事業の概要
- 鉄鋼製品の製造販売合同製鐵グループは、線材、形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼といった多岐にわたる鉄鋼製品を製造し、販売しています。これらの製品は、建設やインフラ整備に不可欠な基礎材料であり、日本の経済活動を支える重要な役割を担っています。また、棒鋼加工製品や線材加工製品の製造販売も手掛けており、顧客の多様なニーズに対応しています。
- 農業資材の製造販売有機質肥料や化成肥料などの農業資材の製造および販売も行っています。この事業は、持続可能な農業を支えるために不可欠なものであり、食料生産の基盤を強化する役割を担っています。鉄鋼事業とは異なる分野で収益源を確保し、事業ポートフォリオの多角化を図っています。
- グループ会社による事業展開当社グループは、合同製鐵を中核に、15社の連結子会社と3社の持分法適用関連会社、そしてその他の関係会社である日本製鉄株式会社で構成されています。これらのグループ会社が連携し、鉄鋼事業と農業資材事業を推進することで、それぞれの専門性を活かしながら、グループ全体の収益力を高めるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 鉄鋼事業合同製鐵グループの主要な収益源であり、売上高は1,885.25億円に達しています。線材、大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼といった多種多様な鉄鋼製品の製造・販売を行っています。これらの製品は、建設業や製造業など幅広い産業で利用される基幹材料であり、グループ全体の事業基盤を支えています。
- 農業資材事業売上高121.96億円の事業セグメントであり、有機質肥料や化成肥料などの農業資材の製造・販売を手掛けています。この事業は、食料生産の安定化に貢献するとともに、鉄鋼事業とは異なる市場で収益を確保することで、グループ全体の事業ポートフォリオの多様化と安定化に寄与しています。
- 事業系統図に基づくグループ構成合同製鐵グループは、当社を中核に、15社の連結子会社と3社の持分法適用関連会社、そしてその他の関係会社である日本製鉄株式会社で構成されています。これらのグループ会社がそれぞれの専門性を活かし、鉄鋼事業と農業資材事業を効率的に推進することで、グループ全体の競争力強化と持続的な成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Metal | 事業 | 1,885 | − | − |
| AgriculturalMaterialsReportableSegment | 事業 | 122 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、15社の連結子会社、3社の持分法適用関連会社及びその他の関係会社である日本製鉄㈱で構成されており、鉄鋼事業及び農業資材事業を主な事業としております。各事業を構成している当社及び当社の連結子会社において営まれている主な事業の内容及び位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 [鉄鋼事業]・線材、各種大形・中形形鋼、軌条、構造用棒鋼、鉄筋用棒鋼の製造及び販売・棒鋼加工製品、線材加工製品等の製造及び販売・ねじ節鉄筋の製造及び販売・機械、製鋼原料等の販売 [農業資材事業]・有機質肥料、化成肥料等の製造及び販売 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。(2025年3月31日現在)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 需要減少に伴い他社との販売競争が激化する可能性があり、再生産可能な販売価格の維持に努めているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 鉄鋼事業は大規模な生産設備が必要であり、新規参入には多額の投資が伴うため |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内需要減少と販売競争激化 / 主原料価格の変動 / 電力単価の上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
合同製鐵は鉄鋼メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。汎用品に近い製品が多く、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
鉄鋼製品は顧客の仕様に合わせて製造される場合もあるが、多くは汎用品であり、顧客が他社へ乗り換える際のスイッチングコストは比較的低い。ただし、長年の取引関係や品質への信頼から、一部の顧客にとっては乗り換えにくさがある可能性は否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
鉄鋼業は、製品の利用者が増えることでサービスの価値が増すといったネットワーク効果が働くビジネスモデルではない。生産者と需要家の間の直接的な取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。
コスト優位★★★☆☆
合同製鐵は、高炉を持たない電炉メーカーであり、設備投資や操業コストの面で高炉メーカーと比較して構造的なコスト優位性を持つ可能性がある。特に、鉄スクラップを主原料とするため、原料調達コストの変動に影響を受けるものの、設備稼働率の向上や省エネ技術によりコスト競争力を維持している。
規模の経済★★★☆☆
電炉メーカーとしては国内有数の規模を誇り、一定の生産能力と販売網を有している。しかし、鉄鋼業界全体で見ると、グローバルな大手鉄鋼メーカーと比較すると規模の経済性は限定的であり、業界内での寡占度はそれほど高くない。
- 安定した生産体制と輸出注力国内の建設需要が成熟する中で、需要に見合った生産体制を維持しつつ、再生産可能な販売価格を確保することに努めています。さらに、生産余力を活用して鋼片や鋼材の輸出に注力することで、海外市場での収益機会を拡大し、収益基盤の強化を図っています。これにより、国内市場の変動リスクを分散し、安定的な事業運営を目指しています。
- 複数の製造拠点と効率化複数の製造拠点を持つ事業所体制を構築しており、これにより災害時などのリスク分散や、生産効率の向上を図っています。グループ全体の業務効率化、営業力強化、資産の有効活用を進めることで、安定した収益基盤の確立に努めています。これにより、市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
- 資材調達先の多角化と在庫管理主要資材である電極や耐火物、合金鉄の価格変動リスクに対し、複数の資材調達先を確保することで、供給途絶のリスクを低減しています。また、操業に応じた最適な在庫水準の維持に努めることで、急激な価格変動による影響を最小限に抑え、安定した生産活動を継続できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、『持てる資源を最大限に活かし製造実力の向上で、ゆるぎないコスト競争力の確立、新たな商品価値の創造 資源循環の担い手としての企業価値の一層の向上を目指す』をスローガンに、企業価値の向上を図るために売上高利益率・資産効率・資本効率を重視し、継続的な企業成長に努めてまいります。鉄鋼事業では、良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・社会の発展に寄与していくこと、及び、電炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を担い、省資源・省エネルギーに貢献していくこととしております。農業資材事業では、種子と牧草というスペシャリティを持った肥料メーカーとして発展させ、社会に貢献していくこととしております。 当社グループは上記の基本方針のもとに、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の経営戦略を推進いたします。(鉄鋼事業)① 国内では、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力することにより収益基盤を強化するとともに、普通鋼電炉業界の改善・発展に寄与してまいります。② 線材・形鋼・構造用鋼・鉄筋棒鋼等の多様な条鋼類の製造販売を行うことにより、安定的な収益の確保を図ってまいります。③ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電炉会社に相応しい経営体質の構築を図ってまいります。④ 当社グループは完全子会社の朝日工業㈱、三星金属工業㈱及び㈱トーカイを含めた6つの製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の一層の業務効率化、営業力強化並びにあらゆる資産の有効活用を進めることにより、安定した収益基盤の確立を目指してまいります。⑤ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体の信頼を確保してまいります。 (農業資材事業)肥料事業では、製造技術に強みを有する有機質肥料への経営資源シフトを行い、未利用資源活用による原料開発や複数工場の一体運営による生産効率化を通した更なるコストダウンを推進いたします。 当社グループの経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。普通鋼電炉業界は、前期と同様厳しい事業環境が継続することに加え、2025年度からは電力価格のさらなる値上げや物流等諸コストの増加が見込まれ、さらには米国の諸施策の影響が不透明である中、事業環境の変化に応じた速やかな対応が一層求められる状況となっております。このような経営環境下、当社グループは2022年度、2023年度において中期ビジョンで掲げた収益目標を超過達成したことや、経営課題が大きく変化してきたこと等に鑑み、昨年2月に「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」を見直し、新たな経営目標を設定いたしました。2025年度はその最終年度となりますが、当社グループは全社一体となって経営目標の達成に向けて鋭意取り組んでまいります。 2025年度見直し後目標売 上 高2,250億円経常利益 160億円R O S7.0%R O E8%以上D / E0.5以下 具体的には、製造・販売におけるシナジー効果を最大限に発揮すべく、これまでの商慣習の適正化などに加え、合同製鐵グループの朝日工業㈱、三星金属工業㈱、㈱トーカイとの連携をさらに強化することで一体的な運営を進め、最適生産・出荷体制の追求、営業力の強化、高機能商品の拡販に努めてまいります。また、電力、燃料の軽減につながる省エネルギー投資やカーボンニュートラル実現に向けた施策の実行、DXの推進、人的資本への投資やBCPへの対応などにも一層注力してまいります。 2019年3月にグループ化いたしました朝日工業㈱とは、鉄鋼事業における経営基盤の強化を通じた企業価値向上を目指し、以下の施策をグループ一体となって取り組んでまいります。(1) 顧客評価の向上販売面において、当社船橋製造所及び三星金属工業㈱と、朝日工業㈱の棒鋼販売における販売方針・営業施策等を相互に共有し、製造設備、技術等の両社経営資源の相互有効活用により、ねじ節鉄筋や高強度鉄筋をはじめとする高付加価値品を中心とした商品ラインナップの一層の拡充を図り、円滑なデリバリーを構築することなどにより顧客評価の向上に繋げてまいります。(2) 構造用棒鋼における事業シナジーの追求構造用棒鋼事業においては、当社姫路製造所の太径と、朝日工業㈱の細径による補完性の高い製品構成を活用した共同販売の展開の可能性を追求し、商品メニューの拡大やデリバリー性の向上といった顧客満足度の向上を図り、両社の企業価値の向上を目指してまいります。(3) 鉄鋼製造技術、プロセスに関するシナジー効果の追求当社グループにある6つの製造拠点による「製鋼・圧延 各技術交流部会」を組成し、高強度材等の高付加価値品に係る製造技術、安定操業の維持及びコスト削減手法等の操業課題などについて積極的な技術交流と情報共有化を図り、各事業所の特徴と強みを融合させた製造技術の向上を目指してまいります。また、電炉業界全体の共通課題でもあるスラグやダスト処理についても、当社グループの知見の共有化を進め、利用価値向上に関するより有効な施策の可能性の創出を目指してまいります。(4) 購買部門における調達効率向上当社グループにおける購買情報の共有化、購買政策の共同化等により更なる安価購買、調達条件の改善等により購買部門における調達効率向上を目指してまいります。(5) 物流効率化、輸送コスト削減施策の検討CO₂削減等を目的とした自動車輸送から貨車・船舶輸送へのモーダルシフトに先行して取り組んでいる朝日工業㈱のノウハウを当社グループの鋼片・鋼材輸送に活かし、物流効率化や費用削減の追加的な効果発揮を目指してまいります。(6) グループ人材育成施策の共有化当社グループにおける人材育成施策の制度、内容等を共有の上、積極的な交流・共同運営を推進し、より一層の拡充と効率化を図ってまいります。(7) 経理・財務・資金調達関係の円滑化・効率化当社グループにおける連結Cash Management System(企業グループ全体の現預金を一元的に管理し、グループ各社で生じる資金の過不足を調整することで、効率的な資金利用を図るシステム)へ朝日工業㈱が参加するとともに、経理・財務部門が協議・連携することによって、連結決算業務の円滑化や資金の効率化等に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、『持てる資源を最大限に活かし製造実力の向上で、ゆるぎないコスト競争力の確立、新たな商品価値の創造 資源循環の担い手としての企業価値の一層の向上を目指す』をスローガンに、企業価値の向上を図るために売上高利益率・資産効率・資本効率を重視し、継続的な企業成長に努めてまいります。鉄鋼事業では、良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・社会の発展に寄与していくこと、及び、電炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を担い、省資源・省エネルギーに貢献していくこととしております。農業資材事業では、種子と牧草というスペシャリティを持った肥料メーカーとして発展させ、社会に貢献していくこととしております。 当社グループは上記の基本方針のもとに、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の経営戦略を推進いたします。(鉄鋼事業)① 国内では、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力することにより収益基盤を強化するとともに、普通鋼電炉業界の改善・発展に寄与してまいります。② 線材・形鋼・構造用鋼・鉄筋棒鋼等の多様な条鋼類の製造販売を行うことにより、安定的な収益の確保を図ってまいります。③ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電炉会社に相応しい経営体質の構築を図ってまいります。④ 当社グループは完全子会社の朝日工業㈱、三星金属工業㈱及び㈱トーカイを含めた6つの製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の一層の業務効率化、営業力強化並びにあらゆる資産の有効活用を進めることにより、安定した収益基盤の確立を目指してまいります。⑤ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体の信頼を確保してまいります。 (農業資材事業)肥料事業では、製造技術に強みを有する有機質肥料への経営資源シフトを行い、未利用資源活用による原料開発や複数工場の一体運営による生産効率化を通した更なるコストダウンを推進いたします。 当社グループの経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。普通鋼電炉業界は、前期と同様厳しい事業環境が継続することに加え、2025年度からは電力価格のさらなる値上げや物流等諸コストの増加が見込まれ、さらには米国の諸施策の影響が不透明である中、事業環境の変化に応じた速やかな対応が一層求められる状況となっております。このような経営環境下、当社グループは2022年度、2023年度において中期ビジョンで掲げた収益目標を超過達成したことや、経営課題が大きく変化してきたこと等に鑑み、昨年2月に「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」を見直し、新たな経営目標を設定いたしました。2025年度はその最終年度となりますが、当社グループは全社一体となって経営目標の達成に向けて鋭意取り組んでまいります。 2025年度見直し後目標売 上 高2,250億円経常利益 160億円R O S7.0%R O E8%以上D / E0.5以下 具体的には、製造・販売におけるシナジー効果を最大限に発揮すべく、これまでの商慣習の適正化などに加え、合同製鐵グループの朝日工業㈱、三星金属工業㈱、㈱トーカイとの連携をさらに強化することで一体的な運営を進め、最適生産・出荷体制の追求、営業力の強化、高機能商品の拡販に努めてまいります。また、電力、燃料の軽減につながる省エネルギー投資やカーボンニュートラル実現に向けた施策の実行、DXの推進、人的資本への投資やBCPへの対応などにも一層注力してまいります。 2019年3月にグループ化いたしました朝日工業㈱とは、鉄鋼事業における経営基盤の強化を通じた企業価値向上を目指し、以下の施策をグループ一体となって取り組んでまいります。(1) 顧客評価の向上販売面において、当社船橋製造所及び三星金属工業㈱と、朝日工業㈱の棒鋼販売における販売方針・営業施策等を相互に共有し、製造設備、技術等の両社経営資源の相互有効活用により、ねじ節鉄筋や高強度鉄筋をはじめとする高付加価値品を中心とした商品ラインナップの一層の拡充を図り、円滑なデリバリーを構築することなどにより顧客評価の向上に繋げてまいります。(2) 構造用棒鋼における事業シナジーの追求構造用棒鋼事業においては、当社姫路製造所の太径と、朝日工業㈱の細径による補完性の高い製品構成を活用した共同販売の展開の可能性を追求し、商品メニューの拡大やデリバリー性の向上といった顧客満足度の向上を図り、両社の企業価値の向上を目指してまいります。(3) 鉄鋼製造技術、プロセスに関するシナジー効果の追求当社グループにある6つの製造拠点による「製鋼・圧延 各技術交流部会」を組成し、高強度材等の高付加価値品に係る製造技術、安定操業の維持及びコスト削減手法等の操業課題などについて積極的な技術交流と情報共有化を図り、各事業所の特徴と強みを融合させた製造技術の向上を目指してまいります。また、電炉業界全体の共通課題でもあるスラグやダスト処理についても、当社グループの知見の共有化を進め、利用価値向上に関するより有効な施策の可能性の創出を目指してまいります。(4) 購買部門における調達効率向上当社グループにおける購買情報の共有化、購買政策の共同化等により更なる安価購買、調達条件の改善等により購買部門における調達効率向上を目指してまいります。(5) 物流効率化、輸送コスト削減施策の検討CO₂削減等を目的とした自動車輸送から貨車・船舶輸送へのモーダルシフトに先行して取り組んでいる朝日工業㈱のノウハウを当社グループの鋼片・鋼材輸送に活かし、物流効率化や費用削減の追加的な効果発揮を目指してまいります。(6) グループ人材育成施策の共有化当社グループにおける人材育成施策の制度、内容等を共有の上、積極的な交流・共同運営を推進し、より一層の拡充と効率化を図ってまいります。(7) 経理・財務・資金調達関係の円滑化・効率化当社グループにおける連結Cash Management System(企業グループ全体の現預金を一元的に管理し、グループ各社で生じる資金の過不足を調整することで、効率的な資金利用を図るシステム)へ朝日工業㈱が参加するとともに、経理・財務部門が協議・連携することによって、連結決算業務の円滑化や資金の効率化等に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度のわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の拡大等により緩やかに回復しておりますが、長期化するロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化、低迷する中国経済など、依然として先行き不透明な状況が継続しました。普通鋼電炉業界におきましては、主たる需要分野である国内建設分野において、建設コスト高騰による計画見直しが常態化し、また、働き方改革にともなう労働時間の減少(上限規制)から建設業者の工期長期化、選別受注等の影響を受け、鋼材需要は低調のまま推移しました。また、主原料である鉄スクラップ価格が高値圏で推移するとともに、円安の継続によりエネルギー価格が高止まるなど、調達コストを取り巻く環境は厳しい状況が続きました。こうした中、当社グループにおきましては、強固な事業基盤を確立し、更なる成長を目指した「合同製鐵グループ中期ビジョン2025」に基づき、複数の製造拠点をもつ事業所体制を活かしつつ、販売、購買環境や生産条件などの変化を迅速に捉えながら、需要見合いの生産に徹するとともに、再生産可能な販売価格の実現に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の業績につきましては、需要環境が低迷する中、販売価格の維持に努めたものの販売数量の減少等により、連結売上高は前期比176億50百万円減収の2,051億99百万円となりました。加えて、コスト面では鉄スクラップ価格が年度後半においてやや低位に推移したものの、2024年問題の影響や電力費及び資材価格の高騰等で相殺され、連結営業損益は前期比41億1百万円減益の137億49百万円の利益、連結経常損益は前期比48億79百万円減益の154億22百万円の利益、親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比38億71百万円減益の113億22百万円の利益となりました。 各セグメント別の業績の概況は以下のとおりであります。<鉄鋼事業>当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は前期比180億32百万円減収の1,885億25百万円、経常損益は前期比50億81百万円減益の152億59百万円の利益となりました。<農業資材事業>当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は前期比99百万円減収の121億96百万円、経常損益は前期比1億30百万円増益の2億25百万円の損失となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績セグメントの名称品目前連結会計年度 生産量(千t)当連結会計年度 生産量(千t)鉄鋼事業粗鋼1,5631,433 鋼材1,4801,329農業資材事業肥料10294 ② 受注実績当社グループの販売実績は、見込生産によるものが大半を占めるため記載を省略しております。 ③ 販売実績セグメントの名称前連結会計年度 金額(百万円)当連結会計年度 金額(百万円)鉄鋼事業206,558188,525農業資材事業12,29612,196その他3,9954,477合計222,850205,199 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)阪和興業㈱30,60813.728,78114.0伊藤忠丸紅住商テクノスチール㈱24,81611.122,28810.9エムエム建材㈱24,57211.020,42010.0 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金の減少(136億67百万円)及び棚卸資産の減少(54億99百万円)等により、前連結会計年度末(2,708億13百万円)から166億53百万円減少し、2,541億59百万円となりました。負債につきましては、支払手形及び買掛金の減少(136億37百万円)及び短期借入金の減少(43億89百万円)等により前連結会計年度末(1,422億1百万円)から227億90百万円減少し、1,194億10百万円となりました。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(113億22百万円)及び配当金の支払(35億10百万円)等により前連結会計年度末(1,286億11百万円)から61億37百万円増加し、1,347億49百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の47.3%から52.8%になりました。 セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。<鉄鋼事業>当連結会計年度末のセグメント資産は、前期比172億円減少の2,346億36百万円となりました。<農業資材事業>当連結会計年度末のセグメント資産は、前期比5億78百万円減少の150億57百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(243億87百万円)より40億13百万円増加し、284億円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益155億36百万円、減価償却費46億7百万円、売上債権の減少額136億67百万円及び仕入債務の減少額131億31百万円等により、191億38百万円の収入(前期は178億39百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出62億25百万円等により、56億78百万円の支出(前期は49億43百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の返済による支出104億51百万円等により、94億48百万円の支出(前期は104億58百万円の支出)となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、運転資金につきましては、金融機関からの短期借入金により調達することとしており、設備投資等の資金につきましては、金融機関からの長期借入及び社債の発行を原則としております。当社グループでは、資金の流動性を確保するため、金融機関の短期借入枠を設定しています。また、連結Cash Management Systemの運営によって、資金余剰状態にある子会社からの預金と資金需要がある子会社への貸付を一元管理することで、資金効率化を図っております。 (4) 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 国内需要の減少と競争激化成熟した日本経済において、公共事業や民間建設需要の大きな伸長は見込みにくい状況です。これにより、需要減少に伴う他社との販売競争が激化し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。国内市場の縮小は、販売量や販売価格の低下に直結するリスクとなります。
- 原材料価格の変動主原料である鉄スクラップの価格は、地政学リスクや東アジア地域の需要拡大、国内高炉メーカーの購入増加などにより、短期間で大幅に変動する可能性があります。このような原材料価格の急激な変動は、製造コストの増加を通じて、当社グループの業績に大きな影響を与えるリスクがあります。
- 電力コストの増大と資材調達国内の電力供給構造の変化(原子力発電の停止、自然エネルギーへの移行)に伴い、電力単価が上昇し、電力費の負担が年々増大しています。また、電極や耐火物、合金鉄といった主要資材の需給逼迫や価格上昇も、製造コストを押し上げ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場環境等について① 成熟した日本経済の環境下で、長期的視点から、国内の公共事業・民間建設需要が大きく伸長することは考えにくく、需要減少に伴い他社との販売競争が激化して当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力するなどにより収益基盤の強化を図っております。② 主原料である鉄スクラップ価格が地政学リスクや、東アジア地域内の需要拡大、国内高炉メーカーの購入増加などの影響を受け、短期的かつ大幅に変動した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、操業に応じた最適な在庫水準の維持に努めております。③ 東アジア地域を中心に全世界で鉄鋼生産能力の増強が進行し、過剰な生産設備による供給過剰問題が顕在化することにより世界的な鉄鋼需給バランスが大きく崩れた場合、海外市場から日本市場への輸出が増加する可能性があります。この場合、当社グループ製品の販売量減少、販売価格下落などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、複数の製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の業務の効率化、営業力強化並びに資産の有効活用を進めることなどにより、安定した収益基盤の確立に努めております。④ 経営環境の変化などに伴う収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を踏まえて固定資産の帳簿価額を減額し減損損失を計上するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力するなどにより収益基盤の強化を図っております。⑤ 当社グループは有利子負債を保有しているため、金利情勢やその他金融市場の変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、金利を固定化すること等により、リスク低減を図っております。 (2) 特定の取引先・製品・技術等への依存に係るもの① 電力供給の影響に関して、現在、国内の原子力発電所の多くが運転を停止するなか、カーボンニュートラル促進の観点から、原子力発電の代替として活用されてきた火力発電に代わって、自然エネルギーを活用した発電への移行が進んでいることなどから、東京電力や関西電力などが電力単価を引上げ、電力費の負担は年々増大しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうした電源構造の変化に応じた最適な生産体制を整えるとともに、製造時に使用する電力・燃料の軽減につながる省エネルギー投資や、太陽光パネル等の自然エネルギーの活用など、省電力対策投資に積極的に取り組んでおります。② 電気炉製造の主要資材である電極について、東アジア地域における電気炉での製造拡大や電気自動車の普及に伴う電極の主原料であるニードルコークスの需給逼迫などにより、今後、短期的かつ大幅に変動した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要資材の耐火物や合金鉄についても、その製造における原料の原産地が限定されるものがあり、今後、調達数量の制約や価格上昇により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、複数の資材調達先を確保し、適切な在庫水準の維持に努めております。 (3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針に係るもの今後、当社グループが事業活動を行うにあたり、環境規制など、将来における法律、規則、政策等の変更や強化・導入された場合には、製鉄事業を中心に事業活動が制約を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、業界団体への加盟等により必要な情報を的確に収集し、グループリスクマネジメント委員会を通じてグループ各社との情報共有を図っており、事前の対処により受ける影響を最小限に留めるように努めております。 (4) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの現時点において、製造物責任に関する損害賠償請求等、当社グループが関係する重要な係争中の訴訟はありません。しかしながら、将来において、当社グループの事業活動に関連する訴訟事件が発生する可能性は否定できません。将来、起こり得る訴訟事件等に関する裁判所等の最終判断は、現時点で予測不可能でありますが、場合によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、弁護士事務所と顧問契約を締結し、専門家による適切な助言を受けられる体制を構築しております。 (5) 人材確保・育成、省力化対策当社グループの更なる成長について、有能な人材の確保や育成に大きく依存しております。当社グループは、今後の少子化・労働者人口の減少などによる人手不足に対応するべく、女性や外国人、中途採用者等、多様な価値観や経験をもつ人材の採用や人材教育、省力化対策への設備投資などに取り組んでおりますが、人員バランスの計画が少子化等による外部環境の悪化により達成できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、女性活躍の推進等による優秀な人材の確保や福利厚生施設の充実化など、従業員が働きやすい職場づくりに努めるとともに、在宅勤務制度の整備や、新入社員研修等で実施している人権研修の拡充等、D&Iへの意識改革を目的とした全社教育環境の整備や、今後の女性及び高齢者等の活用を鑑みた育児・介護と仕事の両立支援に向け、更なる施策を検討してまいります。 (6) 自然災害、異常気象等当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害や新型ウイルス等の感染症の流行の発生に見舞われた場合には、事業活動が制約を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該状況への対応策として、各事業所間において鋼片等を相互に供給できる体制の構築に努めております。 (7) 組織再編、海外投資等当社グループは、2019年3月に子会社化した朝日工業㈱の組織再編・投資等によって成長を持続させ、今後も組織再編や投資を継続する可能性があります。当社グループは、慎重な事業評価、契約交渉、社内審議等のプロセスを経たうえで投資等の実行を判断し遂行しておりますが、連結貸借対照表に計上したのれんに減損が生じるような場合は、当社グループの業績等に悪影響が生じる可能性があります。 (8) 朝日工業㈱とのシナジー効果当社グループは、2019年3月に各項目における事業シナジーの効果を期待して朝日工業㈱を子会社化し、その実現に向けた具体的な諸施策を推進しております。これら計画は、策定当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、こうした情報や分析等には不確定な要素が含まれており、今後、事業環境の悪化や、その他の要因により、期待される成果の一定程度が実現に至らない可能性があります。 (9) その他現時点では予測できない、政治・経済状況の変化をはじめとする、上記以外の事業リスクの発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。