事業の概要
- 多角的な材料製造販売有沢製作所グループは、当社と12の子会社で構成され、電子材料、産業用構造材料、電気絶縁材料、ディスプレイ材料という幅広い分野の製品を製造・販売しています。これにより、特定の産業に依存しない安定した収益基盤を築こうとしています。
- サプライチェーン統合型ビジネスプリント配線板用材料や水処理用FRP製圧力容器など、主要製品の製造から販売までを一貫してグループ内で行っています。子会社が原材料の製造を担うことで、品質管理を徹底し、効率的な供給体制を構築しています。
- 関連事業による付加価値主要な材料製造・販売に加え、関連商品の販売、物流サービス、さらにはゴルフ練習場の経営といった多岐にわたる事業活動を展開しています。これにより、本業を補完し、グループ全体の収益機会を拡大しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電子材料事業売上高314.77億円、営業利益28.54億円と、グループの稼ぎ頭であり、最も規模の大きい事業です。フレキシブル・リジットプリント配線板用材料やプリント配線板用ガラスクロスなどを製造・販売しており、情報機器や電子部品メーカーが主な顧客です。
- 産業用構造材料事業売上高106.16億円、営業利益17.62億円を計上しており、水処理用FRP製圧力容器、航空機用ハニカムパネル、プリプレグなどを手掛けています。国内外の子会社が製造・販売を担い、幅広い産業分野に貢献しています。
- ディスプレイ材料事業売上高49.14億円、営業利益17.29億円と、売上規模は小さいものの、高い営業利益率を誇る事業です。3D表示フィルターや偏光利用部材などを製造・販売しており、ディスプレイ関連市場の成長を取り込むことを目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectronicMaterialsSegment | 事業 | 315 | 29 | 9.1% |
| IndustrialApplicationStructuralMaterialsSegment | 地域 | 106 | 18 | 16.6% |
| ElectricInsulationMaterialsSegment | 事業 | 25 | 2 | 6.9% |
| DisplayMaterialsSegment | 事業 | 49 | 17 | 35.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社12社で構成され、電子材料、産業用構造材料、電気絶縁材料、ディスプレイ材料を製造・販売しております。さらに各事業に関連する商品の販売、物流及びその他のサービスの事業活動を展開しております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)電子材料電子材料として使用されるフレキシブル及びリジットプリント配線板用材料等は当社が製造・販売を行い、プリント配線板用ガラスクロスは子会社のアリサワファイバーグラス㈱が製造しております。フレキシブルプリント配線板用材料等については、子会社の新揚科技股份有限公司においても当該製品の製造・販売を行っております。また、リジットプリント配線板は子会社の㈱サトーセンが製造・販売を行っております。(2)産業用構造材料産業用構造材料として使用される水処理用FRP製圧力容器は当社、子会社のProtec Arisawa Europe, S.A.及びProtec Arisawa America, Inc.が、航空機用ハニカムパネル及びプリプレグ等は当社が、引抜成形品等は子会社の有沢総業㈱がそれぞれ製造・販売を行っております。なお、㈱プロテックインターナショナルホールディングスは、水処理用FRP製圧力容器による水処理事業を行う子会社の持株会社として、各社の経営管理を行っております。(3)電気絶縁材料電気絶縁材料として使用されるガラスクロス・テープは子会社のアリサワファイバーグラス㈱が製造し当社が販売を行っております。また、電気絶縁用プリプレグ等は当社が製造・販売を行うほか、子会社の有沢総業㈱及び有沢樹脂工業㈱が製造を行っております。(4)ディスプレイ材料ディスプレイ材料として使用される3D表示フィルター等は当社が製造・販売を行い、子会社のカラーリンク・ジャパン㈱が偏光利用部材の製造・販売を行っております。(5)その他の事業上記(2)、(3)の関連商品を当社で販売しております。また、子会社の有沢総業㈱が物流業務及びゴルフ練習場の経営を行っております。以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(事業系統図)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 FPC材料、水処理用FRP製圧力容器、航空機用ハニカムパネル、3D表示フィルター等の製造技術。 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:製品需要の変動 / 特定の電子材料分野への依存 / 新規事業展開の進捗
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
有沢製作所は、特に高機能性ポリマー分野において、長年の研究開発で培われた独自の配合技術や製造ノウハウを有している可能性がある。しかし、具体的な特許ポートフォリオやブランド認知度に関する公開情報は限定的であり、無形資産としての競争優位性は現時点では弱いと判断される。
スイッチングコスト★★☆☆☆
同社の製品は、特定の産業用途(例:半導体製造装置、自動車部品)向けにカスタマイズされている場合があり、顧客は仕様変更やサプライヤー変更に伴う評価・検証コストを懸念する可能性がある。しかし、代替材料の存在や顧客の調達戦略によっては、スイッチング・コストは限定的とも考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、特定のプラットフォームやコミュニティにおけるネットワーク効果を直接的に活用するものではない。製品の普及や技術標準化による間接的な効果は考えられるが、現時点ではネットワーク効果による競争優位性は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
化学品製造においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響を与える。有沢製作所が特定のニッチ市場で効率的な生産体制を構築している可能性はあるが、業界全体での圧倒的なコスト優位性を示す公開情報は乏しい。原材料価格の変動リスクも存在する。
規模の経済★☆☆☆☆
同社は特定の高機能性ポリマー分野で事業を展開しているが、グローバルな化学メーカーと比較すると事業規模は小さい。業界全体で見た場合、寡占化が進んでいるとは言えず、規模の経済による明確な競争優位性は現時点では限定的である。
- 多様な材料技術と製品群電子材料、産業用構造材料、電気絶縁材料、ディスプレイ材料といった幅広い分野で製品を提供しており、それぞれの分野で培った多様な材料技術が強みです。これにより、顧客の多様なニーズに対応し、幅広い市場で事業を展開できる基盤を持っています。
- 国内外に広がる生産・販売網水処理用FRP製圧力容器の製造・販売を担うProtec Arisawa Europe, S.A.やProtec Arisawa America, Inc.、フレキシブルプリント配線板用材料を製造する新揚科技股份有限公司など、国内外に子会社を展開しています。これにより、グローバルな市場での供給能力と販売チャネルを確立しています。
- 垂直統合による安定供給プリント配線板用ガラスクロスを子会社のアリサワファイバーグラスが製造するなど、一部の原材料から製品までをグループ内で一貫して手掛ける垂直統合型の生産体制を構築しています。これにより、原材料の安定調達と品質管理を強化し、顧客への安定供給を実現しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、創業以来一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、企業価値の向上を図ってまいりました。近年における市場のグローバル化及びニーズの多様化の急速な進展に伴い、更なる技術の差異化を図るとともに品質と生産性をより一層向上させ、企業価値を創造してまいります。 (1)会社経営の基本方針当社グループは「創造 Create」「革新 Innovate」「挑戦 Challenge」を基本とし、Ⅰ.新たな価値を創造し、顧客満足度を高める。Ⅱ.顧客ニーズを掘り起こし、独創的な技術で新事業を創出する。Ⅲ.品質と生産性を向上させ、企業体質を強化する。Ⅳ.社会・環境課題に取り組み、持続的な成長を実現する。を経営方針としています。この経営方針の下、顧客の皆様から寄せられた期待値を少しでも上回り、皆様に「驚きと喜び」を粘り強く提供し続けることを通じて、社会の発展に貢献してまいります。(2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは人材を活かし、社会・環境課題に取り組み、事業と財務の両面から企業価値を高めることを目指しています。事業戦略では、独自技術を用いた差異化製品の開発によって新たな価値を創出し、既存事業の深掘りと新規事業の創出を進めて収益力の強化を図り、ROIC8%以上、ROE10%以上を達成することを目指しています。各事業セグメントでは、以下の事業戦略を実行します。・電子材料においては、独自の樹脂配合と塗工技術を駆使し、高機能材料を開発することにより成長を目指します。具体的には、半導体/データセンター、モバイル通信端末、次世代コンピューティング及び次世代モビリティ分野を中心に新製品開発と事業拡大を進めます。・産業用構造材料及び電気絶縁材料においては、差異化製品投入によりモビリティ、エネルギー分野の事業化を加速していきます。具体的には、水処理プラント、燃料電池、航空機内装材、次世代電池、水素エネルギー事業分野並びに環境配慮型製品など個性あふれる製品を開発し、更なる成長を目指します。・ディスプレイ材料においては、新製品の開発を通じてデジタル社会の更なる発展に貢献します。具体的には、産業インフラ用途、医療機器及び次世代コンピューティング分野において新製品の拡販を図ります。財務戦略では、将来キャッシュフローを生み出す事業への成長投資を行うとともに積極的な株主還元を行い、資本構成の最適化を探究しつつ、資本効率を向上させていきます。また、社会・環境問題に対して積極的に取り組むことが、企業活動に必須の要件であると認識し、①脱炭素社会への貢献(2030年までにカーボンニュートラルを達成、省エネルギー・省資源の推進、再生可能エネルギーへの代替、環境負荷低減材料の提供)、②多様な人材の育成と働きがいの向上(個人の自律性と組織の一体感向上、次世代を担う人材の育成、全ての社員が活き活きと働ける会社)、③循環型経済の推進(排出物の削減、持続可能なサプライチェーンの構築、化学物質の安全性確保)、④ガバナンスの充実(高い倫理観のある組織、リスクマネジメントの強化)の4つを重要課題(マテリアリティ)と特定しました。業務執行取締役を委員長とするESG委員会において各重要課題に対して目指す姿を明確にし、改善・解決に向けて取り組んでいます。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、上述の経営戦略をより早期かつ確実に達成するため、今後対処すべき課題として次のことを推進します。・当社独自の管理技術、固有技術を磨き、品質・コストの競争力強化を進めます。・製造・販売・技術各部門の連携を強化し、効率的に事業を運営します。・グループ会社との協働を推進し、新用途・分野の開拓を積極的に進めます。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、ROIC及びROEを経営指標としております。2025年5月に策定した第二次中期経営計画では、2030年3月期でROIC8%以上、ROE10%以上を目標としております。なお、2026年3月期の実績はROIC6.8%、ROE10.1%となりました。(5)気候変動への取組み近年の異常気象の増加や甚大化など、気候変動に起因する影響は地球規模で深刻化しております。当社グループは、化学品などを原料として製品を製造するメーカーとして、直面する気候変動の問題を重要な経営課題の一つと認識しております。環境保全活動については、環境方針に則り、電気・ガス使用量、有害化学物質、産業廃棄物の削減などを進め、環境保全管理委員会で審議し、継続的に改善を図っています。重要事項については取締役会に報告しています。環境問題に関する取り組みは事業リスクを低減するだけではなく、社会の価値創造にもつながるという理念のもと、とりわけ、気候変動については喫緊の課題と捉え、2021年6月に自社の事業活動を通じて発生する温室効果ガス(Scope1、Scope2)の排出量を2030年度に実質ゼロにするカーボンニュートラルの目標を策定し、「カーボンニュートラルへの取り組み」として、その進捗状況を当社ウェブサイトで公表しています。また、当社は2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、具体的な活動内容を当社ウェブサイトで開示しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、創業以来一貫してユーザーニーズにお応えしながら技術革新と製品開発に取り組み、当社独自の「織る、塗る、形づくる」技術を構築し、企業価値の向上を図ってまいりました。近年における市場のグローバル化及びニーズの多様化の急速な進展に伴い、更なる技術の差異化を図るとともに品質と生産性をより一層向上させ、企業価値を創造してまいります。 (1)会社経営の基本方針当社グループは「創造 Create」「革新 Innovate」「挑戦 Challenge」を基本とし、Ⅰ.新たな価値を創造し、顧客満足度を高める。Ⅱ.顧客ニーズを掘り起こし、独創的な技術で新事業を創出する。Ⅲ.品質と生産性を向上させ、企業体質を強化する。Ⅳ.社会・環境課題に取り組み、持続的な成長を実現する。を経営方針としています。この経営方針の下、顧客の皆様から寄せられた期待値を少しでも上回り、皆様に「驚きと喜び」を粘り強く提供し続けることを通じて、社会の発展に貢献してまいります。(2)中長期的な会社の経営戦略当社グループは人材を活かし、社会・環境課題に取り組み、事業と財務の両面から企業価値を高めることを目指しています。事業戦略では、独自技術を用いた差異化製品の開発によって新たな価値を創出し、既存事業の深掘りと新規事業の創出を進めて収益力の強化を図り、ROIC8%以上、ROE10%以上を達成することを目指しています。各事業セグメントでは、以下の事業戦略を実行します。・電子材料においては、独自の樹脂配合と塗工技術を駆使し、高機能材料を開発することにより成長を目指します。具体的には、半導体/データセンター、モバイル通信端末、次世代コンピューティング及び次世代モビリティ分野を中心に新製品開発と事業拡大を進めます。・産業用構造材料及び電気絶縁材料においては、差異化製品投入によりモビリティ、エネルギー分野の事業化を加速していきます。具体的には、水処理プラント、燃料電池、航空機内装材、次世代電池、水素エネルギー事業分野並びに環境配慮型製品など個性あふれる製品を開発し、更なる成長を目指します。・ディスプレイ材料においては、新製品の開発を通じてデジタル社会の更なる発展に貢献します。具体的には、産業インフラ用途、医療機器及び次世代コンピューティング分野において新製品の拡販を図ります。財務戦略では、将来キャッシュフローを生み出す事業への成長投資を行うとともに積極的な株主還元を行い、資本構成の最適化を探究しつつ、資本効率を向上させていきます。また、社会・環境問題に対して積極的に取り組むことが、企業活動に必須の要件であると認識し、①脱炭素社会への貢献(2030年までにカーボンニュートラルを達成、省エネルギー・省資源の推進、再生可能エネルギーへの代替、環境負荷低減材料の提供)、②多様な人材の育成と働きがいの向上(個人の自律性と組織の一体感向上、次世代を担う人材の育成、全ての社員が活き活きと働ける会社)、③循環型経済の推進(排出物の削減、持続可能なサプライチェーンの構築、化学物質の安全性確保)、④ガバナンスの充実(高い倫理観のある組織、リスクマネジメントの強化)の4つを重要課題(マテリアリティ)と特定しました。業務執行取締役を委員長とするESG委員会において各重要課題に対して目指す姿を明確にし、改善・解決に向けて取り組んでいます。(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、上述の経営戦略をより早期かつ確実に達成するため、今後対処すべき課題として次のことを推進します。・当社独自の管理技術、固有技術を磨き、品質・コストの競争力強化を進めます。・製造・販売・技術各部門の連携を強化し、効率的に事業を運営します。・グループ会社との協働を推進し、新用途・分野の開拓を積極的に進めます。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、ROIC及びROEを経営指標としております。2025年5月に策定した第二次中期経営計画では、2030年3月期でROIC8%以上、ROE10%以上を目標としております。なお、2026年3月期の実績はROIC6.8%、ROE10.1%となりました。(5)気候変動への取組み近年の異常気象の増加や甚大化など、気候変動に起因する影響は地球規模で深刻化しております。当社グループは、化学品などを原料として製品を製造するメーカーとして、直面する気候変動の問題を重要な経営課題の一つと認識しております。環境保全活動については、環境方針に則り、電気・ガス使用量、有害化学物質、産業廃棄物の削減などを進め、環境保全管理委員会で審議し、継続的に改善を図っています。重要事項については取締役会に報告しています。環境問題に関する取り組みは事業リスクを低減するだけではなく、社会の価値創造にもつながるという理念のもと、とりわけ、気候変動については喫緊の課題と捉え、2021年6月に自社の事業活動を通じて発生する温室効果ガス(Scope1、Scope2)の排出量を2030年度に実質ゼロにするカーボンニュートラルの目標を策定し、「カーボンニュートラルへの取り組み」として、その進捗状況を当社ウェブサイトで公表しています。また、当社は2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、具体的な活動内容を当社ウェブサイトで開示しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、継続的な物価上昇や米国の通商政策による影響に加え、中東情勢による原材料・エネルギー価格の高騰など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような状況のもと当社グループの当連結会計年度の業績は、ディスプレイ材料が軟調だったものの、主力事業分野である電子材料において、スマートフォン、及び半導体(PC、AIサーバー向けなど)の需要が増加したことに加え、産業用構造材料においても航空機用ハニカムパネル、及び水処理用FRP製圧力容器の売上高が好調に推移したことから、売上高は564億74百万円(前年同期比13.4%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は58億5百万円(前年同期比18.6%増)、経常利益は61億57百万円(前年同期比16.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は49億95百万円(前年同期比25.8%増)となりました。セグメントの業績は次のとおりであります。電子材料電子材料では、フレキシブルプリント配線板用材料(受注高242億5百万円12.9%増、生産高13.9%増、前連結会計年度比較、提出会社単体ベース)、及びプリント配線板用ガラスクロスの売上高が増加したこと等により、売上高は358億82百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は売上高が増加したことから、35億58百万円(前年同期比24.7%増)となりました。産業用構造材料産業用構造材料では、航空機用ハニカムパネル、及び水処理用FRP製圧力容器の売上高が増加したこと等により、売上高は137億31百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント利益は売上高が増加したことから、29億1百万円(前年同期比64.7%増)となりました。電気絶縁材料電気絶縁材料では、インフラ関連向けの売上高が減少したこと等により、売上高は25億46百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は2億64百万円(前年同期比55.5%増)となりました。ディスプレイ材料ディスプレイ材料では、3D関連材料、及び偏光利用部材の売上高が減少したこと等により、売上高は39億73百万円(前年同期比19.1%減)、セグメント利益は8億33百万円(前年同期比51.8%減)となりました。その他(その他の事業分野)その他では、売上高は3億39百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は2億33百万円(前年同期比11.2%増)となりました。②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ14億90百万円減少し、148億80百万円(前年同期比9.1%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は31億44百万円(前年同期比30.9%減)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益65億79百万円、減価償却費24億65百万円等であり、主な資金減少の要因は、売上債権の増加48億38百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は70億90百万円(前年同期比241.4%増)となりました。主な資金減少の要因は、有形固定資産の取得による支出67億93百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は17億48百万円(前年同期は40億86百万円の支出)となりました。主な資金増加の要因は、短期借入金の増加59億56百万円であり、主な資金減少の要因は、配当金の支払32億58百万円であります。③生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び受注実績当社グループ(当社及び連結子会社 以下同様)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)電子材料(百万円)35,88214.0産業用構造材料(百万円)13,73129.3電気絶縁材料(百万円)2,5463.7ディスプレイ材料(百万円)3,973△19.1報告セグメント計(百万円)56,13413.5その他(百万円)339△3.3合計(百万円)56,47413.4(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、販売実績の割合が100分の10以上となる相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度は、主力の電子材料関連を中心に生産能力の向上及び拡大に向けた設備投資を行い、既存事業の継続的成長に取り組んでまいりました。同時に、各セグメントで市場の変化を先取りした新製品の開発を行い、市場拡大と当社グループの成長を促す挑戦を続けております。当社グループの主力製品である電子材料は、多機能携帯端末向けに子会社の新揚科技股份有限公司を含め受注を拡大し、グループ全体の支えとなりました。産業用構造材料、電気絶縁材料及びディスプレイ材料につきましては、更なる成長を期待しており、継続して新規開発と収益力強化を行う考えであります。当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の分析は、次のとおりであります。 a.財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末の総資産は810億39百万円(前連結会計年度末は717億36百万円)となり、93億2百万円(13.0%)の増加となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が52億32百万円、原材料及び貯蔵品が10億69百万円、有形固定資産が48億76百万円それぞれ増加し、現金及び預金が16億20百万円減少したこと等によるものであります。(負債の部)当連結会計年度末における負債合計は303億51百万円(前連結会計年度末は231億77百万円)となり、71億73百万円(31.0%)の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が10億43百万円、短期借入金が60億62百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。(純資産の部)当連結会計年度末における純資産合計は506億88百万円(前連結会計年度末は485億59百万円)となり、21億28百万円(4.4%)の増加となりました。主な要因は、利益剰余金が17億30百万円、為替換算調整勘定が9億43百万円それぞれ増加し、自己株式が7億5百万円増加(純資産は減少)したこと等によるものであります。b.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、564億74百万円(前連結会計年度は498億15百万円)と66億58百万円13.4%の増収となりました。また、売上原価につきましては、430億56百万円(前連結会計年度は381億94百万円)と48億62百万円の増加となりましたが、徹底したコスト削減に努め、売上原価率は76.2%と0.5ポイントの改善となりました。これにより、売上総利益は134億17百万円(前連結会計年度は116億21百万円)となり、17億96百万円の増益となりました。売上総利益率は23.8%と0.5ポイント増加しております。(営業損益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、76億12百万円(前連結会計年度は67億28百万円)と8億83百万円の増加となりましたが、売上原価と同様に徹底したコスト削減に努め、販売費及び一般管理費率は前連結会計年度と同等の13.5%となりました。これにより、営業利益は58億5百万円(前連結会計年度は48億93百万円)となり、9億12百万円の増加となりました。営業利益率は10.3%と0.5ポイント増加しております。(経常損益)当連結会計年度における営業外損益は3億52百万円の利益(前連結会計年度は3億74百万円の利益)と21百万円の減少となりました。主な減少要因は、為替差益が90百万円減少したこと等によるものです。これにより、経常利益は61億57百万円(前連結会計年度は52億67百万円)となり、8億90百万円の増加となりました。経常利益率は10.9%と0.3ポイント増加しております。(税金等調整前当期純損益)当連結会計年度における特別損益は4億21百万円の利益(前連結会計年度は4百万円の損失)と4億25百万円の増加となりました。主な増加要因は、投資有価証券売却益が1億4百万円増加し、負ののれん発生益1億68百万円を計上、助成金収入1億64百万円を計上したこと等によるものです。これにより、税金等調整前当期純利益は65億79百万円(前連結会計年度は52億63百万円)となり、13億16百万円の増加となりました。税金等調整前当期純利益率は11.7%と1.1ポイント増加しております。(親会社株主に帰属する当期純損益)当連結会計年度における法人税等は15億83百万円(前連結会計年度は12億93百万円)となり、2億89百万円の増加となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は49億95百万円(前連結会計年度は39億69百万円)となり、10億26百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益率は8.8%と0.8ポイント増加しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。(キャッシュ・フローの指標) 前連結会計年度(2025年3月期)当連結会計年度(2026年3月期)自己資本比率(%)67.762.5時価ベースの自己資本比率(%)64.191.7キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.24.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)23.217.3(注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値に基づいております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。※キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。 a.資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。設備投資等の資本形成に関わる資金については、調達コストやリスク分散などを勘案しながら自己資金及び金融機関からの長期借入による調達を基本としております。また、資金運用の効率化と金融リスクの低減及び支払利息の削減を図るため、当社グループにおいて、グループファイナンスを進めております。 b.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営財務目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。a.貸倒引当金当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。b.繰延税金資産の回収可能性の評価当社グループは、税効果会計の適用にあたり繰延税金資産については、その回収可能性を合理的に見積り、評価性引当額を控除して計上しております。繰延税金資産の回収可能性は有税項目の将来の無税処理の可能性や将来の収益力に基づく将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。c.有価証券及び投資有価証券の減損当社グループは、有価証券及び投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。保有する有価証券につき、市場価格のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。当社グループでは有価証券及び投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化又は投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。d.固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、独立してキャッシュ・フローを生み出す事業単位を基準にして固定資産をグルーピングしております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を減損損失として認識しております。将来、新たに資産グループの回収可能額が低下した場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。この適用により、当連結会計年度においては提出会社の製造設備について減損損失1,759千円を特別損失として計上しました。e.棚卸資産の評価当社グループは、棚卸資産について正味売却価額が簿価を下回った場合に簿価の切下げを行っております。また、一定期間以上滞留が認められる棚卸資産については、販売の実現可能性が低下しつつあると仮定し、期間の経過に応じ規則的に簿価を切り下げる方法で早期に償却を行っております。さらに、販売が困難と認められる場合などには、個別に簿価の切下げも実施しております。正味売却価額は、販売実績等を基礎として見積っているため、将来の市場環境の変化や販売見込みの相違によっては、棚卸資産の評価損に重要な影響を及ぼす可能性があります。
事業リスク
- 製品需要の変動リスク主要顧客が情報機器メーカーや電子部品メーカーであるため、電子機器全体の需要変動が直接的に経営成績に影響を及ぼす可能性があります。市場のトレンド変化や景気変動によって、製品の売上が大きく減少するリスクがあります。
- 特定の事業分野への依存売上高が電子材料分野に大きく依存しているため、この分野の市場環境が悪化したり、競争が激化したりした場合、グループ全体の経営成績に深刻な影響を与えるおそれがあります。事業ポートフォリオのバランスが課題となる可能性があります。
- 原材料価格の高騰リスク原油や銅などの原材料価格が著しく高騰した場合、製品の製造コストが増加し、収益性が悪化する可能性があります。原材料の調達コスト上昇を販売価格に転嫁できない場合、利益を圧迫するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 製品需要の変動について当社グループが製造・販売する製品の主なユーザーは、情報機器メーカー、電子部品メーカー、産業用電子機器メーカー等であり、これら電子機器の需要変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (2) 特定の製品への依存について当社グループの売上高は、電子材料分野への依存度が高くなっております。当分野の売上が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (3) 新規事業の展開について当社グループは、種々の新規事業の立上げを図っておりますが、その進捗状況によっては、経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (4) 原材料の調達について当社グループが購入する原材料において、原油や銅価の高騰により購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (5) 災害による影響について当社グループの生産拠点は、その多くが新潟県上越市に集中しており、地震その他の災害が発生した場合には、生産活動の中断等により当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (6) 環境に関する規制について当社グループの事業は、様々な環境保全やその他の法的規制のもとにあります。これらの環境保全やその他の規制の遵守に伴い甚大な債務や義務が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。(7) 情報セキュリティに関するリスクについて当社グループは、事業遂行上の技術情報や個人情報等の機密情報を保有するとともに、生産・販売・会計等の事業活動の多くは各種情報システムを利用しています。災害やサイバー攻撃、不正アクセス等により、これらの情報の漏洩や情報システムに予期せぬ障害が発生し、業務が停止した場合、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 新型感染症に関するリスクについて重大な新型感染症が発生・感染拡大した場合には、サプライチェーンや生産活動の混乱、国内経済や市場への悪影響などにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。当社グループはステークホルダーの皆様の安全・健康を最優先とし、状況に応じた感染防止策を徹底するとともに、テレビ会議システムの有効活用、テレワーク(在宅勤務)の実施、サテライトオフィスの利用等を実施しております。