事業の概要
- 金属缶製造販売日本製罐グループは、主に金属缶の製造と販売を行っています。特に、18L缶という特定のサイズの缶に強みを持っており、子会社の新生製缶株式会社が関西地区で製造し、日本製罐株式会社が関東地区でOEM生産も手掛けることで、全国的な供給体制を構築しています。この事業がグループの主要な収益源となっています。
- 不動産賃貸事業本社敷地内に賃貸建物を保有し、その不動産を貸し出すことで賃料収入を得ています。これは金属缶事業とは異なる安定した収益源として、グループの事業ポートフォリオの一部を構成しています。
- グループ構成と連携日本製罐株式会社を核とし、子会社の新生製缶株式会社が製造を担う体制です。主要原材料である鋼材は、関連当事者である伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社から仕入れており、安定的な原材料調達ルートを確保している点が特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 金属缶製造販売事業この事業は、日本製罐グループの主力であり、売上高が約111億円と最も大きいセグメントです。しかし、営業利益は約-6.2億円と赤字となっており、金属缶市場の需要減少やコスト上昇、過当競争といった構造的な課題に直面していることが伺えます。特に美術缶の設備投資の遅れや顧客の複数購買化も影響しています。
- 不動産賃貸事業本社敷地内の賃貸建物を活用した事業で、売上高は約1.6億円、営業利益は約0.8億円と堅調な黒字を計上しています。金属缶事業と比較すると規模は小さいものの、安定した収益源としてグループ全体の収益に貢献しており、事業ポートフォリオの多様化に寄与しています。
- 事業構造の課題主力である金属缶事業が赤字である一方、不動産賃貸事業が安定した利益を上げているという現状は、グループ全体の収益構造に課題があることを示唆しています。金属缶業界の長期的な需要減退と過剰設備という構造的な問題に対し、適切な経営判断が求められる状況です。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SteelCanManufacturer | 事業 | 111 | -6 | -5.6% |
| RealEstateLease | 事業 | 2 | 1 | 51.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社(日本製罐株式会社)及び子会社1社(新生製缶株式会社)で構成され、金属缶製造販売事業、不動産賃貸事業を主たる業務としております。 新生製缶株式会社は製造拠点を関西地区に有している18L缶の専業メーカーで、関東地区においては関東地区に製造拠点を有する当社が新生製缶株式会社のOEM生産を行っております。 また、当社の関連当事者(主要株主)である伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社より主たる原材料を仕入れております。 当社グループの事業に関する各社の位置づけ及び系統図は以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 鋼材価格等のコスト上昇を製品価格に転嫁しているが、需要減少と過当競争が懸念されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 金属缶製造には設備が必要であり、特に美術缶の大型設備設置実績がある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:金属缶需要の減少加速と過当競争激化 / 原材料価格(鋼材、物流費、印刷代等)の変動 / 金利水準の変動による外部負債への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本製罐は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。汎用的な金属製品の製造が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
既存顧客との長期的な取引関係や、特定の仕様に合わせた製品供給の実績はあるものの、顧客が他社へ乗り換える際のコストは、製品の汎用性や代替性の高さから、それほど大きくないと考えられる。新規顧客獲得のハードルは比較的低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日本製罐の事業は、製品やサービスの利用者が増えることで価値が増加するネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。個々の顧客との取引が独立しており、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られない。
コスト優位★★★☆☆
長年の操業で培われた生産ノウハウや、規模の経済を活かした原材料調達力により、一定のコスト競争力を有している可能性がある。特に、汎用的な缶製品においては、効率的な生産体制が強みとなりうる。
規模の経済★★★★☆
日本の缶詰・飲料缶市場において、日本製罐は主要なプレイヤーの一つであり、高い市場シェアを有している。この規模は、生産設備への投資や効率的なサプライチェーン構築を可能にし、競合他社に対する優位性を築いている。
- L缶の専門性と地域分散子会社の新生製缶が関西、親会社の日本製罐が関東で18L缶の製造拠点を持ち、OEM生産も行うことで、特定のサイズに特化しつつ地域的な供給網を構築しています。これにより、広範囲の顧客ニーズに対応できる体制を整えています。
- 安定的な原材料調達主要株主でもある伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社から主たる原材料である鋼材を仕入れています。これは、原材料の安定供給を確保する上で有利な関係性であり、製造コストの安定化にも寄与する可能性があります。
- 不動産賃貸による収益の多角化金属缶製造販売事業に加えて、本社敷地内の賃貸不動産から賃料収入を得ることで、事業リスクの分散を図っています。これにより、金属缶市場の変動に左右されにくい、比較的安定した収益基盤の一部を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、2025年度に創立100周年と言う大きな節目を迎える事になります。このため、2025年度を最終年度とする中期経営計画に基づき各種施策を実行しておりましたが、2024年度に予定していた美術缶新規設備の稼働が大幅に遅れる事により業績の悪化が免れないことに加え、年々厳しさを増す金属缶の製造販売において、次の100年に向け安定した成長が実現できるべく経営改革を発表しました。これを受けて2025年度は不退転の覚悟で経営改革を実施し、2026年度以降安定した成長が実現できる企業に生まれ変わるべく全社一丸となり取り組んでまいります。 (1)当社グループの目標 当社グループは、金属缶の製造販売を主たる業務とし、同分野において日本を代表する成長性と収益力を持つ企業を目指します。そのために顧客のニーズに機敏に即応し、顧客とともに成長し、新たな製品開発力を持ち、業界に新風をもたらす魅力のある企業となることを基本方針としております。 当社は、2025年度に創業100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けた大きな経営改革を実行します。 その結果として、株主各位、取引先、従業員にとって魅力のある企業グループとなり、当社製品を通じて社会の発展に貢献することが、当社グループの目標とするところであります。 (2)当社グループの「企業パーパス(使命)」①企業パーパス(使命)「顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)。+(プラス)創造を通じて、明るく豊かな未来を創造していく」②コーポレートビジョン「+(プラス)創造企業」③「企業パーパス(使命)」を起点とする企業理念1)顧客への+(プラス) ・お客様にとり魅力ある缶メーカーであるよう、付加価値の高い新しい製品と、新しいSolution作りに、常に熱い想いで勇敢にチャレンジし、お客様に+(プラス)を提供していきます。2)社員への+(プラス) ・社員みんなが、夢と希望に燃えて、毎日ワクワクして、One Teamとして楽しく仕事ができる安心安全な職場環境と人事制度作りで、社員のみんなに+(プラス)を提供していきます。3)社会への+(プラス) ・人々の日々の暮らしを陰から支え、安心で豊かな、快適で持続可能な社会づくりと、人と地球にやさしい未来づくりのため、社会に+(プラス)を提供していきます。 顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)創造と提供が、結果として、企業収益を生み、株主へも配当と株価上昇として貢献できると考えております。④環境理念 ・常に地球環境を考えて、人と地球にやさしい未来づくりを目指します。 「NIKKANは、未来のKAN-Kyouを今日も考えています」 (3)当社グループの経営方針「+(プラス)創造企業」のコーポレートビジョンの下、上記目標を実現するために、当社グループは以下5つの経営方針で臨んでまいります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③当社グループ全体としての収益力増強④不動産賃貸事業の収益力増強⑤業務提携・M&A等を通じた将来への布石 (4)当社グループを取り巻く経営環境 鉄鉱石・石炭等、鋼材原材料の価格高騰・高止まりに加え、地政学的リスクの高まりによる石油・ガス等エネルギー価格のじり高や、激しい円安進行による諸物価の上昇、中国経済の景気停滞の波を受けて、日本のスチール缶業界は未曽有の厳しい経営環境にさらされております。2024年度においては鋼材価格の値上げに加えて、ホワイト物流による値上げ、印刷代や部材の値上げ、従業員の待遇改善等を製品価格に転嫁すべく交渉を行って参りました。 中長期的に見ましても、18L缶の主要な市場である国内の塗料・化学・油糧の需要は、今後、減少する事が予想されています。 この外部環境の大きな変化の中、当社グループが生き残り大きく成長していくためには、旧態依然とした企業体質・企業文化・企業風土を変えることに加え、抜本的な経営改革を実行することとしました。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造 (6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は2025年度を最終年度とする中期経営計画を発表致しましたが、18リットル缶業界の今後の動向を見据え、抜本的な経営改革(ラインの集約に伴う千葉工場の閉鎖、人員合理化、減損、新製品の開発等)を先行して実行し、中長期的な安定経営を目指すことと致しました。よって2025年度は今回の経営改革の進捗を注意深く見守り、同時に当社の将来に向けてのあるべき姿をきちんと確立していく所存であります。 (7)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループが対処すべき当面の課題としましては、以下があります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③販売費・一般管理費の見直し・低減④バランスシート改革と借入金の計画的な削減⑤SDGsに対する積極的な取組み次のとおり対処します。①・製造ラインの集約、人員合理化等によるコスト競争力の強化・DX化の推進による不良品削減、設備総合効率等の改善・各客先別に当社販売シェア、採算を分析し利益の最大化・高付加価値製品の比重拡大・客先へのサービス向上、品質向上によるシェアの維持・拡大②・顧客ニーズに密着した新しい商品の開発による他社製品との差別化・高付加価値製品の新規取引先開拓・同業他社との資本・技術・業務提携の推進③・輸送効率の改善 ・業務の棚卸、コストと利便性から考えた諸費用の見直し④・営業活動によるキャッシュ・フロー改善 ・投資有価証券の計画的な売却による有利子負債圧縮⑤・SDGsを意識した全社一丸としての行動 ・その結果については「環境活動レポート」によってホームページ上で公表
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、2025年度に創立100周年と言う大きな節目を迎える事になります。このため、2025年度を最終年度とする中期経営計画に基づき各種施策を実行しておりましたが、2024年度に予定していた美術缶新規設備の稼働が大幅に遅れる事により業績の悪化が免れないことに加え、年々厳しさを増す金属缶の製造販売において、次の100年に向け安定した成長が実現できるべく経営改革を発表しました。これを受けて2025年度は不退転の覚悟で経営改革を実施し、2026年度以降安定した成長が実現できる企業に生まれ変わるべく全社一丸となり取り組んでまいります。 (1)当社グループの目標 当社グループは、金属缶の製造販売を主たる業務とし、同分野において日本を代表する成長性と収益力を持つ企業を目指します。そのために顧客のニーズに機敏に即応し、顧客とともに成長し、新たな製品開発力を持ち、業界に新風をもたらす魅力のある企業となることを基本方針としております。 当社は、2025年度に創業100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けた大きな経営改革を実行します。 その結果として、株主各位、取引先、従業員にとって魅力のある企業グループとなり、当社製品を通じて社会の発展に貢献することが、当社グループの目標とするところであります。 (2)当社グループの「企業パーパス(使命)」①企業パーパス(使命)「顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)。+(プラス)創造を通じて、明るく豊かな未来を創造していく」②コーポレートビジョン「+(プラス)創造企業」③「企業パーパス(使命)」を起点とする企業理念1)顧客への+(プラス) ・お客様にとり魅力ある缶メーカーであるよう、付加価値の高い新しい製品と、新しいSolution作りに、常に熱い想いで勇敢にチャレンジし、お客様に+(プラス)を提供していきます。2)社員への+(プラス) ・社員みんなが、夢と希望に燃えて、毎日ワクワクして、One Teamとして楽しく仕事ができる安心安全な職場環境と人事制度作りで、社員のみんなに+(プラス)を提供していきます。3)社会への+(プラス) ・人々の日々の暮らしを陰から支え、安心で豊かな、快適で持続可能な社会づくりと、人と地球にやさしい未来づくりのため、社会に+(プラス)を提供していきます。 顧客への+(プラス)、社員への+(プラス)、社会への+(プラス)創造と提供が、結果として、企業収益を生み、株主へも配当と株価上昇として貢献できると考えております。④環境理念 ・常に地球環境を考えて、人と地球にやさしい未来づくりを目指します。 「NIKKANは、未来のKAN-Kyouを今日も考えています」 (3)当社グループの経営方針「+(プラス)創造企業」のコーポレートビジョンの下、上記目標を実現するために、当社グループは以下5つの経営方針で臨んでまいります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③当社グループ全体としての収益力増強④不動産賃貸事業の収益力増強⑤業務提携・M&A等を通じた将来への布石 (4)当社グループを取り巻く経営環境 鉄鉱石・石炭等、鋼材原材料の価格高騰・高止まりに加え、地政学的リスクの高まりによる石油・ガス等エネルギー価格のじり高や、激しい円安進行による諸物価の上昇、中国経済の景気停滞の波を受けて、日本のスチール缶業界は未曽有の厳しい経営環境にさらされております。2024年度においては鋼材価格の値上げに加えて、ホワイト物流による値上げ、印刷代や部材の値上げ、従業員の待遇改善等を製品価格に転嫁すべく交渉を行って参りました。 中長期的に見ましても、18L缶の主要な市場である国内の塗料・化学・油糧の需要は、今後、減少する事が予想されています。 この外部環境の大きな変化の中、当社グループが生き残り大きく成長していくためには、旧態依然とした企業体質・企業文化・企業風土を変えることに加え、抜本的な経営改革を実行することとしました。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造 (6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は2025年度を最終年度とする中期経営計画を発表致しましたが、18リットル缶業界の今後の動向を見据え、抜本的な経営改革(ラインの集約に伴う千葉工場の閉鎖、人員合理化、減損、新製品の開発等)を先行して実行し、中長期的な安定経営を目指すことと致しました。よって2025年度は今回の経営改革の進捗を注意深く見守り、同時に当社の将来に向けてのあるべき姿をきちんと確立していく所存であります。 (7)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループが対処すべき当面の課題としましては、以下があります。①製造コスト低減とプロダクトミックス改善を通じた経営基盤の強化②新製品の開発や新規客先確保による新しい収益基盤の創造③販売費・一般管理費の見直し・低減④バランスシート改革と借入金の計画的な削減⑤SDGsに対する積極的な取組み次のとおり対処します。①・製造ラインの集約、人員合理化等によるコスト競争力の強化・DX化の推進による不良品削減、設備総合効率等の改善・各客先別に当社販売シェア、採算を分析し利益の最大化・高付加価値製品の比重拡大・客先へのサービス向上、品質向上によるシェアの維持・拡大②・顧客ニーズに密着した新しい商品の開発による他社製品との差別化・高付加価値製品の新規取引先開拓・同業他社との資本・技術・業務提携の推進③・輸送効率の改善 ・業務の棚卸、コストと利便性から考えた諸費用の見直し④・営業活動によるキャッシュ・フロー改善 ・投資有価証券の計画的な売却による有利子負債圧縮⑤・SDGsを意識した全社一丸としての行動 ・その結果については「環境活動レポート」によってホームページ上で公表
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり緩やかな回復基調で推移しました。その一方で、米国の経済政策の不確実性や中国経済の景気停滞、円安による諸物価の上昇やエネルギー価格の高騰、海外景気の下振れ懸念が、わが国の景気を下押しする要因となり、先行き不透明な状況が続いております。 当社グループの主力品種である18L缶の当連結会計年度の売上高は前年対比で12.6%増加しております。また、美術缶につきましては新規生産設備の遅れなどがあり、当連結会計年度の売上高は前年対比で46.2%減少しております。 このような中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、11,259百万円(前年比8.1%減)、営業損失は540百万円(前年は営業利益256百万円)、経常損失は476百万円(前年は経常利益323百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は335百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益271百万円)となりました。 セグメントの概況は次のとおりです。a.金属缶製造販売事業 当社グループの販売実績は、18L缶につきましては、販売数量の増加、材料等の値上げの転嫁が順調に進み、全体では、対前年比で売上高12.6%増、となりました。美術缶につきましては、新規製造設備の稼働遅れもあり、前年対比で売上高46.2%減となりました。 製品別売上高 (単位:千円、%) 前連結会計年度当連結会計年度金額構成比金額構成比18L缶7,782,02964.48,765,01779.0美術缶3,531,25029.21,900,06917.1その他776,6286.4430,6063.9計12,089,908100.011,095,694100.0 金属缶製造販売事業の売上高は11,095百万円(前年比8.2%減)、営業損失は624百万円(前年は営業利益176百万円)となりました。b.不動産賃貸事業 不動産賃貸事業の売上高は163百万円(前年比3.3%増)、営業利益は83百万円(前年比4.4%増)となりました。 (資産の部) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,238百万円減少し12,966百万円となりました。 流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べて580百万円減少し7,084百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,259百万円増加し、受取手形及び売掛金が533百万円、電子記録債権が1,266百万円、原材料及び貯蔵品が114百万円減少したことによるものであります。 固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べて1,657百万円減少し5,882百万円となりました。これは主に有形固定資産が537百万円、無形固定資産が53百万円、投資その他の資産が1,066百万円減少したことによるものであります。 (負債の部) 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,104百万円減少し7,946百万円となりました。 流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べて866百万円減少し5,101百万円となりました。これは主に電子記録債務が967百万円、1年内返済予定の長期借入金が64百万円増加し、支払手形及び買掛金が1,659百万円、短期借入金が200百万円減少したことによるものであります。 固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べて238百万円減少し2,844百万円となりました。これは主に長期借入金が22百万円、退職給付に係る負債が59百万円増加し、繰延税金負債が320百万円減少したことによるものであります。 (純資産の部) 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,133百万円減少し5,019百万円となりました。 これは主に利益剰余金が432百万円、その他有価証券評価差額金が665百万円減少したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は31.4%(前連結会計年度末は34.2%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,259百万円増加し、当連結会計年度末には1,896百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は896百万円(前年比131.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失△250百万円、減価償却費408百万円、減損損失607百万円、投資有価証券売却益△920百万円、売上債権の減少1,799百万円、棚卸資産の減少118百万円、仕入債務の減少△692百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は640百万円(前年は使用した資金680百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出△391百万円、投資有価証券の売却による収入1,038百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は277百万円(前年は得られた資金269百万円)となりました。これは主に長短有利子負債の減少△117百万円、配当金の支払△94百万円、非支配株主への配当金の支払△19百万円、自己株式の取得による支出△45百万円等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年比(%)18L缶 (千円)8,024,479115.3美術缶 (千円)1,417,82746.1その他 (千円)282,23446.2計 (千円)9,724,54191.4 b.受注実績 当連結会計年度における受注状況を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分受注高(千円)前年比(%)受注残高(千円)前年比(%)18L缶8,752,649112.7250,464105.2美術缶2,119,14360.633,61913.3その他475,96863.620,97431.6計11,347,76194.5305,05854.8 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績を金属缶製造販売事業内の製品別に示すと次のとおりであります。金属缶製造販売事業内製品区分当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年比(%)18L缶 (千円)8,765,017112.6美術缶 (千円)1,900,06953.8その他 (千円)430,60655.4計 (千円)11,095,69491.8 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)西部容器株式会社1,657,22813.61,833,75116.3株式会社明治2,615,33321.4664,8275.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として次のものがあります。a.鋼材価格、印刷費、輸送費、ガス・電力費の価格上昇 当社の業績は、鋼材価格、印刷費、ガス・電力費が急激、且つ大幅な上昇をした場合、如何に速やかに製品価格に転嫁できるかにかかっております。当連結会計年度は、順調に価格転嫁を進めることができましたが、今後も全力を挙げてこれに対処してまいります。b.需要動向 日本の国内需要は人口減少並びに日本企業の海外移管に伴いこの30年間を通じ、需要がほぼ半減しました。 ここ数年の動向は減少速度も衰え、2024年度において若干のプラスに転じましたが、今後の見通しは楽観できるものではないと考えています。こうした中では当社の取るべき方向は市場調査を通じ客先のNEEDSをいち早く察知し他社と差別化を図り、売上の維持・拡大に全力を挙げてまいります。c.金融情勢の動向 負債資本倍率は0.8倍でした。当社グループの有利子負債の圧縮を目指しましたが、当連結会計年度は、減損損失の計上、早期退職者募集に伴う経費の計上等もあり大きな圧縮は出来ませんでした。 今後の金融情勢により、収益の圧迫要因となる可能性があります。d.販売実績 当社グループの当連結会計年度の売上高は、11,259百万円となりました。 金属缶製造販売事業においては、主力製品である18L缶の売上高は、販売数の増加、鋼材等の値上げの転嫁もあり8,765百万円となりました。 美術缶につきましては新規製造設備の稼働遅れもあり、売上高は、1,900百万円となりました。 不動産賃貸事業においては、自社保有の建物等の不動産賃貸を行っており、163百万円となりました。 経営成績の分析a.売上高 売上高は前連結会計年度に比べ989百万円減少し11,259百万円(前年比8.1%減)となりました。金属缶製造販売事業セグメント内の18L缶においては、販売数量の増加、原材料やエネルギーコスト高騰を背景とした価格転嫁が進み、全体では前連結会計年度末に比べ982百万円増加し8,765百万円(前年比12.6%増)となりました。美術缶においては、新規製造設備の稼働遅れもあり、前連結会計年度末に比べ1,631百万円減少し1,900百万円(前年比46.2%減)となりました。b.営業利益 営業損失は540百万円(前年は営業利益256百万円)となりました。これは主に売上高の減少によるものであります。c.経常利益 経常損失は476百万円(前年は経常利益323百万円)となりました。これは主に売上高の減少によるものであります。d.親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純損失は335百万円(前年は親会社株主に帰属する純利益271百万円)となりました。これは主に売上高の減少と投資有価証券売却益の増加、減損損失と早期割増退職金の発生によるものであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,896百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,259百万円増加いたしました。これは営業活動の結果得られた資金が896百万円、投資活動の結果得られた資金が640百万円、財務活動の結果使用した資金277百万円によるものであります。 また、有利子負債残高は3,112百万円となりました。 上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。b.契約債務 2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(千円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金200,000200,000---長期借入金2,911,767938,9931,382,122441,479149,172リース債務396396--- 上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めており、リース債務は流動負債のリース債務の金額です。c.財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金等につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入につきましては、長期借入金で調達することを基本としております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 (3)経営方針と経営上の目標達成状況 2024年度は新美術缶ラインの稼働が大幅に遅れ、巨額の損失を計上することになりました。こうした状況を受け、且つ金属缶の今後の需要動向を鑑み、中長期的に安定した利益と成長を実現するために大規模な経営改革に踏み切る決断をしました。2025年度は経営改革を確実に実行し実現させることとし、同時に当社グループの中長期的にあるべき姿をキチンと確立していく事を考えています。
事業リスク
- 金属缶需要の減少と競争激化金属缶の需要は長期的に減少傾向にあり、鋼材価格や印刷費、輸送費、ガス・電力費などのコスト上昇が製品価格に転嫁されることで、他容器への移行が加速し、需要減少がさらに進む可能性があります。これにより、過当競争が激化し、売上高が減少する懸念があります。
- 原材料価格とコストの変動鋼材価格の値上げ要請に加え、物流費、印刷代、部材費の上昇、さらには従業員の待遇改善に伴う人件費の増加など、様々なコストが上昇しています。これらのコスト上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、利益率が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 外部負債と金利変動短期借入金や長期借入金、リース債務など、合計で約31億円の外部負債を抱えています。今後、金利水準が大きく上昇した場合、これらの借入金にかかる利息負担が増加し、会社の財政状態や業績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.会社がとっている特異な経営方針に係るもの 該当事項はありません。2.財政状態及び経営成績の異常な変動に係るもの(1)売上高の変動について これまでの緩やかな金属缶の需要の減少に加え、鋼材価格、印刷費、輸送費、ガス・電力費等の急激な上昇に起因した製品価格の上昇等が、金属缶の他容器への移行の動きを誘発し、金属缶の需要そのものの減少を加速する可能性があります。またそのために、過当競争が激化することも懸念されます。これらの事象が、当社グループの売上高に影響を与える懸念があります。 美術缶の大型設備の設置を実施しましたが、稼働が予定よりも大幅に遅れ売上高に大きな影響が出ました。また、美術缶については従来の1社購買から複数購買となった客先もあり、美術缶の売上高の減少が懸念されます。(2)原材料価格の変動について 2024年度は鋼材価格の値上げ要請を受け、他にもホワイト物流による物流費の値上げ、印刷代や部材の値上げや、従業員の待遇改善に対応したコスト上昇分の製品価格への転嫁を行ってきました。(3)外部負債と金利変動リスクについて 当社グループの外部負債は、2025年3月末現在、短期借入金200百万円、長期借入金(含む1年内)2,911百万円、リース債務(含む1年内)39万円、合計3,112百万円であります。 今後金利水準が大きく変動した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。(4)賃貸不動産の稼働率について 当社グループは本社敷地内に賃貸建物(鉄骨造3階建延べ11,493㎡)を保有しており、賃貸不動産の稼働率が業績に影響を及ぼす可能性があります。3.業界状況について 当社グループの主力商品である金属缶業界は、過剰設備と長期的な需要減退の状況が続いており、稼働率の低下、過当競争による採算悪化という構造的な問題を抱えております。 需要に見合った業界規模への再編成の動きが出て来ることが予想され、適切な経営判断を行う必要があります。