事業の概要
- 主要事業の概要デクセリアルズは、光学材料と電子材料の製造・販売を主な事業としています。具体的には、スマートフォンや自動車のディスプレイに使われる反射防止フィルムや、電子部品の接続に使われる異方性導電膜などを提供しており、これらは現代社会のデジタル化に不可欠な高機能性材料です。グループ全体で9社の連結子会社と7社の持分法適用関連会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- 高機能材料の提供同社は、独自の技術を組み合わせて顧客のニーズに応え、エレクトロニクス、自動車、フォトニクスといった幅広い分野に高度な材料技術やプロセス技術に支えられた新しい高機能性材料やデバイスを提供しています。これにより、人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献することを目指しています。
- 企業ビジョンとパーパス企業ビジョンとして「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」を掲げ、常に新しい価値を創造できる「人」を育てることを重視しています。また、2024年5月には「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」をパーパスとして制定し、社会の効率化を実現するデジタルテクノロジーの進化に不可欠な技術・材料・ソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することを存在意義としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 光学材料部品事業この事業は、光学フィルムと光学樹脂材料の2つのカテゴリーで構成されています。主な製品には、ディスプレイの視認性を高める反射防止フィルムや、ディスプレイモジュールとカバーガラスの貼り合わせに使われる光学弾性樹脂、センサーモジュールの組み立て用接着剤である精密接合用樹脂などがあります。主にスマートフォン、タブレットPC、パソコン、自動車向けディスプレイの需要に対応しており、2024年3月期の売上高は509.75億円、営業利益は160.4億円です。
- 電子材料部品事業この事業は、異方性導電膜、表面実装型ヒューズ、フォトニクス、接合関連材料の4つのカテゴリーに分かれています。特に主力製品である異方性導電膜は、ガラスやプリント基板に電子部品を接続する接着フィルムで、スマートフォンなどの小型化・薄型化に貢献し、世界市場で高いシェアを持っています。また、データセンター増加に伴い需要が伸びるフォトニクス領域にも注力しています。2024年3月期の売上高は542.22億円、営業利益は191.67億円です。
- 主要製品と市場光学材料部品事業では、反射防止フィルムがノートPCや車載ディスプレイで採用を拡大し、精密接合用樹脂はスマートフォンなどのセンサーモジュールで広く使われています。電子材料部品事業では、異方性導電膜が中小型フレキシブルOLEDパネルのデファクトスタンダード品として広く使われています。これらの製品は、エレクトロニクス、自動車、フォトニクス分野の進化を支える重要な材料であり、同社の収益の柱となっています。
2024-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| OpticalMaterialsAndComponents | 事業 | 510 | 160 | 31.5% |
| ElectronicMaterialsAndComponents | 事業 | 542 | 192 | 35.3% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社(デクセリアルズ株式会社)及び連結子会社9社及び持分法適用関連会社7社により構成されており、光学材料、電子材料等の製造・販売を主要な事業としております。 当社グループは、「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」を企業ビジョンに掲げ、卓越した独自の技術を組み合わせ、お客さまのニーズや課題に応え、エレクトロニクスや自動車、フォトニクス分野などに、高度な材料技術やプロセス技術に支えられた新しい高機能性材料やデバイスを提供することで、人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献してまいります。そして付加価値の高い製品を提供し続けるために、社名の元になっている「かしこく、機敏に」材料の力を組み合わせ、常に新しい価値を創造できる「人」を社内に創ることが大切な使命だと考えております。 当社グループの社員は、常に、持てる技術に磨きをかけ、知恵をしぼり、仕事に向かう姿勢として、経営理念である「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」を心がけています。その真摯に取り組む姿勢が技術開発や製品品質の向上につながり、お客さまに喜んでいただける付加価値の高い製品を生む当社の基礎(いしずえ)となっていると考えております。 当社グループは、2024年5月に「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」をパーパスとして制定し、社会の効率化を実現するデジタルテクノロジーの進化に不可欠な技術・材料・ソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することが自社の存在意義であると定義しました。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の2事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)光学材料部品事業 当事業は光学フィルム、光学樹脂材料の2カテゴリーに分けられております。これら2カテゴリーには反射防止フィルム、光学弾性樹脂、精密接合用樹脂等が含まれており、特に主力製品である反射防止フィルムは当社独自の技術によりコンシューマーエレクトロニクス及び自動車用ディスプレイパネルでの採用が進んでおり、顧客から高い評価をいただいております。また、精密接合用樹脂は、精密な固定が要求されるセンサーモジュールの組み立て用接着剤として、スマートフォンをはじめとするさまざまなアプリケーションで採用が広がっています。 当社及び連結子会社Dexerials America Corporationが製造・販売を行うほか、連結子会社Dexerials Europe B.V.、Dexerials Singapore Pte. Ltd.、持分法適用関連会社3社が販売を行っております。 当事業は、主に製品技術として光学特性の向上に係る事業であり、全て顧客仕様にあわせてカスタマイズした上で、液晶パネルメーカー及びセットメーカー等に販売しております。 主にスマートフォン、タブレットPC、パソコン及び自動車向けディスプレイの需要に対応しております。 その中でも、反射防止フィルムは、ディスプレイの表面で発生する外光反射を抑制するフィルムとして、スパッタ製法を用いた優れた低反射特性と耐擦傷性を実現させ、ノートPC向けディスプレイや車載ディスプレイでの採用が拡大しております。 (各製品カテゴリーに含まれる主な製品・ソリューションの概要) 光学フィルムカテゴリー・反射防止フィルム: ディスプレイパネルの表面に貼り付けることで、外光の反射を低減し、パネルの視認性を向上させる機能を持つフィルム・蛍光体フィルム: 液晶ディスプレイの画像の色調等を向上させる機能性フィルム 光学樹脂材料カテゴリー・光学弾性樹脂: フラットパネルディスプレイでディスプレイモジュールとカバーガラスの貼り合わせに使われる透明な樹脂粘着剤・精密接合用樹脂: カメラモジュールをはじめとする各種センサーモジュールの組み立て等に用いられる樹脂接着材・光ディスク用紫外線硬化型樹脂: DVD・BD等の光ディスク用の表面保護のためのコーティング剤・接着剤 (2)電子材料部品事業 当事業は異方性導電膜、表面実装型ヒューズ、フォトニクス、接合関連材料の4カテゴリーに分けられております。特に主力製品である異方性導電膜は1977年に業界で初めて開発・量産化しており、高い技術、品質で世界市場において高いシェアを有しております。 当社及び連結子会社Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.が製造・販売を行う他、デクセリアルズフォトニクスソリューションズ株式会社が製造を行い、連結子会社Dexerials America Corporation、Dexerials Europe B.V.、Dexerials Singapore Pte. Ltd.、持分法適用関連会社3社が販売を行っております。 当事業は、主に接着、接合、導入製品の接続特性向上やフォトニクスに係る事業であり、顧客仕様に合わせたカスタマイズ製品と標準タイプの汎用製品を、電子部品メーカー及び材料加工メーカー等に販売しております。 その中でも、異方性導電膜は、スマートフォン、タブレットPC等の小型化、薄型化、狭額縁化、軽量化に寄与しております。特にスマートフォン等の中小型フレキシブルOLEDパネルでは、当社の粒子整列型タイプが世界のデファクトスタンダード品として広く使われているなか、安定的に供給できる体制を確立しております。また、生成AIの社会への浸透によるデータセンターの増加等に伴って需要が伸びているフォトニクス領域においても、省エネルギー化、高速通信化のニーズに応えた製品の開発を進めております。 (各製品カテゴリーに含まれる主な製品の概要) 異方性導電膜カテゴリー・異方性導電膜: 主に、ガラス・プリント基板に電子部品を接続する、導通と絶縁の機能を兼ね備えた接着フィルム 表面実装型ヒューズカテゴリー・表面実装型ヒューズ: リチウムイオン二次電池を過充電や過電流から保護するためのヒューズ フォトニクスカテゴリー・マイクロデバイス: 主にプロジェクター向けの無機偏光板・無機波長板・無機拡散板・光半導体: 光通信用デバイス・センシング用デバイス等の光半導体デバイス及びモジュール 接合関連材料カテゴリー・工業用機能性接合材: 半導体・通信・車載機器向けの粘着テープ等の機能性接合材料 (3)研究開発・生産・販売体制(研究開発・生産体制) 研究開発・生産に関しては、生産効率及び管理効率の最大化を図るため、開発拠点及びメイン工場として栃木県下野市の本社・栃木事業所へ集約しております。 研究開発の基本方針として、薄膜形成・コーティング技術、微細加工技術、光半導体技術、無機材料技術、有機材料技術、分析評価技術を6つの基軸に、技術の融合と進化によるコア技術の強化とビジネス拡大への貢献を掲げています。新規領域での事業成長を加速させるべく、研究開発体制につきましては、研究開発機能はコーポレートR&D本部、各事業の意思決定の迅速化を図るため商品開発機能を統合した各事業部が、それぞれに対しての権限と責任をより明確化した上で、自律的な運営を行っております。これらの研究開発からマーケティングまでの機能を連携させた全社の技術戦略の策定と推進をDexerials Innovation Group(DIG)推進部が担っております。 また、分析・解析拠点を日本、中国、韓国の各拠点に設置し、顧客の実装ラインを保有することにより、迅速かつ顧客の生産工程に即した対応に加えて、同時に製品の改良・開発等へフィードバックが可能となっております。 生産体制につきましては、流通及び管理効率化のため、生産拠点は本社・栃木事業所、鹿沼事業所をはじめ国内外の8拠点で構成しております。 (販売体制) 当社グループはグローバルに事業を展開し、世界のメーカーと取引を行うなど、多くの顧客を有しており、直接の販売先だけでなく、最終顧客(最終製品メーカー)との直接のコミュニケーションに加え、装置メーカーやEMSとも連携し、強固な関係を築いております。特に、新製品投入の際には、外部からの分析や模倣が非常に難しい高機能な材料と、その性能を最大限引き出すプロセスを組み合わせたソリューションを提供しております。更に、顧客へのプロセス特許の無償提供や、顧客の製造設備の導入サポートにより製造プロセスのスタンダード化を実現しております。これらの販売機能はグローバルセールス&マーケティング本部が主体的に担っております。 また、顧客に密着した営業活動を行うため、海外営業・販売子会社を米国、オランダ、中国、台湾、韓国及びシンガポールに置き、国内では東京、大阪に営業部門を置いており、製品カテゴリー別に組織しております。 [事業系統図] 以上で述べた主な事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 当社の他、連結子会社6社は光学材料部品事業・電子材料部品事業共通であり、連結子会社Dexerials (Suzhou) Co.,Ltd.、デクセリアルズフォトニクスソリューションズ株式会社は電子材料部品事業に属しております。 (注)1.デクセリアルズフォトニクスソリューションズ株式会社は、2024年4月1日付で旧Dexerials Precision Components株式会社及び旧株式会社京都セミコンダクターが統合して設立されました。2.当社は、2024年2月5日開催の取締役会により、Dexerials Hong Kong Limitedの合弁会社化を目的とする株式譲渡契約及び株主間契約の締結を決定し、株式会社レスターホールディングス(現 株式会社レスター)との間で当該契約を締結いたしました。当該契約に基づく2024年7月1日での株式譲渡に伴い、同社は当社の連結範囲より除外され、持分法適用関連会社となりました。3.当社は、2024年9月25日開催の取締役会において、旧Dexerials Korea Corporationの合弁会社化を目的とする株式譲渡契約及び株主間契約の締結を決定し、株式会社レスターとの間で当該契約を締結いたしました。当該契約に基づく2025年1月2日での株式譲渡に伴い、同社は当社の連結範囲より除外され、持分法適用関連会社となりました。同社の営業・マーケティング機能に係る事業については、同じく2025年1月2日に新設分割により設立した当社の連結子会社である新Dexerials Korea Corporationが継承しております。4.当社は、2024年9月25日開催の取締役会において、Dexerials Taiwan Corporationの合弁会社化を目的とする株式譲渡契約及び株主間契約の締結を決定し、株式会社レスターとの間で当該契約を締結いたしました。当該契約に基づく2025年2月3日での株式譲渡に伴い、同社は当社の連結範囲より除外され、持分法適用関連会社となりました。同社の営業・マーケティング機能に係る事業については、2024年11月18日に設立した当社の連結子会社であるDexerials Marketing Taiwan Corporationが継承しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 常に付加価値の創出及び製品の高品質化に努め、価格水準の維持及び向上を目指しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の技術を組み合わせた高機能性材料やデバイスの提供、スパッタ製法を用いた低反射特性と耐擦傷性。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の動向 / 競争の激化 / 事業ポートフォリオ変革の遅れ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
デクセリアルズは、光学機能性フィルムやディスプレイ用部材において、長年培ってきた技術力とノウハウを蓄積している。特に、ディスプレイの反射防止や表面保護に関する独自技術は、顧客からの信頼を得ているが、特許による明確な独占性や強力なブランド力は限定的。
スイッチングコスト★★★☆☆
同社の製品は、スマートフォンやタブレットなどのディスプレイに組み込まれる部材が中心であり、一度採用されると、品質や性能の要求水準が高いため、サプライヤーの切り替えには多大な時間とコスト、リスクが伴う。特に、カスタム対応が求められる製品群ではスイッチングコストが高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社のビジネスモデルは、特定のプラットフォームやユーザーコミュニティの拡大に依存するネットワーク効果を生まない。
コスト優位★☆☆☆☆
製造プロセスにおける効率化や材料調達の最適化を進めているが、競合他社との圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。技術集約型の製品が多く、コスト競争力よりも品質や性能が重視される傾向にある。
規模の経済★★★☆☆
光学機能性フィルムやディスプレイ用部材の分野において、一定の市場シェアを確保しており、大手顧客との取引実績も豊富である。これにより、一定の生産規模の経済性を享受しているが、グローバルな巨大企業と比較すると、絶対的な規模の優位性は限定的。
- 独自の技術力デクセリアルズは、反射防止フィルムや光学弾性樹脂、異方性導電膜といった主力製品において、独自の技術を強みとしています。特に反射防止フィルムは、スパッタ製法を用いた優れた低反射特性と耐擦傷性を実現し、ノートPCや車載ディスプレイで高く評価されています。異方性導電膜は1977年に業界で初めて開発・量産化され、高い技術と品質で世界市場において高いシェアを誇ります。
- グローバルな顧客基盤同社はグローバルに事業を展開し、世界の主要メーカーと取引を行っています。直接の販売先だけでなく、最終製品メーカーとの密なコミュニケーションや、装置メーカー、EMS(電子機器受託製造サービス)との連携を通じて強固な関係を築いています。これにより、顧客の生産工程に即した迅速な対応や製品改良・開発へのフィードバックが可能となり、顧客満足度を高めています。
- 研究開発体制研究開発は、薄膜形成・コーティング技術、微細加工技術、光半導体技術、無機材料技術、有機材料技術、分析評価技術の6つの基軸を強化しています。本社・栃木事業所に開発拠点を集約し、コーポレートR&D本部と各事業部が連携して自律的な運営を行っています。また、日本、中国、韓国に分析・解析拠点を設置し、顧客の実装ラインを保有することで、迅速な対応と製品開発へのフィードバックを実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針経営理念「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」 当社は、知的で卓越した当社独自の技術でお客さまのニーズ、課題をかしこく、機敏に解決し、お客さまの期待を超える価値を一人ひとりの社員が誠心誠意、真摯に創造してまいります。 企業ビジョン「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」 当社は、世の中にない新しい価値を提供しつづけ、人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献します。そのために価値を創る人をつくることが当社の使命であり、目指すべき企業の姿であると考えています。 パーパス「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」 当社は、社会の効率化を実現するデジタルテクノロジーの進化に不可欠な技術・材料・デバイス・ソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することが自社の存在意義であると定義しています。 (2)経営戦略 当社は、前中期経営計画2023「進化への挑戦」を通じて持続的成長の礎を築くことができたと考えています。一方で、同計画で取り組んでいた事業ポートフォリオ拡大はまだ途上であり、地政学リスクの高まり等、ますます複雑化する事業環境において、変化を先取りする速度で進化を続ける必要があると認識しています。 そこで、2025年3月期から2029年3月期の5ヵ年を、会社としての進化を実現するステージと位置づけ、中期経営計画2028「進化の実現」(以下、「本計画」)を策定いたしました。事業ポートフォリオ拡大をさらに推し進め、変化に強い経営基盤の構築に向けて、3つの基本方針に沿った施策に取り組んでまいります。 そのうえで、持続的成長と株主還元の両立を通じて企業価値の最大化に取り組みます。具体的には、本計画期間のキャピタル・アロケーションにおいて、持続的成長のための成長投資と高水準の株主還元の両立を実現し、その計画の下で、投資の性質に応じた資本コスト管理を通じて最適資本構成を実現します。また、株主還元方針においては、安定的な配当と資本効率を念頭に、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)を導入しております。 さらに、当社ではROEを持続的な企業価値向上に関わる指標として位置づけており、事業成長と資本効率化を通じて、高水準のROEの維持に努めてまいります。あわせて、事業ポートフォリオの拡大による持続的な成長と、為替リスクのコントロールなどによる業績のボラティリティ低減の両面で株主資本コストの低減を図り、中長期にわたりポジティブなエクイティスプレッドの維持・拡大を目指します。 1.3つの基本方針 本計画では、事業ポートフォリオの拡大と環境変化に強い経営基盤づくりに向けて、以下の3つの基本方針に基づき、施策を展開します。①成長領域での事業拡大今後成長が見込まれる「自動車」「フォトニクス」の領域において、これまで培った強みを活かして新たな価値創造に挑戦し、成長領域事業の売上高構成を2024年3月期の約20%から2029年3月期には30%まで引き上げます。②既存領域における事業の質的強化収益ドライバーの幹をさらに太くするために、高付加価値製品の拡大を通じて既存事業の深掘と質的強化を図ります。③経営基盤の進化今後も変化が激しく、先行きが見通しづらい事業環境が続く前提のもと、変化に左右されない持続的成長を支える、強固な経営基盤を持つ会社に進化する取り組みを進めます。 2.経営目標 本計画では、2029年3月期の経営目標として、売上高 1,500億円、事業利益 500億円、EBITDAマージン 43.0%、EPS 626円、ROIC 14.0%程度、ROE 25.0%程度を設定しております。 (注)1.事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した当社の経常的な事業の業績を測る利益指標となります。2.EPSは、2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割前の株式数にて算出しております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROEを位置づけており、EBITDAを当社の稼ぐ力、ROICを投資効率性の指標としてそれぞれを用いています。 (4)経営環境 当社の製品が関わる主要業界では、スマートフォンやタブレット等において、液晶ディスプレイからOLEDディスプレイへの移行が継続するとともに、使用されるセンサーモジュールの大型化、複雑化が進展しており、精密に接続・固定するための素材への需要が高まっています。また、自動車向けディスプレイでは画面の大型化が進み、反射防止の高機能化に関心が高まってきています。フォトニクス分野においては、生成AIの社会への浸透によるデータセンターの増加に伴い、省エネルギー化、大容量・高速通信化を実現するための製品への需要が高まっています。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社は、中期経営計画2028「進化の実現」において、基本方針のもと各種施策に取り組み、持続的な成長を目指してまいります。特に以下の課題あるいは施策に重点的に取り組んでいきます。 ■技術と人財の強化 当社は、将来に向けた事業ポートフォリオの拡大とビジネスモデルの強化に欠かせない「技術」と「人財」(価値創出の源泉)を最も重要な経営課題(マテリアリティ)として設定しています。価値創出の源泉である「高度で多様な技術」と「それを使いこなす多様な人材」のポートフォリオをより一層強化することで持続的な成長を実現していきます。 事業ポートフォリオ拡大の過程を見据え、特にフォトニクスをはじめとした成長領域において、技術力やグローバルなマーケティング能力といった成長に欠かせないミッシング・パーツを埋める人材を、グローバルな視点で獲得し、かつ、育成を行い、人財ポートフォリオを変革していきます。 技術と人財の強化を通じて、技術で差異化を図ることができる企業への進化に継続的に取り組みます。 ■製造機能の強化 当社は、日本の労働人口減少やパンデミック時でも生産ラインの機能を維持することを念頭に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じたスマートファクトリー化、Zero Emission Buildingの構築を進めていきます。また、製造部門におけるDX人材の増強を図るなど、人的資本の強化も行っていきます。 現在は、既存領域である異方性導電膜(ACF)の生産能力拡充として鹿沼事業所の拡張に加え、成長領域であるフォトニクス領域においても増産投資を進めており、プロセスの最適化による1人当たりの生産性向上も実現していきます。 ■知的財産の活用・強化・推進 当社は、知的財産を重要な経営資産の一つととらえ、創造・保護・活用のサイクルを回しつつ、IPランドスケープを新規事業の創出や事業評価に活用しています。同時に、社員への知財教育や新しい報奨制度などにより、人的資本に対し積極的に投資し、知財で「技術」と「人財」をつなぐことで当社のマテリアリティの解決を促進し、価値の創出と持続的成長を支えていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針経営理念「Integrity 誠心誠意・真摯であれ」 当社は、知的で卓越した当社独自の技術でお客さまのニーズ、課題をかしこく、機敏に解決し、お客さまの期待を超える価値を一人ひとりの社員が誠心誠意、真摯に創造してまいります。 企業ビジョン「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」 当社は、世の中にない新しい価値を提供しつづけ、人間社会と地球環境の豊かさと質の向上に貢献します。そのために価値を創る人をつくることが当社の使命であり、目指すべき企業の姿であると考えています。 パーパス「Empower Evolution. つなごう、テクノロジーの進化を。」 当社は、社会の効率化を実現するデジタルテクノロジーの進化に不可欠な技術・材料・デバイス・ソリューションを提供することで、社会課題の解決に貢献することが自社の存在意義であると定義しています。 (2)経営戦略 当社は、前中期経営計画2023「進化への挑戦」を通じて持続的成長の礎を築くことができたと考えています。一方で、同計画で取り組んでいた事業ポートフォリオ拡大はまだ途上であり、地政学リスクの高まり等、ますます複雑化する事業環境において、変化を先取りする速度で進化を続ける必要があると認識しています。 そこで、2025年3月期から2029年3月期の5ヵ年を、会社としての進化を実現するステージと位置づけ、中期経営計画2028「進化の実現」(以下、「本計画」)を策定いたしました。事業ポートフォリオ拡大をさらに推し進め、変化に強い経営基盤の構築に向けて、3つの基本方針に沿った施策に取り組んでまいります。 そのうえで、持続的成長と株主還元の両立を通じて企業価値の最大化に取り組みます。具体的には、本計画期間のキャピタル・アロケーションにおいて、持続的成長のための成長投資と高水準の株主還元の両立を実現し、その計画の下で、投資の性質に応じた資本コスト管理を通じて最適資本構成を実現します。また、株主還元方針においては、安定的な配当と資本効率を念頭に、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)を導入しております。 さらに、当社ではROEを持続的な企業価値向上に関わる指標として位置づけており、事業成長と資本効率化を通じて、高水準のROEの維持に努めてまいります。あわせて、事業ポートフォリオの拡大による持続的な成長と、為替リスクのコントロールなどによる業績のボラティリティ低減の両面で株主資本コストの低減を図り、中長期にわたりポジティブなエクイティスプレッドの維持・拡大を目指します。 1.3つの基本方針 本計画では、事業ポートフォリオの拡大と環境変化に強い経営基盤づくりに向けて、以下の3つの基本方針に基づき、施策を展開します。①成長領域での事業拡大今後成長が見込まれる「自動車」「フォトニクス」の領域において、これまで培った強みを活かして新たな価値創造に挑戦し、成長領域事業の売上高構成を2024年3月期の約20%から2029年3月期には30%まで引き上げます。②既存領域における事業の質的強化収益ドライバーの幹をさらに太くするために、高付加価値製品の拡大を通じて既存事業の深掘と質的強化を図ります。③経営基盤の進化今後も変化が激しく、先行きが見通しづらい事業環境が続く前提のもと、変化に左右されない持続的成長を支える、強固な経営基盤を持つ会社に進化する取り組みを進めます。 2.経営目標 本計画では、2029年3月期の経営目標として、売上高 1,500億円、事業利益 500億円、EBITDAマージン 43.0%、EPS 626円、ROIC 14.0%程度、ROE 25.0%程度を設定しております。 (注)1.事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した当社の経常的な事業の業績を測る利益指標となります。2.EPSは、2024年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割前の株式数にて算出しております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROEを位置づけており、EBITDAを当社の稼ぐ力、ROICを投資効率性の指標としてそれぞれを用いています。 (4)経営環境 当社の製品が関わる主要業界では、スマートフォンやタブレット等において、液晶ディスプレイからOLEDディスプレイへの移行が継続するとともに、使用されるセンサーモジュールの大型化、複雑化が進展しており、精密に接続・固定するための素材への需要が高まっています。また、自動車向けディスプレイでは画面の大型化が進み、反射防止の高機能化に関心が高まってきています。フォトニクス分野においては、生成AIの社会への浸透によるデータセンターの増加に伴い、省エネルギー化、大容量・高速通信化を実現するための製品への需要が高まっています。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題 当社は、中期経営計画2028「進化の実現」において、基本方針のもと各種施策に取り組み、持続的な成長を目指してまいります。特に以下の課題あるいは施策に重点的に取り組んでいきます。 ■技術と人財の強化 当社は、将来に向けた事業ポートフォリオの拡大とビジネスモデルの強化に欠かせない「技術」と「人財」(価値創出の源泉)を最も重要な経営課題(マテリアリティ)として設定しています。価値創出の源泉である「高度で多様な技術」と「それを使いこなす多様な人材」のポートフォリオをより一層強化することで持続的な成長を実現していきます。 事業ポートフォリオ拡大の過程を見据え、特にフォトニクスをはじめとした成長領域において、技術力やグローバルなマーケティング能力といった成長に欠かせないミッシング・パーツを埋める人材を、グローバルな視点で獲得し、かつ、育成を行い、人財ポートフォリオを変革していきます。 技術と人財の強化を通じて、技術で差異化を図ることができる企業への進化に継続的に取り組みます。 ■製造機能の強化 当社は、日本の労働人口減少やパンデミック時でも生産ラインの機能を維持することを念頭に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じたスマートファクトリー化、Zero Emission Buildingの構築を進めていきます。また、製造部門におけるDX人材の増強を図るなど、人的資本の強化も行っていきます。 現在は、既存領域である異方性導電膜(ACF)の生産能力拡充として鹿沼事業所の拡張に加え、成長領域であるフォトニクス領域においても増産投資を進めており、プロセスの最適化による1人当たりの生産性向上も実現していきます。 ■知的財産の活用・強化・推進 当社は、知的財産を重要な経営資産の一つととらえ、創造・保護・活用のサイクルを回しつつ、IPランドスケープを新規事業の創出や事業評価に活用しています。同時に、社員への知財教育や新しい報奨制度などにより、人的資本に対し積極的に投資し、知財で「技術」と「人財」をつなぐことで当社のマテリアリティの解決を促進し、価値の創出と持続的成長を支えていきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しております。また、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組替えて比較分析を行っております。 なお、財務数値に係るIFRSと日本基準との差異については、「第5経理の状況 1連結財務諸表 連結財務諸表注記43.初度適用」をご覧下さい。 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における世界経済は、米国を中心に底堅さが続いた一方で、米政権の相互関税を含む諸政策による景気後退懸念、ロシア・ウクライナ情勢、中東紛争をはじめとする地政学リスクの高まりに加えて、為替動向の不安定さの継続により、先行き不透明な状況が続いています。 当社の製品が関わる主要業界では、スマートフォン・タブレットは堅調に推移するなかで、特に中国及び韓国のスマートフォンでは液晶ディスプレイからOLEDディスプレイへの移行が継続しました。ノートPCはコロナ禍に伴う在宅需要で購入された製品の買い替え需要により好調に推移しました。自動車は中国メーカーの販売が拡大したものの、全体では横ばいとなりました。 このような経営環境のなか、中期経営計画に基づき事業環境の変化の影響を受けにくい事業ポートフォリオの拡大に取り組みました。成長領域においては、自動車向け製品の販売拡大に加え、フォトニクスカテゴリーではデータセンター等で使われる光トランシーバー用製品の新規顧客を開拓し、製品の出荷を開始しました。また、既存領域においても、テクノロジーの進化を先回りした製品の開発・提案に取り組み、反射防止フィルムや粒子整列型異方性導電膜(ACF)などの高付加価値製品の販売が拡大しました。なお、為替相場は当期において前期に対して円安が進み、業績の押し上げ効果がありました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は110,390百万円(前連結会計年度比4.9%増)、事業利益は38,068百万円(前連結会計年度比11.7%増)、営業利益は39,735百万円(前連結会計年度比24.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、27,737百万円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。 各セグメントの業績、ならびに製品カテゴリー別の売上状況は以下のとおりであります。 (光学材料部品事業) (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率売上高51,45350,647△1.6%事業利益15,25614,556△4.6% (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 ・ 売上高は50,647百万円(前連結会計年度比1.6%減)、事業利益は14,556百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。 ・ 光学フィルムでは、反射防止フィルムにおいてノートPC用ディスプレイ向け製品の好調に加え、車載ディスプレイ向け製品の採用モデル数が増加したものの、蛍光体フィルムの販売終息により減収減益となりました。 ・ 光学樹脂材料では、光学弾性樹脂(SVR)が堅調に推移したものの、精密接合用樹脂において収益性の高いハイエンドモデルのスマートフォン向けセンサー関連製品の数量が減少し、増収減益となりました。 (電子材料部品事業) (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率売上高54,38760,43411.1%事業利益18,83023,51124.9% (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 ・ 売上高は60,434百万円(前連結会計年度比11.1%増)、事業利益は23,511百万円(前連結会計年度比24.9%増)となりました。 ・ 異方性導電膜では、主に中国及び韓国のスマートフォン向けに粒子整列型ACFの拡大が継続したことにより、増収増益となりました。 ・ 表面実装型ヒューズでは、電動工具向け製品の主要顧客の在庫調整の終了や新規案件の獲得により、増収増益となりました。 ・ フォトニクスでは、光半導体においてデータセンター等で使われる光トランシーバー用製品の新規顧客への出荷を開始したことにより、増収増益となりました。 ・ 接合関連材料では、ノートPC向け汎用品等の数量が前期並みとなり、売上高及び事業利益は前期並みとなりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税の支払による減少があった一方で、税引前利益が増加した結果、前連結会計年度に比べ12,034百万円増加し、40,433百万円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度に比べ11,047百万円支出が増加し、22,316百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払等があり、前連結会計年度に比べ10,551百万円支出が増加し、21,286百万円の支出となりました。 上記の結果、当期における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ348百万円減少し、当連結会計年度末には34,979百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)金額(百万円)光学材料部品49,08198.4電子材料部品59,814107.6合計108,895103.2(注)金額は売価換算値によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績当社グループは主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)金額(百万円)光学材料部品50,03998.2電子材料部品60,350111.3合計110,390104.9(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社レスター--14,56013.2日東電工株式会社10,1479.613,67112.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)財政状態(資産) 当連結会計年度末の資産合計は売却目的で保有する資産が減少しましたが、有形固定資産、持分法で会計処理されている投資、営業債権及びその他の債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ11,447百万円増加し、151,821百万円となりました。 (負債) 負債合計は、有利子負債(非流動負債)が減少しましたが、未払法人所得税、その他の金融負債、有利子負債(流動負債)が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ654百万円増加し、55,905百万円となりました。 (資本) 資本合計は、利益剰余金、資本剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ10,793百万円増加し、95,915百万円となりました。 2)経営成績経営成績については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は34,979百万円となり、前年度末に比べ348百万円の減少となりました。当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しており、当連結会計年度のキャッシュ・フローは以下のとおりであります。 項目前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー28,398百万円40,433百万円12,034百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△11,269百万円△22,316百万円△11,047百万円フリー・キャッシュ・フロー17,129百万円18,117百万円987百万円 当社グループの主な短期的な資金の需要としては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金、配当金の支払等を見込んでおります。なお、当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金であります。資金調達は金融機関からの借入により調達を行っておりますが、当連結会計年度末の有利子負債残高は21,078百万円であり、総資産に対して13.9%と低い依存度となっております。 当社グループでは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性を維持することを資金調達の基本としており、国内の主要金融機関との良好な関係に基づき、長期借入れを中心として必要資金を低いコストで調達しております。また、流動性資金の確保の面では、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末における総額は、13,000百万円(うち借入未実行残高は13,000百万円)であります。 連結子会社が保有する資金は、当連結会計年度末において5,486百万円でありますが、グループ資金は当社での有効活用を前提に、可能な限り配当を実施することを基本方針としており、各連結子会社の配当可能利益をベースに、各社の手元必要流動性資金を考慮の上、当社への資金還流を今後も積極的に進めていく予定であります。 株主還元方針については、中期経営計画の5年間累計で総還元性向60%を目途とし、うち年間現金配当は長期安定を基本として、配当性向40%を目安としながら、ROEや資本コスト、最適な資本構成を意識した経営を推進する意味も込めて、DOEで7%以上を下限値として設定しております。また自己株式の取得についても財務状況や株価水準、キャッシュポジションなどを勘案し機動的に実施する予定であります。 ③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。 2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。 指標2025年3月期(期初計画)2025年3月期(修正計画)2025年3月期(実績)売上高107,000百万円110,000百万円110,390百万円事業利益33,500百万円37,000百万円38,068百万円親会社の所有者に帰属する当期利益23,000百万円27,000百万円27,737百万円EBITDA39,500百万円43,700百万円44,708百万円ROIC18.8%21.0%22.9%ROE25.5%29.1%30.6%(注)2025年3月期(期初計画)は2024年5月13日、2025年3月期(修正計画)は2025年2月12日公表値 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。 (3)並行開示情報 連結財務諸表規則(第3編から第6編までを除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。 ①要約連結貸借対照表(日本基準)(単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)資産の部 流動資産69,06363,531固定資産 有形固定資産35,70347,588無形固定資産24,84024,744投資その他の資産8,40710,101固定資産合計68,95282,433資産合計138,016145,965 負債の部 流動負債30,99638,439固定負債22,06514,273負債合計53,06252,712 純資産の部 株主資本79,06389,424その他の包括利益累計額5,8903,829純資産合計84,95393,253負債純資産合計138,016145,965 ②要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)要約連結損益計算書(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)売上高105,198110,390売上原価47,93047,449売上総利益57,26862,940販売費及び一般管理費23,84626,125営業利益33,42136,815営業外収益5211,713営業外費用3,9141,330経常利益30,02837,197特別利益1312,473特別損失225635税金等調整前当期純利益29,93539,035法人税等合計8,60011,830当期純利益21,33427,205非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失(△)△47-親会社株主に帰属する当期純利益21,38227,205 要約連結包括利益計算書(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当期純利益21,33427,205その他の包括利益合計2,090△2,061包括利益23,42525,144(内訳) 親会社株主に係る包括利益23,47325,144非支配株主に係る包括利益△47- ③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額純資産合計当期首残高69,0973,79973,774当期変動額9,9652,09111,178当期末残高79,0635,89084,953 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額純資産合計当期首残高79,0635,89084,953当期変動額10,361△2,0618,300当期末残高89,4243,82993,253 ④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー27,45739,857投資活動によるキャッシュ・フロー△10,866△22,316財務活動によるキャッシュ・フロー△10,343△20,710現金及び現金同等物に係る換算差額1,875277現金及び現金同等物の増減額(△は減少)8,123△2,892現金及び現金同等物の期首残高29,28637,410現金及び現金同等物の期末残高37,41034,518 ⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(持分法適用の範囲の変更) 前連結会計年度において、ORTHOREBIRTH株式会社を持分法の範囲から除外いたしました。これは、前連結会計年度において当社が当該株式をすべて売却したためであります。 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (持分法適用の範囲の変更) 当連結会計年度において、連結子会社であったDexerials Hong Kong Limited、Dexerials Korea Corporation、Dexerials Taiwan Corporationについて株式の一部を売却したため、持分法適用関連会社となっております。加えて、当該会社はそれぞれ、Restar Dexerials Hong Kong Limited、Restar Dexerials Korea Corporation、Restar Dexerials Taiwan Corporationへ商号を変更しております。 また、SemsoTec GmbH、SemsoTec Engineering Services and Product GmbHへ出資を行い、当該2社は当社の持分法適用関連会社となっております。 (4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 43.初度適用」に記載のとおりであります。 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(のれんの償却) 日本基準では、合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって、定額法により、「販売費及び一般管理費」としてのれんを償却しておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降は非償却としております。 この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が2,341百万円減少しております。 (株式報酬) 日本基準では、株式給付信託(J-ESOP及びBBT)について、株式等の給付が見込まれる額を負債に計上しておりましたが、IFRSでは、J-ESOP及びBBTともに持分決済型株式報酬のため、資本として認識し、付与日の公正価値に基づいて測定しております。 この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「売上原価」が1,020百万円、販売費及び一般管理費400百万円増加し、法人税等調整額が444百万円減少しております。 (未消化の有給休暇) 日本基準では負債を認識していない従業員の未消化の有給休暇について、IFRSでは負債として認識しております。 この影響により、IFRSでは未消化の有給休暇について「従業員給付」に含めて1,320百万円計上しております。 (リース) 日本基準ではオペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理しておりましたが、IFRSでは「使用権資産」及び「リース負債」を計上しております。 この結果、IFRSでは日本基準に比べて、使用権資産及びリース負債がそれぞれ1,277百万円及び1,324百万円増加しております。
事業リスク
- 経済状況の変動デクセリアルズはグローバルに事業を展開しているため、世界経済の動向や金融不安が製品の需要に大きく影響します。特にスマートフォンやタブレットPCなどの完成品市場は景気変動の影響を受けやすく、経済の減速やサプライチェーンの混乱、資源価格の高騰などが需要減少につながる可能性があります。急激な需要変化に対応しきれない場合、固定費の調整が難しくなり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 競争激化と人材確保同社が製品を展開する市場では、競合他社との厳しい競争が続いています。競合他社が研究開発や資金力で優位に立つ場合や、優秀な研究者・エンジニアを確保できない場合、またはデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れにより事業効率が向上しない場合、競争力が低下する可能性があります。また、顧客がコスト削減や戦略変更により、仕入先を競合他社に切り替える可能性もあり、市場シェアの減少や業績への影響が懸念されます。
- 事業ポートフォリオ変革の遅れ現在、売上高に占めるコンシューマーIT関連製品の割合が高く、ディスプレイメーカーやセットメーカーの事業戦略、モデルチェンジ時期、販売量に業績が左右されやすい状況です。同社は自動車やフォトニクスといったコンシューマーIT以外の分野への事業ポートフォリオ転換を進めていますが、この転換が遅れると、コンシューマーIT製品業界全体の需要低下や特定製品の需要減少が、業績に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループのリスクのうち主要なものを記載しており、当社グループに係る全てのリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測し難いリスクが存在する可能性があるものと考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経済状況の動向 当社グループは各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しております。このため、世界の経済状況の動向や金融不安が当社グループの製品の需要に大きく影響を与えます。また、当社グループの製品を使用するスマートフォンやタブレットPC等の完成品の市場は、経済環境の変化及び景気変動の影響を受けます。中国その他の新興国を含む重要な経済圏における経済の減速、サプライチェーンの混乱、原油など資源価格の高騰やその他の物価の上昇による経済の混乱、欧州や米国等における金融又は銀行部門における継続的な不安定性、日本及び先進国における政府による景気刺激策や金融政策の失敗、ウクライナや台湾などの地域を含む世界各国の不安定な政治情勢、感染症の世界的な拡大による影響などにより、広範囲かつ長期間に亘る世界経済の低迷が生じる可能性があります。当社グループは急激な需要変化に的確に対応できる生産及び販売管理体制への取り組みを進めておりますが、当社グループの製品に対する需要が減少した場合に、速やかに固定費用を切り下げるなどの調整を行うことが難しく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (2)競争の激化 当社グループが製品を展開している市場では厳しい競争が続いております。当社グループの競合他社は、研究開発、生産能力、資金や人的資源等において、当社グループよりも強い競争力を有する場合があります。また、当社グループはダイバーシティの推進、働き方改革に取り組むことでより働きやすい労働環境の整備を進め、新卒採用や経験者の通年採用など優秀な人材の獲得を積極的に行っておりますが、優秀な研究者やエンジニア等の人材を確保できない場合、重要な人材が当社グループの競合他社に転職する場合、またデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの遅れなどにより事業の効率性向上が十分に進まない場合等には、競合他社対比で当社グループの競争力が相対的に低下する可能性があります。さらに、ディスプレイメーカー・セットメーカーを始めとする当社グループの製品の顧客は、その市場において激しい競争に直面していることから、品質やコストの改善を図るために、又は当該顧客における再編や戦略の変更等により、仕入先を当社グループから競合他社に切り替える可能性や当社グループへの注文を減少させる可能性があります。当社グループは差異化技術を用いた高付加価値製品の開発など事業の強化を進めておりますが、当社グループが競合他社との競争において優位に立てない場合には、当社グループの市場におけるシェアが減少し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (3)事業ポートフォリオの変革の遅れ 当社グループは、高機能材料メーカーとして光学材料及び電子材料の事業領域で製品を展開しており、売上高に含まれるコンシューマーIT関連製品は高い競争力を有する反面、ディスプレイメーカーやセットメーカーによる事業戦略や販売戦略の変更、完成品のモデルチェンジの時期及び販売量は、当社グループの製品に対する需要に影響を与えます。当社グループは、事業ポートフォリオ変革の一環として、自動車・フォトニクスといったコンシューマーIT以外の分野・製品においても、当社グループ製品の採用拡大に努めておりますが、事業ポートフォリオ転換が遅れ、コンシューマーIT製品への依存度の低下が進まない状態において、コンシューマーIT製品業界全体の需要低下や当社グループの製品を使用している製品に対する需要の減少等の事態が生じた場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (4)業績の季節的変動等 当社グループは事業の特性上、スマートフォン・タブレットPC、ノートPC等の最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向の影響を受けやすくなっております。よって、当社グループの業績は、短期的には上記の最終製品の新モデル投入時期及びその販売数量、並びにそれらの関連製品に係る主要顧客からの受注の影響を受けやすくなっています。また、クリスマス等の年末休暇や中国の春節等の商戦期に向けて当該最終製品の生産が本格化する第2四半期及び第3四半期に業績が偏重する傾向があります。当社グループは季節的変動が少ない自動車及びフォトニクスを主とした成長領域の売上の拡大に取り組んでいますが、電子部品関連業界の動向の影響を受けやすい製品が当社グループの売上高に占める割合は依然として高く、上記のような最終製品で使用される中小型ディスプレイや電子部品関連業界の動向、及び最終製品の動向が当社グループの製品に対する需要に与える影響により、当社グループの売上は四半期毎又は連結会計年度毎に変動する可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (5)製品の販売価格の下落 当社グループは、常に付加価値の創出及び製品の高品質化に努め、価格水準の維持及び向上を目指し、工程改善、歩留りの改善等によるコスト低減に取り組み、製品の販売価格の下落リスクに備えておりますが、光学材料及び電子材料市場での生産過剰、需要の減少、低価格帯の製品を提供するメーカーによる高性能製品市場への進出、顧客との交渉の結果等により、当社グループでのコスト低減幅以上に当社グループ製品の価格が下落した場合又は利益率の低い製品の販売比率が拡大する場合には、当社グループが十分な利益を確保することが困難となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (6)海外での事業展開 当社グループは、日本、中国及び米国に製造拠点を有し、世界各国に進出してグローバルな事業展開を積極的に推進しており、当社グループの売上の相当程度の部分は、海外顧客向けの製品の販売によるものとなっております。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な経済環境、当社グループの製品の製造・輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理上の問題及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力・輸送・通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令・規制・商慣習及び実務上の取扱いの違い、テロ、戦争、経済制裁、貿易摩擦、感染症の世界的な拡大、ボイコットの発生等のリスクが内在しております。当社グループでは政治的・経済的な社会情勢の変化を適時に当社グループ内で共有し、適宜対応に努めておりますが、全ての変化を把握することは困難であり、これらのリスクが顕在化した場合、売上の減少、費用の増加、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (7)買収(M&A)、事業提携及びその他の戦略的投資 当社グループは、買収(M&A)、事業提携、パートナー企業との協業及びその他の戦略的投資を成長のための経営戦略の1つとして位置付けており、新規市場への参入や新規領域事業の展開等のために買収、事業提携、パートナー企業との協業及びその他の戦略的投資を行い、今後も実施する可能性があります。買収、事業提携、パートナー企業との協業及びその他の戦略的投資を行う際には、対象企業や新規領域事業等の投資先について詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題が判明する可能性や、投資先の企業の業績変動により投資先企業の価値評価が大幅に下落し損失を計上または追加的な支出が発生する可能性があります。また当社グループは、買収、事業提携、パートナー企業との協業及びその他の戦略的投資並びに各事業に係る固定資産の取得及び保有に際しては投資経済性評価を実施し、投資回収とリスクの検討を行っておりますが、市場動向や価格下落などの理由によって事業収益性が低下し、対象となる資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となる可能性があります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (8)技術開発等 当社グループが事業展開する分野は、技術革新とコスト競争力について厳しい要求があり、さらに、競合他社の新技術や新製品開発、当社グループ製品を使用している完成品における新技術や新製品開発、業界における標準や顧客のニーズの変化により、当社グループの製品が予期せぬ陳腐化を起こす可能性があります。また、当社グループの売上及び営業利益の相当部分は特定の主力製品の販売によるものとなっており、これらの主力製品に代替する技術が競合他社により開発された場合や競合他社がこれらの主力製品より優れた製品を導入した場合には、当社グループの製品への需要が減少する可能性があります。当社グループは中期の開発戦略のもとに新技術や新製品の開発、新用途・新市場の開拓や生産プロセス改革に必要な研究開発投資や設備投資をしておりますが、市場の変化が激しい業界において変化を予測することは容易ではなく、開発した製品について想定した売上等の効果が得られない可能性があります。また、当社グループは顧客が要求する仕様に応じて当社グループ製品を顧客毎にカスタマイズしておりますが、当社グループが常にこの様な顧客の要請に応えられる保証はなく、さらに、顧客が当社グループに求める価格、時期、数量で当社グループ製品を供給できる保証はなく、また、顧客が当社グループに求める高度なアフターサービスを提供できない場合もあります。これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (9)原材料の調達 当社グループは、原材料が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を構築しておりますが、原材料の一部の供給を特定の購入先に依存しております。当社グループは、購入先を複数にするなど主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、原材料によっては特定の購入先に依存せざるを得ないものがあり、原材料の購入先が、原材料の供給遅延、供給不足その他の理由により当社グループとの購入契約上の義務を果たせなくなり、また、購入先による原材料の値上げや主要な購入契約が終了した場合には、当社グループは原材料を市場又は他の購入先から調達しなければならず、有利な価格で原材料を調達できる保証はなく、また、これにより当社製品の出荷を予定通り行うことができなくなる可能性があります。さらに、原材料の価格や燃料価格が上昇する可能性があり、上昇したコストを製品価格に転嫁できない場合や、購入先の自然災害での被災、事故、倒産等により供給が中断し、必要な主要原材料を確保できなくなる場合、および法規制の導入や改正により原材料の使用が制限される場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (10)知的財産 当社グループは国内外で多くの知的財産権を保有し、維持・管理しております。しかし、当社グループの知的財産権が無効とされる可能性、当社グループの知的財産が特定の国・地域では十分な保護が得られない可能性や模倣される可能性等があり、当社グループの保有する知的財産権の保護が損なわれる可能性があります。また、当社グループは、主要な競合他社を含む第三者から使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用する場合がありますが、今後、必要な使用許諾等を第三者から受けられなくなる可能性や、当社グループにとって不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性、競合他社が当社グループより有利な条件で第三者から使用許諾等を受ける可能性があります。さらに、第三者の知的財産権を侵害したことにより、当社グループが当該第三者に対して損害賠償責任を負う可能性や、当社グループの一定の製品の開発・製造をする権利を失う可能性等もあります。加えて、当社が他社との業務提携等を行ったことにより、他社が第三者との間で締結しているライセンス契約上の制約が、当社グループに課せられる可能性もあります。当社グループは他社の知的財産権の調査を行い、これらの問題が発生することの無いように努めておりますが、全ての問題発生の可能性を排除できる保証はなく、これらの状況が生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (11)製品の欠陥 当社グループの事業は、部材の企業間取引が基本となっておりますが、当社グループの製品に欠陥があった場合には、修理や回収等に相当程度の費用が生じ、また、顧客の完成品に生じた欠陥について補償を求められる可能性があります。また、当社グループの製品に欠陥があった場合には、当社グループの顧客との関係や当社グループの信用及び評判に悪影響を与える可能性があり、当社グループの製品の売上やシェアが低下する可能性があります。さらに、当社グループの顧客又は完成品の消費者に対して製造物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の欠陥に関して当社グループに訴訟が提起された場合、製造物賠償責任保険の保険料が増額される可能性や製造物賠償責任保険を継続できない可能性があります。特に、車載や医療等の分野については、大規模なリコールが発生する可能性や、製造物責任賠償請求がなされることにより当社グループに大きなレピュテーション上のリスクが発生する可能性があります。当社グループは国際的な品質管理システムに従って製品を製造し、品質管理を行っておりますが、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (12)環境問題 当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適用を受けております。事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが過去又は現在所有する工場用地等において汚染物質が発見された場合や新たな環境規制が施行された場合には多額の費用が発生し、当社グループの活動が制限され、当社グループが環境規制を遵守できない可能性があります。当社グループは、環境保全活動を重要な方針の一つとして掲げ、CO₂排出量等の自主的な削減計画を作成し、実行しておりますが、かかる自主的な削減計画等が当社グループの想定した通りに実行できる保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (13)気候変動等による影響 当社グループは、気候変動問題は持続可能な社会実現のために人類が解決すべき重要な課題であり、企業にとって気候変動の対応は事業継続の前提条件であると考えています。 当社グループは、気候変動に関連するリスク、機会及びこれらの影響の評価に取り組む姿勢を明確にするため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明し、再生可能エネルギーの導入などにより、2030年度に、2019年度比でScope1およびScope2の排出量を46%削減し、Scope2の排出を実質ゼロとすることを目標に掲げるとともに、顧客の製造工程の省エネルギー化や最終製品のエネルギー効率向上に資する製品の提供を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献するべく気候変動への取り組みを進めており、統合レポートや当社ウェブサイトを通じて、推奨される情報を継続的に開示しています。 当社グループは気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指しておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加等を生じさせ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (14)コンプライアンスと法規制 当社グループの事業については各国の競争、汚職防止、コーポレート・ガバナンス、労働、消費者保護、電力、租税等に係る各種法令による規制を受けており、当社グループがかかる法規制に違反する場合、また、当社グループが保有する許認可等に付された条件や制約を遵守できない場合には、規制当局からの制裁や罰金、罰則の適用、追加費用の負担や許認可等の剥奪等の可能性があります。また、法規制の強化や大幅な変更がなされた場合にも、当社グループの活動が制限され、当該法規制の遵守のために新たなコストが発生する可能性があります。当社グループは、内部統制システムを構築した上で各国の法規制の遵守に努めておりますが、かかる法規制の遵守の努力が有効である保証はなく、これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (15)訴訟 当社グループは世界各地において事業活動を展開しており、取引先等との間の訴訟を含む様々な訴訟等が提起される可能性があります。訴訟対応コストがかさむ場合、当社グループに不利益な判決、決定又は判断等がなされる場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (16)情報セキュリティ 当社グループは、研究開発、製造、販売及び営業など企業活動において、顧客・取引先に関する情報、技術情報、業務上のノウハウなど多様な情報資産を当社グループの情報システム内や様々な形態で保有・管理しております。しかしながら、サイバー攻撃の高度化や巧妙化、不正アクセス、災害等の不測の事態により、情報の漏えい、滅失、改ざん等が発生した場合、当社グループの業務遂行に支障をきたし、損害賠償請求、信用の毀損、法的責任の発生を通じて、当社グループの事業運営に重大な影響が生じる可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ対策として、外部ITベンダーとの連携によるシステム強化、従業員への教育・啓発、セキュリティ監視体制の構築等に取り組んでおりますが、これらの対策が将来に亘ってすべてのリスクに対応し得る保証はありません。これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (17)事故・災害等による影響 当社グループは操業安全と事業継続性の確保を掲げ、災害や事故の未然防止の対策及びBCPを策定しておりますが、当社グループが事業展開を行っている又は当社グループの取引先が所在する各国における地震や津波、洪水といった大規模な自然災害や感染症の世界的な大流行があった場合、当社グループのみに限定されず、電力・ガスなどのインフラ被害や、原材料の調達・物流・顧客など、広範囲にわたるサプライチェーンへの被害により、事業の中断につながる可能性があります。特に日本では地震が発生する確率が高く、大規模地震が発生した場合、直接的な被害を受ける可能性や、製造工程において火災や化学物質による人的被害が発生する可能性もあります。さらに、このような自然災害のみならず暴動・労働争議によっても、当社グループの事業が中断する可能性があります。これらの状況が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (18)為替相場の変動 当社グループは、日本円以外の外貨建てによる取引も行っており、製品・サービス等のコストや価格及び外貨建ての資産・負債は為替相場の変動による影響を受けます。当社グループでは、この影響を最小限に抑えるべく、適宜為替予約等によるヘッジを行っておりますが、かかるヘッジにより為替リスクを完全に回避できるわけではなく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。なお、海外関係会社の現地通貨建の資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。