 ② 両利きの経営両利きの経営においては、「既存事業の深化」と「新規事業の探索」を両立させることが重要です。直近の売上高の成長は、機械事業における為替の影響や値上げ効果に支えられた部分が大きく、水・環境事業も、さらなる事業成長を促進する必要があります。会社全体の成長には既存事業のなかで成長事業を伸ばすことが不可欠ですが、新規事業の探索にも本格的に取り組む必要があります。新規事業探索の方法論を学ぶ研修の強化、新しいことに挑戦する風土の醸成、M&Aを利用した事業の獲得、新たに設置した農業ソリューション本部を通じた新規事業開拓といった取組みを通じ、付加価値の向上と稼ぐ力の回復をめざします。 ③ キャッシュの効率的な活用前中期経営計画の期間中、BCP(事業継続計画)や増産対応などで設備投資が集中し、それが固定費として財務上の圧迫要因となっています。これらは将来の事業成長の礎となる重要な投資でしたが、そのコントロールが不十分でした。今後は、新中期経営計画の財務目標を達成するため、全社としての最適配分を意識しながら、厳格に事業維持投資と成長投資のバランスをコントロールしていきます。 ④ AI活用、DXによる業務の大幅見直しAIの活用状況が今後の競争力を大きく左右すると考えています。すでに定型業務などで個別の改善活動は進んでいますが、会社全体としての本格的な業務刷新を追求すべく、定型業務以外での改善、提案能力の向上をめざします。 (3) 各事業がめざす姿① 機械事業:「小さい機械で、大きな仕事を」競合よりも小さな製品で、同等以上の大きな仕事ができるようになりたいという意思を込めています。より小さい機械で、より高いパフォーマンスの仕事ができ、より簡単に、誰でも使えるよう、ITやAIなどの技術をフル活用しながら、その実現をめざします。また、電動や水素など代替動力への取組みも継続しますが、当面はディーゼルエンジンに対する需要は旺盛に続くとみており、既存事業のうち建設機械事業、インド「発」事業、ライフサイクルサポート事業の3つを成長の柱と位置づけています。 ② 水・環境事業:「製品・技術を核としたソリューションで社会インフラの強靭化に貢献する」製品・技術を核としたソリューションの提供により、社会・産業インフラの強靭化・最適化を後押しし、事業を通じた社会課題の解決に貢献していきます。そのためにも、基盤となる既存事業における製品、エンジニアリング、サービスの強化と、成長分野への取組みを強化します。成長分野では、水循環ソリューション・資源循環ソリューションの拡大、カーボンニュートラル関連への技術展開、海外事業の拡大などをテーマに、取組みを強化します。 クボタグループには、長年にわたり地表数メートル上と下で社会インフラを支えてきた知見やノウハウ、データなどの重要な無形資産があります。既存事業をベースにそれらの資産を活用して常に進化し続け、社会や顧客への新しいトータルソリューション・プラットフォームの提供をめざしてまいります。そして、「On Your Side」の精神による企業風土の変革を積極的に推進し、多様な人財が力を発揮して挑戦できる風通しの良い風土と、それをベースにした「クボタらしいグローバルカンパニー」という企業文化の確立に向かって進んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当年度における、経営者の視点による当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、当社は、2025年1月1日付の機構改革に基づき事業セグメントの構成を当期より変更しており、従来「調整」に含めていた一部の費用を各事業セグメントに含めております。この変更に伴い、前年度比は組み替え後の数値に基づいて算定しております。 ① 経営成績当年度の売上高は前年度比26億円(0.1%)増加して3兆189億円となりました。国内売上高は機械部門、水・環境部門の増収により、前年度比527億円(8.3%)増の6,852億円となりました。海外売上高は機械部門の減収により、前年度比501億円(2.1%)減の2兆3,337億円となりました。当年度の海外売上高比率は、前年度比1.7ポイント低下して77.3%となりました。営業利益は、主に米国関税の影響に伴うコスト増加、機械部門での減販損や販売構成の悪化により、前年度比502億円(15.9%)減の2,655億円となりましたが、インセンティブの削減や価格改定、固定費の削減などにより順調にコストの吸収が進んでいます。税引前利益は前年度比532億円(15.9%)減少して2,821億円となりました。法人所得税は681億円の負担、持分法による投資損益は27億円の利益となり、当期利益は前年度比429億円(16.5%)減の2,168億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度を438億円(19.0%)下回る1,867億円となりました。 事業別セグメントの外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況は次のとおりです。(機械)当事業セグメントでは主として農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械の製造・販売等を行っております。当事業セグメントの売上高は前年度比0.3%減少して2兆6,286億円となり、売上高全体の87.1%を占めました。国内売上高は前年度比13.8%増の3,548億円となりました。主に農業機械及び農業関連商品の増加により増収となりました。海外売上高は前年度比2.2%減の2兆2,738億円となりました。北米では、トラクタ市場は全体としては落ち込んだものの馬力帯により差がみられます。販売は在庫削減の実施もあり減少しました。建設機械は住宅市場、公共工事の安定により市場は堅調に推移しましたが、販売は前期の在庫充足需要に対し、当期は需要並みの水準となったため減少しました。欧州では、トラクタは市場の低迷により販売が減少しましたが、建設機械は市場の回復により販売が増加しました。アジアは、タイでは作物価格の低迷及び洪水の影響により、稲作市場、畑作市場共に縮小し、販売が減少しました。インドは、新製品の導入に加え、税制優遇(GST引き下げ)により農業市場は好調に推移し、販売が増加しました。当事業のセグメント利益は、米国関税の影響に伴うコスト増加や減販損及び販売構成の悪化により、前年度比21.6%減少して2,536億円となりましたが、インセンティブの削減や価格改定、固定費の削減などにより順調にコストの吸収が進んでいます。 (水・環境)当事業セグメントでは主としてパイプシステム(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境(各種環境プラント、ポンプ等)に係る製品の製造・販売等を行っております。当事業セグメントの売上高は前年度比3.2%増加して3,744億円となり、売上高全体の12.4%を占めました。国内売上高は前年度比3.5%増の3,144億円となりました。各事業で売上が増加し、増収となりました。海外売上高は前年度比1.9%増の599億円となりました。環境事業で売上が増加し、増収となりました。当事業セグメントのセグメント利益は価格改定効果や増販益などにより、前年度比35.9%増加して330億円となりました。 (その他)当事業セグメントでは主として各種サービスの提供等を行っております。当事業セグメントの売上高は前年度比5.1%減少して159億円となり、売上高全体の0.5%を占めました。当事業セグメントのセグメント利益は前年度比14.7%減少して8億円となりました。 ② 財政状態当年度末の資産合計は前年度末比1,862億円増加して6兆2,049億円となりました。資産の部は、生産体制強化や災害対策のための投資などにより主に有形固定資産で増加しました。負債の部は、主に営業債務などにより増加しました。資本は、利益の積み上がりや為替の変動などに伴うその他の資本の構成要素の改善により増加しました。親会社所有者帰属持分比率は前年度末比1.1ポイント増加して42.3%となりました。 ③ キャッシュ・フロー当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは3,279億円の収入となりました。当期利益は減少しましたが、主にインセンティブ削減による金融債権の増加抑制や運転資本の減少により、前年度比458億円の収入増となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは1,637億円の支出となりました。有形固定資産の取得の減少などにより、前年度比では452億円の支出減となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,845億円の支出となりました。主に長期借入金の返済の増加や資金調達の減少により、前年度比1,582億円の支出増となりました。これらのキャッシュ・フローに為替変動の影響を加えた結果、当年度末の現金及び現金同等物残高は期首残高から182億円減少して2,770億円となりました。 (2) 資金の源泉及び流動性当社の財務の基本方針は、操業に必要となる資金源を十分に確保すること及びバランスシートの健全性を強化することです。当社は運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図るとともに、グループ内の資金を親会社や海外の金融子会社に集中させることにより、グループ内の資金管理の効率改善に努めております。当社は営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の源泉と考えており、資金需要に応じて金融機関からの借入、社債の発行、債権の証券化による資金調達、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。運転資金及び設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金等を充当しております。当年度の社債及び借入金の使途は、主として販売金融、設備投資及び運転資金への充当となっております。なお、資金調達に係る債務の残高については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 ※16 社債及び借入金」をご参照ください。現在のところ、当社は健全な財務基盤及び安定したキャッシュ・フロー創出力により、事業運営や投資活動のための資金調達に困難が生じることはないと考えております。 (3) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当年度における事業別セグメントの生産実績は次のとおりです。 事業別セグメントの名称金額(百万円)前年度比(%)機械2,459,774△3.0水・環境375,9001.2その他15,823△5.6合計2,851,497△2.5(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 金額は販売額をもって計上しております。 ② 受注実績当年度における事業別セグメントの受注実績は次のとおりです。なお、機械では一部を除き受注生産を行っておらず、水・環境及びその他においても一部受注生産を行っていない事業があります。 事業別セグメントの名称受注高(百万円)前年度比(%)受注残高(百万円)前年度末比(%)機械7,20629.43,83522.0水・環境319,30123.9329,91810.4その他28△91.628△92.3合計326,53523.8333,78110.4(注) セグメント間取引については相殺消去しております。 ③ 販売実績当年度における事業別セグメントの販売実績は次のとおりです。 事業別セグメントの名称金額(百万円)前年度比(%)機械2,628,618△0.3水・環境374,3523.2その他15,921△5.1合計3,018,8910.1(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 販売額が総販売額の10%以上に及ぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社はIFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を使用しております。実際の業績はこれらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。見積り及び仮定は継続して見直され、当該見直しによる影響は会計上の見積りの変更として、見積りを変更した報告期間及び将来の報告期間において認識されます。重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 ※2 作成の基礎 (3) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 ※3 重要性がある会計方針」に記載しております。
事業リスク
- 経済状況と需要変動:クボタの製品は、農業機械や建設機械といった生産財・資本財が多いため、民間設備投資や建設投資、公共投資の動向に大きく左右されます。景気低迷や農業政策の変化、海外(特に欧米)の個人消費や住宅建設投資の減少は、製品需要の減退と売上減少に直結し、経営成績に影響を与える可能性があります。
- 原材料価格の高騰・調達難:多くの原材料や部品を外部から調達しており、グローバルな調達網を構築していますが、需給の逼迫や市況変動による価格高騰が長期化すると利益を圧迫します。また、調達に支障が生じた場合、製品の製造や販売が困難になり、売上減少につながる可能性があります。
- 国際事業展開に伴うリスク:大規模な海外展開を行っているため、各国の政府政策(許認可、補助金、貿易政策、税制など)の変更、地政学リスク、開発途上国での労使関係の不安定化、サプライチェーンの混乱など、海外事業に特有のリスクを抱えています。これらのリスクが顕在化すると、安定的な製品製造・販売が困難になり、売上減少やコスト増加を通じて経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 経済状況当社製品には生産財・資本財が多いため、民間設備投資、建設投資、国内公共投資等の低迷により、当社製品の需要が減退し、売上が減少する可能性があります。また、農業政策が農業関連製品の売上に影響を与える可能性があります。海外、特に欧米においては、小型トラクタ等の売上が個人消費や住宅建設投資等の一般景気の低迷により減少する可能性があります。これらの結果、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料の価格高騰・調達難当社は外部の供給業者から多くの原材料、部品を調達しております。また、事業のグローバル化に伴って海外生産拠点での調達も増加しており、世界規模での調達網の構築による最適地調達を推進しております。しかし、原材料、部品の価格が需給の逼迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料、部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、売上が減少する可能性があります。これらの結果、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 国際的事業展開に伴うリスク当社が大規模な海外展開を行っている事業は、海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、安定的な製品の製造及び販売が困難になり、売上の減少や調達・輸送コストの増加等により当社の経営成績等に重要な影響を及ぼし、成長を阻害する可能性があります。重要なリスクとしては次のようなものがあります。① 重要な市場における政府による許認可政策や補助金政策の変化に伴うリスク② 国際貿易政策による予期せぬ関税や輸出入割当量の変化に伴うリスク③ 各国法規制の予期せぬ変化に伴うリスク④ 地政学リスク⑤ 開発途上国における不安定な労使関係⑥ 人的資源確保の困難性⑦ サプライチェーンやロジスティクスの混乱に伴うリスク⑧ 各国税制の予期せぬ変化に伴うリスク⑨ 移転価格や事前確認申請の交渉における予期せぬ結果に伴うリスク (4) 為替レートの変動当社は海外に経営成績等に大きく貢献する複数の製造・販売・金融子会社を有しております。各海外子会社の現地通貨建ての財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。また、親会社が海外の子会社や外部顧客に輸出する場合、その取引の多くは現地通貨建てで行われ、獲得した外貨は円貨へと換算されます。従って、現地通貨と円貨との為替レートの変動が経営成績等に影響を与えます。通常は他の通貨に対して円高になれば当社の経営成績等にマイナスの影響を及ぼします。為替レートの変動によるマイナスの影響を軽減するため、最適地生産の考え方に基づき生産拠点の現地への移行を進めております。また、先物為替契約等のデリバティブを利用しております。しかし、これらの活動にもかかわらず、著しい為替レートの変動は当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (5) 金利変動リスク当社は有利子負債を有しており、これらは固定金利または変動金利が課されております。金利が上昇した場合、支払利息が増加するほか、金融事業に関連して特に米国において、インセンティブコストが上昇します。金利の上昇による影響を軽減するため、金利スワップ契約等のデリバティブにより金利の変動に対応しております。しかし、こうしたリスクヘッジにもかかわらず、著しい金利水準の変動は当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (6) 株式相場の変動リスク当社は有価証券を保有しており、その大半が株式であるため株式相場の動向次第で公正価値が大きく変動する可能性があります。また、株式相場の下落により退職給付制度に関する制度資産が減少する可能性があります。なお、制度資産については許容できるリスクのもとで可能な限りの運用成果を上げることを運用方針としており、リスクを分散するため、金利変動リスク、経済成長率、通貨の種類等の投資収益に影響する要因を考慮の上、投資先の産業、会社の種類、地域等を慎重に検討してポートフォリオのバランスをとっております。しかし、有価証券の公正価値変動、制度資産の減少が当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (7) 第三者との戦略的提携、合併・買収等の成否当社は今後も第三者との提携、合併・買収等に取組み、新たな成長を模索する可能性がありますが、このような活動の成否は事業を取巻く環境、取引相手の能力、あるいは当社と相手が共通の目標を共有しているか否か等に影響されると考えられます。このような活動が成功しない場合や投資に対するリターンが予想を下回る場合は、収益性の悪化により当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (8) 他社との競争当社は各事業において競合他社との厳しい競争にさらされているため、取引条件、研究開発、品質等で競争優位性を維持できない場合には、売上の減少等により経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製品やサービス当社は品質教育の実施、品質問題の未然防止への取組み及び品質に関する社内監査等を実施し、品質の維持・向上に努めております。しかし、当社が提供する製品やサービスに重大な契約不適合や欠陥があった場合、賠償責任を負うことで多額の費用が発生する可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要が減退し、売上が減少する可能性があります。これらの結果、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 環境汚染、公害等当社は環境法令を確実に遵守して環境事故を未然に防止するため、環境マネジメントシステムを構築し、ルールに基づいた業務運営と環境保全活動の継続的な改善に努めております。しかし、これらの努力にもかかわらず、当社が有害物質の排出・漏洩、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等を引き起こした場合、その是正措置をとるために多額の費用や支出が発生したり、訴訟に発展したりする可能性があります。この結果、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (11) アスベスト関連当社は過去、1954年から2001年にわたりアスベストを含む製品の製造に携わっておりました。アスベスト健康被害に関連して、健康被害にあった方々への支払や訴訟に関する費用が発生し、それらの費用が多額になるような場合には、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (12) コンプライアンスリスク当社は法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社の取締役、執行役員及び従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体への徹底を図っております。しかし、万一、それらの行為が発生し、当社がコンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等を招き、売上の減少や費用の増加等により当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (13) ITシステム及びネットワーク当社はデータ及びITシステムの機密性、可用性及び完全性といった情報セキュリティを毀損するような一定のリスクを抱えております。これらのリスクを低減すべく、適切な情報管理を目的としたセキュリティシステム、方針・方策、過程、手法、専門チームや技術を構築しております。しかし、これらの努力にもかかわらず、当社のITシステム及びネットワーク上の問題が発生した場合、業務運営の中断によって事業機会を喪失するほか、社内情報流出に伴う損害賠償責任を負ったり、知的財産権を侵害されたりする可能性があり、多額の費用や支出が発生する可能性があります。また、そのような事態が発生した場合、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要が減退し、売上が減少する可能性があります。これらの結果、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (14) 環境規制への対応当社は製造販売する製品や事業活動に関する様々な環境規制に対応する必要があります。今後さらなる規制の強化、例えば温室効果ガス排出規制や排ガス規制、主要材料の使用制限等が行われた場合、その対応のために相当のコスト負担をする可能性があり、それが当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (15) 自然災害等予測困難な事象による被害当社は日本、北米、欧州及びアジア等で事業活動を営んでおります。それらの国・地域において予測困難な事象が発生した場合、原材料の調達を含む製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。予測困難な事象には、地震や津波、洪水、台風、干ばつといった自然災害や感染症の流行、戦争やテロ、火災等の事故及び情報システムや通信ネットワークの停止、電力供給の停止または不足等が含まれます。昨今、地球温暖化や気候変動により、世界中で災害リスクが高まっております。また、日本は世界でも有数の地震多発国であり、強度の地震もしくは津波の被害を受ける可能性があります。 (16)人権に関するリスク近時、人権をめぐる社会的関心が高まると共に、欧州を中心として人権保護に係る法制化が進んでいることから、当社及び当社の調達先、業務委託先等の取引先等を含むバリューチェーンにおいて人権侵害となる行為が発生した場合には、当社が社会的指弾を受けたり、当社製品が不買運動の対象となったり、あるいは法令に基づく罰則を課されること等により、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。