6301

小松製作所(6301)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • グローバルな事業展開
    小松製作所は、建設機械・車両、リテールファイナンス、産業機械他の3つの主要部門で、製品の研究開発から生産、販売、サービス、さらには販売金融まで、幅広い事業活動を世界中で展開しています。特に建設機械は世界中でインフラ整備や資源開発に不可欠なため、グローバルな需要を取り込むビジネスモデルです。
  • 多角的な収益源
    建設機械の販売だけでなく、そのリースや割賦を行うリテールファイナンス事業、さらに鍛圧機械や工作機械、半導体関連装置などを手掛ける産業機械他事業も展開しています。これにより、特定の事業や市場の変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を構築しています。
  • ソリューション提供
    単に機械を売るだけでなく、無人ダンプトラック運行システム(AHS)やフリート管理システム、スマートコンストラクション®などのソリューションを提供しています。これにより、顧客の生産性向上やコスト削減に貢献し、製品販売後の継続的な収益確保と顧客との関係強化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

小松製作所の事業セグメントは大きく3つに分かれています。一つ目は「建設機械・車両事業」で、油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダー、フォークリフトなどの建設機械や産業車両の製造・販売、および関連するソリューションを提供しています。二つ目は「リテールファイナンス事業」で、建設機械や鉱山機械のリースや割賦販売といった金融サービスを提供し、主力事業の販売を支援しています。三つ目は「産業機械他事業」で、プレス機械、レーザー加工機、工作機械、半導体露光装置用エキシマレーザーなどを手掛けています。これらの事業は国内外で展開されており、特に建設機械・車両事業が主要な収益源と考えられます。

有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,775 文字
3【事業の内容】 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の一部を改正する内閣府令」(平成14年(2002年)内閣府令第11号)附則第3項の規定により、米国会計基準に準拠して作成しており、当該連結財務諸表をもとに、関係会社については米国会計基準の定義に基づいて開示しています。「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」においても同様です。 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は「建設機械・車両」、「リテールファイナンス」、「産業機械他」の3部門にわたって、製品の研究開発、生産、販売、サービス、販売金融に至る幅広い事業活動を国内及び海外で展開しています。 当社グループは、当社、連結子会社217社、及び持分法適用会社41社より構成されています。 主な事業内容と主な関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、主な事業内容と事業の種類別セグメント情報における事業区分は一致しています。 事業区分及び主要製品・事業内容主要会社建設機械・車両事業掘削機械油圧ショベル、ロープショベル、ミニショベル、バックホーローダー、ブラストホールドリル当社、コマツカスタマーサポート㈱、コマツ物流㈱、コマツアメリカ㈱、ヘンズレー・インダストリーズ㈱、コマツマイニング㈱、ジョイ・グローバルアンダーグラウンドマイニング㈲、ジョイ・グローバルサーフェスマイニング㈱、ジョイ・グローバルロングビューオペレーションズ㈲、コマツブラジル㈲、コマツブラジルインターナショナル㈲、コマツホールディングサウスアメリカ㈲、コマツカミンズチリ㈲、ジョイ・グローバルチリ㈱、欧州コマツ㈱、英国コマツ㈱、コマツドイツ㈲、コマツイタリア製造㈱、コマツフォレスト㈱、㈲コマツ・シー・アイ・エス、小松(中国)投資有限公司、小松(常州)建機公司、小松機械製造(山東)有限公司、コマツインドネシア㈱、コマツマーケティング・サポートインドネシア㈱、バンコックコマツ㈱、コマツインディア㈲、コマツオーストラリア㈱、ジョイ・グローバルオーストラリアホールディングカンパニー㈱、ジョイ・グローバルオーストラリア㈱、コマツ南アフリカ㈱ 他子会社152社(会社総数183社)積込機械ホイールローダー、ミニホイールローダー、スキッドステアローダー整地・路盤用機械ブルドーザー、モーターグレーダー運搬機械ダンプトラック、アーティキュレートダンプトラック、クローラーキャリア林業機械ハーベスター、フォワーダー、フェラーバンチャー、ログローダー、植林機地下建設機械シールドマシン、トンネルボーリングマシン地下鉱山機械コンティニュアスマイナー、シアラー、ロードホールダンプ、トラック、ジャンボドリル、ドリフター環境リサイクル機械自走式破砕機、自走式土質改良機、自走式木材破砕機産業車両フォークリフトその他機械鉄道メンテナンス機械エンジン、機器ディーゼルエンジン、ディーゼル発電機、油圧機器、バッテリー鋳造品鋳鋼・鋳鉄品物流関連運輸、倉庫、梱包 ソリューションビジネス無人ダンプトラック運行システム(AHS)、フリート管理システム、鉱山機械シミュレーター、坑内掘り通信デバイス、スマートコンストラクションⓇ、KOMTRAX、林業施業ソリューション、建機・林業機械シミュレーター 事業区分及び主要製品・事業内容主要会社リテールファイナンス事業販売金融 建設・鉱山機械のリース、割賦 当社、コマツビジネスサポート㈱、コマツフィナンシャルパートナーシップ、コマツフィナンシャルヨーロッパ㈱、コマツオーストラリアコーポレートファイナンス㈱ 他子会社13社(会社総数18社) 産業機械他事業鍛圧機械サーボプレス、機械プレス当社、コマツ産機㈱、コマツNTC㈱、ギガフォトン㈱ 他子会社15社(会社総数19社)板金機械レーザー加工機、プラズマ加工機、プレスブレーキ、シヤー工作機械トランスファーマシン、マシニングセンター、クランクシャフトミラー、研削盤、ワイヤーソー防衛関連弾薬、装甲車温度制御機器サーモモジュール、半導体製造用温度制御機器光学機械半導体露光装置用エキシマレーザー(注) 主要会社の会社数は提出会社及び連結子会社数です。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
素材市況やエネルギー価格の変動が製造原価に影響を与えるため、販売価格の見直しで対応。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ICT、制御技術、知能化技術の研究開発、無人ダンプトラック運行システム(AHS)などのソリューション。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:製品・ソリューションが顧客ニーズに合致しないリスク / 事業環境の悪化による需要変動リスク / サプライチェーンの混乱や素材・エネルギー価格高騰リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

小松製作所は建設・鉱山機械分野で高いブランド認知度と技術力を有するが、特許やライセンスによる明確な独占性は限定的。一部で技術優位性はあるものの、無形資産による圧倒的な競争優位性は確立されていない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設機械は初期投資が大きく、オペレーターの習熟度も関係するため、顧客が他社製品へ乗り換える際のコストは一定程度存在する。しかし、製品ライフサイクルやメンテナンス契約の柔軟性から、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設機械業界は、ユーザー数が増えることで製品やサービスの価値が向上するネットワーク効果は基本的に見られない。各顧客の利用は独立しており、プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

グローバルな生産・調達ネットワークと、長年の経験に基づく効率的な生産プロセスにより、一定のコスト競争力を有する。特に、規模の経済を活かした部品調達や生産効率化は強み。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

建設・鉱山機械業界は、巨額の設備投資とグローバルな販売・サービス網が必要であり、業界全体で少数の大手企業による寡占状態となっている。小松製作所はその中でトップクラスのシェアを誇り、効率規模の優位性は極めて高い。

  • 広範な製品ラインナップ
    油圧ショベルやブルドーザーといった建設機械から、フォークリフト、さらには半導体露光装置用エキシマレーザーまで、非常に多岐にわたる製品を提供しています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、幅広い市場で競争力を維持しています。
  • グローバルな生産・販売網
    世界各国に開発・生産・販売拠点を持ち、連結子会社217社、持分法適用会社41社からなる強固なグループ体制を構築しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた迅速な対応と効率的なサプライチェーンを実現し、世界規模での事業展開を可能にしています。
  • 技術革新とソリューション
    無人ダンプトラック運行システム(AHS)やスマートコンストラクション®など、先進的な技術を活用したソリューションを提供しています。これにより、顧客の現場における生産性向上や安全性確保に貢献し、単なる製品提供にとどまらない付加価値を提供することで、他社との差別化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。  当社グループ(当社及び連結子会社)では、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義として定義し、これを実現するための基本的な考え方として、「品質と信頼性」を追求し、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することを「経営の基本」としています。 この「経営の基本」を実行するための戦略として、中期経営計画を策定し、顧客価値創造を通じた社会課題解決と収益向上の好循環を生み出し、持続的な成長を図ります。  当社グループは、2022年4月から2025年3月までの3カ年を対象とした中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に取り組んできました。この間、建設機械の需要は減少傾向が見えるものの、鉱山機械の需要が堅調に推移していることに加え、為替の影響及び各地域での販売価格の改善の効果などにより、最終年度の2024年度は、3年連続で過去最高売上高・利益を更新しました。中期経営計画では、「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現する」という目指すべき姿に向けて、ダントツ商品(製品の高度化)、ダントツサービス(稼働の高度化)、ダントツソリューション(現場全体の最適化)が三位一体となるダントツバリュー(新たな顧客価値)の創出に取り組み、「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」、「ESG」外部評価及び「株主還元」の経営目標の指標をそれぞれ達成しました。 <新中期経営計画:「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」> 当社グループは、新たな3カ年の中期経営計画(2025-2027年度)「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」を2025年4月よりスタートしました。 新中期経営計画では、当社の価値観の一つである「Ambition 挑戦する」を意識し、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまと共に新たな価値の創造に果敢に挑戦し、グループ全体で成長を目指します。 今回、当社が目指すありたい姿を「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」と再定義しました。スマートコンストラクションⓇやAHS(無人ダンプトラック運行システム)などのソリューションを更に進化させるとともに、それらと連動するより高度な機能を備えた製品の組み合わせにより、お客さまの現場を最適化する新しい価値を提供していきます。  成長戦略では、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新という3本柱を掲げています。ありたい姿からのバックキャスティングとともに、脱炭素社会への移行やデジタル技術の進展などの潮流をビジネス機会として捉えていきます。また、地政学リスクや世界貿易における関税政策などで不確実性が高まる外部環境へのレジリエンスを高めていく活動も強化していきます。①「イノベーションによる価値共創」ソリューション開発を更に進化させるとともに、多様な動力源への対応や、より高度な自動化・遠隔化に向けて積極的に取り組みます。②「成長性と収益性の追求」成長市場であるアジア、アフリカを中心に、地域別の商品力強化を進めるほか、バリューチェーンビジネスの拡大に取り組みます。③「経営基盤の革新」AI活用やDXを加速し、グループ全体の基幹システム刷新や代理店向けソリューションプラットフォームの開発・導入を中心に、経営インフラの強化に努めます。 成長戦略3本柱 成長戦略における主な重点活動 <2028年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標> 財務項目では、引き続き業界水準を超える成長性、業界トップレベルの収益性を目指します。効率性を示すROE(自己資本利益率)についても、株主資本コストを上回る10%以上を目標として継続します。更に収益を確保し成長投資を継続していく観点から今回新たにフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を加え、3年累計で1兆円という目標を設定しました。また、リテールファイナンス事業におけるネットD/Eレシオの目標を5倍以下から6倍以下に変更しました。  株主還元については、連結配当性向を40%以上とする方針を継続し、財務の健全性、株主資本比率を総合的に勘案して自己株式取得を適時に実施します。  非財務項目では、引き続き環境負荷低減に関する2030年のCO2削減目標及び2050年カーボンニュートラルのチャレンジ目標を継続します。このほか、今回新たにダブル・マテリアリティの観点から当社が取り組むべき重要な社会課題を特定し、それらに関連する活動のKPI(30項目)を定めました。詳細は、9月に発行する統合報告書での開示を予定しています。*1 ROE =当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)*2 ROA =セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)*3 ネットD/Eレシオ(ネット負債資本比率) =(有利子負債-現預金)/株主資本
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。  当社グループ(当社及び連結子会社)では、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義として定義し、これを実現するための基本的な考え方として、「品質と信頼性」を追求し、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化することを「経営の基本」としています。 この「経営の基本」を実行するための戦略として、中期経営計画を策定し、顧客価値創造を通じた社会課題解決と収益向上の好循環を生み出し、持続的な成長を図ります。  当社グループは、2022年4月から2025年3月までの3カ年を対象とした中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に取り組んできました。この間、建設機械の需要は減少傾向が見えるものの、鉱山機械の需要が堅調に推移していることに加え、為替の影響及び各地域での販売価格の改善の効果などにより、最終年度の2024年度は、3年連続で過去最高売上高・利益を更新しました。中期経営計画では、「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現する」という目指すべき姿に向けて、ダントツ商品(製品の高度化)、ダントツサービス(稼働の高度化)、ダントツソリューション(現場全体の最適化)が三位一体となるダントツバリュー(新たな顧客価値)の創出に取り組み、「成長性」、「収益性」、「効率性」、「健全性」、「ESG」外部評価及び「株主還元」の経営目標の指標をそれぞれ達成しました。 <新中期経営計画:「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」> 当社グループは、新たな3カ年の中期経営計画(2025-2027年度)「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」を2025年4月よりスタートしました。 新中期経営計画では、当社の価値観の一つである「Ambition 挑戦する」を意識し、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまと共に新たな価値の創造に果敢に挑戦し、グループ全体で成長を目指します。 今回、当社が目指すありたい姿を「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」と再定義しました。スマートコンストラクションⓇやAHS(無人ダンプトラック運行システム)などのソリューションを更に進化させるとともに、それらと連動するより高度な機能を備えた製品の組み合わせにより、お客さまの現場を最適化する新しい価値を提供していきます。  成長戦略では、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新という3本柱を掲げています。ありたい姿からのバックキャスティングとともに、脱炭素社会への移行やデジタル技術の進展などの潮流をビジネス機会として捉えていきます。また、地政学リスクや世界貿易における関税政策などで不確実性が高まる外部環境へのレジリエンスを高めていく活動も強化していきます。①「イノベーションによる価値共創」ソリューション開発を更に進化させるとともに、多様な動力源への対応や、より高度な自動化・遠隔化に向けて積極的に取り組みます。②「成長性と収益性の追求」成長市場であるアジア、アフリカを中心に、地域別の商品力強化を進めるほか、バリューチェーンビジネスの拡大に取り組みます。③「経営基盤の革新」AI活用やDXを加速し、グループ全体の基幹システム刷新や代理店向けソリューションプラットフォームの開発・導入を中心に、経営インフラの強化に努めます。 成長戦略3本柱 成長戦略における主な重点活動 <2028年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標> 財務項目では、引き続き業界水準を超える成長性、業界トップレベルの収益性を目指します。効率性を示すROE(自己資本利益率)についても、株主資本コストを上回る10%以上を目標として継続します。更に収益を確保し成長投資を継続していく観点から今回新たにフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を加え、3年累計で1兆円という目標を設定しました。また、リテールファイナンス事業におけるネットD/Eレシオの目標を5倍以下から6倍以下に変更しました。  株主還元については、連結配当性向を40%以上とする方針を継続し、財務の健全性、株主資本比率を総合的に勘案して自己株式取得を適時に実施します。  非財務項目では、引き続き環境負荷低減に関する2030年のCO2削減目標及び2050年カーボンニュートラルのチャレンジ目標を継続します。このほか、今回新たにダブル・マテリアリティの観点から当社が取り組むべき重要な社会課題を特定し、それらに関連する活動のKPI(30項目)を定めました。詳細は、9月に発行する統合報告書での開示を予定しています。*1 ROE =当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)*2 ROA =セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)*3 ネットD/Eレシオ(ネット負債資本比率) =(有利子負債-現預金)/株主資本
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要 2024年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況は次のとおりです。(1) 財政状態及び経営成績の状況① 概要 2024年度の連結売上高は、4,104,395百万円(前年度比6.2%増加)となりました。利益については、営業利益は657,125百万円(前年度比8.2%増加)となりました。売上高営業利益率は前年度を0.3ポイント上回る16.0%となりました。税引前当期純利益は、604,838百万円(前年度比5.1%増加)、当社株主に帰属する当期純利益は439,614百万円(前年度比11.7%増加)となりました。 2024年度前年度比売上高4,104,395百万円+6.2%建設機械・車両3,798,235百万円+5.1%リテールファイナンス123,211百万円+19.0%産業機械他223,600百万円+14.3%消去△40,651百万円 -セグメント利益663,527百万円+9.6%建設機械・車両598,874百万円+4.3%リテールファイナンス29,422百万円+21.4%産業機械他27,391百万円+166.5%消去又は全社7,840百万円 -営業利益657,125百万円+8.2%税引前当期純利益604,838百万円+5.1%当社株主に帰属する当期純利益439,614百万円+11.7% ② 為替レート変動の影響 2024年度は前年度に比較し、為替レートが米ドル、豪ドル等に対して円安に推移しました。為替レートの変動により、建設機械・車両事業のセグメント利益は前年度比で約480億円増加したと試算されます。為替レート変動の影響は、各社の外貨建取引額に各為替レートの変動を乗じて算出した金額の合計として試算されています。為替レート変動に対応した販売価格変更の影響は考慮していません。 ③ 売上高 売上高は前年度の3,865,122百万円と比較して6.2%増加の4,104,395百万円となりました。国内売上高は前年度の436,649百万円と比較してほぼ横ばいの436,605百万円、海外売上高は前年度の3,428,473百万円と比較して7.0%増加の3,667,790百万円となりました。 ④ 売上原価、販売費及び一般管理費 売上原価は、売上高の増加に伴い、前年度比4.8%増加して2,782,012百万円となりました。売上高に対する比率は67.8%と前年度比で0.9ポイント減少しました。 販売費及び一般管理費は、前年度比9.0%増加して658,856百万円となりました。 なお、売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、前年度比6.8%増加して1,105億円となりました。 ⑤ 長期性資産等の減損 長期性資産等の減損は、前年度の6,108百万円と比較して4,077百万円減少の2,031百万円となりました。2024年度の長期性資産等の減損は、主として有形固定資産の減損によるものです。 ⑥ その他の営業収益(△費用) その他の営業収益(△費用)は、前年度の7,628百万円の収益に対し4,371百万円の費用となりました。 ⑦ 営業利益 営業利益は以上の結果、前年度の607,194百万円と比較して8.2%増加の657,125百万円となりました。 ⑧ その他の収益(△費用) 受取利息及び配当金は、前年度の21,146百万円と比較して6,179百万円増加の27,325百万円となりました。支払利息は、前年度の54,506百万円と比較して3,088百万円増加の57,594百万円となりました。 ⑨ 税引前当期純利益 税引前当期純利益は以上の結果、前年度の575,663百万円と比較して5.1%増加の604,838百万円となりました。 ⑩ 法人税等 法人税等は、前年度の167,580百万円と比較して21,953百万円減少の145,627百万円となりました。税引前当期純利益に対する法人税等の比率(実効税率)は、前年度の29.1%から5.0ポイント減少し、2024年度は24.1%となりました。法定税率31.3%と実効税率24.1%との差異は、海外子会社の適用税率の差異等によるものです。 ⑪ 持分法投資損益 持分法投資損益は、前年度の8,273百万円の利益と比較して1,248百万円増加の9,521百万円の利益となりました。 ⑫ 当期純利益 当期純利益は以上の結果、前年度の416,356百万円と比較して52,376百万円増加の468,732百万円となりました。 ⑬ 非支配持分に帰属する当期純利益 非支配持分に帰属する当期純利益は、コマツオーストラリア㈱やコマツカミンズチリ㈲等の当期純利益が増加したことから、非支配持分に帰属する部分が増加し、前年度の22,930百万円と比較して6,188百万円増加の29,118百万円となりました。 ⑭ 当社株主に帰属する当期純利益 当社株主に帰属する当期純利益は以上の結果、前年度の393,426百万円と比較して11.7%増加の439,614百万円となりました。1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前年度の415.96円から473.44円となりました。潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は前年度の415.93円から473.42円となりました。 ⑮ セグメント利益の状況 (セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。) 建設機械・車両事業のセグメント利益は、販売量減少やコストの増加などの影響はあるものの、販売価格の改善効果と円安の影響により、前年度の573,987百万円と比較して24,887百万円増加の598,874百万円となりました。 リテールファイナンス事業のセグメント利益は、受取金利率の上昇や円安の影響、金融債権の増加などにより、前年度の24,243百万円と比較して5,179百万円増加の29,422百万円となりました。 産業機械他事業のセグメント利益は、自動車産業向けの大型プレス及び工作機械の販売増加や半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、前年度の10,279百万円と比較して17,112百万円増加の27,391百万円となりました。 これらに、全社及びセグメント間取引消去を差し引いたセグメント利益(連結)は、前年度の605,674百万円と比較して57,853百万円増加の663,527百万円となりました。 なお、セグメント利益(連結)は米国会計基準に則っていませんが、財務諸表利用者に有益な情報を提供するために表示しています。 (2) キャッシュ・フローの状況 2024年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権が増加したものの、当期純利益などにより、517,167百万円の収入(前年度比82,389百万円の収入増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入などにより、210,669百万円の支出(前年度比6,250百万円の支出増加)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式取得などにより、321,424百万円の支出(前年度は122,037百万円の支出)となりました。 各キャッシュ・フローの合計に為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物の当年度末残高は前年度末に比べ17,609百万円減少し、385,569百万円となりました。 (3) 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、事業の種類別セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。 このため生産、受注及び販売の実績については、「2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における各事業の種類別セグメント業績に関連付けて示しています。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。(1) 重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。作成にあたって当社のマネジメントは、知り得る限りの情報に基づいて妥当であると考えられる見積りや判断を継続して実施しています。これらの見積りや判断は、連結財務諸表において、決算日の資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値及び偶発資産・債務の開示情報に影響を与えます。これらの見積りや判断は、当社グループの過去からの経験、既存の諸契約の内容、業界動向の分析、顧客からの情報、その他の外部からの情報に基づいているものですが、その性質上、内在する不確実性の度合いが影響するため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。当社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記1に記載されています。 ウクライナ情勢や各国の関税政策に起因する金融・経済の混乱等が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響については、収束時期等が不透明であるものの、現時点で入手可能な情報や予測に基づき、今後も一定程度当該影響が継続すると仮定しています。会計上の見積りの中でも比較的重要性のある信用損失見積額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断、長期性資産及び営業権の減損の判定については、当該仮定を含んだ最善の見積りを行っていますが、今後の実際の推移が当該仮定と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社は特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えています。 ① 信用損失引当金 当社グループは、過去の損失発生実績や経済指標及び顧客の信用状況等の様々な要素を考慮して、信用損失が発生すると予想される金額を見積り、売上債権等に対して信用損失引当金を計上しています。特にリテールファイナンス事業に係る売上債権(以下、「リテールファイナンス債権」)は、回収が長期間に及ぶうえに、信用損失見積額の算定及び担保による回収可能見込額の算定には不確実性を伴います。当社グループは、過去の平均損失率に住宅着工件数等の関連する経済指標の変動予測を加味した予想信用損失率を用いて、リテールファイナンス債権に対する信用損失引当金を計上しています。また、顧客の財政状況の悪化や支払い遅れの長期化等により回収可能性に懸念があると判断されるリテールファイナンス債権に対しては、顧客ごとの信用状況や未回収債権の状況調査及び担保となる機械の市場価格調査を行い、入手可能な情報に基づいて信用損失引当金を個別に積み増しています。これまでに発生した損失実績は、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社のマネジメントは、当社グループの見積りが妥当であると考えていますが、売上債権の種類の構成が変化したり、予見できない大きな経済環境の変動により顧客の財政状況に変化が生じるような場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 詳細は、連結財務諸表注記4に記載されています。 ② 法人税等と繰延税金資産 当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税の見積りを行っています。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果計算を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上しています。 繰延税金資産の計上にあたっては、これらが将来の課税所得や有効な税務計画により実現されることの確実性を検証する必要があります。 当社のマネジメントは、取締役会で承認された経営計画や、期中での各社からの経営報告、将来の市場状況、実行性の高い税務戦略等に基づき、将来の課税所得を推定し繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと考えられる部分については評価性引当金を計上しています。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社のマネジメントの判断が変わることにより、評価性引当金が変動する可能性があります。 また、当社グループは、税務ポジションの不確実性から生じる影響額については、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが認められる可能性が50%超である場合、財務諸表で認識しています。その税務ポジションに関連するベネフィットは、税務当局との解決により、50%超の可能性で実現が期待される最大金額で測定されます。 当社のマネジメントは、計上した繰延税金資産(評価性引当金控除後)全額が実現可能であり、認識された不確実性のあるすべての主要な税務ポジションは瑕疵なく持続していると判断していますが、経営計画が実現できず、将来の課税所得の見積りが大幅に減少する場合や、関連する税務当局との法令解釈の相違等、これらの判断が結果として現実と異なる場合には、評価性引当金や認識すべき財務諸表への影響額を見直す必要があり、追加の税金費用が発生することで当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 詳細は、連結財務諸表注記16に記載されています。 ③ 長期性資産及び営業権の評価 当社グループは長期性資産に関して、経営環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施しています。 当社グループが保有しかつ使用している資産の回収可能性は、帳簿価額とその資産から生じる割引前将来キャッシュ・フローとの比較で判定されます。この割引前将来キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出されます。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定されます。もし、資産の帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回り、回収可能性が認められずその資産が減損状態であると判定された場合、帳簿価額が公正価値を上回った額が減損額として測定され計上されます。公正価値は、主に市場において想定されるキャッシュ・フローの変動リスクを考慮した加重平均資本コストを割引率として使用する割引後将来キャッシュ・フローモデル、あるいは独立した鑑定評価で測定されます。処分予定の長期性資産については、帳簿価額と公正価値から処分のためのコストを差し引いた額とのいずれか低い方で評価されます。 当社グループは営業権については、少なくとも各年度に1回、又は減損の可能性を示す事象や、状況の変化が生じた時点で減損の検討を実施しています。 報告単位の公正価値の測定にあたっては、通常、割引後将来キャッシュ・フローモデルにより算定しています。将来見積キャッシュ・フローは、承認された経営計画に基づき算出されます。この経営計画は、外部調査機関や顧客からの情報をもとにした市場予測により売上量を推定し、それを前提に販売価格の変動、製造原価、販売費及び一般管理費の変動等マネジメントの最良の判断による推定を可能な限り織り込んで策定されます。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分された営業権の帳簿価額を限度とし、当該差額を営業権の減損損失として認識します。 現状では、長期性資産及び営業権については、重要な追加の減損の発生はないと考えていますが、経営戦略の変更、市場の変化があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産及び営業権の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 金融商品の公正価値 主に外国為替予約や金利スワップ契約等のデリバティブ金融商品の公正価値は、市場で観察可能なインプットに基づいた業者からの情報をもとに評価しています。この公正価値の情報は、特定のある時点での適切な市場の情報と商品についての情報に基づいて推定されるものですが、これらの推定はその性格上、市場の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なってくる可能性があります。 市場性のある持分証券は、公正価値で評価されています。公正価値の変動は、当期純利益で認識しています。  市場性がなく、容易に算定可能な公正価値がない持分証券のうち、1株当たり純資産価値で評価している持分証券以外について、減損による評価下げ後の取得価額にて測定しています。また、同一発行体の同一又は類似する投資に関する秩序ある取引における観察可能な価格の変動を識別した場合は、当該持分証券を観察可能な取引が発生した日の公正価値で測定しています。 関連会社に対する投資の公正価値については、公正価値の下落があった場合、それが一時的かどうかについて、下落の期間や程度、被投資会社の財政状態及び業績予想等を考慮して判断しています。 現状では、投資有価証券あるいは関連会社に対する投資については、重要な追加の減損の発生はないと考えていますが、将来の経済環境の変化によっては投資先の企業の業績が悪化し、減損を認識する可能性があります。 詳細は、連結財務諸表注記20、21、22に記載されています。 ⑤ 退職給付債務及び費用 当社グループの年金債務及び年金費用の額は、算出時に使用した仮定に影響されます。これらの仮定は連結財務諸表注記12に記載されており、割引率、長期期待収益率、平均報酬水準増加率等を含みます。当社グループは、仮定と実績が乖離した場合には、その差額を累積し従業員の平均残存勤務年数にわたって償却を実施する事で、将来の期間にわたり、費用として認識します。 割引率は、現在かつ年金受給が満期となる間に利用可能と予想される信用度の高い固定利付き債券の利率に基づいて算出されます。また、長期期待収益率は、投資対象の様々な資産カテゴリー別に将来収益に対する予測や過去の運用実績を考慮し決定されます。 当社グループは、これらの仮定は妥当なものであると考えていますが、重要な実績との乖離もしくは重要な仮定の変化があった場合、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。 当年度末の当社グループの年金制度において、割引率又は長期期待収益率が0.5%変動した場合、当年度末の年金債務及び翌年度の年金費用に及ぼす影響は、その他すべての仮定を一定とすると、それぞれ以下のとおりです。仮定の変更変動率年金債務年金費用割引率0.5%増 / 0.5%減287億円減 / 313億円増10億円減 / 12億円増長期期待収益率0.5%増 / 0.5%減-15億円減 / 15億円増 ⑥ 今後適用となる新会計基準 米国財務会計基準審議会は、2023年12月に会計基準アップデート2023-09「法人税の開示の改善」を発行しました。同アップデートは、法定税率から実効税率への調整表における特定の差異項目、法人税の支払額(国内及び国外を区分)、法人税控除前の継続事業からの利益(国内及び国外を区分)、及び継続事業からの法人税費用(国内及び国外を区分)を開示することを要求しています。同アップデートは、2024年12月16日以降に開始する連結会計年度に適用されます。当社グループは、現在、同アップデートが開示に与える影響について検討しています。なお、同アップデートの適用が、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響はありません。  米国財務会計基準審議会は、2024年11月に会計基準アップデート2024-03「損益計算書における費用の細分化」を発行しました。同アップデートは、継続事業から生じる損益計算書上で表示される費用項目を棚卸資産の購入額、従業員報酬、減価償却費、無形資産の償却費、減耗費の5種類の費用に細分化して表形式で開示することを要求しています。現行の米国会計基準の規定により開示が要求されている特定の項目についても同表形式の開示に含めることを要求しています。細分化して開示されることが要求されないその他に分類される金額については、定性的な説明を行うことを要求しています。また、継続事業から生じた販売費の合計額及び連結会計年度においては企業による販売費の定義の開示を要求しています。同アップデートは、2026年12月16日以降に開始する連結会計年度及び2027年12月16日以降に開始する連結会計年度の期中会計期間に適用されます。当社グループは、現在、同アップデートが開示に与える影響について検討しています。なお、同アップデートの適用が、当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響はありません。 (2) 2024年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 2024年度の連結売上高は4,104,395百万円(前年度比6.2%増加)となりました。建設機械・車両事業では、一般建機の売上げは減少したものの、鉱山機械の売上げが増加したことに加えて、円安の影響及び各地域での販売価格の改善効果などにより、売上高は2023年度を上回りました。産業機械他事業では、自動車産業向け大型プレスの販売増加と半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は2023年度を上回りました。利益については、建設機械・車両事業は販売量減少やコストの増加などの影響はあるものの、販売価格の改善効果と円安の影響により増益となりました。また、リテールファイナンス事業及び産業機械他事業も増益となり、営業利益は657,125百万円(前年度比8.2%増加)となりました。  当年度末は、米ドルなどに対して為替が前年度末に比べ円高となったものの、売上債権などの増加により、総資産は前年度末に比べ136,867百万円増加の5,773,523百万円となりました。有利子負債残高は、前年度末に比べ48,773百万円減少の1,150,597百万円となりました。また、株主資本は前年度末に比べ139,830百万円増加の3,173,399百万円となりました。これらの結果、株主資本比率は前年度末に比べ1.2ポイント増加の55.0%となりました。 ② 流動性及び資金の源泉<資金使途の考え方> 当社グループは、持続的な企業価値の増大を目指して、営業キャッシュ・フローの約半分を設備投資に振り向け、成長の推進力としてきました。資金使途を従来からのポリシーに基づき、(1)設備投資(成長戦略)、(2)株主還元、(3)バランスシート改善(将来の M&A への備え)という 3つの資金使途にバランスよく配分します。 資金使途の基本的な考え方 <資金調達と流動性管理> 当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としています。この方針に従い、当社グループは金融機関借入、社債等の発行、融資枠の設定等、様々な資金調達の源泉を確保しています。設備投資資金及び運転資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー及び外部より調達した資金を充当しています。更に、当社グループの資金の効率性を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のキャッシュマネジメントシステム(グローバルキャッシュマネジメントシステム、以下、「GCMS」)を特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限にGCMS参加会社は借入を行っています。当GCMSにおいては、預入金及び借入金の残高を相殺できる条項が含まれており、当年度末現在の相殺金額は299,627百万円となっています。 短期資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入及びコマーシャル・ペーパーの発行等でまかなっています。当社及び一部の連結子会社は、当年度末現在、金融機関との間に合計342,827百万円のコミットメントライン契約を締結して代替流動性を確保しており、その未使用枠は305,239百万円となっています。コマーシャル・ペーパーについては、当年度末現在、当社で240,000百万円、コマツファイナンスアメリカ㈱で1,000百万米ドルのプログラムを保有しており、未使用枠はそれぞれ194,000百万円、50百万米ドルとなっています。  当社は、中長期資金需要に機動的に対応するため、社債発行枠とユーロ・ミディアム・ターム・ノート(以下、「EMTN」)プログラムを保有しています。当社は2024年11月に2年間有効の100,000百万円の社債発行枠を登録しました。当年度末現在の未使用枠は100,000百万円となっています。なお、これ以外の過去に登録した社債発行枠に基づいて発行した分も含めた当社グループの社債の当年度末現在の残高は179,555百万円です。これには、2022年10月に当社100%子会社であるコマツファイナンスアメリカ㈱を通じて発行した日本企業としては初の外貨建てサステナビリティ・リンク・ボンド600百万米ドルも含まれます。また、当社、コマツファイナンスアメリカ㈱及び欧州コマツコーディネーションセンター㈱で合わせて2,200百万米ドルのEMTNプログラムを保有しており、このプログラムに基づいて、それぞれの発行体はディーラーとの間で合意されたすべての通貨の債券を発行できます。当年度末現在、当該EMTNプログラムにより発行された債券の残高は135,556百万円です。  当年度末現在、当社グループの短期債務残高は376,326百万円となり、前年度末に比べて64,293百万円減少しました。短期債務は主に銀行、保険会社等からの借入金等であり、運転資金等に使用されています。 当年度末現在、長期債務残高(1年以内期限到来分含む)は774,271百万円で、前年度末に比べて15,520百万円増加しました。長期債務は銀行、保険会社等からの借入金等459,160百万円、EMTN135,556百万円、無担保社債179,555百万円で構成されており、主に設備投資資金及び長期運転資金に使用されています。  当年度末現在の有利子負債残高は前年度末比48,773百万円減少の1,150,597百万円となり、現預金を差し引いたネット有利子負債残高は前年度末比31,164百万円減少の765,028百万円となりました。これらに加え株主資本が増加した結果、当年度末現在のネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット有利子負債と株主資本の比率)は前年度末の0.26に対して0.24となりました。  当年度末現在、流動資産は3,298,303百万円となり、前年度末に対し、15,885百万円減少し、また流動負債は1,649,360百万円となり、前年度末に対し123,161百万円増加しました。その結果、流動比率は200.0%と前年度末に対し17.2ポイント減少となりました。 営業活動から得られるキャッシュ・フロー、様々な資金調達手段、流動比率の水準に基づき、当社グループは、流動性ニーズや将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えています。 なお、当年度末現在の現金及び現金同等物の残高は385,569百万円であり、そのうち328,230百万円は海外子会社が保有しています。 当社グループは、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス及び㈱格付投資情報センターから信用格付を取得しています。当年度末現在、当社グループの発行体格付けは、スタンダード&プアーズ:A(長期)、A-1(短期)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス:A2(長期)、Prime-1(短期)、㈱格付投資情報センター:AA(長期)、a-1+(短期)となっています。 <設備投資> 建設機械・車両事業では、主に生産性の向上や循環事業強化のための設備投資等を行いました。リテールファイナンス事業では、主に賃貸用資産に係る設備投資等を行いました。産業機械他事業では、主に老朽設備更新のための設備投資等を行いました。これらの結果、2024年度の設備投資額は184,166百万円と前年度比4,167百万円の増加となりました。 <契約上の債務> 当年度末現在の契約上の債務は次のとおりです。 期間別支払見込額(百万円) 合計1年以内1-3年3-5年5年超短期債務376,326376,326---長期債務774,271278,082377,043117,5531,593オペレーティングリース債務82,95221,05721,7709,44730,678有利子負債に関する利息57,19631,17022,2003,78739年金及びその他の退職給付債務4,3814,381---合計1,295,126711,016421,013130,78732,310  (注)1.長期債務の公正価値の調整額はありません。2.有利子負債に関する利息は、当年度末現在有効な利率に基づき計算されています。3.年金及びその他の退職給付債務は、2026年度以降の拠出額は未確定であるため、2025年度に生じるものだけを記載しています。  なお、当年度末現在の設備発注残高は、約67,300百万円です。 ③ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容<建設機械・車両事業セグメント> 建設機械・車両事業の売上高は3,798,235百万円(前年度比5.1%増加)となりました。 当期において、建設現場向けソリューションのスマートコンストラクションⓇを着実に推進し、2025年3月末時点で海外を含む累計導入現場数は46,364現場に達しました。また、鉱山機械では、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が、2025年3月末時点で862台に達しました。日本においては、土木分野の主力機種である20トンクラス油圧ショベルをフルモデルチェンジし、スマートコンストラクションⓇと連動する3Dマシンガイダンスを標準装備した新世代油圧ショベル「PC200i-12」として、2024年12月から市場導入しました。2025年4月にドイツで開催された「bauma2025」にて、新世代油圧ショベルの欧州仕様車「PC220LCi-12」を初出展しました。あわせて、大幅な燃費向上を実現した新世代ホイールローダー「WA485-11/WA475-11」や電動ショベル5機種の出展に加え、さまざまな現場ニーズに対応する充電・蓄電ソリューションも紹介しました。また、2025年4月13日より開催している2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて「未来の水中工事」をテーマに青木あすなろ建設㈱と共同出展しています。 建設機械・車両事業セグメントの地域別売上高(外部顧客向け売上高) (金額単位:百万円) 2023年度2024年度増 減金 額増減率 %日本340,219329,628△10,591△3.1% 北米992,9091,026,36433,4553.4%中南米660,736683,58922,8533.5%米州1,653,6451,709,95356,3083.4% 欧州314,708310,395△4,313△1.4%CIS66,68261,517△5,165△7.7%欧州・CIS381,390371,912△9,478△2.5%中国70,20080,1719,97114.2% アジア※439,380501,31161,93114.1%オセアニア369,335458,72589,39024.2%アジア※・オセアニア808,715960,036151,32118.7% 中近東117,634114,640△2,994△2.5%アフリカ219,575221,1461,5710.7%中近東・アフリカ337,209335,786△1,423△0.4%合計3,591,3783,787,486196,1085.5% ※ 日本及び中国を除きます。 地域別の概況は以下のとおりです。(日本) 日本では、販売価格の改善などの効果があったものの、レンタル向けの需要が減少し、売上高は前年度比で3.1%減少しました。(米州) 北米では、住宅着工件数の減少などにより、一般建機の需要はレンタル、エネルギー向けが減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響などにより、売上高は前年度比で3.4%増加しました。中南米では、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響、販売価格の改善効果などにより、売上高は前年度比で3.5%増加しました。(欧州・CIS) 欧州では、主要市場であるドイツ、英国、フランスを中心に一般建機の需要が減少したことから、売上高は前年度比で1.4%減少しました。CISでは、中央アジアにて鉱山機械や部品の販売が増加したものの、ウクライナ情勢に起因したサプライチェーン及び金融・経済の制約の影響から、売上高は前年度比で7.7%減少しました。(中国) 中国では、不動産市況の低迷などに起因した経済活動の停滞は継続しているものの、需要の増加により、売上高は前年度比で14.2%増加しました。(アジア・オセアニア) アジアでは、最大市場のインドネシアにて、需要が堅調に推移し販売が増加しました。また、円安の影響などにより、売上高は前年度比で14.1%増加しました。オセアニアでは、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売増加や円安の影響などにより、売上高は前年度比で24.2%増加しました。(中近東・アフリカ) 中近東では、主にサウジアラビアでの一般建機の需要が減少したことなどにより、売上高は前年度比で2.5%減少しました。アフリカでは、鉱山機械の販売が減少したものの、円安の影響により、売上高は前年度比で0.7%増加しました。  当年度末のセグメント資産は、前年度末比123,035百万円増加の4,118,647百万円となりました。  なお、建設機械・車両事業セグメントの生産規模は、前年度比2.4%増加し、約3兆7,427億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。 <リテールファイナンス事業セグメント> リテールファイナンス事業では、受取金利率の上昇や円安の影響、金融債権の増加などにより、売上高は123,211百万円(前年度比19.0%増加)となりました。  当年度末のセグメント資産は、前年度末比48,597百万円増加の1,379,587百万円となりました。 <産業機械他事業セグメント> 産業機械他事業では、自動車産業向けの大型プレス及び工作機械の販売増加や半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は223,600百万円(前年度比14.3%増加)となりました。  当年度末のセグメント資産は、前年度末比24,056百万円増加の273,893百万円となりました。  なお、産業機械他事業セグメントの生産規模は、前年度比7.0%減少し、約2,174億円(販売価格ベース、連結ベース)でした。 ④ 目標とする経営指標の達成状況等 2025年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画の経営目標について、2030年を最終目標とする環境負荷低減を除き、すべての目標を達成しました。 当該中計期間の最終年度である2024年度は、物量減、原価や固定費のコスト増加の影響がある中で、販売価格の改善を進めたことに加え、構造改革や成長戦略の効果により成長性と収益性を高め、過去最高の売上高と営業利益率を達成しました。効率性の指標であるROEは14.2%で、目標の10%を上回るとともに、ネット・デット・エクイティ・レシオは0.24となり、業界トップレベルの健全性を維持しています。リテールファイナンス事業についても、ROAが2.2%、ネット・デット・エクイティ・レシオが4.51となり、いずれも目標を達成しました。社会的責任の観点から設定しているESGの目標のうち、外部評価については「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ(DJSI)」に選定され、また、CDP*6から、「気候変動」と「水セキュリティ」の2分野にて最高評価の「Aリスト企業」に認定されました。CO₂排出削減、再生可能エネルギー使用率の向上についても、2030年の目標達成に向けて着実に活動を進めています。株主還元についても、連結配当性向40%以上を維持しました。項目経営指標経営目標2024年度2022-24年度*1成長性 ・売上高成長率 ・業界水準を超える成長率6.2%13.6%収益性 ・営業利益率 ・業界トップレベルの利益率16.0%15.2%効率性 ・ROE*2 ・10%以上14.2%14.0%健全性 ・ネット・デット・ エクイティ・レシオ*3 ・業界トップレベルの財務体質0.240.27リテールファイナンス事業 ・ROA*4 ・1.5%-2.0%2.2%2.3% ・ネット・デット・ エクイティ・レシオ*3 ・5倍以下4.514.17ESG ・環境負荷低減 ・CO2排出削減:   2030年50%減(2010年比)   2050年カーボンニュートラル  (チャレンジ目標) ・再生可能エネルギー使用率:2030年50% ・製品使用によるCO2削減 23%減(見込値) ・生産によるCO2削減 53%減(見込値) ・再生可能エネルギー 使用率 31%(見込値)同左 ・外部評価 ・DJSI *5選定(ワールド、アジアパシフィック) ・CDP*6 Aリスト選定(気候変動、水リスク)等 ・DJSI*5選定 ・CDP*6気候変動 評価A ・CDP*6水リスク 評価A同左株主還元 ・連結配当性向 ・成長への投資を主体としながら、株主還元 (自社株買いを含む)とのバランスをとる ・連結配当性向を40%以上とする40.1%40.2%*1 2022年度から2024年度の平均にて算出(ESGに係る経営目標を除く)*2 ROE=当社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)/2)*3 ネット・デット・エクイティ・レシオ(ネット負債資本比率)=(有利子負債-現預金)/株主資本*4 ROA=セグメント利益/((期首総資産+期末総資産)/2)*5 ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インディシーズ:米国S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が  提供するESG投資指標。2025年2月に、ダウ・ジョーンズ・ベスト・イン・クラス・インデックス  (DJBICI)に名称変更。*6 企業や政府が温室効果ガス排出量を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体

事業リスク

小松製作所の事業には複数のリスクが存在します。まず、顧客ニーズに合致した製品やソリューションを開発できない場合や、環境規制の変更、気候変動への対応コスト増加により、競争力を失い経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。次に、経済・市場環境、政治・社会情勢の変動、資源価格や通貨価値の急激な変動が、製品需要や収益性に不利益な影響を与えるリスクがあります。また、製品の安全・品質問題による賠償責任や信用失墜、サプライチェーンの混乱、原材料価格の高騰、人材確保・育成の困難さ、サイバー攻撃などによる情報セキュリティリスクも経営成績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,069 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を世界各国に設け、グローバルに事業を展開しています。当社グループを取り巻く経営環境において、現在予見可能な範囲で考えられる主な事業等のリスクは次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。 <戦略リスク>(1) 製品・ソリューション戦略 当社グループは、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを存在意義として定義しており、将来の市場や社会のニーズを踏まえて新たな製品・ソリューションの創出、市場導入を進めています。しかしながら、顧客のニーズに合致した製品・ソリューションを市場が要求する時期までに開発できない場合や、当社グループが開発・提供した製品・ソリューションが顧客の評価を得られない場合には、市場での競争力を失う可能性があります。 また、当社グループの事業、製品は、多くの国のますます厳しくなる環境規制に対応する必要があり、世界では気候変動の要因とされる温室効果ガスの削減への取り組みが進められています。そのため、当社グループは各国においての環境規制及び関連法規等を順守するため、また気候変動への対応のため、研究開発費をはじめ多くの経営資源を投入しています。しかしながら、将来において環境規制の変更や気候変動の影響により、当社グループにとって更に多くの費用や設備投資が必要になった場合、あるいは製品の開発、生産、販売・サービス活動等に支障をきたした場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (2) 事業環境 当社グループのおかれる事業環境や製品の需要は、地域により異なる経済・市場環境、政治・社会情勢及び競争条件等により、大きく変動する可能性があります。 当社グループの事業は、先進国市場においては総じて景気循環的な産業であり、住宅着工、工業生産水準、インフラへの公共投資、民間設備投資等の、当社グループにとってコントロール不能な要因が当社グループ製品の需要に影響を与える可能性があります。新興国市場においては、需要動向について常に注意を払っていますが、資源需要や資源価格の変動、通貨価値の急激な変動等、不安定な要因を多分にもっており、この変化が当社グループの経営成績に不利益な影響を与える可能性があります。また、当社の予期せぬ方向に世界的規模で同時に経済・市場環境が急激に悪化した場合は、更に受注の減少、顧客によるキャンセルの増加、債権回収の遅延等が発生する可能性があります。 これらの事業環境の悪化が、売上高の減少、在庫水準・生産能力の不適正化を生じさせ、収益性の低下や追加費用の発生を通じて、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。なお、各国の関税政策に起因する金融・経済の混乱等が当社グループの財政状態及び経営成績に不利益な影響を与える可能性があります。 (3) 事業投資 当社グループは、国際的な競争力を強化するために、様々なビジネスパートナーとの提携・協力や企業買収等を行っており、それらを通じて製品の開発、生産、販売・サービス体制の整備・拡充、ソリューションビジネスの展開を図っていますが、その期待する効果が得られない場合、あるいは提携・協力関係が解消された場合には、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (4) 社会課題への対応 当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、生物多様性、水資源の枯渇、人権の問題等の様々な社会課題を認識しています。これらの社会課題に誠実に対応し、グローバル企業として社会・環境に対する責任を果たしつつ、事業活動を通じて社会に貢献していくことを目指していますが、社会からその対応が不十分とみなされる可能性があり、その結果、ブランドイメージや社会的信用の低下により、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 <オペレーショナルリスク>(1) 製品の安全・品質 当社グループの提供する製品は、社内で確立した厳しい基準の下、品質と信頼性の維持向上に努めています。万が一、予期せぬ製品の設計・製造に起因する不具合で事故等が発生した場合には、リコール等の改善措置を行っていますが、損害に対する賠償等の発生や、当社グループの評判・信用失墜により当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (2) サプライチェーン 当社グループは、「対等なパートナーである協力企業との切磋琢磨を通じたWin-Winの関係を目指す」という理念の下、発注先の評価・選定をしていますが、サプライチェーン上の何らかの理由で、持続可能で責任ある調達への取り組みが不十分と見なされた場合、当社グループのブランドイメージ、信用の低下につながる可能性があります。 当社グループの部品・資材の調達は、素材市況やエネルギー価格の変動に影響を受けます。鋼材等の素材価格や原油・電力等のエネルギー価格の高騰は、当社グループ製品の製造原価の増加をもたらします。また、部品・資材の品薄、調達先の倒産あるいは生産打ち切り、多国間での輸出入規制、国際輸送の混乱等により、適時の調達・生産が困難になり、生産効率の低下や販売機会を逸する可能性があります。材料費の増加等による製造原価の上昇については、原価低減や販売価格の見直し等によって対応し、適時の調達・生産の問題については、調達先の複数化と生産体制の相互供給化、安全在庫の保有、関係各部門の連携による生産管理の強化等により影響を最小限にする考えですが、グローバルサプライチェーンの混乱、予期せぬ素材やエネルギー価格の高騰、これら供給の逼迫の長期化は、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (3) 人材獲得・育成 当社グループでは、人材は新しい価値を生み出す重要な経営資源の一つと捉えており、こうした考えの下で継続的に人材への投資を行っており、社内外の環境変化や経営方針との連動を意識しながら、会社・従業員双方の持続的な成長・発展を目指しています。しかしながら、労働人口の減少等による人材確保競争が激化することにより当社グループが必要とする人材の確保・育成が計画的に進まない場合、当社グループの経営計画の実行及び持続的な成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報セキュリティ 当社グループは、グローバルな事業活動において顧客情報・個人情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しています。これらの情報の保管に加え、当社グループの様々な業務を遂行するために社内外のシステムを利用しています。当社グループは、これらの情報の機密保持及びシステムの安定稼働に細心の注意を払っており、コンピューターウィルスへの感染、サイバー攻撃等による不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩及び滅失等を防ぐため、管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じています。しかし、顧客情報・個人情報等の漏洩・滅失等の事故が起きた場合には、損害賠償責任を負ったり、当社グループの評判・信用に悪影響を与えたりするなどのリスクがあります。また、想定を超えた地震・火事などの災害や電源設備の障害等により当社グループが利用する社内外のシステムが停止するリスクもあります。サイバー攻撃やなりすまし等の不正行為の脅威はますます高まっており、当社グループ若しくは当社の主要サプライヤーにて被害が発生した場合は重要な業務の中断による生産や販売への影響を与えるリスクがあります。また、営業上・技術上の機密情報が漏洩・滅失した場合若しくは第三者に不正利用された場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。更には、サイバー攻撃が高度化すると、情報セキュリティ対策強化のためのコストが増加するリスクがあります。 (5) 知的財産 当社グループでは、当社グループ製品に関連する多数の特許権、商標権、その他の知的財産に係る権利を取得しています。しかしながら、国又は地域によっては、これらの知的財産権が完全に保護されない場合、若しくは限定的にしか保護されない場合があり、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似した製品を製造、販売することを防止できない場合には、売上高の減少等により当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 <財務リスク>(1) 金融市場の変動 当社グループは、資産の効率化を進めていますが、金融機関からの借入や、社債の発行等による有利子負債があります。長期の固定金利調達を織り交ぜることにより、金利変動リスクの影響を軽減していますが、市場金利の上昇は、有利子負債の支払利息を増加させ、当社グループの利益を減少させるリスクがあります。また、当社グループの年金資産に関しては、定期的に運用状況の評価やポートフォリオの見直しを行っていますが、市場性のある証券の公正価値や金利など金融市場における変動が年金制度の積立不足金額や債務を増加させ、年金費用の増加となり、当社グループの経営成績や財政状態に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (2) 税制 グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される日本及び相手国の移転価格税制を順守するよう細心の注意を払っていますが、税務当局から取引価格が不適切であるなどの指摘を受ける可能性があります。更に政府間協議が不調となるなどの場合、結果として二重課税や追加課税を受ける可能性があります。これらの予期しない事態に直面した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (3) 為替変動 当社グループの海外売上高の主要な部分が、外国為替の変動の影響を受けます。通常は、他の通貨に対して円高になれば当社グループの経営成績にマイナスの影響を及ぼし、円安になればプラスの影響を及ぼします。また、外国為替の変動は、同一市場において当社グループと外国企業が販売する製品の相対的な価格や、製品の製造に使用する材料のコストに影響を与える可能性があります。これに対し当社グループでは、グローバルに生産拠点を配置して生産を行うなど、このリスクを軽減するよう努めています。また、当社グループは、短期の為替変動の影響を最小にするためヘッジ取引も行っています。しかし、為替レート水準の予期せぬ変動は、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 <ハザードリスク>(1) 戦争・テロ・地政学リスク 当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を世界各国に設け、グローバルに事業を展開しており、特定地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりは、当社の事業へ影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、多様化する地政学リスクがもたらす資源価格変動や輸出入規制、サプライチェーンへの影響等を最小限にすべく、各国の政治・経済情勢や法規制の動向を確認し、状況の分析及び対応を行っています。しかし、グローバルでの政治的分断、軍事的緊張によりサプライチェーンの混乱や金融・経済への影響が生じる可能性があります。当社グループでは、経済安全保障推進法をはじめとする経済安全保障関連・諸規制の動向について情報の収集と分析にあたっていますが、予期しない事態に直面した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。 (2) 自然災害・事故・感染症等 当社グループの拠点において、地震・津波・水害等の自然災害、感染症の流行、放射能汚染、暴動、火災・爆発等の災害事故、第三者による当社グループに対する非難・妨害が発生し、短期間で復旧不可能な甚大な損害を被る可能性があります。また、当社グループが直接の損害を受けない場合でも、物流網及び供給網の混乱、電力・ガス等の供給不足や通信障害、協力企業の生産障害等が長期にわたり継続する可能性があります。当社グループでは、これらのリスクの顕在化に備え、事業継続計画の策定及び訓練等を行っており、重大リスクが顕在化した場合は、緊急対策本部を設置し、被害を最小限にするための適切な措置を講じます。

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