事業の概要
- コンクリート製品製造販売トーヨーアサノグループは、主にコンクリート製の二次製品(工場で製造される加工品)の製造と販売を行っています。これには建物の基礎に使われる「パイル」と呼ばれる杭や、その他の建設資材が含まれます。自社で製品を作り、販売することで収益を得ています。
- 工事請負と関連事業コンクリート二次製品の販売だけでなく、それに付随する工事の請負も行っています。また、セメント資材や継手金具といった関連材料を仕入れて販売するほか、他社製のパイル商品を仕入れて販売することもあります。これにより、製品と工事の両面から顧客のニーズに応えています。
- 不動産賃貸事業本業であるコンクリート関連事業の他に、不動産の賃貸も行っています。これは、保有する土地や建物を貸し出すことで安定的な賃料収入を得る事業です。グループ会社である株式会社東商もこの事業に携わっており、収益源の一つとなっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 基礎事業トーヨーアサノグループの主力事業であり、売上高142億1213万円、営業利益11億1837万円を計上しています。主にコンクリート製の「パイル」と呼ばれる建物の基礎杭の製造・販売、およびそれに付随する工事請負を行っています。セメントや鋼材などの資材を仕入れ、自社工場で製品を製造し、建設現場へ供給しています。
- 不動産賃貸事業売上高2億1312万円、営業利益1億2420万円を計上しています。これは、トーヨーアサノ本体とグループ会社の株式会社東商が保有する不動産を第三者に貸し出すことで賃料収入を得る事業です。本業である建設関連事業とは異なる安定した収益源として、グループ全体の経営基盤を支えています。
- 事業構成と収益性基礎事業がグループ全体の売上と利益の大半を占める主要な稼ぎ頭です。不動産賃貸事業は規模は小さいものの、安定的な収益を上げており、グループの多角化に貢献しています。両事業はそれぞれ異なる市場環境にあり、リスク分散の役割も果たしていると考えられます。
2025-02 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FoundationReportableSegment | 事業 | 142 | 11 | 7.8% |
| Leasing | 事業 | 2 | 1 | 61.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び連結子会社)は、当社及び子会社2社で構成されており、コンクリート二次製品の製造・販売及び工事請負を主たる業務としております。当社グループの事業内容及び各社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、セグメント情報と同一の区分であります。 (1)基礎事業パイル………………………当社が製造・販売しております。セメント資材及び継手金具は、㈱東商から仕入れております。当社はコンクリート二次製品に付随する諸工事の請負を行っております。TAパイル製造㈱が製品の出荷及び構内作業を行っております。また、当社はパイル商品の仕入販売も行っております。 建材…………………………当社が仕入・販売しております。 (2)不動産賃貸事業当社及び㈱東商は不動産の賃貸業を行っております。 企業集団の事業系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 主要原材料の市場価格変動が業績に影響を及ぼす可能性があるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業許可等を受けて営業活動を行っており、許認可の取り消しは事業運営に支障をきたす |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:販売環境・市場変化に係わるリスク / 原材料価格に係わるリスク / 金利変動に係わるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
トーヨーアサノは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。主力製品であるガラス繊維は汎用品としての側面が強く、他社との差別化要因が限定的である。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
ガラス繊維は、顧客の製造プロセスに組み込まれている場合、仕様変更に伴う評価・切り替えコストが発生する可能性がある。しかし、代替材料の存在や、顧客側の調達先多様化の意向により、スイッチング・コストは限定的と見られる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ガラス繊維の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を向上させるネットワーク効果は存在しない。プラットフォーム型ビジネスではないため、このモートは該当しない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の操業で培われた生産ノウハウや、規模の経済によるコスト削減努力は存在する可能性がある。しかし、原材料価格の変動や、競合他社とのコスト競争が激しい市場環境のため、持続的なコスト優位性は確立されていない。
規模の経済★★★☆☆
ガラス繊維業界において、トーヨーアサノは一定の生産能力と市場シェアを持つプレーヤーである。業界全体が成熟しており、大規模な設備投資が必要なため、新規参入は困難であり、既存の大手プレーヤーによる寡占状態が維持されている。
- 技術と品質管理体制有価証券報告書からは具体的な技術優位性の記載は少ないものの、品質管理委員会を設置し、製造・施工・営業部門が連携して品質向上に努めている点が強みです。これにより、製品や工事の品質を高く保ち、顧客からの信頼を得ることで競争力を維持していると考えられます。
- 多角的な事業展開コンクリート二次製品の製造・販売だけでなく、工事請負、関連資材の仕入販売、さらには不動産賃貸事業も手掛けています。これにより、建設市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いている可能性があります。特に不動産賃貸は景気変動の影響を受けにくく、安定収入に貢献します。
- サプライチェーンの連携グループ会社である株式会社東商からセメント資材や継手金具を仕入れたり、TAパイル製造株式会社が製品の出荷や構内作業を担ったりと、グループ内で役割分担と連携が図られています。これにより、効率的な生産・供給体制を構築し、コスト削減や安定供給に繋がっている可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、第8次中期経営計画(2025~2027年度)において利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱とした「TAFCO Reform & Advance」を策定し、実行してまいりました。基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要であります。また、投資を継続していくためには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画(2025~2027年度)は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。第8次中期経営計画においても引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、株主資本コストを上回る自己資本利益率を目標として収益性の向上に努めてまいります。 (3) 経営環境日本経済の概況につきましては、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など世界経済および日本経済に与える影響は非常に不透明な状況であります。全国のコンクリートパイル出荷量は、前年度を若干下回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡県では、上半期は前連結会計年度を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。今後の経済見通しにつきましても、消費や設備投資といった内需が主導する形で緩やかに回復していくものと想定しております。直近の経済統計、経済見通しなどを踏まえますと、個人消費は、家計の所得環境の改善にあわせて緩やかに回復するものとみられます。また、設備投資につきましても、好調な企業業績、省力化、デジタル化、サプライチェーンの強化などのニーズを背景として堅調に推移するものと思われます。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。 1.経営戦略の基本的な考え方について当社グループの経営戦略の目的は、売上高と利益の均衡の取れた成長を実現することにあります。経営戦略は、経営理念と社是を基礎として、3カ年計画として策定される「中期経営計画」、単年度の業績目標として策定される「予算計画」、中期経営計画と予算計画を橋渡しする「年度中計」と、目的・時間軸に応じて複数の枠組みを使い分けています。これらが一体となって、当社グループの経営戦略を構成しています。短期(1年間)の経営戦略については、年度中計および予算計画を基礎としています。年度中計とは、中期経営計画を単年度の実行計画に具体化したものです。予算計画は、向こう1年間の経営環境の予測に基づいた業績目標および管理の枠組みです。これらを元にして、投資家の皆さまには「連結業績予想」として定量的な業績ガイダンスを開示しています。また、四半期ごとに更新する「IR社長メッセージ」では、経営環境の認識や見通し、経営戦略に基づく施策の考え方、取り組みや成長投資の事例などを定性的なガイダンスとして開示しております。中期(3年間)の経営戦略は、中期経営計画を策定して開示をしております。現在は、第8次中期経営計画「TAFCO Reform&Advance」を実行中です。第7次中期経営計画「TAFCO Reform&Restart」から、計画のタイトルを通じて戦略のコンセプトを表すようにしています。Reform戦略とAdvance戦略については、後ほどご説明いたします。 中期経営計画は3カ年の計画ですが、3カ年で独立した計画というよりは、次の3カ年、つまり3+3=6年間の時間軸に対応できるように策定しています。3~6年間となりますと、経営環境の予測においても不確実性が大きくなります。これを踏まえて、中期経営計画では、経営環境の正確な予測と最適化された戦略というよりは、経営環境の大局的な見通しを基本シナリオとして、現実に生じる差異を許容できる戦略的な幅を持たせた計画を策定しております。 2.第8次中期計画における経営環境の認識について中期経営計画における経営環境の見通しは、計画策定時の基本シナリオと考えています。基本シナリオを基準点として、中期経営計画の想定と実際の経営環境に大きな差異が生じていないかを中期経営計画の実行中も適宜検証しております。はじめに、日本経済は、消費や設備投資といった内需がけん引する形で緩やかな回復基調を維持すると予想しております。日本経済のリスク要因については、海外経済の動向、地政学的リスクといった海外の動向に注意が必要と考えております。特に、資源・エネルギー価格、為替レートなどによる輸入インフレの再燃がリスクと見ております。国内の要因については、物価の状況に注意が必要と考えております。2025年3月時点では、インフレ率は2%程度で安定して推移するという予想が多いと見ておりますが、上下方向に大きく振れる場合は、景気の下押し要因になるものと思われます。内需が回復する下で、インフレ率が2%程度で安定した場合は、日本経済が順調な回復過程にあるため、当社の経営環境においてもメリットが大きいと想定しております。建設市場につきましては、需要と供給の双方から見る必要があると考えております。まず、潜在的な建設需要は、内需の回復に支えられる形で堅調に推移するものと予想しております。一方で、供給側は、人手不足や労働時間規制などが、供給制約として残るものと思われます。したがいまして、顕在化する仕事量については、引き続き厳しい環境が続くものと予想しております。もっとも、需要不足による仕事量の低迷とは構造が異なり、上述したとおり潜在的な需要は底堅いものと思われます。したがって、稼働率の減少に臨機応変に対応しつつ、これまで積み上げた技術・ノウハウ・設備を基礎とし、事業競争力(バリューチェーン全体)をバランス良く強化することを通じて、お客様にご提供する付加価値を増やし、事業の成長を実現する機会は十分にあるものと考えております。このような戦略を実行するための枠組みが、後述するReform戦略とAdvance戦略となります。事業領域につきましては、基礎市場の潜在的な需要は底堅いと予想されること、基礎市場において競争力を強化するために必要な投資額、当社の財務状況などを踏まえますと、現在のところ基礎市場に経営資源を集中していくことが、当社の成長という目的に対して最も合理的であると考えております。 3.Reform戦略とAdvance戦略について基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要となります。また、投資を実行するには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。まず、Reform戦略は、上述したとおり利益を増やし、安定させるための戦略的な枠組みです。戦略の時間軸は、短期(1年間)としております。1年先の経営環境については、例えばシンクタンクによる景気や建設投資の見通し、社内におけるデータを活用した予測など、経営環境を予想する手段の多いことが特徴です。これらの情報に基づき経営環境を予測し、環境変化に対して有効な施策を組合せで立案・実行しいたします。Reform戦略は、第7次中期経営計画から戦略の柱として、これまで着実に効果を上げてきております。一方、Advance戦略は、事業を中長期的に成長させるための成長投資を管理する枠組みです。Advance戦略においては、各部門において中長期的な事業競争力に資する投資項目を抽出し、これらの投資項目を全社で統合的に管理いたします。例えば、投資項目の事前評価として成長戦略全体との整合性、投資対効果、財務的な検討などを行い、投資実行後には定期的に事後評価をいたします。加えて、中期経営計画を策定する3カ年ごとに重点領域を定めております。第8次中期経営計画においては、①技術開発、②人的資本、③事業基盤の強化の3つに注力いたします。第7次中期経営計画までに、工場の基幹設備更新、基幹システムの全面刷新、本社屋建て替えなどの大型の投資に目途を付けることができました。第8次中期経営計画においては、これらの投資の着実な回収をはかるとともに、技術開発や人的資本といった無形資産領域の強化に注力します。同時に、設備の改修、デジタル化、省エネ化といった事業基盤を支える投資についても計画的に実行してまいります。Reform戦略とAdvance戦略という異なる時間軸の戦略を組み合わせて、投資原資の創出と成長実現に向けた有効性の高い投資ポートフォリオの構築および実行という好循環を回すことを目指しております。 4.財務戦略の考え方について財務につきましては、株主資本コストを上回るROEを実現することを目標としております。株主資本コストの推計値は変動するため、ホームページのIR社長メッセージにおいて適宜株主資本コストを開示しております。ROEを高める方法としては、利益率の改善と適切な財務レバレッジの二点が重要であると考えております。利益率につきましては、経営戦略の最も重要な指標の一つと認識しております。社是に「当社は、売上高と利益の成長を志向する。」とありますように、売上高の成長と適切な利益率の確保をバランス良く実現していくことが、経営戦略の目標であります。次に財務レバレッジにつきましては、少ない自己資本を効率的に活用するという点でROEに対してメリットがある一方で、過度な借入金は財務の安定性を損なうリスクがあるものと認識しております。このような財務レバレッジのメリット・デメリット、当社グループの財務状況などを踏まえますと、以前から開示しておりますとおり、当面は自己資本比率30%を目標として、内部留保を蓄積することが適切であると考えております。財務の安定性という点につきましては、自己資本比率だけではなく、流動比率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資産回転率、固定長期適合率などの指標にも留意し、自己資本の効率的な活用と適切な財務の安定性の両立に努めてまいります。 5.株主還元の考え方について株主還元は、配当を基本に考えております。加えて、個人投資家様に向けた株主還元として、株主優待制度も導入しております。配当につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となるようにしてまいります。配当について補足しますと、まず「業績の振れをならして見る期間」につきましては、あらかじめ具体的な年限を定めているわけではありません。業績の振れは、その時々の経営環境によって単年度で大きく振幅する場合もあれば、そうでない場合もあります。したがいまして、期間についてはその時の経営環境などを総合的に判断することになりますが、目安としては3~5年間の変動と業績見通しなどを考慮しております。配当性向につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となることを目標としております。「30%以上」とあるように、30%は平均的な配当性向の下限値と考えております。30%に対してどの程度上積みするかという点につきましては、財務戦略との整合性などを総合的に考慮して判断しております。株主優待につきましては、主として個人投資家の皆さまへの追加的な還元策であると同時に、当社グループが本社を置きます静岡県沼津市の魅力を発信し、お楽しみいただければと存じます。優待品を定期的に入れ替えるなど、株主の皆様には「選んでいただく楽しさ」もお届けできればと考えております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、第8次中期経営計画(2025~2027年度)において利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱とした「TAFCO Reform & Advance」を策定し、実行してまいりました。基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要であります。また、投資を継続していくためには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画(2025~2027年度)は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。第8次中期経営計画においても引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、株主資本コストを上回る自己資本利益率を目標として収益性の向上に努めてまいります。 (3) 経営環境日本経済の概況につきましては、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など世界経済および日本経済に与える影響は非常に不透明な状況であります。全国のコンクリートパイル出荷量は、前年度を若干下回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡県では、上半期は前連結会計年度を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。今後の経済見通しにつきましても、消費や設備投資といった内需が主導する形で緩やかに回復していくものと想定しております。直近の経済統計、経済見通しなどを踏まえますと、個人消費は、家計の所得環境の改善にあわせて緩やかに回復するものとみられます。また、設備投資につきましても、好調な企業業績、省力化、デジタル化、サプライチェーンの強化などのニーズを背景として堅調に推移するものと思われます。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。 1.経営戦略の基本的な考え方について当社グループの経営戦略の目的は、売上高と利益の均衡の取れた成長を実現することにあります。経営戦略は、経営理念と社是を基礎として、3カ年計画として策定される「中期経営計画」、単年度の業績目標として策定される「予算計画」、中期経営計画と予算計画を橋渡しする「年度中計」と、目的・時間軸に応じて複数の枠組みを使い分けています。これらが一体となって、当社グループの経営戦略を構成しています。短期(1年間)の経営戦略については、年度中計および予算計画を基礎としています。年度中計とは、中期経営計画を単年度の実行計画に具体化したものです。予算計画は、向こう1年間の経営環境の予測に基づいた業績目標および管理の枠組みです。これらを元にして、投資家の皆さまには「連結業績予想」として定量的な業績ガイダンスを開示しています。また、四半期ごとに更新する「IR社長メッセージ」では、経営環境の認識や見通し、経営戦略に基づく施策の考え方、取り組みや成長投資の事例などを定性的なガイダンスとして開示しております。中期(3年間)の経営戦略は、中期経営計画を策定して開示をしております。現在は、第8次中期経営計画「TAFCO Reform&Advance」を実行中です。第7次中期経営計画「TAFCO Reform&Restart」から、計画のタイトルを通じて戦略のコンセプトを表すようにしています。Reform戦略とAdvance戦略については、後ほどご説明いたします。 中期経営計画は3カ年の計画ですが、3カ年で独立した計画というよりは、次の3カ年、つまり3+3=6年間の時間軸に対応できるように策定しています。3~6年間となりますと、経営環境の予測においても不確実性が大きくなります。これを踏まえて、中期経営計画では、経営環境の正確な予測と最適化された戦略というよりは、経営環境の大局的な見通しを基本シナリオとして、現実に生じる差異を許容できる戦略的な幅を持たせた計画を策定しております。 2.第8次中期計画における経営環境の認識について中期経営計画における経営環境の見通しは、計画策定時の基本シナリオと考えています。基本シナリオを基準点として、中期経営計画の想定と実際の経営環境に大きな差異が生じていないかを中期経営計画の実行中も適宜検証しております。はじめに、日本経済は、消費や設備投資といった内需がけん引する形で緩やかな回復基調を維持すると予想しております。日本経済のリスク要因については、海外経済の動向、地政学的リスクといった海外の動向に注意が必要と考えております。特に、資源・エネルギー価格、為替レートなどによる輸入インフレの再燃がリスクと見ております。国内の要因については、物価の状況に注意が必要と考えております。2025年3月時点では、インフレ率は2%程度で安定して推移するという予想が多いと見ておりますが、上下方向に大きく振れる場合は、景気の下押し要因になるものと思われます。内需が回復する下で、インフレ率が2%程度で安定した場合は、日本経済が順調な回復過程にあるため、当社の経営環境においてもメリットが大きいと想定しております。建設市場につきましては、需要と供給の双方から見る必要があると考えております。まず、潜在的な建設需要は、内需の回復に支えられる形で堅調に推移するものと予想しております。一方で、供給側は、人手不足や労働時間規制などが、供給制約として残るものと思われます。したがいまして、顕在化する仕事量については、引き続き厳しい環境が続くものと予想しております。もっとも、需要不足による仕事量の低迷とは構造が異なり、上述したとおり潜在的な需要は底堅いものと思われます。したがって、稼働率の減少に臨機応変に対応しつつ、これまで積み上げた技術・ノウハウ・設備を基礎とし、事業競争力(バリューチェーン全体)をバランス良く強化することを通じて、お客様にご提供する付加価値を増やし、事業の成長を実現する機会は十分にあるものと考えております。このような戦略を実行するための枠組みが、後述するReform戦略とAdvance戦略となります。事業領域につきましては、基礎市場の潜在的な需要は底堅いと予想されること、基礎市場において競争力を強化するために必要な投資額、当社の財務状況などを踏まえますと、現在のところ基礎市場に経営資源を集中していくことが、当社の成長という目的に対して最も合理的であると考えております。 3.Reform戦略とAdvance戦略について基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要となります。また、投資を実行するには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。まず、Reform戦略は、上述したとおり利益を増やし、安定させるための戦略的な枠組みです。戦略の時間軸は、短期(1年間)としております。1年先の経営環境については、例えばシンクタンクによる景気や建設投資の見通し、社内におけるデータを活用した予測など、経営環境を予想する手段の多いことが特徴です。これらの情報に基づき経営環境を予測し、環境変化に対して有効な施策を組合せで立案・実行しいたします。Reform戦略は、第7次中期経営計画から戦略の柱として、これまで着実に効果を上げてきております。一方、Advance戦略は、事業を中長期的に成長させるための成長投資を管理する枠組みです。Advance戦略においては、各部門において中長期的な事業競争力に資する投資項目を抽出し、これらの投資項目を全社で統合的に管理いたします。例えば、投資項目の事前評価として成長戦略全体との整合性、投資対効果、財務的な検討などを行い、投資実行後には定期的に事後評価をいたします。加えて、中期経営計画を策定する3カ年ごとに重点領域を定めております。第8次中期経営計画においては、①技術開発、②人的資本、③事業基盤の強化の3つに注力いたします。第7次中期経営計画までに、工場の基幹設備更新、基幹システムの全面刷新、本社屋建て替えなどの大型の投資に目途を付けることができました。第8次中期経営計画においては、これらの投資の着実な回収をはかるとともに、技術開発や人的資本といった無形資産領域の強化に注力します。同時に、設備の改修、デジタル化、省エネ化といった事業基盤を支える投資についても計画的に実行してまいります。Reform戦略とAdvance戦略という異なる時間軸の戦略を組み合わせて、投資原資の創出と成長実現に向けた有効性の高い投資ポートフォリオの構築および実行という好循環を回すことを目指しております。 4.財務戦略の考え方について財務につきましては、株主資本コストを上回るROEを実現することを目標としております。株主資本コストの推計値は変動するため、ホームページのIR社長メッセージにおいて適宜株主資本コストを開示しております。ROEを高める方法としては、利益率の改善と適切な財務レバレッジの二点が重要であると考えております。利益率につきましては、経営戦略の最も重要な指標の一つと認識しております。社是に「当社は、売上高と利益の成長を志向する。」とありますように、売上高の成長と適切な利益率の確保をバランス良く実現していくことが、経営戦略の目標であります。次に財務レバレッジにつきましては、少ない自己資本を効率的に活用するという点でROEに対してメリットがある一方で、過度な借入金は財務の安定性を損なうリスクがあるものと認識しております。このような財務レバレッジのメリット・デメリット、当社グループの財務状況などを踏まえますと、以前から開示しておりますとおり、当面は自己資本比率30%を目標として、内部留保を蓄積することが適切であると考えております。財務の安定性という点につきましては、自己資本比率だけではなく、流動比率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資産回転率、固定長期適合率などの指標にも留意し、自己資本の効率的な活用と適切な財務の安定性の両立に努めてまいります。 5.株主還元の考え方について株主還元は、配当を基本に考えております。加えて、個人投資家様に向けた株主還元として、株主優待制度も導入しております。配当につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となるようにしてまいります。配当について補足しますと、まず「業績の振れをならして見る期間」につきましては、あらかじめ具体的な年限を定めているわけではありません。業績の振れは、その時々の経営環境によって単年度で大きく振幅する場合もあれば、そうでない場合もあります。したがいまして、期間についてはその時の経営環境などを総合的に判断することになりますが、目安としては3~5年間の変動と業績見通しなどを考慮しております。配当性向につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となることを目標としております。「30%以上」とあるように、30%は平均的な配当性向の下限値と考えております。30%に対してどの程度上積みするかという点につきましては、財務戦略との整合性などを総合的に考慮して判断しております。株主優待につきましては、主として個人投資家の皆さまへの追加的な還元策であると同時に、当社グループが本社を置きます静岡県沼津市の魅力を発信し、お楽しみいただければと存じます。優待品を定期的に入れ替えるなど、株主の皆様には「選んでいただく楽しさ」もお届けできればと考えております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①経営成績の状況当連結会計年度(2025年3月1日から2026年2月28日)のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など世界経済およびわが国経済に与える影響は非常に不透明な状況であります。主力製品でありますコンクリートパイルの出荷量は、当社グループの主力商圏であります関東及び静岡県では、上半期は前連結会計年度を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。このような状況のもと、利益率改善を目的としたReform戦略に基づき、コスト削減や物件別の利益管理などを実行してまいりました。当連結会計年度においても、物件当たりの利益率は低下していないものの、物件の期ずれなどの要因により売上高が想定を下回ったため、稼働率の低下による固定費負担の増加により事業利益が大幅に低下いたしました。また、不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移しております。 セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。 (基礎事業)基礎事業の主力事業でありますコンクリートパイル部門の全国需要につきましては、前年度を若干下回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡につきましても、関東は若干の減少で踏みとどまったものの、静岡は約4割下回りました。業績につきましては、需要の低迷に加え、工事の着工が大幅に遅れた影響もあった結果、当連結会計年度の売上高は、11,492百万円(前連結会計年度比19.1%減)、営業利益は632百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。 (不動産賃貸事業)ホームセンターへの賃貸を中心とする不動産賃貸事業につきましては、安定した業績で推移した結果、当連結会計年度の売上高は、198百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業利益は120百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,690百万円(前連結会計年度比18.8%減)、営業利益は102百万円(前連結会計年度比83.1%減)、経常利益は28百万円(前連結会計年度比95.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は221百万円(前連結会計年度は363百万円の純利益)となりました。 ②財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,748百万円(10.8%)減少し、14,400百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,871百万円(27.1%)減少し、5,041百万円となりました。これは主として現金及び預金765百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産1,897百万円の減少、電子記録債権332百万円の減少、未成工事支出金548百万円の減少等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、123百万円(1.3%)増加し、9,358百万円となりました。これは、主として無形固定資産のリース資産285百万円の増加、繰延税金資産73百万円の増加、ソフトウェア278百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、1,275百万円(22.7%)減少し、4,350百万円となりました。これは、主としてリース債務44百万円の増加、電子記録債務775百万円の減少、支払手形及び買掛金544百万円の減少、未払法人税等65百万円の減少等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、158百万円(2.5%)減少し、6,166百万円となりました。これは、主としてリース債務の増加212百万円、長期借入金の減少373百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、314百万円(7.5%)減少し、3,883百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少337百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は27.0%、1株当たり純資産額は2,997円84銭となりました。 ③キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、1,539百万円の増加(前連結会計年度比3,071百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費516百万円、売上債権の減少額1,840百万円、棚卸資産の減少額553百万円であり、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失291百万円、仕入債務の減少額1,320百万円であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、445百万円の減少(前連結会計年度比702百万円の増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出437百万円によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、328百万円の減少(前連結会計年度比2,753百万円の減少)となりました。これは、主にセール・アンド・リースバックによる収入323百万円、長期借入れによる収入1,750百万円、長期借入金の返済による支出2,144百万円、リース債務の返済による支出141百万円、配当金の支払額116百万円によるものであります。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ765百万円増加し、1,748百万円となりました。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年2月期2023年2月期2024年2月期2025年2月期2026年2月期自己資本比率(%)20.922.826.226.027.0時価ベースの自己資本比率(%)10.513.719.817.221.6債務償還年数(年)67.28.616.8-5.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1.713.57.1-16.8 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。 2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。 3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。5 2025年2月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、債務償還年数およびインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。 ④生産、受注及び販売の状況生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)基礎事業8,932,553△16.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 生産高については製造原価及び完成工事原価によっております。 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)基礎事業11,369,811△6.73,994,119△3.0 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)基礎事業11,492,591△19.1不動産賃貸事業198,262△1.5合計11,690,853△18.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)㈱角藤--1,612,25113.8 2 前連結会計年度の㈱角藤に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。見積りに関しては過去の実績などを慎重に検討したうえで行い、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容 1)経営成績 (売上高)売上高は、基礎事業において、全国需要は前連結会計年度を若干下回ったことに加え、当社グループの主力商圏であります関東および静岡につきましても、関東は若干の減少で踏みとどまったものの、静岡は約4割下回りました。業績につきましては、需要の低迷に加え、工事の着工が大幅に遅れた影響もあった結果、前連結会計年度より減収となり、11,690百万円(前連結会計年度比18.8%減)となりました。 (営業利益)当連結会計年度の売上総利益は、上記売上高の減少があった結果、前連結会計年度比25.0%減の2,042百万円となりました。売上総利益率は、主に上記の要因により、前連結会計年度の18.9%から当連結会計年度は17.5%に減少しております。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の2,116百万円から176百万円減少し1,939百万円となりました。以上の結果、営業利益は102百万円(前連結会計年度比83.1%の減少)となりました。なお、売上高営業利益率は0.9%で前連結会計年度比3.3ポイントの減少となりました。 (経常利益)経常利益は、主に上記の要因により、28百万円(前連結会計年度比95.2%の減少)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損失)親会社株主に帰属する当期純損失は、221百万円(前連結会計年度は363百万円の純利益)となりました。 2026年2月期の連結業績予想(計画)との比較 (単位:百万円) 2025年2月期(実績) 2026年2月期(実績) 2026年2月期(計画)前年同期比計画比売上高14,40211,69015,200△18.8%△23.1%営業利益606102600△83.1%△82.9%経常利益59628520△95.2%△94.5%親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)363△221310△160.8%△171.3% 併せて、中期経営計画の目標値であるROE8%に対して、実績は△5.5%、自己資本比率30%に対して、27.0%となりました。 (セグメント別の状況)(基礎事業)当連結会計年度のコンクリートパイルの全国需要につきましては、前連結会計年度を若干下回って推移いたしました。当社グループの主力商圏であります関東及び静岡県では、上半期は前連結会計期間を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。また、需要の低迷に加え、工事の着工遅れも業績に影響を与えました。損益につきましては、このような状況のもと、利益率改善を目的としたReform戦略に基づき、コスト削減や物件別の利益管理などを実行してまいりました。当連結会計年度においても、物件当たりの利益率は低下していないものの、物件の期ずれなどの要因により売上高が想定を下回ったため、稼働率の低下による固定費負担の増加により事業利益が大幅に低下いたしました。基礎事業の事業戦略につきましては、利益率改善を目的としたReform戦略として、コスト削減、物件別の利益管理などを実行してまいりました。また、当社グループの成長戦略として、技術、設備、人材への継続的な投資が不可欠であるとの認識のもと、Advance戦略では、課題の把握、投資項目の選定、実行および評価のプロセスを通じて、成長投資効果の最大化を目材してまいりました。以上の結果、基礎事業の売上高は、11,492百万円(前連結会計年度比19.1%減)、営業利益は632百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。 (不動産賃貸事業)不動産賃貸事業に関しましては、静岡県沼津市でのショッピングセンターの賃貸を主な事業としておりますが、安定した業績で推移した結果、当連結会計年度の売上高は、198百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業利益は120百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。 2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,748百万円(10.8%)減少し、14,400百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,871百万円(27.1%)減少し、5,041百万円となりました。これは主として現金及び預金765百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産1,897百万円の減少、電子記録債権332百万円の減少、未成工事支出金548百万円の減少等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて、123百万円(1.3%)増加し、9,358百万円となりました。これは、主として無形固定資産のリース資産285百万円の増加、繰延税金資産73百万円の増加、ソフトウェア278百万円の減少等によるものであります。流動負債は、前連結会計年度末と比べて、1,275百万円(22.7%)減少し、4,350百万円となりました。これは、主としてリース債務44百万円の増加、電子記録債務775百万円の減少、支払手形及び買掛金544百万円の減少、未払法人税等65百万円の減少等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、158百万円(2.5%)減少し、6,166百万円となりました。これは、主としてリース債務の増加212百万円、長期借入金の減少373百万円によるものであります。当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて、314百万円(7.5%)減少し、3,883百万円となりました。これは、主として利益剰余金の減少337百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は27.0%、1株当たり純資産額は2,997円84銭となりました。 3) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、1,539百万円の増加(前連結会計年度比3,071百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費516百万円、売上債権の減少額1,840百万円、棚卸資産の減少額553百万円であり、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失291百万円、仕入債務の減少額1,320百万円であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、445百万円の減少(前連結会計年度比702百万円の増加)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出437百万円によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、328百万円の減少(前連結会計年度比2,753百万円の減少)となりました。これは、主にセール・アンド・リースバックによる収入323百万円、長期借入れによる収入1,750百万円、長期借入金の返済による支出2,144百万円、リース債務の返済による支出141百万円、配当金の支払額116百万円によるものであります。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ765百万円増加し、1,748百万円となりました。 4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、原材料調達や価格の動向、市場動向、国内の法令や政治・経済動向等があります。資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、汎用品に関しては複数の調達先を起用することと、生産と販売のバランスの調整を含めた安定的な調達を進めております。品質確保につきましては、品質強化委員会を中心とし、製造工程での不良品の発生状況や施工上の不具合などを分析し、ケーススタディなどによって解決策を提示し、各部門との連携・情報共有を図ることで対応を行っております。市場の変化に対しましては、営業部門が設計事務所・ゼネコン・販売会社などの顧客と緊密な関係を構築し、お客様のニーズを的確にとらえた提案営業が実践できるよう取り組んでおります。国内の法令や政治・経済動向等につきましては、取締役会を中心とし、情報を入手するとともに、社外の専門家と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。 5)資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金需要のうち主なものは、新規製品・工法開発等にかかる研究開発費や、老朽化した設備の維持更新、各種工法用治具のラインナップの拡充に係る投資であります。また、建設中であった新本社屋が昨年3月に完成いたしました。新たに取得した土地代を含めて、営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資金と金融機関からの借入金により調達いたしました。なお、当連結会計年度末における長・短期借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、8,383百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,748百万円であり、流動性の確保は重要な経営課題であります。 6)目標とする経営指標の達成状況等当社グループは、第8次中期経営計画(2025年度~2027年度)で、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を策定し、取り組んでまいりました。コンクリートパイルの出荷量を見ますと、当社の主力商圏である関東地方及び静岡県では、当連結会計年度の上半期は前年度を上回って堅調に推移しましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社の基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。建設市場全体の動向を振り返りますと、コンクリートパイルの出荷量と相関性のある民間非居住の着工床面積(国土交通省「建築着工統計調査報告」)は、2023年度以降、継続して前年を割り込む減少基調となっており、厳しい事業環境が浮き彫りとなっています。一方、建設市場における受注残(国土交通省「建設工事受注動態統計調査(大手50社)」)を見ますと、同時期において継続して力強い増加傾向にあります。もっとも、受注残の消化状況を示す手持工事月数も上昇しており、潜在的な需要は存在するものの、受注残の増加が当面の仕事量につながっていない状況を示唆しています。以上を踏まえますと、建設市場における受注自体は好調であり、受注残も増加傾向にある一方、工事の進捗は極めて強い供給制約を受けているものと推察されます。当社においても需要量の低迷、物件の期ずれ等の影響を受けております。なお、当期純損益につきましては、2025年8月20日付「債権の取立不能又は遅延のおそれ及び貸倒引当金繰入額(特別損失)の計上に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、一部取引先に対する債権について貸倒引当金繰入額(特別損失)353百万円を計上した結果、純損失となりました。当該債権につきましては、現在、法的手続にのっとり適切な処理を進めております。当社は本件の発生を真摯に受け止め、社内調査の結果に基づき、与信管理及び債権管理の両面から、社内ルールの再徹底と管理体制の更なる強化を決定いたしました。既に見直しを図った新たな運用を開始しており、並行して、包括的な管理体制の強化を計画的に進めております。今後も確実な再発防止と、より強固な経営基盤の構築に努めてまいります。以上の結果、利益率改善を目的としたReform戦略として、コスト削減、物件別の利益管理などを実行してまいりました。単年度の経営成績は物件当たりの利益率は低下していないものの、売上高が不足したため、固定費負担が重くなり、事業利益が低下したことに加え、前述の貸倒引当金繰入額の計上により、売上高、利益ともに数値目標は大幅な未達に終わりました。具体的な目標である中長期的なROE8%に対して、実績△5.5%、自己資本比率30%に対して27.0%となりました。
事業リスク
- 市場変動と販売環境主力である基礎事業は、建設市場の動向に大きく左右されます。景気の悪化や建設需要の低迷により、製品の販売量や販売価格が想定を下回った場合、会社の売上や利益に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。需要の変動に対応できる生産体制の構築が重要となります。
- 原材料価格の変動セメント、鋼材、LNGなどの主要原材料は市場価格の影響を受けやすく、価格が大きく変動するリスクがあります。仕入れ価格の低減に努めていますが、市場価格が想定を超えて高騰した場合、製品の製造コストが増加し、会社の利益を圧迫する可能性があります。エネルギー価格の動向も注視が必要です。
- 金利変動と有利子負債東京工場のリニューアルや新本社建設のために金融機関からの借入金が多く、有利子負債残高は83億83百万円と記載されています。市場金利が大きく上昇した場合、借入金の利息負担が増加し、会社の財務状況や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。金利の動向は経営に重要な影響を与えます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。但し、これらのリスクは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、予想を超える事態が発生する場合もあります。また、以下のリスクは主なものであり、全てを網羅したものではありません。①販売環境・市場変化に係わるリスク当社グループの主力事業であります基礎事業は、各市場の動向に大きな影響を受けます。需要動向の変化に対応できる生産体制の構築に努めておりますが、需要が当社想定を下回って推移した場合には、販売量および販売価格の双方を通じて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。②原材料価格に係わるリスク当社グループは、主要原材料としてセメント、鋼材、LNG等の仕入れを行っておりますが、このような素材およびエネルギーは市場価格の影響により大きく変動いたします。当社グループは、市場価格の変動に細心の注意を払い、仕入業者との対話などを通じて仕入れ価格の低減に日々努めておりますが、当社の影響が及ばない市場価格の上昇が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。③金利変動に係わるリスク当社グループは、有利子負債の圧縮に取り組んでおりますが、当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は8,383百万円であり、東京工場のリニューアル工事および新本社の建設についても金融機関からの借入金を主な資金調達方法として実施しております。元金の返済については、金融機関との話し合いにより着実な返済計画を立てておりますが、市場金利が大きく変動し当社の想定を超えて高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。④与信管理に係わるリスク当社グループは、与信会議を中心とした与信管理システムにより、貸倒れの発生を未然に防止するように努めておりますが、販売先の急激な経営状況の悪化などによる貸倒れリスクを完全に排除することは困難であり、貸倒れが発生した場合には、債権額の大きさによっては当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑤法令等に係わるリスク当社グループは、建設業許可等を受けて営業活動を行っており、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。しかし、仮に法令違反等により許認可が取り消しとなった場合には、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑥品質に係わるリスク当社グループは、製造・施工・営業部門によって組織された品質管理委員会において、製造、施工等の問題点を話し合い、トラブルを未然に防ぎ高品質を確保するべく努めております。しかし、ヒューマンエラーや予見できない理由により品質に瑕疵が生じた場合には、顧客が要求する品質を満たせず、工期の遅延等が発生する可能性があります。また、瑕疵による損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑦安全に係わるリスク当社グループは、製造、施工を始めとした全ての領域において安全の確保および事故の未然防止にグループを挙げた社内研修やOJT教育等に取り組んでおりますが、仮に重大事故が発生した場合には、多額の補償費用に加えて社会的信用の失墜等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑧気候変動に係わるリスク当社グループは、東京工場においてスマートエネルギー事業(コージェネ大賞2023優秀賞)や本社ZEB化(グリーンローン・フレームワーク最上位格付け取得)など経営戦略における脱炭素に向けての取り組みを進めていますが、気候変動による気温上昇や豪雨・台風など自然災害が発生した場合には、生産・販売活動の停止、配送の遅延等の影響により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。