事業の概要
- 建設・建材事業の展開エーアンドエーマテリアルは、不燃建築材料の製造・販売、および関連工事の設計・施工を主力としています。具体的には、不燃性の建材を自社や子会社で製造し、販売するほか、子会社が工事の設計や施工も手掛けています。これにより、建材の提供から施工まで一貫したサービスを提供し、建築業界のニーズに応えています。
- 工業製品・エンジニアリング事業不燃紡織品や船舶用資材、防音材、伸縮継手といった多様な工業用材料・機器の販売を行っています。また、子会社では工業用摩擦材やシール材、保温保冷断熱材の製造・販売も手掛けており、さらに保温・保冷・空調・断熱・防音・耐火工事の設計・施工も行っています。自動車用摩擦材の製造・販売も手掛けるなど、幅広い産業分野に貢献しています。
- 多角的な収益構造同社グループは、建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業という二つの柱で収益を上げています。建設・建材事業では不燃材料の製造から施工まで、工業製品・エンジニアリング事業では多岐にわたる工業用材料の製造・販売から工事までを手掛けることで、異なる市場の需要を取り込み、安定した収益基盤を築いています。不動産の賃貸もその他事業として収益に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 建設・建材事業この事業は、不燃建築材料の製造・販売と、関連する工事の設計・施工を主な内容としています。2023年度の売上高は186.88億円、営業利益は24.5億円を計上しており、同社グループの主要な収益源の一つです。当社が製造・販売するほか、子会社のエーアンドエー茨城やエーアンドエー大阪が製造し、当社が仕入販売しています。また、エーアンドエークレストが工事の設計・施工を担当しています。
- 工業製品・エンジニアリング事業この事業は、不燃紡織品、船舶用資材、防音材、伸縮継手などの各種工業用材料・機器の販売、および工業用摩擦材、シール材、保温保冷断熱材の製造・販売、さらには保温・保冷・空調・断熱・防音・耐火工事の設計・施工を含みます。2023年度の売上高は246.75億円、営業利益は14.14億円と、同社グループ内で最も大きな売上規模を誇る事業です。子会社のアスクテクニカや朝日珪酸工業が製造を担い、アスク・サンシンエンジニアリングやアスク沖縄が工事の設計・施工を行っています。
- 多角的な事業展開と地域構成同社グループは、建設・建材事業と工業製品・エンジニアリング事業の二つの柱で事業を展開しており、それぞれの事業が異なる市場ニーズに対応しています。建設・建材事業は主に国内市場に焦点を当てている一方、工業製品・エンジニアリング事業ではインドネシアなど海外での製造・販売も行っています。これにより、国内市場の変動リスクを分散しつつ、海外市場での成長機会も追求していると考えられます。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ConstructionAndBuildingMaterials | 事業 | 187 | 25 | 13.1% |
| IndustrialGoodsAndEngineering | 地域 | 247 | 14 | 5.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、子会社9社で構成され、建設・建材事業、工業製品・エンジニアリング事業における製品製造、販売並びに工事の設計、施工を主な内容としております。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。建設・建材事業不燃建築材料の製造、販売及び工事の設計、施工……… 当社が製造、販売する他、子会社㈱エーアンドエー茨城、㈱エーアンドエー大阪が製造し、当社が仕入販売をしております。また、子会社㈱エーアンドエークレストが工事の設計、施工をしております。なお、セメント等原材料の一部はその他の関係会社太平洋セメント㈱より仕入れております。低圧メラミン化粧板の製造、販売……… 子会社ユニボード㈱が製造、販売をしております。鉄骨耐火被覆工事の設計、施工……… 子会社㈱エーアンドエークレストが設計、施工をしております。 工業製品・エンジニアリング事業不燃紡織品、船舶用資材、防音材、伸縮継手他各種工業用材料・機器の販売……… 当社が仕入販売をしております。工業用摩擦材、シール材、保温保冷断熱材の製造、販売……… 子会社㈱アスクテクニカ及び朝日珪酸工業㈱が製造し、当社が仕入販売をしております。保温、保冷、空調、断熱、防音、耐火工事の設計、施工……… 子会社アスク・サンシンエンジニアリング㈱及びアスク沖縄㈱が設計、施工をしております。自動車用を主とした摩擦材、シール材の製造、販売……… 子会社㈱アスクテクニカが製造、販売をしております。また、海外においては、アスクテクニカインドネシアが製造、販売をしております。その他不動産の賃貸等 事業の系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 工業用諸材料及び保温保冷工事の分野において、国内関連市場の景気動向により価格が予断を許さない状況にあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 不燃建築材料、低圧メラミン化粧板、工業用摩擦材、シール材などの製造技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:景気変動、経済情勢の悪化 / 債権回収のリスク / 製品の品質維持のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
エーアンドエーマテリアルは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとする事業を展開しているという情報は現時点では確認できません。主力製品であるガラス繊維製品や断熱材は、汎用性が高く、技術的な差別化が難しい分野と考えられます。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客がエーアンドエーマテリアルの製品から他社製品へ切り替える際の直接的なコストは低いと考えられます。しかし、特定の用途向けにカスタマイズされた製品や、長年の取引実績による信頼関係が、一定のスイッチング・コストを生み出している可能性はあります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
エーアンドエーマテリアルの事業モデルは、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を向上させるネットワーク効果を生み出す構造にはありません。BtoBビジネスが中心であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なります。
コスト優位★★☆☆☆
ガラス繊維製品や断熱材の製造において、生産効率の改善や原材料調達におけるコスト削減努力は行われていると考えられます。しかし、業界全体として価格競争が生じやすく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えません。規模の経済による効率化の余地はあります。
規模の経済★★☆☆☆
ガラス繊維製品や断熱材市場において、エーアンドエーマテリアルは一定のシェアを有していますが、市場全体を寡占するほどの規模ではありません。大手競合他社も存在し、規模の経済による圧倒的な優位性を確立するには至っていません。今後の市場拡大や業界再編の動向が重要となります。
- 不燃材料の製造・施工不燃建築材料の製造から販売、そして工事の設計・施工までを一貫して手掛ける体制は、顧客にとっての利便性が高く、品質管理もしやすいという強みがあります。特に、不燃材料は建築物の安全性を確保する上で不可欠であり、専門的な技術とノウハウが求められる分野です。子会社が製造と施工を分担することで、効率的な事業運営を実現しています。
- 多様な工業製品の提供不燃紡織品、船舶用資材、防音材、伸縮継手など、幅広い種類の工業用材料・機器を取り扱っている点は、多様な産業ニーズに対応できる強みです。また、工業用摩擦材やシール材、保温保冷断熱材の製造も手掛けており、特定のニッチ市場だけでなく、幅広い顧客層に製品を提供できる可能性があります。これにより、市場変動リスクを分散できると考えられます。
- グループ連携によるシナジー当社、9の子会社、およびその他の関係会社である太平洋セメントとの連携により、原材料の安定調達から製品製造、販売、工事施工まで、グループ全体で効率的な事業運営が可能です。例えば、セメント等の原材料を太平洋セメントから仕入れることで、安定した供給を受けつつ、コスト面でも優位性を確保できる可能性があります。これにより、競争力を高めていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「建材に関する生産、化粧加工、施工の技術」と「熱、音、その他のエネルギーをコントロールする技術」をもとに、安全で安心でき、快適な環境を創造する事業を通じて、生活環境と社会基盤の充実並びに産業の発展に貢献する企業グループになることを目指しております。その実現のために、下記の方針により企業活動を展開していきます。1)お客様や市場の声を敏感に受け止め、新商品・新事業の研究・開発、探索・導入、そして市場投入を絶え間なく継続し、お客様に信頼感を持っていただける安全で高品質な商品、工事およびサービスを提供し続けます。2)技術力の向上並びに管理手法の改善等によりコスト削減を図り、収益性を一層高めて、当社グループの持続的な発展に努めます。3)法と社会秩序を遵守すると共に、的確な企業統治と内部統制のシステムを確立し、その機能を充実させることにより、経営の質的レベルアップを図り、社外の様々な関係者からみての安心感・安定感を高めます。4)全ての企業活動において環境保全に配慮すると共に、様々な環境への影響を把握、管理して、天然資源、副産物の有効活用や環境負荷の低減を図り、社会への貢献に努めます。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、新たな未来像を描いた長期経営構想「Vision2033」で10年後のありたい姿を目指し、その目標からバックキャスティングした取り組みを展開する最初の3年間を1st Stage「挑戦と変革」をキーワードとした「2026中期経営計画」を策定しております。この計画においては、3つの主要施策「Ⅰ.新ビジネスモデルとコーポレートブランドの確立による収益拡大」、「Ⅱ.戦略的M&Aによる事業規模の拡大」、「Ⅲ.DX基盤整備による業務改革の実現」を柱とした成長戦略と中長期CSRビジョン「CSR2033」で示したサステナビリティ課題への取り組みとを相乗的に推進し、サステナブルな事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を目指し、持続的な発展と企業価値の向上に取り組んでおります。グループ全体におきましては、「働き方改革」、「採用力の強化」、「本社ビルの老朽化」を理由に神奈川県横浜市鶴見区から東京都港区へ2025年2月8日に移転しております。建設・建材事業におきましては、化粧板の拡販、海外販売比率のアップ、新商品・新工法の上市に取り組んでまいります。また、工程・原価管理を徹底し、工事利益確保に努めてまいります。工業製品・エンジニアリング事業におきましては、将来の成長へとつながる事業基盤の構築を目指し、新規成長事業分野への積極的な製品開発、販売を行うと共に事業のサービス化への変革に取り組んでまいります。また、船舶用LNG燃料タンク防熱工法の実績を積上げると共に次世代保冷工法の開発にも取り組み、カーボンニュートラルへの貢献を目指した活動を推進してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「建材に関する生産、化粧加工、施工の技術」と「熱、音、その他のエネルギーをコントロールする技術」をもとに、安全で安心でき、快適な環境を創造する事業を通じて、生活環境と社会基盤の充実並びに産業の発展に貢献する企業グループになることを目指しております。その実現のために、下記の方針により企業活動を展開していきます。1)お客様や市場の声を敏感に受け止め、新商品・新事業の研究・開発、探索・導入、そして市場投入を絶え間なく継続し、お客様に信頼感を持っていただける安全で高品質な商品、工事およびサービスを提供し続けます。2)技術力の向上並びに管理手法の改善等によりコスト削減を図り、収益性を一層高めて、当社グループの持続的な発展に努めます。3)法と社会秩序を遵守すると共に、的確な企業統治と内部統制のシステムを確立し、その機能を充実させることにより、経営の質的レベルアップを図り、社外の様々な関係者からみての安心感・安定感を高めます。4)全ての企業活動において環境保全に配慮すると共に、様々な環境への影響を把握、管理して、天然資源、副産物の有効活用や環境負荷の低減を図り、社会への貢献に努めます。 (2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、新たな未来像を描いた長期経営構想「Vision2033」で10年後のありたい姿を目指し、その目標からバックキャスティングした取り組みを展開する最初の3年間を1st Stage「挑戦と変革」をキーワードとした「2026中期経営計画」を策定しております。この計画においては、3つの主要施策「Ⅰ.新ビジネスモデルとコーポレートブランドの確立による収益拡大」、「Ⅱ.戦略的M&Aによる事業規模の拡大」、「Ⅲ.DX基盤整備による業務改革の実現」を柱とした成長戦略と中長期CSRビジョン「CSR2033」で示したサステナビリティ課題への取り組みとを相乗的に推進し、サステナブルな事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を目指し、持続的な発展と企業価値の向上に取り組んでおります。グループ全体におきましては、「働き方改革」、「採用力の強化」、「本社ビルの老朽化」を理由に神奈川県横浜市鶴見区から東京都港区へ2025年2月8日に移転しております。建設・建材事業におきましては、化粧板の拡販、海外販売比率のアップ、新商品・新工法の上市に取り組んでまいります。また、工程・原価管理を徹底し、工事利益確保に努めてまいります。工業製品・エンジニアリング事業におきましては、将来の成長へとつながる事業基盤の構築を目指し、新規成長事業分野への積極的な製品開発、販売を行うと共に事業のサービス化への変革に取り組んでまいります。また、船舶用LNG燃料タンク防熱工法の実績を積上げると共に次世代保冷工法の開発にも取り組み、カーボンニュートラルへの貢献を目指した活動を推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績や雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調が継続しました。一方で、原材料価格の高騰や物価上昇の持続、さらには米国の通商政策の動向等、先行きを不透明とする要因も依然として存在しており、引き続き慎重な見極めが求められる状況にあります。当社グループの主要事業領域である建設・建材業界におきましては、公共投資および民間投資のいずれにおいても増加傾向が見られました。なかでも、大阪・関西万博や震災復興関連の建設需要は堅調に推移しました。しかしながら、物価上昇に伴う資材価格の高騰、人手不足に起因する人件費の上昇等については、依然として注視が必要な状況が続いております。工業製品・エンジニアリング事業領域におきましては、保温・築炉分野において世界的なアルミ需要の減少による影響が継続しております。一方、環境エネルギー分野におきましては、新たなエネルギー技術の開発が進展しており、再生可能エネルギーの活用を見据えた設備投資が活発化しております。また、造船業界におきましては、環境負荷の少ない船舶への需要が高まりを見せております。このような環境の下、当連結会計年度の売上高は、建設・建材事業における販売価格の改定および工業製品・エンジニアリング事業における大型工事の完成により、43,421百万円(前期比5.2%増収)となりました。一方、利益面では、原燃料の高騰、労務費・物流費の増加など外部要因の影響を受け、さらに「M&A」による事業規模の拡大、「本社移転」による従業員の働き方改革、採用力・ブランド力の強化など、中長期的に当社の競争力と成長性を高めるための投資が大きく影響し、営業利益1,916百万円(前期比17.3%減益)、経常利益1,885百万円(前期比21.6%減益)となりました。特別利益として、経営資源の有効活用と財務基盤の強化を図るため、本社移転に伴い旧本社の土地、建物を譲渡したことにより固定資産売却益を計上し、特別損失として、係争中のアスベスト訴訟の将来の損失への備えとして訴訟損失引当金を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失120百万円(前期は2,699百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 建設・建材事業材料販売につきましては、国内では主力商品であるけい酸カルシウム板「ハイラックフネン®」は、大阪・関西万博の開催に向けた出荷が旺盛となりましたが、首都圏での大型再開発案件の工程遅延および住宅市場での販売低迷により出荷は前年に対して減少しました。曲面施工が可能なオリジナル商品「エフジー®ボード」は、文化・教育施設など非住宅市場で安定した採用率と販売数を維持しており、更にドライルーム用不燃化粧板「ステンド®#800ドライ」を始めとした高品質、高性能商品は前年を大きく上回りました。また、昨年末に発売したコンクリート調インテリアボード「BEoNA(ベオナ)™」は、お客様からご好評をいただき、順調なスタートを切りました。次年度では主力商品への成長を目指し採用活動を強化してまいります。海外輸出につきましては、中国・韓国の長引く景気低迷の影響を受けましたが、主要輸出先である台湾で市場のニーズに応じた販売戦略の推進により、主力商品であるけい酸カルシウム板の出荷が大幅に増加しました。国内外合わせた販売数量は前年に対しほぼ横ばいとなりましたが、様々なコストアップに対する価格改定と高付加価値商品の販売拡大に努め、売上高は増加しました。材料販売全体の売上高は12,937百万円(前期比13.8%増収)となりました。工事につきましては、前年度から稼働していた大型物件は完成しましたが、全国的に現場の躯体工事に起因する工程遅延が影響し、完工時期が来期となる物件も散見されました。また、仕入材料や労務費の高騰を踏まえ、得意先との厳しい価格交渉を重ね、適正価格による受注に努めております。工事販売全体の売上高は5,751百万円(前期比7.5%減収)となりました。なお、建設・建材事業において2024年10月に、低圧メラミン化粧板、建材、家具等の製造・加工・販売を行う大昭和ユニボード株式会社(現ユニボード株式会社)の全株式を取得し、連結子会社としております。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた建設・建材事業全体の売上高は18,688百万円(前期比6.3%増収)、セグメント利益は2,450百万円(前期比7.2%減益)となりました。 工業製品・エンジニアリング事業材料販売につきましては、船舶関連では、自動車運搬船向けの防熱材や副資材の出荷が大幅に増加しました。また、セメント粉体運搬船向けの騒音対策床材、耐摩鋼加工品、遮熱・防熱塗料など、防熱材以外の船用製品の出荷も増加し、売上高は大幅に増加しました。保温・築炉関連では、世界的なアルミ需要減少の影響が続いており、海外向けのアルミ溶融設備向け断熱材「レセパル®HS」の販売は減少しました。一方で、カーボンニュートラルを目指す新規市場向けに高性能断熱材など各種省エネ資材のスペックイン活動が成果を上げ、売上に貢献しています。自動車関連は、一部メーカーの認証問題や能登半島地震によるサプライチェーンの不調による減産影響があったものの全体の生産台数は相応の水準を維持しており、売上高は堅調に推移しました。産業機械関連は、中国景気の停滞長期化により回復が遅れておりますが、得意先の在庫調整が進み、徐々ではありますが新規の受注が増え始めました。材料販売全体の売上高は8,541百万円(前期比5.8%増収)となりました。工事につきましては、一部人手不足による工期延期により引き合いの減少がありましたが、メンテナンス工事、LNG燃料船タンク保冷工事、物流施設外壁断熱パネル工事などの複数の大型物件の完工が寄与し、売上高は堅調に推移しました。また、工事工程・工事管理を徹底することにより、利益率の上昇に繋げております。工事販売全体の売上高は16,134百万円(前期比3.7%増収)となりました。以上の結果、材料販売及び工事を合わせた工業製品・エンジニアリング事業全体の売上高は24,675百万円(前期比4.4%増収)、セグメント利益は1,414百万円(前期比22.6%増益)となりました。 その他不動産賃貸収入につきましては、売上高は57百万円(前期比3.3%減収)、セグメント利益は35百万円(前期比0.3%減益)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)建設・建材事業7,32120.0工業製品・エンジニアリング事業3,6612.7合計10,98313.6 (注) 1.金額は、製造原価によっております。 2.当連結会計年度において生産実績に著しい変動がありました。これは、建設・建材事業におきまして、株式の取得により新たに大昭和ユニボード株式会社(現ユニボード株式会社)を連結子会社化したことによる生産高増加によるものです。 ② 受注実績 当連結会計年度における工事部門の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 なお、製品は主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)建設・建材事業5,6466.43,2420.3工業製品・エンジニアリング事業14,912△11.96,686△8.7合計20,558△7.59,928△5.9 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)建設・建材事業18,6886.3工業製品・エンジニアリング事業24,6754.4その他57△3.3合計43,4215.2 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2) 財政状態当社グループの当連結会計年度末の財政状態について分析しますと、総資産は前連結会計年度末に比べて、885百万円増加し、40,837百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,667百万円減少し18,620百万円となりました。この主な要因は流動資産のその他(仮払金)、原材料及び貯蔵品が増加した一方で現金及び預金、電子記録債権が減少したこと等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,552百万円増加し22,217百万円となりました。この主な要因は建設仮勘定、土地が増加したこと等によるものです。流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,668百万円減少し13,260百万円となりました。この主な要因は電子記録債務、未払費用が増加した一方で支払手形及び買掛金、短期借入金が減少したこと等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,833百万円増加し8,924百万円となりました。この主な要因は退職給付に係る負債、役員株式給付引当金が減少した一方で訴訟損失引当金、長期借入金が増加したこと等によるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ279百万円減少し18,652百万円となりました。この主な要因は退職給付に係る調整累計額が増加した一方で利益剰余金が減少したこと等によるものです。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,904百万円減少し665百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、1,230百万円(前期は3,065百万円の増加)となりました。この主な要因は固定資産売却益の計上により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の計上により資金が増加したこと等によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、2,624百万円(前期は515百万円の増加)となりました。この主な要因は有形固定資産の売却による収入により資金が増加した一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出により資金が減少したこと等によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、513百万円(前期は3,061百万円の減少)となりました。この主な要因は配当金の支払額により資金が減少したこと等によるものです。 (4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析①資本の財源当社グループの主な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに生産設備の増強、改修等に係る投資によるものであります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金及び金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。 ②資金の流動性手許の運転資金については、自己資金と外部調達との適切なバランスを検討しながら調達していきます。また、当社及び一部の国内子会社において当社のCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ①固定資産の減損当社グループは、固定資産のうち減損の兆候があると判定された資産について、経営者が承認した事業計画に基づき、将来キャッシュ・フローを見積りして減損損失の認識を判定し、その必要があると判定された場合は金額を測定して減損損失を計上しております。翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローについては、不安定な国際情勢や物価上昇等による影響を含め、現時点において保守的に見積りしておりますが、当社グループの業績や財政状態に大きな影響を与える要因が発生した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。 ②繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、経営者が承認した事業計画に基づき、将来の課税所得を見積りしております。その結果、回収可能性が認められない金額については評価性引当額を計上しております。翌連結会計年度の課税所得については、不安定な国際情勢や物価上昇等による影響を含め、現時点において保守的に見積りしておりますが、当社グループの業績や財政状態に大きな影響を与える要因が発生した場合には、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③訴訟損失引当金当社グループは、建設アスベスト訴訟に係る訴訟損失引当金について、高等裁判所の判決及び最高裁判所の判決等に基づき、金額を見積りしております。翌連結会計年度において、新たな訴訟、新たな判決が確定した場合には、訴訟損失引当金の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④退職給付債務及び退職給付費用当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、主として数理計算で設定される退職給付債務の割引率に基づいて計上しております。割引率については、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。割引率の変動は、翌連結会計年度の退職給付債務及び退職給付費用に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤棚卸資産の評価当社グループの棚卸資産の連結貸借対照表価額につきましては収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。評価額については過去の販売実績や足元の販売動向を基礎として算定しておりますが、製品の品質に重要な欠陥が生じた場合や、翌連結会計年度の市場環境に重要な影響を与える要因が発生した場合には、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
事業リスク
- 景気変動と市場の動向住宅や非住宅分野における新築投資の減少傾向は、建設・建材事業の需要に影響を与える可能性があります。また、工業用諸材料や保温保冷工事の分野も国内景気動向に左右されやすく、景気悪化は受注や価格に悪影響を及ぼし、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。特に、リフォーム市場の増加要素があるものの、新築減少が続く中で、市場環境の変化への対応が重要となります。
- 債権回収の不確実性顧客に対して売掛金や受取手形などの債権を保有しており、与信管理には注意を払っていますが、顧客の経営状況が悪化した場合、債権が回収できなくなるリスクがあります。これは、貸倒損失の発生により、同社グループの財政状態や経営成績に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、建設業界では取引先の経営状況が変動しやすいため、慎重な管理が求められます。
- 海外事業活動の不安定性インドネシアなど東南アジアで事業を展開していますが、これらの地域では政治的混乱、急激な金融情勢の変化、現地政府による突発的な法規制など、予期せぬリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合、海外での事業活動に支障が生じ、同社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。国際情勢の変動は、海外事業の収益性を不安定にする要因となりえます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 景気変動、経済情勢のリスク当社グループの事業領域に関連する業界の動向は、長期的傾向としては住宅、非住宅分野ともリフォーム市場の増加要素はあるものの、新築投資の減少傾向が続くものと思われます。工業用諸材料及び保温保冷工事の分野においても、国内関連市場の景気動向により受注及び価格の両面において予断を許さない状況にあります。このような状況下において、著しい景気変動や経済情勢の悪化があった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。(2) 債権におけるリスク当社グループは顧客に対し売掛金や受取手形等の債権を有しており、与信管理及び債権の保全には十分に注意しておりますが、顧客の経営状況が悪化した場合には債権回収のリスクが顕在化する可能性があります。(3) 製品の品質維持のリスク当社グループが生産する製品につきましては、万全の品質管理体制のもとに品質・性能の確保に努めておりますが、それらの製品に予期せぬ重大な欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に影響を与え、また、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。(4) 海外事業活動のリスク当社グループはインドネシア等東南アジアにおいて事業を展開しておりますが、これら海外での事業においては通常予期しない政治的混乱、急激な金融情勢の変化、現地政府による突発的な法規制等のリスクが存在いたします。このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの海外での活動に支障が生じ、業績や財政状態に影響を与える可能性があります。(5) 石綿問題に係るリスク今後、石綿による健康障害に対する補償・支援費用の発生の他、損害賠償請求訴訟の提訴により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。(6) 災害に係るリスク当社グループは生産拠点、営業拠点等複数の事業場を国内外に有しており、これらの拠点のいずれかに地震等の災害が発生した場合には、その被害状況によっては当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。(7) 地政学的リスク国際情勢の変化によるエネルギー、原材料価格の高騰や物流の混乱等に起因して、当社グループで利用するエネルギーコストや仕入コストの上昇や調達の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 その対応策として、固定費削減を進めるとともに、計画的な在庫の確保、調達先、調達方法の多様化によるリスク分散等を実施してまいります。 (8) その他のリスク作業環境への配慮、法規制の改正・強化への対応、安全管理の徹底等には十分注意をしておりますが、労働災害、不測の事故等により企業価値や業績に影響を与える可能性があります。