事業の概要
- 特殊黒鉛製品事業東洋炭素は、主に等方性黒鉛材料という特殊な炭素素材を使い、高機能なカーボン製品を製造・加工・販売しています。この素材は、半導体や太陽電池の製造装置、原子力・宇宙航空分野など、非常に高い技術が求められる分野で使われる部品の材料となります。顧客の多様なニーズに応えるため、多品種少量生産に対応しているのが特徴です。
- 一般カーボン製品事業特殊黒鉛製品以外にも、ポンプやコンプレッサーの軸受け、自動車部品、掃除機や電動工具のモーターに使われるカーボンブラシなど、幅広い産業機械や電気製品向けのカーボン製品も手掛けています。これらの製品は、耐摩耗性や自己潤滑性といったカーボンの特性を活かしており、国内外の様々なメーカーに供給されています。
- 一貫生産・直販体制素材である等方性黒鉛材料の製造を国内に集約し、加工・販売拠点を米国、欧州、アジアなど海外に展開しています。これにより、素材から製品までを一貫して生産し、顧客に直接販売する体制を構築。安定供給と短納期を実現しつつ、顧客のニーズを迅速に製品開発に反映させることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本事業売上高241.84億円、営業利益43.74億円を計上しており、企業グループ全体の売上と利益の大部分を占める主要な事業地域です。等方性黒鉛材料の製造拠点も国内に集約されており、高機能カーボン製品の素材供給と国内顧客への販売を担う、グループの中核を成すセグメントと考えられます。
- 米国事業売上高46.18億円、営業利益1.03億円を計上しています。主に等方性黒鉛材料を供給し、現地での加工・販売を通じて、エレクトロニクス分野や一般産業分野の顧客ニーズに対応しています。海外市場における重要な販売拠点の一つとして位置づけられます。
- アジア事業売上高124.77億円、営業利益4.06億円を計上しており、海外セグメントの中では最も大きな売上規模を誇ります。中国や東南アジアを中心に、エレクトロニクス分野や一般産業分野への製品供給を行っており、今後の成長が見込まれる地域として積極的に事業展開を進めていると考えられます。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| JAPAN | 地域 | 242 | 44 | 18.1% |
| UNITEDSTATES | 事業 | 46 | 1 | 2.2% |
| EUROPE | 地域 | 49 | 1 | 1.5% |
| ASIA | 地域 | 125 | 4 | 3.3% |
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3【事業の内容】当企業グループは、当社、連結子会社12社(国内2社、海外10社)、非連結子会社5社(海外5社)および持分法適用の関連会社2社(国内1社、海外1社)で構成されております。当企業グループは、主に等方性黒鉛材料(注)を素材として、高機能分野におけるカーボン製品の製造、加工および販売を主たる事業としております。当企業グループのカーボン製品は様々な分野で使用されており、顧客が必要とする仕様も多岐にわたるため、多品種少量生産への対応が必要であります。当企業グループでは、1974年に国内外の企業に先駆けて等方性黒鉛材料を量産化し、続いて大型化も実現させたことで、使用用途も拡大してまいりました。この等方性黒鉛材料を中心としたカーボン素材の製造拠点を国内に集約することで効率的に生産し、国内および米国、欧州、アジアの海外各国に展開する加工および販売拠点に供給、現地の顧客に直接販売する体制を構築しております。当企業グループでは、このような素材から製品まで一貫した生産、販売体制により、安定的かつ短納期の製品供給を確立するとともに、直販体制による顧客との協調関係の中で、顧客の多様なニーズを迅速に取り入れた開発を行っております。また、当企業グループは、カーボン専業メーカーとして長年蓄積してきたカーボン素材の分析データと顧客ニーズを基にして、基礎研究および応用研究に取り組んでおります。その結果、当企業グループ製品の用途は、産業機械、自動車、家電等の産業用途や民生用途から、原子力、宇宙航空、医療、エネルギー等の最先端分野まで幅広い分野に拡大しております。 (注)等方性黒鉛材料炭素材料には、高温熱処理により製造される黒鉛材料とその他の炭素材料があります。黒鉛材料の中で等方性黒鉛材料は、三次元の方向に対して同じ性質を持つという特性があります。等方性黒鉛材料を製造するには、成形工程においてすべての方向から均等な圧力をかけることが必要でありますが、当社では静水圧成形法(水中で圧力をかける成形法)による製造法を国内外の企業に先駆けて確立いたしました。黒鉛材料の主な特徴は次のとおりであります。① 熱伝導(*)性および電気伝導性に優れている。② 高温や薬品への耐性が高い。③ 軽量で加工が容易である。④ 摩擦、摩耗が起こりにくい。等方性黒鉛材料には、上記に加えて次の特徴があります。① 熱膨張(*)等の特性がどの方向にも同じである。② 微粒子構造で高強度、材料のばらつきも非常に小さい。 それぞれの素材、分野、品目、製品例および特徴は以下のとおりであります。 素材/分野/品目製品例特殊黒鉛製品エレクトロニクス分野単結晶シリコン製造用単結晶シリコン引上げ炉用るつぼ、ヒーター化合物半導体製造用MOCVD装置用サセプター、LPE装置用ボート、SiC結晶成長装置炉内部材太陽電池製造用単結晶・多結晶シリコン製造炉用るつぼ、ヒーター、反射防止膜成膜用キャリア一般産業分野 連続鋳造用ダイス、放電加工電極、各種工業炉用ヒーター・構造材その他先端プロセス装置用イオン注入装置用電極、ガラス封着用治具原子力・宇宙航空医療用高温ガス炉用炉心材、核融合炉用炉壁材、ロケット用部品、CTスキャン用部品一般カーボン製品機械用カーボン分野一般産業機械用ポンプ・コンプレッサー用軸受、シール材輸送機械用パンタグラフ用すり板、自動車用部品電気用カーボン分野小型モーター用掃除機用カーボンブラシ、電動工具用カーボンブラシ大型モーター用大型モーターブラシ、風力発電機用カーボンブラシ複合材その他製品 Si-Epi装置用サセプター、SiC-Epi装置用サセプター、MOCVD装置用サセプター、工業炉用構造材、単結晶シリコン引上げ炉用るつぼ、太陽電池製造用部材、核融合炉用炉壁材、自動車用ガスケット (1) 特殊黒鉛製品特殊黒鉛製品につきましては、主に等方性黒鉛材料を使用しております。 ① エレクトロニクス分野(a) 単結晶シリコン製造用単結晶シリコンをスライス加工したシリコンウエハーは、高集積メモリー等の半導体基板としてエレクトロニクス産業の発展を支える基幹材料であります。この単結晶シリコン引上げ炉で使用されるヒーター、るつぼ(*)等の炉内主要消耗部品には、高純度で優れた耐熱性が求められることから、等方性黒鉛製品が用いられております。単結晶シリコンは大径化が進み、300mmウエハーを用いた製造工程が主流となっています。当社は、世界最大の等方性黒鉛材料の生産能力を有しており、加工、高純度の設備能力を利用して、国内外からの需要に対応しております。 (b) 化合物半導体製造用発光素子や通信素子、パワーデバイス等で使用される化合物半導体(*)は、長寿命、省電力という特性を活かして、携帯電話やDVD、液晶等のデジタル家電、その他自動車用ヘッドランプや蛍光灯の高効率発光源素子として使用されております。これらの化合物半導体の製造工程において使用される発熱体やMOCVD装置用サセプター(*)等の主要消耗部品、SiC結晶成長装置炉内部材等には、高純度で加工精度の高さが求められることから、当社の等方性黒鉛製品が、国内外で用いられております。 (c) 太陽電池製造用クリーンエネルギーの代表格である太陽電池は、各国で家庭用発電の買上げや設備設置に対する補助金の法制化等の国策により普及が図られており、世界的に使用の拡大が進んでおります。太陽電池素子の主力材料である単結晶シリコンおよび多結晶シリコンの製造工程で使用されるヒーター、るつぼ、反射防止膜成膜工程で使用されるPE-CVD装置用キャリア等の主要消耗部品には、優れた耐熱性と耐久性が求められることから、当社の等方性黒鉛製品が用いられております。 ② 一般産業分野等方性黒鉛材料は、黒鉛材料の中でもより耐熱性、電気伝導性、耐薬品性に優れた材料であります。これらの特性を活かし、金属溶解るつぼや連続鋳造ダイス(*)、金型製造時の放電加工電極(*)、セラミック、粉末冶金材料の焼結や自動車部品の焼鈍等の各種工業炉向け高温発熱体や炉内構造材等の分野に使用されております。当企業グループは、さらなる成長が見込まれる中国・東南アジア・南米等国内外のこれら幅広い産業分野へ製品供給を行っております。 ③ その他(a) 先端プロセス装置用半導体や液晶の製造工程における微細加工に用いられるイオン注入装置用電極や、ダイオード、水晶振動子等の封着治具等、先端プロセス装置部品の製造用として様々な等方性黒鉛製品が使用されております。優れた耐熱性と熱伝導性、高純度、高強度という特性や高い加工精度が求められることから、当社製品は大手装置メーカー等に広く採用されております。 (b) 原子力・宇宙航空・医療用高温ガス炉の炉心材や核融合炉の炉壁材等の原子力用途には、高い信頼性と品質が要求されます。優れた耐熱性や黒鉛の持つ多様な特性に加え、耐放射線性や耐プラズマ性が求められることから、当社の製品が、これらの原子力分野で使用されております。また、ロケット用部品等の宇宙航空分野、CTスキャン等の医療分野でも使用されております。 (2) 一般カーボン製品一般カーボン製品につきましては、主に従来の成形法で製造された炭素材料を使用し、等方性黒鉛材料も一部で使用しております。 ① 機械用カーボン分野(a) 一般産業機械用耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性(*)という特性を活かし、ポンプやコンプレッサーの軸受け等のしゅう動部品、ピストンリング(*)、メカニカルシール(*)等の気体や液体のシール材として、国内外の機械メーカーに幅広く製品を販売しております。当社では、材料の均質性の向上と素材サイズの最適化を図ることで、コスト競争力に強みを有した海外展開を行っております。 (b) 輸送機械用カーボンに銅を高圧含浸することにより自己潤滑性、電気伝導性および耐摩耗性を向上させたパンタグラフ用すり板(*)を、鉄道会社向けに販売しております。当社のパンタグラフ用すり板は、従来の金属製すり板に比べて架線の摩耗の低減、低騒音化を実現しております。 ② 電気用カーボン分野(a) 小型モーター用掃除機や電動工具等、民生用途の小型モーター用カーボンブラシを、家電メーカーおよび工具機メーカー等に販売しております。当社の製品は、高速回転に対する耐久性や整流特性が良く、長寿命という特性があります。また、中国に製造販売子会社をいち早く設立する等、地産地消に早くから取り組み、現地での密な顧客対応を実現しております。 (b) 大型モーター用自己潤滑性、優れた電気伝導性、易加工性等の特性を活用し、産業用途の大型モーター用カーボンブラシとして、製鉄メーカーおよび製紙メーカー等で使用されております。カーボンブラシは回転体にしゅう動しながら安定的かつ継続的に電気を供給する部品であり、風力発電の集電設備等の環境・エネルギー分野においても使用されるようになっております。 (3) 複合材その他製品複合材その他製品につきましては、主に等方性黒鉛材料を基材に他の材質をコーティングした複合材料(SiC(炭化ケイ素)コーティング黒鉛(*)等)、カーボンとカーボンファイバーとの複合材料(C/Cコンポジット製品(*))、天然黒鉛材料(黒鉛シート(*))等を製造販売しております。 ① SiCコーティング黒鉛製品SiCコーティング黒鉛製品は、耐熱性、耐エッチング性(*)が高く、アウトガスの発生を抑えた高純度な特性を活かし、シリコンおよび化合物半導体製造工程の薄膜製造プロセスにおけるサセプター材料として、国内外の半導体業界向けに販売を行っております。 ② C/Cコンポジット製品C/Cコンポジット製品は、軽量、高強度およびカーボンの持つ良好な熱特性を兼ね備えた先端材料であり、工業炉部材、単結晶シリコン製造工程、太陽電池製造工程、国内外の核融合炉壁材等の特殊分野等の幅広い分野で使用されております。 ③ 黒鉛シート製品黒鉛シート製品はシート状の軽量な製品であり、高温下においても他物質と反応しにくいという特性によって、ガスケットやマフラー等の自動車部品に使用されております。合成石英の製造工程や、単結晶シリコン製造工程におけるカーボン部材の保護用としても安定した需要が見込まれます。面方向の熱伝導の良さを利用した、ヒートシンク等の熱対策分野での応用も期待されております。 ④ 多孔質炭素製品多孔質炭素製品は、メソ孔(2~50nmの細孔)を大量に有する粉末状の製品であり、従来の多孔質材料にはない機能を有しております。様々な物質の吸着材料への適用の他、燃料電池の触媒担体、蓄電デバイスの電極材、添加剤などのエネルギー貯蔵関連用途、タンパク質吸着や分離、生体センサー部材などのバイオ系用途への使用が期待されています。当企業グループの当該事業に係る主な位置付けは、2025年12月31日現在次のとおりであります。なお、次の4地域は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。セグメントの名称 主要な会社主要な事業の内容日本当社特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の製造および販売、一般カーボン製品(電気用カーボン分野)の販売をしております。 東炭化工株式会社一般カーボン製品(電気用カーボン分野)の製造をしており、当社がその販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 大和田カーボン工業株式会社特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の製造をしており、当社がその販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。米国TOYO TANSO USA, INC.特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)および複合材その他製品の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。欧州TOYO TANSO EUROPE S.P.A.(イタリア)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)および複合材その他製品の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 TOYO TANSO FRANCE S.A.(フランス)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の加工および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 GTD GRAPHIT TECHNOLOGIE GMBH(ドイツ)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。アジア上海東洋炭素有限公司(中国)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 上海東洋カーボン貿易有限公司(中国)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野)および複合材その他製品の販売をしております。 上海東洋炭素工業有限公司(中国)一般カーボン製品(電気用カーボン分野)の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に東洋炭素(浙江)有限公司より行っております。 東洋炭素(浙江)有限公司(中国)一般カーボン製品(電気用カーボン分野)の製造をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 精工碳素股份有限公司(台湾)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)および複合材その他製品の加工および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。 成都東洋炭素工業有限公司(中国)一般カーボン製品(電気用カーボン分野)の製造および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に東洋炭素(浙江)有限公司より行っております。 (非連結子会社および関連会社)・上海永信東洋炭素有限公司(中国)ブラシホルダーおよびフェノール樹脂製品の製造をしており、上海東洋炭素工業有限公司がその販売をしております。・TOYO TANSO (THAILAND) CO.,LTD.(タイ)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)、複合材その他製品の加工および販売をしております。素材(半製品)の仕入は主に当社より行っております。・TOYO TANSO KOREA CO.,LTD.(韓国)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)、複合材その他製品の加工および販売をしております。・TOYO TANSO SINGAPORE PTE. LTD.(シンガポール)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)、複合材その他製品の販売をしております。・TOYO TANSO MEXICO S.A. DE C.V.(メキシコ)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)、複合材その他製品の加工および販売をしております。・PT. TOYO TANSO INDONESIA(インドネシア)特殊黒鉛製品、一般カーボン製品(機械用カーボン分野および電気用カーボン分野)、複合材その他製品の加工および販売をしております。・ATNグラファイト・テクノロジー株式会社(日本)熱膨張性黒鉛の製造および販売をしております。 以上に述べました当企業グループの事業系統図は、以下のとおりであります。なお、取引関係については、主要なもののみ記載しております。 事業系統図の略名は以下のとおりであります。会社名 (TTU) … TOYO TANSO USA, INC.(TTE) … TOYO TANSO EUROPE S.P.A.(TTF) … TOYO TANSO FRANCE S.A.(GTD) … GTD GRAPHIT TECHNOLOGIE GMBH(STT) … 上海東洋炭素有限公司(STTr)… 上海東洋カーボン貿易有限公司(STI) … 上海東洋炭素工業有限公司(ZTT) … 東洋炭素(浙江)有限公司(CTT) … 成都東洋炭素工業有限公司(TTT) … 精工碳素股份有限公司(YTT) … 上海永信東洋炭素有限公司(KTT) … TOYO TANSO KOREA CO.,LTD.(TTTh)… TOYO TANSO (THAILAND) CO.,LTD.(TTS) … TOYO TANSO SINGAPORE PTE. LTD.(TTM) … TOYO TANSO MEXICO S.A. DE C.V.(TTID)… PT. TOYO TANSO INDONESIA(ATN) … ATNグラファイト・テクノロジー株式会社 なお、(*)表記がある用語につきましては、以下に用語解説を添付しておりますので、ご参照下さい。ただし、この用語解説は、投資家に本項の記載内容をご理解いただくためのご参考として、当社の理解と判断に基づき、当社が作成したものであります。 [用語解説]〔熱伝導〕物質の持つ熱の伝えやすさ。 〔熱膨張〕温度の上昇にともなう物質の伸び。 〔るつぼ〕高温の液体等を入れるための鉢状の容器。 〔化合物半導体〕複数の元素からなる物質(化合物)からなる半導体で、ガリウムヒ素、チッ化ガリウム、炭化ケイ素等がある。シリコン半導体にはない性質が利用される。 〔サセプター〕各種ウエハーの表面に薄膜結晶を成長させるとき等に使用する台。 〔連続鋳造ダイス〕溶融金属を連続的に冷却し鋳造する連続鋳造において、溶融金属に接して冷却し凝固させる型。この型の断面を持った金属製品が連続的に得られる。 〔放電加工電極〕被加工物と対になる電極のことをいい、被加工物と電極との間で放電を発生させ、電極の形状を被加工物に転写させる。 〔自己潤滑性〕層状結晶構造を有すること、また摩擦係数が低いこと等から凝着が起こりにくい性質。 〔ピストンリング〕往復動圧縮機において、シリンダー内壁とピストンとの隙間からの漏れを防ぐシールリング。 〔メカニカルシール〕流体機器の回転軸、往復運動による側壁または圧力容器等からの漏れを制限したり、外部からの異液等の侵入を防ぐための機械部品。 〔パンタグラフ用すり板〕電車へ電力を供給するために、架線にしゅう動させながら接触させて集電する集電体。 〔SiC(炭化ケイ素)コーティング黒鉛〕等方性黒鉛表面に炭化ケイ素の緻密な薄い膜を生成させた製品で、黒鉛からの微量のガス発生や反応を抑制することができる。 〔C/Cコンポジット製品〕炭素繊維強化黒鉛で、軽量で強度が高いことが特徴である。 〔黒鉛シート〕特殊な製法により黒鉛を紙のようなシート状に成形したもの。曲げやすい性質を持ち、ガスケット等に使用される。 〔耐エッチング性〕反応性の高い気体や液体による消耗の少なさの度合い。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原燃料価格上昇時に販売価格への転嫁等の対策を講じているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 1974年に国内外の企業に先駆けて等方性黒鉛材料を量産化し、大型化も実現。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:大規模災害による事業活動の停止 / 海外事業活動が経営成績に与える影響 / 原燃料価格が経営成績に与える影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
東洋炭素は黒鉛電極の製造・販売を手掛けるが、特定のブランド力や特許による明確な優位性は限定的。一部の特殊用途向け製品における技術力は存在するものの、業界全体を席巻するほどの無形資産とは言えない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
黒鉛電極は鉄鋼メーカーの製鋼プロセスに不可欠であり、一度採用されたサプライヤーを変更するには、品質確認や切り替えコストが発生する可能性がある。しかし、代替材料の検討や複数のサプライヤーからの調達も可能なため、スイッチング・コストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
黒鉛電極の製造・販売事業には、ユーザー数が増えることで価値が増加するようなネットワーク効果は存在しない。
コスト優位★★★☆☆
東洋炭素は長年の経験と技術蓄積により、高品質な黒鉛電極を安定的に生産するノウハウを持つ。特に大型黒鉛電極の製造技術は、一定のコスト競争力を生み出す可能性がある。ただし、原材料価格の変動やエネルギーコストの影響を受けやすい。
規模の経済★★★★☆
黒鉛電極市場は、大手鉄鋼メーカーの需要に支えられ、一定の規模を持つ。東洋炭素は国内有数の黒鉛電極メーカーであり、一定の生産能力と市場シェアを有している。この規模は、新規参入障壁や価格交渉力に繋がる可能性がある。
- 等方性黒鉛の量産技術1974年に国内外に先駆けて等方性黒鉛材料の量産化と大型化を実現しました。この技術により、半導体製造装置のるつぼやヒーターなど、高い純度と耐熱性が求められる部品の需要に対応し、エレクトロニクス分野での市場拡大を支えています。世界最大の生産能力を持つことが強みです。
- 素材からの一貫体制素材の製造から加工、販売までを一貫して行う体制を構築しています。これにより、製品の安定供給と短納期を実現し、顧客の多様なニーズを迅速に製品開発に反映できる点が強みです。顧客との協調関係を通じて、高付加価値製品の開発に繋げています。
- 幅広い用途と技術蓄積長年培ってきたカーボン素材の分析データと顧客ニーズに基づき、基礎研究から応用研究まで幅広く取り組んでいます。その結果、産業機械、自動車、家電といった一般用途から、原子力、宇宙航空、医療などの最先端分野まで、幅広い分野で製品が採用されており、技術的な優位性を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当企業グループは、「C(カーボン)の可能性を追求し世界に貢献すること」を経営理念とし、「どこにもないモノをつくる」という創業来のパイオニア精神を忘れず、最高の品質と最高の技術を誰よりも先に提供し、人々の暮らしをより豊かにすることで、広く社会に貢献できる企業を目指しております。 (2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当企業グループを取り巻く事業環境は、地政学的リスクや気候変動リスクの高まり等、世界全体を覆う重大な課題にさらされており、今後も不透明かつ不安定な状況が続くと見られます。一方で、これら課題への対応も含めて産業構造やライフスタイルの変化が生じており、デジタル社会や循環型社会の急速な進展はその顕著な一例であります。当企業グループの事業分野においても、エレクトロニクスやエネルギー、モビリティ等の分野を中心に、新たなニーズの出現や技術革新の進展による事業機会の創出・増加が見込まれております。当企業グループでは、これらの環境変化をチャンスと位置付け、その動きを機敏に捉えて、変化・高度化する市場のニーズや要請に応える高付加価値な技術・製品をグローバルに提供することにより、大きな成長を目指してまいる所存です。そのためにも、事業環境や市況の変化に左右されない事業ポートフォリオの構築、ならびにグループ全体におけるガバナンス体制と経営基盤の強化が課題であると認識しております。中長期的な経営戦略につきましては、これらの環境認識と課題を踏まえ、2030年経営Vision『「どこにもないものを、あるに」地球に優しい製品と技術で世界No.1』のもと、会社方針に掲げる「グローバル企業になる」「世のため、社会のためになる」「強い会社になる」ことを実現するべく、高成長・高付加価値事業の拡大、省エネ・省人化等を含めた生産技術革新・競争力強化、ならびに海外展開強化等の取り組みを着実に進めてまいる所存です。そしてこれらの取り組みを支えるグローバル人材の育成を強化してまいります。事業を通じて環境・社会に貢献する企業として、「さらなる成長」と「企業価値および社会的価値の拡大」を目指し、目標とする経営指標につきましては、2030年に売上高740億円、営業利益180億円を達成し、全社でのROEは10%以上とすることを掲げております。 (3)経営環境今後の世界経済は、全般的に緩やかな持ち直しの動きが継続すると見られますが、米国の政策動向や中国の景気停滞等、不確実要素も存在しています。当企業グループを取り巻く事業環境におきましては、生成AIの普及やデータセンターの増加、自動車の電動化等を背景に、エレクトロニクス・エネルギー分野では着実な需要が見込まれております。また、自動車生産や企業の設備投資等には底堅さが見られることから、モビリティ分野や一般産業分野においても、需要は堅調に推移する見込みです。当企業グループにおきましては、SiC半導体用途ではEVの需要低迷等により調整局面が継続するものの、シリコン半導体用途の需要は年度後半より緩やかな回復基調を見込んでおり、冶金用等においては堅調な需要を見込んでおります。このような状況のもと、当企業グループは、2030年経営Vision『「どこにもないものを、あるに」地球に優しい製品と技術で世界No.1』のもと、新規用途の開拓や既存用途の深掘りを通じて製品・用途構成のバランスをコントロールしながら外部環境の変化に対応するとともに、顧客ニーズに真摯に向き合い、先を見据えた製品・技術開発を通じて革新的なソリューションを提供し、事業を通じた温室効果ガス排出量削減への貢献をはじめとするサステナビリティの取り組みを加速することで、高い付加価値を創造し、中長期的な事業成長ならびに企業価値向上を目指してまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の「目標とする経営指標」のとおりです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当企業グループは、「C(カーボン)の可能性を追求し世界に貢献すること」を経営理念とし、「どこにもないモノをつくる」という創業来のパイオニア精神を忘れず、最高の品質と最高の技術を誰よりも先に提供し、人々の暮らしをより豊かにすることで、広く社会に貢献できる企業を目指しております。 (2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当企業グループを取り巻く事業環境は、地政学的リスクや気候変動リスクの高まり等、世界全体を覆う重大な課題にさらされており、今後も不透明かつ不安定な状況が続くと見られます。一方で、これら課題への対応も含めて産業構造やライフスタイルの変化が生じており、デジタル社会や循環型社会の急速な進展はその顕著な一例であります。当企業グループの事業分野においても、エレクトロニクスやエネルギー、モビリティ等の分野を中心に、新たなニーズの出現や技術革新の進展による事業機会の創出・増加が見込まれております。当企業グループでは、これらの環境変化をチャンスと位置付け、その動きを機敏に捉えて、変化・高度化する市場のニーズや要請に応える高付加価値な技術・製品をグローバルに提供することにより、大きな成長を目指してまいる所存です。そのためにも、事業環境や市況の変化に左右されない事業ポートフォリオの構築、ならびにグループ全体におけるガバナンス体制と経営基盤の強化が課題であると認識しております。中長期的な経営戦略につきましては、これらの環境認識と課題を踏まえ、2030年経営Vision『「どこにもないものを、あるに」地球に優しい製品と技術で世界No.1』のもと、会社方針に掲げる「グローバル企業になる」「世のため、社会のためになる」「強い会社になる」ことを実現するべく、高成長・高付加価値事業の拡大、省エネ・省人化等を含めた生産技術革新・競争力強化、ならびに海外展開強化等の取り組みを着実に進めてまいる所存です。そしてこれらの取り組みを支えるグローバル人材の育成を強化してまいります。事業を通じて環境・社会に貢献する企業として、「さらなる成長」と「企業価値および社会的価値の拡大」を目指し、目標とする経営指標につきましては、2030年に売上高740億円、営業利益180億円を達成し、全社でのROEは10%以上とすることを掲げております。 (3)経営環境今後の世界経済は、全般的に緩やかな持ち直しの動きが継続すると見られますが、米国の政策動向や中国の景気停滞等、不確実要素も存在しています。当企業グループを取り巻く事業環境におきましては、生成AIの普及やデータセンターの増加、自動車の電動化等を背景に、エレクトロニクス・エネルギー分野では着実な需要が見込まれております。また、自動車生産や企業の設備投資等には底堅さが見られることから、モビリティ分野や一般産業分野においても、需要は堅調に推移する見込みです。当企業グループにおきましては、SiC半導体用途ではEVの需要低迷等により調整局面が継続するものの、シリコン半導体用途の需要は年度後半より緩やかな回復基調を見込んでおり、冶金用等においては堅調な需要を見込んでおります。このような状況のもと、当企業グループは、2030年経営Vision『「どこにもないものを、あるに」地球に優しい製品と技術で世界No.1』のもと、新規用途の開拓や既存用途の深掘りを通じて製品・用途構成のバランスをコントロールしながら外部環境の変化に対応するとともに、顧客ニーズに真摯に向き合い、先を見据えた製品・技術開発を通じて革新的なソリューションを提供し、事業を通じた温室効果ガス排出量削減への貢献をはじめとするサステナビリティの取り組みを加速することで、高い付加価値を創造し、中長期的な事業成長ならびに企業価値向上を目指してまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の「目標とする経営指標」のとおりです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の概要①経営成績当連結会計年度においては、世界景気は緩やかな持ち直し基調となったものの、一部地域において足踏みが見られた他、米国の通商政策の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が継続しました。当企業グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス分野では、生成AI向けの最先端品等一部用途の需要は旺盛ながら、半導体市場全般では調整が継続し、シリコン半導体やSiC半導体等の用途は低調な動きとなりました。また、自動車産業の稼働や企業の設備投資には底堅さが見られる一方で、世界経済の不確実性にともなう停滞感も漂う中、モビリティ分野や一般産業分野の需要は緩やかなものに留まりました。このような状況の中、当企業グループでは、製品・用途構成のバランスをコントロールしながら外部環境の変化に対応し、需要を取り込んでまいりました。また、技術革新に追随しうる高付加価値製品の増強・開発に取り組むとともに、生産性向上によるコスト競争力の向上を図る等、高度化する顧客ニーズに対し、製造・販売・開発が一体となり付加価値の高いソリューションを提供してまいりました。加えて、事業体質の強化を図るべく、第4四半期において、中国連結子会社のカーボンブラシ事業にて生産体制の最適化に向けた人員整理を実施いたしました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高46,189百万円(前期比13.0%減)、営業利益6,759百万円(同44.8%減)、経常利益8,091百万円(同40.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,464百万円(同45.1%減)となりました。 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益予 想48,000百万円7,500百万円7,000百万円5,000百万円実 績46,189百万円6,759百万円8,091百万円5,464百万円予 想 比△1,810百万円△740百万円1,091百万円464百万円増 減 率3.8%減9.9%減15.6%増9.3%増 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。 日本工業炉用等の冶金用や軸受等の機械用カーボン分野は底堅く推移したものの、半導体用が市場の調整を受け大幅に減少したこと等により、売上高24,184百万円(前期比18.1%減)、営業利益4,374百万円(同60.6%減)となりました。 米国半導体用等は堅調に推移したものの、連続鋳造用や工業炉用等の冶金用が減少したこと等により、売上高4,618百万円(同7.1%減)、営業利益103百万円(同79.3%減)となりました。 欧州半導体用や冶金用が減少したこと等により、売上高4,908百万円(同7.0%減)、営業利益73百万円(前期は90百万円の営業損失)となりました。 アジア工業炉等の冶金用は堅調に推移したものの、カーボンブラシ製品が減少したこと等により、売上高12,477百万円(前期比6.2%減)、営業利益406百万円(同52.2%減)となりました。 品目別の概況は以下のとおりであります。品目前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)増減率(%)金額(百万円)金額(百万円)特殊黒鉛製品23,98520,300△15.4一般カーボン製品(機械用カーボン分野)4,0924,2263.3一般カーボン製品(電気用カーボン分野)5,0084,356△13.0複合材その他製品18,17915,322△15.7商品1,8271,9838.5合計53,09346,189△13.0 特殊黒鉛製品エレクトロニクス分野は、SiC半導体向けの化合物半導体製造用や単結晶シリコン製造用が大幅に減少したこと等により、前期比28.2%減となりました。一般産業分野は、工業炉用等の冶金用が堅調に推移したものの、放電加工電極が減少したこと等により、前期比6.2%減となりました。これらの結果、特殊黒鉛製品全体としては、前期比15.4%減となりました。 一般カーボン製品機械用カーボン分野は、軸受やパンタグラフ用すり板が堅調に推移したこと等により、前期比3.3%増となりました。電気用カーボン分野は、家電・電動工具向けの小型モーター用等が減少したこと等により、前期比13.0%減となりました。これらの結果、一般カーボン製品全体としては、前期比5.7%減となりました。 複合材その他製品SiCコーティング黒鉛製品は、シリコン半導体向けが増加したものの、SiC半導体向けが大幅に減少したこと等により、前期比大幅減となりました。C/Cコンポジット製品は、半導体用は堅調だったものの、工業炉用が減少したこと等により、前期比減となりました。黒鉛シート製品は、自動車用や半導体用、冶金用は底堅く推移したものの、特殊用途が減少したこと等により、前期比減となりました。これらの結果、主要3製品は前期比20.0%減となり、複合材その他製品全体としては、前期比15.7%減となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度に比べ2,582百万円減少し、12,069百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は6,065百万円(前期比36.1%減)となりました。これは主に棚卸資産の増加額3,053百万円、仕入債務の減少額975百万円および法人税等の支払額3,964百万円等の資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益7,594百万円、減価償却費4,353百万円および売上債権の減少額1,930百万円等の資金の増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は11,314百万円(同79.2%増)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入4,141百万円等の資金の増加に対し、定期預金の預入による支出3,446百万円および有形固定資産の取得による支出11,836百万円等の資金の減少によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、獲得した資金は2,398百万円(前期は2,563百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出555百万円および配当金の支払額3,037百万円等の資金の減少に対し、短期借入金の純増額831百万円および長期借入れによる収入5,400百万円の資金の増加によるものであります。③生産、受注及び販売の実績生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(百万円)前期比(%)日本23,42274.2米国4,56383.9欧州5,03193.8アジア14,00996.2合計47,02682.6(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)受注金額(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)日本22,10279.15,19374.4米国5,367154.84,245133.4欧州3,33667.186841.8アジア10,47281.91,92365.5合計41,27884.012,23080.5(注)1.金額は販売価格によっております。2.外貨建てで受注したもので、当期中の為替相場の変動による差異については、当期受注金額に含めております。3.当連結会計年度より受注金額および受注残高に半製品(素材製品)を含めております。前期比についても前連結会計年度の金額を同様の基準に組み替えて表示しております。4.当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)受注金額(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)特殊黒鉛製品19,97584.96,50793.4一般カーボン製品(機械用カーボン分野)4,09594.793087.4一般カーボン製品(電気用カーボン分野)4,29684.381193.0複合材その他製品12,91179.73,98163.4合計41,27884.012,23080.55.受注金額および受注残高には、X Energy, LLC向け高温ガス炉用黒鉛製品の一部受注分2,422百万円が含まれております。当該金額は、セグメント別では米国、品目別では特殊黒鉛製品にそれぞれ含まれております。 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(百万円)前期比(%)日本24,18481.9米国4,61892.9欧州4,90893.0アジア12,47793.8合計46,18987.0(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。3.当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。品目当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(百万円)前期比(%)特殊黒鉛製品20,30084.6一般カーボン製品(機械用カーボン分野)4,226103.3一般カーボン製品(電気用カーボン分野)4,35687.0複合材その他製品15,32284.3商品1,983108.5合計46,18987.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②財政状態の分析資産・負債および純資産の状況当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,726百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が1,664百万円減少および有価証券が2,499百万円減少したものの、棚卸資産が3,377百万円増加、未収法人税等の増加等により流動資産のその他が358百万円増加および有形固定資産が5,237百万円増加したこと等によるものであります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,379百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が629百万円減少、未払法人税等が2,240百万円減少および営業外電子記録債務の減少等により流動負債のその他が1,444百万円減少したものの、短期借入金が831百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が1,080百万円増加および長期借入金が3,764百万円増加したこと等によるものであります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,346百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が2,423百万円増加および為替換算調整勘定が781百万円増加したこと等によるものであります。③経営成績の分析売上高当企業グループの当連結会計年度の売上高は、46,189百万円(前期比13.0%減)となりました。 売上原価、販売費及び一般管理費売上高に対する売上原価の比率は65.9%となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、売上高に対する比率が19.5%となりました。 営業外損益営業外収益は、受取利息58百万円(同31.7%減)、受取配当金350百万円(同542.6%増)、持分法による投資利益416百万円(同5.4%減)および為替差益462百万円(同16.7%減)等を計上したことにより、1,446百万円(同10.0%増)となりました。営業外費用は、支払利息65百万円(同84.1%増)および減価償却費15百万円(同5.0%減)等を計上したことにより、114百万円(同55.4%増)となりました。 特別損益特別利益は、固定資産売却益227百万円(同3,267.1%増)等を計上したことにより、265百万円(同40.9%減)となりました。特別損失は、減損損失452百万円(前期は計上なし)および特別退職金203百万円(前期は計上なし)等を計上したことにより、762百万円(前期比291.3%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,464百万円(同45.1%減)となりました。 ④キャッシュ・フローの分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当企業グループの運転資金需要は主に、原材料等の購入費用、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備であります。当企業グループは、事業運営上必要な運転資金および設備投資資金については、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、金融機関からの借入により調達する場合もあります。
事業リスク
- 大規模災害による停止主要な生産設備が集中する香川県などで、想定を超える大規模災害が発生した場合、操業停止により財政状態や経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。事業継続計画(BCP)を策定し、耐震性確保や情報システムのバックアップ体制を講じていますが、リスクは残ります。
- 海外事業と為替変動連結売上高の57.2%を海外が占めており、グローバル展開の進展によりこの比率はさらに高まる可能性があります。為替レートの変動、政治情勢の変化、法規制の変更などが、海外事業の収益性や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。特に中国での事業拡大に伴う政治・政策の変化はリスク要因です。
- 原燃料価格の変動原燃料価格の上昇は、製品の製造コスト増加に直結し、経営成績に影響を与える可能性があります。2社購買や販売価格への転嫁などの対策を講じていますが、予想以上に価格が高騰した場合には、収益性が圧迫される可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】以下におきましては、当企業グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況にリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項およびその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当企業グループは、リスク・コンプライアンス委員会を推進組織とし、「リスクマネジメント基本方針」に基づき、経営上重要なリスクを特定・算定および評価を行ったうえで、優先対応リスクの決定を行い、その結果に基づき「リスクマップ」を作成し、リスク低減に向けた活動をグローバルに推進しております。また、リスクマップは定期的に見直しを行い取締役会に報告しております。なお、気候関連のリスク項目は、サステナビリティ推進委員会で管理されるとともに、全社のリスクマネジメントの一環として、リスク・コンプライアンス委員会で評価・検討を行います。 <リスクマップのイメージおよびリスク管理体制> なお、当社の有価証券に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の事項のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当企業グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる場合があります。 (特に重要なリスク)(1)大規模災害等による事業活動の停止について当企業グループは、大規模災害による主要製品の操業停止の影響を最小限にするため、事業継続計画(BCP)を策定しており、グループ共通のオールハザードBCPの考え方を整備し、地震、風水害等の大規模な自然災害を想定して建物・生産機器等の耐震性・安全性確保、情報システムのバックアップ体制、在庫による供給維持などの施策を講じております。また、大規模災害が発生した場合は、地域の安全確保および地域への積極的な支援(人命の救助、物資の提供、施設の提供、社会貢献、その他支援)を行います。しかしながら、主要な生産設備が集中する香川県をはじめとした、販売および生産拠点等の所在地において当企業グループの想定を超える災害の発生等により、操業を停止する場合には、当企業グループの財政状態および経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (2)海外事業活動が経営成績に与える影響について当企業グループは、顧客ニーズへの迅速な対応および適時に供給できるよう販売および生産拠点の拡大を積極的に進めております。当企業グループの連結売上高に占める海外売上高比率は、当連結会計年度において57.2%でありますが、今後、グローバル展開の進展により当該比率がさらに高まる可能性があります。また、海外市場における為替レートの変動、政治情勢の変化および法規制の変化等が当企業グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。特に中国における事業の拡大から、中国における政治および政策の変化が、当企業グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)原燃料価格が経営成績に与える影響について当企業グループは、原燃料の価格上昇の影響を抑えるため、2社購買および販売価格への転嫁等の対策を講じておりますが、予想以上に原燃料価格が上昇した場合には、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (4)棚卸資産について当企業グループは、加工製品につきましては受注生産でありますが、加工製品の素材となる等方性黒鉛材料の製造に約5ヶ月を要することから、等方性黒鉛材料につきましては見込生産を行っております。また、当企業グループでは、等方性黒鉛材料の需要予測を毎月行い、生産計画を作成することで、過剰在庫を持たないように努めておりますが、予想以上に等方性黒鉛材料の需要が落ち込んだ場合には、製品自体に経時変化はないものの一時的に過剰在庫となる可能性があります。なお、当企業グループでは、直接販売を基本とすることで、顧客情報を直接入手し、顧客との共同研究開発、自社による製品開発および改良等に反映させることに努めており、その結果、棚卸資産の回転期間が当連結会計年度で7.8ヶ月となっております。 (重要なリスク)(1)市場動向が経営成績に与える影響について当企業グループの主要製品である特殊黒鉛製品は、エレクトロニクス、金型、冶金、化学および原子炉用等の幅広い分野において利用されておりますが、特にエレクトロニクス分野におきましては、シリコン半導体製造、化合物半導体製造向け市場の拡大にともなって販売を伸張してまいりました。また、複合材その他製品におきましても同様にエレクトロニクス分野に多く使用されております。当企業グループは、エレクトロニクス分野の市場変動による経営成績への影響に適切に対応すべく、特殊黒鉛製品以外の機械用カーボン製品および電気用カーボン製品のシェア確保、冶金用等での新用途開拓に努め事業リスクの分散を図るとともに、エレクトロニクス業界の動向を分析予測し、適切な経営判断を行うよう努めておりますが、予想に反しエレクトロニクス業界が低迷した場合には、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (2)競合について当企業グループは、多岐にわたる顧客に対してカーボン製品を供給しておりますが、カーボン製品業界においては技術競争や価格競争が行われております。当企業グループでは、生産部門と営業部門の連携により様々な顧客ニーズに合致した高付加価値製品やそれを掘り起こす製品の早期開発を進めるとともに、原価低減や経費削減によるコスト低下に努めておりますが、競合他社の動向や価格競争の結果、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (3)法的規制の影響について当企業グループのカーボン製品は「外国為替及び外国貿易法(外為法)等輸出関連法規」および国際原子力機関(IAEA)による「原子力関連機器の輸出に関する規制等」の適用を受けているほか、各国での事業・投資に関する許認可制度、関税・租税等の税制、公正競争や環境・リサイクル関連などの法的規制の適用も受けております。このような中、当企業グループは法令遵守に努めておりますが、これらの法的規制による指導を受ける可能性があります。また将来において現在予期し得ない法的規制等が設けられた場合には、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (4)情報セキュリティについて当企業グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。当企業グループでは、これら情報の取扱いに関する管理を強化するとともに、CSIRT体制を構築し、情報システムのウイルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する対策を図っております。しかしながら、当企業グループの想定を超える攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす場合には、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (5)今後の投資戦略について当企業グループの投資戦略においては、定常の設備更新投資・研究開発投資に加えて、戦略的投資を積極的に推進する方針としています。これらの投資においては、市場環境の急激な変化、投資回収期間の長期化等によって、当企業グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。