5482

愛知製鋼(5482)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

鉄鋼 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • 特殊鋼・ステンレス鋼の製造販売
    愛知製鋼は、自動車産業向けを中心に、熱間圧延材の特殊鋼やステンレス鋼を製造・販売しています。これらの素材は、自動車部品の強度や耐久性を高めるために不可欠であり、同社の主要な収益源となっています。
  • 鍛造品の製造販売
    自動車部品の粗形材や機械部品の粗形材など、型打鍛造品の製造・販売も手掛けています。鍛造品は金属を叩いて成形する技術で、高い強度と信頼性が求められる部品に利用され、国内外の自動車メーカーに供給されています。
  • 電子機能材料・磁石応用製品
    高度なメッキ技術を用いた車載用放熱部品や超小型磁気センサー、医療用義歯アタッチメント、自動車・家電向けのネオジム系磁石など、多岐にわたる高機能材料や応用製品を提供しています。これらは、自動車の電動化や電子化、医療分野の進化を支える重要な技術です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鋼(ハガネ)カンパニー
    特殊鋼の製造・販売を主に行う事業部門です。自動車部品などに使われる熱間圧延材を製造し、製鋼用資材の生産や製品の運搬・保管もグループ会社が行っています。最新年度の売上は682.16億円ですが、営業利益は-22.94億円と赤字でした。
  • ステンレスカンパニー
    ステンレス鋼やチタン製品の製造・販売を手掛ける事業部門です。熱間圧延材や二次加工品、ステンレス構造物エンジニアリングを提供し、アジア地域での販売も行っています。最新年度の売上は327.57億円で、営業利益は24.67億円と黒字を計上しています。
  • 鍛(キタエル)カンパニー
    自動車部品や機械部品の粗形材など、型打鍛造品の製造・販売を行う事業部門です。鍛造用金型加工品の製造も行い、アジアや北米にも製造・販売拠点を展開しています。最新年度の売上は860.12億円で、営業利益は19.09億円と、同社の中で最も売上規模の大きい事業です。
2021-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
HaganeCompanyReportableSegment 事業 682 -23 -3.4%
StainlessCompanyReportableSegment 事業 328 25 7.5%
KitaeruCompanyReportableSegment 事業 860 19 2.2%
SmartCompanyReportableSegment 事業 155 7 4.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,136 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)、トヨタ自動車㈱(その他の関係会社)及び連結子会社17社、非連結子会社1社、関連会社2社で構成され、鋼材(特殊鋼及びステンレス鋼)、鍛造品、電子機能材料・部品及び磁石応用製品の製造・販売を主な内容とし、事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「4.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 鋼(ハガネ)カンパニー当社が、特殊鋼(熱間圧延材)の製造・販売を行うほか、アイチセラテック㈱及び近江鉱業㈱は製鋼用資材の生産、アイチ物流㈱は鋼材製品の運搬・保管を行っております。 ステンレスカンパニー当社が、ステンレス鋼及びチタン(熱間圧延材、二次加工品)並びにステンレス構造物エンジニアリングの製造・販売を行うほか、愛鋼㈱は当社製品の販売、特殊鋼及びステンレス鋼の加工・販売、アイチ テクノメタル フカウミ㈱はステンレス鋼の圧延・二次加工・販売を行っております。また、アイチコリア㈱はアジアにおいて、当社製品の販売を行っております。 鍛(キタエル)カンパニー当社が、型打鍛造品(自動車部品粗形材、機械部品粗形材など)及び鍛造用金型加工品の製造・販売を行うほか、㈱アスデックスは鍛造用金型加工品の製造・販売を行っております。また、アイチ フォージ フィリピン㈱、アイチ フォージ(タイランド)㈱、上海愛知鍛造有限公司及びアイチ フォージング インドネシア㈱はアジア、アイチフォージ ユーエスエイ㈱は北米で型打鍛造品の製造・販売を行っております。 スマートカンパニー当社は電子機能材料・部品及び磁石応用製品並びに植物活性材、金属繊維を製造・販売しております。主な製品として、電子機能材料・部品では、高度なメッキ技術による車載用放熱部品等の電子部品や超小型・超高感度磁気センサであるアモルファスMIセンサがあります。また磁石応用製品としては、医療市場向けの義歯用アタッチメント、自動車・家電市場向けのネオジム系異方性ボンド磁石があります。アイチ ヨーロッパ㈲は欧州において、磁石応用製品、金属繊維等の販売、愛知磁石科技(平湖)有限公司はアジアにおいて、磁石応用製品の販売、浙江愛智機電有限公司はアジアにおいて、磁石応用製品の製造を行っております。 その他事業アイチ情報システム㈱がコンピュータソフト開発、アイコーサービス㈱が物品販売や緑化などのサービス事業を行っております。 (事業系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要需要先である自動車業界の厳しいコスト競争と価格競争の激化
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
特殊鋼・鍛造品における鍛鋼一貫・粗加一貫の技術力、新素材と高機能・高付加価値部品の提供
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況による製品需要の変動 / 原材料、エネルギー及び副資材の価格変動と調達困難 / 為替相場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

愛知製鋼は特殊鋼メーカーであり、特定のブランド力や特許による独占的な競争優位性は限定的である。汎用的な素材産業であり、無形資産によるモートは構築しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車部品や産業機械向けに特殊鋼を供給しており、顧客は品質や仕様の要求が厳しく、サプライヤー変更には評価・認証コストが発生する。しかし、代替材料や競合他社も存在するため、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

愛知製鋼の事業モデルは、ユーザー数の増加によって製品・サービスの価値が向上するネットワーク効果を生み出す構造ではない。BtoBの素材供給ビジネスであり、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鉄鋼業は規模の経済が重要であり、愛知製鋼は親会社であるジェイテクト(旧光洋精工)やトヨタグループとの連携により、原材料調達や販売チャネルにおいて一定のコスト優位性を有している可能性がある。生産効率の改善も継続的に行っている。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

特殊鋼分野において、愛知製鋼は国内有数のメーカーであり、一定の生産規模と技術力を有している。トヨタグループ内での地位や、自動車産業という巨大な市場を背景とした効率規模は、競合に対する優位性となっている。

  • トヨタグループとの強固な関係
    愛知製鋼はトヨタ自動車を主要な販売先とし、トヨタグループ企業集団への依存度が高いです。これは安定した需要と事業基盤を意味し、製品開発や品質管理においても連携を深めることで、競争優位性を確立しています。
  • 多角的な事業展開とグローバル供給網
    鋼材、鍛造品、電子機能材料、磁石応用製品と幅広い事業を展開し、アジアや北米、欧州に製造・販売拠点を設けています。これにより、特定の市場や製品に依存しない安定した収益構造と、グローバルな顧客ニーズへの対応力を有しています。
  • 高度な技術力と品質管理体制
    特殊鋼やステンレス鋼の製造、鍛造技術、電子機能材料の開発において、長年培ってきた高度な技術力と厳格な品質管理体制を持っています。これにより、自動車産業をはじめとする顧客からの高い要求に応え、信頼性の高い製品を提供できる点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 当社は、国際的な視野に立ち、企業集団の総合力を結集して、「研究と創造」の精神で高い技術による魅力ある商品を提供することにより、株主、顧客、社会に貢献することを経営の基本方針としております。この経営の方針は、「経営理念」として掲げており、その内容は次のとおりです。 -経営理念-国際的な視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する。1.研究と創意につとめ、常に時流に先んずる。2.相互の信頼と理解のもとに、一致協力する。3.責任ある判断と行動のもとに、常に最善を尽くす。 この経営理念を実践することにより、年々変化する経営環境においても持続的な成長を続けると共に、広く社会から信頼され、必要とされるべく、「世界中で選ばれる会社」を目指しています。その実現に向けて、「愛知製鋼グループが将来目指す姿」を示した「愛知製鋼グループ 2030年ビジョン」(2020年8月4日公表。以下、「2030年ビジョン」という。)及びその実行計画である「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画」(2024年5月30日公表。以下、「中期経営計画」という。)に加え、中期経営計画をベースに、稼ぐ力強化を主眼に置いた成長戦略と財務・資本戦略を具体化し、2040年までの当社の目指す姿を示した「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画のアップデート及び 2030年ビジョンの利益目標の上方修正」(2025年2月26日公表。以下、「中期経営計画アップデート及び2030年ビジョンの利益目標見直し」という。)を策定、公表しております。 1.中期経営計画の基本方針2030年ビジョンの実現に向け、社会課題解決の重要性の高まりや常に変化する環境を先読みしつつ、お客様のお役に立ち、必要とされる会社を目指し、社会的価値の創造と持続的成長へ繋げる3年間としてまいります。 2.中期経営計画の重点施策2024-26年度の中期経営計画の3年間で、当社が社会から必要とされる「良き企業」であり、「成長する企業」であることを改めてお約束し、社会的価値の創造と成長戦略を確かなものにし、持続的な社会に貢献してまいります。そのうえで、地球環境・社会への貢献を進めつつ、お客様のお役に立ち続けることを通じて、2030年ビジョンの実現を見据えた、連結営業利益150億円を目指してまいります。 (1)稼ぐ力を強化し、成長戦略を確かなものにする①スピード感ある価値創造・お客様の困り事解決に向け素材メーカーの知見、技術を活かし営業、開発一体で部材、部品ニーズへ貢献②鋼・鍛のポテンシャルを最大発揮  (鋼)・創業から培った鋼づくりを極めカーボンニュートラルへ貢献    ・パートナー協業による成長市場のモビリティ社会実現に貢献 (鍛)・業界再編を見据え新たな工法開発でのサプライチェーン維持、鍛鋼一貫で電動化進展へ貢献③新事業の成長促進・電子部品:一貫生産の強みを活かし電動化進展へ確実な供給対応と品質保証度を高め競争力に貢献・GMPS :実証から「構内物流」での社会実装により、少子高齢化、物流の運転手不足問題解決へ貢献・磁石 :調達リスク高まる重希土類不使用のマグファイン®の技術力を高め、安定供給に貢献④素材を通じた社会への貢献・ステンレス: 生産能力増強とエンジニアリング機能拡大・技術力強化でインフラ老朽化対策へ貢献・鉄供給材:CG(カンキツグリーニング)病の症状軽減を通し世界の農業問題解決に貢献 (2)社会的価値の創造を推進する①サステナビリティ課題への対応・当社のアイデンティティである資源循環型のモノづくりを強化し、会社の力・基盤強化につなげ持続的社会へ貢献②厳しく温かく人が育つ風土の醸成 ・社会課題を素早く認識し、正しく問題解決できる人材育成でサステナブル社会に貢献③将来の持続的成長に向けた財務戦略 ・長期目線に立った成長戦略を軸に「成長投資」と「株主還元」にキャッシュを積極配分しPBR改善 3.中期経営計画アップデート及び2030年ビジョンの利益目標見直し 創業の精神を継承・発展させ、「環境に一番やさしい鉄屋」として、資源循環型のモノづくりに磨きをかけるとともに、成長が期待される分野・地域にリソースを投入・積極投資を行うことで中期経営計画の達成を確実なものにし、変化の激しい経営環境の中においても、2030年までの出来る限り早い段階でのROE8%実現を目指し、2030年度の売上収益を4,000億円(既公表比+600億円)、営業利益280億円(既公表比+80億円)と定め、新たな目標の達成に向けてグループ一丸となり邁進してまいります。 (1)マルチパスウェイへの貢献:良品廉価な鋼材・鍛造品生産とさらなるカーボンニュートラル貢献①次世代製鋼プロセス・資源循環型モノづくりの強みを生かし圧倒的な品質・コスト・納期を実現する次世代製鋼プロセスを構築②鍛造設備の最適化・鍛鋼一貫及び粗加一貫(粗材~加工のワンストップ化)技術をベースとしたグリーン鍛造への進化 (2)需要地変化への対応:グローバルサウス(インド)事業展開・今後さらなる成長が期待されるグローバルサウス市場(特にインド)において、当社のアイデンティティである資源循環型のモノづくりを展開し、環境負荷最小化及び鋼材・鍛造品の安定供給に貢献 (3)社会課題へのソリューション提供:新技術・新商品の積極投入①ステンレス鋼の業務領域・付加価値拡大を通じて、事業拡大を目指す・増え続けるインフラ老朽化への当社エンジニアリング技術によるソリューション提供②4つの価値創造領域でスマート社会への貢献を目指す・電子部品:タイムリーな投資による増産体制の確立により、電動車向け製品の確実な生産対応と開発を推進・磁石:マグファイン®改良品(耐腐食性と低価格)を投入、電池や家電へのソリューション提供・センサ・金属繊維:GMPS(自動運転支援システム)のトヨタグループ構内物流での採用拡大・鉄供給材:CG(カンキツグリーニング)病対策として鉄資材のグループ販売網も活用した市場投入でソリューション提供 (4)基盤強化①DX/情報基盤の整備・強化、物流改革:DX活用による経営判断の迅速化及び、高効率輸送の追求②非財務資本の取り組み(人的/自然資本):「人を大切にする経営」「地球にやさしい経営」を愚直に実践 (5)財務・資本戦略:成長戦略と財務・資本戦略を両輪で進め資本収益性の向上を図る①株主還元・株主還元を強化し、ROE8%(2030年度)目標達成に必要な資本圧縮を段階的に実施②キャッシュアロケーション・事業成長と資本効率向上へ、2030年度までに戦略的成長投資(約1,000億円)・株主還元(700億円+α)を実施 4.経営指標目標とする経営指標につきましては、2030年度時点でのROE8%・連結営業利益280億円以上を達成するため、中期経営計画の最終年度にあたる2026年度に連結売上収益3,400億円、連結営業利益150億円、ROE4%以上の達成を目指してまいります。 5.対処すべき課題2025年度の国際経済は、トランプ政権による相互関税政策を発端とする貿易摩擦の激化も予想され、世界の貿易及び各国での生産・投資活動の落ち込みや、個人消費の下振れなど経済活動の落ち込みが懸念されます。日本国内においても、輸出の落ち込みによる企業収益の悪化や、輸入物価の上昇により消費者物価が上昇し、個人消費が抑制される可能性があるなど、下振れリスクは大きいと考えられます。自動車業界では、関税政策の影響を大きく受けるのに加え、足元で成長スピードが鈍化している世界のBEVシフトは、中長期的に再加速する可能性が高く、自動車メーカーによる競争は激しさを増すことが予想されます。当社は創業以来、特殊鋼や鍛造品など素材や部品を通じてクルマの可能性を広げてまいりましたが、今後も、自動車の発展に貢献してきた技術を活かし、自動車のみならず、広く社会課題解決に貢献できる素材を提供する「環境に一番やさしい鉄屋」として社会に貢献してまいります。また、変化に強い企業体質を作るため、これまで注力してきた「モノを作る力」に加えて、DX・情報基盤の整備、強化によるリアルタイム経営の実現(経営判断の迅速化)や、ムダ・ムラ・ムリを徹底排除した高効率物流網の整備など、環境と物流ドライバーにやさしい高効率輸送の追求といった「物流改革」も含め、全方位での収益構造改革を推進することで、「稼ぐ力」を向上してまいります。さらに、2050年度を目標としているカーボンニュートラルの早期実現も見据え、7工場のうち5工場は2022年度までにカーボンニュートラルを達成しており、カーボンニュートラルエネルギーの使用も含め、2030年でのCO2排出量50%削減(2013年度比)のメド付けも進んでおります。その先の2050年でのカーボンニュートラル実現には水素活用における技術的なブレークスルーが必要と考えられるため、刈谷工場での水素・都市ガス兼用バーナでの実証実験、実用化に向けた取り組みなど計画的に進めてまいります。上記のとおり、当社グループは“世のため、人のため”、“お役に立つ”という創業の精神に立ち戻り、課題に現地現物で正面から向き合うことで、変化に強い企業体質を作りながら、成長戦略の実現に向け、当社グループ一丸で取り組み、企業価値を高めてまいります。具体的には、中期経営計画期間となる2024-26年度の2年目として、引き続き「変革のリーダー、私。」をスローガンに掲げ、一人ひとりが主役となって、以下の方針に則り、施策に取り組んでまいります。 1. 創業の精神に則り、自らの倫理観と仕事への誇りに基づいた正直で真っ当な企業行動1-(1):常にお客様を意識し、その期待に応える1-(2):安全・品質は絶対である 1-(3):社会への責任として持続性を自覚する 2.成長戦略を必ずやり遂げ、お約束を守り、未来への責任を果たす2-(1):「稼ぐ力」を徹底的に鍛え、「成長戦略」のロードマップを具体化し着実に実行する      (自工程完結・日常管理・TPSの徹底と拡販)2-(2):柔軟でスピーディーなリソーセス配分と強靭かつ機動的な財務政策 3.厳しく温かく人が育つ風土を築き上げ、人を大切にする経営を実践3-(1):問題解決を通した人材育成の強化(真因を見極め最後までやり抜く改善マインド・改善能力)3-(2):アイチの価値観の共有・徹底を通じた一体感のレベルアップ3-(3):一人ひとりがイキイキと活躍できる健康経営の強化
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 当社は、国際的な視野に立ち、企業集団の総合力を結集して、「研究と創造」の精神で高い技術による魅力ある商品を提供することにより、株主、顧客、社会に貢献することを経営の基本方針としております。この経営の方針は、「経営理念」として掲げており、その内容は次のとおりです。 -経営理念-国際的な視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する。1.研究と創意につとめ、常に時流に先んずる。2.相互の信頼と理解のもとに、一致協力する。3.責任ある判断と行動のもとに、常に最善を尽くす。 この経営理念を実践することにより、年々変化する経営環境においても持続的な成長を続けると共に、広く社会から信頼され、必要とされるべく、「世界中で選ばれる会社」を目指しています。その実現に向けて、「愛知製鋼グループが将来目指す姿」を示した「愛知製鋼グループ 2030年ビジョン」(2020年8月4日公表。以下、「2030年ビジョン」という。)及びその実行計画である「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画」(2024年5月30日公表。以下、「中期経営計画」という。)に加え、中期経営計画をベースに、稼ぐ力強化を主眼に置いた成長戦略と財務・資本戦略を具体化し、2040年までの当社の目指す姿を示した「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画のアップデート及び 2030年ビジョンの利益目標の上方修正」(2025年2月26日公表。以下、「中期経営計画アップデート及び2030年ビジョンの利益目標見直し」という。)を策定、公表しております。 1.中期経営計画の基本方針2030年ビジョンの実現に向け、社会課題解決の重要性の高まりや常に変化する環境を先読みしつつ、お客様のお役に立ち、必要とされる会社を目指し、社会的価値の創造と持続的成長へ繋げる3年間としてまいります。 2.中期経営計画の重点施策2024-26年度の中期経営計画の3年間で、当社が社会から必要とされる「良き企業」であり、「成長する企業」であることを改めてお約束し、社会的価値の創造と成長戦略を確かなものにし、持続的な社会に貢献してまいります。そのうえで、地球環境・社会への貢献を進めつつ、お客様のお役に立ち続けることを通じて、2030年ビジョンの実現を見据えた、連結営業利益150億円を目指してまいります。 (1)稼ぐ力を強化し、成長戦略を確かなものにする①スピード感ある価値創造・お客様の困り事解決に向け素材メーカーの知見、技術を活かし営業、開発一体で部材、部品ニーズへ貢献②鋼・鍛のポテンシャルを最大発揮  (鋼)・創業から培った鋼づくりを極めカーボンニュートラルへ貢献    ・パートナー協業による成長市場のモビリティ社会実現に貢献 (鍛)・業界再編を見据え新たな工法開発でのサプライチェーン維持、鍛鋼一貫で電動化進展へ貢献③新事業の成長促進・電子部品:一貫生産の強みを活かし電動化進展へ確実な供給対応と品質保証度を高め競争力に貢献・GMPS :実証から「構内物流」での社会実装により、少子高齢化、物流の運転手不足問題解決へ貢献・磁石 :調達リスク高まる重希土類不使用のマグファイン®の技術力を高め、安定供給に貢献④素材を通じた社会への貢献・ステンレス: 生産能力増強とエンジニアリング機能拡大・技術力強化でインフラ老朽化対策へ貢献・鉄供給材:CG(カンキツグリーニング)病の症状軽減を通し世界の農業問題解決に貢献 (2)社会的価値の創造を推進する①サステナビリティ課題への対応・当社のアイデンティティである資源循環型のモノづくりを強化し、会社の力・基盤強化につなげ持続的社会へ貢献②厳しく温かく人が育つ風土の醸成 ・社会課題を素早く認識し、正しく問題解決できる人材育成でサステナブル社会に貢献③将来の持続的成長に向けた財務戦略 ・長期目線に立った成長戦略を軸に「成長投資」と「株主還元」にキャッシュを積極配分しPBR改善 3.中期経営計画アップデート及び2030年ビジョンの利益目標見直し 創業の精神を継承・発展させ、「環境に一番やさしい鉄屋」として、資源循環型のモノづくりに磨きをかけるとともに、成長が期待される分野・地域にリソースを投入・積極投資を行うことで中期経営計画の達成を確実なものにし、変化の激しい経営環境の中においても、2030年までの出来る限り早い段階でのROE8%実現を目指し、2030年度の売上収益を4,000億円(既公表比+600億円)、営業利益280億円(既公表比+80億円)と定め、新たな目標の達成に向けてグループ一丸となり邁進してまいります。 (1)マルチパスウェイへの貢献:良品廉価な鋼材・鍛造品生産とさらなるカーボンニュートラル貢献①次世代製鋼プロセス・資源循環型モノづくりの強みを生かし圧倒的な品質・コスト・納期を実現する次世代製鋼プロセスを構築②鍛造設備の最適化・鍛鋼一貫及び粗加一貫(粗材~加工のワンストップ化)技術をベースとしたグリーン鍛造への進化 (2)需要地変化への対応:グローバルサウス(インド)事業展開・今後さらなる成長が期待されるグローバルサウス市場(特にインド)において、当社のアイデンティティである資源循環型のモノづくりを展開し、環境負荷最小化及び鋼材・鍛造品の安定供給に貢献 (3)社会課題へのソリューション提供:新技術・新商品の積極投入①ステンレス鋼の業務領域・付加価値拡大を通じて、事業拡大を目指す・増え続けるインフラ老朽化への当社エンジニアリング技術によるソリューション提供②4つの価値創造領域でスマート社会への貢献を目指す・電子部品:タイムリーな投資による増産体制の確立により、電動車向け製品の確実な生産対応と開発を推進・磁石:マグファイン®改良品(耐腐食性と低価格)を投入、電池や家電へのソリューション提供・センサ・金属繊維:GMPS(自動運転支援システム)のトヨタグループ構内物流での採用拡大・鉄供給材:CG(カンキツグリーニング)病対策として鉄資材のグループ販売網も活用した市場投入でソリューション提供 (4)基盤強化①DX/情報基盤の整備・強化、物流改革:DX活用による経営判断の迅速化及び、高効率輸送の追求②非財務資本の取り組み(人的/自然資本):「人を大切にする経営」「地球にやさしい経営」を愚直に実践 (5)財務・資本戦略:成長戦略と財務・資本戦略を両輪で進め資本収益性の向上を図る①株主還元・株主還元を強化し、ROE8%(2030年度)目標達成に必要な資本圧縮を段階的に実施②キャッシュアロケーション・事業成長と資本効率向上へ、2030年度までに戦略的成長投資(約1,000億円)・株主還元(700億円+α)を実施 4.経営指標目標とする経営指標につきましては、2030年度時点でのROE8%・連結営業利益280億円以上を達成するため、中期経営計画の最終年度にあたる2026年度に連結売上収益3,400億円、連結営業利益150億円、ROE4%以上の達成を目指してまいります。 5.対処すべき課題2025年度の国際経済は、トランプ政権による相互関税政策を発端とする貿易摩擦の激化も予想され、世界の貿易及び各国での生産・投資活動の落ち込みや、個人消費の下振れなど経済活動の落ち込みが懸念されます。日本国内においても、輸出の落ち込みによる企業収益の悪化や、輸入物価の上昇により消費者物価が上昇し、個人消費が抑制される可能性があるなど、下振れリスクは大きいと考えられます。自動車業界では、関税政策の影響を大きく受けるのに加え、足元で成長スピードが鈍化している世界のBEVシフトは、中長期的に再加速する可能性が高く、自動車メーカーによる競争は激しさを増すことが予想されます。当社は創業以来、特殊鋼や鍛造品など素材や部品を通じてクルマの可能性を広げてまいりましたが、今後も、自動車の発展に貢献してきた技術を活かし、自動車のみならず、広く社会課題解決に貢献できる素材を提供する「環境に一番やさしい鉄屋」として社会に貢献してまいります。また、変化に強い企業体質を作るため、これまで注力してきた「モノを作る力」に加えて、DX・情報基盤の整備、強化によるリアルタイム経営の実現(経営判断の迅速化)や、ムダ・ムラ・ムリを徹底排除した高効率物流網の整備など、環境と物流ドライバーにやさしい高効率輸送の追求といった「物流改革」も含め、全方位での収益構造改革を推進することで、「稼ぐ力」を向上してまいります。さらに、2050年度を目標としているカーボンニュートラルの早期実現も見据え、7工場のうち5工場は2022年度までにカーボンニュートラルを達成しており、カーボンニュートラルエネルギーの使用も含め、2030年でのCO2排出量50%削減(2013年度比)のメド付けも進んでおります。その先の2050年でのカーボンニュートラル実現には水素活用における技術的なブレークスルーが必要と考えられるため、刈谷工場での水素・都市ガス兼用バーナでの実証実験、実用化に向けた取り組みなど計画的に進めてまいります。上記のとおり、当社グループは“世のため、人のため”、“お役に立つ”という創業の精神に立ち戻り、課題に現地現物で正面から向き合うことで、変化に強い企業体質を作りながら、成長戦略の実現に向け、当社グループ一丸で取り組み、企業価値を高めてまいります。具体的には、中期経営計画期間となる2024-26年度の2年目として、引き続き「変革のリーダー、私。」をスローガンに掲げ、一人ひとりが主役となって、以下の方針に則り、施策に取り組んでまいります。 1. 創業の精神に則り、自らの倫理観と仕事への誇りに基づいた正直で真っ当な企業行動1-(1):常にお客様を意識し、その期待に応える1-(2):安全・品質は絶対である 1-(3):社会への責任として持続性を自覚する 2.成長戦略を必ずやり遂げ、お約束を守り、未来への責任を果たす2-(1):「稼ぐ力」を徹底的に鍛え、「成長戦略」のロードマップを具体化し着実に実行する      (自工程完結・日常管理・TPSの徹底と拡販)2-(2):柔軟でスピーディーなリソーセス配分と強靭かつ機動的な財務政策 3.厳しく温かく人が育つ風土を築き上げ、人を大切にする経営を実践3-(1):問題解決を通した人材育成の強化(真因を見極め最後までやり抜く改善マインド・改善能力)3-(2):アイチの価値観の共有・徹底を通じた一体感のレベルアップ3-(3):一人ひとりがイキイキと活躍できる健康経営の強化
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況当期の世界経済は、米国においては底堅い個人消費を背景に景気は堅調に推移しましたが、欧州においてはインフレ圧力の緩和はあったものの、エネルギーコスト起因での製造業の不振が顕在化、中国においては、政府は大規模な経済対策を実施したものの、内需の鈍化等で成長に歯止めがかかっていました。一方、我が国においては、物価高騰はあるものの、雇用・賃金環境の改善に伴う個人消費の増加により、景気は緩やかな回復と、いよいよ、失われた30年の終焉の兆しが感じられ始めました。このような環境のもと、当連結会計年度の売上収益は、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度(296,516百万円)に比べ0.9%増の299,287百万円となりました。 なお、セグメント区分ごとの売上収益は、次のようになっております。  鋼(ハガネ)カンパニー主力製品である特殊鋼の販売価格の値上がりがあったものの、販売数量の減少により、当連結会計年度の売上収益は106,768百万円と、前連結会計年度(108,216百万円)に比べ1.3%減少しました。  ステンレスカンパニー主力製品であるステンレス鋼の販売価格の値下がりがあったものの、販売数量の増加により、当連結会計年度の売上収益は44,055百万円と、前連結会計年度(41,259百万円)に比べ6.8%増加しました。  鍛(キタエル)カンパニー主力製品である自動車用型打鍛造品の販売数量の減少はあったものの、販売価格の値上がりにより、当連結会計年度の売上収益は125,506百万円と、前連結会計年度(124,262百万円)に比べ1.0%増加しました。 スマートカンパニー電子部品の売上の増加により、当連結会計年度の売上収益は20,593百万円と、前連結会計年度(19,940百万円)に比べ3.3%増加しました。  その他事業当連結会計年度の売上収益は2,363百万円と、前連結会計年度(2,838百万円)に比べ16.7%減少しました。  利益につきましては、販売価格の値上がりや鉄スクラップ等購入品価格の値下がり、原価低減などが増益要因となり、営業利益は前連結会計年度(10,372百万円)に比べ15.9%増の12,016百万円となりました。また、税引前利益は前連結会計年度(10,947百万円)に比べ8.8%増の11,907百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(6,593百万円)に比べ18.6%増の7,820百万円となりました。  (2) 財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、退職給付に係る資産及びその他の金融資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ43,045百万円減の400,063百万円となりました。負債合計は、営業債務及びその他の債務、借入金及び繰延税金負債の減少などにより、24,433百万円減の156,664百万円となりました。資本合計は、確定給付制度の再測定及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純変動の減少などにより、18,612百万円減の243,398百万円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末(46,546百万円)に比べ10,271百万円減少し、36,275百万円となりました。  (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は25,354百万円と前連結会計年度(33,817百万円)に比べ8,463百万円減少しました。これは、税引前利益が11,907百万円と960百万円増加したものの、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少1,372百万円(前連結会計年度は、営業債権及びその他の債権の減少による資金の増加1,776百万円)、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少3,175百万円(前連結会計年度は、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加1,037百万円)があったことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は17,918百万円と前連結会計年度(18,895百万円)に比べ977百万円減少しました。これは、有形固定資産の取得による支出が3,168百万円増加したものの、投資有価証券の売却による収入が3,431百万円増加したことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は17,674百万円と前連結会計年度(16,283百万円)に比べ1,391百万円増加しました。これは、コマーシャル・ペーパーの発行による収入4,983百万円(前連結会計年度は該当なし)があったものの、自己株式の取得による支出が4,394百万円増加、長期借入金の返済による支出が1,992百万円増加したことなどによるものであります。 (生産、受注及び販売の実績)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)鋼(ハガネ)カンパニー146,879△3.0ステンレスカンパニー44,4518.6鍛(キタエル)カンパニー125,1200.3スマートカンパニー20,6523.9その他事業16,025△4.4合計353,129△0.2 (注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の金額によっております。2 金額は、販売価格によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、スマートカンパニー及びその他事業は見込生産を行っているため、記載しておりません。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)鋼(ハガネ)カンパニー101,228△6.811,236△33.0ステンレスカンパニー44,96310.69,44210.6鍛(キタエル)カンパニー123,9480.336,463△4.1 (注) セグメント間の内部受注金額は、消去しております。 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)鋼(ハガネ)カンパニー106,768△1.3ステンレスカンパニー44,0556.8鍛(キタエル)カンパニー125,5061.0スマートカンパニー20,5933.3その他事業2,363△16.7合計299,2870.9 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)豊田通商㈱80,37327.176,59825.6㈱アイシン27,0879.125,2818.4トヨタ自動車㈱17,2095.817,8826.0 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び「3.重要性がある会計方針」に記載しております。 (2) 当連結会計年度の経営成績当社グループの当連結会計年度の売上収益は、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して0.9%増加し、299,287百万円と過去最高となりました。セグメント別の売上収益については、鋼(ハガネ)カンパニーは特殊鋼の販売価格は値上がりしたものの、販売数量の減少により、前連結会計年度と比較して1.3%減少、ステンレスカンパニーはステンレス鋼の販売価格は値下がりしたものの、販売数量の増加により、前連結会計年度と比較して6.8%増加、鍛(キタエル)カンパニーは鍛造品の販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して1.0%増加、スマートカンパニーは電子部品の売上の増加により、前連結会計年度と比較して3.3%増加しました。利益につきましては、販売価格の値上がりや鉄スクラップ等購入品価格の値下がり、原価低減などが増益要因となり、当連結会計年度の営業利益は12,016百万円となり、前連結会計年度(10,372百万円)に比べ1,644百万円増加しました。税引前利益は11,907百万円となり、前連結会計年度(10,947百万円)に比べ960百万円増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は7,820百万円となり、前連結会計年度(6,593百万円)に比べ1,227百万円増加しました。 (3) 資本の財源及び資金の流動性当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末(46,546百万円)に比べ10,271百万円減少し、36,275百万円となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが25,354百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが17,918百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが17,674百万円の資金の減少であったことによるものであります。当社グループは、中期的には製造設備の合理化や生産能力増強、安定供給のための設備保全に対応するための計画的な設備投資や自己株式の取得等の株主還元を行っていく予定でありますので、今後も、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの状況を睨みながら、必要に応じて外部資金の調達や政策保有株式等の資産の売却を行い資金の流動性を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努めていく所存であります。なお、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は58.0%(前連結会計年度末は56.6%)となっており、安定した財務基盤を維持しております。今後も、グローバルで金融機関との良好な関係を維持し、資金流動性と調達力を確保してまいります。 (4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当連結会計年度の経営成績は2026年度を最終年とした「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画」(以下、「中期経営計画」という。)の目標としていた経営指標(連結売上収益3,400億円、連結営業利益150億円)に対して、当連結会計年度の売上収益は299,287百万円、営業利益は12,016百万円となっております。主要ユーザーである自動車産業は、概ね堅調な需要が継続しましたが、中国経済停滞の影響で、産業機械、建設機械向け等の需要は回復が遅れております。また、足元では、米国の関税影響が懸念されるなど、先が見通しにくい経営環境となっておりますが、今後は、さらなるモノづくり力の向上に励むとともに、お客様や世の中のニーズの変化をいち早く捉え、タイムリーに、良品廉価な製品・サービスを提供していくことで、中期経営計画の達成を目指してまいります。

事業リスク

  • 自動車業界の景気変動リスク
    愛知製鋼の主力製品は自動車業界向けであるため、経済状況の変化による自動車販売台数の変動は、製品需要に大きな影響を与えます。これにより、同社の売上や利益が大幅に減少する可能性があります。
  • 原材料・エネルギー価格の変動と調達リスク
    鉄スクラップや合金鉄などの原材料価格は国際市況に左右され、電力やLNGなどのエネルギー価格も変動します。これらの価格上昇分を製品価格に転嫁できない場合や、地政学的リスク等で安定調達が困難になった場合、収益性が悪化する可能性があります。
  • 特定販売先への高い依存度
    トヨタ自動車およびトヨタグループ企業集団への売上依存度が非常に高いため、トヨタグループの生産計画や販売動向が、愛知製鋼の業績に直接的な影響を与えます。これは安定した取引がある一方で、特定の顧客に業績が左右されるリスクを伴います。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,613 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  (1) 経済状況当社グループの主力製品である鋼材及び鍛造品の主要需要先は自動車業界であります。経済状況により自動車業界が影響を受ける場合、製品需要の大幅な変動で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料、エネルギー及び副資材の調達 当社グループが主要原材料として調達する鉄スクラップや合金鉄の価格は、国際商品市況の影響を受けて大きく変動することがあります。また、生産活動全般において大量の電力やLNGなどのエネルギー、製鋼工程等において電極・耐火物等の副資材を消費しており、これらの価格上昇分の売価への転嫁に努めておりますが転嫁できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、供給元については、その分散や関係強化により安定調達に努めていますが、地政学的リスクや供給元の災害、事故等による供給能力の制約で調達が困難となった場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 為替相場当社グループは、製品の一部を輸出するとともに、原材料である合金鉄の大部分を輸入に依存しています。為替相場の変動は、当社グループにおける製品、原材料の輸出入価格及び電力やLNGなどのエネルギー価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの外貨建取引及び連結財務諸表作成のための海外子会社の財務諸表数値は、外貨から円貨への換算において、為替相場変動の影響を受け、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 価格競争当社グループの主要需要先である自動車業界をはじめとする各業界は、厳しいコスト競争の下にあります。激化する価格競争の環境下で、経済変動による需要の減少などに伴い製品価格の大幅な低下や、市場シェア低下の可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 製品の品質当社グループは、厳格な品質管理体制や品質管理基準に従い、鉄鋼製品はじめ、各種製品を製造しています。しかしながら、製品の品質不具合が生じた場合、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人材の確保・育成当社グループは、国内において少子高齢化が進むなかで、有能な人材の確保、一人ひとりの能力向上及びその最大限の発揮に取り組んでいますが、計画通りの人材確保、人材育成が進まない場合、当社グループの競争力低下を招き、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 製造設備当社グループの製造設備は、安定生産に向けて日々の点検や定期補修に努めていますが、設備トラブルが発生し、操業が中断した場合、生産量の減少や修繕コストの増加等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 特定販売先当社グループの製品の売上収益は、トヨタ自動車株式会社及びトヨタグループ企業集団に対する依存度が非常に高いため、同社の自動車販売台数の動向が、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社は、2025年3月31日現在、当社の議決権の24.7%(間接所有含む)を所有しております。 (9) グローバル事業展開当社グループは、さまざまな国で商品の生産及び販売を行っています。その国々における、不利な政治的又は経済的な要因や予期せぬ法律又は規制の変更、ストライキ、テロ、戦争、疾病等の要因による社会的又は経済的な混乱で、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 設備投資効果当社グループは、安定生産基盤の確立や生産性・コスト競争力の強化に加え、カーボンニュートラルかつ資源循環経済の実現に貢献する次世代製鋼プロセスの開発をはじめとした、大型の設備投資の計画的な推進を実施していますが、当初想定した効果が十分に得られない場合などは、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 新技術・新商品開発当社グループは、積極的な新技術・新商品の開発に努めています。将来においても、継続してお客様のニーズにお応えする新技術・新商品を開発できると考えていますが、そのプロセスは複雑かつ不確実なものであり、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場への投入ができない場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 気候変動当社グループは、資源循環型企業として、気候変動への対応を経営の最重要課題と捉え、2021年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同を表明し、CO2排出量を2030年までに50%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルの実現を目指しています。今後、顧客からの要求や法規制の強化による生産コストの上昇や新たな税負担で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 気候変動への対応を除く環境規制当社グループは、国内外の環境法規制を遵守するとともに、「アイチ環境取り組みプラン2025」を策定し環境への負荷低減に努めています。しかし、環境に関する法規制は、改正・強化される傾向にあり、その対応のため費用が増加し、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 有形固定資産及び無形資産の価値当社グループが保有する有形固定資産及び無形資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合、その資産の減損損失の計上を行うことにより、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 情報セキュリティ当社グループは、顧客及び取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しております。サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、システム障害が生じる場合や、機密情報及び個人情報の外部流出が起きた場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の低下等で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 自然災害 当社グループの国内工場や取引先の多くが中部地区に所在するため、この地域で大規模地震などの自然災害が発生した場合、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 人権当社グループは世界各国から原材料や副資材を調達するとともに、国内外の拠点でグローバルな事業活動を実施しています。当社グループでは、すべての役員・従業員が、当社グループの人権に関する最上位方針である「愛知製鋼グループ人権方針」の遵守を基本として事業活動を進めていますが、サプライチェーンにおいて人権問題が発生した場合、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (18) その他の法令・公的規制当社グループは、事業を展開する日本及び各国において、労働・安全衛生、通商・貿易・為替、知的財産、租税等の様々な法令・公的規制の適用を受け、遵守に努めています。今後、これらの法令又は公的規制が改正もしくは変更される場合、対応費用の増加等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (19) 訴訟当社グループは、事業活動を遂行するうえで、訴訟を提起される可能性があります。訴訟の結果によっては、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (当社及び当社取締役等に対する訴訟の提起)2022年5月16日に、当社及び当社取締役等は、マグネデザイン株式会社及び本蔵義信氏より損害賠償請求訴訟を提起されております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「32.偶発事象」をご参照ください。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 愛知製鋼 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →