5703

日本軽金属ホールディングス(5703)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

非鉄金属 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 持株会社体制
    日本軽金属ホールディングスは純粋持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括し、子会社77社と関連会社19社を通じて多岐にわたるアルミニウム関連事業を展開しています。これにより、各事業会社の専門性を高めつつ、グループ全体での効率的な経営とシナジー効果を追求しています。
  • アルミニウム総合事業
    当社グループは、アルミニウムの原料となるアルミナ・化成品から、地金、板、押出製品、さらに加工製品、箔、粉末製品に至るまで、アルミニウムに関するあらゆる製品の製造・販売を手掛けています。これにより、アルミニウムのサプライチェーン全体をカバーし、多様な産業ニーズに応える総合的な事業展開を行っています。
  • 多角的な製品展開
    産業部品、景観関連製品、冷凍・冷蔵庫用パネル、輸送関連製品など、アルミニウムの特性を活かした幅広い加工製品を提供しています。また、運送、情報処理、保険代理といった関連サービスも手掛けることで、事業の多角化と安定的な収益基盤の構築を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • アルミナ・化成品、地金事業
    この部門では、アルミニウムの原料となるアルミナや水酸化アルミニウム、各種化学品、アルミニウム合金などを製造・販売しています。主に日本軽金属(株)などがこの事業を担い、グループ全体のサプライチェーンの基盤を支える重要な役割を果たしており、売上高1654.99億円、営業利益115.42億円とグループ内で最も高い利益を上げています。
  • アルミニウム板・押出製品事業
    アルミニウムの板材や、様々な形状に加工された押出製品を製造・販売しています。日本軽金属(株)や理研軽金属工業(株)などが主要な関係会社であり、建材や自動車部品など幅広い用途に利用されています。売上高1035.55億円、営業利益55.55億円を計上しています。
  • 加工製品・関連事業
    産業部品、景観関連製品、冷凍・冷蔵庫用パネル、輸送関連製品など、アルミニウムを加工した多種多様な製品を提供しています。また、運送、情報処理、保険代理といった関連サービスも含まれます。日本軽金属(株)や日軽パネルシステム(株)などが中心となり、売上高1722.49億円、営業利益31.73億円とグループ内で最大の売上高を誇ります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AluminumIngotAndChemicals 事業 1,655 115 7.0%
AluminumSheetAndExtrusions 地域 1,036 56 5.4%
FabricatedProductsAndOthers 事業 1,722 32 1.8%
AluminumFoilPowderAndPaste 事業 1,089 55 5.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,548 文字
3【事業の内容】 純粋持株会社である当社及び当社の関係会社(当社、子会社77社及び関連会社19社(2026年3月31日現在)により構成、以下当社グループという。)においては(アルミナ・化成品、地金)、(板、押出製品)、(加工製品、関連事業)及び(箔、粉末製品)の4部門に関係する事業を主として行っており、それらの製品は、アルミニウムに関連するあらゆる分野にわたっております。各事業における関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。  (アルミナ・化成品、地金) 当部門においては、アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品及びアルミニウム合金等を製造・販売しております。<主な関係会社>(製造・販売) 日本軽金属(株)、日本電極(株)、日軽エムシーアルミ(株)、ニッケイCMRアルミニウム・インディア・プライベート・リミテッド、ニッケイ・エムシーアルミニウム・タイランド・カンパニー・リミテッド、日軽商菱鋁業(昆山)有限公司、ニッケイ・エムシーアルミニウム・アメリカ・インク、アルミニウム線材(株)、イハラニッケイ化学工業(株)、CMR NLMエコ・アルミニウム・プライベート・リミテッド、CMRニッケイ・インディア・プライベート・リミテッド、T.S.T.ニッケイ・メタルズ・S.de R.L. de C.V.(販売・その他) 日軽産業(株)  (板、押出製品) 当部門においては、アルミニウム板及びアルミニウム押出製品を製造・販売しております。<主な関係会社>(製造・販売) 日本軽金属(株)、理研軽金属工業(株)、ニッケイ・サイアム・アルミニウム・リミテッド、(株)東陽理化学研究所、日軽金アクト(株)、日軽形材(株)、深圳華加日鋁業有限公司(販売・その他) 日軽金加工開発ホールディングス(株)、日軽産業(株)  (加工製品、関連事業) 当部門においては、産業部品、景観関連製品、冷凍・冷蔵庫用パネル、輸送関連製品等のアルミニウム加工製品の製造・販売並びに運送、情報処理及び保険代理等のサービスの提供を行っております。<主な関係会社>(製造・販売) 日本軽金属(株)、日軽パネルシステム(株)、(株)エヌ・エル・エム・エカル、日本フルハーフ(株)、フルハーフ・マハジャック・カンパニー・リミテッド、日軽金ALMO(株)、ニッポン・ライト・メタル・ジョージア・インク、華日軽金(蘇州)精密配件有限公司、日軽松尾(株)、ニッポン・ライト・メタル・ノース・アメリカ・インク、日軽産業(株)、山東丛林福禄好富汽車有限公司(販売・その他) 日軽エンジニアリング(株)、日軽物流(株)、日軽情報システム(株)、(株)東邦アーステック  (箔、粉末製品) 当部門においては、箔、粉末製品を製造・販売しております。<主な関係会社>(製造・販売) 東洋アルミニウム(株)、肇慶東洋鋁業有限公司、湖南寧郷吉唯信金属粉体有限公司、トーヤルアメリカ・インク、トーヤルMMPインディア・プライベート・リミテッド、トーヤルヨーロッパ・S.A.S.、東洋アルミエコープロダクツ(株)、スバム・トーヤル・パッケージング・インダストリーズ・プライベート・リミテッド、三亜アルミニウム(株)<事業系統図> 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格変動分を製品価格に転嫁することを基本としているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
アルミニウム関連製品の製造には大規模な設備投資が必要と推測されるため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済情勢及び景気動向 / 為替相場の変動 / 金利動向
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

アルミニウム製缶用圧延板の分野で長年の実績と技術蓄積があるが、特許やブランドによる明確な独占性は限定的。一部特殊用途向け製品における技術的優位性は存在するものの、広範な無形資産による競争優位性は弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車や建材、包装材など、アルミニウム製品のサプライヤーは複数存在する。顧客はコストや品質、納期を総合的に判断してサプライヤーを選定するため、特定のサプライヤーへのスイッチング・コストは限定的。ただし、長年の取引関係や共同開発による製品は一定のスイッチング・コストを生む可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が競争優位性となる事業モデルではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

アルミニウム精錬から圧延、加工まで一貫生産体制を持つことで、原料調達から最終製品までのコスト管理に強みを持つ。特に、電解アルミニウム事業における電力コストの低減努力や、リサイクルアルミニウムの活用はコスト競争力に寄与する。ただし、原料価格の変動リスクは大きい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

アルミニウム圧延品、特に飲料缶用材料では国内有数の生産能力を持つ。大規模な生産設備への投資と操業ノウハウの蓄積により、効率的な大量生産を実現している。この規模の経済性は、価格競争において有利に働く。

  • アルミニウム一貫体制
    アルミナ・化成品から地金、板、押出製品、加工製品、箔、粉末製品まで、アルミニウムの製造工程を一貫して手掛ける体制が強みです。これにより、原材料の安定調達から最終製品まで品質管理を徹底し、顧客の多様なニーズに迅速かつ柔軟に対応できる競争優位性を確立しています。
  • グローバルな事業展開
    子会社や関連会社を国内外に多数持ち、特にアジア地域を中心に海外展開を積極的に進めています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場からの収益獲得機会を追求するとともに、グローバルなサプライチェーンを構築することで安定的な事業運営を可能にしています。
  • 多様な製品ポートフォリオ
    アルミニウムの素材としての特性を活かし、建材、自動車、電子機器、食品包装など、幅広い産業分野に製品を提供しています。これにより、特定の産業の景気変動に左右されにくい安定した収益構造を構築し、市場の変化に対応できる柔軟性を持っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社は、当社グループの強みであるアルミニウムに関する広範な知見の蓄積と多様な事業群を最大限に活用して、企業価値の向上を目指すとともに、事業活動を通じて様々な社会課題の解決を図ることにより、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指しております。当社の経営理念や目的を定義した「日軽金グループ経営方針」は次のとおりです。 日軽金グループ経営方針 ◆ 経営理念アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく ◆ 基本方針・健康で安全な職場をつくり、「ゼロ災害」を達成する・グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する・持続可能な社会を実現するため、サーキュラーエコノミーの構築に積極的に取り組む・人権を尊重し、倫理を重んじて、誠実で公正な事業を行う・多様な価値観を尊重し、長期的かつグローバルな視点で人財を育成する (改定:2026年4月28日) (2)日本軽金属グループの経営環境①事業領域 当社グループはアルミニウム素材から中間製品、加工製品まで、アルミニウム総合メーカーならではのトータルソリューションの提供により、幅広く事業を展開し、高品質で付加価値の高い製品を生み出しております。 ②事業基盤 当社グループの強みは、アルミニウムの素材特性を熟知し、鋳造・押出・圧延などの素材技術に、表面処理、接合、曲げ、絞り、切断、切削といった多様な加工技術を掛け合わせることにあります。さらに、合金開発から設計・施工、組立、メンテナンス、サービスまでを一貫して担う総合力を発揮することで、従来の素材メーカーの枠を超え、「お客さまが求める価値」を創り、社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスをグループ一体となって提供しております。 (3)重要課題(マテリアリティ)当社グループは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現のために、アルミニウムに関する総合的かつ広範な事業領域を通じて貢献していきます。その中で当社グループが特に取り組むべき課題は何かを認識し、当社グループの持続的な成長および企業価値創造のための重要な経営課題としていくため、当社取締役会において『当社グループの重要課題(マテリアリティ)』を特定しています。 特定した重要課題5つの重要課題テーマ重要課題地球環境保護自社での温室効果ガス削減(スコープ1、2)サプライチェーンでの温室効果ガス削減(スコープ3)気候変動への対応(TCFD)水ストレスへの対応環境汚染の防止持続可能な価値提供再生可能エネルギーの利用拡大への取組み低炭素商品・サービスの開発、提供循環型経済・社会の推進強靭なインフラ整備、提供食糧の安定供給への貢献イノベーションによる未来づくり従業員の幸せ労働の安全衛生働きがいのある職場づくりダイバーシティ&インクルージョン人財の確保、育成責任ある調達・生産・供給安全、安心な商品・サービスの提供人権の保護、尊重安定したサプライチェーンの構築変化に柔軟で強靭なバリューチェーン企業倫理・企業統治ガバナンスの強化コンプライアンス体制の強化 (4)対処すべき課題 今後の世界経済は、地政学リスクの顕在化や主要各国の政策動向に起因する貿易の分断など、不確実性が一段と高まることが懸念されます。わが国においても、雇用・所得環境の改善や政策効果による景気下支えが期待される一方、物価動向や各国通商政策の変化、金融資本市場の変動を注視する必要が続くと見込まれます。 <当社グループの長期ビジョンと中期経営計画> こうした経営環境において、当社グループが持続的な成長を実現し続けるためには、長期的視点に立った意思決定と、経営資源の戦略的な配分が不可欠であり、向こう10年間の目指す姿を明確化した長期ビジョン「2035ビジョン」のもと、循環型価値創造を軸とする事業変革を推し進めてまいります。  2035ビジョンは、素材から加工・サービスまで幅広い事業領域を有する当社グループが、社会課題の解決と事業成長を両立し、グローバル市場で存在感ある企業グループとして進化し続けるための指標となるものです。 2026年度を初年度とする3ヵ年の新たな中期経営計画(以下「26中計」)は、2035ビジョンを実現するための第1ステップであり、2023年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画で構築した基盤のもと、2035ビジョンに向けた変革を実践する期間として、事業構造・経営基盤の強化を同時並行で進めてまいります。 ■ 基本方針①「新しい価値づくり」 当社グループの強みを軸にしながら、事業領域の選択と集中を進め、外部とのアライアンスやM&Aといった成長機会を積極的に活用し、新規ビジネスの創出と既存ビジネスの収益力強化を図ります。市場構造が急速に変化するなかで、脱炭素・資源循環など、社会全体のトレンドを的確に捉えた価値提供を強化していきます。 循環型サプライチェーンの構築は価値提供の重要な柱であり、アルミリサイクルによる低炭素素材の供給、加工プロセス全体の低炭素化、サプライチェーン全体を俯瞰した最適化など、素材から最終製品に至るまで一貫して価値を提供することができる体制を整え、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立してまいります。 ■ 基本方針②「プロセス変革」 外部環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するためには、事業プロセスそのものの高度化・効率化が必要であり、AI・データ活用を中心としたデジタル化の促進により、生産性の向上、品質の安定化、間接業務の効率化を進めます。これにより創出されたリソースをさらなる価値創造の領域へ再投資することで、当社グループ全体の競争力強化につなげます。 また、デジタル活用を最大化するため、DX人財の確保・育成、グループ全体のITインフラ整備、デジタルガバナンス基盤の強化を計画的に進めます。 併せて、事業ポートフォリオの最適化やグループ内再編を含む組織改革を着実に行い、効率的で強靭な経営体制を構築してまいります。  26中計に基づく施策の立案・推進については、2026年4月に新設した「グループ統合戦略室」が中心となり、全社視点での経営課題の抽出、グループ横断のシナジー創出、事業領域の再定義、資源配分の最適化を統轄します。グループ統合戦略室は、全体最適の経営を促進する機能を担い、2035ビジョンの実現に向けた経営改革を強力に推進する役割を果たしてまいります。 (5)経営指標①財務指標 2035ビジョンのもと、社会課題の解決と事業成長を両立し、グローバル市場で存在感ある企業グループとして進化し続けるための指標として、ROIC10%以上の実現を目指してまいります。また、26中計期間内の早期に、経常利益300億円超の安定収益基盤にしたうえで、ROIC8%以上を目指します。 (金額単位: 億円) 2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)売上高5,5025,8556,900営業利益217256270経常利益198236250親会社株主に帰属する当期純利益124156165R O I C(%)5.15.96.2 ②利益配分の基本方針 「財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、中長期的な視点から連結業績等を総合的に勘案し、株主の皆さまへの配当を実施する」ことを基本方針としております。利益還元の指標といたしましては、自己株式の取得を含む総還元性向30%以上を基準とし、配当額等を決定させていただきます。 なお、2027年3月期の配当金につきましては、自己株式の取得を含む総還元性向を40%程度とし、配当額等を決定させていただきます。 2026年3月期2027年3月期(予想)中間期末(予定)中間期末配当25円55円40円60円
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針当社は、当社グループの強みであるアルミニウムに関する広範な知見の蓄積と多様な事業群を最大限に活用して、企業価値の向上を目指すとともに、事業活動を通じて様々な社会課題の解決を図ることにより、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指しております。当社の経営理念や目的を定義した「日軽金グループ経営方針」は次のとおりです。 日軽金グループ経営方針 ◆ 経営理念アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく ◆ 基本方針・健康で安全な職場をつくり、「ゼロ災害」を達成する・グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する・持続可能な社会を実現するため、サーキュラーエコノミーの構築に積極的に取り組む・人権を尊重し、倫理を重んじて、誠実で公正な事業を行う・多様な価値観を尊重し、長期的かつグローバルな視点で人財を育成する (改定:2026年4月28日) (2)日本軽金属グループの経営環境①事業領域 当社グループはアルミニウム素材から中間製品、加工製品まで、アルミニウム総合メーカーならではのトータルソリューションの提供により、幅広く事業を展開し、高品質で付加価値の高い製品を生み出しております。 ②事業基盤 当社グループの強みは、アルミニウムの素材特性を熟知し、鋳造・押出・圧延などの素材技術に、表面処理、接合、曲げ、絞り、切断、切削といった多様な加工技術を掛け合わせることにあります。さらに、合金開発から設計・施工、組立、メンテナンス、サービスまでを一貫して担う総合力を発揮することで、従来の素材メーカーの枠を超え、「お客さまが求める価値」を創り、社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスをグループ一体となって提供しております。 (3)重要課題(マテリアリティ)当社グループは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現のために、アルミニウムに関する総合的かつ広範な事業領域を通じて貢献していきます。その中で当社グループが特に取り組むべき課題は何かを認識し、当社グループの持続的な成長および企業価値創造のための重要な経営課題としていくため、当社取締役会において『当社グループの重要課題(マテリアリティ)』を特定しています。 特定した重要課題5つの重要課題テーマ重要課題地球環境保護自社での温室効果ガス削減(スコープ1、2)サプライチェーンでの温室効果ガス削減(スコープ3)気候変動への対応(TCFD)水ストレスへの対応環境汚染の防止持続可能な価値提供再生可能エネルギーの利用拡大への取組み低炭素商品・サービスの開発、提供循環型経済・社会の推進強靭なインフラ整備、提供食糧の安定供給への貢献イノベーションによる未来づくり従業員の幸せ労働の安全衛生働きがいのある職場づくりダイバーシティ&インクルージョン人財の確保、育成責任ある調達・生産・供給安全、安心な商品・サービスの提供人権の保護、尊重安定したサプライチェーンの構築変化に柔軟で強靭なバリューチェーン企業倫理・企業統治ガバナンスの強化コンプライアンス体制の強化 (4)対処すべき課題 今後の世界経済は、地政学リスクの顕在化や主要各国の政策動向に起因する貿易の分断など、不確実性が一段と高まることが懸念されます。わが国においても、雇用・所得環境の改善や政策効果による景気下支えが期待される一方、物価動向や各国通商政策の変化、金融資本市場の変動を注視する必要が続くと見込まれます。 <当社グループの長期ビジョンと中期経営計画> こうした経営環境において、当社グループが持続的な成長を実現し続けるためには、長期的視点に立った意思決定と、経営資源の戦略的な配分が不可欠であり、向こう10年間の目指す姿を明確化した長期ビジョン「2035ビジョン」のもと、循環型価値創造を軸とする事業変革を推し進めてまいります。  2035ビジョンは、素材から加工・サービスまで幅広い事業領域を有する当社グループが、社会課題の解決と事業成長を両立し、グローバル市場で存在感ある企業グループとして進化し続けるための指標となるものです。 2026年度を初年度とする3ヵ年の新たな中期経営計画(以下「26中計」)は、2035ビジョンを実現するための第1ステップであり、2023年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画で構築した基盤のもと、2035ビジョンに向けた変革を実践する期間として、事業構造・経営基盤の強化を同時並行で進めてまいります。 ■ 基本方針①「新しい価値づくり」 当社グループの強みを軸にしながら、事業領域の選択と集中を進め、外部とのアライアンスやM&Aといった成長機会を積極的に活用し、新規ビジネスの創出と既存ビジネスの収益力強化を図ります。市場構造が急速に変化するなかで、脱炭素・資源循環など、社会全体のトレンドを的確に捉えた価値提供を強化していきます。 循環型サプライチェーンの構築は価値提供の重要な柱であり、アルミリサイクルによる低炭素素材の供給、加工プロセス全体の低炭素化、サプライチェーン全体を俯瞰した最適化など、素材から最終製品に至るまで一貫して価値を提供することができる体制を整え、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立してまいります。 ■ 基本方針②「プロセス変革」 外部環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するためには、事業プロセスそのものの高度化・効率化が必要であり、AI・データ活用を中心としたデジタル化の促進により、生産性の向上、品質の安定化、間接業務の効率化を進めます。これにより創出されたリソースをさらなる価値創造の領域へ再投資することで、当社グループ全体の競争力強化につなげます。 また、デジタル活用を最大化するため、DX人財の確保・育成、グループ全体のITインフラ整備、デジタルガバナンス基盤の強化を計画的に進めます。 併せて、事業ポートフォリオの最適化やグループ内再編を含む組織改革を着実に行い、効率的で強靭な経営体制を構築してまいります。  26中計に基づく施策の立案・推進については、2026年4月に新設した「グループ統合戦略室」が中心となり、全社視点での経営課題の抽出、グループ横断のシナジー創出、事業領域の再定義、資源配分の最適化を統轄します。グループ統合戦略室は、全体最適の経営を促進する機能を担い、2035ビジョンの実現に向けた経営改革を強力に推進する役割を果たしてまいります。 (5)経営指標①財務指標 2035ビジョンのもと、社会課題の解決と事業成長を両立し、グローバル市場で存在感ある企業グループとして進化し続けるための指標として、ROIC10%以上の実現を目指してまいります。また、26中計期間内の早期に、経常利益300億円超の安定収益基盤にしたうえで、ROIC8%以上を目指します。 (金額単位: 億円) 2025年3月期(実績)2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)売上高5,5025,8556,900営業利益217256270経常利益198236250親会社株主に帰属する当期純利益124156165R O I C(%)5.15.96.2 ②利益配分の基本方針 「財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、中長期的な視点から連結業績等を総合的に勘案し、株主の皆さまへの配当を実施する」ことを基本方針としております。利益還元の指標といたしましては、自己株式の取得を含む総還元性向30%以上を基準とし、配当額等を決定させていただきます。 なお、2027年3月期の配当金につきましては、自己株式の取得を含む総還元性向を40%程度とし、配当額等を決定させていただきます。 2026年3月期2027年3月期(予想)中間期末(予定)中間期末配当25円55円40円60円
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況 当期の世界経済は、各国における財政政策が景気の下支えとなり持ち直しの動きがみられたものの、米国の通商政策を背景とした貿易摩擦をはじめとする世界的な政策不確実性に加え、期の後半には中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりや市場変動が先行きの不透明感を強めました。わが国においては、雇用・所得環境の改善に支えられた個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調が続きましたが、米国の通商政策が自動車産業を中心に影響を及ぼし、企業収益の改善には一服感がみられる状況となりました。 アルミニウム業界においては、自動車関連の需要が2年連続の減少、金属製品関連の需要が2年ぶりの減少となったこと等から、アルミニウムの国内総需要は前期を下回りました。また、原料となるアルミニウム地金などの価格上昇が続きました。 当期の業績は、以下のとおりです。 軽圧事業グループの板部門や押出部門における半導体製造装置向けの需要回復の遅れが継続しましたが、メタル事業グループの自動車向け二次合金部門において国内では低調であったものの米国で好調であったこと、輸送機器事業グループのトラック架装が前期より回復したことに加え、化成品事業グループの化成品部門や箔事業グループのパウダー・ペースト部門も好調であったこと等から、売上高は前期を上回りました。採算面においても、アルミニウム地金市況等を反映したコスト上昇の影響があったものの、加工製品、関連事業セグメントが大きく改善したことや、販売価格の改定効果もあり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を上回りました。 連結経営成績 (単位:百万円) 当連結会計年度2026年3月期前連結会計年度2025年3月期比較増減(△印減少)売上高585,473550,18035,293(6.4%)営業利益25,62621,7443,882(17.9%)経常利益23,64619,7853,861(19.5%)親会社株主に帰属する当期純利益15,59012,3753,215(26.0%)  セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 なお、報告セグメントに属する事業グループおよび主要な会社・事業部門は、以下のとおりです。 セグメント事業グループ主要会社・事業部門アルミナ・化成品、地金化成品日本軽金属・化成品日本電極メタル日軽エムシーアルミ板、押出製品軽圧日本軽金属・板日軽金アクト日本軽金属・電極箔加工製品、関連事業輸送機器日本フルハーフ自動車部品日軽金ALMOエンジニアリング日軽パネルシステム日軽エンジニアリングインフラ日本軽金属・蒲原製造所日本軽金属・苫小牧製造所日軽物流箔、粉末製品箔東洋アルミニウム (アルミナ・化成品、地金)化成品事業グループにおきましては、化成品部門は、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナでは放熱難燃フィラー向けの好調継続などで前期を上回る販売となり、化学品では無機塩化物の販売低迷が続いたものの、原料コスト上昇に対する販売価格改定による増収もあって、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売増と販売価格の改定効果などにより、営業利益は前期を大幅に上回りました。炭素製品部門は、主力の鉄鋼業界向けカーボンブロックの販売が増加したことに加え、高収益案件への販売構成の改善効果などにより、売上高・営業利益ともに前期を大幅に上回りました。メタル事業グループにおきましては、主力の自動車向け二次合金部門は、国内は自動車生産の低調により前期並の販売となり、中国市場も低調が続いたものの、米国は販売環境好調が継続、タイは厳しい市場環境ながらも販売量が増加しました。加えて、同部門で2024年に操業開始したインド子会社の本格稼働が寄与し、当事業グループの売上高は前期を大幅に上回りました。採算面では、二次合金部門が増益となった一方、アルミニウム地金市況変動による減益影響などにより、営業利益は前期を下回りました。 以上の結果、アルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期比10.9%増の1,835億83百万円となりましたが、営業利益は前期比13.9%減の99億39百万円となりました。 (板、押出製品) 軽圧事業グループにおきましては、板部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、リチウムイオン電池ケース向け板材の好調やアルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。一方、採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少により、営業利益は前期を下回りました。 押出部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、トラック架装向けの販売が堅調に推移したことに加え、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少に加えアルミニウム地金市況を反映したコスト上昇の影響もあり、営業利益は前期を下回りました。 電子材料部門は、電子部品業界全体の需要は停滞したものの、車載向けアルミ電解コンデンサ用電極箔の販売増に加え、高電圧化製品の需要が拡大し平均販売単価が上昇したことから、売上高は前期を大幅に上回りました。一方、採算面では資材価格や労務費などのコスト上昇の影響が大きく、営業損益は前期から悪化しました。 以上の結果、板、押出製品セグメントの売上高は前期比7.4%増の1,112億19百万円、営業利益は上記主要部門以外における改善により、前期比1.9%増の56億59百万円となりました。 (加工製品、関連事業)輸送機器事業グループのトラック架装は、販売台数は前期並みとなったものの、販売価格改定効果の発現により、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売価格改定効果とアフターサービスの増加により、営業利益は前期を大きく上回りました。自動車部品事業グループにおきましては、国内で自動車生産量の一部回復に加え、新規案件の上市や新商品が増加し、海外では日系自動車メーカーの低迷が継続したものの、売上高は前期を上回りました。採算面では国内の増販、品種構成の改善、生産性改善、販売価格の適正化により前期と比べ大きく改善しました。エンジニアリング事業グループのパネルシステム部門は、冷凍・冷蔵分野では食品工場や低温流通倉庫の物流拠点増設、老朽化による更新に加え、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの改装に伴う需要が堅調に推移し、建設費高騰や人手不足による工期遅れの影響があったものの売上高は前期を上回りました。また、クリーンルーム分野は半導体関連の需要は継続しているものの、前期の大規模物件の受注に対する反動減により、売上高は前期を下回りました。以上の結果、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、採算面では大規模物件の減少の影響および労務費などコスト上昇の影響などにより、営業利益は前期を下回りました。景観エンジニアリング部門は、道路・橋梁分野を中心に需要は継続しているものの、建設資材価格上昇や人手不足の影響を受け、発注計画の見直しや工期延長が発生したことから、売上高は前期を下回りました。採算面でも販売減少に加え、労務費等のコスト上昇の影響により、営業利益は前期を大きく下回りました。以上の結果、加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期比3.1%増の1,776億60百万円、営業利益は前期比87.9%増の59億62百万円となりました。 (箔、粉末製品) 箔事業グループの箔部門は、医薬包材向け加工箔の販売が前期を下回り、リチウムイオン電池外装用箔は車載用が第3四半期に入り調整局面となったものの、販売価格がアルミニウム地金市況の反映や加工賃の改定で上昇したことにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。 パウダー・ペースト部門は、パウダー製品は、放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミの販売が好調に推移しました。ペースト製品は、主力の自動車塗料向けが国内では自動車生産の低調で減少した一方、海外では中国に加え北米や東南アジア向けの販売が増加しました。これにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。 日用品部門は、コンシューマー向けはフィルター商品の販売は伸長しているものの、アルミホイルなどの食品向けが販売価格改定後の減販影響により前期を下回る販売となりました。またパッケージ用品向けは、アルミ容器や紙コップの販売が堅調に推移し、原価高騰に対する販売価格改定効果が見られた一方で、冷凍食品の値上げ影響により紙容器の販売が減少しました。その結果、部門全体の売上高は前期を下回りました。 以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期比3.8%増の1,130億11百万円、営業利益は前期比40.1%増の76億50百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当期末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前期末に比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは256億23百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などの非資金損益項目が、運転資金の増加などによる支出を上回ったことによるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フロー収入は前連結会計年度と比べ135億64百万円増加しておりますが、これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは180億82百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前連結会計年度と比べ10億25百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは97億68百万円の支出となりました。これは主として借入金の返済によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、当連結会計年度は97億68百万円の支出となっておりますが、これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績及び受注実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため、生産実績及び受注実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。(b)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%) アルミナ・化成品51,53710.9 地金132,04611.0 アルミナ・化成品、地金183,58310.9 板製品76,9128.9 押出製品34,3074.1 板、押出製品111,2197.4 輸送関連製品76,2945.8 自動車部品事業33,9445.8 エンジニアリング44,878△0.5 その他22,544△1.9 加工製品、関連事業177,6603.1 箔、粉末製品113,0113.8 合計585,4736.4(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 2023中期経営計画レビュー 当社グループにおいては、2023年度を初年度とする中期経営計画(以下「23中計」)の最終年度として、23中計の基本方針である「新生チーム日軽金への取組み」および「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」に基づく施策を実行し、経営改革を推進してまいりました。 23中計における重要商品・サービスであるEV関連、半導体関連の需要の伸び悩みや、アルミニウム地金等の原材料価格の上昇など外部環境は大きく変化したものの、生産品目やサプライチェーンの再構築をはじめとした対応により着実に実績を積み重ねた結果、3期連続の増収増益となりました。 また、グループ内連携の強化による新商品・新ビジネス創出と資本効率の向上を企図して2024年に実施した事業グループ体制に基づき、当社グループの成長戦略の基盤づくりに取り組みました。たとえば、2025年上半期にインド共和国の再生アルミニウム事業会社への資本参加を決定・実行し、経済成長が著しいインド市場の取り込みとグローバルな循環型サプライチェーンの確立に経営資源を投入しました。同時にグループ内での会社再編も推進し、当社グループの最適な資源配分を可能とする体制整備を進めました。 さらに、2023年に策定した品質等に関する不適切行為の再発防止の取組みについては、当初の目標通り2026年3月に一連の取組みを完了しており、同取組みのもとで進めた経営改革の推進と内部統制機能の強化により、不適切行為の再発防止とともに、当社グループ経営を目指す将来像に向けて変革していくための基盤を構築しました。 ② 当連結会計年度の財政状態の分析 当社グループは、より健全で強固な経営体質にすることを狙いとした中期経営計画の諸施策と並行し、財務体質改善のための有利子負債削減や自己資本の充実に注力しております。 当連結会計年度末の総資産は、アルミニウム地金価格の上昇等による棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末と比べて120億8百万円増の5,563億15百万円となりました。 負債は、借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べて54億45百万円減の2,883億81百万円となりました。 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて174億53百万円増の2,679億34百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の42.8%から44.7%となりました。 ③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)概要 当連結会計年度の売上高は5,854億73百万円(前連結会計年度比 6.4%増、352億93百万円増)、営業利益は256億26百万円(同 17.9%増、38億82百万円増)、経常利益は236億46百万円(同 19.5%増、38億61百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は155億90百万円(同 26.0%増、32億15百万円増)となりました。 (b)営業利益 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、38億82百万円増の256億26百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。 (c)営業外収益・費用 営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、38百万円増加し、39億79百万円となりました。 営業外費用は、持分法による投資損失が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、59百万円増加し、59億59百万円となりました。 (d)特別利益・損失 特別利益は、投資有価証券売却益として31億52百万円、固定資産売却益6億48百万円計上いたしました。 特別損失は、減損損失を11億6百万円計上いたしました。減損損失の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。 (e)税金費用等 当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、課税所得が増加したこと等により、前連結会計年度と比べ、22億57百万円増加し、86億41百万円となりました。 非支配株主に帰属する当期純利益は、主として子会社である日軽エムシーアルミ㈱の非支配株主に帰属する利益であり、当連結会計年度は21億9百万円となりました。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する分析(a)キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、135億64百万円増加し、256億23百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の191億7百万円の支出に対し、当連結会計年度は180億82百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、97億68百万円の支出となりました。これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。 (b)資金需要・調達及び流動性について 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意しております。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要があります。 当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっております。 また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めております。 当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度120億59百万円、当連結会計年度256億23百万円の収入であり、前連結会計年度に比べると約135億円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによる影響です。2026年度以降も、営業キャッシュ・フローを安定的に創出できると考えておりますが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があることも認識しております。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針であります。 ⑥ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。また、会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると識別したものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (a)貸倒引当金 当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 (b)資産の評価 当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しております。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。 当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しております。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。 (c)繰延税金資産 当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上しております。 将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。 (d)退職給付費用及び債務 当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用しております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 経済情勢と景気変動
    当社グループの製品需要は、販売する国や地域の経済情勢や景気動向に大きく影響されます。特に日本国内の景気後退や顧客ニーズの変化は、販売減少を通じて、グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替・金利・商品市況変動
    海外からの原材料調達や海外事業展開により、為替相場の変動は邦貨換算後の価値に影響を与え、金利変動は借入金の支払利息に影響を与えます。また、アルミニウム地金や燃料などの商品市況の変動は、製品価格への転嫁が困難な場合に、グループの収益性を圧迫する可能性があります。
  • 事故・自然災害と公的規制
    火災、地震、水害などの自然災害や製造設備の事故は、生産活動の中断や損害発生により、グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業展開する各国での公的規制(環境、独占禁止、通商など)の強化や新たな規制導入は、コスト増加や事業継続に影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,498 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、事業戦略に対して直接または間接の損失発生、事業の中断や停止、信用・ブランドイメージを損なう等のリスクについて管理を行っております。 なお、紛争や政治的な不安による地政学的リスク、原材料価格の高騰のような経済的リスク等をはじめとするサプライチェーンリスクに対しても、事業別に総合的分析を行い、事前に軽減策を検討しております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済情勢及び景気動向等 当社グループは、コモディティビジネスから脱却して経済情勢及び景気動向に左右されにくい強固で安定した経営基盤の構築を目指して事業運営をしておりますが、当社グループの製品需要は販売している国・地域の経済情勢及び景気動向の影響を免れるものではなく、特に日本国内の景気後退による需要の縮小、あるいは顧客ニーズの大幅な変化は、販売減少等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替相場の変動 当社グループの外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しており、換算時の為替相場により現地通貨ベースの価値に変動がなくても邦貨換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、為替変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、外貨建ての資産・負債の一部について先物為替予約等によりヘッジを実施しておりますが、為替変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 金利動向 当社グループの金融機関等からの借り入れには変動金利によるものが含まれており、これに係る支払利息は金利変動により影響を受けます。当社グループは、金利変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、変動金利の借り入れの一部について金利スワップ契約によりヘッジを実施しておりますが、金利変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商品市況変動等 当社グループは、主要原材料であるアルミニウム地金等を海外(国内外商社経由を含む)から調達しております。アルミニウム地金等の価格変動に対しては長期契約や先渡取引によるヘッジの実施に加え、基本的に価格変動部分は製品価格に転嫁しております。また、重油等の燃料価格や補助原材料の価格、原材料等を輸入する際の船賃等の仕入に係る価格変動についても、価格上昇を当社グループの製品価格に転嫁することを基本としております。しかしながら、価格上昇の製品コストへの影響を完全に排除できるわけではなく、特に最終ユーザーに近い加工製品等については、アルミニウム地金等の価格上昇分等を直接製品価格に転嫁することが困難となる場合があります。当社グループは商品市況変動等が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するため、コスト削減及びより高付加価値の製品への転換等により対処を図っておりますが、商品市況変動等が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 事故・自然災害 火災、地震、水災、停電等の災害を想定して、近隣まで含めた災害発生時の対処、復旧計画、各種損害保険加入による対策、データのバックアップ体制等について、製造設備関連のみならず情報システム関連についても訓練・点検等を実施し、定期的に内容の見直しを行っておりますが、災害発生により損害を被る可能性があります。 かねてより大地震発生の可能性が言及されてきた、東海、東南海、南海トラフの連動巨大地震に対して、当社グループとしても、製造現場での防災対策等、重点的に対処しておりますが、大地震発生により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 公的規制 当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な公的規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、将来、コストの増加につながるような公的規制や、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような公的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 係争事件等 当社グループは、日本国内のみならず各国において法令遵守に努めておりますが、広範な事業活動の中で、今後係争事件等の対象となる可能性があり、裁判等で不利益な判決や決定がなされる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 債務保証等 当社グループは、投資先の借入金等に対しての債務保証契約等を金融機関等との間で締結しております。当社グループでは、債務保証等の履行を要求される可能性は僅少であると判断しておりますが、将来、債務保証等の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製品・サービスの品質 当社グループでは、社会やお客様からの要求事項や関連法令を把握し遵守することを徹底し、安全で安定した製品やサービスを提供し続けていくために、品質保証・管理活動を推進しておりますが、製品・サービスに関する品質問題が生じた場合は、顧客等から代品納入や補償等を求められるほか、製品・サービスへの信頼性低下から売上が減少する等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。  なお、現時点では予想できない上記以外の事象により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

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