経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションとして掲げております。このミッションに基づき、学習塾を中心とする教育事業者等の講師等が煩雑なバックオフィス業務に追われることなく本来の目的である「教える」に専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として開発・運営を行っております。なお、当社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」というミッションの実現に向けて、人員を増強して組織体制を整備するとともに、情報管理体制を強化し、「Comiru」及び「BIT CAMPUS」の安全性を担保する仕組みの改善、業界他社との連携等を通じて、同分野におけるサービス強化、新規事業の開発等に取り組んでいく方針であります。 (2)経営環境と経営戦略① 経営環境教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者等が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。国立教育政策研究所が2019年12月に発表した調査によると、日本の学校教育の授業におけるICT(注1)の活用率はOECD諸国の中で最下位と極めて活用率が低い実態が明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、パソコンやタブレットを利用したオンライン学習が普及し、政府のGIGAスクール構想によりICT教材の導入が進んでいます。このような変化の中、株式会社船井総合研究所が2021年10月に行った調査では、民間教育の業務管理市場のポテンシャル(ユーザーがICTを使用した場合の最大市場規模。以下同じ。)が500億円程度、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度、民間教育及び学校教育におけるICT市場全体の市場のポテンシャルが3,500億円を超えると算出されています。特に、生徒数1,000名以下の中小塾等では、バックオフィス業務の多くがエクセルを用いたアナログ作業に依存しており、システム導入による効率化の余地が大きく、今後の普及率上昇に伴い、高い成長が見込まれます。なお、学習塾以外の教育業界においても、同様の傾向がみられるため、当社は、クラウド型学習塾向け業務管理システムの市場におけるリーディングカンパニー(注2)として、市場を引き続き牽引する役割を果たすことが重要であると認識しております。このような事業環境の中、当社は、中核サービスである「Comiru」を成長の牽引役として位置づけ、既存のサービスラインナップを含めた教育業界全体のDXを推進しております。当事業年度における「Comiru」の売上高は総売上高の約90%を占めており、当社の収益基盤を支えております。販売網については、「Comiru」売上高の97%を自社による直販で展開しており、特定の販売パートナーに依存しない安定した直接販売体制を構築しております。この体制により、顧客ニーズを迅速かつ正確に製品開発へ反映できることが、当社の強力な競争優位性の源泉となっております。顧客基盤については、学習塾が最大の収益源となっております。主力サービス「Comiru」及び既存サービス等を含めた学習塾を対象とする売上高は、総売上高の約90%を占めており、強固な事業基盤を形成しております。一方で、学習塾市場で培った高い利便性と汎用性を武器に、英会話教室、プログラミング教室、スポーツスクール等の習い事市場や、学校法人向けへの展開も着実に進めており、収益基盤の多様化を図っております。今後の成長に向けて、さらなる機能拡充に加え、業務提携や新サービスの開発等、新領域への積極的な展開を行っていくことで、教育業界における不可欠なインフラとしての地位を確立し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。② 経営戦略a. 顧客基盤の更なる拡大当社は、主力サービス「Comiru」を中心に、教育事業者等のDX支援を通じた強固な顧客基盤の構築を推進しております。当事業年度末における有料契約企業数は1,939社(前事業年度比14.8%)であり、創業以来、拡大トレンドを継続しました。顧客獲得施策においては、デジタルマーケティングやインサイドセールスの高度化に加え、当期は自社初となる大規模カンファレンス「ComiruDay」を開催しました。こうした取り組みは、ユーザー間の成功事例共有を促すコミュニティの形成に繋がり、既存顧客のロイヤリティ向上と、紹介案件の増加による顧客獲得コスト(CAC)の抑制を両立させております。また、中核の学習塾市場に加え、英会話・音楽教室等の習い事全般への展開が加速しております。今後は、教育業界における多角的なタッチポイントを活かし、潜在的なTAM(獲得可能な最大市場規模)へのアクセスを深めることで、ネットワーク外部性を伴った非連続な成長を目指してまいります。 (有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)分類名生徒規模数(注1)事業年度第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期大手塾5,000人以上2024年10月期121417172025年10月期17191919中堅塾300~5,000人2024年10月期78821071092025年10月期110113113119個人塾300人未満2024年10月期1,1771,2211,3671,4042025年10月期1,4211,4531,5031,515その他習い事-2024年10月期821061431592025年10月期183221255286合計2024年10月期1,3491,4231,6341,6892025年10月期1,7311,8061,8901,939(注)1.当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。2.上記内訳の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの有料契約企業が含まれております。3.上記大手塾の数値には、有料課金が開始されていない基幹システム等の開発工程の段階の顧客(2社)は含まれておりません。b. 顧客価値の最大化当社は、顧客のライフタイム価値(LTV)の最大化を重要戦略と位置づけ、プロダクトの多機能化と周辺領域へのサービス拡張を推進しております。当事業年度においては、新規顧客獲得の加速に伴う顧客構成の変化(小規模・中規模層の拡大)により、ARPU(1顧客当たり平均売上高)は一時的に軟化いたしましたが、高単価領域である大手教育事業者等向け「ComiruPRO」や「ComiruERP(注3)」の導入、及び基幹システム連携等のソリューション提案が奏功し、エンタープライズ領域でのシェアを拡大させました。また、当期より本格始動した「ComiruPay」は、教育現場の基幹オペレーションである決済・請求業務を垂直統合することで、顧客の利便性を高めると同時に、高いスイッチング・コストを構築し、将来的なARPUの底上げに寄与するクロスセル基盤の確立を目指しております。今後は、バックオフィス支援や保護者コミュニケーション領域での利便性をさらに追求し、システムパートナーの領域を超えて、顧客企業の経営課題を解決する総合プラットフォーマーとしての価値を高め、さらに、拡張性の高いプロダクト主導の収益モデルへと段階的にシフトしていくことで、開発および運用の効率性を高め、持続的な成長と安定的な収益構造の両立を実現してまいります。(注)1.「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報・通信に関する技術の総称です。2.デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した「ミックITリポート2021年2月号 高成長続くクラウド型学習塾向け業務管理システムの市場動向」において、当社「Comiru」が、クラウド型学習塾向け業務管理システムにおける導入教室数No.1を獲得しました。3.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、より多くの教育事業者等のバックオフィスの業務効率化に寄与し、講師等の「教える時間」を捻出することで、生徒の学習効果向上及び満足度向上、ひいては教育事業者等の企業価値最大化に貢献する思いであります。そのため、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な経営指標として設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。 項目事業年度第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期有料契約企業数(社)2024年10月期1,3491,4231,6341,6892025年10月期1,7311,8061,8901,939課金生徒ID数(千ID)2024年10月期3543604264442025年10月期459453485505ARPU(円)2024年10月期51,51649,61554,47654,3652025年10月期55,16050,85852,06151,816ARR(千円)2024年10月期833,954847,2281,068,1731,101,8622025年10月期1,145,7801,102,2021,180,7381,205,649広告宣伝費/売上高比率(%)2024年10月期4.24.25.04.52025年10月期3.23.93.84.9顧客の解約率(%) 2024年10月期0.40.50.40.42025年10月期0.40.50.60.6売上総利益(千円)2024年10月期171,835352,306559,409797,5922025年10月期263,010527,416781,2071,044,392営業利益率(%)2024年10月期5.35.03.96.82025年10月期18.417.215.912.6(注)1.「課金生徒ID単価」は、当事業年度より営業戦略上の観点から非公開としております。2.上記経営指標の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの実績が含まれております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 組織体制の整備当社の継続的な事業成長の実現に向けて、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。② 情報管理体制の強化当社は、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や生徒情報、保護者情報等の個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。③ サービスラインナップの拡充及び事業提携による領域拡大現在、当社の収益基盤は「Comiru」サービスが中核をなしておりますが、更なる顧客単価の向上と収益機会の拡大を実現するため、重点領域への展開を加速いたします。既存の学習塾領域においては、大手事業者向けに「ComiruPRO」とカスタマイズ開発を組み合わせたパッケージ提案を強化し、高付加価値サービスの提供を推進します。加えて、「ComiruERP」の導入促進や、「ComiruPay」による請求・決済機能の強化を通じて、顧客の業務フローにおける当社サービスの占有率を高めてまいります。また、周辺領域への展開にあたっては、自社開発に留まらず、学習塾・スクール運営を支援するシステム事業者や、人材採用・集客支援等の周辺ソリューションを展開する事業者との業務提携やM&A等の活用も視野に入れ、非連続的なスピードで市場開拓を推し進めてまいります。④ 中長期的な企業価値最大化に向けた投資方針当社は、新規上場した2022年11月以降、安定的な黒字経営により構築した財務基盤を背景に、更なる事業拡大を目指しております。市場シェアの拡大及びストック収益の積み上げこそが企業価値向上の源泉であると考え、規律ある先行投資を継続する方針です。具体的には、来期(2026年10月期)においても、サービス競争力の強化及びシステム基盤の堅牢化に向けた開発投資、認知拡大及び顧客獲得のためのマーケティング投資を積極的に実施いたします。これにより、短期的には利益水準が変動する可能性がありますが、投資対効果を慎重に見極めた上での判断であり、将来にわたるフリー・キャッシュ・フローの最大化に資するものと考えております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションとして掲げております。このミッションに基づき、学習塾を中心とする教育事業者等の講師等が煩雑なバックオフィス業務に追われることなく本来の目的である「教える」に専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として開発・運営を行っております。なお、当社は「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」というミッションの実現に向けて、人員を増強して組織体制を整備するとともに、情報管理体制を強化し、「Comiru」及び「BIT CAMPUS」の安全性を担保する仕組みの改善、業界他社との連携等を通じて、同分野におけるサービス強化、新規事業の開発等に取り組んでいく方針であります。 (2)経営環境と経営戦略① 経営環境教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者等が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。国立教育政策研究所が2019年12月に発表した調査によると、日本の学校教育の授業におけるICT(注1)の活用率はOECD諸国の中で最下位と極めて活用率が低い実態が明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、パソコンやタブレットを利用したオンライン学習が普及し、政府のGIGAスクール構想によりICT教材の導入が進んでいます。このような変化の中、株式会社船井総合研究所が2021年10月に行った調査では、民間教育の業務管理市場のポテンシャル(ユーザーがICTを使用した場合の最大市場規模。以下同じ。)が500億円程度、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度、民間教育及び学校教育におけるICT市場全体の市場のポテンシャルが3,500億円を超えると算出されています。特に、生徒数1,000名以下の中小塾等では、バックオフィス業務の多くがエクセルを用いたアナログ作業に依存しており、システム導入による効率化の余地が大きく、今後の普及率上昇に伴い、高い成長が見込まれます。なお、学習塾以外の教育業界においても、同様の傾向がみられるため、当社は、クラウド型学習塾向け業務管理システムの市場におけるリーディングカンパニー(注2)として、市場を引き続き牽引する役割を果たすことが重要であると認識しております。このような事業環境の中、当社は、中核サービスである「Comiru」を成長の牽引役として位置づけ、既存のサービスラインナップを含めた教育業界全体のDXを推進しております。当事業年度における「Comiru」の売上高は総売上高の約90%を占めており、当社の収益基盤を支えております。販売網については、「Comiru」売上高の97%を自社による直販で展開しており、特定の販売パートナーに依存しない安定した直接販売体制を構築しております。この体制により、顧客ニーズを迅速かつ正確に製品開発へ反映できることが、当社の強力な競争優位性の源泉となっております。顧客基盤については、学習塾が最大の収益源となっております。主力サービス「Comiru」及び既存サービス等を含めた学習塾を対象とする売上高は、総売上高の約90%を占めており、強固な事業基盤を形成しております。一方で、学習塾市場で培った高い利便性と汎用性を武器に、英会話教室、プログラミング教室、スポーツスクール等の習い事市場や、学校法人向けへの展開も着実に進めており、収益基盤の多様化を図っております。今後の成長に向けて、さらなる機能拡充に加え、業務提携や新サービスの開発等、新領域への積極的な展開を行っていくことで、教育業界における不可欠なインフラとしての地位を確立し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。② 経営戦略a. 顧客基盤の更なる拡大当社は、主力サービス「Comiru」を中心に、教育事業者等のDX支援を通じた強固な顧客基盤の構築を推進しております。当事業年度末における有料契約企業数は1,939社(前事業年度比14.8%)であり、創業以来、拡大トレンドを継続しました。顧客獲得施策においては、デジタルマーケティングやインサイドセールスの高度化に加え、当期は自社初となる大規模カンファレンス「ComiruDay」を開催しました。こうした取り組みは、ユーザー間の成功事例共有を促すコミュニティの形成に繋がり、既存顧客のロイヤリティ向上と、紹介案件の増加による顧客獲得コスト(CAC)の抑制を両立させております。また、中核の学習塾市場に加え、英会話・音楽教室等の習い事全般への展開が加速しております。今後は、教育業界における多角的なタッチポイントを活かし、潜在的なTAM(獲得可能な最大市場規模)へのアクセスを深めることで、ネットワーク外部性を伴った非連続な成長を目指してまいります。 (有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)分類名生徒規模数(注1)事業年度第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期大手塾5,000人以上2024年10月期121417172025年10月期17191919中堅塾300~5,000人2024年10月期78821071092025年10月期110113113119個人塾300人未満2024年10月期1,1771,2211,3671,4042025年10月期1,4211,4531,5031,515その他習い事-2024年10月期821061431592025年10月期183221255286合計2024年10月期1,3491,4231,6341,6892025年10月期1,7311,8061,8901,939(注)1.当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。2.上記内訳の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの有料契約企業が含まれております。3.上記大手塾の数値には、有料課金が開始されていない基幹システム等の開発工程の段階の顧客(2社)は含まれておりません。b. 顧客価値の最大化当社は、顧客のライフタイム価値(LTV)の最大化を重要戦略と位置づけ、プロダクトの多機能化と周辺領域へのサービス拡張を推進しております。当事業年度においては、新規顧客獲得の加速に伴う顧客構成の変化(小規模・中規模層の拡大)により、ARPU(1顧客当たり平均売上高)は一時的に軟化いたしましたが、高単価領域である大手教育事業者等向け「ComiruPRO」や「ComiruERP(注3)」の導入、及び基幹システム連携等のソリューション提案が奏功し、エンタープライズ領域でのシェアを拡大させました。また、当期より本格始動した「ComiruPay」は、教育現場の基幹オペレーションである決済・請求業務を垂直統合することで、顧客の利便性を高めると同時に、高いスイッチング・コストを構築し、将来的なARPUの底上げに寄与するクロスセル基盤の確立を目指しております。今後は、バックオフィス支援や保護者コミュニケーション領域での利便性をさらに追求し、システムパートナーの領域を超えて、顧客企業の経営課題を解決する総合プラットフォーマーとしての価値を高め、さらに、拡張性の高いプロダクト主導の収益モデルへと段階的にシフトしていくことで、開発および運用の効率性を高め、持続的な成長と安定的な収益構造の両立を実現してまいります。(注)1.「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報・通信に関する技術の総称です。2.デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社が発行した「ミックITリポート2021年2月号 高成長続くクラウド型学習塾向け業務管理システムの市場動向」において、当社「Comiru」が、クラウド型学習塾向け業務管理システムにおける導入教室数No.1を獲得しました。3.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、より多くの教育事業者等のバックオフィスの業務効率化に寄与し、講師等の「教える時間」を捻出することで、生徒の学習効果向上及び満足度向上、ひいては教育事業者等の企業価値最大化に貢献する思いであります。そのため、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な経営指標として設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。 項目事業年度第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期有料契約企業数(社)2024年10月期1,3491,4231,6341,6892025年10月期1,7311,8061,8901,939課金生徒ID数(千ID)2024年10月期3543604264442025年10月期459453485505ARPU(円)2024年10月期51,51649,61554,47654,3652025年10月期55,16050,85852,06151,816ARR(千円)2024年10月期833,954847,2281,068,1731,101,8622025年10月期1,145,7801,102,2021,180,7381,205,649広告宣伝費/売上高比率(%)2024年10月期4.24.25.04.52025年10月期3.23.93.84.9顧客の解約率(%) 2024年10月期0.40.50.40.42025年10月期0.40.50.60.6売上総利益(千円)2024年10月期171,835352,306559,409797,5922025年10月期263,010527,416781,2071,044,392営業利益率(%)2024年10月期5.35.03.96.82025年10月期18.417.215.912.6(注)1.「課金生徒ID単価」は、当事業年度より営業戦略上の観点から非公開としております。2.上記経営指標の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの実績が含まれております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 組織体制の整備当社の継続的な事業成長の実現に向けて、多様なバックグラウンドをもった優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると認識しております。積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。② 情報管理体制の強化当社は、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や生徒情報、保護者情報等の個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。今後も社内教育・研修の実施のほか、システムの強化・整備を実施してまいります。③ サービスラインナップの拡充及び事業提携による領域拡大現在、当社の収益基盤は「Comiru」サービスが中核をなしておりますが、更なる顧客単価の向上と収益機会の拡大を実現するため、重点領域への展開を加速いたします。既存の学習塾領域においては、大手事業者向けに「ComiruPRO」とカスタマイズ開発を組み合わせたパッケージ提案を強化し、高付加価値サービスの提供を推進します。加えて、「ComiruERP」の導入促進や、「ComiruPay」による請求・決済機能の強化を通じて、顧客の業務フローにおける当社サービスの占有率を高めてまいります。また、周辺領域への展開にあたっては、自社開発に留まらず、学習塾・スクール運営を支援するシステム事業者や、人材採用・集客支援等の周辺ソリューションを展開する事業者との業務提携やM&A等の活用も視野に入れ、非連続的なスピードで市場開拓を推し進めてまいります。④ 中長期的な企業価値最大化に向けた投資方針当社は、新規上場した2022年11月以降、安定的な黒字経営により構築した財務基盤を背景に、更なる事業拡大を目指しております。市場シェアの拡大及びストック収益の積み上げこそが企業価値向上の源泉であると考え、規律ある先行投資を継続する方針です。具体的には、来期(2026年10月期)においても、サービス競争力の強化及びシステム基盤の堅牢化に向けた開発投資、認知拡大及び顧客獲得のためのマーケティング投資を積極的に実施いたします。これにより、短期的には利益水準が変動する可能性がありますが、投資対効果を慎重に見極めた上での判断であり、将来にわたるフリー・キャッシュ・フローの最大化に資するものと考えております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況(資産)当事業年度末の資産については、総資産が1,242,778千円となり、前事業年度末と比較し172,192千円の増加となりました。流動資産の残高は、前事業年度末に比べ145,259千円増加し、998,508千円となりました。主な増減内訳は、「Comiru」の販売拡大に努めた結果、売上が増加し売掛金が12,428千円、現金及び預金が142,942千円増加したことによるものであります。固定資産の残高は、前事業年度末に比べ26,932千円増加し、244,270千円となりました。主な増減内訳は、繰延税金資産の計上等により投資その他の資産が21,896千円増加したことによるものであります。(負債)当事業年度末の負債については、367,079千円となり、前事業年度末と比較し19,884千円の増加となりました。流動負債の残高は、前事業年度末に比べ55,308千円増加し、296,193千円となりました。主な増減内訳は、返済期日到来に伴い1年以内返済予定の長期借入金が45,000千円減少した一方で、事業拡大に伴う支出の増加などにより未払金が44,374千円、新規借入により短期借入金が22,500千円増加したことなどによるものであります。固定負債の残高は、前事業年度末に比べ35,424千円減少し、70,886千円となりました。その増減内訳は、長期借入金の返済によるものであります。(純資産)当事業年度末の純資産については、875,698千円となり、前事業年度末と比較し152,308千円の増加となりました。主な増減内訳は、新株予約権の行使に伴い資本金が4,690千円、資本準備金が4,690千円増加したことや当期純利益の計上により繰越利益剰余金が138,756千円増加したことによるものであります。② 経営成績の状況当事業年度におけるわが国の経済は、雇用環境の改善が見られる一方、米国の通商政策や物価高に起因する実質購買力の低下懸念から、先行きは不透明な状況が続いております。家計の防衛意識の高まりは、教育支出における費用対効果への意識をより一層高めており、学習塾等の教育事業者には、選ばれるためのより高い付加価値の提供が迫られております。教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、先生、生徒、保護者をはじめとする全てのステークホルダーの関係性を豊かにし、誰もが成長し合える社会(世界観)の実現を目指しております。このミッションに基づき、当社は学習塾を中心とする教育事業者が、煩雑なバックオフィス業務から解放され、本質的な価値である「教える」ことに専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として事業を展開しております。今後も、この世界観を社会に実装し続けるため、更なる顧客基盤の拡大および顧客エンゲージメントの深化を図り、既存機能の磨き込みとともに、市場ニーズに即した新機能の開発・実装を推進してまいります。当事業年度においては、主力であるSaaS事業の持続的な成長と、サービスラインナップの拡充による提供価値の向上に注力しました。中核サービスである「Comiru」においては、効果的なマーケティング投資により中小規模の学習塾を中心とした新規顧客獲得が奏功し、有料契約企業数は1,939社(前年同期比14.8%増)へと拡大、安定した顧客基盤の拡大が継続しております。また、2025年1月にリリースした新サービス「ComiruPay」は、教育事業者の課題である決済業務の効率化と手数料負担の軽減といったニーズを的確に捉え、当事業年度末時点の申込社数は405社に達するなど、垂直的な立ち上がりを見せております。現時点での収益貢献は限定的ではありますが、この力強い導入ペースは、本サービスが他社との構造的な差別化要素として、主力サービス「Comiru」の導入促進及び解約抑止に資する重要な戦略的役割を担いつつあることを示唆しているものと考えております。事業の先行指標となる課金生徒ID数については、既存顧客基盤の拡大に加え、夏期講習等に伴う季節的な需要増も寄与し、505千ID(前年同期比13.6%増)へと順調に増加し、これに伴いARRは1,205,649千円(前年同期比9.4%増)へと伸長しております。四半期ごとの推移においては、5月から6月にかけて新年度の入塾が一巡したことに伴う一時的な落ち着きが見られましたが、これは学習塾業界固有の季節性によるものであり、想定の範囲内で推移しております。7月以降は夏期講習に向けた生徒募集が本格化したことで再び成長軌道へと回帰しており、こうした短期的な季節変動を吸収しつつ通期を通じてKPIの拡大基調を維持しました。今後も、短期的な指標の変動に左右されることなく、顧客への提供価値向上を通じて、教育業界におけるリーディングカンパニーとして持続的な成長を実現してまいります。教育事業者のDX進展を追い風に、当社は教育業界における存在感の向上を図っております。教育事業者等向けSaaSで培った豊富なノウハウを活かした「ComiruERP」への需要拡大に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセルのみならず、習い事領域への展開を加速させており、新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大を図り、教育業界におけるプラットフォーマーとしての基盤を強化してまいります。顧客基盤別の取り組みとしては、以下のとおりであります。(学習塾領域)学習塾領域において、中小規模の学習塾向けに開催している経営セミナーが平均参加者数200名以上と好調に推移しており、これが新規顧客獲得の強力な牽引役となっております。Web広告等においてもPDCAサイクルを徹底することで、広告宣伝費を売上高の4.9%という低水準に抑制しつつ高い商談化率を維持しており、高効率な顧客獲得モデルを確立しております。一方、大手学習塾においては、「ComiruPRO」の導入と基幹システムとの連携等の有償開発を組み合わせたソリューション提案に加え、「ComiruERP」への引き合いが前事業年度から継続して増加しております。進捗としましては、前事業年度からの継続案件を含め、現状21社と商談を進め、9社から受注、内2社が課金開始に至っております。これらの高単価案件は、リードタイムを要するものの、導入後は強固な収益基盤となるため、将来的なARPUを押し上げる重要なドライバーとして注力しております。また、「BIT CAMPUS」においては、既存顧客へのサービス提供体制を維持しながら、開発体制の内製化によるコスト構造の最適化に注力し、事業としての収益性の確保に努めております。(習い事領域)学習塾以外の習い事領域(英会話教室、プログラミングスクール、書道教室等)においては、活用事例の共有や業界特化型のセミナーの開催等の戦略的なマーケティング施策が奏功し、新規顧客の獲得が加速しております。結果として、当領域の有料契約企業数は286社(前年同期比79.9%増)へと飛躍的に伸長しました。この高い成長率は、当社のSaaSプロダクトが特定の教育形態にとらわれず、幅広い教育サービスに適用可能であることを示唆しており、事業領域の多角化と成長機会の創出を推進しております。(学校領域)公教育の学校領域においては、2024年度に続き、2025年度も八千代市、習志野市、及び大阪市教育委員会において、部活動地域移行に関するコミュニケーションツールの提供を継続しております。これらに加え、当事業年度においては、千葉県印西市や栄町と新たに連携協定を締結し、GaaS(注)領域での展開が進展しました。さらに、千葉県教育委員会の「業務改善DXアドバイザー配置事業に関する業務委託」プロジェクトにおいて、引き続き受託者である株式会社マイナビの専門アドバイザーとして、各市町村及び対象校の校務DX化推進を支援しております。これらの取り組みは、即座に収益に直結するだけでなく、公教育現場における信頼とブランド価値を醸成するものであり、将来的なBtoG(行政向け)ビジネスの基盤構築に寄与するものと考えております。「Comiru」は、安定的な収益が見込めるサブスクリプション型のリカーリングモデルであり、また顧客である教育事業者等の生徒集客がID数増加を牽引するビジネスモデルでもあります。これらの特性を踏まえますと、持続的な成長には、新規顧客の獲得に加え、既存顧客からの追加ID獲得が重要であり、そのためには顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。従いまして、システム開発及び営業体制の強化を目的とした人件費への投資、並びに新規商談数獲得や認知度向上のためのマーケティング活動(広告宣伝費)への先行投資を継続的に実施してまいります。これらの結果として、当事業年度における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げに加え、一部の大手教育事業者向けのカスタマイズ案件等の検収が完了し、売上計上されたことにより、1,389,448千円(前年同期比29.7%増)と力強い成長を実現しました。売上総利益については、増収効果に加え、開発部門における生産性向上の取り組みが奏功し、1,044,392千円(前年同期比30.9%増)を達成しております。利益面においては、事業拡大に伴う人件費等の増加を吸収しつつ、費用対効果を重視したマーケティング施策の徹底等により販管費率が改善した結果、営業利益は174,426千円(前年同期比138.2%増)と大幅な増益となりました。これに伴い、借入金の支払利息等の営業外費用の計上はあったものの、経常利益は172,595千円(前年同期比145.5%増)となりました。なお、特別損益においては、前述の「BIT CAMPUS」の開発体制内製化及びコスト構造の最適化の一環として、「システム移行関連費」を特別損失として計上しました。この一過性の費用負担はありましたが、高い本業の収益力がこれを吸収し、当期純利益が138,756千円(前年同期比65.9%増)となり、すべての段階利益で前年同期を大きく上回る結果となりました。これは当社の強固なストック収益基盤の上に、高付加価値サービスの提供や規律ある費用コントロールが結実した結果であり、当社の事業モデルが持つ本質的な収益性の高さを示すものであると認識しております。なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。(注)「GaaS」とは、「Government as a Service」の略で、当社のような民間企業が、SaaSのビジネスモデルを活用して、地方自治体等が抱える課題解決や行政サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を支援する取り組みを指します。③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、848,903千円となり、前事業年度末に比べ142,942千円増加しました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、213,213千円(前事業年度は61,005千円の獲得)となりました。これは主に、売上増加による売上債権の増加額11,478千円、法人税等の支払額20,906千円等があったことにより減少した一方で、税引前当期純利益145,939千円の計上や未払金の増加額42,666千円があったことにより増加したものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は21,457千円(前事業年度は87,801千円の使用)となりました。これは主に、当社事業に必要なソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出22,228千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は48,813千円(前事業年度は73,160千円の獲得)となりました。これは、増加要因として、短期借入金の借入による純増22,500千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入9,219千円、減少要因として、長期借入金の返済による支出80,424千円によるものであります。④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。b.受注実績当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。c.販売実績当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称当事業年度(自 2024年11月1日至 2025年10月31日)金額(千円)前年同期比(%)教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業1,389,448129.7%合計1,389,448129.7%(注)1.当社の事業区分は「教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業」の単一セグメントであります。2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。b.経営成績の分析(売上高)当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ318,362千円増加し、1,389,448千円(前年同期比29.7%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げに加え、一部の大手教育事業者等向けのカスタマイズ案件等の検収が完了し、売上計上されたことによるものであります。(売上原価、売上総利益)当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ71,562千円増加し、345,056千円(前年同期比26.2%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」のエンジニア人員及び開発にかかる外部協力者への外注費が増加した結果によるものであります。売上原価は増加したものの、売上高の増加及び開発部門における生産性向上の取り組みが奏功し、売上総利益は前事業年度に比べ246,799千円増加し、1,044,392千円(前年同期比30.9%増)となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ145,614千円増加し、869,965千円(前年同期比20.1%増)となりました。これは主に、Web広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充による広告宣伝費や、営業体制の強化による人件費の増加により販売費が99,791千円、管理体制の強化による人件費及び支払手数料等の増加により一般管理費が45,823千円増加したことによるものであります。以上の結果、営業利益は174,426千円(前年同期比138.2%増)となりました。(営業外損益、経常利益)当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ949千円増加し、1,045千円(前年同期比989.4%増)となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ166千円減少し、2,876千円(前年同期比5.5%減)となりました。これは主に、金利の上昇に伴う受取利息の増加949千円があった一方で、前事業年度に計上していた資金調達費用1,000千円が当事業年度に発生しなかったこと等によるものであります。以上の結果、経常利益は172,595千円(前年同期比145.5%増)となりました。(特別損益、当期純利益)当事業年度における特別利益は160千円(前年同期比819.5%)となりました。また、特別損失は26,816千円(前事業年度は発生しておりません)となりました。これは「BIT CAMPUS」の開発体制内製化及びコスト構造の最適化の一環として、「システム移行関連費」を計上したことによるものであります。当事業年度における法人税等は、前事業年度に比べ20,531千円増加し、7,182千円となりました。これは主に、法人税、住民税及び事業税が11,926千円増加したこと等によるものであります。以上の結果、当期純利益は138,756千円(前年同期比65.9%増)となりました。③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、システム開発の外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新サービス・機能の開発、及び設備投資によるものであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金は取引金融機関と長期的な借入契約を借入の都度締結することを基本としております。なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は128,810千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は848,903千円となっております。④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社の売上高は主に教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業で構成されております。当該事業は毎月経常的に得られる月額利用料が売上高の大半を占めており、その積み上がり状況の指標であるARRの拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断するうえで、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な指標としております。ARRを高めていくためには、有料契約企業数を増やしていくことが重要であると考えております。また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。なお、各指標の推移は以下となります。 項目事業年度第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期有料契約企業数(社)2024年10月期1,3491,4231,6341,6892025年10月期1,7311,8061,8901,939課金生徒ID数(千ID)2024年10月期3543604264442025年10月期459453485505ARPU(円)2024年10月期51,51649,61554,47654,3652025年10月期55,16050,85852,06151,816ARR(千円)2024年10月期833,954847,2281,068,1731,101,8622025年10月期1,145,7801,102,2021,180,7381,205,649広告宣伝費/売上高比率(%)2024年10月期4.24.25.04.52025年10月期3.23.93.84.9顧客の解約率(%)(注5)2024年10月期0.40.50.40.42025年10月期0.40.50.60.6売上総利益(千円)2024年10月期171,835352,306559,409797,5922025年10月期263,010527,416781,2071,044,392営業利益率(%)2024年10月期5.35.03.96.82025年10月期18.417.215.912.6