5966

京都機械工具(5966)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 工具の製造販売
    京都機械工具は、自動車整備用工具、医療用工具、電設関連工具、その他一般作業工具など、幅広い種類の工具を製造し販売しています。これには、精密な部品を作るロストワックス製法による工具や産業用機械部品の製造販売も含まれており、プロフェッショナルな現場で使われる高品質な製品を提供することで収益を上げています。
  • ファシリティマネジメント
    工具事業の他に、不動産の賃貸や業務用不動産の運営を行っています。これには、太陽光発電による電気の販売も含まれており、安定的な収益源として事業の多角化に貢献しています。自社グループの資産を有効活用し、賃料収入や売電収入を得るビジネスモデルです。
  • グループ構成
    京都機械工具グループは、親会社である京都機械工具株式会社と2つの連結子会社で構成されています。これらの子会社も工具事業を営んでおり、グループ全体として工具の製造販売を主軸に、ファシリティマネジメント事業で補完する形で事業を展開し、収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 手工具事業
    この事業は、自動車整備用工具、医療用工具、電設関連工具、その他一般作業工具の製造販売を主な内容としています。京都機械工具グループの主力事業であり、最新年度の売上高は88.13996億円、営業利益は6.88976億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • ファシリティマネジメント事業
    この事業では、不動産の賃貸や業務用不動産の運営を行っており、太陽光発電による電気の販売も含まれます。最新年度の売上高は2.3216億円、営業利益は1.582億円です。工具事業を補完する形で、安定的な収益源としてグループの経営に貢献しています。
  • 事業構成と収益性
    京都機械工具グループは、手工具事業が圧倒的な売上と利益を上げており、事業の中心となっています。ファシリティマネジメント事業は規模は小さいものの、堅実な利益を確保しており、事業の多角化とリスク分散に寄与していると考えられます。両事業が相互に補完し合い、グループ全体の安定的な成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
HandToolsDivision 事業 88 7 7.8%
FacilityManagementDivision 事業 2 2 68.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|339 文字
3【事業の内容】 当社グループの企業集団は、当社並びに連結子会社2社で構成され、工具の製造販売を主な事業とし、その他にファシリティマネジメント事業を行っております。 当社グループとしての事業に係る位置づけは次のとおりであります。(1)工具事業  工具…………………………………… 自動車整備用工具、医療用工具及び関連機器、電設関連工具、その他一般作業工具及びこれらに関連する機器の製造販売  精密鋳造……………………………… ロストワックス製法による工具及び精密工作機械部品・産業用機械部品などの製造販売(2)ファシリティマネジメント事業… 不動産の賃貸、業務用不動産の運営等(太陽光発電による電気の販売を含む)  以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
省力化工具・機器類の総合メーカーとして、新製品の研究開発を進めているため。
会社が挙げる主要リスク:品質問題による業績悪化のリスク / 調達・生産のリスク / 販売ルート・形態に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

「KTC」ブランドは一定の認知度を持つが、業界内での圧倒的なブランド力や特許による独占的なIPは限定的。特定の専門分野での強みはあるものの、広範な無形資産による競争優位性はまだ弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

プロフェッショナル向けの工具は、品質や使い慣れたブランドへの信頼から、安易な乗り換えが起こりにくい側面がある。しかし、価格や機能で代替可能な製品も多く、スイッチング・コストは中程度。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

工具という製品特性上、ユーザーが増えることで製品価値が向上するネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウによる効率化や、一部海外生産の活用でコスト競争力を維持しようとしている。しかし、大手競合と比較して構造的なコスト優位性は明確ではない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

自動車整備用工具を中心に、国内市場で一定のシェアを持つ。業界全体が成熟している中で、特定のニッチ市場においては、規模の経済を活かした効率的な生産・供給体制を構築していると考えられる。

  • 高品質な製品開発力
    京都機械工具は1998年にISO9001を取得しており、品質最優先のモノづくりを推進しています。長年の経験と技術に基づき、自動車整備用工具から医療用工具まで、幅広い分野で信頼性の高い製品を提供しており、これが顧客からの評価と競争力につながっています。
  • 多様な工具製品群
    自動車整備用工具だけでなく、医療用工具、電設関連工具、一般作業工具など、多岐にわたる工具を製造販売しています。さらに、ロストワックス製法による精密鋳造技術を活かし、工具や精密機械部品も手掛けており、幅広い顧客ニーズに対応できる製品ラインナップが強みです。
  • 安定的な収益基盤
    工具事業を主軸としつつも、ファシリティマネジメント事業として不動産の賃貸や太陽光発電による電気の販売も行っています。これにより、工具市場の変動リスクを一部ヘッジし、安定した収益源を確保することで、企業全体の経営基盤を強化していると考えられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、社是「お互いに誠実でたゆまず前進し、軽くて強くて使いよい工具を創り、社会に貢献しよう」、社訓「信用・誠実・協調・創造・実行」を経営理念とし、品質・価格・納期の面において、お客様の要求に最大限お応えできる製品とサービスを提供することにより、企業の継続的発展を目指すとともに、法令を遵守し、安全・環境面においても地域をはじめとする社会に貢献できる企業グループを目指してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、2022年度より2030年度を最終年度とする長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定し、達成を目指してまいりましたが、2026年5月15日付「新5ヵ年計画 Restart KTC vision 2030の策定並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」にて公表のとおり、計画を見直すことといたしました。まずは強固な経営基盤を再構築し、その上に本質的な成長を重ねることで、着実に達成を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益率、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)であります。 新5ヵ年計画「Restart KTC vision 2030」の最終年度となる2030年度の目標値は、売上高100億円、営業利益率10%、PBR1倍、ROE8%以上であります。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、雇用・所得環境の側面から引き続き底堅く推移するとの期待がある一方、2026年11月に中間選挙を控える米国の通商政策や中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなど、先行きが見通し難い状況が続くと予想されます。 また、関連業界においては、少子高齢化を背景とした技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されている一方で、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、ESGに関する取り組みを含むコンプライアンスの強化が求められております。 当社グループの主力である工具事業では、「もの」を主体とする製品事業から「こと」を提案するサービス事業への領域拡大を加速化し、お客様の多様化するニーズに対応してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、従前の長期ビジョンで掲げた3つの戦略方針(「今までの概念を覆す」「リーディングカンパニーの伝統を活かす」「あらたなチャンスに挑戦」)及びESG推進方針(「E 地球環境に徹底的に貢献する」「S あらゆるステークホルダーと共生する」「G 持続可能な信頼される企業であり続ける」)を踏襲し、以下の戦略課題に取り組んでまいります。 ① 人ができることを増やしていくために進化するツールの提供 当社グループは、お客様にとって最適な「軽くて、強くて、使いよい」ツールを環境の変化に適応した形で提供し続けます。たとえば、主力の自動車業界では、「自動運転技術」「EV技術」による技術革新が進む一方で技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されており、作業現場のニーズはより多様化することが予測されます。これに対し、新しい材料や構造・機構に関する技術を用いるなど、安全で使う人と環境にやさしいツールを進化させ続け、多様性を認め合う持続可能な社会の実現を目指してまいります。 ② つながる工具とソフトウエア、サービスによる新たな価値の提供 当社グループは、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、人作業や作業情報などの一元管理が進展することを見据え、「工具(ハードウエア)」「ソフトウエア」「サービス」の三要素で構成する「TRASAS」シリーズをはじめとするIoT技術を用いたツールを展開しております。とくに昨今、より効果的かつ効率的なコンプライアンス強化が求められるなか、厳格な工具管理を要する航空宇宙産業やMRO(Maintenance Repair Overhaul)市場などに対し、使用履歴管理による紛失抑制や紛失した際の工具の探索に貢献するRFID搭載工具「nepros ID」シリーズを展開し、作業管理体制強化や効率化による新たな価値を提供してまいります。 ③ 「Restart KTC vision 2030」を支えるサプライチェーンマネジメントの強化 当社グループでは、「Restart KTC vision 2030」を支えるためのものづくり革新を進めており、人とロボットそれぞれの長所を活かした協働環境の運用を目指しております。脱着作業などの単純な繰り返し作業をロボットが行うことで、人はより付加価値の高い作業へシフトいたします。さらに、生産各工程の新規設備を活かし、とくに「nepros」「nepros ID」製品をベースとした各成長戦略の実現に向けて能力増強を図るとともに、生産拠点の最適化や地政学リスクへの対応を含めものづくりを中心としたサプライチェーンマネジメントの強化に取り組んでまいります。 ④ サステナビリティの深化(ESG経営の推進 及び 新人事制度の定着と運用) 当社グループの事業活動を通じた社会課題への貢献に向け、ESGを軸としたサステナビリティへの取り組みを深化させてまいります。たとえば、気候変動の課題に対し、温室効果ガス排出量の削減に向けたエネルギーに関する取り組み(省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用推進など)とコストダウンを両立させるなど、グループ全体の最適化を図り、環境に配慮したお客様に選ばれる企業を目指してまいります。 また、事業を維持・向上、変革させる源泉は、人材であります。多様な価値観への社会的な変化を背景に、多様な人材の登用、一人ひとりの成長と能力発揮などを目的とした人材への投資を行い、「人を中心に置きながら人に依存しない体制を築き上げる」など、社員がより「KTCで働いてよかった」と思える会社を実現させ当社グループの成長につなげてまいります。 ⑤ 不適切な会計処理に関する特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題 当社は、2025年7月31日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」及び9月16日付「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備及び内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、6月30日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にて公表いたしました特別調査委員会の調査報告書における提言を踏まえて再発防止策を策定し、9月9日付で社長を委員長とする「グループ経営改革委員会」を設置し、鋭意、以下の改善措置を講じてまいりました。 <グループ経営改革委員会の構成>・委員長:社長・委 員:管理本部担当取締役、管理本部長、生産本部長、総務・人事担当執行役員兼人事部長、     総務部長、財務経理部長、内部監査部長、戦略準備室長 他6名・アドバイザー:外部の弁護士、外部の公認会計士、常勤監査等委員 <改善措置の進捗状況>1)北陸ケーティシーツール株式会社(以下「北陸KTC」と言います。)における内部統制の整備・運用a.実地棚卸の結果を正確に会計帳簿に反映させる手続きを構築実地棚卸後に作成する棚卸明細を正確に作成するために、実地棚卸手順、棚卸監査手順、棚卸明細作成手順を再構築し、2025年9月の第2四半期(中間期)決算の実地棚卸から運用を開始しております。特に棚卸明細の作成手順につきましては、不正や誤謬を防止すべく、担当者以外によるダブルチェック体制を導入いたしました。また、親会社の内部監査部が、実地棚卸の監査及び棚卸監査時の棚卸リスト・棚卸原票と棚卸明細の突合を実施することに改め、監査体制を強化しており、当該監査体制のJ-SOX文書への落し込みを2025年12月に完了し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。 b.在庫管理システムを整備(仕掛品管理をシステム化、人為的ミス・不正機会を排除)現行の生産管理システム(以下「KNPS」と言います。 ※ 親会社と同じシステム)において、何時でも在庫データを抽出可能な仕様に改良し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。具体的には、仕掛品、原材料、貯蔵品をKNPSにおいてリスト化し(従前はExcelで人が作成)、人手を介さない管理体制を確立することで、不正の機会を排除いたしました。また、原価管理につきましても、システム上で管理できる仕組みを構築いたしました。KNPSの改良につきましては、短期フェーズ(2025年12月末完了)と長期フェーズ(2027年3月末完了予定)に分けて実施する計画です。親会社と北陸KTCにおいて実務レベルの改善要望調査を実施し、2025年10月に対応すべき項目の洗い出しを終えました。現在は、長期フェーズに移行しており、要件定義が完了し、システム開発のフェーズに移行しております。具体的には、監査で使用する棚卸リストをPDF形式で出力できる機能の追加(書換え不可とすることで不正の機会を排除)、親会社と子会社のKNPS機能の統合等を行います。 c.モニタリング手続きを親会社手続きと共通化親会社の業務フローを参考に、北陸KTCの業務フローを見直し、親会社の内部監査部が、北陸KTCの業務プロセス(販売、購買、在庫管理プロセス)を定期的に監査することで、グループ全体を統一的な視点で効果的かつ効率的に監査する体制を構築いたしました。2025年11月の内部統制委員会において、北陸KTCを改めて内部統制上の重要な事業拠点と位置づけ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲に含め、親会社の内部監査部がJ-SOX文書に基づき、リスク評価、整備・運用テストを実施しております。 d.親会社の内部監査部を3線とする3ラインモデルを確立親会社であるKTCにおきましては、従来、内部監査部は管理本部担当役員が所管しておりましたが、2025年11月に社長直轄の組織へ変更するとともに、業務分掌の見直し(※)を行いました。なお、社長による不正が疑われる事案が発生することへの備えにつきましては、監査等委員会(2025年11月の臨時株主総会で人員を刷新)の独立性(管理・監督機能)を改めて確認し、毎取締役会にて課題を共有し協議する時間を確保することにより、取締役会との連携を強化しております。また、北陸KTCの3ラインモデルの確立につきましては、統合を見据え、2026年4月1日付で親会社に戦略準備室を新設し、統合までの間は同室主導の下、2線、3線を親会社が担う体制としております。※内部監査部の3線としての機能を明確化すべく、内部統制委員会(月次開催)の事務局を2線部門(総務  部、財務経理部)に変更いたしました。 e.親会社の管理部門(財務経理部、内部監査部)の人員を増強(上記を実現)内部監査人材につきましては、2026年1月にキャリア採用により管理職クラス1名が入社し、2名体制から3名体制へ増員いたしました。経理人材(財務経理部)につきましては、2025年10月にキャリア採用者1名が入社し、3名体制から4名体制へ増員し、12月に中堅社員の異動を行い5名体制といたしました。更に、2026年6月に次期管理職候補となる中堅クラスの人材が、キャリア採用により1名入社いたしました。上記d.の3線のみならず、経理担当部門をはじめとする2線においても2026年10月1日付で予定しております親会社への統合(吸収合併)を見据え、親会社主導で全社統制を実現すべく、引き続き人員を増強してまいります。 2)グループ一体感の醸成を主眼とした北陸KTCの位置づけの見直しa.不採算事業を見直し(親子間取引価格の改定)北陸KTCにおいて売上の約7割を占める親子間取引の価格改定を物価・人件費の上昇を反映し、2度(2025年7月、2026年2月)実施いたしました。もっとも、上記価格改定を行ったものの、抜本的な採算の改善を見込むには至らず、上記のとおり親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、全社的な戦略を俯瞰したうえで、不採算品にとどまらず、不採算事業そのものについて、抜本的な見直しの検討を進めております。 b.グループ戦略拠点としての位置づけを明確化(親会社への統合)サプライチェーンの観点から、北陸KTCのグループ生産拠点としての位置づけを明確にすると共に、管理の一体化など業務の有効性と効率性を高めることを目的として、2026年10月1日付での親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、上記a.と合わせて、全社的な生産戦略の検討を進めております。 c.人的交流を活発化(製造部門、2線部門)北陸KTCにおける内部統制の運用定着と統合のサポートを目的に、先ずは2026年4月に親会社に新設した戦略準備室を中心に北陸KTCへの常駐も含め、人的交流を進めております。今後、親会社の製造部門や管理部門において、北陸KTCから将来の幹部候補人材を受け入れる計画です。統合後も継続的に人的交流を図り、人材育成を軸に相互理解による一体感の醸成に取り組んでまいります。 d.中長期的な事業計画・投資計画・人員計画を策定「サプライチェーン・マネジメント強化」の一環として、北陸KTCの親会社への統合を見据え、戦略的な生産品目の見直しとそれに見合った投資計画を再構築すると共に、工具事業、メタル事業、精密鋳造事業のそれぞれにおいて、親会社との生産バランスを見直し、各事業部門における人員最適化の検討を進めております。 3)ガバナンスの再構築a.取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能を強化(執行と監督の分離を徹底)2025年11月の臨時株主総会において、取締役監査等委員3名を刷新いたしました。その後、新たな役員体制において、執行と監督の分離徹底の観点から、取締役会のあるべき姿について議論を重ね、2026年1月に現行の「取締役会規則」とは別に「取締役会がなすべきガイドライン」を新たに制定いたしました。同ガイドラインでは、取締役会の第一義的な役割を「会社の重要な意思決定と業務執行の監督・監視」と定義し、「業務執行に関する個別の判断・指示を行わず、執行と監督の分離を徹底する」ことを明文化しております。 b.指名委員会によるサクセッションプランニングを強化2025年12月の指名委員会において、役員ポストの選任基準を定めた「役員サクセッションプラン運用規程」を新たに制定いたしました。その後、同規程に則り2026年2月の同委員会において一次案を承認しております。また、既述の「取締役会がなすべきガイドライン」の中で、「直前まで業務執行を担っていた者を監督・監視の役割に任命する場合には、その合理的理由および独立性確保の考え方を明確にする」ことを明文化しております。今般の不祥事案の原因の一つである自己監査の状況をつくることのないよう、厳格に運用してまいります。 c.新たな経営体制を構築(上記の実現を見据え人選)新たな経営体制では、2025年11月の臨時株主総会において、先ず社内取締役5名(うち常勤監査等委員1名)を3名(うち同1名)に減員し、社外取締役2名(うち監査等委員2名)を刷新いたしました。なお、取締役常勤監査等委員も社内から新たに選任しております。また、2026年6月26日開催の第76回定時株主総会において、社外取締役1名を追加選任し、外部の知見を積極的に取り入れることでガバナンスを再構築し、経営の健全性を高めてまいります。 4)上場会社としての信頼性確保に向けた全社的な意識改革a.グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施2025年11月の臨時株主総会終了後、グループ会社を含めた全社員に対し、本事案の動機や背景等、詳細を説明の上、コンプライアンスの重要性と再発防止を周知徹底いたしました。同時にコンプライアンスレベルの実態と課題を把握するため、「コンプライアンスに対する意識調査」を実施し、その結果を踏まえてeラーニングや対面でのコンプライアンス、ハラスメントに関する研修プログラムを策定し、運用を開始しております。また、今般の事案において機能しなかった内部通報制度につきましても、グループ全社員に対しイントラネットや社内掲示板等により、目的や仕組み、匿名性について、改めて周知いたしました。更に、定期的且つ継続的に取り組むべく、研修ポータルサイトを立ち上げ、運用を開始しております。 b.役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施先ずは、直ちに襟を正すために「ガバナンス・コンプライアンス」に関する研修を本事案の危機対応アドバイザーである弁護士事務所に依頼し、2025年9月に役員研修を実施いたしました。今後も当社の顧問弁護士と連携し、定期的且つ継続的な役員研修(年2回を予定)を実施してまいります。 c.新任役員に対し、上場企業の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化上場会社としての信頼維持・向上のため、顧問弁護士のほか、社外取締役である弁護士、公認会計士、証券代行業務を依頼する信託銀行、日本取引所グループのコンテンツ等、専門家の意見と情報を参考に、新任役員に対し、定期的且つ継続的な外部研修プログラムを受講させるべく具体的に選定しております。今後、ガバナンスやコンプライアンス、財務会計等の知識を習得できるコンテンツを研修内容に組み込み、研修を適時継続することで、不正事案に対するリスク感応度を高めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、社是「お互いに誠実でたゆまず前進し、軽くて強くて使いよい工具を創り、社会に貢献しよう」、社訓「信用・誠実・協調・創造・実行」を経営理念とし、品質・価格・納期の面において、お客様の要求に最大限お応えできる製品とサービスを提供することにより、企業の継続的発展を目指すとともに、法令を遵守し、安全・環境面においても地域をはじめとする社会に貢献できる企業グループを目指してまいります。 (2) 経営戦略等 当社グループは、2022年度より2030年度を最終年度とする長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定し、達成を目指してまいりましたが、2026年5月15日付「新5ヵ年計画 Restart KTC vision 2030の策定並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」にて公表のとおり、計画を見直すことといたしました。まずは強固な経営基盤を再構築し、その上に本質的な成長を重ねることで、着実に達成を目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益率、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)であります。 新5ヵ年計画「Restart KTC vision 2030」の最終年度となる2030年度の目標値は、売上高100億円、営業利益率10%、PBR1倍、ROE8%以上であります。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、雇用・所得環境の側面から引き続き底堅く推移するとの期待がある一方、2026年11月に中間選挙を控える米国の通商政策や中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりなど、先行きが見通し難い状況が続くと予想されます。 また、関連業界においては、少子高齢化を背景とした技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されている一方で、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、ESGに関する取り組みを含むコンプライアンスの強化が求められております。 当社グループの主力である工具事業では、「もの」を主体とする製品事業から「こと」を提案するサービス事業への領域拡大を加速化し、お客様の多様化するニーズに対応してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、従前の長期ビジョンで掲げた3つの戦略方針(「今までの概念を覆す」「リーディングカンパニーの伝統を活かす」「あらたなチャンスに挑戦」)及びESG推進方針(「E 地球環境に徹底的に貢献する」「S あらゆるステークホルダーと共生する」「G 持続可能な信頼される企業であり続ける」)を踏襲し、以下の戦略課題に取り組んでまいります。 ① 人ができることを増やしていくために進化するツールの提供 当社グループは、お客様にとって最適な「軽くて、強くて、使いよい」ツールを環境の変化に適応した形で提供し続けます。たとえば、主力の自動車業界では、「自動運転技術」「EV技術」による技術革新が進む一方で技術者の高齢化や人手不足に伴う生産性や企業競争力などへの影響が問題視されており、作業現場のニーズはより多様化することが予測されます。これに対し、新しい材料や構造・機構に関する技術を用いるなど、安全で使う人と環境にやさしいツールを進化させ続け、多様性を認め合う持続可能な社会の実現を目指してまいります。 ② つながる工具とソフトウエア、サービスによる新たな価値の提供 当社グループは、安全・安心に対する社会的要求の高まりにより、人作業や作業情報などの一元管理が進展することを見据え、「工具(ハードウエア)」「ソフトウエア」「サービス」の三要素で構成する「TRASAS」シリーズをはじめとするIoT技術を用いたツールを展開しております。とくに昨今、より効果的かつ効率的なコンプライアンス強化が求められるなか、厳格な工具管理を要する航空宇宙産業やMRO(Maintenance Repair Overhaul)市場などに対し、使用履歴管理による紛失抑制や紛失した際の工具の探索に貢献するRFID搭載工具「nepros ID」シリーズを展開し、作業管理体制強化や効率化による新たな価値を提供してまいります。 ③ 「Restart KTC vision 2030」を支えるサプライチェーンマネジメントの強化 当社グループでは、「Restart KTC vision 2030」を支えるためのものづくり革新を進めており、人とロボットそれぞれの長所を活かした協働環境の運用を目指しております。脱着作業などの単純な繰り返し作業をロボットが行うことで、人はより付加価値の高い作業へシフトいたします。さらに、生産各工程の新規設備を活かし、とくに「nepros」「nepros ID」製品をベースとした各成長戦略の実現に向けて能力増強を図るとともに、生産拠点の最適化や地政学リスクへの対応を含めものづくりを中心としたサプライチェーンマネジメントの強化に取り組んでまいります。 ④ サステナビリティの深化(ESG経営の推進 及び 新人事制度の定着と運用) 当社グループの事業活動を通じた社会課題への貢献に向け、ESGを軸としたサステナビリティへの取り組みを深化させてまいります。たとえば、気候変動の課題に対し、温室効果ガス排出量の削減に向けたエネルギーに関する取り組み(省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用推進など)とコストダウンを両立させるなど、グループ全体の最適化を図り、環境に配慮したお客様に選ばれる企業を目指してまいります。 また、事業を維持・向上、変革させる源泉は、人材であります。多様な価値観への社会的な変化を背景に、多様な人材の登用、一人ひとりの成長と能力発揮などを目的とした人材への投資を行い、「人を中心に置きながら人に依存しない体制を築き上げる」など、社員がより「KTCで働いてよかった」と思える会社を実現させ当社グループの成長につなげてまいります。 ⑤ 不適切な会計処理に関する特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題 当社は、2025年7月31日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」及び9月16日付「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備及び内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、6月30日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にて公表いたしました特別調査委員会の調査報告書における提言を踏まえて再発防止策を策定し、9月9日付で社長を委員長とする「グループ経営改革委員会」を設置し、鋭意、以下の改善措置を講じてまいりました。 <グループ経営改革委員会の構成>・委員長:社長・委 員:管理本部担当取締役、管理本部長、生産本部長、総務・人事担当執行役員兼人事部長、     総務部長、財務経理部長、内部監査部長、戦略準備室長 他6名・アドバイザー:外部の弁護士、外部の公認会計士、常勤監査等委員 <改善措置の進捗状況>1)北陸ケーティシーツール株式会社(以下「北陸KTC」と言います。)における内部統制の整備・運用a.実地棚卸の結果を正確に会計帳簿に反映させる手続きを構築実地棚卸後に作成する棚卸明細を正確に作成するために、実地棚卸手順、棚卸監査手順、棚卸明細作成手順を再構築し、2025年9月の第2四半期(中間期)決算の実地棚卸から運用を開始しております。特に棚卸明細の作成手順につきましては、不正や誤謬を防止すべく、担当者以外によるダブルチェック体制を導入いたしました。また、親会社の内部監査部が、実地棚卸の監査及び棚卸監査時の棚卸リスト・棚卸原票と棚卸明細の突合を実施することに改め、監査体制を強化しており、当該監査体制のJ-SOX文書への落し込みを2025年12月に完了し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。 b.在庫管理システムを整備(仕掛品管理をシステム化、人為的ミス・不正機会を排除)現行の生産管理システム(以下「KNPS」と言います。 ※ 親会社と同じシステム)において、何時でも在庫データを抽出可能な仕様に改良し、第3四半期決算の実地棚卸より運用を開始しております。具体的には、仕掛品、原材料、貯蔵品をKNPSにおいてリスト化し(従前はExcelで人が作成)、人手を介さない管理体制を確立することで、不正の機会を排除いたしました。また、原価管理につきましても、システム上で管理できる仕組みを構築いたしました。KNPSの改良につきましては、短期フェーズ(2025年12月末完了)と長期フェーズ(2027年3月末完了予定)に分けて実施する計画です。親会社と北陸KTCにおいて実務レベルの改善要望調査を実施し、2025年10月に対応すべき項目の洗い出しを終えました。現在は、長期フェーズに移行しており、要件定義が完了し、システム開発のフェーズに移行しております。具体的には、監査で使用する棚卸リストをPDF形式で出力できる機能の追加(書換え不可とすることで不正の機会を排除)、親会社と子会社のKNPS機能の統合等を行います。 c.モニタリング手続きを親会社手続きと共通化親会社の業務フローを参考に、北陸KTCの業務フローを見直し、親会社の内部監査部が、北陸KTCの業務プロセス(販売、購買、在庫管理プロセス)を定期的に監査することで、グループ全体を統一的な視点で効果的かつ効率的に監査する体制を構築いたしました。2025年11月の内部統制委員会において、北陸KTCを改めて内部統制上の重要な事業拠点と位置づけ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲に含め、親会社の内部監査部がJ-SOX文書に基づき、リスク評価、整備・運用テストを実施しております。 d.親会社の内部監査部を3線とする3ラインモデルを確立親会社であるKTCにおきましては、従来、内部監査部は管理本部担当役員が所管しておりましたが、2025年11月に社長直轄の組織へ変更するとともに、業務分掌の見直し(※)を行いました。なお、社長による不正が疑われる事案が発生することへの備えにつきましては、監査等委員会(2025年11月の臨時株主総会で人員を刷新)の独立性(管理・監督機能)を改めて確認し、毎取締役会にて課題を共有し協議する時間を確保することにより、取締役会との連携を強化しております。また、北陸KTCの3ラインモデルの確立につきましては、統合を見据え、2026年4月1日付で親会社に戦略準備室を新設し、統合までの間は同室主導の下、2線、3線を親会社が担う体制としております。※内部監査部の3線としての機能を明確化すべく、内部統制委員会(月次開催)の事務局を2線部門(総務  部、財務経理部)に変更いたしました。 e.親会社の管理部門(財務経理部、内部監査部)の人員を増強(上記を実現)内部監査人材につきましては、2026年1月にキャリア採用により管理職クラス1名が入社し、2名体制から3名体制へ増員いたしました。経理人材(財務経理部)につきましては、2025年10月にキャリア採用者1名が入社し、3名体制から4名体制へ増員し、12月に中堅社員の異動を行い5名体制といたしました。更に、2026年6月に次期管理職候補となる中堅クラスの人材が、キャリア採用により1名入社いたしました。上記d.の3線のみならず、経理担当部門をはじめとする2線においても2026年10月1日付で予定しております親会社への統合(吸収合併)を見据え、親会社主導で全社統制を実現すべく、引き続き人員を増強してまいります。 2)グループ一体感の醸成を主眼とした北陸KTCの位置づけの見直しa.不採算事業を見直し(親子間取引価格の改定)北陸KTCにおいて売上の約7割を占める親子間取引の価格改定を物価・人件費の上昇を反映し、2度(2025年7月、2026年2月)実施いたしました。もっとも、上記価格改定を行ったものの、抜本的な採算の改善を見込むには至らず、上記のとおり親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、全社的な戦略を俯瞰したうえで、不採算品にとどまらず、不採算事業そのものについて、抜本的な見直しの検討を進めております。 b.グループ戦略拠点としての位置づけを明確化(親会社への統合)サプライチェーンの観点から、北陸KTCのグループ生産拠点としての位置づけを明確にすると共に、管理の一体化など業務の有効性と効率性を高めることを目的として、2026年10月1日付での親会社への統合(吸収合併)を予定しております。現在、上記a.と合わせて、全社的な生産戦略の検討を進めております。 c.人的交流を活発化(製造部門、2線部門)北陸KTCにおける内部統制の運用定着と統合のサポートを目的に、先ずは2026年4月に親会社に新設した戦略準備室を中心に北陸KTCへの常駐も含め、人的交流を進めております。今後、親会社の製造部門や管理部門において、北陸KTCから将来の幹部候補人材を受け入れる計画です。統合後も継続的に人的交流を図り、人材育成を軸に相互理解による一体感の醸成に取り組んでまいります。 d.中長期的な事業計画・投資計画・人員計画を策定「サプライチェーン・マネジメント強化」の一環として、北陸KTCの親会社への統合を見据え、戦略的な生産品目の見直しとそれに見合った投資計画を再構築すると共に、工具事業、メタル事業、精密鋳造事業のそれぞれにおいて、親会社との生産バランスを見直し、各事業部門における人員最適化の検討を進めております。 3)ガバナンスの再構築a.取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能を強化(執行と監督の分離を徹底)2025年11月の臨時株主総会において、取締役監査等委員3名を刷新いたしました。その後、新たな役員体制において、執行と監督の分離徹底の観点から、取締役会のあるべき姿について議論を重ね、2026年1月に現行の「取締役会規則」とは別に「取締役会がなすべきガイドライン」を新たに制定いたしました。同ガイドラインでは、取締役会の第一義的な役割を「会社の重要な意思決定と業務執行の監督・監視」と定義し、「業務執行に関する個別の判断・指示を行わず、執行と監督の分離を徹底する」ことを明文化しております。 b.指名委員会によるサクセッションプランニングを強化2025年12月の指名委員会において、役員ポストの選任基準を定めた「役員サクセッションプラン運用規程」を新たに制定いたしました。その後、同規程に則り2026年2月の同委員会において一次案を承認しております。また、既述の「取締役会がなすべきガイドライン」の中で、「直前まで業務執行を担っていた者を監督・監視の役割に任命する場合には、その合理的理由および独立性確保の考え方を明確にする」ことを明文化しております。今般の不祥事案の原因の一つである自己監査の状況をつくることのないよう、厳格に運用してまいります。 c.新たな経営体制を構築(上記の実現を見据え人選)新たな経営体制では、2025年11月の臨時株主総会において、先ず社内取締役5名(うち常勤監査等委員1名)を3名(うち同1名)に減員し、社外取締役2名(うち監査等委員2名)を刷新いたしました。なお、取締役常勤監査等委員も社内から新たに選任しております。また、2026年6月26日開催の第76回定時株主総会において、社外取締役1名を追加選任し、外部の知見を積極的に取り入れることでガバナンスを再構築し、経営の健全性を高めてまいります。 4)上場会社としての信頼性確保に向けた全社的な意識改革a.グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施2025年11月の臨時株主総会終了後、グループ会社を含めた全社員に対し、本事案の動機や背景等、詳細を説明の上、コンプライアンスの重要性と再発防止を周知徹底いたしました。同時にコンプライアンスレベルの実態と課題を把握するため、「コンプライアンスに対する意識調査」を実施し、その結果を踏まえてeラーニングや対面でのコンプライアンス、ハラスメントに関する研修プログラムを策定し、運用を開始しております。また、今般の事案において機能しなかった内部通報制度につきましても、グループ全社員に対しイントラネットや社内掲示板等により、目的や仕組み、匿名性について、改めて周知いたしました。更に、定期的且つ継続的に取り組むべく、研修ポータルサイトを立ち上げ、運用を開始しております。 b.役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施先ずは、直ちに襟を正すために「ガバナンス・コンプライアンス」に関する研修を本事案の危機対応アドバイザーである弁護士事務所に依頼し、2025年9月に役員研修を実施いたしました。今後も当社の顧問弁護士と連携し、定期的且つ継続的な役員研修(年2回を予定)を実施してまいります。 c.新任役員に対し、上場企業の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化上場会社としての信頼維持・向上のため、顧問弁護士のほか、社外取締役である弁護士、公認会計士、証券代行業務を依頼する信託銀行、日本取引所グループのコンテンツ等、専門家の意見と情報を参考に、新任役員に対し、定期的且つ継続的な外部研修プログラムを受講させるべく具体的に選定しております。今後、ガバナンスやコンプライアンス、財務会計等の知識を習得できるコンテンツを研修内容に組み込み、研修を適時継続することで、不正事案に対するリスク感応度を高めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いたことで、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の通商政策の動向や中東情勢の影響などによる原材料を起点としたサプライチェーンの混乱が、景気を下押しするリスクとなっております。 このような経営環境のもと当社グループにおきましては、2022年度より2030年度を最終年度とするKTCグループ長期ビジョン「KTC vision 2030」を策定し、基本方針に「社会の期待を超えたツールで、人の能力を拡張し、世の中の安全を創り出す」を掲げております。当該ビジョンでは、2030年度までの9年間を3フェーズに分け、3年毎の中期経営計画を策定することとしており、2025年度は第2次中期経営計画の初年度となる予定でした。しかしながら、当社連結子会社である北陸ケーティシーツール株式会社における不適切な会計処理事案や、当社の戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収事案の発生を受け、「コーポレート・ガバナンスの強化」、「内部統制の整備」、及び「品質体制の見直し」を喫緊の課題と認識し、経営基盤の立て直しに注力してまいりました。 なお、不適切会計事案の調査費用等5億61百万円を特別損失として計上しております。一方で、同事案に直接的に関与した元役員に対する損害賠償請求における受取和解金1億円を特別利益として計上しております。また、自主回収事案では、2026年3月31日付で当該製品の生産中止を含む対応方針を決定したことに伴い、新たに費用が発生することが判明したため、89百万円を特別損失として計上しております。 これらの結果、当連結会計年度の売上高は83億34百万円(前年同期比7.9%減)、営業利益は7億53百万円(前年同期比11.1%減)、経常利益は8億17百万円(前年同期比13.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては5億1百万円(前年同期比7.9%減)となりました。  事業セグメントごとの経営成績の概要につきましては、以下のとおりであります。 [工具事業]主力の当事業部門では、「安全、快適、能率・効率、環境」をキーワードに、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓並びにブランド価値向上などの事業戦略を展開しております。開発面では、「安全、快適、能率・効率、環境」を追求するR&Dコンセプト「新・工具大進化」の具現化に向けた製品・サービスを市場投入しております。その一翼を担う「TRASAS(TRAceable Sensing and Analysis System)」シリーズは、IoT技術を搭載した工具や測定具、作業支援デバイス、これらのシステムソフトウェアで構成されており、作業データを無線でデバイスへ転送することで作業履歴の自動的な記録・管理・分析を可能にいたしました。また、航空宇宙産業やMRO市場をはじめ様々な業界で安全に対する社会的要求が高まるなか、RFIDを搭載した「nepros ID」シリーズの展開に注力しております。2025年9月には、シンガポールで開催された展示会「MRO Asia-Pacific 2025」において、「MRO Technology Achievement of the Year(MROテクノロジー年間最優秀賞)」を日本企業で初めて受賞いたしました。2026年2月には「SINGAPORE AIRSHOW 2026」へ出展したほか、専用WEBサイトの開設を通じた情報発信に注力しております。「TRASAS」シリーズでは、一部製品の自主回収により多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。当社はこれからも、「ツールで人の能力を拡張する」をコンセプトに製品を開発してまいります。「人が工具を支えるだけではなく、従来の工具にソフトやサービスを含めたツールで、人のできることを増やしていく」、例えば「非力な人の作業を補う」ことや「知識・経験が必要な作業を誰もが正確に再現できる」ことなど、インクルーシブな社会に順応した誰でも使えるツールを提供することで社会に貢献してまいります。販売面では、全国の得意先やエンドユーザーに向けて「KTCものづくり技術館」に加え、お客様の現場にて様々な研修会の開催に注力しております。さらに、当社のフラッグシップブランドである「nepros」が、2025年1月に誕生30周年を迎え、ロゴマークを刷新すると共に、新たに「BEYOND THE BEST」をタグラインとして設定いたしました。タグラインは、プロメカニック用の工具として「最善の先にあるもの」を追い求めて進化し続ける姿勢を表しております。これを機に、「nepros」のグローバル展開を加速してまいります。特に北米市場におけるツールトラックチャネルでの販売を通じて現地のプロメカニックの要求に応えることで、更なる進化とグローバルブランドの確立を目指してまいります。また、この一環として、2025年11月にラスベガスで開催された世界最大規模の自動車関連見本市である「SEMA Show 2025」に出展いたしました。生産面では、自社工場を製品開発の中核拠点として捉え、人とロボットそれぞれの長所を活かした協働環境の運用を目指しております。脱着作業などの単純な繰り返し作業をロボットが行うことで、人はより付加価値の高い作業へシフトすることが可能になり、独自の少人化ラインの展開を目指すなど、「ものづくりの最適化」を図り生産性の向上を推進してまいります。これらに加え、サプライチェーンマネジメントの強化を図るため、新規設備の導入を行い主力工場の改善に継続して取り組むとともに、既に生産の各工程に導入した新規設備を本格稼働させ、とくに「nepros」「nepros ID」製品をベースとした各成長戦略の実現に向けて能力増強を図るなど、生産体制の更なる安定と強化に取り組んでおります。また、物流業務やグループ内の生産拠点再編により、リスク管理への対応と各成長戦略を見据えた工場再編を進めております。なお、当社グループは、サステナビリティへの取り組みを、「地球に、社会に、私たちができること」として、「E 地球環境に徹底的に貢献する」、「S あらゆるステークホルダーと共生する」、「G 持続可能な信頼される企業であり続ける」を基本方針に、安全・安心で持続可能な社会の実現に向け取り組んでおります。また、2025年4月より従来のESG委員会をサステナビリティ委員会へ改め、下部組織として3つの分科会を設け「企業と社会の持続可能性の両立」を目指し、その取り組みを“強化・加速”してまいります。その取り組みの一つとして、E:環境面では、本社敷地内の一部工場の屋根に太陽光発電パネルを設置し、2025年10月より稼働を開始いたしました。使用する電力量の一部を太陽光発電で賄うことで、温室効果ガス排出を抑制し、地球温暖化対策や環境保護に貢献してまいります。S:社会面では、多様化する社会において、未来で活躍できる技術者の育成のため、国立大学法人奈良女子大学工学部と連携し、当社グループの従業員が講師として参加するなど、産学連携を通じた「技育(技術の教育)」分野でのオープンイノベーションを推進しております。また、京都府山城教育局と連携し「やましろ未来っ子サイエンスラリー」へ参加、地域の小中学生にものづくりの魅力に触れる機会を創出しました。加えて、KTCものづくり技術館への見学を積極的に受け入れ、当社の企業活動への理解を深め、地域社会をはじめとするステークホルダーからの信頼獲得に努めています。G:ガバナンス面では、すべてのステークホルダーにとって「価値ある企業」であり続けるため、ガバナンスの再構築に向け、①取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能の強化(執行と監督の分離の徹底)、②指名委員会によるサクセッションプランニングの強化、③新たな経営体制の構築(上記の実現を見据えた人選)に取り組み、運用を進めております。また、2026年6月26日開催の第76回定時株主総会において、社外取締役1名を新たに選任しております。外部の知見を積極的に取り入れることでより一層経営の健全性を高めてまいります。これらの結果、展示会への積極的な参加等により潜在需要の掘り起こしに注力するも、市販部門及び直販部門における販売が前年同期の水準に及ばなかったことに加え、戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収に伴う影響等もあり、当連結会計年度の売上高は80億79百万円(前年同期比8.3%減)、セグメント利益は5億78百万円(前年同期比16.1%減)となりました。 [ファシリティマネジメント事業]当事業部門では、所有不動産の有効活用を目指し、物件の整備、運営管理を推進しております。不動産の賃貸については、全ての物件で高い入居率を確保しております。引き続き入居者満足度の向上を図り、収益の安定化に取り組んでまいります。また、2025年2月には、久御山町に新たな収益物件を取得し、賃貸物件として運営を開始いたしました。当連結会計年度におきましては、所有不動産の安定的な稼働や、新たな収益物件の貢献もあり、売上高は2億55百万円(前年同期比9.9%増)、セグメント利益は1億74百万円(前年同期比10.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、固定資産の取得による支出、配当金の支払等で資金を支出したものの、主に投資有価証券の売却や営業活動で獲得した資金がそれらの支出を上回った結果、前連結会計年度末に比べて1億62百万円増加し、当連結会計年度末残高は、30億81百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金の増加は2億29百万円(前期は10億73百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7億47百万円(前期は8億8百万円)に加え、売上債権の減少6億33百万円(前期は1億4百万円の増加)などによる資金の増加があった一方、投資有価証券売却益5億6百万円(前期は16百万円)、その他の負債の減少3億95百万円(前期は1億65百万円の増加)、棚卸資産の増加1億63百万円(前期は76百万円)などによる資金の減少があったことなどによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動による資金の増加は1億41百万円(前期は12億52百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入5億36百万円(前期は48百万円)、定期預金の払戻による収入1億37百万円(前期は24百万円)による資金の増加があった一方、固定資産の取得による支出5億17百万円(前期は11億62百万円)、定期預金の預入による支出20百万円(前期は1億34百万円)による資金の減少があったことなどによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は2億8百万円(前期は3億18百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額1億93百万円(前期は2億18百万円)があったことなどによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)工具事業(千円)8,671,47089.6ファシリティマネジメント事業(千円)--合計(千円)8,671,47089.6 (注)1.金額は、販売価格によっております。2.上記の生産実績には、仕入商品を含んでおります。 b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前期比(%)工具事業(千円)8,079,11791.7ファシリティマネジメント事業(千円)255,248109.9合計(千円)8,334,36692.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)トラスコ中山株式会社1,405,45315.51,526,96118.3ヤマト自動車株式会社1,104,81012.21,170,00314.0トヨタ自動車株式会社1,473,65116.3972,41811.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。a.売上高 当連結会計年度における売上高は、83億34百万円(前期比7.9%減)となりました。展示会への積極的な参加等により潜在需要の掘り起こしに注力するも、市販部門及び直販部門における販売が前年同期の水準に及ばなかったことに加え、戦略製品であるデジタルトルクレンチの自主回収に伴う影響等もありました。 b.営業利益 営業利益は、生産性向上のため先行投資した新規設備の運用など、全社を挙げて経費削減に取り組みましたが、調達コスト及び人件費の増加などにより7億53百万円(前期比11.1%減)となり、売上高営業利益率は9.0%(前期比0.4ポイント減)となりました。c.営業外損益及び経常利益 営業外損益は、営業外収益として受取配当金53百万円、営業外費用として支払利息11百万円を計上したことなどにより、64百万円の利益(純額)となり、経常利益は8億17百万円(前期比13.4%減)となりました。d.特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益 特別損益は、特別利益として投資有価証券売却益5億6百万円、受取和解金1億円、特別損失として特別調査費用等5億61百万円、製品回収関連損失引当金繰入額89百万円、固定資産除売却損23百万円を計上したことなどにより、69百万円の損失(純額)となり、税金等調整前当期純利益は7億47百万円(前期比7.5%減)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税に1億98百万円、法人税等調整額に47百万円を計上したことにより、5億1百万円(前期比7.9%減)となりました。  当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。a.資産 当連結会計年度末の総資産は、157億90百万円となり、前連結会計年度末に対し4億98百万円減少となりました。その主な内容は、商品及び製品が2億18百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が4億91百万円、電子記録債権が1億42百万円、建物及び構築物(純額)が65百万円減少したことなどによるものであります。b.負債及び純資産 当連結会計年度末の負債合計は、31億72百万円となり、前連結会計年度末に対し8億63百万円減少となりました。その主な内容は、繰延税金負債が72百万円増加した一方、未払金が3億7百万円、その他流動負債が2億81百万円、支払手形及び買掛金が1億32百万円、未払法人税等が1億8百万円、未払費用が57百万円減少したことなどによるものであります。 当連結会計年度末の純資産合計は、126億17百万円となり、前連結会計年度末に対し3億64百万円増加となりました。その主な内容は、利益剰余金が3億8百万円、その他有価証券評価差額金が56百万円増加したことなどによるものであります。 当社グループの当連結会計年度の流動性及び資金の源泉は、次のとおりであります。a.キャッシュ・フロー 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。b.資金需要 当社グループの資金需要は、製造販売業として機能するための原材料等の仕入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、成長投資及び株主還元によるものがあります。成長投資は主に、設備投資、M&A、アライアンス、人的資本投資であり、競争力強化と事業の拡充・発展を目的としております。株主還元については、継続的かつ安定的な配当の維持を基本方針としております。c.財務政策 運転資金につきましては、現在、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、成長投資につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務改善・資産活用によるキャッシュ創出を基本としながら、必要に応じて金融機関からの借入れを活用することにより、調達を行ってまいります。  当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 製品品質問題のリスク
    京都機械工具は品質管理を徹底していますが、製品の開発や製造過程において品質上の問題が完全に排除されることは困難です。万が一、製品に重大な欠陥が生じた場合、顧客からの信頼失墜や大規模なリコール、損害賠償などが発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 調達・生産の不安定性
    工具の製造に必要な鋼材や部品を国内外のサプライヤーから調達しており、地政学的な影響(米国の通商政策や中東情勢など)によるサプライチェーンの混乱が懸念されます。これにより、原材料やエネルギー価格の高騰、部品の調達難が発生し、生産能力や供給体制に支障をきたすことで、業績が悪化する可能性があります。
  • 市場競争の激化
    工具市場は海外メーカーを含め、競合が激しい状況にあります。もし、顧客が求める製品やサービスを競争力のある価格で提供できなくなった場合、市場シェアの低下や顧客との取引関係の喪失につながる可能性があります。これにより、グループ全体の売上高や利益が減少するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,518 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、本記載のリスクにつきましては、当連結会計年度末現在の判断によるものであり、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません。  (1)品質問題による業績悪化のリスク   当社は1998年にISO9001を取得するなど、品質最優先のものづくりを進めておりますが、製品の開発並びに製造過程での品質上のリスク全てを将来にわたって完全に排除することは極めて困難と認識いたしております。また、TRASAS製品の拡充やサービス事業への領域拡大により新たな品質上のリスクの顕在化も考えられます。これらにより経営成績に影響を受ける可能性があります。  (2)調達・生産のリスク   当社は国内外のサプライヤーから鋼材や部品を調達し主に作業工具を生産しておりますが、米国の通商政策の動向や中東地域をめぐる情勢などの地政学上の影響に起因したサプライチェーンマネジメントの混乱により、材料・エネルギー価格の高騰や調達難に見舞われ、当社の生産及び供給能力に影響を及ぼす可能性があります。  (3)販売ルート・形態に関するリスク   当社は創業以来自動車関連に強みを持ち、販売代理店ルートを中心に販売しておりますが、外部環境の変化に伴う流通ルートの急速な変革により売上高に影響を与える可能性があります。  (4)子会社のリスク   当社の連結対象子会社は国内に2社あり工具事業を営んでおりますが、この業績がグループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。  (5)情報安全上のリスク   当社では、グループ全体の情報セキュリティ確保を目指し、システム対応、教育、啓蒙活動など管理強化を進めておりますが、何らかの事由により個人情報など重要情報が漏洩した場合、当社グループの事業やイメージに影響を与えるおそれがあるとともに、損害賠償請求などを受ける可能性があります。  (6)市場における競合のリスク   当社が提供する製品及びサービスの市場は、海外メーカーを含め競合している状況にあります。顧客の求める製品を含めた総合的なサービスを競争力のある価格で提供できない場合は、市場におけるシェアや顧客との取引関係の喪失につながり、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。  (7)人財育成及び人財確保におけるリスク   当社が強みをもつ自動車関連産業は、急速な技術革新により構造変化が生じています。この変化を予測し対応できる社内の人財育成及び社外からの人財確保が重要です。しかし人財の育成や確保ができない場合は新製品の開発や新サービスの提供に支障を来たし、グループ全体の経営成績に影響を与える可能性があります。  (8)自然災害や感染症に関するリスク   当社では、自然災害や感染症などによる緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動(含 予防措置)や緊急時における事業継続のためのマニュアルを策定しておりますが、やむを得ず企業活動の停滞・停止を要する事態が生じた場合には、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を受ける可能性があります。   また、安否確認システムを用いた全社への緊急連絡訓練を適宜実施するなど、非常事態に備え迅速な対応をとれる体制を整えております。

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