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西部電機(6144)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 搬送機械事業
    工場や倉庫などで物を運ぶための機械(コンベヤなど)を製造・販売し、その後のメンテナンスも行っています。連結子会社の西電興産が販売を、西部ペイントが塗装を担当し、主要株主である安川電機にも設備として納入しています。この事業は、製造業の生産ラインを支える重要な役割を担っています。
  • 産業機械事業
    様々な産業で使われる機械を製造・販売し、アフターサービスも提供しています。搬送機械事業と同様に、西電興産が販売を、西部ペイントが塗装を担っています。特定の原材料(ベアリングなど)は西電興産から仕入れています。幅広い産業の基盤を支える事業です。
  • 精密機械事業
    高度な技術を要する精密な機械を製造・販売しています。当社と連結子会社の西部ハイテックが製造販売を行い、西電興産と持分法適用関連会社のSeibu America Corporationが国内外での販売を担っています。主要株主の安川電機にも設備を納入しており、高精度な製品開発力が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 搬送機械事業
    工場や倉庫で使われる搬送機械の製造・販売・アフターサービスを行う事業です。最新年度の売上は112.2億円、営業利益は10.35億円で、グループの中核事業の一つとして安定した収益を上げています。
  • 産業機械事業
    様々な産業で利用される機械の製造・販売・アフターサービスを手掛ける事業です。最新年度の売上は66.47億円、営業利益は9.65億円です。幅広い顧客層を持ち、安定した事業基盤を形成しています。
  • 精密機械事業
    高度な技術を要する精密機械の製造・販売を行う事業です。最新年度の売上は150.66億円、営業利益は11.21億円と、グループ内で最も高い売上と利益を誇る稼ぎ頭です。国内外での販売網を持ち、成長を牽引しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DistributionEquipmentBusiness 地域 112 10 9.2%
IndustrialMachineBusiness 地域 66 10 14.5%
PrecisionMachineBusiness 地域 151 11 7.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|790 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社3社及び持分法適用関連会社1社で構成され、「搬送機械事業」、「産業機械事業」、「精密機械事業」における製造販売、アフターサービス活動及び「その他の事業」における機械機器部品・立体駐車装置の販売、営繕工事を主な事業の内容としております。当社グループの事業に係わる位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。(1) 搬送機械事業当社が製造販売するほか、連結子会社西電興産㈱が販売を行っております。また、原材料の一部(調達品目…アルミ部品、LMガイド等)については、連結子会社西電興産㈱から仕入を行っております。連結子会社西部ペイント㈱が当社製品の塗装を行っております。主要株主㈱安川電機には設備として納入しております。 (2) 産業機械事業当社が製造販売するほか、連結子会社西電興産㈱が販売を行っております。原材料の一部(調達品目…ベアリング等)については、連結子会社西電興産㈱から仕入を行っております。連結子会社西部ペイント㈱が当社製品の塗装を行っております。 (3) 精密機械事業当社と連結子会社㈱西部ハイテックが製造販売するほか、連結子会社西電興産㈱及び持分法適用関連会社Seibu America Corporationが販売を行っております。原材料の一部(調達品目…ボールネジ、LMガイド等)については、連結子会社西電興産㈱から仕入を行っております。連結子会社西部ペイント㈱が当社製品の塗装を行っております。主要株主㈱安川電機に設備として納入しております。 (4) その他の事業機械機器部品・立体駐車装置の販売、営繕工事並びにその他の事業については、連結子会社西電興産㈱が主として行っております。 〔事業系統図〕以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社と競合する場合は価格競争となることがあり、販売価格の低下を引き起こす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
顧客ニーズに応えるオンリーワン製品の開発に注力しており、高度な技術を利用した製品であるため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:顧客の経営成績及び景気動向 / 価格競争 / 公共投資の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

西部電機は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する顕著な情報が公開情報からは確認できない。ニッチな産業機械分野での技術力は存在する可能性はあるが、それが広範な競争優位に繋がるほどの無形資産として評価できるかは不明。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

産業用ロボットや工作機械は、導入に多額の初期投資とオペレーションの習熟が必要なため、顧客が容易に他社製品へ乗り換えることは難しいと考えられる。しかし、西部電機固有の顧客との強固な関係性や、他社製品との互換性の低さを示す具体的な情報は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

西部電機の事業は、主に産業用ロボットや工作機械の製造・販売であり、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は期待できない。BtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

産業機械分野では、製造プロセスの効率化やサプライチェーンの最適化によるコスト競争力が重要となる。西部電機が他社と比較して構造的に低コストで生産・提供できるという明確な証拠は、公開情報からは見当たらない。規模の経済によるコスト削減の可能性はあるが、現時点では不明瞭。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用ロボットや工作機械市場において、西部電機は一定のシェアを持つと考えられるが、市場全体から見ると、ファナックや安川電機などの大手企業と比較して規模の経済による圧倒的な優位性は限定的である可能性が高い。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言い難い。

  • オンリーワン製品開発力
    競合他社が多い業界において、顧客の特定のニーズに応える「オンリーワン製品」の開発に注力しています。これにより、他社との価格競争に巻き込まれにくい独自の価値を提供し、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
  • グループ連携による効率化
    連結子会社である西電興産が販売や原材料の仕入れを、西部ペイントが製品の塗装を一手に引き受けることで、グループ全体での効率的な事業運営を実現しています。これにより、製造から販売、アフターサービスまでの一貫した体制を構築しています。
  • 主要株主との連携
    主要株主である株式会社安川電機に、搬送機械事業と精密機械事業の設備を納入しています。これは、技術力や製品の信頼性が高く評価されている証であり、安定的な取引基盤を形成していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社の企業グループの基本方針といたしましては、「我々は、技術の本質を謙虚に探索し、自然随順に即した応用で広く世界に貢献しよう」を“我々のロマン”として掲げ、「超精密とメカトロメーションの追求」を製品政策の基本とし、お客様のニーズに応えるユニークな製品づくりと、ご満足いただくための完璧な製品と、メンテナンスサービスの提供をめざしてまいりました。変化の激しいボーダレスなスピード経済の真っ只中で、市況に左右されない健全な経営基盤を確立するために、提案型営業の積極的展開による受注確保と特徴のあるオンリーワン製品・システムのスピーディな開発、当社製品を安心してお使いいただけるサービス体制の強化、そして徹底したコスト削減を図っております。 (2)経営環境及び対処すべき課題2025年度のわが国経済は、原材料価格の高騰、中国経済の減速に加え、アメリカの貿易関税引き上げ、金融資本市場の変動等のリスクを引き続き注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。そのような状況の中、セグメントにおける課題について以下の通り対処してまいります。 搬送機械事業昨今の物流業界においては、EC業界を中心にBtoCのビジネスが急成長しており、物流ビジネスの範囲拡大、配送の小口化により人手不足が加速しております。しかしながら、EC業界で必須の仕分け作業は、重労働であることから人員確保が厳しく、自動化と省人化が急務となっております。当社としては、このような社会課題に対応すべく、小売業向けに自動化システムの提案と新規機器の開発を積極的かつ迅速に進めてまいります。サービス事業においては、お客様のニーズに即した提案を行い、リニューアルや定期的な点検・メンテナンスによる、顧客満足度の向上に努めてまいります。 産業機械事業ゲート市場において、昨今の相次ぐ自然災害により、老朽化した利水ダムの開閉装置更新需要や灌漑市場での省力化が伸長の兆しを見せており、2023年度と2024年度に実機による全国的なキャラバンを開催し、農業水利向けゲート開閉機などの実演を実施いたしました。お問い合わせも徐々に増えており、防災・減災および人手不足対策に寄与すべく、今後もさらなる需要の掘り起こしに努めてまいります。省人化・省力化需要を見込む民需市場においては、脱炭素・カーボンニュートラルをはじめ、市場環境の変化への柔軟な対応が事業発展の鍵となります。引き続き、時代に即した製品開発・市場投入により社会に貢献してまいります。 精密機械事業海外市場において、中国の景気減速は懸念材料であるものの、半導体関連やデータセンター関連の精密な製品に関わる需要は堅調に推移しております。関連した諸外国企業による東南アジア圏への工場建設も活発化しており、中国、さらには東南アジア圏での需要拡大を見据えた営業およびサービス活動の強化に引き続き取り組んでまいります。昨年北米に設立した合弁会社「Seibu America Corporation」においても、今後の成長を見込む医療、航空宇宙系市場を中心に、販路開拓および営業活動を展開し、顧客満足度の向上とさらなる成長を実現してまいります。製造面においても、昨年9月末に完成した新工場でのDXの推進により、生産性効率の向上を図り、従来の生産台数の1.5倍を目指し、さらなる躍進に努めてまいります。当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、売上高、営業利益、売上高営業利益率、ROEであります。また、激変する経営環境の中でも安定した企業経営を行うためには、財務基盤を強固なものにしておくことが重要であると考えており、自己資本比率や資金の流れを認識するためにキャッシュ・フローも重視しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、2024年度を初年度とし、2027年度までの4か年を対象にした新中期経営計画「Seibu Vision 2027」を策定いたしました。新中期経営計画では「大事なのは社会を輝かせる価値を創造し続ける会社であること。収益性・財務健全性に加え、成長性・株主資本効率に重きを置いた経営へ転換し、創業100周年(2027年度)後の未来を見据え、新しい事業に挑戦し、広く世界に貢献する」を掲げ、生産性向上マテハンソリューション、流体制御インフラの高度化、超精密加工ソリューションを通じて、労働人口減少・働き方改革関連法の施行による物流業界への影響、インフラ老朽化・脱炭素、ハイテク産業拡大といった社会課題へ価値を提供してまいります。 ①「Seibu Vision 2027」スローガン未来を輝かせ卓越の技術で人とつながる ②重点施策・既存事業の収益力強化・グローバル展開の加速・新領域への挑戦・バランスシート・マネジメント・経営基盤の強化 ③2027年度定量目標(連結) 2027年度売上高40,000百万円営業利益5,200百万円売上高営業利益率13.0%ROE(自己資本利益率)10.0%
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社の企業グループの基本方針といたしましては、「我々は、技術の本質を謙虚に探索し、自然随順に即した応用で広く世界に貢献しよう」を“我々のロマン”として掲げ、「超精密とメカトロメーションの追求」を製品政策の基本とし、お客様のニーズに応えるユニークな製品づくりと、ご満足いただくための完璧な製品と、メンテナンスサービスの提供をめざしてまいりました。変化の激しいボーダレスなスピード経済の真っ只中で、市況に左右されない健全な経営基盤を確立するために、提案型営業の積極的展開による受注確保と特徴のあるオンリーワン製品・システムのスピーディな開発、当社製品を安心してお使いいただけるサービス体制の強化、そして徹底したコスト削減を図っております。 (2)経営環境及び対処すべき課題2025年度のわが国経済は、原材料価格の高騰、中国経済の減速に加え、アメリカの貿易関税引き上げ、金融資本市場の変動等のリスクを引き続き注視する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。そのような状況の中、セグメントにおける課題について以下の通り対処してまいります。 搬送機械事業昨今の物流業界においては、EC業界を中心にBtoCのビジネスが急成長しており、物流ビジネスの範囲拡大、配送の小口化により人手不足が加速しております。しかしながら、EC業界で必須の仕分け作業は、重労働であることから人員確保が厳しく、自動化と省人化が急務となっております。当社としては、このような社会課題に対応すべく、小売業向けに自動化システムの提案と新規機器の開発を積極的かつ迅速に進めてまいります。サービス事業においては、お客様のニーズに即した提案を行い、リニューアルや定期的な点検・メンテナンスによる、顧客満足度の向上に努めてまいります。 産業機械事業ゲート市場において、昨今の相次ぐ自然災害により、老朽化した利水ダムの開閉装置更新需要や灌漑市場での省力化が伸長の兆しを見せており、2023年度と2024年度に実機による全国的なキャラバンを開催し、農業水利向けゲート開閉機などの実演を実施いたしました。お問い合わせも徐々に増えており、防災・減災および人手不足対策に寄与すべく、今後もさらなる需要の掘り起こしに努めてまいります。省人化・省力化需要を見込む民需市場においては、脱炭素・カーボンニュートラルをはじめ、市場環境の変化への柔軟な対応が事業発展の鍵となります。引き続き、時代に即した製品開発・市場投入により社会に貢献してまいります。 精密機械事業海外市場において、中国の景気減速は懸念材料であるものの、半導体関連やデータセンター関連の精密な製品に関わる需要は堅調に推移しております。関連した諸外国企業による東南アジア圏への工場建設も活発化しており、中国、さらには東南アジア圏での需要拡大を見据えた営業およびサービス活動の強化に引き続き取り組んでまいります。昨年北米に設立した合弁会社「Seibu America Corporation」においても、今後の成長を見込む医療、航空宇宙系市場を中心に、販路開拓および営業活動を展開し、顧客満足度の向上とさらなる成長を実現してまいります。製造面においても、昨年9月末に完成した新工場でのDXの推進により、生産性効率の向上を図り、従来の生産台数の1.5倍を目指し、さらなる躍進に努めてまいります。当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、売上高、営業利益、売上高営業利益率、ROEであります。また、激変する経営環境の中でも安定した企業経営を行うためには、財務基盤を強固なものにしておくことが重要であると考えており、自己資本比率や資金の流れを認識するためにキャッシュ・フローも重視しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、2024年度を初年度とし、2027年度までの4か年を対象にした新中期経営計画「Seibu Vision 2027」を策定いたしました。新中期経営計画では「大事なのは社会を輝かせる価値を創造し続ける会社であること。収益性・財務健全性に加え、成長性・株主資本効率に重きを置いた経営へ転換し、創業100周年(2027年度)後の未来を見据え、新しい事業に挑戦し、広く世界に貢献する」を掲げ、生産性向上マテハンソリューション、流体制御インフラの高度化、超精密加工ソリューションを通じて、労働人口減少・働き方改革関連法の施行による物流業界への影響、インフラ老朽化・脱炭素、ハイテク産業拡大といった社会課題へ価値を提供してまいります。 ①「Seibu Vision 2027」スローガン未来を輝かせ卓越の技術で人とつながる ②重点施策・既存事業の収益力強化・グローバル展開の加速・新領域への挑戦・バランスシート・マネジメント・経営基盤の強化 ③2027年度定量目標(連結) 2027年度売上高40,000百万円営業利益5,200百万円売上高営業利益率13.0%ROE(自己資本利益率)10.0%
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当社グループは、創業100周年を迎える2027年をゴールとした新中期経営計画「Seibu Vision 2027」を策定し、本年度スタートいたしました。スローガンに「未来を輝かせ卓越の技術で人とつながる」を掲げ、「収益性・財務健全性に加え、成長性・株主資本効率に重きを置いた経営へ転換し、新しい事業に挑戦し、広く世界に貢献する」を目標とし、生産性向上マテハンソリューション、流体制御インフラの高度化、超精密加工ソリューションを通じて、労働人口減少・2024年問題、インフラ老朽化・脱炭素、ハイテク産業拡大といった社会課題へ価値を提供してまいります。当連結会計年度におけるわが国経済は、円安や価格転嫁による企業収益の改善や設備投資の増加、雇用や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、中東情勢の長期化を受け原材料・エネルギーコストが高止まるなか、米国の関税措置や米中貿易摩擦の激化など景気減速リスクに注視する必要があり、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループの事業環境といたしましては、物流業界等の人手不足による省人化、省力化、業務効率化ニーズや国土強靭化によるインフラ設備などの需要は堅調に推移しており、中国、ASEAN地域を中心とした外需におきましても、底堅い需要水準を保っております。このような環境の中、当社グループにおきましては、原材料費や輸送費増などの価格転嫁や生産性向上、コスト削減などの対策を推進し、事業活動を継続してまいりました。その結果、当社グループの連結業績は、受注高はすべての報告セグメントにおいて前連結会計年度を上回ったことにより363億5百万円(前期比15.2%増)となり、これまで最高であった2022年度を上回る過去最高額となりました。売上高は、主に精密機械事業が増加し333億5千2百万円(前期比4.4%増)と前連結会計年度を上回る過去最高額となりました。損益においては、経営基盤強化を目的とした人的資本への投資で人件費が増加した一方、原材料・資源価格の高騰等を背景とした価格転嫁の影響やコストダウンを進めたことにより、営業利益は31億9千2百万円(前期比14.7%増)、経常利益は32億7千1百万円(前期比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億5千万円(前期比18.9%増)といずれも過去2番目の記録となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 搬送機械事業搬送機械事業では、物流業界で2024年問題の課題解決や半導体関連の需要増を背景に自動化や省人化ニーズが高まっている中、既存顧客からのリピート受注、自動倉庫や生産・物流分野等に、ピッキングシステムや新商品を使ったソリューションを提案するとともにサービス・メンテナンスにも注力し、拡販を図ってまいりました。その結果、受注高は自動車部品や半導体関連業界、食品物流センター、ハウスメーカー向けの物件など幅広い業界の成約があり139億2千3百万円(前期比15.9%増)、売上高は電気機器業界や流通業界向けの物件などがあり112億2千万円(前期比1.0%減)となりました。 産業機械事業産業機械事業では、民間需要の掘り起こしやゲート分野を中心とした既存市場におけるシェアアップ、サービス・メンテナンス及び前年度好評を得た全国キャラバン活動による既存ゲート設備の電動化の提案に注力してまいりました。その結果、受注高は上下水道向けや防衛省向け等があり69億3千2百万円(前期比3.7%増)、売上高は上下水道向けやサービス・メンテナンスが増加し66億4千7百万円(前期比1.0%増)となりました。 精密機械事業精密機械事業では、中国経済の低迷が懸念されたものの半導体市場向けやデータセンター向け、電気自動車関連において、当社のモノづくりにこだわった超精密な性能が永年安定する製品への需要が引き続き高水準に推移し、受注高は150億4千2百万円(前期比21.9%増)、売上高は新工場建設により生産能力が向上し150億6千6百万円(前期比11.0%増)となりました。 その他の事業その他の事業では、機械機器部品・立体駐車装置の販売、営繕工事等を行っており、受注高は4億7百万円(前期比12.0%減)、売上高は4億1千8百万円(前期比10.0%減)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)搬送機械事業10,937△4.4産業機械事業6,7321.6精密機械事業15,1619.7その他の事業418△10.0合計33,2492.8 (注) 金額は、販売価格によっております。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)搬送機械事業13,92315.911,88929.4産業機械事業6,9323.72,35113.8精密機械事業15,04221.94,444△0.5その他の事業407△12.075△12.5合計36,30515.218,76018.7 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)搬送機械事業11,220△1.0産業機械事業6,6471.0精密機械事業15,06611.0その他の事業418△10.0合計33,3524.4 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)㈱兼松ケージーケイ3,22410.13,74211.2SHENZHEN SPEED IMP.& EXP.CO.,LTD.2,6768.43,35010.0 (2) 財政状態資産当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末より34億8千万円減少し、234億9百万円となりました。その主な要因といたしましては、受取手形、売掛金及び契約資産が7億4千3百万円増加したものの、現金及び預金が34億9千9百万円、電子記録債権が5億1千2百万円、原材料及び貯蔵品が2億3千万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末より2億3千6百万円減少し、230億1百万円となりました。その主な要因といたしましては、建物及び構築物が20億8千7百万円増加したものの、投資有価証券が12億1千万円、建設仮勘定が8億2千8百万円、機械装置及び運搬具が2億6千1百万円減少したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ37億1千6百万円減少し、464億1千1百万円となりました。 負債当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末より35億3千3百万円減少し、117億8千8百万円となりました。その主な要因といたしましては、契約負債が3億5千2百万円、未払法人税等が1億8千7百万円増加したものの、電子記録債務が32億9百万円、流動負債のその他が8億4千6百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末より4億2千9百万円減少し、38億2千8百万円となりました。その主な要因といたしましては、再評価に係る繰延税金負債が4千3百万円、退職給付に係る負債が2千1百万円増加しましたものの、繰延税金負債が4億円、製品保証引当金が1億5百万円減少したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ39億6千2百万円減少し、156億1千6百万円となりました。 純資産当連結会計年度末における株主資本は、前連結会計年度末より14億1千7百万円増加し、243億4千1百万円となりました。その主な要因といたしましては、利益剰余金が14億1千1百万円増加したこと等によるものであります。その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末より11億7千1百万円減少し、64億5千3百万円となりました。その主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が9億8千8百万円、退職給付に係る調整累計額が1億2千7百万円減少したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億4千6百万円増加し、307億9千4百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー① キャッシュ・フローの概況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ34億9千9百万円減少し、83億5千6百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、増加した資金は5億4千1百万円(前連結会計年度は37億1千2百万円の増加)となりました。その主な要因といたしましては、仕入債務の減少32億7千9百万円、法人税等の支払額7億3千万円がありましたものの、税金等調整前当期純利益32億9千8百万円や減価償却費9億8千3百万円、契約負債の増加3億5千2百万円があったこと等によるものであります。なお、仕入債務の減少は取引先への支払方法の見直しの影響等によります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、減少した資金は30億6千3百万円(前連結会計年度は22億6百万円の減少)となりました。その主な要因といたしましては、有形固定資産の取得による支出24億1千1百万円、無形固定資産の取得による支出2億9千4百万円、関係会社株式の取得による支出2億3千2百万円があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、減少した資金は9億7千6百万円(前連結会計年度は6億4千万円の減少)となりました。その主な要因といたしましては、配当金の支払9億3千8百万円を行ったこと等によるものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資が主な資金需要であり、これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部留保により賄い、必要に応じてレバレッジを活用することを基本方針としております。当連結会計年度におきましては、確固たる経営基盤の構築を見据え、既存設備の老朽化更新や生産能力増強、外注品の内製化等の設備投資を継続的に実施いたしましたが、投資活動によるキャッシュフローの減少等により、当連結会計年度末における当社グループの資金の残高は83億5千6百万円と、前期末比34億9千9百万円減少いたしました。また、当面の設備投資などは自己資金で賄い、必要に応じてレバレッジの活用を予定してます。設備の新設等の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (4) 経営指標「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載の通り、当社では経営の主たる指標として売上高、営業利益、売上高営業利益率及びROE(自己資本利益率)を使用しております。 第91期2024年3月第92期2025年3月売上高(百万円)31,94533,352営業利益(百万円)2,7823,192売上高営業利益率(%)8.79.6ROE(自己資本利益率)(%)6.77.7 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 顧客の経営と景気変動
    設備機械関連製品が多いため、顧客企業の業績や、顧客が属する業界の景気動向が、製品の受注や売上に直接影響を与える可能性があります。特に零細企業との取引も多く、景気変動の影響を受けやすい点がリスクとなります。
  • 価格競争の激化
    競合他社が多い業界に属しており、オンリーワン製品の開発に注力しているものの、他社と競合する場合には価格競争が発生し、販売価格の低下を招く可能性があります。これが収益性を圧迫する要因となることが懸念されます。
  • 海外環境と為替変動
    海外への輸出(特にアジア地域)を行っているため、為替相場や輸出相手国の景気動向、政情不安、自然災害などが、海外向けの受注や売上に影響を及ぼす可能性があります。グローバルな事業展開に伴うリスクです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,223 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 顧客の経営成績及び景気動向当社グループには設備機械関連の製品があります。よって顧客の経営成績及び顧客の属する業界の景気動向が、当社グループの受注、売上に影響する可能性があります。また零細企業との取引もあり、これらの企業は好不況の影響を受けやすい面があります。② 価格競争当社グループの属する業界は、競合会社の多い業界であります。顧客ニーズに応えるために競合他社にはないオンリーワン製品の開発に注力しておりますものの、他社と競合する場合は価格競争となることがあります。これが販売価格の低下を引き起こす可能性があります。③ 公共投資の影響当社グループには、公共投資関連向けの製品があります。これらの製品の受注、売上は、政府や地方公共団体の政策に影響を受ける可能性があります。また下半期に売上が集中するために、生産も上期、下期のアンバランスが生じております。よって売上は年度当初の立ち上がりが遅い等の影響を受けます。④ 海外環境当社グループは、海外への輸出(特にアジア)を行っております。よって為替相場、輸出相手国の景気動向、政情不安及び自然災害等が、当社グループの海外向けの受注、売上に影響する可能性があります。⑤ 原材料価格の変動当社グループの製品の殆どが鉄鋼、鋳物等の金属部品を原材料としております。わが国の金属の調達は海外依存度が高いために、海外の景気や為替の変動、政情不安等の社会的混乱によって、原材料価格が変動する懸念を有しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑥ 新製品開発力当社グループは、お客様のニーズに対応した、オンリーワン製品、システムの開発を行っております。開発のための経営資源は、企業規模から一定の制約がありますので、開発テーマは重点を絞らざるを得ません。このため新たに開発した製品・システムが市場ニーズに的確にマッチしない場合は、業績が低下する可能性があります。また、お客様のニーズは常に変化しており、その変化のスピードに対応できる新製品開発力が必要となります。⑦ 仕込生産品当社グループは、顧客納期の対応のため仕込生産を行っております。これは、市場の情勢や売上計画を基に決定しております。仕込生産は最低限で行っておりますが、万が一市場の情勢の変化や顧客の都合等で売上の減少により、仕込生産品の別の製品への流用が出来ず使用が見込めない場合は、仕込生産品が不良資産となる可能性があります。⑧ 品質のコントロール当社グループの製品は、高度な技術を利用したものであります。また原材料等は外部から多品種かつ大量に調達を行っております。よって品質のコントロールは複雑化しております。万が一当社グループの製品に欠陥が生じた場合は、当社グループがその欠陥によって生じた損害を補償するとともに、当社グループの製品の信頼度や売上に影響を及ぼす可能性があります。⑨ コンピュータートラブル当社グループの生産・販売並びに会計システムは、コンピューターシステムを使用しております。停電の時のために無停電電源装置の導入、サーバー故障の時のためのバックアップ等のトラブル対策は行っておりますが、万が一予想外のトラブルが発生した場合、当社業務活動に影響を及ぼす可能性があります。⑩ 知的財産権当社グループは、製品技術やデザインまたその製造過程等に知的財産権を利用しております。また必要な場合は、第三者から知的財産権の取得や借用を行う場合があります。これらの権利の保護、取得、維持がうまく行かなかった場合は、当社グループの製品の生産や販売に影響を及ぼす可能性があります。⑪ 退職給付債務当社グループは、数理計算によって算出される退職給付債務を負担しています。これは前提条件や年金資産の期待収益から算出されており、前提条件が変更されたり、期待収益が実際の結果と異なった場合は、その影響は将来的にも蓄積され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 事故災害当社グループは、火災等の事故や災害を防止するために設備の点検、消火組織及び設備の充実、自衛消防隊をはじめとする各種の安全活動を行っております。しかしこれらの対策にも拘わらず事故や災害は発生する可能性があります。発生した場合の対策として災害保険に加入していますものの、生産力低下による売上高の減少や、設備の代替や修復のために多額の資金を要するなどの当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑬ 株式等の有価証券の時価下落当社グループは、株式等の有価証券を保有しております。これらの有価証券の時価が著しく下落した場合は、評価損となり当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑭ 環境問題当社グループは、環境に関する法令を遵守し、今後も違反しないよう設備の充実や社員教育を行っております。しかしながら将来的に環境に関する規制が一層厳しくなり、現行法令の改正や新たな法令の制定が行われた場合は、その対策のための費用が発生し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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