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日本金属(5491)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • みがき帯鋼事業
    日本金属グループは、冷間圧延ステンレス鋼帯やみがき特殊帯鋼の製造・販売を主力としています。これらの製品は、主に子会社の日金スチール株式会社が販売を担い、タイやマレーシア、中国の子会社も一部販売しています。製造工程の一部は、日金精整テクニックス株式会社に委託されており、グループ内で連携して事業を運営しています。
  • 加工品事業
    型鋼製品などの加工品も手掛けており、これらは子会社の株式会社セフを通じて販売されています。また、電磁製品は日金電磁工業株式会社から仕入れており、一部の製品は関連会社の播磨電子株式会社に製造を委託することで、多岐にわたる製品を提供し収益を上げています。
  • 多角的な事業展開
    日本金属グループは、素材である鋼帯の製造から、それを加工した製品の販売まで一貫して手掛けることで、幅広い顧客ニーズに対応しています。国内外の子会社が販売や製造の一部を担うことで、事業の効率化とグローバルな展開を図り、安定的な収益基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • みがき帯鋼事業
    この事業は、冷間圧延ステンレス鋼帯やみがき特殊帯鋼の製造と販売を主に行っています。売上高は411.36億円、営業利益は6.01億円と、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。主に自動車業界など、高い品質と精度が求められる分野に製品を供給しており、国内外の子会社が販売を担っています。
  • 加工品事業
    型鋼製品や電磁製品などの加工品の製造と販売を行っています。売上高は101.62億円、営業利益は3.15億円で、みがき帯鋼事業に次ぐ規模の事業です。子会社を通じて製品を販売しており、一部の製品は関連会社に製造を委託するなど、効率的な生産体制を構築しています。
  • 事業の多角化と収益貢献
    日本金属グループは、みがき帯鋼事業と加工品事業の二つの主要セグメントで構成されています。みがき帯鋼事業が売上・利益ともに大きく貢献しており、グループの基盤を支えています。加工品事業も安定した収益を上げており、事業の多角化によりリスク分散を図りながら、グループ全体の成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SteelStripDivision 事業 411 6 1.5%
ProcessedProductsDivision 事業 102 3 3.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|554 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社と子会社8社及び関連会社1社で構成されており、冷間圧延ステンレス鋼帯、みがき特殊帯鋼及び加工品の製造、販売のほか、これらに付帯する事業を営んでおります。 当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであり、これらは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1) みがき帯鋼事業当社で製造した冷間圧延ステンレス鋼帯及びみがき特殊帯鋼は、主として連結子会社日金スチール㈱が販売し、連結子会社 NIPPON KINZOKU (THAILAND) CO.,LTD.、NIPPON KINZOKU (MALAYSIA) SDN.BHD.及び日旌鋼鉄貿易(上海)有限公司並びに非連結子会社日金ヤマニ㈱も一部販売しております。また、製造工程の一部については、連結子会社日金精整テクニックス㈱に加工依頼しております。(2) 加工品事業当社で製造した型鋼製品等は、連結子会社㈱セフを経由して、一部販売しております。電磁製品は連結子会社日金電磁工業㈱から仕入れており、一部の製品については、日金電磁工業㈱が関連会社播磨電子㈱に製造を委託しております。  事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内外の景気動向やユーザーの需要動向、競争激化、為替変動等により価格が影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の冷間圧延技術や専用設備、新製品開発のための継続的な研究開発投資。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:景気変動による業績悪化 / 金利及び為替の変動による業績悪化 / 新製品開発の遅延による成長性低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

日本金属は特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる強固な無形資産の存在を示す公開情報が限定的である。汎用性の高い金属素材を扱うため、差別化された無形資産による競争優位性は低いと考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の仕様や品質要求を満たす金属素材を調達する際、サプライヤー変更に伴う評価・承認プロセスに一定の手間が生じる可能性がある。しかし、代替材料や競合サプライヤーも存在するため、スイッチング・コストは限定的と見られる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

金属素材の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、顧客間の相互作用による競争優位性は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼業は規模の経済が働きやすい産業であり、生産効率や調達コストの最適化が競争力の源泉となり得る。日本金属が長年培ってきた生産ノウハウやサプライチェーン管理能力が、一定のコスト優位に寄与している可能性はある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鉄鋼業界は設備投資が大きく、業界再編が進む中で、特定のニッチ分野や加工技術において、一定の生産規模と市場シェアを持つ企業が寡占的な地位を築くことがある。日本金属が特定の製品群でこの状況にある可能性は否定できない。

  • 特殊鋼帯の技術力
    日本金属は、冷間圧延ステンレス鋼帯やみがき特殊帯鋼といった特殊な鋼帯の製造に強みを持っています。これらの製品は高度な技術と品質管理が求められるため、長年の経験とノウハウが競争優位の源泉となっています。特に自動車業界など、精密な材料が求められる分野でその技術力が活かされています。
  • グループ連携による効率性
    製造から販売まで、子会社がそれぞれの役割を担うことで、グループ全体として効率的な事業運営を実現しています。例えば、日金スチールが販売を、日金精整テクニックスが加工を担うことで、専門性を高めつつ、一貫したサプライチェーンを構築しています。これにより、コスト削減や品質向上に繋がっている可能性があります。
  • グローバルな販売網
    タイ、マレーシア、中国といったアジア諸国にも販売拠点を持ち、海外市場への展開を進めています。これにより、特定の地域に依存しない安定した収益基盤を構築し、多様な顧客層へのアプローチが可能となっています。海外での販売比率も高く、国際的な競争力を有していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、1.社会との共生、地球環境の保護に努め、社会的責任を果たします。2.「象の歩む道」には踏み込まず、付加価値の高い製品で社会に貢献します。3.技術の向上と革新を継続し、品質とサービスで、お客様のマインド・シェアNo.1を目指します。4.社員の個性を尊重し、自由闊達な風土のもと、活力ある会社を目指します。 以上の経営方針のもと、いかなる環境の変化にも耐え得る個性的な企業体質の構築に努めます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 世界経済は、ウクライナや中東地域などで不安定な国際政治情勢が続いていることに加え、米国を中心とした保護貿易政策の拡大、原材料・エネルギー・副資材・物流の価格の高止まりなどのインフレ圧力も継続し、不透明な状況が続くことが予想されます。国内経済におきましても、実質賃金の上昇を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな景気回復が継続することが予想されるものの、コストプッシュ要因での諸コストの上昇や金融政策の見直しによる政策金利の上昇などが見込まれます。また、中長期的にも、産業構造の変化や国際競争の激化など、今後も厳しい事業環境が続くものと想定しております。 このような状況の中、引き続き原材料などの諸コスト上昇を反映させた販売価格の是正、徹底したコストダウン、品質向上、生産効率の改善など全社的な収益改善活動を継続し、業績の向上に努めてまいります。 次期の見通しにつきましては、当連結会計年度において継続した国内サプライチェーン間での自動車部品の在庫調整が進展し、需要の回復が見込まれますが、EV化が加速的に伸長する海外での非EV車の販売不振や、中国経済の成長率鈍化などを背景とする世界経済の停滞予想により、当社グループの事業環境は不透明で厳しい状況が継続すると見込まれます。また、原材料などの諸コストの上昇等を反映させた販売価格の是正につきましても、その価格が反映されるまでのタイミングの遅れなどもあり、業績の本格的な改善は下期にずれ込むものとの予想から、第2四半期(累計)では損益が均衡するに留まるものの、通期における連結業績の売上高は53,400百万円、営業利益900百万円、経常利益600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円としております。当社グループとしましても、できる限りの対策を取って業績の早期改善に努めてまいります。 なお、当社グループは、第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」(10カ年計画)の「ターゲットアイテム拡大・事業化」と「高収益体質の実現」をコンセプトとした第3フェーズ(2025年度~2029年度)のスタート年度となる第119期を迎えました。『人と地球にやさしい新たな価値を共創するMulti & Hybrid Material企業』をビジョンに掲げ、生活様式や次世代技術が急速に変化していくことが予測される中、「マルチ&ハイブリッドマテリアル(多種多様な素材を活用する)」、「ニアネットシェイプ(最終製品形状に近い複雑な成形加工を実現する)」、「ニアネットパフォーマンス(最終製品に要求される性能を素材・部材で実現する)」をキーワードに、当社の原点である圧延技術と加工技術を極め、新たなニーズに対応する新技術・新製品を主力に事業構造を変革し、当社独自の環境配慮製品であるエコプロダクトの販売強化など、競合他社との差別化を図ってまいります。さらに、全てのお客様、取引先並びに当社グループ会社とのリレーションシップを深化させていくことで、更なる成長を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、1.社会との共生、地球環境の保護に努め、社会的責任を果たします。2.「象の歩む道」には踏み込まず、付加価値の高い製品で社会に貢献します。3.技術の向上と革新を継続し、品質とサービスで、お客様のマインド・シェアNo.1を目指します。4.社員の個性を尊重し、自由闊達な風土のもと、活力ある会社を目指します。 以上の経営方針のもと、いかなる環境の変化にも耐え得る個性的な企業体質の構築に努めます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 世界経済は、ウクライナや中東地域などで不安定な国際政治情勢が続いていることに加え、米国を中心とした保護貿易政策の拡大、原材料・エネルギー・副資材・物流の価格の高止まりなどのインフレ圧力も継続し、不透明な状況が続くことが予想されます。国内経済におきましても、実質賃金の上昇を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな景気回復が継続することが予想されるものの、コストプッシュ要因での諸コストの上昇や金融政策の見直しによる政策金利の上昇などが見込まれます。また、中長期的にも、産業構造の変化や国際競争の激化など、今後も厳しい事業環境が続くものと想定しております。 このような状況の中、引き続き原材料などの諸コスト上昇を反映させた販売価格の是正、徹底したコストダウン、品質向上、生産効率の改善など全社的な収益改善活動を継続し、業績の向上に努めてまいります。 次期の見通しにつきましては、当連結会計年度において継続した国内サプライチェーン間での自動車部品の在庫調整が進展し、需要の回復が見込まれますが、EV化が加速的に伸長する海外での非EV車の販売不振や、中国経済の成長率鈍化などを背景とする世界経済の停滞予想により、当社グループの事業環境は不透明で厳しい状況が継続すると見込まれます。また、原材料などの諸コストの上昇等を反映させた販売価格の是正につきましても、その価格が反映されるまでのタイミングの遅れなどもあり、業績の本格的な改善は下期にずれ込むものとの予想から、第2四半期(累計)では損益が均衡するに留まるものの、通期における連結業績の売上高は53,400百万円、営業利益900百万円、経常利益600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円としております。当社グループとしましても、できる限りの対策を取って業績の早期改善に努めてまいります。 なお、当社グループは、第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」(10カ年計画)の「ターゲットアイテム拡大・事業化」と「高収益体質の実現」をコンセプトとした第3フェーズ(2025年度~2029年度)のスタート年度となる第119期を迎えました。『人と地球にやさしい新たな価値を共創するMulti & Hybrid Material企業』をビジョンに掲げ、生活様式や次世代技術が急速に変化していくことが予測される中、「マルチ&ハイブリッドマテリアル(多種多様な素材を活用する)」、「ニアネットシェイプ(最終製品形状に近い複雑な成形加工を実現する)」、「ニアネットパフォーマンス(最終製品に要求される性能を素材・部材で実現する)」をキーワードに、当社の原点である圧延技術と加工技術を極め、新たなニーズに対応する新技術・新製品を主力に事業構造を変革し、当社独自の環境配慮製品であるエコプロダクトの販売強化など、競合他社との差別化を図ってまいります。さらに、全てのお客様、取引先並びに当社グループ会社とのリレーションシップを深化させていくことで、更なる成長を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、実質賃金の改善やインバウンド消費の拡大など緩やかに持ち直している一方で、物価高騰により個人消費が伸び悩み、建築分野では建設コストの上昇や人材不足による計画の見直しなど不安定な状況が継続いたしました。また、世界経済は、不動産市場や個人消費の停滞などを背景に中国経済での回復が遅れており、ウクライナや中東地域での地政学的リスクの長期化に加え、米国による自動車・鉄鋼製品などへの追加関税政策など、経済の先行きに対する不透明感が増す状況が継続しております。 ステンレス業界におきましては、当社グループの主要な市場である自動車分野において、国内では自動車メーカーの認証問題により自動車生産台数が低迷し、海外では中国市場の停滞や世界的に普及が進むEV化への対応が遅れた日本車の販売が減速するなど、厳しい事業環境が継続いたしました。 このような状況のもと、当社グループでは、原材料、エネルギー、副資材、物流などの高騰する諸コストを適時反映させた販売価格の是正、販売費及び一般管理費を含む事業コストの徹底した削減、生産効率や品質の改善など全社的な収益改善活動を継続してまいりましたが、自動車分野を中心とした需要回復の遅れにより生産・販売数量が大幅に減少した影響をカバーするには至りませんでした。 この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は前期と比べ112百万円(0.2%)減収の51,298百万円となりました。損益面につきましては、営業損益は189百万円の損失(前期は1,095百万円の損失)、経常損益は474百万円の損失(前期は1,261百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、遊休地の譲渡による固定資産売却益1,822百万円を計上したものの、本社ビルの譲渡による特別利益として固定資産売却益4,232百万円を計上した前期に比べ841百万円(54.5%)減益の703百万円の利益となりました。  セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。 a. みがき帯鋼事業 冷間圧延ステンレス鋼帯につきまして、当社の主力製品である自動車関連用途の国内向けは、下半期からは自動車メーカーの認証問題が解消に向かいましたが、新型車の型式指定の取得に時間がかかるなど新型車の投入がずれ込んだことなどにより、販売が伸びない結果となりました。また、海外向けでは、特に当社の主力輸出先である中国で当社製品のシェアが高い欧米車・日本車の非EV車からEV車、PHV車などの新エネ車へのシフトが進むなど、販売が低迷したことに加え、現地ステンレスメーカーが低コストを武器にシェアをさらに拡大したこともあり、主にモール向けの販売数量が大幅に減少しました。一方で、AIの普及によるデータセンターの拡大でサーバー用ハードディスクや精密ベアリング用途、ゲーム機や自動車、家電で使用されるコイン電池、新型ゲーム機向け機構部品などの電子部品関連の販売が回復しました。また、メタリック感を活かした黒加飾ステンレス鋼(ファインブラック)は、国内大手自動車メーカーの高級車(SUV・ミニバン)の外装モール用材への採用がさらに増加しました。2026年3月期以降、黒加飾ステンレス鋼は新製品のマット調(艶消し)ファインブラック仕様も採用が決定しており、今後さらに数量が拡大する見通しです。その他、医療関連は注射針用材でインスリンや肥満防止薬の注射針用途での需要増に伴うユーザーでの設備増強で、国内及び中国、インド向けで増加しております。当社の独自製品や独自技術に対する国内外の需要家への認知度向上を図るため、既存の販売ルートに加えて、プレスリリースを活用した国内、海外への情報発信を積極的に実施した結果、自動車関連がインドや東南アジア、医療関連が欧州や中国、インド向けに受注を拡大しています。 みがき特殊帯鋼につきましては、ステンレス鋼帯と同様に自動車関連の販売数量が減少しました。また、主に建屋内装で使用する刃物用途で北米市場の政策金利引き上げを受けた住宅販売件数の減少に伴う販売減もあり、全体として販売数量は伸びを欠く結果となりました。 原材料価格やエネルギー・副資材などの製造コストの上昇に対しては、全ての変動要因に対し販売価格へ反映させる指標を策定し、継続的に販売価格の是正に加えて、労務費増や物流費増などについても、国が示す「労務費転嫁の指標」及び「トラック運送事業の新しい標準的運賃」に基づき、販売価格の是正を進めました。さらに低収益品の販売価格の是正や差別化製品のエキストラ改定など、付加価値に見合った価格へ是正を進め、収益の維持に努めましたが、販売数量の大幅な減少による業績の悪化を避けることはできませんでした。 以上の結果、みがき帯鋼事業の売上高は、前期と比べ92百万円(0.2%)増収の41,136百万円、営業損益は601百万円の利益(前期は418百万円の損失)となりました。 b. 加工品事業 福島工場取扱製品につきましては、主力製品である自動車駆動部品用高精度異形鋼が自動車電動化の影響を受けた大幅な需要減を受け販売が減少しました。自動車駆動部品用高精度異形鋼は、需要減を受けた需要家の購買方針の決定を受け、2025年3月期の契約数量販売をもって終息することが決定しております。一方、半導体装置向けの産業機器製品や当社フォーミング部材が国の補助金制度を活用した住宅リフォームに継続採用されていることもあり堅調に推移しました。また型鋼製品は市場が縮小する中で、治水関連やエネルギー(LNG)関連用途などの獲得に加え、当社独自製品である異形鋼(Iバー)の販売が伸びたことで前年同様の販売を維持しました。その他、原材料価格や製造コストの上昇に対しては、鋼帯製品と同様に販売価格の是正を進めました。 岐阜工場取扱製品につきましては、自動車関連で内燃機関(ICE)を有する自動車向け部品の販売減少が継続しましたが、文具向けでは当社ユーザーの製品在庫調整が完了し、受注は回復しております。また、医療機器、計測機器、分析機器や半導体製造装置向けで、従来の加工技術をさらに細径まで深化させ開発した内面高精度管が品質やコスト優位性及び米中貿易摩擦を背景として中国向け引き合いが拡大をしております。その他、生産時に使用する副資材の高騰に対する販売価格の是正も進めました。 以上の結果、加工品事業の売上高は、前期と比べ205百万円(2.0%)減収の10,162百万円、営業利益は前期と比べ241百万円(43.4%)減益の315百万円となりました。 ②財政状態の状況 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ5,187百万円減少の69,897百万円となりました。 流動資産は、3,858百万円減少の38,693百万円となりました。これは主に、売上債権が2,828百万円、棚卸資産が合計で1,141百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。 固定資産は、1,329百万円減少の31,204百万円となりました。これは主に、遊休地の売却等により有形固定資産が896百万円減少したことに加え、繰延税金資産が297百万円、投資有価証券が121百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。 負債合計は、前連結会計年度末と比べ6,181百万円減少の42,040百万円となりました。 流動負債は、1,457百万円減少の28,987百万円となりました。これは主に、短期借入金が1,738百万円増加したものの、仕入債務が2,510百万円、未払法人税等が644百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。 固定負債は、4,723百万円減少の13,053百万円となりました。これは主に、長期借入金が4,780百万円減少したこと等によるものであります。 純資産は、前連結会計年度末と比べ993百万円増加の27,856百万円となりました。 株主資本は、703百万円増加の19,664百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が703百万円増加したこと等によるものであります。 その他の包括利益累計額は、290百万円増加の8,191百万円となりました。これは主に、土地再評価差額金が88百万円、その他有価証券評価差額金が80百万円それぞれ減少したものの、円安の進行により為替換算調整勘定が412百万円増加したこと等によるものであります。 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の35.8%から4.1ポイント上昇し、39.9%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,012.92円から148.48円増加の4,161.40円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収支と投資活動による収支を合わせると、2,917百万円の収入(前期3,993百万円の収入)であり、これに、財務活動による収支を加味すると、269百万円の支出(前期3,491百万円の収入)となり、前連結会計年度末に比べ資金は41百万円(0.3%)の減少となり、当連結会計年度末には11,834百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,209百万円の収入(前期203百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の減少2,947百万円(前期1,639百万円の増加)があった一方、仕入債務の減少2,623百万円(前期519百万円の減少)があったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,708百万円の収入(前期4,197百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1,106百万円(前期2,705百万円の支出)であった一方、有形固定資産の売却による収入2,616百万円(前期7,090百万円の収入)があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,187百万円の支出(前期502百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入による収入が2,960百万円(前期20百万円の支出)であったのに対し、長期借入金の返済による支出が6,002百万円(前期5,898百万円の支出)であったこと等によるものであります。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。 (2) 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)みがき帯鋼事業32,4812.2加工品事業6,879△14.9合計39,360△1.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。 b. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)みがき帯鋼事業40,2101.25,126△15.3加工品事業10,100△1.1765△7.4合計50,3110.75,892△14.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)みがき帯鋼事業41,1360.2加工品事業10,162△2.0合計51,298△0.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)田島スチール㈱5,1149.95,18410.1

事業リスク

  • 景気変動と需要構造の変化
    日本金属グループの製品は、自動車業界をはじめとする様々な市場で販売されており、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場の景気後退は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、自動車業界におけるEV化やCASEの進展は、製品需要の構造を変化させる可能性があり、今後の事業展開に影響を与えるリスクがあります。
  • 金利・為替の変動リスク
    海外売上高比率が23.8%と高く、顧客を通じたものを含めるとさらにその比率は上昇します。在外子会社の財務諸表が現地通貨建てであるため、為替変動は業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動も資金調達コストなどに影響を与えるリスクがあります。
  • 原材料価格の変動と供給体制
    製品の主原料であるステンレス鋼の価格は、国内外の需給動向、原燃料生産国の政策、国際紛争、投機的取引、為替変動などにより大きく変動する可能性があります。これにより、仕入れコストが増加し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、主原料の供給元企業が災害などで供給できなくなった場合、生産遅延や販売機会損失が発生する可能性もあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,738 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生に備えての対策を講じていく予定であります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 景気変動について当社グループの製品は、直接あるいは顧客を通じて間接的に、全世界の様々な市場で販売されております。従って、日本、北米、欧州、アジア等の主要市場における景気後退などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の多くは、主に自動車業界に納入されており、EVやCASEの進展による需要構造の変化の影響等を受ける可能性があります。 (2) 金利及び為替の変動について当社グループは、海外売上高比率が23.8%で、顧客を通じたものを含めると相当な比率となり、また、在外子会社の財務諸表は現地通貨建で作成されているため、為替変動の影響を受けます。さらに、当社グループは、金利変動の影響を受ける可能性もあります。従って、急激な金利及び為替相場の変動等が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 新製品開発について当社グループは、魅力ある新製品を開発するため、継続的な研究開発投資を積極的に行っております。しかしながら、技術の急速な進歩や顧客ニーズの変化により、期待通りに新製品開発が進まない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 価格競争について当社グループが属しているステンレス業界の需要及び価格動向は、国内外の景気動向やユーザーの需要動向、国内外メーカーの市場参入・拡大・強化による競争激化、為替相場の変動、海外各地域の政治的、経済的又は法的環境等により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外販売に潜在するリスクについて当社グループは、販売の一部を中国やアジア諸国並びに欧米諸国に対して行っております。これらの海外市場への販売には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱等のリスクが常に内在されております。これらの事象が起これば、当社の事業の遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 主原料の供給体制について当社グループは、主原料をグループ外の企業から供給を受けております。これらの供給元企業が、災害等の事由により、当社グループの必要とする数量を予定通り供給できない場合、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 主原料の仕入価格の変動について当社グループが取扱う製品の主原料は、主にステンレス鋼であります。価格については、国内外の鋼材需給の動向や原燃料生産国における資源政策、自然災害、国際紛争、投機的取引等に起因する相場変動、為替変動等により、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 製品の欠陥について当社グループは、厳格な品質管理基準にのっとり各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 知的財産について当社グループは、研究開発等によって得られた成果については、特許、意匠及び商標等産業財産権によるか当社独自技術(ノウハウ)として当該技術の保護・管理を図っております。しかし、特定の地域においては産業財産権による保護が充分でなく、第三者が当社グループの知的財産を使用し類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、当社グループの将来の製品又は技術が、他社の産業財産権を侵害しているとされる可能性があります。 (10) 公的規制について当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、関税をはじめとする輸出入規制等、様々な政府規制・法規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。従って、これらの規制は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 災害等のリスクについて当社グループでは、地震や洪水等を含めた防災対策を徹底しており、過去の自然災害発生時にも事業への影響を最小限に止めた実績があります。しかし、想定を超える大規模な自然災害が発生した場合には、停電又はその他の中断事象による影響を完全に防止又は軽減できない可能性があります。また、生産設備等において、電気的又は機械的事故、火災や爆発、労働災害等が生じた場合には、一部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延すること等により費用や補償の支払が発生するとともに、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生するなどして、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 人材の確保について新技術及び新商品の開発及び製造には、有能な技術者及び熟練技術者の確保が重要であります。当社グループでは、有能な技術者の確保に注力し、また熟練技術者の育成を図っておりますが、有能な人材確保及び育成を継続できない場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性について当社グループは、生産設備や土地等の固定資産を有しておりますが、経営環境の変化等により固定資産の収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上することとなり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、将来の課税所得の見積りに基づき繰延税金資産を計上しておりますが、経営環境の変化等により将来の課税所得の見積り等に変動が生じた場合、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

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