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日本農薬(4997)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 主力は農薬の製造販売
    日本農薬グループは、農薬の製造と販売を主要な事業としています。殺虫剤、殺菌剤、除草剤など幅広い種類の農薬を自社で製造し、日本全国の特約店、JA、全農、他の農薬メーカーなどを通じて販売しています。海外にも販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
  • 多角的な化学品事業
    農薬以外にも、木材薬品や医薬品の製造・販売も行っています。特に医薬品分野では、外用抗真菌剤や動物用医薬品、飼料添加物などを製造し、医薬品メーカーに提供しています。これにより、事業の多角化を図り、収益源を分散させています。
  • 周辺事業による収益補完
    造園緑化工事の請負、不動産の賃貸、農薬の生産・物流業務の受託、作物や環境中の残留農薬分析など、多岐にわたる周辺事業も展開しています。これらの事業は、本業である農薬事業を補完し、グループ全体の安定した収益基盤を支える役割を担っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 農薬事業
    日本農薬グループの主要な収益源であり、売上高945.71億円、営業利益87.3億円を占めています。殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの農薬を製造し、国内外の特約店、JA、全農、農薬メーカー等を通じて販売しています。米国、インド、ブラジル、欧州、マレーシア、台湾、東南アジア、中米などグローバルに展開しており、グループ全体の稼ぎ頭となっています。
  • 農薬以外の化学品事業
    売上高35.2億円、営業利益4.76億円の規模で、木材薬品や医薬品(外用抗真菌剤、動物用医薬品、飼料添加物など)の製造・販売を行っています。これらの製品は、医薬品メーカーなどを通じて販売されており、農薬事業とは異なる市場で収益を上げています。
  • その他事業
    造園緑化工事、不動産賃貸、農薬物流業務の請負、作物・環境中の残留農薬分析など、多岐にわたるサービスを提供しています。これらの事業は、グループ全体の事業基盤を強化し、安定的な収益確保に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Agrochemicals 事業 946 87 9.2%
ChemicalsOtherThanAgrochemicals 事業 35 5 13.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,295 文字
3 【事業の内容】当グループは日本農薬株式会社(当社)及び関係会社26社で構成されており、その内訳は親会社1社、連結子会社15社、非連結子会社4社、関連会社6社(持分法適用関連会社3社)です。事業としては、農薬の製造・販売を主として行っており、この他にも医薬品の製造、関係会社による造園緑化工事、不動産の賃貸、農薬の生産・物流業務等の請負、建物の付帯設備の営繕、作物・環境中の残留農薬の分析等を行っています。当社グループの事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係わる位置づけは次のとおりです。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一です。(1) 農薬事業・殺虫剤、殺菌剤、殺虫殺菌剤、除草剤、農薬原体、その他当社が製造し、全国に跨る特約店網、JA、全農及び農薬メーカー等を通じて販売しています。連結子会社のNichino America, Inc.、Nichino India Pvt. Ltd.、Sipcam Nichino Brasil S.A.、Nichino Europe Co., Ltd.、持分法適用関連会社のSipcam Europe S.p.A.、Agricultural Chemicals(Malaysia)Sdn. Bhd.、関連会社の第一農薬㈱は、それぞれ米国、インド、ブラジル、欧州、マレーシア、沖縄で製造、販売しています。連結子会社の日佳農葯股份有限公司、Nichino Vietnam Co., Ltd.、Nichino Mexico S. de R.L. de C.V.、非連結子会社のNihon Nohyaku Andica S.A.S.は、台湾、東南アジア、中米で販売しています。また、関連会社の㈱アグロ信州は、当社品の販売先です。連結子会社の㈱ニチノー緑化は、ゴルフ場向け農薬及び家庭園芸用薬剤を販売しています。連結子会社の㈱ニチノーサービスに農薬の生産業務を委託しています。連結子会社のNichino do Brasil Agroquimicos Ltda.は、ブラジルにおける農薬の開発及び登録業務を委託しています。・親会社の㈱ADEKAより原料を購入しています。(2) 農薬以外の化学品事業・木材薬品連結子会社の㈱アグリマートから特約店等を通じて販売しています。・医薬品等外用抗真菌剤、動物用医薬品、飼料添加物等を主として当社が製造し、医薬品メーカー等を通じて販売しています。 (3) その他① 造園緑化工事・連結子会社の㈱ニチノー緑化は、緑化・造園その他の建設工事の請負、設計、施工、監理を行っています。② 不動産の賃貸・連結子会社の㈱ニチノーサービスは、不動産の賃貸を行っています。③ 農薬物流業務等の請負及び倉庫業・連結子会社の㈱ニチノーサービスは、農薬の受注、保管、配送の請負等を行っています。④ 作物・環境中の農薬残留分析・連結子会社の日本エコテック㈱は、作物、食品、ゴルフ場の排水、河川等に含まれる農薬残留の分析を行っています。 上記の事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料の購入価格変動を販売価格への転嫁や為替リスクヘッジで回避しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
農薬取締法、通商関連法、独占禁止法、製造物責任法等、国内外の様々な法規制、政府規制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況等(国内外の政治・経済情勢、農業情勢、市場動向、天候、病害虫の発生状況、公的規制) / 原材料の調達(特定の地域や購入先への集中、中国依存度が高い) / 原材料の価格変動(市況、為替相場、原油・ナフサ価格動向)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
  • グローバルな販売網と生産体制
    日本農薬グループは、日本国内だけでなく、米国、インド、ブラジル、欧州、マレーシア、台湾、東南アジア、中米など世界各地に製造・販売拠点を有しています。これにより、各地域の農業ニーズに合わせた製品供給と、市場変動リスクの分散が可能となっています。
  • 多様な製品ラインナップ
    殺虫剤、殺菌剤、除草剤といった主要農薬に加え、木材薬品や医薬品、動物用医薬品など、幅広い化学品を製造・販売しています。これにより、特定の製品や市場に依存することなく、多様な顧客ニーズに対応し、安定した事業運営を目指しています。
  • 研究開発と品質管理体制
    新製品の開発には多大な時間と資源を投入しており、常に新しい技術や製品の創出に努めています。また、国際標準に基づく品質・環境管理システムを導入し、厳格な品質チェックや設備点検を行うことで、安全で高品質な製品提供を徹底しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、基本理念に基づき「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」をビジョンに掲げ、世界中の人々の安全で安定的な食の確保とくらしを守ることを使命とし、新たな価値の創造により持続可能な社会の実現に貢献していきます。高い安全性と環境への配慮を兼ね備えた優れた化学農薬や非化学農薬を創出することで、安全で安定的な食の確保に貢献します。さらに、これまで培ってきた技術や知見を活かし、人々のくらしを豊かにする新たな製品や価値の創出に取り組み、人類と地球が共生できる社会の実現を目指します。 当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方で、国内では農業従事者の高齢化や後継者不足の深刻化、物流2024年問題などの社会課題に加え、みどりの食料システム戦略等による化学農薬肥料低減目標により、農薬市場は成熟段階にあるものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加、ジェネリック農薬との価格競争に加え、地政学リスクの高まりや原料・エネルギー価格の高騰による生産・調達コストの増加など、事業環境は一層厳しさを増しております。このような事業環境下、ビジョン「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」を掲げ、当社グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」の2年目となる当連結会計年度(2026年3月期)においては、国内でのコルテバ・アグリサイエンス日本株式会社(以下、「コルテバ社」)製品の拡販やBASFジャパン株式会社(以下、「BASF社」)の果樹分野向け製品の日本国内での販売権取得、Nichino America, Inc.およびNichino Europe Co., Ltd.における過去最高売上高の更新、また自社で開発を進めておりました新規有効成分シベンゾキサスルフィルの日本および韓国における登録申請完了などの成果を上げました。これにより、売上高は1,118億円と過去最高を更新しました。一方で、原材料高騰による収益性低下圧力や、Nichino India Pvt. Ltd.の再建、Sipcam Nichino Brasil S.A.の収益構造改革といった課題が浮き彫りとなりました。当社グループは、中期経営計画GGSの最終年度(2027年3月期)において、引き続きサステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、以下の施策を着実に推進します。 [ビジョン]「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」・カーボンニュートラルの実現・環境調和型製品・技術の継続的な創出・サステナブルな社会の実現に貢献 [中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)] 呼称  「Growing Global for Sustainability(GGS)」 数値計画 2027年3月期計画(最終年度) 営業利益108億円 売上高1,200億円 ROE8%以上 海外売上高900億円 海外売上高比率75% 設備投資約80億円(3年間) 研究開発投資約200億円(3年間) (注) 本資料に記載されている計画値および業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 基本方針・基本戦略当社は、当社グループの社会における存在意義について改めて検証し、NICHINO グループ理念体系を改定するとともに、基本理念とバリュー、ビジョンについて見直しを行いました。新たにビジョンを「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」と設定し、中期経営計画では、サステナビリティ経営の推進を成長戦略として、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を実現することを目標として事業活動と社会活動を推進します。 具体的には、以下に掲げる施策を着実に推進します。・重点品目・新規事業の拡大ベンズピリモキサン、ピリフルキナゾン、ピラフルフェンエチル、フルベンジアミド、トルフェンピラドを主要重点品目と定め、エリア戦略に基づき拡販に努めます。また、生物農薬や作物保護資材の収益拡大、選択と集中、リソースの最大活用を図ります。販売計画の確実な進捗を図るとともに、国内農薬登録における再評価制度への対応を進めます。・原価低減原体製造の内製化を進め原価低減を図るとともに精緻な生産計画による安定供給体制を確立させます。・エリア戦略に基づいた市場拡大市場規模拡大が期待できるアジア太平洋、中南米を中心に拡販します。さらに今後成長が期待できる中東・アフリカ市場については事業基盤の整備を進めます。また、高単価かつ世界中で栽培されるSpecialty Crop(果樹・野菜)を中心に主要重点品目の登録、拡販を進めます。・化学合成パイプライン化合物(医・動物薬含む)の研究開発を加速します。また、研究開発リソースの選択と集中、グローバル開発・マーケティング戦略の強化、精緻化を進めます。・バイオリソース活用欧州の研究体制を強化し、生物農薬や作物保護資材のポートフォリオ拡大に向けた取り組みを加速させます。また、バイオベース原料を用いた有用化合物の製造に取り組みます。・デジタル技術の活用他のスマート農業ソリューションとの連携を活かした展開および海外展開の組織化を進めます。また、スマート工場プロジェクトの確実な立ち上げを実施します。・新たなビジネスモデルの取り込み・創出外部価値の取り込みも含め、新規事業の育成、創出に積極的に取り組みます。 ・資本収益性の向上ROE指標の向上を継続し、資本収益性を高めます。・キャッシュフローの改善主に在庫削減による改善を図ります。グローバル(連結・単体)での在庫適正化指標を設定し、計画管理を徹底します。・固定費適正化(生産性向上)管理経費や人件費など効率的な業務遂行により生産性を高め適正化を図ります。また、研究開発リソースの選択と集中や厳格な投資判断により適正化に努めます。・気候変動対応2050年ネットゼロに向けたロードマップの再構築や、Scope3算定の精緻化およびグループ会社支援を進めます。また、GHG排出削減に向けた設備投資と、環境データ管理を実施します。・生物多様性への配慮継続的なイノベーションにより「環境調和型製品*」のポートフォリオ拡大に努めます。*人畜安全性や環境安全性が相対的に高い当社製品・人的資本経営の推進女性管理職育成に向けた組織・マネジメント基盤の強化、定年・再雇用制度の見直し検討、採用力強化に取り組みます。また、新健康管理システムの導入・展開や、業績考課とサステナビリティ業務目標の紐づけ強化を図ります。・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進当社グループの成長には、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進が必須であるという考えのもと、採用、育成・研修、人財活用、健康経営、職場環境について各指標を定め取り組みます。・コンプライアンス・リスクマネジメントの強化安全基盤強化・安全文化醸成に向けたグループ施策を推進します。また、価値創造プロセスの明確化と重点テーマ選定、DX推進、グローバルITセキュリティポリシーの策定・展開、中小受託取引適正化法への確実な対応と社内研修を実施します。・グループ各社に対する監査の強化グループガバナンス強化に向けた体制の整備と運用、グループ規程の海外展開を進めます。また、監理室と協働した監査体制の強化や立会監査を実施します。 配当方針累進配当を基本とし、配当性向40%を目安に配当を行います。 当社グループは、サステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、継続的なイノベーションの創出を通じて事業戦略をさらに深化します。同時に、カーボンニュートラルの実現に向けた環境経営の高度化、人的資本経営の推進による企業価値の向上に取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、基本理念に基づき「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」をビジョンに掲げ、世界中の人々の安全で安定的な食の確保とくらしを守ることを使命とし、新たな価値の創造により持続可能な社会の実現に貢献していきます。高い安全性と環境への配慮を兼ね備えた優れた化学農薬や非化学農薬を創出することで、安全で安定的な食の確保に貢献します。さらに、これまで培ってきた技術や知見を活かし、人々のくらしを豊かにする新たな製品や価値の創出に取り組み、人類と地球が共生できる社会の実現を目指します。 当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方で、国内では農業従事者の高齢化や後継者不足の深刻化、物流2024年問題などの社会課題に加え、みどりの食料システム戦略等による化学農薬肥料低減目標により、農薬市場は成熟段階にあるものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加、ジェネリック農薬との価格競争に加え、地政学リスクの高まりや原料・エネルギー価格の高騰による生産・調達コストの増加など、事業環境は一層厳しさを増しております。このような事業環境下、ビジョン「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」を掲げ、当社グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」の2年目となる当連結会計年度(2026年3月期)においては、国内でのコルテバ・アグリサイエンス日本株式会社(以下、「コルテバ社」)製品の拡販やBASFジャパン株式会社(以下、「BASF社」)の果樹分野向け製品の日本国内での販売権取得、Nichino America, Inc.およびNichino Europe Co., Ltd.における過去最高売上高の更新、また自社で開発を進めておりました新規有効成分シベンゾキサスルフィルの日本および韓国における登録申請完了などの成果を上げました。これにより、売上高は1,118億円と過去最高を更新しました。一方で、原材料高騰による収益性低下圧力や、Nichino India Pvt. Ltd.の再建、Sipcam Nichino Brasil S.A.の収益構造改革といった課題が浮き彫りとなりました。当社グループは、中期経営計画GGSの最終年度(2027年3月期)において、引き続きサステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、以下の施策を着実に推進します。 [ビジョン]「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」・カーボンニュートラルの実現・環境調和型製品・技術の継続的な創出・サステナブルな社会の実現に貢献 [中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)] 呼称  「Growing Global for Sustainability(GGS)」 数値計画 2027年3月期計画(最終年度) 営業利益108億円 売上高1,200億円 ROE8%以上 海外売上高900億円 海外売上高比率75% 設備投資約80億円(3年間) 研究開発投資約200億円(3年間) (注) 本資料に記載されている計画値および業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 基本方針・基本戦略当社は、当社グループの社会における存在意義について改めて検証し、NICHINO グループ理念体系を改定するとともに、基本理念とバリュー、ビジョンについて見直しを行いました。新たにビジョンを「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」と設定し、中期経営計画では、サステナビリティ経営の推進を成長戦略として、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を実現することを目標として事業活動と社会活動を推進します。 具体的には、以下に掲げる施策を着実に推進します。・重点品目・新規事業の拡大ベンズピリモキサン、ピリフルキナゾン、ピラフルフェンエチル、フルベンジアミド、トルフェンピラドを主要重点品目と定め、エリア戦略に基づき拡販に努めます。また、生物農薬や作物保護資材の収益拡大、選択と集中、リソースの最大活用を図ります。販売計画の確実な進捗を図るとともに、国内農薬登録における再評価制度への対応を進めます。・原価低減原体製造の内製化を進め原価低減を図るとともに精緻な生産計画による安定供給体制を確立させます。・エリア戦略に基づいた市場拡大市場規模拡大が期待できるアジア太平洋、中南米を中心に拡販します。さらに今後成長が期待できる中東・アフリカ市場については事業基盤の整備を進めます。また、高単価かつ世界中で栽培されるSpecialty Crop(果樹・野菜)を中心に主要重点品目の登録、拡販を進めます。・化学合成パイプライン化合物(医・動物薬含む)の研究開発を加速します。また、研究開発リソースの選択と集中、グローバル開発・マーケティング戦略の強化、精緻化を進めます。・バイオリソース活用欧州の研究体制を強化し、生物農薬や作物保護資材のポートフォリオ拡大に向けた取り組みを加速させます。また、バイオベース原料を用いた有用化合物の製造に取り組みます。・デジタル技術の活用他のスマート農業ソリューションとの連携を活かした展開および海外展開の組織化を進めます。また、スマート工場プロジェクトの確実な立ち上げを実施します。・新たなビジネスモデルの取り込み・創出外部価値の取り込みも含め、新規事業の育成、創出に積極的に取り組みます。 ・資本収益性の向上ROE指標の向上を継続し、資本収益性を高めます。・キャッシュフローの改善主に在庫削減による改善を図ります。グローバル(連結・単体)での在庫適正化指標を設定し、計画管理を徹底します。・固定費適正化(生産性向上)管理経費や人件費など効率的な業務遂行により生産性を高め適正化を図ります。また、研究開発リソースの選択と集中や厳格な投資判断により適正化に努めます。・気候変動対応2050年ネットゼロに向けたロードマップの再構築や、Scope3算定の精緻化およびグループ会社支援を進めます。また、GHG排出削減に向けた設備投資と、環境データ管理を実施します。・生物多様性への配慮継続的なイノベーションにより「環境調和型製品*」のポートフォリオ拡大に努めます。*人畜安全性や環境安全性が相対的に高い当社製品・人的資本経営の推進女性管理職育成に向けた組織・マネジメント基盤の強化、定年・再雇用制度の見直し検討、採用力強化に取り組みます。また、新健康管理システムの導入・展開や、業績考課とサステナビリティ業務目標の紐づけ強化を図ります。・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進当社グループの成長には、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進が必須であるという考えのもと、採用、育成・研修、人財活用、健康経営、職場環境について各指標を定め取り組みます。・コンプライアンス・リスクマネジメントの強化安全基盤強化・安全文化醸成に向けたグループ施策を推進します。また、価値創造プロセスの明確化と重点テーマ選定、DX推進、グローバルITセキュリティポリシーの策定・展開、中小受託取引適正化法への確実な対応と社内研修を実施します。・グループ各社に対する監査の強化グループガバナンス強化に向けた体制の整備と運用、グループ規程の海外展開を進めます。また、監理室と協働した監査体制の強化や立会監査を実施します。 配当方針累進配当を基本とし、配当性向40%を目安に配当を行います。 当社グループは、サステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、継続的なイノベーションの創出を通じて事業戦略をさらに深化します。同時に、カーボンニュートラルの実現に向けた環境経営の高度化、人的資本経営の推進による企業価値の向上に取り組み、サステナブルな社会の実現に貢献します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(業績等の概要)(1) 業績当連結会計年度における世界経済は、米国では通商政策の動向を背景に先行きの不透明感があったものの、景気の緩やかな拡大が続きました。欧州では、ユーロ圏を中心に景気の持ち直しが見られ、英国においても、緩やかながら景気が回復しました。中国では、不動産市場の停滞が続き、景気は緩やかな減速基調となりました。また、わが国では、雇用・所得環境の改善を背景に回復基調を維持しましたが、中東情勢の緊迫化に伴う原材料価格やエネルギー価格の動向など、外部環境の不確実性については引き続き留意が必要な状況となりました。農業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国における経済発展などを背景とした農産物需要の拡大から、農業生産は引き続き堅調に推移しました。一方、世界の農薬市場は、昨年度に引き続き農家の経済状況が依然として厳しく、農薬価格も低水準が続いたものの、多くの地域で天候条件が回復し、作付面積の拡大に伴い農薬の使用機会が増加したことから、現地通貨ベースでは改善が見られました。当社グループの主な販売地域に目を転じますと、国内では、気温の高い状態が続いたことにより、カメムシなどの害虫の発生が増加したことに加え、米価高騰による水稲作付面積の増加の影響などから、農薬需要は堅調に推移しました。北米では、作物別に作付面積の増減がみられたものの、高温・乾燥条件による病害虫の多発などから、農薬需要は堅調に推移しました。中南米では、大豆を始め作付面積が拡大し農薬需要は増加しましたが、ジェネリック農薬など一部品目の価格下落の影響などから、農薬価格は弱含みで推移しました。欧州では、一部地域における天候不順の影響により、農薬需要は弱含みで推移しました。また、アジアでは、インドにおいて一部地域での豪雨の影響により、農薬の散布機会が減少したほか、病害虫の発生が全体として低調に推移したことから、農薬価格および農薬需要は弱含みで推移しました。このような状況下、当社グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」に取り組み、事業戦略の深化、環境経営の高度化および人的資本経営の推進を行い、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を目指しました。当連結会計年度における主な取り組みとしては、自社で開発を進めておりました新規有効成分シベンゾキサスルフィルについて、日本および韓国における登録申請を完了しました。また、持続的なグループ成長のための事業と収益の拡大を目指し、BASF社の果樹分野向け製品において、日本国内での独占販売を開始しました。さらに、国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センターとのオープンイノベーションによる特許出願や、農研機構発ベンチャーである株式会社農研植物病院への出資を通じ、新たな収益源の創出に向けた取り組みを推進しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は、中核事業である農薬事業で、日本国内、北米や欧州での販売が増加したことなどにより、1,118億22百万円(前期比118億55百万円増、同11.9%増)となりました。利益面では、売上高の増加に加え当社の海外向け販売のうち利益率の高い北米や欧州を中心に販売が増加したことにより、営業利益は108億78百万円(前期比23億1百万円増、同26.8%増)となりました。さらに、米国子会社で農薬登録に係るデータ使用に伴う補償金収入が発生したこと、ならびに欧州の関係会社の業績好調により持分法による投資利益が増加したことなどから、経常利益は105億27百万円(前期比34億40百万円増、同48.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は72億28百万円(前期比48億72百万円増、同206.8%増)となりました。セグメントの業績を示すと、次のとおりです。 ① 農薬事業農薬事業の売上高は1,054億55百万円(前期比108億83百万円増、同11.5%増)、セグメント利益(営業利益)は106億66百万円(前期比19億35百万円増、同22.2%増)となりました。 ② 農薬以外の化学品事業農薬以外の化学品事業の売上高は41億73百万円(前期比6億52百万円増、同18.5%増)、セグメント利益(営業利益)は7億69百万円(前期比2億93百万円増、同61.7%増)となりました。 ③ その他その他の売上高は21億93百万円(前期比3億19百万円増、同17.0%増)、セグメント利益(営業利益)は4億29百万円(前期比1億12百万円増、同35.3%増)となりました。 (2) 財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ、27億46百万円増の1,549億62百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、49億23百万円減の678億69百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、76億69百万円増の870億93百万円となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ33億76百万円減少し、当連結会計年度末は188億43百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、45億26百万円となりました。これは仕入債務の減少額35億31百万円による資金の減少、法人税等の支払額28億94百万円があったものの、税金等調整前当期純利益を94億68百万円計上したことが主な要因であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、18億51百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出12億37百万円、無形固定資産の取得による支出4億38百万円があったことが主な要因であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、77億80百万円となりました。これは長期借入金の返済による支出59億19百万円、短期借入金の純減額23億24百万円があったことが主な要因であります。 (生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)農薬事業67,994112.9農薬以外の化学品事業1,035148.5その他599110.5合計69,629113.2 (注) 金額は、製品製造原価によっています。 (2) 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)農薬事業23,890143.8農薬以外の化学品事業1,46493.9その他77154.8合計25,432139.5 (注) 金額は、仕入価格によっています。 (3) 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)農薬事業----農薬以外の化学品事業----その他908157.0403208.7合計908157.0403208.7 (4) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)農薬事業105,455111.5農薬以外の化学品事業4,173118.5その他2,193117.0合計111,822111.9 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。 2 販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容当社グループの中核事業である農薬事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展などを背景とした食料需要の拡大から、グローバルな農薬市場は拡大傾向にあります。一方で、国内では農業従事者の高齢化や後継者不足の深刻化、物流2024年問題などの社会課題に加え、みどりの食料システム戦略等による化学農薬肥料低減目標により、農薬市場は成熟段階にあるものと考えられます。また、創薬難度の高まりと農薬登録要件の増加、ジェネリック農薬との価格競争に加え、地政学リスクの高まりや原料・エネルギー価格の高騰による生産・調達コストの増加など、事業環境は一層厳しさを増しております。このような状況下、当社グループは中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」に取り組み、事業戦略の深化、環境経営の高度化および人的資本経営を推進し、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を目指しました。当連結会計年度における当社グループの売上高は1,118億22百万円(前期比118億55百万円増、同11.9%増)となりました。利益面では、営業利益は108億78百万円(前期比23億1百万円増、同26.8%増)、経常利益は105億27百万円(前期比34億40百万円増、同48.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は72億28百万円(前期比48億72百万円増、同206.8%増)となりました。なお、セグメント別の業績は以下のとおりです。 (農薬事業)国内農薬販売では、米価高騰による生産意欲の高まりから水稲栽培面積が増加し、主力自社開発品目をはじめとした水稲向け製品の販売が好調に推移しました。加えて、コルテバ社の製品の拡販やBASF社の果樹分野向け製品の日本国内での販売開始により、国内販売全体の売上高は前年同期を上回りました。海外農薬販売では、北米において、主力分野の果樹に加え、ナッツ類における当社製品の技術普及活動が奏功し、販売シェアが拡大しました。なかでも当社製品の主要市場である米国カリフォルニア州では、2026年2月下旬から3月にかけて気温が大きく上昇した影響により、果樹等の生育が早まるとともに害虫の発生が増加しました。これにより、殺虫剤ブプロフェジンおよび殺虫剤フェンピロキシメートの販売が伸長しました。加えて、カナダの同業者向け販売において除草剤ピラフルフェンエチルが好調に推移し、Nichino America, Inc.は過去最高の売上高となりました。中南米では、ブラジルにおいて流通在庫の適正化を推進しましたが、農産物相場の低迷やジェネリックの攻勢により農薬価格が低下したことに加え、低温多雨による病害虫の少発生により、Sipcam Nichino Brasil S.A.の売上高が前年同期比で減少しました。欧州では、バイエル社向けフルベンジアミド原体販売が増加しました。また、前述のとおり欧州の農薬需要は弱含みで推移したものの、果樹・野菜向けの当社製品の技術普及活動が奏功し、Nichino Europe Co., Ltd.においても、果樹やばれいしょ向けの除草剤ピラフルフェンエチルなどの販売が好調に推移したことに加え、Interagro (UK) Ltd.の経営を統合し英国・アイルランドでの直販を本格化したことにより、過去最高の売上高となりました。アジアでは、西アジアにおいて多雨による散布機会逸失により販売が伸び悩んだものの、Nichino India Pvt. Ltd.においては同業者向け販売が増加したことから前年同期比で売上高が増加しました。これらにより、海外販売全体の売上高は前年同期を上回りました。以上の結果、農薬事業の売上高は1,054億55百万円(前期比108億83百万円増、同11.5%増)、セグメント利益(営業利益)は、106億66百万円(前期比19億35百万円増、同22.2%増)となりました。 (農薬以外の化学品事業)化学品事業では、シロアリ薬剤分野の販売が堅調に推移しました。医薬品事業では、国内の爪白癬向けなどで外用抗真菌剤ルリコナゾールの販売が堅調に推移しました。以上の結果、農薬以外の化学品事業の売上高は41億73百万円(前期比6億52百万円増、同18.5%増)、セグメント利益(営業利益)は7億69百万円(前期比2億93百万円増、同61.7%増)となりました。 (その他)緑化造園工事事業では、造園工事の受注が好調に推移し売上高が増加しました。分析事業では、食品分野等の受注が伸長した結果、売上高が増加しました。以上の結果、その他の売上高は21億93百万円(前期比3億19百万円増、同17.0%増)、セグメント利益(営業利益)は4億29百万円(前期比1億12百万円増、同35.3%増)となりました。 (2) 目標とする経営指標の達成状況等当社グループは、ビジョン「Global Innovator for Crop & Life 食とくらしのグローバルイノベーター」を掲げ、世界中の人々の安全で安定的な食の確保とくらしを守ることを使命とし、新たな価値の創造により持続可能な社会の実現に貢献していきます。事業活動と社会活動の両立を推進することで、新たな価値の創造による安全性の高い、環境に配慮した優れた化学農薬や非化学農薬を創出し、安全で安定的な食の確保に貢献するとともに、これまで培われた技術を、人々のくらしを豊かにする新製品の創出へと価値を創造し、人類と地球が共生できる社会の実現を目指します。当社グループは、サステナビリティ経営を推進し、新たな価値の創造を持続的に可能とする企業グループを目指し、業績の向上に努め、公正で活力のある事業活動を通じて社会的責任を果たし、社会に貢献することを目指します。当社グループの将来のありたい姿では、収益性の強化を重視し、2030年度に営業利益率10%以上、売上高1,650億円超、ROE10%以上を目指しております。その先にはビジョンに掲げた「食とくらしのグローバルイノベーター」として売上高3,000億円超の、サステナブルな社会の実現に貢献するグローバルカンパニーとなることを目標としております。2025年3月期を初年度とする中期経営計画「Growing Global for Sustainability(GGS)」においては、最終年度となる2027年3月期の計画数値として売上高1,200億円、営業利益108億円を設定し、サステナビリティ経営の推進を成長戦略とし、社会全体と当社グループの持続可能性の両立を実現することを目標に事業活動を推進してまいります。2年目となる当連結会計年度においては、自社で開発を進めておりました新規有効成分シベンゾキサスルフィルについて、日本および韓国における登録申請を完了しました。また、持続的なグループ成長のための事業と収益の拡大を目指し、BASF社の果樹分野向け製品において、日本国内での独占販売を開始しました。さらに、国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センターとのオープンイノベーションによる特許出願や、農研機構発ベンチャーである株式会社農研植物病院への出資を通じ、新たな収益源の創出に向けた取り組みを推進しました。加えて環境経営の高度化や人権経営の推進が順調に進捗するなど、サステナビリティ経営の強化に一定の成果を上げることができました。また、株式会社ADEKAとの資本業務提携によるシナジーを早期に創出し発揮するべく活動を推進してきました。当連結会計年度においては、期初の計画値として売上高1,075億円および営業利益80億円を設定し、業績向上に努めてまいりました。前述の中核事業である農薬事業で、日本国内、北米や欧州での販売が増加したことなどにより、過去最高の売上高を計上しました。売上高の増加及び当社の海外向け販売に関し利益率の高い北米や欧州を中心に売上が増加したことにより、営業利益は期初の計画数値を上回りました。 (3) 財政状態の状況①事業全体の状況当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ、27億46百万円増の1,549億62百万円となりました。負債につきましては、短期借入金及び長期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ、49億23百万円減の678億69百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ、76億69百万円増の870億93百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ、4.1%増の54.9%になりました。 ②セグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ82億5百万円増加し、1,443億40百万円となりました。 (農薬事業)当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ81億54百万円増加し、1,395億13百万円となりました。 (農薬以外の化学品事業)当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ1億64百万円増加し、28億64百万円となりました。 (その他)当連結会計年度末のセグメント資産は、前期末に比べ1億13百万円減少し、19億62百万円となりました。 ③キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況につきましては、「(業績等の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ④資本の財源および資金の流動性当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化にかかる設備投資であり、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は188億43百万円であり、十分な手元流動性を確保しています。 ⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

事業リスク

  • 経済・農業情勢の変動リスク
    日本農薬グループは国内外で農薬製品を販売しており、各国の政治・経済情勢、農業情勢、市場動向、天候、病害虫の発生状況、公的規制などが業績に直接的・間接的に影響を与える可能性があります。特に、農業は自然環境に左右されるため、予測困難な要因が多いです。
  • 原材料調達と価格変動リスク
    農薬原体や原料の一部は特定の地域や購入先に集中しており、特に中国への依存度が高い状況です。相手国の法規制強化や購入先の事故により調達が困難になった場合、生産に支障をきたす可能性があります。また、原材料の購入価格は市況や為替、原油価格に影響されるため、予期せぬ高騰は業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 法的規制と新製品開発リスク
    農薬事業は国内外で農薬取締法など様々な法的規制を受けており、規制強化やコンプライアンス違反は社会的評価や業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、農薬に関する法規制は世界的に強化されており、新規登録の遅延や既存登録の抹消は事業展開に重大な影響を与える恐れがあります。また、新製品開発には多大な時間と資源を要し、市場環境の変化などにより期待通りの成果が得られないリスクもあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,089 文字
3 【事業等のリスク】当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針とその管理体制を「日本農薬およびNICHINO グループリスクマネジメント規程」において定め、部門を統括する常勤取締役及び執行役員から構成されるリスクマネジメント委員会を設置し、リスクの把握、リスクの顕在化予防、顕在化したリスクの影響を最小限に留めるリスク発生対処等を行なっています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅したものではありません。 1 経済状況等当社グループは国内のみならず海外にも輸出し、また販売拠点を有しており、輸出、販売している殆どが農薬製品、農薬用原体であります。このため国内外の政治・経済情勢および農業情勢、市場動向、天候、病害虫の発生状況、公的規制などによって、直接的、間接的な影響を受けます。 2 原材料の調達について当社グループの事業で用いる農薬原体、原料、副原料等の一部については、コストダウンを推進した結果、特定の地域や購入先に集中する傾向にあり、年間購入総額における中国依存度は高い水準にあります。当社グループでは原材料の調達先の複数化を進めることによりリスクを低減するよう取り組んでいますが、相手国での法規制の強化や購入先の操業事故等により調達に制約を受けた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 3 原材料の価格変動について当社グループの事業で用いる農薬原料、副原料等の購入価格は、国内、国外の市況、為替相場の変動および原油、ナフサ価格動向などの影響を受けます。業績に及ぼす影響は、購入価格の引下げ、販売価格への転嫁、為替リスクヘッジなどにより極力回避していますが、予期せぬ事態の場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 4 為替の変動について当社グループの事業には、農薬原体を含む原材料の輸入、製品の輸出とインド、ブラジル、米国などにおける生産、販売が含まれており、外貨建てとしては米ドル、インドルピー、ブラジルレアルが主なものであります。これらの外貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されていますが、換算時の為替レートにより元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価格が影響を受ける可能性があります。 5 新製品の開発新製品の開発には、多大な技術的、財務的、人的資源と長い時間を要します。この間の市場環境の変化、技術水準の進捗、規制動向の変化などにより開発の成否、将来の成長と収益性に影響を受ける可能性があります。 6 災害・事故について当社グループでは安全で安定的な食の確保と豊かな緑と環境を守ることを使命として、国際標準に基づく品質、環境管理システムにて操業、運営しています。しかしながら、大規模地震や台風などの自然災害による生産設備への被害、工場における事故などのトラブルにより工場停止、原料などの供給不足、品質異常などの不測の事態が発生する可能性があります。これらのリスク回避として、厳格な原材料の受け入れ検査、製品の品質チェック、定期的な設備点検などを実施していますが、自然災害、事故などによる影響を完全に排除する保証はなく、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7 法的規制当社グループの事業は、国内外での販売、輸出において農薬取締法、通商関連法、独占禁止法、製造物責任法等様々な法規制、政府規制を受けています。当社グループでは、コンプライアンス委員会活動を通じてコンプライアンス強化に努め、適切に対応すべく取り組んでいますが、今後、法的規制を遵守できなかった場合や、規制の強化によっては当社グループの社会的評価や業績に影響を及ぼす恐れがあります。特に近年、農薬に関する法規制が世界的に強化されており、農薬原体等の新規登録の遅延、中止、既存登録の抹消の処分を受けた場合、当社グループの事業展開に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 8 企業買収・事業投資について当社グループは、戦略的施策の一環として、グローバルベースで企業買収・事業投資を実施しています。実施に際しては、対象企業や事業について詳細なデューデリジェンスを行い、リスク回避に努めていますが、将来の不確実な経済条件及び経営環境の変化により期待する成果が得られないと判断された場合には、関係会社株式の評価損やのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9 訴訟に関わるリスクについて 当社グループは、国内及び海外事業に関連して、取引先や第三者との間で、訴訟その他法定手続きが発生するリスクがあります。重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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