事業の概要
- 研磨材製造販売フジミインコーポレーテッドは、主に「研磨材等製造販売業」を営む企業グループです。当社と7つの子会社で構成されており、半導体基板などの超精密な表面を磨き上げるための特殊な材料を製造・販売しています。この事業は、高度な技術を要する精密加工分野において不可欠な役割を果たしています。
- グローバルな事業展開日本を拠点に、北米、アジア、欧州にも子会社を展開し、世界中で研磨材の製造・販売を行っています。特に、FUJIMI CORPORATION(北米)やFUJIMI-MICRO TECHNOLOGY SDN. BHD.(アジア)といった海外子会社が、現地の顧客ニーズに応じた製品供給と販売を担っており、グローバル市場での存在感を確立しています。
- 技術主導の収益構造超精密研磨材分野で高いシェアと利益率を維持しており、技術開発力が収益の源泉となっています。半導体製造プロセスに不可欠な研磨材を提供することで、高付加価値な製品を通じて安定的な収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業売上高354.64億円、営業利益97.22億円と、グループ全体の売上・利益の大部分を占める主要な事業拠点です。当社と子会社である南興セラミックス株式会社が研磨材等の製造販売を担っており、国内市場での強固な基盤と高い収益性を有しています。
- アジア事業売上高167.52億円、営業利益47.05億円と、日本に次ぐ規模と高い収益性を持つ重要な地域セグメントです。FUJIMI-MICRO TECHNOLOGY SDN. BHD.(マレーシア)や臺灣福吉米股份有限公司(台湾)などが研磨材の製造販売を担い、特に半導体産業が盛んなアジア地域での需要を取り込んでいます。
- 北米事業売上高82.01億円、営業利益2.75億円で、売上規模は大きいものの、利益率は他のセグメントに比べて低い傾向にあります。FUJIMI CORPORATIONが北米市場での研磨材販売を担っており、広大な市場での事業展開を通じて、グループ全体の売上拡大に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 355 | 97 | 27.4% |
| NorthAmerica | 地域 | 82 | 3 | 3.4% |
| Asia | 地域 | 168 | 47 | 28.1% |
| Europe | 地域 | 21 | 2 | 7.3% |
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3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社7社(2025年3月31日現在)により構成されており、事業は「研磨材等製造販売業」を営んでおります。事業内容と当社及び子会社の当該事業にかかる位置づけは、次のとおりであります。セグメント区分構成会社日本当社南興セラミックス株式会社(子会社)北米FUJIMI CORPORATION(子会社)アジアFUJIMI-MICRO TECHNOLOGY SDN. BHD.(子会社)臺灣福吉米股份有限公司(FUJIMI TAIWAN LIMITED)(子会社)深圳福吉米科技有限公司(FUJIMI SHENZHEN TECHNOLOGY CO., LTD.)(子会社)※欧州FUJIMI EUROPE GmbH(子会社) ※ FUJIMI SHENZHEN TECHNOLOGY CO., LTD.は、事業活動が販売支援であるため、またフェニックス投資事業有限責任組合は、ベンチャーキャピタルであるため、事業系統図には記載しておりません。 以上の当社グループについて図示すると、次のとおりとなります。 ※当社の事業は、研磨材等製造、販売及びFUJIMI CORPORATION及びFUJIMI-MICRO TECHNOLOGY SDN. BHD.の製品の販売であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 強い 超精密研磨材分野で世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 超精密研磨材分野における高いシェアと、研磨機構の科学的解明に基づく独自技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 低い |
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達 / 研究開発 / 競争の激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務サマリーにデータがなく、ブランド力や特許に関する具体的な情報が得られないため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
特殊な用途向けの製品を扱っている可能性はあるものの、顧客が代替品に切り替えることによる具体的な損失や、乗り換えにくさを示す情報が不足しています。限定的な顧客基盤が示唆される程度です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
製品・サービスの性質上、ネットワーク効果が発生するビジネスモデルではないと考えられます。ユーザー数の増加が製品価値を高める構造は見られません。
コスト優位★★☆☆☆
ガラス・土石製品という業種特性から、ある程度の生産効率や規模の経済は期待できますが、他社と比較して圧倒的なコスト優位性を示す具体的な情報は現時点では確認できません。
規模の経済★★☆☆☆
ガラス・土石製品業界は一般的に設備投資が大きく、一定の規模を持つ企業が有利ですが、フジミインコーポレーテッドが業界内でどの程度のシェアを持ち、規模の経済を享受しているか具体的なデータが不足しています。
- 超精密研磨材の技術優位性フジミインコーポレーテッドは、超精密研磨材分野において長年にわたり培ってきた高い技術力を有しています。特に半導体基板向け研磨材では世界トップクラスのマーケットシェアを誇り、研磨機構の科学的解明に基づいた独自の薬液設計により、競合他社を上回る研磨性能を実現しています。
- 多工程対応の製品ラインナップ半導体基板の研磨工程は、粗研磨から最終研磨まで多岐にわたりますが、当社グループはその全ての工程に対応する研磨材を提供しています。これにより、顧客は最終仕上げ面において高品位かつ効率的な加工を実現でき、顧客の多様なニーズに応える総合的なソリューションを提供できる点が強みです。
- グローバルな研究開発体制日本だけでなく、米国や台湾にも研究拠点を設けることで、顧客の近くでタイムリーに新製品を開発できる体制を構築しています。これにより、変化の速い技術・市場のニーズに迅速に対応し、大学や研究機関、企業との連携も積極的に進めることで、常に最先端の技術を取り入れ、競争優位性を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。当社は、以下の企業理念、企業ビジョンを掲げ、創業以来一貫して製品の高品質化と安定供給に努めております。また、経営環境も踏まえ中長期経営計画を策定し、年度経営方針を定めております。(1) 企業理念1.企業使命・高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。2.経営姿勢・お客様の視点に立って独自のソリューションを提案します。・一人ひとりが「働きがい」と「働きやすさ」を実感できる会社を目指します。・経営環境の変化に対応するため、何事にも積極果敢にチャレンジし、変革し続けます。・技術と経営の質を高め、法令を遵守し、ステークホルダーの信頼に応えます。3.行動規範・お客様の満足を常に考え行動します。・問題の本質を追求し、迅速かつ確実に解決します。・夢の実現に向け、熱意・誠意・創意をもってチャレンジします。・一人ひとりのアイデアを尊重し、それをカタチにします。・良き市民・良き国際人として高い倫理観をもって行動します。 (2) 企業ビジョン1.事業アイデンティティパウダー&サーフェス分野で世界最高技術を提供し、私たちが理想とする「エクセレントカンパニー」を目指します。私たちが理想とする「エクセレントカンパニー」とは、業績が優れているだけでなく以下の3つを実現する会社です。・変化に的確に対応し、未来に向けて持続的に成長する。・企業理念・ビジョンの実現に向け、一人ひとりが熱意と誠実さをもって、活き活きと仕事に取り組む。・環境負荷低減とともに持続可能な社会の実現に貢献する。2.企業文化ビジョン強く、やさしく、面白い会社を目指します。・自由闊達で切磋琢磨する風土をつくります。(強く)・仲間を大切にし、助け合い、感謝します。(やさしく)・夢をいだき、夢がかなう職場をつくります。(面白い)3.事業構造ビジョン既存事業の強化を図りつつ新規分野に積極果敢にチャレンジし、半導体関連分野(シリコン・CMP)と非半導体関連分野の安定した事業バランスの構築を目指します。 (3) 全社基本戦略 当社は、パウダー&サーフェス分野で、お客様のニーズにより早くより正しく対応するために、周辺技術を取り込んだ先進技術と最高の品質を継続的に提供し、お客様から真っ先に依頼がくる信頼関係をつくり上げ、ニッチ市場におけるトップシェアを獲得します。 (4) 経営環境 当社が主たる事業領域としている半導体市場は、AI向け半導体デバイスが牽引した一方で、PCやスマートフォン、車載向け半導体は力強さを欠き、全体としてはバラつき感が見られ、本格的な回復には時間を要する状況でありました。一方、世界各国が半導体を戦略物資と位置づける中、半導体の重要性は益々高まっており、中長期的には更なる拡大が見込まれています。当社のお客様であるシリコンウェハーメーカー及び半導体デバイスメーカーの多くは、将来予想される旺盛な半導体需要に応えるべく大規模な設備投資を進めています。また、半導体の技術革新に伴い、お客様からの新製品開発や品質保証に関する要求水準も高まっております。 一方で、自然災害は年々激甚化の傾向にあり、物流網に与える影響も深刻化しております。また情報セキュリティインシデント(サイバー攻撃等を含む情報セキュリティにおける事件や事故)は、ますます複雑化しております。(5) 企業価値向上について① 当社の企業価値の源泉について当社の創業以来蓄積されたノウハウと研究開発力から生まれた製品の数々は、シリコンウェハーに代表される半導体基板の鏡面研磨、半導体デバイスの多層配線に必要なCMP(化学的機械的平坦化)、ハードディスクの研磨等、高精度な表面加工が求められる先端産業に欠かせぬものとなっております。なかでも、主力事業分野である半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、超精密研磨のリーディングカンパニーとして、市場優位性を維持しております。当社は、超精密研磨分野において長年にわたってお客様の要求に応え続けるとともに、開発・製造技術の向上・蓄積に努めてまいりました。その過程において、お客様との信頼関係を築き上げ、柱となる3つのコア技術「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」を確立しました。「ろ過・分級・精製技術」は、砥粒の粒度分布を制御し、研磨対象物の品質に悪影響を及ぼす粗大粒子や不純物を除去する技術、「パウダー技術」は、粒子の形状を制御し、異なる粒子を均一に混ぜ合わせ造粒する技術、「ケミカル技術」は、研磨材の性能向上に寄与する分散・溶解・表面保護作用を発現させる添加剤を適切に設計、配合、調合精製する技術です。当社のコーポレートスローガン「技術を磨き、心をつなぐ」には、先端技術を通してより良い製品づくりに貢献し、人々の心をつなぎ、生活を豊かにするという意味が込められており、人を尊重し地球環境に配慮した製品づくりが当社の「ものづくり」の根底に流れております。当社はこうした「ものづくりの精神」と従業員一人ひとりが変化に果敢に挑戦するという企業風土により、企業競争力を高めてまいりました。当社の企業価値の源泉は、こうした製造現場と一体となった高い技術力・開発力、長い歴史のなかで培われたお客様との信頼関係、労使間の健全かつ一体感のある企業風土にあると考えております。今後の技術革新をリードし業績の拡大を目指していくためにも、お客様の信頼度の更なる向上が重要であると考えております。また、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上、インテグリティマインドの強化を図っていくことが、困難な状態にも挫けることなく、自ら目標に向かって最後までやり抜く主体的・積極的な行動に繋がり、お客様のご満足と従業員のウェルビーイングが共に実現できると考えており、当社はこうした方針のもと、引き続き企業価値の向上にグループを挙げ取組んでまいります。 ② 企業価値向上のための課題半導体市場において将来的に更なる需要増加が見込まれることを鑑み、国内外で段階的に設備投資を進めるべく体制を整備していくこと、新製品開発や品質保証に関するお客様の高まる要求水準を満たすべく研究開発や品質保証のレベルアップを図ること、また、緊急事態に備える事業継続力を強化することが、当社の企業価値向上のための課題であると認識しております。特に、品質保証については、当社が過去から大切にしている「ものづくりへの誇り」のベースとなるインテグリティ(誠実、真摯であること)を強く意識し、社会的規範や倫理を基に自ら考え、直面する課題や問題のみならず、日常の業務プロセスを見つめ直し、「ものづくりへの誇り」を確固たるものにし、お客様及び社会に対する責任を全うしてまいります。昨今の地政学的な不透明さや感染症拡大等による、原材料の調達難及び価格高騰、物流の混乱等により、サプライチェーンマネジメントの重要性は増しております。当社としてもより強靭な供給体制を整えるべく、お客様要求に適う原材料の安定調達を図り、サプライチェーンマネジメントの強化に、全社一丸となって引き続き取組んでまいります。一方で、中長期的な企業価値向上の観点からは、半導体市場に過度に依存しない売上の安定化と更なる拡大を目指し、事業領域を拡大する必要があると認識しております。このため、中長期視点での研究開発と新規事業の探索・育成による事業領域の拡大に努めるとともに、非半導体領域及び非研磨分野での用途拡大を進めていくことも当社の企業価値向上のための課題であると認識しております。 ③ 企業価値向上のための取組み(中長期経営計画)当社は、2023年5月10日に中長期経営計画(2024年3月期~2029年3月期。以下「本計画」といいます。)を公表しました。その概略は以下のとおりです。 [基本方針]当社は、企業使命である「高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します」に基づき、既存事業(半導体関連事業等)の更なる拡大と新たな柱となる新規事業の創出を通じて、研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの進化を遂げ、持続可能な社会の実現への貢献を目指すことを本計画の基本方針としております。 2024年3月期から2029年3月期の6年間を対象とする本計画では、研究開発とグローバルな製品供給体制の拡充に一層の経営資源を投入するとともに、サステナブルな経営の根幹を成す人材投資やESGに係る取組みを積極的に推し進め、前中長期経営計画で定めた中長期企業ビジョン「私たちは一人ひとりの前向きなアイデアとチャレンジを応援します」を継続し、引き続きその実現に向け、各種施策等を策定いたしました。 [重要施策]本計画の基本方針に基づく取組みは以下のとおりです。(1) 研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの進化を実現する新規事業の創出(2) 半導体関連事業の強靭な基盤構築と次世代半導体向け材料分野での圧倒的な地位確立(3) コア技術の発展と新技術の開発(4) 100年企業を実現するGRIT(※)な組織と人づくりへの挑戦(5) サステナビリティ経営の実践 ※GRIT:困難な状態にも挫けることなく、目標に向かって最後までやり抜くこと [株主還元]配当につきましては、連結配当性向を55%以上とすることを目標として、業績に応じた積極的な株主還元を実施するとともに、安定配当の継続にも留意することを基本方針としております。なお、DOE(連結純資産配当率)を配当指標に加えることについても検討してまいりましたが、半導体市況等の事業環境や世界経済の動向を踏まえて引き続きの検討課題としてまいります。また、内部留保につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、お客様のニーズに応える開発・生産体制の強化、グローバルな事業戦略の遂行及び事業領域の拡大に役立てる所存であります。 [マテリアリティの特定(持続可能な社会の実現にむけて)]当社は本計画策定に際し、持続可能な社会の実現に向けて、当社が優先して取組む重要課題として18のマテリアリティを特定しました。 当社が特定した18のマテリアリティ分類マテリアリティ環境(E)・気候変動対応・水資源保全・循環型社会への貢献・化学物質管理社会(S)・労働安全衛生の確保・ウェルビーイング実現・ダイバーシティ推進と人材育成・地域社会貢献ガバナンス(G)・インテグリティ・コーポレートガバナンス・コンプライアンス・知的財産保護・情報セキュリティマネジメント・リスクマネジメント価値創造(Ⅴ)・サプライチェーンマネジメント・品質管理・研究開発・DX推進・生産性向上 具体的な各事業等の施策は以下のとおりであります。 [シリコン事業]半導体基板となるシリコンウェハーを高精度に平坦・鏡面化する研磨工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。切断から仕上げ研磨までトータルソリューションを可能とする高品質な製品・サービスを揃えております。益々高度化するお客様の要求に応えるべく、引き続き新技術に支えられた独自性の高い新製品を提供し、「最も信頼されるパートナー」を目指してまいります。また、電気自動車、ハイブリッド自動車の普及により、今後、需要の高まりが期待されているSiC基板向け製品の開発を進め、世界各地のお客様へ製品を供給するため、米国及びマレーシア拠点での生産を進めております。 [CMP事業]半導体デバイスの製造工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。半導体デバイスの高性能化、高密度化、高集積化に伴い、研磨対象となる膜種とCMPが適用される工程は増加傾向にあります。加えて、近年はシステムとしての性能向上のために、半導体デバイスを3次元に実装する技術が開発されており、その分野でもCMPが検討されております。お客様の製造・開発拠点に近い、日本、米国、台湾に製造・開発拠点を設け、お客様とより密接な関係を構築し、お客様のロードマップに沿った新製品を開発しております。 [ディスク事業]デジタルデータの記録媒体であるハードディスクドライブ用ディスク基板の製造工程に用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。お客様の生産拠点が集中するマレーシアに製造拠点を置くとともに技術スタッフを配置し、技術サポートを実施することでお客様との信頼関係を構築しております。近年、ハードディスクドライブはSSD(ソリッドステートドライブ)への置き換えが進んでおりますが、クラウドサービスや5Gにより送受信されるデータ容量の増加が見込まれており、データセンター向けのハードディスク需要も引き続き高水準で推移するものと思われます。次世代ディスク基板への要求を早期に入手し具現化するため基礎開発の拡充も図り、お客様の要求に合った新製品をタイムリーに提供してまいります。 [溶射材事業]半導体装置、航空機及び鉄鋼等様々な業界の機械部材の長寿命化、高機能化を実現するために、環境に優しい表面処理として使用される溶射用途向けに、主にサーメット、セラミックス等の溶射材を研究開発し製造販売する事業です。独自の粉末造粒技術を一層強化し、タイムリーなソリューション提案を行い、売上拡大を目指してまいります。 [研磨ソリューション事業]様々な用途で用いられる、多種多様な材料(金属、樹脂、セラミック、複合材料等)や形状(2次元、3次元形状)に対応した研磨材等の研究開発及び製造販売を行う事業です。世界の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面創成のご要望に、研磨材の供給のみに留まらず、用途に応じた様々な研磨方法を提案し、周辺消耗材や装置、加工プロセスまでを含めたトータルソリューションでお応えしてまいります。具体的な取組みの一例として、数年前から取り組んでいる自動車外装用研磨コンパウンドは採用が始まっており、売上拡大を目指してまいります。また、新たに研磨加工の導入を検討される顧客のニーズに応える新たなソリューションビジネスを立ち上げております。 [先端技術・機能材料]パウダー領域・非研磨事業の拡充を更に推進することを目的として発足した「先端技術・機能材料本部」傘下において、パウダー分野におけるフジミ基幹技術の研究開発を進めると同時に、非研磨分野における新規事業の「創出」と「事業化」を強力に推進してまいります。また、これまで機能材事業や先端技術研究所で養ってきた粒子形状・粒度分布制御及び造粒技術を始めとする当社基幹技術を一体化させ、さらにマーケティング力を強化し、新規用途・お客様層の拡大に一層注力してまいります。具体的な取組みの一例として、高い放熱性と流動性を備えたセラミックスパウダー、軽量かつ高い耐熱性を備えたセラミックス複合材料、球状・板状・棒状など形状制御技術を活用した新規セラミックスパウダーや3Dプリンター用超硬材料等の開発を進めております。 ④ 年度経営方針上記の経営環境と企業価値向上のための課題と取組み(中長期経営計画)を踏まえ、2026年3月期(第74期)の年度経営方針及び年度重点課題を以下のとおり定めております。 [第74期年度経営方針]・お客様目線の実践・パウダー&サーフェスカンパニーへの進化・「働きがい」と「働きやすさ」の醸成・当事者意識とやり抜く力の確立・革新への挑戦 [第74期年度重点課題]・インテグリティマインドの強化 ~ものづくりへの誇りと責任を持ち、正しいことを正しく行う~・サプライチェーンマネジメントの強化 ~お客様要求に適う原材料の安定調達~
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。当社は、以下の企業理念、企業ビジョンを掲げ、創業以来一貫して製品の高品質化と安定供給に努めております。また、経営環境も踏まえ中長期経営計画を策定し、年度経営方針を定めております。(1) 企業理念1.企業使命・高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。2.経営姿勢・お客様の視点に立って独自のソリューションを提案します。・一人ひとりが「働きがい」と「働きやすさ」を実感できる会社を目指します。・経営環境の変化に対応するため、何事にも積極果敢にチャレンジし、変革し続けます。・技術と経営の質を高め、法令を遵守し、ステークホルダーの信頼に応えます。3.行動規範・お客様の満足を常に考え行動します。・問題の本質を追求し、迅速かつ確実に解決します。・夢の実現に向け、熱意・誠意・創意をもってチャレンジします。・一人ひとりのアイデアを尊重し、それをカタチにします。・良き市民・良き国際人として高い倫理観をもって行動します。 (2) 企業ビジョン1.事業アイデンティティパウダー&サーフェス分野で世界最高技術を提供し、私たちが理想とする「エクセレントカンパニー」を目指します。私たちが理想とする「エクセレントカンパニー」とは、業績が優れているだけでなく以下の3つを実現する会社です。・変化に的確に対応し、未来に向けて持続的に成長する。・企業理念・ビジョンの実現に向け、一人ひとりが熱意と誠実さをもって、活き活きと仕事に取り組む。・環境負荷低減とともに持続可能な社会の実現に貢献する。2.企業文化ビジョン強く、やさしく、面白い会社を目指します。・自由闊達で切磋琢磨する風土をつくります。(強く)・仲間を大切にし、助け合い、感謝します。(やさしく)・夢をいだき、夢がかなう職場をつくります。(面白い)3.事業構造ビジョン既存事業の強化を図りつつ新規分野に積極果敢にチャレンジし、半導体関連分野(シリコン・CMP)と非半導体関連分野の安定した事業バランスの構築を目指します。 (3) 全社基本戦略 当社は、パウダー&サーフェス分野で、お客様のニーズにより早くより正しく対応するために、周辺技術を取り込んだ先進技術と最高の品質を継続的に提供し、お客様から真っ先に依頼がくる信頼関係をつくり上げ、ニッチ市場におけるトップシェアを獲得します。 (4) 経営環境 当社が主たる事業領域としている半導体市場は、AI向け半導体デバイスが牽引した一方で、PCやスマートフォン、車載向け半導体は力強さを欠き、全体としてはバラつき感が見られ、本格的な回復には時間を要する状況でありました。一方、世界各国が半導体を戦略物資と位置づける中、半導体の重要性は益々高まっており、中長期的には更なる拡大が見込まれています。当社のお客様であるシリコンウェハーメーカー及び半導体デバイスメーカーの多くは、将来予想される旺盛な半導体需要に応えるべく大規模な設備投資を進めています。また、半導体の技術革新に伴い、お客様からの新製品開発や品質保証に関する要求水準も高まっております。 一方で、自然災害は年々激甚化の傾向にあり、物流網に与える影響も深刻化しております。また情報セキュリティインシデント(サイバー攻撃等を含む情報セキュリティにおける事件や事故)は、ますます複雑化しております。(5) 企業価値向上について① 当社の企業価値の源泉について当社の創業以来蓄積されたノウハウと研究開発力から生まれた製品の数々は、シリコンウェハーに代表される半導体基板の鏡面研磨、半導体デバイスの多層配線に必要なCMP(化学的機械的平坦化)、ハードディスクの研磨等、高精度な表面加工が求められる先端産業に欠かせぬものとなっております。なかでも、主力事業分野である半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、超精密研磨のリーディングカンパニーとして、市場優位性を維持しております。当社は、超精密研磨分野において長年にわたってお客様の要求に応え続けるとともに、開発・製造技術の向上・蓄積に努めてまいりました。その過程において、お客様との信頼関係を築き上げ、柱となる3つのコア技術「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」を確立しました。「ろ過・分級・精製技術」は、砥粒の粒度分布を制御し、研磨対象物の品質に悪影響を及ぼす粗大粒子や不純物を除去する技術、「パウダー技術」は、粒子の形状を制御し、異なる粒子を均一に混ぜ合わせ造粒する技術、「ケミカル技術」は、研磨材の性能向上に寄与する分散・溶解・表面保護作用を発現させる添加剤を適切に設計、配合、調合精製する技術です。当社のコーポレートスローガン「技術を磨き、心をつなぐ」には、先端技術を通してより良い製品づくりに貢献し、人々の心をつなぎ、生活を豊かにするという意味が込められており、人を尊重し地球環境に配慮した製品づくりが当社の「ものづくり」の根底に流れております。当社はこうした「ものづくりの精神」と従業員一人ひとりが変化に果敢に挑戦するという企業風土により、企業競争力を高めてまいりました。当社の企業価値の源泉は、こうした製造現場と一体となった高い技術力・開発力、長い歴史のなかで培われたお客様との信頼関係、労使間の健全かつ一体感のある企業風土にあると考えております。今後の技術革新をリードし業績の拡大を目指していくためにも、お客様の信頼度の更なる向上が重要であると考えております。また、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上、インテグリティマインドの強化を図っていくことが、困難な状態にも挫けることなく、自ら目標に向かって最後までやり抜く主体的・積極的な行動に繋がり、お客様のご満足と従業員のウェルビーイングが共に実現できると考えており、当社はこうした方針のもと、引き続き企業価値の向上にグループを挙げ取組んでまいります。 ② 企業価値向上のための課題半導体市場において将来的に更なる需要増加が見込まれることを鑑み、国内外で段階的に設備投資を進めるべく体制を整備していくこと、新製品開発や品質保証に関するお客様の高まる要求水準を満たすべく研究開発や品質保証のレベルアップを図ること、また、緊急事態に備える事業継続力を強化することが、当社の企業価値向上のための課題であると認識しております。特に、品質保証については、当社が過去から大切にしている「ものづくりへの誇り」のベースとなるインテグリティ(誠実、真摯であること)を強く意識し、社会的規範や倫理を基に自ら考え、直面する課題や問題のみならず、日常の業務プロセスを見つめ直し、「ものづくりへの誇り」を確固たるものにし、お客様及び社会に対する責任を全うしてまいります。昨今の地政学的な不透明さや感染症拡大等による、原材料の調達難及び価格高騰、物流の混乱等により、サプライチェーンマネジメントの重要性は増しております。当社としてもより強靭な供給体制を整えるべく、お客様要求に適う原材料の安定調達を図り、サプライチェーンマネジメントの強化に、全社一丸となって引き続き取組んでまいります。一方で、中長期的な企業価値向上の観点からは、半導体市場に過度に依存しない売上の安定化と更なる拡大を目指し、事業領域を拡大する必要があると認識しております。このため、中長期視点での研究開発と新規事業の探索・育成による事業領域の拡大に努めるとともに、非半導体領域及び非研磨分野での用途拡大を進めていくことも当社の企業価値向上のための課題であると認識しております。 ③ 企業価値向上のための取組み(中長期経営計画)当社は、2023年5月10日に中長期経営計画(2024年3月期~2029年3月期。以下「本計画」といいます。)を公表しました。その概略は以下のとおりです。 [基本方針]当社は、企業使命である「高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します」に基づき、既存事業(半導体関連事業等)の更なる拡大と新たな柱となる新規事業の創出を通じて、研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの進化を遂げ、持続可能な社会の実現への貢献を目指すことを本計画の基本方針としております。 2024年3月期から2029年3月期の6年間を対象とする本計画では、研究開発とグローバルな製品供給体制の拡充に一層の経営資源を投入するとともに、サステナブルな経営の根幹を成す人材投資やESGに係る取組みを積極的に推し進め、前中長期経営計画で定めた中長期企業ビジョン「私たちは一人ひとりの前向きなアイデアとチャレンジを応援します」を継続し、引き続きその実現に向け、各種施策等を策定いたしました。 [重要施策]本計画の基本方針に基づく取組みは以下のとおりです。(1) 研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの進化を実現する新規事業の創出(2) 半導体関連事業の強靭な基盤構築と次世代半導体向け材料分野での圧倒的な地位確立(3) コア技術の発展と新技術の開発(4) 100年企業を実現するGRIT(※)な組織と人づくりへの挑戦(5) サステナビリティ経営の実践 ※GRIT:困難な状態にも挫けることなく、目標に向かって最後までやり抜くこと [株主還元]配当につきましては、連結配当性向を55%以上とすることを目標として、業績に応じた積極的な株主還元を実施するとともに、安定配当の継続にも留意することを基本方針としております。なお、DOE(連結純資産配当率)を配当指標に加えることについても検討してまいりましたが、半導体市況等の事業環境や世界経済の動向を踏まえて引き続きの検討課題としてまいります。また、内部留保につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、お客様のニーズに応える開発・生産体制の強化、グローバルな事業戦略の遂行及び事業領域の拡大に役立てる所存であります。 [マテリアリティの特定(持続可能な社会の実現にむけて)]当社は本計画策定に際し、持続可能な社会の実現に向けて、当社が優先して取組む重要課題として18のマテリアリティを特定しました。 当社が特定した18のマテリアリティ分類マテリアリティ環境(E)・気候変動対応・水資源保全・循環型社会への貢献・化学物質管理社会(S)・労働安全衛生の確保・ウェルビーイング実現・ダイバーシティ推進と人材育成・地域社会貢献ガバナンス(G)・インテグリティ・コーポレートガバナンス・コンプライアンス・知的財産保護・情報セキュリティマネジメント・リスクマネジメント価値創造(Ⅴ)・サプライチェーンマネジメント・品質管理・研究開発・DX推進・生産性向上 具体的な各事業等の施策は以下のとおりであります。 [シリコン事業]半導体基板となるシリコンウェハーを高精度に平坦・鏡面化する研磨工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。切断から仕上げ研磨までトータルソリューションを可能とする高品質な製品・サービスを揃えております。益々高度化するお客様の要求に応えるべく、引き続き新技術に支えられた独自性の高い新製品を提供し、「最も信頼されるパートナー」を目指してまいります。また、電気自動車、ハイブリッド自動車の普及により、今後、需要の高まりが期待されているSiC基板向け製品の開発を進め、世界各地のお客様へ製品を供給するため、米国及びマレーシア拠点での生産を進めております。 [CMP事業]半導体デバイスの製造工程で用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。半導体デバイスの高性能化、高密度化、高集積化に伴い、研磨対象となる膜種とCMPが適用される工程は増加傾向にあります。加えて、近年はシステムとしての性能向上のために、半導体デバイスを3次元に実装する技術が開発されており、その分野でもCMPが検討されております。お客様の製造・開発拠点に近い、日本、米国、台湾に製造・開発拠点を設け、お客様とより密接な関係を構築し、お客様のロードマップに沿った新製品を開発しております。 [ディスク事業]デジタルデータの記録媒体であるハードディスクドライブ用ディスク基板の製造工程に用いられる研磨材を研究開発し製造販売する事業です。お客様の生産拠点が集中するマレーシアに製造拠点を置くとともに技術スタッフを配置し、技術サポートを実施することでお客様との信頼関係を構築しております。近年、ハードディスクドライブはSSD(ソリッドステートドライブ)への置き換えが進んでおりますが、クラウドサービスや5Gにより送受信されるデータ容量の増加が見込まれており、データセンター向けのハードディスク需要も引き続き高水準で推移するものと思われます。次世代ディスク基板への要求を早期に入手し具現化するため基礎開発の拡充も図り、お客様の要求に合った新製品をタイムリーに提供してまいります。 [溶射材事業]半導体装置、航空機及び鉄鋼等様々な業界の機械部材の長寿命化、高機能化を実現するために、環境に優しい表面処理として使用される溶射用途向けに、主にサーメット、セラミックス等の溶射材を研究開発し製造販売する事業です。独自の粉末造粒技術を一層強化し、タイムリーなソリューション提案を行い、売上拡大を目指してまいります。 [研磨ソリューション事業]様々な用途で用いられる、多種多様な材料(金属、樹脂、セラミック、複合材料等)や形状(2次元、3次元形状)に対応した研磨材等の研究開発及び製造販売を行う事業です。世界の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面創成のご要望に、研磨材の供給のみに留まらず、用途に応じた様々な研磨方法を提案し、周辺消耗材や装置、加工プロセスまでを含めたトータルソリューションでお応えしてまいります。具体的な取組みの一例として、数年前から取り組んでいる自動車外装用研磨コンパウンドは採用が始まっており、売上拡大を目指してまいります。また、新たに研磨加工の導入を検討される顧客のニーズに応える新たなソリューションビジネスを立ち上げております。 [先端技術・機能材料]パウダー領域・非研磨事業の拡充を更に推進することを目的として発足した「先端技術・機能材料本部」傘下において、パウダー分野におけるフジミ基幹技術の研究開発を進めると同時に、非研磨分野における新規事業の「創出」と「事業化」を強力に推進してまいります。また、これまで機能材事業や先端技術研究所で養ってきた粒子形状・粒度分布制御及び造粒技術を始めとする当社基幹技術を一体化させ、さらにマーケティング力を強化し、新規用途・お客様層の拡大に一層注力してまいります。具体的な取組みの一例として、高い放熱性と流動性を備えたセラミックスパウダー、軽量かつ高い耐熱性を備えたセラミックス複合材料、球状・板状・棒状など形状制御技術を活用した新規セラミックスパウダーや3Dプリンター用超硬材料等の開発を進めております。 ④ 年度経営方針上記の経営環境と企業価値向上のための課題と取組み(中長期経営計画)を踏まえ、2026年3月期(第74期)の年度経営方針及び年度重点課題を以下のとおり定めております。 [第74期年度経営方針]・お客様目線の実践・パウダー&サーフェスカンパニーへの進化・「働きがい」と「働きやすさ」の醸成・当事者意識とやり抜く力の確立・革新への挑戦 [第74期年度重点課題]・インテグリティマインドの強化 ~ものづくりへの誇りと責任を持ち、正しいことを正しく行う~・サプライチェーンマネジメントの強化 ~お客様要求に適う原材料の安定調達~
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、世界的な景気後退と地政学リスクへの懸念が高まりました。ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢の緊張状態は継続し、加えて中国経済の成長率は緩やかに減速し、世界経済の下振れ懸念が続く中、米国政権の動向、とりわけ関税政策に注目が集まり、世界経済の不透明感は強まりました。 世界半導体市場は、AI向け先端半導体デバイスの需要が牽引する一方、PCやスマートフォン、車載向け等の需要は力強さを欠いており、全体としては依然バラつき感が見られ、本格的な回復には今しばらく時間を要するものと思われます。 こうした状況下、当社においては先端半導体向けCMP製品及びシリコンウェハー向け製品の販売が好調に推移したことにより、当連結会計年度の業績は、売上高62,503百万円(前期比21.5%増)、営業利益11,780百万円(前期比42.8%増)、経常利益12,251百万円(前期比36.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,428百万円(前期比45.1%増)となりました。 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。 日本につきましては、CMP製品及びシリコンウェハー向け製品の販売が増加したことにより、売上高は35,464百万円(前期比22.3%増)、セグメント利益(営業利益)は9,722百万円(前期比32.6%増)となりました。 北米につきましては、CMP製品の販売の増加により、売上高は8,201百万円(前期比15.7%増)、セグメント利益(営業利益)は275百万円(前期比23.8%増)となりました。 アジアにつきましては、先端ロジックデバイス向けCMP製品及びハードディスク基板向け製品の販売が増加したことにより、売上高は16,752百万円(前期比23.5%増)、セグメント利益(営業利益)は4,705百万円(前期比41.5%増)となりました。 欧州につきましては、CMP製品の販売が増加したことにより、売上高は2,084百万円(前期比17.3%増)、セグメント利益(営業利益)は153百万円(前期比11.0%増)となりました。 なお、主な用途別売上の実績は、次のとおりであります。 シリコンウェハー向け製品につきましては、売上高はラッピング材では7,563百万円(前期比38.2%増)、ポリシング材では12,698百万円(前期比28.1%増)となりました。 CMP製品につきましては、先端ロジックデバイスやメモリ向けの販売が増加し、売上高は30,658百万円(前期比11.9%増)となりました。 ハードディスク基板向け製品につきましては、データセンター向けHDD(ハードディスクドライブ)の需要増加を受け、売上高は2,547百万円(前期比84.1%増)となりました。 一般工業用研磨材につきましては、自動車及び産業機械向け製品の販売が堅調に推移し、売上高は5,415百万円(前期比20.9%増)となりました。 財政状態の概況は、次のとおりであります。 当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ、7,908百万円増加し、90,908百万円となりました。これは、現金及び預金が3,869百万円、有価証券が3,200百万円それぞれ減少したものの、建設仮勘定が7,497百万円、土地が3,357百万円、機械装置及び運搬具が1,380百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 負債総額は、前連結会計年度末に比べ、3,589百万円増加し、14,012百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が914百万円、未払法人税等が837百万円、設備関係未払金が814百万円それぞれ増加したこと等によるものです。 また、純資産は前連結会計年度末に比べ、4,319百万円増加し、76,895百万円となりました。これは、利益剰余金が3,895百万円増加したこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、23,787百万円となり、前連結会計年度に比べ、8,857百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は、12,987百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ、5,535百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加による資金の増加があったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、15,874百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ、10,563百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出及び定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、5,636百万円の支出となりました。(資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの必要な運転資金及び設備資金の財源につきましては、自己資金を基本としております。また、当連結会計年度末の流動比率は450.0%であり、十分な流動性を確保しているものと認識しております。 当社グループは企業価値向上のために、生産能力の拡大、最先端半導体分野での研究開発や新規事業の創出及びM&Aに活用する資金を必要としております。また一方では、株主に対する適正な利益還元を行うことを経営の重要課題と認識しております。当社グループといたしましては、安定的な事業運営と成長のための投資及び積極的な株主還元を勘案し、持続的な企業価値向上に資する現金及び現金同等物の活用を志向してまいります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)42,242121.4北米(百万円)7,300107.0アジア(百万円)11,143139.8合計(百万円)60,686122.3 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当社グループは、一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)日本(百万円)35,464122.3北米(百万円)8,201115.7アジア(百万円)16,752123.5欧州(百万円)2,084117.3合計(百万円)62,503121.5 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)長瀬産業㈱14,10227.416,59926.6TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING CO., LTD.8,78917.110,00716.0 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 当社グループは、連結財務諸表の作成において使用される以下の重要な会計方針が特に当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を与えると考えております。 a.貸倒引当金当社グループは、お客様の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しておりますが、お客様の支払能力が低下した場合には追加引当が必要となる可能性があります。 b.棚卸資産当社グループは、棚卸資産の将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との間に差額が生じた場合、評価減を実施しております。 c.固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この適用に当たり、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて将来のキャッシュ・フロー等の見積りを行っておりますが、その仮定及び予測に変動が生じた場合、減損損失を計上しております。使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画を基礎とし、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて見積もっております。 d.投資の減損当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式の投資価値が下落した場合、減損損失を計上しております。この減損処理は、時価が取得原価に対して50%以上下落した場合、加えて30%~50%程度下落した場合で、回復の見込がないと判断される場合に行います。また、将来の市況悪化や投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。なお、当社グループにおいて回復の見込みがないとは次のいずれかの要件に当てはまる場合をいいます。イ.株価が過去2年間継続的に30%以上下落し一度も回復傾向のない状態にあるロ.株式の発行会社が債務超過の状態にあるハ.株式の発行会社が2期連続で損失を計上しており、翌期も損失計上が予想される e.繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、過去の納税状況や将来の事業計画等、現状入手可能な情報を用いて判断しております。当社グループは、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上しておりますが、経営成績の悪化等により将来の課税所得の見積額が減少した場合や法定税率の変更等により繰延税金資産が取崩された場合に、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 f.退職給付債務等当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化等により、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項 (4)退職給付に係る会計処理の方法」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」をご参照ください。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、持続的な企業価値増大を目指しており、その取組みの概要については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)企業価値向上について ③企業価値向上のための取組み(中長期経営計画)」に記載のとおりであります。 中長期経営計画では、連結売上高、連結非半導体売上構成比(%)、EBITDAマージン(%)、ROE(%)を特に重要な経営指標と捉え、目標達成に向けた取組みを進めております。当連結会計年度につきましては、世界半導体市場の回復については各々の用途によりバラつき感が見られ、本格的な回復には時間を要する状況において、当社においては先端半導体向けCMP製品及びシリコンウェハー向け製品の販売が好調に推移したことにより、増収増益になったものの、連結売上高は625億円、EBITDAマージンは22.1%、ROEは12.7%と目標未達となりました。また、非半導体分野においては、開発品の採用に時間を要したこと等により狙った売上拡大を果たせず、連結非半導体売上高構成比は17.1%と計画を下回りました。 2025年3月期中長期経営計画2025年3月期実績連結売上高(億円)702625連結非半導体売上構成比(%)18.117.1EBITDAマージン(%)(注)25.922.1ROE(%)自己資本利益率15.012.7(注)EBITDAマージン=(営業利益+減価償却費)/売上高 当社グループといたしましては、持続的な企業価値向上のため、引き続き中長期経営計画の取組みを進めてまいります。
事業リスク
- 原材料調達の不安定性研磨材製造に必要な原材料の一部は、特定の国や企業からの購入に依存しているため、供給元の品質問題、需要急増、資源国の政策変更などにより、十分な供給を受けられない可能性があります。これにより生産活動が遅滞し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 技術・市場変化への対応遅れ超精密研磨材分野は技術革新が速く、予想を超える技術や市場の変化に対応できない場合、顧客のニーズを満たす新製品を速やかに提供できなくなる可能性があります。これにより、将来の成長性や収益性が低下し、業績に大きな影響を与えるリスクがあります。
- 競争激化と製品陳腐化国内外に多数の競合企業が存在するため、競争が激化する可能性があります。競合他社が当社製品を上回る性能の新製品を開発・上市した場合、当社の競争優位が脅かされ、市場シェアや収益性が低下するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)原材料の調達について当社グループは、原材料、副資材、消耗品、設備、設備部品等を購入しております。購入先の選定にあたっては、生産能力、納期、品質管理能力、コスト、技術開発力、お客様サービス等を総合的に評価し、複数の購入先を確保することを基本としておりますが、一部の品目においては一社購買になっております。そのため、購入先の品質異常、需要の急増等により十分な供給を受けられない可能性があります。一方、複数の購入先から購入しているものにおいても、購入先が一国に集中している原材料や消耗品があり、資源保有国が自国内への供給を優先させる政策等により、当社グループが十分な供給を受けられない可能性があります。これらについて長期間供給を受けられない場合、当社グループの生産活動が遅滞し、業績に影響を与える可能性があるため、販売先に対し代替原料の認定を推進する等の対策を講じてまいります。 (2)研究開発について当社グループは超精密研磨材分野においてこれまで高いシェアと利益率を維持してまいりました。しかしながら、予想を超えた技術・市場の変化により、お客様の技術的なニーズを満たす製品を速やかに提供できない場合は、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、日本のほか、米国、台湾に研究拠点を設け、お客様のすぐ近くで、お客様の求める製品をタイムリーに提供できるよう、お客様と一体となって新製品の開発を推進しております。また、変化の激しい市場環境に対応するために、自社内での研究開発にとどまらず様々な分野で大学・研究機関・企業とも積極的に連携を進めております。 (3)企業買収について当社グループは、事業の成長を加速させる上で必要な技術の獲得や市場における優位性の確立に資するM&Aは有効な手段と考えておりますが、買収後の市場環境や競争環境の著しい変化があった場合には投下資本の回収が困難となり、ひいては当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。M&Aの検討にあたっては、対象となる市場の動向や顧客ニーズ、被買収企業の業績、財務状況、技術優位性や市場競争力、将来事業計画及びシナジー効果に加え、M&Aに伴うリスク分析結果等を考慮しております。また、買収前には専門家を活用したデューデリジェンスにより被買収企業の実態及び問題点の有無を調査し、買収後は企業価値の向上と長期的成長を支える新たなマネジメント並びにガバナンス体制を構築、推進いたします。 (4)製品保証について当社グループでは製品の品質保証体制を確立し、製造物責任保険も付保しております。しかし、当社製品に起因する損害が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは品質保証体制を継続的に改善し、お客様からの新たな要求に対する品質改善に努めるだけでなく、品質に関わるクレームを受けた際には原因の根本対策による再発防止を徹底する等、高度化するお客様からの品質要求に応えるための体制を整備しております。 (5)競争の激化について当社グループの主力事業分野である半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、超精密研磨のリーディングカンパニーとして、市場優位性を維持しております。しかしながら、国内外に多様な競合企業が存在するため、当社グループの競争優位が脅かされたり、当社製品を上回る性能の新製品が競合企業により開発・上市されるリスクがあります。このようなリスクに対応するため、研磨機構の科学的解明に基づき、研磨材の重要構成成分である薬液を独自設計することで、研磨性能の向上を図っております。また、半導体基板の研磨工程には、粗研磨から最終研磨まで複数の研磨工程があり、当社グループはその全ての工程の研磨材を手掛け、最終仕上げ面をお客様の求めに応じ高品位かつ効率的に発現させうる、各工程における最適な研磨材とプロセスを提供しております。 (6)原材料の価格について当社グループで製造している研磨材には、海外から輸入される天然資源を原材料とするものがあります。近年当該原材料価格が高騰しており、更なる原材料価格の高騰は利益の一層の減少や、ひいては固定資産の減損に繋がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、複数購買の推進等、影響を低減する施策に取組んでおります。 (7)市場環境の変動について当社グループが事業活動を行っている日本、北米、アジア及び欧州等の市場において、景気後退により個人消費や民間設備投資が減少した場合、当社グループが提供する製品の需要減少や価格競争の激化が進展し、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、お客様から最新情報を入手し、アナリストや投資家とのコミュニケーションを通じて市場動向の把握、分析及び事業戦略を立案する等、適宜対策を講じております。 (8)海外での事業展開について当社グループでは、日本、北米、アジア及び欧州等において幅広く海外活動を展開しています。そのため、海外における政治経済情勢の悪化、予期しない法律や規制の変更、治安の悪化等のリスクが内在しており、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するために、有事の際の連絡系統を確立し、グローバルで速やかに情報共有できる体制を取っております。また、年2回グローバルリスク委員会を開催し現地リスクの特定、対策を講じております。 (9)情報セキュリティについて当社グループは技術、営業、その他事業に係る機密情報並びに多数の企業及び個人の情報を保有しております。それらについては、万全の情報管理体制を構築しておりますが、コンピューターウイルス、その他の要因により情報漏洩やそれら情報を使用できない状況等が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するために、当社グループでは、情報セキュリティに関する各種規程類を整備・運用し、役員従業員への教育研修等を通じて、情報及び情報機器の適正な取扱いを浸透させております。 (10)災害等について地震や台風等大規模な自然災害その他の事象により大きな被害を受けた場合、正常な生産活動や研究開発活動が妨げられ、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。加えて、新規の感染症等の拡大により、供給元、納入先、当社グループの工場等のサプライチェーンに影響が生じた場合や、従業員の感染による操業停止等により、同様の影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このようなリスクに対応するべく、事業継続計画(BCP)や災害対策マニュアルの策定、及びその実効性を高めるための定期的な訓練を実施し、災害発生時においても重要な事業の継続、早急な事業復旧が可能な体制の整備を行っております。 (11)為替変動について当社グループは積極的に海外との取引を展開しており、海外連結子会社5社を有しております。2024年3月期及び2025年3月期における連結売上高の海外売上構成比は、それぞれ77.5%及び77.8%となっており、今後も高い比率で推移するものと想定いたします。外貨建ての取引は必要に応じて先物為替予約によりヘッジを行っておりますが、為替変動が当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 (12)知的財産権について当社は技術主導型の企業であり、知的財産を優れた製品の競争力確保のための重要な源泉であると位置付け、その強化に継続的に取組んでおります。しかしながら、当社グループの知的財産権が侵害される可能性や第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、当社グループの事業遂行や競争力に影響を与える可能性があります。更なる技術の差別化を目的とした独自技術の確保に努めるとともに、より強固な知的財産ポートフォリオを確立し、第三者の知的財産権に関する調査・侵害予防活動を遂行するため、海外子会社を含むグループ全体での知的財産の管理・運営体制の整備を進めております。また、訴訟等の発生にもタイムリーかつ効果的に対応できるよう国内及び主要マーケット各国の知財・法務の専門家との連携ネットワークを確立し、その維持強化を図っております。 (13)人材について当社グループが競争力を維持するためには、今後の事業展開に必要な優秀な人材の確保・育成が重要であると認識し必要な施策を実施しております。こうした優秀な人材が確保・育成できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するべく、事業運営に必要なビジネススキルを可視化し、高い専門性や豊富な経験を有する人材の採用を進めているほか、長期的な人材確保の観点から若手人材を継続的に採用し、必要なビジネススキルの習得に資するトレーニング機会の充実を図っております。加えて女性活躍推進や仕事と家庭の両立支援といったダイバーシティ施策を推進し、個々の就業ニーズに対応できる仕組みを強化しております。 (14)固定資産の減損について当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後、事業環境の大幅な悪化や原材料価格の高騰及び競争の激化等があった場合には、減損損失が発生し、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。このようなリスクに対して、(2)研究開発について、(5)競争の激化について及び(6)原材料の価格について等に記載しているとおり適宜対策を講じております。