ELEMENTSグループは、「IoP(Internet of Persons)」という、ヒトがネットワークに直接繋がる世界を目指しています。このビジョンを実現するため、IoTセンサー、ヒトに関するビッグデータ、AIを組み合わせた「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」を提供し、主にBtoBtoCモデルで収益を得ています。主力事業は、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」と「ポラリファイ eKYC」を含む「個人認証ソリューション」で、金融機関などで利用されています。ユーザーの「ヒト」に関するデータを自社で保管し、機械学習でサービス品質を向上させることで、高いセキュリティと汎用性、高利益構造を実現しているのが特徴です。
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FY2025|3,322 文字|出典 docID: S100XMUN
3 【事業の内容】(1) 当社グループ概要・経営理念当社グループは、当社、国内の連結子会社5社(株式会社Liquid、株式会社アドメディカ、X PLACE株式会社、株式会社ポラリファイ、株式会社ELEMENTS CLOUD四国)、持分法適用関連会社1社(株式会社IDEAL)及び持分法非適用関連会社1社(PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。当社グループは、グループミッションに「BEYOND SCIENCE FICTION」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。当社グループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。当社グループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」「個人最適化」、並びに「個人情報管理」の3つのソリューションに区分されております。当社グループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、当社グループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、当社グループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、当社グループの競争優位性の源泉になっていると考えております。 (2) 個人認証ソリューション個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。具体的な提供サービスは以下の通りであります。 ① LIQUID eKYC、ポラリファイ eKYC2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」及び「ポラリファイ eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行う、当社グループの主力サービスです。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影し、それらを照合したり、本人確認書類のICチップの読み取りを実施したりすることで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。 金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや継続的顧客、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。「LIQUID eKYC」と「ポラリファイeKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、ソフトバンク株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社ジェーシービー、楽天証券株式会社など業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2025年11月末現在で650社以上の事業者に採用され、累計で1.5億万回以上の利用があり、かつ、成長が続いております。 ② LIQUID Auth2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。また、パスキー(FIDO2)のサービス提供も行っており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。 (3) 個人最適化ソリューション個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2025」 eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2024年度予測)
FY2024|3,237 文字|出典 docID: S100VB1D
3 【事業の内容】(1) 当社グループ概要・経営理念当社グループは、当社、国内の連結子会社3社(株式会社Liquid、株式会社アドメディカ、X PLACE株式会社)、持分法適用関連会社1社(株式会社IDEAL)及び持分法非適用関連会社1社(PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。当社グループは、グループミッションに「BEYOND SCIENCE FICTION」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。当社グループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。当社グループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」「個人最適化」、並びに「個人情報管理」の3つのソリューションに区分されております。当社グループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、当社グループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、当社グループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、当社グループの競争優位性の源泉になっていると考えております。 (2) 個人認証ソリューション個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。具体的な提供サービスは以下の通りであります。 ① LIQUID eKYC2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行う、当社グループの主力サービスです。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影し、それらを照合したり、本人確認書類のICチップの読み取りを実施したりすることで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。 金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや継続的顧客、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。「LIQUID eKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社ゆうちょ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社クレディセゾン、株式会社bitFlyerなど業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2025年1月末現在で280社以上の事業者に採用され、累計で6,000万回以上 の利用があり、かつ、成長が続いております。 ② LIQUID Auth2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。現在は、商用化フェーズとなっており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。 (3) 個人最適化ソリューション個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2024」 eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2023年度予測)
FY2023|3,248 文字|出典 docID: S100SYSN
3 【事業の内容】(1) 当社グループ概要・経営理念当社グループは、当社、国内の連結子会社3社(株式会社Liquid、株式会社MYCITY、X PLACE株式会社)、持分法適用関連会社1社(株式会社IDEAL)及び持分法非適用関連会社2社(株式会社SYMBOL、PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。当社グループは、グループビジョンに「自分だけの要素を知ることで、より自分らしい生き方を選択できる世界に」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。当社グループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。当社グループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」「個人最適化」、並びに2024年以降本格的に事業展開を開始する「個人情報管理」の3つのソリューションに区分されております。当社グループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、当社グループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、当社グループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、当社グループの競争優位性の源泉になっていると考えております。 (2) 個人認証ソリューション個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。具体的な提供サービスは以下の通りであります。 ① LIQUID eKYC2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行う、当社グループの主力サービスです。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影して、それらを照合することで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。 金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。「LIQUID eKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社ゆうちょ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、株式会社クレディセゾン、株式会社bitFlyerなど業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2023年12月末現在で200社以上の事業者に採用され、累計で3,600万回以上 の利用があり、かつ、成長が続いております。 ② LIQUID Auth2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。現在は、商用化フェーズとなっており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。 (3) 個人最適化ソリューション個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2023」 eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2022年度予測)
FY2022|4,611 文字|出典 docID: S100QAQC
3 【事業の内容】(1) 当社グループ概要・経営理念当社グループは、当社、国内の連結子会社4社(株式会社Liquid、株式会社MYCITY、株式会社IDEAL、X PLACE株式会社)、持分法適用関連会社1社(株式会社SYMBOL)及び国外の持分法非適用関連会社1社(PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。当社グループは、グループビジョンに「自分だけの要素を知ることで、より自分らしい生き方を選択できる世界に」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。当社グループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。当社グループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」と「個人最適化」の2つのソリューションに区分されております。個人認証ソリューションで「あなたは誰か」を証明し、個人最適化ソリューションで衣食住における「あなただけの服」「あなただけの店舗」「あなただけの居場所」を実現する取り組みを続けております。各ソリューションが提供する事業は以下の通りであります。 ソリューション事業名事業内容個人認証生体認証事業生体情報を用いた認証サービスの開発個人最適化行動解析事業オフィス・住宅の個人最適化サービスの開発体型解析事業婦人靴の個人最適化サービスの開発衣服の個人最適化サービスの開発購買解析事業食品小売の個人最適化サービスの開発 当社グループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、当社グループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、当社グループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、当社グループの競争優位性の源泉になっていると考えております。 (2) 個人認証ソリューション個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。個人認証ソリューションの売上高がグループ全体の7割程度を占めます。具体的な提供サービスは以下の通りであります。 ① LIQUID eKYC2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行うサービスであり、当社グループの主力サービスとして、個人認証ソリューションの売上高のうち、「LIQUID eKYC」が9割以上を占めます。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影して、それらを照合することで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。 金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。「LIQUID eKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社ゆうちょ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、LINE証券株式会社、株式会社bitFlyerなど業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2022年11月期は、140社以上 ※3の事業者において、月間100万回強、累計で2,000万回以上 ※4の利用があり、成長が続いております。 ② LIQUID Auth2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。現在は、商用化フェーズとなっており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。 (3) 個人最適化ソリューション個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。提供先は、パートナー事業者から紹介を受けることもあります。個人最適化ソリューションの各事業における具体的な提供サービスは以下の通りであります。 ① 行動解析事業オフィス・住宅における生活環境の個人最適化サービスを提供しております。事業者へ導入する際の初期費用とその後のサービス利用及び保守に関する月額費用として、対価を受領します。現在は、商用化フェーズとなっており、個人最適化ソリューションの売上高のうち、行動解析事業が9割程度を占めます。オフィス向けサービスは、専用アプリを事業者に提供し、ビル設備との連携や各種センサーを通じて、ユーザー個人の位置情報を取得します。同僚の所在や、会議室などの利用状況を自席にいながらリアルタイムに確認できることで、フリーアドレスのオフィスで働くユーザーにとって最適な働き方ができる環境を提供しています。住宅向けサービスは、マンションデベロッパーが提供する住宅機器の操作システムに機能を提供しております。空調、照明、給湯などの各機器とスマートフォンアプリを連携し、最寄り駅についたタイミングで冷房をいれる、お風呂を沸かすなど位置情報と連携した機器の自動操作により、ユーザー個人にとって最適な暮らしをサポートします。 ② 体型解析事業婦人靴(パンプス)や衣服の個人最適化サービスを提供しております。現在は、実証実験フェーズとなっております。リコメンドサービスでは、足型の3Dデータまたはユーザーが履き慣れたパンプスの3Dデータを元に、個人の足に最適なパンプスを提案します。セミオーダーサービスでは、既製品では対応できない大きさや左右の足の違いの悩みを解決する、履き心地が最適なパンプスを提供しています。衣服においても同様に、ユーザー個人にとって最適なサイズを提供するサービスを行っております。 ③ 購買解析事業食品小売の個人最適化サービスを提供しております。現在は、複数の事業者と実証実験フェーズとなっております。食品小売事業者(コンビニ・ドラッグストア・スーパーなど)が提供するスマホレジなどのデジタルサービス経由で取得するユーザーの購買データを解析し、ユーザー個人に向けて最適な商品をリコメンドできるサービスの提供を行っております。導入事業者にとっては、ユーザーの購買データから予測する効率的な在庫管理や物流システムの構築を可能にします。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2022」 eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2021年度予測)※3 2022年10月末時点における実績。契約済・内定済事業者を含む合計。※4 2022年11月末時点における実績。