5819

カナレ電気(5819)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

非鉄金属 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 放送・通信用製品の製造販売
    カナレ電気グループは、放送局や通信会社で使われるケーブル、コネクタ、および関連機器の製造と販売を主な事業としています。これらの製品は、映像や音声、データの伝送に不可欠な基盤を支えており、プロフェッショナルな現場で高い信頼性が求められます。日本国内だけでなく、世界中の放送・通信インフラを支える重要な役割を担っています。
  • グローバルな生産・販売体制
    製品の製造は、日本のカナレハーネスやカナレコネクティッドプロダクツ、中国のCanare Electric(Shanghai)Co.,Ltd.などが担当しています。販売は、日本国内を当社が、米国、韓国、中国、台湾、シンガポール、インド、欧州、中東など世界各地の子会社がそれぞれの地域を担当しており、グローバルに事業を展開しています。これにより、多様な市場ニーズに対応し、広範囲な顧客基盤を構築しています。
  • 多岐にわたる製品ラインナップ
    同社グループは、ケーブル、ハーネス、コネクタ、パッシブ・電子機器、およびその付帯器具といった幅広い製品を提供しています。これらの製品は、放送スタジオ、中継車、データセンター、イベント会場など、様々な場所で利用されており、高品質な映像・音声伝送を可能にしています。特に、電設業界や放送機器業界向けの売上が国内売上の68%を占めており、これらの分野が主要な収益源となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本事業の安定した収益性
    日本地域は、売上高64.76億円、営業利益12.65億円と、グループ全体の売上と利益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。国内の電設業界や放送機器業界向けの需要が安定しており、長年にわたる顧客基盤とブランド力が強みとなっています。このセグメントは、グループ全体の経営基盤を支える重要な役割を担っています。
  • 北米市場での事業展開
    米国地域は、売上高16.65億円、営業利益0.24億円を計上しており、北米(米国、カナダ、中南米諸国)市場への販売を担っています。売上規模は大きいものの、利益率は他の地域に比べて低い傾向にあります。広大な市場での競争が激しいことが背景にあると考えられますが、今後の成長余地も期待される地域です。
  • アジア市場の多様な貢献
    韓国、中国、台湾、シンガポールといったアジア地域は、それぞれ売上高10.60億円(韓国)、14.62億円(中国)、1.16億円(台湾)、5.73億円(シンガポール)と、多様な規模でグループに貢献しています。特に中国は販売拠点であると同時に生産拠点でもあり、重要な位置を占めています。これらの地域は、経済成長が著しいアジア市場における同社グループのプレゼンスを示しており、今後の成長戦略において重要な役割を果たすと見られます。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 65 13 19.5%
TheUnitedStatesOfAmerica 地域 17 0 1.4%
Korea 事業 11 1 11.1%
China 地域 15 1 7.4%
Taiwan 事業 1 0 6.2%
Singapore 事業 6 0 7.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|647 文字
3【事業の内容】 当社グループは放送・通信用ケーブル・ハーネス・コネクタ・機器(パッシブ・電子)及びその付帯器具を製造、販売しております。製造についてはカナレハーネス株式会社(日本)、カナレコネクティッドプロダクツ株式会社(日本)、カナレシステムワークス株式会社(日本)、Canare Electric(Shanghai)Co.,Ltd.(中国)がその役割を担っております。一方、販売については当社が国内及びその他の地域を、Canare Corporation of America(米国)が米国、カナダ及び中南米諸国への販売を、Canare Corporation of Korea(韓国)が韓国への販売を、Canare Electric Corporation of Tianjin(中国)が中国及び香港への販売を、Canare Corporation of Taiwan(台湾)が台湾への販売を、Canare Singapore Private Ltd.(シンガポール)がアジア地域(除く、中国・韓国・台湾)への販売を、Canare Electric India Private Ltd.(インド)がインドへの販売を、Canare Europe GmbH(欧州)が欧州への販売を、Canare Middle East FZCOが中東地域への販売を担当しております。 なお、「日本」「米国」「韓国」「中国」「台湾」「シンガポール」の区分は、セグメントの区分と同一であります。 [事業系統図]

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格上昇を吸収しきれない場合、製品価格への転嫁が遅れる可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高性能ケーブル、小型化・高密度実装対応コネクタ、4K・8K放送対応製品などの開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:需要動向に関するリスク / 海外事業リスク / 原材料価格上昇が業績に悪影響を及ぼすリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

カナレ電気は、音響・映像機器分野における長年の実績と信頼性から、一部のプロフェッショナルユーザーにブランド認知がある。しかし、特許や独自のIPによる明確な独占性は限定的であり、汎用的な部品も多い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社のケーブルやコネクタは、特定の放送局やレコーディングスタジオなどで長年使用されており、システム全体の互換性や音質への影響を考慮すると、安易な切り替えは難しい場合がある。ただし、代替品も存在するため、スイッチングコストは中程度。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接高めるようなネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

非鉄金属加工における一定の生産ノウハウはあるものの、グローバルな競争環境下で顕著なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に、汎用品においては価格競争に晒される可能性がある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

音響・映像ケーブル分野では一定のシェアを持つが、非鉄金属業界全体で見ると、規模の経済による圧倒的な優位性を持つとは言えない。グローバルな大手企業と比較すると、規模は限定的。

  • グローバルな販売ネットワーク
    カナレ電気グループは、日本、米国、韓国、中国、台湾、シンガポール、インド、欧州、中東に販売拠点を持ち、世界中に製品を供給しています。この広範な販売ネットワークは、各地域の市場ニーズにきめ細かく対応し、多様な顧客層を獲得する上で大きな強みとなっています。特に、海外売上比率が53%と高く、国際的な事業展開が競争優位の源泉となっています。
  • 放送・通信分野の専門性
    同社グループは、放送・通信用ケーブル、コネクタ、機器に特化しており、この分野における長年の経験と技術蓄積があります。電設業界や放送機器業界向けの製品が国内売上の68%を占めることからも、これらの専門市場における深い知見と顧客からの信頼がうかがえます。高品質な製品提供により、プロフェッショナルな現場での安定稼働を支えています。
  • 生産と販売の効率的な分業体制
    製造は日本と中国の専門子会社が担い、販売は世界各地の子会社が担当するという効率的な分業体制を構築しています。これにより、各拠点がそれぞれの専門性を最大限に発揮し、高品質な製品を効率的に生産し、地域に合わせた販売戦略を展開することが可能になっています。この体制は、コスト競争力と市場対応力の向上に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社を取り巻く経営環境は、技術・市場環境におけるIP化の加速や事業のグローバル化による競争激化、品質・環境面における各国法規制対応、地政学リスクや為替変動が経営に与える影響の拡大等大きく変化しており、特に、下記の課題についての対処が不可欠となります。(1)成長事業への取り組み 当社は海外ビジネスの積極展開、現ビジネス基盤を活かした高付加価値なソリューション提供、優位性のある技術転用による新市場展開を進めることで、市場環境変化への対応力を高め、中長期の成長に向けた取り組みを強化します。 (2)グローバルな生産・物流体制の改善 当社は国内における物流コストの上昇、海外の地政学リスク等に伴うリードタイムの長期化や輸送中のアクシデントの可能性等への適切な対応によりグローバルでの需要変動に柔軟に対応できるよう、販売、物流、生産・調達などの各機能を密接に連携させ、製品ごとに最適な生産地で生産して効率的かつ機動的な物流・在庫マネジメントを実現するサプライチェーンの再構築をプロジェクト体制で進め、コスト競争力の確保及び適正在庫の実現に取り組んでまいります。 (3)品質の向上 当社は生産拠点の効率性を追求し、製品品質の向上とリードタイムの短縮、コスト削減を目指します。更に改善活動を強化し、生産技術の向上に努めてまいります。 (4)環境への対応 当社はSDGsを意識し、地球環境に配慮した生産活動、グリーン調達、RoHS指令、REACH規制等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物の削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けた取り組みを推進し、環境マネジメントシステムの継続的改善に今後も積極的に取り組んでまいります。 (5)社会的責任とコンプライアンス意識の向上 当社は永年培ってきた「CANARE」ブランドに責任と誇りを持ち、法令・社会倫理を遵守していく企業としての社会的責任を負っていると考えております。そのためにコンプライアンス意識を高め健全な企業活動を継続させてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社を取り巻く経営環境は、技術・市場環境におけるIP化の加速や事業のグローバル化による競争激化、品質・環境面における各国法規制対応、地政学リスクや為替変動が経営に与える影響の拡大等大きく変化しており、特に、下記の課題についての対処が不可欠となります。(1)成長事業への取り組み 当社は海外ビジネスの積極展開、現ビジネス基盤を活かした高付加価値なソリューション提供、優位性のある技術転用による新市場展開を進めることで、市場環境変化への対応力を高め、中長期の成長に向けた取り組みを強化します。 (2)グローバルな生産・物流体制の改善 当社は国内における物流コストの上昇、海外の地政学リスク等に伴うリードタイムの長期化や輸送中のアクシデントの可能性等への適切な対応によりグローバルでの需要変動に柔軟に対応できるよう、販売、物流、生産・調達などの各機能を密接に連携させ、製品ごとに最適な生産地で生産して効率的かつ機動的な物流・在庫マネジメントを実現するサプライチェーンの再構築をプロジェクト体制で進め、コスト競争力の確保及び適正在庫の実現に取り組んでまいります。 (3)品質の向上 当社は生産拠点の効率性を追求し、製品品質の向上とリードタイムの短縮、コスト削減を目指します。更に改善活動を強化し、生産技術の向上に努めてまいります。 (4)環境への対応 当社はSDGsを意識し、地球環境に配慮した生産活動、グリーン調達、RoHS指令、REACH規制等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物の削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けた取り組みを推進し、環境マネジメントシステムの継続的改善に今後も積極的に取り組んでまいります。 (5)社会的責任とコンプライアンス意識の向上 当社は永年培ってきた「CANARE」ブランドに責任と誇りを持ち、法令・社会倫理を遵守していく企業としての社会的責任を負っていると考えております。そのためにコンプライアンス意識を高め健全な企業活動を継続させてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 業績 当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、為替が変動する中、資源価格や物価が引き続き高止まりとなり、また、アメリカの関税政策や中東情勢の緊張の高まりなどにより不安定な状況が続きました。 こうした状況下にあって、当社グループは、光製品や電子機器の新製品普及活動、AVコンソール製品などの販促活動を積極的に行うとともに、次世代成長製品と位置付けるITネットワーク関連製品など新規製品の開発活動に取り組んでまいりました。国内売上は大型物件の継続やイベント向け機材納入が牽引し増収、海外売上も米国・韓国・中国・欧州・中東が前連結会計年度を上回り、全体でも前連結会計年度を上回り増収となりました。 以上により、連結売上高は13,114百万円(前連結会計年度比5.9%増)となり、利益面でも増収により営業利益1,582百万円(前連結会計年度比13.9%増)、経常利益1,677百万円(前連結会計年度比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。  なお、当社グループの報告セグメントは所在地別の業績を基にしたものであり、その主な概要は次のとおりです。 (日 本) 日本市場は、放送市場においてNHK放送センター建替工事案件の継続や東京開催の国際陸上競技大会向け放送中継機材納入などがあり堅調に推移し、電設市場では公営競技場の大型映像改修案件や品川開発プロジェクトへの工事材料納入などの結果、売上高は6,475百万円(前連結会計年度比4.1%増)、セグメント利益も増収に伴い1,265百万円(前連結会計年度比71.1%増)と増収増益となりました。(米 国) 米国市場は、放送市場において4K映像制作設備の更新物件が増加し、売上高は1,664百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。セグメント利益は関税影響により売上総利益が減少し、23百万円(前連結会計年度比85.8%減)で増収減益となりました。(韓 国) 韓国市場は、放送市場においては4K放送設備更新物件が堅調に推移しました。電設市場では経済低迷の影響により物件数が減少したものの、流通市場は底堅く推移し、売上高は1,059百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。セグメント利益は売上総利益率の低下により118百万円(前連結会計年度比23.4%減)で増収減益となりました。(中 国) 中国市場は、放送市場において政府主導の4K放送設備更新物件が堅調に推移し、電設市場では経済低迷の影響によりスタジアム向け物件などが減少しました。売上高は1,462百万円(前連結会計年度比11.8%増)、セグメント利益は108百万円(前連結会計年度比3.3%増)で増収増益となりました。(シンガポール) 東南アジア市場は、ベトナムの放送市場において設備更新物件が増加したものの、他の東南アジア諸国では政情不安や経済低迷の影響を受け物件数の減少や遅延が発生したため、売上高は573百万円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。セグメント利益は減収および売上総利益率の低下などにより40百万円(前連結会計年度比51.4%減)で減収減益となりました。 ② キャッシュ・フロー 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の減少、仕入債務の増加、棚卸資産の減少などの増加要因はあったものの、長期預金の預入・投資有価証券の取得、法人税等の支払い、配当金の支払いなどの減少要因により、前連結会計年度末に比して2,287百万円減の7,606百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 法人税等の支払い506百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益1,640百万円の計上に加え、減価償却費226百万円、売上債権の減少97百万円、仕入債務の増加87百万円、棚卸資産の減少78百万円などにより1,760百万円の収入超となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 長期預金の預入2,000百万円、投資有価証券の取得による支出1,493百万円により3,609百万円の支出超となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 配当金の支払い389百万円、リース債務の返済74百万円により464百万円の支出超となりました。③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前連結会計年度比(%)日本(千円)2,541,112113.6中国(千円)630,259121.6合計(千円)3,171,371115.1(注)1.上記の金額は生産子会社の製品販売価格によっております。2.当社グループは、日本及び中国で生産を行っております。 b. 受注実績  当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前連結会計年度比(%)日本(千円)6,475,893104.1米国(千円)1,664,644106.0韓国(千円)1,059,850100.5中国(千円)1,462,026111.8台湾(千円)115,74479.2シンガポール(千円)573,36794.1インド(千円)295,91293.6欧州(千円)1,007,406122.2中東(千円)460,147137.9合計(千円)13,114,992105.9(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月18日)現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を行っております。 ただし、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される要因に基づき見積り、仮定を行っておりますが、実際の結果はこれらの見積り、仮定と異なる場合があります。 当社グループは、特に次の重要な会計方針の適用により見積りや仮定が連結財務諸表に影響を与えると考えております。a.貸倒引当金 当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、支払不能となった顧客が増加する等により追加引当が必要になる可能性があります。b.賞与引当金 当社グループは、従業員へ支払う賞与につきまして、過去の実績と会社の方針を参考にして見積り金額で計上しておりますが、支給額の増加により追加引当が必要になる可能性があります。c.棚卸資産 当社グループは、販売不能と見込まれる棚卸資産につきましては、評価減を実施しておりますが、予期せぬ不良、仕様変更によりいっそうの評価減が必要になる可能性があります。d.固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損会計を適用しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積額に修正が生じた場合において、当該固定資産に対して減損損失を認識する可能性があります。e.投資有価証券の減損 当社グループは、投資の一環として株式及び債券等を所有しております。これら金融商品の投資価値下落に対しましては、時価が取得原価に対して50%以上下落した場合には、当該時価まで減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。 f.製品保証引当金 当社グループは、顧客に納品した一部製品に対して、将来の製品交換及び補修費用に備えるため、今後必要と見込まれる金額を計上しておりますが、予期せぬ不良の発生等により追加引当が必要になる可能性があります。 ② 当社グループの財政状態及び経営成績の分析a.財政状態(資産) 資産合計は、前連結会計年度比1,448百万円増の21,075百万円となりました。現金及び預金の減少、受取手形及び売掛金の減少、棚卸資産の減少はありましたが、投資有価証券、長期預金などの投資その他資産増を主因としております。(負債) 負債合計は、前連結会計年度比365百万円増の2,026百万円となりました。仕入債務の増加と欧州販社のリース物件更新に伴うリース負債の増加などにより固定負債が増加したことを主因としております。(純資産) 純資産合計は、前連結会計年度比1,083百万円増の19,048百万円となりました。これは利益剰余金の親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加を主因としております。b.経営成績(売上) 当連結会計年度における当社グループの売上は、国内市場では、放送市場においてNHK放送センター建替工事案件の継続や東京開催の国際陸上競技大会向け放送中継機材納入があり堅調に推移し、電設市場では公営競技場の大型映像改修案件や品川開発プロジェクトへの工事材料納入などの結果、国内売上高は前連結会計年度比3.2%増の6,229百万円となりました。海外市場では、中東における開発プロジェクトの増加に加え、欧州では北中米で開催されるサッカーの国際大会による需要拡大を背景に、中東・欧州市場ともに好調に推移しました。また、米国・韓国・中国では不安定な経済環境下ではありましたが、各市場は堅調に推移しました。さらに、円安基調が継続したことから、海外売上高は前連結会計年度比8.5%増の6,885百万円となりました。 以上により、売上高は13,114百万円(前連結会計年度比5.9%増)となり、過去最高となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 売上原価は、前連結会計年度から引き続き銅をはじめ多くの原材料が値上げとなりましたが、円安による為替効果の影響で売上高が増となり、売上原価率は前連結会計年度比で0.4ポイント低下して7,555百万円でした。 販売費及び一般管理費は、賃上げなどにともなう人件費を中心に増加しましたが、対売上高比で0.5ポイント低下して3,976百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 販売費及び一般管理費が増加したものの増収により、親会社株主に帰属する当期純利益は、対売上高比が前連結会計年度比で0.8ポイント上昇して1,200百万円となりました。c.キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績は、次の要因により重要な影響を受けます。 a.主要な需要先である電設業界、放送業界の設備投資動向 b.比較的価格変動の大きい銅等を材料として使用しているためそれらの価格動向 c.海外売上比率が高くなっているため、為替相場動向 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、原則として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借り入れを実施することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における運転資金や設備投資資金は自己資金により充当しました。直近において大きな設備投資を計画しておらず、必要となる運転資金などは主に自己資金により充当する予定ですが、必要に応じて金融機関からの借入れを実施するなど、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。 ⑤ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、時代と共に変化する価値観に対応して、顧客から善い会社として支持・信頼される会社を目指し、「いつの時代でも存在価値ある企業づくり」を経営基本理念として掲げ、その理念を基に、「企業は公器」と認識していつの時代でも善い会社であるために、貢献資源づくり、普及活動及び、フィードバックを実践してまいります。 以上の方針のなか企業価値向上をはかってまいりますが、企業業績の指標として連結業績で1株当たり当期純利益200円超えを目指しております。当連結会計年度におきましては、1株当たり当期純利益は175円74銭となりました。

事業リスク

  • 主要業界の設備投資動向
    同社グループの製品は、電設業界や放送機器業界向けが国内売上の68%を占めています。これらの業界の設備投資が減少した場合、製品の需要が落ち込み、同社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、デジタル化や技術革新のサイクルが速い業界であるため、市場の変化に合わせた迅速な対応が求められます。
  • 海外事業における諸規制リスク
    海外売上比率が53%と高く、中国に生産拠点を持つなど、グローバルに事業を展開しています。各国・地域の認可、税制、金融、輸出入に関する法的規制や経済政策の変更は、事業活動に大きな影響を与える可能性があります。特に中国での規制変更や為替変動は、生産と販売の両面から業績に影響を及ぼすリスクがあります。
  • 原材料価格の変動と価格転嫁
    製品の主要材料である銅や黄銅の価格上昇は、ケーブル製品(連結売上比率35%)やコネクタ製品(同13%)の仕入価格を押し上げます。コスト削減努力だけでは吸収しきれない場合、製品価格への転嫁が必要となりますが、転嫁が遅れたり、想定通りに進まなかったりすると、利益率が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,096 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2026年3月18日)現在において判断したものであります。(1)需要動向に関するリスク  当社グループの製品は、ケーブル、ハーネス、コネクタ、機器(パッシブ・電子)からなり、主に電設業界、放送機器業界向けに販売されており、これらの業界向け製品は、2025年12月期では当社国内売上において68%を占めております。したがって、これらの業界の設備投資動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。(2)海外事業リスク  当社グループは生産拠点を中国、販売拠点を米国、韓国、中国、台湾、ドイツ、シンガポール、インド、中東に置き、その他地域は当社から直接輸出する形で海外事業を営み、その海外売上比率は53%となっておりますので、事業活動を行うにはそれらの国における認可、税制、金融、輸出入等に関する各種法的規制や経済政策等の影響を受けます。将来において、これらの規制や政策等の変更が行われ、これらを遵守することが困難になったり、遵守するためのコスト負担の増加等の理由により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。  特に中国は、当社グループ製品の販売に加え生産拠点(2025年12月期当社仕入実績の7%)となっていることもあり、為替変動、税制、法的規制等の変更は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。(3)銅、黄銅等の原材料価格上昇が業績に悪影響を及ぼすリスク  当社グループ製品の主要材料である銅、黄銅等の価格上昇は、ケーブル製品(2025年12月期連結売上比率35%)、コネクタ製品(2025年12月期連結売上比率13%)の仕入価格の上昇をもたらします。当社グループは可能な限り、価格転嫁を避けるべくコスト削減等の最大限の努力をいたしますが、それでも銅、黄銅等の価格上昇を吸収しきれない場合は、製品価格への転嫁による対応をはかります。しかしながら、製品価格への転嫁が遅れる場合又は当社の思惑どおりに価格転嫁が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)為替レート変動リスク  当社グループの海外売上高比率は2025年12月期において53%となっております。外貨建債権債務の残高調整や為替予約の適宜活用によるリスクヘッジを行うことで、為替変動による影響を最小限に抑えるよう努力しておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避できるものではありません。そのため、為替レート変動により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (5)外注委託リスク  当社グループは、生産の多くを外注先に委託(2025年12月期外注比率61%)しております。外注先において生産に支障が生じた場合に、外注先からの供給に一時的な支障が生じる可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6)品質に関するリスク  当社グループは、品質に関して、管理体制を徹底しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生する可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険で最終的に負担する賠償額すべてをカバーできる保証はありません。多額の回収費用又は補償費用を要する品質トラブルや製造物責任賠償の対象となる事故が起きた場合等において、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。(7)研究開発リスク  当社グループは、将来の競争力を決めるであろう研究開発のテーマを慎重に選択し、充分な経営資源(2025年12月期対連結売上高比4%)を配分し研究開発活動を推進しております。しかしながら、研究開発内容が高度化すればするほど、市場のニーズに合致した製品をタイムリーかつ継続的に製品化できるとは限りません。結果としまして、製品化の遅れ等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的所有権  当社グループの製品開発、販売におきましては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権等の知的所有権が関係している場合があり、第三者の所有する知的所有権を侵害するリスクを必ずしも否定できません。その場合、訴訟をおこされる可能性があり、当社グループ製品の生産、販売に制限を受けたり、損害賠償金等の支払いが発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)コンピュータシステムトラブル  当社グループの各業務は、コンピュータシステムと通信ネットワークに依存しており、これらが災害等で稼働不能となった場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。取引データについては、バックアップを行うことにより、稼働再開の短縮化をはかっております。

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