事業の概要
- IR・SRコンサルティング上場企業に対し、投資家(IR)や株主(SR)との関係構築・強化を専門的に支援するサービスです。具体的には、機関投資家や個人株主の情報を分析し、株主総会の議案に対する賛否予測、ガバナンス改善の助言、M&A時の戦略的サポートなどを提供し、企業と投資家・株主の橋渡し役を担うことで収益を得ています。
- ディスクロージャーコンサルティング企業の情報開示を支援するサービスで、アニュアルレポートや統合報告書などの企画・作成サポートを行います。また、M&Aや企業再編時に必要な英文開示書類の作成や和文資料の英訳も手掛け、企業の透明性向上と国際的な情報発信を支えることで対価を得ています。
- データベース・その他IR活動を総合的にサポートするシステム「IR-Pro」や、個人株主向けのアンケートサービス「株主ひろば」をウェブ上で提供しています。IR-Proでは、大量保有報告書や公募投信の組み入れ状況など、株主関連の公開情報を一元的に提供し、企業の情報収集を効率化することで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- IR・SRコンサルティング上場企業向けに、投資家(IR)と株主(SR)との関係構築・強化を専門的に支援する事業です。実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレートガバナンス・コンサルティング、プロキシー・アドバイザリー、投資銀行業務、証券代行事業などが含まれ、当社グループの中核的な収益源となっています。
- ディスクロージャーコンサルティング企業のIR活動に必要な情報開示資料の企画・作成支援や、M&A時の英文開示書類作成、和文資料の英訳などを行う事業です。アニュアルレポートや統合報告書、株主通信などの作成サポートを通じて、企業の透明性と情報発信力を高めることに貢献しています。
- データベース・その他IR活動を総合的にサポートするウェブサービス「IR-Pro」や、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を提供する事業です。IR-Proでは、大量保有報告書や公募投信の組み入れ状況など、株主関連の公開情報を提供し、企業の情報収集と分析を効率化することで、IR・SRコンサルティング事業を補完しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社と連結子会社3社(アイ・アールジャパン、JOIB及びBCS)で構成され事業活動を展開しています。事業の系統図は次のとおりです。 [事業系統図] アイ・アールジャパンの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。アイ・アールジャパンでは、IR(Investor Relations)活動を「上場企業が広く投資家全般を対象として行うリレーション構築活動」と、SR(Shareholder Relations)活動を「上場企業が自社の株主を対象として行うリレーション強化活動」と、それぞれ位置付けております。アイ・アールジャパンは上場企業等に対してIR・SR活動を総合的にサポートするため、「IR・SRコンサルティング」、「ディスクロージャーコンサルティング」、「データベース・その他」という3つのサービスを提供しております。アイ・アールジャパンは、これらのサービスを提供するため、ファンドマネージャー、アナリスト、議決権行使担当者を網羅する機関投資家ネットワークやWEBアンケートシステム「株主ひろば」に登録する58,704名の個人株主とのネットワーク(2026年3月31日現在)を利用して、内外のコンサルティングサービスを提供するのに不可欠な情報を日々収集しております。また、アイ・アールジャパンは情報収集を行うだけでなく、機関投資家や個人株主の意見や要望を上場企業に伝えることで上場企業と投資家・株主をつなぐ仲介役としての役割も担っております。さらに、プロキシー・ファイト(委任状争奪戦)等の有事に際しては、アイ・アールジャパンがLA(Legal Advisor:法律事務所)と連携してPA(Proxy Advisor)やFA(Financial Advisor:投資銀行)として支援を行います。2014年1月に発足した投資銀行本部は、経験豊富な人材を採用するなど組織・業務体制を強化し、上場企業等に対してM&A・経営統合・完全子会社化等のフィナンシャル・アドバイザリー業務、未上場会社のTOKYO Pro Market上場を支援するJ-Adviser業務といった総合的な金融ソリューションを提供する体制を整えております。JOIBは、我が国における大再編時代に創生される超大型のM&A市場の誕生を睨み、アイ・アールジャパンの投資銀行業務の今後の飛躍的な拡大を図るべく2021年2月に設立いたしました。日本の企業文化並びに企業価値・株主価値を尊重する我が国生まれの異才なインベストメント・バンクとして、支配権争奪並びに企業再編・事業再編等のM&Aに特化した専門的なFA業務を主たる業務とし、企業買収(事業買収)・統合・売却アドバイザリー、MBOアドバイザリー(ノンスポンサー/スポンサー)、LBOアドバイザリー業務等を、ラージキャップ企業からミドル・スモールキャップ企業に至るまで提供する体制を整えております。BCSは、2022年5月に、アイ・アールジャパンよりバックオフィス業務を受託させることにより、業務の効率化、アイ・アールジャパンのエクイティ・コンサルティング事業の基盤強化を図ることを目的として、アイ・アールジャパンの完全子会社として設立いたしました。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1)IR・SRコンサルティング実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、行使結果分析、コーポレートガバナンス・コンサルティング、プロキシー・アドバイザリー(株主総会議案可決における総合的な戦略立案)、投資銀行業務、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。 《実質株主判明調査》上場企業が効率的かつ実効的なIR・SR活動を実施する第一歩としては、IR・SR活動の重要な対象者となる機関投資家株主を正確に把握することが必要となっております。ところが、上場企業の株主名簿には実際の出資者である機関投資家株主の名義は明記されていない場合があり、機関投資家に代わって株式を管理する金融機関等の名義に集約されて記載されております。この問題を解決すべく、株主名簿には明記されない機関投資家株主を特定するサービスが実質株主判明調査であります。調査においては、株主名簿の分析に加え、アイ・アールジャパンの商品である「IR-Pro」に蓄積された大量保有報告書や国内・海外公募投信による株式の組み入れ状況等、上場企業の株式や株主に関連する公開情報を活用する等のアイ・アールジャパン独自のプロセスを実施しております。また、調査対象となる海外機関投資家(外国人)及び国内機関投資家による顧客企業の保有株式数把握と共に、担当するアナリスト及びファンドマネージャーを特定し、顧客企業に対する投資判断を含めた各種意見も併せて収集しております。 《議決権賛否シミュレーション》議決権賛否シミュレーションは、機関投資家株主の投資先である顧客企業の株主総会議案に対する賛否行使ガイドライン(注)等を調査し、上程予定の議案に対する賛否行使比率を予測するサービスです。(注)賛否行使ガイドライン…機関投資家が独自に定めた株主総会議案に対する行使判断基準 《行使結果分析》株主総会終了後、各投資主体ごとの議決権行使結果を分析し、議決権行使率並びに賛成・反対行使先の検証を行い、次期株主総会に向けた議決権安定確保のための施策を実施します。 《コーポレートガバナンス・コンサルティング》コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴うガバナンス・ガイドラインの改定や取締役会の機関設計、役員報酬設計の見直しに関するコンサルティングに加え、社外取締役の独立性判断基準の厳格化や社外取締役比率の増加や多様性を求める動きに後押しされた社外取締役等の人材紹介サービスを提供しております。なかでも、取締役会の実効性評価は、機関投資家株主のニーズを熟知する当社グループの強みを活かし、差別化したサービスを提供しております。 《プロキシー・アドバイザリー》プロキシー・アドバイザリーは、株主構成等の分析を行い、プロキシー・ファイト(委任状争奪戦)を成功に導くための必要な戦略を提案する唯一無二の実績を有するサービスであります。なお、前記の議決権賛否シミュレーションの結果は、当サービスのための重要な基礎資料として活用されております。 《投資銀行業務》当社グループの投資銀行業務は、株式議決権、株主動向、コーポレート・ガバナンスに関する圧倒的知見を活用した唯一無二の先鋭的フィナンシャル・アドバイザリー業務を中心とした総合的な金融ソリューションの提供をしております。なかでもJOIBは、我が国における大再編時代に創生される超大型のM&A市場の誕生を睨んだ、独立系インベストメント・バンクとして創設されました。支配権争奪ならびに企業再編・事業再編等のM&Aに特化する専門的なFA業務を、ラージキャップからミドル・スモールキャップの市場に至るまで提供しております。 《証券代行事業》当社グループの証券代行事業は、アクティビスト・敵対的買収からの企業防衛をコンセプトとして、株式の長期安定化、議決権の安定確保のみならず株主名簿における買収リスクの早期把握、買収リスクへの事前準備等、戦略的かつ効果的な証券代行業務の提供をしております。 (2)ディスクロージャーコンサルティングツールコンサルティング及びリーガルドキュメンテーションサービスを行っております。 《ツールコンサルティング》アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援を行うサービスです。 《リーガルドキュメンテーションサービス》企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等を行うサービスです。 (3)データベース・その他IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、アナリストネットワーク等をWEB上で提供しております。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。 《IR-Pro》大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等、上場企業の株式や株主に関連する公開情報を提供するWEBサービスです。 《アナリストネットワーク》IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することを可能とするWEBサービスです。 《株主ひろば》当社WEBアンケートシステムに登録する58,704名(2026年3月31日現在)の個人株主に対して、各種アンケートの実施を可能とするWEBサービスです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 専門特化したコンサルティング業であり、独自のデータと分析ノウハウが強み |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ネットワーク 機関投資家ネットワークやWEBアンケートシステム「株主ひろば」に登録する58,704名の個人株主とのネットワーク |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:個人情報漏洩等が発生した場合の影響 / 情報セキュリティ体制について / 経済情勢や事業環境による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は不可能。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
顧客が乗り換えによる損失が大きいというスイッチング・コストに関する具体的な情報がないため、評価は不可能。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ユーザー数の増加がサービスの価値を高めるネットワーク効果に関する情報がないため、評価は不可能。
コスト優位☆☆☆☆☆
構造的に低コストで生産・提供できるというコスト優位性に関する情報がないため、評価は不可能。
規模の経済☆☆☆☆☆
業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているという効率規模に関する情報がないため、評価は不可能。
- 機関投資家ネットワークファンドマネージャーやアナリスト、議決権行使担当者を網羅する独自の機関投資家ネットワークを構築しています。これにより、上場企業が把握しにくい実質株主の特定や、株主総会議案に対する機関投資家の意向を正確に予測することが可能となり、他社にはない深い洞察を提供できる強みがあります。
- 個人株主ネットワークWEBアンケートシステム「株主ひろば」を通じて、58,704名(2026年3月31日現在)もの個人株主とのネットワークを保有しています。この大規模な個人株主からの意見や要望を収集し、上場企業に伝えることで、企業は個人株主との関係強化を図ることができ、IR・SR活動における包括的なサポートを可能にしています。
- M&A・ガバナンスの専門知識プロキシー・ファイト(委任状争奪戦)などの有事における支援や、M&A・経営統合に関するフィナンシャル・アドバイザリー業務、コーポレートガバナンス・コード改訂に伴うガバナンス設計の見直しなど、高度な専門知識と実績を有しています。特に、支配権争奪や企業再編に特化したFA業務は、独立系投資銀行としての独自の強みとなっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の方針当社グループは、「信頼・誇り・夢」という社是のもと、「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)の公正な資本競争力の向上とグローバルな資本経済の発展に貢献する」ことを企業使命としております。そしてこの企業使命の遂行のためには、何よりも「公正」であることが求められることから、当社グループは創業以来、特定の金融系列に属さない「独立性」を保持し、上場会社と投資家(機関投資家、個人投資家)を結ぶ最適なブリッジ役に徹してまいりました。また、当社グループは、この企業使命を実現させるため、「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)が公正な観点でお困りになっているIR・SR活動を誰よりも早く察し、具体的なアクションプランのご提案と実践を行う」こと、及び「現状維持は即堕落という意識のもと、日々自らの問題点を探し続け、改善を怠ることのないよう強い意志と具体的な行動を実践する」ことを行動規範(日常業務指針)としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは「マーケット・シェア」、「営業利益」及び「1株当たり当期純利益(EPS)」の向上を重要な経営指標としております。 (3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)の公正な資本競争力の向上とグローバルな資本経済の発展に貢献する」という企業使命のもと、唯一無二のエクイティ・コンサルティング機能を着実に強化、拡充してまいりました。日本の資本市場においては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業に対する改善要請やアクティビストファンドの活発化など、大きな企業再編の波が押し寄せております。こうした中、独立系のエクイティ・コンサルティング集団、フィナンシャル・アドバイザー集団を堅持し、グローバル資本市場の動向を東京・ニューヨークの両拠点を通じて自ら収集し、株式議決権に関わるコンサルティングと経営支配権に関わるM&Aアドバイザリーを両輪として、日本の上場企業の皆様の持続的な企業成長を支援してまいります。とりわけ以下の4点については、重要課題として取り組んでおります。 ① エクイティ・コンサルティングの普及グローバルな機関投資家マネーの日本株への回帰、海外・国内機関株主の議決権行使の厳格化、持ち合い株式の解消が進む中、株主との対話の必要性が増しております。当社グループでは、実質株主判明調査を基軸として、20年以上にわたり上場企業であるお客様の株式議決権に関わるコンサルティングを行ってまいりました。近年、アクティビストだけでなく、伝統的な機関投資家においてもアクティビストと同様の要求を企業につきつける事案が顕在化しており、少数株主保護の観点や事業ポートフォリオの選択と集中等を大義名分に、資本政策、M&A戦略、ガバナンス面など様々な観点から上場企業を追及し、経営の根幹を揺るがす要求を繰り出すケースが頻発しています。こうした中、従来の株主判明調査、議決権の安定的な確保を目的としたSRアドバイザリー業務に加え、企業価値向上アドバイザリー、B/Sシミュレーション、ストラテジックレビュー等、当社グループ独自の高度なエクイティ・コンサルティング業務を強化、拡充してまいります。 ② PA/FA業務の拡大我が国の資本市場においては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業に対する改善要請や新陳代謝を促す通達、経済産業省による「企業買収における行動指針」の策定、金融庁による公開買付規制と大量保有報告規制の改正など、当局のドラスティックな制度改正が続々と公表されつつあります。こうした変化の潮流は、アクティビストファンドの活発化、或いは、事業会社同士・PEファンド等による事前同意なき買収提案の誘引など、上場会社の経営支配権にかつてない変化と不確実性をもたらしており、議決権(経営支配権)、TOB(株式公開買い付け)や委任状争奪を戦略のコアとする企業再編へのニーズは一段と高まっており、支配権争奪ならびに企業再編・事業再編等のM&Aに特化する専門的なPA/FA業務を拡大させてまいります。 ③ 付加価値のある証券代行サービスの提供当社グループは、2012年4月に我が国で約40年ぶりとなる証券代行業務への新規参入を果たしました。以降資本市場のニーズを着実に汲み取りながら証券代行サービスを拡充し続けた結果、株主名簿管理人として93社の企業様(管理株主約57万人 2026年3月31日時点)へ証券代行サービスを提供しております。当社グループは、従来の証券代行機関とは一線を画し、革新的なサービスを展開することで、時代のニーズに応えた証券代行サービスを継続して進めてまいります。 ④ 人的資源の拡充当社グループの取り扱う専門性の高いコンサルティングサービスにおいては、そのコンサルティングを提供する人材だけでなく、それらを支える専門性を有する人材の確保が喫緊の課題であります。新卒、中途を問わず優秀な人材の積極的な登用に加え、登用した人材に対し実務知識習得のための社内勉強会の開催や適切なコンプライアンスに関する各種研修を継続的に実施しております。また、新たに確保した人材の早期の戦力化を促しつつ、社員全体のボトムアップを図るべく適切な人材の登用、人員配置を行ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の方針当社グループは、「信頼・誇り・夢」という社是のもと、「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)の公正な資本競争力の向上とグローバルな資本経済の発展に貢献する」ことを企業使命としております。そしてこの企業使命の遂行のためには、何よりも「公正」であることが求められることから、当社グループは創業以来、特定の金融系列に属さない「独立性」を保持し、上場会社と投資家(機関投資家、個人投資家)を結ぶ最適なブリッジ役に徹してまいりました。また、当社グループは、この企業使命を実現させるため、「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)が公正な観点でお困りになっているIR・SR活動を誰よりも早く察し、具体的なアクションプランのご提案と実践を行う」こと、及び「現状維持は即堕落という意識のもと、日々自らの問題点を探し続け、改善を怠ることのないよう強い意志と具体的な行動を実践する」ことを行動規範(日常業務指針)としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは「マーケット・シェア」、「営業利益」及び「1株当たり当期純利益(EPS)」の向上を重要な経営指標としております。 (3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題当社グループは「お客様(株式公開企業、投資家、市場関係者)の公正な資本競争力の向上とグローバルな資本経済の発展に貢献する」という企業使命のもと、唯一無二のエクイティ・コンサルティング機能を着実に強化、拡充してまいりました。日本の資本市場においては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業に対する改善要請やアクティビストファンドの活発化など、大きな企業再編の波が押し寄せております。こうした中、独立系のエクイティ・コンサルティング集団、フィナンシャル・アドバイザー集団を堅持し、グローバル資本市場の動向を東京・ニューヨークの両拠点を通じて自ら収集し、株式議決権に関わるコンサルティングと経営支配権に関わるM&Aアドバイザリーを両輪として、日本の上場企業の皆様の持続的な企業成長を支援してまいります。とりわけ以下の4点については、重要課題として取り組んでおります。 ① エクイティ・コンサルティングの普及グローバルな機関投資家マネーの日本株への回帰、海外・国内機関株主の議決権行使の厳格化、持ち合い株式の解消が進む中、株主との対話の必要性が増しております。当社グループでは、実質株主判明調査を基軸として、20年以上にわたり上場企業であるお客様の株式議決権に関わるコンサルティングを行ってまいりました。近年、アクティビストだけでなく、伝統的な機関投資家においてもアクティビストと同様の要求を企業につきつける事案が顕在化しており、少数株主保護の観点や事業ポートフォリオの選択と集中等を大義名分に、資本政策、M&A戦略、ガバナンス面など様々な観点から上場企業を追及し、経営の根幹を揺るがす要求を繰り出すケースが頻発しています。こうした中、従来の株主判明調査、議決権の安定的な確保を目的としたSRアドバイザリー業務に加え、企業価値向上アドバイザリー、B/Sシミュレーション、ストラテジックレビュー等、当社グループ独自の高度なエクイティ・コンサルティング業務を強化、拡充してまいります。 ② PA/FA業務の拡大我が国の資本市場においては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業に対する改善要請や新陳代謝を促す通達、経済産業省による「企業買収における行動指針」の策定、金融庁による公開買付規制と大量保有報告規制の改正など、当局のドラスティックな制度改正が続々と公表されつつあります。こうした変化の潮流は、アクティビストファンドの活発化、或いは、事業会社同士・PEファンド等による事前同意なき買収提案の誘引など、上場会社の経営支配権にかつてない変化と不確実性をもたらしており、議決権(経営支配権)、TOB(株式公開買い付け)や委任状争奪を戦略のコアとする企業再編へのニーズは一段と高まっており、支配権争奪ならびに企業再編・事業再編等のM&Aに特化する専門的なPA/FA業務を拡大させてまいります。 ③ 付加価値のある証券代行サービスの提供当社グループは、2012年4月に我が国で約40年ぶりとなる証券代行業務への新規参入を果たしました。以降資本市場のニーズを着実に汲み取りながら証券代行サービスを拡充し続けた結果、株主名簿管理人として93社の企業様(管理株主約57万人 2026年3月31日時点)へ証券代行サービスを提供しております。当社グループは、従来の証券代行機関とは一線を画し、革新的なサービスを展開することで、時代のニーズに応えた証券代行サービスを継続して進めてまいります。 ④ 人的資源の拡充当社グループの取り扱う専門性の高いコンサルティングサービスにおいては、そのコンサルティングを提供する人材だけでなく、それらを支える専門性を有する人材の確保が喫緊の課題であります。新卒、中途を問わず優秀な人材の積極的な登用に加え、登用した人材に対し実務知識習得のための社内勉強会の開催や適切なコンプライアンスに関する各種研修を継続的に実施しております。また、新たに確保した人材の早期の戦力化を促しつつ、社員全体のボトムアップを図るべく適切な人材の登用、人員配置を行ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の分析区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)増減率(%)金額(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高5,7832.16,1413586.2営業利益1,005△6.21,28327827.7経常利益1,017△4.71,30128327.8親会社株主に帰属する当期純利益698△8.489819928.6 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)は、2025年4月の米国による相互関税措置の発表を受け日経平均株価が一時急落したものの、その後の利下げや関税リスクの低下を背景に最高値を更新するなど、東京証券取引所による市場構造改革や資本効率改善への期待の高まりを追い風に、堅調に推移しました。中東情勢の不透明化、とりわけイランを巡る地政学的リスクが高まる中でも、日本株は相対的な底堅さを維持しております。また、高市政権の歴史的な大勝利を契機に、日本経済の構造改革への期待が急速に高まり、海外投資マネーの日本株市場への流入が一段と加速しております。こうした変化の中、日本企業をターゲットとするアクティビストの活動は一層活発化しており、株主提案やパブリックキャンペーン、公開買付け(TOB)への介入など、資本政策や企業再編を巡る攻防はかつてない緊張感を帯びています。こうした中、当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ6.2%増加の6,141百万円、営業利益は同27.7%増加の1,283百万円、経常利益は同27.8%増加の1,301百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同28.6%増加の898百万円となりました。なお、EBITDAは同21.2%増加の1,639百万円となりました。アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件*1については、アクティビスト対応案件を中心に有事対応案件の受託が増加し、前年同期に比べ14.0%増加の2,428百万円となりました。実質株主判明調査等の平時対応案件*2については、資本市場の信任獲得を目的とした株主対応、資本政策の見直し、中期経営計画の再構築、資本リスクマネジメントなど、企業価値向上に向けた主体的な取り組みを強化する上場企業の動きが広がる中、実質株主判明調査やエクイティ・コンサルティング業務の新規受託や既存顧客からの追加受託が増加し、前年同期に比べ1.6%増加の3,713百万円となりました。我が国の資本市場では、政策保有株式の縮減、親子上場の解消、非公開化や業界再編の進展を背景に、企業を巡る資本の動きが一段と活発化しており、株主提案やTOB対応を含む企業と株主の関係は、より複雑かつ多様な局面を迎えています。近時もアクティビストによる投資や株主提案は増加傾向にあり、企業経営への関与は依然として高い水準を維持しています。こうした状況のもと、経済産業省による「企業買収における行動指針」の見直し議論の再開や、金融商品取引法・コーポレートガバナンス・コードの改訂といった制度面の見直しも進行しており、買収提案を巡る取締役会の判断や説明責任の重要性は一層高まっており、中長期的な企業価値の視点に立脚した意思決定と、平時からの信頼ある株主対応体制の確立がこれまで以上に求められています。 まさに当社グループが基軸として掲げる「Power of Equity®*3(議決権の力、株式の力)」という基軸概念の通り、株主の圧力が企業の持続性や経営構造を大きく左右する局面がより一層顕在化している環境下において、有事対応における迅速性と実効性を兼ね備えた対応力、データオリエンティッドな唯一無二のデータベース、Proxy・TOB・M&Aに精通したプロフェッショナル集団など、金融グループに属さない完全独立系アドバイザーとして、当社グループの特長が発揮される局面が増加しており、専門性の高い唯一無二のコンサルティングサービスの必要性が、あらためて強く認識されつつあるものと捉えております。当社グループは、引き続き議決権の力を軸に資本市場の健全な発展に貢献すべく、アクティビストサイドにつかないプロキシー・アドバイザリーを基盤に、独立系エクイティ・コンサルティングおよびフィナンシャル・アドバイザリーを両輪とする専門家集団として、上場企業の持続的成長と企業価値向上を支援してまいります。 *1 有事対応案件;アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等の有事局面のPA業務やFA業務の対応を行う案件。*2 平時対応案件;実質株主判明調査、議決権分析、企業防衛・企業価値向上等に関連する、平時局面のエクイティ・コンサルティング業務を行う案件。*3 Power of Equity®;Power of Equityは、当社子会社アイ・アールジャパンの登録商標です(登録第6196294号)。 当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。サービス別前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)売上高(百万円)増減率(%)売上高(百万円)構成比(%)増減率(%)IR・SRコンサルティング5,4772.25,86495.57.1ディスクロージャーコンサルティング2094.31913.1△8.7データベース・その他97△5.0861.4△11.1合計5,7832.16,141100.06.2 (a) 大型プロジェクト(50百万円以上)と通常プロジェクト(50百万円未満)内訳 (百万円) 大型プロジェクト(50百万円以上)通常プロジェクト(50百万円未満)2026年3月期1,4374,7042025年3月期1,4424,340増減△5363 (b) 大型プロジェクト(50百万円以上)の契約件数及び売上金額の推移 上期下期通期件数(件)金額(百万円)件数(件)金額(百万円)件数(件)金額(百万円)2026年3月期5430131,007181,4372025年3月期86766766141,442増減△3△24672414△5 (c) 大型プロジェクト(50百万円以上)の種類、及び売上金額 (百万円)プロジェクトの種類当連結会計年度(2025年4月-2026年3月)前連結会計年度(2024年4月-2025年3月)増減支配権争奪PA・FA1629666アクティビスト対応PA・FA1,01298823企業側FA(M&A等)263358△95合計1,4371,442△5 当連結会計年度の大型プロジェクト(50百万円以上)は、前年同期に比べ0.4%減少の1,437百万円となりました。通常プロジェクト(50百万円未満)は、お客様との強固な信頼関係に基づく実質株主判明調査や、外部環境の変化を踏まえたエクイティ・コンサルティングに関する新規・追加受託の増加により、前年同期に比べ8.4%増加の4,704百万円となりました。 (d) 当連結会計年度の有事対応案件と平時対応案件の内訳 (百万円) 有事対応案件平時対応案件2026年3月期2,4283,7132025年3月期2,1303,653増減29760 当連結会計年度のアクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件については、前年同期に比べ14.0%増加の2,428百万円となりました。アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件については、アクティビスト対応PA・FA案件を中心とした案件の受託が継続しています。企業再編、事業再編の活発化が予想される中、迫りくる資本リスクへの高まりもあり、企業支配権争奪等を中心としたPA業務とFA業務においても受託が増加しています。当連結会計年度の実質株主判明調査等の平時対応案件においては、前年同期に比べ1.6%増加の3,713百万円となりました。お客様との強固な信頼関係にもとづく実質株主判明調査や、外部環境の変化をふまえたエクイティ・コンサルティングに関する新規・追加のプロジェクト受託が増加しています。証券代行事業においては、受託決定済み企業は2026年3月31日時点で93社、管理株主数は570,372名となりました(前年同期の受託決定済み企業は76社、管理株主数は415,191名)。 ① IR・SRコンサルティングSRアドバイザリー(実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレート・ガバナンス改善、取締役会実効性評価、株主還元を含む資本政策等)、プロキシー・アドバイザリー、フィナンシャル・アドバイザリー、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。当連結会計年度のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ7.1%増加の5,864百万円となりました。 ② ディスクロージャーコンサルティングツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。当連結会計年度のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ8.7%減少の191百万円となりました。 ③ データベース・その他大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供する「Stock Watch」、IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。当連結会計年度のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ11.1%減少の86百万円となりました。 (2)生産、受注及び販売の実績当社グループの事業は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。① 生産実績当社グループは、生産活動は行っていないため該当事項はありません。 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。 サービス受注高(百万円)増減率(%)受注残高(百万円)増減率(%)IR・SRコンサルティング5,598△8.52,923△8.3ディスクロージャーコンサルティング20510.41699.2データベース・その他64△33.565△25.1合計5,868△8.33,157△8.0 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。 サービス販売高(百万円)増減率(%)IR・SRコンサルティング5,8647.1ディスクロージャーコンサルティング191△8.7データベース・その他86△11.1合計6,1416.2 (3) 財政状態の分析① 資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ602百万円増加し、7,503百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加834百万円及び売掛金の減少229百万円等によるものであります。 ② 負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ94百万円増加し、1,381百万円となりました。主な要因は、契約負債の増加58百万円及び未払法人税等の増加48百万円等によるものであります。 ③ 純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ508百万円増加し、6,122百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加898百万円及び配当による利益剰余金の減少408百万円等によるものであります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性の分析① キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ834百万円増加し、4,988百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,548百万円(前年同期は773百万円の獲得)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,301百万円、法人税等の支払額369百万円及び減価償却費336百万円等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は303百万円(前年同期は271百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出279百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は408百万円(前年同期は444百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額408百万円であります。 ② 資金需要及び流動性の確保当社グループの資金需要は、営業活動については、事業活動に必要な運転資金(主に人件費)が主な内容であります。投資活動については、事業拡大及び業務効率向上のためのシステム開発投資等の固定資産の取得が主な内容であります。財務活動については、上記活動で獲得した資金を必要な内部留保を確保した上で、業績に応じた利益還元を行っております。なお、アイ・アールジャパンの自己資本規制比率を維持するために、一定水準の現預金を確保しております。さらに、必要に応じて金融機関との当座貸越契約に基づき運転資金を確保しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 個人情報漏洩のリスク多数の企業の株主情報という個人情報を預かっているため、万が一情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、事業遂行に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。プライバシーマーク取得やISO/IEC 27018認証取得で対策を講じていますが、リスクは存在します。
- 経済情勢による影響IR・SRコンサルティングサービスは、主に上場企業の間接部門(IR、経営企画、総務など)に提供されます。経済情勢が悪化すると、間接部門の経費が削減される傾向があるため、サービスの採用が控えられたり、価格引き下げ要請が強まったりすることで、事業の収益性が低下する可能性があります。
- 法律・制度変更の影響IR・SR活動に関連する法律(日本版スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードなど)や制度の変更は、事業に大きな影響を与えます。IR・SR活動の充実を求める変更は収益にプラスですが、予期せぬ変更でサービスニーズが低下する可能性もあり、その場合は事業遂行に支障をきたす恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループは、損失の危険の管理に関するリスク事項として、信用リスク、内部統制リスク、法令違反リスク、情報漏洩リスク、災害等のリスク、その他事業継続に関するリスク等を認識・把握しておりますが、以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は本稿以外に記載した項目を併せて慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)個人情報漏洩等が発生した場合の影響について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業の特性上、多数の企業の株主情報をお預かりしております。当社グループでは、こうした個人情報の取り扱いにつきましては、個人情報保護法を遵守するとともに、2006年7月にプライバシーマークを取得し、個人情報の取り扱いに関する社内ルールの整備や、定期的な社内研修を通じて、情報管理の強化とその取り扱いに十分な注意を払っております。また、当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンの情報システム部において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27018:2019」の認証を2024年8月に取得し、個人情報保護体制のさらなる強化に努めております。しかしながら、不測の事態が原因で個人情報が外部に漏洩し、情報主体ないし顧客企業等に損害が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)情報セキュリティ体制について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報やその他の機密情報を取り扱っております。当社グループでは、こうした機密情報の取り扱いにつきましては、情報セキュリティ基本方針及び情報セキュリティ社内ルールを整備した上で、これらの基本方針等に則って、機密情報を取り扱っております。また、当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンの情報システム部において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001:2013」及び「JIS Q 27001:2014」の認証を2019年8月に取得しており、機密情報の取り扱いにつき、引き続き十分な注意を払っております。しかしながら、高度化・巧妙化する、企業を標的にしたサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)経済情勢や事業環境による影響について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループの事業であるIR・SR活動に専門特化したコンサルティングサービスは、主に上場企業のIR担当部署や経営企画担当部署、総務担当部署等の間接部門を直接の取引先として提供されます。そして、経済情勢や事業環境が悪化した際には、一般的に間接部門の経費から削減される傾向があります。このように、わが国の経済情勢や事業環境が悪化した際には、直接の取引先である上場企業の間接部門の経費が削減される結果、当社グループが提供するサービスの採用に慎重になる、あるいはサービス提供価格の引き下げ要請が強くなる等、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)ビジネスモデルが模倣された場合の影響について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループの事業であるIR・SR活動に専門特化したコンサルティング業においては、情報収集やその分析手法等、長年に亘って蓄積してきた独自のデータ及び分析ノウハウが事業遂行上の重要な要素となっております。当社グループでは、各種社内規程やマニュアルを整備し、これらを機密情報とすることにより営業秘密の管理、保護に努めております。しかしながら、第三者によるサービスの模倣等がなされた場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)法律や制度の変更による影響について(発生可能性:中、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)IR・SR活動に関連する法律の改正や制度の変更については、2014年2月に策定され、2025年6月に第三次改訂されたいわゆる「日本版スチュワードシップ・コード」によって、機関投資家が企業価値の向上や持続的成長を促すために投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を進めることが求められるようになりました。また、上場企業側からの持続的な企業価値向上のための自律的な対応を促進するため、2015年6月に策定され、2021年6月に改訂された「コーポレートガバナンス・コード」では、上場企業の対応としてガバナンス設計、資本政策、機関株主との対話、ESG開示など、多岐にわたる課題への対応が要請されております。このように、より充実したIR・SR活動を求める方向での法律の改正や制度の変更がなされた場合には、IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業を営む当社の収益に対しては、プラスの影響を及ぼすことが考えられます。一方、当社サービスの必要性を低減させるような、予期せぬ法律の改正や制度の変更がなされた場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)特定の人物への依存について(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社の代表取締役社長・CEOである寺下史郎は、当社グループの経営戦略の決定及び業務執行、株主総会での承認を必要とする全ての事項に大きな影響力を持っております。このため、当社グループでは同氏に過度に依存しないよう組織的な経営体制の構築や人材育成を進めており、グループ各社の役割分担を明確化し、主要な子会社における独立性を確保する観点から、当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンは、同氏は役員として関与しておらず、代表取締役社長には青山幸彦が就任しております。しかしながら、同氏の当社グループにおける業務遂行が困難となった場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)コンプライアンスリスクについて(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンは、株主名簿管理人事務受託業務(有価証券管理業)を行っていることから、金融商品取引業を営むため金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業の登録を受けており、業務遂行にあたり会社法、金融商品取引法、金融商品取引所が定める関係規則等の各種の規制及び法制度等の適用を受けております。法令その他諸規則等を遵守すべくコンプライアンス体制の強化に努めており、役職員等に対して適切な指示、指導等を行うとともに、不正行為の防止・発見のために予防策を講じております。また、コンプライアンス機能を強化すべく2023年7月にグループコンプライアンス室を設置し、管理監督体制の一層の強化に努めております。しかしながら、役職員等が法令その他諸規則等を遵守出来なかった場合には、当社グループのレピュテーションが悪化し現在又は将来の顧客を失ったり、監督官庁による行政処分や罰則を受けたり、業務の制限等を課されるおそれがあり、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、お客様の利益が不当に害されることのないよう、「利益相反のおそれのある取引」を適切に管理しております。具体的には、2023年3月に「アイ・アールジャパングループ利益相反管理方針」を制定、公表し、当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンにおいて「利益相反管理規程」を定めております。しかしながら、顧客の利益を害したり市場の健全性等に悪影響を与えたりした場合には、顧客及び市場等からの信用失墜等により、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)訴訟リスクについて(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、専門性の高いコンサルティングサービスを提供しており、顧客との契約締結時等に適切なリスク管理を実施しております。しかしながら、当社グループのサービスが顧客の経営支配権に関わり得るものであることなどから、場合によっては、当社グループによる法令違反・契約違反等の有無にかかわらず、顧客その他第三者との間で訴訟に至る可能性があり、その結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在の重要な訴訟案件の詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (2) その他②訴訟」をご参照ください。 (9)金融商品取引業登録等(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:中)当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンは、金融商品取引業を営むため金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業の登録等を受けており、金融商品取引法及び同法施行令等の関連法令の適用を受けております。また、金融商品取引法に基づき設置された業界団体である日本証券業協会の定める諸規則の適用を受けております。しかしながら、当社グループの役職員がこれら法令等に違反し、登録等の取消し又は改善に必要な措置等を命じる行政処分が発せられた場合等には、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)自己資本規制比率(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンは第一種金融商品取引業者であり、第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、一定程度の自己資本規制比率が求められております。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本の額のリスク相当額の合計に対する比率をいいますが、当該金融商品取引業者は自己資本規制比率が140%を下回ることのないようにしなければならず、金融庁長官は当該金融商品取引業者に対しその自己資本規制比率が120%を下回るときは、業務方法の変更等を命ずること、また100%を下回るときは3ヶ月以内の期間、業務の停止を命ずることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ回復の見込みがないと認められるときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。当社の連結子会社であるアイ・アールジャパンは、親会社である当社への配当金額を考慮し、自己資本規制比率を常に安定的水準に保つように努めておりますが、当該要因が発生した場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)投資銀行業務等その他業容拡大に伴う売掛債権回収リスクについて(発生可能性:低、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、顧客のニーズの多様化に応じ投資銀行業務等の拡大のため、非上場企業や経営者、同族会社の株主を対象に、各種業務提携、資本提携、M&A、プロキシー・アドバイザリー等のアドバイザリー業務を積極的に拡大しております。与信管理については体制を整備し、取引前の与信審査に加えて、顧客の財務状況により取引開始時に着手金として報酬の一部を受領するなどの対策を取り、債権保全には十分に注力しておりますが、これらの拡大に伴い、非上場企業や個人経営者等の特定の取引先において、倒産等による債務不履行が生じた場合、売掛債権の回収が不能になる恐れがあり、当社グループの事業の遂行に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。