研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 21 |
| 2024-03 | - | 34 |
| 2023-03 | - | 45 |
| 2022-03 | - | 23 |
| 2021-03 | - | 21 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,591 文字
6【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用ガラスクロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は177名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,366百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・モバイル用FPC材料当社は、環境対応としてカーボンニュートラルや省エネルギー化の活動を精力的に推し進めており、当社グループ内において大きな成果が出ています。更に脱炭素社会の実現のために、当社は顧客の加工エネルギーを削減できる製品開発を実施しています。近年、顧客でのプレス加工において、エネルギー消費が大きい長時間加圧加温する多段プレス方式から、シート毎に短時間で加圧しアフターベークするクイックプレス方式が主流となっています。当社は、独自の配合技術を駆使しこのクイックプレス時間を従来比50%に削減できるカバーレイを開発し、顧客の生産効率を格段に向上させることに成功しました。現在は更なる省エネルギー化の為にアフターベーク不要となる短時間硬化カバーレイの開発を鋭意研究しております。・車載用FPC材料近年、自動車のEV化に伴い、電子部品の軽量化や小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。この中で車載FPCには、高温に長時間さらされても特性の低下が無い耐熱材料が求められます。回路を保護するカバーレイは、この要求を満たすことがこれまで困難でしたが、独自の樹脂設計による接着剤の耐熱性向上と、特殊処理フィルムを組み合わせることによって、150℃という高温での長期耐熱性が発現することを見出し、製品化に成功しました。現在は、さらに超高温となる200℃の長期耐熱性を持つカバーレイの開発を鋭意進めております。・実験用小型塗工機の機能向上オープンイノベーション推進のために2023年8月より導入した実験用小型塗工機を用いて、すでに様々な分野の顧客との共同開発プロジェクトが開始されています。これまで、この塗工機には1種類のコーターヘッドのみ設置されていましたが、この度、2種のコーターヘッドを追加設置しました。これにより塗布する樹脂の性状や塗布厚さに応じてコーターヘッドを選択することができるようになり、従来よりも広範囲な条件での塗工が可能となりました。また、2025年9月にはイノベーションセンターが開設します。実験室レベルでの検討から、実験塗工機を活用した試作、さらには量産化まで、オープンイノベーションを推進する環境が整います。多くの顧客との協業を深化し、世の中の役に立つ新製品を開発します。電子材料に係る研究開発費は1,409百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・航空機内装材用 環境配慮型プリプレグおよびハニカムパネル従来、航空機内装材用ハニカムパネルは、スキン層に用いるプリプレグに難燃性能を確保するため、ハロゲン系化合物やアンチモン化合物を使用することが一般的でした。しかし近年、環境負荷物質の低減や有害物質の管理、規制など国際的な要請が高まりつつあり、これらの化合物を使用しない樹脂設計が望まれています。こうした市場環境の変化から、当社では航空機分野における将来的な環境規制の強化を見据え、環境配慮型のハロゲンフリー、アンチモンフリー仕様の航空機内装材用プリプレグおよびハニカムパネルを開発しました。当該製品は、従来品と同等以上の難燃性および機械特性を有しており、既に顧客へのサンプルワークを開始しております。・燃料電池用発電セル材料環境に優しい発電技術として注目されている燃料電池は、水素と酸素の化学反応によって電気を生み出す装置です。燃焼を伴わないため、二酸化炭素をほとんど排出しないクリーンな発電方式です。この電池はセルと呼ばれる発電部位が幾層にも重なった構造をしています。そして、このセル同士はセパレーターと呼ばれる部材で隔たれており、水素と酸素を供給する溝が形成されています。従来、このセパレーターには金属板を使用していましたが、軽量化やコストダウンを目的に導電性を持った樹脂材料への代替が検討されています。当社はこの樹脂製セパレーターの開発を進めており、顧客各社での評価が進んでおります。定置型発電機や車載用電池への採用が期待されます。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は615百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・医療用3Dディスプレイ当社の光学素子「Xpol®」を搭載する3Dディスプレイは、近年の高精細な4Kディスプレイ化により、医療分野において採用が活発に進んでおります。内視鏡手術用として主流である32インチモデルに加え、顕微鏡手術に対応する大型サイズへのニーズに応えるべく、55インチサイズまでの4K-3Dディスプレイを開発し、サンプルワークを開始しました。今後は、高速通信インフラの整備や医療用周辺機器の性能向上に伴い、医療分野では更にOLEDや8K対応などの高コントラスト化や高解像度化の需要が見込まれることから、当社では設計・加工技術の高度化に取り組んでまいります。ディスプレイ材料に係る研究開発費は284百万円であります。
FY2024|2,352 文字
6【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用ガラスクロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は172名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,033百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・モバイル用FPC材料コンパクトに折りたたむことができるスマートフォン、いわゆるフォルダブルスマホの人気が徐々に高まってきております。この折り曲げされる部分の回路基板にはFPCが使用され、繰り返し数十万回の折り曲げをしても断線しない屈曲耐性が求められます。この要求に対し、当社では独自の配合技術を駆使し屈曲耐性に優れる接着剤を開発、さらに最適なフィルムや銅箔を組み合わせることにより、屈曲耐性に優れたFPC用の材料を完成させました。顧客での信頼性試験に合格し、最新モデルのフォルダブルスマホに採用され、今後の拡販も期待されます。また、更なる屈曲耐性の向上に向け、鋭意研究を進めております。・車載用FPC材料EV化が進む自動車においても電子部品の軽量化、小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。車載用FPCには高温に長時間晒されても特性が低下することのない耐熱性に優れた材料が要求されます。この要求に対し、当社では重合技術を駆使して耐熱性の高いポリマー樹脂を開発し、業界トップクラスの耐熱温度200℃耐性を実現しました。現在、顧客での採用評価が進められております。・実験用小型塗工機の稼働開始2023年8月より実験用小型塗工機が稼働開始しました。自社品開発での有効活用が進み、開発期間の短縮が図られています。さらにオープンイノベーションを推進する手段として本装置を有効活用すべく、多くの顧客にアピールしてまいりました。その成果もあり、すでに複数の顧客との共同開発プロジェクトが開始されました。電子材料に係る研究開発費は1,212百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・水処理用FRP製圧力容器当社のFRP製圧力容器は、耐食性、耐圧性、軽量という利点を有し、海水を淡水化するための水処理用途に幅広く利用されています。さらに、環境保護のために一般排水や工場排水を最小限に抑えるZLD:Zero Liquid Dischargeシステム向けにも開発を進めております。当社と連結子会社のProtec Arisawa Europe, S.A.及びProtec Arisawa America, Inc.は、共同で独自のワインディング技術を用いて業界最高クラスの1,800psi高圧容器を完成させました。米国機械学会(通称ASME)の認定も取得し、ZLD用にサンプルワークを開始しています。また、デジタル社会の急速な発展に伴い需要の高まる半導体製造分野において、必要不可欠な超純水を作るシステムへの採用に向けた取組みも進めています。・水電解水素発生装置用部材近年、次世代エネルギーとして水素への注目度が高まる中、水を電気分解して水素を発生させる水電解水素発生装置へ適用できるサブガスケットと呼ばれる部材が求められています。サブガスケットは、水の電気分解で発生する水素や酸素ガスの漏れを防ぐために、触媒付電解質膜(CCM:Catalyst Coated Membrane)に精密に貼り合わせる必要があります。そこで当社は、独自の配合技術と精密貼合技術を駆使して、最適なサブガスケット材料を開発しました。長期間、水中に晒されても剥がれず、ガス漏れしない品質が認められ、顧客にて大型プラントに向けた実証試験装置に採用されております。今後も当社コア技術を活かしたクリーンエネルギーに向けた部材開発を進めてまいります。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は543百万円であります。 (3)ディスプレイ材料分野・医療用3Dディスプレイ当社の3Dフィルター「Xpol®」を搭載する3Dディスプレイは、顧客の使用環境に応じた最適な設計と高精度な加工技術により、4K解像度の高画質を実現し、医療分野への採用が進んでおります。内視鏡手術用では主流の32インチに加え、大型化の要望に応えた40インチ超級を開発し、量産を開始しました。さらに、高速通信網の普及に伴う手術方式の多様化を見据えて、次世代医療として期待されるロボット手術用3Dディスプレイの設計に着手しています。また、医療分野以外への用途展開を目指し、工事現場や空撮などの遠隔操作用モニターの3D化も検討しています。ディスプレイ材料に係る研究開発費は228百万円であります。
FY2023|2,322 文字
6【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は171名であり、当連結会計年度の研究開発費は1,991百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料スマートフォンに代表される電子機器が高機能に進化する中、電子回路の微細化による高密度化が進んでいます。当社では、微細回路形成に優れる新規な銅箔を使用したフレキシブル銅張板を開発し、販売を開始しました。なお、この銅張板は銅箔の不要な部分を除去し回路形成する工法(サブトラクティブ法)が適用されます。しかし、更なる微細化に対応するには、サブトラクティブ法では限界が近く、これに代わり、電気めっきで銅回路を形成する工法(セミアディティブ法)が有効であると考えられています。当社ではこのセミアディティブ法に適応した回路用材料の研究開発を進めており、顧客での評価が開始されました。・放熱材料家電から車載まで広い用途に使用されるICパワーモジュールでは小型化、省エネ化が進む中、IC発熱を効率的に放熱するために高放熱接着シートが必要とされています。当社ではこれまで1~10W/m・Kの各種絶縁接着シートをラインナップし、各社に向けて販売しております。また昨年より開発を進めている業界最高レベルの15W/m・K品は顧客での評価が順調に進み、間もなく認定取得できる見込みです。さらに今後も見据えた次世代20W/m・K材の開発にも着手しております。・実験用小型塗工機の設置2023年8月より実験用小型塗工機が稼働します。当社の電子材料開発において、これまで量産機を使用した試作・検証が遂行されていましたが、装置が大型なため、使用する材料の準備に時間とコストがかかる点が問題でした。本装置を活用することにより、この問題が解消でき、開発期間の短縮が図れます。また、オープンイノベーションを推進する手段として本装置を有効活用し、共同開発案件や新規OEM案件を積極的に取り込んでいきます。電子材料に係る研究開発費は1,249百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・水処理用FRP製圧力容器当社のFRP製圧力容器は、海水を淡水化するための水処理用途に幅広く利用されています。近年、環境保護のために一般排水や工場排水を最小限(ゼロ)に抑えるZLD:Zero Liquid Dischargeシステムの需要が高まっています。廃水を様々な方法により再生・再利用して排水量をゼロにするには高濃度廃水を処理するための高圧処理が必要で、ベッセルにも高圧への要求が高まっております。当社と連結子会社のProtec Arisawa Europe, S.A.及びProtec Arisawa America, Inc.では、現在1,800psi高圧ベッセルの設計/開発、ASME認定取得を進めており、2023年からサンプルワークを開始します。・燃料電池水素エネルギー社会の実現に向け、当社は2020年より車載向け燃料電池用金属セパレータ材料の量産を開始しました。当社の特徴である『塗る』技術を活かし金属箔表面に潤滑剤を薄く均一に塗布することでプレス加工性の向上が認められています。当社は、新たに環境負荷を低減した潤滑剤を開発し現在顧客にて良好な評価をいただいております。今後も様々な材料に適応できる潤滑剤を開発し、更なる多用途展開を図ってまいります。また金属に代わる樹脂セパレータを現在、開発しており、2025年からの流動に向け顧客での評価が進行中です。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は447百万円であります。 (3)ディスプレイ材料分野・医療用3Dディスプレイ当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D性能により、医療分野への採用が進んでおります。手術室の多様化を背景として4K解像度の高画質ディスプレイは、主力の32インチから40インチ超級への大型化要求があります。当社は、設計/開発を完了しサンプルワークを開始しました。2024年に流動見込みで内視鏡手術における3D化の加速が期待されます。・次世代ディスプレイ独自の樹脂配合技術と積層技術により、ディスプレイ周辺に使用する機能性粘着フィルムを開発し、LEDのバックライト用に採用が決定しました。2023年秋から流動を開始する予定です。ディスプレイ材料に係る研究開発費は269百万円であります。
FY2022|2,674 文字
5【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は165名であり、当連結会計年度の研究開発費は1,926百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料モバイル機器では5G通信対応製品が普及してきておりますが、本格的な5G通信には今よりも高周波(ミリ波)領域での通信が必要とされています。このミリ波領域での高速通信に使用される電子機器には、信号伝送ロスの低減化が要求されます。これに対応すべく、当社では様々な信号伝送ロスの小さい低誘電FPC材料をラインナップしております。また次世代通信の6Gについても検討が開始されており、更なる高周波対応が要求されます。この動向に対応すべく、当社では低誘電特性に優れる素材としてフッ素系の材料を使用した銅張積層板を開発しました。現在、顧客各社での評価が進んでおります。・車載用電子材料EV化が進む自動車において電子部品の小型化、軽量化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。車載用FPC材料として必要とされるものの一つに、高電流に対応した厚い銅回路のFPCがあります。モバイル機器等に使用される銅回路と比較し、およそ10倍の厚さが必要となります。当社では加工技術を駆使して、この要求に対応した銅張積層板の開発に成功しました。現在、顧客での採用評価が進んでおります。また、搭載されるICパワーモジュールの高性能化が進む中、ICの発熱量も増大傾向であり、この発熱を効率的に放熱するために放熱特性の優れた接着シートが必要とされます。当社では放熱特性1~10W/m・kの各種絶縁接着シートのラインナップに加え、業界最高レベルの15 W/m・k品を開発し、各社へのサンプルワークを開始しました。電子材料に係る研究開発費は1,185百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・水処理用FRP製圧力容器当社のFRP製圧力容器は、海水淡水化をはじめとして長年水処理用途に幅広く利用されています。近年、国内では改正食品衛生法の適合証明も受けており、飲料水用途に適用されています。連結子会社Protec Arisawa Europe, S.A.およびProtec Arisawa America, Inc.でもACS認証(フランス衛生適合証明)やNSF-61認証(アメリカ飲料水規格)の取得に向けて認定試験を進めています。今後も水資源確保に貢献する製品の開発に取り組んで参ります。・航空機分野での環境負荷低減材料近年、環境規制が高まる中、航空機業界においても環境負荷低減材料が求められております。現在、機体内装の壁材に使用されるハニカムパネルは、難燃性を持たせるためハロゲンやアンチモンの環境負荷物質が含まれています。当社は、独自の配合技術を駆使し世界発のノンハロゲン、ノンアンチモンの環境負荷を低減したハニカムパネル材料を開発しました。今後、顧客評価を進め航空機メーカーへの採用を目指します。・災害対策用材料自然災害の台風、洪水や地震が多くなり、建物や構造材の補強や防災対応が進んでいます。炭素繊維を補強材料として用い、高強度樹脂を含浸させて硬化したCFRPが構造材の補強用として採用され、様々な分野での用途展開が見込まれております。また、火災時の延焼を防ぐため難燃性を有したFRP材の要求も高まっており、自社独自の樹脂配合と成形方法を駆使し、難燃性に加え高透過率、高剛性及びUV、IRカット性能を満たした透明GFRPシートを開発しました。エクステリア材等への適用に向け顧客評価が進んでおります。当社では、今後もこれらの分野に注力し、差異化した材料開発を進めてまいります。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は477百万円であります。 (3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D性能により、医療分野への採用が進んでおります。近年、内視鏡手術用に加え、4K解像度の高画質ディスプレイを使用した顕微鏡手術用途への採用が増えてきております。高解像度でも十分な3D視野角と明るさを両立する独自のXpol®設計によりロボティック手術用途への顧客評価が進んでおり、今後、5Gによる高速通信環境を利用した遠隔医療への採用拡大が期待されます。・機能性粘着材料独自の樹脂配合技術により、ディスプレイ周辺に使用する機能性粘着材料の開発を進めております。ミニLEDや液晶ディスプレイなど、用途に合わせて機能をカスタマイズし各社へサンプルワークを開始しました。環境負荷低減を目的に、溶剤を使わない樹脂配合にて開発した特殊粘着材料は、光学用途で必要とされる高い信頼性と透明性を両立し、顧客認定を取得しました。当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性より、医療分野に採用されています。近年、内視鏡手術用に加え、4K解像度のディスプレイを使用した顕微鏡手術用途への採用も増えてきております。今後、ディスプレイの更なる高解像度化を見据えた新製品の開発や、高速通信環境下での遠隔医療や遠隔工事への用途展開に取り組んでまいります。ディスプレイ材料に係る研究開発費は249百万円であります。
FY2021|2,320 文字
5【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は162名であり、当連結会計年度の研究開発費は1,905百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料スマートフォンに代表される電子機器が高機能に進化するなか、電子回路の多層化による高密度化が進んでいます。多層基板は、回路基板/接着シート/回路基板のように積層された構造をしており、上下の回路を接続することにより高密度化を達成しています。従来、この回路基板と接着シートの積層には、長時間のプレス成型による一体化が一般的でした。近年、FPCメーカーでは生産性を向上させるべくプレス時間の大幅な短縮化を進めています。当社ではこれに対応すべく、独自の樹脂組成技術を駆使し、短時間プレスでも回路の埋め込み性が良く、更に優れた絶縁信頼性を発揮する接着シートを開発しました。既に顧客認定を取得し、販売を開始しました。今後、各社への採用拡大が期待されています。・車載用電子材料EV化が進む自動車においても電子部品の軽量化、小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。車載用FPCには高温で長時間さらされても特性値の低下の無い耐熱性材料が要求されます。従来、回路を保護するためのカバーレイでは柔軟性と耐熱性の両立が困難でしたが、独自の樹脂組成設計により、この特性を両立したカバーレイを開発し各社での評価が進んでおります。現在、更に耐熱温度を向上すべく新規開発に取り組んでおります。また、搭載されるICパワーモジュールにおいても小型化、省エネ化が進む中、ICの発熱を効率的に放熱するために高放熱接着シートが必要とされています。当社では放熱特性1~10W/m・kの絶縁接着シートを各種ラインナップしており、採用が拡大してきております。現在、更なる放熱特性向上を目指し15~20W/m・k材の開発に取り組んでおります。電子材料に係る研究開発費は1,152百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・車載用材料昨年、国内自動車メーカーに当社独自の薄膜塗工技術を用いた燃料電池用部材が採用され、量産を開始しました。この採用により、多くのユーザー様よりこの薄膜技術を用いた新規要求を頂いております。また、近年の自動車のEVやFC化が進む中、自動車の軽量化の要求が高まり金属に代わる材料として、当社の繊維プラスチック材料への要求が高まりました。現在、独自の製織技術や樹脂開発技術を駆使し、各ユーザー様で様々な部位への評価が進んでおります。当社では、今後これらの分野に注力し、差異化した材料開発を進めて参ります。・水処理用FRP製圧力容器当社のFRP製圧力容器は、海水淡水化をはじめとして長年水処理用途に幅広くご利用いただいております。近年、環境負荷低減に向けた無排水化への取組が進み、超高圧圧力容器への需要が高まりました。当社は、連結子会社Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.とともに超高圧圧力容器の開発に成功し、ASME新規格への対応をおこなっております。今後も水資源や環境負荷低減に貢献する製品の開発に取り組んで参ります。・超高耐熱炭素繊維プラスチック材料近年、火星などの惑星を含む宇宙探査や有人月面探査に利用される宇宙船の開発が激化し、民間企業によるロケットの打ち上げも進んでおります。当社は、航空機用材料として開発した難燃性及び耐熱性に優れた炭素繊維プリプレグの技術を応用し、独自の樹脂配合により超高耐熱タイプの炭素繊維プリプレグの開発に着手しており、宇宙関連部材としての採用が見込まれております。今後も更に差異化した材料開発を進めて参ります。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は512百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性より、医療分野に採用されています。近年、内視鏡手術用に加え、4K解像度のディスプレイを使用した顕微鏡手術用途への採用も増えてきております。今後、ディスプレイの更なる高解像度化を見据えた新製品の開発や、高速通信環境下での遠隔医療や遠隔工事への用途展開に取り組んでまいります。ディスプレイ材料に係る研究開発費は229百万円であります。
FY2020|2,142 文字
5【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、産業用構造材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は179名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,074百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料スマートフォンに代表される電子機器が高機能に進化するなか、電子回路の微細化による高密度化が進んでいます。この微細化に伴い、回路を保護するカバーレイや接着シートに対して、従来よりも過酷な環境下での絶縁信頼性の要求があります。これに対応すべく、当社では独自の樹脂組成技術を駆使し、業界最高水準の絶縁信頼性に優れる製品を開発しました。現在、顧客での認定評価が順調に進んでおります。・車載用電子材料EV化が進む自動車においても電子部品の軽量化、小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。回路基板には、高電流に対応するために厚い銅箔を貼り合わせたフレキシブル銅張板が必要とされます。従来の製造設備では生産することが出来ませんでしたが、独自のアイデアで設備改善することにより、安定した品質で生産可能となりました。現在、顧客での認定評価が進んでおります。また、搭載されるICパワーモジュールにおいても小型化、省エネ化が進む中、ICの発熱を効率的に放熱するために高放熱接着シートが必要とされています。当社では絶縁信頼性と放熱特性に優れた接着シートを各種ラインナップしており、採用が拡大してきております。現在、更なる放熱特性向上に取り組んでおります。電子材料に係る研究開発費は1,367百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・航空機用材料近年、航空機は、燃費向上目的で軽くて強度が高い炭素繊維部材による機体重量の軽量化が進んでいます。炭素繊維を用いた織物を胴体や羽根などの航空機用主要構造材として、また自社独自の樹脂配合により燃え難い特長を加えた機体内装の壁材、炭素繊維を使用したハニカム部材による仕切り材や主要構造材に採用されております。航空機は2040年頃に、現在の約2倍となる航空機需要が見込まれており、当社は独自の製織技術と難燃化技術で、コストを抑えつつ更なる軽量化の材料開発を進めて参ります。・防災関連構造材洪水や地震、台風などによる自然災害が多くなり、建造物や構造材の補強や防災対応が進んでいます。炭素繊維を強化繊維として用い、特殊な樹脂を含浸させて硬化させたCFRPが構造材の補強や防災用として認可され、需要が増加傾向にあります。特殊な樹脂を使いこなすために、当社の製織~塗工という一貫した生産技術を活用することで、お客様の要求を満足し、製品を納入しています。人の命を守る、災害による被害を最小限に抑えるために、今後この分野にも注力し、社会貢献できる材料開発を進めて参ります。・水処理用FRP製圧力容器当社のFRP製圧力容器は、海水淡水化をはじめとして長年水処理用途に幅広くご利用いただいています。その中で近年では環境負荷低減に向けた無排水化への需要が高まっています。当社ではそのシステムに用いられる信頼性の高い超高圧圧力容器を連結子会社Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.とともに開発に成功しました。今後も水資源や環境負荷低減に貢献する製品の開発に取り組んで参ります。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は335百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心にいろいろな用途にご使用頂いております。現在まで、内視鏡手術に加え眼科用途及び脳外科用途への採用実績が増えてきております。今後、5G高速通信技術の発展により、遠隔医療及び遠隔工事への展開も視野に入れた新製品の開発にも着手していきます。ディスプレイ材料に係る研究開発費は343百万円であります。
FY2019|1,899 文字
5【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、産業用構造材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は173名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,001百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料モバイル機器では次世代5G通信が早くも本年度より一部開始されるとも言われています。この高速通信に使用される電子部品には、信号伝送ロスの低減化が要求されています。これに対応すべく当社は、独自樹脂組成技術にて信号伝送ロスの小さい低誘電特性のFPC回路材料、接着シート及びカバーレイを開発し、顧客各社で評価が進んでおります。また新規素材を用いて更に誘電特性が向上した新規のFPC回路材料を開発しました。モバイル用途のみでなく車載センサーへの適用を目指し、現在顧客各社にて評価が開始されています。・半導体周辺材料IoT化が進む中、半導体パッケージの薄膜化や小型化の要求が高まっています。当社は、これらの生産工程に使用される保護接着テープの開発を進めております。この接着テープには密着性と剥離性の両立、および製品への汚染防止特性が必要とされます。当社は独自樹脂組成技術にて要求特性を満足する接着剤を開発し、顧客での認定評価が進んでおります。・放熱材料自動車用の電子部品には、小型化により、より厳しいヒートサイクル耐性が必要とされています。当社開発の放熱接着シートは、このヒートサイクル試験に合格し、自動車メーカーの認定を取得し、今後の採用拡大が期待されております。また更なる放熱特性向上を目指し、新規な放熱接着シートの開発にも取り組んでおります。電子材料に係る研究開発費は1,285百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・航空機用内装材航空機用内装材は高い難燃性が求められる技術的難易度の高い材料です。当社はこの航空機用内装材として、これまでギャレイ(厨房設備)やラバトリー(トイレ・洗面所)に使用されるサンドイッチパネルを納入して参りました。また当社はこの難燃化技術を活かし航空機シート筐体部材用カーボンプリプレグの開発も進めており、2018年度は新しいタイプのカーボンプリプレグを完成させ納入を開始しました。当社のカーボンプリプレグはビジネスクラスのシートに使用され、機体の軽量化に貢献しています。今後も難燃化技術を活かし各種内装材の開発を進めて参ります。・医療用クライオスタット当社はこれまで、てんかんやアルツハイマー型認知症の診断に使用される脳磁計(脳の磁場計測)用クライオスタット(液体ヘリウムを貯蔵できるFRP容器)を開発、製造してきました。2018年度は脊磁計(脊髄の磁場計測)用クライオスタットの開発を大きく進めることができました。この脊磁計は手足の麻痺やしびれ等多くの病気の診断に有効と言われている装置で、早期に上市できるよう取り組んで参ります。産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は397百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心にいろいろな用途にご使用頂いております。以前は内視鏡手術が主用途でしたが最近は眼科用途や脳外科用途にも採用される機会が増えています。2018年度は大画面化のご要望に応え55型Xpolの開発を完了しました。今後、より多くの用途にご使用いただけることを期待しています。ディスプレイ材料に係る研究開発費は296百万円であります。
FY2018|2,342 文字
5【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、産業用構造材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は169名であり、当連結会計年度の研究開発費は19億71百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料モバイル機器では通信情報量の増大に伴う高速通信化が進んでおり、2020年には次世代5G通信が実現され、IoT化が益々加速すると言われています。この高速通信に使用される電子部品には、信号伝送ロスの低減化が要求されています。これに対応すべく当社は、独自樹脂組成技術にて信号伝送ロスの小さい低誘電特性のポリイミドや接着剤を開発し、FPC回路基板、接着シート及びカバーレイの評価が顧客各社で進んでおります。・放熱材料自動車に搭載される電子部品には、極寒雰囲気下から高温雰囲気下に繰り返し置かれる非常に厳しいヒートサイクル耐性が必要とされています。放熱シートにも同様なヒートサイクル性が要求されます。当社では独自の樹脂組成技術を用いることにより、この耐性を大幅に向上させた放熱樹脂シートを開発しました。現在、顧客各社での評価が進んでおります。電子材料に係る研究開発費は11億38百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・鉄道車両用内装材当社は航空機のキャビン側の内装材に使われる難燃のハニカムパネルやカーボンプリプレグを納入しております。この難燃技術を鉄道車両の内装材料に適用すべく開発を進めております。2017年度に開発した天井用の内装材料はJRMA(一般社団法人 日本鉄道車両機械技術協会)の「不燃」の規格を満足しました。この天井用の内装材料は、一部の観光用の鉄道車両に使われる予定です。鉄道用の内装材料は、壁材、天井材と床材でそれぞれ難燃特性の要求が違いますが、この天井用材料の採用をきっかけにして、それぞれの要求を満足する材料の開発をしてまいります。・正浸透膜用FRP圧力容器海水を淡水にしたり、河川水を飲料水にしたりする水処理技術として、逆浸透(RO: Reverse Osmosis)に加えて正浸透(FO: Forward Osmosis)の技術が注目されています。正浸透は塩水が濃い方から薄い方に流れて薄い方の水位が上がるという自然現象(正浸透)を利用した水処理技術です。逆浸透に比べ加える圧力が1/3~1/10と低いため高圧ポンプや高圧配管が不要であること、造水のランニングコストを抑えられる特徴があります。当社は、この正浸透の低圧に適した圧力容器を開発しました。正浸透は水処理の他、発電への応用が期待されており、今後多様な要求が予想されます。要求に柔軟に対応しながら正浸透用の圧力容器を進化させ開発を進めてまいります。複合材料に係る研究開発費は4億円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心に採用される機会が増えています。各種用途で利用検討されており、これらの要求に応える形で開発を進めております。2017年度は高精細化の要求に応えた新規Xpolを開発し、製品納入を開始しました。また大画面化の要求に応えるべく開発、設備投資を進めており、2018年度採用に向け注力してまいります。・スクリーン材料当社のファインコントラストスクリーンは長焦点プロジェクター用に、またプリズムスクリーンは超短焦点プロジェクター用に最適設計されており、どちらも優れたコントラストと視野角特性から高い評価を得ております。2017年度は150インチ対応の超広幅ファインコントラストスクリーンを開発、製品納入を開始しました。ホームシアター用、教育及びビジネス用に好適で今後の採用拡大が期待されます。プリズムスクリーンにおいても大型化及び巻き取り化の製品開発を進めており、今後の採用を目指し検討を加速してまいります。・UV硬化型OCAタッチパネル製品や液晶モニターには、各種部材を貼り合わせるために透明な接着シートOCA(Optical Clear Adhesive)が使用されます。近年、商業用大型モニターや曲面モニターの開発が進む中、表面素材がガラス材料に代わり透明プラスチック材料が使用される検討がなされています。これまでのOCAでは、透明プラスチック材料との接着信頼性が低下する欠点がありましたが、当社では独自の樹脂組成技術を用いることにより、信頼性の高いOCAを開発しました。現在、顧客各社での評価が進んでおります。ディスプレイ材料に係る研究開発費は3億94百万円であります。
FY2017|2,410 文字
6【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野、電気絶縁材料及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は162名であり、当連結会計年度の研究開発費は17億56百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料スマートフォンに代表される電子機器が高機能に進化するなか、電子部品の高密度化、多層化が急速に進んでいるなか回路を形成するフレキシブル銅張り板においては、ファインピッチ化が進んでおり、それに伴い回路形成時の寸法変化率の狭小化、バラツキ低減がこれまで以上に要求されています。これに対応する為、当社では高度に寸法安定性に優れた銅張り板を開発し、大手ユーザーの認定を取得し、今後の採用拡大が期待されます。また多層化のための層間接着フィルムは、上下回路を接続する為のビア形成時の形状安定化、ビア径の狭小化、および耐熱性の要求が強まっています。この要求に対応できる新規な接着フィルムを開発し、ユーザー各社での評価で良好な結果が得られ、今後の採用が期待されます。・放熱材料家電から車載まで広い用途に使用されるICパワーモジュールでは小型化、省エネ化が進む中、IC発熱を効率的に放熱する為に高放熱接着シートが必要とされています。当社ではこれまで1~4W/m・Kを開発し流動開始し、現在は6~10W/m・K材のユーザー認定評価が進んでおり、近日中の採用が見込まれます。更に今後も見据えた次世代15W/m・K材の開発にも着手しております。電子材料に係る研究開発費は8億52百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・航空機用内装材航空機にとって機体の重さは燃費に直接の影響があるため、軽くて強度が高い炭素繊維部材は胴体や羽根などの主要構造材に適用され、さらに機体キャビン側の内装材にも適用されてきております。当社は炭素繊維の軽い、強度が高い利点に自社独自の樹脂配合により燃え難い特長を加えて、機体内装の壁材、仕切り材に炭素繊維によるハニカム部材を生産しております。2016年度は壁材、仕切り材の2次元形状に加え、曲面をもつ3次元形状の炭素繊維部材の開発に着手しました。今後採用が進む事を目指し開発を継続してまいります。・医療用クライオスタットてんかんやアルツハイマー病の診断にはMRIよりもさらに高精度のMEG(Magnetoencephalography;脳磁計)という脳の磁場を計測する超電導技術が用いられています。超電導は絶対零度付近の温度保持が必要となるため、被検側の体温との約300度の温度差を断熱する必要があります。さらに微弱な脳の磁場を計測することから鉄系の金属部材は使えません。当社はこの要件を満たし、本目的に使用できる繊維強化プラスチックの断熱容器を開発し2016年度に納入を開始しました。2017年度はさらなる改善を進め、MEGの普及発展に寄与したいと考えております。複合材料に係る研究開発費は3億86百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており医療分野を中心に採用される機会が増えています。2016年度は新たに2社との開発検討を開始し今年度複数モデルでの量産開始を目指しています。また4Kタイプが市場で高い評価を得ていることから、次世代3Dディスプレイとして期待されている高解像度8Kタイプの開発に着手し55インチ試作品を作製しました。ユーザー評価は良好であり今後新規採用に向け注力してまいります。・スクリーン材料当社のプリズムスクリーンは超短焦点プロジェクター用に最適設計されており、優れたコントラストと視野角特性から高い評価を得ております。2016年度は受注増に対応すべく成形スピードアップ等生産性向上に努めました。また2017年度設置予定の新規設備には、生産性をさらに改良すべく各種改善案を検討・導入しました。今年度は新規設備の早急な立ち上げを目指します。また独自の塗工・配合技術並びに光学設計技術を活用しスクリーン素材の高輝度化などの性能改善・用途拡大を進め、大きな需要が期待される中国市場への展開を加速してまいります。・UV硬化型OCAスマートフォン等のタッチパネル製品や液晶モニターにて各種部材を貼り合わせるために透明な接着シートOCA(Optical Clear Adhesive)が使用されます。また、液晶モニターをリユースするためにリワーク性が要求されています。従来品が-20℃環境下でのリワークが必要でありましたが、常温でリワークできるUV硬化型OCAを開発し、大型液晶パネル用途に採用され、量産を開始しました。今後大きな需要が期待されます。ディスプレイ材料に係る研究開発費は4億67百万円であります。
FY2016|2,521 文字
6【研究開発活動】当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、主要分野である電子材料分野、産業用構造材料等の電絶・複合材料分野、電気絶縁材料及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大をめざし新技術、新製品の研究開発に邁進しております。電子材料としては、プリント配線板用硝子クロス、特殊プリント配線板用プリプレグ、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料等が、電絶・複合材料としては、水処理関連材料、超伝導関連材料、航空機内装用材料、電気絶縁材料、電子機器関連材料等が、ディスプレイ材料としては、光学機能フィルム、3D(立体表示)関連材料等があげられます。当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は160名であり、当連結会計年度の研究開発費は17億39百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。(1)電子材料分野・FPC材料電子機器がより高機能に進化するなか、電子部品の薄型化・高密度化が急速に進んでおります。FPCを薄型化させるため、従来のポリイミドカバーレイに変わる材料として、感光性カバーレイを上市しております。特徴としては厚さが半減でき、屈曲性に優れ、高精細化が可能な材料に仕上げております。昨年は更に絶縁信頼性向上とユーザーでの加工性をアップした改良タイプを開発し、大手ユーザーの認定を獲得しました。今後の採用拡大が期待されます。LEDの普及に伴い、発光効率向上を目的とした白色カバーレイの採用が進んでいます。光反射効率を落とさずに更なる薄膜化を達成し、モバイル用途のみならず、車載用途としてもユーザー評価が進んでおります。・放熱材料各種電子部品の高密度化・高性能化に伴い、ICやパワー部品からの発熱量も増加傾向にあり、より効率的な放熱性能が要求されています。当社では1~7W/m・Kの放熱特性を持つ層間接着絶縁シートのラインナップが完了しておりましたが、昨年、更に高放熱グレードの10W/m・Kタイプを、新たラインナップに加えることができました。現在、車載用や産業機器用パワーモジュール用途での採用を目指し、サンプルワークを行なっております。電子材料に係る研究開発費は8億80百万円であります。(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野・超伝導コイル用絶縁被覆材核融合による電力エネルギーは核廃棄物を放出しないことから、アメリカ、EU、ロシア、中国そして日本が国際協力してフランスに核融合炉の建設を進めております。核融合の絶縁部材は、耐中性子線性に加えて封入樹脂との良好な真空含浸性、そして核融合コイルへの巻き付け追従性が求められます。開発したポリイミド/ガラスクロス貼合せ絶縁テープは、これらの要求を満足し核融合炉の長軸方向のトロイダルコイル(TFコイル)の絶縁部材として認定され流動を開始しました。TFコイルでの知見を生かして周方向に配されるポロイダルコイル(PFコイル)向に耐中性子線性を最適化した絶縁テープの開発を進めております。2016年の認定、流動を目指しております。・海水淡水化向エネルギー変換器用圧力容器近年、海水淡水化プラントでは既設のプラントに効率良く海水を送るエネルギー変換の技術が進んでいます。逆浸透膜とは別の圧力容器に海水を溜めておき、淡水化の過程で生ずる濃海水の残留圧力を利用して海水を逆浸透膜へ送り込むものです。残留圧力を利用するため高圧ポンプの大きな電力を必要とせずに海水送水量を1.5倍に向上できます。逆浸透膜の圧力容器は圧力がかかったままとなりますが、エネルギー変換用の圧力容器は7MPaの加圧と0MPaの除圧を1分間に5回繰り返すため高い耐疲労性が求められます。開発したFRP製圧力容器は加圧除圧の繰り返しを20年間続けても疲労破壊しないことが解析で明らかになり、実際のプラントでも5年間、水漏れや疲労破壊なく運転を続けております。この実績が評価され2016年度に量産受注があり今後の受注拡大が期待されます。複合材料に係る研究開発費は3億73百万円であります。(3)ディスプレイ材料分野・3Dディスプレイ材料当社の3Dフィルター「Xpol®」を使用する3Dシステムは、高い信頼性と3D特性を有しており、特に医療分野から注目されております。2015年度は次世代3Dディスプレイとして期待されている4K2K-3Dモニターの開発を完了し、量産を開始しました。2016年度は高精細・高画質を両立するために新たな技術を確立し、今年度も医療分野を中心に国内・国外ユーザーのさらなる新規採用に向け注力してまいります。・スクリーン材料当社のプリズムスクリーンは超短焦点プロジェクター用に最適設計されており、優れたコントラストと視野角特性を有していることから、ユーザー各社から高い評価を得ております。2015年度は大型設備の安定稼動を実現し、120インチの超大型パネルスクリーンの販売を開始しました。今年度は独自の塗工・配合技術を活用しスクリーン素材の高輝度化などの性能改善に取り組み、大きな需要が期待される中国市場への展開を加速し売上増を目指してまいります。・UV硬化型OCA近年、スマートフォン等のタッチパネル製品や液晶モニターにはオプティカル・ボンディング技術の採用が拡大しております。当社ではオプティカル・ボンディング用に好適なUV硬化型OCA(Optical Clear Adhesive)を上市しておりますが、更に車載用途で使用可能な高耐久タイプ、及び常温環境でも剥離が可能な常温リワークタイプを開発し、ラインナップに追加しました。既に各社で材料認定を得ており、今年度からの量産流動が期待されます。ディスプレイ材料に係る研究開発費は4億20百万円であります。