事業の概要
- 耐火物事業日本坩堝グループの主要事業で、黒鉛坩堝や定形・不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入れ販売を行っています。これらは、高温に耐える材料で、鉄鋼や鋳造などの産業で不可欠な部品や設備に使われます。子会社のアジア耐火や久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司などがこの分野を担い、国内外で事業を展開しています。
- エンジニアリング事業各種工業炉の設計・施工、関連機器の販売、築炉工事を請け負う事業です。工業炉は、金属の溶解や熱処理など、製造業の多くのプロセスで使われる重要な設備です。子会社の眞保炉材工業や有限会社三友築炉が築炉工事を専門に行い、顧客のニーズに合わせた設備を提供しています。
- 不動産・その他事業建物や駐車場の賃貸、太陽光発電事業を通じて収益を得る不動産事業と、塗料循環装置の製造販売を行うその他事業があります。これらは主力事業を補完する役割を持ち、特に塗料循環装置は環境負荷低減に貢献する技術として注目されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 耐火物事業日本坩堝グループの売上高の約54.4億円を占める主要事業で、営業利益は約4.6億円です。黒鉛坩堝や定形・不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入れ販売を行っており、鉄鋼や鋳造といった基幹産業を支える重要な役割を担っています。国内外の子会社や関連会社がこの事業を推進しています。
- エンジニアリング事業売上高は約34.9億円、営業利益は約4.5億円で、グループ全体の収益に大きく貢献しています。各種工業炉の設計・施工、関連機器の販売、築炉工事を請け負っており、製造業の生産設備構築に不可欠なサービスを提供しています。案件ごとの仕様確認や試運転が慎重に行われる特性があります。
- 不動産事業売上高は約3.8億円、営業利益は約2.2億円です。建物や駐車場の賃貸、太陽光発電事業を通じて安定的な収益を確保しています。主力事業とは異なる分野で収益源を確保することで、事業ポートフォリオの多様化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Refractories | 事業 | 54 | 5 | 8.5% |
| Engineering | 事業 | 35 | 4 | 12.8% |
| RealEstate | 事業 | 4 | 2 | 58.5% |
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3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社5社、関連会社2社により構成され、耐火物事業(黒鉛坩堝・定形耐火物及び不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入販売)、エンジニアリング事業(各種工業炉の設計施工及び付帯する機器類の販売、築炉工事請負等)、不動産事業(建物・駐車場賃貸、太陽光発電事業)及びその他事業(塗料循環装置事業)を行っております。 当該事業における当社及び子会社、関連会社の位置づけは次のとおりであります。 グループ各社の主な事業の内容は次のとおりであります。1 親会社日本ルツボ㈱……………………………………耐火物事業(黒鉛坩堝・定形耐火物及び不定形耐火物の製造販売、鋳物材料の仕入販売)、エンジニアリング事業(各種工業炉の設計施工及び付帯する機器類の販売)及び不動産事業(建物、駐車場賃貸、太陽光発電事業)2 連結子会社アジア耐火㈱……………………………………耐火物事業(不定形耐火物の製造販売)眞保炉材工業㈱……………………………………エンジニアリング事業(築炉工事)日本ピーシーエス㈱………………………………その他事業(塗料循環装置の製造販売)有限会社三友築炉…………………………………エンジニアリング事業(築炉工事)3 非連結子会社日坩商貿(上海)有限公司……………………耐火物事業(耐火物の販売)4 持分法適用関連会社久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司………耐火物事業(耐火物の製造販売)5 持分法非適用関連会社ルミコ社(ドイツ)……………………………耐火物事業(不定形耐火物の製造販売)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料・燃料価格高騰時にお客さまの理解に基づく価格改定を進めているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 高機能化する金属やガラスなどの高温溶解プロセス向けに要求品質に適合した製品を開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:自動車のEV化による鋳造部品構造の変化 / 鉄鋼業界の需要減と製鉄所再編 / エンジニアリング事業の売上期間帰属
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
日本坩堝は特定のブランド力や特許、規制ライセンスに関する公開情報が乏しく、無形資産による競争優位性は確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ガラス溶解炉関連の設備は、顧客であるガラスメーカーにとって長期的な投資であり、一度導入すると他社への切り替えには多大なコストと時間を要する可能性がある。しかし、技術革新のスピードや代替技術の出現リスクも考慮すると、スイッチング・コストの強度は限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ネットワーク効果が発生するようなプラットフォームやサービスは提供しておらず、ネットワークによる競争優位性は見られない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業経験とノウハウの蓄積により、効率的な生産プロセスやコスト管理能力を有している可能性はある。しかし、原材料価格の変動や競合他社とのコスト競争力に関する具体的な優位性は不明確。
規模の経済★★★☆☆
ガラス溶解炉および関連設備の分野において、国内で一定のシェアと長年の実績を持つ。特定のニッチ市場においては、規模の経済が働き、効率的な事業運営が可能であると考えられる。しかし、グローバルな競争環境や市場規模全体を考慮すると、圧倒的な規模の優位性とは言えない。
- 多角的な事業展開耐火物、エンジニアリング、不動産、その他(塗料循環装置)と幅広い事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散しています。特に耐火物とエンジニアリングは製造業の基盤を支える重要な役割を担っており、安定した需要が見込まれます。
- 国内外の生産・販売網日本国内だけでなく、中国に販売子会社や製造販売の関連会社、ドイツに関連会社を持つなど、グローバルな生産・販売体制を構築しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の顧客に製品やサービスを提供できる強みがあります。
- 技術力と顧客対応力鉄鋼事業においては、高い技術力で安定した耐用年数に貢献した実績や、スピーディーできめ細やかな対応力を強みとしています。これにより、国内市場でのシェア維持と利益率向上を目指し、海外市場では新技術開発によるロイヤリティ収入の確保を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・経営戦略等①経営方針 当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取り組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定により経営の効率性を高めるべく、コーポレート・ガバナンスの充実を進めております。 現「中期経営計画2024~Crucible3R」(2023年3月期から2025年3月期)においては、基本課題として、「業績の伸展、財務の強化」「顧客満足度の飛躍的改善」「業務の生産性向上」「組織・人財の活性化」を掲げ、連結収益の拡大、利益率の改善、戦略的な経営資源配分、顧客に寄り添い全幅の信頼を得る活動・業務の実践、一人・単位時間当たりの成果増大、部署間の真摯な対話の拡充、全員が誇りを持てる働き甲斐のある職場風土創り等を進めてまいりました。 現中期経営計画では、重点分野として取り組んでまいりましたエンジニアリング事業が伸長し、2022年3月比、売上高、経常利益ともに改善いたしましたが、主力事業である鋳造事業が自動車の国内生産・販売の回復の遅れ等もあり低調に推移したことから、現中期経営計画において掲げていた目標(2025年3月)については達成には至りませんでした。 新「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)では、事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めてまいります。2025年3月期比、増収増益となる売上高110億円、経常利益8.3億円を目指してまいります。 ②経営環境に関する認識 当社グループを取り巻く経営環境は、原材料・燃料価格の高止まり、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。 鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売台数の回復の遅れがみられ、鋳造における需要回復は芳しくなく、加えて、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題と認識しております。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が進んでおり、当社グループも引き続き影響を受ける見通しであります。 他方、工業炉市場においては、競合企業は多いものの新規参入の少ないマーケットと認識しており、特に海外市場において拡大余地が十分にあるものと考えております。この分野では、特にカーボンニュートラルに寄与する製品が求められており、CO2削減をキーワードにした工業炉の開発が最大の課題と考え、当社も積極的に取り組んでおります。また、環境・工事市場は景気変動の影響を受けにくいことから、焼却炉新設・更新は安定的に推移するものと想定しております。特に、大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続いており、メンテナンス工事の需要は引き続き大いに期待できる見込みであります。 ③中長期の経営戦略 2025年度を初年度とする「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月8日に開示しております。(https://www.rutsubo.com/ir/images/pdf/mid-term2025.pdf)当社グループの経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げております。また、長期ビジョンに基づく到達目標として、「2040年に連結経常利益20億円(売上高200億円、経常利益率10%以上)」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かして実現を目指します。この長期ビジョンと2040年の到達目標を全社・全員で共有するとともに、バックキャスティングの手法も用いて3年間の位置づけを整理し、Rebirth(再生)、Re-create(価値の再創造)、Reconstruct(事業構造の再構築)という3つのRを引き続きキーワードとした中期経営計画としております。事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めていく3年間としてまいります。 「中期経営計画2027」の到達目標は、2027年度連結経常利益8.3億円(売上高110億円、経常利益率7.5%以上、ROE8.0%以上)としておりますが、その実現に向けた経営戦略については、以下の通り4つの視点で整理しております。 財務戦略の基本は、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことであります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。生産体制の将来像を具体化し、2040年を見据えた最適な設備投資計画についても進めてまいります。 第2の視点、到達目標達成に向けた最大のキーファクターである顧客満足向上戦略は、「常に顧客に寄り添い、情報を発信しニーズに応えることを通じて、顧客から全幅の信頼を受け続ける会社“ファースト・コール・カンパニー”を目指す」ということであります。具体的には、顧客への的確なクイックレスポンスを継続し、顧客の経営課題・関心事・困りごと・ニーズに的確に応え、顧客の事業発展に貢献してまいります。情報共有化・分析を通じた製品満足度の改善を進めるとともに、技術・営業面でのサービス水準の飛躍的向上を図ります。また、海外の重点エリアにおいて、生産・営業の両面で積極的に展開いたします。 第3の視点は、業務生産性の向上に関する戦略であります。顧客の満足度を高め、業績の向上を通じてステークホルダーの期待に応えるべく、あらゆるビジネス・プロセスの生産性において同業他社比秀でた状態の実現を目指します。特に、サステナビリティの追及に積極的に取組み、カーボンニュートラルに貢献する先進的でユニークな製品・技術の開発を進めます。また、部門・部署間のコミュニケーションの拡充を通じて、営業・技術・生産・管理の各業務の生産性を大幅に向上させてまいります。 以上の経営戦略の土台となる組織活性化戦略の基本方針は、「役職員全員が、当社グループで働いていることを、大切な人たちに胸を張って誇りを持って語れる会社であり続けること」であります。具体的には、新規事業創出力・事業化推進力・先見的対応力を組織全体で強化するとともに、基礎研究や革新的技術開発において大きな成果を生み出し得る人財の育成を抜本的に進め、これらをベースにグループ会社全体での相乗効果がこれまで以上に発揮される施策を推進いたします。また、人事交流の更なる拡充や意見発信の場の創出等を通じて、目指すべき企業文化の構築をはかるとともに、社員の貢献・成長を応援する仕組みづくりを通じて、より働き甲斐がある会社を目指します。 ④年度運営方針、基本戦略 186期(2026年3月期)の年度運営方針は、「新中期経営計画2027のスタート~付加価値向上の徹底」であります。 186期の基本戦略については、戦略企画部を軸とした経営企画・戦略立案・新事業創出機能の拡充、新中期経営計画の実効的なフォローアップ等に加え、各部門において以下の通り推進いたします。 国内営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組むとともに、新市場・新分野のお客さまの開拓を強化いたします。各営業員がこれまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みであるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。また、そうした観点から、営業担当者表彰制度を継続実施するとともに、管理ツールの拡充をはかり、営業員の対応力強化を進めてまいります。加えて、順調に増加している工業炉の売上を更に伸ばすべく、工業炉技術部と工業炉事業部を統合し、更に、加速させてまいります。 海外営業部門は、重点地域に製造・販売・メンテナンス拠点を確立して市場深耕を進め、海外における売上・営業利益のウエイトを拡充いたします。具体的には、アジア地域での現地生産化によるコスト競争力向上、技術ライセンス先との取引拡充、代理店との連携強化等を積極的に推進してまいります。また、2021年12月に中国江蘇省に設立した合弁会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」は、2022年4月より新会社としての操業を開始しております。当社より総経理を派遣し、当社基準の生産・品質管理を導入しております。 技術部門は、豊富な製品群、蓄積技術、特徴ある製造・研究設備の裏付けのもと、技術対応力と製品開発力を向上させ、顧客対応力および環境変化対応力を一段と強化いたします。具体的には、顧客ニーズやクレーム最小化に向けた取組成果等の指標化、各種技術対応活動の分析を通じた技術力強化により、顧客満足度の大幅向上を目指します。また、CO2削減をキーワードにした新製品開発、オンリーワン製品の開発、戦略企画部と連携した将来を見据えた研究開発への取組を強化するとともに、知的財産、基礎研究への重点投資を進めてまいります。 生産部門は、品質の維持・向上、安全の最重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化を行ってまいります。また、原材料・燃料費の高騰・高止まりへの的確な対応、更にオフセットガス、グリーン電力利用により自社工場におけるカーボンニュートラルへの取組等を引き続き進めてまいります。 企画・管理部門は、組織活性化に係る諸施策の積極展開を最大の眼目として、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等による人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、リスク管理の高度化、コンプライアンス意識の更なる向上、管理会計の拡充等の経営管理高度化、IT領域拡大への対応強化、法令・制度改正への的確な対応等に、精力的に取り組んでまいります。 ⑤セグメントごとの事業戦略 当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業の4つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向け事業と鉄鋼市場向け事業とに、またエンジニアリング事業は工業炉市場向け事業と環境・工事市場向け事業とに、それぞれ区分しております。日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業は、その他事業のセグメントとしております。 当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面での総合的なソリューション提供力を存分に活かしながら、今後もこの事業における競争優位を確保できるよう努めてまいります。 最大のウエイトを占める鋳造事業の基本戦略は、「顧客との更なる関係強化、新製品の拡販、業界をリード」であります。 主たる取引先である自動車関連産業におけるシェアの維持・拡大のため、お客さまから「ファーストコール」をいただくための信頼構築に努めるとともに、省エネ・断熱・脱炭素ニーズに対応した新製品「LITETEX」「エレマックス」等の新製品の拡販を進めてまいります。また、電子デバイス分野等に対応した金属粉末溶解市場への展開、自動車のEV化に適応した誘導炉市場向け製品の拡販、環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。主力製品である定形耐火物は、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、例えば高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できるという大きな特長を有しており、自社製品の製造に加えて、受託サービスを実施しております 鉄鋼事業の基本戦略は、「設備再編等により変化する国内市場でのシェアを死守しつつ、海外市場における取引拡充に向けて新技術を確立」であります。 国内市場については、製鉄所の再編、高炉から電炉へのシフト進展等の影響を受けることとなりますが、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持・拡大と利益率向上に努めてまいります。 第2のセグメントであるエンジニアリング事業については、「中期経営計画2027」においても引き続き長期ビジョンの実現に向けた事業構造(ポートフォリオ)の再構築を進めていくうえで極めて重要な分野として位置付けており、今後も、人財を大幅に増強いたします。 エンジニアリング事業の柱の一つである工業炉事業の基本戦略は、「顧客のCO2削減、作業負荷軽減に貢献する工業炉拡販を更に推進、先進ビジュアルパネルを活用して作業の安全と高効率化を追求、海外市場への積極展開、海外製造品の活用」であります。 この事業では、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉としてお客さまから高評価をいただいております「フリーダム」の大幅な拡販に加え、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」、および炉修工事の受注拡大を進めてまいります。また、カーボンニュートラルへの対応として新たに開発したSU炉を販売推進してまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジアに加え、欧米を重点マーケットと位置づけ、市場ニーズに即した製品開発、日系企業を中心とした営業活動強化により、積極的な展開を図ってまいります。海外製造品の輸入、販売促進も積極的に実施してまいります。 この事業における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなくお客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、自社で製造した耐火材を活用できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。工業炉開発の技術者が鋳造分野や新製品開発担当の技術者との連携を一段と強化することで、カーボンニュートラルに適応した製品群の開発が加速されてきており、IoT技術を活用した新機能の開発・展開も含め、上記の強みをこれまで以上に活かした事業拡大を進めます。 エンジニアリング事業のもう一つの柱である環境・工事事業の基本戦略は、「人財拡充による対応力強化と時短に繋がる製品・サービスの提供を通じて顧客ニーズに適応し、取扱工事を大幅に拡大」であります。 民間事業者および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却炉、誘導炉、各種工業炉のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。具体的には、高接着性・速硬性・高強度・易乾燥性という特性を有する「クイックセッター」の拡販、当社の独自性を発揮した時短工法への取組強化などを通じて、設備工事ニーズに対する質の高いサービスの提供を進めます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、人財の採用・育成、協力会社との連携など経営資源を重点的に投入いたします。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社とのシナジー拡充を更に進めるとともに、関係事業者とのアライアンスや大手プラントメーカーとの取引拡大にも一段と積極的に取り組んでまいります。 第3のセグメントである不動産事業では、本社ビルの賃貸と豊田工場の太陽光発電に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸により、引き続き安定的な収益確保に努めるとともに、遊休不動産の有効活用を進めてまいります。 第4に、その他の事業として、2021年4月に連結子会社化した日本ピーシーエス株式会社とのシナジー拡充を進めてまいります。日本ピーシーエス株式会社は、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉設計技術との融合等を通じて新製品の開発を一段と加速いたします。 また、新規事業の拡充も当社グループの最重要経営課題の一つであります。地球温暖化、資源問題など経営環境に関する中長期の予測・展望も踏まえながら、金属溶解以外の業界への耐火物供給、業務提携やM&Aを通じた事業多角化の推進等により、「次の1世紀を支える新規事業」を創出してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 前述の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、原材料・燃料価格の高止まり、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売の回復の遅れに伴い、鋳造需要が引き続き低迷していること、鉄鋼業界における製鉄所再編については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。 当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業140年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。 「中期経営計画2027」においては、この経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げ、到達目標「2040年に連結経常利益20億円」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かしてこの目標の実現を目指します。 グループ全社・全員が一丸となって新たに策定した「中期経営計画2027」に取り組んでいくことこそが、上記の事業上の課題への対処と考えております。 なお、現中期経営計画の最終年度となった185期は計画達成には至りませんでしたが、厳しい経営環境が続く中においても、連結業績は前期比増収増益となっております。当社単体では増収、経常利益も増益となりました。各子会社も含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。 「(1)②財務戦略」に記載の通り、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行ってまいります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「中期経営計画2027」においては、最終2027年度(2028年3月期)の目標として、連結売上高110億円、連結経常利益8.3億円、連結ROE8.0%を掲げております。 現中期経営計画の最終年度となった185期(2025年3月期)は、主要取引先である自動車関連産業が需要回復の遅れ等により低調な操業状況となったことに加え、原材料・燃料価格が高止まりしたことなどから、連結売上高が97.8億円(最終年度目標進捗率97.8%)、連結経常利益が5.1億円(最終年度目標進捗率85.1%)、連結ROEが6.8%(最終年度目標比▲1.2ポイント)と不十分な達成状況となりました。 売上高については、鋳造事業において自動車産業の回復が遅れ、鋳造需要の戻りも遅れており、原材料・燃料価格等の上昇に伴う価格改定をお客さまのご理解を得ながら進めたものの、最終年度の計画を大きく下回りました。エンジニアリング事業は計画を達成、特に工業炉事業については炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉「フリーダム」を中心に、大型案件を順調に成約・進捗いたしました。 経常利益については、当社単体では鋳造事業の不振により、目標を達成することはできませんでした。日本ピーシーエス株式会社の業績不振もあり、連結でも目標達成とはなりませんでした。 ROEにつきましては、上記の通り経常利益が未達となったこともあって、目標を大きく下回っております。 186期(2026年3月期)は、新中期経営計画の新たなスタートとなります。自動車関連産業の操業回復に伴う受注増加、「フリーダム」を中心とした工業炉事業の伸長、環境・工事事業における順調な業績拡大を軸に、年度ラップ目標達成を目指してまいります。目標の達成状況については、引き続き達否要因の分析など経営管理・フォローアップを的確に行うとともに、適切に開示してまいります。 なお、年度によりROEが株主資本コストに達しない年度もありますが、毎年資本コストを上回るROEの達成を目標設定しております。現状、足元でPBR1倍に達してはおりませんが、中期計画に基づく各種施策を着実に実行し、また適時開示やホームページでのIR活動を通じて株価上昇を図り、PBR1倍の達成を目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針・経営戦略等①経営方針 当社グループは、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する会社を目指す』ことを経営理念とし、株主をはじめとするすべてのステークホルダーの期待に応え、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題として取り組んでおります。そのために、内部統制システムの整備・強化を図り、経営の透明性・公平性を確保し、迅速な意思決定により経営の効率性を高めるべく、コーポレート・ガバナンスの充実を進めております。 現「中期経営計画2024~Crucible3R」(2023年3月期から2025年3月期)においては、基本課題として、「業績の伸展、財務の強化」「顧客満足度の飛躍的改善」「業務の生産性向上」「組織・人財の活性化」を掲げ、連結収益の拡大、利益率の改善、戦略的な経営資源配分、顧客に寄り添い全幅の信頼を得る活動・業務の実践、一人・単位時間当たりの成果増大、部署間の真摯な対話の拡充、全員が誇りを持てる働き甲斐のある職場風土創り等を進めてまいりました。 現中期経営計画では、重点分野として取り組んでまいりましたエンジニアリング事業が伸長し、2022年3月比、売上高、経常利益ともに改善いたしましたが、主力事業である鋳造事業が自動車の国内生産・販売の回復の遅れ等もあり低調に推移したことから、現中期経営計画において掲げていた目標(2025年3月)については達成には至りませんでした。 新「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)では、事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めてまいります。2025年3月期比、増収増益となる売上高110億円、経常利益8.3億円を目指してまいります。 ②経営環境に関する認識 当社グループを取り巻く経営環境は、原材料・燃料価格の高止まり、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。 鋳造市場においては、自動車の国内生産・販売台数の回復の遅れがみられ、鋳造における需要回復は芳しくなく、加えて、中長期的には自動車のEV化進展がもたらす広範な影響への的確な対処が最重点課題と認識しております。また、鉄鋼市場においても、世界規模での需給調整等が進むなかで製鉄所の再編が進んでおり、当社グループも引き続き影響を受ける見通しであります。 他方、工業炉市場においては、競合企業は多いものの新規参入の少ないマーケットと認識しており、特に海外市場において拡大余地が十分にあるものと考えております。この分野では、特にカーボンニュートラルに寄与する製品が求められており、CO2削減をキーワードにした工業炉の開発が最大の課題と考え、当社も積極的に取り組んでおります。また、環境・工事市場は景気変動の影響を受けにくいことから、焼却炉新設・更新は安定的に推移するものと想定しております。特に、大型の焼却処理施設は高水準の稼働が続いており、メンテナンス工事の需要は引き続き大いに期待できる見込みであります。 ③中長期の経営戦略 2025年度を初年度とする「中期経営計画2027~Crucible3R Ver.2」(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月8日に開示しております。(https://www.rutsubo.com/ir/images/pdf/mid-term2025.pdf)当社グループの経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げております。また、長期ビジョンに基づく到達目標として、「2040年に連結経常利益20億円(売上高200億円、経常利益率10%以上)」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かして実現を目指します。この長期ビジョンと2040年の到達目標を全社・全員で共有するとともに、バックキャスティングの手法も用いて3年間の位置づけを整理し、Rebirth(再生)、Re-create(価値の再創造)、Reconstruct(事業構造の再構築)という3つのRを引き続きキーワードとした中期経営計画としております。事業構造の再構築をさらに加速し、中期的な経営課題を達成するための基礎固めを完了するとともに、当グループの発展に向けた攻勢を一段と進めていく3年間としてまいります。 「中期経営計画2027」の到達目標は、2027年度連結経常利益8.3億円(売上高110億円、経常利益率7.5%以上、ROE8.0%以上)としておりますが、その実現に向けた経営戦略については、以下の通り4つの視点で整理しております。 財務戦略の基本は、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことであります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。生産体制の将来像を具体化し、2040年を見据えた最適な設備投資計画についても進めてまいります。 第2の視点、到達目標達成に向けた最大のキーファクターである顧客満足向上戦略は、「常に顧客に寄り添い、情報を発信しニーズに応えることを通じて、顧客から全幅の信頼を受け続ける会社“ファースト・コール・カンパニー”を目指す」ということであります。具体的には、顧客への的確なクイックレスポンスを継続し、顧客の経営課題・関心事・困りごと・ニーズに的確に応え、顧客の事業発展に貢献してまいります。情報共有化・分析を通じた製品満足度の改善を進めるとともに、技術・営業面でのサービス水準の飛躍的向上を図ります。また、海外の重点エリアにおいて、生産・営業の両面で積極的に展開いたします。 第3の視点は、業務生産性の向上に関する戦略であります。顧客の満足度を高め、業績の向上を通じてステークホルダーの期待に応えるべく、あらゆるビジネス・プロセスの生産性において同業他社比秀でた状態の実現を目指します。特に、サステナビリティの追及に積極的に取組み、カーボンニュートラルに貢献する先進的でユニークな製品・技術の開発を進めます。また、部門・部署間のコミュニケーションの拡充を通じて、営業・技術・生産・管理の各業務の生産性を大幅に向上させてまいります。 以上の経営戦略の土台となる組織活性化戦略の基本方針は、「役職員全員が、当社グループで働いていることを、大切な人たちに胸を張って誇りを持って語れる会社であり続けること」であります。具体的には、新規事業創出力・事業化推進力・先見的対応力を組織全体で強化するとともに、基礎研究や革新的技術開発において大きな成果を生み出し得る人財の育成を抜本的に進め、これらをベースにグループ会社全体での相乗効果がこれまで以上に発揮される施策を推進いたします。また、人事交流の更なる拡充や意見発信の場の創出等を通じて、目指すべき企業文化の構築をはかるとともに、社員の貢献・成長を応援する仕組みづくりを通じて、より働き甲斐がある会社を目指します。 ④年度運営方針、基本戦略 186期(2026年3月期)の年度運営方針は、「新中期経営計画2027のスタート~付加価値向上の徹底」であります。 186期の基本戦略については、戦略企画部を軸とした経営企画・戦略立案・新事業創出機能の拡充、新中期経営計画の実効的なフォローアップ等に加え、各部門において以下の通り推進いたします。 国内営業部門は、長年の実績を活かして引き続きお客さまの安定操業に貢献していくことを柱に、既存のお客さまとの深化・取引拡充に取り組むとともに、新市場・新分野のお客さまの開拓を強化いたします。各営業員がこれまで以上にお客さまの事業内容や経営課題をよく知る努力を積み重ね、当社グループの強みであるきめ細かなサービスを提供し続けることで、お客さまの満足度を一段と高めてまいります。また、そうした観点から、営業担当者表彰制度を継続実施するとともに、管理ツールの拡充をはかり、営業員の対応力強化を進めてまいります。加えて、順調に増加している工業炉の売上を更に伸ばすべく、工業炉技術部と工業炉事業部を統合し、更に、加速させてまいります。 海外営業部門は、重点地域に製造・販売・メンテナンス拠点を確立して市場深耕を進め、海外における売上・営業利益のウエイトを拡充いたします。具体的には、アジア地域での現地生産化によるコスト競争力向上、技術ライセンス先との取引拡充、代理店との連携強化等を積極的に推進してまいります。また、2021年12月に中国江蘇省に設立した合弁会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」は、2022年4月より新会社としての操業を開始しております。当社より総経理を派遣し、当社基準の生産・品質管理を導入しております。 技術部門は、豊富な製品群、蓄積技術、特徴ある製造・研究設備の裏付けのもと、技術対応力と製品開発力を向上させ、顧客対応力および環境変化対応力を一段と強化いたします。具体的には、顧客ニーズやクレーム最小化に向けた取組成果等の指標化、各種技術対応活動の分析を通じた技術力強化により、顧客満足度の大幅向上を目指します。また、CO2削減をキーワードにした新製品開発、オンリーワン製品の開発、戦略企画部と連携した将来を見据えた研究開発への取組を強化するとともに、知的財産、基礎研究への重点投資を進めてまいります。 生産部門は、品質の維持・向上、安全の最重視を基本に据え、製造原価計算の精緻化、製造工程管理のレベルアップ等を通じて生産性向上を図るとともに、製造設備の保守・更新の一層の適正化を行ってまいります。また、原材料・燃料費の高騰・高止まりへの的確な対応、更にオフセットガス、グリーン電力利用により自社工場におけるカーボンニュートラルへの取組等を引き続き進めてまいります。 企画・管理部門は、組織活性化に係る諸施策の積極展開を最大の眼目として、有為な人財の採用継続、適材適所の人事運営、教育研修の拡充等による人財開発・育成を一段と進めるとともに、「働き方改革」の更なる推進、リスク管理の高度化、コンプライアンス意識の更なる向上、管理会計の拡充等の経営管理高度化、IT領域拡大への対応強化、法令・制度改正への的確な対応等に、精力的に取り組んでまいります。 ⑤セグメントごとの事業戦略 当社グループは、子会社・関連会社を含めた全事業を、耐火物事業、エンジニアリング事業、不動産事業、その他事業の4つのセグメントに区分しております。耐火物事業は鋳造市場向け事業と鉄鋼市場向け事業とに、またエンジニアリング事業は工業炉市場向け事業と環境・工事市場向け事業とに、それぞれ区分しております。日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置等に関する事業は、その他事業のセグメントとしております。 当社グループの耐火物事業は、一定分野に限定することなく、多種多様な製品群により広範なお客さまのニーズに的確にお応えしていることから、分野ごとに競合企業が異なるという特徴を有しております。各分野において優れた技術力を持った競合企業と切磋琢磨を続けながら、また当社グループの強みである営業・技術両面での総合的なソリューション提供力を存分に活かしながら、今後もこの事業における競争優位を確保できるよう努めてまいります。 最大のウエイトを占める鋳造事業の基本戦略は、「顧客との更なる関係強化、新製品の拡販、業界をリード」であります。 主たる取引先である自動車関連産業におけるシェアの維持・拡大のため、お客さまから「ファーストコール」をいただくための信頼構築に努めるとともに、省エネ・断熱・脱炭素ニーズに対応した新製品「LITETEX」「エレマックス」等の新製品の拡販を進めてまいります。また、電子デバイス分野等に対応した金属粉末溶解市場への展開、自動車のEV化に適応した誘導炉市場向け製品の拡販、環境問題に適合した省エネ耐火物の開発と販路拡大も積極的に行っております。主力製品である定形耐火物は、当業界で最新・最大の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」により、例えば高圧縮ルツボ、大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できるという大きな特長を有しており、自社製品の製造に加えて、受託サービスを実施しております 鉄鋼事業の基本戦略は、「設備再編等により変化する国内市場でのシェアを死守しつつ、海外市場における取引拡充に向けて新技術を確立」であります。 国内市場については、製鉄所の再編、高炉から電炉へのシフト進展等の影響を受けることとなりますが、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持・拡大と利益率向上に努めてまいります。 第2のセグメントであるエンジニアリング事業については、「中期経営計画2027」においても引き続き長期ビジョンの実現に向けた事業構造(ポートフォリオ)の再構築を進めていくうえで極めて重要な分野として位置付けており、今後も、人財を大幅に増強いたします。 エンジニアリング事業の柱の一つである工業炉事業の基本戦略は、「顧客のCO2削減、作業負荷軽減に貢献する工業炉拡販を更に推進、先進ビジュアルパネルを活用して作業の安全と高効率化を追求、海外市場への積極展開、海外製造品の活用」であります。 この事業では、炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉としてお客さまから高評価をいただいております「フリーダム」の大幅な拡販に加え、アルミ市場向け溶解兼保持炉「MK炉」「NM炉」、および炉修工事の受注拡大を進めてまいります。また、カーボンニュートラルへの対応として新たに開発したSU炉を販売推進してまいります。海外についても、これまで拡大してきたアジアに加え、欧米を重点マーケットと位置づけ、市場ニーズに即した製品開発、日系企業を中心とした営業活動強化により、積極的な展開を図ってまいります。海外製造品の輸入、販売促進も積極的に実施してまいります。 この事業における当社グループの強みは、汎用的な製品だけではなくお客さまの製造ラインに合わせて最適にカスタマイズした製品を設計・製造できること、自社で製造した耐火材を活用できること、設置後のメンテナンスも一貫して対応できることであります。工業炉開発の技術者が鋳造分野や新製品開発担当の技術者との連携を一段と強化することで、カーボンニュートラルに適応した製品群の開発が加速されてきており、IoT技術を活用した新機能の開発・展開も含め、上記の強みをこれまで以上に活かした事業拡大を進めます。 エンジニアリング事業のもう一つの柱である環境・工事事業の基本戦略は、「人財拡充による対応力強化と時短に繋がる製品・サービスの提供を通じて顧客ニーズに適応し、取扱工事を大幅に拡大」であります。 民間事業者および自治体の設備投資動向を的確に捉え、焼却炉、誘導炉、各種工業炉のメンテナンス工事を中心とした受注拡大に取り組みます。具体的には、高接着性・速硬性・高強度・易乾燥性という特性を有する「クイックセッター」の拡販、当社の独自性を発揮した時短工法への取組強化などを通じて、設備工事ニーズに対する質の高いサービスの提供を進めます。特に、民間産廃市場では焼却炉の中大型化傾向が続くなかで大型工事案件の増加が見込まれることから、人財の採用・育成、協力会社との連携など経営資源を重点的に投入いたします。また、2017年4月に連結子会社化した眞保炉材工業株式会社とのシナジー拡充を更に進めるとともに、関係事業者とのアライアンスや大手プラントメーカーとの取引拡大にも一段と積極的に取り組んでまいります。 第3のセグメントである不動産事業では、本社ビルの賃貸と豊田工場の太陽光発電に加え、2017年4月より開始した大阪倉庫の賃貸により、引き続き安定的な収益確保に努めるとともに、遊休不動産の有効活用を進めてまいります。 第4に、その他の事業として、2021年4月に連結子会社化した日本ピーシーエス株式会社とのシナジー拡充を進めてまいります。日本ピーシーエス株式会社は、主に自動車関連向け塗装工程に係る自動省力機、塗料循環装置の設計製造を手掛け、取引先との強固な信頼関係をベースに、卓越した技術力をもって事業を行なっております。技術・ノウハウ等を共有することで自動車関連メーカー等との取引拡充を展望するとともに、工業炉設計技術との融合等を通じて新製品の開発を一段と加速いたします。 また、新規事業の拡充も当社グループの最重要経営課題の一つであります。地球温暖化、資源問題など経営環境に関する中長期の予測・展望も踏まえながら、金属溶解以外の業界への耐火物供給、業務提携やM&Aを通じた事業多角化の推進等により、「次の1世紀を支える新規事業」を創出してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 前述の通り、当社グループを取り巻く経営環境は、原材料・燃料価格の高止まり、為替相場等の市場動向など、引き続き予断を許さないものと認識しております。特に、主要取引先である自動車関連産業における生産・販売の回復の遅れに伴い、鋳造需要が引き続き低迷していること、鉄鋼業界における製鉄所再編については、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。また、自動車のEV化進展に伴う中長期的な影響についても、今後重点的な対処が不可欠な事業上の課題であります。 当社グループとしては、このような市場構造の変化に対して、『創造性豊かな活力に満ちた役職員により、伝統を守りつつ、いかなる時代、いかなる環境にも適合する』との経営理念を改めて全員が共有し、創業140年の歴史を刻む中で培ってきた柔軟な対応力を発揮して、更なる成長を力強く目指してまいります。 「中期経営計画2027」においては、この経営理念を踏まえた「長期ビジョン」として、「22世紀へ、躍進するNIKKAN ~創業1885年、『4世紀をつなぐ企業』を目指して」を掲げ、到達目標「2040年に連結経常利益20億円」を設定しており、当社グループの「コア・コンピタンス(核となる強み)」である『耐火物・サービスに関する総合的なソリューション提供力』を最大限に活かしてこの目標の実現を目指します。 グループ全社・全員が一丸となって新たに策定した「中期経営計画2027」に取り組んでいくことこそが、上記の事業上の課題への対処と考えております。 なお、現中期経営計画の最終年度となった185期は計画達成には至りませんでしたが、厳しい経営環境が続く中においても、連結業績は前期比増収増益となっております。当社単体では増収、経常利益も増益となりました。各子会社も含め引き続き健全な財務体質を維持しており、特筆すべき財務上の課題はありません。 「(1)②財務戦略」に記載の通り、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行ってまいります。具体的には、営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げて戦略的な設備・研究開発投資を行うとともに、経営環境を踏まえた機動的な資本政策を実施し、適正水準の利益配当を継続いたします。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「中期経営計画2027」においては、最終2027年度(2028年3月期)の目標として、連結売上高110億円、連結経常利益8.3億円、連結ROE8.0%を掲げております。 現中期経営計画の最終年度となった185期(2025年3月期)は、主要取引先である自動車関連産業が需要回復の遅れ等により低調な操業状況となったことに加え、原材料・燃料価格が高止まりしたことなどから、連結売上高が97.8億円(最終年度目標進捗率97.8%)、連結経常利益が5.1億円(最終年度目標進捗率85.1%)、連結ROEが6.8%(最終年度目標比▲1.2ポイント)と不十分な達成状況となりました。 売上高については、鋳造事業において自動車産業の回復が遅れ、鋳造需要の戻りも遅れており、原材料・燃料価格等の上昇に伴う価格改定をお客さまのご理解を得ながら進めたものの、最終年度の計画を大きく下回りました。エンジニアリング事業は計画を達成、特に工業炉事業については炉内の酸化物発生を大幅に抑えることができる新たなコンセプトの溶解兼保持炉「フリーダム」を中心に、大型案件を順調に成約・進捗いたしました。 経常利益については、当社単体では鋳造事業の不振により、目標を達成することはできませんでした。日本ピーシーエス株式会社の業績不振もあり、連結でも目標達成とはなりませんでした。 ROEにつきましては、上記の通り経常利益が未達となったこともあって、目標を大きく下回っております。 186期(2026年3月期)は、新中期経営計画の新たなスタートとなります。自動車関連産業の操業回復に伴う受注増加、「フリーダム」を中心とした工業炉事業の伸長、環境・工事事業における順調な業績拡大を軸に、年度ラップ目標達成を目指してまいります。目標の達成状況については、引き続き達否要因の分析など経営管理・フォローアップを的確に行うとともに、適切に開示してまいります。 なお、年度によりROEが株主資本コストに達しない年度もありますが、毎年資本コストを上回るROEの達成を目標設定しております。現状、足元でPBR1倍に達してはおりませんが、中期計画に基づく各種施策を着実に実行し、また適時開示やホームページでのIR活動を通じて株価上昇を図り、PBR1倍の達成を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績に関する分析 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 当連結会計期間におけるわが国経済は、一部で足踏みがみられますが景気の緩やかな回復が継続しました。先行きについては、各種の政策効果もあって景気の緩やかな回復が継続していくことが期待されますが、内外の政治・経済の動向や人手不足・物価高の影響などを十分に注視し景気の減速に警戒する必要があります。 当社グループを取り巻く関連業界におきましては、主要取引先である自動車関連産業は、足元で生産・販売台数が前年同月比増加に転じていますが、米国の通商政策による輸出の落ち込みが懸念されるなど、先行き不透明な状況にあります。 鉄鋼産業は、鉄鋼需要産業別にみると、建設業の需要に弱さが見られ、製造業の需要は輸出向けが多い機械関連業種を中心に下振れが懸念されます。また粗鋼生産量の減少傾向が継続するなど、予断を許さない状況にあります。 このような状況のなか、当社グループは営業と技術が一体となり、主力製品や新製品の拡販活動等を積極的に推進いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は97億8千4百万円(前期比1.8%増)となりました。利益面では、営業利益は4億9千2百万円(前期比47.3%増)、経常利益は5億1千万円(前期比48.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は3億6千9百万円(前期比29.3%増)となりました。 事業セグメント別の業績は、以下の通りであります。 耐火物事業の売上高は54億4千万円(売上高比率55.6%)と前年比0.5%増加し、営業利益は4億6千3百万円と前年比10.2%増加いたしました。エンジニアリング事業の売上高は34億9千1百万円(売上高比率35.7%)と前年比9.6%増加し、営業利益は4億4千8百万円と前年比37.7%増加いたしました。不動産事業の売上高は3億7千6百万円(売上高比率3.8%)と前年比1.2%減少し、営業利益は2億2千万円と前年比3.8%減少いたしました。その他事業(日本ピーシーエス株式会社の塗料循環装置事業)の売上高は4億7千5百万円(売上高比率4.9%)と前年比24.5%減少し、営業損失は1千1百万円となりました(前期は1千1百万円の営業利益)。 (2)財政状態に関する分析 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末比6千7百万円(1.0%)増加し、67億2千9百万円となりました。主として、現金及び預金の増加によるものです。 当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末比4億9千3百万円(12.3%)増加し、45億1千5百万円となりました。主として、工場の製造設備の取得によるものです。 これらの要因により、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比5億6千万円(5.2%)増加し、112億4千5百万円となりました。 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末比2億9百万円(5.7%)増加し、38億8千万円となりました。主として、支払手形及び買掛金の増加によるものです。 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末比3千3百万円(2.0%)増加し、17億5千5百万円となりました。主として、長期借入金の増加によるものです。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比3億1千7百万円(6.0%)増加し、56億9百万円となりました。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は49.9%(前連結会計年度末は49.5%)となりました。期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は846.38円となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容等 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末比1億6千5百万円増加し、17億2千2百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益5億9百万円、減価償却費3億2千万円、売上債権の減少3億4千3百万円などにより10億4千5百万円の収入となりました。(前年同期は4億4千7百万円の収入) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得5億6千6百万円などにより7億8千2百万円の支出となりました。(前年同期は2億2千4百万円の支出) 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済3億7千8百万円などにより9千8百万円の支出となりました。(前年同期は3億7千5百万円の支出) 当社グループは、安定的な財務体質の維持と高い資本効率の追求を軸として、持続的な企業価値向上を意識した経営資源配分を行うことを財務戦略の基本方針としております。 営業キャッシュ・フローを安定的に積み上げることで、設備投資及び株主還元の原資を確保するとともに、計画的に長期借入金を返済することで、引き続き良好なバランスシートを維持するとともに、中長期的に資本効率を高めていくための投資活動を行ってまいります。 設備投資については、減価償却額の推移も意識しつつ、工場製造設備、技術開発の両面において中長期的な視点で戦略的に進めてまいります。 当社グループにおける資金需要は、主として設備投資に係る資金と経常的な運転資金が中心であり、取引金融機関からの借入による調達を基本としております。なお、今後の成長に寄与するシナジー効果の高いM&A案件については、投資効果、資本効率、財務バランス等を総合的に勘案のうえで、引き続き資金調達面も含め戦略的に検討してまいります。 (4)重要な会計上の見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、様々な見積りによる判断がなされておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果が異なることがあります。 連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下の通りであります。 ①棚卸資産の評価 棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。販売価格が低下した場合や見込生産していた製品が販売できなくなり過剰在庫が生じた場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。 ②営業権(のれん) 2017年4月の眞保炉材工業株式会社、2024年4月のVQP2023株式会社(有限会社三友築炉)の連結子会社化に伴い、期末において211百万円の営業権(のれん)を計上しております。両社の業績動向等を踏まえて将来の見積りを行っており、期末時点において減損の必要性は全くないものと判断しております。なお、この営業権については、子会社化以降現在まで計画通りの償却を進めてきております。 ③投資有価証券 投資有価証券について、今後回復の可能性がないと判断した銘柄は、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化、投資先企業の業績低迷等により、今後更に減損の追加処理が必要となる可能性があります。 ④繰延税金資産 繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しております。将来、繰延税金資産の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額、税金費用の追加が必要となる可能性があります。 ⑤製造設備等 大阪工場、豊田工場、春日井工場等の製造設備については、期末時点において減損の兆候にあたる事実の有無を工場ごとの損益実績等に基づいて検証しております。 その他に、見積り・仮定の不確実性、あるいは変動による影響等を考慮すべきものはありません。 (5)生産、受注及び販売の状況 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)耐火物3,558,669△4.2エンジニアリング2,455,284△5.5その他332,226△23.3合計6,346,179△5.9(注)1 金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。 ② 受注状況 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)耐火物5,435,58217.2207,077△28.7エンジニアリング3,862,75642.7506,433273.5その他386,951△53.8147,507△37.5合計9,685,28918.4861,017△30.1(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去をしておりません。2 不動産事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)耐火物5,440,9630.5エンジニアリング3,491,9129.6不動産事業376,128△1.2その他475,439△24.5合計9,784,4421.8(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
事業リスク
- 自動車EV化の影響鋳造事業は売上高の54.4%を占め、その約9割が自動車業界向けです。自動車のEV化が進むと、エンジンなどの鋳造部品の構造が大きく変化し、日本坩堝グループの業績に影響を与える可能性があります。同社はアルミ部品需要への対応や製品・サービスの適合を進めています。
- 原材料・燃料価格高騰耐火物の製造に必要な原材料は中国など世界各国から調達しており、地政学リスクや円安により調達に問題が生じる可能性があります。また、製造工程で多量のガスや電気を使用するため、燃料価格の高騰や円安が続くと、業績が下振れするリスクがあります。同社は価格改定や為替ヘッジで対応しています。
- 生産設備の老朽化と災害主要設備には導入から長期間経過したものもあり、異常停止が発生すると業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害が発生した場合、生産拠点に被害が出て事業継続が困難になるリスクがあります。同社は計画的な設備更新やBCP(事業継続計画)の見直しで対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。 当社グループでは、戦略・事業遂行上のリスクや重大な危機に転ずる可能性のあるリスクを「リスク管理・コンプライアンス委員会」にて把握し、グループ重要リスクとして整理することとしております。リスクを適切に管理・統制するとともに、危機に転ずるリスクの顕在化を可能な限り防止し、危機に転じた場合はその影響を最小限に留めるなど、的確なリスクマネジメントを行っております。なお、文中における将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものであります。 なお、ウクライナをめぐる現下の国際情勢については、当社グループとしても十分に注視しております。ウクライナ、ロシアとの輸出入取引がないことから、業績への直接的な影響はありませんが、原材料・燃料価格への波及、為替相場等の市場動向など間接的な影響はあると考えております。この点は「(6)原材料の調達・価格動向、及び(7)燃料価格の動向」に記述の通りであります。 (1)自動車のEV化について鋳造事業は、当社グループにおける最大の事業分野であり、鋳造事業・工業炉事業を合わせて、当連結会計年度では売上高の54.4%を占めております。その鋳造市場の約9割が自動車業界向けであります。自動車業界においては、EV化への取組が加速しつつあり、環境対応車のシェアが大幅に高まっていくと予測されております。EV化によりエンジンをはじめ鋳造部品の構造が大きく変わっていくものと考えられ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。こうした状況を踏まえ、当社グループとしては、環境対応、軽量化に伴う部品構成の変容等に関する分析を進めるとともに、自動車メーカーの内製部門と主要部品メーカーの生産設備統合の流れが加速する予測なども含め、お客さまの動向を注視してまいります。国内においては、当面、純EV/FCVよりHEV、PHEV、M-HEVが中心となる見通しであることから、特にアルミ部品の需要への対応が重要と考えており、国内の自動車生産台数の増減(景気動向)を見据えて、製品・サービス(耐火物製品、工業炉製品、メンテナンス・サービス、部材の仕入販売)を適合させてまいります。 (2)鉄鋼事業について 鉄鋼事業は、当連結会計年度では売上高の11.6%を占めておりますが、鉄鋼業界において需要減等を理由とした製鉄所再編、設備縮減の動きが続いており、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。この影響を最小限に留めるべく、国内市場においては、高い技術力により継続的に安定耐用に貢献してきた実績、スピーディーできめ細かな対応力をベースに、シェアの維持と利益率向上に努めてまいります。また、海外市場において、易乾燥性樋材などの新技術の開発を進めるとともに、ロイヤリティー収入の確保を図ってまいります。 (3)エンジニアリング事業についてエンジニアリング事業は、当連結会計年度では売上高の35.7%を占めておりますが、工業炉の新設工事、焼却設備等の補修工事など工事完了時のお客さまによる検収において、契約毎に異なる材質・寸法等の仕様確認や試運転による慎重な確認が実施され、また耐火物事業の製品販売に比し1件当たりの取引額が多額になるケースが多いことから、売上の期間帰属等に関し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした特性を踏まえ、エンジニアリング事業の売上の期間帰属等については、特に慎重に判断し適正な収益認識に努めてまいります。 (4)棚卸資産の評価について 当社の製品及び商品のサイズや材質は得意先や用途により異なるため、多品種の在庫を保有しております。これらの棚卸資産は、販売価格が低下した場合には帳簿価額を時価まで切り下げ、また直近で動きのない場合には滞留期間に応じて評価損を計上しております。したがって、販売価格や滞留期間によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 こうした棚卸資産の金額的重要性と評価プロセスの状況に鑑み、必要な評価減の金額を基準に基づいて適正に算定すべく、内部統制手続を整備し適正な運用に努めてまいります。 (5)生産設備について工場機械設備の老朽化についても、事業運営において重視すべきリスクの一つと考えております。主要設備の中には、導入後の経過年数が長いものも少なくなく、定期的な補修等実施により正常稼働に努めておりますが、予想を超える異常停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。中期経営計画2027において、工場機械設備全般にわたって計画的な更新を進めることとしておりますが、軽度な異常が発生した場合でも都度要因を慎重に見極めて的確な対策を講じるなど、安定稼働に向けた適切な対応を継続してまいります。なお、大阪工場のトンネル窯につきましては経年劣化による内張煉瓦のせり出しや脱落などの不具合が頻繁に発生しているため、2025年3月より大規模補修工事行いました。この工事により煉瓦積構造が刷新されて不具合の解消と適切な操炉条件が確保できるようになり、品質および納期の安定化が図れております。また、工場全体としての抜本的な対策も必要と判断し、2023年4月に「工場再構築プロジェクト」を立ち上げ、具体的検討を併行して進めております。 (6)原材料の調達・価格動向について当社グループでは、主力事業である耐火物の製造に必要となる原材料を、中国をはじめとする世界各国より直接あるいは商社経由にて調達しております。国産原材料の比率が高くないことから、地政学リスク発生等により現在の輸入国からの調達に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料価格の高騰・高止まり、大幅な円安が続いた場合、お客さまのご理解に基づく価格改定の進捗状況次第では、グループの業績が下振れする可能性があります。調達先が中国等の特定国に偏らぬように、原材料の種類に応じて常に世界各国に調達先を求めておりますが、引き続き多様な原材料に関する調査・評価等を幅広く実施し、リスクの軽減に努めます。また、原材料価格動向等をお客さまに丁寧にご説明してご理解を得ることで適切な価格改定を着実に実施するとともに、機動的な為替ヘッジを進めてまいります。 (7)燃料価格の動向について当社グループでは、主として定形耐火物の製造工程(焼成等)において、多量のガスや電気を使用しております。ロシアによるウクライナ侵攻以降、値上がり基調であった原油価格が急激に上昇し、さらに円安が急速に進行したこともあって、183期(2023年3月期)は燃料価格がかつてないほどの上昇幅で推移しました。184期(2024年3月期)以降も好転せず、高止まりの状況にあります。こうした状況を踏まえ、お客さまのご理解に基づく価格改定を鋭意進めてきておりますが、燃料価格の更なる高騰・高止まり、大幅な円安が続いた場合、グループの業績が下振れする可能性があります。 (8)大規模自然災害の発生について近年、大規模な地震発生や巨大台風の直撃、数十年に一度の集中豪雨発生などの自然災害が相次いでおります。当社グループの生産拠点は、大阪、愛知、埼玉に分散しているものの、南海トラフ地震をはじめ大規模地震発生の予想エリアに所在しております。台風、集中豪雨のエリアは予想が困難でありますが、万が一、当社グループの生産拠点において、大規模な自然災害が発生した場合には、前述(5)の設備老朽化とあわせ、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。2020年3月にBCP(事業継続計画)を抜本的に見直し、2011年以来となる大幅改定を実施いたしました。2025年3月にも一部見直しを実施しております。このBCPに基づく教育、訓練を定期的に実施するとともに、必要に応じて計画を見直すなど、大災害発生時においても早期の事業復旧ができるよう努めてまいります。 (9)サイバーセキュリティーについて世界中でサイバー攻撃による被害が増加傾向にあります。当社においても2023年11月に事業所の一部デバイスにおいてランサムウェアによる第三者からの攻撃を受けております。一部支障もありましたが、セキュリティ強化の効果もあり影響は限定的なものとなりました。今後とも、セキュリティツールの運用強化をはかるとともに、適時、外部専門家のアドバイスを受けるなど、セキュリティ対策の拡充に努めてまいります。