研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 3,659 |
| 2024-12 | - | 3,898 |
| 2023-12 | - | 4,200 |
| 2022-12 | - | 3,171 |
| 2021-12 | - | 2,620 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,073 文字
6【研究開発活動】当社グループは、商品力の強化を中心に、サステナビリティや次世代技術開発に向けた研究開発活動を推進しております。タイヤ事業では、地域や顧客ニーズに対応した新商品の開発・展開を強化しております。その一例として2025年には、乗用車用タイヤにおいて、米国にて、ツーリング領域オールシーズンタイヤの旗艦商品であるTURANZA(トランザ) PRESTIGE(プレステージ)、ベーシックタイヤTURANZA EVERDRIVE(エバードライブ)、プレミアムCUV/SUV/ピックアップトラック向けオールシーズンタイヤのALENZA(アレンザ) PRESTIGEなど各領域の新商品を発売いたしました。日本においても、乗用車用プレミアムスタッドレスタイヤであるBLIZZAK(ブリザック) WZ-1を発売しております。今後も各市場・顧客に魅力的な商品の開発・展開を強化してまいります。また、モータースポーツ活動を「走る実験室」と位置づけ、モータースポーツの場で磨かれる技術開発を強化しております。2025年8月にオーストラリアで開催された世界的なソーラーカーレース「2025 Bridgestone World(ワールド) Solar(ソーラー) Challenge(チャレンジ)」では、タイヤ材料に再生カーボンブラックや再生スチールを初採用し、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に引き上げたタイヤを開発・提供しました。また、低炭素輸送や使用タイヤ本数の削減、レース後の使用済タイヤのゴムマットへの再利用など、バリューチェーン全体でサステナビリティ向上にも取り組みました。これらは、パートナー企業との共創により推進しております。資源循環に向けては、使用済みタイヤを原材料へ戻すケミカルリサイクル技術の開発を進めております。2025年1月には、関工場(岐阜県関市)敷地内に使用済タイヤの精密熱分解パイロット実証プラントの建設を決定し、10月に起工式を行いました。2027年中の稼働開始を予定しております。このパイロット実証プラントにおいて、分解油や再生カーボンブラックなどの量産を見据えた技術の確立を目指してまいります。本取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」支援プロジェクトであります。環境面では、TRWP(タイヤ・路面摩耗粉じん)への対応も推進しております。2025年には、Bridgestone Innovation(イノベーション) Park(パーク)内のテストコースB-Mobility(モビリティ)を活用して、TRWPを高効率で捕集することのできる当社独自の実車捕集法を開発し、TRWPの本質を理解することで環境影響を把握する取り組みを加速しております。また、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)傘下のタイヤ産業プロジェクトを通じて、TRWPの物理的・科学的特性とその影響の研究に取り組んでおります。各地域業界団体での取り組みにも積極的に参加し、グローバルで整合の取れた評価試験法の国際標準(ISO規格)策定に協力しております。加えて、当社グループ独自の取り組みとして、ロングライフ商品の拡大やソリューション事業との連携を含め、TRWPの削減に向けたアプローチを継続的に強化してまいります。6PPD(タイヤ産業で一般的に使用されている老化防止剤)についても、タイヤ産業プロジェクトなどを通じて業界全体での取り組みをリードすると共に、独自のアプローチを含めて代替品開発に取り組んでおります。ソリューション事業では、生産財系BtoBソリューション(鉱山、航空、トラック・バス向けのソリューション)の開発を推進しております。特に、鉱山及び航空ソリューションにおいては、デジタルツールを活用した車両・タイヤモニタリングやタイヤ個体管理などのサービスを提供し、より安全で効率的なタイヤの使い方やメンテナンスを提案するなど、お客様のオペレーションの安全性や生産性を高めるサービスの開発に注力しております。さらに次世代タイヤの開発も進めており、空気充填の要らない次世代タイヤAirFree(エアフリー)の社会実装に向け、富山県富山市や福岡県久留米市など地方自治体と連携した実証実験を推進しております。月面探査車用タイヤの研究開発も進めており、地上走行試験やシミュレーションを重ねております。今後も、商品開発、生産、素材やソリューションなど各技術領域において、革新技術の創出や新たな価値創造に向けて、社内及び産官学民の様々なパートナーとの共創なども強化しながら、研究開発活動を推進してまいります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,264億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2024|7,051 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、「ゴムを極める」、「接地を極める」、「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に技術イノベーションに取り組み、ビジョンに掲げる社会価値・顧客価値の創造を推進するものです。コア事業であるプレミアムタイヤ事業において「断トツ商品」の開発を強化し、成長事業であるソリューション事業との連携を深めることで、お客様が「断トツ商品」を使う段階でその価値を増幅させ、お客様の困りごとを解決することを目指しております。これらの活動は、当社グループが独自に持つ技術・知見・ノウハウなどの強いリアルにデジタルを融合させることで推進してまいります。また、化工品・多角化事業、当社グループの新たな事業機会を探索する探索事業においても同様の考え方で研究開発活動に取り組んでおります。プレミアムタイヤ事業では、商品設計基盤技術「ENLITEN」の進化に取り組んでおります。「ENLITEN」技術は、当社グループが独自に価値を創造する「新たなプレミアム」と位置付けており、タイヤを「薄く・軽く・円く」作ることで従来品のタイヤ性能を全方位で向上させると共に、商品、市場、お客様ごとに異なるタイヤ性能への要求や付加価値を、それぞれに合わせてカスタマイズして提供する「究極のカスタマイズ」を追求し、技術の確立・進化へ取り組んでおります。乗用車用タイヤから「ENLITEN」技術を搭載した新商品をグローバルで拡充しており、2024年までに、米国のEV向け専用商品「Turanza(トランザ) EV(イーブイ)」、欧州の「Turanza 6(シックス)」、インドの「Turanza 6i(シックスアイ)」などを発売いたしました。日本では2024年に「REGNO(レグノ) GR(ジーアール)-XⅢ(クロススリー)」を発売し、2025年2月にはミニバン・コンパクトSUV専用プレミアムブランド商品「REGNO GR-XⅢ TYPE(タイプ) RV(アールブイ)」を発売いたしました。この新商品は、REGNO GR-XⅢの特性を引き継ぎながらミニバン・コンパクトSUVユーザーのニーズと車両の特徴に合わせてカスタマイズしており、従来のミニバンユーザーだけでなく、コンパクトSUVユーザーにも深みを増した空間品質や磨き抜かれた走行性能といった新たな「REGNO FEELING(フィーリング)」の価値を提供するものです。今後もより多くのお客様に当社プレミアム商品の価値を実感いただける様、「ENLITEN」技術搭載商品の拡充をグローバルで進めてまいります。さらに、次世代の「ENLITEN」技術の進化に向けては、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を「走る実験室」として、極限の条件で使用されるモータースポーツタイヤの開発を通じて、市販用タイヤ技術開発も加速してまいります。また、「ENLITEN」技術を、モノづくり基盤技術であるBCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture)と融合させることで、商品力アップとビジネスコストダウンの両立、環境負荷の低減を推進しております。BCMAは、タイヤを骨組みであるカーカス、補強帯のベルト、表面のトレッドの3つのモジュールに分け、モジュール1(カーカス)、モジュール2(ベルト)を異なる商品間で共有し、開発から生産のバリューチェーンをシンプル化することでビジネスコストを低減し、モジュール3(トレッド)でタイヤ性能をカスタマイズし差別化するものです。2024年より本格的にグローバルへ導入し、まずは乗用車用タイヤ工場から4つのモデル工場を設定し、モデル工場を起点に各地域・グローバルのBCMAに関わる活動を推進しております。2024年は、モジュール共用による連続生産の実現などの取り組みを広め、ビジネスコストの低減に寄与しました。さらに、原材料調達や在庫削減などバリューチェーン全体においても効果を波及させてまいります。また、日本をグローバルにおける「モノづくりの中核」として、BCMAと連動し、「モノづくり」の本質を追求し、次のレベルへ進化させる取り組みを「シン・彦根モデル」として展開を開始しました。このモデルは、AIを実装したタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」の導入を起点に、生産に関連するデータを収集し、デジタル技術を駆使した分析を実施し、タイヤ生産過程における課題を抽出し、現物現場での改善活動を推進するものです。リアルとデジタルの融合によりモノづくりを進化させ、さらに、BCMAによる「バラつきのないシンプルなモノづくり」の実現と掛け合わせた相乗効果により、安全、環境、品質、コストなどのモノづくりの指標を連鎖的に改善してまいります。成長事業であるソリューション事業では、鉱山車両用、航空機用、トラック・バス用タイヤの生産財にフォーカスしてソリューション開発を推進しております。鉱山車両用タイヤにおいては、「断トツ商品」の「Bridgestone MASTERCORE」を中核として、強いリアルとデジタルを組み合わせ、鉱山オペレーションの最適化に貢献するソリューションの拡充に取り組んでおります。一例として、鉱山事業者の大きな困りごとであるタイヤの熱に起因する故障を未然に防止するため、お客様との信頼をベースに鉱山車両情報を共有いただきながら、お客様のデータと、鉱山車両向け次世代タイヤモニタリングシステム「Bridgestone iTrack(アイトラック)」から取得できるタイヤの温度や空気圧などの当社のデータを組み合わせ、AIを活用した独自のアルゴリズムを構築しております。これにより、タイヤ耐久を予測し、最適なタイヤメンテナンスのタイミングや車両運行ルートをお客様へご提案し、タイヤにかかるコスト削減や、車両のダウンタイム削減といった鉱山オペレーションの生産性、経済価値の最大化へ貢献してまいります。また、タイヤを安全に長く使用いただくことでタイヤ使用本数を削減でき、資源生産性を向上させ、サステナビリティへも貢献してまいります。今後も、「断トツ商品」の強化とデジタル技術の進化により鉱山ソリューションを拡充させてまいります。航空ソリューションにおいても、お客様との共創をベースにソリューション開発を強化しております。これまで、日本航空株式会社との共創において、株式会社ジェイエアが運航するリージョナル機を対象に、精度の高い計画的なタイヤ交換を実現するため、オペレーション中のタイヤ摩耗量を予測する技術開発を進めてまいりました。この知見をもとに、タイヤ摩耗予測技術をさらに進化させ、2024年5月からは精度の高い計画的なタイヤ交換オペレーションの対象を、A350-900型機をはじめとした大型機に拡大いたしました。今後も航空業界におけるオペレーションの安心・安全を支え、新たな価値の創造を進めてまいります。さらに探索事業領域においても、社会価値の創造を中核に研究開発活動を推進しております。1つ目は、リサイクル事業の推進であります。リサイクル事業では、日本において、使用済タイヤのケミカルリサイクル技術の社会実装に向けたENEOS株式会社との共同プロジェクトを開始しております。本プロジェクトでは、経済産業省により設置された「グリーンイノベーション基金事業」の支援を受け、タイヤ・ゴム産業及び石油化学産業のバリューチェーンにおける資源循環性の向上とカーボンニュートラル化への貢献を目指しております。使用済タイヤの精密熱分解(油化)によるケミカルリサイクル技術の社会実装に向け、2023年6月に「Bridgestone Innovation(イノベーション) Park(パーク)」(以下「BIP」といいます。)内に導入した実証機により、使用済タイヤを精密熱分解して得られる分解油をリサイクルオイル化し、このオイルから合成ゴムの素原料であるブタジエンなどの化学品を高収率に製造するケミカルリサイクル技術の社会実装に向けた実証実験を開始しております。さらに、2025年1月には、実証機で得た精密熱分解の基盤技術を実装した使用済みタイヤの精密熱分解パイロット実証プラントの建設を発表し、今後も、社会実装に向けて量産を想定したスケールアップ技術の確立を目指してまいります。また、もう1つのリサイクルの取り組みとして、廃プラスチックの半分以上を占めるポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレンなど)のマテリアルリサイクル技術確立に向けた産官学の取り組みについても、2024年に開始いたしました。これは、当社が開発した世界初の高機能性エチレン系熱可塑性エラストマー(ESB)を用いてポリオレフィン再生材の強度を高め、繰り返しリサイクルできる新たな資源循環型プラスチック材料の創出を目指すものです。本取り組みを通じて、ポリオレフィン特性の変化メカニズムを分子レベルで解明し、ESBの最適な分子設計を行うことで、プラスチックの効果的なマテリアルリサイクルの実現に向けた可能性を検討してまいります。2つ目は、天然ゴム供給源の多様化を図るグアユール事業です。米国を中心に、米国エネルギー省・地域NGO・外部パートナーとの共創やオープンイノベーションをベースに推進しております。グアユールは乾燥地帯で栽培できることから、天然ゴムの代替原料として供給源の多様化だけでなく、乾燥地帯の緑化にも貢献します。グアユール由来のタイヤ開発を、2012年から本格的に推進し、2022年には、NTT INDYCAR(インディカー)® SERIES(シリーズ)において、グアユール由来の天然ゴムを使用したレースタイヤを供給し、パフォーマンスを実証しました。今後も、「走る実験室」コンセプトの下、NTT INDYCAR® SERIES を活用し、実用化へ向けた技術を探索してまいります。3つ目は、ソフトロボティクス事業であります。ソフトロボットハンド(商品名:TETOTE(テトテ))を用いて、主に物流業、製造業におけるピースピッキング作業の自動化に向けた提案を行っております。小規模事業化フェーズとして、業界リーダーとの共創を通じて、社会と顧客の期待値に応え、需要を獲得すべく商品・サービスの開発を推進しております。加えて、ヒトのこころを動かすやわらかいロボット(umaru(ウマル)、Morph(モーフ) inn(イン))を通じて新たな感動・体験価値の創造を進めております。幅広いパートナーとの共創をベースに、探索事業としての新たな種まきを展開するとともに、若手を中心に多様な人財が活躍する場として、当社グループにおける人的創造性向上へも活かしてまいります。4つ目は、空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree」の開発です。当社は安心・安全な移動を支える次世代タイヤとして、パンクの心配がなく省メンテナンスに優れ、リサイクルにも対応した非空気入りタイヤの開発を2008年より開始し、AirFreeConcept(エアフリーコンセプト)として技術を磨いてまいりました。当社グループのコアコンピタンスである「ゴムを極める」を活用した樹脂素材技術と「接地を極める」技術を軸に、デジタルによるシミュレーション技術とタイヤ技術を活用することで、非空気入りタイヤを安心・安全で乗り心地が良く、リサイクル・リトレッド性にも優れた新たな素材・構造へと進化させました。2024年には、社会実装を見据えて、AirFreeConceptを「AirFree」へと進化させ、公道における実証実験を小平市近郊で開始し、実際の使用環境により近い様々な環境で「AirFree」の特性や機能を検証しております。今後は、「AirFree」の提供価値と親和性が高いと考える「グリーンスローモビリティ(時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス)」を事業化に向けたターゲットの1つとして、地方自治体との共創を広めることで、地域社会のモビリティを支えるべく、2026年の社会実装を目指してまいります。また、当社は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社と共に、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションへ参加し、有人月面探査車向けタイヤの研究開発を推進しております。ラクダのふっくらとした足裏から着想を得て、金属製の柔らかいフエルトを接地面となるトレッド部に配置することで月面を覆うきめ細かい砂との摩擦力を高めた第1世代タイヤの技術を進化させ、「AirFree」で培った技術を活かしてしなやかに変形する薄い金属製スポークを採用し、さらにトレッド部を分割させた点を特徴とする第2世代タイヤを開発、過酷な月面環境下で求められる高い耐久性と走破性の両立を目指しております。この第2世代タイヤの開発を加速するために米国のアストロボティック社との技術協業を進めております。これまで地上走行試験やシミュレーションを中心に技術開発を進めてまいりましたが、本協業を通じて月面で実際に得られる走行データの検証により、タイヤ技術開発が大きく前進すると考えております。月面という「究極」の環境においても安心・安全な人とモノの移動を支え、スペースモビリティの未来になくてはならない存在となるべく、共創を推進し開発を進めてまいります。さらに、モビリティの進化やサステナビリティを中核とした共創活動を推進しております。安心・安全な自動運転車両の開発及び運営に必要となるソリューションを提供する株式会社ティアフォーとの共創を通じて、自動運転の研究開発や実用化などモビリティの進化へも貢献してまいります。自動運転技術の共創については2022年よりBIPにて開始し、2024年は自動運転車両の安全運行に向けた実証実験を長野県塩尻市の公道で行っております。この実証実験で得られるデータを用い、自動運転の技術・ノウハウを取り入れたモビリティの安全性や生産性の向上に貢献するタイヤ技術や、次世代のモビリティソリューションなどの開発を加速してまいります。また、タイヤの原材料領域においては、天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上、供給源の多様化を推進するため、様々なパートナーとの共創を通じて技術の構築を進めております。当社は2024年に福岡バイオコミュニティが実施するプロジェクトに参画し、天然ゴム資源であるパラゴムノキの栽培現場が抱えている、天然ゴムの持続的かつ安定供給上の課題である根白腐病に対して、根白腐病原菌への感染予防技術を開発し天然ゴム農園の生産性向上に貢献する研究を開始いたしました。また、米国のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)と提携し、タイヤの主な材料の1つで従来は石油由来で精製されるブタジエンをエタノールから合成する手法に関する研究開発に取り組んでおります。この取り組みでは、PNNLの触媒技術とブリヂストンのプロセスエンジニアリングを組み合わせ、持続可能で費用対効果の高いエタノールからブタジエンを合成する手法の確立を目指します。この手法の確立により、植物由来あるいはリサイクルより得られるエタノールからブタジエンを合成するという将来の可能性に繋げるべく研究開発を進めてまいります。加えて、材料開発においては、国立大学法人東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置し、ゴムのシミュレーション基盤技術に関する共同研究を開始するなど、共創をベースにデジタル技術を駆使した取り組みを進めております。さらに、次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」を活用したタイヤ材料の研究開発を2024年から開始いたしました。タイヤ製品に広く使用されている高分子材料を分子スケールで観察していき、ここから生まれる様々なデータとシミュレーションを融合させ、革新的な材料開発を加速してまいります。これらの技術イノベーションを推進する場として、東京都小平市にある技術センターをグローバルなイノベーション拠点BIPとして再構築いたしました。BIPを中核に、欧州・ローマ、米国オハイオ州アクロンにある当社グループのイノベーション拠点とも連携を強化し、それぞれの強みを活かすことで、グローバルにおけるイノベーションを促進してまいります。また、BIPにおけるイノベーションを加速させるため、従業員一人ひとりが個とチームのアウトプット最大化のために自分自身で多様な働き方をデザインするABW(Activity(アクティビティ) Based(ベースド) Working(ワーキング))の考え方を取り入れた働き方変革を推進し、一人ひとりの生産性と人的創造性の向上に取り組んでまいります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,262億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2023|5,704 文字
6【研究開発活動】当社グループはプレミアムタイヤ事業をコア事業としてソリューション事業との連携を深めることで、お客様に商品を使って頂く段階において、断トツ商品の価値を増幅することに挑戦しております。化工品・多角化事業、探索事業においても、社会価値、顧客価値を創出するための様々な活動を推進しております。その価値の増幅において、当社の強みを高めるための取り組みが技術イノベーションです。当社グループの技術イノベーションは、「ゴムを極める」「接地を極める」「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に推進しております。この3つの「極める」を軸に研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきたゴム、タイヤに関連する技術や知見、ノウハウなどの強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせてイノベーションを加速させ、「断トツ商品」や「断トツソリューション」の開発につなげてまいります。これらの技術イノベーションを推進するため、2022年に技術開発拠点である東京都小平地区を再開発し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を構築いたしました。イノベーションセンター「B-Innovation(ビーイノベーション)」とテストコース「B-Mobility(ビーモビリティ)」の活用を進め、さらに2023年4月からは小平地区に日本タイヤ事業の本社機能の一部を移管し、R&B(Research and Business(リサーチ アンド ビジネス))として新たな取り組みを開始し、社内外共創活動を加速しております。開所以降、多くのパートナーの方々にイノベーションパークへご来場頂き、様々な共同研究、共創活動が生まれております。また、従業員一人ひとりが個とチームのアウトプット最大化のために自分自身で多様な働き方をデザインするABW(Activity Based Working(アクティビティ ベースド ワーキング))の考え方を取り入れた働き方変革など主体性を尊重する組織風土の醸成にも取り組んでおります。この「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を中核として、欧州「Digital Garage(デジタル ガレージ)」、米国「Mobility Lab(モビリティ ラボ)」といった当社グループのイノベーション拠点それぞれが強みを活かして連携し、価値の創造へフォーカスしてまいります。プレミアムタイヤ事業では、当社グループのプレミアムタイヤ事業の中核となる商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の進化に取り組んでおります。「ENLITEN(エンライトン)」技術は、当社グループが独自に価値を創造する「新たなプレミアム」と位置づけ、従来品のタイヤ性能を全方位で向上させると共に、商品、市場、お客様毎に異なるタイヤ性能への要求や付加価値を、それぞれに合わせてカスタマイズして提供する「究極のカスタマイズ」の実現を目指して技術の確立・進化へ取り組んでおります。一例として、2023年に北米にて発売した当社グループ初のEV専用タイヤである「TURANZA EV(トランザ イーブイ)」は、お客様や小売店からのタイヤに関するご要望をよくお聞きした上で商品企画、開発をしております。EV用タイヤの課題であった早期摩耗に対応し、耐摩耗性能を従来品比で約50%向上させると共に、サステナビリティへの意識の高まりに対応し、タイヤの原材料における再生資源・再生可能資源比率を50%に向上いたしました。日本においては、市販用乗用車用タイヤに初めて「ENLITEN(エンライトン)」技術を搭載したプレミアムブランド商品「REGNO GR-XⅢ(レグノ ジーアール - クロススリー)」を2024年2月に発売しております。「REGNO GR-XⅢ(レグノ ジーアール - クロススリー)」は、静粛性・乗り心地・運動性能などタイヤに求められる基本性能を進化させることで深みを増した空間品質と磨き抜かれた走行性能を提供し、サステナビリティに対応する再生資源・再生可能資源比率も従来品対比で向上させた商品です。さらに、今後へ向けては、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動の強化と連動して、「ENLITEN(エンライトン)」技術をさらに進化させてまいります。2023年には、当社がタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーレース「2023 Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストン ワールド ソーラー チャレンジ)」にて、モータースポーツタイヤで初めて「ENLITEN(エンライトン)」技術を搭載したタイヤを開発、供給いたしました。再生資源・再生可能資源比率を2019年に開催された前回大会から約2倍の63%へ向上させると共に、ソーラーカー向けタイヤに必要とされる軽量化、オーストラリアを縦断する約3,000キロのレース環境に対応する耐久性などを大幅に向上させました。欧州においても、ゼロエミッション車で一般ドライバーが参加する公道でのラリーイベント「Bridgestone FIA ecoRally Cup(ブリヂストン エフアイエー エコラリー カップ)」にて、「ENLITEN(エンライトン)」技術を搭載したタイヤをご使用いただいたお客様の声を聞くことで、次期商品の企画へ繋げるなど、様々な活動を推進しております。また、「ABB FIA フォーミュラE世界選手権」において、2026-2027シーズンから単独タイヤサプライヤーとして選定されており、タイヤ供給開始へ向けて「ENLITEN(エンライトン)」技術を進化させてまいります。これらサステナブルなグローバルモータースポーツ活動を「走る実験室」として、モータースポーツの極限の条件で技術を磨き、「From Circuit to Street(フロム サーキット トゥ ストリート)」のコンセプトの下、市販用タイヤ開発を次のステージへ進化させてまいります。また、鉱山車両用タイヤにおける「MASTERCORE(マスターコア)」技術は、「ENLITEN(エンライトン)」技術に並ぶ当社グループの新たなプレミアムとして、内製スチールコードをはじめとした素材・構造・製造技術を含む、当社独自の新技術を結集することにより、断トツの高耐久性能を実現しております。今後も、高付加価値な鉱山車両用タイヤの開発を推進してまいります。さらに、「ENLITEN(エンライトン)」技術を活用した「究極のカスタマイズ」を支えるモノづくり基盤技術であるBCMAは、開発・生産過程において、タイヤの骨組みであるカーカス、補強帯のベルト、表面のトレッドの3つのモジュールに分け、モジュール1(カーカス)、モジュール2(ベルト)を異なる商品間で共有し、開発から生産・販売のバリューチェーンをシンプル化すると共に、モジュール3(トレッド)で性能をカスタマイズし商品を差別化するものです。商品、サイズ数の効率化及び開発や製造工程の効率化による生産性の向上とコスト最適化を実現してまいります。さらに、モジュールを共有することで各地域の市場環境や販売戦略に合わせたフレキシブルなタイヤ生産が可能となり、販売機会が最大化できると共に、需要地に近い工場での生産対応などを含めて在庫管理や物流費の効率化など、バリューチェーン全体への効果創出へも取り組んでまいります。また、モノづくりにおいては、プレミアムタイヤを持続的かつ安定的に供給できるよう進化させ、その実現にむけて工場のグリーン&スマート化を計画的に推進してまいります。BCMAの展開推進と連動し、開発・製造工程の生産性向上、効率化、バリューチェーン全体における環境負荷の低減など、社会価値・顧客価値の創造を進めてまいります。成長事業であるソリューション事業では、トラック・バス用、鉱山車両用、航空機用タイヤにおいて、デジタルを活用してタイヤの使用状況データを解析し、お客様にタイヤの摩耗予測をご提供するソリューションの開発を進めております。さらに、お客様との共創を基盤として、タイヤに関連するデータに車両運行状況のデータを組み合わせ、AIを活用した独自のアルゴリズムを構築することにより、より安全で効率的に長く使えるタイヤの使い方や車両の効率的な運行をご提案するタイヤの耐久予測ソリューションへの進化へも挑戦しております。その一例として、トラック・バス用タイヤ向けのソリューションとして、お客様の使用状況に応じた最適なプレミアムタイヤ、タイヤメンテナンス、リトレッドタイヤ、デジタル車両運行管理を一括パッケージとして提供する「Fleetcare(フリートケア)」プログラムを欧州から開始し、北米にて拡大をしてまいります。また、無線通信を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術であるRFID(Radio Frequency Identification(ラジオ フリークエンシー アイデンティフィケーション))を利用した、新品タイヤからメンテナンス、リトレッドまでタイヤのライフサイクルを通じた個体管理をグローバルに拡大するとともに、TOPPANエッジ株式会社との共創により、通信性能を最大化するタイヤ用次世代RFIDの開発を進めております。鉱山車両用タイヤ向けソリューションでは、断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と、車両とタイヤをモニタリングするデジタルツールを組み合わせ、鉱山事業者のオペレーションを最適化する鉱山ソリューションの開発に力を入れております。また、安心・安全な自動運転車両の開発及び運営に必要となるソリューションを提供する株式会社ティアフォーとの共創を通じて、自動運転の研究開発や実用化などモビリティの進化へも貢献してまいります。サステナビリティに向けた取り組みとして、天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上、供給源の多様化を推進するため、様々なパートナーとの共創を通じて技術の構築を進めております。具体的には、ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムの開発、農園の作地面積を増やさずに天然ゴムの生産性の安定的な向上、天然ゴム供給源の多様化に向けた乾燥した地域で栽培可能な植物「グアユール」由来の天然ゴムの実用化、グアユールの優良品種の苗を効率的かつ安定的に増やすための技術開発などに取り組んでおります。 共創をベースとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも力を入れております。高度なAIとアルゴリズムの分析や開発を担当するデータサイエンティストなどのデジタル人財の育成、採用も進めております。国立大学法人東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置し、ゴムのシミュレーション基盤技術に関する共同研究を開始するなど、デジタル分野における幅広い交流を通じてデジタル人財を育成し、新たなパートナーとの連携も深めブリヂストン流のDXを推進してまいります。また、2024年は次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」の稼働開始年となります。ここから生まれる様々なデータとシミュレーションを融合させ、革新的な材料開発を加速してまいります。さらに、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社と共に、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションへ参加し、有人月面探査車向けタイヤの研究開発を推進しております。化工品・多角化、探索事業としては、リサイクル事業として、「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤ イニシアチブ)」を掲げ、使用済タイヤのケミカルリサイクル技術の社会実装に向けたENEOS株式会社との共同プロジェクトを開始しております。本プロジェクトでは、経済産業省により設置された「グリーンイノベーション基金事業」の支援を受け、企業とアカデミアの持つ知見や技術力の結集、共創により、タイヤ・ゴム産業及び石油化学産業のバリューチェーンにおける資源循環性の向上とカーボンニュートラル化への貢献を目指しております。2023年6月には、使用済タイヤの精密熱分解(油化)によるケミカルリサイクル技術の社会実装に向け、新たに「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」内に実証機を導入し、使用済タイヤを熱分解することによって分解油や再生カーボンブラックを生成する取り組みを開始しております。ソフトロボティクス事業においては、ソフトロボットハンドを用いたピースピッキング(品物を一つひとつ選び出す作業)の有償での実証実験を開始し、物流業界を始め、食品業界やファクトリーオートメーション業界への提案を推進しております。加えて、スタートアップ企業との資本業務提携も含め、様々なパートナーとの共創により、小規模な事業化へ向けて加速しております。また、ソフトロボティクス事業は、2023年より社内ベンチャー化し、「Softrobotics Ventures(ソフトロボティクス ベンチャーズ)」を設立いたしました。技術開発及び事業化へ向けた探索を通じ、起業家精神を発揮し多様な人財が“輝く”場を実現する好例として、社内の人的創造性向上へも取り組んでまいります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,220億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2022|4,667 文字
5【研究開発活動】当社グループは「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの下、「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を道筋として、プレミアムタイヤ事業をコア事業としてソリューション事業との連携を深めることで、断トツ商品の価値を増幅することに挑戦し、化工品・多角化事業、探索事業においても、社会価値、顧客価値を創出するための様々な活動を推進しております。「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を実現するにあたって、当社の強みとして新たなコアコンピタンスとなるのが、技術イノベーションです。当社グループの技術イノベーションは、「ゴムを極める」「接地を極める」「モノづくりを極める」の3つの「極める」を軸に推進しております。この3つの「極める」を軸に、研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、イノベーションを加速させ、「断トツ商品」や「断トツソリューション」の開発につなげてまいります。技術イノベーションを推進するため、技術開発拠点である東京・小平地区を再開発し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を構築しております。2022年4月には様々なパートナーと新たな価値を創造しビジネスにつなげる“共創”の場であるイノベーションセンター「B-Innovation(ビーイノベーション)」とプロトタイプを実車ですぐに体感・検証できるテストコース「B-Mobility(ビーモビリティ)」の稼働を開始しております。様々なステークホルダーとの共創を通じてイノベーションから生まれる価値を最大化していくために、共創の場の整備を継続するとともに、従業員一人ひとりが自分自身で多様な働き方を自由にデザインできるABW(Activity Based Working(アクティビティ ベースド ワーキング))の考え方を取り入れた働き方変革など自主性を尊重する組織風土の変革にも取り組んでまいります。また、「B-Innovation(ビーイノベーション)」は2022年7月に、建築や都市環境の国際的な環境性能評価システムであるLEED(リード)(Leadership in Energy(リーダーシップ イン エナジー) & Environmental Design(エンバイロメンタル デザイン))においてGOLD(ゴールド)認証を取得しております。引き続き、持続可能な社会を実現し支えるための取り組みも継続して進めてまいります。この「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を中核として、欧州「Digital Garage(デジタル ガレージ)」、米国「Mobility Lab(モビリティ ラボ)」といった当社グループのイノベーション拠点それぞれが強みを活かして連携し、イノベーションを加速してまいります。プレミアムタイヤ事業では、当社グループ独自の「新たなプレミアム」の創造を推進し、サステナビリティ、モビリティの進化等を見据えた「断トツ商品」を支える革新的なタイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」と「MASTERCORE(マスターコア)」を開発しております。「ENLITEN(エンライトン)」技術を搭載したタイヤは、軽量化、転がり抵抗低減、摩耗ライフ向上などにより省資源化や環境負荷低減に貢献するとともに、従来はそれとトレードオフの関係にあった運動性能や耐久性などの諸性能との両立を可能にしております。「ENLITEN(エンライトン)」技術搭載商品は、乗用車用タイヤにおいてはEVの航続距離の延長などに寄与するため「EV時代の新たなプレミアム」として、トラック・バス用タイヤにおいてはリトレッドまで見据えた商品戦略・ソリューションと組み合わせ「循環ビジネス時代の新たなプレミアム」として、技術から商品、ビジネスモデルへと価値を拡大してまいります。また、鉱山車両用タイヤに適用される「MASTERCORE(マスターコア)」は、内製スチールコードをはじめとした素材・構造・製造技術を含む、当社独自の新技術を結集することにより、断トツの高耐久性能を実現すると共に、他性能を犠牲にせず、耐久性や車両スピード、許容荷重など、お客様の使用状況、鉱山レイアウトに合わせてカスタマイズした性能の向上を実現しております。「ENLITEN(エンライトン)」と「MASTERCORE(マスターコア)」を「新たなプレミアム」の中核として、環境負荷の低減とビジネス成長といった二律背反の価値を同時に創出し、社会価値、顧客価値を両立することに取り組んでまいります。 さらに、「新たなプレミアム」を支える基盤技術であるBCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture(ブリヂストン コモナリティ モジュラリティ アーキテクチャ))は、開発・生産過程において、タイヤの骨組みであるカーカス、補強帯のベルト、表面のトレッドの3つのモジュールに分け、モジュール1(カーカス)、モジュール2(ベルト)を異なる商品間で共有し、開発から生産・販売のバリューチェーンをシンプル化すると共に、モジュール3(トレッド)で性能をカスタマイズし商品を差別化するものです。お客様の使用条件に合わせた性能のカスタマイズを実現すると共に、開発や製造工程の効率化による生産性の向上とコスト最適化を実現してまいります。さらに、モジュールを共有することで各地域の市場環境や販売戦略に合わせたフレキシブルなタイヤ生産が可能となり、販売機会が最大化できると共に、在庫管理や物流費の効率化も可能となります。BCMAを推進することでバリューチェーン全体で収益に貢献し、顧客価値を最大化できるビジネスモデルを構築してまいります。また、モノづくりにおいては、プレミアムタイヤを持続的かつ安定的に供給できるモノづくりへと進化させ、その実現にむけて工場のグリーン&スマート化を計画的に推進してまいります。開発・製造工程の効率化を含めてバリューチェーン全体で環境負荷を低減しつつ顧客価値の最大化を図ってまいります。成長事業であるソリューション事業においては、トラック・バス用タイヤの「タイヤセントリックソリューション」向け技術の開発を推進しております。無線通信を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術であるRFID(Radio Frequency Identification(ラジオ フリークエンシー アイデンティフィケーション))を利用した、新品タイヤからリトレッド、メンテナンスまでライフサイクルを通じた個体管理を欧州からグローバルに拡大するとともに、トッパンフォームズ株式会社との共創により、通信性能を最大化するタイヤ用次世代 RFIDの開発を開始しております。また、お客様に最適な状態でタイヤをお使いいただけるようデジタルタイヤモニタリングツール「Tirematics(タイヤマティクス)」を活用した「リアルタイムモニタリング」などのサービスを組み合わせ、さらなる安全運行とオペレーションコストの最適化に貢献するソリューションを提供してまいります。スペシャリティタイヤ系事業においては、鉱山車両用タイヤの断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と、車両とタイヤをモニタリングするデジタルツールを組み合わせ、鉱山事業者のオペレーションを最適化する鉱山ソリューションの開発へ力を入れております。また、安心・安全な自動運転車両の開発及び運営に必要となるソリューションを提供する株式会社ティアフォーとの共創を通じて、自動運転の研究開発や実用化などモビリティの進化に貢献してまいります。化工品・多角化、探索事業としては、リサイクル事業として、タイヤのリサイクルへ向けた共創を呼びかける「EVERTIRE INITIATIVE(エバータイヤ イニシアチブ)」を掲げ、日本・米国を中心に活動を推進しております。日本においては、「使用済タイヤのケミカルリサイクル」技術の社会実装に向けたENEOS株式会社との共同プロジェクトを開始しております。本プロジェクトでは、経済産業省により設置された「グリーンイノベーション基金事業」の支援を受け、企業とアカデミアの持つ知見や技術力を結集、共創により、タイヤ・ゴム産業および石油化学産業のバリューチェーンにおける資源循環性の向上とカーボンニュートラル化への貢献を目指しております。また、ソフトロボティクス事業の事業化へ向けて、ソフトロボットハンドを用いた物流現場でのピースピッキング(品物を一つひとつ運び出す作業)の実証実験を開始しております。今後様々なパートナーとの共創により、ソフトロボティクス事業として次期中期事業計画(2024-2026)での小規模事業化を目指しております。天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上に向けては、高収量のゴム農園の実現に貢献することを目的に、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所の学術指導を経て、ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発し、農園の作地面積を増やさずに天然ゴムの生産性を安定的に向上させる取り組みを進めております。また、天然ゴム供給源の多様化に向けて、乾燥した地域で栽培可能な植物「グアユール」由来の天然ゴム実用化にも取り組んでおります。米国においては、グアユール研究農園や研究施設を設立し、地域社会と共に、事業化へ向けた研究開発活動及び投資を実行してまいります。日本においても、キリンホールディングス株式会社との共同研究では、グアユールの優良品種の苗を効率的かつ安定的に増やすための技術開発に成功するなど、様々なパートナーとの共創により実用化へ向けて活動を推進してまいります。 共創をベースとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも力を入れております。高度なAIやアルゴリズムの分析や開発を担当するデータサイエンティストなどのデジタル人財の育成、採用も進めております。国立大学法人東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置するなど、デジタル分野における幅広い交流を通じてデジタル人財を育成し、新たなパートナーとの連携も深めブリヂストン流のDXを推進してまいります。さらに、米国のTeledyne Brown Engineering, Inc.との協業では、アメリカ航空宇宙局(NASA)が主導するアルテミス計画における有人月面探査車向けのタイヤ開発を推進しており、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションに貢献してまいります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,122億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2021|2,305 文字
5【研究開発活動】当社グループは、ビジョンの実現に向けて、コア事業であるタイヤ事業を更に強化し、その強みを活かし成長事業であるソリューション事業をグローバルで拡充、タイヤを原材料に戻し再利用するリサイクル事業や天然ゴム供給源の多様化を図るグアユール事業などを探索事業として取り組みを進めています。それぞれの事業を強化するのみならず、創出された価値をバリューチェーン全体へ循環させ、増幅していくことを目指しております。その取り組みの基盤となるのが、技術イノベーションです。技術イノベーションを軸に、研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、イノベーションを加速させ、「断トツ商品」や「断トツソリューション」の開発につなげてまいります。タイヤ事業では、EV(電気自動車)への装着に最適な革新的なタイヤ基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を開発しました。省資源・低燃費化によるCO2排出量削減と資源生産性の向上、高い運動性能による安心・安全の向上、電気自動車においては航続距離の延長にも寄与します。「ENLITEN」を搭載したタイヤは、電気自動車をはじめとする国内・海外の主要新車メーカーに採用されると共に、新興メーカーへも納入し、新たなパートナーとの価値共創へも取り組んでまいります。さらに、タイヤを構成する部材であるケースとベルトの組み合わせを異なる商品間で共有、シンプル化するとともにタイヤ表面のトレッド性能をお客様の使用条件に合わせカスタマイズすることで差別化を実現するコモナリティ・モジュラリティ技術の開発も進めております。開発・製造工程の効率化を含めてバリューチェーン全体で環境負荷を低減しつつ、顧客価値の最大化を図ってまいります。成長事業であるソリューション事業については、欧州のデジタルフリート(運送)ソリューションプロバイダーであるWEBFLEET SOLUTIONSを中核としてモビリティソリューションの開発、拡充を推進しております。2021年9月には、米国のAZUGA HOLDINGS, INC.の買収を完了し、モビリティソリューションの開発強化に向け、連携を進めてまいります。また、鉱山ソリューションにおいては、鉱山車両用タイヤの断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」と、車両とタイヤをモニタリングするデジタルツールを組み合わせ、鉱山事業者のオペレーションを最適化する鉱山ソリューションの開発へ力を入れております。天然ゴムの持続可能な安定供給・生産性向上に向けては、高収量のゴム農園実現に貢献することを目的に、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所の学術指導を経て、ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発しました。農園の作地面積を増やさずに天然ゴムの生産性を安定的に向上させる取り組みを進めております。さらに、天然ゴム供給源の多様化に向けて、乾燥した地域で栽培可能な植物「グアユール」由来の天然ゴム実用化にも取り組んでおります。キリンホールディングス株式会社との共同研究では、グアユールの優良品種の苗を効率的かつ安定的に増やすための技術開発に成功するなど、さまざまなパートナーとの共創により、実用化へ向けた技術と、ビジネスモデルの構築を進めております。「リアル」と「デジタル」を組み合わせたタイヤ、ソリューション、技術の開発のために重要なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、高度なAIやアルゴリズムの分析、開発を担当するデータサイエンティストなどのデジタル人財の育成、採用も進めております。東北大学の構内に「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置するなど、デジタル分野における社外との連携も深めてまいります。さらに、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社と共に、人類の夢を背負って過酷な月面環境に挑戦する国際宇宙探査ミッションへ参画し、有人月面探査車「ルナ・クルーザー」向けのタイヤ開発を進めております。これらの技術イノベーションを推進するため、技術開発拠点である小平地区を再開発し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を構築しました。2021年12月には社外パートナーとの共創を通じてアイデアを具現化するイノベーションセンター「B-Innovation(ビーイノベーション)」、更には具現化した技術をエンジニア自ら体感することができるミニテストコース「B-Mobility(ビーモビリティ)」が竣工しております。2022年上期に開所式の実施を予定しており、より多くのパートナーの皆様と共感から共創へつながる活動を広めてまいります。「Bridgestone Innovation Park」を中核として、欧州「Digital Garage(デジタル ガレージ)」、米国「Mobility Lab(モビリティ ラボ)」といった当社グループのイノベーション拠点それぞれが強みを活かして連携し、イノベーションを加速してまいります。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は955億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2020|2,150 文字
5【研究開発活動】当社グループは新たに掲げたビジョンの実現に向けて、コア事業であるタイヤ・ゴム事業を更に強化しながら、その強みを活かし、成長事業であるソリューション事業を拡大させてまいります。この事業の進化を支えていくのが、技術イノベーションです。技術イノベーションを軸に、研究開発活動に取り組み、当社グループが現物現場で長年培ってきた強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、イノベーションを加速させ、断トツ商品や断トツソリューションの開発につなげてまいります。コアとなるタイヤ・ゴム事業では、軽量化と運動性能を高次元で両立するタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を開発しました。省資源・低燃費化によるCO2排出量削減と、高い運動性能による安心・安全の向上を両立し、社会とお客様への貢献を目指しております。「ENLITEN」を搭載したタイヤは、電気自動車をはじめとする国内・海外メーカーの新車への装着も開始しております。建設・鉱山車両用タイヤについては、お客様ごとに異なる鉱山の現場やオペレーションの計画に合わせて「カスタマイズ」することで、最適な性能を提供することが可能な断トツ商品「Bridgestone MASTERCORE(ブリヂストン マスターコア)」を開発しました。内製スチールコードをはじめとした素材、構造、製造技術を含む当社独自の新技術を結集、他の性能を犠牲にすることなく強靭な耐久性能を実現しております。成長事業であるソリューション事業においては、航空機ソリューションにおいて、日本航空株式会社と協働し、新たな価値の共創を開始しております。タイヤ摩耗予測技術を活用することにより、精度の高い計画的なタイヤ交換が可能となり、ホイール・タイヤ在庫の削減及び航空機整備作業を効率化することができるようになります。より安全なクルマ社会の実現に向けては、Microsoft Corporationと協働で、外傷によるタイヤトラブルを、走行中にリアルタイムで検出できる世界初のモニタリングシステムを開発しました。更にトラック・バス事業者様向けには、タイヤの内圧を遠隔モニタリングするデジタルソリューションツール、「Tirematics(タイヤマティクス)」を国内でも提供開始しております。研究開発体制については、技術開発拠点である小平地区を再構築し、グローバルなイノベーション拠点として「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」を開設します。ここでは、社会・お客様・パートナーの皆様に共感いただくことから始め、共議・共研・共創へと関係を深めてまいります。これにより技術・ビジネスモデル・デザインのイノベーションを加速し、新たな社会価値と顧客価値を生み出していくことを目指しております。2020年11月にはその最初の施設として、ブリヂストンの歴史や企業活動を紹介するギャラリー「Bridgestone Innovation Gallery(ブリヂストン イノベーション ギャラリー)」を一般オープンしました。また、イタリア・ローマや米国・オハイオ州アクロンにもイノベーション拠点を有しており、それぞれが強みを活かしてCoE(Center of Excellence)として機能し、イノベーションやソリューションの取り組みをリードしながら、グローバルに連携しております。さらに、当社グループは、モビリティの進化を支え、持続可能な社会の実現に貢献するために、社内外の多様なステークホルダーの皆様との価値の共創を推進しております。新たなモビリティでは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社と共に、国際宇宙探査ミッションへ参画し、月面での有人探査活動に必要なモビリティのタイヤ研究を開始しております。また、東京大学大学院新領域創成科学研究科、株式会社デンソー、日本精工株式会社、ローム株式会社と共同で、「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」社会連携講座を設置しました。モビリティの電動化を支える技術の研究開発や、電動モビリティを省資源でより持続可能にする技術の研究開発、オープンイノベーションとして成果の一部を開放する仕組みの試行を目的としております。当講座において、電気自動車の走行中のインホイールモータへのワイヤレス給電実用化に向けて、「ワイヤレス給電対応タイヤ」の研究を推進しております。タイヤ原材料となる天然ゴム資源の持続的な安定供給に向けては、株式会社電通国際情報サービスと共同で、AI画像診断を用いたパラゴムノキの高精度病害診断技術を開発し、ゴム農園の生産性向上に貢献しております。今後も当社独自のゴムに関する知見とデジタルを融合させ、様々なパートナーと連携しながら技術イノベーションを加速し、価値を共創してまいります。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は952億円であります。 (注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。
FY2019|2,081 文字
5【研究開発活動】当社グループは、「最高の品質で社会に貢献」という「使命」を果たすため、企業理念体系とグローバルCSR体系「Our Way to Serve」を基盤に、イノベーションを通じて新たな価値を創造し、社会課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開することによって、持続可能な社会に貢献していくことを目指しております。その実現に向けて、断トツの「商品」と「サービス」を「サービスネットワーク」でつなぎ、これらの「リアル」の世界と「デジタル」を組み合わせて新たな社会づくりを支える独自のソリューションプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(ブリヂストン ティーエンドディーパース)」に沿った研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、研究開発体制についてはグローバルでの最適化やタイヤと多角化の技術の融合、社外との積極的な連携を推進しております。小平地区の技術センターについては、技術・ビジネスモデル・デザインのイノベーションを加速し、社会価値と顧客価値を社会・お客様・パートナーの皆様と共創していく複合エリアである「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」として再構築を進めております。タイヤ部門では、高まる環境への配慮と要求性能を高次元で両立する技術として、革新的軽量タイヤ技術「Enliten(エンライトン)」を開発し、車両の運動性能とタイヤライフに繋がる摩耗性能を維持しながらタイヤ重量の軽量化を達成しております。次世代素材としては、当社独自の触媒技術を用いてゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた革新的なポリマー「SUSYM(サシム)」を開発しました。ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを自在に引き出すことが可能で、軽量で高耐久、長寿命で低燃費という、従来の常識を覆す新しいタイヤの可能性にも繋がるほか、タイヤの枠組みを超えた多様な分野への貢献ができると考えております。また、更に迅速、高品質かつ効率的にタイヤをお客様へ提供すべく、工場での生産性向上の取組みとして、当社独自のICTを活用した解析・予測、高精度加工、センシング技術の開発を進めております。多角化部門では、タイヤの空気充填を不要とする技術「エアフリーコンセプト」を採用した自転車用次世代タイヤの実用化に向けて開発を進めております。また、建物の水回りの配置の自由度を向上させる排水システム「スマートサイホン」や、施工現場の作業性を向上し耐傷性に優れた樹脂管「らく楽コルゲートパイプ」など、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動に取り組んでおります。また、ICTや最先端技術の積極的な活用により既存事業の枠を超えた社会価値・顧客価値の創造にも取り組んでおります。運送ソリューションでは、オランダのTOM TOM N.V.より買収したデジタルフリートソリューション事業「Webfleet Solutions(ウェブフリート ソリューションズ)」と当社グループが持つタイヤに関する知見やデータを組み合わせることにより、ドライバーや運送業者の安全性・効率性・生産性の更なる向上につながる技術の開発を進めております。さらに、当社グループでは、様々な領域の技術を融合させる産学官共創のプロジェクトに取り組んでおります。新たなモビリティでは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、トヨタ自動車株式会社と共に国際宇宙探査ミッションへ参画し、月面での有人探査活動に必要なモビリティのタイヤ研究を開始しております。インホイールモータへのワイヤレス給電では、東京大学が推進する国立研究開発法人科学技術振興機構の研究プロジェクトに参画し、電気自動車の走行中ワイヤレス給電の実用化に向けて「ワイヤレス給電対応タイヤ」の研究を開始しております。バス輸送のバリアフリー化では、横浜国立大学、公益社団法人日本交通計画協会、株式会社アドヴァンスと共同で、バス停留所と乗降口の段差と隙間を小さくしてバス利用者のスムーズな乗降を可能にするバス停バリアレス縁石のシステム「PlusStop(プラスストップ)」の研究・開発を進めると同時に、縁石に対応するバリアレスコンセプトタイヤについても研究を進めております。バリアレス縁石は、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村にも設置されることが決まっており、アスリートや大会運営をサポートします。また、従来から進めている循環型経済の実現に貢献する施策の一つである、廃タイヤの熱分解により製造されるリサイクルカーボンブラックの活用や、天然ゴム資源多様化の取組みの一つである「グアユール」由来の天然ゴムの実用化に向けた生産性向上のための研究開発を進めております。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は1,052億円であります。部門別には、タイヤ部門では878億円、多角化部門では174億円であります。
FY2018|1,421 文字
5【研究開発活動】当社グループは、企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」を全うし、技術及びビジネスモデルのイノベーション、また企業活動と社会・お客様を創造的に繋ぐデザイン力の強化を通して、グローバルでの強力な競争力を持つビジネスを展開すべく、中期経営計画に沿って研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、研究開発体制のグローバルでの最適化や社外との積極的な連携を推進しております。タイヤ部門では、すべてに対する「安全・安心」を開発理念として、常に環境に配慮し、安全性・快適性を追求することで新しい付加価値の創造に取り組んでおります。軽量で高耐久、長寿命で低燃費という従来の常識を覆す新しいタイヤの可能性にも繋がる、しなやかさと強靭さを兼ね備えた世界初のポリマー「High Strength Rubber(ハイ ストレングス ラバー)」を開発しました。当社独自の新合成技術を用いてゴムと樹脂を分子レベルで結び付けたもので、天然ゴムを凌駕する性能を有しており、環境にも配慮した製品の実現につながると考えております。また、バリューチェーンのデジタル化において、当社独自のICTを活用した解析・予測、高精度加工、センシング技術開発を多岐の領域で進めており、更に迅速、高品質かつ効率的にタイヤをお客様へ提供する「スマートファクトリー構想」の実現を目指しております。多角化部門では、タイヤの空気充填を不要とする技術「エアフリーコンセプト」を採用した自転車用次世代タイヤの実用化に向けて開発を進めております。また、建物の水回りの配置の自由度を向上させる排水システム「スマートサイホン」や、巻き癖が少なくなり施工現場の作業性が向上すると共に耐傷性に優れた樹脂管「らく楽コルゲートパイプ」の実用化など、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動に取り組んでおります。社外との連携では、既存技術の枠を超えた強靭な材料の開発を目指し、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」にも参画し、タイヤをより薄く・軽くできる低燃費性と高強度を両立したゴム複合体を開発しております。また、従来から進めている天然ゴム資源多様化に関しても、イタリアのベルサリス社と提携し、「グアユール」 由来の天然ゴムを使ったタイヤの商用化に向けた研究開発を推進しております。さらに、当社グループは、タイヤ及び多角化事業領域の技術をICTと組み合わせ、新しいサービスとして提供する等、既存事業の枠を超えて顧客価値・社会価値を提供するソリューションビジネスの競争力強化のための研究開発活動に取り組んでおります。運送ソリューションでは、欧州で展開していたトラック・バス用の空気圧・温度の遠隔監視システム「Tirematics(タイヤマティックス)」を刷新し、アジア・大洋州地域でも展開を始めました。また、タイヤ情報を管理する当社のデジタルツール「Toolbox(ツールボックス)」と連動して運用することで、タイヤライフサイクル全体の管理・分析も可能となり、生産性向上・資産価値向上・コスト最適化等を通じてお客様の事業に貢献しております。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は1,035億円であります。部門別には、タイヤ部門では867億円、多角化部門では168億円であります。
FY2017|1,187 文字
6【研究開発活動】当社グループは、企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」を全うし、技術及びビジネスモデルのイノベーション、また企業活動と社会・お客様を創造的に繋ぐデザイン力の強化を通して、グローバルでの強力な競争力を持つビジネスを展開すべく、中期経営計画に沿って研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、研究開発体制のグローバルでの最適化や社外との積極的な連携を推進しております。タイヤ部門では、すべてに対する「安全・安心」を開発理念として、常に環境に配慮し、安全性・快適性を追求することで新しい付加価値の創造に取り組んでおります。氷路面で高いグリップ力を発揮する「アクティブ発泡ゴム2」と新「非対称パタン」の組合せ技術や、超微細技術「NanoPro-Tech(ナノプロ・テック)」の更なる活用により安全性と経済性、静粛性を高次元でバランスする技術を実現しております。また、当社独自のICTに新たに人工知能(AI)を実装したタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」の彦根工場とハンガリ-のタタバーニャ工場への展開を進めており、高付加価値・高品質の商品をお客様に提供しております。多角化部門では、タイヤの空気充填を不要とする技術「エアフリーコンセプト」の実用化に向けた取組みのひとつとして、自転車用次世代タイヤを開発しました。また、建物の水回りの配置の自由度を向上させる排水システム「スマートサイホン」の実用化など、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動を進めております。社外との連携の取り組みとしては、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」に参画し、極限の災害現場で活躍可能なタフなロボット実現のカギの一つである油圧駆動のハイパワー人工筋肉の開発にも取り組んでおります。さらに、当社は、タイヤ及び多角化事業領域の技術をICTと組み合わせ、新しいサービスとして提供する等、既存事業の枠を超えて顧客価値を提供するソリューションビジネスの競争力強化のための研究開発活動に取り組んでおります。当社が設立した鉱山ソリューションの新拠点のピルバラマイニングソリューションセンターでは、当社グループが開発したデジタルツールである、タイヤの情報をリアルタイムに運行管理者に送信するシステム「B-TAG(ビータグ)」や、タイヤ・リム管理ソフトウェア「TreadStat(トレッドスタット)」を活用し、データを蓄積・解析する事で生産性向上・資産価値向上・コスト最適化等を通じてお客様の経営に貢献しております。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は997億円であります。部門別には、タイヤ部門では832億円、多角化部門では165億円であります。
FY2016|1,105 文字
6【研究開発活動】当社グループは、企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」を全うし、技術及びビジネスモデルのイノベーション、また企業活動と社会・お客様を創造的に繋ぐデザイン力の強化を通して、グローバルでの強力な競争力を持つビジネスを展開すべく、中期経営計画に沿って研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、研究開発体制のグローバルでの最適化や社外との積極的な連携を推進しております。タイヤ部門では、すべてに対する「安心」を開発理念として、常に環境に配慮し、安全性・快適性を追求することで新しい付加価値の創造に取り組んでおります。タイヤと路面との接地状況を計測・予測・可視化するタイヤ解析技術「アルティメットアイ」の更なる活用や、当社独自のICTに新たに人工知能(AI)を実装したタイヤ成型システム「EXAMATION(エクサメーション)」の開発・展開を行い、高付加価値・高品質の商品をお客様に提供しております。また、分子構造を高度に制御して天然ゴムを凌駕する性能を持つポリイソプレンゴムの合成に成功し、「再生可能資源の拡充・多様化」につながる技術開発を進めております。さらに、社外との連携の取り組みとしては、内閣府革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」に参画し、このような産官学連携によって既存技術の枠を超えた強靭な材料の開発にも取り組んでおります。多角化部門では、建物の水回りの配置の自由度を向上させる排水システム「スマートサイホン」の実用化など、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動に取り組んでおります。さらに、当社は、タイヤ及び多角化事業領域の技術をICTと組み合わせ、新しいサービスとして提供する等、既存事業の枠を超えて顧客価値を提供するソリューションビジネスの競争力強化のための研究開発活動に取り組んでおります。運送ソリューションの拡大に向けたトラック・バス用のタイヤ空気圧・温度の遠隔監視システム「Tirematics(タイヤマティックス)」の実証試験や、タイヤ、防振ゴム、シートパッドといった商品単体のみならず、お客様にそれらの商品や技術を複合的に活用頂く「NVH(注)ソリューション」の提案に向けた研究開発に取り組んでおります。なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は954億円であります。部門別には、タイヤ部門では798億円、多角化部門では155億円であります。(注)N(noise):騒音、V(vibration):振動、H(harshness):ハーシュネスの頭文字