事業の内容
ERIホールディングスは、建築物の評価・格付け・検査を専門とする第三者機関です。主な事業は、建築基準法に基づく建築確認・検査、住宅品確法に基づく住宅性能評価、そして施工中・既存建築物の調査や土木関連のコンサルティングを行うソリューション事業です。これらの事業を通じて、建築物の安全性や品質を確保し、社会の信頼を支えることで収益を上げています。特に、建築確認検査と住宅性能評価が主力事業であり、専門的な技術力と公正中立な立場が強みです。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
年度を切り替えて推移を確認できます。
FY2025|10,594 文字|出典 docID: S100WLGA
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社15社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社福田水文センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社森林環境リアライズ、道建コンサルタント株式会社、国土工営コンサルタンツ株式会社、株式会社構造総合技術研究所、アジアコンサルタント株式会社、株式会社イーピーエーシステム、日建コンサルタント株式会社、株式会社ERIアカデミー、及び株式会社花田設計事務所) の計16社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査及び関連事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。また、関連事業として、超高層建築物等構造評定※2、型式適合認定※3、耐震診断・耐震改修計画の判定を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※4として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、性能向上計画認定に係る技術的審査※4※7、認定表示に係る技術的審査※4※7を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法への適合状況の調査、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※4、長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認※4、既存住宅状況調査(ホームインスペクション)、CASBEE認証などを行っております。また、土木関連の事業として建設コンサルタント、測量※8、BIM/CIMのモデリング、外国人技術者の教育・派遣などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社福田水文センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社森林環境リアライズ、道建コンサルタント株式会社、国土工営コンサルタンツ株式会社、株式会社構造総合技術研究所、アジアコンサルタント株式会社、日建コンサルタント株式会社、株式会社花田設計事務所④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、低炭素建築物の技術的審査※4※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※4※7、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※9、構造計算適合性判定※10などを行っております。また、建築士定期講習※11、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社イーピーエーシステム、株式会社ERIアカデミー ※1指定確認検査機関 ※2指定性能評価機関 ※3指定認定機関 ※4登録住宅性能評価機関 ※5登録住宅型式性能認定等機関 ※6登録試験機関 ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関 ※8建設コンサルタント、測量業、補償コンサルタント等※9登録建築物エネルギー消費性能評価機関 ※10指定構造計算適合性判定機関 ※11登録講習機関(上記の指定・登録は国土交通大臣、地方整備局長・開発局長、都道府県知事などから、業務遂行に必要な指定・登録を受けております) 〔当社グループ業務の系統図〕2025年5月31日現在 (1)確認検査及び関連事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度が設けられています。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員(副確認検査員を含む)757名(2025年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりです。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。2025年4月1日の建築基準法の改正施行より、原則全ての住宅・非住宅建築物に省エネルギー基準への適合義務が課せられ、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けるほか、比較的容易な特定建築行為(住宅に限る)については、仕様基準に基づき外皮性能及び一次エネルギー消費性能を確認する、若しくは、登録住宅性能評価機関による設計住宅性能評価、長期優良住宅建築等計画の認定又は長期使用構造の確認を受ける場合は、建築物エネルギー消費性能判定を省略することができることとなりました。建築工事の完了時には確認検査員等による現場検査が行われ、省エネルギー基準を含め建築物の適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員等による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 市町村又は都道府県において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置く市町村については当該市町村の長をいい、その他の市町村については都道府県知事を いう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが生じました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。2022年6月17日、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、省エネルギー対策や木材利用促進の観点から脱炭素化を目的とした改正建築基準法(3年以内施行)が公布され、2025年4月1日より原則として全ての建築物について、省エネルギー基準に適合することが義務付けられております。更に2024年11月1日の改正建築基準法の施行により、都道府県または建築主事を置く市町村の建築物に対する審査・検査等(「計画通知」対象建築物)についても、指定確認検査機関に開放されました。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。 〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った長期使用構造等の確認を行っております。所管行政庁が認定を行う前に長期使用構造等の確認を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 (3)ソリューション事業<建築基準法への適合状況の調査>2025年4月に国土交通省より開始された「既存建築物の現況調査ガイドライン」に基づき、既存建築物を増築、改築、移転、大規模の修繕または模様替えをしようとした際の、該当建築物の建築基準法令の規定への適合状況を調査しています。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、既存建築物の増改築工事等に先立って、対象物の建築基準への適合状況を確かめるための遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>建築物や土木構造物の施工や維持保全において求められる点検・検査等のサービスを提供しております。施工中建築物の第三者チェック等を行う建物施工監査、瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査、既存不適格建物の状況調査、建築物・土木構造物の保守点検・劣化調査・鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査等さまざまなサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について長期使用構造等の確認を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <建設コンサルタント業務等>土木構造物等のインフラ・ストックから自然環境分野まで幅広い対象をカバーし、主に国や地方公共団体から公共事業で必要となる、調査・点検・診断・設計・測量等の業務を受託しています。当社グループでは、株式会社ERIソリューション、株式会社森林環境リアライズ、道建コンサルタント株式会社、日建コンサルタント株式会社、アジアコンサルタント株式会社、国土工営コンサルタンツ株式会社が建設コンサルタント登録、測量業者登録、補償コンサルタント登録等の業務に必要な登録を受けて対応しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2016年4月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」が取りまとめられ、当該ガイドラインによる評価としてBELSが位置づけられるとともに、評価対象に住宅が追加されました。また、2022年6月の建築物省エネ法の改正により、新たに2024年4月に建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度の第三者認証に位置づけられました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行され2,000㎡以上の非住宅建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられ、その後、2019年の法改正により、2021年4月から300㎡以上の非住宅建築物に対象が拡大されました。2022年6月、脱炭素社会の実現に向け、改正建築物省エネ法が公布され、その第一弾が2023年4月に、第二弾が2024年4月に施行されました。そして第三弾として、2025年4月以降に着工する原則全ての住宅・建築物について省エネ基準適合が義務付ける法改正が施行されました。当社グループはこの法律に基づく建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査及び関連事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2024|10,377 文字|出典 docID: S100UAN7
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社13社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社森林環境リアライズ、株式会社構造総合技術研究所、株式会社北洋設備設計事務所、道建コンサルタント株式会社、株式会社ERIアカデミー、株式会社イーピーエーシステム、日建コンサルタント株式会社、及びアジアコンサルタント株式会社) の計14社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査及び関連事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。また、関連事業として、超高層建築物等構造評定※2、型式適合認定※3、耐震診断・耐震改修計画の判定を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※4として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、性能向上計画認定に係る技術的審査※4※7、認定表示に係る技術的審査※4※7を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中や既存の建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※4、長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認※4、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証など行っております。また土木関連の事業として建設コンサルタント、測量※8などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社森林環境リアライズ、株式会社構造総合技術研究所、株式会社北洋設備設計事務所、道建コンサルタント株式会社、日建コンサルタント株式会社、アジアコンサルタント株式会社④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、低炭素建築物の技術的審査※4※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※4※7、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※9、構造計算適合性判定※10などを行っております。 また、建築士定期講習※11、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社ERIアカデミー、株式会社イーピーエーシステム ※1指定確認検査機関 ※2指定性能評価機関 ※3指定認定機関 ※4登録住宅性能評価機関 ※5登録住宅型式性能認定等機関 ※6登録試験機関 ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関 ※8建設コンサルタント、測量業、補償コンサルタント等※9登録建築物エネルギー消費性能評価機関 ※10指定構造計算適合性判定機関 ※11登録講習機関(上記の指定・登録は国土交通大臣、地方整備局長・開発局長、都道府県知事などから、業務遂行に必要な指定・登録を受けております) 〔当社グループ業務の系統図〕2024年5月31日現在 (1)確認検査及び関連事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員710名(2024年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。また、床面積の合計が300㎡以上である非住宅建築物については、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 市町村又は都道府県において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置く市町村については当該市町村の長をいい、その他の市町村については都道府県知事を いう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。2022年6月17日、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、省エネルギー対策や木材利用促進の観点から脱炭素化を目的とした改正建築基準法が公布され、その第1弾が2023年4月1日に、第2弾が2024年4月1日に施行されました。その最終段階として2025年4月1日より、原則として、一戸建て住宅を含む全ての建築物について省エネルギー基準に適合することを義務付ける改正法が施行される予定となっております。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。 〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った長期使用構造等の確認を行っております。所管行政庁が認定を行う前に長期使用構造等の確認を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、既存建築物の増改築工事等に先立って、対象物の建築基準への適合状況を確かめるための遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>建築物や土木構造物の施工や維持保全において求められる点検・検査等のサービスを提供しております。施工中建築物の第三者チェック等を行う建物施工監査、瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査、既存不適格建物の状況調査、建築物・土木構造物の保守点検・劣化調査・鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査等さまざまなサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について長期使用構造等の確認を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <建設コンサルタント業務等>土木構造物等のインフラ・ストックから自然環境分野まで幅広い対象をカバーし、主に国や地方公共団体から公共事業で必要となる、調査・点検・診断・設計・測量等の業務を受託しています。当社グループでは、株式会社ERIソリューション、株式会社森林環境リアライズ、株式会社構造総合技術研究所、株式会社北洋設備設計事務所、道建コンサルタント株式会社、日建コンサルタント株式会社、アジアコンサルタント株式会社が建設コンサルタント登録、測量業者登録、補償コンサルタント登録等の業務に必要な登録を受けて対応しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2016年4月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」が取りまとめられ、当該ガイドラインによる評価としてBELSが位置づけられるとともに、評価対象に住宅が追加されました。また、2022年6月の建築物省エネ法の改正により、新たに2024年4月に建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度の第三者認証に位置づけられました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.300㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査及び関連事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2023|10,198 文字|出典 docID: S100RRZP
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社12社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所、道建コンサルタント株式会社、株式会社森林環境リアライズ、株式会社ERIアカデミー、日建コンサルタント株式会社、株式会社イーピーエーシステム、及び株式会社北洋設備設計事務所) の計13社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査及び関連事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。また、関連事業として、超高層建築物等構造評定※2、型式適合認定※3、耐震診断・耐震改修計画の判定を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※4として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、性能向上計画認定に係る技術的審査※4※7、認定表示に係る技術的審査※4※7を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中や既存の建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※4、長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認※4、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証など行っております。また土木関連の事業として建設コンサルタント、測量※8などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所、道建コンサルタント株式会社、株式会社森林環境リアライズ、日建コンサルタント株式会社、株式会社北洋設備設計事務所④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、低炭素建築物の技術的審査※4※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※4※7、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※9、構造計算適合性判定※10などを行っております。 また、建築士定期講習※11、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社ERIアカデミー、株式会社イーピーエーシステム ※1指定確認検査機関 ※2指定性能評価機関 ※3指定認定機関 ※4登録住宅性能評価機関 ※5登録住宅型式性能認定等機関 ※6登録試験機関 ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関 ※8建設コンサルタント、測量業、補償コンサルタント等※9登録建築物エネルギー消費性能評価機関 ※10指定構造計算適合性判定機関 ※11登録講習機関(上記の指定・登録は国土交通大臣、地方整備局長・開発局長、都道府県知事などから、業務遂行に必要な指定・登録を受けております) 〔当社グループ業務の系統図〕2023年5月31日現在 (1)確認検査及び関連事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員716名(2023年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。また、床面積の合計が300㎡以上である非住宅建築物については、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 市町村又は都道府県において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置く市町村については当該市町村の長をいい、その他の市町村については都道府県知事を いう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。2022年6月17日、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、省エネルギー対策や木材利用促進の観点から脱炭素化を目的とした改正建築基準法が公布されました。その第1弾が2023年4月1日に施行され、2025年4月に向けて段階的に施行される予定となっております。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。 〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った長期使用構造等の確認を行っております。所管行政庁が認定を行う前に長期使用構造等の確認を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、既存建築物の増改築工事等に先立って、対象物の建築基準への適合状況を確かめるための遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>建築物や土木構造物の施工や維持保全において求められる点検・検査等のサービスを提供しております。施工中建築物の第三者チェック等を行う建物施工監査、瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査、既存不適格建物の状況調査、建築物・土木構造物の保守点検・劣化調査・鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査等さまざまなサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について長期使用構造等の確認を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <建設コンサルタント業務等>土木構造物等のインフラ・ストックから自然環境分野まで幅広い対象をカバーし、主に国や地方公共団体から公共事業で必要となる、調査・点検・診断・設計・測量等の業務を受託しています。当社グループでは、株式会社ERIソリューション、株式会社構造総合技術研究所、道建コンサルタント株式会社、株式会社森林環境リアライズ、日建コンサルタント株式会社、株式会社北洋設備設計事務所が建設コンサルタント登録、測量業者登録、補償コンサルタント登録等の業務に必要な登録を受けて対応しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。2016年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.300㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査及び関連事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2022|9,899 文字|出典 docID: S100P3QQ
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社8社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所、株式会社イーピーエーシステム、及び株式会社ERIアカデミー) の計9社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査及び関連事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。また、関連事業として、超高層建築物等構造評定※2、型式適合認定※3、耐震診断・耐震改修計画の判定を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※4として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、性能向上計画認定に係る技術的審査※4※7、認定表示に係る技術的審査※4※7を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※4、長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認※4、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証、インフラストック点検・診断※8などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、低炭素建築物の技術的審査※4※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※4※7、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※9、構造計算適合性判定※10などを行っております。 また、建築士定期講習※11、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン、株式会社東京建築検査機構、株式会社イーピーエーシステム、株式会社ERIアカデミー ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※3指定認定機関(国土交通大臣指定) ※4登録住宅性能評価機関(国土交通大臣登録) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8建設コンサルタント(国土交通大臣登録) ※9登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※10指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※11登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕2022年5月31日現在 (1)確認検査及び関連事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員706名(2022年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。また、床面積の合計が300㎡以上である非住宅建築物については、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 市町村又は都道府県において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置く市町村については当該市町村の長をいい、その他の市町村については都道府県知事を いう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る長期使用構造等の確認>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った長期使用構造等の確認を行っております。所管行政庁が認定を行う前に長期使用構造等の確認を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)長期使用構造等の確認>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について長期使用構造等の確認を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <インフラストック点検・診断>インフラストック(土木構造物)分野での点検・診断等の業務を提供しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社サッコウケン及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。2016年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、空調設備などを使用するために必要なエネルギー量などをkWh/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査を実施し、「第三者認証書」を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.300㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査及び関連事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2021|9,918 文字|出典 docID: S100MC4T
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社8社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所、株式会社サッコウケン、株式会社イーピーエーシステム、及び株式会社ERIアカデミー) の計9社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照下さい。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査及び関連事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。また、関連事業として、超高層建築物等構造評定※2、型式適合認定※3、耐震診断・耐震改修計画の判定を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構、株式会社サッコウケン②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※4として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、性能向上計画認定に係る技術的審査※4※7、認定表示に係る技術的審査※4※7を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構、株式会社サッコウケン③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※4、長期優良住宅(増改築)技術的審査※4、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証、インフラストック点検・診断などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所、株式会社サッコウケン④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、低炭素建築物の技術的審査※4※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※4※7、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※8、構造計算適合性判定※9などを行っております。 また、建築士定期講習※10、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構、株式会社サッコウケン、株式会社イーピーエーシステム、株式会社ERIアカデミー ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※3指定認定機関(国土交通大臣指定) ※4登録住宅性能評価機関(国土交通大臣登録) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※9指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※10登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕2021年5月31日現在 (1)確認検査及び関連事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構及び株式会社サッコウケンに、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員719名(2021年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。また、床面積の合計が300㎡以上である非住宅建築物については、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 市町村又は都道府県において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置く市町村については当該市町村の長をいい、その他の市町村については都道府県知事を いう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)技術的審査>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について技術的審査を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <インフラストック点検・診断>インフラストック(土木構造物)分野での点検・診断等の業務を提供しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。2016年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、空調設備などを使用するために必要なエネルギー量などをkWh/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査を実施し、「第三者認証書」を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.300㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査及び関連事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2020|9,753 文字|出典 docID: S100JLYZ
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社7社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構株式会社、株式会社イーピーエーシステム、ERIアカデミー及び株式会社構造総合技術研究所) の計8社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※2として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※2、長期優良住宅(増改築)技術的審査※2、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証、インフラストック点検・診断などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、超高層建築物等構造評定※3、型式適合認定※4、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、耐震診断・耐震改修計画の判定、低炭素建築物の技術的審査※2※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※2※7、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※8、性能向上計画認定に係る技術的審査※2※7、認定表示に係る技術的審査※2※7、構造計算適合性判定※9などを行っております。 また、建築士定期講習※10、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構、株式会社イーピーエーシステム、株式会社ERIアカデミー ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2登録住宅性能評価機関(国土交通大臣登録) ※3指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※4指定認定機関(国土交通大臣指定) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※9指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※10登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕2020年5月31日現在 (1)確認検査事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に建築主事※1又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員715名(2020年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。また、床面積の合計が2,000㎡以上である非住宅建築物については、所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関による建築物エネルギー消費性能適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁※2が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 地方公自治体において建築確認に関する事務を司るもの。※2 建築主事を置き建築確認業務を執行する行政機関(原則として人口25万人以上の市区町村の長、及び都道府 県知事)をいう。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1住戸につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)技術的審査>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について技術的審査を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <インフラストック点検・診断>インフラストック(土木構造物)分野での点検・診断等の業務を提供しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。2016年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、空調設備などを使用するために必要なエネルギー量などをkWh/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査を実施し、「第三者認証書」を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.2,000㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、他の指定確認検査機関などに「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2019|9,673 文字|出典 docID: S100GV6S
3 【事業の内容】当社は2013年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、持株会社である当社及び連結子会社7社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構株式会社、株式会社イーピーエーシステム、ERIアカデミー及び株式会社構造総合技術研究所) の計8社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※2として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※2、長期優良住宅(増改築)技術的審査※2、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、CASBEE認証、インフラストック点検・診断などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構、株式会社構造総合技術研究所④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、超高層建築物等構造評定※3、型式適合認定※4、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、耐震診断・耐震改修計画の判定、低炭素建築物の技術的審査※2※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※2※7、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※8、性能向上計画認定に係る技術的審査※2※7、認定表示に係る技術的審査※2※7、構造計算適合性判定※9などを行っております。 また、建築士定期講習※10、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構、株式会社イーピーエーシステム、株式会社ERIアカデミー ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2登録住宅性能評価機関(国土交通大臣登録) ※3指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※4指定認定機関(国土交通大臣指定) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※9指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※10登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕2019年5月31日現在 (1)確認検査事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に特定行政庁※1における建築主事※2又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した選任の確認検査員711名(2019年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 建築確認業務を執行する行政機関(原則として人口25万人以上の市区町村の長、及び都道府県知事) をいう。※2 建築確認に関する事務を司らせるためおいたもの。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕1998年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、特定行政庁の建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、1995年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、特定行政庁の建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、2007年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 2015年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕1999年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ 住宅品確法の創設前は、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1件につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>2014年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>1999年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても2002年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは2003年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)技術的審査>既存住宅の増改築において、2009年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について技術的審査を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 <インフラストック点検・診断>インフラストック(土木構造物)分野での点検・診断等の業務を提供しております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が2009年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは2012年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>2013年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。2016年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、空調設備などを使用するために必要なエネルギー量などをkWh/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査を実施し、「第三者認証書」を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が2017年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.2,000㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが2007年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、2015年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、他の指定確認検査機関などに「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2018|9,672 文字|出典 docID: S100E118
3 【事業の内容】当社は平成25年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、純粋持株会社である当社及び連結子会社6社(日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構株式会社、ERIアカデミー及び株式会社イーピーエーシステム) の計7社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※2として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 施工中・既存建築物に関する事業として、建築基準法適合状況調査※1、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価※2、長期優良住宅(増改築)技術的審査※2、ホームインスペクションなどのその他コンシューマー、すまいとマネープラン(建築資金出来高支払管理)、CASBEE認証などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、超高層建築物等構造評定※3、型式適合認定※4、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、耐震診断・耐震改修計画の判定、低炭素建築物の技術的審査※2※7、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価※2※7、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※8、性能向上計画認定に係る技術的審査※2※7、認定表示に係る技術的審査※2※7、構造計算適合性判定※9などを行っております。 また、建築士定期講習※10、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構、株式会社ERIアカデミー、株式会社イーピーエーシステム ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2登録住宅性能評価機関(国土交通大臣登録) ※3指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※4指定認定機関(国土交通大臣指定) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※9指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※10登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕平成30年5月31日現在 (1)確認検査事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に特定行政庁※1における建築主事※2又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社ERIソリューション及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した確認検査員686名(平成30年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 建築確認業務を執行する行政機関(原則として人口25万人以上の市区町村の長、及び都道府県知事) をいう。※2 建築確認に関する事務を司らせるためおいたもの。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕平成10年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、特定行政庁の建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、平成7年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、特定行政庁の建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、平成19年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 平成27年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕平成11年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ これまで、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1件につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは平成21年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 (3)ソリューション事業<建築基準法適合状況調査>平成26年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 <デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <既存住宅性能評価>平成11年6月に公布された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき開始された新築の住宅性能評価に続き、既存住宅についても平成14年12月から既存住宅性能評価が開始されました。当社グループでは平成15年4月から同業務を開始し、既存住宅の劣化状況、不具合や性能の評価を行っております。 <長期優良住宅(増改築)技術的審査>既存住宅の増改築において、平成21年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立ち、所管行政庁が定める認定基準の区分について技術的審査を行っております。 <その他コンシューマー>既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション、適合証明業務、既存の戸建住宅や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)等を提供しております。 <すまいとマネープラン>注文住宅・大規模リフォームの工事中の資金管理サービスを提供しております。 <CASBEE認証>建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務を行っております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が平成21年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社、株式会社住宅性能評価センター及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定(性能評価)を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは平成24年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>平成25年10月に国土交通省が公表した「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。平成28年4月、このガイドラインに基づく評価としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、空調設備などを使用するために必要なエネルギー量などをkWh/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査を実施し、「第三者認証書」を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が平成29年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.2,000㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが平成19年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、平成27年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、他の指定確認検査機関などに「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2017|9,449 文字|出典 docID: S100B8YB
3 【事業の内容】当社は平成25年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、純粋持株会社である当社及び連結子会社5社(日本ERI株式会社、株式会社ERIソリューション、株式会社ERIアカデミー、株式会社東京建築検査機構及び株式会社イーピーエーシステム) の計6社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照下さい。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ①確認検査事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認、中間検査、完了検査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社東京建築検査機構②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※2として、設計住宅性能評価、建設住宅性能評価を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社東京建築検査機構③ソリューション事業 既存建築物に関する事業として、不動産取引などにおけるエンジニアリングレポートの作成、遵法性調査などのデューデリジェンス、施工中・既存建築物に関する現況調査や施工監査、非破壊検査などのインスペクション、既存住宅性能評価、長期優良住宅(増改築)技術的審査、ホームインスペクションなどのコンシューマー、建築資金出来高支払管理、建築基準法適合状況調査などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社ERIソリューション、株式会社東京建築検査機構④その他 住宅瑕疵担保責任保険の検査、フラット35適合証明、超高層建築物等構造評定※3、型式適合認定※4、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験※6、耐震診断・耐震改修計画の判定、低炭素建築物の技術的審査、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価、エネルギーパス第三者認証、建築物エネルギー消費性能適合性判定※7、建築物エネルギー消費性能評価※8、性能向上計画認定に係る技術的審査※2※7、認定表示に係る技術的審査※2※7、構造計算適合性判定※9などを行っております。 また、建築士定期講習※10、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナー、建築CAD・積算システムの受託開発などを行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社ERIソリューション、株式会社ERIアカデミー、株式会社東京建築検査機構、株式会社イーピーエーシステム ※1指定確認検査機関(国土交通大臣指定) ※2登録住宅性能評価機関(国土交通大臣指定) ※3指定性能評価機関(国土交通大臣指定) ※4指定認定機関(国土交通大臣指定) ※5登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣登録) ※6登録試験機関(国土交通大臣登録) ※7登録建築物エネルギー消費性能判定機関(国土交通大臣登録) ※8登録建築物エネルギー消費性能評価機関(国土交通大臣登録) ※9指定構造計算適合性判定機関(国土交通大臣指定) ※10登録講習機関(国土交通大臣登録) 〔当社グループ業務の系統図〕平成29年5月31日現在 (1)確認検査事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に特定行政庁※1における建築主事※2又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社の全国34ヵ所の本支店及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した確認検査員578名(平成29年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 建築確認業務を執行する行政機関(原則として人口25万人以上の市区町村の長、及び都道府県知事) をいう。※2 建築確認に関する事務を司らせるためおいたもの。 〔確認検査の流れ〕 〔建築基準法の改正〕平成10年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、特定行政庁の建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、平成7年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、特定行政庁の建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、平成19年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 平成27年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕平成11年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ これまで、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。なお、いわゆる中古住宅についても平成14年12月から「既存住宅性能評価」制度がスタートし、当社グループでは平成15年4月から同業務を開始しております。しかし、同制度は、今のところ新築住宅の性能評価と比べて認知度・普及率が極めて低いのが現状であります。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1件につき4,000円の負担金を納付しております。〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは平成21年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 (3)ソリューション事業<デューデリジェンス>不動産取引における建築物に関わる遵法性、劣化、地震、環境等の現況とリスク調査を行い、その不動産が投資適格かどうか判断するための建築物等の調査、いわゆる「エンジニアリングレポート(ER)」を作成するほか、「建築基準法適合判定書」を作成する遵法性調査、建築物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の認証業務、土壌・建物環境リスク調査等を行っております。 <インスペクション>施工中物件の第三者チェック等を行う建物施工監査、劣化状況・安全性・構造項目の遵法性・既存不適格建物の調査等を行う建物状況調査、鉄筋探査・コンクリート強度推定・外壁調査・瑕疵保険の特例検査等を行う非破壊調査等、建築物における維持保全、改良保全の手助けとなるサービスを提供しております。 <すまいと、コンシューマー>注文住宅・大規模リフォームの工事中の資金管理サービス(すまいと)、既存住宅の住宅建設性能評価や目視による既存住宅の劣化診断を行うホームインスペクション等、既存の戸建や共同住宅向けの各種検査・調査・診断サービス(コンシューマー)を提供しております。 <建築基準法適合状況調査>平成26年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。 (4)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が平成21年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社の全国各支店及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築物の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 <特別評価方法認定のための試験>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築物評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは平成24年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>平成25年10月に国土交通省が公表した非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく省エネ性能の表示制度が平成28年4月に開始されたことに伴い、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。ガイドラインに基づく第三者認証としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく任意の評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、給湯や照明を使用するために必要なエネルギー量などをKWH/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査及び第三者認証書を発行しております。 <建築物エネルギー消費性能適合性判定>平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の規制措置が平成29年4月1日に施行されました。特定建築行為※を行う建築主は、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させること、建築物エネルギー消費性能適合性判定を受けることが義務付けられました。 当社グループは所管行政庁が委任する範囲の建築物エネルギー消費性能適合性判定業務を行っております。 ※特定建築行為とは1.2,000㎡以上の非住宅建築物(特定建築物)の新築2.特定建築物の増改築(増築又は改築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上のものに限る。)3.特定建築物以外の増築(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上であるものであって、当該建築物が増築後において特定建築物となる場合に限る。) <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが平成19年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。なお、当社グループでは、平成27年10月に日本ERI株式会社で行っていた構造計算適合性判定業務を株式会社東京建築検査機構に統合いたしました。株式会社東京建築検査機構は、依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、他の指定確認検査機関などに「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。
FY2016|8,756 文字|出典 docID: S1008L1Z
3 【事業の内容】当社は平成25年12月2日に単独株式移転の方法により日本ERI株式会社の完全親会社として設立されました。当社グループは、純粋持株会社である当社及び連結子会社4社(日本ERI株式会社、株式会社ERIソリューション、株式会社ERIアカデミー及び株式会社東京建築検査機構) の計5社で構成され、建築物等に関する専門的第三者機関として、社名にある、Evaluation(評価) Rating(格付け) Inspection(検査) を主な事業として展開しております。当社グループの事業における各社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりで、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。①確認検査事業 建築基準法に基づく建築物の建築確認検査機関※1として、建築確認業務、中間検査業務、完了検査業務を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社②住宅性能評価及び関連事業 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「住宅品確法」という。)に基づく住宅性能評価機関※2として、設計住宅性能評価業務、建設住宅性能評価業務を行っております。また関連事業として、長期優良住宅の認定に係る技術的審査を行っております。(主な関係会社)日本ERI株式会社③その他 住宅瑕疵担保責任保険に係る保険法人からの受託業務、住宅金融支援機構融資住宅の審査・適合証明、建築基準法に基づく性能評価業務※3、建築物の型式適合認定※4、住宅型式性能認定※5、特別評価方法認定のための試験業務※6、住宅省エネラベルの審査※7、省エネ法に基づく建築物調査※7、耐震診断・耐震改修計画の判定、低炭素建築物の技術的審査業務、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に係る評価業務、エネルギーパス第三者認証業務、建築基準法適合状況調査などを行っております。 また、株式会社ERIソリューションにおいて、不動産取引等におけるデューデリジェンス事業(エンジニアリング・レポートの作成など)、省エネ・環境関連業務(CASBEE認証など)、インスペクション事業(施工中・既存の建築物などに関する各種検査・調査・評価の実施及びレポートの作成、非破壊検査、構造計算書の検証、施工監査など)、すまいと・コンシューマー事業(建築資金支払管理や既存住宅の性能評価・第三者調査・検査・診断など)を、株式会社ERIアカデミーにおいて、建築士定期講習※8、建築基準適合判定資格者検定の受検講座、建築技術者向けセミナーなどを実施しております。(主な関係会社)日本ERI株式会社、株式会社ERIソリューション、株式会社ERIアカデミー なお、株式会社東京建築検査機構は、確認検査事業・住宅性能評価事業及び関連事業・構造計算適合性判定事業※9・調査診断事業などを行っておりますが、セグメントとしてはすべて③その他に区分しております。 ※1 指定確認検査機関(国土交通大臣第5号)※2 登録住宅性能評価機関(国土交通大臣第5号)※3 指定性能評価機関(国土交通大臣第10号)※4 指定認定機関(国土交通大臣第7号)※5 登録住宅型式性能認定等機関(国土交通大臣第7号)※6 登録試験機関(国土交通大臣第6号)※7 登録建築物調査機関(国土交通大臣第1号)※8 登録講習機関(国土交通大臣一級建築士定期講習第9号、二級建築士定期講習第8号)※9 構造計算適合性判定機関(国土交通大臣第7号) 〔当社グループ業務の系統図〕平成28年5月31日現在 (1)確認検査事業<建築確認検査> 建築基準法には、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準が定められ、その基準に建築物が適合しているかどうかをチェックする建築確認・検査制度があります。一般に建築物を建築しようとする場合、建築主は建築工事の着手前と完了時に特定行政庁※1における建築主事※2又は民間の指定確認検査機関に申請し、確認済証や検査済証の交付を受けることが義務付けられております。当社グループは、指定確認検査機関として、日本ERI株式会社の全国34ヵ所の本支店及び株式会社東京建築検査機構に、国家資格である建築基準適合判定資格者検定に合格した確認検査員547名(平成28年5月31日現在)が在籍し、確認検査業務に従事しております。建築確認・検査業務の流れは下図のとおりであります。当社グループは、申請者から確認申請書及び設計図書の提出を受けて審査・検査し、当該建築計画について建築基準法のほか、都市計画法、消防法、下水道法など建築基準関係規定並びにこれに基づく各地方の条例に照らし適合性を確認し、確認済証を交付いたします。この際、高度な構造計算を要する一定規模以上の建築物については、第三者(都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関)による構造計算適合性判定が義務付けられています。建築工事の完了時には確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、検査済証を交付いたします。なお、一定の規模の共同住宅に定められた特定工程や一定の構造、用途等の建築物について特定行政庁が指定する特定工程においては、当該特定工程に係る工事を終えた時に中間検査を受けなければならないとされており、完了検査と同様に確認検査員による現場検査が行われ、適合性を確認し、中間検査合格証を交付しております。 ※1 建築確認業務を執行する行政機関(原則として人口25万人以上の市区町村の長、及び都道府県知事) をいう。※2 建築確認に関する事務を司らせるためおいたもの。 〔確認検査の流れ〕 平成28年5月31日現在 〔建築基準法の改正〕平成10年6月12日に建築基準法が改正公布され、従来、特定行政庁の建築主事のみによって行われていた建築確認・検査が一定の要件を満たす民間の指定確認検査機関に開放されました。その背景として、平成7年に発生した阪神淡路大震災が契機となり、完了検査率の向上や違反建築物の監視・取締など建築基準法の厳正な運用をすべきとの議論が強まるなか、建築主事や建築監視員など建築行政におけるマンパワーの不足が問題となりました。そこで、民間活力の利用によるマンパワーの代替及び競争による技術水準・サービスの向上等を狙いとして、裁量の余地が基本的にはないとされる建築確認・検査を民間開放し、行政では違反建築物の監視・取締など行政の権限でなければできない分野へのシフトを進める制度改革が行われました。確認検査業務を行う民間の指定確認検査機関は、特定行政庁の建築主事と同様な高い技術力、専門性、公正中立性とともに、建築主・設計者・施工者等と利害のない第三者性が必要であることから、国土交通大臣又は都道府県知事により公的な確認検査機関として様々な規制を受けることとなっております。また、平成19年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認制度や構造規定の見直しを軸とした大改革がなされ、申請書類が増大するとともに構造計算適合性判定も導入されました。 改正法施行当初は建築・住宅業界において、建築確認手続きの混乱が発生し、新設住宅着工戸数が大幅に減少するなどの影響がありました。特に構造計算適合性判定が義務付けられた大型建築物等への影響が大きく、建設投資全体でも大きな落ち込みが見られました。 その後、建築確認審査の迅速化及び申請図書の簡素化の観点から制度が見直され、二度にわたり建築確認手続き等の運用改善が行われたことにより、建築確認審査の迅速化が図られました。 平成27年6月1日に改正建築基準法が施行され、より合理的かつ実効性の高い確認検査制度を構築するため、構造計算適合性判定制度の見直しや仮使用制度の民間開放などが行われました。 (2)住宅性能評価及び関連事業<住宅性能評価>住宅品確法に定める「住宅性能表示制度」に基づき、登録住宅性能評価機関として住宅の性能評価を行う業務であります。住宅性能評価の流れは下図のとおりであり、住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめた設計住宅性能評価書と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめた建設住宅性能評価書との2種類があり、段階的に交付されます。 〔住宅性能評価の流れ〕 〔住宅品確法の創設〕平成11年6月に公布された住宅品確法は、量的確保から良質な住宅ストックの形成を図るという住宅政策転換の根幹を支えるものであり、住宅性能表示制度の創設、住宅に係る紛争処理体制の整備、新築住宅に係る瑕疵担保責任の特例※(10年保証)が3つの柱となっております。 ※ これまで、住宅の瑕疵担保期間は契約で自由に変更可能でしたが、住宅供給者は本特例により全ての新築住宅の基本構造部分については引渡時から最低10年間の瑕疵担保責任を負うこととなりました。 住宅性能表示制度の適用は任意となっておりますが、新築住宅を取得しようとする消費者にとって住宅の性能の相互比較ができたり、性能上の要求が設計者・施工者と共通に認識され望みどおりの新築住宅をつくることができ、また、評価を受けた設計図書どおりの施工が確実にされることなどのメリットがあります。一方、住宅供給者にとって中立公正な第三者機関が交付した住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付することで、消費者の信頼を得られ易くなるうえ、住宅ローンの優遇や地震保険の割引、住宅金融支援機構提携フラット35に係る手続きの簡素化など優位性を訴求することができるようになります。新築住宅の性能を表示する共通ルールとして国土交通大臣により日本住宅性能表示基準及び評価方法基準が定められています。性能表示基準は10分野から成り立っており、表示事項それぞれに数段階の等級表示や数値表示等が用いられます。なお、いわゆる中古住宅についても平成14年12月から「既存住宅性能評価」制度がスタートし、当社グループでは平成15年4月から同業務を開始しております。しかし、同制度は、今のところ新築住宅の性能評価と比べて認知度・普及率が極めて低いのが現状であります。 〔日本住宅性能表示基準(新築住宅)の概要〕 分野表示事項構造の安定に関すること耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)耐震等級(構造躯体の損傷防止)その他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)耐積雪等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法基礎の構造方法及び形式等火災時の安全に関すること感知警報装置設置等級(自住戸火災時)感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)避難安全対策(他住戸等火災時・共用廊下)脱出対策(火災時)耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))耐火等級(界壁及び界床)劣化の軽減に関すること劣化対策等級(構造躯体等)維持管理・更新への配慮に関すること維持管理対策等級(専用配管)維持管理対策等級(共用配管)更新対策(共用排水管)更新対策(住戸専用部)温熱環境・エネルギー消費量に関すること断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級空気環境に関することホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏)換気対策室内空気中の化学物質の濃度等光・視環境に関すること単純開口率方位別開口比音環境に関すること重量床衝撃音対策軽量床衝撃音対策透過損失等級(界壁)透過損失等級(外壁開口部)高齢者等への配慮に関すること高齢者等配慮対策等級(専用部分)高齢者等配慮対策等級(共用部分)防犯に関すること開口部の侵入防止対策 住宅性能表示制度に関連して住宅専門の紛争処理支援体制が整備されております。下図のとおり、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、国土交通大臣が指定する各地の弁護士会にある指定住宅紛争処理機関に申請すれば、手数料1万円で専門家(弁護士、建築士等)による円滑、迅速で専門的な紛争処理を受けることができる仕組みであり、同制度を支えるために登録住宅性能評価機関は建設住宅性能評価1件につき4,000円の負担金を納付しております。 〔紛争処理支援機能のイメージ〕 <長期優良住宅の認定に係る技術的審査>長期優良住宅とは、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する等の住宅です。当社グループは平成21年6月4日に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律による長期優良住宅の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 (3)その他<住宅瑕疵担保責任保険の検査>新築住宅の発注者や買主を保護するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)が平成21年10月1日より本格施行され、新築住宅の請負人(建設業者)や売主(宅建業者)に対し資力確保措置(保険への加入又は保証金の供託)が義務付けられました。当社グループでは、住宅瑕疵担保責任保険を取扱う指定保険法人の現場検査業務や保険募集業務(受付)等を受託し、日本ERI株式会社の全国各支店及び株式会社東京建築検査機構で対応しております。 <構造計算適合性判定>一定の規模以上の建築物の確認申請において、都道府県知事に指定された構造計算適合性判定機関によるダブルチェックが平成19年6月20日より義務付けられました。概要につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)確認検査事業〔確認検査の流れ〕」をご参照ください。当社グループは依頼があった際に指定構造計算適合性判定機関として審査を行い、他の指定確認検査機関などに「構造計算適合性判定結果通知書」を交付しております。 <住宅金融支援機構(フラット35)の審査・適合証明>当社グループは、独立行政法人住宅金融支援機構が手がける、住宅ローン(フラット35)の供給を支援する証券化支援業務の検査(適合証明)を行っています。住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを設計時及び施工時に検査します。 <建築基準法の性能評価>○超高層建築の構造評定超高層建築物(高さ60メートル超)については、建築確認に先立って構造の安全性を評価する構造評定を受けることが建築基準法によって義務付けられています。この超高層建築物に係る構造評定は高度な技術力を要することから実施機関が限られておりますが、当社グループは数少ない民間実施機関のひとつとして、学識経験者などにより構成される評定委員会で構造の安定性審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。○建築防災評定建築物の主要構造部の耐火性能及び防火設備の遮炎性能、階避難安全性能、そして全館避難安全性能を評価する業務です。超高層建築の構造評定などと同様に学識経験者などにより構成される評定委員会で審査を実施し、「性能評価書」を交付しております。 <特別評価方法認定のための試験業務>構造の安定、劣化の軽減、温熱環境、音環境など住宅品確法の評価方法基準に従って評価できない新材料、新工法などについて、日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される試験委員会で審査し、「試験証明書」を交付しております。 〔超高層建築物の構造評定並びに構造評価の流れ〕超高層建築物の構造について、建築基準法に基づく構造評定(性能評価)に加え、住宅品確法に基づく構造評価(特別評価方法認定のための試験業務)を一体的に行っております。またこれらの評価と併せ、建築確認並びに設計住宅性能評価も同時並行で効率的に実施しております。 ※委員会(当社グループが組成する次の2つを指します)[超高層建築評定委員会]:性能評価を担当し評価員2名以上で構成[構造特別評価委員会]:特別評価を担当し試験員2名以上で構成評価員及び試験員の要件は次のとおりであります。・学校教育法に基づく大学又はこれに相当する外国の学校において建築学、機械工学、電気工学もしくは衛生工学その他の性能評価の業務に関する科目を担当する教授もしくは准教授の職にあり、又はあった者・建築、機械、電気もしくは衛生その他の性能評価の業務に関する分野の試験研究機関において試験研究の業務に従事し、又は従事した経験を有する者で、かつ、これらの分野について高度の専門的知識を有する者・国土交通大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者 <型式適合認定>型式適合認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅などの建築物の型式について建築基準法の一連の規定に適合していることを予め審査し、認定・認証する業務です。構造、防火、設備などが建築基準法に適合していることを、学識経験者などにより構成される認定委員会で審査し、「型式適合認定書」を交付しております。型式適合認定を受けていれば、個々の建築確認での審査が簡略化されます。 <住宅型式性能認定>住宅型式性能認定業務とは、標準的な仕様書で繰返し建設される住宅や住宅の部分について日本住宅性能表示基準に従って表示すべき性能を有することを評価し、型式として認定・認証する業務です。表示すべき性能を有することを学識経験者などにより構成される認定委員会で審査し、「住宅型式認定書」を交付しております。住宅型式性能認定を受け、個々の住宅が認定を受けた型式に適合する場合、当該住宅型式性能認定により認定された性能を有するものとみなされ、住宅性能評価の際に一部の審査が簡略化されます。 <住宅省エネラベルの審査>省エネ性に優れた住宅の証である第三者評価による住宅省エネラベルの使用、又は住宅ローンのフラット35Sを利用するために、省エネ法に基づく登録建築物調査機関として「適合証」を交付しております。 <省エネ法に基づく建築物調査>省エネ法により義務付けられている定期報告が、平成20年の法改正により①建物所有者自ら所管行政庁に対して行うか、②登録建築物調査機関の建築物調査を受けるか選択できるようになりました。②の場合は登録建築物調査機関による「適合書」を受けることによって、建物所有者は定期報告を免除され、代わりに登録建築物調査機関が所管行政庁に報告します。当社グループは登録建築物調査機関として「適合書」を交付しております。 <耐震診断・耐震改修計画の判定>建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)による既存建築物の耐震診断と耐震改修に関しての任意評価を行うものです。学識経験者などにより構成される耐震判定委員会で審査を実施し、「評定書」を交付しております。 <低炭素建築物の認定に係る技術的審査>低炭素建築物とは、二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物であって、所管行政庁により一定の基準(エネルギーの使用の効率性等)に適合すると認められたものなどを言います。 当社グループは平成24年12月4日に施行された都市の低炭素化の促進に関する法律による低炭素建築物の認定に先立った技術的審査を行っております。所管行政庁が認定を行う前に技術的審査を行うことで、申請者はスムーズに認定を受けることが可能となります。 <BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価>平成25年10月に国土交通省が公表した非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)に基づき、非住宅建築物に係る一次エネルギー消費量について、第三者機関が客観的に評価し表示を行うBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)が創設されました。 その後、平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく省エネ性能の表示制度が平成28年4月に開始されたことに伴い、国土交通省は「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」を取りまとめました。ガイドラインに基づく第三者認証としてBELSが位置づけられるとともに、新たに評価対象に住宅が追加されました。当社グループはこの制度に基づく任意の評価を実施し、「評価書」を交付しております。 <エネルギーパス第三者認証>エネルギーパスとは、建築物の断熱性能や設備の効率性を評価し、建築物が年間を通して快適な室内温度を保ち、給湯や照明を使用するために必要なエネルギー量などをKWH/㎡・年で表示する「家の燃費」を評価する指標です。当社グループはエネルギーパスに係る審査及び第三者認証書を発行しております。 <建築基準法適合状況調査>平成26年7月に国土交通省より公表された「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築物の現況を調査し、法適合状況を任意の報告書として作成し、活用することができることになりました。当社グループは指定確認検査機関として当該報告書の作成を行っております。