事業の概要
- 特殊鋼鋼材事業大同特殊鋼グループは、特殊鋼鋼材の製造・販売を中核事業としています。自動車や産業機械などに使われる高品質な特殊鋼を、自社工場で製造し、国内外の顧客に提供しています。この事業はグループの基盤であり、高い技術力が求められる分野です。
- 機能材料・磁性材料事業ステンレス製品、希土類磁石、高合金製品など、幅広い機能材料や磁性材料の製造・販売も行っています。これらは電気・電子部品、医療機器など多岐にわたる産業で利用されており、素材の特性を活かした製品開発が強みです。
- 自動車・産業機械部品事業型鍛造品、鋳鋼品、エンジンバルブなど、自動車や産業機械向けの部品製造・販売も手掛けています。素材から部品まで一貫して手掛けることで、顧客のニーズに合わせた高精度な製品を提供し、主要な収益源の一つとなっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 特殊鋼鋼材事業特殊鋼鋼材の製造・販売、流通、二次加工、原料調達、物流管理、設備メンテナンスなどを手掛ける基幹事業です。売上高は2,147.7億円、営業利益は97.71億円で、グループの安定した収益を支えています。
- 機能材料・磁性材料事業ステンレス製品、希土類磁石、高合金製品、電気・電子部品用材料、粉末製品、チタン製品などの製造・販売を行います。売上高は2,197.24億円、営業利益は242.86億円と、グループ内で最も高い利益を上げており、高付加価値製品が強みです。
- 自動車部品・産業機械部品事業型鍛造品、トラック用鋼機製品、鋳鋼品、自由鍛造品、エンジンバルブ、圧縮機部品などの製造・販売を手掛けます。売上高は1,012.32億円、営業利益は82.17億円で、自動車産業を中心に幅広い顧客に製品を提供しています。
2023-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SpecialtySteel | 事業 | 2,148 | 98 | 4.5% |
| HighPerformanceMaterialsAndMagneticMaterials | 事業 | 2,197 | 243 | 11.1% |
| PartsForAutomobileAndIndustrialEquipment | 地域 | 1,012 | 82 | 8.1% |
| Engineering | 事業 | 190 | 14 | 7.5% |
| TradingAndService | 事業 | 239 | 33 | 13.8% |
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3【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社67社(うち連結子会社67社)および関連会社8社(うち持分法適用会社8社)(2026年3月31日現在)で構成され、特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、流通・サービスの5つのセグメントに分かれ幅広い事業活動を行っております。各セグメントの事業内容と、当社および主要な関係会社の位置付けは以下のとおりであります。(※は持分法適用会社)(特殊鋼鋼材)① 特殊鋼鋼材の製造、販売:当社、日本高周波鋼業㈱② 特殊鋼鋼材の流通および二次加工品の製造、販売:大同DMソリューション㈱、㈱カムスDAIDO DMS (THAILAND) CO.,LTD.、天文大同特殊鋼股份有限公司、DAIDO DMS SINGAPORE PTE.LTD.、DAIDO DMS MALAYSIA SDN.BHD.、※東北特殊鋼㈱、※理研製鋼㈱、※桜井興産㈱③ 特殊鋼鋼材の流通機能:大同興業㈱④ 特殊鋼鋼材他の原料、資材調達:大同興業㈱、大同エコメット㈱⑤ 特殊鋼鋼材の物流管理:※丸太運輸㈱、※川一産業㈱⑥ 特殊鋼鋼材の整備、検査、設備メンテナンス等作業請負:大同テクニカ㈱、※泉電気工業㈱(機能材料・磁性材料)① ステンレス製品の製造、販売:当社、日本高周波鋼業㈱② ステンレス製品の二次加工品の製造、販売:日本精線㈱、THAI SEISEN CO.,LTD.、下村特殊精工㈱、ORIENTAL SHIMOMURA DRAWING(M) SDN.BHD.、下村特殊精鋼(蘇州)有限公司、Daido Shimomura Steel Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.③ 希土類磁石の製造、販売:㈱ダイドー電子、Daido Electronics (Thailand) Co.,Ltd.、大同電工(蘇州)有限公司、大同磁石(広東)有限公司④ 高合金製品の製造、販売:当社⑤ 電気、電子部品用材料(帯鋼製品、電磁材料)の製造、販売:当社⑥ ネジ、ボルトおよび自動車用冷鍛部品の製造、販売:日星精工㈱⑦ 粉末製品の製造、販売:当社⑧ チタン製品の製造、販売:当社⑨ 機能材料・磁性材料製品の流通機能:大同興業㈱(自動車部品・産業機械部品)① 型鍛造品の製造、販売:当社、日本鍛工㈱、東洋産業㈱、OHIO STAR FORGE CO.、Daido Steel (Thailand) Co.,Ltd.② トラック用鋼機製品、帯鋸材料の製造、販売:当社③ 鋳鋼品、精密鋳造品の製造、販売:㈱大同キャスティングス④ 自由鍛造品の製造、販売:当社⑤ 自由鍛造品の整備、検査作業請負:大同スターテクノ㈱⑥ エンジンバルブ等の製造、販売:フジオーゼックス㈱、富士气門(広東)有限公司、PT. FUJI OOZX INDONESIA、FUJI OOZX MEXICO, S.A. DE C.V.、㈱ピーアンドエム⑦ 圧縮機部品、ターボ部品およびカップリング等の製造、販売:大同精密工業㈱⑧ 自動車部品・産業機械部品製品の流通機能:大同興業㈱(エンジニアリング)① 鉄鋼設備、環境設備の製造、販売:当社② 各種機械の製造、販売、設備メンテナンス、土木建設事業:大同マシナリー㈱③ 環境設備の保守管理業務:大同環境エンジニアリング㈱④ 工業炉およびその付帯設備の製造、販売:大同プラント工業㈱⑤ エンジニアリング製品の流通機能:大同興業㈱、大同特殊鋼(上海)有限公司(流通・サービス)① 不動産事業、保険業務、グループの福利厚生関連事業:㈱大同ライフサービス② ゴルフ場経営:木曽駒高原観光開発㈱③ 鉄鋼、セラミックス等の分析事業:㈱大同分析リサーチ④ 情報システムの開発および保守運用:㈱大同ITソリューションズ⑤ 当社グループ製品の輸出入業務:Daido Steel (America) Inc.、Daido Kogyo (Thailand) Co.,Ltd.、大同特殊鋼(上海)有限公司、大同斯蒂尓材料科技(上海)有限公司⑥ ビル賃貸業:大同興業㈱ 事業の系統図は以下のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 製品価格転嫁の推進、原材料サーチャージ制の実施。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 特殊鋼をベースにした高い技術力、新製品・新材料・新技術の研究開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:事業環境の動向 / 原料、資機材、エネルギーの価格変動および安定調達 / 自然災害
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
大同特殊鋼は、特殊鋼分野における長年の経験と技術力を持つが、特許やブランド力が競合他社と比較して突出しているとは言えない。一部のニッチ分野での技術的優位性は存在するものの、それが広範な競争優位に繋がるほどの無形資産とは評価しにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
特殊鋼は自動車部品や産業機械など、高い品質と信頼性が求められる分野で使用されるため、一度採用された材料を変更するには、性能評価や認証プロセスに多大な時間とコストがかかる可能性がある。しかし、顧客の設計変更や代替材料の登場により、スイッチング・コストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
特殊鋼の製造・販売事業には、ネットワーク効果が働く要素はほとんど見られない。製品の価値は主に品質、性能、価格によって決まる。
コスト優位★★★☆☆
特殊鋼の製造には高度な技術と設備投資が必要であり、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響を与える。大同特殊鋼は長年の操業で培った生産ノウハウや、特定の原料調達における交渉力などが一定のコスト優位に寄与している可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
特殊鋼市場は、高度な技術力を持つ少数の企業がシェアを占める寡占市場の傾向がある。大同特殊鋼は国内有数の特殊鋼メーカーであり、一定の生産規模と市場シェアを有していることから、効率規模のメリットを享受していると考えられる。
- 多岐にわたる事業展開特殊鋼鋼材から機能材料、自動車部品、エンジニアリング、流通・サービスまで、幅広い事業セグメントを持つことで、特定の産業に依存しない安定した収益基盤を築いています。これにより、市場変動リスクを分散し、グループ全体の安定性を高めています。
- 高度な技術力と品質特殊鋼の製造で培われた高い技術力は、機能材料や部品製造にも活かされています。特に、高品質な特殊鋼鋼材や希土類磁石などは、顧客からの信頼が厚く、競争力の源泉となっています。厳格な品質管理体制も強みです。
- グローバルな供給体制日本国内だけでなく、子会社や関連会社を通じてアジア、北米など海外にも生産・販売拠点を展開しています。これにより、世界中の顧客に製品を供給できる体制を構築しており、国際競争力を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」が大同特殊鋼グループの経営理念です。高機能素材を追求するMissionを達成し、人と社会の未来に貢献していくことが当社グループの存在意義(Purpose)であると認識しております。高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献することで持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後、中東情勢や米国における関税政策を含む通商政策、中国における輸出規制にともなう様々な影響が想定されます。これらの影響が、国際的なサプライチェーンの分断リスクを高める可能性があります。各国の物価変動による個人消費の変化や企業活動における生産、販売戦略への影響も懸念されます。さらに、金利政策や為替変動による世界経済への多様な影響によって不確実性が高まる状況となっています。これに加え、ウクライナ情勢や台湾を巡る米中対立など地政学リスクを内包した経営環境となっています。当社の主要需要先である自動車関連の需要は、中国、ASEANを中心とした日系自動車メーカーのシェアの低迷などを受けて需要が減少しております。産業機械関連は、2025年度後半にかけて緩やかに回復してまいりました。半導体製造装置関連では、在庫調整が継続しておりましたが、2026年1月以降、AI用途の需要拡大を受けて、一部ユーザーでは在庫積み増しの動きが顕著になっており、今後、受注が増加していくことが期待されます。自由鍛造品については、航空機関連、船舶用エンジンバルブ、重電関連の受注は引き続き堅調であると考えられます。掘削関連においては、調整局面が継続してきましたものの、原油市況の変動に伴い需要動向に変化が生じる可能性があり、その動向を注視してまいります。磁石製品に関しては、中国における重希土類の輸出規制の強化に伴い、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)などの重希土類フリーが特徴である当社磁石への需要が上向いており、引き続き堅調に推移するものと考えております。コスト面においては、引き続き徹底したコスト削減努力を継続するとともに、労務コストや物価などのコストプッシュに対し適正な価格転嫁を進めることにより適正マージンの確保に努めてまいります。また、ベースとなる鋼材売上数量が低迷するなかで、数量変化に応じた生産体制の検討、設備投資案件の厳選など、生産数量変化に柔軟に対応するとともに、当社にとって競争力の高い成長市場製品拡大に取り組んでまいります。中長期的な視点では、国際情勢が一段と不安定化し不確実性が高まる中、世界経済は低い成長率に留まるものと想定されます。また日本国内における人口減少・少子高齢化の進展、脱炭素社会や循環型社会への転換など、暮らしの中の社会基盤にも大きな変化が起こるものと想定されます。一方、当社の事業環境においては、自動車における電動化の進展、情報・通信分野におけるAI用途拡大・高度化などを背景とした半導体市場の成長、宇宙など通信衛星開発市場の拡大、世界的な人口増加を背景とした航空需要の増加、再生可能なクリーンエネルギー需要の拡大、高齢化社会の到来にともなう高度医療市場の拡大など産業構造の変化が予想されます。このように当社を取り巻く外部環境が大きく変化していく中、2024年6月に2026年度までの3ヵ年を計画期間とする2026中期経営計画を策定し、また2025年10月には経営目標の見直しと「再設計」を行っており、その内容を公表しております。当社は、この2026中期経営計画を、2030年の“ありたい姿”「高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献する」を達成するための変革の時期“トランジション・マネジメント”であると位置づけ、以下の経営方針に沿った行動を全力で推進してまいりたいと考えております。 [2026中期計画 経営方針]-トランジション・マネジメント-社会経済・産業構造の変化を事業好機とし、事業ポートフォリオの変革を遂行し、新たなビジネス・ドメイン(顧客×提供価値×手段)で持続的な利益成長を実現する <行動方針>① 事業ポートフォリオの変革今後の成長市場である半導体関連分野、CASE*(自動車)、クリーンエネルギー分野、航空宇宙分野、医療分野の需要を捕捉するための取り組みを進めてまいります。お客様との密接なコミュニケーションを通じた顧客ニーズの把握、新たな生産技術の開発、市場拡大にともなう需要増加を捕捉するための適時適切な設備投資、海外を含めたサプライチェーンの構築を進めることで、高収益製品を生み出し成長市場に提供していきます。情報・通信分野で成長が期待される半導体関連については高耐食材料開発を進めるとともに、グローバルにサプライチェーンを強化していきます。2024年度には、知多第2工場に特殊溶解設備の真空アーク再溶解炉の2基導入を行っており、今後期待される需要拡大に向けて対応を進めてまいります。e-Axle用特殊鋼製品に関しましては、これまでの製造技術に関する知見を活かし、さらに信頼性の高いソリューションを提供してまいります。また、主機、補機、センサー用磁石については、重希土類フリー磁石など特長ある製品の需要増加に対応するため、2026年4月に電動車駆動モータ用磁石製造ラインを新たに設置しました。クリーンエネルギー分野においては、高温・高圧水素環境下で耐え得る耐水素脆化用鋼の開発、工業炉用水素バーナーの実用化を進めることなどでお客様のニーズに応えてまいります。より一層の拡大が期待される航空宇宙分野における自由鍛造品に関しては、高合金プロセス改革プロジェクトとして360億円規模の戦略投資を進めております。また、医療分野のチタン製品に関しては将来的な需要増加を見据え、2025年10月にチタン用真空アーク再溶解炉を導入しました。なお、足元の状況も踏まえ、投資効果については十分に精査を行い、中長期的に企業価値向上が見込める案件への投資を実行し、事業ポートフォリオ変革を進めてまいります。*CASE:Connected (コネクテッド) Autonomous (自動運転) Shared & Services (シェアリングとサービス) Electric (電動化) ② 経営基盤の強靭化長期的な成長を支える経営基盤の強靭化を進めてまいります。事業基盤においては、製品の高付加価値化、成長市場に向けた新規製品の開発、既存事業の品質向上およびコスト競争力の強化を目的に、ヒト・モノ・カネの経営資源の最適配分を行うことで、生産アロケーションの最適化を進めてまいります。2026年2月には日本高周波鋼業株式会社の株式を取得し、完全子会社化をしております。新たに当社グループに加わった日本高周波鋼業株式会社との生産効率向上などのシナジーを最大限に発揮するため、同社の主力工場である富山製造所も含めた最適生産アロケーションを志向してまいります。人的資本に関しましては、事業成長に必要なグローバル人材および高度専門人材の確保、グループを含めた次世代経営人材の育成、さらに高度技術人材およびDX推進人材の育成などにより従業員のスキル向上を図り、労働生産性を高めてまいります。また、従業員エンゲージメント向上の観点で、「安心して働ける職場」「働きやすい職場」「働きがいのある職場」を目指し、様々な取り組みを行ってまいります。2025年度においては、タウンホールミーティングとして社長との「対話の場」を新たに開始し、全25回のミーティングで約200名の従業員が参加し、社長との意見交換を行いました。財務基盤としましては、マイナス金利政策の解除など今後の緩やかな金利上昇を背景に借入金利の上昇が想定される中、事業ポートフォリオ変革にともなう設備投資資金、運転資金の増加が見込まれます。一方で、安定的にPBR1倍以上を確保するための資本効率向上も求められ「財務健全性の維持」「資本効率の向上」を両立させる必要があります。これらに対応するため、運転資金、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)管理強化やROICによる投資判断を導入するなど、財務基盤の強靭化にも取り組んでまいります。また、2025年10月には新たな株主還元方針を立案し、下限指標としてDOE(株主資本配当率)2.5%とする方針を導入しております。 <株主還元方針(2026年3月期より適用)>・財務の健全性を維持することを基本とし、連結配当性向 30%以上を目安とする。 ただし、下限指標を DOE(株主資本配当率)2.5%(※)とする。・キャッシュ・アロケーションの進捗を踏まえながら、自己株式取得についても検討する。※株主資本:その他の資本の構成要素を除外した親会社所有者帰属持分DOE:支払配当÷(前期末の)株主資本 ③ ESG経営の高度化持続的な企業価値向上を目指し、ESG経営を推進するため、「ESG推進統括部」主導のもと、地球環境の保護、社会への責任と貢献、ガバナンスの各種取り組みを強化してまいりました。今後におきましても、長期的な視点でステークホルダーの期待を上回る「特殊を超える価値」=“Beyond the Special”を創造する企業であり続けるため、自律的なサステナビリティ活動を推進するとともに、サプライチェーンへの展開を進めてまいります。気候変動に関しましては、「2030年でのCO2排出量を2013年対比で50%削減、2050年でのカーボンニュートラル実現」に向け、CO2排出量の削減を着実に実行しており、2025年度(第三者検証前)は32%削減を達成いたしました。社会への責任と貢献に関して、健康経営の推進、ダイバーシティの推進、労働生産性向上に向けたDX教育、ウェルビーイングの追求とエンゲージメント向上などの人的資本戦略は、社長をトップとした体制の下で推進しています。その成果の一つとして、2026年3月に「健康経営銘柄2026」に選定されています。ガバナンス面としては、政策保有株式に関して、2024年度に6銘柄241億円、2025年度に2銘柄165億円の売却を行っております。その結果、みなし保有株式を含めた純資産に対する比率は18.0%となりました。今後については2026年度までに15%、長期的には10%以下の水準を目指し継続的に縮減を進めてまいります。 <政策保有株式(みなし保有株式を含む)純資産比率> 2023年度末2024年度末2025年度末2026年度計画2030年目標政策保有株式純資産比率23.9%17.7%18.0%15%以下10%目安(内訳)特定投資株式みなし保有株式 (14.8%)(9.1%) (8.5%)(9.2%) (6.3%)(11.7%) -- -- <2026年度経営目標値(2025年10月30日公表値)>営業利益ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)D/Eレシオ投資額(3年累計決裁額)株主還元(一過性損益を除く)400億円以上7%以上0.5目安2024-2026年累計1,400億円配当性向30%以上DOE下限指標2.5%
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」が大同特殊鋼グループの経営理念です。高機能素材を追求するMissionを達成し、人と社会の未来に貢献していくことが当社グループの存在意義(Purpose)であると認識しております。高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献することで持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後、中東情勢や米国における関税政策を含む通商政策、中国における輸出規制にともなう様々な影響が想定されます。これらの影響が、国際的なサプライチェーンの分断リスクを高める可能性があります。各国の物価変動による個人消費の変化や企業活動における生産、販売戦略への影響も懸念されます。さらに、金利政策や為替変動による世界経済への多様な影響によって不確実性が高まる状況となっています。これに加え、ウクライナ情勢や台湾を巡る米中対立など地政学リスクを内包した経営環境となっています。当社の主要需要先である自動車関連の需要は、中国、ASEANを中心とした日系自動車メーカーのシェアの低迷などを受けて需要が減少しております。産業機械関連は、2025年度後半にかけて緩やかに回復してまいりました。半導体製造装置関連では、在庫調整が継続しておりましたが、2026年1月以降、AI用途の需要拡大を受けて、一部ユーザーでは在庫積み増しの動きが顕著になっており、今後、受注が増加していくことが期待されます。自由鍛造品については、航空機関連、船舶用エンジンバルブ、重電関連の受注は引き続き堅調であると考えられます。掘削関連においては、調整局面が継続してきましたものの、原油市況の変動に伴い需要動向に変化が生じる可能性があり、その動向を注視してまいります。磁石製品に関しては、中国における重希土類の輸出規制の強化に伴い、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)などの重希土類フリーが特徴である当社磁石への需要が上向いており、引き続き堅調に推移するものと考えております。コスト面においては、引き続き徹底したコスト削減努力を継続するとともに、労務コストや物価などのコストプッシュに対し適正な価格転嫁を進めることにより適正マージンの確保に努めてまいります。また、ベースとなる鋼材売上数量が低迷するなかで、数量変化に応じた生産体制の検討、設備投資案件の厳選など、生産数量変化に柔軟に対応するとともに、当社にとって競争力の高い成長市場製品拡大に取り組んでまいります。中長期的な視点では、国際情勢が一段と不安定化し不確実性が高まる中、世界経済は低い成長率に留まるものと想定されます。また日本国内における人口減少・少子高齢化の進展、脱炭素社会や循環型社会への転換など、暮らしの中の社会基盤にも大きな変化が起こるものと想定されます。一方、当社の事業環境においては、自動車における電動化の進展、情報・通信分野におけるAI用途拡大・高度化などを背景とした半導体市場の成長、宇宙など通信衛星開発市場の拡大、世界的な人口増加を背景とした航空需要の増加、再生可能なクリーンエネルギー需要の拡大、高齢化社会の到来にともなう高度医療市場の拡大など産業構造の変化が予想されます。このように当社を取り巻く外部環境が大きく変化していく中、2024年6月に2026年度までの3ヵ年を計画期間とする2026中期経営計画を策定し、また2025年10月には経営目標の見直しと「再設計」を行っており、その内容を公表しております。当社は、この2026中期経営計画を、2030年の“ありたい姿”「高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献する」を達成するための変革の時期“トランジション・マネジメント”であると位置づけ、以下の経営方針に沿った行動を全力で推進してまいりたいと考えております。 [2026中期計画 経営方針]-トランジション・マネジメント-社会経済・産業構造の変化を事業好機とし、事業ポートフォリオの変革を遂行し、新たなビジネス・ドメイン(顧客×提供価値×手段)で持続的な利益成長を実現する <行動方針>① 事業ポートフォリオの変革今後の成長市場である半導体関連分野、CASE*(自動車)、クリーンエネルギー分野、航空宇宙分野、医療分野の需要を捕捉するための取り組みを進めてまいります。お客様との密接なコミュニケーションを通じた顧客ニーズの把握、新たな生産技術の開発、市場拡大にともなう需要増加を捕捉するための適時適切な設備投資、海外を含めたサプライチェーンの構築を進めることで、高収益製品を生み出し成長市場に提供していきます。情報・通信分野で成長が期待される半導体関連については高耐食材料開発を進めるとともに、グローバルにサプライチェーンを強化していきます。2024年度には、知多第2工場に特殊溶解設備の真空アーク再溶解炉の2基導入を行っており、今後期待される需要拡大に向けて対応を進めてまいります。e-Axle用特殊鋼製品に関しましては、これまでの製造技術に関する知見を活かし、さらに信頼性の高いソリューションを提供してまいります。また、主機、補機、センサー用磁石については、重希土類フリー磁石など特長ある製品の需要増加に対応するため、2026年4月に電動車駆動モータ用磁石製造ラインを新たに設置しました。クリーンエネルギー分野においては、高温・高圧水素環境下で耐え得る耐水素脆化用鋼の開発、工業炉用水素バーナーの実用化を進めることなどでお客様のニーズに応えてまいります。より一層の拡大が期待される航空宇宙分野における自由鍛造品に関しては、高合金プロセス改革プロジェクトとして360億円規模の戦略投資を進めております。また、医療分野のチタン製品に関しては将来的な需要増加を見据え、2025年10月にチタン用真空アーク再溶解炉を導入しました。なお、足元の状況も踏まえ、投資効果については十分に精査を行い、中長期的に企業価値向上が見込める案件への投資を実行し、事業ポートフォリオ変革を進めてまいります。*CASE:Connected (コネクテッド) Autonomous (自動運転) Shared & Services (シェアリングとサービス) Electric (電動化) ② 経営基盤の強靭化長期的な成長を支える経営基盤の強靭化を進めてまいります。事業基盤においては、製品の高付加価値化、成長市場に向けた新規製品の開発、既存事業の品質向上およびコスト競争力の強化を目的に、ヒト・モノ・カネの経営資源の最適配分を行うことで、生産アロケーションの最適化を進めてまいります。2026年2月には日本高周波鋼業株式会社の株式を取得し、完全子会社化をしております。新たに当社グループに加わった日本高周波鋼業株式会社との生産効率向上などのシナジーを最大限に発揮するため、同社の主力工場である富山製造所も含めた最適生産アロケーションを志向してまいります。人的資本に関しましては、事業成長に必要なグローバル人材および高度専門人材の確保、グループを含めた次世代経営人材の育成、さらに高度技術人材およびDX推進人材の育成などにより従業員のスキル向上を図り、労働生産性を高めてまいります。また、従業員エンゲージメント向上の観点で、「安心して働ける職場」「働きやすい職場」「働きがいのある職場」を目指し、様々な取り組みを行ってまいります。2025年度においては、タウンホールミーティングとして社長との「対話の場」を新たに開始し、全25回のミーティングで約200名の従業員が参加し、社長との意見交換を行いました。財務基盤としましては、マイナス金利政策の解除など今後の緩やかな金利上昇を背景に借入金利の上昇が想定される中、事業ポートフォリオ変革にともなう設備投資資金、運転資金の増加が見込まれます。一方で、安定的にPBR1倍以上を確保するための資本効率向上も求められ「財務健全性の維持」「資本効率の向上」を両立させる必要があります。これらに対応するため、運転資金、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)管理強化やROICによる投資判断を導入するなど、財務基盤の強靭化にも取り組んでまいります。また、2025年10月には新たな株主還元方針を立案し、下限指標としてDOE(株主資本配当率)2.5%とする方針を導入しております。 <株主還元方針(2026年3月期より適用)>・財務の健全性を維持することを基本とし、連結配当性向 30%以上を目安とする。 ただし、下限指標を DOE(株主資本配当率)2.5%(※)とする。・キャッシュ・アロケーションの進捗を踏まえながら、自己株式取得についても検討する。※株主資本:その他の資本の構成要素を除外した親会社所有者帰属持分DOE:支払配当÷(前期末の)株主資本 ③ ESG経営の高度化持続的な企業価値向上を目指し、ESG経営を推進するため、「ESG推進統括部」主導のもと、地球環境の保護、社会への責任と貢献、ガバナンスの各種取り組みを強化してまいりました。今後におきましても、長期的な視点でステークホルダーの期待を上回る「特殊を超える価値」=“Beyond the Special”を創造する企業であり続けるため、自律的なサステナビリティ活動を推進するとともに、サプライチェーンへの展開を進めてまいります。気候変動に関しましては、「2030年でのCO2排出量を2013年対比で50%削減、2050年でのカーボンニュートラル実現」に向け、CO2排出量の削減を着実に実行しており、2025年度(第三者検証前)は32%削減を達成いたしました。社会への責任と貢献に関して、健康経営の推進、ダイバーシティの推進、労働生産性向上に向けたDX教育、ウェルビーイングの追求とエンゲージメント向上などの人的資本戦略は、社長をトップとした体制の下で推進しています。その成果の一つとして、2026年3月に「健康経営銘柄2026」に選定されています。ガバナンス面としては、政策保有株式に関して、2024年度に6銘柄241億円、2025年度に2銘柄165億円の売却を行っております。その結果、みなし保有株式を含めた純資産に対する比率は18.0%となりました。今後については2026年度までに15%、長期的には10%以下の水準を目指し継続的に縮減を進めてまいります。 <政策保有株式(みなし保有株式を含む)純資産比率> 2023年度末2024年度末2025年度末2026年度計画2030年目標政策保有株式純資産比率23.9%17.7%18.0%15%以下10%目安(内訳)特定投資株式みなし保有株式 (14.8%)(9.1%) (8.5%)(9.2%) (6.3%)(11.7%) -- -- <2026年度経営目標値(2025年10月30日公表値)>営業利益ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)D/Eレシオ投資額(3年累計決裁額)株主還元(一過性損益を除く)400億円以上7%以上0.5目安2024-2026年累計1,400億円配当性向30%以上DOE下限指標2.5%
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績 当期のわが国経済における景気は、緩やかに回復基調を続けてまいりました。個人消費は、物価上昇の影響を受けながらも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しました。製造業では、関税による下押し圧力が見られるものの、業況感は良好な水準を維持しています。こうした状況を受け、設備投資は緩やかな増加傾向となりました。ただし、足元では、中東情勢などの影響により不透明感が広がっています。これにともない、物価変動、為替水準、各国の金融政策、さらにはサプライチェーンの混乱や景気下振れリスクに及ぼす影響を注視していく必要があります。 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。(単位:百万円、%) 売上収益営業利益調整後営業利益税引前利益親会社の所有者に帰属する当期利益当期578,12942,08139,92044,75632,605前期574,94539,40843,95342,65328,314前期差(増減率)3,184(0.6%)2,673(6.8%)-4,033(-9.2%)2,103(4.9%)4,291(15.2%)(注)調整後営業利益は、営業利益から、特別損益に該当する項目、為替差損益、在庫評価損益、環境費用引当、固定資産税(平準化)、有給休暇引当を調整し算出しております。 当連結会計年度の売上収益は、主要需要先である自動車関連の受注は前年並みとなり、前期比31億84百万円増収の5,781億29百万円となりました。なお、売上収益の詳細はセグメントごとの経営成績をご覧ください。 主要原材料である鉄屑価格は、年間を通じて高い水準で推移し、年度末にかけて上昇基調となりました。また、ニッケル価格は、おおむね安定して推移しましたが、2026年1月以降においては上昇する場面も見られました。原油・LNG市況は、中東情勢の緊迫化に伴う供給懸念などの地政学リスクの影響を受けながら推移しました。全般的に原燃料価格は高位であり、徹底したコスト削減および販売価格への反映に継続して取り組み、適正マージン確保に努めております。 この結果、当期における営業利益は、前期比26億73百万円増益の420億81百万円、税引前利益は前期比21億3百万円増益の447億56百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比42億91百万円増益の326億5百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(単位:百万円、%) 売上収益営業利益前期当期前期差(増減率)前期当期前期差特殊鋼鋼材210,162207,781-2,380(-1.1%)12,08813,3801,291機能材料・磁性材料200,863199,753-1,109(-0.6%)11,02814,8843,855自動車部品・産業機械部品113,031117,9374,905(4.3%)11,3378,160-3,177エンジニアリング24,06726,6252,557(10.6%)2,2012,622421流通・サービス26,82026,031-789(-2.9%)2,7703,022251 特殊鋼鋼材 構造用鋼においては、自動車関連の需要は前年並みの水準であったものの、産業機械関連では緩やかに回復してきたことから、数量は増加しました。また、工具鋼に関しては自動車関連の需要低迷を受けて数量は減少しました。この結果、当セグメントは、前期比で減収増益となりました。 機能材料・磁性材料 ステンレス鋼は、データセンター用のHDD(ハードディスクドライブ)向け需要が上向いてきたことや、産業機械関連の需要が緩やかに回復してきたことなどにより、受注数量に関しては前年対比増加しました。高合金に関しては、電機電子向けで需要が減少しました。磁石製品は、中国重希土類の輸出規制の強化に伴い、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)などの重希土類フリーが特徴である当社磁石への需要が上向いており、売上収益は増加しました。チタン製品は、医療関連において一部在庫調整が継続していることなどにより、売上収益は減少しました。この結果、当セグメントの営業利益は、前期に中国磁石子会社の清算費用が発生したこともあり、前期比で増益となりました。 自動車部品・産業機械部品 エンジンバルブ部品は北米などにおける需要増加を受け、売上収益は増加しました。精密鋳造品はターボ関連の需要が増加しました。型鍛造品は自動車およびトラック関連の需要減少などにより、数量は減少しました。自由鍛造品は、舶用バルブや重電関連の受注水準は高位を継続し、航空機関連の受注は年度後半にかけて拡大しました。ただし、掘削関連においては需要が低迷していることもあり、在庫調整が継続した影響を受けて、受注は減少しました。この結果、当セグメントの売上収益は前期比で増収、営業利益は高合金プロセス改革プロジェクトの生産アロケーション変更に伴う一時費用を計上したこともあり、減益となりました。 エンジニアリング 鉄鋼用溶解設備およびメンテナンス部品の売上が増加したことなどにより、当セグメントは前期比で増収増益となりました。 当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。2026年度の当該指標の達成を目指し、行動方針として掲げた①事業ポートフォリオの変革、②経営基盤の強靭化、③ESG経営の高度化を推進してまいります。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%) 特殊鋼鋼材207,551△1.1 機能材料・磁性材料198,608△1.5 自動車部品・産業機械部品117,783+3.3 エンジニアリング26,625+10.6 合計550,568+0.2(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ② 受注状況当社グループ(当社および当社の連結子会社)の受注・販売形態は、素材供給等のグループ間取引が多岐にわたり、また受注生産形態をとらない製品もあるため、セグメントごとに受注規模を金額あるいは重量で示すことは行っておりません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)特殊鋼鋼材207,781△1.1機能材料・磁性材料199,753△0.6自動車部品・産業機械部品117,937+4.3エンジニアリング26,625+10.6流通・サービス26,031△2.9合計578,129+0.6(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手別の販売実績は、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 財政状態 当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、前期末に比べ734億5百万円増加し8,563億80百万円となりました。資産合計の増加の主な内訳は、退職給付に係る資産の増加222億56百万円、有形固定資産の増加208億32百万円、棚卸資産の増加160億18百万円であります。 資産合計の増加の主な要因は、下記のとおりであります。・退職給付に係る資産の増加は、株式の時価の上昇等による年金資産の増加によるものです。・有形固定資産は、自動車部品・産業機械部品事業および機能材料・磁性材料事業を中心とした成長分野への戦略設備投資等を推進したことにより増加しております。・棚卸資産は、日本高周波鋼業㈱を新規連結した影響により増加しております。 また、当社グループの当連結会計年度末の非支配持分を含めた資本は、前期末に比べ443億13百万円増加し5,134億57百万円となりました。資本の増減の主な内訳は、増加要因として利益剰余金の増加278億27百万円、その他の資本の構成要素の増加215億47百万円、減少要因として自己株式の増加65億32百万円であります。 資本の増減の主な要因は、下記のとおりであります。・親会社の所有者に帰属する当期利益326億5百万円の計上等により利益剰余金は増加しております。・株式の時価の上昇等による年金資産の増加によりその他の資本の構成要素が増加しております。・資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とすること、および株主還元の拡充を図ることを目的とし、自己株式を取得したことにより、自己株式が増加しております。 この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は55.2%となりました。 (3) キャッシュ・フロー 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期末に比べ18億53百万円増加し、630億72百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、660億96百万円(前期は535億16百万円の資金の増加)となりました。増加の主な内訳は、税引前利益447億56百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費311億29百万円であり、減少の主な内訳は、法人所得税の支払額167億37百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、482億48百万円(前期は155億86百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産、無形資産及び投資不動産の取得による支出525億55百万円、子会社の取得による支出101億90百万円であります。収入の主な内訳は、資本性金融商品の売却による収入142億92百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、184億59百万円(前期は227億15百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、借入金の返済による支出459億43百万円、配当金の支払額97億65百万円、自己株式の取得による支出66億4百万円であります。収入の主な内訳は、借入れによる収入406億58百万円であります。 当社グループでは、原燃料価格の高位継続、労務コストの上昇、高付加価値品の拡大等により運転資金が高止まりしていることから、コスト上昇に応じた販売価格の改定を進めるとともに、生産リードタイム短縮による棚卸資産の削減や原価低減活動、固定費等の圧縮を推し進め、安定的なキャッシュ・フローを創出するよう事業活動を続けてまいります。設備投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、手元流動性の適正レベルは時々の環境を考慮し、弾力的に運営してまいります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
事業リスク
- 事業環境の変動リスク国内外の景気悪化や、主要顧客である自動車業界の減産、電動化の進展加速は、グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。また、為替変動や貿易政策、感染症の蔓延なども、事業活動に不確実性をもたらします。
- 原材料・エネルギー価格変動鉄スクラップ、合金鉄、レアアースなどの原材料や、電力、LNGといったエネルギーの価格変動は、製造コストに直接影響し、収益を圧迫する可能性があります。安定的な調達が困難になるリスクも存在します。
- 大規模自然災害の発生南海トラフ巨大地震のような大規模自然災害が発生した場合、生産設備やインフラに甚大な被害が生じ、生産活動が長期にわたり停止する可能性があります。これにより、製品供給に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを、以下の表にて発生の可能性や時期、影響の大きさの観点から重要性が高いと判断している項目順に記載しております。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、または重要とは見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 項目リスクの内容主要な取り組み(1) 事業環境の動向発生可能性:高影響度:大 ・国内外の景気悪化、公共投資・民間設備投資の抑制、個人消費の低迷、特に当社グループの主要需要業界である自動車メーカーの減産、電動化の進展加速、当社グループの価格交渉力低下による経営成績および財政状態への影響・需要環境の構造的変化による事業用資産の減損および戦略的投資を行った事業の計画未達に伴う固定資産の減損・戦争、紛争を含む政情不安、金融政策の転換等に伴う金融不安、為替の急速な変動、貿易相手国の過度な通商政策、感染症の蔓延、自然災害等による上記リスクの顕在化、および当社グループに与える影響の拡大・経営企画部門による経済環境のモニタリング、事業計画の審査・競合に対する差別化、技術の向上・経営会議・技術投資検討会を通じた経営戦略、投資の妥当性の審議および収益獲得に向けたフォローアップ・外部環境変化を見据えた新規製品事業の強化(2) 原料、資機材、エネルギーの価格変動および安定調達発生可能性:高影響度:大 ・価格の変動(鉄スクラップ、合金鉄、レアアース、資機材、電力、LNG等)・需給バランスの崩れによる調達の不安定化、電力使用制限の発生に伴う生産活動への支障・地政学リスク発生による各種品目の価格高騰、供給懸念・製品価格転嫁の推進・製品価格の原材料サーチャージ制の実施・調達ソースの複数化、数量に柔軟性を持たせた契約の締結・調達先との密な情報交換・調達に関する契約の交渉・更改(3) 自然災害発生可能性:中影響度:大 ・南海トラフ巨大地震等に起因する大規模自然災害による生産設備・インフラへの甚大な影響・生産復旧を迅速に行う為の設備投資の検討および実行 (“人命保護”に向けた対策の検討/実行に関し、概ね計画を策定している)・工場建屋の耐震補強の検討および実行・天井クレーン落下防止対策の実行(4) 設備事故・労働災害発生可能性:中影響度:大 ・特殊鋼関連を主とする大規模主要設備の、過酷な環境下での操業による重大な設備事故や労働災害の発生 ・製造現場を中心とした自主的なリスク抽出と設備本質改善の継続・作業区分毎に、作業内容、危険予知、安全ポイントをミーティングで確認・徹底・転倒災害対策の推進(体力維持活動、環境改善、安全用品)・安全研修会等により他社改善事例を社内へ展開 項目リスクの内容主要な取り組み(5) 環境規制・カーボンニュートラル発生可能性:中影響度:大 ・環境保全に対する法規制の強化・厳格化に伴う対応のための事業活動の制約、費用の発生・当社渋川工場の鉄鋼スラグ製品および直下の土壌からの環境基準を超えるふっ素等の検出によって、追加的な対策が必要となった場合の、応分の費用負担発生・CO2削減対策費用の増大、再生可能エネルギー調達コストの上昇・社会貢献も含む環境配慮を重視した経営の推進・当社グループの事業活動に関連する各種法規制の洗い出し、および遵守状況のモニタリング・国や群馬県をはじめとした各自治体および民間との協議の上、調査および措置を継続・継続的な省エネ、コスト改善の実行(6) 人材発生可能性:高影響度:中 ・少子高齢化等による必要な人材の確保、育成の未達・各種ハラスメント防止やダイバーシティへの対応が不十分だった場合の人権侵害およびエンゲージメント低下による人材定着率の低下・通年採用、キャリア採用の拡充・階層別・専門教育の拡充・エンゲージメント向上に資する働きがいのある職場づくり・人権デューデリジェンス体制の整備および実施(7) 法令・規範の変更発生可能性:中影響度:中 ・労働、安全衛生、カルテル、輸出管理、個人情報保護、その他事業活動に関連する法令・規範の変更や社会の諸要求の厳格化による課徴金や行政処分の発生・法令その他の社会的規範の遵守、変更や厳格化への速やかな対応、公正で健全な企業活動の展開・法的要求事項等で違反認定された事例の水平展開・e-ラーニングシステムのさらなる有効活用(8) IT環境・情報セキュリティ発生可能性:中影響度:中 ・ランサムウエア等による事業停止・不正アクセスによる情報漏洩・デジタル技術革新への対応遅延による競争力の低下・基幹システムの肥大化およびブラックボックス化によるシステムトラブルの発生・主要システムのバックアップリカバリ確認・サイバーセキュリティ対策体制の強化 (CSIRT)・IT技術とデータの利活用推進・レガシーシステム整備に向けた課題抽出と中長期方針策定(9) 海外事業展開発生可能性:中影響度:中 ・海外における政治経済状況の混乱、法令、規制等の予期せぬ変更・その他の社会的混乱等に起因する事業活動への弊害・現地情報のタイムリーな収集、関連グループを含めた迅速な情報共有・駐在員管理強化・社内各部門との連携による海外会社対応サポート・e-ラーニングシステムの海外展開(10)関係会社のガバナンス発生可能性:中影響度:中 ・関係会社における各種の不正行為や不適切な会計処理等の発生・内部統制、重要法規の教育および本社監査部門による監査の実施・関係会社各社監査役の会合、教育を通じた監査役監査の充実・内部統制、リスクマネジメント等のグループ内啓蒙活動・e-ラーニングシステムのさらなる有効活用(11)製品品質保証・製造物責任のリスク発生可能性:中影響度:中 ・大規模な製造物責任賠償やリコールによる多額の費用発生や社会的な信用低下・検査データの不正による顧客への補償および売上減少による業績、財政状態への悪影響・品質安定化の追求、厳格な検査・保証管理体制構築、損害保険加入等・当社グループの品質保証に特化した部の設立(12)金融商品の価値変動発生可能性:低影響度:中 ・投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化による投資有価証券の価格下落・資産圧縮によるリスク低減