事業の概要
- 内燃機関製造販売ダイハツインフィニアースグループは、船舶や陸上で使われるディーゼル機関やガスタービン、およびそれらの部品を製造・販売しています。これは同社の主力事業であり、国内外の幅広い顧客に製品を提供することで収益を上げています。
- 不動産賃貸・売電事業グループは、貸事務所業や太陽光発電による売電事業も展開しており、安定的な収益源の一つとなっています。これにより、内燃機関事業以外の多角的な収益基盤を構築しています。
- 産業機器・精密部品産業機器としてアルミホイールの販売、精密部品の製造も行っています。特にアルミホイールは特定の関係会社に全て納入されており、専門性の高い事業展開をしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 舶用機関事業船舶用ディーゼル機関や関連部品の製造・販売がこの事業の主な内容です。売上高は729.5億円、営業利益は92.23億円と、同社グループの最も大きな収益源であり、主力事業として国内外の海運業界を支えています。
- 陸用機関事業陸上用のディーゼル機関や関連部品の製造・販売を行っています。売上高は115.43億円、営業利益は17.12億円で、舶用機関事業に次ぐ規模の事業であり、産業機械や発電設備などに利用されています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ProductsForMarineEngines | 事業 | 730 | 92 | 12.6% |
| ProductsForLandEngines | 事業 | 115 | 17 | 14.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社および子会社等19社より構成され、内燃機関・産業機器の製造販売事業および不動産賃貸事業等を展開しています。なお、産業機器事業のアルミホイールについては、全てその他の関係会社1社に納入しています。 事業内容と当社および関係会社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。区分 主要製品(事業)主要な会社内燃機関部門舶用・陸用機 関 関 連船舶用ディーゼル機関陸用ディーゼル機関ガスタービン同上の部品の製造当社、ダイハツディーゼル姫路㈱船舶用ディーゼル機関陸用ディーゼル機関ガスタービン同上の部品の販売当社、ダイハツディーゼル東日本㈱、ダイハツディーゼル中日本㈱、ダイハツデーゼル四国㈱、ダイハツディーゼル西日本㈱DAIHATSU DIESEL(ASIA PACIFIC)PTE.LTD.DAIHATSU DIESEL(EUROPE)LTD.DAIHATSU DIESEL(AMERICA),INC.DAIHATSU DIESEL(SHANGHAI)CO.,LTD.運送業倉庫内管理請負業ディーエス商事㈱ダイハツディーゼル部品サービス㈱その他の部門産業機器関連アルミホイールの販売当社不動産賃貸関連貸事務所業当社、ダイハツディーゼル梅田シティ㈱売電関連太陽光発電事業当社精密部品関連精密部品日本ノッズル精機㈱ (注) 1 ダイハツディーゼル姫路株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース姫路株式会社に商号変更しております。2 ダイハツディーゼル東日本株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース東日本株式会社に商号変更しております。3 ダイハツディーゼル中日本株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース中日本株式会社に商号変更しております。4 ダイハツディーゼル四国株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース四国株式会社に商号変更しております。5 ダイハツディーゼル西日本株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース西日本株式会社に商号変更しております。6 DAIHATSU DIESEL (ASIA PACIFIC) PTE.LTD. は、2025 年5月2日にDAIHATSU INFINEARTH (ASIA PACIFIC)PTE.LTD.に商号変更しております。7 DAIHATSU DIESEL (EUROPE)LTD.は、2025年5月2日にDAIHATSU INFINEARTH (EUROPE)LTD.に商号変更しております。8 DAIHATSU DIESEL (AMERICA) ,INC.は、2025年5月2日にDAIHATSU INFINEARTH (AMERICA) ,INC.に商号変更しております。9 DAIHATSU DIESEL (SHANGHAI) CO.,LTD. は、2025 年5月2日にDAIHATSU INFINEARTH (SHANGHAI)CO.,LTD.に商号変更しております。10 ダイハツディーゼル部品サービス株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース部品サービス株式会社に商号変更しております。11 ダイハツディーゼル梅田シティ株式会社は、2025年5月2日にダイハツインフィニアース梅田シティ株式会社に商号変更しております。 以上の関連を概要図に示すと、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定の高度な技術を持つ部品への依存と、次世代燃料対応機関開発への投資が必要なため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ディーゼル機関、DF機関、ガスタービンに関する長年の研究開発と技術蓄積。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:カーボンニュートラルに向けた開発リスク / 中国市場リスク / 調達リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、強力なブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報は確認できませんでした。特定の技術やブランドが競争優位の源泉となっている兆候は見られません。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
顧客がダイハツインフィニアースの製品やサービスから他社へ乗り換える際に発生する具体的なスイッチング・コスト(移行コスト、学習コスト、互換性問題など)に関する情報は公開されていません。現時点では、顧客の囲い込みに繋がるような強いスイッチング・コストは想定しにくい状況です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ダイハツインフィニアースの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を向上させるネットワーク効果が働くような構造は確認できません。プラットフォーム型ビジネスやSNSのような性質を持つ事業ではないと考えられます。
コスト優位☆☆☆☆☆
公開情報からは、ダイハツインフィニアースが競合他社と比較して構造的に低コストで製品を生産・提供できるような優位性を示す具体的な証拠は見つかりませんでした。生産効率やサプライチェーンにおけるコストリーダーシップは現時点では不明です。
規模の経済☆☆☆☆☆
輸送用機器業界におけるダイハツインフィニアースの市場シェアや規模に関する具体的なデータが不足しているため、効率規模の観点からの競争優位性を評価することは困難です。業界全体に対する最適な規模で事業を展開しているかどうかの判断材料がありません。
- 長年の技術提携と実績中国のライセンシー2社とは40年以上にわたる技術提携関係を継続しており、中国市場でのブランド確立と拡販に貢献しています。これにより、広大な中国市場での安定的な事業基盤を築いています。
- グローバルな販売・サービス網国内外に複数の販売子会社を持ち、船舶用ディーゼル機関を中心に世界中で製品を販売し、サービスを提供しています。これにより、地域ごとのニーズに対応し、幅広い顧客層を獲得しています。
- 多角的な事業展開内燃機関事業だけでなく、不動産賃貸、売電、産業機器、精密部品といった多様な事業を展開することで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社は「たくましい創造性とすぐれた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」ことを企業理念として掲げております。この企業理念のもと、『①お客様に満足いただける新しい商品とサービスの提供、②地球環境との調和のとれたグローバルな事業展開、③企業環境の変化に迅速に対応して適正な利益を確保できる、強靱で柔軟性のある企業体質と、活力に満ちた明るい企業風土の確立』を経営方針としております。この経営方針を実践することで、グループ各社が一体となった事業活動を展開し、顧客、株主、取引先そして従業員等当社に関わる皆様にとって大きな存在価値を認めていただける企業グループとして、さらなる発展・繁栄を目指していく所存であります。 (2)目標とする経営指標当社グループでは、収益性と資本効率を重視する観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営数値目標として掲げて企業経営に取り組んでおります。現状評価で認識した当社課題を踏まえ2028年3月期までに営業利益74億円、ROE8.5%以上の達成、2031年3月期までに営業利益90億円、ROE9.5%以上の達成を目指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題当社は、2022年11月に中長期ビジョン『POWER! FOR ALL beyond 2030』を公表し、2050年までの中長期的な事業戦略を示しました。次世代燃料への対応により海運業界・舶用業界におけるネットゼロエミッションに貢献し、さらにサービタイゼーションやより広範な新しいソリューションの提供を通じて、事業規模の拡大を目指してまいります。事業戦略で①カーボンニュートラル、気候変動に向けた取り組み②環境変化に即した収益体質強化、③マネジメント改革の3項目を最優先課題と位置づけ、昨年11月に2031年3月期の財務目標を上方修正し、売上高1,200億円、営業利益90億円、ROE9.5%以上の達成を目指しております。 ①カーボンニュートラル・気候変動に向けた取り組み当社では、造船・海運業界では温室効果ガス(GHG)削減に貢献すべく、次世代燃料対応機関開発に現在注力しており、メタノール、アンモニアはそれぞれ2026年、2028年の商用出荷を進めております。2026年の次世代燃料機関組立、試運転工程を追加するため、姫路工場のエリア拡張投資を現在実施しております。陸用分野では、公共インフラの老朽化とゲリラ豪雨等の気候変動が同時並行で進む中、人々の安心安全を確保する取り組みとして、機関納入、メンテナンスに加え、遠隔監視ソリューションや事業ノウハウを活用したインフラ整備にも業容を拡大してまいります。 ②環境変化に即した収益体質強化当社を取り巻く経営環境は目まぐるしく変化し続けています。機関販売では当社の主要市場である造船業界における中国造船所へのシェアシフト、船主の投資判断の動向、環境規制、地政学的事情に起因し、受注が活発な船種やその規模が短期的に大きく変動します。こうした状況にフレキシブルに対応しながら収益体質強化を図るため、ものづくりの面では調達安定化と内製化を推進し、プロダクトミックスに対応した守山・姫路の生産体制を再構築してまいります。 メンテナンス分野では、AIやIoTの活用により、営業活動への活用がメインとなっていた機関別データ統合基盤を生産・調達・販売・財務・アフターサービスの各プロセスのも拡張して再構築し、バリューチェーン全体の競争力強化を目指します。さらにこのデータ基盤を活用し、包括メンテナンス契約等を通じて、お客様への価値提供の機会を増やし、サービタイゼーション事業の強化を図ってまいります。 ③マネジメント改革当社は本年5月、商号を「ダイハツインフィニアース株式会社」へと改め、目指すべき企業像を明確に掲げ、経営体制の刷新に取り組んでおります。この社名変更は、将来に向けた変革の意志を内外に示すものであり、企業風土そのものを変革するきっかけと捉えております。現在、ガバナンス体制の再整備を進めており、社外取締役の知見を積極的に経営判断に取り入れる等、経営の透明性と意思決定の質の向上を図っております。また、次世代リーダーの育成を柱とした人材マネジメント改革にも着手しております。グローバル展開や事業領域の多様化に対応できる人材像を再定義し、役割・成果に基づく評価制度の見直しや、階層別・職能別の教育体系の再構築を進めております。社員一人ひとりが変革の担い手として自律的に動ける組織文化を醸成してまいります。当社はこれからの10年を、「変化を恐れず、挑戦し続ける企業」へと進化する期間と位置づけております。新たな社名のもと、マネジメント改革を実行し、持続的な成長と健全な企業統治の両立を実現してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社は「たくましい創造性とすぐれた技術を磨きあげ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進する」ことを企業理念として掲げております。この企業理念のもと、『①お客様に満足いただける新しい商品とサービスの提供、②地球環境との調和のとれたグローバルな事業展開、③企業環境の変化に迅速に対応して適正な利益を確保できる、強靱で柔軟性のある企業体質と、活力に満ちた明るい企業風土の確立』を経営方針としております。この経営方針を実践することで、グループ各社が一体となった事業活動を展開し、顧客、株主、取引先そして従業員等当社に関わる皆様にとって大きな存在価値を認めていただける企業グループとして、さらなる発展・繁栄を目指していく所存であります。 (2)目標とする経営指標当社グループでは、収益性と資本効率を重視する観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営数値目標として掲げて企業経営に取り組んでおります。現状評価で認識した当社課題を踏まえ2028年3月期までに営業利益74億円、ROE8.5%以上の達成、2031年3月期までに営業利益90億円、ROE9.5%以上の達成を目指します。 (3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題当社は、2022年11月に中長期ビジョン『POWER! FOR ALL beyond 2030』を公表し、2050年までの中長期的な事業戦略を示しました。次世代燃料への対応により海運業界・舶用業界におけるネットゼロエミッションに貢献し、さらにサービタイゼーションやより広範な新しいソリューションの提供を通じて、事業規模の拡大を目指してまいります。事業戦略で①カーボンニュートラル、気候変動に向けた取り組み②環境変化に即した収益体質強化、③マネジメント改革の3項目を最優先課題と位置づけ、昨年11月に2031年3月期の財務目標を上方修正し、売上高1,200億円、営業利益90億円、ROE9.5%以上の達成を目指しております。 ①カーボンニュートラル・気候変動に向けた取り組み当社では、造船・海運業界では温室効果ガス(GHG)削減に貢献すべく、次世代燃料対応機関開発に現在注力しており、メタノール、アンモニアはそれぞれ2026年、2028年の商用出荷を進めております。2026年の次世代燃料機関組立、試運転工程を追加するため、姫路工場のエリア拡張投資を現在実施しております。陸用分野では、公共インフラの老朽化とゲリラ豪雨等の気候変動が同時並行で進む中、人々の安心安全を確保する取り組みとして、機関納入、メンテナンスに加え、遠隔監視ソリューションや事業ノウハウを活用したインフラ整備にも業容を拡大してまいります。 ②環境変化に即した収益体質強化当社を取り巻く経営環境は目まぐるしく変化し続けています。機関販売では当社の主要市場である造船業界における中国造船所へのシェアシフト、船主の投資判断の動向、環境規制、地政学的事情に起因し、受注が活発な船種やその規模が短期的に大きく変動します。こうした状況にフレキシブルに対応しながら収益体質強化を図るため、ものづくりの面では調達安定化と内製化を推進し、プロダクトミックスに対応した守山・姫路の生産体制を再構築してまいります。 メンテナンス分野では、AIやIoTの活用により、営業活動への活用がメインとなっていた機関別データ統合基盤を生産・調達・販売・財務・アフターサービスの各プロセスのも拡張して再構築し、バリューチェーン全体の競争力強化を目指します。さらにこのデータ基盤を活用し、包括メンテナンス契約等を通じて、お客様への価値提供の機会を増やし、サービタイゼーション事業の強化を図ってまいります。 ③マネジメント改革当社は本年5月、商号を「ダイハツインフィニアース株式会社」へと改め、目指すべき企業像を明確に掲げ、経営体制の刷新に取り組んでおります。この社名変更は、将来に向けた変革の意志を内外に示すものであり、企業風土そのものを変革するきっかけと捉えております。現在、ガバナンス体制の再整備を進めており、社外取締役の知見を積極的に経営判断に取り入れる等、経営の透明性と意思決定の質の向上を図っております。また、次世代リーダーの育成を柱とした人材マネジメント改革にも着手しております。グローバル展開や事業領域の多様化に対応できる人材像を再定義し、役割・成果に基づく評価制度の見直しや、階層別・職能別の教育体系の再構築を進めております。社員一人ひとりが変革の担い手として自律的に動ける組織文化を醸成してまいります。当社はこれからの10年を、「変化を恐れず、挑戦し続ける企業」へと進化する期間と位置づけております。新たな社名のもと、マネジメント改革を実行し、持続的な成長と健全な企業統治の両立を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要)(1) 企業集団の業績当連結会計年度における我が国経済は、雇用環境や所得水準の改善を背景に、概ね緩やかな回復基調を維持しました。一方で、エネルギー価格の高止まりや円安の長期化に伴うコスト負担の増加等が、企業収益や消費マインドに対して下押し圧力となっており、先行きは依然として不透明な状況が続いています。世界経済におきましては、中国では不動産市場の低迷や内需の回復の遅れが景気の重荷となる中、政府による景気刺激策が一定の下支えとなりました。米国では雇用の堅調さと個人消費の持ち直しを背景に緩やかな成長が続く一方で、欧州では外需低迷による製造業の不振やエネルギー価格の上昇が企業活動や消費に影響を与え、景気の減速感が広がりました。加えて、ウクライナ情勢や中東の地政学的リスク、米国の通商政策の不確実性などが重なり、全体としては引き続き不安定な状況にあります。当社の主要な販売先である造船・海運業界におきましては、環境規制の強化や地政学的リスクの高まりを背景に、事業環境が大きく変化しました。造船業界では、省エネ性能や次世代燃料への対応が求められ、脱炭素に向けた技術開発と新造船の建造が引き続き堅調に推移しました。海運業界においても、LNG燃料船等などの導入を通じて、老朽化した船舶の代替や性能向上が図られるなど、船舶の刷新が進められています。このような企業環境下、当社グループにおきましては、ばら積み船向けを中心とした中小型機関の需要拡大を着実に取り込むとともに、メンテナンス関連も引き続き堅調に推移しております。また、原材料価格の高騰が続く中、コスト競争力の強化を目的として内製化を進め、生産効率と収益率の向上を図っております。さらに、将来的な成長を見据え、次世代燃料対応機関の開発および柔軟な生産体制の構築に向けた設備投資を計画的に進めており、新造船需要への対応力を高めることで、持続的な収益基盤の強化に取り組んでおります。その結果、当連結会計年度における連結売上高は88,781百万円(前期比8.6%増)となり、利益面におきましては、営業利益は7,634百万円(前期比47.0%増)、経常利益は7,603百万円(前期比37.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、5,717百万円(前期比11.0%増)になりました。なお、当連結会計年度の当社および連結グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。 (単位:百万円)区分売上高セグメント利益前連結会計年度当連結会計年度前年同期増減率(%)前連結会計年度当連結会計年度前年同期増減率(%)内燃機関部門舶用機関関連68,26972,9506.96,2189,22348.3陸用機関関連9,95911,54315.91,7771,712△3.7その他の部門3,5464,28720.94374779.3調整額―――△3,238△3,780―計81,77588,7818.65,1947,63447.0 (注) セグメント利益の調整額は全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。 <内燃機関部門>イ)舶用機関関連機関売上および、メンテナンス関連売上の増加ならびに為替の影響等により、売上高は72,950百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は9,223百万円(前期比48.3%増)となりました。ロ)陸用機関関連機関売上は増加したものの、一部の物件の採算性が悪化したこと等により、売上高は11,543百万円(前期比15.9%増)、セグメント利益は1,712百万円(前期比3.7%減)となりました。 従いまして、当部門の売上高は84,493百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益は10,936百万円(前期比36.8%増)となりました。 <その他の部門>イ)産業機器関連アルミホイール部門に関しましては、販売数の増加により売上高、セグメント利益とも増加となりました。ロ)不動産賃貸関連不動産賃貸関連に関しましては、売上高は微減となり、セグメント利益は減少となりました。ハ)売電関連売電関連に関しましては、売上高、セグメント利益とも増加となりました。ニ)精密部品関連精密部品関連に関しましては、売上高は増加となり、セグメント利益は微増となりました。 従いまして、当部門の売上高は4,287百万円(前期比20.9%増)、セグメント利益は477百万円(前期比9.3%増)となりました。 当社グループは、「私たちは、たくましい創造性とすぐれた技術を磨き上げ、社会を豊かにする価値を提供し、人々との共生を願い、限りなく前進します」という企業理念を掲げ、舶用機関による海上物流の安定、陸用機関を通じた常用・非常用電源の確保等、海と陸の両方から人々の安心安全な暮らしを支えてまいりました。この志のもと、急速に変化する外部環境の中にあっても、持続的な成長と社会的使命の両立を見据え、事業構造の進化と経営基盤の強化を着実に進めております。企業競争力の根幹である人材については、自律的に考え行動できる企業文化の定着を目指すとともに、多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりを進め、人的資本への戦略的な投資を本格化させております。加えて、DXの推進にも注力し、AIやIoTの活用により業務効率の向上やサポート機能の拡充を図ると同時に、デジタル技術を活用した新たなソリューションの開発にも取り組み、業務改革と事業変革の両輪で競争力の強化を図っております。技術開発では、次世代燃料対応機関の早期実用化と市場投入を目指し、全社横断の体制で開発を加速させております。さらに、品質管理体制の強化にも注力し、高い信頼性を得られる商品の安定供給にも取り組んでおります。あわせて、ガバナンス体制の強化や経営の透明性向上にも努め、国内外のステークホルダーとの強固な信頼関係の構築を図っております。こうした変革を象徴する取り組みの一環として、2025年5月2日より、当社は新たな社名「ダイハツインフィニアース」へ変更いたしました。この名称は、「永遠・無限(Infinity)」と「地球(Earth)」を掛け合わせた造語であり、技術革新を追求し地球環境に新たな可能性を無限に与えるという強い意志を込めております。今後も当社グループは、事業活動全般において環境と社会への配慮を重視しながら、グローバルな競争力を強化させ、サステナブルな企業としての責任を果たしてまいります。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の増減は、営業活動によるキャッシュ・フローは9,354百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは6,513百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは10,797百万円の減少となりました。結果として、資金は8,095百万円の減少(前連結会計年度は3,295百万円の増加)となりました。 ・営業活動によるキャッシュ・フロー舶用内燃機関を中心とした売上の計上により、税金等調整前当期純利益7,588百万円を確保し、減価償却費の計上(2,984百万円の増加)、売上債権の減少(456百万円の増加)、棚卸資産の減少(729百万円の増加)がありましたが、仕入債務の減少(4,134百万円の減少)、法人税等の支払額(1,673百万円の減少)等により、営業活動によるキャッシュ・フローは9,354百万円の増加(前連結会計年度は4,666百万円の増加)となりました。 ・投資活動によるキャッシュ・フロー次世代燃料対応機関開発のための設備投資を継続しており、有形固定資産の取得による支出(6,326百万円の減少)等により、投資活動によるキャッシュ・フローは6,513百万円の減少(前連結会計年度は450百万円の増加)となりました。 ・財務活動によるキャッシュ・フロー自己株式の取得による支出(11,185百万円の減少)、長期借入金の返済による支出(2,972百万円の減少)、配当金の支払額(1,549百万円の減少)等がありましたが、長期借入れによる収入(5,300百万円の増加)により、財務活動によるキャッシュ・フローは10,797百万円の減少(前連結会計年度は2,101百万円の減少)となりました。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称数 量金 額 前年同期増減率 馬力百万円% 内燃機関部門 舶用機関関連1,214,55072,9506.9 陸用機関関連73,23811,54315.9 その他の部門―3,66125.8 合 計 88,1548.6 (注) 1 金額は、販売価格によっております。2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受 注 高受 注 残 高数 量金 額前年同期増減率数 量金 額前期同期増減率 馬力百万円%馬力百万円% 内燃機関部門 舶用機関関連1,408,58383,324(56,895)25.81,805,96766,605(37,338)18.4 陸用機関関連38,96711,613(213)△1.267,4247,159(369)1.0 その他の部門―3,92027.0―1,30024.9 (-) (―) 合 計 98,859(57,109)21.9 75,064(37,707)16.6 (注) 1 金額は、販売価格によっております。2 ( )内は輸出受注高、輸出受注残高を示し、内数であります。3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称数 量金 額輸出比率前期同期増減率 馬力百万円%% 内燃機関部門 舶用機関関連1,214,55072,950(47,586)65.26.9 陸用機関関連73,23811,543(208)1.815.9 その他の部門 (注)3―4,287―20.9 (―) 合 計 88,781(47,794)53.88.6 (注) 1 ( )内は輸出高を示し、内数であります。2 主要な輸出地域およびその割合は次のとおりであります。アジア(72.6%)、欧州(19.1%)、中南米(5.1%)、北米(2.3%)、その他(0.9%)3 「その他の部門」には精密機器関連(2,474百万円)、産業機器関連(1,186百万円)および不動産賃貸関連等(626百万円)を含んでおります。4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1) 財政状態についての分析当連結会計年度末における資産の部では、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が8,095百万円減少しました。受取手形、売掛金及び契約資産は、前連結会計年度末に比べ456百万円減少し、売掛債権回転日数は87.2日(前連結会計年度は94.7日)となっております。棚卸資産は、前連結会計年度末に比べ729百万円減少し、棚卸資産回転日数は71.0日(前連結会計年度は72.0日)となっております。一方で、有形固定資産は、次世代燃料対応機関の製造を目的とした姫路工場の増設工事等に伴い、3,775百万円増加となりました。その結果、資産の部合計が、前連結会計年度末に比べ5,320百万円減少し、96,107百万円となりました。 負債の部では、下請代金支払遅延等防止法の対象取引先に対する支払サイト短縮の影響等により支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計が前連結会計年度末に比べ4,152百万円減少し、買掛債務回転日数は59.4日(前連結会計年度は71.5日)となっております。一方で、借入金の合計は、長期運転資金のリファイナンス等により2,032百万円増加しました。流動負債その他は、主に前受金の増加により1,918百万円増加となりました。また、未払費用は811百万円増加となりました。その結果、負債の部合計が、前連結会計年度末に比べ1,316百万円増加し、51,901百万円となりました。 純資産の部では、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ4,166百万円増加し、49,298百万円となりました。一方で、自己株式の公開買付けを実施し、11,124百万円の自己株式を取得しました。その結果、純資産の部合計が、前連結会計年度末に比べ6,636百万円減少し、44,206百万円となりました。当連結会計年度末における自己資本比率は45.9%(前連結会計年度は50.1%)となりました。 (2) 当期の経営成績の分析① 為替変動の影響について当連結会計年度の為替レート変動により、売上高は前連結会計年度に比べ843百万円増加し、営業利益は335百万円増加したと試算されます。この試算は当連結会計年度の外貨建て売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を、前連結会計年度の換算レートで再計算したものであり、為替変動に対応した財務政策等の影響は考慮されておりません。 ② 当期の経営成績について機関売上台数増に加えて、メンテナンス売上の好調継続により、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ8.6%増収となる88,781百万円となりました。当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の64,766百万円に比べ3,113百万円増加し、67,879百万円となりました。なお、売上高原価率は、前連結会計年度から2.7ポイント低下して76.5%となっております。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,452百万円増加し、13,267百万円となりました。売上高販管費率は、前連結会計年度から0.5ポイント上昇して14.9%となっております。この結果、営業利益は、前連結会計年度の5,194百万円から47.0%増益の7,634百万円となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度から2.2ポイント上昇して8.6%となりました。経常利益は、前連結会計年度の5,546百万円から37.1%の増益となる7,603百万円となり、売上高経常利益率は、前連結会計年度から1.8ポイント上昇して8.6%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の5,149百万円から567百万円の増益となる5,717百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の162.87円に対し、当連結会計年度は180.92円となりました。自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度から1.4ポイント上昇して12.0%となっております。目標とする経営指標の推移につきましては、以下のとおりであります。 決算年月第61期第62期第63期第64期第65期2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月売上高営業利益率(%)1.83.65.06.48.6売上高経常利益率(%)2.04.45.16.88.6自己資本利益率(ROE)(%)1.74.76.610.712.0 (3) キャッシュ・フローの分析当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。当社グループは現在、必要な運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入金を基本としております。今後も原価低減等により利益確保に努め、併せて在庫の適正化や取引条件の改善等を通じて、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことで、事業運営上必要な資金の流動性を高めていく考えであります。なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は前連結会計年度末に比べ、1,955百万円増加し、14,349百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ8,095百万円減少し、21,015百万円となりました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (棚卸資産の評価)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (繰延税金資産の回収可能性)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
事業リスク
- カーボンニュートラル開発遅延国際的な温室効果ガス排出削減目標の前倒しにより、次世代燃料対応機関の開発が急務となっています。開発リソースの投入や技術選択を誤ると、競争力低下や業績悪化につながる可能性があります。
- 中国市場の変動中国の造船市場は近年急拡大していますが、市況の急激な変化や想定外の市場縮小により、機関の納入が落ち込むリスクがあります。中国ライセンシーの生産量減少は、同社の成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
- 調達先の供給不安製品開発・生産は、仕入先からの部材やサービスの供給に大きく依存しています。自然災害、仕入先の経営悪化、技術依存などにより供給が滞ったり、コストが上昇したりすると、生産遅延や業績悪化につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者がリスクとなる可能性があると認識している主要な事項(事業等のリスク)は以下のとおりであります。 事業等のリスクの洗い出しに際して、事業遂行上に起こりうるリスクの発生要因に基づき、ビジネスリスクとオペレーションリスクに分類し、各リスクに応じた対策を立案・遂行し、リスク管理の実効性を検証し、対応しております。ビジネスリスク(Business) 事業環境の不確実性がある中、事業戦略を策定・遂行することで、事業成果を獲得するために、意思決定を通じ健全な範囲で負担することを選択したリスクオペレーションリスク(Operation) 外生的事象が生起することから事業オペレーション上で発生可能性がある事象および損失であり、対策を講じて一定水準以下になるよう管理するリスク 主要なビジネスリスク、オペレーションリスクの内容と対策は以下のとおりです。リスク内容対応Business(1)カーボンニュートラルに向けた開発リスク・国際海運の2050年の温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロ(実質ゼロ)が求められ、削減目標は前倒しされています。 ・海運・造船業界におけるカーボンニュートラルは、舶用機関の開発を中心に実現されるというのが主流の見方ではあるものの、どの次世代燃料が主流となるかについては見解が分かれています。 ・開発リソースの投入・開発時期次第では、当社の研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・舶用機関メーカーとしてどの燃料にも対応できるよう、研究開発を進めていますが、選択肢が多岐に渡る中、次世代燃料の技術開発には一定の投資が必要であるため、動向を見ながら開発テーマの絞込みや優先順位付けを今後進めてまいります。 ・次世代燃料対応機関の組立・試運転工程の追加に向け、姫路工場のエリア拡張を行い、既存燃料機関と次世代燃料機関(メタノール・アンモニア等)の生産に対応できるよう設備投資を行ってまいります。 ・自前主義にこだわらず、産官学との連携を通じ、研究リソースの適正な配分に努めてまいります。Business(2)中国市場リスク・中国の造船所では建造能力を拡大しながら受注を伸ばし、世界シェアを近年急拡大しています。当社機関も納入を伸ばしておりますが、市況の急激な変化による反動により、機関納入が落ち込む可能性があります。 ・当社は中国ライセンシー2社と技術提携関係を40年以上継続しており、連結販売子会社・ライセンシーを通じ、中国市場での当社ブランドの拡販施策を実施しております。しかし、想定外の事情で中国市場が縮小し、中国ライセンシーのエンジン生産量が急減した場合、当社の成長戦略に齟齬が生じる可能性があります。・当社との関係の深い船主が発注する新造船案件での、当社機関の受注確保に注力しております。また、当社は中国の造船所との長期に亘る関係をこれまで構築してきており、主要造船所からの受注確保に取り組んでおります。 ・中国での市場性を想定したライセンス機種の検討や生産・品質面での支援を含めた技術供与のあり方をライセンシーと適宜協議しながら進めております。 ・中国ライセンシーの機関生産の原価低減に向けた支援を行っております。 リスク内容対応Business(3)調達リスク・当社製品の開発・生産は、仕入先からの一定数の部材やサービスの供給に依存しており、当社事業において、これらが必要に応じて、適正なコストでタイムリーに入手可能なことが重要となります。自然災害や事故、または仕入先の経営悪化、後継者不在による廃業など様々な要因での供給の遅滞や停止、コストアップ等で当社製品に関する開発や生産に遅滞や停止が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・仕入先との良好な取引関係の確立・維持に努め、また、調達の停止リスク回避を考慮した仕入先の複数確保、必要在庫の保有等の対策を講じてまいります。 仕入先の事業継続に関しても定期的に精査し、適宜代替となる仕入先の検討を実施してまいります。取引先の状況次第では事業継続へ向けた支援等も検討してまいります。 ・当社グループでは最適な部材やサービスをグローバルに調達しておりますが、リスク回避検討の一つとして、付加価値取り込みも視野に入れた内外製の検討も進めております。Business(4)一部調達先への技術依存がもたらすリスク・主要な部品の一部には、特定の高度な技術を有し、供給先に依存するため供給先の供給不足、納入遅延等の発生により、販売機会損失発生や、適正な在庫水準を維持できない状況が想定されます。また、特定材料の値上げ要請を受ける状況があった場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・基幹部品の内製化投資および生産能力増強や調達先の多様化により、調達の安定化を図るとともに、原価低減に結びつけてまいります。 ・次世代燃料対応機関開発において、調達先を見極めるとともに、知財戦略に基づき重要技術の自社保有を目指してまいります。Business(5)知財リスク・当社グループは、製品開発の中で技術あるいはノウハウを蓄積し、それらを保護するための知的財産権の取得に努めておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、意図せず、または見解の相違等により第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の毀損を引き起こす可能性があります。 ・現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更される可能性があります。・当社グループでは、知財専門部門を設置し、新規製品開発時には要件として、他社の知的財産権を侵害していないことの調査実施を規定に定め、チェック機能を働かせております。 ・パテントマップに基づく戦略の立案等、知財戦略を当社グループの競争力の維持、成長戦略の牽引役として強化に努めてまいります。 ・次世代燃料対応の機関開発では委託契約の内容を充分に精査し、知的財産権の保全に努めてまいります。Business(6)為替変動のリスク・以下の2点で当社グループの財政状態・経営成績に影響を及ぼしています。①当社の連結財務諸表は日本円で表示のため、為替換算による差損益が生じます。②外貨建ての製品販売、材料等の調達では、為替変動の影響により販売・仕入額の円貨額が変動します。特に海外調達が増加する中、為替変動が材料費等に影響を与える可能性があります。・円建取引を基本とし、外貨建の取引については以下の方法でリスクヘッジを行っております。①事業活動を通じて得た外貨を、同一の外貨建ての支払いに充当。②事業計画や事業見通しに基づき、通貨ごとに外貨建て為替予約枠を設定。③国内調達や内製化投資により為替変動リスクを低減。 リスク内容対応 Business(7)通商政策による海運市場リスク・米国の通商政策の影響による海上荷動き停滞が当面は予想されており、船主の船舶メンテナンス支出予算の削減により当社のメンテナンス売上への影響を受ける可能性があります。 また、海上市況の不安定化により、新造船発注の抑制や一部造船所による建造時期の延期等が発生する可能性があります。 ・さらに、船主の意向により建造造船所が中国から他国の造船所に変更する場合もあり、当社機関販売の営業活動に影響を及ぼす可能性があります。・当面、米中間貿易で影響を受ける船舶は、コンテナ船や自動車運搬船等になると想定しており、これらに関するメンテナンス需要にも一定の影響が見込まれます。ただし、当社製の機関を搭載し、世界で稼働中の船舶数(稼働隻数)は、ばら積み船等を中心に現在約8,900隻あり、当該影響は限定的と想定しております。 ・舶用業界は地政学的影響により、新規受注船舶の船種構成が年々変化し、それを受け当社の船舶用機関の大型、中小型の受注構成も年々変化します。当社は大型、中小型の機関受注の構成変化にフレキシブルに対応できる生産体制を構築し、稼働隻数を年々増加させることで安定的なメンテナンス売上に繋がるよう営業活動を推進しております。Operation(1)自然災害による操業リスク・当社グループの主要製品である機関製造工場は守山工場と姫路工場の2拠点があります。加えて子会社である日本ノッズル精機㈱には埼玉工場と加古川工場の2拠点があります。巨大地震や風水害等の自然災害や火災等が発生した場合に、当該工場での直接被害により生産活動が阻害される可能性があります。さらに、これらの災害・事故等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな影響を受ける可能性があります。・以下の対策を実施して、速やかな事業復旧をはかります。①避難訓練の実施、安否確認システムの運用、帰宅困難者用備品の拡充、防災マニュアルの見直しと教育の実施を通じ、従業員の安全を確保。②危機管理体制やBCP整備による、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、お客様や従業員等の安全確保と事業継続に向けた体制の構築。③賠償責任保険、企業財産包括保険等の付保。④建物・構築物・製造設備の耐性診断および補強、被災拠点機能の代替体制構築、本社機能不全時の代替体制構築。⑤供給業者の複社発注化によるサプライチェーン寸断による被害拡大抑止。Operation(2)人材確保・流出リスク・当社グループの競争力は、研究・開発・技術・製造・管理等各職種における優れた専門的知識や技能を持った従業員により支えられています。グローバルな事業活動を進める中で、優秀な人材確保における競争は高まっております。また、在籍している従業員の退職や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの将来の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・専門性の高い多様な人材の採用を進めております。 ・人事制度の見直しや業績連動賞与の導入など、従業員のやりがいを促進する人事施策を実施しております。 ・人材投資をおこない、社員のリスキリングをはかってまいります。 ・幹部人材を確保、育成するプロセスの強化を進めております。 ・その他、社員のエンゲージメントを高める諸施策を検討、実行してまいります。Operation(3)資金調達リスク・当社グループは資金調達を現行は間接金融としているため、様々な外的要因により金融市場が不安定化もしくは悪化した場合に、資金調達が制約されたり、資金調達コストが上昇するなど、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・自己資金の創出を図るべく、事業計画時点で資金計画を策定し、キャッシュ・フローを見極めます。 ・資金予測精度を高め、必要資金確保のための方策を検討します。 ・コミットメントラインを設定し、万が一の場合の流動性を確保しております。 ※コミットメントライン: 金融機関との間で、期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする旨、予め約定する契約 リスク内容対応Operation(4)情報セキュリティー面のリスク・当社グループは事業活動を通じて、お客様や取引先から営業機密・個人情報を入手することがあります。また、当社グループの事業活動でも営業機密・個人情報を作成・保管しております。これらの機密情報に対する悪意を持った行為や過失によりグループ外に流出する可能性や改竄・利用不可状態に陥ることにより事業活動が制限される可能性があります。 ・当社グループとしては、保有する機密情報を台帳等により記録・管理すると共に、サイバー攻撃・不正行為から守るためセキュリティー対策に取り組んでおります。しかし、IT機能の不備や予期せぬ侵入・窃盗、不正操作などにより、グループ外への情報流出、製造・開発・エンジニアリングサービスの停止などが発生した場合には、お客様や関係者に対して損害賠償責任を負うことや、インシデント対応費用の発生、社会的信用の毀損等で当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・当社グループは機密管理委員会を通じて、機密管理活動に取り組んでおります。具体的には、役員、従業員、取引先に対し、機密管理教育を徹底しております。 ・事業活動を支えるIT機能に対しても万全な防御機能を整備運用するとともに、外部からの不正アクセスと外部への不正 流出を常時監視する機能を運用し、有事の際の検知と迅速な初動対応を開始しております。 ・情報セキュリティー委員会を発足させ、セキュリティー対策、インシデント対応に特化した組織的対応を図ってまいります。Operation(5)コンプライアンスリスク・訴訟リスク・当社グループでは、世界各国に販売・サービス網を構築し事業活動を行っており、国内外の様々な法令、諸規制の適用を受けております。これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損する等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループが事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟の当事者となるリスクがあります。重大な訴訟提起の場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・当社では、倫理行動基準および諸規程を整備するとともに、法令遵守に基づき、業務遂行の徹底ならびに、役員・従業員へのコンプライアンス研修を実施しております。 ・子会社等に関しましても各事案に関する内部統制や法令遵守項目について実施状況のチェック・指導を定期的に行っております。 ・当社グループでは、コンプライアンス委員会ならびに法務、内部監査等の統制部門を設置し、関連法令、規制、内部基準等の遵守状況を適宜モニタリングしております。 ・訴訟や法的な手続きが必要となる事案が発生した場合に、弁護士等の外部専門家と対策を検討することが出来る体制を構築し、社内の関連部署のスキルや専門知識の強化に努めております。また、訴訟等による予期せぬ損失に備えて保険の付保等をおこなっております。 ・社内通報ホットラインと取引先向けにコンプライアンスホットラインを開設、運用し、モニタリング機能を強化しております。 リスク内容対応Operation(6)輸出管理規制によるリスク・当社製品ならびにアフター部品・サービスは広く世界各国へ販売されており、また、製品開発時には各国のメーカー、研究機関との共同・委託開発をおこなっております。 上記は外為法の規制を受ける為、製品・アフター部品・サービス・共同開発行為がリスト規制の対象となる可能性があり、また取引先がキャッチオール規制の対象である可能性があります。社内に輸出管理体制を構築し、対策を講じておりますが、違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・社内に輸出管理委員会を設け、輸出管理事務局・監査部門における定期的監査・モニタリングを実施しております。また、輸出管理業務が円滑かつ正確におこなえるよう専用の輸出管理システムを構築し、運用しております。 ・輸出管理に係る規程・マニュアルを整備し、当該業務の関係者への定期的研修を実施しております。また、役員および管理職へは昇格時に別途研修実施を講じております。 ・関連法令の制定・改正等の情報を適時に事業活動に反映できる社内体制を強化しております。判断が難しい場合には政府当局やCISTEC等の関係団体に確認するなどの対応を実施しております。 ・CISTECが主催する能力検定試験制度を活用し、社員の知識向上を図っております。 ※CISTEC: 一般財団法人 安全保障貿易情報センターOperation(7)感染症リスク・感染症の感染地域・感染者数の拡大による、工場の操業度低下、人流や物流制限による販売や調達活動への制約、世界経済悪化に伴う受注量の停滞など、当社グループを取り巻く事業環境への影響が懸念されます。 ・今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・当社グループでは、社会インフラを支える当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう、お客様、そして地域の皆様の安心・安全を第一と考え、対策本部を設置し、対応マニュアルを定め、周知徹底をし、感染症の流行状況に応じた感染拡大防止策をはじめとする各種施策を実施してまいります。 ・従業員やその家族の健康を守る為、職場での感染予防・拡大防止策として、衛生管理の徹底や各部署における在宅勤務や時差出勤、WEB会議の活用等に取り組んでおります。Operation(8)環境関連リスク・急激な気候変動、資源枯渇、有害化学物質の流出等により、大気汚染、水質汚濁等、環境における様々なリスクに対し法令に基づき社内規程を整備し発生防止に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染等が発生した場合には、社会的信用の棄損や浄化処理、補償等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・事業活動に伴う温室効果ガス排出量の 削減目標が未達となった場合、社会的信用の低下やペナルティー発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。・ISO14001による環境マネジメントシステムを運用しているほか、独自に重大災害規定や各種対応マニュアルを整備し防災訓練、教育を実施しております。 ・有害物質・汚染物質の流出に向けた設備施工も実施しております。 ・今後の投資時に生産設備等に使用する危険物質等を勘案し、流出抑止の設備投資を随時検討してまいります。 ・事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に向けて環境目標を設定し、状況を定期的にモニタリングするとともに、関連投資等を含めた対策を講じております。 リスク内容対応Operation(9)労務関連リスク・労働環境の維持・向上が経営戦略に重要な影響を及ぼすと認識し、働きやすい職場環境の維持・向上に努めております。 しかしながら、万が一労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、労災補償、社会的信用の毀損等により当社グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・安全教育プログラムを定期的・随時実施し、リスクアセスメントの実施、設備面の維持管理ルールの設定と遵守状況の確認、変化点管理や危険予知活動を実施しております。 ・ハラスメント教育を実施し、相談窓口を設置し、外部機関の活用も行っております。ハラスメントについては就業規則への織り込みを行っております。 ・産業医面談を定期的に実施し健康管理を実施しております。 本項に記載した予想、予見、見込み、見通し等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。