事業の概要
- 超純水装置の提供野村マイクロ・サイエンスは、半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)、製薬業界向けに、極めて純度の高い「超純水」を製造する装置の設計、建設、販売、そしてメンテナンスを主要な事業としています。超純水は、水中の不純物を徹底的に除去した水で、半導体製造の洗浄工程では製品の品質(歩留まり)に直接影響するため、非常に重要です。この事業がグループ全体の売上高と利益の90%以上を占める主力事業です。
- BOOM契約による収益同社は、顧客の設備投資負担を軽減するため、「BOOM契約(Build Own Operate and Maintenance)」というビジネスモデルも提供しています。これは、野村マイクロ・サイエンスが超純水製造装置を保有し、運転管理やメンテナンスも全て行い、顧客は使用した超純水の量に応じて料金を支払う仕組みです。これにより、装置販売だけでなく、継続的なサービス提供による安定した収益源を確保しています。
- 消耗品・水質分析装置の販売やメンテナンスに加え、超純水製造装置に不可欠なカートリッジフィルターやイオン交換樹脂といった消耗品の販売、さらには水質分析の受託も行っています。これらの事業は、装置納入後の顧客との関係を維持し、継続的な収益を生み出すとともに、顧客のニーズに応じた総合的な水処理ソリューションを提供することで、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業の安定収益日本セグメントは、売上高265.24億円、営業利益40.09億円と、同社グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。国内の半導体や製薬関連企業向けに超純水製造装置の設計・施工・販売、メンテナンス、消耗品販売などを展開しており、長年の実績と顧客基盤により、グループ全体の安定した収益源となっています。
- 米国事業の成長貢献米国セグメントは、売上高523.71億円、営業利益84.97億円と、売上高では日本を上回り、営業利益でも高い貢献度を示しています。米国の半導体産業の活況を背景に、超純水製造装置の需要が高まっており、同社のグローバル戦略における重要な成長ドライバーとなっています。特に、最先端技術を要する半導体製造プロセスへの対応力が強みです。
- アジア地域の戦略的拠点韓国、中国、台湾の各セグメントは、それぞれ売上高32.24億円(韓国)、99.50億円(中国)、42.92億円(台湾)を計上しており、アジア地域の半導体・FPD産業の成長を取り込むための戦略的拠点となっています。特に韓国には研究開発機能を持つ子会社があり、現地ユーザーのニーズに合わせた技術開発を行うことで、地域ごとの競争力強化と顧客満足度向上に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 265 | 40 | 15.1% |
| Korea | 事業 | 32 | 3 | 9.9% |
| China | 地域 | 99 | 10 | 10.0% |
| Taiwan | 事業 | 43 | 16 | 36.2% |
| UnitedStatesOfAmerica | 地域 | 524 | 85 | 16.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(野村マイクロ・サイエンス株式会社)及び連結子会社6社により構成されており、超純水(注)製造装置の設計・施工・販売とそのメンテナンス並びに消耗品の販売を主要な事業としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、全セグメントの売上高合計、営業損益及び資産の金額の合計額に占める「水処理装置事業」の割合がいずれも90%を超えているため、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」では製品及びサービスごとに区分しておりません。(注)超純水とは、水中に溶解しているイオン類、有機物、生菌、微粒子等を含まない極めて純度の高い水のことであります。半導体の製造過程では洗浄工程に必須であり、使用される水の純度は歩留りに影響するため、水中に溶解している不純物を徹底的に除去した超純水が必要となります。(1)水処理装置事業当社グループは、水処理装置事業を主要な事業として、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)及び製薬向け超純水製造装置を中心に、超純水分野で培った技術を応用した各種用途向けの水処理装置の設計・施工・販売のほか、納入した装置のメンテナンス並びに装置に付帯するカートリッジフィルター、イオン交換樹脂等各種消耗品の販売、水質分析の受託等を行っております。また、当社グループは、半導体製造技術の高度化・微細化に伴う要求に応えるべく、原水中の不純物を除去する前処理から超純水製造工程までを一貫して構築するとともに、環境負荷を軽減し、限られた水資源の有効利用に資する排水・回収処理装置を提供しております。これらは、当社が国内ユーザー及び海外ユーザーに販売しているほか、連結子会社5社を通じて、韓国、中国、台湾、米国、その他の地域の各ユーザーに対し、それぞれ販売等を行っております。また、株式会社野村マイクロ・サイエンス コリアは、研究開発機能を有しており、海外の有力ユーザーにより近い場所で研究開発体制を構築し、ユーザーから求められる研究課題の解決を図るとともに、当社グループの技術力向上と併せコストダウンに資する提案を行っております。加えて、ユーザーの設備投資の負担軽減ニーズに対しては、当社が設備を保有し、超純水を提供するBOOM(ブーム、注)契約で対応することもあり、この契約も水処理装置事業に含まれております。(注)Build Own Operate and Maintenanceの略であります。BOOM契約とは、当社がユーザーに超純水装置を提供し、ユーザーが使用した超純水の使用料を支払う契約であり、装置の運転管理・メンテナンスは全て当社が行っております。 なお、最先端デバイスの各製造工程で超純水を使用するケースは、次のとおりであります。 ◎ 最先端デバイスの製造工程例 ◎ 超純水製造工程の概要◎ 超純水製造装置の構成① 前処理装置原水中の懸濁物質の除去を行い、一次純水装置に低濁質の水を安定供給するものであり、凝集沈殿装置、ろ過塔、膜前処理装置等が主要構成機器となります。② 一次純水装置前処理水に含まれる不純物の除去を行い、高純度な純水に処理する装置であり、活性炭塔、イオン交換樹脂塔、逆浸透装置、電気再生式イオン交換装置、有機物分解装置、脱ガス装置等が主要構成機器となります。③ 二次純水装置一次純水に含まれる不純物をさらに除去し、要求されている超純水水質まで高める装置であり、有機物分解装置、非再生型イオン交換樹脂塔、限外ろ過装置等が主要構成機器となります。(2)その他の事業当社及びアグループラスチック株式会社は、その他の事業として、国内ユーザー及び海外ユーザーに対し高純度薬品・配管材料等の販売を行っております。高純度薬品は超純水製造装置を構成する各種装置の安定化運転等に資するものであり、配管材料は主に超純水供給をはじめ化学薬品、上下水及びガス等の移送に供するものであります。 [事業系統図]以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料・エネルギー価格高騰時、顧客と販売価格の交渉を継続し転嫁に努める。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 超純水製造装置の設計・施工・販売、メンテナンスには高度な技術とノウハウが必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:特定業種・顧客への依存 / 海外事業における地政学リスク等 / サプライチェーンの寸断・価格高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
半導体製造装置用精密ろ過膜フィルター分野で、長年の実績と技術蓄積がある。特定の顧客との共同開発や、品質への信頼が一定のブランド価値を形成している可能性はあるが、特許やライセンスによる明確な独占性は低い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
半導体製造プロセスは高度に標準化されており、フィルターの切り替えには厳格な検証プロセスとリスクが伴う。一度採用されたフィルターは、品質維持のために継続的に使用される傾向があるが、競合他社も代替品を提案する余地はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果は期待できない事業モデルである。
コスト優位★☆☆☆☆
精密ろ過膜フィルターの製造には高度な技術と品質管理が求められ、コスト競争力で圧倒的な優位を築くことは難しい。規模の経済によるコスト削減効果は限定的と考えられる。
規模の経済★★☆☆☆
半導体製造装置用フィルター市場は成長しているものの、グローバルで見ると大手競合も存在し、寡占度はそれほど高くない。同社は一定のシェアを確保しているが、圧倒的な市場支配力を持つ段階ではない。
- 超純水技術の専門性野村マイクロ・サイエンスは、半導体やFPD、製薬といった高度な技術を要する産業向けに、極めて高い純度が求められる超純水製造装置を提供しています。長年にわたり培ってきたこの分野での専門技術とノウハウは、競合他社に対する大きな優位性となっており、特に半導体製造の微細化・高度化に対応できる技術力は、顧客からの信頼を得る基盤となっています。
- グローバルな事業展開同社は、日本国内だけでなく、韓国、中国、台湾、米国などアジアを中心に世界各国で事業を展開し、海外売上高比率は約70%に達しています。これにより、特定の地域市場の変動リスクを分散し、成長著しい海外市場の需要を取り込むことが可能となっています。特に、韓国には研究開発機能を持つ子会社を配置し、現地の顧客ニーズに迅速に対応できる体制を構築しています。
- 一貫したソリューション提供同社は、原水中の不純物除去から超純水製造、さらには環境負荷を軽減する排水・回収処理装置まで、水処理プロセス全体を一貫して構築できる能力を持っています。これにより、顧客は複数のベンダーと交渉する手間を省き、安定した品質の超純水を効率的に利用できるため、顧客にとっての利便性と信頼性が高まり、同社の競争力に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念当社グループは、①常に研究開発に励み、独自の技術を駆使することによって社会と環境に貢献し、顧客とともに栄える会社②誠意(信)と協調(和)を基本とし、各自の個性を尊重し合いながら、全力を発揮出来る楽しい会社③国際的視野にたち、自らの向上にチャレンジするインテリジェントな会社④いたずらにスケールメリットを求めず、適正利潤により全社員の生活向上と、福祉の充実を図れる会社を経営理念とし、企業ニーズに最適な水処理ソリューションを提供してまいります。 (2)経営戦略及び優先的に対処すべき課題当社グループは2023年度に中期経営計画TTT-26(Together Toward Transformation-26)を策定し、「アジアを中心とした半導体・製薬工場向け超純水製造装置の卓越した会社を目指す」、「高度な技術とサービスを顧客に提供し、ベストパートナーとして共に経済的価値と同時に社会的価値を創造するサステナビリティ経営を実行する会社を目指す」を経営ビジョンとして掲げ、2026年度の経営目標売上高1,010億円、営業利益146億円、ROE25%以上、ROIC22%以上の達成を目指しております。中期経営計画達成のための施策としては、「営業力の強化」、「エンジニアリングプロセスの改革」、「研究開発 SMART UP3の加速」、「人的資本強化」、「環境問題への取組み」を推進し、企業価値の拡大を目指しております。近年、半導体生産拠点は従来の東アジア中心から世界各地へ分散する傾向にありますが、当社グループは今後も継続的な半導体投資が見込まれる東南アジア地域への進出を目的として新たにシンガポールに現地法人を設立いたしました。またインドにおいてTATA SEMICONDUCTOR MANUFACTURING PRIVATE LIMITEDが手掛けるインドで最初の半導体製造工場の水処理装置を新規で受注するなど、営業力の強化を進め、東南アジア地域からさらなる活動地域の拡大を図っております。今後も顧客企業の投資動向を注視し、販売地域の拡大に対応してまいります。製薬市場においては、製薬会社が集中する北陸地域に新たな営業拠点を配置し、国内の受注活動の強化を図るとともに、韓国をベースに海外案件への取組みにも注力しております。超純水製造装置の受注に際しては、従来から取り組んでいる納入装置のユニット化、スキッド化を行うプレファブ施工をパートナー企業と連携し、「エンジニアリングプロセスの改革」を更に強力に推進しております。この改革により、さらなる業務効率化、キャパシティの拡大、納期短縮、現地工事の短縮等を図ってまいります。当社グループの水処理装置事業を継続的に成長させていくためには、最先端の半導体に要求されるレベルの水質を供給すべく、常に研究開発に取組む必要があり、超純水の純度、分析感度、環境貢献の3項目をそれぞれ向上させることに取組んでおります。高精度の分析技術の開発や不純物発生要因の研究、次世代半導体向けの超純水製造装置を開発する目的で、新たな研究・開発棟の建設を進めております。製薬市場においては、大学との共同研究の成果として2024年11月にプレスリリースしたエンドトキシンモニターを製薬市場開拓の新たなアイテムとして上市し、当該市場の拡大を図ってまいります。また、継続的な企業価値向上のためには、リソースとしてのエンジニアの拡充が不可欠であり、優秀な人材採用とともに社内外の教育制度の拡充による早期育成を継続し、人的資本の強化を図るとともに、デジタル投資による一層の業務効率化に取り組んでまいります。そして、顧客の高度化する要求水質を満たしつつ、環境負荷が低く省エネルギーに資する水処理装置の提案など、新規納入した超純水製造装置の温室効果ガス排出量削減目標の達成に取組むなどサステナビリティ経営の実現を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念当社グループは、①常に研究開発に励み、独自の技術を駆使することによって社会と環境に貢献し、顧客とともに栄える会社②誠意(信)と協調(和)を基本とし、各自の個性を尊重し合いながら、全力を発揮出来る楽しい会社③国際的視野にたち、自らの向上にチャレンジするインテリジェントな会社④いたずらにスケールメリットを求めず、適正利潤により全社員の生活向上と、福祉の充実を図れる会社を経営理念とし、企業ニーズに最適な水処理ソリューションを提供してまいります。 (2)経営戦略及び優先的に対処すべき課題当社グループは2023年度に中期経営計画TTT-26(Together Toward Transformation-26)を策定し、「アジアを中心とした半導体・製薬工場向け超純水製造装置の卓越した会社を目指す」、「高度な技術とサービスを顧客に提供し、ベストパートナーとして共に経済的価値と同時に社会的価値を創造するサステナビリティ経営を実行する会社を目指す」を経営ビジョンとして掲げ、2026年度の経営目標売上高1,010億円、営業利益146億円、ROE25%以上、ROIC22%以上の達成を目指しております。中期経営計画達成のための施策としては、「営業力の強化」、「エンジニアリングプロセスの改革」、「研究開発 SMART UP3の加速」、「人的資本強化」、「環境問題への取組み」を推進し、企業価値の拡大を目指しております。近年、半導体生産拠点は従来の東アジア中心から世界各地へ分散する傾向にありますが、当社グループは今後も継続的な半導体投資が見込まれる東南アジア地域への進出を目的として新たにシンガポールに現地法人を設立いたしました。またインドにおいてTATA SEMICONDUCTOR MANUFACTURING PRIVATE LIMITEDが手掛けるインドで最初の半導体製造工場の水処理装置を新規で受注するなど、営業力の強化を進め、東南アジア地域からさらなる活動地域の拡大を図っております。今後も顧客企業の投資動向を注視し、販売地域の拡大に対応してまいります。製薬市場においては、製薬会社が集中する北陸地域に新たな営業拠点を配置し、国内の受注活動の強化を図るとともに、韓国をベースに海外案件への取組みにも注力しております。超純水製造装置の受注に際しては、従来から取り組んでいる納入装置のユニット化、スキッド化を行うプレファブ施工をパートナー企業と連携し、「エンジニアリングプロセスの改革」を更に強力に推進しております。この改革により、さらなる業務効率化、キャパシティの拡大、納期短縮、現地工事の短縮等を図ってまいります。当社グループの水処理装置事業を継続的に成長させていくためには、最先端の半導体に要求されるレベルの水質を供給すべく、常に研究開発に取組む必要があり、超純水の純度、分析感度、環境貢献の3項目をそれぞれ向上させることに取組んでおります。高精度の分析技術の開発や不純物発生要因の研究、次世代半導体向けの超純水製造装置を開発する目的で、新たな研究・開発棟の建設を進めております。製薬市場においては、大学との共同研究の成果として2024年11月にプレスリリースしたエンドトキシンモニターを製薬市場開拓の新たなアイテムとして上市し、当該市場の拡大を図ってまいります。また、継続的な企業価値向上のためには、リソースとしてのエンジニアの拡充が不可欠であり、優秀な人材採用とともに社内外の教育制度の拡充による早期育成を継続し、人的資本の強化を図るとともに、デジタル投資による一層の業務効率化に取り組んでまいります。そして、顧客の高度化する要求水質を満たしつつ、環境負荷が低く省エネルギーに資する水処理装置の提案など、新規納入した超純水製造装置の温室効果ガス排出量削減目標の達成に取組むなどサステナビリティ経営の実現を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績当連結会計年度における世界経済は、地域差はあるものの緩やかな回復傾向を示した一方、各国の金融・貿易政策動向の不確実性、中国経済の今後の見通しへの懸念、地政学リスクの高まり等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループの業績に影響を及ぼす半導体業界は、生成AI関連が引き続き好調に推移し、メモリー及びロジック製品の需要が増加したことを受け、設備投資が拡大しております。Semiconductor Equipment and Materials International(SEMI)は最先端及び成熟ロジック、先進パッケージング、広帯域幅メモリーの生産能力拡大に向けた投資の増加等により2024年の世界半導体製造装置販売額が過去最高額の1,170億米ドル(前年比10.0%増)に達したと発表しました。このような状況下、当社グループは企業価値の拡大を目指し、2023年11月に策定した中期経営計画『Together Toward Transformation 26(TTT-26)』の達成に向け、①収益性の向上、②資本効率化、③財務最適化、株主還元、④社会的価値創出に注力し、半導体・製薬業界へのアプローチ強化やエンジニアリングプロセスの改革を実行し、生産性・収益性の向上を図るとともに、サステナビリティ経営の実現に向けて各種施策に取り組んでまいりました。この結果、受注高は94,531百万円(前期比32.7%増)、売上高は96,359百万円(同32.0%増)、営業利益は15,372百万円(同44.4%増)、経常利益は13,399百万円(同23.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,199百万円(同27.8%増)となり、売上、利益ともに過去最高水準を達成いたしました。 受注高当社グループの主要顧客である半導体関連企業の設備投資は引き続き旺盛であり、受注高は過去最高水準となりました。中期経営計画において「半導体製造拠点の分散化への対応」を営業戦略として掲げており、新規現地法人設立など東南アジア・インド等への拡販に注力したことにより、新規取引先からの受注も獲得することができました。売上高水処理装置については、受注済み大型水処理装置の工事が順調に進捗するとともに各地域の受注が堅調に推移したこと等により、売上高は78,767百万円(前期比36.7%増)となりました。また、メンテナンス及び消耗品についても、半導体関連企業を中心に受注が堅調に推移し、売上高は15,537百万円(同19.9%増)となりました。一方、その他の事業については、海外の大型半導体製造装置向け配管材料の売上が一巡したこと等により、売上高は2,055百万円(同16.5%減)となりました。利益利益面については、米国及び日本の大型水処理装置をはじめ、各地域の工事が順調に進捗し大幅増収となったこと等により、営業利益以下の各段階利益で前期を大幅に上回りました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 日本受注済み国内大型水処理装置の工事が順調に進捗したことにより、売上高は26,523百万円(前期比51.2%増)となりました。営業利益については高採算大型案件の寄与等により4,009百万円(同138.9%増)となり、大幅な増収増益となりました。 韓国メンテナンス及び消耗品の受注が堅調に推移した一方、前期までの大型水処理装置案件の反動により、売上高は3,223百万円(同38.6%減)、営業利益は320百万円(同83.0%減)となりました。 中国水処理装置の工事が順調に進捗したことにより、売上高は9,949百万円(同39.1%増)となりました。営業利益については水処理装置の利益改善等により993百万円(同70.8%増)となりました。 台湾メンテナンス及び消耗品の受注が堅調に推移した一方、前期までの大型水処理装置案件の反動により、売上高は4,291百万円(同54.3%減)、営業利益は1,552百万円(同47.4%減)となりました。 米国受注済み大型水処理装置の工事が順調に進捗したことに加え、追加工事を受注したこと等により、売上高は52,371百万円(同55.4%増)、営業利益は8,497百万円(同139.5%増)と大幅な増収増益となりました。 その他当連結会計年度において、中期経営計画「TTT-26」の実現に向け、営業戦略で掲げた「半導体製造拠点の分散化への対応」として、昨今半導体投資が活発なシンガポールへの営業強化及び東南アジア地域への事業展開を目的に、シンガポールに野村マイクロ・サイエンス Singapore Pte. Ltd.を新たに設立いたしました。なお、当連結会計年度においては営業活動を開始していないため、売上高及び営業利益の計上はありません。 ②財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比65.4%増の116,783百万円、自己資本比率は31.2%となっております。流動資産当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ43,485百万円増の108,990百万円(前期比66.4%増)となりました。主な要因は、契約資産の増加額が41,781百万円となったこと等によるものであります。当連結会計年度末の流動資産の主な内訳は、契約資産71,193百万円、現金及び預金17,330百万円等であります。固定資産当連結会計年度末の固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2,694百万円増の7,792百万円(同52.9%増)となりました。主な要因は、リース資産(純額)の増加額が1,023百万円、機械装置及び運搬具(純額)の増加額が897百万円、繰延税金資産の増加額が709百万円となったこと等によるものであります。当連結会計年度末の固定資産の主な内訳は、土地1,246百万円、機械装置及び運搬具(純額)1,199百万円、建物及び構築物(純額)1,154百万円、リース資産(純額)1,038百万円等であります。流動負債当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ37,613百万円増の78,894百万円(同91.1%増)となりました。主な要因は、短期借入金の増加額が29,777百万円、契約負債の増加額が3,752百万円、未払法人税等の増加額が2,293百万円となったこと等によるものであります。当連結会計年度末の流動負債の主な内訳は、短期借入金52,158百万円等であります。固定負債当連結会計年度末の固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ476百万円増の874百万円(同119.8%増)となりました。主な要因は、リース債務の増加額が489百万円となったこと等によるものであります。当連結会計年度末の固定負債の主な内訳は、リース債務497百万円、役員退職慰労引当金222百万円等であります。純資産当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ8,089百万円増の37,013百万円(同28.0%増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加額が7,639百万円、資本剰余金の増加額が564百万円となったこと等によるものであります。 当連結会計年度末における報告セグメントごとの資産、負債の金額は、次のとおりであります。(単位:千円) 日本韓国中国台湾米国その他合計セグメント資産32,108,0321,639,5408,479,8124,055,46070,444,55455,740116,783,140セグメント負債68,793,311459,6165,096,659912,1934,507,422-79,769,204 ③キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて4,679百万円増加し、当連結会計年度末には16,539百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、20,202百万円(前期は18,662百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,399百万円、棚卸資産の減少額8,216百万円、契約負債の増加額3,803百万円、その他の負債の増加額941百万円となった一方で、売上債権の増加額46,946百万円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、2,742百万円(前期は386百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,103百万円、定期預金の預入による支出508百万円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、27,178百万円(前期は17,451百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額2,530百万円となった一方で、短期借入れによる収入29,991百万円等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、主要取引金融機関と総額16,192百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高4,311百万円、借入未実行残高11,880百万円)。 (契約債務)2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(千円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金52,158,20052,158,200---リース債務1,045,041547,338217,12892,958187,615当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社が代わりに弁済する義務があり、2025年3月31日現在の債務保証額は、3,554百万円であります。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、受注した超純水製造装置及び排水処理装置の据付工事につきまして、当社グループの基準をクリアした施工技術と安定的な施工能力を有する協力工事会社に全て外注しており、生産実績がないため、記載しておりません。b.受注実績 当連結会計年度の受注実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。事業の種類別の名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)水処理装置事業(千円)92,476,457134.440,770,76495.7その他の事業(千円)2,055,43083.5--合計(千円)94,531,888132.740,770,76495.7 (注)金額は、販売価格によっており、事業間の内部振替前の数値によっております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。事業の種類別の名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)水処理装置事業(千円)94,304,521133.7その他の事業(千円)2,055,43083.5合計(千円)96,359,952132.0 (注)1.事業間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)SAMSUNG AUSTIN SEMICONDUCTOR,L.L.C.33,691,97046.152,436,74054.43.当連結会計年度の水処理装置事業の売上の内訳は次のとおりであります。区分当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)水処理装置(千円)78,767,204136.7メンテナンス等(千円)15,537,316119.9合計(千円)94,304,521133.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点でもっとも合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しております。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。a.収益及び費用の認識当社グループは、工事契約に関して、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、工事収益の総額、工事原価総額並びに決算日における履行義務の充足に係る進捗度の見積りを行っております。当該進捗度の見積りは発生原価に基づくインプット法によっており、毎月のコスト会議にて進捗管理を行っております。工事収益の総額は契約金額を収益総額としておりますが、工事の進捗途上において顧客との新たな合意によって契約の変更が行われることがあり、その変更金額が決定していない場合は、事業環境、施工状況、発注者との協議状況等を踏まえ、対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額に著しい減額が生じない可能性が高い範囲でのみ収益総額を合理的に見積っております。工事原価総額の見積りは、急激な原材料の価格変動や技術的な要素、仕様の変更、顧客からの要請への対応、外注先による工事遅延等の工事契約を取り巻く外部環境の変化により不確実性を伴っております。当初予想と実績に乖離が生じた場合には想定した利益を確保できない可能性があります。b.工事損失引当金当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事原価総額の見積りは、毎月のコスト会議による進捗管理を行っておりますが、将来の工事原価の見積りは、急激な原材料の価格変動や技術的な要素、仕様の変更、顧客からの要請への対応、外注先による工事遅延等の工事契約を取り巻く外部環境の変化による不確実性を伴っております。損失見込み額については現在入手可能な情報を基に適切に見積りを行っておりますが、見積りと実績が異なった場合、将来の損益に影響を与える可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
事業リスク
- 特定市場への依存同社の主力事業である水処理装置事業は、特に半導体市場への依存度が高いです。半導体市場の設備投資動向が同社の業績に大きく影響するため、予期せぬ市場変動や主要顧客の投資計画の延期・凍結があった場合、業績が悪化する可能性があります。このリスクに対し、同社は情報収集を強化し、製薬分野への展開やメンテナンス・消耗品販売の促進で安定収益確保を目指しています。
- 海外事業と地政学リスク海外売上高が約70%を占めるため、事業を展開するアジア各国・地域での政治・経済の混乱、社会情勢の変化、法令・規制の変更、さらには米中貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢、台湾情勢といった地政学リスクが業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は、海外拠点と連携して情報収集を行い、弁護士や会計士と連携して法規制への対応を進めることで、リスク軽減に努めています。
- サプライチェーンの脆弱性装置の資材調達や据付を外部に委託しているため、自然災害、テロ、感染症などによるサプライチェーンの寸断や、資材価格の高騰、納期の長期化が業績に影響を与える可能性があります。また、地政学リスクや為替変動による原材料・エネルギー価格の高騰もリスクです。同社は、複数購買や計画的な購入、代替品の検討、在庫確保などで安定供給を強化し、価格転嫁交渉も行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)特定業種・顧客への依存当社グループの主力事業である水処理装置事業は、電子部品関連、特に半導体市場が主要マーケットとなっておりますが、半導体用途の拡大、微細化、高集積化を背景に設備投資規模・投資件数が拡大する等、当社グループ業績拡大の要因である反面、主要顧客の投資動向による需要の変動が避けられない状況にあります。したがいまして、予期せぬ市場変動等によって顧客の設備投資計画の延期・凍結等があった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこのような市場変動に対応するため、顧客の投資動向等に関する情報収集に努めております。また中期的な成長戦略として、半導体をはじめとする電子産業のほか、国内を中心とした製薬関連分野の成長加速に注力するとともに、メンテナンス及び消耗品受注を促進し、安定収益の確保に努めております。(2)海外事業当社グループはアジアを中心に各国・各地域で事業を展開しており、海外売上高比率は概ね70%となっております。今後もアジアを中心とした海外市場での競争力強化と受注拡大に注力していく方針ですが、海外市場においては、政治・経済の混乱、社会情勢の変化、予期せぬ法令・規制の変更等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年では米中貿易摩擦による輸出入規制の強化、ロシア・ウクライナ情勢、台湾情勢等の地政学リスク等が高まりつつあります。当社グループでは、事業展開している地域の情報収集を海外拠点とともに積極的に実施し現状把握に努めるとともに、法令・規制の変更等については現地の弁護士、会計士等へ随時確認を行う等、国際情勢や規制の影響を受けにくい運営体制の構築を推進しております。 (3)サプライチェーン当社グループは機器等の資材を外部から調達することに加え、装置の据付については協力業者等へ外部委託しております。そのため、地震、水害等の自然災害、テロ、感染症等の不可抗力による被害・事故等が生じた場合、機器等がタイムリーに供給されない可能性があるとともに、製品供給元や協力業者の事業展開、稼働状況、人員不足等の状況により資材価格の高騰、納期の長期化等が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、地政学リスク、経済安全保障リスク、為替変動等により原材料価格やエネルギー価格が高騰し、資材価格や工事費の上昇等が発生した場合も、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、サプライヤー評価制度の運用や取引先実態調査などを通じて調達活動を行っております。急激な需給の変動にも適切に対応できるように複数購買による調達品の確保、長納期が予想される機器等についての計画的な購入の実施、新規開拓による代替品の検討、調達ルートの多様化や需給を見据えた在庫の確保等を通じて、安定供給の強化を促進しております。また、原材料・エネルギー価格の高騰、資材価格・工事費等の上昇等が発生した場合には、顧客と販売価格の交渉を継続し、販売価格へ転嫁するよう努めてまいります。 (4)品質当社グループは顧客工場内に設置する水処理装置の品質向上に日々取り組んでおりますが、顧客要求の高度化・短納期化、設備の複雑化が進み、設計及び施工の難度がますます高まっております。そのため、設備の設計・製作・施工については品質管理のルールを制定し、関連法規の遵守・最新基準への適合及び外部購入品の品質管理を進めております。当社グループが提供している製品・サービスに不具合・瑕疵等が発生した場合には、不具合対応費用や損害賠償責任の発生、当社グループに対する信頼性の低下等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはISO9001に基づく品質マネジメントを構築し、顧客との商談時より技術検討会を実施し、品質リスクの抽出と把握を進めるとともに、設計時のデザインレビュー、主要なサプライヤーの品質監査、施工進捗に合わせた各種検査及び試運転による最終性能試験の実施等、各プロセスにおける品質確認を実施しております。また、重大な瑕疵と発生の抑制に向けて、全社的な品質管理体制の強化と各部門間で知見・ノウハウを共有する横断的仕組みの導入・改善を進めております。製品・サービスの不具合・トラブル、クレーム等が発生した場合には、迅速な是正対応とともに発生原因の究明を実施し、再発防止の徹底に努めております。 (5)人材確保当社グループが持続的成長を実現するためには、継続的に優秀な人材を確保していくことが重要となります。したがいまして人材を計画通りに採用、育成ができない場合、また優秀な人材が離職した場合には長期的に開発力、生産能力、競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、マネジメント強化に向けた社内研修体制の構築等による人材育成とともに、長時間労働・各種ハラスメントの防止を含めた労働環境の継続的な改善に取り組んでおります。また、国籍・性別問わず優秀な人材を採用・育成しダイバーシティを推進してまいります。 (6)為替当社グループの連結財務諸表は、各海外子会社の現地通貨財務諸表を円換算し反映させておりますが、為替レートの変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内法人については極力円建てでの受注交渉を行っておりますが、顧客要請により外貨建て取引も存在しており、急激な為替変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは為替動向を注視しつつ、必要に応じて為替予約等を実施し、為替変動リスク低減に努めております。 (7)研究開発当社グループでは、最先端分野からの要求より“さらに先”を行く超純水製造装置開発と分析技術の確立を目指し、中期経営計画においても「SMART UP3の加速」と題して様々な研究に取り組んでおります。しかしながら競合他社による新技術の先行投入、技術革新や顧客ニーズの変化等に追随できない場合、当社グループの技術の陳腐化とともに製品競争力が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、顧客ニーズや技術トレンドの情報収集・分析に加え、民間企業・大学等との共同研究に積極的に取り組み、省エネ型超純水システム等新製品の開発並びに超純水製造装置以外の製品等の市場投入を図ってまいります。 (8)知的財産権当社グループは、特許権をはじめとする知的財産権の重要性を強く認識しており、当社グループ独自の技術及び研究成果については必要に応じて知的財産権の出願を行い、権利保護に努めております。しかしながら、当社グループの知的財産権が侵害される場合や意図せず第三者が有する知的財産権を侵害してしまう場合には、その対応費用や損害賠償責任の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、新製品開発等に関して国内及び海外の各種データベースや文献調査等により知的財産権の調査を確実に行う調査体制を充実させ、特許侵害の防止と訴訟問題・クレームの排除に努めております。 (9)コンプライアンス当社グループは事業展開する各国・各地域において、法令、規制等を遵守しておりますが、予期せぬ法令改正等により意図せず法令に抵触したと判断された場合、また規制等に適切に対応できなかった場合には社会的信用の低下、課徴金や損害賠償金の発生、各種対応費用の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、代表取締役社長執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、当社グループの事業活動におけるコンプライアンスの状況を定期的にモニタリングすることを通してコンプライアンス体制の更なる整備及び維持を図ってまいります。また内部統制システムの構築、維持、向上を推進するために、社内教育等を継続実施するとともに、法令違反や規程・倫理違反行為の早期是正のため、グループ共通の内部通報制度を導入し、迅速な対応に努めております。 (10)自然災害・事故等当社グループの事業拠点あるいは仕掛中の現場周辺において、大地震や津波、台風、洪水等の自然災害あるいは予期せず事故等が発生した場合、これらの施設に物理的に障害が生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、大規模自然災害の発生に備え、人命保護を最優先とした初動対応マニュアルを策定するとともに、資産保護並びに事業・業務の継続を目的とした事業継続計画を策定しており、当該マニュアル及び計画に基づき災害時における対応を行うこととしております。また、社員安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じ、災害時等の事業への影響を最小限とするよう努めております。 (11)貸倒引当金当社グループは、債権の貸倒れに備えるために与信管理を徹底する一方、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能額を引当計上しておりますが、想定以上の貸倒れが発生した場合、損失により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、外部信用機関の活用、顧客財務状況の定期的なモニタリング等による与信管理を徹底し貸倒れリスク回避に努めております。 (12)収益認識当社グループは、工事契約に関して、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しており、工事収益の総額、工事原価総額並びに決算日における履行義務の充足に係る進捗度の見積りを行っております。工事収益の総額は契約金額を収益総額としておりますが、工事の進捗途上において顧客との新たな合意によって契約の変更が行われることがあり、その変更金額が決定していない場合は、事業環境、施工状況、発注者との協議状況等を踏まえ、対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額に著しい減額が生じない可能性が高い範囲でのみ収益総額を合理的に見積っております。工事原価総額の見積りは、急激な原材料の価格変動や技術的な要素、仕様の変更、顧客からの要請への対応、外注先による工事遅延等の工事契約を取り巻く外部環境の変化により不確実性を伴っております。将来の状況の変化により見積りと実績が乖離した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、毎月のコスト会議において工事の進捗状況を適切に確認することによって、リスクの低減に努めております。